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第19回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2022年1月31日)

○日時

  令和4年1月31日(月)15時00分 ~ 17時00分(目途)
 

 

○場所

   全国都市会館 第3,4会議室

○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、松本光司
吉森俊和、幸野庄司、大原章参考人、中野透、中島一浩
三橋裕之、伊藤宣人、長尾淳彦、田畑興介、塚原康夫
佐保昌一参考人
<事務局>
濵谷保険局長、間審議官、高宮保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
それでは、定刻になりまして、皆様御着席ですので、ただいまより第19回社会保障審議会医療保険部会「柔道整復療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。
本日は、新型コロナウイルスの感染症対策の観点から、前回に引き続きまして、オンラインによる開催としたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参集をいただきまして、どうもありがとうございます。
まず初めに、委員の交代について御報告をいたします。
木倉委員に代わりまして吉森俊和委員が、また、榎本委員に代わりまして中島一浩委員が、田村委員に代わりまして塚原康夫委員が当専門委員会の委員として発令されております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告をいたします。本日は、釜萢委員が御欠席でございます。
また、川村委員の代理としまして、大原参考人が御出席されております。
さらに、本日の議題につきまして、被保険者のお立場からの御意見をお伺いするために、日本労働組合総連合会佐保昌一様に参考人としてお越しいただいております。参考人の御出席につきましては、皆様御承認いただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤座長
ありがとうございます。
それでは、恐縮ですが、マスコミの方々のカメラの頭撮りは、この辺にさせていただければと思います。
それでは、議題に入らせていただきます。本日は、前回の委員会に引き続き、「柔道整復療養費の適正化について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。そうしましたら、私のほうから、資料の柔-1の資料を用いまして、説明をいたします。
1枚目、目次を御覧いただきまして、最初が、前回8月6日の柔道整復療養費検討専門委員会の議論のまとめ、それから、議題が3つございます。明細書の義務化、それから、患者ごとに償還払いに変更できる事例について、3つ目の議題が、療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みについてとなっています。
ページをおめくりいただきまして、最初、8月6日前回の専門委員会の議論のまとめになります。
3ページ、主な意見ということで、前回の取りまとめの部分を整理したものになります。
①の明細書の義務化、それから、②の患者ごとの償還払いについては、年明けを目途に施行することに向けて調整を行い、専門委員会で議論するということについて賛同が得られたということになっています。③「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みについて」は、令和4年6月までに方向性を定めて、令和6年度中を目途に施行を目指すという方向で議論をしていくことに賛同が得られてございます。
続きまして、4ページ以降が「明細書の義務化について」になります。
最初、5ページ以降、8月6日の前回の専門委員会の資料をつけています。
6ページをお開きください。前回専門委員会で対応方針案として、明細書を患者に手交することは、業界の健全な発展のためにも必要であることから、明細書の発行を義務化。実施に当たっては、施術所の事務負担軽減に最大限配慮するというような対応方針(案)を示して、議論をいただいたところです。
その議論、11ページ、明細書の義務化についての主な意見を整理した資料になります。
今回、本日は、12ページ以降に、明細書の義務化の具体的な案を用意をしています。こちらについて、以下のように実施することとしてはどうかということで御議論いただきたいと考えています。
最初、①の「目的」については、施術内容の透明化、患者への情報提供の推進、業界の健全な発展を図る観点から、明細書を患者に交付することを義務化するというものです。
その下のポツ、ちょっと字が小さくなっていますが、柔整療養費の被保険者等への照会、平成30年に事務連絡が出ております。こちらを改正して、患者照会において明細書の提出を求め、明細書の提出がないことのみをもって不支給決定をすることは適切ではないことなどの周知。現行の領収書の取扱いと同様の取扱いということになります。
それから、②「明細書の記載内容」については、現行の通知で定められている内容とする。※で書いていますが、2行目、療養費の算定項目が分かるものと。様式については、標準の様式を定めています。
③「対象となる施術所ごとの対応」。医科の診療所における明細書の取扱いを踏まえた対応としたいと考えています。
(1)明細書発行機能があるレセコンを使用している施術所については、正当な理由、患者本人から不要の申出があった場合、これがない限り、明細書を無償で患者に交付しなければならないこととするというものです。
(2)と(3)、明細書発行機能がないレセコンを使用している施術所、それから、レセコンを使用していない施術所については、従前どおり、患者から明細書の発行を求められた場合には、明細書を患者に交付(有償可)しなければならないこととするというものです。
続いて、13ページ、④で「施術所の負担軽減措置」になります。「領収証兼明細書」の標準様式を定めます。これによって、領収証に一部負担金等の費用の算定基礎となった項目ごとに明細が記載されている場合、療養費の算定項目が分かるようになっている場合には、明細書が発行されたものとして取り扱って、領収証と明細書を別々に発行する必要はないとするということです。
次のポツで、また、レセコンを使用せずに明細書を発行することも可能だということです。
例えばで、(1)明細書をレジスターで印刷、レシートを印刷して、明細書に記載すべき内容として不足する箇所については手書きで記入する。また、この場合、一部負担金と徴収する項目のみを表示すればよい。徴収しない項目の表示は省略していいという取扱いにするということです。
(2)「領収証兼明細書」の標準様式をあらかじめ印刷しておいて、金額等を手書きで記入するという方法、あるいは、標準様式をパソコン等で作成しておいて、金額等を入力してから印刷するという方法でも可とします。
⑤「領収証及び明細書の発行のタイミング」です。2行目、領収証及び明細書について、一部負担金の支払いを受けるごとに発行することとするということです。
※書きで、現行の領収証の取扱いですが、現行では、窓口で一部負担金を受け取るごとに発行するのが原則ですが、患者の求めに応じて1か月単位等まとめて発行することも差し支えない。ただし、この場合、施術日ごとの一部負担金を分かるようにするのが望ましいというのが、現在の領収証の取扱いになっています。
14ページ、⑥「患者への周知」です。こちらについても、医科の明細書の取扱いを踏まえた対応とする案としています。
(1)明細書を無償で交付する施術所においては、明細書を発行する旨を施術所内に掲示する。「明細書の発行を希望されない方は、会計窓口までお申し出ください」などの掲示をするということをお願いしたいということです。
(2)患者から発行を求められた場合に明細書を交付する施術所においては、希望する患者には明細書を発行する旨を施術所内に掲示するという案にしています。
⑦「関連通知の改正及び施行時期」は、関連通知改正した上で、通知発出から一定の経過措置期間後に施行するということとしたいというものです。
15ページは領収証兼明細書の標準様式の案、それから、16ページで、レジスターで印刷する領収証兼明細書のイメージ、17ページが施術所内掲示の参考様式(案)をおつけをしています。
2つ目の議題、「患者ごとに償還払いに変更できる事例について」は、19ページからになります。
こちらも、20ページ、8月6日の専門委員会の資料になります。こちらの下のほうの「対応方針(案)」。不適切な患者の償還払いについては、不正が「明らか」な患者に加え、不正の「疑い」が強い患者も対象とする。
ただし、「償還払いとする範囲」、「償還払いとするプロセス」について年末までに検討するというような対応方針(案)をお示ししています。
21ページで、その患者の例として、自己施術、それから、右側のいわゆる自家施術、それから、複数の施術所で、同部位の施術を重複して受けている患者、保険者が繰り返し患者照会を送付しても回答しない患者、施術が非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い患者というような例を示して、議論をいただきました。
前回8月の専門委員会の主な意見、こちらは23ページに整理をしています。
本日は、24ページ以降に、患者ごとに償還払いに変更できる事例についての具体的な案を用意していますので、こちらについて、以下のように実施することとしてはどうかというので、御議論いただきたいと考えています。
①の「目的」。施術の必要性を個々に確認する必要があると合理的に認められる患者について、保険者が受領委任の取扱いを中止し、当該患者に対する施術を償還払いに変更できることとして、療養費の適正な支給を図るということです。
②が「償還払いへの変更の対象となる事例」の類型になります。5つございます。
(1)自己施術に係る療養費の支給申請が行われた柔道整復師である患者です。
1つ目のポツの真ん中ぐらいからで、自己施術は療養費の支給対象外となりますが、現行では、その患者がその後、別の施術所に行って施術を受けた場合には、別の施術所でのその後の施術は受領委任払いとなるという取扱いになっています。
こちらについて、当該患者に対する施術について、その後の施術の必要性を個々に確認するため、償還払いに変更できることとするというのが(1)です。
(2)自家施術を繰り返し受けている患者です。自家施術の場合、療養費支給の取扱いは保険者ごとに異なります。自家施術については、施術内容、それから、支給申請書等の信頼性が客観的に確保されにくいということだと考えています。
当該患者に対する施術について、その後の施術の必要性を個々に確認するため、償還払いに変更できることとするというのが(2)です。
25ページ、(3)「保険者が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者」。患者照会につきましては、受領委任の取扱いの協定あるいは契約によって、保険者は、療養費の支給を決定する際には、適宜、患者に施術の内容及び回数等を照会して、施術の事実確認に努めることとされています。その上で、「柔整療養費の被保険者等への照会について」という平成30年の事務連絡で、適切な実施方法が示されているという状況です。
2つ目のポツで、適切に行われた患者照会に回答がない場合には、施術の事実関係が確認できず、療養費の適正な支給に支障が生じるおそれがあることから、当該患者に対する施術について、その後の施術の必要性を個々に確認するために、償還払いに変更できることとするということです。
(4)「複数の施術所において同部位の施術を重複して受けている患者」につきましては、施術が療養上必要な範囲及び限度で行われず、濃厚な施術となっているおそれがあることから、当該患者に対する施術について、その後の施術の必要性を個々に確認するために、償還払いに変更できることとするということです。
26ページ、(5)「その他施術が療養上必要な範囲及び限度を超えている可能性のある患者」。1つ目のポツで、例えばということで、非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い施術を受けている患者。こちらについては、施術が療養上必要な範囲、限度で行われず、長期に濃厚な施術となっているおそれがあることから、その後の施術の必要性を個々に確認するために、償還払いに変更できることとするということです。
(5)の2つ目のポツの下に、ちょっと字が小さくなって、ここでの非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い施術について、個々の具体的な状況に応じて保険者が判断するものですが、基本的には、3か月を超えて、月10回以上の施術が継続していることをいうものとするというような、一定の基準を定めてはどうかという案としております。
28ページからは、手続きになります。③「償還払いに変更する場合の手続き」です。
