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2017年11月8日 第5回食品衛生法改正懇談会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

○日時

平成29年11月8日(水)10:00~12:00


○場所

航空会館7階701-703号室


○出席者

食品衛生法改正懇談会構成員(敬称略)

川西 徹 朝倉 宏 浦郷 由季
片野 緑 桑崎 俊昭 中村 重信
花澤 達夫 浜田 陽子 平沢 裕子
森田 満樹 横田 明美

オブザーバー

鋤柄 卓夫 (農林水産省 消費・安全局 食品安全政策課 課長)
井河 和仁 (消費者庁消費者安全課政策企画専門職)
高橋 亨 (消費者庁食品表示企画課課長補佐)
吉田 易範 (内閣府 食品安全委員会事務局評価第一課長)

事務局(11月8日時点)

宇都宮 啓 (生活衛生・食品安全審議官) 吉永 和生 (大臣官房審議官) 大西 友弘 (生活衛生・食品安全企画課)
関野 秀人 (食品基準審査課長) 道野 英司 (食品監視安全課長) 黒羽 真吾 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
森田 剛史 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長・食品監視安全課食中毒被害情報管理室長) 梅田 浩史 (食品監視安全課輸入食品安全対策室長) 蟹江 誠 (食品監視安全課HACCP企画推進室長)
一戸 和成 (生活衛生・食品安全企画課長補佐)

○議題

懇談会取りまとめ(案)について

○議事

○大西生活衛生・食品安全企画課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回「食品衛生法改正懇談会」を開催させていただきます。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 まず、出欠ですが、本日は、大前構成員を除いて11名の構成員の皆様に御出席をいただいています。

 次に、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。資料は、A4縦で「食品衛生法改正懇談会取りまとめ(案)」をお配りしています。参考資料1として「食品衛生法改正懇談会取りまとめ(ポイント)(案)」、参考資料2として「食品衛生法改正懇談会取りまとめ(概要)(案)」をお配りしていますが、配付漏れなどございませんでしょうか。なお、第1回から第4回目の懇談会資料につきましても、お手元に緑のファイルに綴じてあります。

 事務局の事情で恐縮ですが、本日、生活衛生・食品安全審議官の宇都宮につきましては、遅れて到着する予定です。その際、今回が最終回ですので、御挨拶をさせていただきたいと考えております。また、宇都宮審議官と大臣官房審議官の吉永につきましては、公務の都合で11時前頃に会議を中座させていただきますので、御了承をお願いいたします。

 カメラはここまでということでお願いいたします。

(報道関係者退室)

○大西生活衛生・食品安全企画課長 では、以降の議事につきましては、川西座長にお願いいたします。

○川西座長 それでは、早速、議事に移りたいと思います。

 事務局において、これまでの懇談会で構成員の皆様よりいただいた御意見を踏まえて、本懇談会の取りまとめの報告書(案)を作成しております。構成員の皆様には事前に事務局より案をお送りしていると思いますけれども、まずは事務局より、この案について一通り説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 それでは、お手元の資料「食品衛生法改正懇談会取りまとめ」について、概略を説明します。

 表紙をめくって「はじめに」というところから始まります。9月から11月にかけて5回にわたって全般的な議論をしたという懇談会の開催経緯を述べています。

 2ページ目から内容に入ってまいります。まず「食品衛生法改正の基本的考え方」ですが、当懇談会での御指摘を受けて、15年改正の意義について整理をしています。その上で、近年の状況変化として、少子高齢化の進行等に伴って、調理食品、外食・中食へのニーズが高まっていること、健康食品の利用が拡大していること、あるいは、食のニーズの変化や高齢人口の割合の拡大が食中毒件数、患者数を押し上げていく懸念があるといったこと、食についてもグローバル化が進んでいることなどの背景の変化を説明しております。一方で、我が国の食の安全に関する問題は依然として発生していること、食中毒の発生件数は依然として高い水準にあって、また、広域的な食中毒事案も顕著であること、健康食品に起因する健康被害、食品への異物混入といった事案もあること、またさらに、国際標準と整合的でないことについて2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて喫緊の課題になっているということ、これらを踏まえて、食品衛生法改正に直ちに取り組むことが必要だということで、以下、課題と方向性を整理するとしています。

 課題と方向性については、4ページ以降の「健康被害の防止や食中毒等のリスク低減」、15ページ以降の「食品安全を維持するための仕組み」、20ページ以降の「食品安全に関する国民の理解促進」という大きく3章立てになっております。

 まず4ページの「食中毒対策」です。食中毒の現状について、近年、食中毒発生件数が下げどまりの傾向が見られることから、今後の基本的対応としては、フードチェーンの多様化や都道府県を越える広域的な食中毒事案などを踏まえて、的確な食中毒対策を講じるべきとしています。具体的には、消費者への注意喚起の強化、フードチェーン全体を通じた衛生管理の向上、また関係機関等の連携強化として、厚生労働省と都道府県の連携、感染症対策との連携といったことを記載しています。

 5ページ12行目からの「HACCPによる衛生管理の制度化」です。導入の意義・現状についての説明がありまして「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」の検討結果を整理しています。具体的には6ページ10行目以降にありますが、(1)事業者においてHACCPに関するさまざまな誤解が生じているといったこと、(2)HACCPのコーデックスの7原則を要件とする基準Aを原則としつつ、それをそのまま実施することが困難な小規模事業者等については基準Bによることを可能とし、基準Bの範囲については従業員数等を踏まえて総合的に検討する。それから、基準Bについてはその策定が負担にならないような手順書の作成などを推進するということ、(3)事業者に対するきめ細かな支援や、研修の充実等による食品衛生監視員の資質の向上が必要ということ、(4)基礎的な知識を持つ人材等の育成を図る必要があること、(5)HACCPに取り組むべき事業者の把握のため、現行の営業許可対象事業者以外の事業者についても都道府県等で把握できる仕組みを構築する必要があること、これら5点が検討会での取りまとめの中で課題として掲げられていたということです。当懇談会としては、検討会で示された方向性等を踏まえつつ、基準Bについては小規模事業者が前向きに取り組むことができるようにすること、食品衛生推進員など民間人材の積極的な活用で消費者への理解促進を図ること、あるいは、事業者が意欲を持って取り組めるような仕組みを検討すべきとの御指摘をいただきました。それから、HACCPによる衛生管理の制度化について、許可業種等の見直しとの関連性に留意するとともに、施行に当たって、事業者や自治体に混乱が生じないように配慮して十分な準備期間を設けることが必要との御指摘を記載しています。

