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2017年10月11日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

○日時

平成29年10月11日(水)18:00~


○場所

新橋8E会議室


○出席者

出席委員(14名)五十音順

荒 川 義 弘、 小野寺 雅史、◎川 西   徹、○神 田 忠 仁、
楠 岡 英 雄、 斎 藤   泉、  佐 藤 陽 治、 杉 山    肇、
鈴 木 邦 彦、 中 岡 竜 介、 俣 野 哲 朗、 森 尾 友 宏、
森 川 裕 子、 横 田 恭 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人1名

欠席委員(3名)五十音順

大 隅 典 子、 坂 本 研 一、 野 口 貴公美、

行政機関出席者

宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
森  和  彦 (大臣官房審議官)
山 本  史 (医薬品審査管理課長)
中 井 清 人 (医療機器審査管理課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
宇 津  忍 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
木 下 勝 美 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
猿 田 克 年 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので「薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、御多忙の中、またいささか遅い時間からのスタートの会議に御出席いただきまして、まことにありがとうございます

 本日の委員の出席状況でございますが、大隅委員、坂本委員、野口委員より御欠席との御連絡をいただいております。また、鈴木委員からは少し遅れて御到着との御連絡をいただいております。本日は、現在のところ、当部会委員数17名のうち、13名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 また、本日は審議事項議題1に関連いたしまして、国立感染症研究所感染病理部主任研究官の飛梅実先生を参考人としてお呼びしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、事務局に人事異動がございましたので御報告させていただきます。

 まずは、7月に厚生労働省医薬・生活衛生局長として宮本が着任しております。一言御挨拶を申し上げさせていただきます。

○医薬・生活衛生局長 この7月の厚生労働省の夏の異動で医薬・生活衛生局長を拝命いたしました宮本でございます。よろしくお願いいたします。5年ぶり3回目の医薬局勤務ということになりまして、この部会では再生医療等製品、それから、生物由来製品ということで、割とホットなところをいろいろと御審議をお願いしなければいけないと思っております。

 また、先生方にいろいろとお世話になると思います。大変恐縮ですが、どうしてもいろんな事情でこういった時間に開くこともこれからも多々あるかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。

○医薬品審査管理課長 そのほかの事務局でございますが、医療機器審査管理課長の中井でございます。PMDA審議役の木下でございます。PMDA安全第一部長の上野でございます。PMDA安全第二部長の近藤でございます。最後、私は医薬品審査管理課長の山本でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、部会を開始させていただく前に、事務局から1点御報告がございます。当日配付資料No.1という2枚組みの資料をお手元にお寄せいただければと思います。

 1ページをごらんください。6月29日付プレスリリースとなっております。本件につきましては、まず薬事分科会の委員、臨時委員、専門委員に関しましては、薬事分科会規程第11条に基づきまして「在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。

 今般、薬事分科会の部会に所属していた臨時委員につきまして、医療機器製造販売業の許可を取得している企業の役員に就任されていたことが判明したため、当該委員には辞任をいただいた上で、6月29日に本事案を公表し、同日に開催した薬事分科会にも御報告をさせていただいたところでございます。

 続きまして、同じ資料の2ページ、裏面をおめくりいただければと思います。

 ただいま御説明いたしました事案を踏まえ、薬事分科会の全ての委員等を対象に、改めて薬事分科会規程への適合状況を確認させていただきました。

 その結果、新たに臨時委員2名が、薬事に関する企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任していたことが判明いたしましたため、当該委員2名には辞任いただいた上で、7月31日にやはり本事案を公表させていただいております。

 なお、本部会においては規程に抵触する先生はいらっしゃいませんでした。

 委員の先生方におかれましては、お忙しい中、確認作業への御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。改めて感謝申し上げます。

 以上につきまして、9月28日に開催されました薬事分科会に改めて御報告し、今後の再発防止策として、薬事分科会の委員等就任時及び会議開催時に、薬事分科会規程の適合状況を書面に御署名いただく形で御申告いただくこと、その際には、本日の配付資料の3ページにございますような申告様式で申告いただくことについて、御了解をいただきました。

