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2022年4月25日 社会保障審議会障害者部会(第128回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和4年4月25日(月)15:00~17:30

○場所

ベルサール飯田橋駅前
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階

○出席者

菊池馨実部会長、阿部一彦委員、阿由葉寛委員、安藤信哉委員、石野富志三郎委員、井上博委員、江澤和彦委員、岡田久実子委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、小阪和誠委員、小﨑慶介委員、小林真理子委員、齋藤訓子委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、新保美香委員、陶山えつ子委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、中里道子委員、丹羽彩文委員、野澤和弘委員、藤井千代委員、吉川かおり委員、渡辺参考人

○議事

○菊池部会長 定刻になりましたので、ただいまから第128回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
議事に入る前に、いつものことですが、本日の会議につきまして、こちらの会場とオンラインで開催いたします。
事務局においては、資料説明をできる限り分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。
各委員からの発言についてお願いがございます。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言をいただきたいと思います。御発言の際は、まずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話しください。また、会場の方はできるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
それでは、事務局より、委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長、矢田貝です。
委員の状況について御報告させていただきます。
最初に、委員の交代がございましたので御紹介いたします。
内布委員が退任されまして、新たに一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪和誠委員が御承認されています。
次に、本日の出席状況でございますが、沖倉委員、黒岩委員より、御欠席との御連絡をいただいております。
また、松永委員の代理として渡辺参考人に御出席をいただいております。
なお、障害保健福祉部長の田原につきましては、公務により遅れて出席させていただきます。
本日の資料でございますが、議事次第、資料1~9、参考資料1と2、以上となります。
もし、これらの資料の不足などがございましたら、事務局にお申しつけください。よろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
議題1の資料1~資料4につきまして、事務局から説明をお願いします。
 
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長でございます。資料1について説明をさせていただきます。
資料1は3つに分かれておりますけれども、まず1つ目、障害福祉サービス等事業者の指定の在り方についてでございます。
スライドの2枚目でございますけれども、論点でございますが、地域ごとの障害福祉サービス等のニーズを適切に踏まえた事業所の整備を進めるという観点からの方策でございまして、スライドの3ページでございますけれども、検討の方向性というところでございます。障害福祉計画等におきましては、計画的なサービス提供体制の確保は重要でございますけれども、よりきめ細かい単位での地域ニーズを拾って計画に記載していくことが必要ではないかとまとめさせていただいておりまして、具体的には、市町村内でも一定の地域単位で必要量を見込んでくるということとか、特定の障害特性を有する者について、その状況を明らかにするということを例示させていただいております。
スライドの4でございます。市町村のニーズに応じた指定の仕組みでございますけれども、現在、市町村は、地域ニーズを指定制度という関係では都道府県に明確に伝えていくことができない状況でございますが、介護保険制度におきましては、現在、都道府県知事に対して、市町村のほうが事業所指定に際して意見を言うことができることとなっております。このため、都道府県知事が指定をする際に、市町村長から意見を聴取するという手続を設けてはどうかというところでございまして、状況によってはその際に都道府県知事は条件を付する等々の仕組みも考えてはどうかとさせていただいております。
その具体例につきまして、以下、幾つか書いてございますけれども、地域のニーズに合わせてサービスの提供、地域等について意見を言うとか、または特定の障害種別についての受入体制整備を促進する、そのような観点からの活用が考えられるのではないかとまとめさせていただいております。
続きまして、2つ目のテーマとなりますけれども、スライドの16ページを御覧いただきたいと思います。ICT活用等の推進でございます。
こちらも現状・課題についてまとめておりますけれども、おめくりいただきまして、スライドの17を御覧いただきたいと思います。検討の方向性でございますけれども、令和4年度、今年度、調査研究事業におきまして、ICT機器やロボット導入に関する効果の定量的評価について検証を行うこととしております。生産性向上だけでなく、安全管理体制やサービスの質の確保も重要であると考えておりますので、このような点も踏まえながら進める必要があるのではないかとまとめさせていただいております。
