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第34回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録
(2025年3月31日)

○日時

令和7年3月31日(月)17時00分(目途)~18時00分(目途)

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D

○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、今村英仁、清水惠一郎
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明、橋本忠幸
中村聡、往田和章、角本靖司、逢坂忠
高橋和久参考人、山﨑正隆参考人
<事務局>
鹿沼局長、神ノ田審議官、米田保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 皆様おそろいでございますので、ただいまより、第34回「社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催といたします。
 委員の皆様におかれましては、年度末の大変お忙しい中、御参集をいただきましてどうもありがとうございます。
 まず初めに、委員の出席状況について御報告をいたします。
 本日は、森委員が御欠席でございます。また、本日の議題につきまして審査支払機関の立場から社会保険診療報酬支払基金の高橋和久様に参考人としてお越しいただいております。さらに、本日は専門委員以外の団体からも御意見を伺うため、参考人として日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会より山﨑正隆様にお越しいただいております。
 参考人の御出席につきまして御承認をいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(委員首肯)

○遠藤座長
 ありがとうございます。
 マスコミの方々のカメラの頭撮りはこれまでにしていただければと思います。
 それでは、議事に移らせていただきます。
 本日は、「柔道整復療養費のオンライン請求導入等について(中間とりまとめ)について」を議題とさせていただきます。
 事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。
○米田室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 資料の1を御覧ください。
 柔道整復療養費のオンライン請求につきましては、規制改革実施計画に基づき、あはきの療養費に先行して現在議論が進められておりまして、本年3月12日に保険局長の下に設置したワーキング・グループで中間取りまとめがなされました。先ほど開催されました柔道整復療養費検討専門委員会でこの中間取りまとめの報告を行ったところでございますが、今後あはき療養費のオンライン請求導入を検討していくに当たっても参考になるものと考えておりますので、本日はこちらの専門委員会でもその内容を報告させていただきます。
 まず1ページの真ん中、下あたりから「1.基本的な考え方」でございます。
 ここでは、柔道整復療養費のオンライン請求を導入するに当たっての前提となる大枠の考え方についてワーキング・グループで意見が一致したものをお示ししております。
 まず1ポツ目、「既に行われている実務との接続にも配慮しつつ、簡素で分かりやすく、セキュリティが確保された仕組みとなるようにする。また、①療養費の施術管理者(施術所)への確実な支払、請求代行業者等による不正行為の防止、②施術管理者(施術所)や保険者の事務の効率化、システム整備・運用の効率化、③審査の質の向上、審査基準等の標準化、④より質が高く効率的な施術の推進を目的・効果として、最終的に国民が恩恵を享受できるよう進めていくこととする。」
 また、2ポツ目では、関係法令は改正せず、協定や契約に基づく現行の受領委任の仕組みを維持するとしています。
 続いて、2ページを御覧ください。
 1ポツ目でございます。オンライン請求の事務フローは、健康保険法第87条第1項の規定を前提として構築する一方で、柔道整復療養費の特有の事情に適切に対応しつつ、療養の給付の事務フローも参考に検討を進めることとする。こうした基本的な考え方に基づき、費用対効果も十分に意識しながら、細部を検討していくこととしております。
 続いて「2.個々の検討項目」についてです。
 まず「(1)審査支払機関の位置づけ、審査のあり方について」の<現状と課題>でございます。
 1ポツ目には現在、受領委任制度の療養費の請求受付・審査・支払の業務主体は保険者等であること、2ポツ目には審査支払機関を活用した事務フローを構築することが必要であること、3ポツ目には現在、国保連と協会けんぽの審査委員会や個々の保険者で審査が行われていること。3ページに移りまして1ポツ目、療養費の支給、不支給の決定は保険者が行っていること、そして2ポツ目で審査基準が確立されていないこと等が書かれております。