(1)で、保険者は被保険者に償還払いへの変更の対象となる事例の類型等について、あらかじめ周知をしてくださいということが(1)。
(2)で、保険者は、償還払いへの変更の対象となる事例に該当すると考えられる患者を確認した場合には、その患者、それから、その患者に施術を行っている施術所に、「償還払い注意喚起通知」を送付してくださいと。
(3)で、「償還払い注意喚起通知」を送付して翌月以降、同様の施術、療養費の支給申請が行われ、なお、「償還払いへの変更の対象となる事例」に該当すると考えられる場合には、事実関係の確認のため、その患者に対して、文書等で施術内容等の説明を求めるということ。
その下のポツで、患者の類型が、「保険者が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者」の場合については、保険者からの連絡が適切に伝わっていない可能性もあるため、文書だけでなくて、電話または面会によって説明を求めてくださいということです。
(4)その確認の結果、状況が改善されないなど、なお、「償還払いへの変更の対象となる事例」に該当すると考えられる場合には、その患者、それから、施術を行っている施術所に対して、「償還払い変更通知」を送付するということです。
その下の患者照会に該当しない患者の場合は、先ほどと同様、変更通知の送付だけでなく、電話または面会による説明を求める手続きとしています。
29ページ、(5)で、「償還払いの実施」です。「償還払い変更通知」が到着した月の翌月以降の施術について、償還払いに変更するということです。
2つ目のポツで、患者は、施術所に「償還払い変更通知」を提示するということにしています。
3つ目のポツでは、「償還払い変更通知」が到着した施術所においては、その到着した月の翌月以降の施術については、受領委任の取扱いを中止するということです。
その下の「償還払い変更通知」の送付対象外の患者が、別の施術所に行って施術を受けた場合になります。対象外の施術所においては、患者から「償還払い変更通知」の提示を受けた場合は、受領委任の取扱いを中止。
一番下のポツで、その送付対象外の施術所で、患者が「償還払い変更通知」を提示しなかった場合、その施術所が保険者に療養費の支給申請を行うということがあり得るかと思います。その場合には、保険者は、一度の支給申請に限り受領委任の取扱いによって、施術所に療養費を支払う。併せて、その患者が償還払いになっていることをその施術所に通知をするという手続きです。
30ページ、④「受領委任の取扱いを再開する場合の手続き」です。
保険者が状況を改善されるなど、償還払いの必要がないと考えられる場合には、その患者、それから、償還払いへの変更を通知した施術所に対して、「受領委任払い再開通知」を送付するということです。
(2)のところですが、その再開通知に、受領委任の取扱いの再開月を記載することにして、その再開月以降に行われる施術については、受領委任の取扱いにするということです。
⑤、こちらも関連通知を改正した上で、発出から一定の経過措置期間後に施行するということです。
最後の議題、39ページから、「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みについて」になります。
40ページ、これも最初は8月の専門委員会の資料をつけています。
【現状】ですが、復委任団体の中に、柔道整復療養費が私的に流用された事例もあったということです。
41ページの下のほうで、「対応方針(案)」として、療養費を施術管理者に確実に支払うため、不正防止、事務の効率化・合理化の観点から、公的な関与の下に請求・審査・支払いが行われる仕組みを検討。
併せて、オンライン請求、オンライン資格確認につながる仕組みとできないか検討するという対応方針を示して、議論をいただきました。
44ページが、その8月の専門委員会の主な御意見を整理したものです。
その次の45ページ、政府の「規制改革推進会議」が令和3年、昨年12月に、「当面の規制改革の実施事項」を取りまとめています。
ここで、一番下のeと書いてあるところですが、「柔道整復療養費について、公的な関与の下に請求・審査・支払いが行われる仕組みを検討、併せてオンライン請求の導入について検討を行う」というようなことを、政府の「規制改革推進会議」でまとめています。
47ページ、この仕組みについての検討事項の案になります。
上の四角ですが、以下について議論し、方向性を定めることとしてはどうかとして、①目的・効果、②療養費の請求・審査・支払手続き、③オンライン請求の導入、④オンライン請求以外の請求方法の取扱い、それから、右側で、⑤費用負担、⑥実施スケジュール、⑦その他という検討項目を挙げています。
四角の下に、少し小さい字で、<検討事項(案)の例>として、もうちょっと細かい項目も挙げています。
②の「療養費の請求・審査・支払手続き」については、施術管理者による療養費の請求先、審査支払機関の位置づけ、保険者による支給決定の取扱い、審査を委託してない健保組合の取扱い、請求代行業者の取扱い、厚生局・都道府県の指導・監査の取扱い。
それから、③「オンライン請求の導入」では、工程表、オンライン請求での支給申請書、ネットワークシステム、右側でオンライン請求の審査方法など。
④が「オンライン請求以外の請求方法の取扱い」で、光ディスク等を用いた請求、あるいは紙での請求の取扱いとして経過措置、経過措置期間における紙請求の審査・支払い等です。
⑤で「費用負担」については、審査支払機関による審査・支払いの費用、オンライン請求に係るシステム整備、管理運営費等というもの。
それから、⑥で「実施スケジュール」、⑦「その他」ということにしています。
48ページ、「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」の現時点のイメージ。今後、議論いただきますので、これから、また、変わっていくものという前提で、現時点のイメージをお示ししています。
最初が、目的・効果のイメージで、療養費の施術管理者への確実な支払い、それから、請求代行業者による不正行為の防止。
次の○が、オンライン請求による施術所・保険者の事務の効率化、システム整備・運用の効率化。
それから、審査の質の向上。
より質が高く効率的な施術の推進。
その下が、今度は、<療養費の請求・審査・支払手続きのイメージ(案)>になります。こちらも、今後、議論をいただいて、方向性を定めていくというものです。
下のほうに簡単な絵を描いていて、施術管理者が④オンライン請求で療養費の請求を審査支払機関に対して行う。⑤で柔整審査会による審査、⑥で審査済みの請求書が保険者に送付、保険者が⑦の支給決定、療養費の支払いが、保険者から審査支払機関、それから、審査支払機関から施術管理者に対して行われるというようなイメージになります。
最後、49ページ、これからの検討スケジュール(案)になります。
上の四角の中で、次回以降、審査支払機関からの意見聴取を行った上で、審査支払機関に議論に参加いただいて、検討を進めることとしてはどうかということです。
1月のところ、全体的な議論(検討次回、検討スケジュール等)について議論いただいた上で、2月には、審査支払機関からの意見聴取、それから、各論の議論を項目ごとに順に行っていく。5月に、方向性取りまとめに向けた議論、6月に方向性の取りまとめ。7月以降、施行に向けて、さらに実務的に詰めていく事項について議論をしていくというようなイメージをお示しをしています。
資料の説明、以上になります。
○遠藤座長
どうもありがとうございました。
ただいま、3つの案件についての御説明、また、事務局原案の御説明をしていただいたわけでありますので、議論に入るわけでございますけれども、実は、前回の委員会におきまして、明細書の発行について、患者からの希望はあまりないという御意見であるとか、患者ごとの償還払いへの変更については、被保険者からの意見を聴く必要があると、こういったような御意見がございましたので、本日は、佐保参考人から、明細書の義務化及び患者ごとに償還払いに変更できる事例について、被保険者のお立場から御意見を頂戴したいと思います。
佐保参考人、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐保参考人
ありがとうございます。
御紹介いただきました日本労働組合総連合会(連合)で、総合政策推進局長を務めます佐保と申します。本日は、発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。
私たち連合は、700万人の労働者が結集する我が国で最大の労働組合中央組織であります。日頃は、全国の様々な産業で働いている労働者と意見交換を重ねつつ、被保険者、患者、現場で働く労働者の主張も併せ持つ立場から、社会保障に関する国の審議会等に積極的に参画しております。私も幾つかの審議会に参画しておりまして、中央社会保険医療協議会(中医協)では、被保険者を代表する立場で、議論に参画しているところです。
本日は、明細書の義務化と患者ごとの償還払いに変更できる事例の意見について、意見を申し述べたいと思います。
まず、明細書の義務化についてであります。保険医療機関等においては、2010年度から、診療明細書の無料発行が義務化され、以来、12年間で無料発行の適用が進められてきました。昨年11月、NHKで、明細書等の発行に至る経緯を振り替える番組が放送されていましたが、明細書の発行により、患者の納得と安心につながっていることに加え、患者と医師等のより一層の信頼関係の醸成に寄与していると考えております。
現状、明細書の無料発行が全ての医療機関等で義務化されてはいませんが、患者の納得と安心、患者と医療者の信頼構築のため、速やかに全ての医療機関で無料発行が義務化されることが重要と考えています。
高齢者人口が急速に増加している中、歴史と伝統のある柔道整復術には多くの期待が寄せられていると思います。ぜひ、柔整の運営におきましても、今回、議論されている明細書の無料発行の義務化を、速やかに推し進めていただき、施術者と患者との信頼関係が、これまで以上に強まっていくことを期待しております。
ここで、診療明細書に関する患者の意識を少し紹介させていただきます。私の提出資料の2ページ目を御覧ください。
2019年10月に、連合で、診療明細書に関する患者調査を実施いたしました。この調査では、「診療明細書が必要」あるいは、「どちらかいえば必要」との回答が71%となっています。
3ページ目を御覧ください。これは、令和2年度診療報酬改定を受けて、中医協が実施した検証調査の抜粋です。この中で、明細書の原則無料発行に対する考えに関する患者調査では、「必要だと思う」あるいは、「どちらかというと必要だと思う」という回答が8割を超えています。連合と中医協のいずれの調査でも、患者が明細書を必要だと思っている割合が非常に高いことが分かります。
4ページ目を御覧ください。連合調査に戻りますが、診療明細書が必要だと考える理由については、「受けた医療の内容を知ることができるのは当然の権利」という回答が77.5%で最も多く、続いて、「医療費の明細を知るための情報源になるから」との回答が続きます。医療を提供する側と患者との間には、情報の非対称性、情報量の大きなギャップがどうしても生じてしまう中で、以前であれば、患者が知りたくても知ることができなかった医療の内容、あるいは、医療費の中身について、患者も知ることができるようになったことの意義は非常に大きいと考えております。
一方で、「診療明細書は必要ない」あるいは、「どちらかといえば必要ではない」という回答が一定数あったことも事実です。
5ページ目を御覧ください。「診療明細書は必要でない」あるいは、「どちらかといえば必要でない」を回答した方の理由としては、「もらってもよく分からないから」という回答が56.2%と最多です。患者にとって分かりやすい診療報酬体系にしていくことは、重要な課題であると考えております。
しかし、先日1月21日に開催された中医協の中央公聴会では、患者団体の方から、医療は全ての国民が関わるものであり、つくり上げていくもの、自分自身が受けた医療を理解し、医療に参画する意識を高めるためにも、診療明細書の無料発行が必要という意見がございました。患者自身が医療の中身や医療費の内容により一層関心を持ち、ヘルスリテラシーを向上させ、医療者とともに、治療に向けて取り組んでいくためにも、明細書の無料発行を進めることが重要だと思います。
重ねて申し上げますが、柔道整復療養費においても、明細書の無料発行が義務化となりますようお願いいたします。
次に、患者ごとの償還払いへの変更という事例についてであります。柔整における不適切事案については、報道や保険者の会合でたびたび耳にすることがあります。また、実際の労働組合からも、そうした事案に頭を悩ませているという話を聞いております。これらを踏まえると、被保険者の大切な保険料が不適切に使われることがないようにし、健康保険が適切に運用されるようにするためにも、今回、議論されているような一定のルールと手続きを定めて、患者ごとに受領委任払いから償還払いに変更できるようにするということはやむを得ないと考えております。
