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2017年11月8日 保育所における感染症対策ガイドラインの見直し検討会(第1回)

子ども家庭局保育課

○日時

平成29年11月8日(水)10:00~12:00


○場所

経済産業省別館 11階 1111各省庁共用会議室
(東京都千代田区霞が関1-3-1)


○議題

(1)座長の選任等について
(2)保育所における感染症対策ガイドラインの見直しについて
(3)その他


○議事

○高辻保育指導専門官 定刻となりましたので、ただいまから、第1回「保育所における感染症対策ガイドラインの見直し検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本日事務局を務めさせていただきます、厚生労働省子ども家庭局保育課保育指導専門官の高辻と申します。座長選任までの間、議事進行役を務めさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 構成員の出欠状況ですが、本日は構成員8名、全員に御出席いただく予定となっております。

 山中構成員につきましては、遅れての御出席となります。

 初めに、資料の確認をさせていただきます。

 配付資料は、議事次第、資料1、「「保育所における感染症対策ガイドラインの見直し検討会」開催について」。

 資料2-1、「「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しについて」。

 資料2-2、「「保育所における感染症対策ガイドライン(2010年改正版)」の概要等」、こちらは横書きの5枚となっております。

 資料2-3、「「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しの方向性(案)」。

 資料3、「「保育所等における感染症対策に関する研究」平成28年度研究報告書」、こちらは細矢構成員からの提出資料です。

 そして、お手元に冊子のほうで参考資料としまして、「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(平成2411月厚生労働省)」を御用意しております。

 以上、7点の資料となっております。落丁等、不備がございましたら事務局のほうまでお申しつけください。

 それでは、本検討会の開会に当たりまして、厚生労働省保育課長の巽より御挨拶を申し上げます。

○巽保育課長 おはようございます。皆様方におかれましては大変お忙しい中、この検討会の構成員に御協力いただけるということでありがたく思っております。

 子どもたちの健康と安全を守り、心身ともに健やかな成長を支えていくということは保育所の役割であり、大変重要な責任でございます。

 低年齢児を含む子どもたちが集団生活を行う保育現場において、感染症の予防や拡大防止は大きな課題の一つであります。

 保育所における感染症対策ガイドラインは、平成21年8月に策定されまして、さらに平成2411月に最初の改訂が行われ、保育所で活用されてきた経緯がございます。前回の改訂から5年を経過しまして、今年3月には保育の実施や運営にかかわる基本的事項を示した保育所保育指針が改訂され、来年4月から適用されることとなっております。

 この中で、子どもの健康と安全に関しても充実が図られ、また、この間、感染症法を初め関係法令等が改正されております。

 これらのことを受け、最新の医学的知見も踏まえながら、本ガイドラインを見直すためにこの検討会を設けたところでございます。

 皆様方におかれましては、それぞれの知見を生かされ、本ガイドラインが保育所において適切な感染症対策の実施に役立つものとなるよう、活発な御議論をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 カメラでの撮影は、ここまでとさせていただきます。

 傍聴される皆様におかれましては、事前にお知らせしている傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。まず、本検討会の構成員を御紹介させていただきます。

 資料1、2枚目の別紙のほうにございます構成員名簿をごらんください。

 五反田保育園園長の伊澤構成員でございます。

○伊澤構成員 よろしくお願いします。

○高辻保育指導専門官 国立国際医療研究センター病院副院長国際感染症センター長の大曲構成員でございます。

○大曲構成員 大曲です。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 日本医師会常任理事の釜萢構成員でございます。

○釜萢構成員 釜萢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 国立感染症研究所感染症疫学センター第三室室長の多屋構成員でございます。

○多屋構成員 多屋と申します。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 中野区立白鷺保育園看護師の藤井構成員でございます。

○藤井構成員 藤井でございます。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 福島県立医科大学医学部小児科教授の細矢構成員でございます。

○細矢構成員 細矢です。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 横浜市こども青少年局保育・教育人材課担当係長の宮本構成員でございます。

○宮本構成員 宮本と申します。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 なお、青森県弘前市保健所所長の山中構成員におかれましては、冒頭申し上げましたとおり、遅れての御出席となります。

 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。

 保育課長の巽でございます。

○巽保育課長 巽でございます。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 保育課企画官の唐沢でございます。

○唐沢企画官 唐沢でございます。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 保育課保育指導専門官の鎮目でございます。

○鎮目保育指導専門官 鎮目と申します。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 母子保健課課長補佐の梅木でございます。

○梅木補佐 梅木と申します。よろしくお願いいたします。

○高辻保育指導専門官 なお、課長の巽及び企画官の唐沢につきましては、公務の都合により途中で退席させていただく予定となっておりますので、あらかじめ申し上げておきます。

 それでは、議題(1)の座長の選任等につきまして説明申し上げます。

 資料1、「「保育所における感染症対策ガイドラインの見直し検討会」開催について」をごらんください。

 「2.構成員」の(2)にございますように、検討会に座長を置くと規定されております。

 本検討会の座長につきましては、大曲構成員にお願いしたいと事務局としては考えておりますが、構成員の皆様いかがでしょうか。

(委員 異議なし)

○高辻保育指導専門官 ありがとうございます。座長の選任について皆様より御賛同いただきましたので、本検討会の座長は大曲構成員にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、以後の進行につきましては大曲座長にお願いいたします。

( 大曲委員 座長席へ移動)

○大曲座長 それでは、御指名いただきましたので、改めてですけれども、国際医療研究センターの大曲と申します。よろしくお願いいたします。

 早速、進めてまいります。引き続きですけれども、座長ともう一人、座長代理を指名するということになっております。

 資料1-2の構成員の(2)に規定がございますけれども、こちらの座長代理の指名に関しては座長が指名できるということで記載がございます。

 私のほうからは、座長代理として釜萢構成員にぜひお願いしたいと思っております。釜萢先生、よろしくお願いいたします。

 それでは、釜萢先生、こちらによろしいでしょうか。

( 釜萢委員 座長代理席へ移動)

○大曲座長 それでは、議事を進めてまいります。

 まずは、今回のガイドライン見直しに関してですけれども、議題2の「「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しについて」、まずはその見直しに向けた検討事項の案ですけれども、これについて事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鎮目保育指導専門官 それでは、資料につきまして、資料2-1、2-2のほうを私、鎮目のほうから御説明させていただきたいと思います。

 それでは、資料2-1、「「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しについて」と、それから横組み5枚の「「保育所における感染症対策ガイドライン(2012年改訂版)」の概要」、こちらをあわせ見ながら御説明させていただければと思います。

 まず、資料2-1の1にあります「経過」でございます。こちらは、先ほど課長からの挨拶にもありましたように、保育所における感染症対策ガイドラインの策定につきましては、平成21年8月に策定されましたものが、平成2411月に改訂されております。

 本体のほうは、参考資料として冊子を配らせていただいているところでございますけれども、その中身について概要として御説明させていただきたいと思います。

 こちらは、資料2-2のカラー刷りのほうにありますように、保育所における感染症対策ガイドラインとしまして、保育所の保育指針で、保育所における内容とその運営の基準を示すものでございますが、こちらにおきまして保育所における子どもの健康と安全の向上は規定されておりますけれども、そこの内容を踏まえまして、特に感染症対策に資するよう保育所における感染症対策ガイドラインが策定されたという経緯がございます。

 その後、平成24年の改訂では、学校保健安全法の施行規則の一部改正等がなされたことを踏まえ、最新の知見を反映しての改訂を行いました。

 主な改訂のポイントといたしましては、そちらの下のところに記載がありますように、法の改正を踏まえた内容の反映、または乳幼児期の実情を踏まえた感染症対策についての最新の知見を踏まえた内容の改正、またはさまざま感染防止のための具体的な手法ですとか、保育所職員の予防接種等も含めました健康管理、また健康教育について等の記載の充実を行うということで、ガイドラインの全体構成として、現在改訂されたガイドラインのほうは全部で7節、7章構成になっております。

 「感染症とは」「感染経路」「感染症対策」「衛生管理」「感染症発生時の対応と罹患後における登園時の対応」「保育所で問題となる主な感染症とその対策」「感染症対策の実施体制と子どもの健康支援」という構成になっております。

 また、別添でお示ししておりますような資料についても別添としてつけているという形になっております。

 資料2-1の経過のほうに戻りまして2番目、「保育所保育指針の改定」が平成29年3月31日に告示され、こちらの保育所保育指針の改定につきましては来年度、平成30年の4月から適用となっております。

 こちらの内容について、また横組みの資料2-2を1枚おめくりいただきますと、保育所保育指針の抜粋という形で該当する内容のところを示させていただいております。

 第3章に「健康及び安全」という章がございまして、こちらで保育所における子どもの健康及び安全の確保につきましてお示ししているところでございます。

 今回のガイドラインの改訂に資する部分の主な内容といたしまして、第1節の「子どもの健康支援」、特に(3)の「疾病等への対応」、イでお示ししておりますように「感染症やその他の疾病の発生予防に努め」とありますように、感染症についての対応、こちらは「必要に応じて嘱託医、市町村、保健所等に連絡し、その指示に従うとともに、保護者や全職員に連絡し、予防等について協力を求めること。また、感染症に関する保育所の対応方法等について、あらかじめ関係機関の協力を得ておくこと。看護師等が配置されている場合には、その専門性を生かした対応を図ること。」といった部分で記載の充実が行われております。

 また、少し下におりまして第3節、「環境及び衛生管理並びに安全管理」のところでは、(1)の「環境及び衛生管理」におきまして、「ア 施設の温度、湿度、換気、採光、音などの環境を常に適切な状態に保持するとともに、施設内外の設備及び用具等の衛生管理に努めること。」、イとして「施設内外の適切な環境の維持に努めるとともに、子ども及び全職員が清潔を保つようにすること。また、職員は衛生知識の向上に努めること。」ということで職員の衛生知識の向上についても記載の充実が行われたところでございます。