 本件につきましては、先日、委員の先生方にあらかじめメールにて御連絡を差し上げているところでございますが、本部会におきましても次回の部会より運用を開始させていただく予定としておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 また、例えば「薬事に関する企業」とは実際どのような企業が該当するのか、あるいは寄附金・契約金等の申告に関する詳細なルールなど、規程がわかりにくいという点もあろうかと思われますので、そういった点も含めまして、重要事項につきましては、事務局より改めてわかりやすく御説明をさせていただいたり、注意喚起をさせていただくなど、薬事分科会の適切な運営に引き続き努めてまいりたいと考えております。

 委員の先生方には御負担をおかけすることになりますが、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、規程の遵守に何とぞ御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

○事務局 続きまして、本日の議題の公開・非公開の取り扱いについて、御説明いたします。

 本日は、議題1については審議を公開で行い、議題2については企業情報に関する内容が含まれるため、非公開とさせていただきます。事務局からの説明は以上でございます。

 以後の進行につきまして、川西部会長、よろしくお願いいたします。

○川西部会長 それでは、まず事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する利益相反に関する申し出状況について報告をお願いします。

○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しております。

 また、議事次第に記載されている資料No.1-1~1-3、資料No.2-1から2-3及び参考資料No.1~4をあらかじめお送りしております。

 このほか、当日配付資料として、参考資料No.5「OIEBSEリスクステータスの状況」。

 参考資料No.6「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の概要」。参考資料No.7「遺伝子組換え生物等の産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置」。参考資料No.8「カルタヘナ法の確認・承認手続の運用改善」を配付しております。資料に不足等がございましたら、お申しつけください。

 続きまして、本日の部会における利益相反の関係について報告いたします。

 委員の皆様から、寄附金・契約金等の受け取り状況を御申告いただいておりますが、本日の審議事項は薬事分科会審議参加規程第18条に定める「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当いたしますので、いただいた申告書を部会後に厚生労働省のホームページ上で公開することをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。委員からの申し出状況については以上でございます。

○川西部会長 今の事務局からの説明に何か御意見等はございますでしょうか。

 ないようでしたら、皆様に御確認いただいたものとして、今日の議題に入りたいと思います。

 それでは、議題1「生物由来原料基準の一部改正について」に入りたいと思います。

 まず、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題1、資料No.1-1「生物由来原料基準の一部改正について(案)」を事務局より御説明いたします。

 まずは資料の1ページをごらんください。「1 生物由来原料基準について」ですが、この基準は、医薬品、医療機器等法第42条に基づき、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に使用される、人その他の生物に由来する原料等について、製造に使用される際に講ずるべき必要な措置を定めたものです。

 また、二つ目ですが、ウシ等の反芻動物に由来する原料等については、基準第4の1の反芻動物由来原料基準において使用不可能な部位や使用可能な原産国を定めており、それに適合しない原料等を用いた医薬品等の製造販売を原則禁止しております。

 続いて「2 改正の背景」ですが、平成28年度日本医療研究開発機構(AMED)の医薬品等規制調和・評価研究事業において、ウシ等由来原料に関する伝達性海綿状脳症(TSE)のリスクに関する情報収集を行いまして、反芻動物に由来する一部の臓器のリスク評価及びそれを原料等として用いる際のリスクについて、最新の科学的知見が取りまとめられたことから、その結果を踏まえて基準を改正するものです。

 このAMED研究班は、本日お越しいただいております国立感染症研究所の飛梅先生に座長を務めていただいたもので、資料No.1-3としておつけさせていただいているものがその報告書になります。

 この研究班の報告書の概要につきましては、資料No.1-1の3ページの左上に(参考)とお示ししておるもので御説明いたします。

 まず本研究では、ウシの脾臓と胎盤について検討がなされております。この背景を御説明いたしますと、これは反芻動物由来原料基準の部位規制については、平成12年にBSEに係る国と部位による規制を開始して以降、部位規制に関しては緩和を行っていないところですが、資料にも冒頭に記載させていただいておりますとおり、平成22年(2010年)にWHOTSEの臓器別感染性分布表を発行するとともに、平成23年(2011年)に欧州EMAも、このWHO分布表に基づき規制の見直しを行う告示を発出いたしました。