ただし、患者に着目して、社会保険の取扱いを変えられることとすることについては、それが医療保険にどのような影響を与えることになるのかを含め、不安を感じるところもあります。今回の提案は、患者個々人への提示もありますので、どのような場合に償還払いとなるのか、また、どうすれば、元の受領委任払いに戻るのかといったルールと手続きについては、なるべく明確に、透明性が確保された中で判断が行われるようにし、患者が不利益を被らないようにする必要があると考えております。
私からの意見は以上です。ありがとうございました。
○遠藤座長
どうもありがとうございました。大変貴重な御意見を拝聴いたしました。
佐保参考人におかれましては、ここで御退席ということでございます。大変ありがとうございました。
○佐保参考人
ありがとうございました。失礼いたします。
(佐保参考人退席)
○遠藤座長
それでは、これから議論に移りたいと思いますが、議論につきましては、全体が3構成になっておりますので、それについてそれぞれを議論していきたいと思います。
まず最初が、明細書の義務化について、資料で言えば、4ページから18ページまででございますが、事務局が原案を出されておりますので、それが議論の中心になるかと思いますけれども、これについて、まずは、御意見・御質問等をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、三橋委員お願いいたします。
○三橋委員
明細書の発行の義務化については、昨年の8月にいろいろと議論をさせていただきました。その中で、施術者側としては、賛成をした人間はいなかったと思います。資料を見ますと、もう既に義務化になるような形で、今進められているような気がします。
実は、健保ニュース等を拝見しましたけれども、もう既に、8月頃、1月から義務化と先走った誤報が出されまして、我々施術者側は大変迷惑を被りましたので、ぜひ、その辺は慎んでいただきたいと思います。
我々の業界は、現在のこのコロナ感染拡大の前から、働き方改革の影響で、経営が逼迫し、従業員を雇い入れることが全くできない状況にあります。そして、このコロナ禍で、施術管理者一人で施術所を経営している施術管理者が大多数を占めているのが現状であります。医療機関のように、受付に専従の事務員を置いて、明細書の発行を行うことは不可能であるということをずっと申し上げてきました。たまたま私のところも、今、コロナ感染の疑いで2人の勤務柔道整復師が休んでいます。私ともう一人の柔道整復師が、今、施術をしているのですけれども、そうなると、来院簿に名前を書く、施術録を出す、これが精いっぱいです。そうような中でやっています。
今回、領収証兼明細書というレジ打ちでもいいという簡素化した事務局案も提示されてはいますけれども、どうしても義務化をするのであれば、このような内容が打てるレジの導入やレセコンから事前に印刷しておくといった作業についても、初期費用や作業費用について、診療報酬同様に療養費でも、費用を算定出来るようにしていただかなくてはなりません。次の料金改定の改定率が低い、出せないということではなくて、現在、経営が逼迫している整復師に、さらに負担を背負わすわけですから、義務化に向けた費用設定は当然と考えています。国がもし出せないというのであれば、保険者が負担をしていただくような形ではいかがかと思いますが、よろしくお願いをいたします。
○遠藤座長
どうもありがとうございました。
それでは、保険者よろしくお願いしますということですので、幸野委員よろしくお願いいたします。
○幸野委員
また、三橋委員から信じられない発言が飛び出したのですが、令和3年8月6日の検討専門委員会で明細書の義務化については合意されたと認識しているのですが、なぜそこまで変えるのかというところです。11ページにもきちんと示されているように、前回の検討専門委員会で遠藤座長が締められるときに、明細書の義務化については合意がなされたときちんと説明されたかと思います。11ページの記述が違うということですか。
○遠藤座長
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
今日の資料にも書いてあるとおり、調整するというのは見ました。ただ、このとおり、健保ニュースを見ますと、既に1月の末から始まるくらいのことが書いてあったので、我々も本当にびっくりさせられて、この資料に書いてあるとおり、年明けを目途に施行することに向けて調整と書かれているならいいのですけれども、もうすぐに始まるのだとなってしまうと。それを今日、この検討専門委員会の中でどういうふうに調整をしていくかということを話し合われるのだろうと私は思っていたのです。
○遠藤座長
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
百歩譲って、調整ということですが、それでも、今日はやはり結論を出すべきと思います。さきほど、日本労働組合総連合会の佐保局長からご意見がありましたように、7割の患者さんが明細書を希望されているわけですよね。そのような事実があるということ。それから、施術者側がよく我々に言っておられるのですが、患者が明細書を要らないと言うから発行しないとよく言われるのですけれども、そのようなことではないと思うのです。明細書を要らないと言われても、患者本人が施術を受けた施術内容を明細書できちんと確認してくださいというのが、国家資格を持っておられる施術者の責務であって、明細書の発行は要らないのなら、発行しないのではなく、きちんと発行すべきだと思います。金額云々の話は、料金改定のときに議論すればいいと思うのですが、まずは本日、この検討専門委員会において、時期は別として、レセコンの明細書発行機能がある施術所については、明細書を無償で患者に交付しなければならないことを義務化することをぜひ決めたいと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
それでは、伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
伊藤でございます。よろしくお願いします。
今、三橋委員が言ったように、調整ということで進んでいると私も解釈をしているわけですが、今申し上げましたように、私どもの施術所は全国の平均を取りますと、大体1人、もしくは家族でやっているという形態で大体1.4人ぐらいで運営しております。したがって、医療機関と違って、誰かを雇い入れるというのは非常に不可能に近い状況の接骨院が多いかと思います。
そのような中で、明細書を発行するとなると、医療と違って、少ない従事者の中では非常に業務量が増える部分もございますので、以前からも申し上げていますように、500円から1000円ぐらいの手数料を考えていただかなければ、これはなかなか実現しないのではないかなと思っております。
そして、もう一点は、平成22年に領収証の発行が義務化されたときに、これもいろいろ問題があったわけですけれども、その後、問題になりましたのは、保険者がいわゆる領収証と支給申請書とを突き合わせて正しいかどうかという判断する材料に使うということだったのです。最近あったお話ですけれども、保険組合ではなく保険者が外部委託している調査会社から被保険者のところへ電話がかかってきて、領収証の原本もしくはコピーでもいいから送ってくれないか、そういう電話があって、患者さんがびっくりして当方に電話をかけてきたということがありました。また、こういう例もございます。
これはある保険者ですが、領収証の中に記号番号とか状況について、何々をしたとか、あるいは何々の部位とかを書けというように被保険者に送りつけているわけです。こういうことが起こっているのも事実でございます。私どもは医療課長通知に則ってやれということにつきましては、国の指示に従っておおむねやっている接骨院、整骨院が多いと思うのです。ですから、これは基本的に患者のために出せと言うなら反対はしません。反対はしませんけれども、こういったルールをきちんと守っていただかなければ、我々も明細書を出すとは非常に言いにくい。これを守っていただけるならば、そこは合意に至るのではないかなと、こんなふうに思いますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長
それでは、先ほどからお手を挙げておられます吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。木倉の後任として今日から参画させていただきます吉森でございます。よろしくお願いします。
今、幸野委員並びに施術者側の委員の皆さんからご発言がありましたが、そもそも明細書の発行目的については合意されているという理解でよろしいわけですよね。12ページの①の目的、これに沿ってきちんと明細書を発行しましょう、業界の健全な発展を図る観点、また、患者への情報提供をしっかりと推進するという認識は共有されているものと思います。
佐保参考人提出資料の4ページ辺りを見ますと、患者が明細書を必要だと考える理由としては、受けた医療の内容をしっかりと知ることができるとか、医療費の明細を知るためによい情報源になるからとあり、適正な保険制度を維持するためにも、こういうことは必要なのだろうと思います。患者の情報の非対称性については、リテラシーとして、我々保険者もしっかりと患者にこういうことを周知徹底していくということも必要で、そのためにも明細書は一つのキーワードになるのだろうと考えております。
先ほど、領収証の発行は、ずっと歴史的には遂行されてきたというご発言がありましたが、さらに一歩進んで、今回は、レセコンのある施術所については、無料発行を義務化し、そうでないところについては、求めに応じて有償でという案が示されています。これはステップを踏んでいるわけでございますから、この辺をしっかり明確にし、それぞれの関係者もそれに則って進めていく。ここのところができないと、3番目の議題になりますオンライン請求の仕組み等々も絵に描いた餅になると考えており、一つずつ、時間はどれぐらいかかるかは議論のあるところでございますけれども、施術者サイドの皆さん、保険者も含め、しっかりとこの辺のルールを決め、標準化をし、さらにそれが実効性のある運用ができるようなものに進めていく。このステップは必要だと考えます。それの第一歩としては、この明細書の発行無料化というところにまずは行き着くのだろうと考えております。
以上、意見です。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
では、田畑委員お願いいたします。
○田畑委員
ありがとうございます。全国柔道整復師連合会の田畑でございます。よろしくお願いいたします。
資料12ページの③「対象となる施術所ごとの対応」の(1)ですね。明細書発行機能があるレセコンの場合でございますが、本来、明細書発行の目的は、患者さんが施術・請求内容を確認する仕組みというところから発展していったと思います。発行機能のあるレセコンを持っているところは無償だとございますが、我々は患者さんのために無償で発行することはやぶさかではございませんけれども、前回の専門委員会で幸野委員から、いや、保険者が知るためにも発行が必要だと申されましたので、保険者さんが知るためだったら、ここは保険の算定の中に入れていただいて、知りたいのだったら、保険者さんが保険の中で費用負担されるというのならば、百歩譲って大丈夫かと思いますが、三橋委員が申されたとおり、我々の全整連の会員さんも皆さん逼迫した状況でございます。伊藤委員がおっしゃったとおり、現在、調整中と我々も認識しております。
以上でございます。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
それでは、三橋委員どうぞ。
○三橋委員
今、お話しいただきましたけれども、我々が、前の8月の検討専門委員会でも申し上げたのは、患者さんから欲しいということであれば、幾らでもそういう要望に応えますよというお話はしているのです。ただ、今、田畑委員からもお話があったとおり、実は、領収証を決めたときも、健保組合が領収証と、いわゆるレセプトと突合するため委託している調査会社に領収証を全部渡して、委託をしている民間の調査会社の一つのアイテムになってしまう。それを我々は困るという話をしているのです。
今回も、その旨、「目的」の下のところ、12ページのところに小さい字で入れてくれていますけれども、「領収証と同様の取扱い」と入れてくれていますけれども、今、伊藤委員からもあったとおり、実際に行われているのです。前回の検討専門委員会も、幸野委員からは、必ず保険者としてはレセプトと突合しますくらいの話をしているのですよ。だから、我々はそれは困るという話をしているのです。ですから、患者さんからの要望があれば、我々は幾らでも出します。有償でも同じような話をしました。患者さんが欲しいと言うならば幾らでも出しますよ。繰り返しになりますが、保険者がそのような形で使うのであれば、我々は困るという話をしていのです。
以上です。
○遠藤座長
しばらく施術側が続きましたが、ほかに何かございますか。
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
