ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会献血推進調査会)> 薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会平成30年度第2回献血推進調査会 議事録(2018年10月18日)

 
 

2018年10月18日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 血液事業部会
献血推進調査会  議事録

 

○日時

平成30年10月18日(木)15:00~

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
 

○出席者

出席委員(9名)五十音順

○衞 藤    隆、    大  平   勝  美、    竹  下   明   裕、  田   中   里   沙、 
 長   島   公  之、   根  岸   久美子、   花  井   十   伍、  村   井   伸   子、
 山 本  シュ ウ
 (注) ○委員長
    
     欠席委員(5名)五十音順
  柑 本  美 和、   田  中  純   子、   中  澤    よう子、 西   山   翔  太、   
  矢 口  有 乃

 

日本赤十字社

   瀧川経営企画部次長、鹿野経営企画部参事、早坂経営企画部献血推進課長
 

行政機関出席者

   石 川  直 子(血液対策課長)
   山 本  隆 太(血液対策課長補佐)

 

○議事


○石川血液対策課長 定刻を過ぎましたので、ただいまより薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会平成30年度第2回血液推進調査会を開催します。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。まず委員の出欠状況ですが、柑本委員、田中純子委員、中澤委員、西山委員、矢口委員から欠席との御連絡を頂いております。現在、委員14名中9名の方の出席を頂いております。また、本日は日本赤十字社血液事業本部経営企画部より瀧川次長、鹿野参事、早坂献血推進課長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。事務局は、この夏に人事異動がありましたので御報告します。申し遅れましたが、私は7月31日付けで着任しました血液対策課長の石川です。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告します。薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定をしております。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告いたします。
 次に、本日御出席いただいた委員の方々の本年度を含む過去3年度における関係企業からの寄附金、契約金などの受取状況を報告いたします。本日の検討事項に関して、薬事分科会審議参加規程に基づいて、利益相反の確認を行いましたところ、対象年度における寄附金、契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はありません。これらの申告につきましてはホームページで公開させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。
 最後に、審議会資料のペーパーレス化について御説明します。現在、厚生労働省では審議会のペーパーレス化に取り組んでおりまして、本調査会におきましても、今回からタブレットを活用し、ペーパーレスとさせていただきます。タブレットの使用方法については、これから事務局から説明をさせていただきます。
○事務局 事務局の大山です。よろしくお願いいたします。私のほうからタブレットの使用方法について説明いたします。机上にタブレットのほかに、「ペーパーレス審議会 タブレット操作説明書」と記載のある用紙を配布しておりますので、こちらの用紙もお手元に御用意いただきまして、併せて御確認いただければと思います。
 まず初めに、お手元のタブレットの画面上に本日の資料、①議事次第から⑬参考資料2までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。資料が表示されていない場合や資料に不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けいただければと思います。よろしいでしょうか。
 続いて、資料の閲覧方法を御説明します。例として、⑤資料1-1というファイルを指又は配布しているタブレット用のペンで軽くタッチしていただければと思います。タッチしていただくと画面に資料が表示されます。資料のページをめくる際は、画面に指を置いていただきまして、指を上に動かすとページが進んで、下へ動かすとページが戻るようになっています。また画面に指を2本置いていただいて、2本の指を開いたり閉じたりすることで、表示内容を拡大又は縮小表示することができます。注意点になりますが、今回御使用いただくタブレットは、2つのファイルを同時に開いて閲覧することはできませんので、別の資料を閲覧したい場合は画面左上に表示されているマイプライベートファイルというボタンを押して、再度、資料一覧から閲覧したい資料をタッチしていただければと思います。その他の操作方法については、操作説明書に記載しておりますので、適宜御参照いただければと思います。なお、本調査会においては、初めてのペーパーレス化となりますので、今回は紙の資料一式も机上に配布しております。また7月に開催した献血推進調査会の資料も参考として置かせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。会議中タブレットの使用方法に御不明な点等ありましたら、お近くの職員にお申し付けいただければと思います。タブレットの使用方法の説明は以上です。
○石川血液対策課長 なお、座席表については、本日、柑本委員が急遽欠席とのことですので、柑本委員のお名前が入ったままになっておりますが御了承ください。またモニターの関係で、我々事務局のほうが上座になっておりまして大変失礼いたしました。事務局からの説明は以上です。以後の進行は衞藤座長にお願いいたします。
○衞藤座長 それでは議事に入ります。議題1、平成31年度の献血の推進に関する計画(案)についてです。事務局より説明をお願いします。
○山本(隆)血液対策課長補佐 資料1-1から1-3までと、参考資料1-1から1-4まで、これらを用いて説明いたします。
 資料1-1は、平成31年度の献血の推進に関する計画(案)についての概要です。「1.趣旨」、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法の第10条第1項の規定に基づいて、厚生労働大臣は毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めるとされております。このため、今般は平成31年度の献血の推進に関する計画を定めるというものです。献血推進計画と略して呼んでおります。「2.内容」ですが、血液法第10条第2項で、献血推進計画に記載する項目が定められております。まず第1、当該年度、平成31年度になりますが、献血により確保する血液の目標量。第2、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項。第3、その他献血の推進に関する事項。法定項目として、これについて記載することとされております。
 7月に当調査会で御議論いただいた平成29年度の献血の実施状況などを含めて、平成31年度の献血の推進計画を定めるということになります。以下、平成30年度、現行の推進計画との変更点を簡単に記載しております。1つ目のポツ、全体を通じて項目と重複記載などを整理しております。別添参照と書いておりますが、この後説明をいたします。次のポツです。第2の項、当該目標量を確保するために必要な措置に関する事項です。この項では、採血事業者による献血者の利便性のための取組について、具体的な内容を追加しております。もう一点は、今般、この血液法に基づいて、基本方針を改正する作業をしております。この改正を踏まえて第3の項、その他献血の推進に関する重要事項の項目に、「献血者の意思を尊重した採血の実施」を書いております。いずれも追ってこの後説明いたします。
 調査会後の手続きですが、「薬事分科会における確認事項」におきまして、献血推進計画は血液事業部会で審議、薬事分科会に報告をするという整理をしております。まずはこの調査会で調査審議を頂いた後、血液事業部会における審議を経て、最終的に薬事分科会に報告をしていくという手続を踏みます。スケジュール的には、来年の3月下旬に告示して、4月から適用していきたいというスケジュールです。次のページには参照条文を付けておりますが説明は省略します。
 3ページ、別添、項目を整理したと先ほど御説明しましたが、この内容を整理して書いております。右側の平成30年度の現行の計画に対して、左側が、御審議いただく平成31年度の計画案です。この献血推進計画というものは、血液法の基本方針に基づいて作成されております。その基本方針というのは5年ごとに見直しを行うこととされています。平成26年度から平成30年度の献血推進計画は、今から5年前、平成25年に見直された基本方針に基づいて作成されております。この5年間で様々な内容が順次推進計画に追加されてきました。その結果、同じ趣旨のことを違う言葉で別の項目に書くなど、大分、重複記載が多くなってきているので、これらを見直すとともに、重複の記載を整理したいというものです。ちなみにこの基本方針の5年ごとの見直しを受けて、現在、基本方針の改正作業を行っております。改正案については、当調査会の委員の先生方にも意見照会をさせていただいております。改正案については、9月5日の血液事業部会、さらには9月27日の薬事分科会において了承されたところで、年内の公布を目指して省内の手続を進めている状況です。
