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第31回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録
(2025年3月31日)


○日時 令和7年3月31日(月)16時00分 ~ 17時00分(目途)




○場所 日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D



○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、今村英仁、松本光司
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明、橋本忠幸
齋藤武久、田代富夫、柏木久明、田畑興介、塚原康夫
高橋和久参考人
<事務局>
鹿沼局長、神ノ田審議官、米田保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 定刻になりましたので、ただいまより、第31回「社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催ということになります。
 委員の皆様におかれましては、年度末の大変お忙しい中、お集まりをいただきましてありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に委員の出席状況でございますが、本日は森委員が御欠席でございます。また、本日の議題について審査支払機関の立場から社会保険診療報酬支払基金の高橋和久様に参考人としてお越しをいただいております。
 参考人の御出席につきまして御承認をいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(委員首肯)

○遠藤座長
 ありがとうございます。
 マスコミの方々のカメラの頭撮りにつきましては、ここまでとしていただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。本日は、「柔道整復療養費のオンライン請求導入等について(中間とりまとめ)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○米田室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 資料柔-1を御覧ください。
 柔道整復療養費のオンライン請求導入につきましては、規制改革実施計画に基づき、これまでこの専門委員会でも議論してまいりましたが、保険局長の下に設置したワーキング・グループでも令和4年12月から計9回にわたり議論してまいりました。特に今年度においては5回ワーキング・グループを開催し、本年3月12日、ワーキング・グループで中間取りまとめがなされましたので、本日はまずこの内容を報告させていただきます。
 まず1ページの真ん中、下あたりから「1.基本的な考え方」でございます。
 ここでは、柔道整復療養費のオンライン請求を導入するに当たっての前提となる大枠の考え方について、ワーキング・グループで意見が一致したものをお示ししております。
 まず1ポツ目、「既に行われている実務との接続にも配慮しつつ、簡素で分かりやすく、セキュリティが確保された仕組みとなるようにする。また、①療養費の施術管理者(施術所)への確実な支払、請求代行業者等による不正行為の防止、②施術管理者(施術所)や保険者の事務の効率化、システム整備・運用の効率化、③審査の質の向上、審査基準等の標準化、④より質が高く効率的な施術の推進を目的・効果として、最終的に国民が恩恵を享受できるよう進めていくこととする。」
 また、2ポツ目では、関係法令は改正せず、協定や契約に基づく現行の受領委任の仕組みを維持する等としております。
 2ページの1ポツ目でございます。
 オンライン請求の事務フローは、健康保険法第87条第1項の規定を前提として構築する一方で、柔道整復療養費の特有の事情に適切に対応しつつ、療養の給付の事務フローも参考に検討を進めることとする。こうした基本的な考え方に基づき、費用対効果も十分に意識しながら、細部を検討していくこととしております。
 続いて「2.個々の検討項目」です。
 まず「(1)審査支払機関の位置づけ、審査のあり方について」の<現状と課題>でございます。
 1ポツ目には現在、受領委任制度の療養費の請求受付・審査・支払の業務主体は保険者等であること、また2ポツ目には審査支払機関を活用した事務フローを構築する必要があること、3ポツ目には現在、国保連と協会けんぽの審査委員会や個々の保険者で審査が行われていること。3ページに移りまして1ポツ目、療養費の支給、不支給の決定は保険者が行っていること、そして2ポツ目では審査基準が確立されていないこと等が書かれております。
 その上で<検討の方向性>として、まず審査支払機関が関与する事務フローを基本とすることが適当ということでございますが、現在、支払基金は療養費に関する事務を行っていないこと等を踏まえ、どのように対応していくべきか、今後検討を深めることが必要である。
 また、下から2つ目のポツ以降、オンライン請求導入には全ての保険者等が参加する仕組みを目指す必要がある。このとき、療養費の支給に関して保険者が有する権能との関係では、現在の整理を前提として検討することが適当である等としています。
 4ページの中段、「コンピュータチェックについて」でございます。コンピュータチェックにつきましては、これを導入することが適当である。これによって、審査事務の効率化や審査の質の向上を図っていくこととしております。
 「審査基準について」、また「再審査について」は記載のとおりでございます。
 続いて「(2)過誤調整の取扱いについて」でございます。
 5ページ真ん中ほどでございますが、<現状と課題>では療養費の受給権は被保険者にあることから、「過誤調整」を一方的に行うことについては判例上も認められておりませんが、<検討の方向性>として関係当事者間の合意に基づき過誤調整を行うことについて仕組みを検討すべきである。
