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第28回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録
(2024年3月18日)



○日時 令和6年3月18日(月)16時00分 ~ 17時30分(目途)
 

○場所 日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、釜萢敏、松本光司
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明
齋藤武久、田代富夫、柏木久明、田畑興介、塚原康夫
 
<事務局>
須田審議官、荻原保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第28回「社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。
 本日も、感染症予防対策としまして対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催とさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、年度末の大変お忙しい中、御参加をいただきましてありがとうございます。
 まず初めに、委員の出席状況について御報告をいたします。
 本日は、水野委員、大田委員が御欠席でございます。
 それでは、マスコミの方々のカメラの頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきたいと思います。

(カメラ退室)

○遠藤座長
 それでは、議事に移らせていただきます。
 本日は、「柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について(その2)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○荻原室長
 保険医療企画調査室長です。
 それでは、柔-1「柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について(その2)」を御説明します。
 資料をおめくりいただきましてまず1つ目ですけれども、「1.明細書交付義務化対象の拡大等について」とございます。
 3ページ目から4ページ目にかけまして、前回1月25日の専門委員会におきまして、それぞれのテーマに沿っていただいた主な意見を概要としてまとめています。
 明細書の無償交付の義務化対象の拡大ですとか、明細書発行体制加算の在り方について、もしくは交付回数の在り方についてです。
 4ページ目ですが、保険者単位での償還払いへの変更についてと、もう一つはその他物価高騰などへの対応ということでいただいた御意見をまとめています。
 5ページ目を御覧いただくと、こちらは前回お示しした資料ですが、6年改定における明細書交付義務化対象の拡大について幾つか論点があるので、簡単にまとめて御紹介します。
 1つ目が、明細書の交付義務化対象施術所の範囲の拡大についてどう考えるかという点。
 2つ目、明細書発行体制加算の算定回数の拡大ですとか、算定額についてどう考えるかということがあります。
 また、3つ目としまして、交付(交付回数)の拡大等についてどう考えるかということがあります。
 また、併せて前回の改定の議論の際のまとめとして宿題となっている、保険者による受領委任払いの終了の手続を含めた取扱い(保険者単位の償還払いへの変更)について、明細書交付の義務化対象拡大等を踏まえてどう考えるかというのがあります。
 6ページ目を御覧いただくと、令和6年改定の基本的な考え方についてということで、1番が現状について書いてございます。
 現行、明細書を無償で交付する義務化対象の施術所の範囲としては、下線が引いてありますが、常勤職員3名以上で明細書発行機能が付与されているレセコンを設置している施術所となっています。
 明細書発行体制加算につきましては、無償で患者に明細書を交付した場合に、月1回のみ13円という形で算定可能としています。
 現在の無償交付の施術所の届出状況について見ていただくと、義務化の対象となっている施術所が5,700か所弱、約12%となっています。義務化対象となっていない施術所も含めて、明細書の無償交付を行うという形で届け出ている施術所の数は8,700か所弱、全体の約18%となっています。
 また、もう一点、こちらは前回も御紹介していますが、令和4年度明細書交付等に関するアンケート調査を実施しております。
 上から2点目までを御覧いただくと、明細書の作成に当たってレセコンを活用しているというふうに答えた施術所の割合が、この2つを足し合わせますとおよそ90%になっております。自動作成なのか、必要事項を入力して作成なのかという違いはありますが、レセコンを使っているというところが約90%となっています。
 3点目ですが、明細書交付機能が付与されたレセコンを設置している施術所の割合が89.5%、約9割となっています。