資料1のテーマの3つ目でございますけれども、人材の確保・育成でございますが、スライドの28ページを御覧いただきたいと思います。令和3年度補正予算に基づく事業に基づきまして、今、処遇改善を行っているところでございますけれども、今年の10月以降については臨時の報酬改定による対応を講じることとしております。
多様な人材参入を促進するためには、仕事の魅力の発信も必要でございますし、また、職員が安心して働くことのできる労働環境を整えるという観点からは、利用者、家族等からの職員に対するハラスメントについても課題となっておりますので、これらに関しましては令和3年4月から、ハラスメント防止のための措置を事業所に義務づけるとともに、マニュアルを作成するということも行っております。
スライドの29に進んでいただきたいと思います。検討事項として、人材の確保・育成についてどう考えていくかということでございますけれども、方向性として、処遇改善に関してでございますけれども、現在、公定価格評価検討委員会の検討が進んでおります。それを踏まえまして、処遇改善、職場環境の状況についてさらに検討することとしてはどうか。そして、ICT活用、ロボット導入についてもさらに推進してはどうか。また、令和3年度の調査研究事業において作成したハラスメント対策マニュアルの周知を進めるとともに、職員研修のための手引き等を作成するということで、ハラスメント対策を推進してはどうか。そのほか、人材の確保・定着方策の好事例の共有を図ることとしてはどうかとまとめさせていただいております。
駆け足でございますが、資料についての説明は以上でございます。
○奥出自立支援振興室長 続きまして、自立支援振興室長です。
私から、資料2と資料3について御説明いたします。
まず、資料2を御用意いただきたいのですが、地域生活支援事業についてです。
地域生活支援事業につきましては、予算の確保、事業の個別給付化といった御意見をいただいておったところでございます。さらに自治体が必要な事業を実施できるよう、総務省などからも指摘を受けているという状況にございます。
このうち予算の確保に関しまして、財政は厳しい中ではありますけれども、令和4年度予算では5億円ほどの増額となっております。
さらに、事業の個別給付化の意見でございますけれども、大きくは自治体ごとの事業実施の差異に起因するものだろうと思っております。個別給付である障害福祉サービスと地域生活支援事業の関係としましては、全国一律に一定の基準、報酬の下に提供されるサービスと、それぞれの地域のニーズに基づき柔軟に実施できると。必ずしも対個人ではありませんが、個別給付を補完するような事業という関係性であろうかと思っております。
そうした意味で、現行の個別給付と地域生活支援事業の線引きというのは一定の理屈の中で整理されているとは考えておりますが、ただ、そうした中でこれまでの部会等での御意見を踏まえまして、この間、自治体など関係者の話をお伺いするとか、部内でディスカッションを行ったところでありますけれども、現状・課題の4つ目の○に記載がございますように、本来意図しているものではない要因で、例えばある地域では個別給付ではなく地域生活支援事業が担っているといったケースもあるのではないか。これも一定、地域生活支援事業の財政を圧迫している面もあるのではないかということが考えられております。
そこで、検討事項に記載させていただきましたが、地域生活支援事業の中の例えば日中一時支援事業であるとか、そうした個人に対する支援が行われる事業について、特に個別給付で行われているサービスと線引きがグレーとなりそうな事業に関して、実態把握を行って整理してはどうかということを掲げております。
一番下に、実態把握の際の観点を記載しておりますけれども、1つ例示として、生活介護と日中一時支援との利用状況としております。ここは利用対象者像が、提供されるサービスなどが重なる部分が多いということもございますので、それぞれどのような利用形態となっているかなどを踏まえて実態調査を行ってはどうかということです。
もう一つは、個別給付で提供されるサービスの利用対象者が地域生活支援事業の利用をしているケースです。例えば指定事業所がないとか様々な要因があろうかと思いますけれども、その辺りも実態把握の上、検証してみてはどうかということでございます。
こうした実態把握を行い、検証した上で、自治体における適正実施が必要だという場合には、もちろん運用等の通知等で促していくなどが考えられますし、基準や報酬上に課題がある場合には、次期報酬改定の議論における検討材料となるであろうと考えております。こうした方向性に関しまして御意見を賜りたく、よろしくお願いしたいと思います。
あと、資料は新しいものはあまりつけていませんので、説明は省略いたします。
資料2に関しての説明は以上となります。
続いて、資料3を御準備いただければと思います。意思疎通支援についてです。
意思疎通支援に関しては、1ページ目にまとめておりますけれども、昨年の議論から中間整理のまとめまでにいろいろと御意見、御指摘をいただいたところでございます。例えば地域格差ということで、意思疎通支援事業に関して自治体の必須事業でありますが、実施にばらつきがあると。それは供給量もそうですし、提供されるサービス種別も地域によって格差があるのではないかという御指摘をいただいているところでございます。
そうした課題に対しまして、中間整理でおおむね御示唆いただきました方向性を参考にして、例えば令和4年度予算の事業であるとか、あとは今年度の調査研究のテーマの設定を行って、そこで改善を図っていくというのが大きな方針でございます。
具体的には2ページになりますけれども、検討事項として3点挙げておりますが、それぞれ検討の方向性のほうに具体策を書いております。