 資料で黄色で表示している所が法定項目です。第2以降の項目で大分整理しております。まず第2の項の中を、「1献血推進の実施体制と役割」という形で整理しました。血液法で規定されている責務に基づいて、国、都道府県、市町村、採血事業者ごとに整理しております。次に「2献血推進のための施策」という形にしております。この中を、(1)普及啓発活動の実施、(2)採血所の環境整備等と大きく分けました。(1)の普及啓発活動については、ア国民全般を対象とした普及啓発、イ若年層を対象とした普及啓発、ウ幼少期の子供とその親を対象とした普及啓発と整理して、それぞれ(ア)(イ)(ウ)とサブタイトルを起こしております。第3の項目については、(5)の内容を、基本方針の改正に合わせて書き換えている作業をしております。
 資料1-2、献血の推進に関する計画(案)は、この調査会で審議いただく、最終的には諮問答申につながる平成31年度の計画の案です。現行の計画とどこが変わっているか、この資料だと分からないと思いますので、資料1-3として対照表を用意しておりますのでこちらで説明いたします。右側が、現行、平成30年度の献血推進計画であるのに対して、左側が、これから策定していく平成31年度の推進計画の案です。傍線部分が改正部分です。
 主な点を御説明します。1ページの左側、「第1平成31年度に献血により確保するべき血液の目標量」を定めるということです。献血により確保すべき血液の目標量を算出するためには、輸血用血液製剤が実際どれだけ使われるのか、また原料血漿がどれぐらい必要になるかというものを見込んだ上で、献血血液がどれだけ必要になるかを算出していかなければいけないということです。まずは1つ目のポツで、平成31年度に輸血用血液製剤がどれぐらい必要になるのかを記載しております。これは過去3年間の供給状況や、需要見込みに影響を与えるような動向、例えば、病院の移転、そういうものを踏まえて、推計をしているものです。平成31年度は赤血球製剤で51万リットル、血漿製剤で26万リットル、血小板製剤で17万リットルを製造する見込みということになります。これは平成30年度、現行の計画と同じ量です。
 献血血液からは、輸血用血液製剤だけではなく、原料血漿も確保していくということになっておりますので、この原料血漿を加えたものに対して、献血で血液を確保していくということになるわけです。この原料血漿の必要量については、血液法に基づいて10月15日までに、国内原料血漿メーカーから厚生労働省に届出られることになっており、現在、ここの量については精査中で、本日はまだ御提示できません。今日の段階では、血液の確保量も表示することができないということで「●」で表しております。例年のことですが、申し訳ありません。この後の部会の際にはここに数字が入ってくると思います。1ページは以上です。
 2ページからが「第2目標量を確保するために必要な措置」に関して記載しております。この項では、項目を大分整理しておりますので、現行の計画で記載していた部分が分かるような形で、例えば左側に下線を引いている所の記載については、右側の下に赤字で書いておりますが、9ページの第2・1・③献血推進協議会の活用から持ってきているという形で表しております。記載部分の変更ですので、説明は割愛いたします。
 3ページ、左側、それぞれ削除、削除と書いてある所があります。こういう所については、基本的に今般は、平成30年度、右側の記載を新たに書き換えて別の項目に移動させたり、重複記載を整理したために削除したものです。記載内容の説明は割愛します。
 4ページ、基本的に同様の整理で、重複している部分を削除した上で、必要な所だけ残しているという形です。
 5ページ、「(ウ)複数回献血の推進」については少し説明させていただきます。下から4行目、「複数回献血の重要性や安全性について広く国民に周知するとともに複数回献血者へのサービスの向上を図り、協力が得られるよう取り組む」と書いております。一部、新たに書き込んでおりますが、これは今年の7月の調査会で、継続して献血に協力してもらうための取組について、新たに平成31年度の計画では書いていきたいという話をさせていただいたことを受けて記載をした内容です。
6ページも重複記載の整理と項目移動ということになりますので説明は省略します。
 7ページ、「(ウ)献血セミナー等の実施」、「(エ)学校等における献血の普及啓発」です。それほど下線を引いておりませんので、書いている内容は、ほぼ現行の内容をそのまま移行しているのですが、この項は、若年層を対象とした普及啓発の項目になってきます。これも7月の調査会で全体の底上げを図ると、まずは献血を経験してもらうことが必要だということ、それを今回書いていくことを話しております。この項目は、その内容を書いているということになってくるのですが、特に大きく変えてはいないのですが、重要な項目ではあるということで、これまで項立てをしていなかったところを項として立てております。これに関連して、参考資料1-1「高校の献血セミナーと10代献血率の推移について」を御覧ください。横軸に各都道府県を書いております。棒グラフが平成27年度から平成29年度にかけての、献血セミナーの実施回数の増減を表しております。5、-5と書いてある中間が0ということで、上に赤で示している所がプラス、開催回数の増加分を示しています。下に茶色で示しているのは逆にマイナスで、この3年間で献血セミナーの開催回数が減っているという見方です。折れ線グラフで横につなげておりますが、これを折れ線グラフで表すのが正しかったかどうかというのはありますが、点線で示している部分が、平成27年度の10代の献血率です。実線でつながっている白抜きの丸が、平成29年度の10代の献血率です。これを見ますと、セミナーの回数が増えている、赤の棒グラフで示している大部分については、点線の折れ線で示している所の丸、平成27年度の10代の献血率から、黒の実線の白抜きの丸で示している10代の献血率まで、献血率もほぼ増加していることが、ここから見て取れるのではないかと思います。献血率の増加というのは、実際には様々な取組が複合的に効いてきていると思われますが、献血セミナーの開催もその1つだと思われますので、これについては引き続きやっていく必要性があるだろうと考えております。ここのページについては以上です。
 資料1-3に戻り、7ページをご覧ください。以降しばらくは、記載場所を移動させている項目が続きます。
 10ページを御覧ください。これまでは献血の普及啓発の内容でしたが、ここからは「環境整備」という項目です。下のほうにある「イ献血者の利便性の向上」の項目を御覧ください。
 11ページの2行目、「移動採血車による計画的採血や企業や団体等の意向を踏まえた集団献血の実施による献血機会の提供」の充実を図っていく。次のポツで示しておりますが、「採血事業者はICTの活用をし、Web予約等の導入により待ち時間の解消を図るなど、献血者の利便性の向上に資する取組を推進する」と記載しております。これについても7月の調査会で、継続して献血に協力してもらうための取組として話したことを、具体的に記載したものです。これについては参考資料1-2を御覧ください。献血者の動向を見ていきますと、10代で上がった献血率が、その後、20代、30代にかけて、下がってくる、つまり、継続して献血していただける方が減ってくるという資料を7月の調査会に提示いたしました。その際に、なぜ一度献血に来られた方が来なくなるのか、そこをきちんと把握した上で対策を打たないと意味がないという御指摘を頂いております。その御指摘を踏まえて、日本赤十字社においてアンケートをやっていただいた結果です。「1調査の目的」は、献血から足が遠のいてしまった理由と、久しぶりに献血に協力いただいた理由を把握するということです。「2調査の対象」は、献血の間隔が2年間空いた10代から30代の献血者です。2年間空いているので、一度遠のいて久しぶりに来られた方ということになります。「3調査期間と場所」は、期間も少なかったのですが、9月16日~9月30日にかけて、各血液センターの献血会場に来られた先ほどの対象の方にアンケートをさせていただいております。「4」、集まった回答は約1,900。「5」結果ですが、左側の表を見ますと、献血の間隔が空いた理由上位5項目を掲げております。回答のうち、56%が仕事や家事が忙しかったから。次いで28.5%献血できる場所が近くにないからというものです。これを踏まえて、資料1-3の11ページ、仕事や家事で忙しいと、場所が近くにないということですので、それであれば献血ルームにお越しいただくというよりも、積極的に採血に御協力いただくためには動く必要性があるだろうということで、移動採血車による計画的な採血。さらには企業等の動向・意向を踏まえた集団献血、いわばこちらから出て行って協力をしていただくということで、これは従前からやっておりますが、これをやっていく必要性は十分あるだろうということです。例年と同じですが、そういうことをすることによって、献血の機会を提供していく。