 その上で<検討の方向性>として、まず審査支払機関が関与する事務フローを基本とすることが適当ということでございますが、現在支払基金は療養費に関する業務を行っていないこと等を踏まえ、どのように対応していくべきか、今後検討を深めることが必要である。
 また、下から2つ目のポツ以降、オンライン請求導入には全ての保険者等が参加する仕組みを目指す必要がある。このとき、療養費の支給に関して保険者が有する権能との関係では、現在の整理を前提として検討することが適当である等としております。
 続いて4ページの中段、コンピュータチェックにつきましてはこれを導入することが適当である。これによって、審査事務の効率化や審査の質の向上を図っていくこととしております。
 「審査基準について」、また5ページの「再審査について」は記載のとおりでございます。
 続いて「(2)過誤調整の取扱いについて」です。
 <現状と課題>では、療養費の受給権は被保険者にあることから、「過誤調整」を一方的に行うことについては判例上も認められておりませんが、<検討の方向性>として関係当事者間の合意に基づき過誤調整を行うことについて仕組みを検討すべきである。
 具体的には5ページから6ページにまたがりますが、受領委任に係る協定や取扱規程に根拠となる規定を追加すること、また、被保険者の合意を得る簡易な仕組みを検討すべきであること等としております。
 続いて6ページの中ほど、「(3)署名・代理署名の取扱いについて」でございます。
 <現状と課題>では、オンライン請求の導入に伴い、紙申請書に署名することができなくなるため、別の何らかの方法で受領委任の意思が効率的に反映される仕組みとする必要があります。
 <検討の方向性>として、療養費の受領を電子的に施術管理者等に委任する仕組みとすることが適当であり、今後、検討を深めるべきであるとしています。
 また、7ページでは、オンライン請求導入に伴い、施術を受けた都度、委任を行うことを検討すべき。オンライン請求導入まで可能な限り早期に明細書の発行を完全義務化することについて議論を進めるべきとしています。
 「(4)紙請求等の取扱いについて」ですが、請求方法はオンラインに限定することが適当であり、このため、環境整備や周知のために十分な準備期間を設けるべきであるとしています。
 「(5)オンライン請求システムの構築について」です。
 <検討の方向性>として8ページ以降になりますが、まずは簡素で分かりやすいシステムを構築することを基本とし、療養の給付等の例や介護保険の例のそれぞれのメリットとデメリットを整理し、今後、検討を深めるべきとしています。
 「(6)施術所管理について」です。
 まず<現状と課題>では3つ目のポツで、受領委任の取扱いでは施術管理者という「人」に着目した管理を行っており、原則として支払いも施術管理者に対して行われております。支払い先は支給申請書ごとに記載された口座等となっており、事務が繁雑であるとの指摘があります。
 このため、<検討の方向性>では、事務処理の効率化等に配慮しつつ、現行の施術管理者番号は存置した上で、新たに施術所単位で管理する運用を構築することとし、受領委任協定や契約の相手方については施術所の管理者等とすることが適当である。
 また、一番下のポツですが、施術所ごとに審査支払機関に振込口座を事前登録することにより、管理することが適当であるとしております。
 9ページでございます。
 「(7)復委任について」で<現状と課題>ですが、現在、受領委任の委任を受けた施術管理者が被保険者の承諾を得た上で、さらに所属団体等に受領を再委任している場合がございます。
 <検討の方向性>では、オンライン請求導入後の復委任の取扱いについて検討すべきである。
 今後、具体的な事務フローを検討していく中で、例えば一定の条件の下で都道府県柔道整復師会及びそれ以外の団体・業者等への復委任を認めることとする案をはじめとして、メリット・デメリットを勘案し、適切な仕組みについて検討することが適当であるとしています。
 「(8)その他の論点に係る検討の方向性」でございます。
 まず1つ目、「電子請求様式等及び電子申請書(請求書)管理について」は、記録条件仕様等は全国統一仕様とすること。
 また、10ページですが、申請書の保管・管理方法については、療養の給付の例を参考に検討することが適当である。
 また、2つ目が「オンライン請求導入に関する費用負担について」ですが、今後のワーキング・グループにおける実務的・技術的課題の整理を踏まえ、この専門委員会を中心に議論することが適当である。
 最後に「オンライン請求導入に向けたスケジュールについて」ですが、当初の令和8年度稼働目標は見直すこととし、新たな稼働予定時期も今後のワーキング・グループにおける実務的・技術的課題の整理を踏まえ、専門委員会を中心に議論することが適当であると、それぞれお示しをしております。