1つ目がICT技術の活用でございます。この間、コロナ禍の影響もありまして、令和2年度から遠隔手話サービスを活用した意思疎通支援事業の強化を図ってきたところでございます。遠隔手話サービスが人的配置を全て代替するということは考えておりませんが、今後、災害発生等も勘案しますと、こうした取組も進めていくべきと考えております。これも令和2年、3年、そうした体制整備に支援を行ってきた自治体に対する支援を行ってきたということでございますので、実際の自治体の利用状況、普及状況等も確認をしながら、今後の展開につなげていければと考えております。
また、2つ目のポツになりますけれども、ICT機能の利用支援ということで、これまで都道府県などのICTサポートセンターの設置を進めてきているところでございます。そうした各都道府県のサポート拠点に対する後方支援として、令和4年度予算において全国の事務局のようなものを設定するという事業を新たに設けたところでございます。こうしたことで都道府県、各地域のICT機器の利用支援等を促進していくということを考えております。
全体的にデジタル庁発足など、デジタル社会の形成ということが今、加速化されておりますけれども、それぞれの地域において、例えば情報通信機器などはデジタル庁や総務省などの施策で進められておるところでございますが、それに加えて障害の個別性等に関するサポートがやはり必要でございますので、当省としてはそうした事業を進めていくということで、体制構築の強化を図っていきたいというものでございます。
2つ目の○ですけれども、意思疎通支援事業に従事する担い手の確保、特に若年層をターゲットにした取組が必要であろうという御意見をいただいておったところでございます。これに関しましては、そこに掲げていますように、1つは大学と連携した手話通訳者養成のモデル事業も少しずつ拡大して行っているところでございます。また、これも令和4年度予算の新規事業でございますが、意思疎通支援従事者への関心を高める広報・啓発などの事業を実施することとしております。意思疎通支援事業の分野につきましては、手話通訳、要約筆記をはじめ、そのほか障害種別に応じて幅広い意思疎通支援従事者が活躍しているところでございます。そうしたところの情報収集・発信とか広報啓発、さらには確保に向けた課題分析などを一体的に行うという事業を、民間団体ですけれども、今年度から行う予定としておるところでございます。あわせて、中間整理でいただきましたように、手話通訳者等の養成の在り方に関して、令和4年度の調査研究のテーマの中に盛り込んでいるところでございます。
3つ目が、代筆・代読支援の普及に向けた取組でございます。代筆・代読支援に関しては、自治体の実態であるとか、そうした調査研究事業の実施を既に行ったところでございますが、それを基に周知なども行ってきておりますけれども、一方、この部会の議論の中で、そもそも事業として成り立たない場合もあるのではないかというような御意見もいただきました。そうしたところも含めまして、調査研究の中で課題を整理して、今後の改善につなげられればと思っております。
そこについては、例えば今、居宅介護等で同じようなサービスがされているということもございますので、場合によってはそういったところの活用ということももう一度整理の上、考えてはどうかと考えております。
そのほかの資料については、今、御説明したようなことの説明資料をつけておりますが、時間の関係で割愛いたしますので、同時に御参照いただければと思っております。
資料3についての説明は以上となります。
○矢田貝企画課長 最後に、企画課長でございます。
資料4、療育手帳の在り方についてでございますが、2ページ、現状・課題の3つ目の○にございますとおり、12月の中間整理におきまして、療育手帳の在り方について幅広く調査研究を進めるべきとされたことを踏まえまして、現状・課題の4つ目の○にございますとおり、令和4年度から「療育手帳その他関連施策の実態等に関する調査研究」や、「療育手帳の交付判定及び知的障害に関する専門的な支援等に資する知的能力・適応行動の評価手法の開発のための研究」を実施することを予定してございます。
これを受けまして、検討の方向性でございますが、療育手帳の在り方については、国際的な知的障害の定義や自治体の判定業務の負荷等を踏まえた判定方法や認定基準の在り方、比較的軽度な知的障害児者への支援施策の在り方、統一化による関連諸施策への影響及び法令上の対応なども含め、引き続き、令和4年度から実施予定の調査研究を着実に進めるなど、幅広く調査研究を続けるべきであるということを検討の方向性として記載してございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、皆様から御意見、御質問がありましたら挙手をお願いいたします。
御発言については、できるだけ簡潔にお願いいたします。
なお、この関係では、16時10分をめどとして御議論いただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず会場からいかがでしょうか。小阪委員、石野委員が手を挙げておられます。
それでは、小阪委員からお願いします。
○小阪委員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
まず、資料1の制度の持続可能性の確保についてですが、都道府県知事などが行う指定障害福祉サービス事業者などの指定に対し、政令市・中核市以外の一般市町村が関与できる仕組みの導入について検討ということに賛成いたします。
また、27ページ以降の障害福祉サービス等の人材確保・育成については、人材不足の解消も大切かもしれませんが、支援においては、量という観点だけでなく、一人一人への支援の質を大切にしてほしいと考えています。支援の質を確保していく観点からも、地域生活支援事業における障害者ピアサポート研修修了者、当事者自身の力の活用について、さらに推進していただきたいと考えています。