 具体的には5ページから6ページにまたがりますが、受領委任に係る協定や取扱規程に根拠となる規定を追加すること、また、被保険者の合意を得る簡易な仕組みを検討すべきであること等としております。
 「(3)署名・代理署名の取扱いについて」でございます。
 <現状と課題>では、オンライン請求の導入に伴い、紙申請書に署名することができなくなるため、別の何らかの方法で受領委任の意思が効率的に反映される仕組みとする必要があります。
 <検討の方向性>として、療養費の受領を電子的に施術管理者等に委任する仕組みとすることが適当であり、今後、検討を深めるべきであるとしています。
 また、7ページでは、オンライン請求導入に伴い、施術を受けた都度、委任を行うことを検討すべき。オンライン請求導入までに可能な限り早期に明細書の発行を完全義務化することについて議論を進めるべきとしています。
 「(4)紙請求等の取扱いについて」では、請求方法はオンラインに限定することが適当であり、このため、環境整備や周知のために十分な準備期間を設けるべきであるとしています。
 「(5)オンライン請求システムの構築について」です。
 <検討の方向性>としまして、8ページになりますけれども、まずは簡素で分かりやすいシステムを構築することを基本とし、療養の給付等の例や介護保険の例のそれぞれのメリットとデメリットを整理し、今後、検討を深めるべきとしています。
 「(6)施術所管理について」です。
 まず<現状と課題>では3つ目のポツで、受領委任の取扱いでは施術管理者という「人」に着目した管理を行っており、原則として支払いも施術管理者に対して行われております。支払い先は支給申請書ごとに記載された口座等となっており、事務が繁雑であるとの指摘があります。
 このため、<検討の方向性>では、事務処理の効率化等に配慮しつつ、現行の施術管理者番号は存置した上で、新たに施術所単位で管理する運用を構築することとし、受領委任協定や契約の相手方については施術所の管理者等とすることが適当である。
 また、一番下のポツですが、施術所ごとに審査支払機関に振込口座を事前登録することにより、管理することが適当であるとしています。
 9ページでございます。
 「(7)復委任について」です。
 <現状と課題>でございますが、現在、受領委任の委任を受けた施術管理者が被保険者の承諾を得た上で、さらに所属団体等に受領を再委任している場合がございます。
 <検討の方向性>では、オンライン請求導入後の復委任の取扱いについて検討すべきである。
 今後、具体的な事務フローを検討していく中で、例えば一定の条件の下で都道府県柔道整復師会及びそれ以外の団体・業者等への復委任を認めることとする案をはじめとして、メリット・デメリットを勘案し、適切な仕組みについて検討することが適当であるとしています。
 「(8)その他の論点に係る検討の方向性」でございます。
 まず「電子請求様式等及び電子申請書(請求書)管理について」は、記録条件仕様等は全国統一仕様とすること。
 また、10ページに移りまして、申請書の保管・管理方法については療養の給付の例を参考に検討すること等が適当である。
 また、「オンライン請求導入に関する費用負担について」でございます。今後のワーキング・グループにおける実務的・技術的課題の整理を踏まえ、この専門委員会を中心に議論することが適当である。
 最後でございます。「オンライン請求導入に向けたスケジュールについて」ですが、当初の令和8年度稼働目標は見直すこととし、新たな稼働予定時期も今後のワーキング・グループにおける実務的・技術的課題の整理を踏まえ、専門委員会を中心に議論することが適当であると、それぞれ示しております。
 以上が、中間取りまとめの内容でございます。本日は、今後、柔道整復療養費のオンライン請求導入に向けてさらなる検討を深めていくため、御意見、御議論をいただければと思います。
 事務局からの説明は以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明のあった内容につきまして御意見、御質問等があればいただきたいと思います。いかがでございましょう。
 田代委員、お願いいたします。
○田代委員
 日本柔道整復師会の田代でございます。
 これまで厚労事務局におかれましては丁寧な取りまとめをいただき、ありがとうございます。これから引き続きオンライン請求の議論が行われるに当たって、ワーキング・グループにおいて基本となる中間取りまとめをいただきましたことにも感謝申し上げます。そこで、意見というより要望としてお願いいたしますけれども、よろしくお願いいたします。
 3ページ目の「審査支払機関の位置づけ」の4つ目のポツの下から2行目で、「審査支払機関に審査を委託するか否かについては、療養の給付と同様、あくまで保険者の裁量」と記載されております。
 また、同様に、全ての保険者が参加するということを原則として挙げられておりますけれども、現在療養の給付においては保険者のうち審査支払機関に委託していないケースはないと思われます。あらゆる事務的な負担等の軽減を図る上で、また保険者、施術者、被保険者の事務的な実態を考えますと、柔道整復療養費におきましても療養の給付と同様に、全ての保険者に参加いただいて新しいシステムがスタートできるようにお願いしたいと業界では思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御要望として承りました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員
 日本柔道整復師会の齋藤です。
 同じく3ページ目の5つ目のポツです。療養の支給、不支給の決定、文書照会の要否の決定、被保険者などからの聞き取りなどを民間会社に委託できないことを前提に検討することが適当となっています。
 そこで、本来療養費の支給に関して保険者の権能については民間会社に委託できないとなっていますので、支給、不支給等、また患者への聞き取りの要否等は外部委託できない前提で議論することについては理解できるものの、一方で柔整療養費のオンライン請求においては規制改革実施計画で法的な関与の下に請求、審査支払いが行われる仕組みを検討するとされていることを踏まえると、審査支払機関が適切に関与できるような仕組みを検討し、オンライン請求が的確に効率よく進めることができることも重要だと思いますので、その点も踏まえ、検討いただきますようお願いいたします。