 以上が、中間取りまとめの内容です。あくまでも柔道整復療養費についてまとめられたものでございまして、今回あはき療養費のオンライン請求導入については初めて議論を行うこととなります。このため、本日は今後検討を行っていく上で必要となる視点ですとか、留意すべき事項などを中心に御意見、御議論をいただければと思います。
 事務局からの説明は以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 本日の議論は、ただいま調査室長からお話があったような位置づけでの御意見を頂戴できればと思っております。
 それでは、御意見等があればいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
 中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 日本鍼灸師会の中村です。今日もよろしくお願いいたします。
 今回、柔道整復師におけるオンライン請求の導入ということでお話をお伺いさせていただきました。今、室長からもお話があったように、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師療養費は慢性疾患を診ていることが多く、往療が非常に多い事が特徴です。柔道整復師は施術所での取り扱いが多いことから、請求の審査につきましては今後私どもの意見も聞いていただけたらうれしいと考えております。
 オンライン請求そのものにつきまして、日本鍼灸師会といたしましても国が示す方向について協力をさせていただきたいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、往田委員お願いいたします。
○往田委員
 全日本鍼灸マッサージ師会の往田でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 今、事務方のほうより、柔道整復費のオンライン請求導入についての中間取りまとめ案の御説明、誠にありがとうございました。
 先ほど中村委員もおっしゃったように、柔道整復とあはきの差異、違いというものに着目をして、あはきに関してはあはきなりのオンライン請求に係るルールの策定というものが当然必要なのかと思います。
 今日、初めて資料が示されておりますので、全てその中の意見を述べることはできないかもしれませんが、今の御説明の中で特に私のほうで気になったことは、7ページの上の1つ目のポツで、「オンライン請求導入に伴い、施術を受けた都度、委任を行うことを検討すべきである。」というところに関してです。
 恐らく、柔道整復療養費に関しては外来が中心となっていて、患者さんが施術所にいらっしゃる初日に白紙の施術支給申請書にサインをする。先ほどの柔道整復療養費専門委員会でも類似した御発言がありましたが、白紙の支給申請書にサインを受けるみたいなことがあるのではないかというところを踏まえての御意見かと思いますが、あはき療養費に関しては柔整と異なっていて、支給申請に当たってはその申請書を患者に内容を確認してもらった上で署名、もしくは捺印をもらうというルールが既に導入をされております。その上で支給申請書のコピー、または明細書の交付を患者に渡すということも既に義務化されているところであります。
 なおかつ、あはき、特にマッサージ療養費に関しては御存じのとおり、歩行困難な高齢の患者さんに関しての訪問施術が全体の8割以上を占めていて、私の施術所でもそういった患者さんを診てはいるのですが、やはり歩行困難ということなので、例えば寝たきりであるとか、それに近い認知症患者も多く扱っておりまして、現在もそういった患者さんに関して支給申請書を見せて内容を確認してサインをもらうということが実態上、不可能なケースというのは多々あります。
 そういった場合、例えば施設入所の患者さんなどだと、その施設に入所している患者さんにそこにサインをしてもらうとか、判断能力がちょっと落ちている患者さんにサインをさせるとか、印鑑を押させるということは、私としては不適切だと考えておりますので、現状、例えば私の施術所では何をしているかというと、施術を行ったカルテとその支給申請書を後見人であるとか、その御家族に郵送をして内容を確認していただいて、代理で署名をしていただく。その上で返送していただくということで取り扱っております。
 それは、すべからく適正化に資するための施術者としての当然の行為だと思っておりますが、この資料に示される施術を受けた都度、委任を行うということを求められるとなると、そういった判断能力が低下している方に毎回、毎回施術を行ったということの委任を受けることが果たして適正な施術につながるのかどうかというところは甚だ疑問だと思いますし、実務上ほぼ不可能であろう。
 そういうこともあるので、厚生労働省が示している療養費のあはきにおける明細書は1日分と1か月分が用意されていて、1か月ごと、歴月ごとに療養費の請求は行われますので、その歴月ごとの内容についての委任を一括してもらうというのが現行の取扱いです。
 そういった現場の状況を考えると、この資料にあるように、繰り返しになりますが、施術を受けた都度、委任を行うことを求めるというのは極めて現実的ではないのではないかと思います。
