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第27回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2024年1月25日)

○日時 令和6年1月25日(木)16時00分 ~ 17時30分(目途)




○場所 日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、釜萢敏、松本光司
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明
齋藤武久、田代富夫、柏木久明、田畑興介、塚原康夫
 
<事務局>
荻原保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 まだ定刻には達しておりませんが、委員の皆様既におそろいでございますので、本日、この後、もう一つ会議がございますから、ただいまから開始をさせていただきたいと思います。
 ただいまより第27回「社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会」を開催いたします。
 本日も、感染症予防対策としまして、対面を基本としつつ、オンラインを組み合わせての開催とさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 まず初めに、委員の出席状況について御報告をいたします。
 本日は、水野委員、大田委員が御欠席でございます。
 それでは、マスコミの方々のカメラ撮りをされているようであれば、ここまでとさせていただきたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、「柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について」を議題とさせていただきたいと思います。
 事務局から資料が出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○荻原室長
 保険医療企画調査室長です。
 柔-1「柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について」を御覧ください。
 資料の構成ですが、「I.近年の柔道整復療養費の料金改定について」「II.柔道整復療養費の現状について」「III.令和6年改定の基本的な考え方(案)」という構成になっています。
 まず最初に、「近年の柔道整復療養費の料金改定について」です。3ページ以降に、平成30年改定以降の各回改定の概要についてお示しています。
 6ページ目には、「令和4年改定について」紹介しています。往療料について、4km超を2,700円から2,550円に見直すとともに、明細書の発行体制加算を新設し、明細書を無償で患者に交付した場合、同月内に1回のみ算定可能、1回当たり13円という新たな加算を創設しています。
 続きまして、「II.柔道整復療養費の現状について」です。8ページ目を御覧いただくと、「柔道整復療養費の推移」について、赤枠で囲っていますが、令和3年度は2,867億円、対前年度比で1.3%のプラスとなっています。
 一方、柔道整復療養費額は、平成24年度から減少に転じており、以降、各年でばらつきはありますが、令和2年までの対前年度伸び率ではマイナス1%から10%程度の間で推移をしています。
 特に令和2年度に関しては、コロナ禍という要因が考えられますが、対前年度比でマイナス10.9%という状況でした。
 9ページ目以降は、施術所数の推移です。9ページ目、10ページ目を御覧いただくと、柔道整復施術所そのものの数については、およそ現状約5万程度で、増加傾向は継続してはいますが、伸び率は近年ほぼ横ばいになっています。
 10ページ、受領委任施術所数についてもやはり同様で、4万6,683か所、4万7,000弱の形で推移している状況です。
 11ページ目、年齢別の柔道整復療養費の受療者の年齢分布です。70歳から79歳の患者割合が最も高くなっており、80歳から89歳では大きく減少するほか、近年、若年層に関しては、受領者の中で占める割合が低くなっている状況です。
 13ページ目、柔道整復費の内訳を見ると、近年は、後療料(打撲と捻挫)の割合が高くなっており、算定額のうち、約6割を占めています。
 その他、罨法料とか、施療料、初検料の割合が高い状況でして、逆に、往療料などは、柔整に関してはほぼ算定されていないという状況です。
 14ページ目、傷病名別で患者の割合を見てみますと、打撲と捻挫で99%以上を占め、骨折に関しては0.13%という状況です。
 15ページ目、16ページ目を御覧いただくと、1か月当たりの施術の回数別の患者の割合です。3回以下がおよそ約半分という状況で、4回以上になると、大きく減少しています。特に10回以上は、全体の約1割強となっています。
 16ページは、回数をややまとめた形でお示ししていますが、やはり同様に、11回以上の施術と見ますと、およそ約1割となっていまして、逆に申し上げれば、10回以下とするものが約9割を占めているという状況です。
 17ページ目、過去の改定についてです。これまでの改定率は、診療報酬(医科)の改定率の半分となっており、令和4年改定を見ると、医科が0.26%でした。それを踏まえ、療養費としては、令和4年改定は0.13%となっています。
 18ページ目ですが、ご参考までに、令和6年度の診療報酬改定について示しています。診療報酬改定の改定率はプラス0.88%、うち、いわゆる一般財源分として計上されているものがプラス0.46%、各科の改定率を見ますと、医科がプラスの0.52%で、昨年末に決着しています。
 続きまして、「令和6年改定の基本的な考え方(案)」、大きく2つあります。「明細書の交付義務化対象の拡大等について」と、「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加について」です。
 21ページ目を御覧いただくと、「令和6年改定の基本的な考え方(案)について」を示しています。「明細書交付義務化対象の拡大について」ですが、令和4年度に、施術所のレセコンの導入状況、導入しない理由、職員数、明細書交付頻度、交付業務負担などについて調査をすることとされていました。
 その上で、令和6年度改定において、調査結果や改定財源などを踏まえ、この明細書発行体制加算の算定回数額、額及び明細書の義務化の対象拡大、交付回数について検討し結論を得るとしています。
 併せて、その検討状況などを踏まえ、令和6年度改定において、保険者による受領委任払いの終了手続を含めた取扱い(保険者単位の償還払いの変更)についても検討し結論を得ることとしています。
 「2.患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加について」では、「非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い施術を受けている患者」の取扱いについて、引き続き、長期施術・頻回施術等のデータ分析を行い、そのデータや「患者ごとに償還払いに変更できる事例」の施行状況などを踏まえ、令和6年改定において検討するとされています。