 これらの報告書については、参考資料No.2、参考資料No.3として添付しておりますが、そういった海外での動きの中、医薬品や化粧品の原料等としての使用ニーズ、特にウシ脾臓に関しましては、生物由来原料基準の例外規定に基づき、既にバイオ医薬品の細胞培養工程で培地成分として用いられているという状況を踏まえまして、ウシ脾臓、胎盤について検討がなされたものです。

 なお、欧米ではウシ脾臓、胎盤については医薬品等の原料等としての使用は制限されておりません。

 前置きが長くなりましたが「1 ウシ脾臓について」は、先ほど申し上げましたWHO報告書ですとか欧州委員会告示において、ウシ脾臓は低感染性臓器に分類され、感染性及びプリオンの存在は指摘されておりませんが、BSEに特徴的な臨床症状を呈したウシにおいては、従来法より極めて高感度のプリオン検出方法を用いた手法では、プリオンが検出されたとの報告もございます。

 そのため、原料として用いられるウシ脾臓は、OIE(国際獣疫事務局)基準により「無視できるBSEリスク」に認定された国の、健康ウシから採取されたものであることが確認できる必要がある。また、脾臓を原料に用いる医薬品等の製造工程においては、プリオンの濃縮・増幅過程を有さないことが必要であるとされております。

 また「2 ウシ胎盤について」ですが、同じくWHO報告書及び欧州委員会告示においては、ウシ胎盤は低感染性臓器と分類されており、感染性は試験されておらず、プリオンの存在は指摘されていないほか、ほかの科学論文等でもウシ胎盤の感染性及びプリオンの存在を明らかにしたものはありません。

 しかし、TSE報告書及び告示では、ヒツジ、ヤギ、シカ及びエルクにおけるTSEでは胎盤に感染性やプリオンの存在が指摘されている。またヒトTSEにおいても胎盤には感染性を有するとの報告もあることから、ウシ胎盤の使用については、一定の監視・管理措置が必要と考えられる。

 そのため、ウシ胎盤の使用に当たっては、OIE基準により「無視できるBSEリスク」に認定された国の、健康ウシから採取されたものであることが確認できる必要があるとされたところです。

 これを踏まえまして、戻っていただきまして、資料No.1-1の1ページの「3 改正の内容」でございます。現在、反芻動物由来原料基準で、医薬品等の原料等に用いてはならないとされているウシ由来の脾臓、胎盤のうち、国際獣疫事務局(OIE)において、国際的なBSEの安全性格付(BSEステータス)の最上位である「無視できるBSEリスク」の国等に認定された原産国のものについて、適切なトレーサビリティーを前提として使用可能とすることを考えております。

 次のページをお願いいたします。具体的には、ウシ由来の脾臓及び胎盤を医薬品等の原料等として使用可能とする基準の改正を行おうと考えておりまして、その改正案は資料No.1-2として具体的にお示ししております。なお、先ほど言及いたしました、反芻動物由来の原料等を用いる際の原産国の規定ですとかトレーサビリティーの確保に関する要件に関しては、生物由来原料基準の第4の1の反芻動物由来原料基準(2)(3)において既に規定しております。

 こちらにつきましては、参考資料No.1に生物由来原料基準をお示ししておりまして、こちらの10ページ及び11ページ、今回の改正対象は反芻動物由来原料基準の(1)ですけれども、先ほど申し上げました原産国の規定に関しましては(2)、トレーサビリティーに関しては(3)の方に既に規定しておりますので、こちらの規定を遵守していただく形になると考えております。

 資料No.1-1の「4 今後のスケジュール」ですけれども、本日の本部会で御審議いただき、改正を可としていただいた場合には、パブリックコメント等の所定の手続を実施させていただくこととしております。

 御説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 なお、重複の御説明になりますけれども、本議題では、AMED研究班の座長であります飛梅先生に参考人としてお越しいただいております。

○川西部会長 ありがとうございます。では、今、御説明いただいたものの質疑応答の前に、いらしていただいている参考人の飛梅先生の方から、まず本議題について、報告書の件も含めて、御説明をお願いしたいと思います。