 「経過」に戻りまして、「関係法令等の改正」が行われているということがございます。

 こちらは資料2-2、現在の2ページから1枚おめくりいただきまして、その具体的な感染症の改正について3ページでお示ししておりますように、この間、24年にガイドラインが改訂されて以降、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律につきまして、「※」印でありますような新しい疾患の追加、また、次の「○」として「予防接種法等」、予防接種法、または予防接種法施行令の改正が行われております。こちらにつきまして、定期接種の対象疾病でお示ししているようなものが追加されているという背景がございます。

 また、あわせまして、こうした改正に伴って、学校保健安全法施行規則のほうも改正されております。

 それから、今回のガイドラインの改訂の内容にも若干かかわってきます大量調理施設衛生管理マニュアルというものが平成9年に定められたもの、こちらのほうも最終改正が平成29年6月に行われておりまして、主にノロウイルス食中毒防止対策の強化等についても触れられております。

 このそれぞれの関係法令の具体的な改正内容につきましては、4ページで感染症法につきまして、またもう一枚おめくりいただきまして予防接種法につきまして関連した改定のほうが一覧としてどのような経過をたどっているか、特に24年のガイドライン改訂以降の部分は赤の囲みでお示しさせていただいているところでございます。

 資料2-1に戻らせていただきます。

 「関係法令等の改正」に続きまして「保育所等における感染症対策に関する研究」というもの、こちらは資料3のほうで具体的にはお示ししているところでございますけれども、こうした最新の知見が得られたという経過もございます。

 こうしたことを踏まえまして、2として「主な検討事項(案)」を事務局よりお示ししているところでございます。

 まず(1)といたしまして「保育所保育指針の改定に伴う記載の充実」、先ほどごらんいただきました保育所保育指針第3章の「健康及び安全」で記載が充実されましたことを踏まえまして「感染拡大予防における保育所と地域の関係機関との連携に関する項目の新規追加」につきまして、また、2つ目といたしまして「保育所における感染症対策のための具体的な取組についての記載の充実等」につきまして御検討いただいてはいかがという提案でございます。

 (2)といたしまして、「関係法令等の改正に伴う記載の変更」といたしまして、「予防接種」につきまして記載範囲の明確化等を御検討いただければというふうに提案させていただいております。

 (3)といたしまして、「最新の知見等を踏まえた記載の改善」といたしまして、ガイドラインの本文におけます感染症の記載範囲や記載内容の充実等、具体的には例示といたしまして括弧の中で示されておりますような感染症法に規定される感染症、学校保健安全法に規定される学校感染症、保育所において発生頻度の高い感染症、また近年問題となっている感染症等について御検討いただければという提案をさせていただいております。

 また、(4)の「その他」として「保育現場におけるガイドラインの普及・活用に資する方策等」としてお示しさせていただいております。

 御存じのように、保育所というのは保育士を中核といたしまして、調理員、施設長、または配置されているところにおきましては看護師、栄養士等、さまざまな職種の職員が働いておりますけれども、医療従事者がいるところ、いないところもありますので、そうした保育所の現場の実態を踏まえまして、より活用・普及が図られるような検討についてもしていただければと考えているところでございます。

 こちらにつきまして、資料2-3としてA4縦紙の1枚のもの、「「保育所における感染症対策ガイドイン」の見直しの方向性(案)」というものをお示ししております。こちらは表となっておりまして、左側に現行の平成24年に改訂されました先ほど御紹介いたしました章構成をお示ししております。ただいま事務局より提案させていただきました見直しの方向性とこの現行の内容とが、どのような形でどの部分について御検討いただく箇所があるかということを概略的にお示しした図でございます。

 一番端の「主な事項」(2)(3)というのは、ただいま御紹介させていただきました検討の案に従いまして括弧をつけさせていただきました。下のほうに主な内容についてお示しするとともに、(4)の観点につきましては一個一個の章構成の項目というよりも、ガイドライン全体にかかわり御検討いただければということで、主な事項としてはお示ししておりませんが、その点も勘案して御議論いただければと考えております。以上で、私の御説明を終わります。

○大曲座長 ありがとうございます。事務局からの御説明でしたけれども、後でディスカッションの時間はしっかりとってございますが、とりあえずここまでのところで確認したい点等、委員の先生方からございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、先のほうに進めてまいります。先ほど、この保育所等における感染症対策に関する研究のお話がございましたけれども、その研究に関して平成28年度に行われました研究の報告について、この研究班の代表者を務められました細矢構成員から御説明をお願いしたいと思います。

 細矢先生、よろしくお願いいたします。

○細矢構成員 それでは、厚生労働省科学研究費補助金の交付をいただきまして行いました研究内容について御報告させていただきます。

 「保育所における感染症対策ガイドライン」というものがございますので、その改訂を念頭に置いて今回の「保育所等における感染症対策に関する研究」を行ったわけですけれども、実際には先ほど資料2-1で示されている主な検討事項というのはその段階では明確には示されておりませんでしたので、答えられている点もありますし、若干不足しているところもあるかもしれません。その点を、まず知っていただきたいと思います。

 それでは、資料3に従いまして説明させていただきます。

 下の段の2ですけれども、「保育所等における感染症対策」については、子どもたちの健康と安全をまず確保するというのが大前提ですが、と同時に保育の制限を最小にとどめるといった視点も必要であると考えております。

 こういった点から、厚生労働省より「保育所における感染症対策ガイドライン」というものを作成されているわけですけれども、近年になってB型肝炎、C型肝炎、HIV感染症といった血液媒介感染症、あるいは疥癬、頭ジラミといったような皮膚感染症といったものが保育園で問題になってきている。

 そういった感染児の中には、入園あるいは保育といったものを拒否されるといった誤った対応がなされているケースも散見されるということでございます。

 今回は、感染拡大をできるだけ抑えるための健康と安全の確保といった視点での具体的方策を盛り込んだ、かつ保育制限を最小にとどめる現実的で実用性の高い感染症対策ガイドラインの改定を目指して研究を行ったということでございます。

 3に、研究班の名簿を記載しております。代表者を務めさせていただきました。分担者には石井先生、是松先生、多屋先生、外川先生、四柳先生といった各感染症の専門の先生方、そして三浦先生、三沢先生、和田先生と、保育保健分野の専門の先生方に研究分担者に加わっていただいております。

 さらに、消毒薬についての専門家である尾家先生に研究協力者として加わっていただきまして、消毒薬に関する監修をしていただいたということでございます。

 こういったメンバーで、関連学会を含めて広く学会あるいは専門家のコンセンサスが得られる実用性の高いものにしたいと考えたわけでございます。

 4が、その報告書の項目になります。これは、ほぼ2012年の改訂版と同様の項目になっております。6と7は順番が入れかわっておりますが、そのほかは変わりはありません。

 内容について、2012年版でも記載されている内容を含みますが、特に補強した点については赤枠で示しております。

 最初は「感染症とは」ということで、「感染症とその三大要因」として「病原体」、そして病原体が宿主に伝播する「感染経路」、そして宿主の「感受性」、この3つが重要である。それぞれに対する感染対策を立てなければならないというふうに記載しています。

 「保育所における感染症対策」の特徴として、まずは保育所という大変感染対策がとりにくい環境であるという点であります。

 1つは、子ども同士が非常に濃厚な接触をします。飛沫感染、接触感染というものを完全に予防するということは困難です。また、乳幼児は床をはってしまう、何でもなめてしまうということもありますし、マスクの着用、あるいは手洗いといったものができませんので感染対策はとりにくいという点がございます。

 7ページ目ですけれども、それと同時に乳幼児は感染症にかかりやすく重症化しやすいということがございます。移行抗体がございませんので、いろいろな感染症にすぐにかかってしまいます。

 また、呼吸系では気道が狭い、あるいは弱いといったこともございますし、水分代謝が激しいものですから脱水症になりやすい、呼吸困難を来しやすいといった特徴がございます。

 そういった中で、いかにして感染症の流行を防ぐかということになりますと、登校停止、登園停止といったものが必要になってくるわけでありますけれども、完全に病原体を排泄しないようにするまでというのは、これは困難です。ですから、大量の排泄がない感染性が弱くなった時点までは登校、登園を停止しておくべきだろうというふうに考えるわけでございます。

 罹患した者もそうなんですけれども、実は感染しても不顕性のもの、あるいは非常に軽症であって病院に通うまで至らないような、しかしながら病原体を排泄するようなものもございますので、実際には感染症の流行を保育所で完全に阻止するということは不可能です。ですから、流行の規模を最小限にするということが保育所における感染症対策の目標ということになります。

 2に「感染経路」というのを示しております。これまで2012年のガイドラインでは、飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染といったものを中心に述べてきたんですけれども、やはり血液媒介感染、あるいは蚊媒介感染、母乳感染、胎内感染・産道感染といったものも知識として必要であるということで、このような点について補足してあります。今回はイラストを用いて、わかりやすい形で示しております。

11ページ目の血液媒介感染、蚊媒介感染、経母乳感染、胎内感染・産道感染といったものが、今回新たに加わったところでございます。

 特に、「血液媒介感染」についてはコラムの中でかなり詳しく記載しております。血液についての知識ということで、血液も便や尿のように病原体が潜んでいる可能性を考えて、素手で扱わない習慣、血液や傷口からの浸出液、体液に防護なく直接触れてしまうことがないようにする。これまでは、病院ではそういうことは行われていたわけですけれども、保育所あるいは一般の中でもそうですが、血液に対する注意という習慣が余りなかった。