 次のポツで示しておりますが、ICTを活用したWeb予約の導入です。これは、これまでも採血事業者、日本赤十字社で実施はしているのですが、実際にはWebから予約したものを、職員がアナログ的に空いているところにはめ込むという手作業をやっていたということのようです。これについては、今般から新たにシステムを導入して、タイムリーに自動的に把握した上で予約はポンと入ることができるようになると。予約の変更もその都度できるようになるということです。このICTを活用したWeb予約の導入に関しては、参考資料1-3「献血推進・予約システムの導入について」の2ページ、10月29日の更改なので、これからということになりますが、従前の複数回献血クラブの会員のWebサイトをリニューアルすると。複数回献血者及び献血予約率の向上を図って、ICTを利活用して、献血依頼業務の近代化、効率化を図っていくということです。次のページ、主な改善点として項目を掲げております。幾つかありますが、1番と2番で掲げている項目、Webによる献血予約可能な範囲が広がるということ。さらには5番目、献血可能日の連絡がこのシステムで自動配信されるということ。今は血液センターから葉書で案内が来ることと、献血カードで御確認いただくことになっているのだと思いますが、クラブの会員様には自動的にメールやLINEで報告が行われるということで、タイムリーにできると。そうすれば、待ち時間が解消されて、忙しい方も献血に御協力いただけるのではないかということです。こういうことをこれからやっていきたいということで書いております。
 資料1-3、11ページの中段以降は「第3その他重要事項」ということです。この項で大きく変更したのは、12ページから13ページにかけてです。12ページの一番下、左側、「(5)献血者の意思を尊重した採血の実施」という項目です。先ほども触れましたが、今般改正した血液法の基本方針を踏まえて書き換えました。献血というものは心の充足感が活動の大きな柱になっていると。献血者に心の充足感をもたらして、継続的に献血していただけることが重要と。そのためにも採血の区分を決定する際には、献血者の意思を可能な限り尊重することということを記載しております。
 現行の献血推進計画の主な変更点は以上です。参考資料1-4として、先ほどから言っている基本方針の改正案も付けております。薬事分科会まで基本的には御了承いただいているものです。時間があれば、御覧いただきたいのですが、6ページ、「第四 献血の推進に関する事項」があります。
この31年度の献血推進計画案について御議論いただいて、御了解いただけるようであれば、今後、パブリックコメントを実施した上で血液事業部会に上げていくという形で、手続を進めていきたいと思います。説明は以上です。
○衞藤座長 ただいまの御説明について、委員の皆様から御意見あるいは御質問がありましたら、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
○長島委員 日本医師会の長島です。ICTを活用してより使いやすくするということは、非常に良いことだと思います。一般的なお店のサービス、例えば美容院とか一般の飲食店などは、待ち時間の解消や待ち時間を有効に使うということで、既にいろいろなノウハウを蓄えていますので、是非そういう民間のおもてなしと言いますか、サービスの発想を入れてやっていただくといいかと思います。
○衞藤座長 ほかにありますか。
○田中(里)委員 御説明ありがとうございました。1か所大きな変更と思われる、13ページの200ミリリットル、400ミリリットルということについて、献血者一人一人の意思を尊重した採血という所です。この文章が、「心の充足感が活動の大きな柱となっていることから、献血者に心の充足感をもたらし」というように、2回重なっているところがどうかなと思います。例えば、献血者にとっては説明を受けた上で納得感を得てということが重要かと思いますので、献血者に納得感や理解を、説明を受けてもらって継続して、というような表現ができたほうが自然な感じかなと思います。私も医療の専門ではないので、以前はいきなり200ミリリットル、400ミリリットルと書かれるのは、不思議なところがあったのですが、いろいろな御事情を伺うと、すごく重要なポイントであるということです。献血の場所に行ってその説明を受けて理解して、というようなことが表現できたらと思いますので、御検討を頂けたらと思います。
○衞藤座長 事務局はいかがでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 頂いた御意見は、全くそのとおりだと思っております。実は基本方針を改正した部分については、200ミリリットル、400ミリリットルについてはちゃんと説明をした上で納得していただくと。それでも不安がある場合には、こういうことをしてはどうかということを書いております。その部分も含めてここに書く方向で検討したいと思います。
○衞藤座長 そのほかにありますか。
○竹下委員 13ページで、採血の意思を決定する際は、「献血者の意思を可能な限り尊重する。(採血業者が献血者に対し、医療需要に応じた採血区分の採血への協力を求めることについて禁止するものではない。)」という、二重否定を使っています。現在400ミリリットル採血が必要であるという事実はあるわけですから、これは「協力を求めることができる」という表現でよろしいと思います。
○山本(隆)血液対策課長補佐 はい、そうしたいと思います。
○衞藤座長 そのほかにいかがですか。
○花井委員 これまでは採血事業者が更に参入するという議論がされていて、献血推進計画に対して、採血事業者の献血受入計画という立て付けになっていたわけです。今までは国と日赤でやっていたので、鏡の表と裏みたいな感じで、どちらも似たような文章を2つ作っていたと思うのです。
 もう1つは都道府県と受入業者、採血事業者と国の役割分担も微妙な感じで書かれています。今回は割と書き分けられているとは思うのですが、より書き分けられて良いと思うのですが、5ページの(ウ)の複数回献血の推進で、主語が「国及び採血事業者」になっています。「平素から献血者に対し、機動的かつ効率的に呼びかけを行う体制を構築する」という、かなり踏み込んだ具体的な項目の主語に国が入っているのです。国は何をやってくれるのですか。普通に考えたら、これは「採血事業者は」という主語で書かれる内容のように思えるのです。これにあえて国も足したということは、機動的かつ効率的に平素から呼び掛ける体制構築について何ができるというか、何をするのかなと思って、そこがちょっと気になりました。国は当然支援するのですけれども、この内容は、やはり「採血事業者は」ではないかと思うのです。そこら辺の書き分けが、ここだけ踏み込んでいるのはどうかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 御指摘、ありがとうございます。実際に我々が何かできる部分というのは、おっしゃるとおり難しいかと思っているところです。もともと平成30年度の計画がこういう書きぶりだったので、そのまま移動させてきたというところがありますので、御意見を踏まえて。
○花井委員 書き上がったらちょっと。
○山本(隆)血液対策課長補佐 そこは工夫させていただきます。
○大平委員 献血セミナーの記載です。学生たちの特に学校での献血セミナーというのが、平成27年度から平成29年度にかけて、全国的に飛躍的に伸びているというのは、大変評価すべきかと思います。このセミナーをもう少し上げる方法としては、大都市部では弱い感じです。結構地方というか、都市部の周辺の地域で伸びているのかなと感じます。東京都や大阪では、そういった環境がもう少し伸びてもいいのではないかと思いました。
 これからの取組では、そういうことについても期待するところだと思うのですが、「採血事業者は、企業等に対して、献血の意義や血液製剤について分かりやすく説明する「献血セミナー」を実施し、正しく知識の普及啓発を図る」と書いてあるのですが、正しい知識の普及啓発というのは、意味がよく分からないところがあります。献血への普及に対しての啓発というのは、正しい知識なのか。もう少し国民的な意義があるというところを推しているというのも、あっていいのではないかと思いますので、その辺の記載について、何か考えていただけたらと思います。
○山本(隆)血液対策課長補佐 そこは分かるような形で工夫したいと思います。
○衞藤座長 そのほかにいかがですか。
○山本委員 いろいろあるのですが、今日が最後ということなので、言い残すことなく、もやもやは全部言っておきたいと思います。まずLOVE in Actionについては、たまたま私がプロジェクトリーダーですが、あの影響がここには出てこない上に、「はたちの献血」などは多分、またこのままやるのだろうなと。ここでも私が前に言ったように、もう選挙権も18歳になってるし、「はたちの献血」という看板はどうなのかなというのは、一体どうなっているのかというのがあります。前にも言いましたが、「はたちの献血」が悪いと言うわけではないですよ。あれはあの看板で良かったけれども、何かほったらかしている感じがするというか、ちゃんと時代に合ったように、すぐに変化したらいいのになと思うのが1つです。この「はたちの献血」というのはどうなのですか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 今、山本委員がおっしゃったとおり、改正民法が2022年4月から施行されます。これにより、成年年齢が18歳に引き下げられるので、そこに合わせて名称変更の検討をしていくと。変えると言い切れるかどうかは、まだ分かりませんけれども。
○山本委員 そちらのほうには向いているのですね。
○山本(隆)血液対策課長補佐 そこに向けて考えていきたいとは思っております。それをやるためには多分、国民にもいろいろと声を聞いたほうがいいのかなと思っていますので、もうちょっと時期が盛り上がってくると言いましょうか、いろいろなことが進んでいって、もうちょっとみんなが関心を持ってくるタイミングで、アンケートを取ったりして進めていきたいと思っております。
○山本委員 ここでいろいろ話をして、男子は17歳からもう400ミリリットル採れるとなっていて、選挙権も18歳からになるぜというところで、18歳になったからそこからやろうということでいいじゃないかというのは、別に決まってはいないですよね。私などは、せっかく決まったのだから、その啓発と、18歳になるんだぜという啓発も兼ねて、前倒しでいったほうがいいのになという意見もあると思うのです。それがどういう話になっているのか。何のために私はあそこで言ったのかなという気は残っているのです。今日が最後なので、それだけが心配になったというのが1つです。