 それらを踏まえて7ページ目を御覧いただくと、まず1点目、「明細書交付義務化対象施術所の範囲拡大について」ですが、先ほど御紹介したとおり、明細書交付については約9割の施術所がレセコンにより作成をしております。また、明細書交付機能が付与されているレセプトコンピュータを設置している施術所というのが約9割あるということが明らかになっています。
 こうした点を踏まえ、義務化の対象を「明細書交付機能が付与されているレセプトコンピュータを設置している施術所」、全体の約9割が対象になると考えていますが、そうすることについてどう考えるかとしています。
 現行の対象範囲としては、常勤職員3名以上という要件がありますが、こちらは外した上で、明細書発行機能が付与されているレセコンを設置している施術所まで拡大するということについてどう考えるかというふうにしています。
 また、現行、届出に関しては、明細書の無償交付を実施する施術所が届け出るという形になっていますが、今回、仮に今、御紹介したような形で範囲の対象を拡大することになった場合、逆に義務化対象施術所以外の方が届出を行う形に見直すということについてどう考えるかとしています。
 2点目は、交付(交付回数)の拡大についてです。前回、1月25日の専門委員会でも御紹介をしたアンケート調査の中身を見てみますと、明細書の交付につきましては施術のたびに交付をしている施術所の割合は約48%となっています。
 一方で、半数以上がそれ以外の交付形態となっており、中でも1か月分をまとめて交付と回答した施術所が2割程度あります。
 また、体制を見ると、常勤職員2名以下の施術所の割合が約7割を占めています。
 明細書の主な作成者を見ても、4分の3が施術管理者、柔道整復師であるが明らかとなっています。
 こうした点を踏まえて、現行の「患者から一部負担金等の費用の支払いを受けるごとに交付することが原則であること。ただし、患者の求めに応じて、1ヶ月単位でまとめて交付することも差し支えないこと。」となっている規定を継続することについてどう考えるかとしています。
 3点目ですが、明細書発行体制加算の回数と算定額についてでして、今回の改定の中で改定財源というものが当然あり、その中の範囲で対象となる義務化の対象施術所を大幅に拡大していくということを踏まえ、現行の発行体制加算の算定回数及び料金額を基に検討することについてどう考えるかとしてございます。
 4点目ですが、併せて保険者単位の償還払いの変更についてですが、今回義務化対象施術所拡大を踏まえて結論を得ることについてどう考えるかということかと考えています。こちらの論点はセットで捉えているので、今回、義務化対象が大幅に拡大することを踏まえて検討するものと考えています。
 資料は少し飛んで、12ページを御覧ください。
 1-2、「物価高騰への対応について」です。
 現下、物価高騰や、他産業における賃上げの状況、ちょうど今、春闘の状況が徐々に明らかになりつつありますが、そういった状況、もしくは今回、令和6年度の診療報酬改定、介護報酬改定などにおいては、賃上げ対応は大きなテーマとして改定を行っており、そういったものへの対応ですとか、あとは医療DXの推進などの観点を踏まえた必要な料金改定について検討していく必要があると考えています。
 1つ目、例えば電療料ですが、こちらは電気光線器具を使用した施術を行った場合、電療料としまして1回当たり30円の加算が算定できる形になっています。
 2つ目、初検料ですが、現行、施療を必要とする場合に限り、初回について初検料という形で1,520円の算定が可能となっています。
 そういった状況を踏まえ、1つ目、「電療料の引上げについて」としています。先ほど申し上げたような施術の料金といった性格上、光熱費の値上がりによる影響を受けやすいという点を踏まえ、改定財源の範囲の中で電療料の引上げについてどう考えるかとしています。
 また、初検料について、賃上げや、この4月からオンライン資格確認が開始され、同年12月からは義務化をされることになりますが、この医療DXの推進といった観点も含めて、改定財源の範囲の中で初検料の引上げについてどう考えるかというのが論点としてあると考えています。
 続きまして14ページ目以降、「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加について」です。
 前回いただいた御意見を15ページ目に簡単にまとめています。
 16ページ目、こちらの前回お示しした資料ですが、基本的には長期かつ頻回といった捉え方をどうしていくのかが、今回令和4年改定から残された宿題となっています。
 18ページ目以降は過去3年間の対比で、これも前回同様のデータを示ししていますが、今回は令和5年の頻度調査で可能なものについてデータを更新しています。
 18ページ目の年齢分布、19ページ目、1か月当たりの施術回数別の患者割合で見ても、基本的には過去3年と対比しまして大きな傾向は変わらず、基本的には10回以降というのが全体の1割程度ということになっています。
 20ページ目は、11回以上が約1割、それ以下が9割を占めているという状況です。