 ただ、これからは保育所においても血液、体液ということの取り扱いには注意が必要であるというところを強調しております。

13ページ目に、特にB型肝炎について記載しております。これまでB型肝炎ワクチンについての記載はあったんですけれども、特に「B型肝炎から子どもを守るために」ということで記載しております。免疫機能が未熟な新生児~乳幼児期に感染すると、ウイルスを排除できなくてキャリアになります。このキャリアの中にはウイルス量をたくさん排泄している人がおりまして、そういった場合には血液のみでなく唾液、涙、尿、汗といったところにもウイルスを排泄している。感染性のあるウイルスを排泄しています。ですから、血液や体液には全く症状がないのにB型肝炎ウイルス、あるいはそのほかのさまざまなウイルスや細菌が含まれている可能性があります。

 血液や体液にはウイルスや細菌がいるというふうに考えて対処しておく必要がありますし、ワクチンによって予防可能な病気はワクチン接種を行って予防しておくということが重要である。

 もし、傷がある場合にはできるだけ早く傷の手当てを行って、傷口に触れることがないようにする。ほかの人が傷口に触れないようにする。あるいは、唾液といったものも感染源になりますので、子どもの使用するコップ、タオルといったものは共有しないようにする。保育園では共有しないようにしてもらうということが必要になります。

 B型肝炎ワクチンが定期接種化されまして、2016年4月1日以降に生まれたお子さんについては定期接種でワクチンが接種されているはずですけれども、それ以前に生まれたお子さん、あるいは保育所の職員といったものは当然ながら定期接種の対象になっていません。

 しかし、任意接種としては受けることができますので、全ての子どもと保護者、職員が病気について理解を深めてもらって、定期接種、任意接種にかかわらずワクチンを受けておくということが感染症から守るためには必要であるというふうに記載しました。

14ページには「蚊媒介感染」、下に「経母乳感染」について触れております。

 経母乳感染症では、特にサイトメガロやHTLV-1HIVといったものが感染する可能性がありますので、「他の母親の母乳を間違って与えるということがないように、記名を確実にして取り違えがないように注意しましょう」と記載しました。

 「胎内感染・産道感染」については、これは知識として知っておいたほうがいいでしょうということで、ウイルスとしては風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、ジカウイルス、単純ヘルペスウイルス、あるいはトキソプラズマ、梅毒といったものが産道・胎内感染を起こします。こういったものについて、予防できるものについてはワクチンでしっかり妊産婦さんを予防しましょうというふうに記載しております。

 「感染症対策」として、まずは「感染源対策」ですけれども、先ほど申しましたように病原体を周囲に排泄している期間を確実に登園させないとなりますと、非常に長い期間、登園を制限するということになります。

 また、感染している人が感染者と認識されずに存在していることもありますので、こういったところを考慮した感染源対策というのが必要になります。

 「感染経路別対策」としては「空気感染対策」、空気感染する麻疹、水痘、結核についてはいずれも有効なワクチンがございますので、このワクチンを接種しておく。特に水痘ワクチンは定期接種化されましたので、確実に接種してもらうことが必要になります。

 「飛沫感染対策」としては、インフルエンザ、RS、エンテロウイルス等々たくさんございます。飛沫を浴びてしまう。飛沫は周囲1~2mぐらいまで飛散するということが言われておりますので、それを防ぐためには全員が「咳エチケット」を実施するということが必要になります。できれば、咳をしている本人のみでなく、周囲の者が皆マスクを着用するというふうにすれば飛沫感染のリスクを減らすことができると思います。

 「接触感染対策」、これは皮膚感染症だけでなくてRS、エンテロ、アデノ、ロタ、ノロといった呼吸器感染、あるいは消化管感染を起こすようなウイルスが全て接触感染を起こします。

 その予防として最も重要なのは「手洗い」ということになりますので、手指衛生といったことを強調しております。

 「経口感染対策」としましては、よく問題になりますのが腸管出血性大腸菌、あるいはノロ、ロタといったものがあると思います。食材をしっかり加熱する、あるいは料理従事者、調理従事者の手指衛生、体調管理といったものが重要である。あるいは、生肉を扱った調理器具をそのまま使うということは腸管出血性大腸菌の感染のリスクとなりますので使用しないということを示しております。

21ページ目に、「血液媒介感染症対策」として記載しています。血液が傷ついた皮膚や粘膜につくと、そこから病原体が体内に侵入して感染が成立します。全ての血液や体液には病原体が含まれていると考えて、防御なく触れることがないように注意しましょうと記載しております。その対策として重要なのが、「標準予防策」ということで強調しております。

 「蚊媒介感染対策」としては感染源対策が重要ですので、ウイルスを運ぶ蚊が発生しないように駆除することが必要です。水たまりをつくらないといったことを示しています。

23ページが「感受性対策」ですけれども、感受性者、乳幼児はほとんどがナイーブでありますので感受性者になるわけでございますけれども、それを予防するにはワクチンが最も大切である。入所前に受けられる予防接種はできるだけ済ましておく。予防接種状況を把握して、計画的な接種を保護者に勧奨しておく。職員についても、予防接種状況を把握しておく。あるいは、罹患歴といったものも同時に把握しておくことが必要になります。

 4番目に、「衛生管理」がございます。衛生管理はこれまで保育室あるいは調乳室といった施設に対する衛生管理を中心に述べていたんですけれども、もう少し具体的に示しています。

 特に「保育室」においては、通常のウイルス感染症はアルコール消毒に効果がありますけれども、芽胞を形成する細菌、あるいはエンベロープを持たないウイルスといったものはアルコール耐性ですので、特にノロウイルスの場合には塩素系消毒剤が必要であるということを示しております。

 加湿器の使用で、感染症というのが起こり得ます。例えばレジオネラのような菌は繁殖しますので、水を毎日交換するように指示しています。

 「手洗い」、これは項目として新たに立ち上げたんですけれども、接触感染対策としては非常に重要ですのでこの部分を強調しております。流水と石けんによる手洗いが必要です。特に食事の前、調乳前、トイレの後、おむつ交換後、それから吐物処理後といったときには手洗いをしっかりしましょう。

 それから、タオルについてはペーパータオルがいいわけですけれども、少なくともタオルの共用は避けてそれぞれのタオルがくっつかないようにしてください。

 調乳・冷凍母乳についてですが、調乳については記載があったんですけれども、冷凍母乳、特に飲む子どもの母親のものであることを確認ください。間違えて別の母親のものを与えて感染になるというリスクがございますということです。

 その後は、「トイレ」「おむつ交換」については、ほぼそのまま記載されております。

 「プール」の中で簡易ミニプール(ビニールプール)を使用して、それで感染が拡大したという報告がございましたので、ビニールプールでも消毒が必要である。塩素消毒を忘れないように示しています。

 それから「職員の衛生管理」、風邪症状がある場合は必ずマスクをする。大人は風邪症状であっても、実は赤ちゃんにとっては非常に重篤な感染症になる場合が多々ございますので、職員の場合には風邪症状がある場合は必ずマスクを着用する、あるいは傷口がある場合には完全に覆うようにしましょうと示しています。

 別添としまして、消毒薬の種類と使い方を示しております。2012年版でも記載はあったんですけれども、もう少しわかりやすくということで、消毒薬の濃度についてはppmあるいはパーセントで示しています。

 実は、ちょっと間違いがあって申しわけありません。31ページの消毒薬の濃度、次亜塩素酸ナトリウムの0.2%、200ppm、これは間違いで0.02%、200ppmです。これは、報告書のほうは正しいんですけれども、これがちょっと間違えてしまいました。

 この中に、先ほども少し触れましたけれども、有効な病原体、無効な病原体というものを記載しておりまして、消毒用エタノールはほぼほとんどの病原体に有効ですが、芽胞を形成する細菌、エンベロープのないウイルスには無効ですので、この場合には次亜塩素酸ナトリウムがいいでしょうというふうに示しております。

 「次亜塩素酸ナトリウムの希釈方法」ですけれども、これについては市販のものは5~6%がほとんどなんですけれども、1%、あるいは10%というものも見られます。そこで、調整する濃度に対して製品濃度がこういった場合にはこのように希釈してくださいと、具体的な記載にかえております。

 これも1点、これは完全に間違いだったんですけれども、0.1(1,000ppm)の1~1.1%溶液をつくるときの希釈方法で括弧の中、水10Lに対して1L、あるいは1,000mlと書くところが、mが入ってしまいました。これは本当に間違っています。これは報告書のほうでも間違いがありますので、訂正しなければならないと思っております。

 このような形で記載しまして、わかりやすく修正したつもりです。

33ページは、「遊具等の消毒」「手指の消毒」についての記載。

34ページからは「感染症発生時の対応と罹患後における登園時の対応」としまして、保育園での対応方法について記載しています。感染症の疑いのある子どもがあった場合には、感染拡大を防ぐために医務室など別室に移動させてください。

 そして、もし発熱、下痢、嘔吐、咳、発疹といったものがあった場合には、別添2に示しております「子どもの病気~症状に合わせた対応~」を御参考にしてください。

 これは、37ページに別添2の一部が記載されていますけれども、このように発熱時の対応、発熱時には例えば「登園を控えるのが望ましい場合」「保育が可能な場合」「保護者への連絡が望ましい場合」「至急受診が必要と考えられる場合」といったことで記載しております。

 同じように、発熱のみでなく下痢、その後に咳の場合、あるいは嘔吐、発疹といったものも報告書の中には記載されております。こういった別添をつけまして、保育園での対応がしやすいように、判断しやすいようにしております。