 あと、ステッカーのことを私は、やたらめったらうるさく言っていました。今日ここへ来たら事務局の方から「ステッカー、結構貼ってますよ」と写真を見せられたけれども、それを見せてくれる暇があるのだったら、全国には何台の献血バスがあって、何台貼れているかという調査をしましたと。そういうものを見せてくれたら、「あっ、ほんまや。すごいな。これいつの間に」というようになるし、なりたかったのです。「ほら」と言われても「えっ、何しに来はったん、俺のそば来て」と。
 最初から私は、「この会議自体、昭和からもう変わろうや」とずっと言っているのです。何でもしゃべれる安心・安全の場の会議にしたいのです。私は前にも言ったけれども、ここはWe are シンセキだと。別に誰かを責めるつもりもない。みんながやっていることはいいと思うし、「ブルーのユニフォームを着た日本代表やと思うてますよ」という声を上げたのですが、まだ何か奥歯に物が詰まったようなしゃべり方をする。しかし日本代表だし、白血病で倒れている子供の顔を私は知っているので、その子のために何か気持ち悪いことを言っておこうと思うのです。そういう、ここで発言してもそんなに変わらないのかなというがっかり感で、今日役員を終えるということです。
 それと、私はLOVE in Actionをもう9年もやっています。仲間も本当によくやってくれているし、日赤の熱い社員が全国にいることは、私もめちゃくちゃ知っているのです。しかしLOVE in Actionの効果がどうだったこうだったというのは、どこにも出てこないのですよ。さらに今は10月だから、毎年度だったらとっくに来年度のプロポーザルの話などが聞こえてくるはずなのに、そういうものもない。何かほったらかされている感じです。それは私だけでなく、私たちのLOVE in Actionというプロジェクトを、ものすごく応援している人たちが日本中にいるのです。その人たちの気持ちを考えたら。今日ここに座るまで、日赤からは一切私には何の連絡もない。何だったんだろう、この9年という感じです。
 それを言っている理由が参考資料の8番です。10代の献血者率のこれをよく見てください。10代は全体的に上がってきているのですよ。私がプロジェクトを始めたときに、一番最初に言ったせりふがあるのです。「こんなもん、1、2年やって結果出せよ言うもんちゃいまっせ。いわゆる冷めた鍋をもう1回熱くするためには、多少付き合ってもらわなあきませんよ」と言ったのです。それで9年やってきたのです。そうしたら、やっとグツグツし出したなというのが私の感覚です。全国を行脚して1県1県回って、もう4周ぐらいしていて、やっと出てきたなという感じなのです。ところが、そういう評価の話も全くない中で、ちょこんと始まった献血セミナーが増加したから上がったんじゃないかというのが、今の報告なのです。
 1つ言っておきます。献血セミナーは、私が欲しがっていたものの1つですからね。だからよくやっているし、すごいなと思うのです。しゃべるプロだから、何だったら献血セミナーのしゃべり方とかプレゼンの仕方とか、本当に無償で、ボランティアでみんなに伝えるDVDを、応援すべく作ってもいいぐらいのことを言っていたのです。もちろん効果はあるとは思うのですが、例えば大分県などを見たら、献血セミナーはしてないですよね。してないけれども上がっているのです。折れ線グラフにしているから、何か訳が分からないようになっているけれども上がっている。
 あと、LOVE in Actionで地方を回ることがあります。今年回ったのが福井県などです。福井県を見ても、別にセミナーはやってないですよね。でも上がっているのです。そんなにやってないのに、めちゃ上がっているという所もあるのですよ。もちろん、やればちゃんと結果に出てくるとは思うのです。それに高校の献血セミナーは、どんどん増やして欲しいと、もちろん私も思うのですが、プロジェクトリーダーをやっている私からしたら、長崎の異常なほどの赤いライン。16歳と18歳のことについて、献血セミナーでは何と言っているのだろう。
 九州のほうは、献血は18歳からと思っている人が多いので、その辺の問題も私は最初からここで言っているのです。統一しないのかという話を先生の前でもしていたのですが、何かずっと。要はステッカーのこと、LOVE in Actionの効果のこと、「はたちの献血」のこと。あと、俳句ですよね。俳句も何とかもう1回アンケートを取って、「あれはいい」と言うのだったら続けたらいいけれども、見直す時期じゃないかなと思っていますということも、別に挙がっていないのです。以上です。
○衞藤座長 何かリアクションはありますか。
○長島委員 やはりやったものの効果は、きちんと判定したほうがいいと思います。例えば今回は、1回中断してしまった人の理由を聞くためにアンケートをしていますよね。その中で、来場のきっかけは何ですかと聞いているのです。それを若年層に対してもきちんとアンケートをして、献血に来たきっかけとか理由は何ですかというのを聞けば、その中でLOVE in Actionとか、セミナーとか、友達に誘われてとか、そういうものが出てきます。そういう形でアンケートをして、どうして来てくれたのかというのは、きちんとやるべきだと思います。それから、先ほどのセミナーと献血率のアップは、単に時間的なものを見ただけで、因果関係は全然見ていないというのが事実だと思います。
○衞藤座長 すみませんが、先に日赤のほうからお願いします。
○日本赤十字社早坂経営企画部献血推進課長 御意見、ありがとうございます。まず、山本委員がおっしゃったLOVE in Actionの部分に関しては、「LOVE in Action」という名前ではないのですが、前回の献血推進調査会の平成29年度の報告の中で行った施策に関して御報告させていただくとともに、平成29年度に関しては、お陰さまで10代が少し上がったと。山本隆太課長補佐の推進計画の説明の中でもありましたが、正に様々な施策が取り込まれてというように、私どもとしては捉えております。
 アンケートに関しても、今回は期間が非常にタイトな中での今回の推進計画に向けてのアンケートですので、今後も様々なアンケート等を継続して行っていきたいと考えております。
 それから、参考資料1-1の献血セミナーの実施回数については、平成27年度と平成29年度の回数の比較で見ております。ほとんど増えてはいるのですが、減った所もやってないのではなくて、たまたまその年度の学校側との日程調整というのもありますから、決して行っていないということではないというところを御理解いただきたいと思います。それと、セミナーは減っているものの献血率が上がっているという所もあります。これも先ほどお話したように、様々な施策が混ざり込んだ結果と考えておりますので、どうぞ御理解いただければと思います。
○竹下委員 資料の4ページの全国的なキャンペーン等の実施という項目の中の2項に、国、都道府県、市町村等々の記載がありますが、「テレビやインターネット等の効果的な媒体を用いて」というように、非常に簡単に書かれていると思います。これに関して、ここ数年間にかなり議論をして、山本委員をはじめ、いろいろなご努力があったと思いますので、具体的なものに置き換えられたらと感じるのですが、いかがでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 ここは少し書き分けをしております。竹下委員がおっしゃった項目は、「国民全般を対象とした普及啓発」というタイトルで書いてあります。国民全般ということであれば、一般的なものとして、こういう書きぶりにさせてもらっております。他方、若年層への取組というのが、この後にあります。多く書いてあるわけではありませんが、6ページからが若年層の対象の項目で、7ページでは、少し言い方を変えております。ソーシャルネットワークサービスというのは、非常に大事なツールだと思っておりますので、若年層のほうにはそういう文言を入れてくるという形で、書き分けて整理をしたつもりでおります。
○竹下委員 ありがとうございます。若年層をターゲットにして献血を推進していこうという計画はよく理解できますし、それに賛成するものです。しかし先ほどアンケート結果をお見せいただいたように、実は家事に追われてとか、献血する場所を知らなくてという、いわゆる献血の掘り起こしの面では、国民全体に訴えていくことも必要かと思います。テレビとインターネット等という2つのメソッドに限定されておりますので、もう少し具体性があったほうがいいのではないかと思います。
○山本(隆)血液対策課長補佐 では、ちょっと工夫をしたいと思います。あと、今先生からも御指摘がありましたように、仕事や家事で忙しかった、場所が分からないというような御意見もあるところですので、場所に関しては、どこで献血できるのかという提供の仕方などもあると思います。そういうところも含め、日本赤十字社様と相談しながら、どういうことができるか考えていきたいと思います。
○竹下委員 是非、よろしくお願いします。
○田中(里)委員 私も4ページの「テレビやインターネット等の効果的な媒体」という点について言及させてください。計画資料ですので、この程度の書き込みなのかもしれないという印象もありますが、途中で御紹介いただいた日赤さんの献血推進・予約システムの導入の辺りなどは、多分Web会員の管理や、穏やかな情報のやり取りの点に結構主眼が置かれています。本来であれば、例えば「今日のいま現在の段階で、B型が足りません」等のライブな情報が有効だと思うのです。サイトにはニューストピックスのコーナーがありますが、プッシュ型の情報がどこまで送信できるかの検討が必要です。今何か困っている人がいることに対してアクションを起こしたいという人は、世の中的にも増えているという前提で、その対応ができるような効果的な情報発信ができるかが問われますし、この計画から、次なる展開ができるような書きぶりにしておいていただくと良いのかなと思います。