 1点目は、以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りましたけれども、ありがとうございます。
 それでは、続きまして逢坂委員、お手を挙げておられますのでお願いいたします。
○逢坂委員
 ありがとうございます。日本視覚障害者団体連合の逢坂でございます。
 これから請求の電子化については議論されるということなので、またその議論の中で意見を述べさせていただこうと思いますが、療養費の取扱いにつきましても一定の割合で視覚に障害がある施術者が参加しております。これから議論を進めるに当たって、視覚障害者が著しく不利益を被らないように、ぜひ検討を進めていただきたいと思っております。
 これは全く別のというか、電子化とは別の話になる部分もありますけれども、例えば去年、オンラインの資格確認が4月より導入されたわけですが、資格確認ができた情報をその場で素早くメモに取ったりということは、なかなか視覚障害者はできない方が多いのですね。それを補完する形で、7月末に補完される仕組みをようやく導入していただきました。
 ただ、それまでの間、非常に正社員の皆さんは御苦労されていたということもお聞きしています。それができるようになって大分取扱いはしやすくなったというような御意見もいただいていますので、視覚に障害があっても操作しやすい、あるいは取り扱いやすい仕組みをぜひ考えていただきたいということをお願いしたいと思います。
 私のほうからは、以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
 ほかに何かございますか。
 では、角本委員、お手を挙げておられます。よろしくお願いいたします。
○角本委員
 ありがとうございます。日本あん摩マッサージ指圧師会の角本でございます。よろしくお願いいたします。
 当会に関しても、やはり視覚障害者の方が一定数いらっしゃいますので、今後の検討につきましては合理的な配慮をお願いしたいと考えております。その他につきましては、ほかの委員の先生がおっしゃられたとおり、柔道整復と異なる部分はかなりありますので、その辺の御配慮はいただきたいということがあります。
 また、視覚障害者だけではなくて、我々の施術者の中にはパソコン等に不慣れな年配者の施術者もたくさんいらっしゃいます。また、事業規模とかが小さくて一人の施術者という施術所も多いため、特にパソコンに詳しい事務員がいるわけでもないですから、それに対してオンライン請求の導入につきましては一定の配慮をいただければと考えております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 では、中村委員よろしくお願いいたします。
○中村委員
 ありがとうございます。日本鍼灸師会の中村です。
 今からお話をいたしますのは2ページ目の「個々の検討項目」の「(1)審査支払機関の位置づけ、審査のあり方について」ですが、お話をさせてください。
 この審査の在り方なのでございますが、今、保険者様によって審査の基準に違いがあると感じておりまして、返戻になっている事例が単純な数字の間違いから、踏み込んだ質問までいろいろ出てきていると感じております。
 特に民間の審査会社が入っておりますと、その審査会社が替わるごとにアンケートの調査の内容が非常に細かくなってしまって、被保険者がどう答えたらいいか困っているという事例まで発生していることもございます。公的な審査機関がしっかりと審査に関わり、公平性を持ったチェックをしていただきたいと思います。
 公益のはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師団体を中央での審査の中にぜひ入れていただいて、施術者自身が保険者様にしっかりと現実を伝えられるような体制をつくっていただきたいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長
 御意見として承りました。ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、往田委員お願いいたします。
○往田委員
 すみません。ほかに御意見がないようなので、たびたび失礼いたします。
 先ほど来申し上げてきた、あはき特有の事情についてでございます。御存じのとおり、あはき療養費においては、あはきの受領委任制度への参加は保険者の自由裁量に委ねられているところがございまして、実際に被用者保険で健保組合さんの約8割は償還払いに現在位置づけられています。
 私の施術所でも償還払いの患者さんの施術を何名か行っているのですが、実際問題の運用として償還払いであっても支給申請書に関しては、結局書類はこちらのほうでつくるようにということを求められている。
 実際、償還払いであれば患者さん自身が書類を作成して請求をするというところですが、そういうことがあると、受療委任に参加しているところは今後オンライン請求に移行していくということになろうかと思いますけれども、償還払いの方に関しては引き続き我々が保険者ごとに異なる申請書を紙で作成をしなければいけないということが課題として残るのではないか。