 21ページ目、こちらはまだデータが更新できていませんので、令和4年までのデータですが、3か月までの施術の割合が最も高く、4か月目以降は月数が増えるたびに逓減をしていくという傾向になっています。
 それらを踏まえ、まず22ページ目を御覧いただくと、現行、患者単位で償還払いに移行できるタイプは4類型あります。こちらに「非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い施術を受けている患者」を追加することについて検討が必要となっています。
 現行の患者照会の対象となる患者像は基本的に長期、初検から3か月を超える患者、または頻回、1か月当たり10回から15回の施術を継続して受けている患者となっており、全体の割合で見ると、患者照会の対象となり得る患者は、3か月を超える患者が概ね全体の7.5%程度、1か月当たり10回から15回以上の施術を継続している患者が概ね全体の5%程度となっています。
 頻度調査で得られる協会けんぽと国保、後期高齢者医療のデータからそれぞれの抽出率に従って割り戻した上で、健保組合分、これは協会けんぽ分から推計をしており、これを加えたもので全体を分析しています。
 続いて23ページ目ですが、現行の受領委任に関しまして長期・頻回施術に関する規定のイメージについて御紹介しています。
 1月から8月までございますけれども、初療、これが1月というふうにありますが、この月の16日以降に初検を受けると、翌月以降から月数がカウントされるということになり、この場合、1月16日以降だと2月から1月目とカウントされます。
 3か月を超える施術というのが5月ということになり、長期という形で支給申請書上「長期施術継続理由書」を添付するとなっています。また、1か月間の施術回数の頻度が高い場合については、この理由書になぜ頻度が高いかという必要な理由を記載してもらう形になっています。
 患者照会は、こういった初検から3か月を超える施術について対象となってきまして、その支給申請の中身について確認をして、患者にも状況を確認していくということになります。
 また、療養費の取扱いとしては、初検から5か月を超える施術については後療料などを所定料金の100分の80に相当する額により算定する、100分の20逓減する形で算定をすることになっています。このケースで言うと、7月からということになります。
 一番下ですが、現行の4類型のうちの1つとして患者照会、適切な時期に患者に分かりやすい照会内容で繰り返し行っても回答しない患者という形で対象を今、整理していますが、そういった回答しない患者さんに対して償還払いの注意喚起通知を送り、その上で個々に確認する必要があると考えられるケースについては確認をし、その上で償還払い変更通知を送付して移行していくというのが現行の規定になっています。
 そういったことを踏まえ、24ページ目を御覧いただくと、全体の月数と回数でマトリックスにしてイメージをお示ししています。
 1つ、一番上のワインレッドの部分が患者照会でいう長期施術の対象患者、3か月を超える施術を受けている患者としています。また、緑の部分が頻回の施術を受けている患者、1か月当たり10回から15回以上の施術を継続して受けている患者となっています。この両方の要件に当てはまるというのが黒枠となっており、患者照会基準の中で長期かつ頻回に施術を受けている患者、3か月を超えて1か月当たり10回以上の施術を継続して受けている患者となっています。こちらについては、全施術でいうと1.3%ほどに該当すると試算しています。
 また、もう一点、回数としては1か月当たり10回以上なのですが、5か月を超えて受けている。つまり、6か月以上受けているというところについて紫で囲っています。こちらは、全施術でいうと0.3%ほどになっています。先ほど御紹介しました療養費の逓減というのは、まさに5か月を超えているというところから長期の患者を対象としていますが、こちらについて紫で囲っている部分ということになります。こちらは、全体で見ると0.3%ほどとなっています。
 また、黄色い枠は6か月を超えて1か月当たり15回以上、つまり1年でいうと半分以上、7か月以上、1か月でみても概ね半分以上の日数の施術を受けている患者ということになります。こちらは、全体で見ると約0.1%、標準偏差の観点で見ても、かなり外れに近い。つまり、かなり高頻度かつ長期にわたって施術を受けている患者像になります。
 一番右下、赤い枠ですが、患者照会には長期かつ頻回施術のうち、7か月を超えて1か月当たり19回以上、つまり1年でみても8か月なので3分の2、1か月でみても概ね3分の2程度以上施術を継続して受けている患者ということで、全体で見ると0.02%、これは患者照会の対象となる患者像の中でも相当高頻度かつ長期にわたっていることになります。
 1つ、今回患者ごとの償還払いにどういった対象層を加えていくかということで、こういったイメージをお示ししながら、また必要な御意見をいただければと思っております。
 資料の説明、柔整に関しては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等いただければと思います。いかがでございましょうか。
