ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(再生医療等製品・生物由来技術部会)> 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録(2018年8月29日)

 
 

2018年8月29日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

○日時

平成30年8月29日(水)10:00~

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール2A

○出席者

出席委員(16名)五十音順

  荒 川 義 弘、◎奥 田 晴 宏、 小 倉 弘 明、 小野寺 雅 史、
○神 田 忠 仁、  楠 岡 英 雄、 斎 藤    泉、 佐 藤 陽 治、
  杉 山    肇、  中 岡 竜 介、 長 島 公 之、 野 口 貴公美、
  俣 野 哲 朗、  森 尾 友 宏、 森 川 裕 子、 横 田 恭 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(1名)五十音順

  大 隅 典 子
 

行政機関出席者

宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
関 野 秀 人 (医薬安全対策課長)
江 野 英 夫 (安全使用推進室長)
中 井 清 人 (医療機器審査管理課長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
鈴 木 章 記 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 

○議事

 

○医療機器審査管理課長 ただいまより、「薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催いたします。先生方におかれましては、御多忙中、御出席いただきどうもありがとうございます。開会に当たり、今回から新たに本部会に御参加いただく委員の先生を御紹介いたします。国立医薬品食品衛生研究所所長の奥田晴宏委員です。
○奥田委員 国立衛研の所長の奥田です。よろしくお願いいたします。ちなみに、国立衛研は川崎に移りました。お近くにお寄りの節は、是非、お尋ねください。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門長の小倉弘明委員です。
○小倉委員 農研機構の小倉です。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 公益社団法人日本医師会常任理事の長島公之委員です。
○長島委員 日本医師会の長島です。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 川西徹委員、坂本研一委員、鈴木邦彦委員については、御退任されたことを報告申し上げます。
続いて、事務局に人事異動がありましたので紹介いたします。厚生労働省の医薬安全対策課長の関野です。機構の安全管理監の森口です。機構の審議役の鈴木です。機構の再生医療製品等審査部長の丈達です。本日は欠席しておりますが、美上審査マネジメント部長、紀平ワクチン等審査部長も新たに着任していることを報告いたします。
続いて、部会長の選出についてです。これまで、部会長をされておりました川西先生が薬事・食品衛生審議会の委員を退任されたことに伴い、薬食審議会令の第7条第3項の規定に基づき、新たに奥田委員が部会長として就任されていますので、報告いたします。それでは、一言、御挨拶をお願いいたします。
○奥田部会長 前任の川西に引き続き、この部会の部会長を引き受けさせていただきました奥田です。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 次に、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定で、部会に属する委員のうち部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされています。部会長代理については、奥田部長から神田委員を御指名いただいていますので、報告いたします。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
本日、再生医療等製品・生物由来技術部会委員の17名のうち16名に御出席いただいておりますので、定足数を満たしていることを御報告申し上げます。議事に先立ち、事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。第11条において、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の先生方より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告していただいておりますので報告いたします。委員の先生方におかれましては、その都度、書面で御提出していただいており御負担をお掛けしますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局 続いて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明します。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2以降については、再生医療等製品の開発状況等の企業情報に関わる内容が含まれるため非公開といたします。ここより議事に入りますので、傍聴の方によるカメラ撮りはここまでといたします。御協力のほどよろしくお願いいたします。