以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、石野委員、お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
地域生活支援事業の予算が、前に比べると四百数億円、やっと500億円になったと思います。この努力に対しては、敬意を表したいと思います。
全体を見ますと、地域生活支援事業の予算は依然、少ない額が続いています。今後も予算を上げていくのが課題だと思っています。
そして、意思疎通支援事業に関しても、若年層を今後ターゲットとして広げていくという考え方はとても大切だと思います。
北海道にいい事例があるので紹介したいと思います。
石狩市の場合、普通高校に手話言語科というものを設けています。若い方々がそこで一生懸命勉強しています。また、千歳市でも、令和5年度から情報コミュニケーション科を設けると聞いております。そのような取組は全国的に広めていきたいと思っております。若年層は、今後どのようにそれを広げていくかということが重要な課題だと考えております。
ただ、手話を学びたい、手話通訳のことを学びたい、そういう方々を集めるのも大切ですけれども、やはり専門性を持った人材の確保がこれから必要になってくると思います。人材確保というのは、手当てとして、まだまだ遠い道だと思いますけれども、専門性を確保するために、事業として確立する、今後もそれが課題なのだろうと思っています。
手話通訳設置事業の話ですが、前に比べると少しずつ増えているように思います。40%を超えていますけれども、それでもまだまだ地域に格差がものすごくあります。まだまだの地域もたくさんあります。手話通訳の設置は市町村の事業としてやっておりますけれども、任意事業です。今後、任意事業から必須事業に格上げできないのだろうかと思っています。私の意見です。そうすれば格差もなくなっていくのではないかと思うわけです。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、オンライン参加の皆様からお願いします。
まず、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
2点ほどあります。
1点目、資料1の4ページ目です。連合会としては、時期尚早なのではないかという意見です。なぜならば、1つ目は、まだ地方によっては訪問介護は全然浸透していないところもあります。それから、自立生活といったことに対して市町村が全く理解がなくて、そういったサービス提供を受けられないという声が地方に行けば行くほどあります。
そうした中で、市町村の恣意的な意見が出て、サービスが低下してしまうという状況に陥るのではないかと危惧しています。少しのっとり過ぎているのではないか。市町村ニーズと利用者のニーズ、障害当事者のニーズが必ずしも一致するとは限らないので、こちらについてはもうちょっと考えていただければと思っています。
次に、資料1の17ページ、ICTのところです。検討の方向性の○なのですけれども、どちらかというとロボットとかICT活用の事業者に関しての取組が記載されていて、あまり障害当事者への記載がないなというところが見受けられます。できれば、例えば就労移行支援事業とかでは毎月1回訪問して面談しないといけないとなっていますけれども、そうすると距離的な問題が生まれてくる。そうではなくて、地方の人たちもそういったサービスが受けられる場合、面談もZoomとかこうしたウェブ会議でできるようにしていただけるとよいかなと。
最近では「OriHime」というカフェができました。ALSの方とか重度の障害者の方たちが在宅でロボット動かして、カフェで就労みたいなことをしているという状況もあります。今はもうICTがかなり進んでいて、重度な障害者もああいうものを活用すれば社会参加が積極的にできる時代になっているので、そういった当事者の視点をもう少し入れていただきたいと思います。
事業所の視点から言えば、電子化、ペーパーレス化を図れるような施策をもっと積極的にやっていただきたいと。紙がいっぱい増えて無駄です。契約を解除してから5年保存しなければならないので、障害者の場合、例えば20歳で契約して、70歳で死亡した場合、50年間書類を保存して、かつ、死亡してから5年まで保存していなければいけないので、55年間書類を保存しなければいけなくなる。そういったときに紙で保存していくというのはナンセンスだと思うので、もっと積極的にデータ化をPDFとかでやるように、厚生労働省のほうから指導していただきたいと思います。
あとは、ICTの研修もしっかりと、従業員研修、あと利用者さんへの啓発とか、そういったことも積極的にやっていただきたいなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
3点について意見を述べさせていただきます。
まず1点目、事業所指定の在り方ですけれども、地域ごとの偏在を防ぐというのは、それ自身は何ら反対するものではありませんが、その作業の過程で総量規制が発生するというか、力として働くのではないかということを懸念しております。そういうことにならないような仕組みを併せて必ず検討していただきたいというのが1点目であります。
2点目は、資料3の意思疎通支援の関係で2点申し上げます。
1つは、ICTを活用した意思疎通支援というのはこれから大いに考えられるべきだと思うのですが、その際、手話や要約筆記もICTの活用が考えられるかと思うのですけれども、視覚障害者の場合にも十分考えられるわけです。端末の写真機能を使って、遠隔地で例えば活字、文字を読んでもらえるとか、あるいは外界の情報を遠隔地から説明を受けることができる。それらは当然音声機能等の対応が必要なわけですから、そういう視覚障害の特性に応じたICTの活用が必要となるわけですけれども、そういうものが十分に意識された形で対応されていないという現実があります。ITサポートセンターにおいても、視覚障害者への支援というものが十分意識あるいは実施されていないことから考えても、この点を十分に配慮した形での分析あるいは制度化を拡大していただきたいと思っております。
