ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議> 第1回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議(2017年11月22日)




2017年11月22日 第1回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成29年11月22日(水)10:00~12:00


○場所

経済産業省別館1階108会議室
(東京都千代田区霞が関1-3-1)


○議題

1 会議開催の経緯・趣旨について
2 臍帯血プライベートバンクの実態調査を踏まえた厚生労働省の対応及びその進捗について
3 今後の検証・検討の進め方について
4 その他

○議事

○瀬戸室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第1回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議」を開催いたします。本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。まず、本会議開催に当たり、健康局長の福田祐典より挨拶させていただきます。

○福田健康局長 先生方、おはようございます。健康局長の福田でございます。委員の先生方におかれましては、大変にお忙しい中をお集まりいただき誠にありがとうございます。開催に際しまして、医政局、健康局を代表いたしまして私のほうから一言、御挨拶を申し上げたいと思います。

 先生方、御承知のとおり本年5月の初旬でございますが、経営破綻いたしました臍帯血プライベートバンクが保管していました臍帯血が流出をし、当該臍帯血を入手した医療機関におきまして、無届けの再生医療等の提供が行われていた事案が判明いたしました。これを受けまして厚生労働省におきましては、本年9月に臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査を実施いたしましたところ、臍帯血の品質や安全性に関する情報の管理、契約者の意思に基づかない臍帯血の提供の可能性などの課題が明らかになりました。

 本調査結果を踏まえまして、厚生労働省といたしましては、臍帯血の品質管理、安全性に関する情報を提供できる体制を確保し、民民の契約を前提としたプライベートバンクにおきましても、契約者の意に沿わない臍帯血の提供が行われないようにし、また、契約者であるお母様方などに正確で分かりやすい情報を提供するといった観点から、各種措置を講じることとしたところでございます。

 本会議では、こうした今回の措置の実効性が担保されているかにつきまして、先生方それぞれのお立場から様々な御意見を頂き、検証していただいた上で、必要に応じて更なる対策の御検討をお願いしたいと考えています。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○瀬戸室長補佐 健康局長は所用のため、この後、退席させていただきます。今回は1回目の会議となりますので、構成員の御紹介をさせていただき、併せて出欠状況の御報告をさせていただきます。本会議の議長には、造血幹細胞移植委員会委員長の小澤敬也先生にお引き受けいただいております。次に、構成員の御紹介です。今村定臣構成員、梅澤明弘構成員、岡本真一郎構成員、神田善伸構成員、紀ノ岡正博構成員、田島優子構成員、辰井聡子構成員、野村由美子構成員、花井十五構成員の計9名の先生方にお受けしていただいております。本日は岡本構成員、花井構成員より御欠席との御連絡を頂いております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お配りしている議事次第に資料と参考資料の記載がございますので、お手元の資料を御確認ください。資料の不足や落丁等がございましたら、事務局までお知らせください。

 これより、議事進行を小澤議長にお願いいたします。報道のカメラは、御退室願います。よろしくお願いいたします。

○小澤議長 おはようございます。東大医科学研究所の小澤でございます。今回の議長を務めさせていただくことになりました。今、御紹介がありましたけれども、今回の問題は、臍帯血プライベートバンクが保管していた、臍帯血の提供、使用のされ方ということであり、こういった臍帯血プライベートバンクの目的は、再生医療、通常の造血幹細胞移植、この両方にまたがりますので、今回の検討に当たりましては、再生医療等評価部会と造血幹細胞移植委員会のそれぞれのメンバーから、今日のメンバーが選ばれたわけです。そういった関係で今回の検証・検討会議におきましては、造血幹細胞移植委員会の委員長を務めております私が、この議長を担当するということになりました。

 それでは、議事に入りたいと思います。本日は議事が3つございます。まず、本会議開催の経緯・趣旨について、次に、臍帯血プライベートバンク実態調査を踏まえた厚生労働省の対応、及びその進捗について、最後に、本会議の今後の検証・検討の進め方についてとなります。それぞれについて、まず事務局より御説明いただきまして、その後、議論をしていきたいと思います。議論の1番目、今回の会議開催の経緯・趣旨について、事務局から御説明をお願いします。よろしくお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 資料1に従いまして、事務局より御説明をさせていただきます。今回の臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議、これの設置をした経緯です。ここにございますように、本年5月初旬に経営破綻した臍帯血プライベートバンクが保管していた臍帯血が流出し、無届けの再生医療等への提供が行われていることが判明いたしました。これを受けまして、厚生労働省といたしまして、臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査を行いましたところ、一部、課題が見つかりました。本調査を踏まえまして、契約者の意に沿わない臍帯血の提供を防ぐということで、臍帯血を利用した再生医療が適切に行われるよう、後段で御説明させていただきますが、国のほうで幾つかの措置を講じたということです。再生医療等評価部会と造血幹細胞移植委員会の先生方から、代表でこの検証会議に入っていただき、これらの実効性が担保されているかどうか検証・検討いただくということです。

 検討内容ですが、今回の措置の実効性について、以下の観点から御検証いただければと考えています。臍帯血の品質管理・安全性に関する情報を提供できるようにすること。(トレーサビリティー)が確保されているか。民民の契約を前提としたプライベートバンクにおいても、契約者の意に沿わない臍帯血の提供が行われないような仕組みとなっているか。契約者であるお母さんなどへ正確で分かりやすい情報を提供できているか。こういったことが、厚生労働省が行いました措置に対して、達成できているかどうかを検証・検討いただければと思っています。

 検討の進め方ですが、これは本日、この検証・検討会議をやっていただいたということで、これを踏まえまして、元の再生医療等評価部会と造血幹細胞移植委員会にも御報告させていただき、そこでも議論していただくことを考えています。今、御説明いたしましたとおり今回のところにつきましては、いわゆるプライベートバンクというものが存在し、それが無届けの再生医療に使われたというところで、こういったことが二度とないようにということです。

 いわゆる民間のプライベートバンクにつきましては、その存在意義につきましても様々な御意見があるところですが、そこのところは再生医療が、今後どう発展するかという趣旨のところで御議論いただくということで、本会ではそこのところではなく、民間のプライベートバンクが存在するという前提で、それがこの検討内容の所に書かせていただいたようなことが達成できているか。そのような趣旨で検証・検討いただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。

○小澤議長 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明のありました内容について、御意見、御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。資料1の内容について、こういう臍帯血のプライベートバンクというと、その在り方等はいろいろ議論があると思いますけれども、今、井内室長から御説明がありましたように、今回はかなり実務面の在り方ですね。その使用のされ方について問題が発生しないように、どのように国として管理していくか。そういったところにフォーカスを当てて議論することになりますけれども、いかがでしょうか。何か確認すべきこと、質問等、どうぞ。

○今村構成員 論点が幾つか書いてございます。今回の件を見て、公に拠らないようなことで提供がされたわけですけれども、安全性という面では特に問題が起こっていないということで、そういう意味では民間のプライベートバンクでも、きちっとした品質管理が行われていたのかなということで一応の安心はしています。

2番目ですが、民民の契約ということで契約者の意に沿わないということが書いてございますけれども、民民の契約の中でこういうことについてお願いしますということで、その医療の内容と言いますか、医療と言っていいかどうか分かりませんけれども、その内容というのが契約者の間で合意されていれば、どんなものについてもいいというふうにするのか。あるいは、そうは言っても提供する医療、それに類似した行為というのは、やはりある程度の妥当性を求めるのかということは、結構、大事な問題ではないかと思います。民と民の契約だから任せておけばいいというのでは、いわゆる生体材料を使うという行為そのものが、倫理的にも相当おかしなものになってくるということで、提供する医療、それの類似行為というものについて、ある程度の歯止めというものも必要なのではないかという考えですが、この点についてはどうなのでしょうか。

○小澤議長 御意見、ありがとうございます。そういった実際の使われ方に関しては、再生医療等の法律等でカバーされていくことになると思いますが、その辺、事務局から説明していただけますか。