35ページが感染症発生時、実際にある疾患が発生した、RSウイルス感染症が発生した、ロタの感染症が発生したといった場合の対応の仕方について記載しています。

 予防接種で予防可能な感染症の場合には、まずはお子さん、そして職員の予防接種歴、罹患歴を確認してもらう。必要回数の予防接種を受けていない者には、適切な予防方法をお伝えするということになります。あるいは、感染拡大防止のために、例えばノロ、ロタといった場合には、保育所における手洗い、排泄物、吐物の適切な処理方法を徹底してもらう。

 もし発生した場合には、施設長の責任のもと、しっかりそれを記憶にとどめてください。その内容について、こういった発生については入所児童だけでなく職員についても調べる。職員の健康状態も同時に記録しておいてくださいというふうにしています。

 「罹患後における登園時の対応」、これは登園の目安というものがあります。これになるわけですけれども、1つは集団発生や流行につながらないこととありますが、もっと重要なのがやはり子どもの健康そのものが保育所での集団生活に適応できる状態に回復しているかどうかというところですので、これは嘱託医、または主治医の先生に判断してもらうということになります。

 職員についても、感染拡大防止という観点からしますと、感染症に罹患した場合には勤務の停止が必要になる場合がございます。

 スライドの40になります。「感染症対策の実施体制と子どもの健康支援」ということで、こちらは保育所等の施設での対応について、まずは施設長がリーダーシップを持って全職員での連携・協力をすることが必要である。保育所全体で、まず保健計画に基づいて見通しを持って取り組んでもらいたい。そのために、このガイドラインを参考にしてマニュアルを作成して、緊急時の体制、対応、役割といったものを明確にしておいてくださいとしています。

 具体的には「記録の重要性」なんですけれども、体調の変化、症状等を的確に記録しておくこと。それから、感染症の発生状況を速やかに把握するために活用してください。感染症発生時には、嘱託医との連携を図る、その上でも重要であるということです。

 新たに加えた項目として、「ワクチン接種率向上と予防接種歴の把握」というのがございます。保育所での感染症対策というのは非常に難しい。感受性対策としてはワクチンしかないと考えますので、最も重要なのはワクチン接種であるというふうに記載しています。

 必要とされるワクチンについては、未接種者には特別の理由がない限りワクチン接種を勧めます。

 保育所においてはチェックリストを作成してもらって、予防接種歴、罹患歴をそれぞれチェックしておく。園児だけではなくて、職員についても同じように予防接種歴、罹患歴をチェックしてもらうということが必要になります。これは、職員だけでなくて短期間の教育実習生の場合にも同様のことが言えると思われます。

 予防接種の接種状況を把握には、別添5に示しました予防接種調査票のようなものを活用してください。予防接種調査票は43ページに記載しておりますけれども、予防接種を何回受けたか、あるいはこれまでどんな疾患にかかったかといったものを記載している。これだけありますと、その子に感受性があるか、ないかというのが一目でわかるということになります。

44枚目ですけれども、7の「保育所で問題となる主な感染症とその対策」としまして、これまで2012年版では麻疹、インフルエンザ、RSウイルス、ノロ、それから腸管出血性大腸菌、この黒で示しました5つの疾患について記載があったわけですけれども、保育所等で耳にする可能性の高いもの、あるいは知っておいたほうがいい感染症について記載をふやしております。合計35疾患について記載しております。

 その例としまして、33で「B型肝炎」について記載しています。どのような病気ですか、感染経路・流行状況はどうですか、予防・治療方法はどうでしょうか、感染拡大防止対策はどのようにしたらいいでしょうかというようなクエスチョンについて、このような形式で回答を記載しています。

30は「疥癬について」で、これについても同様に記載をされております。

51枚目になりますけれども、このような35感染症について、ぱっと見てわかるように感染症の一覧をつくっております。これは最初の3疾患についてのみですけれども、これを35疾患についてまとめて記載しているということになります。

 最終的に今回の改訂案を作成したポイントですけれども、1つはワクチンで予防できる感染症はワクチンで予防しておかないと保育園での流行というのは抑えられないということで、ワクチン接種を推奨しています。

 園児、職員の感染症罹患歴、ワクチン接種歴は事前に把握して、これを記録としてとどめておいてもらいたい。

 常日ごろから施設長が中心となって、嘱託医の協力を得て感染症対策のマニュアルを作成して、緊急時の体制や役割を明確にしておいてもらいたい。

 呼吸器感染症が発生した場合には、流行の規模を最小限にすることを目標として咳エチケット、手指衛生などを実施してもらいたい。

 感染性胃腸炎が発生した場合には、吐物、糞便等の排泄物を適切に処理し、手洗いを徹底するということが重要である。

 血液媒介感染症については、保育園においても標準予防策を取り入れていただきたい。

 もし、感染症が流行した場合、これはほぼ毎年いつも流行はあるわけですけれども、施設長の責任のもとで園児のみならず、職員についてもそれをしっかり記録をとどめてくださいということがポイントになります。

 以上が、報告でございます。

○大曲座長 ありがとうございます。

 今、御説明いただきました内容について確認、御質問等、委員の先生方からいかがでしょうか。よろしいですか。

 では、釜萢先生お願いします。

○釜萢座長代理 ここにお示しいただきました中で、職員が感染症の罹患歴、ワクチン接種歴を事前に確認というのはこのとおりだと思いますが、入職に当たってのワクチンの推奨などの点についてはどのように考えたらよろしいでしょうか。

○細矢構成員 今回の報告書の中ではそこまででとどめたわけですけれども、その本音としましてはやはり国からそれを強く推奨してもらうとか、そういうことが必要になるんじゃないか。研究班の立場ではそれを推奨するということは求めることは出来ませんので、勧奨にとどめてあります。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

 では、お願いします。

○山中委員 おくれて参りまして申しわけありません、青森県弘前保健所の山中と申します。よろしくお願いいたします。

 子どもの小児の結核は本当に少なくなってまいりましたけれども、保健所でいいますと、例えば御家族の方が結核になられた場合に子どもさんが感染している。それで、発病を予防するために潜在性結核感染症として治療していただくのですけれども、その点についても、結核の中に括弧書きで多分、潜在性結核感染症として登園される子どもさんのほうが結核よりは多いんじゃないかと思われますので、そういう概念もあるんだということを入れていただくとか、そういうことも必要ではないかと思いました。

 というのは、先ほどB型肝炎で入園を拒否するとか、あるいは登園を拒否するという話がありましたけれども、なかなか潜在性結核感染症というものは概念が難しくて、わかりにくくて登園を拒否されるという事例もございましたものですから、正しく理解していただければと思います。

○細矢構成員 この28年度研究報告書の62ページを見ていただきたいんですけれども、この中に結核の記載がございます。

 その中で潜在性結核とはっきりは書いていないんですけれども、3の予防治療方法の2つ目の点のところです。結核患者との濃厚接触があった場合は検査の後、抗結核薬の予防投与がされることがありますという記載がございます。

 ただ、例えばB型肝炎に仮に感染しているとか、現在、潜在性結核感染症で予防内服しているとか、そういうことを全て報告させるということは難しい。逆に、それは差別につながるんじゃないかということで、それ以上の記載はしておりません。

○山中構成員 私どもも、それは逆に差別につながるといけないので、保護者の方には積極的に保育所にそのことを御報告しなくてもいいですよという話はしています。

○大曲座長 お願いします。

○宮本構成員 同じ結核のことで昨日、御相談を受けたんですが、保育士が結核等にかかって、そこで感染することがあるのではないかという医療側の御心配というところでの御相談をたまたま受けました。

 それから、別のことなんですけれども、保育所が今、外国籍の方を多く受け入れているところで、国によって予防接種の状況がちょっと違うのもあるのかなというところがありまして、その辺で病気の予防について保護者の方に御説明するのもなかなか難しいし、予防接種歴を把握するのも難しいというのが現場から聞いている声でありました。

○細矢構成員 これは、保育所における感染症対策ということですので園児を中心に書いてあるんですけれども、実は職員の感染症対策というのが非常に重要であろうと思っています。

 そこで、罹患歴のところ、あるいはワクチン歴といったところはしっかりと把握しておいてもらう必要があると思います。

 もし、本当に発症してしまった場合はこのガイドラインからちょっと外れてしまいますので、完全に感染患者さんの一般的な診療としての対応になるんじゃないかと思いますので、そこまではなかなか踏み込んでは書けなかったということだと思います。

○大曲座長 実は、早速議論が始まっていましてありがとうございます。そういうことで、今、御提示いただいた今回の改訂の論点案と、あとは平成28年度の研究の内容を今回おまとめいただいたものを御報告いただいたんですけれども、これを踏まえて今回のガイドラインの策定に関して、実際どのようなところがポイントになるのかというところで、引き続き御意見をいただければと思います。

 参考までにといいますか、資料の2-1の下半分には「主な検討事項」ということで(1)~(3)まで、(1)は「保育所保育指針の改定に伴う記載の充実」、(2)は「関係法令等の改正に伴う記載の変更」、(3)は具体的な疾患の記載に関すること、(4)は「その他」で、特にこれらの普及啓発というんでしょうか、活用といったところで分けてございます。おおむね、御意見はこの流れでいただきたいとは思うんですけれども、多少あちこち広がる分には私はいいと思っておりますので御意見をいただければと思います。

 参考になるのは、そういう意味では資料2-3ですね。現行のガイドラインの章立てに基づいて見直しの方向性ということで、先ほども御説明をいただきましたけれども案を示してあります。こちらも一緒にごらんになりながら御議論いただければよろしいかと思います。

 それでは、引き続きぜひ御意見のほうをよろしくお願いいたします。

○山中構成員 感染症発生時の保育所における対応についてなんですけれども、感染症法といいますと5つに分けられております。その中で1から3まで、1類から3類までに関しましては保健所側の積極的疫学調査と言いまして、もし保育所の園児さんが感染しましたらもう調査に入ってしまいます。