まず、伊藤委員から発言がございました一人施術者が多いということで人手がかかると。そのために明細書の発行が、なかなか実現しないのではないかというような意見があるのですが、そのために最大限の配慮をするということで、レセコンを使用していない施術所は、16ページのレジスターの機能を使って明細書が発行できるというところまで我々は譲歩しているのです。これでも発行できないという理由をまず教えていただきたいと思います。
それから、私が以前言った発言が少し間違っていたかもしれないのですが、健保連としては、点検事業者と個別のヒアリングを10月に行いまして、柔道整復療養費の受領抑制を目的とした領収証兼明細書のついた審査について、行わないように点検事業者に協力依頼もしております。そのときは、厚労省の担当官も同席されました。それから、健保組合への研修も昨年2回ほど行いまして、領収証の提出がないことのみをもって不支給とすることは適切ではないということも周知しております。
ですので、我々は、点検事業者のためにとか、審査のために領収証兼明細書を使うということではなくて、患者が自分の受けた施術内容をしっかりと確認するということで発行していただきたいと言っているので、そこのところは理解していただきたいと思います。
それと、もう一点です。本当に入り口で立ち止まっているのですが、非常に大きな3つの問題があって、実は、この後に来る③の議題です。施術管理者に確実に支払う仕組みの構築。私は、このような明細書の義務化の議論などは結論づけて、早くこちらの議論に行きたいわけです。こちらが非常に重要なテーマで、審査適正化につながるので、こういうところで詰まってしまうと、なかなか議論ができない。一方、医療界を見たら御存じだと思いますが、今、デジタル化がどんどん進んでいるのです。オンライン資格確認等、国は令和5年3月までに全ての医療機関で導入できるように進めているのです。そういった中で、柔道整復療養費だけがこのような議論ばかり行っていると、本当に置いてきぼりにされてしまうのではないか、という懸念もあります。このようなものはすぐに片づけていきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
先ほどの幸野委員からの御質問ですが、私どもはできないと言っているのではなくて、できるような形にしてほしいということを申し上げたわけです。それは、つまり、医療と違って、いわゆる1.4人程度の従事者でやっている接骨院に対して、いろいろと負担が大きい。ですから、できる環境になれば、そこはやぶさかではないと。
そして、何よりもこの問題は、先ほどの22年の領収証が義務化になって以来、保険者の中には、領収証の中にも病名を書くよう求めるなど、いろいろなことをしてくる保険者がいるのです。さらに、外部委託の調査会社についても、電話をかけてきて、領収証を出せという。こういうことが受療抑制にもつながっていますし、現状を見ていただくと、我々柔道整復師業界は大変疲弊をしております。幸野委員がこういうことをやめると言うのであれば、我々は間違いなく、この案件につきましては、合意に至るのではないのかなと、こんなふうに思います。
以上です。
○遠藤座長
お待たせしました。塚原委員どうぞ。
○塚原委員
前任の田村より交代いたしました塚原でございます。どうぞ、皆様よろしくお願いいたします。
先ほど佐保さんからの御意見もありましたように、七、八割は必要である。ただ、二、三割は要らない。これが実際の声なのだということは私たちもよく分かるところでございます。二、三割の人の意見でありますと、受付窓口で待たされるのは嫌だ。時間がかかって待つのは嫌だという声もあるのではないかなと思いますが、ただ、医療提供側の責任であるとか、医療をつくり上げるとか、国民の期待は大きいということで、商取引でもありますように、きちんとするというのはやぶさかではない状況ではございます。
ただ、利用者の混乱防止に保険者さんにも御協力をいただきたい内容がございまして、厚生労働省通知の柔道整復師施術に係る算定基準上の留意事項にありますように、申請書の一部負担金と、窓口で患者さんからいただく一部負担金について、申請書では小数点以下の切上げの1円単位、窓口では1円単位を四捨五入して10円単位で徴収しております。施術のたびに積み上げる差異が生じることは、保険者の方も御存じかと思いますが、患者さんは御存じないことが多いかと思います。これら内訳の説明は、申請書のコピーを使ったりとか、各団体で施術管理者に講習やら院内掲示物で現在も周知を進めているところではございますが、保険者の皆様方もきちんと理解した上で、被保険者に対して説明、照会をしていただけるという事でよろしいでしょうか?と言うのと、また、領収証兼明細書レジスター発行を認めていただいて、簡素化にしていただく中で、このレジスター発行した紙も印鑑不要になるのか?など、そういうこともちょっと頭に入れておいて検討していただければなと思います。
以上でございます。
事務局、どうぞお願いします。
○遠藤座長
では、事務局よろしくお願いします。
○保険医療企画調査室長
施術者側、それから、保険者側から様々な御意見をいただきました。今回のこの明細書の義務化につきまして、我々事務局としましては、患者に施術内容、請求内容をきちんと知っていただくという取組は重要であろうということから進めていきたいなと考えて、今回、具体的な案を提示したものでございます。
施術者側から、施術者の負担軽減、こちらのほうを何とかできないかということで、今回の提示を示した案では、領収証兼明細書というような標準様式を示すこと、それから、レジスターでレシートを印刷して、その中で足りない部分を記載すれば、その場合には徴収しない項目の表示は省略してもいいですというような、そういうことでできるだけ負担を軽減した中で進めていけないかと考えています。
また、療養費の報酬の算定が必要ではないかという御意見もいただきました。こちらについては、令和4年度、療養費の料金改定がございますので、その議論の中でどうするかというようなものを、また、御議論いただきたいなと考えています。
それから、患者照会について、適切な実施方法でやることが必要だというような御意見もいただきました。こちらについては、資料の12ページにも書いてございますが、平成30年の事務連絡、「柔整療養費の被保険者等への照会について」、こちらのほうを、明細書に関して改正をして、また、周知をするという対応を行っていきたいと考えています。
最後に、支給申請書と窓口負担で、四捨五入の計算方法が若干異なるというような御指摘いただきました。これは確かに一部負担金の四捨五入、それから、支給申請書では四捨五入を行わないような取扱いということで、通知を出しておりますので、この旨についても、併せて、きちんと周知をしていきたいと考えております。
以上です。
○遠藤座長
どうもありがとうございました。
それでは、長尾委員どうぞ。
○長尾委員
事務局に一つお尋ねしますが、料金改定のときに、明細書発行体制等加算というような、医療にあるようなものが加算されると考えていいのかということをお聞きしたいのと、是非検討をお願いしたいです。
幸野委員に関しましては、ずっとオンライン化とか電子請求化に幸野さんは反対をされていたような印象を受けていたのですが、今の御発言では、そういったことを推奨していただいて、非常に感謝しているというような次第でございます。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。大体御意見は出尽くしたということかと思います。本来、ここで議論の取りまとめということをしなければいけないのですけれども、実は、本日は、3つの議題全て議論をして、そして、最後まとめて議論の取りまとめをしたいと思いますので、続けて、2つ目の議題について御議論を賜れればと思います。2つ目の議題は、「患者ごとの償還払いに変更できる事例」ということですけれども、これについて御意見・御質問等あれば、承りたいと思います。
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
償還払いについて、前回もいろいろお話をさせていただきましたけれども、恐らくこれについて対応できるのは、全国健康保険協会だけではないのかなと私は思っています。今までも、柔整療養費審査会の中で、この自家施術とか、特別な関係だとか、こういうのは保険証ごとにデータが出てきて、この内容はどうだろうという審議をしたことがあります。これにつきましては、ここで議論をするというよりも、例えば柔整療養費審査会の面接確認委員会だとか申立委員会を通じて厚生局に情報提供をする。その上で、個別監査、それで対処ができるというような方向性になっているので、これは何も償還払いにしなくても、その方向に粛々と進めていけば、柔整療養費審査会で対応していくことで十分に可能なのかな。何も償還払いにする必要などあるのかなと思います。
また、前回も、あはき療養費償還払いについて、この資料が例として載っていますけれども、我々の柔整療養費は昭和11年からスタートして、慢性疾患を対象としているわけでもなく、保険者の裁量権も認めていない受領委任制度であります。あはきでの受領委任契約ではなくて、柔整療養費は協定が主でやっているわけです。その中で、事例(案)②「保険者が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者について」という例については、例えば、保険者は、民間の調査会社に委託するだけで、保険者自身が努力をしてないのが現実だと思います。だから被保険者が回答しないことをもって、患者が不適正だとすることはいかがなものかなと考えています。接骨院に1日でも通院すれば、被保険者等への照会についての通知が出た後も変わらず、今も本当に論文を書くような内容の調査書が、頻繁に保険者から委託された民間の調査会社から送られてきます。それが患者さんに届いて、患者さん自身も疲弊しているのも事実なのですね。回答しない患者の意見も、ぜひ保険者側で聞いていただいて対応すれば解決できるのではないのかなと考えています。
この償還払いというのは、ここに挙げてこれだけ議論する内容なのかなという思いがあります。償還払いにするよりは、面接確認委員会に上げて、厚生局に上げて、情報提供していくという形のほうが、むしろ、そのほうが素早いのかなと考えていますが、いかがでしょうか。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ただいまの御意見について、何かコメントはございますか。
では、それ以外の御意見でも結構ですけれども。
塚原委員どうぞ。
○塚原委員
ありがとうございます。
今の三橋委員の意見に全くの同感でございまして、実際に審査会では、返戻及び留意通知や、平成30年12月17日の厚労省の事務連絡を遵守した形で 施術者代表が入った面接確認を行っておりますので、正しくできているのではないかと思いますし、一概に、日数や期間を決めるというのはいかがなものかと思います。我々は損傷に対して、人間の自然治癒力を最大限に生かす環境づくりを主とした施術にしておりますので、人によって違う部分はたくさんあるかと思われます。
そして、この償還払いに戻す取組が柔整抑制につながるもので、かつ、患者さんの自由選択権を脅かす規制になるのではないかという危惧をしております。例えば、国民が腰痛外傷を起こした場合に、柔整だけ保険取扱いできないというような誤解認識が起きてしまうのではないかということを怖く感じておりますので、実施するにいたしましても、「柔整療養費の被保険者等への照会について」という、平成30年5月24日の事務連絡を再度周知徹底していただけますように、事務局にお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょう。
それでは、幸野委員お願いいたします。
○幸野委員
結論から申し上げますと、患者ごとに償還払いに変更できる仕組みについては、事務局案に賛同いたします。
それプラス、まずは長期、頻回のところですけれども、長期は3か月超の施術、それから、頻回は10回以上の施術というのは妥当な基準だと思います。これは、平成11年に発出された3部位以上の施術、3か月を超える施術、10回以上の施術は、重点的に審査するようにという厚労省の通知も出ておりますし、令和2年度の頻度調査の概要表が32ページ以降に出ていますが、このエビデンスをもってしても、3か月超の施術、それから10回以上の施術を行なった患者を償還払いに変更するというのは妥当だと思います。こちらでぜひ実施していただきたいと思います。
これは何も支給しないと言っているわけではありません。不支給の基準ではなくて、きちんと重点的な審査をするために、患者ごとに償還払いに変更できるしくみでやらせていただくということを言っているのですから、これは妥当な基準だと思います。
それから、先ほどの患者照会ですが、保険者が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者について、こちらは非常に丁寧な手順が記載されております。したがいまして、これは適切な審査あるいは照会が行われた上で、それでも回答しないところに、二度、三度の手順を踏んで丁寧に行っておりますので、こちらもぜひ実施していただきたいと思います。