続いて、添付資料の確認をいたします。お手元の左手に事前送付した資料を置いています。一番上に議事次第、次に座席表を置いております。その後に、左上ホチキス留めの資料1、紐留めの資料2、資料3、資料4、資料5、左上ホチキス留めの資料6-1、6-2、参考資料として薬事分科会審議参加規程を置いております。お手元の右手には、当日配布資料として、左上のホチキス留めの資料を御用意させていただいております。中身は当日配布資料1、2となっており、後ろに参考資料がありますので御確認のほど、よろしくお願いいたします。資料の不足がありましたら、事務局までお知らせください。
これより議事に入ります。以降の進行については、奥田部会長、よろしくお願いいたします。
○奥田部会長 それでは、お手元の資料はよろしいでしょうか。議題に入ります。まず、議題1です。事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題1、「ヒト(同種)表皮(皮膚)再生に関する評価指標の公表について」です。資料1を御覧ください。1ページです。ヒト(同種)表皮(皮膚)再生に関する評価指標を昨年度検討し、パブリックコメントを経て先月25日に公表しましたので、内容を御報告します。
既に、自らの表皮を採取して培養して細胞シートとして使用する製品は実用化されており、また、ヒト(自己)の表皮(皮膚)再生に関する評価指標も公表されていますが、新たに、自分の細胞ではない表皮を使用した製品の開発に当たって参考となる指標を検討しました。自己の表皮とは違って、表皮のドナーとなる方の選択基準等や、GVHDなどのリスクがありますので、そういう点を新たに加えたものとなっております。評価指標の本体は3ページ以降です。
2ページです。これまでに公表した評価指標の一覧を記載しております。一番左の列の再生医療という分野の一番下の12番目が、今回新たに作成した評価指標で、再生医療としては12番目です。以上です。
○奥田部会長 ヒト(同種)の表皮再生に関する評価指標について、委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。私から一つ、自己の表皮の再生の指針と比べて、適応となる疾患は同じなのでしょうか。
○事務局 主に一緒です。評価指標の10、11ページ辺りに対象疾患として、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑、表皮水疱症などがありますが、大体、自己と同じになっております。
○奥田部会長 先生方から、ほかに何か特段、御意見、御質問はございますか。もし、ほかに特段の御意見がなければ、議題1を終了したいと思いますがよろしいでしょうか。それでは、議題1を終了します。
以後の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様は御退席いただきますよう、お願いいたします。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を開始いたします。よろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、準備が整いましたので、再生医療等製品・生物由来技術部会を再開いたします。
○事務局 それでは、改めて非公開案件の配布資料について確認いたします。議事次第に記載されている資料2~6はあらかじめお送りしたものと同一ですが、改めて左側に紐留めの資料とホチキス留めの資料として置いております。また、当日配布資料1として「競合企業、影響企業リスト」が配布されております。資料の5ページまでです。6ページに、本日、御議論いただく「AVXS-101申請者変更願」が添付されております。参考資料として「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の概要」という1枚のスライドを添付しておりますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。資料に不足等がある場合は、事務局までお申し付けください。
また、本日の審議事項に関わる競合企業としては、先ほど説明した当日配布資料1に示す企業について、委員の先生方から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、その結果、審議会の参加規程に基づき、審議、議決に参加いただけない委員はいらっしゃいませんでした。以上、報告させていただきます。
○奥田部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入ります。まず、議題2、「JR-031を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」の審議を開始します。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題2、「JR-031を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」事務局より説明します。資料2です。
1枚目は諮問書になっております。その諮問書を1枚めくっていただくと、機構の事前評価報告書があります。まず、評価報告書の題名です。「希少疾病用医薬品」となっておりますが「医薬品」は誤記です。正しくは「希少疾病用再生医療等製品」です。1ページの中段を御覧ください。本品の名称はJR-031、予定される効能、効果又は性能は「表皮水疱症における潰瘍」、申請者はJCRファーマ株式会社です。
まず、表皮水疱症ですが、表皮水疱症は、皮膚の基底膜領域の接着関連分子の機能不全により、日常生活の軽微な外力によって水疱や潰瘍を生じる遺伝性の疾患です。本品は、健常成人の骨髄液から分離した有核細胞を拡大培養して得られるヒト間葉系幹細胞であり、潰瘍周囲に皮下投与を行うことで表皮水疱症による潰瘍の閉鎖を期待する再生医療等製品です。