○森光研究開発振興課長 今村先生の御懸念に関しては全くそのとおりだと思いますし、そういう思いがあって、再生医療等安全性確保法の認定再生医療等委員会における審査という仕組みができていると思います。日本で行われる保険診療でも自由診療でも、全ての再生医療等が事前にこの委員会で審査されるという仕組みは、正に先生が御懸念の点を反映させてできていると私どもは考えています。

 ただ、今回の事案は、再生医療等安全性確保法で定められた認定再生医療等委員会での審査等の手続をせずに行われたものということですので、全く法の趣旨から外れているわけです。では、法に基づく手続をされた際にしっかりと審査されているかということについては、これから省令を見直すということもありますし、審査の質については適切に監督していきます。また、認定再生医療等委員会の審査の質を上げることで、再生医療の質を担保するという観点から、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

○今村構成員 もう少し言わせてもらうと、自分はそういうふうな疾患等について理解するけれども、それ以上のものを自分がやりたいのだと。そのために臍帯血を保存しておきたいというニーズが出てきたときに、そういうのはできませんからということでお断りする仕組みにするのか。それはそれとして、ある程度許容していくような方向にするのか。それで随分と利用の範囲というか、プライベートバンクを利用する利用者のニーズというか、そういうものが随分変わってくるようなのです。

 疾患というものを、ある程度決めていくということであれば、それなりに相当絞り込んだものになると思うし、かなり緩やかに認めるということであれば将来の期待ということもあって、プライベートバンクの伸びていく余地と言いますか、そういうものもあると思いますけれども、どっちのほうに力点を置いていくのかということで、今後の方向性というものを知りたかったということです。

○小澤議長 今の今村構成員のお話は、最初にお話しましたような臍帯血、特にプライベートバンクで保管しているものの臍帯血の利用の仕方、在り方というところに関わってきますので、最初に御説明したような今回の趣旨と少し外れるところはありますけれども、非常に重要な問題ですので、別途、十分に議論していく必要があると考えています。また、そういった臍帯血をどういう形で使用するのを認めるかどうかというのは、その時々によって事情は変わってくると思われますので、保管期間によると思いますけれども、実際に使用されるときに、その時点で法律がどうなっているかということにも関係していきますから、現時点の法律で縛ってしまうのもあるいは難しいかもしれませんけれども、いずれにせよ、そういった問題は今後、別途、議論は十分していかないといけないと考えています。何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。最初に申し上げましたけれども、今回はかなり実務的な問題について、おかしな形の医療が行われないようにといったことを考えているわけですが、どうぞ。

○野村構成員 この検討内容というのは、3のほうでまた議論していくことだと思いますので、そのときに言えばいいのかなと思ったのですが、3つ目の黒ポツの契約者であるおお母さんなどへ正確で分かりやすい情報を提供できているか。「お母さんなど」とあるのですが、この間の造血幹の検討委員会でも、この辺の先生と私がたまたまお話していた際に、お母さんは産む前の結構大変なときで、無事に生まれるかのほうに頭がいっぱいでなかなか考えられないときに、結局、おじいちゃん、おばあちゃんから、2030万ぐらいだったらいいんじゃないと、プレゼント的に渡してしまうみたいなことがあったり、OKしてしまうみたいなことがあったりするので、情報提供というのはお母さんに限らず、広くやっていくべきではないかと思っていますので、そういった形で検討していただければと思います。

○小澤議長 ありがとうございました。

○辰井構成員 本筋から全く外れると思いますが、先ほど今村先生からも少し言及がありましたけれども、実際に行われた無届けの再生医療の内容について、チェックみたいなものというのはされているのでしょうか。されているかどうか知りたいというよりは、それが安全性とか、どういったものだったのかということに関して何か感触をお持ちでしたら。

○森光研究開発振興課長 今回の事件が起きまして、私ども再生医療の担当部署のほうから無届で再生医療等の提供が行われているとの情報があった全国の医療機関に対して立入りを行いました。その際に患者さんのカルテ、提供した医師へのヒアリングを行わせていただき、もちろん、一番の優先は安全性の確保ということで、投与した患者さんに何かその後に異常が起こっていないか。それをまずフォローさせていただいたというのが、第1点です。

2点目に、先生がおっしゃるとおり、どういう目的で、どんなふうに臍帯血が投与されたのかということも、入手した記録からと、投与した医師から確認していますが、様々な目的での臍帯血投与になっています。大きく分けると、がんの細胞治療という形で使われた場合と、もう1つは美容に近いもので、美容でもいろいろなタイプがあって、アンチエイジングというような美容もありますし、しわ取りとか全身倦態感を少しよくするとか、そういううたい文句での投与があったと。ただ、量的にはそれほど多いというものではなく、様々な医療機関がありますから全部をまとめては言えませんけれども、そういう状況であったと確認しています。

○野村構成員 ついでにと言いますか、された医療に関してのお答えを今、頂いたと思いますが、資料の報告書に保管の安全性ということについては問題ないと書いてあります。4万何千件の臍帯血全部の品質、安全性に問題がないかどうかは、私も全然信用できないというか分からないところがありますけれども、その辺の感触はどうなのですか。

○森光研究開発振興課長 医療機関により幅はありますけれども、そもそも臍帯血が同様に流出していますので、その保管体制についていろいろ調べた結果はあると思います。事前に一定の検査をしていた医療機関もあると聞いています。いわゆる臍帯血の品質を確認するための感染症に関しての検査とか、そういう一定の検査をしていた医療機関もあり、全くしない部分もあるというのはありますけれども、そこは少し幅があります。ただ、当然、投与した後に何か異常が起きていないかというのは、患者一人一人、できるところまで医療機関に追っていただいて、その後に異常な症状が出ていないか。そういうところの報告は求めているということです。

○小澤議長 今回の事例の具体的な内容は、この次で議論と言いますか御説明があるかと思いますけれども、そのほかに何か確認しておきたいこと。今回のこういった検討会議の趣旨等について御意見がありましたら、よろしいでしょうか。

○今村構成員 正確で分かりやすい情報と書いてあるのですが、再生医療自体がまだ発展途上の医療行為ということであれば、正確で分かりやすいと言いながらなかなか難しい。それを採血する側、あるいは保管する側の意図というのがどういうものかによって、ICの取り方というのが相当変わってくる。やるんですよという強い意思があれば、そのような方向で多分説明をするということになって、情報のアンバランスと言いますか、そういうものがあれば提供する側というのは、それに乗ってそれに同意するような傾向が、ほかの医療行為よりももっとたくさん出てくる感じがするので、そこのところを発展途上の医療技術だということを前提にするのか。あるいは、今、分かっているような科学的妥当性というものを基礎にするかによって、かなり正確で分かりやすいというものも変わってくる可能性が大きいので、正確で分かりやすい情報というものを、どういうふうに規定するのかということも、実際問題としては相当大きな現実的問題になってくるのではないかと思います。

○小澤議長 今のお話は本当に重要な話ですので、正確で分かりやすいというのは正に現状では、まだよく分からないということを正しくお伝えするということが重要になるかなと思います。可能性をどこまでお話するかという問題もありますけれども、そういったことも今後の議論になってくるかと思います。何か御意見はございますか。次に移りましてよろしいでしょうか。また何かありましたら随時、御意見を頂ければと思います。次に議題の(2)番、臍帯血プライベートバンクの実態調査を踏まえた厚生労働省の対応及びその進捗について、事務局から御説明をお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 資料2-1、資料2-2、資料3で御説明させていただきます。まず資料2-1からですが、調査の概要ということで、厚生労働省でやった今回のプライベートバンクの実態調査の概要です。参考資料1に調査報告書本体を付けさせていただいています。調査目的として臍帯血プライベートバンクの業務実態の把握、調査方法として全国の産婦人科医療機関に御協力いただいて、知っているプライベートバンクを教えていただき、そこの情報を基にいろいろ広げていったという形です。調査項目については、プライベートバンクに対して事業の現状、保管契約の内容・件数、契約者への説明、品質管理・安全対策等を聞いたというものです。回答結果ですが、産婦人科医療機関からは1,913件お答えを頂きました。そこから情報提供のあったもの10社ということで、10社のうち、調査時点で活動が確認できたもの、これは現時点も同じですが、いわゆる活動していることが確定したのが7社、残り3社については基本的に潰れている。若しくは休眠状態という形です。その7社のうち、6社から調査結果を頂いたということで、この6社で調査報告書をまとめさせていただきました。臍帯血を保管している業者は5社あって、臍帯血は保管しておらず、引渡しのみを行っている社が1社ありました。