○飛梅参考人 今、御紹介にあずかりました感染症研究所の飛梅と申します。よろしくお願いします。

 私の研究班では、石井先生を班長とします「バイオ医薬品の安全性評価・品質管理に関する研究」の分担研究として「ウシ由来臓器の規制見直しに係る研究班」という議題で、この報告書をまとめさせていただきました。

 この報告書の内容ですけれども、先ほど説明がありましたウシ、反芻動物由来原材料の規制に関しましては、平成15年の原材料基準において、ア~ツの各臓器が規制されております。これは現在まで見直しはされておりませんが、一方、海外、欧州、それから、アメリカ等においては3段階の評価を行って、感染性が高いもの、中程度、ないものという分類をして評価を行っております。我々の国では、これが一緒くたになっておりますので、それらの個別臓器の評価を行って、その臓器に対して使用可能であるのかどうかという判断を行いました。

 その判断の基準ですけれども、まずはWHOEMAの報告書を参考としまして、それらのリファレンスとされている論文を精査すること。それから、それらで引用されていない論文等も全て収集しまして、個別の調査を行いました。この中ではウシの胎盤、それから、脾臓について個別の調査をしております。

 まず脾臓に関してですが、WHOEMAの報告書では、ウシ脾臓においてプリオンの感染性、それから、存在というものは報告されておりません。しかし一方、最近の科学的な論文においては、BSEを発症したウシにおいては微量のプリオンが検出されているという報告があります。それらの論文等も全て精査いたしまして、本研究班の結論としましては、発症牛でのみ認められるということから、採取する動物の生体検査等を義務づけることで、採取された臓器の安全性は十分確保できるであろうという結論に至っております。

 次にウシの胎盤に関してですけれども、こちらの方は科学的な論文、それから、WHOEMAの報告書では、感染性が存在する、またプリオンが見つかったという報告は、ウシに関しては存在しておりません。ただ一方、ヒト、それから、ヒツジ、エルク等、そういうものでは見つかっております。ただ、これらの問題に関しましては、感染個体へのプリオンの臓器分布というものはプリオンの種類、それから、宿主動物によって規定されるということが報告されておりますので、ウシの胎盤に関しましても生体検査等を行い、トレーサビリティーを確保することでそのリスクを回避できるものというふうに結論づけております。以上でございます。

○川西部会長 ありがとうございます。

 それでは、委員の先生方から、事務局からの説明、それから、飛梅先生からの御説明・御発言について、何か質問あるいはコメントがございましたらお願いします。いかがでしょうか。どうぞ。

○俣野委員 飛梅先生に確認なのですけれども、先ほどの御説明で、ウシの方の話で、発症しているウシのみでプリオンは検出されるという御説明に一応なっているかと思うのですが、そのウシが発症する前の段階にはプリオンが存在しないという説明になるのでしょうか。

○飛梅参考人 現行、マウス等を用いたバイオアッセイよりも1,000倍以上、高感度のPMCA法というものが存在するのですけれども、それらの高感度法をもってしても発症前のウシからは一切見つからない。実際、全くないかと言われると、そのあたりはわかりません。

○俣野委員 論理的には、恐らく発症していたらプリオンができるというふうには考えにくいと思われるのですけれども、そうではないのですか。つまり発症前の時点で、要するにプリオンが原因で発症するというふうに考えるのが一般的だと思うので、そうすると、発症前にプリオンがやはり体内に存在すると考えるのが論理的ではないのでしょうか。

○飛梅参考人 多分、ウシの場合、最初に蓄積する部位というか、メーンで蓄積する部位は脳でありまして、そこから非常にふえたものが末梢の方に移動するという考え方もできるとは思います。

○川西部会長 よろしいですか。

○俣野委員 はい。一応質問させていただいているのは、現実的な確率論とか、あるいは検出レベルの話になってくると思うのです。私は専門ではないので、そこに関してどこで線を引くかということに関して、なかなか委員として判断が難しいので、いろいろお伺いしている次第です。