 7ページ17行目からの「農薬等・添加物・遺伝子組換え食品」です。まず農薬については、現状についての記載が7ページにありまして、今後の対応としては8ページからですが、ポジティブリスト導入時に設定した農薬等の暫定基準について本基準への移行を促進することが必要であること、ARfDを考慮した基準値の設定を進めていくこと、残留基準の設定における食品分類を見直して、個別の食品ごとではなく、食品のグループ化を行うことにより国際整合を推進する必要があるとの指摘を記載しています。

 次に添加物については、現状についての記載が8ページ13行目以降にあり、今後の対応については24行目からですが、マーケットバスケット調査方式により実態把握等に努めること、新たな科学的知見の集積に応じたリスク評価、リスク管理の観点から、指定添加物の再評価についても検討する必要があること、既存の添加物について、現在、進められている安全性の評価・確認及び規格基準の策定の加速化を一層図る必要があるとの御指摘を記載しています。

 次に遺伝子組換え食品については、現状についての記載が8ページ35行目以降にあり、今後の対応としては9ページ5行目以降ですが、これまでに審査されたことのない種類の遺伝子組みかえ食品の開発について適切な安全性審査を行っていくこと、新しい育種技術を活用した食品について国際的な議論を踏まえながら検討を行い、その検討状況については早期の段階から適切に情報発信して、国民に丁寧に説明する必要があるとの御指摘を記載しています。

 9ページ16行目から「器具及び容器包装」です。現行規制について記載した後、30行目から、昨年開催された検討会の検討結果をまとめています。そこでの課題としては、10ページ1行目以降にありますが、(1)合成樹脂をポジティブリスト制度の対象とするということ、(2)ポジティブリスト制度の対象となる物質の範囲やリスク管理の方法については諸外国等の取り組みを踏まえて検討する。それから、従来から使用されている既存物質は、一定の要件を満たす場合には引き続き使用可能になるように配慮するということ、(3)ポジティブリストに適合する製品を製造するために、必要な情報が事業者間で伝達される仕組みの構築が必要であること、(4)適正な製造管理を制度として位置づける必要があること、(5)監視指導に当たって、自治体が関係業者を把握するための届出等の仕組みを検討すること、とされています。また、今年の9月からは「食品用器具及び容器包装の規制の在り方に関する技術検討会」が開催されておりまして、そこでは、円滑な規格基準策定のための第三者機関の活用についても検討されています。そこで、今後の対応としては、これらの検討会で示された方向性を踏まえつつ、ポジティブリスト制度の対象となる物質の範囲等について検討して、制度の導入に取り組む必要があるということを記載しています。

10ページ34行目から「いわゆる『健康食品』」です。現状については、医薬品のような科学的に厳密な効能効果が認められていないにもかかわらず、その広告等は効能効果を暗示したキャッチコピーや利用者の体験談などを使って間接的に効能効果を表現していることが多いということ、また、消費者の中には医薬品のように誤解している者、あるいは食品由来、天然・自然由来であれば安全である、医薬品と異なって副作用がないという誤った認識を持っている者も少なくないということ、しかし、食品であっても一般的でない摂取方法や特定成分の過剰摂取によって身体に悪影響を及ぼす可能性があり、いわゆる「健康食品」の多くは、成分の含有量、製品全体の品質管理についての法的規制がないため、製品としての安全性や有効性の確認は製造者の自主性に委ねられていることから、安全性等の確保が明らかでないものが流通する可能性も排除できないということ、を記載しています。また、食品衛生法6条、7条に基づく流通禁止措置については制限的な運用がされているということ、製造管理は現在は通知によって行われているということですが、以上のような措置が講じられているにもかかわらず、健康被害事例が依然として起こっているということを記載しています。今後の対応としては、12ページ29行目からですが、現行の制度では、いわゆる「健康食品」について規格基準の設定や個別の製品の許可・認証等の事前規制がないため、今後もこうした健康被害事例が発生する可能性が否定できず、健康被害を未然に防止するためには、法的措置による規制の強化も含めた実効性のある対策の検討を行うべきとしています。具体的な内容については、12ページ35行目以降ですが、様々な形状の製品があるのでそれにとらわれないことが重要であるという一方で、実効性の観点からは、規制目的と手段の均衡を図る観点から、リスクの高い成分を含む、またはカプセル・錠剤等の形状で抽出・濃縮等された特定の成分を多量に摂取する可能性がある食品に対象を限定することなども考慮するべきとしています。さらに、長期的な課題としては、EU等でNobel Food規制が採用されていることに鑑みて、食経験のない食品や摂取方法等について上市前にリスク評価を行う仕組みについても検討していく必要があるということを記載しています。それから、適切な規制に活用するために、いわゆる「健康食品」の製造事業者を行政が把握する仕組みを設ける必要があるということ、原材料の安全性、あるいはGMPに基づく製造工程管理についてより実効性のある仕組みを検討すること、健康被害発生時の対応として、食品衛生法7条を柔軟かつ機動的に適用できるように規定または運用を改善することが重要としています。また、被害情報の把握についても改善が必要であり、事業者からの国への報告を義務化するなど、事業者や医療機関、地方自治体などを通じた被害情報の収集体制を確立するとともに、収集した情報を適切に処理することが重要だとしています。14ページ1行目に行きまして、健康被害情報のうち特に重篤と考えられるものについては、因果関係が明らかでなくても迅速に情報提供や注意喚起を行うことも検討すべきということを記載しています。リスクコミュニケーションの強化については、誤った情報や過大な期待がありがちな傾向を踏まえて、関係者が連携し、マスコミ等の協力も得ながら、適切な情報が消費者や事業者に確実に伝わるようにすることや、インターネット等に氾濫する情報について監視を行うことが重要であること、その際、いわゆる「健康食品」は食品であって、医薬品のような効能効果はないということ、医薬品のかわりではないという前提を特に強調すべきだということを記載しています。最後に、「健康食品」という呼称自体、消費者の誤解を生む一因でもあり、法令上も定義がないということで、これらの見直しについても検討すべきということを記載しています。