 今回、この調査において我々として問題点・課題と捉えたのが以下の4点です。1点目が、品質管理の記録や管理体制が十分でない事業者が見られるということでした。2点目は、契約上、契約終了後あるいは廃業時の臍帯血の所有権の扱い、処分方法等が不明確であって、契約者の意思に基づかない提供がされる可能性がある。そういった契約になっているのではないかということです。3点目に、その結果、こういった状態であるため契約終了後直ちに廃棄処分せずに、臍帯血を保管し続けている業者が4社あり、それが2,100件あったこと。つまり、契約がなされていない状態で保管がされ続けているのが2,100件あったという現状です。4点目に、契約時の依頼者への説明において、公的臍帯血バンクの役割、臍帯血プライベートバンクの事業実績等に関する説明が十分でない。そのような事業者がいたことが問題であると感じたところです。

 それを踏まえて、資料2-2です。右上にございますように具体的措置ということで、厚生労働省で幾つかの手立てを打ちました。1つ目が、通知によってプライベートバンクに対して業務内容等に関する届出を求め、ホームページで開示するということです。これにつきましては912日に厚生労働省より通知をしまして、1030日にホームページに掲載し、その内容を皆さんに見ていただけるようにしました。今まで実態がよく分からない状態だったのを、皆さんが見られるような状態にしたということです。

2つ目、通知により、望ましい契約書(ひな型)を提示するということで、先ほどの課題・問題点の所でありましたように、所有権の扱いや処分方法等が不明確であったところを、望ましい契約書を厚生労働省で作り、それをプライベートバンクのほうに提示するということです。これは929日に通知したというものです。

3つ目、プライベートバンクを経由して本人以外の臍帯血を用いた再生医療等提供計画の届出がなされた場合には、再生医療法に基づき臍帯血の安全性・有効性及び入手元の確認について、厳正に審査する。これは現在も行っていただいています。その際、上記のプライベートバンクからの届出内容や契約書も、こういった形でホームページに公開されていることを参考にしていただくということで、これも111日に事務連絡という形で対応しています。

4つ目、産科医療機関を通じて、契約者に対し、公的バンクによる臍帯血の提供体制について周知を行う。プライベートバンクに対し、契約者への適切な情報提供を求める。プライベートバンク及び日本医師会、産婦人科医会等々、後段、御説明させていただきますが、様々な方からこの違いをしっかりと説明していただいたというものです。お願いの通知は912日に出しています。

5つ目、再生医療等に関する情報の適切な提供方法について、これは再生医療をやっている1つの医療機関がリストに載ってしまうと、どの種類の再生医療が認められたのか十分に分からない。不明確だということで、その公表方法を改善するということで、これが104日の再生医療等評価部会で議論され、11月末に公表再開予定と聞いています。

6つ目、この委員会において実効性の担保を継続的に検証し、更なる対策を検討するということで、本日の1回目の会議を開いたというものです。

 これらの対応を行った後、どういう状況になっているかを、資料3で御説明させていただきます。実態調査によって現在も活動が確認できた臍帯血プライベートバンク7社に対し、912日付けで届出を依頼したということです。それを参考資料2の形で、我々が臍帯血バンクに依頼した届出の通知を載せています。

 その後、事業の届出ありは先ほどの調査で7社ということでしたが、そのうち2社から届出があったというものです。これが参考資料3-1、実績報告が参考資料4-1、ステムセルに関しては参考資料3-2、届出が参考資料3-1、報告が参考資料4-2となっています。参考資料を見ていただくと、参考資料3の連番のほうでは、一応、どういった品質管理をしているか等々について教えていただき、事業実態も教えていただきました。契約者への説明方法も届け出ていただいています。参考資料4-14-2では実績ということで、何件保管しているか。保管契約の終了件数が何件あるか。引渡しの件数等々について実績を出していただいています。これをホームページで公開しているというものです。

 資料3(2)ですが、現在事業を実施していない旨の書面提出ありは2社で、現在は事業をしていないという返事を書面で頂いたものです。さらに(3)ですが、今後廃業する意向である旨の連絡があったのが2社で、これにつきましては保管臍帯血がそもそもないのが1社、現在保管中の臍帯血を他業者へ移管、又は契約者との連絡調整によって廃棄し、その上で廃業する意向という返事を頂いています。ですから、この4社については実績はなしということで、2社から頂いています。(4)は届出をする意向があるけれども、まだ準備が整わないということで準備中が1社あります。現在は、先ほどの資料2-2の一番上の所ですが、届出の現状ということで約2か月経った現在、こういった状況になっているというものです。

 資料32ページ、2.契約終後に廃棄されず保管していた臍帯血の状況について、先ほど調査をしたときの課題で、2,100件、契約終了後にもかかわらず保管が継続されていたものがあったことが調査で分かったということで、これについても、その後、追跡を我々のほうで続けています。実際、あれから2か月経って新たに契約が終了するものも出てきているのですが、それについては今回の資料では混乱するので載せずに、後日のこの会で御報告させていただきたいと思っています。

 この件につきましては、一番上の行の一番右、2,0562,058というのが前回の調査時点です。その後ですが、各臍帯血バンクのほうで順次、手立てを打っていただいています。廃棄が確定している件数の所でアイル33件、ステムセル360件、それぞれどういった状況かというのを下に注釈で付けています。その次、契約者の意思を再確認後、廃棄予定の件数が42件、1,197件です。研究利用予定の件数は、書面によって同意を得ているということで、研究利用のために保管を続けるというものが下から2行目の384件となっています。現時点で方針未定の件数が、一番下の2社による4042件まで少なくなっているものです。これについて、廃棄が確定しているもの、契約者の意思を再確認後廃棄するもの、現時点で方針未定については、我々のほうで今後もフォローアップをさせていただくことを考えています。

 次のページ、3.契約書の見直しの状況について、厚生労働省にて望ましい契約書のひな型を作成しということで、先ほどの対策の2つ目です。これについては参考資料5で、厚生労働省より臍帯血バンクに、こういった契約書がいいのではないかというひな型を示したという通知です。それを受けたプライベートバンクでの状況ですが、アイルでは、通知を踏まえ、契約書の改訂を現在検討していただいているところです。ステムセル研究所では、契約書を改訂し、ほぼ内容については終了ということで、201811日以降、資料請求する分から使用を開始していく予定にしているというものです。

4.再生医療計画の届出時における対応についてですが、これは臍帯血プライベートバンクを利用した再生医療等の提供に当たり、実施要領を活用していただくため、臍帯血プライベートバンクが、厚生労働省に届出を行った書類の添付を求めるよう関係機関に依頼したというものです。各地方自治体衛生主管部()及び地方厚生局健康福祉医事課において、管下医療機関に周知を依頼したというのが参考資料6です。各認定再生医療等委員会設置者において、上記取扱いに基づく審査等業務の実施を依頼したのが参考資料7です。

 次のページに移って、5.公的臍帯血バンク及び臍帯血プライベートバンクに関する情報提供についてです。参考資料8でポンチ絵を1枚付けています。改めて御説明するまでもないですが、一応、説明させていただきますと、我々が問題点だと感じた1つが、公的バンクと臍帯血バンクの違いが、契約するお母さんにどこまで正確に伝わっているか危惧を覚えたというものです。ポンチ絵の上が非血縁の場合で公的バンクのシステムです。提供者の方は完全に臍帯血を寄付するということで、全国に6か所ある公的バンクに臍帯血を預ける。それは御本人には一切戻ってこなくて公的バンクか移植医療機関、いわゆる臍帯血移植をされる患者さんが出て、HLAのタイプが合ったときに提供する。一本線で、この場合、提供者の方には一切返ってこない非血縁の場合です。現在、国においては、全国の6バンクで11,000程度の臍帯血を保管していて、臍帯血移植が必要になった方の90%以上に関しては、この仕組みで提供ができる形になっています。