希少疾病用再生医療等製品の指定に当たり、1点目として対象患者数が5万人以下、若しくは指定難病であること、2点目として医療上の必要性が特に高いこと、3点目として開発の可能性が高いことという三つの要件を満たす必要があります。それぞれについて、機構で事前に評価されておりますので、順に説明申し上げます。まず、事前評価報告書の1ページの中段辺りの対象患者数について御説明します。表皮水疱症は、指定難病であることから、基準を満たしているものと考えております。次に、2点目の医療上の必要性について、現在、表皮水疱症による潰瘍に対しては有効な治療法が存在せず、創傷被覆剤等による対症療法が望まれているのみであることから、新たな治療の開発が行われております。以上より、本品の医療上の必要性は高いと考えております。
2ページです。開発の可能性について説明します。本邦において、12か月以上持続する難治性潰瘍を有する表皮水疱症患者を対象に、本品の潰瘍部への皮下投与による有効性及び安全性を検討することを目的とした医師主導治験が実施されております。その結果、主要評価項目として、ここに記載されている潰瘍の改善が全6例中5例、部位で申し上げると16部位中の14部位で改善が認められたことから、本品の開発の可能性は高いと考えております。したがって、希少疾病用再生医療等製品の指定基準の3要件を満たしていると判断しております。本品の希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○奥田部会長 委員の皆様から、御質問、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。ある意味で、もう既に承認されているテムセルHS注の効能拡大と言っていいのかもしれないのですが、いかがでしょうか。一つだけ、もしこの形で再生医療等製品としてこの薬の開発が進んだとして、投与してしばらく置いてまた使うということを最終的には意図されるのでしょうか。1回投与して、それで完全にということではないのですよね。それとも、それで根治するということを期待しているのですか。
○事務局 事務局よりお答えします。本疾患ですが、先ほど説明したとおり遺伝性疾患ということで、根治するものではありませんので、再び使用される可能性があるものと考えております。
○楠岡委員 大阪大学でなされた医師主導治験は、恐らく、単回使用ということになるかと思いますが、複数回使用した場合の有害事象等に関しては、今後の承認後の安全性確認の中で行っていくという理解でよろしいのでしょうか。
○奥田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構からお答えします。今のデザインとしては、単回使用による有効性の評価ということで、結構良い成績が治験でも期待できるということです。再生医療の場合の反復の考え方なのですが、投与間隔がどれくらいになるのかというところで、医薬品のように非常に期間が短いものではない場合も想定されており、その場合は、単回の扱いで使用を認めるケースもあるかと思っております。今の治験の中での再び使用された場合に関しては収集しておりません。
○楠岡委員 大阪大学でなされたのは第II相試験で、今の法律ではここで有効性が承認されて安全性もある程度確保されれば、一旦、仮承認という状況となり、通常の第III相試験に相当するところは、その後の市販後臨床試験のようなものを組んで確認していくという制度と理解しています。その際に、例えばフォローアップの期間を5年と設定している間に、必ずしも複数回使用する例が出るとは限らないので、一つ一つは有効性・安全性は一つの使用に対してですが、2回目、3回目を使用した際に予想外のものが出るかどうかは、その後の5年間の経過期間中での安全性の確認の中でやっていくという考え方なのかというところをお聞きしたわけで、治験のプロトコルで複数回組むという話とはまた別です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございました。すみません。御質問の趣旨を余り理解していなかったかもしれません。実際の話は、今後、市販での使用の方法も含めて議論になると思います。市販後の収集の仕方については、将来的には議論になるのかと考えております。
○医療機器審査管理課長 今回に関してはオーファンの指定でありますが、先生の御指摘については、確かにそういう点は十分議論しなければいけない点だと思います。今後、申請が上がってきた段階でプロトコルを見ながら、御指摘のとおり、市販後に見るのがいいのかということを含めて、またここでも御審議いただかなければいけないということになるのだろうと理解しております。
○奥田部会長 御指摘ありがとうございました。ほかに何かございますか。
○横田委員 先ほどの資料の19/20ページに4例は3回投与が行われたとあるので、もう既に頻回投与もされていると思われます。
○奥田部会長 すみません。何ページでしょうか。
○横田委員 19/20と書いてあります。
○奥田部会長 ある程度、複数回投与を念頭に置いてということですか。
○医療機器審査管理課長 レジメンが、再投与が反復と混同している部分があります。申し訳ありません。投与レジメンとしては、何回か繰り返して、その後の成績を評価するということになっておりますので、その観察期間を終えて塞がらなかった患者に、また再投与するかどうかということと混同してしまいましたので、少し説明が悪かったかもしれません。
○奥田部会長 患部の何箇所かに投与するので、恐らくその回数と、レジメンが終わって次の回というのが混同されがちで、私の議論のマネージが悪くなっていたのかもしれません。この点について、ほかに御質問、御意見ございますか。もし御意見がないようでしたら、議決に移ります。JR-031ですが、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。議題2を終了いたします。