 少し飛んでいただき、まず、令和4年で導入した明細書の発行体制加算に関する届出の状況を私どもでまとめています。
 29ページ目を御覧いただきたいと思います。明細書無償交付の義務化対象施術所は、前回の改定の議論の中で、明細書の発行機能があるレセコンを使用している施術所であって、常勤職員3人以上である施術所としています。受領委任の全体の施術所は令和5年4月現在4万6,974か所、実際に、明細書の無償交付の実施を厚生局宛てに届け出た施術所は、2割弱の8,671か所でした。そのうち、義務化の対象の施術所については、およそ3分の2煮当たる5,696か所、義務化の対象外であっても、無償交付の実施を届け出た施術所がおよそ3分の1、2,975か所ありました。この8,671か所の中で、常勤3人以上と届け出ている施術所は、これもやはり3分の2近く、5,700か所、常勤2人以上とするところは1,305か所となっています。2人以上は全体としては7,000か所ほどございますが、3人以上とするのが5,700か所ございますので、差引きで常勤2人の施術所は1,305か所程度となります。あと、常勤1人の施術所は1,666か所となっており、1施術所当たりの平均常勤職員数は3.34人となっていました。
 義務化の対象外の施術所は2,975か所と申し上げましたが、うち、レセコンを設置している施術所は95.8%、2,849か所、ほぼレセコンを設置しているという状況でした。
 30ページ目以降は、明細書の交付状況に関する実態の調査についてです。
 31ページ目以降がその結果ですが、有効回答施術所は1,993か所、常勤3人以上と回答した施術所は30%弱、594か所でした。常勤2人以上と回答した施術所は1,218か所、常勤2人のところが624か所、常勤1人が775か所、1施術所当たりの平均常勤職員数は2.43人、中央値2.0人となっています。
 明細書の交付実績ありと回答された施術所は43%、857か所、うち、交付の時期などについて尋ねてみたところ、毎回交付しているとしているところはこのうちの42.6%、365か所でした。それ以外は、1か月分まとめて交付としている場合とか、その他として、毎回発行と毎月1回分まとめて発行の両方をやっている、患者の希望により決めているなどとしているところが223か所あったという状況です。
 交付実績ありと回答した857か所のうち、交付方法について尋ねたところ、レセコンにより交付と回答した施術所が83.0%、711か所でした。手書きによる交付と回答した施術所は6.3%、54か所、その様式については、明細・領収書(混合)様式による交付と回答した施術所が7割を超え、明細書様式により交付と回答した施術所が206か所、24.0%でした。
 32ページを御覧いただくと、1施術所当たりの平均の交付枚数は月ごとに117枚でした。また、交付作業に関する回答を見ると、レセコンで自動作成、もしくは必要事項を入力して作成をしているというところが9割弱を占めています。手書きとしたところが5.3%でした。
 主な作成者については、施術管理者の作成とするところが70%以上、柔整師以外の職員が作成と回答した施術所は16.6%、施術管理者以外の柔整師が作成と回答した施術所も6.7%、この順で多かったという状況です。
 また、患者1人に係る明細書作成時間について尋ねたところ、0~5分で60%、5~10分で30%、10分以内が90%でした。
 明細書作成に時間を要する事務処理について見ますと、レセコンへの必要事項の入力と回答した施術所が約半分745か所。特に時間を要するものがないと回答した施術所が37.8%で571か所となっていました。
 33ページ目はレセコンの導入状況についてです。2,337か所から有効回答があり、うち95.6%でレセコンを設置しており、4%、94か所がレセコンを設置していないとのことでした。うち、レセコンに明細書発行機能を付与されていると回答した施術所も2,000か所を超えており、約9割という状況です。
 義務化の対象か対象外かについてそれぞれ聞いてみたところ、いずれであっても、レセコンを設置していると回答した施術所の割合は非常に高いという状況でして、逆に、レセコン設置していないと回答した94の施術所にその理由を尋ねたところ、経済的な負担とか現行の事務処理のほうが効率的、PCの事務処理に不慣れといった順で多かったという状況です。
 34ページが、今までの届出の状況とか、調査の中身をまとめたものでして、職員数を見ると、無償交付の届出施術所のおよそ3分の2は常勤3人以上の施術所であったという状況ですが、無償交付届出以外施術所の多くは、常勤2人以下の施術所であることが推測されます。
 明細書の交付頻度については、先ほど御紹介したとおりです。交付業務負担については、多くがレセコンによる明細書交付、1人当たりに係る時間も、90%の施術所は10分未満であると回答しています。レセコンの導入状況を見ても、届出を行った施術所の98%はレセコンを設置しており、アンケートにおいても、96%の施術所がレセコンを設置していると回答しています。導入しない理由は、先ほど御紹介したとおりです。
 そういった点を踏まえ、35ページを御覧いただくすと、明細書の交付義務化対象施術所の範囲の拡大についてどう考えるか、また、明細書発行体制加算の算定の回数の拡大と算定額についてどう考えるか、さらに、交付回数の拡大等についてどう考えるかというのが、今回、6年度改定の議論の中で必要な検討を行った上で結論を得る必要があると考えています。
 また、もう一点、明細書交付義務化対象の拡大を踏まえて、受領委任払いの終了手続を含めた取扱いについてどう考えるかというのが、もう一つ論点としてあるかと思います。
 もう一つが、「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加について」です。
 38ページを御覧いただくと、初検月から治癒または中止までの施術の月数の割合ですが、3か月までとする割合は最も多く、4か月以降は大きく減少しており、5か月、6か月と月数が増えるたびに逓減し、7か月以降になると、1%程度という状況です。
 39ページ、これは先ほども少し御紹介しましたが、1ヶ月当たりの施術回数別の患者割合ですが、3回以下が全体の半分弱を占め、4回以上は大きく減少しています。特に、10回以上とするのは全体の約1割強という傾向は、39ページ、40ページいずれも変わらない状況です。
 現行の患者ごとに償還払いに変更できる事例については、45ページ中ほどにある通り、(2)で①から④まであります。①自己施術と、②自家施術、③保険者等が患者に対する患者紹介を繰り返し行っても、回答しない患者を対象にできるほか、④複数の施術所において、同部位の施術を重複して受けている患者を対象としています。
 こういった点を踏まえまして、現状の施行の状況なども踏まえながら、整理をしていく必要があると考えています。
 47ページは、患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加の関係で、主な事務手続について並べています。
 そして、48ページ目を御覧いただくと、今回の改定に関する論点について並べています。3か月以内の施術が約8割、4か月以上の施術から療養費請求が大きく減少していることについてどう考えるか。また、もう一点、1ヶ月当たりの回数は3回以下が約5割、4回から10回が約4割、11回以上が約1割ということについてどう考えるかという話があります。