結論を言いますと、本日、こちらの事務局案でぜひ決めていただきたいと思います。これで、①②を全て本日解決してほしいと思います。
○遠藤座長
ありがとうございました。
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
償還払いについては、我々施術者はあまり関係ないので、保険者側でやっていただければいいのですけれども、ただ、今、幸野委員がおっしゃった長期、頻回の目安については、審査会の審査要領に当てはまるような内容ですよね。審査会に出した通知を基に償還払いにするというのは、ちょっと何か話がおかしな気もするのです。
さっきも申し上げたとおり、自己施術、自家施術、家族、特別な関係については、簡単に言えば、グループ接骨院を対象にしているような話になるわけですよ。そうなった場合に、確かにさっき申し上げたとおり、吉森委員のところの全国健康保険協会、これは十分にこの対応が必要になってくると思います。ただ、ほかの保険者、後期高齢とか、国民健康保険とか、幸野委員のところの組合健保、そこは対象になる患者さんはいらっしゃいますか。そこをちょっと各保険者からお聞きしたいです。
○遠藤座長
いかがでしょうか。
○幸野委員
確かに審査は難しいのですが、できます。実施している健保組合もありますし、実際に不正が見つかった例もあります。
○遠藤座長
ありがとうございます。
では、伊藤委員、その次、吉森委員でお願いいたします。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
不適切な患者のいわゆる償還払いということですけれども、これは参考で、不正が明らかな患者とか疑われる患者の例とかはありますけれども、この疑われるというだけで、すぐさま償還払いにするというのはいかがなものかなと思います。
そして、平成20年に社会保険庁から協会健保にかわったときに、指導監査に関わることは地方厚生局のほうに権限が移っているはずだと私は認識しております。それに関係して、平成30年には面接確認委員会の設置ができて、そこでも、不正あるいは不正の疑いがあるものは面接を確認して、地方厚生局にこれを情報提供すると。したがって、そういう不正もしくは疑いというのは私にはちょっと違和感があるのですけれども、不正があった場合についての処分は、地方厚生局がやるべきであって、ここで2年以上5年以内の期間において償還払いにするわけですから、このことをもってすぐに償還払いにするのは少し拙速ではないのかという気がいたします。
以上でございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
では、吉森委員お待たせしました。
○吉森委員
ありがとうございます。
先ほど、三橋委員からもありましたけれども、我々47支部で柔整審査会を運営しており、不正が疑われる事例について皆さんに御議論いただいて、事実確認を行った上で、しっかりとお支払いしております。
例えば、令和2年の柔整療養費の請求件数は約1,400万件あり、長期、頻回が疑われる患者に対しては、患者照会を行っております。その中で、3部位以上の申請があるというのが約300万件、一月で15日以上というのが、これは少ないのですけれども、40万件近く。両方が重なっているのが16万件、このような方々に対して、令和2年度は、約40万件の照会を行っています。これについてはいろいろ我々の中で申請書をしっかりと適切に審査させていただいて、その中で、さらに疑義があって、議論すべきものは審査会で重ねて議論をいただいていると、こういう立てつけになっています。今回、さらに深掘りして、事実確認を行った上で、償還払いに変更するという仕組みについては賛成したい。
我々は、従来、皆さんの協力で審査会も行っておりますけれども、よりしっかりと、実効性のあるものにしていくためにも、このような制度の中で運用するというのが適切な医療費の支払い、負担と給付が今は議論されておりますけれども、限りある医療資源をしっかりと適切に使っていくということから言えば、仕組みとしては妥当ではないかと考えております。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
それでは、田畑委員、次に中野委員でお願いしたいと思います。
田畑委員どうぞ。
○田畑委員
ありがとうございます。
ここは三橋委員から、グループ接骨院のというお話がございましたけれども、柔道整復師が患者である場合に限局した話をさせていただきたいのですけれども、特に柔道整復師は健康保険組合に加入しておりませんので、協会けんぽの委員の先生、そして、国保の委員の先生にお伺いしたいのですけれども、グループ接骨院であっても、正当な自家施術はあると思うのですよ。けがをしたので、手っとり早く自分の接骨院にかかりますとか、同一法人内の別の院にかかりますとか、これは効率化とか、信用できる先生がいるからということだと思いますけれども、協会けんぽさんや国保では、正当な自家施術というのに対しては、どのように御認識でしょうか。自家施術を受ける柔道整復師も、保険料を払った国保なり、協会けんぽさんの被保険者だと思いますので、国保、協会けんぽの委員の先生にお伺いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
先ほど、お手をお挙げになっていらっしゃいました中野委員、国保についてもということでもありますので、何かコメントがあればお願いしたいと思います。
中野委員どうぞ。
○中野委員
ありがとうございます。国保中央会の中野と申します。よろしくお願いします。
自家施術の是非については、連合会により判断が異なります。
それから、償還払いに関しての考え方でございますが、これは厚生労働省さんのほうで範囲をかなり絞っていただいているということで、恐らくこれに相当する患者さんの数がそうはないのだろうなと思います。それくらい絞っていただいている中で、例えば、これも具体的に言うと、(3)の「保険者が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者」。これも数は少ないのですが、一定数いることは事実でございます。こういった人たちに対して、今まではなかなか有効な手段がなかったということで、こういった方に対して償還払いということを使うということは、これは理にかなっているのではないかなと思っているところでございます。ということで、私は、厚生労働省さんの案に賛成の立場でございます。
以上でございます。
○遠藤座長
どうもありがとうございました。
ほかに、どなたかいらっしゃいますか。
では、吉森委員お願いいたします。
○吉森委員
先ほどの御質問ですけれども、自己、自家の場合ですけれども、我々がいただく申請書では、自家かどうかというのは分からなくて、自己は保険適用しないという前提を信頼してやっている。その流れの中で、例えば申請書で、施術者と同じ名前であったりすると、御照会させていただいているのが現状です。今の我々の協会けんぽの中ではそういう取扱いにしております。
○遠藤座長
ありがとうございました。
ほかに御意見ございますか。
よろしゅうございますか。
それでは、伊藤委員、それから、幸野委員の順番でお願いいたしたいと思います。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
先ほどからのこの問題につきましては、いろいろ他の委員からも御説明がありましたけれども、これは基本的には、先ほどの自家施術につきましては、一定の組合は認めているところもあります。では、なぜ、こういう償還払いにしなければいけないかという事例についても、まだきちんと整理がされてないと思います。そして、ここに書いてありますように、複数の施術所において同類の施術を重複している患者、こういうものは我々には把握できないわけですよね。こういうものは少し整理をしていく必要があると思います。
先ほどの長期または頻度の高い患者ですね、頻回、こういった患者について、一概に長いから駄目とか、回数が多いから駄目とかというものではなく、ここは十分しっかりと調べて判断をしていただかないと、3カ月超えて月10回を超える施術ということだけで判断してしまうと、国民のための施術であるはずのものが、そういうことによって受療抑制にもつながりますし、国民のために我々が一生懸命やっているわけです。先ほど、中野委員がおっしゃったように、償還払いとなる被保険者はそうは多くないと思います。ここはある程度の取組としては、また、そのような状況で、自家施術等々につきましては、紳士協定等を結んで、出さないようにしましょうという取組をしている県もございます。ですから、取組みとしては、しっかりと何が駄目なのか、本当に不正なのかなどを厚生局に情報提供して個別指導等でやるべきであって、個々の判断だけで償還払いにするのは被保険者のため、利用者のためにも私は駄目だと思います。以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
では、幸野委員、先ほどお手を挙げておられましたか。よろしくお願いします。
○幸野委員
先ほど被保険者の意見をお話し頂いた参考人からは、事務局の案に賛同するといった意見が主だったと思いますが、ここで一番重要なのは、厚労省のほうで、トラブルが起こらないように、きちんと手続きを丁寧に規定にすること。そこだと思います。受領委任の規定の中に取り入れていく、その手順まで取り入れていくことになると思うのですが、そちらをきっちりと行えば、該当する患者はいるわけですから、受領委任規定の中で仕組みを構築して、丁寧な手続きをして、「患者ごとに償還払いに変更できるしくみ」を明記すれば、これは解決できる問題だと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
長尾委員どうぞ。
○長尾委員
幸野委員、いろいろな議題で丁寧に丁寧にと言われていますが、回答書とか患者照会を丁寧に出すのに、同じ書式のものを2回も3回も出すのは決して丁寧とは私は言わないと思うので、患者が答えやすいように、もしくは、それがきっちり分かるような書式を丁寧と言うと、私は考えています。
それと、調査会社と10月にいろいろな話し合いをされたと言われましたが、そういった内容についても、施術者側と保険者側でいろいろと齟齬がある中で、こういうふうにしたということを公開していただければ、我々もいろいろなところで協力ができることがあろうかと思います。幸野委員、よろしくお願いします。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかにいかがございましょう。
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
先ほどからの意見で、施術者側の懸念は、点検事業者の審査のやり方を非常に問題視されているということが非常に強く印象として残るのですが、我々は点検事業者とは、審査の正しい在り方ということについてヒアリングを厚生労働省の監督の下に実施しています。もし、その内容を公開しろというのであれば、それは公開も可能です。このようなことをヒアリングしているという。
そのようなことを前提に議論を行っていかないと、点検事業者悪しで議論が進んでいくと、何も決まらないと思います。ですから、我々保険者としても、点検事業者の在り方については、施術者側の意見も聞きながら行っていきます。毎回、点検事業者を理由に議論が止まってしまうというのは、前進しないので、それはそれで我々も耳を傾けますので、ぜひ、議論を前に進めていただきたいと思います。
○遠藤座長
ありがとうございます。
今の話と関連いたしますか、塚原委員。
では、塚原委員どうぞ。
○塚原委員
幸野委員が今言われたようなところで、分かりやすくというふうなことを前提にされているということでございますけれども、実際に、施術者側は患者さんに、捻挫、挫傷、打撲等の外傷性の理由は説明しているのですけれども、いかんせん患者さんは国家資格を持たない、完璧に知っているわけではございませんので、それを柔整師に聞かずして、柔整師が答えるような文面で聞かれているのも事実あるのですね。患者さんが答えようがないような書き方をされているというところもありますので、そこは一般の国民が分かりやすいような、例えば、「自己の過失により生じた動作痛により、改善・回復の目的で整骨院に通いましたか」「はい」「いいえ」というふうな質問であれば、患者さんは答えやすいと思いますので、そういったところもちょっと保険者さんのほうで、調査の際は気にかけていただけたらなと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。
ありがとうございます。大体御意見が出尽くしたかと思います。
それでは、3番目の課題ですね。「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」と。資料で言えば39~49ページで、これは事務局原案と言っても、方向性を決めるということで、完成度はそれほど高い段階ではありませんけれども、御意見等をいただければと思います。いかがでしょう。
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