次に、議題3「AVXS-101を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」の審議に移ります。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題3、「AVXS-101を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」事務局より説明します。資料3です。
諮問書をおめくりいただくと、同じように機構の評価報告書があります。本品の名称はAVXS-101、予定される効能、効果又は性能は「脊髄性筋萎縮症(SMA)」、申請者はAveXis, Inc.となっております。申請者ですが、AveXis, Inc.がスイスのノバルティス社に買収されたことを受け、当日配布資料2に用意しておりますが、本邦の承認申請がノバルティスファーマ株式会社により行われる予定になるという報告を受けております。このため、利益相反の確認なのですが、AveXis, Inc.に加えノバルティスファーマ株式会社についても実施し、申請者を変更しております。
まず、対象疾患について説明します。脊髄性筋萎縮症、以下「SMA」と略しますが、SMAは、Survival Motor Neuron1(SMN1)遺伝子の機能欠損を誘発する変異によって、運動ニューロンの生存に必要なSurvival Motor Neuron(SMN)タンパクが欠乏することにより運動ニューロンの変性が生じ、四肢及び体幹の随意筋の萎縮を生じる常染色体劣性遺伝性の疾患です。
本品は、アデノ随伴ウイルス、以下「AAV」と略しますが、これの遺伝子改変ウイルスになっております。本ウイルスはAAVの増殖に必要なrep及びcap遺伝子を欠失させ、自己相補的にゲノムを複製する逆位末端反復配列の間にSMNタンパクの発現カセットを含むようにウイルスゲノムが改変されております。本ウイルスにより、SMAの根本原因であるヒトSMNタンパクをコードする遺伝子を導入して、SMAの治療を期待する再生医療等製品となっています。
1ページの中段の対象患者数について説明します。まず、SMAは指定難病であることから基準を満たしているものと考えております。次に、下段の医療上の必要性について説明します。発症年齢と最高到達運動機能によりI~IV型の四つの病型に分類されます。本邦では、病状の進展抑制を期待したヌシネルセンナトリウムが承認されておりますが、SMAに対して根治が期待できる治療法はなく、新たな治療法の開発が望まれております。以上により、本品の医療上の必要性は高いと考えられます。
続いて、2ページの下段です。開発の可能性について説明します。海外において最も重症のI型の患者を対象とした第I相試験が実施されております。その結果、本品が投与された15例の全例において永続的な呼吸補助が不要な状態で生後20か月に達しております。また、I型患者又は遺伝子診断された発症前の患者を対象とした二つの国際共同第III相試験を実施中です。このことから、本品の開発の可能性は高いと考えております。したがって、希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると判断しております。本品の希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○奥田部会長 それでは、委員の皆様から御意見、御質問を頂きたいと思います。核酸医薬品のヌシネルセンが承認されて、それとは違って根治が期待できる遺伝子治療製品ということです。先ほどI型について紹介がありましたが、最終的にはもう少し対象が広がった形で試験がされるのですか。開発の意図はどこまでを。
○事務局 事務局からお答えします。現時点で申請者から伺っている話では、説明しましたとおり、I型のSMAの患者をまず対象に開発を進めたいと聞いております。
○奥田部会長 こういうI型のようなものは、胎児のときに診断して、生まれると同時に治療を開始するようなことになるのでしょうか。
○事務局 事務局からお答えします。I型の場合は、かなり重い症状ということで、米国の試験結果からは早い段階での治療の方がいい効果が得られている傾向のようですので、患者は、早く治療されたいと御希望をされるのではないかと考えています。
○奥田部会長 委員の皆様から、特段の御懸念や御質問はございますか。特に御意見がないようでしたら議決を行いたいと思います。AVXS-101について、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。議題3を終了いたします。
次に、議題4、「KTE-C19を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」審議いたします。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題4、「KTE-C19を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」事務局より御説明いたします。資料4です。右側ピンク色の評価結果報告書のタブをお開きください。事前評価報告書となっております。1ページ中段ですが、本品の名称はKTE-C19、予定される効能、効果又は性能は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、及び高悪性度B細胞リンパ腫です。申請者は第一三共株式会社となっております。
本品目は、CAR-T療法と呼ばれているものです。まず、患者の末梢血からT細胞を取り出し、その表面にCD19に特異的なキメラ抗原受容体として、モノクロナール抗体の可変領域の軽鎖、重鎖や、細胞内シグナル伝達領域とを直列に結合させた単鎖抗体を遺伝子導入によって発現させた自己由来の遺伝子導入T細胞を体外で加工し、これを患者に戻すもので、当該細胞がCD19陽性細胞を認識して抗腫瘍効果を発揮するという製品となっています。