 特に患者への聞き取りについては不適切な調査とならないよう、また受診抑制につながらないよう、調査の在り方についても再度検討をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見、御要望として承りました。ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 塚原委員、お手を挙げておられますか。では、塚原委員お願いします。
○塚原委員
 ありがとうございます。
 日本個人契約柔整師連盟の塚原でございます。本日は厚労事務局並びにワーキング・グループの皆様、中間協議ありがとうございました。
 意見なのですけれども、4ページを中心にして行われている話なのですが、「全国標準的な審査基準を策定すべきである」と4ページの下から2つ目のポツにありますが、協議をしていただく要望として、今後どのようにオンライン上で支給決定可否をするのか、また公平・公正な審査の在り方についても、これは以前からお伝えしているのですが、いずれ情報を整理して公式に当該保険者には意見しますけれども、各都道府県の審査関係者でも取扱いが統一されていない事例というのがいまだにございまして、受診抑制ではないかと思われることがたくさんございます。
 よって、ワーキング・グループなどでは実例を踏まえて協議をしていただけるようにお願いしたいと思うところでございます。
 現状は以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。御要望として承りました。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、鳥潟委員、お手を挙げておられますのでお願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 オンライン請求導入の基本的な考え方を踏まえれば、審査支払機関の関与は請求受付や支払いだけではなく、最終的に実現可能かどうかは別としましても、審査を含め検討すべきと考えております。
 中間取りまとめによれば、「支払基金の関与のあり方については、今後、オンライン請求導入に向けて関係者間で相互理解を深めていく必要があるとの意見があった。」との記述からも、ワーキング・グループの当事者間で認識に隔たりがあると思われます。
 今後の議論に当たり、中間取りまとめにおける審査について、審査支払機関でどこまで対応可能であるかは国で整理していただくとともに、審査支払機関が関与する事務フローの検討に当たり、国保連の事務処理の流れを参考に進めることとされていることから、現在の国保連や保険者での審査内容や、柔整審査会における役割等を踏まえた大枠の事務フロー案を作成の上、審査支払機関の関与、在り方についてワーキング・グループにおいて議論を進めていただくようお願いしたいと思います。
 なお、中間取りまとめでは「オンライン請求導入にあたっては、関係法令は改正せず」となっておりますが、関係法令にどこまで含まれるか、必ずしも明確ではないですが、仮に既存の法令などの制約により議論が進まないというのであれば、法令等の見直しの可能性も含め事務局においては議論を進めていただくようお願いしたいところです。
 以上になります。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御要望として承りました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、幸野委員が先に手を挙げておられますので、幸野委員よろしくお願いいたします。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 ワーキング・グループでの取りまとめ、御苦労さまでした。それから、説明いただきましてよく分かりました。
 ワーキング・グループでは、基本的な考え方として健康保険法87条の趣旨は変えないということ、すなわち保険者が最終決定をするということ、それから受領委任制度を継続するということは一致した方向性として確認されたと受け止めました。
 ただ、この報告取りまとめを読んでも、ワーキング・グループとしてもどのような仕組みを構築していくのかというイメージがつかめているかどうか、ワーキング・グループの構成員の方々が一致したイメージをお持ちなのかということについては、疑問を持ちました。
 多分、それぞれ思っておられることは違うのかなと思って聞いていたのですが、それも当然のことだと思います。中間取りまとめにも記載されているとおり、現在でも国保連、協会けんぽ、それから健保組合の審査のやり方も全く標準化されていなくて、全ての保険者がそれぞれの意向でやっているということ。これをオンラインにしたときは、統一したシステムのやり方を構築しなければいけないということになるので、これは本当に至難の業だなと思っていて、これを取りまとめていくのは本当に大変なことだなと思いました。
 それで、何が大変かということをお話しさせていただくと、2ページ目の5行目で、これは重要なキーワードだと思うのですが、「柔道整復療養費の特有の事情に適切に対応しつつ、療養の給付の事務フローを参考に検討を進める」とあるのですけれども、事務フローを構築していく中ではここが最も重要な課題だと思います。
 ここに書かれているとおり、柔道整復療養費の特有な事情とは何かというところですが、まずは療養の給付、医科レセプトと異なって柔道整復師の療養費の場合算定ルール自体は極めてシンプルであるということです。この算定ルールは厚労省から出された留意事項通知が全てなのです。したがって、オンライン請求で上がってくる内容の表面上の妥当性についてはコンピュータチェックのロジックを構築すれば形式審査とか内容審査はもう瞬時で判断可能であるということが推測できます。療養の給付はかなり複雑なルールがあるので大がかりな審査になると思われますが、柔道整復療養費の場合のルールというのは本当にシンプルなので、この表面上の審査の妥当性というのは本当にコンピュータチェックだけで完結するのではないかと思われます。