14ページ19行目から「野生鳥獣肉の衛星管理」です。今後の対応としては、ガイドラインの遵守や、データの収集、整理、分析を行うということについて記載しています。

 続きまして、15ページ目から「食品安全を維持するための仕組み」の章になります。

まず、監視指導の体制についてですが、今後の対応として、自治体等での人材不足への対応、試験法の積極的な開発等について記載しています。

15ページ28行目から「営業許可及び営業届出」です。現状については、昭和47年から現在に至るまで見直しが行われていない一方で、近年、食品製造・加工・流通形態の多様化等が進んでいるということ、許可分類が細分化されているために1施設で複数の営業許可取得が求められることや、許可の基準が都道府県等ごとに異なっているなど事業者の負担になるという指摘があるということを記載しています。今後の対応としては、16ページ17行目以降ですが、食中毒リスクに応じたものにする等の合理性のある一定の判断基準を設けた上で、許可の対象を見直すこと、許可対象事業者以外の事業者を対象とする届出制度を創設して、営業の実態に応じたわかりやすい仕組みを構築する必要があるとしています。業種の区分については、現行の区分や施設要件、各食品の特性なども踏まえて、可能な限り大くくりでまとめて整理するべきとしています。また、許可業種の見直しに当たっては都道府県等への財政面での影響に配慮すること、都道府県や事業者への負担に配慮して、届出事項を最小限とした上で、システムの活用などによって容易に届出ができるよう工夫するといったことについても御指摘いただいています。

16ページの33行目から「食品リコール情報を把握する仕組みの構築」です。現状を踏まえて、食品の安全情報を国民に適切に提供する観点から、食品等事業者みずからが製造・輸入等を行った製品について自主回収を行うとした場合の情報を国が把握する仕組みを構築する必要があるということ、その際、HACCPによる衛生管理計画の中でも自主回収の手順について定めることを検討すべきだということを記載しています。報告を義務づける対象の範囲や報告を行う基準を明確にする必要があるということ、それから、健康被害があるものの回収に至っていない製品の情報提供についても併せて検討すべきということ、アレルゲンや消費期限等の食品表示法違反により回収する場合についても報告を義務づける必要があるということ、回収情報を把握するに当たって全国共通の報告システムの構築を検討すること、国民への周知についてわかりやすくするということなどを御指摘いただいています。

17ページ32行目から「輸入食品の安全性確保」です。輸出国段階での衛生管理対策の強化を図る必要があるということで、日EUEPAとの関係で輸入量の増加が見込まれる乳製品や生産地での衛生管理が重要な水産食品等についても、食肉等と同様に、輸出国政府機関が発行した衛生証明書を輸入の要件とすべきということ、水際段階での対策として食品衛生監視員の増員を図るべきことなどを御指摘いただいています。

19ページ1行目から「食品の輸出」ですが、今後の対応として、都道府県等での人員や予算確保が困難な要因になっていることを踏まえて、食品衛生法に必要な規定を設けるということ、HACCPの制度化に係る取り組みを通じて、輸出に携わる食品等事業者の国際競争力の向上が期待される中、円滑な輸出に資するため、輸出手続の電子化等について強化を図る必要があるということを記載しています。

 続きまして、20ページ目から「食品安全に関する国民の理解促進」ということでリスクコミュニケーションについての章になります。まず、リスクコミュニケーションの重要性についての認識が示された上で、現状を見ると、わかりにくいという御意見をいただいているということで、具体性を持った情報を含める、親しみを持たせた形で周知する、適切にテーマを選定するなど、リスク等に関する情報を正しく消費者に伝えるため、発信方法と発信内容についてさらに工夫が必要であるということ、より多くの一般消費者が参加できるようにすること、それから、関係省庁がより良く連携して取り組む必要があるということ、情報発信だけではなくて意見交換等も実施することが重要だということを御指摘いただいています。今後の対応としては、具体的な課題として、鶏肉などの生食のリスク、ジビエなど食経験のばらつきがある食品、いわゆる「健康食品」も含めた新規の食品、BSE、フグ、キノコ、食品中の放射性物質、添加物や農薬等を含めたマーケットバスケット調査の問題について記載しています。また、21ページ22行目以降ですが、行政から消費者に注意喚起をする際には迅速に、関係省庁によって用いる用語が異ならないようにするなど、わかりやすさに配慮する必要があるということ、健康に直ちに影響がないような食品が廃棄されている現状について、食品ロス削減の観点からも、まずはリスクコミュニケーションの課題として社会全体の理解を促していくということ、インターネット等に出回っている情報の収集にも配慮するということ、正しい情報の伝達や人材育成といったことについても御指摘をいただきました。

22ページ目から「おわりに」ですが、この報告書は食品衛生規制全般のあり方について法改正も念頭に置きながら見直しの方向を取りまとめたものであり、この報告書の提言の中には、中長期的な検討を要するもの、法律改正を必要としないものなど、幅広い論点が含まれていることから、厚生労働省では、この報告書の内容を踏まえて早急に検討し、国民意見の聴取なども行って、食品衛生法改正を含めた具体的な対応を計画的に進めることを求めるとしています。また、食品衛生規制の見直しについては、自治体や関係事業者への影響も非常に大きいので、丁寧な説明、意見交換、必要な支援等が重要だということ、そして、この報告書を契機として国民的な議論が活発に行われることを期待したいして締めています。

 後ろに、名簿と開催の経緯を添付しています。

 資料の説明は以上ですが、ここで生活衛生・食品安全審議官の宇都宮から一言御挨拶を申し上げます。

○川西座長 では、審議官から一言御挨拶をお願いします。

○宇都宮生活衛生・食品安全審議官 会の途中で申しわけございません。本日、公務が非常に立て込んでおりまして、この後も、御挨拶してすぐ戻らなければならないので、会の途中で大変申しわけございませんが、こちらで御挨拶させていただきたいと思います。

 このたび、平成15年の食品衛生法改正以来、非常に古くなってしまった食品衛生規制全般につきまして、構成員の皆様方には大変忌憚のない活発な御議論をいただきまして、重要な指摘をたくさんいただきました。この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。