 田代委員、お手を挙げておられますか。では、田代委員どうぞ。
○田代委員
 明細書発行の義務化の拡大について、意見を述べさせていただきたいと思います。
 前回の委員会でも発言しましたように、明細書の無償交付の義務化につきましては基本的に賛成の気持ちではありますけれども、明細書発行に当たって生じる新たな負担増についてはあまり考慮されていないのではないかと感じております。
 例えばですけれども、レセコンの明細書発行機能が組み込まれているから簡単に明細書が自動発行されるかのような捉え方をされているのではないかとちょっと思ってしまいます。実際、明細書発行をやってみますと、新たな時間的な負担、また発行のための物的な負担、また人的な負担は必ずあります。さらに、その時間的な負担から生じる施術時間のロスによって施術できる人数は減少することからも負担が増えるのではないかと考えております。
 2年前の改定では、3名以上の勤務者がいる施術所ということである程度、人的に余裕があるところが対象とされましたけれども、今回は柔整師一人でやっている施術所までが対象となると、前回も提案しましたように明細書発行に伴う新たな負担分をある程度は担保できる財源を確保してから全体に枠を広げていくということが必要ではないかと考えますので、御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。
 塚原委員、お願いいたします。
○塚原委員
 ありがとうございます。
 今の委員の発言に少しだけ補足でございますが、事務局への要望でございます。
 これまで領収書の発行義務というのは商取引の中の当然のものとして理解しておるのですけれども、この明細書発行については療養費申請の透明性についてということで議論を始めたものであったと記憶しております。保険者主導であったというふうなことを考えておるところでございまして、その明細書発行が義務化、全体的に義務化になるんだということであれば、この財源を国民全てがこの明細書を欲しいと言っているわけではありませんので、それでも発行を義務化するというのであれば、この財源は保険者の方で持っていただけるように検討していただきたいと提案いたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 いかがでございましょうか。ほかの領域でも項目でも構いませんが、何かございますか。
 田代委員、お願いします。
○田代委員
 先ほど電療料についての説明がございました。
 我々も物価高騰で非常に厳しい状況にありまして、電気料金の値上げなどの影響を強く受けております。それに対応できるよう、前回電療料のアップを要望しましたが、今回検討の中に入れていただき本当にありがとうございます。
 財源の範囲内でという条件がありますけれども、我々は資料も取っておりますが、実際の経費の状況の変化を見ますと、やはり結構な影響を受けております。ですから、これらの光熱費等の経費増の状況を踏まえて、ぜひとも電療料のアップはしていただきたいと思っておりますので強く要望いたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 齋藤委員がお手を挙げておられますので、お願いいたします。
○齋藤委員
 今のことの関連なのですけれども、前回の専門委員会において、物価高騰で施術所の経営環境は非常に厳しい状況にあり、電気料金などの値上げによる影響も非常に強く受けており、こうした状況への対応についても料金改定の議論において検討すべきと発言がありました。
 私ども施術団体としては、現下の物価高騰等が施術の経営に与えている影響は大きいと考えていたところ、施術所の経営実態等についてアンケートを実施しましたので、その結果について簡単に御説明させていただきます。
 資料があると思いますけれども、まずアンケート結果を見ると、光熱費等の値上げについては施術所の支出の中で大きく伸びており、経営に直接的に影響を与えると考えられます。
 一方、人件費はほかの産業に比べても伸びておらず、我々現場で働く柔整師の感覚にも合っています。つまり、近年の施術所における経営実態を反映している結果になったと考えております。
 この結果を踏まえれば、光熱費等の値上げに対する対応は喫緊の課題であり、電気料金の値上げが直接影響する電療料の増額により対応することが必要であると考えております。
 また、賃上げの実現が国の重要な施策であることを踏まえれば、柔整業界が他産業と同等の賃上げを実現していくためには、またオンライン資格確認の義務化を控える中、医療DXを推進していくためには、初検料等の増額により対応する必要があると思っております。
 限られた財源の中での調整であることは重々承知しておりますが、ぜひとも今般の療養費改定の中で実現すべきであると考えております。
 資料で一番着目すべきところは光熱水費で、前年に比べて13.6%と大きく増加しているということと、給与費の伸びはほとんどないというところです。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。全国健康保険協会の鳥潟と申します。