 下は血縁間の場合で、これが今回のプライベートバンクのものです。依頼者の方は契約者ということで、これは臍帯血を提供するのではなく、プライベートバンクと保管の委託契約をするものです。これについては基本的に誰か第三者に行くということではなく、生まれたときのお子さん、若しくは親族が何か困ったとき、再生医療が将来発展したときに、そちらのほうに返してもらうために預かっておくというものです。どちらも臍帯血をバンキングするという点では同じですが、性格は全く違っていて、上のほうは提供者の方は完全に寄付ですが、下の場合は契約者の方が実際に自分の子供のためにということで契約するものです。ですから、基本的に公的臍帯血バンクのほうの運営費は国や病院、いわゆる患者さんからのお金で成り立っていますが、血縁者間の場合については契約者、提供するお母さんのお金で経営しているものです。こういったところが、お母さん方に正確に伝わらない中で依頼が行われている可能性もあるということでした。

 そういったことを踏まえ、資料35.の所ですが、各事業者及び関係者の方に、こういった情報をしっかり伝えていただきたいとお願いしたものです。(1)各事業者における情報提供ということで、それぞれ2社において、アイルについては準備を進めていただいています。ステムセル研究所のほうはパンフレットの改訂を行い、今後、契約をする方には説明をしていただくというものです。

(2)関係省庁・関係団体からの周知ですが、日本医師会、日本産婦人科医会、消費者庁、厚生労働省、これは参考資料9から13までになりますけれども、厚生労働省からお願いしたというものです。その中で日本医師会には、都道府県医師会内及び管下群市区医師会への周知協力を依頼することをやっていただいています。日本産婦人科医会には、今後、都道府県産婦人科医会の理事会、総会等で報告をしていただく予定にしています。消費者庁においても、消費者関係団体への情報提供が行われました。厚生労働省(子ども家庭局母子保健課)からは、日本看護協会助産師課、自治体の母子保健主幹部()に対してこういった周知をして、全国の地域ブロック別母子保健事業研修会でも周知を継続していただく段取りとなっています。

6.再生医療等に関する情報の適切な提供方法について、これについては前回、再生医療等評価部会において議論いただき、その中で、改正内容についてマル1~マル5までをインターネットを利用して公衆の閲覧に供する方法に変えると、そのように決めていただいていると聞いています。事務局からの説明は以上とさせていただきます。

○小澤議長 ただいま御説明のありました内容について、かなり分量が多いわけですが、御意見、御質問等いかがですか。

○神田構成員 この資料の中で、「本人に返還」とか、「本人」という言葉が使われているのですが、本人が母親である場合と契約者である場合、契約者が夫だったりする場合も祖父だったりする場合もあると思います。契約者本人なのか、あとは医療現場の立場で言うと、本人と言うと、その赤ちゃんになります。「本人へ返還する」というのが、これは誰に権利があるのか。例えば、父親が契約していて、離婚して別に子供ができて、その細胞を使いたいといった場合に、その赤ちゃんだった本人が大きくなっていると、それは自分のために残してほしいと思うかもしれませんが、その本人には権利がなくて、契約者本人に権利があるのかとか。そういったところは、この「本人」の定義というのはどのような理解になっているのですか。

○小澤議長 いかがですか。

○大比良室長補佐 各事業者によって契約書の形態も異なるので一概には言えないのですが、基本的には、お母様とプライベートバンクが締結する契約書になっています。その契約書の中で、臍帯血の所有権はお子さんに帰属するということを確認するというような形になっています。つまり、契約上は、契約の当事者はお母さんですが、その持ち主はお子さんだということを、契約当事者である事業者とお母さんとの間で確認しているというような形になっています。ですので、臍帯血の取扱いについては、お母さんがお子さんの御意思も確認し、お子さんが10年すれば10歳ですし、契約更新を更にして20歳になれば、それなりの意思決定ができるような年齢になりますので、そういった場合にはお子さんの御意思も確認して、契約をどうするかというような決断がなされるのかなとは思っております。現状としてはそのような契約書の形態になっているかと思います。

○神田構成員 そうしますと、この「本人へ返還」の「本人」というのは、そのときのその赤ちゃんですね。

○大比良室長補佐 こちらで想定しているのは、一義的には契約者であるお母さんですが、契約者が望めば、そのお子さんたちに御返還するということになるかとは思います。

○神田構成員 「本人へ返還」の「本人」は、契約者本人ということですか。

○大比良室長補佐 契約者様に意思を確認した上で、契約者様が私に返してほしいということであれば、契約者様にお返しすることになるかと思いますし、契約者様が自分の子供に返してほしいということであったら、お子さんに返すとか、場合によって変わるのかとは思います。まずは、契約当事者であるお母さんに、廃棄をするのか、若しくは契約を継続するのか、そういった意思確認をしていただくということなので、ここで言っている本人は、契約をしたお母さんというように我々としては考えて書いております。

○神田構成員 そこを明確にしておかないと、契約者と所有権、所有者は違うわけですよね。所有者に拒否権があるのですよね、そこで。

○大比良室長補佐 その辺もやはり契約書の中身を今後御議論いただきたいところでして、今問題提起していただいた部分も含めて、契約書の書き方自体が適正かどうかというところを御議論いただきたいと思います。

○神田構成員 実際に造血幹細胞移植の現場であっても、離婚とかいろいろなことで、もともと血縁関係にあった人が離れていって、必ずしもスムーズにいかない場合もありますので、そこは契約の段階でしっかりしておく必要があるかと思います。

○小澤議長 今の件でいきますと、参考資料8には、「本人からの委託を受けて臍帯血を保管」と書いてありますから、この文脈でいくと、本人は赤ちゃんということはなくて、やはり親になってくるかとは思いますが、定義はしっかりしておいたほうがよろしいということだと思います。

 それから、この同じ参考資料8ですが、今の「プライベートバンク」の右側の四角の中の3つ目に、「造血幹細胞移植法の規制の対象外」という文言があります。何に関して規制の対象外ということになるのか、説明をしてください。

○井内移植医療対策推進室長 上の公的バンク、臍帯血供給事業者のほうは吹き出しでありますように、厚生労働大臣の許可が必要で、許可を受けて事業を行うとなっております。その根拠になるのが、造血幹細胞移植法ということです。プライベートバンクは造血幹細胞移植法の中での対象に入っておりませんので、いわゆる届出です。今回、我々のほうで届け出ていただくというのを健康局長通知で作らせていただきましたが、造血幹細胞移植法ではここの部分については入らないということです。

○小澤議長 要するに、保管等に関する部分が規制の対象外という理解でよろしいわけですね。

○井内移植医療対策推進室長 はい。

○小澤議長 それを実際に使っていろいろ造血幹細胞移植なり、再生医療等を行う場合にはまた別な話になって、当然法律が関係してくるのですから。

○井内移植医療対策推進室長 はい、そちらのほうは再生医療法になるということです。

○紀ノ岡構成員 今の話で、プライベートバンクから来た病院施設への造血幹細胞移植というのは、再生医療なのですか、移植なのですか。ここは移植として捉えているという表現なのですか。最後のところ、そこの再生医療法のほうに引っ掛かるのか、それとも造血幹細胞の範ちゅうでの移植なのか、どちらなのですか。

○井内移植医療対策推進室長 もう一度、お願いします。

○紀ノ岡構成員 先ほどおっしゃっていたのは、プライベートバンクは造血幹細胞移植法の範ちゅう外、規則外です、医療のほうは範ちゅうの中ですという場合は、結論としては造血幹細胞を使った患者さんへの移植は、再生医療法ではないという表現になるわけですね。