 また、療養費支給申請書への長期施術継続理由書の添付義務とか、患者調査の選定対象基準例が、長期継続(3か月を超える期間)、頻回傾向(1か月当たり10~15回以上が継続する傾向)であることについてどう考えるかというのもあります。
 あともう一点、償還払い変更事例に関する施行状況を踏まえながら、償還払いの対象患者の範囲を決定することについてどう考えるかというのが、今回の論点と考えてございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見・御質問等あれば伺いたいと思います。
 それでは、幸野委員お願いいたします。
○幸野委員
 改定の中身に入る前に、ちょっと1点重要な事項を確認させていただきたいと思います。先ほど室長から、21ページで、令和6年度改定の基本的な考え方を示されておりまして、その中でも、我々が最も重要視するのは、21ページの上の枠の3つ目のポチをちょっと見ていただきたいのですが、保険者単位の償還払いについて結論を得ると明記されているのですが、これは、今回、検討状況によって受領委任から脱退するということを厚労省としても認めるということでよろしいわけですね、検討状況によっては。
○遠藤座長
 事務局、いかがでしょう。
○荻原室長
 認めるかどうかということよりも、この明細書の交付義務化対象の拡大の議論を行いながら、併せて検討して結論を得るということかと認識をしています。
○遠藤座長
 幸野委員。
○幸野委員
 ですから、この検討状況によって保険者が決断する場合もあり得るということでよろしいわけですね。
○荻原室長
 これまでの議論の経過を踏まえても、保険者単位での償還払いに変更するのは重大な変更です。患者単位での償還払いとはまた次元が違うと認識していまして、そう考えますと、この結論によって、あまりイージーに保険者単位の償還払いに変更するということを認めるということはないです。
 以上です。
○幸野委員
 その上で言わせていただきます。私、この委員会の委員を8年以上やってきているわけですけれども、不正対策の頃から、保険者の要求はほとんどと言っていいほど受け入れられないのが状況です。4年前の4月にこの委員会の場で、私から、受領委任から脱退し、償還払いの意向を通告しましたが、厚労省がストップをかけて、今まで4年間これを実行できていないというのが現実なのですね。前回、令和4年度改定においても、我々は全く納得できない改定内容で終わったのですが、我々としては、前回改定においても、この償還払いの実行を決議しようとしたところなのですが、そのときも厚労省の幹部によって説得を受けて、これを止められて、そのときに、今回の改定の基本方針になっている附帯事項として、令和6年度改定においては、その検討状況を踏まえ、保険者による受領委任払いの終了手続を含めた取扱いについても、検討し結論を得るという文言が入ったから、我々は苦渋の決断によって、令和4年度改定を終わって、まだ留保したという状態なんです。そういった経緯があります。
 今でも、多くの健保組合が速やかに受領委任からの脱退を希望している状況であります。これ以上待たされると、私の後ろにいる健保組合も黙ってない状況です。後で総括しますが、前回の令和4年度改定も、最後にはもう骨抜きになってしまったわけですね。明細書の患者ごとの償還払いが、想定どおり実効性のあるものとなっていないということが分かりました。今回において、それが継続されるようなことになると、我々は、これを必ず実行するということを改めて申し上げておきたいと思います。
 そればかりではありません。前回、令和4年度改定の直後、保険者の怒りに追い打ちをかけるような、全ての国民を裏切り、保険者の信頼をさらに大きく失墜させるような事件が発覚しました。それは、国家試験漏えい事件です。これを聞いたときはもう耳を疑うような事態だったのですが、昨年の6月、その研修試験財団がこの報告書を出しました。これを読んで、また驚いたのですが、皆さん読まれたでしょうか。厚労省の方は読まれたでしょうか。報告書にはどう書かれているかというと、全ての養成校の半数近くの受験生らに試験問題が拡散され、かなり以前から取り沙汰されていたにもかかわらず、放置されていたことが強く推認されると。本来、合格水準に達してない者を合格させることによって、国民が適切な治療を受ける機会を危うくする、極めて悪質な行為であって、ひいては柔道整復業界に対する信頼を低下させ、それは柔道整復師にとって大きな痛手となるということが明記されているわけです。このように国家試験の水準に達しない柔整師が、今、世に多数存在することが事実上認識されて、公的保険を扱う資格がない業界だと言われても仕方がないありさまになっているということが言えます。
 ここまで失墜した業界に対して、監督官庁である厚労省にも大いに責任があるわけですが、このような業界と、なぜ今でも協定を結ぶ必要があるのか。これでも厚労省は償還払いを認めるつもりはないのか。本来、資格者となり得ない施術所が多く存在しているこの業界に対して、厚労省はどう対応するつもりなのか。また、どう対応してきたのか。そういったところははっきりお聞かせいただきたいと思います。
 健保組合は、この事件の詳細を知るにつれて、即刻、受領委任協定を破棄すべきとか、厚労省はこのような事態になっても、受領委任からの脱退を認めるつもりは今もないのかという声が日々高まっている状況です。
 こういった状況の中で、厚労省としてもしっかり対応策をとっていただいて、国民とか保険者が納得できるよう、この検討専門委員会の不正対策の審議を含めて、真摯な対応で検討に臨み、令和6年度改定で、我々保険者が納得いく対応が得られない場合は、受領委任からの脱退について結論を得るということでよろしいかということを、再度、事務局に確認したいと思います。
 それと、その後、施術者側の意見も聞きたいのですが、このような状況に陥った今、今後、業界としてどのような対応をされようと考えているのか。この場に及んでも、我々保険者の声に耳を傾けないつもりでいるのか、それについて見解をお伺いしたいと思います。厚労省と施術者側の見解を求めたいと思います。
○遠藤座長
 了解いたしました。
 では、まず厚労省からコメントをお願いします。
○荻原室長
 試験財団に関する事案については、今、担当所管である医政局で報告書を踏まえて対応しているということかと認識してございます。この委員会の議論におきましては、柔道整復療養費の料金改定に関する議論ということになりますので、そちらを中心に御議論いただければと考えております。
○遠藤座長
 それでは、施術者の方で、何か御意見ある方はいらっしゃいますか。
 それでは、柏木委員どうぞ。
○柏木委員
 受領委任の件ですけれども、私、前も2回ほど参加させていただいているのですけれども、必ず受領委任のことで論点が持っていかれてしまうと感じているのですよね。委員が、臨床整形外科学会でも、柔道整復師の受領委任制度を外すことを公言しているのですよ。私はものすごくそういう意味で印象的でした。だから、この前のオンライン資格のときにも、まず受領委任の話から入ってくるのですね。全て受領委任に関わっている。それを外したいというような気持ちが前面に出ているのではないかという印象を持っています。