 もちろん、償還払いをされている保険者さんにはそれなりの理由があってやられていることは十分存じ上げてはおりますが、その一方で、審査支払いに関する例えば不正事例のストックであるとか、一つの施術所で不正が仮にあったとして、それを償還払いの保険者さんが発見をして、そこに関して不支給されるというような情報はほかの保険者さんには共有されないと思いますので、ぜひこれは大いなる希望というところですが、オンライン請求導入に関してはぜひ現状償還払いの取扱いをされている保険者さんに関しましても積極的に受領委任に御参加いただき、オンライン請求の中に入っていただく。
 あはきの療養費に関しては、不正対策の一環として受領委任が導入されたと思いますので、少しでも不正の適正化を図るためにも、ぜひそちらのほうに御参加いただけるようにしていただければと思います。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。本日、参考人としてお越しいただいております山﨑参考人、何かあればよろしくお願いいたします。
○山﨑参考人
 ありがとうございます。日保連の山﨑と申します。
 オンライン申請に関して、あはきの療養費に関してオンライン申請する場合の問題点としてまず思い浮かぶのは、視覚障害者を含む小規模な施術所が圧倒的に多い業種ですから、端末などの設備の導入が困難だということです。
 次に、紙の申請ならば被保険者、患者の署名をいただけますが、オンラインの場合、タブレットなどになり、署名していただく必要がありますが、これも新たな機器の導入が必要になります。
 次に、誤記載等により返戻される場合、具体的にどのような流れになるのか。そもそも療養費は被保険者が一旦支払いを完結し、領収書、支給申請書によって償還請求するのが原則であり、償還先を被保険者以外の者に委任行為によって代理受領することで成立する現物給付化ですから、基本的な被保険者による償還払い請求の形は残るはずだと思います。この点はいかがお考えなのか。
 その点に関係して、先ほど往田委員もおっしゃいましたが、健保組合の8割が委任払い制度に参加していないあはき療養費の場合、技術的にかなり困難になるのではないか。
 そして、柔整と決定的な相違がある、我々あはきの療養費を取り扱う場合に必須条件として医師の同意書の取得というものがあります。オンライン請求に関して、同意書は医師より紙でいただく従来の方式だと、どのように取り扱えばよいのか、どのようにオンライン請求すればいいのか。これも、幾つかのハードルの一つだと考えております。
 国の方針として、オンライン化推進の方針は変わらないのでしょうから、我々のようにアナログ世代の者が取り残されないような柔軟な制度構築をお願いしたいものです。
 最後に、申請の取りまとめを現行行っている施術者団体が存続できますように、復委任制度は残していただけますようお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 いかがでしょうかというような文末のものがありましたが、これは厚生労働省事務局へのお尋ねというようなニュアンスで捉えてよろしいのでしょうか。そうであれば、何かコメントいただきますが。
○山﨑参考人
 結構です。
○遠藤座長
 では、お願いします。
○米田室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 先ほど山﨑参考人から、原則、償還払いである以上、恐らく過誤調整の場面で本人と他人の療養費の調整を行うということはいかがなものかという趣旨で御発言があったかと理解しております。これについては柔道整復のワーキング・グループでも意見がありまして、中間取りまとめの6ページの上から3つ目のポツのところですが、「なお、他人に係る療養費の不支給決定等により支給額を調整することは難しいのではないかとの意見があった。」ということでございます。
 現状の事務局の考えとしましては、判例上も本人と他人との療養費の支給というのはあらかじめ関係当事者間の合意がなされていれば、それは可能なのではないかというふうに私ども読んでいたのですけれども、判例上も認められていないというような御意見に基づくなお書きの意見でございますので、今後の柔道整復のワーキング・グループの中でも検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。
 それでは、清水委員どうぞ。
○清水委員
 ただいま、同意書の話が出ました。あはきの場合、はりきゅうマッサージの場合は医師が往診をしてという患者さんもいらっしゃるので、それで初回と、あとは再同意という形で書くのですが、今回は今のお話を伺うと、やはりドクターとの連携が大切がです。そこの情報提供プラスあるいはそういった書類がどういうふうに我々医師に関して電子化されるのか。我々は今まで医者としてはオンライン請求もありましたし、あるいは資格確認もどうにか済みました。医療DXの中で大きな流れはあるのですが、ここではり・きゅう・あん摩・マッサージのそういった書類と我々の同意書の書類がどこでドッキングするのか、しないのか。そういう話が1つあります。