 各施術者の方も、恐らくオンライン請求になると、レセコンの中に算定ルールを組み込んで、それに基づいて請求を行うことになろうと思われますので、ルール外の請求はレセコン時点ではじかれるので、出てくる請求自体は表面上はほとんどの請求が算定ルールに則った正当な請求、療養の給付で言えばいわゆる判断が明らかなレセプト、請求書が恐らく100%近く上がってくるのではないかということが想定されます。
 効率性のみを追求するのであれば、この算定ルールをコンピュータチェックのロジックに組み込んでコンピュータチェックで審査すれば、目的は達成できると思います。
 しかしながら、ここが柔道整復療養費の特有な事情なのですが、このチェックだけでは請求された施術が保険給付の対象になっているかということについては判断できないというところです。これが一番難しいところです。柔道整復の保険給付の対象は留意事項通知に書かれているとおり外傷性の明らかな疾患というもので、しかも保険者が療養の給付を受けることが困難である又はやむを得ないと認める場合ということに限定されているわけです。現行の申請書ではその判断ができないというのが現状で、これをそのままオンライン請求に置き換え、審査支払機関がコンピュータチェックで請求の妥当性を見抜くというのはかなり至難の業で、コンピュータチェックだけでこれを審査すれば見過ごされたままの処理になるということが懸念されるわけです。
 分かりやすい例を挙げると、例えば申請書で頸部捻挫という負傷名で長期でも頻回でもない施術、月に2、3回の施術で、これは見た目では全然請求上は問題ないと思いますが、過去の例で健保組合が患者に照会をかけるわけです。負傷の原因について、どうしてけがをされましたかということを文書で問いかけるのですが、その回答としては、けがはしていません。朝起きて、寝違いで首が回らなくなりました。これが負傷の原因ですという回答が来た事例があります。
 また、もう一つの事例として、同じ患者の医科レセプトが同月に見つかりましたということで患者照会で、医者にも行かれましたかと聞くと、腰痛なので近所のクリニックで処方された薬を飲んでもなかなかよくならないので施術所に通っていますという答えが返ってくる。これもよくある例です。これは、医科との併給に当たる。いわゆる保険給付の対象外となるものです。こういうことも分からないわけです。
 あとは、悪質な例で言うと、ネットで腰痛改善をクーポンで治しますよというのを見つけて、クーポン券を購入して、何か分からないけれども月が替わったので署名してくださいと言われて毎月署名していた。それで、自分はクーポンで支払っていた、つまり、自費で行っていたつもりですが、健保組合から保険給付の問合せが来ました。ここで初めて、これは保険請求されていたということが分かったという例も少なからずあります。明らかに保険給付の対象でない請求であることが、患者に照会して初めて分かるわけです。
 こういったことが、療養の給付とは異なる柔道整復療養費の特有の事情なのです。ですから、こういうものをオンライン請求にした暁にどこでどういう点検や審査をするのかということを考えていくのは、非常に大変な仕組みをつくり上げるということになると思います。療養の給付の事務フローを参考に検討を進めるオンライン請求において、審査や事務の効率性を最重視するあまりにこのようなことをすると請求の妥当性を見落とすことになり、それは基本方針の一つである審査の質を大きく下落させるものとなって本末転倒になると思われます。
 療養の給付の事務フローを参考に検討を進めると中間取りまとめでは書いてあるのですが、どこで誰がどのような審査や点検を行っていくのかについては今後最大のネックとなると思いますので、今後ワーキング・グループの中でぜひしっかり検討していただきたいと思います。
 これが、私が思った全体の感想で、あとは個々のことについて意見を言わせていただくのですが、「個々の検討項目」の中の「審査支払機関の位置づけ」ですが、これの1つ目のポツに「国保連の事務処理の流れを参考に検討を進める」とあるのですけれども、現在国保連でどのような点検審査が行われて、どのような給付決定がされているのかということについては、残念ながら私もあまり理解できていなくて、もし参考に検討を進めるのであれば見える化をしていただきたいと思います。場合によっては、ワーキング・グループの中で国保連の関係者の方にヒアリングを行っていただいて、国保連の審査というものをもっと皆さんに理解してもらうということも必要なのではないかと思います。それが1点目です。
 あとは4つ目のポツになるのですが、「すべての保険者等が参加する仕組みを目指す必要がある」ということで、先ほど日整の田代委員からも全ての保険者に参加していただきたいと、これは理想だと思いますが、現行の国保連の審査や協会けんぽの審査、健保組合の中でも審査というのはばらばらなのですが、その中で全ての保険者の要望を満たす審査の仕組みを構築していこうというのはなかなか大変だと思っていて、全ての保険者が参加したいと思うような仕組みをつくるためには、私が今、発言した柔整療養費の特有の事情をきちんと押さえられるような仕組みをつくっていかないと、全ての保険者が参加するというのは難しいと思います。参加したいという意向はあるのですが、参加したいと思うような仕組みをぜひワーキング・グループの中で今後もんでいただきたいと思います。
 それから、1つ気になったのは次に書いてあります「審査支払機関の関与」という部分ですが、これも本質的な議論だと思います。4ページに支払基金の意見が書いてあって、審査業務を行うことは難しいということが述べられているのですが、審査という言葉自体に拒否反応が示されているのではないかと思います。確かに療養の給付と異なるので、先ほど申し上げたとおり請求内容だけで妥当性を判断することはできないというのが柔整療養費の世界で、この独自性の中で知見の集積がない支払基金には荷が重いというのは気持ち的には理解できます。