 企業の協力の点は結構丁寧に書き込んでいただいていて、有休取得のことなども含まれています。そこには、例えば昨今の働き方改革、時差通勤、コアタイムのないフレックスなど企業が試行する多様な働き方がありますので、今の状況に照らした対応を各企業ができるように、本計画書からも発信されることを期待します。
○衞藤座長 ありがとうございます。それでは大平委員、それから長島委員、お願いします。
○大平委員 この献血推進計画の中で少し気が付いたのですが、採血事業者の努力範囲が、余り書き込まれていないところがあります。献血の環境整備などはいろいろと進んでいるのですが、ただ献血のサービスで時間帯の問題などは、懸案の課題にはなっていますが、もう少し夜間のいろいろな方たちへの利便性を考えて、夜遅くまでできるような所が出来るか。今は結構24時間働いている環境が都市部では多いので、そういう人たちに対応できるような環境整備を、採血事業者としても努力していただけるようなことを、ここに書き込むのか、またサービスの中で今後どのように改善していくかは、是非検討していただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 今、大平委員からの御質問も頂きましたが、その前に田中委員からもコメントを頂いておりますので、先に田中委員のほうからいきたいと思います。ICTの活用で、今回Web予約、システムが変わる話に関して、新システムへの更改は10月29日になっております。これは日本赤十字社のシステムでもあり、厚生労働省から具体的なことは言えないところですが、次に何か改修したりするときに、今おっしゃられたようなことができるのであれば、そのようなものも含めた改修を考えていっていただけるのではないかと思っています。
○日本赤十字社早坂経営企画部献血推進課長 今おっしゃっていただいたとおり、今回10月29日に稼動する段階としては、手前どもとしては、ファーストステージ、内部ではフェーズ1と呼んでおりますが、この先、数年掛けてフェーズ2、フェーズ3という段階を踏まえて、機能を次々と構築していきたいという中で、先ほど長島先生からもお話がありました民間企業で様々取り入れられている内容も盛り込んでいきたいと考えております。そのようなステップをこれから踏んでいきますので、こういうことがいいのではないかということを、我々に御意見を頂ければ、可能なものは取り入れて、効果があるものはどんどん積極的に行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中(里)委員 分かりました。
○山本(隆)血液対策課長補佐 大平委員の御意見に関しては、これはあくまでも国が策定する推進計画ですので、まず国としてどうするのかというのがあり、これを受けて、採血事業者で受入計画を策定するという仕組みです。これまでの国の推進計画にも採血事業者は何をやるかを書いてきております。これまでの経緯を含めて一般化されたものに関しては書いているところだと思います。まずは、そこを採血事業者で考えていただいて、何かできるのであれば受入計画のほうで書いていただくものになるのではないかと思っております。
 そうは言いつつも、基本方針にも献血受入時間の設定をするなど、献血者の利便性をより向上させた受入体制の工夫と書いてありますので、この辺りは基本方針に書いてある以上は、推進計画にも書けると思いますので、入れていきたいと思います。
○衞藤座長 長島委員、お願いします。
○長島委員 先ほどのIT活用に関しては、日赤に全てお任せするのではなくて、やはりこの会として、先ほど田中委員が言われたような方針を、会の考えとしてきちんと入れたほうがいいと思います。全て、日赤に任せるのではなくて、会の方針に従って日赤はやってくださいというようにしたほうがいいと思います。
 それから、全体的な話で言いますと、いろいろな普及計画がありますが、それをきちんと評価するということを、この計画の中に入れるべきだと。やりっ放しではなくて、個々のいろいろな事業がその後どういう効果があったかという、効果の評価をするというのを、きちんと文面として入れるべきではないかと思います。
○花井委員 今、長島委員が発言した話で、この部会をずっとやっていて、いつもエビデンスについてグルグル回った議論をやって、相当時間を掛けていました。今回、山本委員が気になるのも、よく分かります。この増減回数に率の2つを合わせるという資料の作りは、相当問題があるというか、これで何が分かるのですかということになると思うのです。最低限何が分かるかというと、このエビデンスでは、献血セミナーをやるのは無駄じゃないよねというぐらいのことです。そうすると、ここで総合的に相当時間を掛けてきて、いろいろなことがどれだけの効果があるかという議論をしたにもかかわらず、このグラフが出てきてしまうと、やはり脱力感は否めないところはあると思うのです。ですので、推進計画の中で、今、長島委員が発言したとおりで、普及啓発の効果について検証するとまで書き込むと大変かもしれませんが、何らかの効果的な普及啓発が何なのかについて不断の検討をしていくみたいな文言が、推進計画にも少し載っていたほうがいいのではないかと。毎年、もう少し整理された資料を基にこれを議論したいというのはあります。
 日赤に任せるのではないというのも賛成です。今までは、何となく、あうんの呼吸でずっとやってきたところがあるので、一番最初に発言したとおり、もしかして今後日赤以外の業者が入るということになれば、それぞれの役割と立て付けはかなり厳密なものになってきます。今回は、平成31年度に関しては、先ほどLOVE in Actionの話もありましたが、受入計画についてはもう少し具体的というか、内容を踏み込んでいただいて、要するに推進計画と受入計画の関係がもう少しクリアになるような形で、具体的なことを赤十字社に盛り込んでいただければいいかなと思いました。ですので、この場においては、今、長島委員がおっしゃったような内容を、具体的に推進計画のどこかに盛り込むというのを、ここで決めるのはいかがでしょうか。
○石川血液対策課長 御意見ありがとうございます。最初に、山本委員はじめ頂いた意見を通じて、全体的なことで発言をさせていただきます。まず大事な評価の点については、正に御指摘のとおりで、この計画の大元になっています基本方針でも、国及び地方公共団体は、きちんと進捗状況の確認及び評価を行うとなっております。手続的には、恐らく前回の推進調査会が簡単な評価をしたということにはなっているのだろうと思いますが、それをきちんと数値なり、客観的な効果なりを見て測るのが、本来適切なのであろうと思います。
 今回の推進計画の一番最後なのですが、当然ですが確認と評価という記載をしております。計画上はこういう書き方をさせていただいて、実際どういった実務というか、具体的にどうやっていくのかは、これからまた少し検討させていただきたいと思います。特に、花井委員のコメントにもありました、複数の採血事業者というような状態になった場合には、それぞれに国としてどういうことをやっていただいて、事業者自身も、自分たちは採血事業者としてマーケティング調査ではないですが、きちんと自分たちのやるべき事業をどういう方向でやっていくのか、正に、献血受入計画と言っていますが、事業計画といったものをしっかり立てていただいて、それを評価していくというプロセスが必要になってくると思います。すぐにお答えできるものではありませんが、検討していきたいと思います。
○衞藤座長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 長島さんと花井さんのおっしゃるとおりで、私の気持ちを詳しく言ってくれたなという気がするのです。もっと例を出して細かく言いますと、先ほどのグラフで何で私が大分や長崎の話をしたかというと、国が絡んでいる青いユニフォームを着た日本代表の会議で、こんなグラフを見て。
 LOVE in Actionはどうなったのというのが、まずイラッとしたので言ったのです。どんなセミナーやってるのというのもあるのですよ。逆効果だったら、やばいでという。それの例えとして、先ほどの何歳から献血できますと言っているのだろうというのも気になります。もちろん、16歳からできるのですよ。ただ九州では、それを言わないで18歳だと言っているという噂を聞いたから。それもここに出ていて、この会議で何とかしようという話もどうなったのかなというので、今日終えるので、それはまた次の人に任せたいなと思うのです。
 何より、今日言い残していきたいというか、私の気持ちで言うと、もう一回言います。日赤は、一緒に9年間仕事をしてきて、めちゃめちゃ熱い社員が多いです。もう本当に、何回一緒に泣いたかというぐらい。酒飲んで泣くんじゃなくて、酒飲まないで泣いたというぐらい、本当に志を持ったすばらしい社員が、たくさん日本中にいるというのは知っています。ならば、私が「LOVE in Action」というプロジェクトのタイトルを付けた理由は、愛のアクション、LOVE in Action。日本中、いや、世界中に人間なら愛があるでしょ、それを引き出しましょうよ、お節介しましょうよと言って、周りから男の顔した、ただのお節介のおばちゃんと言われている、長屋育ちの私が、日赤の熱い人に選ばれたのです。簡単に言うと、そんな私が、日赤からのリーダーに対して全然、評価を感じないのです。あれ、あんなに熱い人たちがいたし、ここにいるメンバーも熱いと知っているけれども、誰か熱くないような人がいるのかなというぐらい。一番は「何で俺に届かへんの、その評価が」ということですよね。この何か月も、ほったらかしですからね。