前回もお話をさせていただきました。このホープ接骨師会の事案、つまり、施術管理者にきちんと支払えない仕組みをもう一度きちんと考え直しましょうということでこういう議論をさせていただきました。今回、規制改革推進会議のことについては聞いていますし、いち早くこれがロードマップに沿って進んでいければいいなと思っています。
幸野委員についても、8月以前は、そんな電子請求してどうするのかくらいの話だったのが、すごく分かりやすいお答えもいただいて、ぜひ進めましょうということで、なぜか施術者側と意見が一致する、これは初めてのことでありまして、保険者側と施術者側と一緒にしっかりと立ち上げていかないと、先ほど幸野委員がおっしゃったとおり、やはり取り残されてしまう。医療従事者の中からも取り残されてしまう。そのような原因になっていきますから、ぜひ、ここは我々も全面的に幸野委員と手に手を取って頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
ありがとうございます。時々こういうことってあるのですよね、この手の審議会は。
それでは、中野委員どうぞ。
○中野委員
今後、これについては議論していくということで、いろいろあるかと思うのですが、ちょっと、今、我々として、この審査支払いに携わっている立場から少しお話をさせていただければと思います。
まず、療養費を施術管理者に確実に支払うということ。これについては、受領委任払い制度の下で大変重要なことだと認識しております。
また、オンライン請求とか、審査・支払いシステムの導入についても、これも反対するものではないということです。
ただ、いろいろ課題が多いというのも事実でございます。幾つかあるかと思うのですが、これからオンライン請求に向けて、例えば、申請書の見直しとか照合の取扱い、こういったものも多くの様式を変えていかなければいけない。それから、事務処理を標準化していかなければいけない。それをさらにシステム化していくということで、これをやっていくのには、それ相当の時間と手間がかかってくるのかなと思います。
それから、我々、国保総合システムというのが所管しておるのですが、そこにこの療養費の支払いについても、国保総合システムに載せていくという形になるかと思うのですが、これにつきましては、令和6年度に公開が予定されております。それについて、あと2年ちょっとしかないので、現在、精力的に開発を進めているということですが、これに載せるということがほぼ不可能な話でございます。
さらに、その先の公開となるのですが、これについては、現在の計画では、令和8年度の計画になっておりまして、ただ、そのときには、審査・支払いシステムについては、我々と支払基金が共同開発して、共同で利用していくと、こういうスキームでやることになっております。これについては、支払基金さんとのお話も出てきますし、載せていくという、そういった調整が必要になるだろうと思います。
それから、内部的な事情としまして、我々、国保連合会という47の組織が実務を担っているところですが、この事務処理について、当然、標準化といいますか、合致させなければいけないのですが、それぞれが独立した団体でございまして、我々国保中央会が一言言えば、すぐそれに従っていただけるというような組織ではございません。この合意形成については、それ相当の時間がかかるのかなと感じております。
それから、4番目としましては、我々、国保は残念ながら財政基盤が非常に脆弱でございます。開発費用、それから、運用費用ですね。こういったものをどう賄っていくのか。これが大きな課題なのかなと思っているところでございます。資料には、現時点のイメージが書かれておりますので、スケジュール感的には、検討の進捗によりましてフレキシブルに対応していただければと思います。
それから、オンライン請求をもし導入するのであれば、全ての施術者の方がオンライン請求に載っていただくということがまず大前提かなと思っております。これが紙請求とか媒体の請求、こういったものが残ってしまいますと、事務の効率化を図ることができませんので、100%オンライン請求になるということが大前提かなと思っておるところでございます。
以上でございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。審査・支払機関のお立場から、いろいろ課題もあるのだということをお話しいただいたわけでございます。ありがとうございました。
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
今、中野委員のほうから、審査・支払いに関するということでお話をいただきました。我々のほうから言うと、療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みの中の一つ、それが審査・支払いだと思いますけれども、一番の原点は、支給基準に則った形で、いわゆる協定、契約、これに沿ってつくらなければいけないことが一番重要なのかなと思っています。このとおりやっていただかなかったら、前にも話しましたとおり、保険者も、国もそう、請求代行業者を黙認して進めていったから、今回のこのホープ接骨師会のような事件が起きてしまったというふうにつながっていくのだろうと思いますから、我々、取扱規程どおり協定、契約に沿った形でぜひ対応していただきたいと思っているところです。
○遠藤座長
ありがとうございます。
田畑委員どうぞ。
○田畑委員
ありがとうございます。
先ほど三橋委員から取扱規定に則ってというお話がございましたけれども、現行の取扱規程では、支給申請書に記載された支払機関に払いますよとなってございますので、そこは必ずしも施術管理者でないといけないという取り決めではございません。取扱規程に則った結果、残念なことが起きてしまいましたけれども、我々の復委任団体も、現行の取扱規程には則っておりますので、その辺り御理解のほどよろしくお願いいたします。
○遠藤座長
ありがとうございます。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
前回も、私のほうから申し上げましたが、昭和63年に協定と契約が2つに分かれました。御承知のように保険局長通知に従うと、協定と個人と2つがあり施術管理者に確実に振り込まれなければならないという中で、私が国保審査会、協会けんぽの審査会に出て審査していると、様式部分が下のほうに、請求書の過誤、返戻があった場合には、当組合とかに返してくださいというのは記載されているものが散見されるわけです。
それはどういうことかといいますと、これは少し過去の話ですけれども、たまたま返戻の文書を複数の接骨院でオーナーが強制しているということがありました。チェーン店が全て悪いと申し上げるわけではございません。要は、患者さんに対して柔整師が問診します。問診で痛いところを細かく聞いて、全身を施術していれば、平均施術の部位は2.6はいくはずというやりとりがされている。だからこそ、返戻は申請書に書かれている施術管理者に送るのが本来の形だと私は思っています。
そして、別添の契約のところを見ますと、第4章28で、保険者等又は国保連は申請書の事前審査を行い、申請書に不備がある場合には、施術管理者に返戻をすることになっていますが、いわゆる協定と契約の中で実行されてないということによって、いろいろな文書の操作だとか、いろいろなことが起きてきますので、こういうところは是正されるべきではないのかなと。それが、例えば全て悪いという意味ではございません。そういうところもあるということで、しっかりと協定と契約に戻すのことが必要と考えます。この点は記載どおりに改めていただく必要があるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
幸野委員、吉森委員、それから、田畑委員の順番でお願いします。
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
吉森委員、お先にどうぞ。
○遠藤座長
そうですか。
吉森委員どうぞ。
○吉森委員
それでは、お言葉に甘えまして、先に。今回の施術管理者に確実に支払うための仕組み、このような課題が挙がってきたというのは、中間に請求業者が出てくるというようなところもあって、それが正々と行われておれば、民法上の契約として何の問題もないということであったが、いろいろな形での事件が起きたということに端を発したというふうに理解をしています。そもそもこの3番目の議題については2つありまして、1つは、受領委任取扱規程が明確な形で示されていると、私は今のところは理解しているのですけれども、これがしっかりと運用、遵守されているのかというところが一つの課題と思っています。
その次に、今の世の中の流れであるICTを活用し、オンラインを使って効率よく請求する仕組みをそこに載せていこうではないか。そのための課題はどういうところにあるのか。47ページに①~⑦まで検討事項が示されていますが、これを正々と詰めていくということが大事なのだろうと思っています。
その前提として、これは質問ですけれども、マイナンバー制度、オンライン資格確認、これについて当然ながら対となる話だろうと思うのですけれども、こういうものが前提にあって、この48ページのイメージ図が成り立つという認識でよろしいでしょうかというのが一点。
次に、今の柔整師会の皆さんを含めて施術者の皆さんは、オンライン資格確認、マイナンバーカードの保険証利用、この辺についてどうお考えなのか。2点質問させていただければと思います。
○遠藤座長
ありがとうございます。
では、事務局お願いします。
○保険医療企画調査室長
ただいまの質問は、オンライン請求導入に当たって、オンラインの資格確認が前提なのかという御質問だと思います。こちらについては、既に医科のほうでは、オンライン資格確認を今進めているところですが、その前から診療報酬のオンライン請求は行ってきています。ですので、今回の療養費の請求は、オンライン請求導入そのものが、オンライン資格確認が必ず前提かと言われると、そうではない、また、別途、議論はできると考えています。
療養費におけるオンライン資格確認については、別途、取組を進めていて、施術者団体と話し合いをいろいろやって、どうやったらできるのかというのは進めているところでございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
○吉森委員
そうしますと、当然ながら時間もかかる流れの中では、今の環境から言うと、おっしゃるように分けて考えるというのも一つの考え方ですけれども、いろいろな課題整理をしていく中では、当然ながら次のステップとしてオンライン資格確認という話があるというのを前提に議論すべきだと考えます。これは一つの意見です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
事務局どうぞ。
○保険医療企画調査室長
今、吉森委員から御指摘いただいたのはそのとおりだと思います。また、オンライン資格確認のほうも進めていけるように、それにつながっていくような仕組みをきちんと検討するということだと理解しています。
○遠藤座長
ありがとうございます。
では、幸野委員お待たせしました。
○幸野委員
すみません、少し長くなりますが、よろしいですか。
○遠藤座長
結構です。
○幸野委員
重要なところなので、意見としていろいろ言わせていただきますが、まず、本日の印象として思ったのが、本日は3つ論点があって、この3番目の「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」についてが一番重要で、まさに柔道整復師界における審査・支払いのインフラを変えようというような大きな問題で、時間をかけて、労力をかけて行わなければならないのに、明細書の義務化はできない、患者ごとに償還払いに変更もできないという、こんなことも解決できなくて、この3番目の大きな議題が果たして議論できるのかというのが私の感想です。
まず、事務局が示しています49ページの「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」に関する検討スケジュール(案)ですが、こちらは次回以降も3番目の議題として議論されていくようになっていますが、まず1番目の議題、2番目の議題をどうしようとされているのか、こちらは、本日、結論できないと、3番目の議題に入っていけないと思うのですが、その辺の見解を聞かせていただきたいのと。
次回は、審査支払機関のヒアリングを始めるわけですよね。私は、この1番目の議題、2番目の議題が解決しないと、3番目の議題には入っていけないと思っていますので、本日、ぜひ結論を出していただきたい。「療養費を施術管理者に確実に支払う仕組み」は、令和4年2月以降しっかりと議論をする方向を取っていきたいと思います。
それから、49ページの最後に、令和4年6月に〇方向性の取りまとめとありますが、この方向性の取りまとめというのは、どのぐらいの具体性があるのか、課題と言っても山ほどあると思うのですけれども、どれぐらいの方向性を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。教えていただけますか。