 それと、生意気なようですけれども、受領委任は柔整師のためにあるわけでも何でもないのですよ。国民のためにあることであって、柔整師のためにあるものではないというところの論点がちょっと違うのではないかと。利便性とか、実際の現状を考えれば、我々のために外すという考え方のようにしか聞こえないのですよ。国民目線でその辺もう少し考えていただければと私は思います。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかの施術者団体で、何かコメントはありますか。
 よろしいですか。
 それでは、そのようなコメントが厚労省と施術者団体から出されましたけれども、幸野委員いかがでしょうか。
○幸野委員
 まず厚労省からは、この件と料金改定と話が違うみたいな言い方をされましたけれども、料金改定とは言え、これは不正対策を論じる場ですから、他に不正対策を論じる場をつくるのかと言ったら、この料金改定の場しかないわけですから、それはちょっと違うと思います。
 それと、施術者団体、日整のほうから言われた、受領委任は患者のためと言われましたが、全くそれは違います。保険者も、患者も償還払いに戻していいという決断をとっているから、これは物すごく言っているわけで、患者のために受領委任があるとは思っていません。どちらかと言えば、これは施術者のためのものだと理解しています。
 なぜ、受領委任から外れるかというと、受領委任であるからこそ、これが不正の温床になっているというところがあるからです。療養費というのは、本来、健保法87条に規定するように、償還払いが原則です。ですから、原則の償還払いに戻して、きっちりとした対策をとるというのが保険者の考え方なので、これを患者のためにやっているとか、そういう理屈ではないということを、ちょっと認識が違うので、改めていただきたいと思います。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの議論でも結構ですし、異なる視点からでも結構です。
 柏木委員、どうぞ。
○柏木委員
 再び柏木です。
 過日、前年度の暮れですけれども、私どもは長野県の健康保険組合連合会の皆様と懇談会を設けています。コロナ禍で、毎年やっていたものがなかなかできなかったのですけれども、そのような懇談会の場で、受領委任制度について、そういうものを外してもらいたいという論議は、一切出てないのですよ。委員おっしゃるように、保険者も被保険者も償還払いに戻して良いという決断が本当にあるか疑わしいのです。受領委任の取扱いをしている柔整療養費を償還払いにしてしまえみたいな、その発言を裏付けるものを私としては知りたいです。みんなそう言っているからそうだと言っていますが、その発言はそれだけの責任があるということなのです。
 それから、はっきり申し上げますと、幸野委員が前に柔整の支給申請については、全部不支給の決定をするよう文書を出したではないですか。返戻ではなくて、そういう文書が過去にありましたよね。はっきり言って、そういう乱暴に思えるような行為をなさっている。その文書を私は持っています。その内容はおかしいではないかと思います。御自身で出した文書を覚えていらっしゃいますでしょうか。
○遠藤座長
 幸野委員、何かこんなコメントございますか。
○幸野委員
 まず、前段の部分ですけれども、都道府県連合会がどういう会話をされたかはちょっと承知してないのですが、私は健保組合の声を代表して、この委員会の場で述べていますので、ありもしないことを言っているわけではありません。
 それから、どんな文書を出したかについては、ちょっと承知してないので、確認してみます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 柏木委員、どうぞ。
○柏木委員
 まず、文書については、私が今持ち合わせておりませんけれども、厚生局と長野県には出しました。私が持っていますので、その文書についてはコピーをそちらのお手元に渡るようにするということでよろしいですか。
○遠藤座長
 幸野委員、いかがでしょう。
○幸野委員
 それで結構です。
○柏木委員
 分かりました。それは早速手配します。
 それと、もう一点です。幸野委員が健康保険組合の代表で、みんなの意見を集約して言っているということですが、先ほど言ったように、私ども健康保険組合連連合会長野連合会との懇談会では、そういう話は全然出てきていません。それははっきり申し上げます。
 以上です。
○遠藤座長
 本件について、何かほかに御意見ございますか。
 幸野委員、いかがでしょう。
○幸野委員
 これ以上言い合ってもしようがないのですけれども、私は健保組合の声を反映して、組織的にも決を採って委員会の場で発言しておりますので、健保組合の声を反映してないということはあり得ないです。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ほかに御意見ございますか。
 田畑委員、お願いいたします。
○田畑委員
 田畑です。
 今の償還払いのお話ですけれども、少し角度を変えて質問させていただきます。
 今回の資料の柔-1の29ページにありますように、現在、明細書の義務化は、3人以上の施術所ということで、その下の資料にありますように、2人施術所でも1人施術所でも頑張って出しているという現状がございます。
 さらに、厚労省におまとめいただきましたアンケートの集計、大変な作業だったかと思いますけれども、事務局の皆様ありがとうございます。アンケートの集計結果の概要の7ページですけれども、円グラフの1-2-2がございますが、明細書無償交付の義務化の割合の部分で、義務化対象施設が38%、非義務化59%のところで、N数が857で、サンプルが少ないかと思いますが、59%の非義務化の施設も努力して出しているという現状がございます。
 事務局にお伺いしますが、この非義務化施設も一生懸命出しているという現状について、アンケートを取りまとめいただきましたけれども、評価がついておりませんので、業界頑張っているなというのが我々の感想なのですが、事務局として、評価をどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
○遠藤座長
 では、事務局、コメントをお願いしたいと思います。
○荻原室長
 調査結果は、今、御指摘いただいた参考資料の7ページかと思いますが、義務化の割合と義務化非対象の施術所が59%ある中で、1-2-3で、無償交付をしているという施術所も多く含まれているということだと認識しております。
 こういった点を踏まえますと、前回の令和4年改定の中では、義務化の対象施術所という要件を設定しているわけですが、それ以外においても、多くの施術所において、サンプル調査であるという前提ではありますが、多くの施術所において、実際に明細書を無償交付しているという、ある程度そういった実績が上がっているという認識をしています。
 そういった点を踏まえて、今回の令和6年改定の中で、この明細書の交付の義務化対象の拡大について御議論いただくものと認識しています。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
○田畑委員