 もっと言ったら、9年間、LOVE in Actionにいろいろな人間を巻き込んで、俺の知り合いのアーティスト、本当にいろいろな人を巻き込んでやって、「あ、もう終わりか」という、名前だけ残して、「はい、山本シュウさん、終わりです」という。私は全然終わってもいいし、他のインターネット使ったり、アニメ使ったりとか、それは私は初年度から言ってたし、山本シュウじゃなくていいのだとずっと言ってたことだから、嫉妬して言ってると思われるのは一番違いますけれども。じゃなくて、評価を感じないところが日赤にありますよ、そこをどうにかしたほうがいいんじゃないですかということを言い残していきたいわけです。それは、おばちゃんしか言わないですよということです。身内が思うから、熱い人いっぱいいるのに、もし次にプロジェクトリーダーが変わって一緒に仕事したときに、また同じことを感じさせるのはやめてよ、みんな熱い人なんだからという気持ちで、LOVE in Actionの評価が何で細かく出ないのと。私たちは、評価されている気がしないですからね。
 だから、あのグラフを見ても、またやっちゃってるねという、花井委員が言うとおりだと思うのです。何かグラフを見せて、セミナーが増えたから増えてます、以上。これ、国の会議でやるグラフですか。中身、どんなのやってんの。じゃあ、九州のほうでは何て言ってんの、というようなこととか。だって、無意識の悪い教育ってあるわけですよ。いいことやっていると思ってやればやるほど、それが引かせていることだってあるわけだから、そういう中身も、ものすごく気になります。実はここの仲間は、めちゃくちゃ仲良いんですよ。仲良かったんですけれども、どう思っているのかな、やはり立場とかいろいろあるのかなというのも感じるから、今日は感じたまま発言させていただきました。どう思いますか。
○日本赤十字社瀧川経営企画部次長 山本委員、ありがとうございました。我々は決して、ないがしろにしているということは、全くありません。現実おっしゃられたとおり、現場の職員は必死に頑張っています。それは、山本委員の情熱の中で引っ張っていただいているところは、職員も感じているところです。また、LOVE in Actionの評価等について、我々が出し切れていなかった部分は大いに反省したいと思っていますし、今後の推進の方策、戦略についても、今、しっかりと論議をしているところです。その辺はしっかりやっていきたいと思っています。
 日赤として、今、山本委員のお話にあったような思いをされているのであれば、山本委員に今の現状等をまた改めて御報告する機会を作りたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 そのほか御意見はありますか。それでは、平成31年度の献血の推進に関する計画(案)ということで御提案いただいた内容については、委員の皆様からかなりいろいろな御意見を頂いたかと思います。それについては、事務局において、ただいま頂きました御意見等を踏まえて、献血推進計画を加筆、修正していただきたいと思います。この会を再度開くことが日程的に難しいので、最終的な文言等については座長一任ということで、お許しを頂けますでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○衞藤座長 ありがとうございます。それでは事務局においては、修正した献血推進計画について、パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて、血液事業部会に上程していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題2に移ります。輸血用血液製剤需要予測の検証結果についての中間報告です。資料2について、事務局と日本赤十字社から、続けて説明をお願いします。
○山本(隆)血液対策課長補佐 それでは議題2「輸血用血液製剤の需要予測の検証結果について、中間報告」です。これについては、資料は「資料2」になりますが、まずは過去の経緯を思い出していただくということで、参考資料2を簡単に御説明したいと思います。参考資料2「輸血用血液製剤の需要推計結果について」を御覧ください。昨年の8月に当調査会に報告した資料です。輸血用血液製剤の需要予測を行ったものです。これ以前も需要予測を行ってきたのですが、これまでは血液製剤を使用する方は基本的には高齢の方が多いということで、今後の高齢化の進展に伴い高齢者の割合が増えていくと、それに伴って血液製剤の需要がどんどん右上がりに伸びていって、2027年にピークに達するという需要予測結果であり、このデータに基づいて献血の取組というものをずっと考えてきたというところがあります。
 しかしながら、その後の輸血用血液製剤の供給実績を見てみると、供給量は増えていかない、減る傾向にあるので、昨年度に改めて日本赤十字社において需要予測というものを行い、その結果を報告したものが、この参考資料2です。
 従前は単純にデータ、数値でもって、高齢者の割合の数値、輸血用製剤の伸び率などをもって算出してきたところですが、今般は実際に血液製剤を多く使用している医療機関の先生方にいろいろとお話を聞いた上で、その医療技術の進歩なども踏まえて、本当に血液製剤の需要が伸びるのかどうなのか、5年後10年後にどうなってくるのか、その調査をしていただいたというものです。
 この結果については、参考資料2の3ページ目に検討結果ということで、文章ではまとめております。赤血球製剤の需要動向は、今後、減少傾向で推移していく。血漿製剤について、今後緩やかに減少していく。血小板は、横ばい若しくは微減傾向で推移するということで、これまで増えると言っていた需要予測を修正するような結果になったというところです。
 今日提示するのは、これを実際に都道府県別に見ていくとどうなっているのか、日本赤十字社のほうで御検証いただいたところです。そちらについて、資料2に基づいて日本赤十字社から説明していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 日本赤十字社の鹿野と申します。私から資料の御説明をいたします。参考資料2の12ページ目が赤血球製剤、13ページ目が血漿製剤、14ページ目が血小板製剤の5年後、10年後の需要予測をオレンジの折れ線グラフでお示ししております。
今回の需要予測につきましては、先ほど事務局のほうから御説明があったとおり、都道府県ではどのような傾向になっているのか検証いたしましたので、資料2を御用意ください。
 それでは2ページ目を御覧ください。需要予測の目的ですが、輸血医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、輸血用血液製剤の需要を予測し、今後の血液事業の方向性を定める基礎資料を得ることを目的としております。
 下段にありますとおり、平成29年血液事業報告の記載内容を抜粋したものを右に掲載しております。「今後は「輸血医療を取り巻く環境の変化」、「献血可能人口の推移」など、都道府県によって異なる環境があることから、①医療需要推移の検証、②献血可能人口推移、③男女別・年代別・献血種別献血者推移の分析、④若年層献血者確保対策など、地域ごとの特性を踏まえた効果的な献血推進活動に努める必要があります。今後、日本赤十字社は5年毎の需要予測調査を実施し、それらを踏まえ、厚生労働省は献血基盤の構築に向けて中期目標の目標値の見直し検討を行って行く予定です」という記載があります。今回の内容につきましては、上段に記載がありますとおり、①の医療需要推移の検証を都道府県ごとの傾向を踏まえ検証しております。
 次の3ページ目を御覧ください。2の需要予測の検証については、今年度の目的として、先ほども説明しておりますが、都道府県ごとの地域特性を踏まえ、今般公示されました医療法に基づく医療計画及び地域医療構想による医療のニーズの変化、人口推移等を考慮した需要推計を検証する。また、全国の需要予測結果、昨年度に御報告した結果を踏まえて、各血液センター単位の検証を実施した結果になります。
方法については、「輸血医療を取り巻く環境の変化」、「人口推移(高齢化率)」など、都道府県によって異なる環境があることを考慮し検証することで進めております。
調査体系については、厚生労働省血液対策課から事務連絡により都道府県の衛生主管部へ調査協力の依頼を通知いただき、各血液センターでは、医療計画及び地域医療構想の記載内容を確認しました。また、都道府県へ必要に応じて医療計画等の内容を確認し、需要動向に影響を与える可能性がある内容を踏まえ、各血液センターが5年後、10年後の需要推計を検証するという流れとなっております。
 次の4ページ目を御覧ください。各センターが需要推計の検証を行う具体的内容を記載しております。具体的な内容は割愛させていただきたいと思いますが、1番から5番までの確認内容を踏まえ、需要推計の検証を行う流れとなっております。また、検証手順につきましては、各血液センターの需要推計結果を最終的に血液事業本部で検証する手順となっております。
 次の5ページ目を御覧ください。将来の推計人口の推移はどのような動きになっていくのかという全体の推移をまとめております。2016年度の総人口約1億2,700万人、2022年度は約1億2,400万人、また2027年度は、約1億2,100万人と2016年度と2027年度を比較しますと、全体で約556万人の人口が減少する推移となっております。
 また下段にも記載しておりますが、さらに高齢化、75歳以上の人口割合がかなり高くなるという予測となっております。2016年度、全体の人口に対する75歳以上の割合は13.3%、2027年度には16.1%、2027年度には18.3%と、高齢化率が高くなるという予測となっております。
 次の6ページ目を御覧ください。将来推計人口の推移を都道府県別のグラフにしたもので棒グラフの左から2016年度、2022年度、2027年度を示しております。また、棒グラフを年代別に色分けし75歳以上の人口を濃いオレンジで、その他70~74歳、16~69歳、0~15歳と分けて、都道府県別にお示しております。