○飛梅参考人 では、1点補足させていただいてよろしいですか。

 今、説明しましたPMCA法の感度の比較はトランスジェニックマウスと比べた場合です。ウシのプリオン正常型たんぱくを発現したマウスですので、ヒトの感受性と同等以上と考えられているのですけれども、それで検出される1,000倍以上の感度を持っています。その1,000倍以上の感度というのは、それを全量、マウス等に打ったとしても発症しないレベルと考えられていますので、発症したウシの脾臓にプリオンが存在したとしても、現実的には発症には不十分な量であると考えています。

 ただ、存在した場合の安全マージンを考えまして、脾臓を使う場合には濃縮過程を有さないという条件を一つつけ加えております。

○川西部会長 よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。

 きょうの本題とは少し違うかもしれないのですけれども、この報告書、資料No.1-3の5ページの6)のところで、今の御説明で私は一つお尋ねしようとしたことが何となくわかったのですが、二つ目に「又、化粧品は」という最後の文章で「長期投与を考慮した製品管理が必要である」と書いてありますけれども、これは何を言おうとしたのか。どういう製品管理が、これは化粧品に関して言及しているので、多分、今日のお話と直接結びつくことではないのですが、このメッセージは何を言いたいのかと思ったのです。

○飛梅参考人 この化粧品で「長期投与を考慮した製品管理が必要である」と一文加えておりますけれども、これは一般的な考え方として、化粧品の場合は非常に気に入ったものを長期間同じものを使い続けるということで、製造業者等には特段の注意が、医療品と同等の注意を促したいということになります。

 ただ、経口投与、それから、注射等で体内に直接入れるものよりも経皮投与の方が非常にリスクが低いということは証明されております。

○川西部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。

 私からもう一つ、胎盤に関してはいろいろ使われているということもあって、脾臓というものを今回特段に扱っているように私には見えるのですけれども、これは何か製品とのリンク、実際に今、医薬品、それから、こういう再生医療等製品含めて、そういうことから考えて、ここで脾臓というものをとりあげて対象にしたのは何か理由がございますか。

○事務局 事務局の方からお答えさせていただきます。

 御質問に関しまして、川西先生がおっしゃったとおり、既に使用されているものがあるというのが答えになりまして、これは具体的には、先ほどの御説明でも申し上げたのですけれども、バイオ医薬品の細胞培養の工程でウシ脾臓由来成分が用いられているというものが一部の製品でございます。

 これに関しましては、生物由来原料基準の反芻動物由来原料基準、具体的には参考資料No.1の11ページの(4)に例外規定として、治療上の効果がそういった制限されている原料等を用いることによるリスクを上回る場合その他必要な場合について、やむを得ず使用する場合にあっては、その妥当性について、承認書に記載することをもって例外的に使用するというところをもって、ウシ脾臓について一部、先ほど申し上げたような用途で使われている。そういった使用ニーズを踏まえまして、脾臓について検討していただいたというものが今回のものでございます。

○川西部会長 ということは、この二つが比較的使われているという実態に合わせて選んだということになるわけですね。

○事務局 そうです。脾臓については使われていて、胎盤も含めてニーズが高いであろうというところで今回議論していただいたところです。

○川西部会長 ありがとうございます。ほかに何かございますか。どうぞ。

○小野寺委員 後学のために教えてほしいのですけれども、日本とか欧州とか米国で結構部位が違いますね。例えば腸とかリンパ節とか、こういうものは実際問題としてプリオンというものは存在していると考えるものなのでしょうか。

○飛梅参考人 腸に関しましては、これは特定危険部位と呼ばれまして、回腸遠位部に関してはプリオンが蓄積する部位だと認識されております。実際、日本で見つかりましたBSEのウシからも、回腸遠位部等からプリオンは検出されております。

○小野寺委員 リンパ節は如何でしょうか。

○飛梅参考人 リンパ節に関しましては、これは全てのリンパ節というわけではないので、一概にどのリンパ節が危なくてということは、今のところは言えないです。

○川西部会長 ほかにございますか。

 もう一つは、欧米と比べると少なくとも日本はまだ、今回、この二つについて、こういう扱いにしましたけれども、まだ使うべきではないという部位が多いですね。今後の流れとしてはどうなのでしょうか。