 ただし、被用者である保険者の観点からは、最初からどこまで関与するかというのは別にして、支払基金が関与しないという仕組みはあり得ないと思います。法第87条の趣旨は変えないという基本方針がある以上、支払基金が給付の決定をするものでもないし、4ページの中段にコンピュータチェックの記載があるのですけれども、これはまさに支払基金がやるべきことだと思っています。
 確かに知見がないので、導入当初から深く関与するということは望んでいませんが、療養の給付で既に行われているように、支払基金には被用者保険のデータがたくさんあります。被用者保険のデータを集約することによって、将来的にはこのビッグデータを活用した審査の標準化や、AIを活用した審査など、まさに基本方針である審査の質の向上の観点からはこういうことが必要だと思います。
 繰り返すのですが、オンライン請求のプレーヤーに支払基金が関与しないということは私は想定できないと思いますし、被用者保険の保険者からすれば、今まで支払基金にはインフラ構築のためにかなりの額を投資してきたと思っています。こうしたインフラ構築の投資をまさにこれから有効活用していただくためにも、療養費の審査、点検等に支払基金が絡んでいくということは支払基金の責務であると考えています。
 支払基金の関与の在り方については、まだどんな審査をするか、どんな点検をするかは見えていない状況で、結論は出ないと思いますが、具体的な審査の在り方を検討していく中でどこまで関われるかということを並行して詰めていけばいいと思います。
 支払基金の在り方については、はっきりこういった意見を言わせていただきます。後で支払基金から何か御意見があれば、私のコメントについて伺いたいと思います。
 それから、長くなって恐縮ですが、5ページから8ページにある過誤調整、署名、紙請求、システム構築、施術管理の在り方については技術的な問題なので、詰めていけば妥当な結論は得られるのではないかと思っていますので、引き続き検討をお願いします。
 最後になりますが、重要な課題で復委任の問題です。これはかなり重要な課題ですが、ワーキング・グループの中でも今の説明を聞くと意見が分かれているように思われます。もともと私の記憶では、オンライン請求を推進していこうという話になった4年前は、日整の方も理解されていると思いますが、復委任団体の排除ということが一番の大きな目的にあったと思います。当時は、大手の復委任団体の巨額な詐欺事件も起きて、これを機に復委任団体を排除していく方向となりオンライン請求の推進という話になったと思っていますので、私としては復委任団体の関与はあり得ないと考えています。
 ただ、ワーキング・グループの中では、一定の条件の下では一部関与させてもいいのではないかという意見がありますので、今後のワーキング・グループの議論においては復委任団体が関与することのリスクとデメリット、それから保険者にとってのメリット等についても示していただいた上で方向性を再度示していただければと思います。
 長くなって恐縮です。取りまとめについて、私の意見は以上になります。
 それから、今後ワーキング・グループがさらに続いていくと思うのですが、今後のワーキング・グループの検討の進め方についてお願いしたいと思います。これから第2ラウンドで来年度からも継続して検討されていくと思うのですが、個々の検討項目を分けて議論していただくことも必要ですが、それ以前にそれぞれの保険者、いわゆる国保連、協会けんぽ、健保組合がどのような審査を行って、どのような判断で支給、不支給の決定を行っているのかというのをワーキング・グループでまずは見える化をしていただくことが必要かと思います。その上で、全ての保険者が参加したいと思えるような審査の在り方とは何かということの最大共通点を見出していただきたいと思います。
 オンライン請求は全保険者が参加する仕組みを目指すとなっているので、冒頭申し上げたとおり、国保連、協会けんぽ、健保組合と審査の方法や制度もばらばらな中で、それを一旦見える化した上で何が正しいのかということをまずは全体の絵を描いていただいて、外の個々のパーツではどうすべきかということを議論していただくのがいいのではないかと思いますので、そういった議論のやり方を提案させていただきたいと思います。このワーキング・グループの今後の進め方について事務局のお考えがあれば、後でお聞かせいただきたいと思います。
 長くなりましたが、私の意見とその見解は以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見、御要望としていただきました。また後で関連のある方からの御意見があるかもしれませんが、そのときはまたよろしくお願いいたします。
 ほかにどなたか御意見のある方はいらっしゃいますか。
 それでは、柏木委員がお手を挙げておられますのでお願いいたします。
○柏木委員
 日本柔道整復師会の柏木です。よろしくお願いします。
 話が前後してしまうようで申し訳ないのですけれども、私が思っていることは先ほど塚原委員が発言されたとおり、今、一番ポイントとなることだと思うのですが、審査の仕組みが公平で公正なものに必ずなるようにということを私もお伝えしたかったということです。その点はみんな一緒だと思うのですが、その中でもローカルルールが残ったりとか、そういう審査の凸凹がないような形でぜひ今後進めていただきたいということをお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、池田委員、お手を挙げておられますか。お願いいたします。
○池田委員
 ありがとうございます。
 まずは、ワーキング・グループの新田座長、ワーキング・メンバー各位、そして事務局の皆様に対し、この半年間の精力的な取組につきまして心より御礼を申し上げたいと思います。
 いわゆるホープ事件をきっかけに始まりました今回の検討におきましては、これまでに幾つかの文書が取りまとめられておりますけれども、これらは基本的に論点の網羅的整理といったイメージを持つものと理解をしております。
 それはそれで重要なものでございましたが、今回は一本化できる論点については極力一本化しようとする御努力などが非常に感じられるという意味で、まずはその方向性が確定的ではないにせよ、また私どもとしてもこの中間取りまとめを受けまして、改めて47国保連合会の意見をお聞きするという必要はあるとは思いますけれども、私ども国保連、支払機関といたしましては、連合会ごとに差異はあるということではございますが、何らかの実務を既に担っているということもございますので、国保サイドといたしましては今回大きな前進があったと感じるものでございます。