 また、非常に短い期間ではございましたけれども、おかげさまで円滑に運営されまして、本日、取りまとめということになったわけでございます。

 この取りまとめにつきまして、今の最後の「おわりに」のところにも書いてございましたように、いただいたさまざまな御指摘、御意見の中には、法改正が必要なもの、あるいは法改正までしなくてもできるもの、それから比較的速やかに対応できるもの、あるいはもう少し中長期的な議論が必要なもの、さまざまなものが混在していると思います。この取りまとめは、今後、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会等にも御報告して、そういう場でも御議論いただき、また、我々のほうでもさまざまな内容についてこれから精査して、どのような制度改正をすれば良いかということを検討させていただきたいと思います。

 法律につきましても、もちろん必要な改正は行うということでございますけれども、御存じのように、この秋に臨時国会が開かれなかった関係で、さまざまな法案が審議を待っている、そういう状況の中で、こちらをどういうタイミングでご議論いただくかということも我々が決められない、国会のほうで決めていただく話でございます。そういう意味では若干見えにくい部分もあるのですけれども、我々としては、皆さん方からいただいた御意見を踏まえて、国民の役に立つ、食品の安全を確保するための制度改正をできるだけ速やかに進めていきたいと思ってございますので、今後ともぜひ御支援、御協力いただければと思います。

 本当にどうもありがとうございました。

○川西座長 どうもありがとうございました。

 それでは、大西課長から案として取りまとめていただいたものに関して説明いただいたわけですけれども、その説明、またこの案で結構ですので、御意見あるいは御質問、このあたりはもうちょっとということがあればご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○中村構成員 非常に丁寧な書き込みをしていただきまして、本当にありがとうございます。

 1点御質問ですが、従前入っていました登録検査機関の項目が削除されているのですけれども、その削除された理由と、そのGLPの規則改正についてはどのように取り扱われるのか。そこについて教えていただければと思います。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 今回、議論を開始するに当たりましては、食品衛生規制全般について一通り御審議をいただくということで、網羅的に全てのテーマを挙げましたけれども、登録検査機関の問題については、事務局からの提出資料にも記載してあったようなことで、今後、厚生労働省のほうで対応を進めていけば良いのではないかということで、特にこの懇談会の取りまとめの文章の中には入れなかったということです。

○川西座長 私からちょっと補足させていただきますと、方向性は方向性としてあるのですけれども、実はこれにかかわる地方衛生研究所の方々から意見が来ていており、そういうものをきちんと意見を聞かないで方向性を出させないでほしいという意見がありました。あと1カ月、2カ月時間を費やしてまた意見を聞くような機会があれば、またいろいろな取り扱いの方法はあるかもしれませんけれども、そのあたりはちょっと。ここで書いてしまうと、それが決定事項とうけとられてしまうということがあって、明らかにそういう誤解が生じていると私は感じたこともあって、少なくともこの懇談会での健康食品のようにいろいろな方々からの意見を集約したという形になっていないと思うので、今回ここで拙速に入れないほうがいいのではないかと私自身も思っているところです。

 ほかにございますでしょうか。

 どうぞ。

○片野構成員 何点かありますが、まとめてのほうがいいですか。

○川西座長 どうしましょうか。何点かあるようでしたら、部分的に絞って順次やりますか。

 では、まず、基本的考え方というバックグラウンド、総論のところで何かあればということで。そこはよろしいですか。ここで言うと「2.食品衛生法改正の基本的考え方」という部分。これについてこういうふうに工夫したらということがあればと思いますが、そこはよろしいですか。

 私自身は、これは結構よく書けているなと。取りまとめをした上で読んでみると、よくあらわしていると思いますが、そこはよろしいですか。

 3番目のあたりはいろいろ気になる部分があるのかもしれません。では「3.健康被害の防止や食中毒等のリスク低減」のところ。ここが半分ぐらいの分量になりますけれども、ここについて。

 どうぞ。

○片野構成員 それでは、8ページの食品添加物のところについて発言させていただきます。

 「今後の対応」のところで既存添加物について書き込んでいただいてありがとうございます。ただ、「○」の2つ目、30行目からのところです。「既存添加物については、経過措置として規定されているものの、特に時限を区切った暫定的な制度ではないことの理解を促すとともに」という形で書いてあるのですが、それで何をするのか、日本語としてもわかりづらいかなと思っておりまして、「経過措置として」から「促すとともに」あたりは削除していただいてもいいのかなと思いました。今、進めてくださっている安全性の評価などの加速を一層図るというのは必要だと思いますし、もしできましたら、安全性評価の一定のめどがつきましたら、また振り返りなどをしていただけるといいかなというのは思っております。済みません。取りまとめの文章としては削除していただけるといいかなと思いました。

 あと、健康食品についても少しありますが、どういたしましょうか。よろしいですか。

○川西座長 今のところ、8ページの30行目から33行目にかけてのところで、片野構成員は、「経過措置として」から次の行の「理解を促すとともに」というのはわかりにくいということもあって「既存添加物については、現在進められている・・」というメッセージでいいのではないかということですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。何か。

 どうぞ。

○関野食品基準審査課長 前回までの意見を集約した検討会資料の中には、今、削除という御指摘をいただいたくだりはむしろなくて、後段が書かれてあります、安全性の評価をしっかりやってくださいという御議論がこれまであったかと思いますので、それを生かすということであれば、手前の部分は事実関係ということにもなりますので、7年改正のときの附則に書いてあることに触れている部分でございますので、ここの部分があってもなくても、後段にあります安全性の評価・確認の加速化についてしっかりやっていくということには変わりないかと思っておりますので、構わないかと思います。

○川西座長 では、ここは一応、最終版からは削除ということで。

 ほかに。よろしいですか。ほかの部分で。

○片野構成員 健康食品に行っていいですか。

○川西座長 どうぞ。ここの「3.健康被害の防止や食中毒等のリスク低減」の範囲でしたら、どうぞ。健康食品のところ。

 どうぞ。

○浦郷構成員 健康食品のところで、11ページの16行目の(注)に「本とりまとめでは」ということで「保健機能食品も含めて、『いわゆる「健康食品」』と記載している」というのが今回出ています。私などはこの議論を進めているときに、こちらの「取りまとめ(概要)(案)」の3ページにいわゆる健康食品の分類の表があるのですけれども、それと似たような表が厚労省のホームページの「健康食品」とはのページにありまして、そこでは大きく医薬品と健康食品の2つに分類され、医薬品は医薬品と表示され、機能性表示食品なども含めた保健機能食品を含めてその他は健康食品と表示されておりまして、その健康食品全体の中で、保健機能食品を除いたものが「いわゆる『健康食品』」と示されており、ずっとそのことだと思って私は議論をしておりました。