 まず、明細書交付義務化の拡大等についてですが、一人だと作業負荷が高いので躊躇されているものとお見受けしますので、大きな変更は今のところ希望していません。
 義務化されてもまだ発行できない。という施術所がどれくらいあるのか分かりかねますが、そういったところが大半なのであれば、継続していただいて構わないと思っています。
 次に、物価高騰への対応についてですが、こちらはやむを得ないと考えています。
 また、患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加ですが、今回御提案いただいているのが長期・頻回受診というところだと思いますが、ぜひこのタイミングでいわゆる部位転がしの部分に関しても実効性のあるものにしていただきたく存じます。
 以上になります。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 健保連の幸野です。
 施術側の方が手を挙げておられますので、お先にどうぞ。
○遠藤座長
 それでは、施術者のほうでお手を挙げておられる柏木委員どうぞ。
○柏木委員
 柏木です。よろしくお願いします。
 先ほどの長期・頻回の関係なのですが、資料の24ページを見ていただきたいのですけれども、この長期・頻回というのは先ほども出た部位転がしなどの話にも絡みがあるかと思うのですけれども、これはあくまでも我々が誠心誠意、施術をしている結果であって、意図的にこういうことをしているのではないということをとにかく分かっていただきたいと私は思っております。
 それと、結論的にはここに記載してありますように、一番下の赤字のところですね。「患者照会基準の長期かつ頻回施術対象の患者のうち、(7ヶ月を超えて1月あたり19回以上の施術を継続して受けている患者)約0.2万件(全施術の0.02%)」というところは、私はこれは認めてもいいのではないかと思っております。
 私の意見は以上でございますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、幸野委員お待たせしました。
○幸野委員
 ありがとうございます。それでは、意見を言わせていただきます。
 令和6年改定の議論も少々大詰めとなってきておりますので、今日は焦点を絞って我々保険者の思いを端的にお伝えさせていただきたいと思います。
 まず明細書の対象範囲の拡大なのですが、これは前回発言しておりますように人数要件を撤廃して今後の届出の仕組みについて義務化対象範囲の拡大を前提として明細書発行機能を持っている施術所を対象にして、そうでないところに届け出てもらうのは対象が把握しやすいこともあるので、この方法でよろしいのではないかと思います。ぜひ、進めていただきたいと思います。
 それから2番目の論点の交付頻度、交付回数の拡大なのですが、この発行頻度については施術のたびにこうすることが我々原則だと思っているのですが、アンケート調査では毎回発行しているところが半分にも満たない現状については残念だなというふうに思っています。
 これはそもそもですが、一般社会の商取引では物、サービスの対価として顧客から金銭を受領したときには料金の明細を顧客にその場で手渡すというのは、この業界にかかわらず最低限の商取引のルールだと思います。施術の後に患者から料金を授受して、明細書発行が負担となるから毎回発行しないという理屈がまかり通るのは、残念ながらこの業界だけではないでしょうか。
 ましてや、その一部が公的保険で賄われるといったこと、こういったことを重視して考えていただきたいと思います。
 国民の信頼を得るというのが施術所の方々の要望だと思うのですが、もしそうであれば、こういうことは患者がどうこう言っている、患者が希望している、していないにかかわらず、率先して実行していくべきことではないかと思います。患者の希望というのは関係ないのではないか。自然な形で明細書を発行するというのが当然のことで、柔整師の信頼向上のためにも自らこれを実践するのが自然な考え方ではないかと思います。
 今般、レセコン明細書発行機能ありの施術所を対象とするのであれば、これを機に発行頻度も毎回発行に変えていくことを強く要望したいと思います。
 あとは、算定回数の拡大と算定額ですが、これは財源との見合いがあるので何とも言えないと思いますが、この後出てくる初検料を引き上げることも提案されているのですが、冒頭、田代委員がおっしゃっていましたが、もしこういったことに負担を少しでも軽減するのであれば、こちらのほうに財源を向けていくのも、これは一つの理屈ではないかと私は思っておりますので、検討の余地があると思います。
 1点目の明細書についての意見は以上でございます。
 2点目は物価高騰への対応ですが、これについては医科が基本診療料で対応したからという今回の診療報酬の改定に準じた考え方ということですが、こういう理由であれば私は明確に反対せざるを得ないということです。