最後、代筆・代読の部分は、今後の調査研究の結果を待ってということですが、それ自身はやむを得ないかと思うのですけれども、それだけでいくと結局先送りということになってしまうわけです。すなわち、調査研究を1年でやるのか、2年でやるのか分かりませんけれども、それを待って、さらにそこから課題を整理するという作業になるわけですから、どんどん先送りにされていくわけです。
ところが、現実には代筆・代読に対するニーズは非常に高いわけであります。その点で、現在の制度の中でもそれを拡大するには、現在の意思疎通支援事業の中の代筆・代読サービスを必須事業化するとか、あるいは地域生活推進事業に位置づけるとか、そういうことを含めた検討が必要ではないかと思っております。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
今、御説明いただきました方向性については、おおむね異論はございません。ただ1点、意思疎通支援事業の御説明の中にもありましたが、必須事業であっても地域差が生じているということについては、意思疎通支援だけではないと私も認識しております。当協議会でも要望を出しておりますが、移動支援などにも運用上の差異がございますので、こういったものも検討課題として今後検討していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山です。
まず、1つ目に意思疎通支援についてですけれども、3ページの1の意思疎通支援事業の派遣についてということで、1つ目の○には聴覚、視覚以外の様々な意思疎通で困っている障害者を対象に支援を行うとなっておりますが、実際の事業や取組を見てみますと、聴覚、視覚障害向けのものが多く、難病中の難病と言われている例えばALSの患者さんは、全身の神経が眠ってしまい、意思を示すことができません。しかし、現在は意思伝達装置や文字盤の利用によって自分の思いを伝えることができ、就労している方もいらっしゃいます。
でも、それらの恩恵にあずかれる人というのは、ボランティアの協力に成り立っている、頼っているという現状があります。聴覚、視覚障害の人だけではなく、様々な障害があり、意思疎通支援ができずに困っている難病患者などへの支援体制の強化が急務で、意思疎通支援者の派遣とか養成研修なども含めて、8ページにあります新規事業に期待したいと思います。実際、令和4年4月から事業を開始しているということですので、事業目的に沿った事業になっているかをチェックしていただきたいと思います。
もう一つ、療育手帳についてですけれども、現在、児相で検査を受けるために数か月待たなければならず、また、2年ごとの更新もあることから、調査研究の結果、新たな検査方法に変更することになった場合、最終的にはそうなるのだと思いますけれども、この検査に時間がかかったりとか、あるいは検査者によって誤差が生じることがないように、支援体制づくりには十分時間をかけていただきたいです。
それから、療育手帳の名称変更の意見が今回は検討の中には入っていませんけれども、以前からあったと思います。地域によっては「愛の手帳」とかという言葉を使っているところもありますけれども、私も教育関係の仕事をしておりましたが、教育関係者でさえ療育手帳は子供が持っている手帳であると勘違いしている先生がいるという現状を考えますと、大人になっても継続する手帳であることを知らない人が多いとすれば、名称変更も視野に入れた検討が必要ではないかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
まず、資料1の制度の持続性の確保について意見を申し上げます。
事業所の指定に市町村が関与する仕組みがよいと考えております。地域の実情を踏まえた事業所指定をしていただきたいと思っております。その意味では、事業所の整備が進んでいない市町村に対して、都道府県が整備を働きかけることができる仕組みを同時に制度化していただきたいと思っております。
また、ICTの活用につきましては、障害特性に応じた活用イメージを示すことが重要と考えております。知的障害分野で申し上げますと、例えばローテーション勤務における利用者の情報共有のような部分には活用できると思っておりますけれども、パニックの緩和だとか、マンパワーが不可欠である場合がございます。ICTの活用は支援の質を向上させるためのものであって、間違っても人員削減の理由にはしないようにお願いしたいと思っております。
続きまして、資料2、地域生活支援事業についてです。この間、本会が一貫して要望してまいりました個別支援給付になじむサービスがあるという指摘に正面から向き合っていただきまして、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
今回御提示いただきました論点を、ぜひ結論を得るまで議論していただきたいと思っております。本会としましては、少なくとも移動支援と日中一時支援は多くの市町村で個別給付的な運用がなされており、個別給付への移行が必要と考えております。地域生活支援事業の財源が予算に応じた一定額しか補助されない総合補助金であるため、個別給付的なサービスを積極的に展開できない状況もあると聞いております。
一方で、移動支援であれば、行動援護や同行援護、そして通院等介助といった個別給付サービスが十分に活用できていない問題がございます。日中一時支援であれば、放課後等デイサービスや生活介護の延長支援加算と関係性がほとんど整理されていないことも大きな課題であると考えております。例えば移動支援であれば、本来は行動援護で対応すべき状況の人なのに、行動援護のヘルパーがいないために移動支援が適用されている事例が数多く寄せられております。こうした問題の解決と併せて議論をしていただきたいと思っております。
続きまして、資料3の意思疎通支援につきましては、知的発達障害分野にも必要な場面があるということを理解していただきたいと思っております。段階的であっても構いませんので、障害特性を踏まえた意思疎通支援の在り方を検討していただきますようお願い申し上げます。