1ページ中段の対象患者数について御説明申し上げます。平成26年度の人口動態統計の患者調査における悪性リンパ腫の総患者数は64,000人と報告されています。この中でマル1びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マル2原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、マル3形質転換濾胞性リンパ腫、マル4高悪性度B細胞リンパ腫の患者数は、悪性リンパ腫のうちそれぞれ、マル1 45%、マル2 0.25%、マル3 0.2%、マル4 3%であると報告されております。そのためそれぞれマル1 28,800人、マル2 160人、マル3 130人、マル4 1,920人と推定されたことから、トータルの患者数は5万人未満という基準を満たしているものと考えております。
次に、2ページの上段からの、医療上の必要性について御説明申し上げます。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、それぞれの患者に対して、CAR-T療法等が実施されていますけれども、再発又は難治例に対する治療の効果は限定的で、新たな治療薬の開発が望まれています。そのことから、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
最後に2ページ中段からの、開発の可能性について御説明申し上げます。海外におきまして、それぞれを対象とした、第I/II相試験が実施されています。その結果、II相パートにおける主要評価項目とされた奏効率は81.5%でした。また本邦では、それぞれの疾患の患者を対象とした第II相試験が実施されています。以上により本品の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると判断しております。本品の希少疾病用再生医療等製品指定の可否について、御審議をよろしくお願いいたします。
○奥田部会長 委員の皆さまから御意見、御質問を頂きたいと思います。私から一つだけ確認です。第一三共株式会社からの申請ですが、この〇〇〇〇〇〇〇で行うとおっしゃったのですか。それとも〇〇〇〇〇があるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構からお答えします。この本品については〇〇〇〇〇のようです。
○奥田部会長 そうすると〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇して、そこで〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇ということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○奥田部会長 分かりました。いかがでしょうか。CAR-T療法ですが、〇〇〇〇〇〇〇〇が気になるのです。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇色々な懸念があるわけですが、それはどういう状態で〇〇するのか、そういうところは全てクリアして試験が行われているということですね。
○医薬品医療機器総合機構 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇に関しても、〇〇〇〇〇〇〇〇〇をとっていただいて、〇〇〇〇〇〇で、〇〇〇〇〇で確認もされ、〇〇〇に関しての〇〇〇の影響は事前に検討されているというのを確認しております。
○奥田部会長 委員の皆さまから、何か特段御懸念はありますか。御意見が特にないようでしたら議決に入りたいと思います。よろしいですね。KTE-C19について、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することでよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。これで議題4を終了します。
議題5、「JCAR017を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」の審議を開始いたします。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題5、資料5の「JCAR017を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」事務局より御説明申し上げます。資料5の右上の評価結果報告書のタグをお開きください。機構からの事前評価報告書です。こちらの1ページの中段、本品の名称はJCAR017、予定される効能、効果又は性能は、アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫、申請者はセルジーン株式会社となります。本品目は先ほどのKTE-C19と同様のCAR-T療法と言われるものです。
1ページ中段の対象患者数について御説明申し上げます。先ほどもKTE-C19でありましたが、悪性リンパ腫の患者数は合計64,000人と報告されています。その中でアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫に分類される主な組織型である、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、Grade 3bの濾胞性リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者は、悪性リンパ腫のうちそれぞれ45%、3.6%及び3%程度を占めると報告されています。以上から、アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫の患者数の合計は約33,000人と推定されることから、患者数5万人未満の判定基準を満たしていると考えます。