 まずは、医療DX対応等において医療機関が医療とか薬剤情報の共有化、電子処方箋の導入、それから電子カルテ情報の共有化など、様々な手間とコストをかけて対応しているのが現状です。単純に医療との絡みで検討はできないのではないかと思っています。医科が診療報酬で対応したからという非常に安易な提案というふうに思われるのですが、診療報酬とは全く異なる業界であることを大前提に議論していく必要があるのではないかと思っております。
 そもそも保険医療機関は診療報酬が収入のほとんどを占める世界でありますので、物価賃金の高騰等、経営にかかる環境変化は公定価格である診療報酬で対応する必要性は否定できないと思っておりますが、施術所はそもそも保険医療を前提とした機関ではないことは明確に理解すべきです。限定された施術所の場合に保険者が認めた場合、やむなく保険が給付できるにすぎない施術所であります。保険医療機関とそこが大きく違うということを、まず理解しておく必要があると思います。
 それに加えて、保険医療機関の場合は、その改定の前年度には医療経済実態調査というものが行われて、病院とか診療所の収支の状況とかコスト構造が詳細に分析され、また、勤務する医療従事者の賃金の水準についても徹底的に調査をされた上で、こういった人件費の高騰、それから物価の高騰がどういうふうに影響を与えるのかを詳細に調べた上で、診療側、支払い側が合意したときに初めてここに財源が充てられるという仕組みを取っております。
 また、改定後にはこういったものを改定した影響や効果について、必ず詳細な検討が行われているというのが中医協の世界の前提であります。
 12ページでは、現下の他産業における賃上げ、診療報酬改定における対応というふうにされているのですが、保険医療機関とは全く前提が異なり、経営状況や人件費、物価高騰が経営に与える影響の分析もなく、引上げ後、効果検証もやはりしにくいと思いますが、こういった中で基本部分、基本料金に当たる初検料とかに財源を充てるというのは少々乱暴ではないかと思います。
 そうであれば、今回義務化されようとしている明細書発行体制加算の負担軽減などに充てていくという考え方のほうが、我々としては納得感がある改定になると思っていますので、意見として言わせていただきます。
 最後は、今回大きな改定のポイントとなる患者ごとに償還払いが変更できる事例の追加ということで、これは長期・頻回をどう捉えるかというところに尽きると思いますが、これについては申し上げたいのが、前回改定時、令和4年の改定で厚労省事務局からの提案は、長期かつ頻回の議論をしていた際には3か月超、10回以上が前提となって提案されたわけです。それで、このとき残念ながら引き続き要検討とされたのですが、今回出てきた新たな提案は前回の提案を無視したような提案が出されてきて、こういった提案がなぜここで出されるかということについては、我々は到底受けられないと思います。
 前回、引き続き検討を行って今回同様のエビデンスの中で議論したわけですから、今回これを対象とするかどうかだけを決めるのが今回の検討ではないかと思います。
 前回のエビデンスの妥当性を確認するために、再度厚労省のほうも調査され、健保連でも調査をしましたが、前回の改定で3か月を超えて1か月当たり10回以上という基準の根拠となる同様のエビデンスが得られたということも事実であります。
 今回、前回引き続き検討のあった課題をどう結論づけるか否か、それだけに議論を集中すればいい話で、24ページに示された4つのパターンですね。これのどれを取ろうかという議論ではないと思います。これは、前回皆さんが議論に参加されていれば、こういった提案には非常に違和感を感じられると思いますので、前回提案された3か月超10回以上を今後どう考えるか、こういったことに集中して議論をすべきだと思います。
 それから、施術者の皆さんに本当に理解していただきたいのは、我々はこういった基準を満たす患者さんはすぐに償還払いに自動的に戻す、機械的に戻すということは考えておりません。償還払いの変更は、あくまでそのプロセスを踏んでやりたいと考えています。
 長期かつ頻回に該当する患者の方は、直接必要な書類を提出していただいて、保険者としての確認、調査をした上で、例えば健保組合であれば産業医とか、保健師とか、かかりつけ医などとも意見を聞いて、それでも当該患者を直接詳しく確認したいと思った暁に償還払いということを実行して、より丁寧に見ていきたいという考えです。
 その場合には、ともすれば内科的疾患とか、重篤な内科系の疾患という可能性も考えられて、ともすれば受診勧奨も必要かと思っています。その場合に患者の健康が重要な問題になり、このような措置や手続が重要になってくると思っています。
 そういうことで、償還払いの人間を増やしたいからこれをやるべきだというふうに我々は思っていません。こういった患者の方の可能性を考えて、ここで一旦、立ち止まって、より詳細な内容を分析したいからこういうことを言っているといったところでありますので、ぜひそこを施術団体の方、施術側の方には御理解していただきたいと思います。
 この議論も大詰めにきましたので、最後に今までのやり取りから明細書のこともそうですし、患者ごとの償還払いもそうなのですが、施術者の皆さんに言いたいことを言わせていただきますと、我々保険者は真面目にやられている施術者の方々を守っていくためにも、不適切な施術や不正請求をする施術者を我々保険者と一緒になって協力して防ぐということを考えていただきたいと思います。