 今回、いや、そうではなくて、保健機能食品を全部含めるのだということで、私はそちらのほうがいいと思っておりますので、それはそれでいいのですけれども、概要の3ページのこの表を見ていると、どちらも「いわゆる」がついてすごく紛らわしいというかわかりにくいところです。ホームページのほうでも、保健機能食品以外のところを「いわゆる『健康食品』」という言い方をずっとしていましたので、今回の本取りまとめでの全部含めて「いわゆる『健康食品』」と記載するというのは、ほかの言葉に変えていただいたほうがわかりやすいのかなというのを感じました。

 暫定的にほかの言葉を決めていただいて、ここの「健康食品」という言葉自体は、前に大前先生から、それ自体をちょっと変えたほうがいいのではないか、考えたほうがいいのではないかというお話がありましたので、そこを考えるときに全体的に考えたほうがいいのではないかという気がしました。

 以上です。

○川西座長 そのあたりはいかがでしょうか。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 考え方の整理の問題ではありますが、この案を作成した際の考え方について申し上げますと、従来、取りまとめ案の14ページ16行目あたりに書いてありますが、健康食品については法令上明確な定義があるわけではなく、従来、「いわゆる」を付けずに「健康食品」と言っていて、その健康食品の中に、今、浦郷構成員からおっしゃっていただいたとおり、「保健機能食品」と「いわゆる健康食品」があるというような形で、厚生労働省のホームページなども含めて、記載がなされていたわけですけれども、今回、当懇談会における議論の中で、そもそも健康食品という呼称自体が消費者の誤解を生んでいると御意見もあったので、これまで俗に「健康食品」と呼んでいたものを「いわゆる『健康食品』」ということでこの報告書上では整理して、その中に、保健機能食品とその他の健康食品があるのだという形で整理したということです。

○川西座長 どうぞ。

○横田構成員 今、やりとりを聞いていて思ったのですけれども、この「概要」の3ページの図は非常によくできていまして、見方によっては、健康食品の2つの側面を説明しているのです。というのは、今、御説明いただきましたように、食品であるということは変わりがないので、全て食品衛生法の所管である、要するにこの会議の担当事項の範囲であるということが、一番上の「いわゆる『健康食品』」というところではっきりと示されております。これは、医薬品との区別という関係で非常に重要な観点です。また、ここが安全性の確保の観点の法律の列になっているということです。

 それに対して、一番下の行の「可能な機能性表示」は、保健機能食品であるかそうでないか、あるいは保健機能食品の列がどれであるかによって表示が変わる。これは消費者庁所管の表示に関する効果を端的に示したものでございます。

 それで、今までのこの2つの側面からの要件がどうなっているかというと、真ん中の列の「認証方式」でありまして、これらは表示に引きずられた認証方式であって、我々が議論してきた「いわゆる『健康食品』」全体が、例えば過剰摂取は危険であるとか、そのような危険は、特定保健食品ではあっても間違った摂取方法をしたりすれば生じ得る可能性がある、そういう観点からまとめられたものであると思いますので、今回、この方式でいくのだというのは、この懇談会を担当している分野との関係で説明がつくのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○川西座長 ほかの先生方、いかがでしょうか。私もこれでいいのではないかと。

 どうぞ。

○平沢構成員 私も記事を書くときは、「保健機能食品」と「いわゆる健康食品」は分けて書いてきました。この表の一番上の「いわゆる」を取るわけにはいかないのですか。

○川西座長 どうぞ。

○横田構成員 多分それは、きょうここにいらっしゃらない大前議員がまさに指摘したところでありまして、健康食品という言葉自体を何も注釈なく用いること自体を禁止してはどうかという提言も含まれておりますので、それとの関係でここの「いわゆる」を取るわけにはいかないわけです。なので、このオレンジのところの表現をどうするのかという問題でもあるのです。ただ、「いわゆる『健康食品』」と呼ばれるもののうち、例えば「保健機能表示以外」と書くか、「表示についての制度によっていないもの」とか、そういう書き方もあるかなとは思ったのです。いずれにしても、ここは表示規制との関係で「それ以外のもの」となっているという理解でよいと思います。

○川西座長 どうぞ。

○浦郷構成員 今、大西課長が説明されたように、また横田さんが言われたように、私もこの表はとてもよくできていると思いますし、これでいいと思うのです。いいと思うのですけれども、今までこのオレンジの部分を「いわゆる」と言ってきたので、そこで混乱が生じないかというところを申し上げたい。

○川西座長 どうぞ。

○横田構成員 提案ですが、このオレンジのところにアスタリスクか脚注的なものを打っていただいて、今の議論を要約的に下の表に入れておいてもらう。「かつてこの箇所を『いわゆる「健康食品」』と言う用語法もあったが、本研究会では」みたいな感じで。それに対応する記述を、今、ちょっと議論が出たということで。今、問題になっている定義している本文がありますね。11ページですか、これを括弧内に入れてしまう。脚注が入っていますね。ここにも、かつて違う用語法があったかもしれないけれども、こういう観点からこういうふうに書いたということをちょっと入れたほうがいいような気がします。

○川西座長 1つは、11ページの16行目の(注)のところに書くというのもあるかもしれません。「本とりまとめでは」の前に。「旧来はこうしていたけれども、本とりまとめでは」と。そうすると、大前先生の、「健康食品」ということ自体、名称がよくないのではないかというのもこの報告書に含まれているので、それがストーリーとしては矛盾なくつながります。ここで「健康食品」という言葉をまた使うと、「健康食品」という名称はやはりおかしいという話と結びつきにくいので、「いわゆる『健康食品』」ということでこの報告書はまとめていくということでいいのではと思いますが、いかがでしょうか。

○片野構成員 基本的には賛成です。「いわゆる『健康食品』」ということで広げて、食品衛生法をきちんと遵守させていくということをここで明確にするというのが大事なことだと思います。

 実は私、これをいただいたときに、読んでいてやはり混乱したというか、今までの言葉が言葉として頭にしみついていたので、そのあたりは注意をして対応していく必要があるのかなと思いました。