 続きでよろしいでしょうか。
○遠藤座長
 結構です。
○田畑委員
 ある程度一定の評価をいただいたかと思いますけれども、また、アンケートの資料の3ページの(1)「明細書発行体制加算の創設」とありまして、○が2つあります。一番下のところは、(後略)となってございますが、この続きが肝心でして、ちょっと読み上げさせていただきます。これは、令和4年度料金改定時の厚労省の資料になります。(後略)の部分に「併せて、その検討状況等を踏まえ、令和6年度改定において、保険者による受領委任払いの終了手続を含めた取扱い、保険者単位変更についても検討し、結論を得る」として、前回改定が終わってございます。
 したがいまして、明細書の部分で、事務局からも一定評価をいただいておりますので、評価いただいた上で、なおかつ、保険者単位償還払いのお話になってくるというのはなぜかなと。話の流れが違いますし、私としては不思議でございます。もし、幸野委員の御意見がございましたら、お答えをお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ただいまの御発言について、何かコメントがある方はいらっしゃいますか。幸野委員、お名前が出ましたけれども、ほかの方でも結構です。
 よろしゅうございますか。
 田畑委員、もし話がまだあれば、続けていただければと思います。
○田畑委員
 私どもの認識では、先ほどの令和4年度料金改定の終わりの議論のところで、明細書を業界がきちんとやれば、透明性が担保されて、保険者さんも納得されると。皆さんが納得されて、保険者単位の償還払いがなくなるだろうということで、いろいろなセミナー、講習会等で、1人施術所、2人施術所でも、頑張って明細書をやりましょうよとお伝えしたほうでございますので、このような調査結果が出て、非常に喜んでおりますし、令和4年度改定の終わりの明細書をきちんとやっていれば、償還払いの話にならないというところのお約束というほどではないのですけれども、議論の流れがあろうかと思いますので、そのあたりを考慮いただきまして、御意見いただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。
 それでは、田代委員お願いいたします。
○田代委員
 今回の料金改定のスタートですけれども、そもそも療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みの検討をするということもこの中に入っているわけですね。この令和6年度改定の中身もその延長線上にあるということを、まず基本的にお話しさせていただきたいと思います。
 その中で、今回の明細書発行についてですけれども、前回の改正の中で、今回の数字の中にも出てきている部分があると思いますけれども、発行努力していることは事実です。私たちも基本的にはこの明細書発行に関しては、協力的な考えを持とうと考えております。それは業界のために、また、患者さんのために、また、保険者に対する理解のためにも必要であることと考えています。
 一方、もともと明細書発行に関しては、求められた場合には発行するということになっていました。その場合、それに伴う発行料は独自に取ってよろしいということになっておりまして、それが、前回の改定では、3人の常勤者がいる施術所で明細書発行機能があるレセコンを使用しているところに関しては義務づけるという形になったわけです。
 実際、それを進めるためには、最低限無償での明細書発行に見合うような料金を設定する改定でないとなかなか進まないのが現状ではないかなと思います。明細書発行の義務化により、これまで明細書を発行した場合の手数料に関しては、もう無償にする。そのかわり、月に1回だけ13円を算定できる。これは明らかにプラス改定でなくて、マイナス改定だったなというのが印象でございます。しかし、そうは言っても、我々も協力しましょうということで、登録を進めているわけです。
 ですから、これが必要な措置として私たちも協力するためには、明細書を発行するための財政的な担保を検討していただくことが必要と考えます。また、単に料金改定の金額だけで考えるというのではなく、それに対してはしっかりとした財源を確保した上で、進めていただければ、保険者と協力しながら、私たちも本当にみんなでやりましょうという形に進めるのではないかなと思うのですね。
 でも、今のまま、ただ枠を広げましょうということですと、単純に、一部のよからぬ思いを持っている柔整師をあぶり出すために、真面目にやっている柔道整復師の犠牲の下に進めようとすることは受け入れ難いのではないかなと思います。正しくやっている柔整師に正しい療養費が支払われるシステムを構築しようというのも、この専門委員会の重要な役割ではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤座長
 御意見として承りました。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。いろいろな観点がありますので、いろいろな視点からで結構でございます。
 幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 先ほど、田畑委員からも意見を求められましたので、それを含めて申し上げたいと思います。
 まず、29ページの厚労省の調査で結果が出ているのですが、見方が違うのだなと思うのですけれども、まずは、全施術所の4万7,000の施術所のうち、無償交付を届け出たのが18.5%というのが、これを多いと見るか少ないと見るかですが、施術者の方が頑張っていると評価しているのですが、我々から見ると、8割以上が届け出てないというのはあまりにもこれは限定的だと言わざるを得ないというところです。
 調査内容について、厚労省にちょっと確認したいのですが、届け出ているところの内訳を見ると、65.7%が常勤3人、15.1%が2人、19.2%が1人となっているのですが、そもそもこれは義務化したわけですから、無償発行の義務化対象施設が何件あって、そのうち、どこが届け出ているというのを把握できているのですか。
○遠藤座長
 それでは、事務局お願いいたします。
○荻原室長
 基本的に、届出に基づいて整備されていくものでございますので、義務化対象となる施術所数は5,696か所になります。
○幸野委員
 すみません。もう一度説明していただけますか。
○遠藤座長
 よろしくお願いします。
○荻原室長
 基本的に届出主義になりますので、義務化対象として届け出ていただいた施術所は5,696か所、これは明細書発行機能があるレセコン使用している施術所であって、常勤職員3人以上である施術所という要件に当てはまるところが義務化の対象でございますので、これが5,696か所ということになります。
○幸野委員
 すみません。よく分からないのですが、レセコン機能があって、常勤3人以上というのが何か所あるかというのは把握されていますか。
○荻原室長
 我々としては、この届出を受けた施術所が全てと認識しています。
○幸野委員
 義務化というのは、レセコンがあって常勤3人以上のところは義務化ではないのですか。
○荻原室長
 明細書発行機能のあるレセコンを使用している施術所であって、常勤職員3人以上である施術所は、義務化の対象です。これは、令和4年度料金改定の中で決定された事項と認識しています。