最後に、療育手帳の問題でございます。療育手帳の在り方は、本会としましては極めて重大な関心事でございます。1960年の知的障害者福祉法制定から60年、1973年の療育手帳制度施行から50年、本会は一貫して療育手帳の法制化を求めてきた経緯がございます。療育手帳が法制化されておらず、判定も地域によって異なっていることで、例えば他の都道府県へ引っ越しをした際に手帳の認定を引き継げなかったという声が数多く寄せられております。身分証明書として認められなかったという事例も把握しております。また、手帳や判定に対する考え方が異なるため、療育手帳のカード化に地域差があるほか、20歳を過ぎても再判定を求められるケースも報告されております。
判断の統一化については、今後の研究成果を踏まえての検討になると思いますが、現に療育手帳の交付対象となっている人が不利益になることは認められません。そうした課題整理も含めて、今後の検討の工程表をお示しいただきたいと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、小林委員、お願いします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。
2点、意見を申し上げます。
1つ目は、資料2の地域生活支援事業についてなのですけれども、実態把握をしていくことはとても重要なことだと思っています。この事業を使う際には、極めて複雑な課題を有している、例えばひきこもり問題を呈している成人の障害者だとか、家族機能が脆弱で障害のある子供さんの支援だとか、それから、放デイを使い終わってしまったというか、18歳を過ぎた成人期の発達障害の方で余暇支援がまだ必要な方たちなどというところに関して、地域生活支援事業がどのように使えるかと考えるところがあると思います。
そのような場合において、実態把握もとても重要だと思いますけれども、それに関して好事例というか、どのような形で地域で行われているかといったモデルを1つ示していただくような形で、広く全国に使えていけることにつながってくるといいかなということを提案していきたいと思います。
もう一つは、資料4の療育手帳の在り方についてです。議事の一項目として検討対象としていただいていること、当事者団体の代表として、以前、療育手帳の児童相談所の判定の問題などが出ておりましたけれども、判定作業を実際に行っていた者として、また、実際にこの統一化に向けた研究者として、まず、このことが取り上げられていることに感謝いたします。
もちろん、検討の方向性についてお示しいただいた内容には賛同いたします。恐らくこれらのことに関しては、現在、知的水準に対しての知能と適用行動とは何かということを整理して、適切で簡便な測定のためのツールを開発していく必要がまず出てきます。
また、これらの統一化によって生じる実際の現場となる児童相談所や知的障害者更生相談所に対して説明と研修を行い、可能な限りスムーズに統一化への移行を行う必要があります。
また、知的障害の定義のない現状、その基準を作成するという難しい状況であり、これに関連する学術団体の統一見解と、当事者に不利益が生じないよう最大限配慮すること、施策を打ち出す側と実践で対応する側との綿密なすり合わせが必要になるものと思います。
また、療育手帳に関しての研究は、平成30年からこの課題について研究されており、研究報告書を読む限りにおいては、今回の方向性と類似の一定の回答を導き出しているように思います。このことから恐らく統一化は必要なのだけれども、各自治体レベルで動き出してしまった療育手帳制度について、どこから手をつけてよいかという悩ましい状況にあるのではないかということは推察できるところです。
今後とも、これらの難しい課題に対応できるよう、国による研究事業を手厚く継続していただき、可能な限り早急に統一化に向けて実施できるよう、再度意見を申し上げておきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、飛松委員、お願いします。
○飛松委員 国立障害者リハビリテーションセンター顧問の飛松でございます。
1点、意見を述べたいと思います。
それは、障害福祉分野のICT導入モデル事業についてです。先ほど安藤委員がおっしゃったとおり、ICT機器の当事者の利用をどうやって促すかという観点が抜けていると思います。障害福祉サービスは何のためにあるかというと、障害者の自立を実現するためのものであって、そのためにICT機器というのは、当事者本人が利用することによって、当事者の自立性を高めるという意味で非常に強力な手段となると考えます。ですから、ICT機器をどのように考えるかというと、介護とか介助のために利用するだけでなく、障害者にとってそれは補装具、生活用具なのだという位置づけで、その利用を促進する必要があると考えます。
そして、その利用を促進するためには、1つは普及啓発であります。それから、義手、義足と同じで、それを体に装着、あるいは手に入れたからといってすぐに利用できるものではなく、それを利用するための教育、訓練といったものが必要になるわけなので、そういうことをしなくてはいけない。
それから、もう一つ、今、ICT機器に様々な工夫がされていて、本当に健常者が思いつかないようなことまで仕組まれているわけです。音声読み上げ機能とか、すばらしいなと思うのですけれども、さらにもう一工夫欲しいなということも当事者にとってはあると思うので、そういったことを研究開発することも大事なのではないかと思います。
今回の資料を読んでいきますと、意思疎通支援の中に、当事者がこれを使い、そしてICTサポートセンターもそれを援助するのだと書いてありますが、ICTサポートセンターというのは、意思疎通のためだけのICTの利用を促進するために設けられているわけではないので、最初に言いましたように、ICT機器を生活用具、補装具として位置づけて利用できるような、それを促進するような施策をここに明記していただきたいと考えます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
