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2018年1月22日 第12回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

平成30年1月22日(月)15:00~17:00


○場所

TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター ホール7(別館7階)
東京都中央区八重洲1-2-16 TGビル


○議事

 

○田丸課長補佐 本日はお足元の悪い中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。ただいまから、第12回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。

 初めに、構成員の交代がございますので、御紹介いたします。相澤構成員にかわりまして、一般社団法人日本病院会の岡留健一郎副会長が新たに構成員となられました。また、西澤構成員にかわりまして、公益社団法人全日本病院協会の織田正道副会長が新たに構成員となられました。

 本日は、野原構成員より欠席との御連絡をいただいております。

 続いて、事務局の人事異動がありましたので、御報告させていただきます。

 医政局長の武田でございます。

保険局医療介護連携担当審議官の伊原でございます。

 医政局総務課長の榎本でございます。

 総務課保健医療技術調整官の木下でございます。

 地域医療計画課医師確保等地域医療対策室長の松岡でございます。

 地域医療計画課救急・周産期医療等対策室長の徳本でございます。

 地域医療計画課課長補佐の鶴田でございます。

 地域医療計画課課長補佐の田丸でございます。よろしくお願いします。

 人事異動については以上でございます。

 なお、本日、私どもの地域医療計画課長の佐々木につきましては、都合により欠席とさせていただきます。

 続いて、お手元の資料を確認させていただきます。お手元に、議事次第、座席表、開催要項、構成員名簿のほか、資料1-1、1-2、1-3、資料2、資料3、資料4-1、4-2、参考資料1から7をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。

 もし報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします

○遠藤座長 それでは、皆様、早速議事に入らせていただきたいと思います。

 まず1つ目でございますが「地域医療構想の進め方について」を議題としたいと思います。事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○鶴田課長補佐 事務局です。お手元の資料1-1、1-2,1-3を使いまして、御説明させていただきます。

 まず、資料1-1ですが、こちらの資料は地域医療構想に関するワーキンググループをこれまで10回開催しておりまして、昨年末に取りまとめた報告書になります。

 「1.はじめに」のところにありますように、地域医療構想は平成28年度中に全ての都道府県において策定がされております。このため、調整会議を通じて構想区域ごとにその具体化に向けた検討を進めていく必要があります。

 また、いわゆる骨太の方針において、地域医療構想の達成に向けて構想区域ごとの地域医療構想調整会議での具体的議論を促進することが求められています。個別の病院名や転換する病床数の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、それぞれの調整会議において2年間程度で集中的な検討を促進することが求められています。

 3つ目の○ですが、このため、都道府県が地域医療構想の達成に向けて医療機関などの関係者と連携しながら円滑に取り組めるように、これまでワーキング等の検討を行ってきているわけですが、これらの議論を踏まえながら、地域医療構想の進め方に関する議論の整理を行うということで、この報告書を作成しているところです。

 報告書の概要につきましては、資料1-3の1枚目の資料を用いまして御説明させていただきます。資料1-3を1枚おめくりいただきまして、こちらのスライドが地域医療構想の進め方に関する議論の整理のポイントをまとめた資料になっております。

 ワーキングの中の議論では、調整会議の協議事項として、どういったことを協議していくかということを整理しております。一番重要なことが、個別の医療機関ごとの具体的対応方針の決定への対応ということになります。この具体的対応方針の内容ですけれども、枠囲みになっていますマル1、2025年を見据えた構想区域において担うべき医療機関としての役割、マル2、2025年に持つべき医療機能ごとの病床数、こういったものを個別の医療機関ごとに方針をまとめていく必要があるということで整理させていただいているところです。

 また、議論するに当たっては、医療機関の開設主体によって場合分けをしております。2つ目の○のところですが、公立病院につきましては、新公立病院改革プランを策定していただき、平成29年度中に協議することとしております。また、公的医療機関等につきましては、公的医療機関等2025プランを策定し、こちらも29年度中に協議することとしております。

 その他の医療機関につきましては、担うべき役割を大きく変更する病院などについては、今後の事業計画を策定し、できる限り速やかに協議をしていただくこととしております。

 また、それ以外の医療機関につきましては、遅くとも平成30年度末までに協議することとしているところです。

 このほか、協議事項としましては、その他のところに書いてありますとおり、病床が全て稼働していない病棟、1病棟丸々使っていない医療機関ですとか新たな病床を整備する予定の医療機関、病床をふやす場合もしくは新しく病院をつくる場合、また、開設者を変更する医療機関。こういった医療機関につきまして、都道府県が把握した場合には調整会議へ出席をしてもらい、必要な説明を行うこととしているところです。

 2つ目の四角枠のところですが、調整会議での個別の医療機関の取り組み状況の共有ということで、個別の医療機関ごとに医療機能や診療実績、基金を含む各種補助金等の活用状況、公立・公的につきましてはプランを策定していただいておりますので、プランに盛り込まれる病床稼働率、紹介・逆紹介率、救急対応状況、医師数、経営に関する情報、こういったものを調整会議の中で共有していただき、議論を進めていただきたいということです。

 また、地域医療構想調整会議の運営につきましては、都道府県は年間スケジュールを計画し、年4回は調整会議を実施すること。また、医療機関同士の意見交換や個別相談などの場を組み合わせながら、より多くの医療機関の主体的な参画が得られるように進めていただきたいということをまとめているところです。

 本日、資料1-1、1-2は既にワーキンググループ等でお示ししている資料になりますが、資料1-3につきましては、今回、計画の検討会で初めてお示しさせていただく資料になります。ワーキングでまとめたこの概要の中の赤枠の部分の赤字のところになりますけれども、新たな病床を整備する予定の医療機関につきましては、調整会議に出席し、説明をしていただくこととなっているわけですが、ここにつきましては、ワーキングの中でもさらに掘り下げて議論をしているところです。

 1枚おめくりいただきまして、ワーキングにおける主な御意見として、基準病床数と地域医療構想の中の病床数の必要量の関係の整理が必要ではないかという御意見もいただいております。また、既存病床が2025年の病床数の必要量を上回っている場合は、たとえ基準病床に照らしてアンダーベッドであっても、病院の新設・増床はいかがなものかという結論は調整会議であり得るのではないか。こういった御意見もいただいているところです。

 実際、基準病床数と既存病床数があり、既存病床数が基準病床数を下回っている場合は病床整備が可能になるわけですが、将来の病床数の必要量がさらに下回っている場合にどうするかというのが議論のポイントになるわけです。

 1枚おめくりいただきまして、実際にこの基準病床数・既存病床数・病床数の必要量、3つのパラメーターについて、どのような場合があるのかというのを6つのパターンに分けて、ワーキングの中でも議論をしていただいているところです。特に先ほど意見のあった赤枠の部分、パターンCのところですけれども、基準病床数と既存病床数で既存病床数が下回っている。ベッド整備は一応制度的には可能であるわけですけれども、将来の病床数の必要量がさらに下回ることが予測されている場合に、どのような対応をするかというところは一つ論点となり得るわけです。

 こういった場合に関しましては、4枚目のスライドになりますが、昨年6月に発出している課長通知の中で赤枠の部分をお示しさせていただいているところです。赤枠のところに書いてありますのは、パターンCに該当するような場合、追加的な病床の整備の必要性について調整会議で慎重に検討を行う必要があるということをお示しさせていただいております。

 5枚目のページですけれども、論点になるわけですが、1つ目の○は、地域医療構想は28年度中に都道府県において策定され、この内容を今後進めていく必要があります。

 2つ目の○は、いわゆる骨太の方針において、自主的な取り組みによる病床の機能分化・連携が進まない場合には、都道府県知事がその役割を適切に発揮できるよう、権限のあり方について速やかに関係審議会において検討を進めることとされています。

 3つ目の○ですが、現在、都道府県知事に付与されている地域医療構想の達成のための権限のみでは、先ほど御紹介したパターンCの場合に、申請の中止ですとか申請病床数の削減を勧告するといったことができない状況にあります。

 これらを踏まえまして、下の四角枠囲みのところになりますけれども、地域医療構想が全国で確実に達成されるよう、都道府県知事の権限を強化し、構想区域において既存病床数が既に将来の病床数の必要量に達している場合には、当該構想区域に医療機関の新規開設、増床などの許可の申請があった場合に、必要な手続を経た上で、都道府県知事が許可を与えないことができることとするなどの対応を図ることが適当ではないかということを論点として提示させていただいております。