 それから、5番目の5類感染症の中でも麻疹と風疹はこれからそうなりますけれども、1例でも発生しますと保育所さんと一緒になって、その保育所での感染拡大を防止するという対策をとっていきますので、そういう地域の保健所との連携、対応に関しての連携ですね。そういったものも記載していただければ、自分たちで全てやるというのは大変な話なので、そういうところと連携をして対応するとか、そういったことを記載していただいてもよろしいんじゃないかと思います。

 私どもも、日ごろからやはり保育所さんとは連携といいますか、おつき合いがございまして、子どもさんでたくさんノロウイルスが出ましたというと、どうしたらいいですかと御相談もありますし、地域で研修会なども開催しておりますので、そういったところでは連携というか、そういうことを記載していただくといいと思いました。

○大曲座長 ありがとうございました。病院の側からすると、届け出をした後に保健所から調査で来られるというのは割と日常なことで受け入れられているんですけれども、保育所という意味では必ずしもそうではないのかもしれないですね。

○山中構成員 びっくりされます。

○大曲座長 そうですね。びっくりされますよね。そういうことで、そういう対応がなされる疾患は既にあるんだということはお伝えできるようにしておいたほうがいいんじゃないかということですね。ありがとうございます。

 では、藤井先生、よろしくお願いします。

○藤井構成員 私は現場なので、前回の改訂のときには保育園サーベイランスというものの記載があったんですけれども、今回その記載がないという点と、実際には保育園サーベイランスに入っている地域であれば、私は中野区に勤務しているんですけれども、中野区の中であればサーベイランスを入力することによって、その地域でどういう感染症が流行しているかということを把握していただけるので、行政側からもその状況を把握して指導が入ったり、直接保健所さんのほうもそのサーベイランスの状況を見た段階で保育園のほうに直接連絡がきて、保育園であればよくあるノロウイルスであろうかと思われる嘔吐、下痢が広がったときには資料を持って保健所さんのほうで指導に来ていただいたり、嘱託医の先生もそれを見て、私たちが直接、嘱託医の先生に連絡するのではなく、嘱託医の先生のほうから、例えば乳児を産休明けからお預かりしているので、RSウイルスとかが1名でも出た場合は園医さんのほうから保護者の連絡よりも先に連絡をいただきたいということで、そういった面で保健所、嘱託医、行政との連携というのは、私のところであればサーベイランスを通じてそういった連携がとれている現状はあります。

 ただ、サーベイランスはいろいろな経緯があったこともあってか、今回のガイドラインでは特にそのことが示されていないのかなというふうに感じたんですけれども。

○大曲座長 実態としては、そのサーベイランスをもとにして、少なくとも三者で情報が共有というか、活用されて、行政と嘱託医の先生と実際の園のほうで協調がなされている地域があるということですね。

○藤井構成員 そうですね。それと、やはり私たちがその情報提供を保護者にすることによって、まだその疾患が確定されていなくても、保護者のほうではこの地域でこういうものがはやっているのでということで受診をしていただけたりというようなこともあります。

○大曲座長 保護者も入るということですね。

○藤井構成員 そうです。情報提供の中には、保護者もやはり周りの地域で、例えばこれからのシーズンだとインフルエンザが少し出始めているなということを、私は自分の地域にどういった疾患が出ているということを保護者に見ていただけるような、視覚で見ていただけるような情報提供の仕方をしているので、それを見て保護者が、先生、そろそろインフルエンザが出始めたんですねというような声をかけていただけたり、そうということもしているので、保護者も一緒になってそういった対策というのがとれるのかなと思っております。

○大曲座長 多屋先生、何かコメントございますでしょうか。

○多屋構成員 2012年の改訂版には、保育園サーベイランスのことが記載されていたのですが、昨年の細矢先生の研究班の議論の途中に、保育園サーベイランスの位置づけが決まっていなかったことがありまして、それについてはここ(研究報告書)には記載しないということになったと思います。

 ただ、今は名前は変わっていますが、学校での欠席者サーベイランスと同じ枠組みで保育園サーベイランスが、継続して実施されていると思うので、それは今後記載をしていくことができるようになるのではないかと思います。

 でも、それは厚生労働省のお考えだと思いますので。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほか、ぜひいかがでしょうか。

 では、お願いします。

○伊澤構成員 私も現場でございまして、ガイドラインの研究報告の部分については非常に感銘を受けるところでございます。

 ただ、なかなか現場とすると、記載しているものを全部行えるかどうかという実際の問題と、例えばですけれども、環境整備面での感染防止で仮に発症したときにそれを隔離する、もしくは別の保健室に置くというような状況を抱えておりますけれども、新しい園はそういった設備的な部分もできてはおりますが、もう既に20年前に建てられた保育園等では、よくても事務所の一角に保健コーナー的なものがある程度で、隔離をするということがまだまだできにくい現状がまずあるということです。

 あとは、個々の衛生管理等もいろいろなガイドラインができてくると、現場に対してどうしても負担がふえてくるということも実態として出ているのではないかという気がいたします。

 先ほどサーベイランスの話がありましたけれども、下痢症状が多く出た場合、当園もそれを利用しております中で、記載すると保健所のほうからすぐに電話があって、どうですかということで、そのときは発熱でしたけれども、最近の何日間かの状況をメモしてください。その後も、細かにそのクラスの状況の検温と状況を確認してくださいというような指導をいただくわけなんですが、なかなかそれを集団保育の中でやっていくというのは、クラスの担任にだけに任せるというのは非常に負担があって、看護師等が配置できているところはそういう意味では専門的にできるんですが、なかなかそれが現状として問題があるという気がしております。

 あとは、保護者とのやりとりの中でインフルエンザのときにははっきりと登園基準を示していただいたので、園側からも実際に発症したときに発熱後何日であるとか、発症からとか、具体的な指示が出せたことは非常に有益であったと思います。

 その他の感染症等についても、できれば保育園側から保護者に説明ができる、わかりやすい登園基準的なものをぜひ入れていただけると非常にありがたく思います。

 また、地域の小児科の先生方もなかなかそのガイドラインとの兼ね合いといいますか、現場と医療の部分での違いといいますか、当然、保護者の就労支援という意味合いもありますので、これぐらいだったら行っていいんじゃないかという状態のところで御発言いただくと、お医者さんが行っていいと言ったから連れてきましたとか、ただ、まだ水様便が出ているとか、ちょっと元気がないとか、そういう状況の中で登園せざるを得ない、もしくは預かっている状況もあるというところがあって、地域の小児科の先生との連携も、ぜひ集団生活という中からの感染防止の理解を共有していただけると非常にうれしく思います。

 もう一点ですが、外国籍の方の入園についてなんですが、入園時は母子手帳等での予防接種歴であるとか、B型肝炎等の母子感染の有無であるとか確認できるんですけれども、外国籍の場合にはその辺の記載が非常に不整備というか、はっきりしないということを過去に聞いたことがございまして、その辺は今後どういう対応をとったらよいか気になるところでありました。

 まとまらない意見となりましたが、以上でございます。

○大曲座長 ありがとうございます。1つは、とはいっても今、既にあるインフラの問題があるので、その中で例えばくくりのスペース等々をどう確保するかという話と、あとは確かに感染症なり症状の情報を拾っていく園児なり職員なりというのはすごくエネルギーの要る作業で、病院の中で我々は主にそれをやるんですけれども、それでもやはり我々専門の人間がやってもそれなりのエネルギーと時間は要るんですね。判断も難しいところがありますし、そこを誰がどうやるのかというのは確かにそうだと思って伺っていました。

 あとは、実際にその御家族が子どもさんを連れて受診されるときのドクターの対応というのはすごく私としても共感するところでして、結局その先生は自分の判断を言われるんですけれども、翻って、例えばうちの病院は病院で職員向けの対応はあるわけで、やはりかみ合わないことはよくあるんですね。

 そういう意味では、その対応の仕方が嘱託医でもない小児科の先生方と共有されているというのは非常に需要かなと、これは別に保育所だけに限らない話だと私は伺っていたんですけれども、病院の対策としてもそう思いました。

 あとは、外国籍の子どもさんの話ですが、私は新宿の病院にいるものですから外国の子どもさんがすごく外来に来るんですけれども、日本は母子手帳という非常にいいインフラがあってその情報がすごく使えるんですが、ほかの国はなかなかそれがない。ですので、感染症の罹患の状況、あるいは予防接種の状況の情報をとるのは現実にすごく難しいというのは現場としても感じているところでした。ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。

 釜萢先生、お願いします。

○釜萢座長代理 今、御指摘いただきましたところと関連をいたしまして、まず、確かに実際の診療に当たる医師の判断というか、意見が保育所の現場の対応と必ずしも一致しないというような場面が出てくることについては、私どももそうあってはならないと思っておりまして、学校保健あるいは保育園、幼稚園の嘱託医の人たちへの研修の機会をしっかりつくって、それらの意思の統一を図り、現場に混乱を来さないようには努力をしてきているところなんですが、まだ不十分なところがありますことは御指摘のとおりであります。

 それで、そのことに関連して、きょうお示しいただきました保育園における具体的な疾患名がずっと出てくる7のところですね。麻疹から始まってずっとありますが、この35までの疾病について学校保健安全法でのいわゆる学校感染症の出席停止の基準というのは全部あるわけではないんですね。ないのもあるわけなので、その辺りをどうするのかというところがちょっと検討課題かなと感じております。

 医師のほうも、この学校における出席停止の基準というのはもうしっかり把握していなければならないわけで、それに基づいてきちんと患者さんにも申し上げるわけですけれども、規定されていない部分がありますので、そこについては少し曖昧になることがあります。

 一方で、規定されていない疾患はそんなに重症でないというところもあるので、そこのところが保育園における基準を新たにつくって、それを徹底させるという方向が可能なのかどうか、今後議論が必要だなというふうに感じております。