○事務局 先生御指摘のとおり、欧米で使用禁止とはされていなくて、日本では使用を禁止されている部位がまだ一部あるところではございますけれども、今回、研究班において、先ほど申し上げた使用実態ですとか国際規制調和の観点から、脾臓、胎盤について検討いただいたところです。

 ほかの臓器については、現時点では検討はしていないところなのですが、例えば業界さんとの意見交換の中で要望が聴取されたなどの場合については必要な検討を行ってまいりたいと思っております。

○川西部会長 わかりました。それでは、特にほかにないようでしたら、一応、これは多分、審議事項に当たる扱いかと思いますので。どうぞ。

○鈴木委員 少し遅れて来たので説明を聞いていない部分もあると思うのですけれども、脾臓と胎盤が特にということはニーズがあるということなのでしょうが、具体的にはどういうものに使われているのか、教えていただけますか。

○事務局 ウシの脾臓に関しましては、繰り返しの御説明になって恐縮なのですけれども、バイオ医薬品の製造工程における細胞培養時の培地の成分として用いられているところでございます。胎盤については、現時点でウシのものが用いられている製品はないのですが、例えば化粧品とかで使用ニーズがあるのではないかと思っております。

○鈴木委員 済みません。ありがとうございました。

○川西部会長 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、この生物由来原料基準の一部改正について、これからパブリックコメントという段のようですけれども、パブリックコメントに進むということをお認めいただいたということでよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○川西部会長 では、お認めいただいたということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

 それでは、以降の議題は非公開とさせていただきますので、傍聴者の皆様には御退席いただきますようにお願いします。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を再開したいと思います。

(傍聴者退室)

(飛梅参考人退室)

○川西部会長 それでは、再開したいと思います。

 では、議題2。これはカルタヘナ関係の案件と思いますが、まずは機構の方から説明をお願いします。

○機構 それでは、議題2につきまして機構より御説明いたします。

 報告事項としまして、第一種使用規程の承認を行った品目と第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目の二つがございますので、まずは第一種使用規程の承認を行った品目について御説明いたします。

 それでは、資料No.2-2の1ページの表をごらんください。今回御報告します第一種使用規程の承認を行った品目については、前回の部会の報告以降で平成29年6月から平成29年9月までに第一種使用規程の承認を行った1品目となります。申請者は、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社。品目名は、二つのγ34.5遺伝子及びα47遺伝子を欠失し、二つのγ34.5遺伝子領域にヒト顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子をコードする配列が挿入されたJS1株に由来する遺伝子組換え1型単純ヘルペスウイルスとなります。

 使用目的は、再生医療等製品として、がん患者に対する遺伝子治療の用途での使用が予定されております。

 なお、申請されました本遺伝子組換え生物等につきましては、平成2712月3日付で既に第一種使用規程の承認を受けたものと同一のものとなります。本申請は、承認を受けた第一種使用規程において、患者検体の取り扱い等に係る規定を一部変更することとしたため、改めて申請されたものとなります。

 それでは、次に資料No.2-3をごらんください。この資料は、本申請における機構の審査の結果をまとめた結果通知書となります。

 まずは、2ページをごらんください。中ほどに第一種使用規程の変更に至った経緯を記載しております。現在、本遺伝子組換え生物等を使用して国内で治験が実施されていますが、この治験においては最長で2年間、本遺伝子組換え生物等の投与が継続されます。その間、投与された患者によっては当該治験以外に医療機関において一般診療を受けることがあります。その際の本遺伝子組換え生物等を含む臨床検査検体等の取り扱いについて、第一種使用規程等に変更・追加がなされたものとなります。

 次に、3ページをごらんください。現在承認されています第一種使用規程からの変更箇所につきましては、中ほどに示した下線部となります。具体的には患者等の管理、患者検体の取り扱いとなります。