 その上で、今回このワーキングの中間取りまとめをお聞きするという立場で、既に過去にお話ししたことも含めましてコメントさせていただければと思っております。
 まず中間取りまとめにも何か所か書かれておりますけれども、現に関連業務を行っております都道府県、国民健康保険団体連合会の実態を踏まえた検討を行っていただきますように、引き続きの御配慮をお願いしたいと思っております。
 次に、審査支払機関の役割が法律で明確に位置づけられている療養の給付等とは異なりまして、柔整療養費につきましては都道府県ごとの業務実態というものがございます。現に何らかの関連業務を行っているとしても、新しい業務形態、あるいはシステムへの移行には各連合会とも大きな負担を伴うことは避けられない状況でございます。したがって、新業務や新システムのスタートに当たっての初期費用等についてはしっかりと国が責任を持って措置していただくことをお願いしたいと思っております。
 また、システムの構築や施行に向けての準備等につきましては、十分な余裕を持って行うこととしていただきたく、そのような十分な準備を前提に、施行時には紙や媒体での請求は行われないことにつきまして改めて重要なこととして申し上げておきます。
 そして、療養の給付型を軸に検討を進めていくということであれば、現在審査支払機関としての業務とノウハウの蓄積がなされている療養の給付等のよさ、メリットをきちんと生かす必要があると思っているところでございます。柔道整復療養費のオンライン請求に当たって、療養の給付同様のやり方で行ったほうが効率的かつ確実な業務が可能なもの、これは例えばですけれども、過誤調整や全国決済などですが、これらにつきましては中途半端な形ではなく、きちんとそのノウハウを生かせるようなやり方で実務を詰めていくことをお願いしたいと思います。
 一方で、柔整特有のマター、すなわち患者調査や署名等についてはその特性を踏まえつつ、療養の給付型の業務フローの中にうまくマッチするような効率的な仕組みを考えていただければと思っております。
 現在、療養の給付において実施されている他県被保険者分についての医療機関等所在地連合会を通じた決済、これがいわゆる全国決済でありますが、柔整療養費においても実施されるということになれば、施術所の皆様にとっても意味のある仕組みとなることではないかということを申し述べさせていただきます。
 なお、一部繰り返しになりますが、中間取りまとめの段階では方向性が一本化されていないものの、今後検討課題となっていることにつきましては引き続き現に関連業務を行っております全国国保連合会の実情や意見も十分勘案をしていただきまして検討が行われますよう御理解と御協力をいただければと考えております。
 私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。御意見、御要望として受け止めさせていただきました。ありがとうございます。
 それでは、田畑委員はお手を挙げておられますか。田畑委員、どうぞ。
○田畑委員
 ありがとうございます。全国柔道整復師連合会の田畑でございます。
 新田座長様をはじめとするワーキング・グループの皆様、ありがとうございます。そしてまた、資料をおまとめいただきました事務局にも厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
 私からは、2点意見がございます。
 まず1点目なのですが、7ページの都度署名ですね。一番上のポツの3行目のところでございます。「施術を受けた都度、委任を行うことを検討すべき」とございます。これは、都度署名をするということなのだと思いますけれども、先に方法をお示しいただけないまま専門委員としてこれを是とすることはなかなか難しいです。
 なぜかと申しますと、患者さん、被保険者さんに負担のかかるような方法で毎回署名ということであれば、業界代表の委員として反対しなければなりませんし、とにかくワーキングのほうで先に方法をお示しいただいてからの賛否ということになろうかと思います。
 そして、9ページです。今度は復委任団体の在り方についてなのですけれども、9ページの<検討の方向性>のポツの1つ目の最後の2行くらいでしょうか。介護保険制度や障害福祉サービス、ほかの業態の事例なのですけれども、請求の代理が認められているとありますので、あくまでも他業種の事例ですが、復委任団体の残り方としては請求のほうに関しては御容認いただいているのかなと私は受け止めております。
 そして、「支払いの代理受領は認められていない」とございますけれども、支払いのほうもやはり引き続きワーキングのほうで御検討いただきたい内容でございます。
 なぜかと申しますと、全くどこの団体にも所属していない個人請求者という人も3割いるわけですけれども、残りの7割というのは自ら望んで会費を払い、どこかの団体に入りたいわけです。このどこかの団体に入るメリットというのは、請求と代理の受領、これがセットであるからこそ、その団体に所属するメリットというのが生まれてきます。
 メリットというのは、療養の給付のほうでは事務加算というものがたくさんありまして、専用の事務員さんを雇用することができますが、我々接骨院の施術所というのはとてもじゃないけれども事務加算はほとんどありませんので、専用の事務員さんを雇用することはできません。ですから、その事務を委託する先というのが復委任団体ということになってございまして、自ら望み、お金を払い、そこへ事務を委託するというところが団体に所属することのメリットとなってございますので、これは請求のほうと支払いの代理受領のほうと併せてセットでメリットが生まれるものでございます。
 メリットが生まれて、最後にどうなりますかというと、柔道整復師の事務作業を復委任団体にお任せすることができますので、1ページの「基本的な考え方」のポツの1つ目の④ですね。「より質が高く効率的な施術の推進」、事務で手を取られていますとなかなか質の高い施術というのはできませんので、最終的にその恩恵を国民の皆さんが享受するということにつながってまいると思います。