○川西座長 どうぞ。

○森田構成員 私も「いわゆる『健康食品』」という今回の新しい枠組みは、今までの厚生労働省のホームページを見ていても、上が「健康食品」で、保健機能食品以外が「いわゆる『健康食品』」だったので、ずっとそのように思っていました。それから、食品安全委員会の「いわゆる『健康食品』」のものをまとめたときの「いわゆる」というところ、消費者庁の健康食品の留意事項という文章など、それぞれ「いわゆる」の分類が省庁間でこれが変わってくると困るのかなと思います。

その一方で、これを機に、「いわゆる『健康食品』」というのは、保健機能食品も全部含む、この黄色いものも全部含むということにして、今まで「いわゆる『健康食品』」としていたのは「保健機能食品以外の」を必ずつけるとすると、保健機能食品も「いわゆる『健康食品』」として全て網羅して横串に刺してみるのだという意味があり、ここのところを強く出していただいているので、これでいいとは思います。

 ただ、ほかのところ、他省庁でも混乱しているところがあって、まさに最後のほうに出てくるのですが、用語の統一が大事です。リスクアナリシスにかかわるいろいろな機関が取りまとめをしていたり、ガイドラインを出していて、それぞれ用語が異なることでは、やはり混乱すると思います。恐らくメディアでも、先ほど平沢さんがおっしゃられたように、「いわゆる『健康食品』」というのは保健機能食品以外のものを指していたということも多いと思います。本報告書でこれを機に「いわゆる『健康食品』」は全部横串で刺しているというふうにするということを改めて示してもいいと思います。

 あともう一点。先ほど取りまとめ(案)のところで、横田構成員がこれは大変よくできているとおっしゃっていた表の一番上の表題です。「リスクの高い成分を含む『健康食品』等」とありますが、ここも「いわゆる」を入れていただいて、その1行目も「リスクの高い成分を含むいわゆる『健康食品』等」というふうに入れていかないと、またおかしなことになっていく。下の部分と合わなくなってしまう。この報告書でもそうですけれども、今後も「いわゆる」を入れるというふうにしていただければなと。これは要望です。

○川西座長 一応、この場の先生方の認識としては「いわゆる『健康食品』」という言いぶりでいきましょうということで。細かく見ていると、いろいろな箇所で似たような御指摘が出ると思いますので、そのあたりはまたそういう立場で統一をする。同時に、「いわゆる『健康食品』」という言葉自体がいいのかどうかということもこの提言の中にあるわけで、将来的にはその用語に関しても今後検討するとしても、いずれにしても、今回は。厚労省的にいくと、私などが普通にホームページなどで見て理解しているものとちょっと違った言葉、「いわゆる『健康食品』」でみんなくくってしまいますよというメッセージを入れて、その立場でちょっと見直すというのは最終化のためにはする作業だということで、とりあえずはそこの部分はよろしいですね。

 では、それ以外に。健康食品の関係でも結構ですし、今の「3.健康被害の防止や食中毒等のリスク低減」のところで何かお気づきの点。よろしいですか。

 では、引き続き、15ページ以降の「4.食品安全を維持するための仕組み」は。

 どうぞ。

○横田構成員 横田です。内容というよりは、質問というか、概要等の整合性という観点で確認なのですけれども、「概要」の4ページをごらんください。「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設」の「見直しのイメージ」のところに、実は本文には書いていないけれども、結構重要なことが1つ書いてあります。販売業についての見直し方針が届出に落とすことも含めて考えているというのがこの「見直しのイメージ」の中に出てきているのですけれども、これはどれくらい固まった話なのか。ある程度固まっているのなら、例えばという形で本文のほうにも反映するとか、ちょっと対応させたほうがいいように思うのですが、御説明いただけますでしょうか。

○川西座長 いかがでしょうか。

○道野食品監視安全課長 ここの部分に関しては、リスクに応じた制度の見直しということが報告書にもございますし、食中毒リスクに応じたものとするという中でこういったことも含めるということであります。

 もっと言うと、営業許可制度をリスクに応じて見直していくと、結果として外れるものがある。外れるものがあった場合に、基本的にはすべからく届出制度で届出をとるということになりますので、結果としては、それが届出の対象になるということ。そういうことを意味しているというふうにお考えいただければと思います。

○横田構成員 ありがとうございます。要するに全体に届出をかける、その中では、従来のものの中でもとりわけリスクに対して低いものは届出を見直す可能性がある、そういうことですね。わかりました。

○川西座長 ほかによろしいですか。

 どうぞ。

○平沢構成員 食品リコールのところですけれども、食品ロスについての視点というのがこれだとどこにもないので、どこかに入れられませんか。

○道野食品監視安全課長 リスコミに書いてあります。

○平沢構成員 リスコミのところにあるのならいいです。どこにもないと思ったので。わかりました。では、結構です。

○川西座長 どうぞ。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 補足ですが、今、御指摘の点は21ページ26行目のところで、「健康に直ちに影響がないような食品が廃棄されている現状について、食品ロス削減の観点からも、まずはリスクコミュニケーションの課題として、社会全体の理解を促していく必要がある」というふうに記載させていただきました。

○川西座長 ほかにございますか。

 どうぞ。

○森田構成員 健康食品のところにちょっと戻るのですけれども、健康食品の13ページの9行目に「併せて、適切な規制に活用するためにも、行政がいわゆる『健康食品』の製造事業者を把握する仕組みも設ける必要がある」とあります。この「製造事業者を把握する仕組み」というのは、先ほどの「概要」の4ページの営業届出制度の創設の届出の中に入るという理解でよろしいですね。

 もう一点は、ここは「製造事業者」ですけれども、健康食品の販売というところが入っていないので、「製造・販売事業者を把握する仕組み」ということにはできないものかなと思いました。

 というのは、健康食品の場合、製造していなくても販売している事業者がたくさんいたりするものですから、そういうところを行政が把握するということで、製造と販売をこういった届出制度で把握する仕組みにつながることだと思うのですけれども、そこを少し詳しく書き込んでいただくことができるかというお願いです。

○川西座長 いかがでしょうか。

○道野食品監視安全課長 役所側の今の考え方の整理としては、販売業に関しても届出が必要ということで基本的な考えはいいと思うのですけれども、そうはいっても、例えば魚介類や食肉みたいなリスクの高いものもあれば、保存基準もないというものに関しても届出をとるかどうかということはよく整理する必要があるなと考えています。