○幸野委員
 ですから、何度も言うように、それが全体で幾らであって、そのうち届け出たのがどれだけかというのは把握できているのですかということです。
○荻原室長
 繰り返しになって申し訳ないのですけれども、届出主義ですので、届出を受けられたところが全てだと我々は認識しています。
○幸野委員
 ということは、届け出てないところは義務化の対象でなくてもいいということですか。
○荻原室長
 届け出ていないところが、明細書無償交付をしていなければ、それは義務化対象違反という形になります。基本的には、そういったことをしないと思っていますけれども。
○幸野委員
 それを把握できているのですか。
○荻原室長
 把握する仕組みはございませんし、把握をしてございません。
○幸野委員
 それはまずいのではないですか。
○荻原室長
 それはなぜでしょうか。
 逆に、届出主義で、わざわざ自ら医療義務違反になるようなことを行う施術所はどの程度あるのかというのは、基本的にはしないと考えています。どちらかというと、義務化対象外の施術所であって、無償交付を実施すると届け出る施術所のほうが出てくる状況なので、あえて、そこでわざわざそういった行為に出るというのは、すみません、ちょっと私には理解ができません。
○幸野委員
 ちょっと見解の違いがあるのではないかと思うのですけれども。
○荻原室長
 すみません、幸野委員は具体的に何か所程度あるというのを認識された上で、実は特定なところのことを言っているのでしょうか。
○幸野委員
 それはないです。
○荻原室長
 ですから、届出主義と一緒に申し上げました。これが全てです。
○幸野委員
 では、届け出てないところは義務化ではないのですか。
○荻原室長
 これも、再三再四申し上げていますが、届出対象となる義務化対象施術所の要件は、先ほど申し上げたとおりでして、これに反して届け出ていないということになれば、受領委任協定違反、契約違反ということになります。ですから、そういったところは、基本的には、こういった要件、全体としてみれば、5,695か所ですから、全体の施術所数で言えば、4万6,974か所になりますので、数としては、そもそもこの要件に当てはまる施術所はもとより多くはないと認識をしています。基本的に、わざわざ届け出をしないという行為に出るのは、ちょっと理解ができないです。
○幸野委員
 すみません。まだちょっと理解できないのですが、意見として言わせていただきますと、私たちが考えていたのは、明細書発行機能付レセコンを持っていて、常勤3人以上が義務化の対象になっていると思っていて、今回、それがどこまでその施術所が届け出たのかというのは把握できていなくて、それは義務化ではないのではないかと思っていて、そういう管理の仕方ではまずいのではないかなと思っていて、そこをちょっと問うわけですが、届出主義という見解の相違があって、ちょっとクリアにできないのですが、意見としては、義務化を拡大するということが趣旨ですから、そうであれば、今回は、常勤3人以上が義務化となっているということですけれども、2人以下の施術所についても届出が3割ぐらいあったということは評価するべきだと思うのですが、そうであれば、レセコンを持っている施術所については、例外なく義務化するのが本筋ではないかと思っています。今まで、負担を考えて、常勤3人以上というのがつけられたのですが、2人、1人の方も届け出ていることや、ほとんどレセコンでつくっていることを考えれば、人数要件はあまり意味がないのではないかと思っていて、今回の改定でこの人数要件を取っ払って、いわゆる明細書発行機能を持ったレセコンを有しているところについては、すべからく義務化ということにして、それでも発行できないところについては、届け出ることにしたほうが、見える化も図られるし、拡大にもつながると思っていますので、これに関しては、常勤人数要件の撤廃を要望したいところです。
 以上です。
○遠藤座長
 御意見として承りました。
 ただいまの御発言に関しても結構ですし、ほかにもいろいろと御議論があったと思いますので、御意見があれば承りたいと思います。
 それでは、塚原委員お願いいたします。
○塚原委員
 ありがとうございます。日本個人契約柔整師連盟の塚原でございます。
 今回の令和6年改定基本的な考え方(案)の資料のボリュームを見ておりますと、明細書発行を実施する施術所を増やしたいという思いは十分に伝わってくるところでございます。商取引として、領収書の発行は当然かと思うのですけれども、明細書の発行により、通院日、料金の内容が明確化されることは、我々業界にとりましても、健全化をアピールできることということで、よいものと考えております。
 ただ、先ほどもありましたように、義務化する前に、本資料の中にもありますような、現場の不満や不安を解消した上での実施を希望するところでございます。明細書の取扱いは、現行のハイブリッド型を運用しつつ、発行ごとに10円を加算するといった形を要望します。現行、月13円で1回での年間の支払が試算によりますと、1億というところでございまして、毎回10円発行とした場合、資料の数値から各人の来院日の月平均は3回ですので、年間3億の支出になるのかなと思います。
 明細書発行に関しては、領収書と違って、レセコンの利用が効果的かと思い、皆さんも運用されると思いますので、令和5年度の療養費頻度調査の結果にもよりますけれども、経済的な理由でレセコンを設置していない院も含めて、こういうふうな取り組みをすると、それも含めて試算しても、4億の支出で義務化の協議ができるのではないか。その実績を踏まえて、進展的な話になるのではないかなと思うところでございます。
 あと一点でございますけれども、長期・頻回というお話の中での話が先ほどからありましたけれども、本件は令和4年に協議しましたが、我々の施術は、患者さんが持つ自然治癒力を最大限に活用する環境づくりであり、負傷の状況や患者さんの状態により、長期・頻回施術が5~10%存在するのは、これも資料のとおりだと思います。
 ただ、不正の話も同じように、長期・頻回、部位転がしのような形で話されていますけれども、不正というのは回数とか期間ではなく、特定の管理者やオーナーの問題であって、個々の申請書や傾向の問題でございますので、現状の柔整審査会等々におきまして、まずは留意通知を送って、その後、意見聴取をして、なおかつ、その報告に応じて必要であれば面接確認を行い、結果を保険者及び厚生局に報告すると。不支給・支給に関する患者調査、照会、施術者への聞き取りも、保険者さんに認められておるところでございますし、そこから個別指導になるという手順と承知しております。
 保険者さんの償還払いの意向についても、それと同等の慎重さを持って実施しているという認識をしておりますので、感情的になって全部が不正だ。と言うよりも、実際に聞き取りをして、その上で実行するのは決定したルールでございますので、この現行を継続していただきたいという意見でございます。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、先ほど来、お手を挙げておられます、田代委員お願いいたします。
○田代委員