○大曲座長 先生、お願いします。

○細矢構成員 確かに、学校保健安全法上では規定されているのは限られていて、インフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜熱というのが出ているわけですね。これはあくまでも基準なんですけれども、ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときはこの限りではないというただし書きがついているわけですね。ですから、基準といっても厳密にこうじゃなければいけないと確定したものではないというちょっとファジーなところがあると思っています。その他の感染症になりますと、もっとこれが曖昧になります。

 そこで、今回は87ページにあるんですけれども、主な感染症についてはこのような形で登園の目安というふうな形で示しています。基準ではなくて、あくまでも目安です。この辺を目安にして登園を考えてもらったらどうだという提案です。これは、専門家の中でも完全に一致を見るというものではないと思います。ですので、基準というふうな書き方ができないかなということで一応目安にしています。

 左側に、保育園の方々から要望される、医師からの診断書が必要だとか、保護者からそういったものが欲しいとか、そういう要望があったものですから参考様式としてこういうのを出しています。これはあくまでも参考であって、必要としているものではないんです。

 ただ、地域によってはそういうものが欲しいというところもありますので、地域ごとにこういうのを決めてもらいたいというふうな内容が記載されています。

 診断書としますと、これはお金がかかりますので、単に意見書というふうな形にしています。ある方に指摘されたんですけれども、この意見書の医師名のところに、印とかサインとかはなくしてほしいと言われました。これだと、やはりお金が発生してしまう。これがゴム印で済むようだとお金がかからないんですというふうに言われたので、例えばここを消していただいて、医師名のところもただゴム印でいいですよ、あるいは診療所の名前だけでいいですよというふうな形にしてもらうと、比較的簡単に出してもらえるんじゃないか。そのときの目安として、これを見ていただければいいんじゃないかというふうに考えています。

 それで、これを嘱託医の先生だけじゃなくて、その地域の先生方の共有するコンセンサスを得ていただければ、そういうような方向でやっていただくのがいいんじゃないか。

 ただ、やはり地域によってはこれはできないというところもあると思いますので、それはその地域ごとに考えていただくしかないかと思います。

 それで、ここに書いていないものについては、実は最後の「主な感染症一覧」の別添4です。この別添4の中に、35の疾患について「登園のめやす」というのが左から2列目にございます。一応この辺を目安にしてはどうかということを記載していますので、もし不明な場合、例えばクリニックの先生にもこういったものを参考にしていただいて、ではここでいいかなというふうに判断していただくのがいいのではないかと思います。

 ただし、あくまでも目安ですので、こうでなければいけないと言われると、多分クリニックの先生の中にはいろいろと御不満を述べられる先生もおられるかと思いますので、こういうものが例えば厚労省から目安として出されていますというふうな形で出していただければ、一つの指針として使われるのではないかと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。実際に病院の現場でも、例えば就業制限の期間等々は全てが決まっているわけではないですので、具体的にどれとは申しませんけれども、例えば広く出回っているこうした指針のようなもの、必ずしも公的なものではないですが、それに沿って判断をしているというのは結構、現実的には行われていることだと思っています。

 では、お願いします。

○伊澤構成員 もう一点、前回のときには投薬、与薬についての基準とか、注意事項とか、そういった部分があったかと思うのですが、その辺は今回はどのような形になっておりますでしょうか。

○細矢構成員 投薬、与薬というのはなかなか難しいところがありまして、医師の裁量に任されるところもあるわけですね。

 ですので、一概に例えばこういう感染症だからというのは書きにくいところはあるんですけれども、それぞれの診断名がついたものについてはこういった薬剤が投与されますとか、予防的に投与されますとか、治療に使われますというのは、7の主な感染症といったところに記載されているはずです。

○伊澤構成員 保育現場で与薬を受けているところと、誤薬の問題や職員の配置の問題とか、いろいろな理由でまだ実施したくないというか、していない保育現場もまだまだ多いです。

 それで、私は藤沢なんですが、藤沢の医師会の先生方とも投薬について少しやりとりをさせていただいて、公私立あわせてもし持ってくるんだったら、こういう場合とか、できるだけ分三ではなく分二にしてもらって、昼間飲まなくてもいい状態になるようにというお願いをさせていただいております。その中で一番問題といいますか、話題になるのは溶連菌感染で、もう健康面は回復しているが予後的に1週間なり10日間飲ませないと、腎疾患への予防の部分で必要な場合です。

 その場合も、与薬を受けているところは別に何でもなく、受けるんですが、受けていないところは、健康状態がよくて集団生活には支障はないが予防的に飲ませたいという、その辺の理解がなかなか得られにくい事実があります。

 ですから、そういった点で集団生活には支障がない。でも、必要上、飲ませなければいけない疾患のときには、保管とか与薬についての注意事項はあるにせよ、できれば受け入れてほしいと言い切れませんが、現場の状況を見て対応してほしいと発言していかないと、現場としては多分、二分して、受けているところはどんどん受けるけれども、受けないところは一切受けないみたいな話になってしまうのかなという気がいたしております。

○細矢構成員 この報告書の51ページに溶連菌のことが記載されているんですけれども、3の予防治療方法の丸の3番目です。

 アンダーラインを引いたんですけれども、症状が治まっても合併症予防のため、決められた期間、抗菌薬を飲み続けることが必要です。ガイドラインとして出すとすると、ここまでかなと思います。やはり必要ですと。

 ただ、その与薬の方法というのが問題だとすると、それは処方された先生とその地域、あるいは保育園との間で何らかの取り決めをしてもらうほかはないんじゃないか。

 例えば、ここの中で分2で投与してくださいとか、なかなかそこまでは言えませんので、そこはこういうふうに書いてありますのでということで、保育園のほうで、あとは地域の先生方と少し話し合っていただいて、昼はどうしても出せませんと言うんだったら、そういった交渉といいますか、調整をしてもらうのがいいんじゃないかと思います。

○藤井構成員 私が在籍するのは公立の保育園なので、私が在籍しているところでは基本は先ほど伊澤先生がおっしゃったように、健康なお子さんをお預かりしているので、健康なお子さんが必要なければお薬はお預かりしませんということで、溶連菌に関しても受診する医療機関の先生の処方の仕方によって分二薬で大丈夫ですよという先生と、やはり溶連菌は子どもの場合、分三で飲まないと再発してしまうケースが多いのでということで分三で出される場合もありますが、その場合には基本は医師が必要とした薬なので、医師の指示書があればお預かりしますということで、医師に指示書を書いていただいて保育園のほうでお預かりしています。

 ですから、たまたま私のいる園の園医さんは、分三薬で出したほうが子どもの再発がないというふうにお考えなので、その先生の場合は必ず指示書を書いていただいて保育園のほうでお預かりしています。外用薬であっても、やはり日中もアトピーとかでかきむしるお子さんがいらっしゃったりする場合には、こういったときにつけてくださいということであれば指示書を書いていただきます。

 ただ、先ほど伊澤先生もおっしゃっていたんですけれども、預かる、預からないのところの基準が、保育園によっては保護者が持ってくれば何でも預かるという園が実際にはあったりして、保育園の状況というのがすごく違います。今、待機児童対策でたくさん保育園ができているので、何でも預かればいいとか、そこをきちんとラインを出していくことのほうが必要なのかなと思います。

 先ほどの登園届、登園許可証についても、私は保育園歴が長いので、保育園に勤める看護師にとっては本当にこのガイドラインができたことによって保護者に登園基準を示すことができる。お母さん、ここに書いてあるよね、こういうときは来てはだめだよと国が言っているんだよということまで言えるんです。

 でも、今までは、先生、大丈夫、大丈夫、うちの子は大丈夫、前の日に39度あっても40度あっても朝は熱が下がっていました。たとえお医者さんに明日来ちゃいけませんよと言われても、先生、仕事は休めないし、朝37度しかないので大丈夫ですと言って置いていく。

 でも、そこではやはり毎日のつながりがあるし、保護者とけんかをすることはできないので、朝はお預かりします。やはり熱が上がりました。お母さん、お迎えに来てくださいということでお迎えに来ていただいたり、現場は本当にそんな毎日なので、本当にこのガイドラインができ上がったことによって私たち現場にいる者としては、保護者に対してある程度の一定ラインを示せるということが最大の私たちにとってはよかったことだと思っています。

 前の日どんな状況であっても、例えばインフルエンザがはやっているときであっても、前の日に熱があっても、次の日に下がれば保護者は仕事に行きたいので連れてくる状況です。

 でも、やはりまた熱が出たときにインフルエンザだった場合にはたくさんのお子さんに感染する場合があるので、お母さん、ここに書いてあるとおり熱があったらせめて丸一日は様子を見ましょうねというふうに、ある程度その方向性を示せるという上では、現場に勤める者、医療従事者というのは保育園に職員が何人いても私しかいない。

 反対に、先ほどお話に出ていたとおり、このガイドラインをどれくらい普及させるかというのは、私は保育園の看護職に勤める会の代表としては、やはりこのガイドラインを広めるためにはぜひ保育園現場に看護職を配置させていただきたいというのが一番の希望です。

 このガイドラインを読み砕いて職員に伝えられる。嘱託医との橋渡しをする。いろいろな関連機関との関係性を持っていく。あとは、予防的なところで、今こういう対応が必要だよという判断ができるというのは、やはり医療を学んだ者でないとできないんじゃないか。