人口の増加が予測される都道府県、又は加速的に高齢者が増加していくような県も見受けられます。
 次の7ページ目を御覧ください。このような人口推移等を状況を踏まえ、医療計画における機能別の病床数も検証しております。病床機能別の病床数をまとめた表で、上段が2016年度の病床数、下段に2025年度の必要病床数をお示ししており、2025年度の必要病床数は、「第7次医療計画」に掲載されている都道府県別の状況を合算したものとなっております。右側の合計欄の下段を御覧ください。全体で約6万7,000床ほど減少する計画となっております。機能別で見ますと、回復期の病床数が増加計画である一方、他の高度急性期・急性期・慢性期については減少計画となっております。
 次の8ページ目を御覧ください。都道府県ごとの機能別病床数が示されている数値を都道府県ごとにグラフにしたもので、左側が2016年度の病床数、右側が2025年度の病床数で、機能別に色分けしたグラフとなっております。
 次の9ページから12ページまで都道府県の検証結果となり、人口推移と各製剤の2016年度、2022年度、2027年度の結果となります。次の10ページ目は赤血球製剤、次の11ページ目は血漿製剤、次の12ページ目は血小板製剤の結果となります。
 次の13ページ目を御覧ください。各血液センターが医療計画及び需要推計を検証した内容について、12例ほど主な内容を記載しております。
 次の14ページ目を御覧ください。都道府県の需要推計結果を踏まえ、評価/検証する必要があると考えており、次の15ページ目には、地域特性を踏まえた評価を行う上で、10項目を検証/評価項目と挙げました。資料の①、⑦、⑧の項目については、今後の検討課題ということで評価はできていない状況がありますが、それ以外の項目については相関係数をもとに検証/評価を実施しました。
 次の16ページ目を御覧ください。②の総人口の規模によって需要の傾向は異なるのか項目の検証/評価結果ですが、グラフの左側が2016年度の総人口と2016年度の赤血球製剤の供給実績値になります。縦軸が人口、横軸が供給実績値になります。グラフに右上がりのオレンジ線がありますが、「相関係数1」になれば、この線上に示され、相関係数の妥当性が高いという結果になります。右上段にありますとおり、全体では「0.980」と、かなり妥当性が高いという結果となっております。グラフ右側の2027年も同様の考え方で数値を示したグラフになります。こちらも全体的には「0.980」と、2016年とほぼ変わらない結果で、人口推移を踏まえた赤血球製剤における需要予測の検証については、妥当性が高いのではないかという評価としております。
 次の17ページ目を御覧ください。③医師数と需要の関係は項目の検証/評価結果ですが、グラフの左側が2016年度の医師数に対して、2016年度の赤血球製剤の供給実績値になります。縦軸が医師数、横軸が供給実績値で2016年度の相関係数は「0.974」となっております。2027年度の医師数については、将来の医師数が掲示されていないということがありますので、2016年度の医師数に対して、2027年度の赤血球製剤の需要予測数で検証/評価した相関係数については「0.970」と、2016年度の相関係数と変わらない評価結果でした。
 次の18ページ目を御覧ください。④高度急性期の病床数が増加すると需要は伸びるか項目の検証/評価結果ですが、病床数を高度急性期・急性期として検証/評価してります。グラフの左側が2016年度の病床数に対して、2016年度の赤血球製剤の供給実績値で相関係数については「0.992」となっております。グラフの右側が2025年度の病床数に対して、2027年度の赤血球製剤の需要予測数で検証/評価した相関係数については、「0.990」と、2016年度の相関係数と変わらない評価結果でした。
次の19ページ目を御覧ください。⑤総人口に占める75歳以上の高齢者の割合と需要の関係は項目の検証/評価結果ですが、グラフ左側が2016年度の高齢化率に対して2016年度の赤血球製剤の供給実績値で、こちらは逆に負の相関を示しており、相関係数については「-0.594」となっております。グラフ右側の2027年度の高齢化率に対して、2027年度の赤血球製剤の需要予測数の相関係数についても「-0.577」と、こちらも負の相関を示しており2016年度の相関係数と変わらない評価結果でした。
 このグラフで東京都の状況を見ていただき、グラフ左側の2016年度の東京都の供給実績値約70万単位、高齢化率10.0~12.0%の位置で、グラフ右側の2027年度に目を移していただくと、赤血球製剤の予測値については、ほぼ変わらない位置にありますが、高齢化率14.0%近くまで増加するものの需要予測値はほぼ変わらない検証/評価結果である。また、秋田県も同様の傾向で高齢化率は増加するものの、全体の需要予測値は、ほぼ変わらない検証/評価結果でした。
 次の20ページ目をご覧ください。⑥病床数が増加すると需要が伸びる項目の検証/評価結果ですが、グラフ左側が2016年度の全体の病床数に対して、2016年度の赤血球製剤の供給実績値と縦軸が全体の病床数、横軸が供給実績値で、相関係数については「0.971」となっております。グラフ右側の2025年の全体の予測病床数に対して、2027年度の赤血球製剤の需要予測数の相関係数については、「0.984」と、2016年度の相関係数と比較すると高い検証/評価結果でした。
 次の21ページ目を御覧ください。⑨総人口が増加すると需要が伸びるか、⑩人口の集中が予測される都道府県の需要予測の傾向の項目の検証/評価結果ですが、2016年度と2027年度の人口増減率を縦軸に赤血球製剤の実績値と予測値の増減率を横軸としたグラフを作成したものです。中央部の上段にあります赤点線で示しているのが0.0%ということで、左上段の「人口は増加するが、需要は減少していく」と予測しているのが東京都血液センターと沖縄県血液センター、右上段の「人口は増加し、需要も増加していく」という予測をしているのは0血液センター、左下段の「人口は減少し、需要も減少していく」という予測をしているのは36血液センター、右下段の「人口は減少するが、需要は増加していく」という予測しているのは9血液センターという検証/結果でした。
 次の22ページ目を御覧ください。21ページで検証/評価した結果を日本地図でお示ししており、濃いピンクが「人口は減少するが、需要が増加していく」9血液センター、薄いピンクが「人口も減少し、需要も減少していく」ほとんどの都道府県の血液センターが予測検証している結果でした。
 次の23ページ目を御覧ください。最後になりますが、①、⑦、⑧項目の検証/評価については、今後の課題とし再度検証を進めていきたいとは考えております。全体を通して検証内容から様々な地域格差が散見されております。今後は都道府県ごとの医療のニーズの変化等を踏まえて、引き続き動向を注視し、更に検証した上で御報告できればと考えております。
 また、資料2ページ目に記載している血液事業報告内容を踏まえ、都道府県ごとの需要予測の推計の検証をさせていただいております。今後は需要推計の検証に加え、③男女別・年代別・献血種別献血者推移の分析、④若年層献血者確保対策なども検証を進め情報共有、御報告ができればと考えております。資料の説明は以上になります。
○衞藤座長 それでは、ただいま御説明いただきました内容について、委員の皆様から御意見、御質問がありましたら挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
○長島委員 この都道府県別の詳しい検討というのは、都道府県としては必要でしょうし、日赤としては今後の血液事業を行う上で、設備投資とか人員確保をどうしようかという計画は大切だとは思いますが、日本全体のことを考えると、都道府県別よりは、今、日赤は7つの広域に分けてブロック化していますので、例えばブロック別にそれはどうなのかとか、あるいは、そのように都道府県によって差が出てくるのであれば、今後ブロックを更に広域化するとか、ブロックの中を入れ替えるとか、そういう形で対応していくというのが日本全体からの見方ではないかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 ご意見ありがとうございます。需要動向につきましては、都道府県ごとの医療機関の状況を把握することが重要であると考えております。
広域事業運営体制につきましては、7つのブロック単位として事業を進めておりますが、医療需要に対して安定的に供給する観点から、将来の需要推計を予測した上で、必要量を過不足なく献血者確保に努める必要があります。各都道府県が献血者確保するには将来人口が年々減少するなど、加速的に少子高齢化が進み献血可能人口が減少していく都道府県があります。広域事業運営体制は、自県自給が年々対応できなくなる都道府県をブロック単位とする事業運営体制下で助け合いながら進めていく目的でもあることから、都道府県別の検証は必要不可欠と考えております。
○長島委員 では、これが献血推進というところには、どう結び付くのでしょうか。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 今回御説明させていただきました都道府県ごとの輸血用血液製剤の需要予測に加え、献血可能人口の推移、男女別・年代別・献血種別献血者推移の分析、若年層献血者確保対策なども検証を進め情報共有、御報告ができればと考えております。
○花井委員 県別のデータを初めて見たのですけれども、ちょっと統計に不案内なのですが、ざっくり言って、病床数には一番相関が強く、年齢には余り相関しないという趣旨でよろしいのでしょうか。それをお答えいただいて、19枚目のスライドというのは、いわゆる高齢化率でやっているのですが、普通に考えると病床数というのは、通常、医療費全般が病床数に一番相関するので、一般論としてそうだなと、むしろ人口よりも病床の数が増えれば、そこに増えるというのは医療一般の、割とそうなのですが。