 今の発言に関連してですけれども、業界側から言いますと、塚原委員が言ったように、負担は必ず増えております。そして、それが実際の発行数や登録の届出に反映されているのではないかなと思います。例えば、今まで、行ってきたことと同様なことに対して金額がアップして算定されるということであれば、それはプラス改定と考えられますけれども、このように新たな明細書発行に関しては結構ハードルがあります。
 それは、例えばですけれども、私どもでも、実際に、発行にどれぐらいの余分な負担がかかるのかというものを、人的な負担、ペーパー、印刷、そういったものも含めた上でシミュレーションしてあります。そうしましたところ、先程の厚労省のデータにも出ていますけれども、先ほど、90%以上が10分未満という説明がありましたが、逆に言いますと、5分以上の方だけであっても、4割の人が発行に5分以上かかっているということなのですね。ですから、5分というのは、一見、すごく短いように感じますが、大体1人でやっている施術者が1日20人ぐらいの患者さんを診ると仮定すると、それだけで100分の余分な時間が必要になるわけですね。こういう人件費なども全然度外視された議論をされているのは困るわけです。例えば1時間あったら、患者さんを何人も余分に診られたのに、その分、患者さんも診られなくなるということもあるわけです。そういう損失まで含めると、実は、この明細書発行に対するリスクは、非常に高いものがあります。医科のほうは10円ぐらいの、また、毎回発行の点数があると聞いておりますけれども、柔整に限っては、そんなものも無視して、無償で発行して月13円では、これを我々が受け入れて、拡大しましょうとするには、非常に大きなハードルになることも御承知おきいただきたいと思うのです。こういったことも十分考えた上での受入れということが必要になるのではないかなと思います。
 以上です。
○遠藤座長
 御意見として承りました。
 ほかに、先ほど何人かの方がお手を挙げておられたようですが、よろしゅうございますか。今の話ではない視点でも結構でございます。
 では、幸野委員お願いいたします。
○幸野委員
 座長、すみません。これはもう長期・頻回までの話をして、全体の話をしてよろしいのでしょうか。
○遠藤座長
 先ほど、事務局が話した範囲であれば構いません。
○幸野委員
 分かりました。では、残った論点もありますので、言わせていただきます。
○遠藤座長
 お願いします。
○幸野委員
 まず、最初の論点の算定回数の拡大と算定額というところがあるのですが、これは、どうしても義務化対象の拡大とか毎回発行は、財源の絡みがありますので、どの程度財源でどこまで算定できるのかというようなところを見てみないと、意見として言えないので、いろいろな要望はあると思いますが、算定回数、算定額の拡大についてはいろいろなシミュレーションというかパターンを想定して、そういうものを出していただかないと、財源がどれだけあって、どれぐらい使えるのかというのが分からない状態で、どれぐらいにしろと言っても架空の議論になりますので、財源がどれぐらいあって、どれぐらいにすれば毎回発行できるとか、これぐらい拡大できればこれぐらいの金額がつけられるとか、そういったものを、次回以降、提示していきながら、議論するほうが実効的ではないかと思います。
 それから、交付回数です。毎回交付か月に1回交付かということですが、我々としては、患者の希望にかかわらず、施術者としては、毎回施術するごとに発行するのが基本だと思いますし、医科だって、毎回発行が原則になっているわけです。
 一方、調査によれば、交付頻度については、毎回交付している施術所は、掛け合わせれば全体のわずか18%ということで、毎回発行しているのが2割弱に満たないというところについては、大いに問題あると思っていて、我々は、基本的には、毎回発行というところを義務化していくべきだと思いますので、今回改定でそういったものも取り入れていただきたいと思います。
 それから、ちょっと長くなって申し訳ないのですが、長期・頻回、患者ごとに償還払いに変更できる事例についてもちょっと説明しておきたいと思うのですが、私、今回資料を出しておりますので、これについて、時間の関係もありますので、ポイントだけをちょっと明示しておきたいと思います。
 今後は、多くの健保組合が類型として、この長期・頻回というのを入れることについて言っているわけですが、そのために、長期・頻回の状況がどういうことかということを、健保連の調査で調べてみました。提出資料をちょっと参照いただきたいと思います。
 これは、健保組合からの請求書データの22万件のデータを用いて、「捻挫」「打撲」「挫傷」の施術所の状況を分析したのですが、はっきり言って、厚労省の調査と大きな変わりはないというところです。
 3ページ以降は、「捻挫」の施術ですが、これは95%ぐらいが月10回以内で収まっていて、5%ぐらいが10回を超える頻回となっている。
 4ページは、参考までに、厚労省が行った調査ですけれども、比率は多少異なるのですけれども、8~9割が10回で収まっている。
 5ページは「打撲」の調査ですが、これも、6ページの厚労省調査と同様、9割が10回以内であるという傾向です。
 7ページは「挫傷」ですが、これも同様の結果であるということです。
 それから、8ページ以降は、初検から治癒までの施術期間について調査したのですが、これは若干違いがあるのですが、健保組合の場合は、1か月で治癒しているのが最も多くて、長くても3か月で治癒しているということで、3か月で90%の方が治癒で終わっていると。厚労省の同様の調査があるのですが、これは3か月が最も多いのですが、これが、健保組合と多少異なる点ですが、8~9割が3か月以内に治癒しているというのは、健保組合と同様の傾向であると思われます。
 結局、何が言いたいかというと、この上限に張りついているのは、結局、申請書類の長期施術継続理由書の添付義務となっていることや、それから、厚労省の通知の患者照会の選定対象基準例がこの数値になっているので、結局、そこに張りついているなというのが現状であると思われます。
 この調査の結果の結論を、2ページの「考察」のところに書いているのですが、2ページにお戻りいただきたいのですが、その赤枠で囲んだ「考察」のところですけれども、月10回以上や3か月超の患者が5~10%存在することが確認されたと。特に、両方に該当する長期かつ頻回の患者は、必要以上の施術や、あるいは他の内科的疾患の可能性が考えられないでもないことから、これらの例外の方については、保険者が、患者の健康状態をより詳細に把握、直接確認することは、これが保険者の責務であって、そのための方策を、今回改定においてぜひ入れるべきだというのが健保連の見解です。
 これは、厚労省の48ページの最後の論点の回答にもなりますが、この論点に対しては、こういったことを考えたいと思います。
 それから、論点の最後のほうに、前回改定の実効性というところがあるのですが、これは、健保連の独自の調査で調べてみたのですが、前回、患者ごとに償還払いの仕組みということで、4類型追加されたのですが、実際、これが行われたかというところを、健保連のアンケート調査で見てみたのですが、実際に償還払いに戻したというのはほとんどありません。ということで、この4類型を追加しても、実際に償還払いに戻っているケースはほとんどない。実際に償還払いに戻っていないということを考えると、この4類型が果たして実効性のある類型なのかということで、ここに長期・頻回の対象を入れることによって、実効性のある仕組みになるのではないかということで、これも意見として追加させていただきます。