 1枚おめくりいただきまして、具体的なプロセスについては、こちらにお示ししているとおりになるわけですが、今回の御提案は、ここで言いますところの左から2行目の赤枠で囲ってある場合です。医療機関の新規開設、増床などの許可申請があった場合に、先ほど御説明したパターンCに該当する場合、調整会議、医療審議会等のプロセスを経て、理由等がやむを得ないものと認められない場合には、公的医療機関については許可を与えないことができる。民間医療機関については、申請の中止または申請病床数の削減を勧告することができる。こういった新たな権限の創設が必要ではないかという御提案です。

 また、民間医療機関につきましては、保険医療機関の指定の申請があった場合に、その指定について、ここにありますように、勧告を受けた病床の全部または一部を除いて保険医療機関の指定を行うことができる。こういった法的な整備を行う必要があるのではないかというのが事務局からの御提案ということになります。

 説明は以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 これまでのワーキングの議論を踏まえまして、事務局として本日ここで審議していただきたい内容についてを具体的にお話しされたわけでありますけれども、何か御質問、御意見ございますでしょうか。

 それでは、織田構成員、お願いいたします。

○織田構成員 今、6パターンをお示しいただいたわけですけれども、Aパターン、Bパターン、あとEパターン、Fパターン、これはイメージが湧くのですが、このCパターンというのは構想区域にどのような特色があるのでしょうか。特に特徴はないのですか。

○遠藤座長 Cに該当するのはどういうイメージの構想区域なのかという御質問だと思います。事務局、お願いします。

○鶴田課長補佐 事務局です。Cパターンに該当する地域ですが、6次医療計画で基準病床数が設定されていますので、実際に今設定されている数字に基づいて、どの程度該当するかということを確認すると、29の医療圏が該当します。地域の特徴としては、人口が今後減少し、医療の需要が減っていくことが見込まれる地域がパターンCに該当すると考えているところです。

○遠藤座長 織田構成員、どうぞ。

○織田構成員 これは病床の必要量ですから、多分近い将来に人口が減っていく構想区域であるということは理解できます。しかし、現時点では基準病床数より既存病床がアンダーということで、増床云々問題が今後起こる可能性があるということを述べてあるわけですね、わかりました。

○遠藤座長 それでは、ほかにいかがでしょうか。

 市川構成員、お願いします。

○市川構成員 今のCのパターンなのですけれども、これは第7次医療計画の基準病床等もある程度勘案されているのですか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○鶴田課長補佐 事務局です。第7次医療計画は、今まさに各都道府県が計画を策定している最中ですので、各県、今どのような数字がはまっているのかということは、事務局としてもこれから把握していく状況になるわけですが、確定している第6次医療計画の基準病床数ベースに考えると、先ほど御回答した29というのが現状となっております。

○遠藤座長 市川構成員。

○市川構成員 まだ第7次医療計画に関しては、実際のところはわかっていないということですね。

○遠藤座長 事務局。

○鶴田課長補佐 第7次医療計画に関しては、今、策定中ですので、事務局としてはまだ把握できていない状況で、今後把握させていただきたいと考えているところです。

○市川構成員 いずれにしろ、将来においては既存病床数が必要病床量を上回る可能性が高いところが29あって、そこに関しては、先ほどの知事の権限等を当てはめるようなことが起こり得るということでよろしいでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○鶴田課長補佐 29は第6次医療計画の状況で計算しているものですので、第7次医療計画でこの対象の圏域が異なるところが該当したり、今該当しているところが該当しなくなったり、そういったことはあり得るわけですけれども、第7次医療計画においても論理的にはこういった状況が起こり得るのではないかと考えているところです。

○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、加納構成員、お願いいたします。

○加納構成員 ありがとうございます。1ページ目の確認なのですけれども、下から3つ目の○の3に、公立病院、公的病院について、病床稼働率等々のものがありまして、最後に、経営に関する情報などということで書かれているわけなのですが、これは大阪府などに聞きますと、経営に関する情報とはどの程度のものなのかというのがなかなか明確になっていないということです。例えば、地域医療構想に関してのガイドラインにははっきりと一般会計繰入金と補助金等に関するという文言が明記されているのですけれども、そういうことを指していると理解していいわけでしょうか。

○遠藤座長 事務局、お答えください。

○鶴田課長補佐 事務局です。お手元の資料1-2の8ページ目を御確認いただければと思います。今回、ワーキングのほうでは、開設主体別の医療機関の財政・税制上の措置の状況についてお示しさせていただいているところです。こういった資料を提示した上で、地域医療介護総合確保基金を含む各種補助金等の活用状況、こういったものを各調整会議の中で共有してくださいということを報告書の中に盛り込んでいるわけです。こちらの資料にありますように、財政のところには繰入金も明示的に書いておりますので、ここで言う基金を含む各種補助金等の活用状況の中の「等」という中に繰入金についても含んでいると事務局として理解しているところです。

○加納構成員 ありがとうございます。

○遠藤座長 加納構成員、よろしいですか。

 ほかにございますか。今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 資料の6ページの知事の権限強化の部分について、確認と質問なのですけれども、今回、Cパターンのときに括弧の中でくくって、知事の権限強化として、申請の中止または数の削減を勧告することができるということを権限強化しようとしているのですけれども、これは法律に基づいて権限強化をしようとしているのか、通知レベルでしようとしているのか。このすぐ左側にある民間企業への権限強化の部分、第30条の11は法律に基づいて勧告できるのですけれども、これはその上に通知を乗せて権限強化しているという二重構造だったと思うので、今回の権限強化を通知のみの権限として考えているのか、法律で縛ろうとしているのか。それによって、この部分は今まで各医療計画では都道府県で訴訟になったりしている部分なので、どの辺まで踏み込んで権限強化をしようとしているのかについて、回答できる範囲でお願いできればと思います。

○遠藤座長 事務局、もしお考えがあればお話しください。

○鶴田課長補佐 こちらはいずれも今回御提案しているのは法律の改正が必要な事項だと考えています。今、7条の2のところは基準病床になりますけれども、パターンCに該当するような場合についてどうするかというのは、法制度上も明確化する必要があろうと考えているところです。法律の中身になりますので、今後の立法していく段階においてしっかりと詰めていきたいと考えているところです。

○遠藤座長 今村構成員、よろしいですか。

○今村構成員 そうすると、今度は括弧の中だけではなくて、左側の項目の30条の11が法律として本当に厳しくなるかどうかというのも大分意味が変わってくると思うのですけれども、そこら辺はどうでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○久米課長補佐 30条の11の規定はそのままになります。

○今村構成員 では、今の30条の法律の本文に通知で強化して載せているという形だったと思うのですけれども、それは変わらずということですか。

○久米課長補佐 一応、考えられる形としましては、上の黄色、青、黄色、青となっている4段階部分について法律で明記して、公的医療機関の赤の部分については法律で書くということになるかと思います。ただ、民間医療機関の部分は、今も左の基準病床のところでは30条の11に基づいて勧告をしておりますので、恐らくこちらもそのようになる。

 ただ、保険医療機関の指定の部分につきましては、健保法で左の基準病床のところも法律に書いておりますので、それに倣ってこちらも同様の改正をするということが自然な改正かと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 今村構成員。

○今村構成員 知事の権限としては赤の部分以外も強化されると考えていいのですか。

○久米課長補佐 強化なのかどうかというのは様々な捉え方があるかと思いますが、こういう権限が追加されるということです。

○遠藤座長 尾形構成員、何か関連でよろしいですか。

○尾形構成員 結構です。

○遠藤座長 ほかに。藤井構成員、どうぞ。

○藤井構成員 初めに、私ども保険者として、地域医療構想につきましては、とにかく今回の議論の整理に基づきまして、都道府県ごとに時機を逸することなく議論を進めていただくことが重要だと考えています。したがいまして、国におきましても、各都道府県における議論が問題なく進んでいるかどうか、進捗状況をきめ細かく把握していただいて、必要に応じて支援を行うようにしていただくということを改めてお願いしたいと思います。

 特に今回の議論の整理の中でも、都道府県は個別の医療機関ごとの医療機能とか診療実績などを調整会議に提示することになっているのですが、私どもの支部も支部長を中心に調整会議に数多く参加させていただいていますけれども、十分なデータが適時適切になかなか出てこないという声をまだよく聞きます。こういったデータにつきましては、できる限り早い段階で提示できるようにお願いできればありがたいと思いますし、私ども保険者としても、地域単位のデータで議論に資するようなものがあれば、これは都道府県としっかり連携をしながら提供できるように努めていきたいと思っています。