 したがいまして、ワーキングのほうで御一考いただく意義はあるかと思いますので、再度お考えいただきますようによろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○遠藤座長
 御意見として承りました。ありがとうございます。
 それでは、日整の齋藤委員お願いいたします。
○齋藤委員
 9ページの復委任の<検討の方向性>のポツの2つ目です。下から4行目、「一定の条件のもとで都道府県柔道整復師会及びそれ以外の団体・業者等への復委任を認める」となっています。私ども公益社団法人としての適正な基準の下で、社会的にも経済実態からも明確な社会的位置づけがなされていると思います。したがって、復委任団体としての位置づけについては社会通念に照らして検討していただきたいと思います。
 また、その上で今まで安全で安定的、持続的、かつ健全な運営を行ってきた公益社団法人を介在させることで審査支払機関への請求、あるいは施術所への確実な支払いが担保できると思います。その点も踏まえ、仕組みを御検討いただければと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 御意見として承りました。どうもありがとうございます。
 それでは、支払基金の高橋オブザーバーがお手を挙げておられますのでよろしくお願いいたします。
○高橋参考人
 ありがとうございます。支払基金の高橋でございます。
 先ほど来、支払基金の審査への関わり方について言及がありましたので、支払基金としての考え方を申し上げたいと思います。
 この中間取りまとめの2ページ目の最初のポツのところにもあるのですけれども、5行目の「柔道整復療養費の特有の事情に適切に対応しつつ、療養の給付の事務フローも参考に検討を進める」となっておりますけれども、療養の給付における審査と同じようにはいかないだろうと考えております。
 法律上も、87条第1項で保険者がやむを得ないと認めるときは療養の給付等に代えて支給することができるということであります。療養の給付の場合につきましては、支払基金で審査を行いまして、被用者の保険者さんに審査結果を送りまして、その額で請求させていただいております。
 つまり、療養の給付に関しては支払基金が審査した結果に基づいて、保険者さんにこの金額で医療機関に支払いますので、この金額を保険者さんから支払基金を通じて払ってくださいというようなことをしております。しかしながら、柔道整復療養費のほうではそういうふうに審査して、給付決定ということが療養の給付と同等には法令上もいかないのではないかと考えております。
 それから、スライドの3ページ目の「審査支払機関の位置づけ」の最初のポツで「国保連の事務処理の流れを参考に検討を進める」と書いてあります。これは国保連さんがどういうことをやっているか、私たちもよく承知していないのですけれども、支払基金と国保連の立場は、審査支払機関といっても同列ではないのだろうと考えております。国保連さんは国保保険者の連合会であります。その保険者の連合会として保険者の権限を共同処理するということは、国保連さんの場合はできると思いますけれども、支払基金は保険者さんの連合会ということにはなっていませんので、保険者の権限であったり権能、裁量、そういうものを国保連さんと同等にできるということは、現行法令ではできないのではないかということで、国保連の事務処理をそのまま支払基金でやるようにという整理はできないのではないかということであります。
 それから、スライドの4ページであります。コンピュータチェックの話が出てまいりましたけれども、コンピュータチェックは幾つかお話がありましたが、療養の給付の場合支払基金はコンピュータチェック、システムチェックを既に入れております。
 ただ、コンピュータチェックのみで審査決定をしているかというとそういうことではなくて、コンピュータチェックがついたものを支払基金の職員がまず審査事務として見て、そのコンピュータチェックが妥当かどうかを判断します。コンピュータチェックが妥当と判断されれば査定の疑義を付して審査委員会のほうに上程する。それで、最終的には審査委員が決定するということでありますので、コンピュータチェックを入れれば審査が終わり、人手を介さないということではないので、このところも考えていく必要があるのだろうと思います。
 それから、そういう意味では審査を行うことは難しいというふうにその上のところに書いてもらっていますけれども、審査という定義の範囲ですね。その行為であったり、権限であったり、裁量、そういうものの事務内容とか、そういうものがまだこのワーキング・グループの中でもみんな同じ理解はできていないのだろうと思いますので、引き続き支払基金としても何ができ、何ができないのかということを関係者の意見も聞きながら進めていきたいと考えております。
 支払基金が何もできないと言っているわけではなくて、オンラインの請求ですとか支払いという決済機能は既に構築したインフラはありますので、そういうものを参考にすればやれることはあるだろうと考えております。
 以上です。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ほかに手を挙げていらっしゃる方で、塚原委員お願いたします。
○塚原委員
 何度もすみません。塚原でございます。ありがとうございます。
 6ページの上から3つ目のポツのところに対して意見というか、御要望をさせていただきます。
 この全体の流れの中において、過誤調整と相殺というものが同じ土俵で話されているように思いまして、区別して今後ちゃんと協議していただきたいということでございます。関係者や当時者の設定によっては、ゴールが全く違うような結論が出るのではないか。相殺に関しては、やはり法令を基に現状の法改正なしでは不可であるということは裁判例にもあります。また当時者であっても不支給に関与しない患者さんへ説明して合意を求めるということは現場では厳しい環境でございますので、十分に当事者の設定というものをちゃんと踏まえた上で協議をワーキング・グループで協議していただければと思います。