次に2ページ上段の、医療上の必要性について御説明申し上げます。アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫に対しては、CAR-T療法等が実施されていますけれども、再発又は難治例に対する効果は非常に限定的でして、新たな治療の開発が望まれていることから、本品の医療上の必要性は高いと考えております。
最後に2ページ下段からの、開発の可能性について御説明申し上げます。海外において、再発又は難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫の患者を対象とした第I相試験が実施されています。その結果、主要評価項目とされました奏効率は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、Grade 3bの濾胞性リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象としたコホートで、それぞれ73.9%及び60.0%でした。また、再発又は難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象とした本邦を含む国際共同第II相臨床試験が実施中です。
以上より、本品の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると判断しております。本品の希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○奥田部会長 ありがとうございました。委員の皆さまから御意見、御質問を頂きたいと思います。もう既に国際共同治験が走っているということです。
○森川委員 この申請と先ほどの資料4の申請とは内容的に非常に似ているとは思うのですけれども、有害事象の割合が少し違うように思うのですが、その辺は何か根拠があるものでしょうか。
○奥田部会長 事務局、いかがでしょうか。今の御質問は第一三共と比べて少しプロファイルが異なるようだという御指摘です。
○森川委員 はい、対象疾患が多少違うということなのか、あるいは、私が思ったのは、ウイルスベクターの違いなのかといいますか、そのサイトカインの放出などを考えると、そういうことなのかというところがもし分かればお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答させていただきます。委員より御指摘いただいた点、明確には現状で回答は持ち合わせておりません。今後、製造販売承認審査が行われた際には、安全性が他の剤とどういった違いが出て、かつ、その違いがある場合には、その原因についても検討させていただきたいと思っております。
○奥田部会長 そこは今後、審査の過程で明らかになればと思います。
○中岡委員 確認ですが、資料4の対象疾患の中の一部だけをターゲットにしたものが、今回の資料5の方と理解していいのですか。だとすると、今、森川先生が言われたように、少し有害事象が違うというのは何かしら気になるところではあると思うのです。
○医薬品医療機器総合機構 対象疾患としては、こちらのJCAR017の方が少し広くなっており、KTE-C19の対象はJCAR017の中の一部となります。
○奥田部会長 対象疾患に起因するのか、少ない症例の中の評価のばらつきなのか、若しくはウイルスベクター系なのかも、これは今後評価すべきポイントだろうと思います。
○中岡委員 もう1点。セルジーンは国内といいますか、自社の施設で作られるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 こちらも海外になっています。
○中岡委員 工場は海外ですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○奥田部会長 ほかに委員の先生方から御意見、御質問はいかがでしょうか。
○横田委員 CAR-T細胞療法は流行ではあるのですが、日本ではもう既にこれ以外の疾患で使われているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まだ承認されたものはありませんが、幾つかの他の疾患も併せて開発が同時になされている状況と認識しております。
○奥田部会長 ほかにこのCAR-T療法について御意見、御質問ございますか。特段ないようですので、議決に移ります。JCAR017について、本部会として、希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。これで議題5を終了いたします。議題6に入ります。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題6、資料6-1について、事務局から御報告いたします。資料6-1を御用意ください。「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」ということで、いわゆる「カルタヘナ法」ですが、カルタヘナ法では、ウイルスを含む遺伝子組換え生物等の治験等を目的として、特段の拡散防止措置を執らない使用等をする場合は、カルタヘナ法に基づいて承認された第一種使用規程に準ずる必要があります。また医薬品や遺伝子治療用製品等を製造するために、遺伝子組換え生物等を用いる場合には、カルタヘナ法に基づく一定の拡散防止措置を執った閉鎖された場所で使用することが必要です。これは第二種使用と申します。