○井内移植医療対策推進室長 プライベートバンク、公的臍帯血バンクは厚生労働大臣の許可が必要なのですが、医療機関は特に許可とか、届出とか必要がないので、いわゆる造血幹細胞移植法に該当する医療機関というのはない。

○紀ノ岡構成員 だから、最後の、ここの「移植医療施設」に書いている「移植」という言葉は、これは再生医療安全法の範ちゅうなのか、それとも上記の「移植」の言葉なのか、どちらの言葉なのだろうかというのが分からなくなって、教えていただきたいのです。

○森光研究開発振興課長 再生医療等安全性確保法では、通常の造血幹細胞移植については、対象から外れております。

○紀ノ岡構成員 通常とおっしゃっているのは、公的バンク。

○森光研究開発振興課長 通常のとは、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律に規定する造血幹細胞移植です。ただ、そこで細胞に加工を施すなど、そういうようなものに関しては再生医療ということで、再生医療等安全性確保法の対象としております。

○紀ノ岡構成員 確認なのですが、プライベートバンクを経ている移植医療施設のほうは、移植と再生医療と両方あるという解釈になるということで、よろしいですね。

○井内移植医療対策推進室長 プライベートバンクに預けたものの移植というのが過去に1例ありました。これは造血幹細胞移植法ができる前に、過去に1例ありましたが、現在は基本的にはない。実行上ないと聞いております。

○紀ノ岡構成員 実施する場合は、どちらの法律で実施されたのかというのを少し念頭に置かないと、多分移植法のほうだと思っているのですが、そういう解釈でよいわけですね。

○森光研究開発振興課長 移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律に規定する造血幹細胞移植でなければ、再生医療ですね。要するに、再生医療の新しい技術を評価していこうという取り組みとして、再生医療等提供計画を国に届出していただこうということなのです。ただ従来から行われていたような通常の造血幹細胞移植については、再生医療等安全性確保法の対象から除外しております。

○紀ノ岡構成員 プライベートバンクでも外れているという解釈でよろしいですね。

○森光研究開発振興課長 はい。

○小澤議長 通常の造血幹細胞移植みたいにして使う場合はそうですが、プライベートバンクはどうも主な目的は再生医療みたいな形に使いたい意向があるようですので、その場合はまた変わってくるわけですね。

○森光研究開発振興課長 はい、そのとおりだと思います。

○辰井構成員 多分今の件とも関係するのかもしれないのですが、先ほど御説明の中で、非血縁間のルートと血縁間の両方があって、90%以上はこの公的バンクを通じたもので行われているというようなことをおっしゃったと思うのですが、残りの10%ぐらいというのはどういったものなのですか。

○井内移植医療対策推進室長 ちょっと説明が足らなかったかもしれませんが、基本的にやられているものの比率でいくと100%公的バンクでやられています。今11,000ほど、いわゆるバンキングをしていますので、患者さんが欲しいと言った場合に90%以上の方の適合する型の臍帯血を見つけることができるという意味です。実施されている臍帯血移植は、現在100%が公的バンクです。

○野村構成員 私も質問なのですが、資料2-2にあった対応済みの事務連絡のところの、要はプライベートバンクを経由して再生医療の届出がなされた場合にはという、今後の事務連絡のことが書いてあるのですが、過去にプライベートバンクから再生医療に使われるということの正式な届出があって、許可されたりとかされなかったりとか、そういう事例があるのかどうかについて。

○森光研究開発振興課長 これは再生医療等提供計画が1件、生まれてきた赤ちゃんに対して、プライベートバンクに保存していた、その赤ちゃんの臍帯血を使って治療したいということで、提供計画の届出がされているものが1件あります。

○野村構成員 実際された。

○森光研究開発振興課長 実際されています。

○野村構成員 ちなみに、何の治療なのですか、障害者。

○森光研究開発振興課長 脳性まひです。

○野村構成員 脳性まひで効果があったとか、そういうのは。

○森光研究開発振興課長 それはまだこちらに報告いただいていません。

○野村構成員 あと1つですが、私も素人なので全然それがあるのか分からないのですが、ステムセルさんとアイルさんの資料の中に、研究目的での引渡し件数というのが24件、ステムセルさんのほうにあるのかな。その下のところに、研究利用の書面同意を得ているもの384件とあるのですが、確か造血幹細胞移植委員会で、公的バンクのほうで移植に使えなかった臍帯血を研究利用にどうするかというところの同意の取り方の書面について、かなり議論したような覚えがあるのです。一般のそういう公的バンクではない所の民間では、こういうふうに普通の研究医療機関、大学病院とかそういう所なのか分かりませんが、プライベートバンクからこんなふうに普通に臍帯血をゲットしているというか、得てやっているものが普通なのですかということが、分からなかったものですから教えてください。

○井内移植医療対策推進室長 我々が聞いているいろいろなケースがあって、研究者がどういう形で集めるかということにかかっている。例えば、独自にどこかの病院と契約をして、その産科医療機関のほうのお母さんに独自に説明をする。その研究に対して欲しいという、一対一対応の形もあります。いわゆる人に使う研究とそうでない研究もあるので、それによってもまちまちですが、要は人に使わない研究などであれば、大学などでそういう臍帯血を研究利用するためにということで、今回は民間のプライベートバンクですが、これとはまた別に研究用のバンクという形で大学などが主体となって動かしているものもあります。

 結局、研究者についても倫理委員会を通す中で、どこからどういう臍帯血をもらってくるかを、研究者の方は独自の自分の施設内での倫理委員会を通していかなければいけないので、欲しいからもらうという形ではない。今回プライベートバンクのほうで研究用に保存しているのも、研究者が責任を持って、そういった所から研究用にもらうことを、倫理委員会を実施施設の中で通して、実際に研究を実施する。基本的には、こういった場合は人には使わないとは聞いてはいるのですが、そういった手続で、それぞれの所で手続をしている。先ほど出た公的バンクの話は、あくまで公的バンクとしてどうするべきかということなので、国の審議会の中でも委員会の中でも検討いただいています。

○野村構成員 このステムセルさんのものは人に使う研究もあるのですね。

○井内移植医療対策推進室長 研究目的自体は、私が聞いている範囲では、人ではないという理解なのですが。

○野村構成員 そういう研究に関しては臍帯血というのは、そうやって専ら当たり前にやり取りされている。今いろいろ経過を経てですが、それが研究の現状ということですか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、そうです。

○小澤議長 先ほどの問題になった事例の具体的な内容に関する表みたいなものは、今回特に資料の中にはないのですか。どういう形で実施されたか、目的等。この5月でしたか、流出した臍帯血を使って、どういう臨床試験と言いますか、実際どういう形のものが行われたかという、整理した表はどこかに付いていますか。

○森光研究開発振興課長 今回、そのような表は提出させていただいていないのです。医療機関によっては1名とか2名の方に対して治療を行っている場合がありまして、疾患名が分かってしまうと患者さんのプライバシーの問題があるものですから、そこに関しては公表等を控えさせていただきたいということです。これまでも各医療機関での詳細な、どういう治療で、どういう臍帯血の投与経路で、どういうふうに行われたかということについては控えさせていただいている状況があります。

○今村構成員 確認ですが、プライベートバンクでの臍帯血というのは臨床研究には用いていないということなのですか。

○森光研究開発振興課長 プライベートバンクの臍帯血を用いた臨床研究というのは、再生医療等安全性確保法に基づいて、国に1件届出がされています。要するに、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律に規定する造血幹細胞移植以外で、臍帯血を人に投与する場合には、基本的には再生医療等安全性確保法に基づく国への届出が必要になりますが、今回、私どもで再生医療等提供計画の届出のリストを調べたところ、プライベートバンクにて、保管していた細胞を使うという提供計画が届出されていたものが1件あったということです。