 保育現場は、赤ちゃんのお尻を手袋をして触るなんてというのが10年前の実際の現状です。先生、何を言っているの、赤ちゃんのかわいいお尻をどうして手袋をしてやらなくちゃいけないのというところから、本当に感染症対策のためにはおむつ交換のときとか、排便時とか、そういうときは手袋が大事なんですというのを普及するために、多屋先生もよく御存じだと思うんですけれども、本当に現場にそこを伝えるためにすごく時間がかかったのが実際で、こういったガイドラインができることによって、実際にここに書いてあることは皆さんやっていかなければいけないことなんですよと示されることによって普及することができる。

 ただ、それを普及するためには読み砕ける人、そこをやはりきちんと伝えられる人がいないと、これは普及していかないんじゃないかと思っています。

 先日、細矢先生と御一緒させていただいたのですが、自治体によってはガイドラインのこの登園届と登園許可証自体も普及していないんだなというのを、私は実際に話を伺って、これは国から出たらみんなするのが当然じゃないのというふうに私たちは思って実際に現場ではやってきたけれども、でもやはり自治体によっては医師会との関係であったり、そういうところで登園届、登園許可証も普及していない自治体もあるというのが現状なので、せっかくガイドラインが改訂されるのであれば、そこをぜひ、どこに行ってもこのガイドラインをみんながわかっている保育園職員であってほしいなと思っております。

○大曲座長 ありがとうございます。

 僕なりに少し整理をしておくと、1つはこういったものが出ることになって保護者の方々とのお話がすごくしやすくなって、お互い納得もしやすくなった。それは、決まりがあるからということですね。

 それで、先ほどのもともとの御質問というか、御発言のところからいうと、済みません。私の理解が間違っているかもしれませんけれども、登園基準といったところから始まって、要はどの程度の医療ケアみたいなものを例えば引き受けてやれるのかどうか。そういったところも、ちょっと考える必要があるんじゃないかというふうに私は受け取りました。

 もう一つは、確かにこの内容を理解して実行するというのは、適切な判断をするにはそれなりの人が要るんじゃないか。

 済みません。私が発言していいのかどうかわからないんですけれども、私の持った印象で誰かが要るだろう。

 その中で看護師さんが入るというところがあるわけでしたら、なるほどそれは医療の専門職としてとてもフィットするのかなというのはすごく思いましたし、最後の点は内容をかみ砕く人はもちろん、かみ砕いてやれる人がいるのも大事だと思うんですけれども、一方で行政から出ている文書としてそれを関係する各部門の方々、行政だったりとか、医師会の先生方とか、場合によっては学校の先生とか、そういったところで共有して動かさないと現実には動かないんじゃないかというところでしょうか。

 ちょっと私は理解し直そうと思っていたので、済みません。ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。

 では、お願いします。

○宮本構成員 いろいろ今お話をお聞きしていて、横浜市は割といろいろなことに取り組んでいるんだなというふうに改めて感じたんですけれども、横浜市の医師会の園医部会というのがございまして、そこと協力しながら登園届とか許可証とかもつくらせていただいていますし、与薬についての目安みたいなものもお話をしながら進めさせていただいています。そういうことで、それを横浜市内で随分共有できているので、事例として御提供できればいいかなとも思っています。

 感染症の報告についても必ず区役所、横浜は18の区に分かれているので、そこに届け出をするようにということにしてありますので、そこから生活衛生課だったり、健康づくり係だったり、そこにつながって早急に対応できるという仕組みもつくっております。

 それで、区によってなんですけれども、区の中のサーベイランス情報というのを区の医師会から流していただいたり、そういう協力体制が随分できてきているかなというふうに思っています。

 それは御紹介だったんですけれども、そのほかに与薬の件について少し現場のほうで困っている点が、医師から処方されたお薬については御相談しながら朝夕に分けていただいたり、どうしても慢性疾患とかで飲まなければいけないものには対応したり、園ごとにしているところですが、やはりちょっと困ってしまうのが、例えば虫よけスプレーですとか、日焼け止めのクリームだったりとか、今、部外品と言われている医薬部外品のところを保護者の希望で持ってくる人がいて、その対応にすごく現場は、困っているというお話を聞きます。

○大曲座長 今、外診だと、御希望が高まれば高まるほど負担は大きくなるということですよね。言い方はよくないかもしれませんけれども、根拠があるかどうかはまた別な話でというところですね。なるほど。

○伊澤構成員 虫よけスプレーについては、夏場、蚊が出るシーズンになるとやはり希望される保護者がふえてくるんです。

 以前は、希望があれば受けました。そのかわりノンガスタイプのもので小さ目の容器にしてくださいねとお願いをしていました。与薬に関しては医師の指示書がやはり必要だということで藤沢も横浜市さんのものを参考に医師会と検討を致しました。基本は市販薬は扱わないという事で統一しましたが、虫除けスプレーは市販薬であり、対応に悩みました。この子は本当に刺されると、ばっと腫れてしまうとか、非常に過敏な反応があるということを証明してもらえたら、では受けましょうとできるんですが、逆にそのお話をドクターにしたときに、その証明は出せないというようなことも虫刺されに関してはありました。

 でも、親とすると園外散歩では蚊はいますし、刺される中で、朝、何でもなかったのに帰るときにはこの辺が腫れちゃっていてというような話になると、だからやってほしいという切なる願いも当然あることも事実なんです。

 こういうケースの場合は受けざるを得ないとは思いますが、ただ、逆にその過敏な反応があるということでの証明をしてもらえれば、園側も希望者を全部受けるのではなく、本当にこの子はそういう体質があるということを前提に受けざるを得ないという形にできるのではないかという気がいたしました。

○大曲座長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。一通り議論をしておくという意味では、主な検討事項の1番のところはすごく現場の事実に即して議論いただけていると思いますけれども、例えばどのような疾患までスコープに入れて、どれぐらい扱うのかというのはとても大事なことだと思います。

 最初に結核の話が出まして、確かに結核の話は実は外国の子供さんたちとか、そういうところまで話が関連してくるので、なるほどと思って伺っていたんですけれども、「最新の知見等を踏まえた記載の改善」というところで、扱うべき疾患やその扱い方について何か御意見等いかがでしょうか。

○釜萢座長代理 大変この作成に御苦労いただいただろうと思いますが、拝見してみました内容については大変適切で、医療現場の様子にも合致していて、とてもありがたいなというふうに思います。

 ただ、なぜこれが医療現場でまだ普及が必ずしも十分でないのかというところについては、きょうここへ出てきた一人として、やはりもっと何とか普及させることに工夫しなければいけないなというふうに感じております。印象を申し上げて恐縮ですが。

○大曲座長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

 では、お願いします。

○山中構成員 確認ですが、新型インフルエンザに関してはいつ起こるかわかりませんが、新型インフルエンザはここから除外するということで整理されているということでよろしいのでしょうか。

2009年のときには強毒性かどうかわからない時点でしたので、お一人でも患者さんが出れば学校とかはもう休校になるとかというので、保育所で最初に患者さんがうちの管内では出たものですから、特に市町村の方が、保育所もそうですけれども市町村が直営の保育所でしたので、どうすればいいかと結構悩まれた事例がありまして、そういうものも特に本当に命にかかわるというものであれば、1例でもそういう措置をとらざるを得ないものは、特に新型インフルエンザは特別措置法もできていますので、特別措置法になったらそういう対応も必要になると思います。

 コモンディジーズではないんですけれども、そういうことを想定しておくということもありかなとは思ったりします。

○大曲座長 ありがとうございます。私が言うべきかどうかわからないんですけれども、確かに新型インフルエンザの対応ということになると行政対応がかなり強く出てきて、それに関しておおむねのところはガイドラインが6つなり7つなりあって定めてありますね。

 要は、その事態になっていれば、基本的にはそのガイドラインにのっとって動く。それで、各論はまた詰めていくということになると思うんですけれども、その中で例えばこういう保育所での感染対策というよりは、登園を停止するとか、しないとか、あるいは一定期間その施設を閉める、閉めないとか、そういうところまで具体的にガイドラインに書き込まれているかといいますと、私も明確には今、言えないんですけれども、ガイドラインの性質からそこまで組み込まれていないのかなとは思います。そこをどこで整理していくのかというのは私も今わかりかねるところではあるんですけれども、でも現実にやらなければいけないことの一つであると思うんですね。

 そういうことで、御提案といいますか、その辺は御提示をいただきましたので、それは検討課題として私も必要だと思います。ありがとうございます。

 そのほかはいかがでしょうか。

 先生、お願いします。

○伊澤構成員 何度も済みません。今、改めて細矢先生の報告の資料3の1ページ目の「●」の1つ目のところで、「「健康と安全を確保しつつ」、「保育の制限を最小にとどめる」」とあります。この部分というのは、結局、保育現場もなかなかそういった感染、病気があるとついつい受けたくないという傾向のものもあり、逆に保護者も仕事を続けていく中で、この程度のものだったら保育現場も受けてくださいというような思いもあるということをちょっと理解しながら、やはり現場とすると受けない傾向のほうが多いという傾向が強いということでしょうか。

○細矢構成員 保育の現場でどうなのかというのは、実はよくわからないんですけれども、感染症をやっている立場からすると、子供たちは感受性がありますので必ずいつか感染するんですね。当然ながら、感染するわけです。例えば、保育所で感染しないとしても、必ずどこかで感染するんです。

 ただ、年齢として、乳児期には感染してほしくないという感染症がたくさんあるんですね。ですから、その年齢層の感染の流行を最小限にしたい。それよりも年齢が上がってくると、これを完全に防ぐということは不可能だと思います。そうしたら、ずっと保育園を停止しているとか、そういう状態じゃない限り、子供は必ず感染する。ワクチンがない限りは感染します。

 ですので、安全をなるべく確保したいんですけれども、完全に流行を阻止するということは難しいので、保育の制限は安全と思われる最低限を保障しながら制限は最小にしたいというふうな考えで示しているのであって、保育園の現場がどうかとか、保護者がどう考えているかということを考慮したわけではありません。