まずは第一種使用規程の承認を行った品目について御報告いたします。資料6-1の2ページを御覧ください。今回御報告します第一種使用規程の承認を行った品目については、前回の部会の報告以降で、平成29年10月から平成30年7月までに第一種使用規程の承認を行った1品目となります。申請された本遺伝子組換え生物等については、平成27年3月30日付け、又は平成29年3月13日付けで既に第一種使用規程の承認を受けたものと同一のものとなっています。本申請は、現在実施中の臨床試験で得られたデータを踏まえて、新たに実施された生物多様性影響評価に基づいて、既に承認を受けた第一種使用規程の内容について、追加又は変更を行うために改めて申請されたものとなっています。本申請に関しては、機構での評価、学識経験者からの御意見を踏まえ、本申請における第一種使用規程に従って本遺伝子組換え生物の使用等を行う限り、生物多様性に影響を生じるおそれはないと判断いたしました。
続きまして、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について御報告申し上げます。次の3ページの一覧を御覧ください。こちらは前回の部会での報告以降で平成29年10月から平成30年7月までに第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目です。表にお示ししますように、合計22品目となっています。使用区分はカテゴリー1として4品目、GILSP相当として6品目、GILSPが12品目となっています。
機構の評価、学識経験者からの御意見を踏まえ、いずれの遺伝子組換え生物等についても執られる拡散防止措置は適切であると判断したものとなっています。事務局からは以上です。
○事務局 引き続き、農林水産省からの報告をいたします。
○農林水産省 農林水産省から御報告いたします。カルタヘナ法に基づく申請について、動物用医薬品の分野におきましては、本部会傘下の動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会、これは神田委員に座長を務めていただいているものですが、そちらの調査会で御審議を頂いた上で、農林水産大臣が第一種使用規程の承認若しくは第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認を行っております。
資料6-2を御覧ください。3ページが第一種使用規程の承認を行った品目で、1品目です。遺伝子組換え生物等の名称は、SLAM blind変異導入麻疹ウイルスHL株並びにSLAM blind変異及びEGFP遺伝子導入麻疹ウイルスHL株の2株です。申請者名は国立大学法人東京農工大学です。これらのウイルスは、麻疹ウイルスのレセプターSLAMへの結合部位に変異を入れたもので、感染性を弱めた麻疹ウイルスです。これら麻疹ウイルスの持つ腫瘍溶解性を利用してイヌの乳がんの治療に用いるものです。動物診療施設において、ウイルスの拡散を抑える形で使用されるものです。治療後は、ウイルスの排泄が否定された段階で飼い主にお返しすることになっております。これらウイルスについて、平成30年3月5日に農林水産大臣が第一種使用規程を承認しております。
続いて4~6ページを御覧ください。こちらが第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認を農林水産大臣が行った品目です。こちらについても過去の調査会で御審議を頂き、19品目について大臣確認を行っております。これらはほとんどが動物用ワクチンの抗原タンパクを製造するために第二種使用等を行うもので、その他、一部に遺伝子組換え生ワクチン株の第二種使用等があります。以上、御報告いたします。
○奥田部会長 資料6-1、資料6-2について、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。神田先生、特によろしいですか。
○神田委員 はい。
○奥田部会長 もし特段の御意見がないようでしたら、この議題6については御報告を頂いたということで、終了したいと思います。本日の議題は以上ですが、事務局から連絡事項等はありますか。
○俣野委員 議決が終わったところで申し訳ないのですが、念のため、議題4と議題5の製品の製造過程について確認させていただきたいのです。記載がされていないので、ないとは思うのですが、製造過程でフィーダー細胞を使うことはしていないという考えでよろしいのでしょうか。
○奥田部会長 事務局からいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構からお答えします。フィーダー細胞については使用しておりません。
○俣野委員 ないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○奥田部会長 ほかに追加の御発言はよろしいでしょうか。それでは、事務局から連絡事項等についてお願いいたします。
○事務局 本日も御議論いただきましてありがとうございました。次回の部会は既に連絡しているとおり、11月21日水曜日の17時から予定されています。場所はまだ決まっていませんので、追って連絡する予定ですが、厚生労働省近辺となる見込みです。よろしくお願いします。連絡事項は以上です。
○奥田部会長 これをもちまして再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
( 了 )
 

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

絡先:医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室 再生医療等製品審査管理室長 田中(内線4226)

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