 新たな権限の創設につきましては、現実にCパターンのような医療圏もあるわけですから、私どもとしてもそれは導入すべきだろうと思います。ただ、やはり現状不足している病床数を当面どのように補っていくかということにつきましては、当然課題になってくると思います。例えば、ほかの医療圏と連携している好事例などがあれば、国のほうで全国へ情報提供していくようなことも考えていただければいいのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。大体よろしゅうございますか。

 それでは、ただいま御議論いただきましたけれども、事務局から提案がありました新たな都道府県知事の権限の創設につきましては、特段の御反対はなかったと思いますので、この検討会の合意としては、これを認めるという形にさせていただきたいと思います。

 また、事務局におかれましては、これは社保審医療部会で御報告されると思いますけれども、今、幾つか挙がりましたような御意見、御質問等々も踏まえて御説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 では、次の議題に参りましょう。次は、「第7次医療計画に基づく取組状況の把握について」及び議題の3つ目の「救命救急センターにおける充実段階評価の見直しについて」、この2つを議論したいと思います。事務局からそれぞれ資料の説明をお願いします。

○鶴田課長補佐 事務局です。資料2について御説明をさせていただきます。「第7次医療計画に基づく取組状況の把握について」という資料になります。

 1枚おめくりいただきまして、「今後の医療計画の見直し等に関する検討スケジュール(案)」になりますが、こちらは2つほど前のこちらの会議でお示しした資料の一部を修正した資料になります。修正箇所は、真ん中よりもちょっと上の三角形がついている行のところになりますけれども、都道府県職員を対象にした研修会を定期的に、年3回程度開催していってはどうでしょうかという話と、5疾病・5事業の取り組み状況の把握を年度ごとに把握していき、中間見直しにつなげていく。こういったスケジュールで進めてはどうでしょうかという御提案になります。

 どういった内容を把握していく必要があるのかというのが、1枚おめくりいただいて2ページ目になりますけれども、都道府県が策定した7次医療計画のうち、5疾病・5事業について、(1)(2)(3)(4)とありますが、医療提供体制、協議の体制、主な施策、目標項目、これはPDCAサイクルを回すということが掲げられていますので、計画の中にどういった指標を盛り込んでいるのか。こういったものを各都道府県、5疾病・5事業ごとに把握し、把握した内容をホームページ上での掲載などを通じて関係者の方々と広く共有していく。こういった取り組みをしてはどうかという御提案です。

 1枚おめくりいただきまして、3ページ目と4ページ目になりますが、5疾病・5事業のうちの一つである周産期医療についての把握の仕方のイメージです。医療提供体制として5疾病・5事業ごとに、2次医療圏を基本とするとはなっていますが、それぞれ独自の圏域設定ができますので、どういった圏域を設定しているのか。また、5疾病5事業ごとに周産期であれば総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センターというものがありますので、こういった医療機関が県の中でどういったところにあるのか。また、圏域ごとに医療資源がどの程度あるのかということを聞き取ってはどうか。

 また、協議の体制として、周産期であれば周産期医療協議会とか会議体が各都道府県独自にあろうかと思いますので、どういった協議する場が設置されているのか。また、地域医療構想との関係性の中でどういった議論が行われているのか。こういったことを聞き取ってはいかがでしょうかという内容です。

 4ページ目になりますが、主な施策として、各都道府県の予算事業等を組んでいたり、周知活動や研修会とかさまざまな施策が行われているかと思いますので、その内容を聞き取ってはどうでしょうかと。

 (4)目標項目及び評価期間ですけれども、5疾病・5事業ごとにストラクチャー、プロセス、アウトカムに分けて指標等が盛り込まれているわけですので、どういったKPI、指標を計画の中に位置づけ、目標値をもし設定しているのであれば目標値も含めて、また、どのぐらいの期間で評価をしているのか。そういった情報を聞き取って、各都道府県、5疾病・5事業を具体的にどう進めているのかということを定期的に把握していってはどうでしょうかという事務局からの御提案という内容になります。

 説明は以上です。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 続きまして、資料3「救命救急センターにおける充実段階評価の見直しについて」を御説明申し上げます。資料3とあわせまして、参考資料2もごらんください。

 それでは、1ページ目「救命救急センターの充実段階評価」についてでございます。こちらにつきまして、昭和52年から救命救急センターの整備が開始されたところでございます。救命救急センターにつきまして、平成11年から全体のレベルアップを図ることを目的としまして、充実段階評価が開始されております。11年にスタートしましたこの充実段階評価につきまして、22年に一度改正をしておるところでございます。平成25年に開かれました救急医療体制等のあり方に関する検討会におきまして、この充実段階評価につきまして、より充実したものにする必要があるとの方向性が示されたところでございます。

 なお、充実段階評価につきましては、下の緑のカラムにございますけれども、補助金及び診療報酬において、その評価を活用させていただいておるところでございます。

 2ページ目でございます。先ほど申し上げました25年の検討会で、充実段階評価の見直しについて方向性が示されたところでございますけれども、28年度の医療計画の見直し等に関する検討会の第6回でも御意見を賜りました。こちらにつきまして、上のカラムの下から3行目、救急医療機関等の機能の充実というところで、救命救急センターの充実段階評価を見直し、地域連携の観点をより取り入れるという方向性をお示しいただいたところでございます。これらの経緯を受けまして、今回、充実段階評価の見直しにつきまして、1ポツ、2ポツの見直しをしたいと思っておるところでございます。

 1ポツ目、充実段階評価の項目の見直しにつきまして、日本救急医学会と厚生労働科学研究班が合同で作成しましたものがございます。それが参考資料2でございます。こちらの充実段階評価の見直し案を用いてはどうかということでございます。

 2ポツ目、充実段階評価の評価区分の見直しについてでございます。これまでABCの3段階評価でございましたが、新たにS評価というものを設けまして、4段階の評価としてはどうか。なお、今回見直しをした後に改善を求めるべく、段階的に評価基準を引き上げてはどうかということでございます。

 続きまして、3ページ目でございます。充実段階評価につきまして、プロセスも含めた評価体系を見直すこととして、また、地域連携の観点を追加するということで、簡単におまとめさせていただきますと、左側が現行の評価体系、右側が見直し案でございます。プロセスも含めた評価体系とし、赤で下線を引いていますのが、地域連携の観点を入れた項目となっておるところでございます。

 次に、具体的な項目のまとめでございます。4ページ目「充実段階評価の項目の見直しについて」というところでございます。大きく項目といたしましては1から42、細分化されていますものもございますので、評価項目は全部で45項目、100点満点でございます。是正を要する項目は20項目ございます。是正を要する項目につきましては、項目番号の中でオレンジ色に塗っているものでございます。また、従前の評価項目と比べまして新規に追加したもの、もしくは細分化した項目につきましては、赤字部分が該当いたします。

 ちなみに、現行の評価項目につきましては、今回の資料の最終ページ、11ページ目にございます。こちらにつきましては、37項目、101点、是正を要する項目16項目という形になっておるところでございます。

 4ページに戻っていただきまして、この評価基準につきましては、それぞれ配点がございまして、ゼロから1点が一定の水準に達していない、2点が適切に行われている、3点以上が秀でているというふうに配点をしておるところでございます。

 5ページでございます。「充実段階評価の評価区分の見直しについて」ということで、先ほど申し上げましたとおり新たにS評価をつくりまして、4段階としてはどうかということでございます。現行の評価区分に関しましては、是正を要する項目を点数化いたしまして、是正を要する項目の点数22点以上が2年間継続するとB評価、3年間継続するとC評価という形になっていたところでございますけれども、今回の見直しといたしましては、是正を要する項目の項目数、そして100点満点の中の評価点、この2軸で評価することとしたいと思っております。最も評価に関係するものといたしましては、是正を要する項目の項目数を設定いたしまして、まず、是正を要する項目の項目数が4以下の場合を主にA評価、5から8をB評価、9から20をC評価としてはどうかと考えているところでございます。この区分に関しましては、是正を要する項目、試行調査を踏まえ、9項目以上をC評価とすると書いておりますが、現在、調査対象といたしました医療機関の中で2施設、9項目以上是正を要する項目がございましたので、そちらをC評価といたしまして、AとBはその中間地点を基準と。さらに、Sに該当するものは、是正を要する項目をゼロ項目としてはどうかということでございます。