それぞれの項目について何点か申し上げます。
1点目の事業所指定に関しては、基本的な方向性としては賛同したいと思います。ただ、やはり地方の実態をみますと、過剰とも思える事業所の増え方をしているところもありますし、またある面では、今後さらに事業促進をしていかなければいけない事業もありますので、都道府県と市町村の連携はやはり欠かせないのではないだろうかと思います。また、指定にあたっては数だけではなく質をどのように担保するかの問題も問われているのだろうと思います。特に放課後等デイサービスやグループホームなどの質の問題は見逃せないのではないだろうかと思っていますので、ぜひ早急な対応も含めてよろしくお願いしたいところです。
2点目の人材確保・育成については、先ほどどなたかがおっしゃったように、支援の質や専門性が非常に大事なのではないかと思います。何度か申し上げているわけですけれども、障害福祉制度は多分野、例えば医療や教育に比べると資格化が遅れてしまったのではないだろうかと感じています。支援現場においては直接支援に関わる支援員だけでなく、中核的な役割を担う立場にある役職者なども含め、研修制度や資格の在り方は見直すべき時期に来ているのではないだろうかと思います。量というよりは質の確保をぜひ重点的に取り組んでいただく必要があるのではないかというのが2点目です。
3点目の地域生活支援事業については、生活介護と日中一時支援においてかなりの利用者が重なっているのではないかと認識していますので、利用者だけではなく、中身の整理も必要なのではないだろうかというのが意見です。
長くなって恐縮ですが、4点目としては、先ほど療育手帳のお話もありましたが、方向性としてはそのとおりだと思いますし、ぜひお願いしたいと思いますけれども、こだわりとしては、やはり法律上の定義に結びつくような形で、研究事業や在り方等を進めていただければありがたいと思ったところです。
最後になりますが、意思疎通支援については安藤委員や飛松先生がおっしゃったとおりで、本人の視点が抜けているのではないだろうかという印象で、特に知的障害の方たちの場合は意思形成や意思決定の支援が非常に大事なので、その辺りでICTを活用できるような研究を積極的にやっていただくと、彼らの意思の表出につながっていくのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただければありがたいと思ったところです。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
4点、発言させていただきます。
初めに資料1、制度の持続可能性の確保等についてですが、スライド2の検討事項の論点に、都道府県知事等が行う指定障害福祉サービス事業者等の指定に対し、政令市・中核市以外の一般市町村が関与できる仕組みの導入について示されており、事業によってはニーズを超える指定障害福祉サービス事業所が存在する地域もあるため、指定の際に市町村の意見を聴くことは重要と考えます。
次に、スライド17の検討の方向性の3つ目の○に、障害福祉分野におけるICT活用やロボット導入の経費等の支援について、効果的な手法を推進するとありますが、ICT化を進めるためには、導入に係る初期費用だけではなく、導入後、定着するまでの期間のコストに対する補助が受けられるとよいのではないかと考えます。また、ICTの導入で業務効率化を実現した好事例については、多くの事業所で取組が進められるよう、周知していただきたいと思います。
次に、スライド33に、令和4年度改定後の処遇改善に係る加算の全体イメージとして、従来の加算に福祉介護職員等ベースアップ等支援加算が加わり、3階建てとなる形が示されています。第126回の部会でもお伝えしましたが、事務作業が煩雑になることを懸念しています。
また、スライド29では、ICT活用やロボットの導入について、障害福祉分野の人材の事務負担の軽減や業務効率化に言及されておりますが、処遇改善加算等に係る事務作業の観点からも事務負担が軽減できるように御検討いただきますようお願いいたします。
次に、資料の2の地域生活支援事業についてですが、スライド1の現状・課題の4つ目の○に、様々な要因により、個別給付の対策となり得る障害者等に対するサービスを地域生活支援事業が担っている場合もあるとありますが、今後、実態把握や整備を行う中で、その理由が市町村の財政状況の問題で障害福祉サービスにつながっていない状況があれば、適切な対応を進めることが必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
次に、齋藤委員、よろしくお願いします。
○齋藤委員 日本看護協会の齋藤でございます。
ロボット導入支援事業につきまして、資料1の23ページを拝見しますと、徐々に導入が増えており、ヒアリングなどでは効果もあるということで、これをもっと広げていく必要があるだろうと思っているのですが、予算に対して現在どのぐらいの執行率なのか、もし分かれば、次回以降でもいいのでお示しいただければと思います。
執行率を踏まえ、今の補助単価で大丈夫なのか、上限拡張の余地の検討、あるいは先ほど意見が出ていましたように、初期費用だけではなくメンテナンス等にも費用が発生するので、取り組みがあまり進まないようであれば、その辺りも検討の余地があるのではないかと思っております。
それから、障害福祉サービス等の人材確保・育成につきまして、資料1の29ページでは、これから課題となる要因を把握する調査をするということで、ぜひ進めていただきたいのですが、職員や、できれば事業者の組織運営やマネジメントを担当している方々も調査対象とし、先ほど言われた専門性や質を担保に資する機会の確保や、キャリアへの考えなども調査内容に加えていただきたいと考えております。職員本人が希望していることと、職場の環境改善を組み合わせて検討していかないと、なかなか人材確保につながらないのではないかと考えます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