 それから、このような大きな変化があるときに、やはり同意書の書式もちょっと変えてもいいのではないか。今まで現状にそぐわない部分もありましたので、その辺はぜひ事務局としてはこれが始まったときに今度はドクターサイドに対してのPR、あるいはどういう形に変更されたということもお知らせいただかないと、その段階で混乱が起こる可能性はあります。
 私はこの委員会に出席していますので状況は分かっていますが、一般のかかりつけ医、あるいは訪問診療している先生方にとっては、急に新たなことが起こって対応しにくいということにもなりかねないので、そういった形の対応と周知が必要ですね。この辺も事務局でよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、幸野委員お願いいたします。
○幸野委員
 先ほど往田委員、それから山﨑参考人から、健保組合の償還払いの現状について、なるべく受領委任にという御指摘がありましたので、何か私のほうからお答えしなければいけないと思って発言させていただきます。
 健保組合もなぜ償還払いをするのかというところですが、確かに償還払いは健保組合にとっても事務手続は厄介なのです。受領委任に入るほうが健保組合としても事務手続は効率化されるのですけれども、なぜあえて健保組合が事務手続の煩雑な償還払いを選ぶかというと、やはり受領委任の仕組みの中では患者が療養費の支給の仕組みを学習せず、理解しづらくなるということ、それから不適切な請求が見過ごされる機会が多いということが原因として挙げられているということです。
 私は先ほど柔道整復の専門委員会でも意見をしましたが、保険者が全員参加するのがオンライン請求になったら理想だと思います。それは、例えば支払基金にデータを集めることによって、将来的にはビッグデータによっていろんな審査や、審査の標準化に資するものだと思って、これにはやはり多くのデータを集めることが必要で、多くの保険者が参加することが必要だと思います。
 ですが、そのためには今、償還払いをやっている保険者も、こういう審査をやるのであれば受領委任に参加してもいいなと思えば、そのほうが自分の健保組合の事務も効率化されるのです。現状で変わらないのは、償還払いで手間をかけてでも適正に見たほうがいいというほうが有利に働いているからだと思います。
 だから、オンライン請求で全健保組合も参加するような仕組みをつくるのであれば、ぜひそこは健保組合も納得できるような審査の在り方を構築していくということだと思います。そうすれば、今、償還払いをやっているところももしかしたらこちらのほうがいいという考え方になるかもしれないので、そういうものを目指していく中でもこれからのワーキング・グループの検討というのは非常に重要になってくると思われます。
 以上です。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。
 ほかに何かコメントございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、大体意見は出尽くしたということで、この議論につきましてはこれくらいにさせていただければと思います。いろいろと御意見も出ましたので、事務局におかれましては本日の議論を踏まえまして、引き続きオンライン請求の導入に係る課題等の整理、検討を進めていただくようによろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上でございますが、1つだけ私のほうから事務的な話なのですけれども、先ほど往田委員の発言がやや通信の問題なのでしょうか、音声が途切れ途切れだったので、内容については十分理解できましたけれども、議事録を作成する上でもしかしたら一部把握できていないところがあるかもしれませんので、議事録の点検をするときには御注意をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 往田委員、よろしゅうございますか。
○往田委員
 かしこまりました。ありがとうございます。
○遠藤座長
 それでは、本日の議題は以上とさせていただきます。
 事務局から何かございますか。
○米田室長
 次回の日程についてでございますが、次回の日程は未定でございます。また、調整の上で後日連絡をさせていただきます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、第34回「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」をこれにて終了したいと思います。
 本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

 

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