○遠藤座長
それでは、事務局お願いいたします。
○保険医療企画調査室長
最後の方向性の取りまとめ、6月に行うように議論いただきたいと考えています。その粒度ですけれども、今回、47ページでかなり細かいところまで検討事項をお示ししています。これ全てを6月までに決めるのは無理だとこちらのほうとしても思っていまして、この中の「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」とするために、方向性として決めて、最後については、また、施行に向け、実務的に詰めていくというような、そういう段階的な議論、検討が必要だろうと思っています。その最初となる方向性のところを6月までに定めたいということです。
ですので、最初の中野委員からもかなり課題は多いということをおっしゃられたと思います。ですので、その課題について、スケジュール感、時間軸を持って、いつまでにどういうことを決めていかないと、最終的に何年度を目指してやっていくことができないのかというのも議論いただきながら、6月の取りまとめに向けて、事務局としての準備をやっていきたいと考えています。
○遠藤座長
ありがとうございます。
前半の御質問の中で、本日、1番と2番については、結論が出るかというようなことの御質問だったと思いますけれども、これは、また、この後、この3つの課題について、本日の取りまとめを皆さんにお諮りすることになりますので、これまでの議論をお聞きしている限りは、もう方向性は分かるような気がするのですけれども、そのときにはっきりさせていただければと思いますので、これは事務局というより、この会がどういう対応を取るかということだと思いますので、そのように私のほうからお答えしたいと思いますが、幸野委員いかがでしょうか。
○幸野委員
ありがとうございます。座長、そちらで了解いたしました。
それと、3番目の議題の問題点とか、保険者としての意見を発言させていただきたいのですが、現在、支払基金が支払改革の実行途上、いよいよ今年度が本格化されるのですが、被用者保険の負担で、230億円の経費を負担してシステム刷新が行われて、今年の10月には、支部の集約がかなり抜本的に行われます。
その状況下で、柔道整復療養費のための新しいシステム開発の導入は、非常に過度な負担になると思われます。費用も過大になる可能性が高い。または、先ほど中野委員もおっしゃっていましたが、紙のレセプトを審査するのは、支払基金にとっても到底あり得ないと多分ヒアリングでもお答になると思いますが、このような問題をどう解決していくか。これは非常に大きな問題になると思います。
それから、具体的なインフラは次回以降議論していくことになるのですが、少し先走りなのですが、事前に申し上げておく必要があると思います。これは審査支払機関の関与によって請求・支払ルートを一本化して、全国統一の審査基準を行う審査の効率化、向上を図るという観点からは、先ほど中野委員もおっしゃったように、国保連等の支払基金のそれぞれのシステムで個別に業務を行うようなことは絶対にあるべきではなくて、令和8年に国保連のシステムも刷新されると聞いたのですが、支払基金と国保連が連携する形で、費用対効果のあるような効率的なシステムを構築していただきたいと思います。
それから、費用の問題がどうしても残ると思います。開発とかランニングコストについては、こちらはベースとなる受領委任払いは、施術者側、それから、保険者、行政の3者で締結され、運用されていることを考えれば、費用負担は公平に分担するのが当然だと考えます。
保険者は、現在、オンライン資格確認のランニングコストを負担しておりまして、医療のデジタル化のために新たな多くの費用負担を既に行っております。これ以上、現在の柔道整復療養費の審査・支払いに係る、現在の事務費を上回るような費用負担が発生する場合には、多分、健保組合はこれを嫌がると思います。費用対効果の高いものをつくらないと、健保組合は参加しないと思います。逆に、健保組合の参加は保険者の裁量ということが大前提になることを申し述べさせていただきます。
それから、先ほど吉森委員が質問されて、室長が答えられたオンライン資格確認ですね。これは別々にという意見がございましたが、これはやはり切っても切り離せないこれからの論点かなと思います。先ほども申し上げましたが、今、国は令和5年3月には、おおむね全ての医療機関がオンライン資格確認を導入することを目指しておりまして、これが実現して、マイナンバーカードも一定量この時点で普及すると、健康保険証はマイナンバーカードに切り替わっていくことになっていきます。当然、健保組合も健康保険証を廃止する方向に進んでいくということになると思います。柔道整復療養費のために健康保険証を残すということはあり得ないと思いますので、そのようなことを踏まえれば、オンライン資格確認というものを絡めるべきだと思います。
それから、先ほどから、柔道整復療養費のオンライン資格確認を阻止していた幸野委員がいきなり態度が変わったとおっしゃられているのですが、私は別にオンライン資格確認を否定しているわけではなくて、当時は、オンライン資格確認の整備を進めるよりもやるべき課題がたくさんあるということを申し上げただけですので、それは誤解なきようにお願いします。オンライン資格確認は医療界に入ってきて、全然環境が変わってきたわけです。そこは施術者側もしっかりと見極めていかれることが必要だと思います。
すみません。長くなりましたが、以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
それでは、田畑委員お待たせしました。どうぞ。
○田畑委員
ありがとうございます。
保険者の代表の委員の皆様からは、電子化に向けての非常に前向きなお話を頂戴しているわけですけれども、施術者間では、現状の話ですね、支給申請書が復委任団体で止まっていますとか、施術管理者以外に振り込むのは、取扱規程から外れているとかですね。実際に外れていないのですが。
そこで、事務局にお願いですけれども、現状の問題点をお話しする場と、未来に向けた、電子化に向けた話をする場は、これは、今、一緒になっているので、施術者側では、今現状の話をしますが、保険者の皆さんは未来へ向けての話をされますので、事務局としては、電子化に向けて現状をどうされるおつもりかお聞かせいただければと思います。
以上でございます。
○遠藤座長
では、事務局お願いします。
○保険医療企画調査室長
事務局が現時点で考えているイメージとしましては、48ページに今回お示しをしたとおりになります。オンライン請求のところについては、施術管理者が審査支払機関に対してオンラインで療養費の請求を行うということになります。それ以外に、オンライン請求だけではなくて、その際、オンライン請求を導入するに当たっては、審査支払機関によって請求・支払ルートを一本化しないとオンライン請求できませんので、審査支払機関が間に入ることによって、保険者と施術管理者の間をつないで審査を行うというような仕組みです。これによって、先ほどの療養費を施術管理者に確実に支払うとか、不正行為の防止とか、あるいは、事務、保険者、それから、施術所の事務の効率化、システム運営の効率化というようなものを図っていきたいと考えています。
○遠藤座長
ありがとうございます。
よろしいですか。
それでは、長尾委員どうぞ。
○長尾委員
施術側で何か意見が違っているような感じで受け取られても困るのですが、まず1つは、医療費と療養費の中で、受領委任の取扱いの運用をきちんとしようというところでのお話を我々はしているところで、いわゆる支払いに関して、施術管理者に振り込むことは、患者さんがその施術管理者に委任をしているわけですよ、受領委任という。だから、そこにきちんと振り込まれるというような、本来ある形にしようということを言っているだけであって、そこに請求代行業という、いわゆる患者さんが委任をしない人たちが入るのはどうかという話をしているだけであって、先ほどから三橋委員が言っていますように、協定なり、療養費の支給基準に則って行いましょうということを我々は言っているだけで、何も請求代行業者が悪いとかどうこうではなくて、きちんとその運用がなされればわかることだということをあえて申し上げたいと思います。
以上です。
○遠藤座長
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
先ほど幸野委員からもお話があったとおり、オンライン資格確認については、診療報酬のほうはたまたま支払基金というラインがあったので、そこに載せて資格確認するというのが早くできたわけですけれども、我々の場合は、今挙がっている支払基金をどうするかという話で、これを待っていたら、幸野委員がおっしゃるとおり、柔整だけのための保険証ということになりかねないので、ずっと話し合いをしています。基本的には、予算の問題でなかなかうまくいかない。
我々は、例えば健康保険証のデータだけ読めれば、十分に支給申請はできるものですから、ほかのデータは必要ないので、そこだけをどう取り込むかというお話をしています。その上で、カードリーダーを使って読み込もうということでいろいろとお話を詰めているところです。ですから、支払基金については、また、その後の話になるので、そことは結びついていません。支払基金にお願いすることになれば、もちろんそのルートを使ってオンライン資格確認も可能でしょうけれども、それは恐らくその先の先の話になるだろうということで、資格確認については、別のラインを引いてもらって、データだけを読み込んでいくという形で実は話を詰めているのですが、先ほど申し上げたように、予算の問題が大きくはだかっていますので、そこはぜひ厚生労働省に頑張っていただいて、早期に実現できるようにお願いしたいなと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。
それでは、大事な締めくくりが残っておりまして、本日の御議論いただいた内容、本日の検討会としてどう取りまとめるかというようなことをお諮りしなければならないわけですが、まず最初、明細書の義務化でございます。これにつきましては、今回、義務化という、要するに、事務局原案が出ているわけですけれども、事務局原案について、本日認めたいという御意見が保険者を中心に幾つか出ております。それに対して幾つかのコメントも出されているということでありますけれども、これに関連して、何か改めて御意見をおっしゃりたい方いらっしゃいますか。
では、三橋委員どうぞ
○三橋委員
先ほど申し上げたとおり、患者さんのために出すということであれば、そこはある程度の設備資金あるいは作業資金ということで、ある程度料金をそこにつけていただくというのが、我々施術者側の条件と考えておりますが、いかがでしょうか。
○遠藤座長
ありがとうございます。
お手を挙げておられましたけれども、長尾委員も関連で御発言ですか。
○長尾委員
先ほども質問をさせていただいたのですが、医療とか歯科にありますように、明細書の発行体制等加算は、事務局としてはどうお考えですかというのをさっき質問したのですが、事務局としてはどうでしょうか。
○遠藤座長
では、事務局お願いします。
○保険医療企画調査室長
令和4年度の料金改定に関する議論については、また、回を改めまして、しかるべきタイミングで議論いただこうと思っていますので、また、そのときにいろいろな案を考えて、議論いただけるような準備をしたいと考えています。
○遠藤座長
ありがとうございました。
そうしますと、ただいまのお話を承りますと、事務局原案については、報酬上と言いましょうか、予算上と申しますか、その問題がある程度納得できればお認めするというのがお考えだというのが1つ出ているわけであります。
ほかに何かございますか。
本日としては、そこまでが調整できるぎりぎりのところかなと思いますので、そういう意味では本日具体的なことを決めるのはまだ難しいかと思いますので、特に予算の問題は改定率との絡みがありますので、そういう意味では引き続き事務局と調整をしていただきながら、療養費の改定の議論と併せて、この義務化の議論を決着したいと。できるだけ早く決着したいと私も思っておりますので、御協力をいただければと思いますけれども、そういう段取りでよろしゅうございますか。双方いろいろと御意見があるかと思いますけれども、絶対駄目だと言う方がいらっしゃれば、お聞きしたいと思います。
幸野委員何かございますか。
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
令和3年8月の時点では、令和4年1月を目途に「①明細書の義務化」「②不適切な患者の償還払い」については施行ということで賛同を得られておりましたので、施術者側の料金改定の議論を早急に行っていただいて、その上で、できれば遅くとも令和5年度からは実施できるようにお願いしたいと思います。
○遠藤座長
ありがとうございます。
そういう要求がございました。事務局、何かコメントはありますか。
○保険医療企画調査室長
療養費の料金改定については、柔整の療養費以外にも、あはきの療養費の料金改定もございます。それぞれのしかるべきタイミングで議論できるように、事務局としても調整していきたいと考えています。
○遠藤座長