 その中で血液製剤という、その中から選ばれた医療資源を調べると。それは高齢化と相関するかしないかということだと思うのですが、これは実数でやった場合と結果は同じなのですか。これは高齢化率なのですが、実数と需要との相関ということになると、相当、相関は上がるのですか。ちょっとそこが分からないです。高齢化率と供給量で縦横、XとYを設定して、それで相関係数を-0.594としているのですけれども。全く統計は素人なのですが、実数との相関を見た場合と、結果はどう違うのでしょうか。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 ご質問ありがとうございます。病床機能別に対する相関係数ですが、2016年度の現状病床数と2025年度の必要病床数の検証で、第7次医療計画で示されている病床数で整理された場合の相関係数を比較して検証/評価した結果です。18ページでお示しした輸血使用量が高いと思われる高度急性期・急性期の病床数は減少するという計画でおりますので、そことの関係性は今後も検証する必要があると考えております。
 ただ、全体の病床数が増加計画である9県以外は減少計画であるので、病床数と医療需要の関係は多角的な検証が必要かと思っております。
○花井委員 すみません、ちょっと議論を混乱させてしまって。都道府県別でやっているので、相対的な都道府県間の病床の差というのが如実に表れているということを指摘しただけで、病床が減れば恐らく減るのではないかと、常識的に考えて素直に思うのです。
 問題は、それはそれで大体相関するというのは分かるので、病床が減っていくとともに、ある程度それに合わせているし、一部の県がそこの人口当たりの病床数によって、精緻に見ると、人口当たりの病床数が多い所のほうが医療資源を使うというデータもありますから、それが一番相関するのだろうなというのはよく分かるのです。その中で高齢者が増えたとかいう、予測なので増え方を見ているのだと思うのですが、現状、高齢者がいることによって血液製剤の使用がそれに相関して、やはり高いのかどうかということと、この19のグラフの見方が、ちょっと私は分からなかったので聞いたのですが。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 ご質問ありがとうございます。75歳以上の高齢化率でお示ししたのですが、実際の人口数で検証して、2016年度と2027年度の相関係数はほぼ変わらない結果でありました。ただ、75歳以上の高齢化率に2016年度の全供給実績値と2027年度の需要推計予測の検証/評価であるため、実際に高齢者が使用する量を検証した場合はどのような検証/評価になるか不十分な部分もありますので、今後も追及して検証をしていきたいと思います。
○花井委員 ありがとうございます。
○衞藤座長 そのほか、いかがですか。
○長島委員 要するに、基本的には人口と一番相関するはずでしょうが、例えば埼玉県、千葉県、神奈川県と、人口が多い割には病床が少ないという所では、ある程度の乖離が起こるだろう、しかし、今後はその辺をきちんと人口に応じたものに増やしていこうということになっているので、いずれは人口が最も相関していくだろうというだけの、すみません、それだけの話で、今後はむしろ、それよりは様々な治療とか対象となる病気が変わっていくと。いわゆる外傷とか手術に対する輸血よりは、例えば免疫グロブリンなどが増えていくと、診療科も変わってくると、そちらのほうの影響が大きいだろうと思うので、これは取りあえずやってみましたということですよね。
○日本赤十字社鹿野経営企画部参事 ありがとうございます。
○花井委員 これによって、今後の献血推進とどう関係あるかということを考えるためには、原料血漿が分からないとどうしようもないので、これはおっしゃるとおりに生血はこんな感じというところで参考までに見たのですが。
 以前、古い話で恐縮なのですが、適正使用というのは基本的にはアルブミンの使用抑制という動きで始まっているのですね。そのとき、よく専門の先生も、かつていた先生が示したデータによると、アルブミンをどんどんたたいていくと、FFPがポンポン上がってくると。アルブミンたたく、FFP上がる、みたいな、輸血用血液と分画の相関というのがデータで出ていて、適正使用というときに、輸血用血液と分画の両にらみで検討する必要があるというコンセプトが当時はあったのです。
 今は長島委員がおっしゃられたように、今後の予測ということになると、やはり特にFFPですよね。FFPと分画というのは、ある程度、関係してくると思いますし、そこを両にらみで見るような検討がないと、ちょっと使えないデータになると思うので、是非その辺を、今後どのように考えるか。
 昔は療養病床が増えてしまうとアルブミンが増えたのです。これはどういう形でアルブミンが使われたかという、当時の状況によって、急性期医療機関ではなくて、むしろ長期療養的な所でアルブミンが大量に使われたという事情がありました。今はそんなことは全くなくなったので、そういうことを配慮する必要はないはずなのですが、やはり今後を見ていくためには、長期的に両にらみで、いろいろな要因というものを分析することをやっていただけると、「いいよ、じゃあどれぐらい要るの」というところにたどり着くのかなと思います。以上です。
○長島委員 今ので更にそれをきちんとやるためには、現在は主に輸血をしている所の医療機関、あるいは診療科に対するアンケート調査が中心になっていて、そういう免疫グロブリン等を使っている診療科へのアンケート調査等がきちんとできていないということが、この前の部会で報告されていましたので、やはり今まで対象としていなかった病院とか診療科に対してきちんと調査をして、将来の予測をしっかりしていくことが必要だと思います。
○大平委員 この予測の検証結果というところで、確かに献血推進に及ぼす影響というのは、これによって予測としては需要が抑えられていくと出てきているわけなので、これに対しての献血推進について、今後どのようにして取り組んでいくかという考え方を、これからまた組み立てなくてはいけないのだろうと思うのです。
 それの下に考えますと、今までここに出ている根拠だけでは足りない、いろいろな委員の方たちが言われたように、まだ足りない資料というのがあるのではないかなと思います。現実に2016年から2027年の予測の幅を考えると、血小板の新しい製法の問題ですとか、それからまた赤血球の新しい製法の問題、そういうことによっていろいろと状況は変わっていくだろうなというところもあるので、それも加味した形で因子たちがどのように、この検証結果というものをもう少し深めていただけるといいのではないかと思うのです。
 ただ、この検証結果では、需要はどんどん抑えられていくというような感じになるので、これが推進にどういう影響を与えるかということも、きちんと押さえておかないといけない話なのだろうなと思います。ですから、その検証結果の中にも、この献血推進へ与える影響というものも、どのような形なのかというのは、ある程度、一応考慮していただいて、それを結果として出していただくと、よろしいのではないかと思います。
○竹下委員 この地域特性を踏まえた検証の結果について、地域特性は解りやすいと思うのですけれども、ただ、10項目の抽出をどのように行ったか、その抽出過程が正しいのかということは、統計学的な根拠に基づいているかということとは別であろうと思うのです。例えば、総人口が増えれば病床数だって増えていくし、それからその中の高齢者の絶対数は増えていくだろうし、医師だって増えていきます。だから、相互に関係するものを単変量解析で相関係数を出して、、相関があるとか、相関が薄いという議論をしても、余り論議は深まらないのではないかと思います。
 もっと個別な、例えば手術の内容、がん手術は減ってきて、それで分子標的治療に変わってきて、こんなに血液製剤は使わないことになってきたとか、さらに、保険情勢、まるめ、高齢者の医療ということで、輸血は使いにくくなってきているのだとか、サイトカイン、エリスロポエチンが認可されたとか。そのように個別に影響しない要素を持ってきて、そして単変量解析をやって、そこから多変量解析に持っていって、そこから実のある予測を立てていかなければならないと思いますが、将来的どうでしょう。
○日本赤十字社瀧川経営企画部次長 先生、ありがとうございます。先生がおっしゃったとおりだと思います。まず、我々の最初の取り掛かりとして、今まで漠然としたものをある程度、解析させていただいたと。いろいろな御意見はありますけれども、今、頂いた御意見等も含めて、当然、献血推進にも非常に大きな結び付きになってまいりますので、また御意見を頂戴しながら、我々もしっかりと検証できるようなデータを、今後、積み上げていければと思います。ありがとうございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。それでは、中間報告ということで御報告を頂き、いろいろと御意見を頂いたところですので、時間の関係もありますので、この議題2につきましては、これで終了いたします。議題3、その他について、事務局から何かありますでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 特にありません。
○衞藤座長 そのほか何か、この場で御発言はありますか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議題は以上です。これにて終了いたします。本日は御多忙のところ御足労いただき、ありがとうございました。
 

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