 また、従前は是正を要する項目の点数のみをABC評価に用いていたのですが、今回、大きな区分けとしましては、従前と同様に是正を要する項目で評価をするとともに、評価点につきましてはS評価の基準を用いて、まずスタートといたしましては、先ほど申し上げましたけれども45項目ございますので、45項目全項目につきまして2点、この2点は適切に行われているという基準でございますけれども、全項目2点であった場合に90点ということです。その基準を満たすものということで、是正を要する項目がゼロ個で、評価点が90点以上というのをS評価としてはどうかと考えているところでございます。

 こちらにつきまして、平成29年試行調査に基づく結果と書いています。データといたしましては、29年3月末のデータとお考えください。29年3月末の状況に照らし合わせてこの基準を当てはめた場合、S評価が11施設、A評価が241施設、B評価が30施設、C評価が2施設という形になるところでございます。

 続きまして、6ページでございます。今、御提案申し上げました評価基準につきまして、さらに見直し後は改善を求めるべく段階的に評価基準を上げてはどうかと考えております。是正を要する項目につきまして、この是正を要する項目というのは救命センターの基本的な体制整備に係る指標でございますので、その是正に向けた不断の取り組みをお願いしたく、段階的に基準を引き上げてはどうかと考えております。年2つずつ引き上げるとして、平成30年は、A評価、B評価、C評価の区分は先ほどお話ししましたとおりゼロから4、5から8、9から20としておりますが、平成31年の調査におきましては、ゼロから2、3から6、7から20、平成32年はゼロから1、2から4、5から20という形にしてはどうかと考えておるところでございます。

 また、S評価の基準となります評価点につきましても、現状、90点というのは全項目2点、適切に行われているというのを90点としておりますが、さらに改善に向けた不断の取り組みをお願いしたく、段階的に基準を上げてはどうかと考えているところでございます。こちらにつきましても、90点から年2点ずつ引き上げ、31年には92点から100点をS評価の基準とし、32年は94点から100点をS評価の基準としてはどうかと考えているところでございます。

 その後、7ページ以降は参考資料でございますが、現状といたしまして、10ページをごらんください。現行の評価指標は平成22年に改正いたしました。その状況から、29年の結果、現状は全ての施設、284施設がA評価という形になっておりますので、今回、改めてこの評価の見直しを提案させていただくものでございます。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 2つの内容でしたので、分けて御議論いただきたいと思います。資料2につきまして、何か御意見、御質問ございますか。山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 山口でございます。

 この医療計画につきましては、結構都道府県によって差があると聞いておりまして、目標の設定の仕方であるとか計画の内容とか、結構ばらつきがある中で、今回のように確認する事項についてお示しいただくということは、とても大切なことではないかと思っています。

 ただ、1つ確認の質問と、それからお願いなのですけれども、これは提示するだけなのか、例えば年間3回予定されているという都道府県の職員研修会において確認をしたときに、ちょっとここはまだ足りませんよ、もう少しこういうふうに書いてくださいというようなことで、職員の方が自覚できていないところがあれば、自覚できるように促すようなことを研修会でなさる御予定なのかどうかということを1つお聞きしたいと思います。

 お願いというのは、せっかく研修会を年3回やっていかれるということですので、なかなか進まない住民に対してのわかりやすい公表ということについて、そのあり方についてもぜひ研修会の中で言及していただきたいというのがお願いです。

 以上です。

○遠藤座長 それでは、後のほうは御要望として承りましたので、最初のほうの質問についてコメントをお願いします。

○鶴田課長補佐 医療計画に関する研修会自体は、次年度も年3回ぐらいを一つの目安にして開催してはどうかと考えております。できる限り1回目の開催のときに間に合うように、各都道府県の皆様方にも御協力を得ながら、先ほどのひな型を示しつつ取りまとめをして、その内容を研修会の中でも各都道府県と共有できるようにしたいと考えております。

 研修会の中では、グループワークなども組み合わせながら、それぞれの都道府県の方々が他の都道府県と比較したときに自分の県はどこの部分が足りていないとか、不足しているとか、そういったことに気づけるような形での研修会の回し方というのは工夫していきたいと思っております。

 最後に言われた周知についても、研修会の中でどのような周知の仕方がいいのかといったことも触れられればいいかと思っておりますので、工夫してやっていきたいと思います。

○遠藤座長 山口構成員。

○山口構成員 ぜひお願いいたします。

○遠藤座長 ほかにございますか。尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 資料2の2ページですが、5疾病・5事業の取り組み状況を把握ということで、これはこれで結構だと思うのですけれども、在宅医療については特に確認ということは考えていないということでしょうか。

○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。

○鶴田課長補佐 今回の御提案の中では在宅医療は入っていないわけですけれども、在宅医療についても我々としてはしっかり把握していく必要があろうかと思っています。こちらに関しては、医療計画の検討会に在宅医療のワーキングがありますので、そちらでの議論を踏まえてまた御提示をして、実施していきたいと考えているところです。ですから、今回の計画検討会には提示していないですが、我々としてはやっていく必要があると思っていますので、具体的にどうするかというところは、今後議論をして、整理をして、対応していきたいと思っているところです。

○遠藤座長 尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 特に中間見直しにおいては在宅医療が非常に重要な役割を果たすと思うので、ぜひ在宅医療についても現状を把握するようにお願いしたいと思います。これは要望です。

○遠藤座長 事務局、よろしくお願いいたします。

 ほかにございますか。では、藤井構成員、それから佐藤構成員、お願いします。

○藤井構成員 私どもとしても、医療計画は中間見直しがあるわけでもあり、こういった取り組み状況の把握というのはものすごく大事なことだと思っていますので、よろしくお願いしたいと思うのですが、2つだけ要望です。

 一つは、先ほど尾形構成員もおっしゃったとおりで、私どもも在宅は大事だと思っていますので、ぜひ入れ込んでいけるような方向で御検討をお願いできればありがたいと思います。

 もう一つは、報告の様式や中身について、医療計画の期間を通じて実績がどのように変化していくのか、経年で数値が捉えられるような工夫も必要なのではないかと思いますし、そのときに最近よくあるレーダーチャートとかグラフを使って見える化というか、見やすくすると、関係者だけではなくて広く県民全体にも理解されやすくなるのではないかと思いますので、そういった工夫もぜひお願いできればありがたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、佐藤構成員、お願いします。

○佐藤構成員 まず、中間見直しについて、このような実施が進められることは地域医療計画の推進において非常に重要な視点だと私も思いますので、この推進をお願いしたいと思います。

 一方で、6年に1度の次期計画に向けての推進と3年に1度の中間見直しという位置づけが視点的に全く同じものであれば、都道府県にとっても負担が大きいということは当然考えられますので、ここにございます中間見直しに反映が必要な事項の整理という点につきましては、なぜ中間見直しとして必要なのかという論点をしっかりと出していっていただきたい。3年に1度の意味が何なのかという視点をぜひ盛り込んでいただくことによって、中間見直しをより効果あるものにして進めていただきたいと思っています。これは要望でございます。

 もう一点は、先ほど来お話がございます医療需要の把握です。これは在宅医療の点では各構成員御指摘のように、特に市町村からの医療受給の把握がどうなっているかということが、幾つかの会議でもその進展状況、内容は少々ばらついているように思っています。それは恐らく、市町村は市町村なりの困難さ、特に医療に新たに市町村が加わってきているという経験値の問題もあるかもしれませんが、ぜひこれは、都道府県を通じてということになるのでしょうが、市町村の困難性。特に在宅医療でそれぞれ市町村が把握すべき中身がなぜこんな現状でさまざまあるのかということも、できれば厚労省のほうでは丁寧に把握なさって、市町村の支援まで含めて対応していただければ、市町村から上がってくることが今後の中間見直しに必要な医療需要の把握につながっていくのではないかと思っていますので、御検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。では、岡留構成員から市川構成員でお願いします。

○岡留構成員 救急段階の評価の見直しということなのですが、35項目から42項目にふえているということで、現場の3次救命救急センターの作業量というのは。

○遠藤座長 失礼。岡留構成員、救急の話はこの後やろうと思いますので、今は資料2であります医療計画に関する検討スケジュールのことを。

 市川構成員、お願いします。

○市川構成員 目標項目のストラクチャー、プロセスはわかる。アウトカムに関しましては、具体的にどのような。これで言いますと、新しくセンターをつくるとかそういうことが載っていたのですけれども、必ずしも新しくつくる以外で、ほかに何かあればちょっとお教えいただきたいと思います。