 まず、患者検体の取り扱いについて御説明いたします。これまでは治験実施施設のみで患者から採取された検体を取り扱う規定でしたが、本申請において(9)に示しますように、治験実施施設以外の医療機関を含む全ての医療機関及び外部の受託検査機関においても、本遺伝子組換え生物等を含む可能性のある検体を取り扱うことが可能となる規定に変更されました。その際、外部の受託検査機関での取り扱いが可能となる患者検体としましては、本遺伝子組換え生物等の注入部位や注入部位の腫瘍に由来する検体を除く検体とすることが規定されました。

 また、治験実施施設以外の医療機関や外部の受託検査機関での検体の取り扱いに際しては、患者検体が本遺伝子組換え生物を含む可能性があることについて適切に情報提供を行うことが重要となります。そのため、患者等の管理で(8)に示すよう、治験実施施設以外の医療機関の受診に当たっては、遺伝子組換え生物等が投与された患者であることが情報提供されるよう、患者への指導を行う旨に係る新たな規定が設けられました。

 また、患者検体の取り扱いの(10)においても、外部の検査機関に対しては遺伝子組換え生物等が投与された患者に由来する検体である旨の情報提供が記載されるとともに、運搬時には遺伝子組換え生物等が拡散しない容器を使用することについても新たに規定が設けられました。

 次に、本申請における専門協議の要旨について御説明いたします。7ページをごらんください。

 まず、本申請に係る専門委員については、表に示したとおり、5名の委員となります。

 本専門協議における主な議論につきましては、7ページ下段から8ページの中ほどに示しておりますので、ごらんください。

 本申請での患者の血液や尿等の一般的な臨床検体の外部試験機関での取り扱いを想定しているため、専門協議では、委託される外部の検査機関で取り扱うことができる検体の範囲として、一般診療において取り扱う可能性がある検体のうち、本遺伝子組換え生物等が高い濃度で含まれる可能性がある注入部位や注入部位の腫瘍に由来する検体を除いたものとすることについて適切か否かについて議論されました。

 その結果、一般診療において取り扱う検体のうち、本遺伝子組換え生物等の注入部位や注入部位の腫瘍に由来する検体を除けば、最も感染リスクが高い検体は血液となります。本申請において提示された血液中のウイルス量及び感染性の評価データ並びに本遺伝子組換え生物等の性質を踏まえまして、検体の感染リスクは極めて限定的と考えられることから、検査機関における感染防止対応の一般的な規程に従う限り、検体を介した伝播や生物多様性の影響の懸念は低いと判断いたしました。

 以上より、機構は本申請における第一種使用規程に従って本遺伝子組換え生物等の使用を行う限り、生物多様性に影響が生じるおそれはないと判断いたしました。

 引き続きまして、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について御報告いたします。

 少し戻っていただきまして、資料No.2-2の2ページをごらんください。前回の部会での報告以降で平成29年6月から平成29年9月までに第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目は、表に示します4品目となります。

 使用区分は、カテゴリー1として3品目、GILSPとして1品目となります。

 機構において専門委員との協議を踏まえ、いずれの遺伝子組換え生物等についても、とられる拡散防止措置は適切であると判断いたしたものです。議題2につきましては以上となります。

○川西部会長 ありがとうございます。これの取り扱いとしては、この部会は1年前ぐらいですか。結局、それまではカルタヘナの、ここでも審議しているものがございましたけれども、今は機構の方の専門協議で実際には審議していただいて、それを報告していただくという位置づけかと思いますので、今の御報告について何か御質問あるいは御意見、ここの部会の委員の中で専門協議で入られている先生方もおられますから、そういう意味で追加でも結構ですし、何かございますでしょうか。特にはございませんか。

 それでは、今の報告いただいたことについては、この部会でも確認させていただいたという扱いにさせていただければと思います。それでは、これで議題2を終了します。

 本日の議題は以上ですけれども、委員の先生方から何かございますか。

 ないようでしたら、事務局の方から何か連絡等々はありますでしょうか。

○事務局 次回の部会につきましては、日程調整の上、御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。連絡事項は以上です。

○川西部会長 それでは、これをもちまして、本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会します。遅くまでどうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

絡先:医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室 再生医療等製品審査管理室長 柳沼(内線4226)

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