○小澤議長 それは実施はしてない。

○森光研究開発振興課長 実施されています。

○井内移植医療対策推進室長 プライベートバンクを経由して人に使ったのは、契約どおり、本人に戻ってきたものです。

○森光研究開発振興課長 そうです。

○井内移植医療対策推進室長 ここで先ほど300幾つと出したのは、臍帯血バンクが本人に戻すという研究ではなくて、全く第三者が研究をするというときに提供する、基礎研究のためにためておくというものなのです。

○今村構成員 使う対象は本人とか、子供ではない。

○井内移植医療対策推進室長 はい。第三者が行う基礎研究に提供を。

○今村構成員 基礎研究というのは人ではない。

○井内移植医療対策推進室長 人ではない、はい。そのためにバンキングしておくというものです。

○今村構成員 人を用いた臨床研究というのは、公的バンクのものを用いてやっているということになるのですか、そうではない。

○森光研究開発振興課長 再生医療等安全性確保法は、細胞の保管を行うことについて規制しているわけではなく、細胞に加工を施して再生医療等を行おうとする場合に、再生医療等提供計画を策定いただいて、その計画を認定再生医療等委員会で審査をした上で、国に届出をしていただくという規制をしています。結果的に、その計画の審査においては、その再生医療等の提供の適否についてはもちろん、どのように入手した細胞を使っているかとか、どのように保管をした細胞を使っているかとか、そういうことも併せて確認いただいております。再生医療等安全性確保法においては、医療機関で再生医療等をどのように安全に提供するか、というところを中心に評価しております。そのため、臍帯血の提供元がどのような民間のプライベートバンクなのか、それとも各施設で保管しておいたものを使ったのか、そのような経緯についても様々な確認がされることになるかと思います。ただ、今回私が言うのも何なのですが、公的なバンクというのは正に造血幹細胞移植のためにつくられておりますので、出口は再生医療ではありません。

○今村構成員 使うことはないと。

○森光研究開発振興課長 はい、なので使うことはない。

○今村構成員 もう少し言いますと、よく我が国でもやろうとしている、いわゆる脳性まひに係わる臍帯血の使用は今どういう感じになっているのですか。

○森光研究開発振興課長 それが先ほどの1件です。

○今村構成員 それ、1件だけ。

○森光研究開発振興課長 臍帯血を用いた再生医療等提供計画の届出がされているものは、1件ではなく、2件です。プライベートバンクを経由して、脳性まひに対して臍帯血由来の造血幹細胞を用いるという提供計画が1件あり、プライベートバンクを経由しないで、大学等の施設に保管されている臍帯血を用いる提供計画が1件あります。

○今村構成員 大学なら大学で。

○森光研究開発振興課長 大学で。生まれてすぐに投与するということで、プライベートバンクを使わずにそのまま患者さんに投与するという再生医療等提供計画が1件届出されておりまして、一応、日本において再生医療等安全性確保法に基づいて臍帯血由来の造血幹細胞を脳性まひに使うという提供計画は2件届出されています。

○今村構成員 2件ですね。

○森光研究開発振興課長 はい。

○神田構成員 B社からの11件というのは、脳性まひが2件で、その他が9件ということですか。参考資料15ページです。

○井内移植医療対策推進室長 これは計画が出てくる前のものも入っている。再生医療法ができる前のものも入っているので。

○神田構成員 なるほど、9件は再生医療法より前で、把握できない。

○森光研究開発振興課長 先ほどおっしゃった1件というのは1計画なので、その1計画の中に何件かやられている件数が入っています。

○神田構成員 なるほど、分かりました。

○紀ノ岡構成員 臍帯血で、同種移植の異種に係るところは今まで、かつてなかったと思っているのですが、それでよろしいのですね。

○森光研究開発振興課長 はい、ありません。

○紀ノ岡構成員 ありがとうございます。今まで例がないということ、他人へは例がないですね、再生医療法ができてからは。

○小澤議長 兄弟は。

○森光研究開発振興課長 今まで届出されている再生医療等提供計画は、兄弟ではなく、本人の臍帯血を用いるものだけです。要するに、生まれた赤ちゃんに対して、本人由来の臍帯血投与を行う提供計画ですので、他人の臍帯血を投与する提供計画として届出されたものはありません。

○小澤議長 白血病の場合は、兄弟に移植していたのではなかったのですかね。

○森光研究開発振興課長 それは移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律に規定する造血幹細胞移植ということで、再生医療等提供計画の届出は必要ないのです。

○野村構成員 基本的なことですが、ステムセルさんがB社なのでしょうね、12件引渡しして、1件が規定疾病の治療を目的とした移植とありますが、この12件はどういう治療なのか分からないので、教えてください。

○井内移植医療対策推進室長 この1件の規定疾病が兄弟、白血病に対するもので、再生医療のがいわゆる新たな再生医療で、基本的には今お話のあった脳性まひと理解しています。違うかも分かりません。これは研究の中身もあるので、明確にはやはりきちんとプライベートバンクが報告するというのは難しいみたいなのですが、一応我々の理解ではそういうことです。

○小澤議長 この1件ですが、兄弟へのあれですよね、白血病の。

○井内移植医療対策推進室長 と理解しています。

○野村構成員 これは届出されたもの。

○井内移植医療対策推進室長 再生医療法前のものも含まれています。

○今村構成員 7社書いてありますね。調査を依頼したら拒否をした業者というのは、このうちのどれなのですか。

○井内移植医療対策推進室長 一応調査をしたときに、この調査は任意調査だったので基本的には会社名を出さないということで、A社とB社とC社のみが名前を公表していいということで名前を公表したので、残りは言えないことになっています。

○小澤議長 そのほかいかがですか。今のは参考資料15ページの表を見ますと、ともかくB社のデータなんかはこれだけ大量保管していて、実際に移植なり、再生医療等を行ったケースは僅かこれだけですから、実際使うことは極めて少ないというデータにもなっています。その辺の議論はこの会議の検討課題からはちょっと外れますが、参考になるデータではあります。

○紀ノ岡構成員 参考資料1なのですが、その中で、3)「契約者への説明に関する事項」のマル3の説明内容で、「品質管理」にA社からD社までマルが付いていると。ただ、D社に限って言うと、調製を行っていないのに品質管理があるというのは、文書の引渡しがずっときているような形。D社の業務が分からなくて、調製をしていないで保管だけしているというのは、どこかから細胞が来て、単に保管されているだけで、品質管理とかいろいろな情報、感染症の話も中でマルが付いていたのですが、それは全部情報が引き継がれているから、こういう形になったという理解ですか。それとも、実際にその調製の範囲が、どこからどこまでが調製と言っているのか分からなかったので教えていただきたい。

○井内移植医療対策推進室長 5ページに、一番最初、調査結果の頭のところでA社、B社、C社、D社、E社、F社がそれぞれどの業務をやっているかというのがあって、D社は保存・引渡しのみということです。実際、実はこの調査については任意で、アンケート調査ですので、回答していただいたものをそのまま載せております。

○紀ノ岡構成員 事実かどうかは、その書き忘れの可能性もあるという表現でよろしいですか。

○井内移植医療対策推進室長 はい。

○紀ノ岡構成員 はい、分かりました。

○小澤議長 いかがですか。大体確認すべき点はよろしいですか。また何かありましたら御意見いただくことにしまして、それでは議題3に移りたいと思います。今後の検証・検討の進め方についてということですが、事務局から説明をお願いいたします。

○井内移植医療対策推進室長 資料4に従って御説明をいたします。今後の検証・検討の進め方の御提案ですが、まず届出内容等を確認するための実地調査ということで、今回届出を頂きました。実際の品質管理等は、我々も確認をしているわけではないということで、いわゆる各事業者へ実地調査、この検証・検討会議の力もお借りしてといいますか、この検証・検討会議のメンバーも入っていただいた形で、各事業者への実地調査を行って、届出内容が正確に記載されているかどうかということ自体を確認してはどうかと。

 特に見ていただきたいと思っておりますのが、そのトレーサビリティーが確保されているか。最終的に医療に使うかどうかは、これは恐らく再生医療の中でまた審議がされてということですが、そこに資するようなものになっているのかどうかという、いわゆるトレーサビリティが確保されているのかどうか。まだまだ届出の準備中という所もありますので、併せてここも一緒に見に行ってはどうかということで、対象はいわゆる3社でいかがでしょうかということです。