○遠藤座長 事務局、アウトカムについてのお考えをお願いいたします。

○鶴田課長補佐 医療計画を策定するに当たって、昨年度末に課長通知をお示しさせていただいております。課長通知の中で別表ということで、5疾病・5事業ごとにストラクチャー、プロセス、アウトカムの指標例をお示ししておりますので、そこに書かれているアウトカム指標が都道府県によっては採択されて、計画の中で盛り込まれているのではないかと思います。

 実際に指標の中で言いますと、例えば、今、私がちょうど開いているページでいくと、がんの医療提供体制構築に係るところに関しては、アウトカムとして、年齢調整罹患率、がん患者の年齢調整死亡率、早期がん発見率、そういったものを指標の例として御提示しておりますので、そういったものを5疾病・5事業ごとに提示しているもので、実際に都道府県が計画に反映したものを今回、実態把握する中で把握していければと思っているところです。

○市川構成員 ありがとうございました。

○遠藤座長 よろしいですか。ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、事務局から提案されました内容につきましては、特段の反対もございませんので、幾つかの御要望等々の御意見もありました。したがって、こういった御意見等を反映した形で都道府県の取り組み状況の把握を事務局としては進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、資料3、救命救急センターの評価につきまして、御意見をいただきたいと思います。先ほど岡留構成員が最初に触れましたので、岡留構成員、それから加納構成員の順番でお願いしたいと思います。

○岡留構成員 資料3の4ページをごらんください。42項目ここに掲げられていますけれども、最後のページが前回の35項目の部分ですね。この内容をずっと見ていきますと、例えば医療現場で救命救急センターで脳死判定の臓器及び組織提供のための整備とか、それから、40番の教育の問題ですね。非常に膨大な作業量が入ってきている可能性があるのです。特別に研修枠とかいろいろ設けないと、現実に救命救急センターでこういう時間は余りとれないのです。ですから、もう少しここをシンプルな形に持っていけないものかと。この評価をすること自体は私は非常に賛成なのですけれども、もう少しシンプルな形で救命救急センターの充実度評価を持っていってもらいたいと思うのです。

○遠藤座長 御要望ですけれども、何か事務局からのコメントは必要ですか。

○岡留構成員 もし今、答えられればいただきたいと思います。

○遠藤座長 それでは、もしコメントがあれば、お願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 御意見ありがとうございます。確かに今回の充実段階評価におきましては、一部にはかなり救命センターに御負担のかかるようなものもあるかもしれません。しかしながら、これに関しては、基本的には救急医学会及び研究班でつくっていただいた項目でやっているところでございまして、逆に言うと、これはいわゆる現場の皆様、もしくはアカデミアの皆さんから御提案をいただいた項目でございます。一応、作成いただいた学会や研究班から聞きますところによると、今回の新たに追加された項目は、前回、充実段階評価の改正以降、今の時流に沿った救命救急センターにおいても取り組むべき課題だというふうに聞いているところでございます。

○遠藤座長 そういうコメントであります。

○岡留構成員 学会と現場との乖離があるので、学会は学会屋さんが動かしていきますけれども、現場はかなりの乖離の部分があるのです。その辺のところを少し酌み取っていただければと思うのです。

○遠藤座長 御意見として承りました。

 お待たせしました。加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 ありがとうございます。今の御発言にちょっと関係することかもしれませんけれども、もともと昭和52年に救命救急センターを創設した時の考え方のもとは、救急の最後のとりでとして、人口100万人当たりに1カ所の割合で設置しようという形でつくられたと思うのです。当時は全国で120カ所ぐらいを目指していたと思うのですが、8ページ目の資料を見ますと、もう288カ所になっています。以前、救急に関する議論をしているときには、まだまだ救命センター、3次救がふえているという状況下において、一方では2次救急がどんどん減っているという状況があります。救命センターに関しましては、平成25年の救急医療体制等のあり方に関する検討会で、やはり本来の救命センターとしての役割を担ってもらうところを確認して、整理しようという話になった結果、この充実段階評価という形になったかと思っております。

 その中で、救命センターというのは点数を見ていただきますと、1ページ目の下のところに書いてありますとおり、救命救急入院料、一番多いところは本当に1日11万円になっています。これは後で確認させていただきたいのですが、今のところ全部の施設がA評価になっているとすると、全部この右横の1,000点、つまり1万円が加算されているわけです。そうなれば1日につき1213万円の収入によって運営しているという確認です。それは後で回答していただきたいと思います。

 また、同時に横の補助金ももらっているということで、これは補助金の総額とかも教えていただけたらありがたいということと、ここもA評価からB、Cとなっていますが、これも全部Aであれば100%交付されているということになっているのでしょうか。それを教えていただきたいと思います。

 本来、救急医療体制等のあり方に関する検討会でもう一つ出た結論は、あくまでも高齢者の救急は2次救急でやっていこうというのがあの中で文言の中に入ったかと思うのです。そういう意味で、一回つくり過ぎた3次救急に関しては整理しようということで、これを整理する内容になっているのかということで議論しますと、5ページにあるように先ほど新しい基準でやっても2カ所しか整理できないのかなということです。SABCという評価でいきますと、C評価に落ちたのが今回初めて2カ所出てきたかなと。これは、もし、Cで一定の水準に達していないということになれば、今後整理する対象になるのかどうか、ということも教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○遠藤座長 幾つか質問が出ましたので、事務局、お願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 ありがとうございます。今、加納構成員からいただいた御意見は、今回の資料の1ページ目にございます平成25年の救急医療体制等のあり方に関する検討会の報告書の中に、救命救急センターにつきまして、一定の機能を果たしていない施設については改善を求めるとともに、救命救急センターとしての指定が妥当か否かについても地域の実情も踏まえ、検討が必要であるとされているところでございます。

 ただ、皆様御案内のとおり、救命センターの指定につきましては、都道府県において行われているところで、当初、各都道府県に1カ所以上でおおむね100万人に1カ所という基準を設けて整備しているところでございますが、現状として288カ所ございます。先ほど御案内申し上げました検討会報告書の中で見直しということも書いておるところでございますが、現状としては、救命センターの指定取り消し等の事例はございません。

 都道府県における救命センターの指定のあり方に関しては、引き続き、関係者の皆様方から御意見を賜っていければと思っておるところでございますが、本日の議論といたしましては、この25年に検討会報告書をまとめられました評価について、まずは進めさせていただきたいということでございます。

 救命センターにおける補助金等に関しまして、A評価であれば100%出ているということでございますけれども、あくまで各施設の体制整備に必要なものに対して国として3分の1を補助しているところでございます。それにつきまして、各都道府県がどの施設に対して補助をするかどうかというのは各都道府県の御判断でございますので、この場で個別の施設について御説明するところではないと思いますが、国の予算としてどの程度の執行の実績があるかということについては、今、御質問のありました件でございますので、おおよそ100カ所のセンターにつきまして、27億円の補助金を執行しているところでございます。

○遠藤座長 診療報酬のA評価も聞くのでしたっけ。診療報酬上のA評価の数というか、それも質問に。

○加納構成員 A評価は、もう全てA評価ですよね。

○遠藤座長 そういうことですね。よろしいですね。どうぞ。

○加納構成員 先ほども出ました充実段階の評価の項目について、今度は少しハードルを上げていくことで整理していこうという方向性かとは見受けられたのですが、その中で、例えば新しく出てきました7番の地域貢献度というところであります。この地域貢献度という中で、地域内の重篤患者をどれだけ診察しているかという割合だと思うのですが、まず、この重篤患者とはどういう患者さんを対象に考えられているのでしょうか。

○遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 重篤患者に関しましては、項目として18項目設定しているところでございます。18項目全ては御説明申し上げられませんけれども、まず1つ目としては、病院外の心停止、2つ目としては、重症の急性冠症候群、3つ目としては、重症の大動脈疾患等としているところでございます。

 例えば、病院外の心停止については御説明するまでもないと思いますので、2つ目の重症の急性冠症候群について基準を申し上げますと、こちらにつきましては、切迫心筋梗塞または急性心筋梗塞と診断された患者、もしくは緊急冠動脈カテーテルによる検査または治療を行った患者と定義しているところでございます。