 あとは、その下の署名、代理署名についても運用方法や費用は国で検討していただけるように示していただくことと、併せて現在本体と合わせ2枚になっております公費助成の取扱いも一本化をしていくという形に向け、整理、提案を示していただければと思います。
 私からは以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 ほかにいかがでございましょう。
 田代委員、どうぞ。
○田代委員
 幸野委員のほうから柔整特有の事情等について話がありましたので、我々のほうからも御意見させていただきたいと思います。
 特に患者調査、アンケートと、また患者の抑制につながらないような形をぜひ検討していただきたいということもお話をしました。
 その中で、そもそも我々が扱うものは外傷性が明らかものとされているわけですけれども、これを単純に患者アンケートによって判断するというのはちょっと行き過ぎなところも出てくるのではないかと危惧しております。
 実際に我々が施術で見ていて、これをなぜ外傷性が明らかなものと判断したのかというのは、やはり我々施術者のほうに聞くべき内容ではないかと思うのです。例えば、寝違いというものが必ずしも外傷性につながらないということは言えない部分があります。それで、我々がそれを外傷性のものというふうに判断した場合に、なぜそれを外傷性と判断したのかというのは本来我々に聞くべきであって、それを判断できる患者さんはほとんどいないというふうに言えると思います。
 特に、けがという表現なのですけれども、外傷が明らかなものとして表現はされていますが、けがという表現は患者さんに聞いてみますと、我々が見て外傷性が明らかなんだけれども、患者さんに聞きますと、けがと言われると、ちょっとけがとは言えないかもしれないという回答をされる患者さんは非常に多いんです。
 また、受診抑制につながるということを私たちは非常に感じているわけなのですけれども、実際に私のところに来られる患者さんの中で私が診て初めからこれは外傷ですねと明らかに判断されるものであっても、最近は長々としたアンケートが必ずくるので、初めから健康保険は使わないで診ていただけますかという患者さんが最近、非常に増えているということを感じています。
 こういった内容というのは、やはり真面目にやっている柔整師、または必要としている患者さん、そういう方々の受診の機会を抑制している形になっているというふうに現場では感じているので、その辺の内容もぜひ検討していただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤座長
 御意見として承りました。
 ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。
 事務局、何かありますか。では、よろしくお願いします。
○米田室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 幸野委員から1点、「事務局のお考えをお聞かせいただきたい」といったお話があったかと思いますので、お答えさせていただきます。
 今後のワーキング・グループの進め方についてということだったかと思いますけれども、今回御説明した中間取りまとめでは、まだ具体的な方向性が出ていないものとか、意見がまとまらず両論併記となっているもの、または今後の技術的な検討を要するものなど、様々な論点が残っていると感じております。このため、今後どういった進め方をするかということについては、本日も専門委員会で様々な御意見、御要望、または宿題などもいただきましたので、そうしたことも踏まえて事務局において各論点について一定の整理を行った上で、またどこから議論の手をつけていくべきかということを検討しながら、ワーキング・グループでの議論を再開したいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 ありがとうございました。
 室長の今後の進め方について繰り返しお願いですが、私も含めてそうですけれども、各保険者が柔整療養費をどのような点検や審査をやって、どういう基準で支給、不支給を決めているかというのが全くみんな分かっているようで分かっていなくて、私も国保連さんがどういうことをやられているのか、協会けんぽの柔整審査会がどういうことをやられているのか、あまり分かっているようで分かっていないので、ワーキング・グループのメンバーの方も多分そんなに大差ないのだろうなと思っています。
 そこで、まずはそれぞれの審査や給付の基準を見える化して、統一したシステムをつくらなければいけないですから、どういった方向にこれを収束させていくかという議論が必要だと思うので、ぜひそういったことを個別の議論に入る前にやっていただきたいというのが私の意見でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。御要望として承りました。
 大体、御意見は出尽くしたということでよろしゅうございますか。
 それでは、本日は非常に積極的な御意見をありがとうございました。まだこの中間取りまとめは中間段階ということでございまして、このような御意見、御要望を踏まえながら事務局に整理をしていただくというようなものでございますので、大変その運用に対しては貢献するような内容であったと思っております。ありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上とさせていただきます。
 次回の日程についていかがでございましょうか。
○米田室長
 事務局でございます。
 次回の日程は未定でございます。また調整の上、後日連絡をさせていただきます。
○遠藤座長
 それでは、これをもちまして第31回「柔道整復療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。
 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

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