 あと契約書の見直しについては、新規契約を行っている事業者の契約書ということで、今2社において鋭意進めていただいていますが、そういったものが最終形が出てきたところで、それを確認する必要があるのではないか。契約終了後も破棄処分されずに保管していた臍帯血の破棄状況ということで、おおむね方針はついたということです。これも実際に契約者等の意思を確認した上で、破棄するにはもう少し時間が掛かるので、実際に破棄されたというところまでで、まだ方針未定のところもありますので、それがどうなるか。そこがゼロになる、行き先が確定するまで、ここを引き続き我々としてもフォローアップさせていただきたいと思っております。それが出た時点で、また御確認いただいてはどうかと思います。こういった状況等が出そろったところで、上記の進捗を踏まえ、また議論をしていただいてはどうかと考えております。

○小澤議長 ありがとうございました。それではただいまの御説明について、何か御意見

等いかがでしょうか。

○梅澤構成員 確認をさせてください。実地調査をする主体は、今回の場合このバンク等やこの医療機関は認定再生医療等委員会もないわけですので、厚生労働省でしょうか、どこになりますか。ちょっと私も頭に浮かばないのですが。

○井内移植医療対策推進室長 一応、我々厚生労働省のほうで、まずは行くという形にさせていただきたいと思っております。有識者であるここの先生方にも、一緒にしっかり見ていただければと思っております。

○梅澤構成員 もう1つが、この調査に係る法令上の項目。任意になるのか、又は調査というのが強制力を持つようなものなのか。持たないですよね。

○井内移植医療対策推進室長 はい、持ちません。

○梅澤構成員 任意の形だから。ありがとうございます。

○今村構成員 私ども日本医師会は、この問題が出てきたときに、法的規制を含めて検討してはどうかということを申し上げました。ただ実際に、この業を行っている方が23社という当局の目の行き届く範囲だということで、直接的に法規制をというよりは、こういったような対応というのが実際的であろうということで、これについてはこのやり方を評価します。

 ただ、今、梅澤先生が言われましたように、任意ということで、拒否だとか虚偽だとか、そういう場合の罰則も恐らくなかろうと思いますので、そういう問題が出てきたときに、更に一歩進んだ対応というのが実際的なのだと思っております。

○小澤議長 事務局からそれについて何かありますか。

○井内移植医療対策推進室長 正に今、ここで検証・検討いただいておりますので、我々が知り得た情報をここでまた御議論いただいて、今の今村構成員からありました御意見も含めてまた御示唆いただければと思っております。

○小澤議長 今回、問題になった事例に対する処置は、具体的にどうであったのか御説明いただけますか。その医療機関に対する。

○森光研究開発振興課長 医療機関に対しては、無届けで臍帯血を用いた再生医療等を提供したという情報提供がありましたので、立ち入り検査して、その事実を確認したところで緊急停止命令ということで医療機関としてその医療行為はできないように国から命令をしています。それがまず1点です。

 基本的に優先すべきことは、患者さんの安全に関してということで、医療機関に健康被害等の有無に関する調査をして国に報告するように命令をかけています。その後、再生医療等安全性確保法に基づく届出が必要であることを把握していたにもかかわらず、行っていた医療機関に関しては、警察に対して告発をしています。数名の関係者は、逮捕され、今後何らかの判決がなされるであろうと伺っています。

○小澤議長 ありがとうございました。何かその他。

○今村構成員 民事的な訴訟というのはこれによって起こってないのですね。

○森光研究開発振興課長 今のところ、民事的に何か起こっているという話は、私どもは伺っておりません。

○梅澤構成員 実地調査の妥当性について今、今村構成員から御指摘がありましたが、これも検証・検討していくということが目的ですので、その実地調査の結果を見て、これが妥当だったかどうかについては、この会議体の中で見ていけばいいのかなと感じています。恐らくこの実地調査をする方は、前もって調査項目といったものを決めて、そしてそれに対しての答え等を期待することになると思いますので、全体を見れば透明性・公開性も担保できていくかと思っております。

○小澤議長 両方の委員会にその結果を報告して、両方でまた議論されるかと思います。その他何か。

○紀ノ岡構成員 私はバンキングのところと医療側のところの狭間が、要はつなぎが問題になると思うのです。バンキング側が、品質管理をしている。でもその後、解凍後、治療側で使う。誰が最後に質を、特に細胞がどのぐらいいるのかというのが保証されて治療しているかというところが、どちらの責任になるのか分かるようにしないと、きっと再生医療の安全確保法でも、そこは抜けになるかと思います。

 要は今回バンキングのところを調べていただくときに、どこまで質が見えていて、きっと解凍することがないと思いますので、解凍後の質は分かっていなくて出荷している。医療側も解凍してすぐに打ち込むので、誰も見ずにしている可能性があるので、そこをどう埋めるかが、多分一番再生医療側ではポイントかなと思うので、是非そういうことが分かるような形でレポートが出てくるといいかなと思っています。

○梅澤構成員 安全性確保法上においては医療側に品質の責任があるということなのですね。ただ、現実的に難しいということですよね。

○紀ノ岡構成員 クリニックにおいて検査するとは思えない。それを強制するかどうかは、この場合は異種になる場合が多いので、最終的にはチェックしていかないといけないのですが、余りそこの意識がないのではないかと思うので。

○梅澤構成員 そこの意識を持たせるのが、立て付け上は認定再生医療等委員会で検証することであるというのが理解です。

○紀ノ岡構成員 そういうレポートから1つずつ作っていって、認識していただくことが今回のポイントかなと思っています。お願いします。

○野村構成員 今のを聞いて、御専門の方たちはそうなのですけれども、この間に大学病院にお勤めの、要は白血病治療の移植委員会の先生等は、例えばプライベートバンクから10年後ぐらいに、私が採っておいた臍帯血ですと言われて、白血病になった患者さんに私はそれを移植に使えるかなって結構悩んでおられました。はい、そうですと、ぽんと出されて使うかな、という、本当に10年後、20年後に、これはちょうど20年前に採っておいたんです、どうぞ自由に使ってくださいみたいなことを先生たちに言われて、実際に採る側でなくて治療する側の先生たち、学会の見解を知りたいところがあります。実際に調べられる方法があるのでしょうけれども、その持ってこられたものを目の前の治療の患者さんに使うのかどうかとかは、私たち素人からいくと何か不安に思います。今回そういうところでも非常にそんなに簡単なものなのかなと、ちょっと思ったりしているところではあります。

 検証・検討の進め方に、その最初の検討内容にあった情報提供のことが触れられていないのですけれども、これはありと入れていただきたい、議論されていくことでいいのですよね。そのときに民民なので自己責任で契約すれば、後は契約者の責任だということはもちろんあるのだろうと思うのですけれども、やはりお母さんたちとか素人の方たちというのは、その時点で先ほど誘導された説明を、意図をもってすればするとおっしゃっていました。

 本当の情報を得て自己責任ができるか、本当の情報を得たつもりでいても分からないこととかがいっぱい出てきますし、ネットの情報は欲しい情報があるとは限らないということで、やはり先ほどのところにあった、国民生活センター、消費者庁だけのそういったホットラインだけでいいものか。契約上の不備とかそういう相談はできるかもしれませんけれども、ちょっと専門的なことが掛かってくるので、そういったその後の相談・救済のラインとかも情報提供で必要なのではないかとか、そういうところの議論などは進めていただけるのかどうか。ここでするものではないのかどうか分からないのですが。