○遠藤座長 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 あくまでもそういう疾患に限った意味での重篤ということで理解してよろしいのでしょうか。というのは、2次救急もしっかりと重篤患者さんを診られる病院、つまりいわゆる重篤という言葉で表する患者さんを診られる病院がほとんどだと私は思っておりますので、こういう評価項目が出まして、結果的に救命センターへやたらめったら救急車が搬送するような状況が起こってはまずいのではないかと思います。あのときも議論していたのですけれども、救命センターに行く救急車の数というのは、本来は100台中1台ちょっとの割合だと認識しておりますので、余り高齢者救急を担う2次救急を阻害するような、変な流れができないように、ぜひともお願いしたいと思います。

○遠藤座長 御要望として承りました。

 それでは、吉川構成員、お願いします。

○吉川構成員 吉川です。2点ほど要望したいことがございます。

 4ページの充実評価の項目の見直しの案についてですが、見直し案の必要性は理解できております。評価項目の中には幾つか看護師というのが出ていますが、この充実評価の項目の中に看護師に関するところが出てきていないということで、1つ目は、看護師配置についての項目を入れていただきたいということす。というのも、救急医療対策事業実施要綱というものがあるかと思いますが、そちらの中に重篤な救急患者の看護に必要な専任の看護師を適当数有するものとするというものがあり、そういったことから、この案の中にも看護師の配置の項目を入れていただければと考えております。

 もう一点、看護師の配置に関することですが、専門性の高い看護師の配置というものも入れていただきたいと考えております。同じく救急医療対策事業の実施要綱の中には、「専任の看護師は救急看護認定看護師などの配置が望ましい」と記載されています。先ほども幾つか御意見が出ていましたが、救急看護の実践は絶対ですが、あとは教育とかトリアージの実施、ないしはトリアージの事後検証などはしっかりと認定看護師ができると思いますので、そういったところからも救急看護ないしは専門性を有する看護師の配置というものを入れていただければと思います。

2014年に日本看護協会で3次救急医療機関における看護配置等に関する実態調査をしているのですが、2014年の段階で3次救急の医療施設の中では、救急看護認定看護師は83%が配置されておりますし、集中ケアの認定看護師も50%は配置という結果が出ております。また、行っている役割につきましても、看護実践のほかに、トリアージとか院内研修の実施、企画等もしっかりしております。トリアージは5割以上、院内研修は9割近く実施しておりますので、専門性の高い看護師の配置というものも入れていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 御意見として承りましたが、事務局、何かコメントはありますか。特段ありませんか。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 はい。

○遠藤座長 結構です。

 ほかにございますか。それでは、櫻木構成員、藤井構成員の順番でお願いします。

○櫻木構成員 櫻木です。

 一般救急と精神科救急の連携というのがずっと課題として挙げられているのですけれども、今回、4ページの充実段階評価の項目で13番の精神科医による診療体制というのが是正を要する項目に入れられているのは、その辺を配慮していただいているのかなとも思います。精神科医療と一般救急の連携の体制については、地域によって、自治体独自に、例えば大阪方式であるとか、あるいは山形方式というようなことで連携体制を地域で独自に組んでいるところもあるわけですけれども、そういったことに対する評価もぜひともしていただければと思います。そういった連携の体制はある程度把握をしていただいているのでしょうか。

○遠藤座長 御要望と同時に御質問も出ましたが、もう一度質問の趣旨をもう少し明確にしていただけますか。

○櫻木構成員 例えば大阪などだと、精神科病院が救急センターからのいろいろな問い合わせに応じるような、いわゆる輪番体制をつくっているような形でやっていたり、あるいは山形方式で言えば、救急が発生したときにトリアージにある程度精神科医がかかわってくるような体制を組んでいるということを消防庁のほうから聞いていますけれども。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 ありがとうございます。参考資料2をごらんください。13番、精神科医による診療体制ということで、「精神的疾患を伴う患者が搬送された時に、院内の精神科医が常時直接診察するか、救命救急センターの医師が、昼夜を問わずいつでも精神科医(近隣の精神科病院との連携も含む)に相談できる体制になっている」を2点として、また「上記に加え、精神科医が救命救急センターのカンファレンス等に参加するなど、精神疾患を伴う患者の入院中の治療、退院支援、転院先との連携等に継続的に関わる体制になっている」を3点としているところでございます。今、御紹介いただきましたような取り組みは、こういったもので読み込めるのではないかと考えているところでございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、藤井構成員、お願いします。

○藤井構成員 1点だけ確認なのですけれども、救命救急センターの質の底上げを図るために充実段階評価を見直すという趣旨は私も十分理解をしているのですが、逆に、あえてSという高いカテゴリーをつくる必要性があるかどうかというのは、ちょっと議論があるのではないかと思うのです。御案内のように、中医協の議論では、この評価の見直しに伴いまして診療報酬も連動して見直す方向だと伺っていまして、私ども、協会けんぽとしては、評価の見直し全体で見た場合の負担を財政中立にするべきだという主張もさせていただいています。患者側から見ますと、S評価のセンターに行ったらそれだけ負担がふえるということもあるので、改めまして、より機能が高いものをSとして、より高い評価をすることの必要性について、事務局の見解をお伺いできればありがたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、事務局、コメントをお願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 ありがとうございます。今回、S評価を新たに定めることにつきまして、診療報酬の点数等に関してはここでは申し上げる立場にないと思いますので、まず、S評価をつくった理由につきまして、今回の資料の10ページ、先ほど御案内申し上げたとおり、22年から評価を行っており、現状として全てがA評価になっている状況でございます。これまで全てのセンターがA評価になっているのですけれども、その中でも特に他のセンターと比べて規範となるようなセンターにつきましては、S評価なりを設けることで評価をしてあげたいという思いが一つと、今回提案させていただいている6ページの評価点というところでありますように、まず現状としては90点を一つの目安として提案させていただいているところでございますけれども、こちらに関して評価点として31年は92点、32年は94点として、不断の努力をお願いする、そのようなセンターをしっかりと評価してあげたいという思いでございます。

○遠藤座長 藤井構成員、よろしいですか。

 それでは、市川構成員、今村構成員、どうぞ。

○市川構成員 今のお話ですと、結局、秀でたところをさらに評価ということなのでしょうけれども、ただ、5疾病・5事業は全国均一化というのが目標だと思うのです。そこであえてA評価になった時点においてもう一個上をつくるのは、本来の5疾病・5事業の中からはちょっと違うかなと思います。

○遠藤座長 それは御意見ということでよろしいですか。コメントは必要ですか。

○市川構成員 もし、ないようでしたら結構です。

○遠藤座長 では、御意見として承りました。

 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 資料の6ページのS評価を順次上げていくというところについて、今のままでいいのかという問いかけなのですけれども、これは今、ほとんどAだったものをSというすごいものをつくって、そこをみんな目指そうということで、今、90点で切っている、この90点という線はすごく私はいい線だと思うのです。それは45項目のうち2点を全項目でとっていれば90点だと。ところが、その90点から上がっていって92点、94点になっていくときに、全項目の評価なのですかといったらそうではなくて、2点以上ある項目だけ、ちゃんとそれが2点以上とれるかどうかという話になるので、2点以上の評価点のある項目は8項目しかなくて、そのうち3点までのものが6項目、2点のものが2項目ですから、要は8項目しかなくて、特に2項目とれるかどうかというところだけがSかAかという切り口に変わってしまうのです。

 ですから、今の90点の線で切ってSというのは、総合力で全部クリアしたらという、すごくポリシーに基づいているものなのですけれども、そこから先に上げていくところが、すごくクリアしにくい8項目だと思うのですけれども、その8個のうちの何個とれましたかという基準に下がってしまうので、総合評価として満点だったものが、そこから先はほんの少しの項目の評価項目になってしまうというあたりにすごく矛盾を感じます。

 上げていくに当たっては、本当にこの8項目だけのことを見るのがいいのかどうかというのは、ぜひ今後、検討してもらいたいと思いますし、このまま上げていくのは余りにも救命センターのSとして、その8項目だけに絞る。この場合ですとほとんど医師の配置数ですから、医師の配置数が多かったらSだという話になっていってしまいますから、それは趣旨に反するものになるのではないかと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 御意見でよろしいですか。何かコメントが必要ですか。

○今村構成員 審議経過の中で、もし今のこともクリアされているのだったら回答していただきたいし、検討していないということだったら今後検討してもらいたいと思います。

○遠藤座長 では、事務局、どうでしょうか。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 今後検討させていただきたいと思います。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 では、尾形構成員、どうぞ。