御努力をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、明細書の義務化につきましての本日の取りまとめは、そのような形にさせていただければと思います。
御協力ありがとうございました。
続きまして、「患者ごとに償還払いに変更できる事例」これも原案に御賛成の御意見がある反面、幾つか反論と言いましょうか、修正の御意見もあったわけでありますけれども、これについて何かお考えがございますか。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
いろいろ議論をお聞きしてきましたけれども、ここは拙速にやるべきではなく、償還払いに変更できることにつきましては、被保険者、被扶養者のこともございますので、あわてずに、しっかりとしたものを、何がいけないかというのをしっかり出して、慎重に決めるべきだと、こういうように思います。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかに何か御意見は。
幸野委員どうぞ。
○幸野委員
先ほども申し上げましたが、私は事務局案でいいと思うのですが、どのような手続きを行うかという具体的な例を示していただかないと、多分、本日の議論では決着できないのかなと思いますので、具体的な受領委任規程や、留意事項通知(案)を発出していただいて、それで、次回には決着するしかないのではと思うのですが、いかがでしょうか。事務局はいかがでしょうか。
○遠藤座長
ありがとうございます。
もう一度お願いできますか。
○幸野委員
患者ごとに償還払いに変更できる手続きを、受領委任規程の変更という形、あるいは留意事項通知、あるいは通知という形でしっかりと示せれば、みなさん御納得いただけるのではないかと思っています。本日の決着は難しいですけれども、次回必ず「①明細書の義務化」「②不適切な患者の償還払い」については決着させていただきたいということですが、事務局としてはいかがでしょうか。
○遠藤座長
決まるかどうかというのは、会の結果ですけれども、事務局としては、そのための対応ができるかどうかということだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○保険医療企画調査室長
患者ごとの償還払いを行うためには、受領委任の協定あるいは契約、それから、関係の通知を改正する必要がございます。改正の案を基に議論をすべきであるということでしたら、そちらのほうを事務局としては準備したいと考えています。
○遠藤座長
幸野委員いかがでしょうか。
○幸野委員
ぜひお願いします。ありがとうございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
松本委員お願いいたします。お待たせしました。
○松本委員
ありがとうございます。
診療報酬と療養費がどう違うかというと、診療報酬は、医療機関に支払われるもので、療養費というものは、患者さんに払われるもの、現金給付と理解しております。療養費は、やはり患者さんに支払われるものが、受領委任払いの場合だけ特別に施術者に払われる、そういうふうに理解しています。
だから、療養費は償還払いが本来の形で、受領委任払いは特別な形で、特例なので、これ以上広げるべきではないという判決が、たしか平成18年の裁判であったと思うのですが、なぜか、受領委任払いはあはきにも拡大された、そういうことが起こっております。
事務局にちょっと質問したいのですが、今は、柔整もあはきも両方とも受領委任ですね。だから、柔整とあはきの照会境界は、この間も言ったのですが、非常に不明確になってきたと。その場合、あはきは医師の同意書が必要で、柔整の場合は同意書が必要ではない、この理由は、どうも不明確になってきているのではないかと。平成18年の裁判では、柔整師は外傷を扱うから、発生原因が明確だから、待ったなしだから、診断の必要はないのでということで、現物給付的な受領委任払いになったかと思っております。
ところが、あはきの場合は、慢性疾患で、現物給付的な受領委任払いは必要ないという判決で、あはきは受領委任払いはなされなかったのですね。しかし、平成31年の取扱いでは、また、あはきにも受領委任払いが導入されたと。でも、あはきは同意書は必要、柔整は必要でない。柔整に同意書が必要でない理由を厚労省としてはどう考えているか、ちょっとお聞きしたいと思いまして、ちょっと発言させてもらいました。
○遠藤座長
何かコメントはありますか。
これは、これまでの議論の中で出てきているということだと思うのですけれども、厚労省として何かお考えが特にあるのでしょうか。
○保険医療企画調査室長
今、委員おっしゃられたとおり、あはきの療養費については、医師の同意書が必要になっていて、柔整療養費は、骨折だけの場合は医師の同意書が必要だけれども、応急処置の場合、この限りではない。なおかつ、打撲、捻挫の場合には、医師の同意書は必要ないという仕組みになっています。
この違いですけれども、あんま・マッサージ・指圧については、関節拘縮、筋萎縮など、医療上マッサージを必要とする症例が療養費の対象になっていますので、この内容を医師の同意書で確認をするというような、そういう仕組みになっています。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございました。
長尾委員どうぞ。
○長尾委員
ちょっとだけお話ししますと、柔整の療養費の検討専門委員会なので、あはきがどうこうというのは、「療養費の支給基準」という538ページのものがございますので、これを熟読されるとお分かりになると思います。
先ほどの議論に戻りますと、償還払いにつきましては、幸野委員だけではないですけれども、償還払いに戻す方法もそうですが、いわゆる受領委任をまた再開できることもここにも載っておりますが、ここも同じようなレベルの中で、こういうことがあれば再開できますよというようなことを、幸野委員にお見知りおきいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長
ほかに何かございますか。
田畑委員どうぞ。
○田畑委員
ありがとうございます。
事務局から、「柔道整復療養審査状況(調査結果のまとめ)」柔-参考という資料を公表していただきました。前回の専門委員会の私の意見から、このようなすばらしい資料を出していただきまして、ありがとうございます。また、コロナ対応で忙しい、診療報酬改定の中で忙しかったであろう間に、このような資料を出していただきまして、厚労省の方には本当に感謝いたしております。
資料の3ページですが、一番下のところに、「施術担当者代表の委員が所属する団体の内訳」とございます。公益社団法人の審査委員の先生方は全国299名、契約が全国72名とございまして、公益法人の審査委員の先生が80%を超えておるという現状が明らかになりました。
そして、資料の5ページを御覧いただければと思います。面接確認委員会の施術担当者代表の委員が所属する団体の内訳ですね。公益社団法人全国計102人、公益以外のほうが23人、こちらも80%を超えておることが分かりました。
そして、資料の6ページを御覧いただければと思います。「面接確認委員と被面接者の所属団体が同じ場合の取扱い」でございます。一番上の他団体の委員により面接を実施する。これは厚労省から示してくださっている面接確認委員会設置要綱どおり運用ということになります。
2段目です。「施術者委員全てが同じ団体に所属するため、保険者代表と学識経験者のみで実施」とございます。これは恐らく審査会の中に公益社団法人の先生しかいないから、こういう運用になっているのだと思います。公平ではありませんけれども、まだましな運用なのかなと思ってございます。
一番下から2段目です。「同じ団体でも面接を実施する」が、厚労省お示しの面接確認委員会設置要綱に全く抵触しておりますので、まして、同じ団体の柔道整復師を面接するというのは、これはまさにブラックボックスでありますから、現状は、明細書のことでも、透明性というのを希望しておりますので、審査委員会、面接確認委員会においても、透明性をぜひとも担保していただければと思っております。
我々は、前回も、契約柔道整復師は全国に約70%おります。協定の柔道整復師が30%という現状で、だからと言って、審査会の数を契約のほうは70%を占めろと言っているわけではございません。協定・契約半々で入ってこその透明性・公平性ということになるだろうと思っております。
ぜひとも事務局にお願いしたいのは、また、電子化の話の中でも、支払機関の中に柔整審査会を置くかという議論が進んでいるかと思いますので、審査会の話はこの後も切っても切り離せない議論となるだろうと我々考えてございますので、事務局は、ぜひ、この資料を継続してつけていただくようによろしくお願い申し上げます。更新もお願いしたいと思います。
事務局、いかがでしょうか。
○遠藤座長
資料として添付してほしいという御依頼ですか。事務局への御依頼事項をもう一度。
○田畑委員
電子化になっても、柔整審査会の議論は避けることはできない議論になろうかと思いますので、この先の検討専門委員会にもこの資料をつけていただきたいということと、年度ごととか2年度ごとに更新いただきたいというふうに御依頼させていただきます。
以上でございます。
○遠藤座長
御意見として拝聴いたしました。ありがとうございます。必要であれば、そのようにいたします。
三橋委員どうぞ。
○三橋委員
田畑委員から、今、いろいろなお話がありました。東京の審査会では、今までやっていた方が辞めてしまったときに、団体のほうから、個人契約の方々の審査員を増やそうということで、ぜひこの人を推薦したいと挙がってくるのが、実は山梨県で開業している柔道整復師、あるいは茨城県で開業している柔道整復師、ほかの県で開業している柔道整復師だったのです。東京の審査会で審査委員をしたいという形で挙がってくるのですね。審査委員要綱の中で、それは違うでしょうということで、とお断りをしたのですけれども、個人から選んでいくのは非常に難しいと思うのですね。
○遠藤座長
三橋委員、重要なお話かもしれませんが、今は、本件のまとめをどうするかという話をしておりますので、恐らくいろいろと派生して幾らでも話は広がると思いますので、時間もオーバーしておりますので、本件のまとめという形で議論させていただければと思いますが、いろいろなお話もありましたが、本日、一つの方向にまとまることはどうも難しいと。ただ、これもできるだけ速やかに結論を得たいという、こういうお考えが強くあるという認識はしております。そのためにも、次回は継続審議ということになりますけれども、幾つかの御要望も出ておりますので、それに応じた資料等の作成をして、次回、また、継続で審議させていただくと、こういうふうに考えますけれども、それでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤座長
いろいろ御不満もあるかと思いますけれども、今、現実的にそうせざるを得ないような状況だと思いますので、そのように対応させていただければと思います。ありがとうございます。
最後、3番目でございますけれども、3番目につきましては、ある意味方向性とポイントが出ているだけでありまして、今後、また、議論がされる話でありますが、このスケジュール感、方向性、これらを含めて何か御意見等あれば、承りたいと思いますが、いかがでしょう。
よろしゅうございますか。
これも、先ほど幸野委員がおっしゃっておられたように、療養費の支払方法のインフラを大きく変える仕組みだということと関連をするということなので、しっかり議論をしていかなければならないだろうということだと思います。
塚原委員どうぞ。
○塚原委員
ありがとうございます。
先ほどより意見が出ておりますように、大枠の骨組みは事務局に示していただきたいというのと、イメージ図だけでも、介護報酬を基準にしているのか、診療報酬を基準にしたオンラインと考えているのか等々も含めて、こういうふうに考えてほしいという、その骨組みだけでもしっかりと御指示いただけたらと思います。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。御要望として承りました。
それでは、これにつきましては、今後の議論を続けざるを得ませんので、そのような対応をさせていただければと思います。
ありがとうございました。
司会の不手際で若干予定をオーバーしましたけれども、ほかに何か御意見ございますか。
よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
それでは、本日の委員会をこれにて終了したいと思います。
次回の日程につきまして、事務局から何かあればお願いいたします。
○保険医療企画調査室長
次回の日程につきましては、また、後日連絡させていただきます。
○遠藤座長
それでは、これを持ちまして、第19回「柔道整復療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。本日は、長時間ありがとうございました。
 
 

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