○小澤議長 その辺、プライベートバンクの在り方の問題に十分関わってくることのような気がします。それをまた議論があるわけですね、再生医療の関係の議会で。

○井内移植医療対策推進室長 我々の最初の想定では、今の御提案は入っていなかったので、今回の検証・検討の進め方には入っていなかったので、今御意見が出たということで、我々としては情報提供についてはもう一通り終わってしまったとの認識でしたので、今現場でどういう形で動いているかというようなことの確認が必要かと思います。ちょっとそこは、どういう情報の取り方ができるのか分からないのですけれども、自治体のほうにも伝わっていますし、いわゆる母子保健のところにも伝わっていますので、そういうところで具体的にどういう対応があったかとか、ちょっと情報が取れるか分かりませんが、そこはまた検討させていただきます。

○梅澤構成員 民間と民間の契約だからというところはあるのですが、この会議の目的の1つが民間と民間であったとしても、なかなか難しいところがあるという御意見も頂戴しています。こういう行政の委員会として品質やこの契約内容、インフォームドコンセントについて、本来であれば認定再生医療等委員会がやるべきことなのですけれども、現在、行政として何をしたかについて検証して、その上でもう1つ今後何ができるか。具体的に私が分かることですと、ICの内容や契約方法の取り方について、どこまで公開できるか、又は公開するような方法で、どういう手段があるかというようなことについて、議論ができるかどうかといった辺りかなと感じてはいます。

○野村構成員 再生医療のときに、先ほどの改正内容といって御紹介されましたけれども、どれだけ分かりやすく書こうが、ネットでアップしましたでおしまいだと、絶対にそんなの情報提供ではないと思っているのです。そのフォローがない状態では、情報提供ではないという理解でいますので、その辺が本当に適切な情報提供ができているかというのが検討内容に入っているのであれば、それはここで詰めるのかなと思っていました。

○小澤議長 調査結果を見て、また議論をもう少し深めることができるとは思います。

○野村構成員 見ればいいじゃないか、見ないのは君の責任だというのでは、ちょっと違う気がするのです。

○小澤議長 あと関連したことと言えば、こういうプライベートバンクの業務内容に関し、国が関与することによって、一方で国に認められたものであるという誤解を、一般の方が持たないように、うまく国が利用されないような形で行わないといけないという感じがしています。その他御意見は。

○辰井構成員 質問ですけれど、品質管理の在り方とか安全性確保のために必要とされる措置という観点について、これは再生医療法ができた後とその前とで、何か実質的な内容に違いがあり得るのでしょうか。というのは、このプライベートバンクの性質が、恐らく当初からかなり変わってきていて、当初は血縁間の臍帯血移植ということで、再生医療というのは一応将来そういうことがあるかもという感じで付けていた。しかし実際には血縁間の臍帯血移植はほとんど行われることがなくなって、再生医療というのがメインの目的になってきていて、再生医療は再生医療法ができて、かなりきっちり管理されるようになった。

 これまでだと普通にやっていてくれればいいですという感じで、コントロールしていればよかったのかと思うのですが、再生医療に使われる可能性もあるということになると、法で規制するかどうかはともかくとして、こちらから要求する水準として再生医療法に則った再生医療に使えるような形でやってくださいという要求をするのが、筋だろうと思うのです。それをやろうとした場合に、これまでのスタンダードより少し厳しくなっているとか、何かそういうことはあるのでしょうか。

○梅澤構成員 今回の再生医療等安全性確保法ができたお陰で、幾つかのことが対応できたというのも事実だと思うのです。もしこれが法律ができる前だったら何ができたのかというと、メディア等での公表とかその程度になって、行政的な観点からは法令上できることが幾つかは限られていたように、私は思っています。答えにならないか。

○森光研究開発振興課長 今おっしゃった意味は、再生医療等安全性確保法があったために、いわゆる闇というか、どこから流れてきたか分からない臍帯血を患者さんに投与していたことに対処できた。つまり、国として、法律の違反ということで緊急停止命令もかけられましたし、悪質な医療機関に関しては告発をするというところまで行った臍帯血を用いた再生医療等の安全性についても、そもそも、まずは再生医療等提供計画を策定いただき、その提供計画ごとに、どのような検査をすればいいかとか、そういうことを認定再生医療等委員会の中で議論しながら、適切なことをやっていただくという仕組みになっている。これは法制定前に比べれば、そういうことができるようになったということで、進んだと言っていただいたのだと思います。

○梅澤構成員 届出もしていないので、品質についても、それからICの内容についても、全く検証すらされなかったというところが、最大の問題だと思います。

○辰井構成員 それでは質問の中身を変えて、これからプライベートバンクに行って品質管理の在り方などについて検証するときに、その検証する際の基準というのは、再生医療に用いることができるような保存の仕方がされているという形での検証がなされると考えてよろしいでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 今プライベートバンクの使われ方が、先ほどのポンチ絵で御本人に返ってくる。これが再生医療等で移植にも使われる。いわゆるこういうところで使われるために、どういう品質があるか。それは担保しなければならないものもあれば、例えば公的なバンクで移植する場合には、細胞数というのが非常に重要になってきて、治療効果に影響するので、細胞数が少ないものは、もともとバンキングしないということになっているのです。

 プライベートバンクでは使われ方自体については、将来どういった再生医療に使われるかというので幅があると思いますので、多分そういった細胞数などについては幅を持たせて、それが分かればいいということかもしれません。ただウイルスも本人が持っているから、本人に使われるという前提であればいいという判断もあるのかも分からない。

 逆に、どういったことが今プライベートバンクで、今回書かせていただいたのは基本的にはトレーサビリティーということで、使われるときにその品質が分かるということが担保されていればいいのではないかと基本的に我々は考えています。それにプラスアルファ、返ってきて使うときに絶対必要な項目があるかどうかというのは、また検証させていただく。そういったことができているかどうか。実際、今回届出いただいたところに丸を付けていただいたのも、そういったところが分かるようになっているかというような届出になっていますので、そういう視点で見ていきたいと思います。

○小澤議長 よろしいでしょうか。今後のタイムスケジュールといいますか、実地調査はどういう予定になっていますか。

○井内移植医療対策推進室長 スケジュール感というか、時間的にはちょっと分からないところがあるので、実際、実地調査を先方が御協力いただけるかどうかということも含めて、これから調整をしていきたいと思います。あとは、その他の今日頂いた宿題も含めて、ここに書いた契約書とか保管の状況、そこが進捗が見られたときにまた議論をお願いしたいと考えています。

○小澤議長 よろしいでしょうか。

○野村構成員 契約の履行がされるかどうかについての何か対応、方策もここで議論するのですか。

○小澤議長 それは預けた側とプライベートバンクとの間の契約のことですか。

○野村構成員 要するに、廃業する場合は返して、どうのこうのときちんと定めるではないですか。でも本当に廃業や何かになるような事態になったときに、そのようなことをやっていられる状況なのか。履行されなくて本当はどうなっているか分からないという場合のバックアップを保証、担保するような何かということまで、こちらで議論するのですか。

○小澤議長 それは確認するわけですよね。

○井内移植医療対策推進室長 この会議自体は、基本的にはこの問題を一旦整理するというところですが、継続的ということでなくなることはないと思っています。またそういった事態が発生したときには、お願いをする。例えば廃業したときにちゃんとできるかどうかは、今確認できないので、例えば廃業しそうとか廃業したという所が出たときに、今こういう状態になっているというところで、それが適切かどうかという検証・検討で議論いただければと思っています。

○小澤議長 よろしいでしょうか。それでは事務局では今回の議論も踏まえながら、資料4にあります進め方で今後の対応に向けた準備を進めていただければと思います。

 それでは最後に議題4、その他になりますが、全体を通して先生方から何か御意見、御発言ありますでしょうか。この辺をよくチェックしていただきたいとか、何か御意見がありましたら。実地調査の内容も、先ほどの話からすると、かなり詰めてはあるわけですね。

○井内移植医療対策推進室長 これからです。まだいろいろ相談させていただきます。

○小澤議長 よろしいでしょうか。それでは本日の議題は以上となります。その他事務局から何かありますか。

○瀬戸室長補佐 本日は活発な御議論を頂き、ありがとうございました。次回からの開催については別途調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小澤議長 それでは本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議> 第1回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議(2017年11月22日)

ページの先頭へ戻る