○尾形構成員 資料3の3ページに今回の見直しの基本的な考え方が整理されていて、ストラクチャーを中心とした評価体系からプロセスも含めた評価体系へと見直すとされています。この考え方自体は結構なことだと思うのですが、一方で、アウトカム評価についてはどう考えているのか。あるいは、それは難しいということだったのか。何か検討会でその辺の議論があったら伺いたいと思います。

○遠藤座長 事務局、アウトカム評価について、お願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 今回、プロセス評価を追加したということで、従前の平成22年のものからバージョンアップをしているところでございます。アウトカム評価につきましては、まだどういった項目がとれるのかとか、その基準の妥当性とかについては議論が十分なされていないのではないかという認識でございます。

○遠藤座長 尾形構成員、よろしいですか。

 ほかに。山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほど、吉川構成員のお話の中に看護師さんのお話があったのですけれども、特に救命救急センターということなれば、家族が突然重症な状態になって運ばれるわけです。私が聞いていますのは、専門看護師で急性重症患者専門看護師、認定看護師の中に救急看護認定看護師と集中ケア認定看護師がいらっしゃる。そういう方がいらっしゃるところは、救急の現場ではなかなか家族に対しての手当てができないところを、十分な手当てをされているということをお聞きしていますし、そこのナースの方にも、例えば専門的な観点から、こういう患者さんにはこのようなことをしたほうがいいというアドバイスをされているようなことも伺っています。そういった意味で言うと、非常に大きな大切な部分を占めているのが看護なのかなと思うのですが、私も改めてこれを見たときに、項目の中に何で看護が入っていないのかと、今の吉川構成員のお話を聞いて改めて感じました。

 そこで質問ですけれども、入らなかった理由が特段あるのかということと、研究班の中に看護の専門の構成員がいらしたのかどうかということをお聞きしたいと思います。。

 要望としては、私も看護の領域というのは何らか入れていただいたほうが、患者、家族にとって、救命救急センターの安心できる存在ではないかと思います。

○遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 今回、看護師の方がこの評価項目に入っていない点につきましては、おむね先ほど御説明いただいたとおり、そもそもこの救命センターに係る実施要綱の中に、必要な専任の看護師を適当数有するものと明確に位置づけられており、専門性の話はこれからさらに追記があるかもしれませんけれども、専任の看護師につきましては、専門的な3次救急医療に精通しているなど客観的な評価を受けていることが望ましいとして、例として、日本看護協会の救急看護認定看護師等と明確に実施要綱に既に書いておるものでございます。

 今回、他の職種として挙げられています薬剤師とか臨床工学技士につきましては、要綱のところに位置づけられていないものでございまして、救命救急センターの実施要綱に位置づけられていない者をさらに配置するものを明示しているところでございます。例えばそのほかに職種として実施要綱の中に書いておりますのは、診療放射線技師、臨床検査技師を常時確保するものというふうにも実施要綱に書いておるところでございますので、そういった他の職種についても、そもそも救命センターの運営に必要なものとして位置づけられておりますので、この評価には入れていないわけでございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 山口構成員。

○山口構成員 それはわかりますけれども、このほかの項目を見ていると、そういう当たり前の項目がほかにも含まれていることから見ますと、何も看護師だけ外さなくてもいいのではないかという気もしますので、より充実しているということからすると、今後の検討も含めてお願いしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 事務局、何かありますか。

○徳本救急・周産期医療等対策室長 そういった意味では、今後の検討対象だと思います。

○遠藤座長 ほかにございますか。大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。大変いろいろな御意見をいただきました。また、事務局からも今後の検討とさせていただくというような返事もいただいております。この救命救急センターの充実段階評価につきましての扱いですけれども、ただいまさまざまな御意見が出ましたので、それらの御意見も踏まえまして、医療部会に報告をさせていただくという段取りでよろしゅうございますか。

 では、そのような対応をさせていただきます。ありがとうございます。

 次は、議題の4つ目になりますが「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 第2次中間取りまとめについて(報告)」、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○久米課長補佐 事務局でございます。「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 第2次中間取りまとめ」を昨年1221日に取りまとめさせていただいております。こちらにつきまして、資料4-1に本文を書かせていただいており、いろいろな対策がありますけれども、こちらは医療計画検討会ということですので、医療計画に関することを中心に、資料4-2もあわせてごらんいただきながら御説明させていただきます。

 資料4-2の1枚目を開いていただきますと、1ページに、この中間取りまとめの最初のほうの1から4ページぐらいまでの内容を書かせていただいております。今までは医学部定員をずっとふやしてきたということですけれども、まだ偏在は解消していないということでございます。特に、この増員してきた方の中で地域枠の方がいらっしゃるということですが、こういった方がこれから臨床研修を終えてどんどん出てくるということでございまして、こういった方々をどうやって医師派遣、適切なところに行っていただくかということが目下、都道府県での課題になっていると認識しております。

 また、「2.対策の必要性」でございますけれども、今、申し上げましたような偏在が診療科・地域等々にまだ存在するということでありますとか、専門医制度が平成30年度から始まることになっておりまして、地域医療に影響を与えないようにしていくことが必要だということでございます。

 また、医師の働き方改革が今、進んでおりまして、医師が少ないと言われているようなところにつきまして、医療に影響を与えないようにするためには偏在が大事だということ。

 それから、税と社会保障の一体改革においても、マンパワーについて、都道府県のほうでしっかりとやっていくというようなことが記載されているということでございます。

 そういったことから、こちらの需給分科会のほうで御検討いただきまして、対策をまとめていただいたということでございます。

 引き続きまして、2ページに進んでいただきますと「医師偏在指標の導入」というところがございます。このページから内容になっていきますが、報告書のほうは5ページ以降でございます。

 医師偏在指標の導入という部分でございます。これは全体を通じての基本的な政策立案のためのツールということで、今回、導入するということでございますけれども、今、医師偏在の指標のようなものはございませんというか、人口10万人対医師数というものを活用しておりますけれども、こちらのほう、もう少し、より医療重要でありますとか将来の人口、患者の流出入、こういったものを含めてしっかりと考えた上で、各地域の指標を出して、これに基づいてしっかりと対策を立てていく。こういう基本的な政策ツールをつくっていくことが重要かと思っております。こうしたものをつくって可視化した上で、これによって可視化された指標を使って、医師少数区域でありますとか医師多数区域、こういったものを指定する。多数区域から少数区域に医師が派遣等を通じて行くといったような仕組みにしていくことが重要かと思っております。

 続きまして、5ページを見ていただきますと、この指標等を使ってどうしていくかということで、都道府県における医師確保対策の実施体制の強化を進めてことが重要だと思っております。実際に医療計画の中にも医療従事者の確保に関する事項がありまして、この中で医師の確保について書かれているということでありますとか、あと、地域医療対策を定めるという法律になっているのですが、定めていないところもありますし、内容にも差があるといった状況がございます。

 また、地域医療対策協議会というものを法定し、各都道府県で医師確保を中心に議論してくださいということをお願いしておるのですが、こちらはまだ7県で過去5年未開催ですとか、医師確保に関する各種会議体が乱立しているといったこと。それから、大学と十分連携ができていない都道府県もあるということでございますので、こういった状況を改善していくことが必要だと思っております。

 右側の制度改正案というところでございますが、マル1で医師確保計画をつくっていただくということでございます。こちらは先ほど申しました指標を使って、目標をしっかり立てていただいて、その目標に基づいて施策を講じていく。こういうものを確保計画の中に入れていく。これに基づいてPDCAサイクルを回して、この地域では今回はこれだけ達成できたということをちゃんと目で見えるようにしていくということでございます。

 こちらで定めました対策について、地域でどのように各医療機関が役割を果たすのかということを地域医療対策協議会の中で御議論いただくということでございます。こちらは先ほど申しましたように、医師確保関係の協議会が乱立しておりますので、こういうものをできるだけ統合して、また、構成員もPTAだとかそういったところが入っているようなところもありますので、各種構成員を再構成していただきまして、しっかりと御議論いただけるようにしていくということでございます。こちらで決まりました、例えばこの病院に何人、どういう医師を派遣するといったようなこと。こういった事務について、しっかりと地域医療支援センターで運営を行っていくということでございます。