 そのことが、未来志向の信頼関係を築く第一歩であって、柔整師業界を守っていくことにつながるのではないかと考えています。ぜひ保険者の意見にも耳を傾けていただいて、我々が提案していることについては柔整師の方々が国民からの信頼を得るためにも必要なことなんだということを保険者の立場で言わせていただきますので、今後協力して療養費制度を守っていくためにも、ぜひ我々の意見にも耳を傾けていただきたいことを最後に言わせていただきます。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、施術者の田畑委員、お手を挙げておられますか。お願いします。
○田畑委員
 全国柔道整復師連合会の田畑でございます。ありがとうございます。
 幸野委員、一緒に柔道整復療養費を守っていきましょうという御発言、ありがとうございます。
 しかしながら、長期・頻回の部分ですね。当然ながら支払い側のお立場ですので、長期・頻回イコール悪というふうに私のほうには残念ながら聞こえてまいります。患者さんというのは再負傷がございましたり、年齢の相違がございましたり、仕事もあって活動も違う方と、多岐にわたる方がいらっしゃいます。そういった患者の健康を経済のみで論じるのは、ちょっと飛躍し過ぎているのではないかなというふうに思います。
 我々は療養費の決まったルールの中でやらせていただいておりますので、長期かつ頻回には様々な理由書もございまして、あるいは長期の算定の逓減というのも受けております。
 そういった中で、今日参加している施術者代表の皆様、我々も含めてほとんどの方が都道府県の柔整師審査会に携わっておられることと思いますけれども、各種、長期継続理由書でありますとか、長期頻回理由書でありますとか、そういうものが支給申請書に載って審査会にやってきます。それで、我々が審査する中で、整合性のないものというのは審査会を通過できないように我々も協力している次第でございます。
 もう一度言いますけれども、経済のみで受領委任、療養費というのを論じるのは、我々医療の末端ではございますが、皆保険の理念から反しているのではないかと考えます。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。大体、御意見は出尽くしたのでしょうか。
 それでは、松本委員お願いいたします。その次に、幸野委員という形でお願いします。
○松本委員
 整形外科医の立場として言わせていただくと、3か月以上、月に10回以上施術するという方は、整形外科医でもそういう方はおられるのですけれども、消炎鎮痛を月に10回、20回という方はおられますけれども、整形外科の場合はみんな慢性疾患なんですね。関節症とか、脊柱管狭窄症とか、肩関節周囲炎とか、そういう慢性疾患の患者さんが大体毎日に近い形で通って来られるのですが、外傷の場合はそういうことはまずないのですね。
 柔道整復というのは外傷に対する施術をするものだと思いますけれども、今3か月以上、月に10回以上施術を受けておられる患者さんが本当に外傷なんですかと、そこを私は単純に疑問に思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 先ほど、幸野委員は手を挙げておられたのですよね。
 では、まずその前に少し施術側の御意見もお聞きしたいので、塚原委員お願いします。
○塚原委員
 塚原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今、長期・頻回の柔道の施術というお話が出ましたけれども、我々は手術や投薬ができない業種でございます。そしてまた、外傷というのはその患者さん個人個人の耐性限界と申しましょうか、その人の持っている健康の力を超えたときに発生するものと感じておりますので、再発防止の観点からもいろいろな形で頻回なり長期になるということがあるのかなと思います。
 ただ、そこに不正があるというのであれば、その不正を正すことに対しては、先ほど幸野委員も言われたような形で協力するのは全く反対しているところではございません。
 また、柔道の施術者自体は柔整師審査会というところで協力をさせてもらっていますので、もし健保組合さんもそういう情報が必要でしたらいつでも協力はいたしますので、またお声がけいただけたらと思います。
 そして、今後、統一的な検討事項が必要になってくるかと思います。今度、オンラインの申請という協議も進むというふうになりましたら、もう少し全体的に協力できるような視点でいろいろな統一の審査も含めた方向を考えていただけたらと思います。
 最後に、現状のいわゆる不正をやっているというのは個人の問題というふうに私も前回お伝えしましたように個々の問題でございますから、もし問題があれば手順を踏んでちゃんと調査した上で、保険の使い方をどうするかとか、取り消すかとか、それは保険者さんであったり、厚生局であったり、それがあるわけですから、そういったことをちゃんと使って取り締まっていくというのは必要なことかと思っております。