○伊澤構成員 ありがとうございます。そうすると、乳児期に感染してほしくないという、そこに視点を置いておくのがやはり大切ということでしょうか。

○細矢構成員 特にRSウイルス感染症などはその点が強いので、RSのところには例えば1歳未満の子ども、0歳児の保育の場所には感染者はとにかく来てくれるな、接触しないようにしてくれというふうなことを強調して書いてあります。

○伊澤構成員 その辺がより伝わると、現場のほうもここだけはやはり押さえておかなければいけない。できる、できないは別として、そういう理解がより深められると思います。、何でもかんでも感染はこうしてくださいとか、ああしてくださいとかということではなく、人員的な部分で看護師がいらっしゃるところはそれも可能なんですが、そうでない園もまだまだたくさんある中で、やはり乳児期における感染は、本当にこれだけは何とか阻止しないと集団生活の中では困るんだという、その辺はぜひこの会議の中で現場に向けて発信をしていただけると、より理解も深められると思いました。

○大曲座長 そういう意味では、保護者の方々にも、あるいはお受けになる保育所の方々にも御納得いただけるように、わかりやすくお示しするということですね。

 確かに、インフル、ノロあたりはよく議論が出ますけれども、重要性からいくといわゆる麻疹、水痘等の問題がありますが、もうちょっと扱わなければいけない重大性の高い疾患というのは確かにあると思います。でも、それはなかなか伝わらないですよね。

 病院の中でも、特に成人を中心に見ている者に対して、例えばRSウイルスの話をしても、なかなかぴんと伝わらなかったりするんです。それが現状なので、そこはやはり変える必要はあるのかなと思って私も伺っておりました。ありがとうございます。

 そのほかはいかがでしょうか。

 では、お願いします。

○藤井構成員 細矢先生の報告書の詳しいほうの69ページの水イボのところですが、水イボは前のガイドラインのところだとここまで詳しく書いていなくて、特に「覆って」という表現がなかったんですけれども、今回は水遊びで、「周囲の子供に感染させる可能性があります。水イボを衣類や包帯、耐水性ばんそうこうなどで覆い」という表現になっているんですね。

 今、実際に現場では水イボがあっても浸出液が出ていなければ水遊び可という感じでやっていたのが、このガイドラインが示されると、水イボの部分は浸出液がなくても結局、水遊びをするためには耐水性ばんそうこうで覆わないとできないような状況というふうに判断すればいいんでしょうか。

○細矢構成員 これは皮膚科の先生方の見解を参考したんですけれども、やはり水イボの場合ですと裸同士というか、皮膚と皮膚が接触すると感染効率が非常に高い。

 ただ、プールの中にいる間には大丈夫である。水を介してということはない。ですから、その間に何かを挟んでくれと、耐水性ということではなくていいんです。ただ、そこの間に何かを挟んで直接、肌と肌が触れ合うことだけは避けてくれということです。

 皮膚科の先生からすれば、ある程度の感染はやむを得ないのではなくて、感染をなるべく避けたいという考えだと思います。これはなかなか難しいところがあると思いまして、膿痂疹のところですね。とびひのところもやはり同じような見解がありまして、少し覆ったぐらいで大丈夫じゃないかというふうな考えもあったんですけれども、やはり専門の先生からすると、完全に痂皮化しないうちに接触するのは危険である。感染リスクがあるというふうな判断ですね。

○大曲座長 どうぞ。

○多屋構成員 今回、記載された感染症の種類がすごく増えていると思うんですけれども、水イボについては現場の状況をよくわかっている者がこの作成にかかわり、プールはいいです、プールは入っても構いませんと下線を引いて明記されていますし、お洋服で覆っていればいいです。

 保育園で現実的に実施可能な対策と、人にうつさないようになるべく考える。その両方の難しい面が工夫して書かれているので、そこを読み込んでいただけるとありがたいのかなと思いました。

 それから、ガイドラインを読んだことがある先生はいらっしゃいますか?と保育園の先生方の研修会でお伺いすることがあるんですけれども、例えば保育士さんを養成される学校で感染症の対策の授業というのを1コマ入れていただいたり、でき上がったガイドラインを保育園の先生方に読んでいただけるような機会を持っていただけると、すごく理解が深まるのかなと思っております。参考までに。

○大曲構成員 ありがとうございます。そういうことだそうです。いかがでしょうか。

○藤井構成員 確かに、プールに入って構いませんと上に書いてあっても、下に直接触れないようで、大体、水イボは幼児になって出ている子は余りいないので小さいお子さんなんですね。そうすると、小さいお子さんで、夏場で直接触れないという状況がかなり難しいと思いますが、どうですか、伊澤先生。

○伊澤構成員 何かで被う事で子供同士が触れ合わないことは多分、できるかもしれませんが、今度、着がえをさせるのは保育士なので、保育士は直接触れるわけですね。そうなると、そのときの予防はどうしたらいいかという事と、広範囲になっている子も中にはいて、覆い切れないとプールで着る日焼けどめのラッシュガードを着ればいいですよというアドバイスをいただいたりもするんですが、やはり全部消失するまではプールはなしと当園ではしています。それは、幼児でも乳児でも同じです。

 ただ、覆える範囲だったらいいんですね。3つとか4つでテープを張るとか、その程度であれば水遊びはさせているんですけれども、本当に股のほうから、もしくは脇のほうから数え切れないぐらいできちゃっている子が実際いて、その子はシャワー程度はするけれども、一緒の場所ではちょっとごめんなさいと言わざるを得ない。

 その判断が適切であるかどうかは別として施設長の判断でそうしていることと、ほかの保護者がやはりうつったとか言うんですよね。それは誰からうつったかなんていうことはわからないんですが、反対側からそういう意見があると対応せざるを得ない状況も現場とするとあったりしますという弁明をさせていただければと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。

○藤井構成員 難しいですね。うちは、水イボは特に浸出液とか、かき壊しとかがなければプールはいいですよというふうにしています。

 ただ、今後なるべく子供同士が接触しないように、水イボのお子さんを見守る必要性があるというあたりでしょうか。かなり難しいかな。

 あとは、ちょっと違うかもしれないんですけれども、保護者にとってもそうなのですが、職員にとってもやはりB型肝炎の問題なんですけれども、母子手帳を参考にして、記載は入園時に質問して書いたりはするんです。

 でも、中にはやはり母子手帳には書いていないけれども、病院の履歴にはあったりということで、保護者が口を開かない限り状況が把握できないことはいろいろあったりするかなと思ったりします。

 あとは、実際、入園時に基本的に母子手帳を持ってきてくださいというふうに私はしているんですけれども、どの程度、保育園の入園状況を把握する段階で母子手帳の把握をしているのかなというあたりで、ガイドラインの中に予防接種状況の把握は入園時に母子手帳をきちんと見るようにしましょうということの記載ですね。ごめんなさい。書いてあるかどうかはまだ把握していないんですけれども、そこまで記載していただいたほうがいいのかなということです。

 あとは、やはり職員も予防のために予防接種をということだと、実際にB型肝炎の予防接種を受けましょうというのは負担がかかるので、保育士さんの給与の問題等もあり、なかなか受けましょうというふうに言い切れない部分があるので、そこは最初に出ていたように、保育所に勤務する職員はやはり受けるべきだというところを国として出していくべきかと思います。そこには補助金とか、そういったことが出てくるといいのかなというふうに、今までの問題と違うかもしれないんですけれども感じております。

○大曲座長 大変重要な御指摘だったと思います。

 どうまとめればいいかわかりませんけれども、私は病院の経験しか語れないですが、こういう感染症対策、麻疹、風疹対策、水痘、ムンプスで、B型肝炎も含めてですけれども、やはり自発的にということでやるとなかなか進まないのは現実なんですね。そこには何らかの枠組みが必要だというところはすごく感じるところですし、そういう意味でこのガイドラインの果たす役割というのは非常に大きいだろうと思っています。ありがとうございます。

 それでは、時間もまいりましたので、きょうはこの程度でよろしいでしょうか。皆さん、御意見を尽くされましたでしょうか。よろしいですか。

 それでは、本当にありがとうございました。これで、本日の意見交換に関しては終了とさせていただきます。きょうは、私も非常に勉強になりました。貴重な御意見をたくさんいただきましたので、きょうの御議論を踏まえて、これをまとめて一度、事務局のほうでその改訂案のたたき台をつくっていただきたいと思います。

 あとは、今後のスケジュールについて、事務局から説明をよろしくお願いします。

○鎮目保育指導専門官 それでは、今後のスケジュールについて御説明させていただきます。

 資料2-1の2枚目、3として「検討スケジュール(案)」を示させていただいております。本日、11月8日が第1回検討会、まことに活発な御議論ありがとうございました。

 第2回につきましては12月から1月を予定ということで、現在、日程調整中でございますので、若干スケジュールの調整が難しいところもあるので調整を詳細に行いまして、決まり次第、御連絡させていただきたいと思います。

 今後につきましては、その後、第2回で素案についての意見交換をしていただく予定でございます。

 第3回の検討につきましては、その後、1月から2月を予定ということで、またスケジュールを追って調整させていただきたいと思います。こちらにつきましては、改訂案についての意見交換の予定です。

 また、その後の予定といたしましては、4月を目途といたしまして御議論の進捗を踏まえまして改訂ガイドラインの適用。

 なお、「※」で示しておりますとおり、素案が取りまとまった段階でパブリックコメントを予定しております。

 また、改訂のガイドラインの内容が確定しましたら、自治体に通知を出して保育所等に周知の予定でございます。以上でございます。

○大曲座長 ありがとうございました。

 それでは、本日の検討会はこれで閉会といたします。きょうは、本当に御出席をいただきましてありがとうございました。


(了)

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