 この地域医療支援事務の中で今、医師派遣等を行っていくわけでございますが、先ほど申しましたとおり地域枠の学生を派遣する、派遣先を決めていくということを都道府県が担っているわけでございますが、先ほど申しました地域医療対策協議会の中に大学医局にもしっかり入っていただいて、ちゃんと協議をした上で派遣先を決めていくということですとか、また、地域枠の学生は理由なく公立病院、公的病院などに派遣先が偏らないようにするといったことも大事だと。それから、地域医療構想との整合性の確保でありますとか、キャリア形成プログラムを策定する。こういったこともしていくということでございます。

 続きまして、しばらく飛ばしていただきまして、医師養成の関係についても各種対策をまとめていただいておるわけでございます。こちらは簡単に申し上げますと、29ページになりますけれども、医学部の入学時点でありますとか臨床研修を受ける段階に当たって、地元の出身者、要はある都道府県出身者がその都道府県の大学に入って、そのまま臨床研修を受けるといった場合には、非常に高い割合でその地元に定着するというデータがございますので、例えばその都道府県が大学に対してもうちょっと地元出身者の入学枠をふやしてくださいという要請の枠をつくってもらうとか、もしくは臨床研修に当たって、そういった地域枠とか地元枠で入った方たちがちゃんと残っていただけるように事前にマッチングをするということ。それから、今回は専門研修も新たなものが始まるということで、研修体制をしっかりと都道府県で構築していただくということで、臨床研修病院の指定、定員設定などを都道府県でしっかりやっていただくことが必要ではないかと思っております。

 続きまして、30ページでございますが、専門医の件につきましても、国や都道府県が研修の機会を確保するため、それから、地域医療の観点から、日本専門医機構に対してしっかりと意見を述べる仕組みを法定化することも大事だと思っております。

31ページも医療計画の中に書き込むことになろうかということでございますけれども、外来医療につきましては、今、外来患者は6割ほどが無床診療所に通っているわけですが、無床診療所は開設が都市部に偏っているという状況がございます。

 また、救急医療体制の構築ですとかグループ診療の推進、こういったことは自主的な取り組みに委ねられているということでございます。こうした中で何をしていくかということでございますけれども、制度改正案としまして、外来医療に関する協議の場を設置して、まずこの中で、今、ある地域ではどれぐらい無床診療所がどういう診療科で開業していて、どれぐらい都市部に固まっているのか、もしくは全然田舎で医師が足りないのか、開業しているお医者さんが足りないのかといったことを客観的に把握していくということでございます。

 先ほど申しました医師の偏在指標の外来部分を取り出しまして、そうしたものを見ていくということでございます。かつ、こうした状況の中で医師の偏在というものが見えてきた、不足が見えてきたという場合には、例えば偏在しているものをどう是正していくかとか、足りない診療科を少ない医療資源でどのように確保していくかといった機能分化、連携の方針などをここで議論していただくことが大事かと思っております。

 最後に32ページでございますけれども、今回大きな議論になりました、医師にどうやって医師の少ない地域に行っていただくかということで、医師個人を後押しするような仕組みです。それから、医師派遣をするですとか医師を受け入れるような医療機関に対してインセンティブをつけていく。それから、医療機関と医師を適切にマッチングしていく。こういった3本柱のようなものが必要ではないかということでございます。

 (1)でございますけれども、例えばグループ診療を推進していく、それから、遠隔でも医師間で相談できるようにしていく。こういったものに対する支援をしていくでありますとか、もしくは、一定程度、医師の少ない地域で診療した医師に対して厚生労働大臣が認定をし、その認定を受けた方については、地域医療支援病院のようなところで管理者として評価をしていくということ。

 それから、医療機関に対するインセンティブとしては、医師派遣を支える医療機関に対して経済的インセンティブを付与していくということですとか、地域医療支援病院のあり方についてもあわせて検討していく。

 マッチングについては、地域医療支援センターがしっかりとその機能を果たしていくといったようなことが大事だということでございます。

 駆け足になりましたけれども、以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ここでの議論について事務局に確認したいのですけれども、これは基本的に関連検討会で議論された事柄であって、それをここで報告するという位置づけでよろしいですね。

○久米課長補佐 そのとおりです。

○遠藤座長 そうでありませんと、内容的に幾らでも突っ込みどころがある話ですから、延々と議論になりますので。

 そういうことでありますので、御質問、御意見等は承りたいと思いますが、こういう形で医師の遍在対策が進んでいると。医療計画と関連するところを中心に説明していただいたということでございますけれども、御質問、御意見があればいただきたいと思います。今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 29ページと30ページの部分で1問ずつ、質問というか確認があります。

 まず、29ページの制度改正案の最後の通常のマッチングの前に、地域枠学生等のマッチングを実施ということで、これを前にやることはいいことではあるのですけれども、実際に我々の周りでも起こっていることを申し上げますと、地域枠の学生の子が成績がいいとは限らないという状況の中で、マッチングがフルマッチングになってきたときには、ほかの地域から成績のいい子がやってきたいといったときにどちらをとるかという問題があって、今のままだと成績の悪い地域枠の子を残して、成績のいい県外の子は断るというような状態が発生します。地域枠の子をとればそれが起こって、県外の子をとったら地域枠の子をとらないという問題が発生して、なかなか矛盾に満ちた状況が起こってこようとしています。その辺のところは今後、検討していただく必要があるのではないかと思っていますというのが29ページのほうです。

30ページの専門医のほうの資料の制度改正案の中で、厚生労働大臣が将来の診療科ごとに必要な医師数を明確化すると書いてあって、医師の偏在というのは割と数量化ができると思うのですけれども、必要な医師数を特定するというのは物すごく難しいと思うのです。もともと総必要な医師数そのものも難しいと思うのですけれども、それを診療科ごとに特定するというのは極めて困難なことだと思います。この点は、こんなふうに明確に書くと後々かなりしんどくなるのではないかと思うので、この2点、もし回答できるのだったらお願いしたいと思います。

○遠藤座長 事務局、何かコメントがあれば。特段なければ。

○堀岡医師養成等企画調整室長 先ほどの臨床研修のほうでございますけれども、臨床研修部会のほうでもマッチング等の公平性の問題についてはるる御指摘をいただいたところなのですが、一部、これは非常に少ない定員でやることになっておりますし、また、そのマッチングの別枠でやることになっていますので、そういった地域枠の学生をとる意欲のある病院が手挙げで、しかも、かなり限定的な人数をとるということで、マッチングの公平性とのバランスをきちんととろうという議論で、今、制度設計をしているところでございます。

 もう一つ、専門医の必要な医師数の目安を示すという点については御指摘のとおりで、今後、制度設計するときにきちんと慎重にやっていきたいと思います。

○遠藤座長 よろしいですか。ありがとうございます。

 ほかに何か御質問はございますか。吉川構成員、どうぞ。

○吉川構成員 私も、30ページの専門研修のところはどうしても理解できなくて教えていただきたいのですけれども、専門研修医が一部の診療科に偏っていることですとか、そもそも選択するときに自主的に診療科を選んで選択しているというところがあることはわかるのですが、それが制度改革案になったときに医師数を明確化することで、どういうあれになってそれが改善されると考えればいいのかが理解できなくて、お願いいたします。

○遠藤座長 事務局、お願いします。

○堀岡医師養成等企画調整室長 2025年に向けて、高齢化などを踏まえて診療科ごとの需要のバランスは大きく変わってくると思います。先ほど今村先生から、非常に難しいのではないかという御指摘は本当に事務局としてごもっともなのですが、そのような目安をつくって、診療科の選択をする医師の方々の参考にしていただければということで、今、この制度改正案に載せていただいております。

○吉川構成員 これを出すと、ドクターが参考にすると、自分は本当はこちらに進みたいのだけれども、こちらに枠がないから違うほうに進むというふうに考えるというように考えるのですか。

○堀岡医師養成等企画調整室長 あくまでも枠ということではなくて、需要の目安を示すということで医師需給分科会の中では議論をしていただいております。

○遠藤座長 全体像の需給関係の見える化をするということだけですね。そこから先の調整的なことは基本的には考えていないということです。

 ほかにございますか。大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。本日用意した議題は全て終了いたしましたが、全体を通じて何かあればお聞きしたいと思いますが、何かございますか。よろしゅうございますか。

 外は銀世界ですから、余りぐずぐずしたくない。それでは、本日はこれまでとさせていただきます。

 最後に、事務局から何かございますか。

○田丸課長補佐 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いします。

○遠藤座長 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。

 


(了)
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直通電話:03-3595-2194

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