 なぜかというと、この届出というのは、話が飛びますけれども、HACCPの考え方に基づく衛生管理計画をつくってもらうというところとつながっているわけです。恐らく制度の設計としては、衛生管理計画をつくる人が届出をするというのが一番すっきりするという考え方になると思いますので、その場合に、販売上そのリスクがそんなにない、低いと考えられる業態に関してまで届出をとるかどうかはちょっと議論のあるところであります。

 そういった意味で、健康食品の販売の仕方というのはいろいろあると思うのですけれども、まさにそういうような、温度管理も何も必要のないような業態での販売の場合に、すべからく健康食品の販売業者に関して届出をとるかというと、そこはちょっと難しいところがあるのかと思います。

 一方で、製造のほうをしっかり押さえておけば、製造から販売者がたぐれますので、そこからいうと、「製造・販売」ということで全ての販売する人に網がかかるという感じは、誤った情報の発信になり、誤解を受けることが懸念されるということもありまして、このような表現でということなのです。

○森田構成員 わかりました。ということは、製造事業者に関しては届出という理解でよろしいでしょうか。

○川西座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 では、最後のリスクコミュニケーション。「5.食品安全に関する国民の理解促進」というところはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○片野構成員 21ページの26行目のところです。先ほど平沢構成員も発言されたところになります。こちらは多分、農薬の件で私が発言したことで入れてくださったと思います。ありがとうございます。農薬に限らずいろいろな分野でもあるのだなということを先ほどちょっと思いました。基準の意味合いについて、リスコミの中、廃棄されている現状ということ、加えて、基準の意味合いについても理解を促進していくようにできればいいなと思います。

 感想です。以上です。

 済みません。もう一点よろしいでしょうか。

○川西座長 どうぞ。

○片野構成員 一枚紙で書いてくださっている「取りまとめ(ポイント)(案)」のところで、「3.食品安全に関する国民の理解促進」「リスクコミュニケーションの強化」の2つ目のポツの「国民の不安や心配を聴き、食品衛生行政に活用」という言葉は、文章としてちょっと違和感があります。そんな感じの議論だったかなと。ほかの点を抜き出してもいいのかなという印象を持ちました。例えば「リスクの大きさに合った対応」とか。例えばジビエの話とかいろいろありましたし、「国民の食生活の現状に照らして必要性の高いものとかリスクの高いものについてちゃんとコミュニケーションしていく」とか、ちょっと思いましたので、御検討いただければと思います。

○川西座長 どうぞ。

○浦郷構成員 今の同じところですけれども、この「国民の不安や心配を聴き」というのは、多分、情報発信をするだけではなくて国民の意見を聞くというところから出てきたと思うのです。ただ、ここだけを抜き書きされてしまうと、何かしっくりこないような気がするので、「双方向で情報共有する」というような言葉にしたり、リスクコミュニケーションのところでは「食品に関するリスクを正しく理解してもらう」というところを入れてほしいなと思います。

○川西座長 ということですが、いかがですか。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 「リスクコミュニケーションの強化」の1つ目のポツに、報告書案20ページ25行目から26行目にかけて記載されている「リスク等に関する情報を正しく消費者に伝える」ということを書き足します。2つ目のポツのところは、むしろ意見交換を実施するというほうにウエートがあるという御指摘だと思いますので、そちらのほうをうまく書き足して、記載を修正することにしたいと思います。

○川西座長 ありがとうございます。最終的な修文は、今すぐということよりは、今の趣旨でここは修文するということで。双方向で情報交換、意見交換をした上でということなのだろうと思います。

 ほかにございますか。

 どうぞ。

○浦郷構成員 済みません。この一枚紙の参考資料1についてです。

 今回このような懇談会がありまして、食品衛生法改正に関して消費者のほうでもこれから学習会などをやっていくと思うのですけれども、そういうときに、この一枚紙の資料が一番わかりやすいし、示しやすいので、やはりこれをきちんとしていただきたいと思います。

 先ほども指摘がありましたけれども、こちらのほうも、健康食品のところに「いわゆる」がつくのではないかと思います。

 本当に些細なことなのですけれども、例えば「基本的考え方」の「食中毒の発生数も下げ止まり傾向であり」というところ。これは現状を言っていると思うのですけれども、ここは「食中毒の発生は下げ止まり傾向であるが、広域的な食中毒事案や健康食品に起因する健康被害なども発生している」ということなのではないかと私は思います。

○川西座長 これはなかなか微妙ですね。「あるが」なのかどうなのかというのは。どういう考えで「下げ止まり」と。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 減っていないということなので、問題があるという趣旨です。

○川西座長 対策というか、要は限界が見えているというような話だから、その辺はちょっと。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 「が」が良くないでしょうか。

○川西座長 「であるが」というと。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 下げ止まっているのは良いことではないので、ここは、良いことではないことが並んでいるのですね。

○川西座長 「下げ止まる」という言葉自体が悪い。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 「下げ止まる」自体がわかりにくいということですね。

○横田構成員 継続して発生している。

 議事録に残したほうがいいと思うので、ここら辺で。「下げ止まり」という言葉がわかりにくいので、食中毒の発生も継続しており、さらには広域的な」というように現状の問題がまだあるのだということを捉えるような表現にしたらどうかという御提案がこの辺で少し出ていたので、議事録に残してください。

○川西座長 はい。

 どうぞ。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 御指摘を踏まえて修正したいと思います。

○川西座長 余りいい言葉ではないですね。確かに「下げ止まり」という言葉をこういうところで使うのは。

○浦郷構成員 誤解を生みますね。

○川西座長 はい。そこも最終的にファイナライズするときのポイントの1つに置いて、横田構成員からありました提案も考慮して修文していくことにさせていただきます。

 ほかには。

 どうぞ。

○浦郷構成員 「おわりに」の2つ目の「○」の「中長期的な検討を要するものや法律改正を必要としないものなど」というところの最後の「食品衛生法改正を含めて具体的な対応を計画的に進めることを求めたい」というのを厚生労働省の年次計画や消費者庁の消費者基本計画にも盛り込むなど計画的に進めてほしいという意見を私のほうで出したのですけれども、ここのところは「計画的に」という言葉だけが付け加えられました。「具体的な計画名を出して盛り込むように」ということは書けないのでしょうか。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 済みません。具体的な計画が書けなかったので「計画的に」とさせていただきました。ただし、御趣旨は受けとめて、今後、いろいろな計画を策定するときに、ここで示されたことをしっかり意識してやっていくという気持ちを込めて書かせていただきました。