 ということで、以上説明したとおり、健保連としては、前回の明細書についても、患者ごとに償還払いに戻す仕組みについても、全く実効性のない改定だったと総括できると思います。これを踏まえて、今回改定をどう考えるかというところですが、これも事務局も施術者も慎重に考えていただきたいと思います。健保連が出した要望は、私が今言ったとおりですので、保険者単位で償還払いに戻すということも、こういったものが成し得ないのであれば、必ず実行せざるを得ないということを改めて申し上げておきます。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、柔整ではどなたかございますか。
 それでは、齋藤委員お願いします。
○齋藤委員
 明細書発行の件ですけれども、基本的には、明細書発行の件に対しては賛成の立場です。幸野委員が言われたように、明細書発行の算定回数等については、今回の改定率やその財源を踏まえたうえで、慎重に考えていただきたい。
 以上、意見です。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 御意見として承りました。
 ほかに何か御意見ございますか。
 それでは、塚原委員お願いいたします。
○塚原委員
 ありがとうございます。
 先ほど出された厚労省の資料、幸野委員の資料は、先ほどからあるように、見方によって違うという話ですけれども、僕は施術者側から見まして、よく頑張っているな、3か月で治しているのだな、立派な施術だなと感じるところでございます。
 また、長期・頻回の例でございますけれども、施術者の大半は、長期・頻回となる例では、適切に医療機関への受診を勧めておりますし、また、そのような指導、教育も受けております。それが適切に行われていないということであれば、これは、データや数値ではなく、個人の資質の問題だと考えているところでございます。それについては、先ほど申し上げましたように、審査会が立ち上がっておりますので、そこで、誤った取り扱いにならないように、十分に調査して、個別指導という形で指導していくのがよいのではないかと考えているところです。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。
 よろしゅうございますか。
 事務局も何かございますか。特段ないですか。
○荻原室長
 ございません。
○遠藤座長
 それでは、松本委員お願いいたします。
○松本委員
 長期・頻回の件ですけれども、長期・頻回で、患者ごとの償還払いに変更できる事例という話で、3か月以上施術が続くのは、整形外科医からしてみると、捻挫・打撲で3か月以上治療が必要というのはあんまり考えにくいのですね。それは捻挫・打撲のような外傷性のものではないのではないか。何か腰椎の変性疾患とか、関節症とか、そういう内科的な原因ですね。そういうものが含まれているのではないかという気がいたします。実際に、長期に接骨院に通っていた患者で、整形外科に来て、疾患が分かったという例が非常にたくさんございます。
 先ほど、受領委任は柔整師のためだけではないという話がありましたが、確かに、今、あはきも受領委任になっていますね。でも、あはきは、受領委任をするには医師の同意書が必要です。では、何で柔整は同意書が必要ないのかというと、それは、外傷性で、原因が明らかであるという理由になっていると思うのですが、実際は、外傷性でないものが多数、捻挫・打撲として療養費請求がされていると思っています。なので、私個人としては、柔整にも受領委任をするためには、医師の同意書を必須化すべきであると、そういうふうに考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長
 御意見として承りました。どうもありがとうございます。
 ほかに何かございますか。
 田畑委員、お願いいたします。
○田畑委員
 ありがとうございます。
 今のお話とは全く違うところでございます。全国柔道整復師連合会としての要望でございまして、再検料は、現在、初検の次の来院に1回だけの算定となってございますけれども、医科の場合、再診は、毎回再診料算定があるのですが、我々だけ、なぜか1回だけしか再検料を算定できません。柔道整復の治療は、必ず患者さんが来院されて、歩き方、姿勢確認から入りまして、「前回の施術はいかがでしたか」前回の評価をまた行って、今日の施術のプログラムを考えるという、こういうルーティンになってございますので、全ての柔道整復師が毎回再検をしております。再検の技術を向上させるためにも、再検料を毎回だったら一番ありがたいのですが、現状、1回のところを2回にするとか、3回、4回、5回と再検の技術を上げる、ひいては、国民の健康に寄与できると考えてございますので、再検料の複数回算定の御検討をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長
 御要望として承りました。
 ほかにございますか。
 よろしゅうございますか。
 では、田代委員お願いいたします。
○田代委員
 すみません。今、施術者側からの要望があったのですが、我々からの要望としましては、今、我々も、物価高騰で非常に厳しい状況にあります。また、電気料金などの値上げ、これの影響も非常に強く受けております。これから、料金改定の影響がどれぐらいになるかをお示しいただけると思いますけれども、できれば、それに見合うような電療料金のアップ、こういったものも検討の中に入れていただきたいと考えておりますので、一応意見として述べさせていただきます。
 以上です。
○遠藤座長
 御要望として承りました。ありがとうございます。
 それでは、大体御意見出尽くしたかと思いますので、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 本日、いろいろな御要望・御意見等が出ました。これらを踏まえまして、今後、引き続いて、この専門委員会において、令和6年改正に向けた議論を進めてまいりたいと思います。そういう段取りでよろしゅうございますね。
(首肯する委員あり)
○遠藤座長
 それでは、ただいまいろいろいただきました御意見を踏まえて、事務局におかれましては、令和6年改定に係る具体策の作業を進めていくようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○荻原室長
 承知いたしました。
○遠藤座長
 それでは、本日の議題は以上とさせていただきたいと思います。
 次回の日程等について、事務局から何かございましたら、お願いします。
○荻原室長
 次回の日程につきましては、後日、また連絡させていただきます。
○遠藤座長
 それでは、これをもちまして、第27回柔道整復療養費検討専門委員会を終了したいと思います。
 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会)> 第27回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2024年1月25日)

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