 現状では、大きく変更する必要はないと考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、幸野委員からコメントございますか。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 私の趣旨がいま一つ伝わっていないかというところがありますので、もう一度言わせていただきます。
 我々、長期・頻回は不正が多いから外してしまえという短絡的なことで言っているわけではないんです。松本先生もおっしゃいましたが、柔整の施術というのはあくまで外傷性のものでかかっておられるので、外傷性の施術が長期に頻回にわたっているというのは、これはどこかで調べてみる必要があるのではないかなということで、一旦こういった患者がいらっしゃるのであれば、ともすれば内科的疾患とか重篤な疾患が隠れているかもしれないので、これを保険者もちゃんと調査して、それでもまだ必要であれば、一旦、受領委任というところから保険者がより詳細にこの患者さんを診ていくということで、ここで何かのワンストップをかける必要があるのではないかということでやっているだけで、長期・頻回憎し、まかりならん、償還に戻せというふうなことは絶対言っておりませんので、そこはぜひ理解していただきたいと思います。
 では、どういうふうにして戻すかということで、もし施術者側がこういった仕組みで御要望があれば、あるいは双方向コミュニケーションを取ってそれを一緒にやっていくということも我々は考えないでもないですので、そういうところでいい提案があれば、それは我々としても受けますので、田畑委員もおっしゃいましたけれども、長期・頻回憎しということではやっておりませんので、そこは十分に御理解いただければと思います。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 では、田畑委員がお手を挙げておられましたので、田畑委員、柏木委員の順番でお願いします。
○田畑委員
 ありがとうございます。
 それでは、資料の4ページのほうをお願いいたします。
 幸野委員の御説明で、長期・頻回憎しではないというのは理解できました。それで、4ページの一番上のポツのところなのですけれども、「患者ごとの償還払いが、想定どおり実効性のあるものとなっていない。」とございます。この患者ごとの償還払いというのが決まったのは前回の改定時だったかと思いますけれども、令和4年ですね。この会議の中で決まっておりますので、ここにお集まりの皆様のコンセンサスが得られてスタートしたということだろうと理解しております。
 したがって、その決められた、あるいは決まりましたルールの中で実効性のあるものにする、あるようにするというのは保険者さんのお仕事なのかなと思っております。
 それで、その決まったルールの中で同じく4ページのポツの5つ目です。非義務化59%の施設も努力して明細書を出すとかという活動も我々はいろいろなところでしゃべって進みましたし、我々は一生懸命ルールにのっとってやったのですけれども、保険者さん、特に健保連さんのほうは実効性がありませんということで、これは保険者さん、我々、含んで決めたルールですので、相互にルールの中でもう一度やっていただいて、現行制度のまま進んでいくのが妥当ではないかと思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 柏木委員、お願いいたします。
○柏木委員
 ありがとうございます。
 幸野委員の提案なのですけれども、私も患者ごとの償還払いに戻す仕組みについては、保険者の皆さんと話合いをきちんとするということは重要なことだと思います。ぜひそのような機会を設けていただき、じっくり時間をかけてそういう議論をしたほうがいいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかにございますか。大体、御意見は出尽くしたということでよろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、本日の質疑はこれまでとさせていただきたいと思います。事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて次回以降の準備をお願いしたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。
 次回の日程について、事務局のほうから何かありますか。
○荻原室長
 次回の日程につきましては、後日連絡させていただきます。
○遠藤座長
 それでは、これをもちまして第28回「柔道整復療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。
 本日は、お忙しい中、活発な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

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