○浦郷構成員 よろしくお願いします。

○川西座長 多分、消費者庁マターは書けないでしょうね。書けることはとにかく具体的に書いてくださいということになるのだろうと思うのですけれども、ほかには特によろしいですか。

 どうぞ。

○浜田構成員 済みません。今さらの質問なのですけれども、これは15年ぶりの改正ということで最初からお話を伺っていたのですが、食品衛生法自体の中に、例えば契約期間ではないですけれども、何年に1回のチェック機能だとか、そういうものというのは、現状、定められたものはないのですか。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 ございません。

○浜田構成員 今後、改正によってそういうものもあるのかなと思っていたので、どのぐらいの頻度で見直されたり、チェックされたりしているのかなというのが私もわからないまま参加させていただいていたのですけれども、改善までいかなくとも、こういった有識者の方によってちゃんと議論されているというチェックの機会が設けられていけばいいかなと思いました。

 以上です。

○川西座長 「おわりに」というところに何かもう一行欲しいという意味ですか。

○浜田構成員 もし可能だったら、そういった可能性も考えられるというようなことがあればいいのかなと感じました。

○川西座長 その関連ということですか。

 どうぞ。

○横田構成員 あくまでこの懇談会の趣旨が改正法に向けての論点ということですので、今の御意見を踏まえますと、今まで食品衛生法に見直し規定が入っていなかったこと自体も問題だという御趣旨に受け取りました。

 例えば個人情報保護法の改正等におかれましては、最後のほうに附則の形で5年後見直しの規定が入っている。5年後、3年後というように、何年見直しという形の規定が入っていることが最近の立法例ではよくあります。ですので、今回、この懇談会を受けて改正に向けて動いていただく中で、そういう何年見直しの規定を入れるべきかどうか、あるいは法改正の見直し規定まで入れるのではなくても、そのような計画に関するような条項を検討することも考えていただきたいということを「おわりに」のほうに。あくまで法改正に向けての意見として出てきたということを記載してはどうでしょうかという御提案です。

○川西座長 1つは、今回やったような懇談会を、5年ごとと言っていいのか、何年ごとと言っていいのかですけれども、今後も何年かおきにそういう機会を設ける。あと、食品衛生法に盛り込むかどうか。食品衛生法側にそれを求めるかということも書きますか。

○横田構成員 ここは多分、実際に法案の条文をつくるときにどれくらい緊急性や即時改変性についての合意がとれるかによって、入れられるかどうか変わってくると思います。先ほど例に挙げました個人情報保護法の場合は、国際動向との関係が非常に強い法律であるので。あと、多方面に及ぶ改正であるということもあって、議論された内容が全て盛り込まれるわけではないということが背景にあると考えております。ですので、この後の改正の動きで今回の要望がどれくらいまで反映されるのかにもよりますし、また、流動的な状況であるかどうかにもよると思いますので、あくまで幾つかの見直しの契機のための方策があるということが意見として出たということを書いてはいかがでしょうかということです。

○川西座長 では、最終化までに宿題といいますか、検討事項に入れておくと。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 ただいまの御議論を踏まえて、今後も定期的に見直すという趣旨を「おわりに」の中に盛り込むような方向で検討したいと思います。

○川西座長 ほかはよろしいですか。

 では、きょう出たご指摘をまとめてみます。漏れてしまったらおっしゃっていただきたいのですが、まず1つは、はっきりしているのは8ページの30行目から33行目のところで、「経過措置として」から「促すとともに」までを削除。次に「健康食品」ということに関して「いわゆる『健康食品』」という言い方で通すような。これを読んだ人たちにそういうことが理解できるように全体を統一していくということ。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 11ページ16行目に(注)がございまして、この(注)に、今まではこういうふうに「健康食品」という言葉を使ってきましたが、この取りまとめではこういうふうにしていますという説明を書き加えるということでいかがでしょうか。

○川西座長 それから、先ほど、この本体の報告書に関しては、「おわりに」のところで、見直しということに関して先生方からいただいた御意見を盛るような一文をさらに追加するということ。それから、参考資料1の「食品安全に関する国民の理解促進」のところ、あるいは先ほどの「下げ止まり」という言葉、このあたりに関して御意見を参考にして修文させていただくということ。

 以上のようなことだったかと思いますけれども、今の総括で漏れたことはございますか。

 ないようでしたら、今、まとめさせていただいた部分に関しては、取りまとめ自体は座長にお任せいただいて、直すことに関しては御意見いただいた先生方にまた御意見を聞くようなことがあるかと思いますけれども、それを調整させていただいて、調整が終わった段階で当懇談会の最終的な取りまとめとして公表したいと思いますが、いかがでしょうか。そんな手はずでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○川西座長 ありがとうございます。

 それでは、今のような手順で、先ほど申しました点を修正・修文させていただきたいと思います。

 今回で懇談会は一区切りということになりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。

○大西生活衛生・食品安全企画課長 これまで短期間のうちに集中的な御議論をいただきまして、本当にありがとうございました。ただいま座長におまとめいただいたとおり、参考資料も含めて、今日いただいた最後の修正点数カ所については、事務的にメールなどで送らせていただいて御確認をいただきたいと思いますので、引き続き御協力をお願いします。

 また、この懇談会の中でも最後にお話がありましたが、この取りまとめにつきましては、今後、私どもも積極的にPRして、こういう方向で取り組んでいくということについて周知を図っていきたいと思っております。委員の皆様方におかれましても、今後もまたいろいろ御協力をお願いすることもあろうかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 事務局からは以上です。

○川西座長 ありがとうございました。

 2カ月半という非常にタイトなスケジュールの中で、積極的にいろいろ御提言をいただいてどうもありがとうございました。食品衛生に関してはいろいろ議論があろうかと思いますけれども、円滑な議論に御協力いただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 時間を大分余らせて、私が座長をやると珍しいことなのですけれども、これで終了とさせていただければと思います。ありがとうございました。


(了)

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