データに関するお求めがありましたが、何か事務局からありますか。
○津曲障害福祉課長 今、手元にございませんので、確認をいたしまして御報告できるようにしたいと思います。
○菊池部会長 よろしくお願いします。
それでは、続きまして、小﨑委員、お願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑でございます。
私のほうから、資料1と資料3で扱われているICTの活用についてと、療育手帳の在り方について意見を述べたいと思います。
ICTの活用に関しては、先ほど来、当事者目線での活用の考え方が少ないという御意見もありましたが、私としては、支援者やプロバイダーの側もICTを活用していく機会を増やしていかないと、当事者に活用してもらうためのアイデアもなかなか湧かないのではないかということがあって、それは車の両輪のようなもので、両方でICTを活用していくという考え方が非常に重要なのではないかと考えています。そういう点では、ICTサポートセンターは、技術発展に負けないように能力を常に向上させる必要があるのではないかと思いますし、そこには民間企業などの努力、技術支援を考えていただく必要があるのではないかと思います。
それから、療育手帳の在り方については、先ほど来、委員から御指摘があったように、自治体ごとでの取扱いの違い等、私をはじめ現場でも混乱がありますので、できるだけ早い時期に全国的な基準の統一が必要かと思います。
身体障害者手帳でも、自治体というか県ごとにフォーマットが違っていたりといったことがあるのですけれども、それ以上の差がありますが、身体障害者手帳については、企業によっては先ほどのICT技術を用いたデジタルデータを持ち歩いて、いろいろ活用できるサービスを出しているところもありますので、そういったところまで療育手帳もつながっていけるといいのではないかなと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
まずは、地域生活支援事業に多くの社会参加に関する事業が示されております。今、障害があって高齢化しますと孤独・孤立の問題がありますし、私たちの国の今後の過疎化なども踏まえると、社会参加はすごく大事だと思っています。
その中で、都道府県の任意事業として都道府県障害者社会参加推進センターの運営とありますけれども、これまでの取組もありますが、これから今の時代のありように合わせた取組が求められると思います。そのようなことからも好事例をお示しいただくのが大事かなと思っています。
社会参加にとって重要なこととして、意思疎通支援事業があります。このことに関しましても、若い支援者、若い層に拡大していくということなどはとても好ましいことだと思います。
今度は、個人への意思疎通支援は円滑に行われるようになっているのだと思いますけれども、団体の活動の中で意思疎通支援を活用すると、団体の金銭的負担が大きいのも現状です。さらに障害者差別解消法で、団体も民間事業者とみなされるのではないのかなと思いますけれども、そのように障害当事者団体、患者会などが様々な取組をするときに、意思に支援が必要な人がいらっしゃることはいつものことだと思いますので、団体の取組を行うために、今は財源的に厳しいというお話をしましたけれども、これの軽減、そしてICTなどの進展、先端機器の進展によって、多くの方々が様々な活動に参加できるように、団体などの取組ですけれども、そのようなことが望まれることをここに確認させていただきたいと思います。
それから、ICTサポートセンターについてです。意思疎通支援についてということで、本来であれば補装具のようにという飛松委員のお話、本当に大事なことだと思います。
さて、障害があってICTの活用というのは、ある意味、コロナ禍の中で私たちが重要性を実感した分野でもあります。ただし、ICTサポートセンターは、未設置県も数多いと聞いています。地域生活支援促進事業の21番目に障害者ICTサポート総合推進事業というのがあるわけですので、これが全ての県にも設置されるようにということ、そのことに関して当事者の意見、当事者のニーズはとても大きいのだと思います。まずはコミュニケーションとしてのICT機器ですけれども、または移動困難な人にとってもすごく大事です。
先ほどお話ししましたけれども、交通の問題とか様々な問題、コロナ禍だけではなくてこの頃の課題を考えると、ICTの活用というのはすごく大事だということを認識しているところです。ただし、全てICTで今の人的サポートを代替できるかというと、そうは思っておりませんので、若い人たちのコミュニケーション支援への参画が求められるところだということを確認しながら、パラリンピックは終わったわけですけれども、パラリンピックということ、パラアスリートの皆さんの活躍ということで、私たち自身もできるという自信を持ってきたところでありますので、さらに地域生活支援事業におけるレクリエーション活動等支援とか、もちろん文化芸術活動振興など、私たちの生きがいづくりにつながるものについてもしっかりと取り組んでいただきたいと思っています。そのようなことで、社会参加の重要性、そして地域生活支援事業の活用ということでお話しさせていただきました。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 ありがとうございます。全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。
私からは、2点発言させていただきます。
1点目は、資料1の2ページ、指定障害福祉サービス事業者等の指定に対して、市町村が関与できる仕組みについてということですけれども、基本的には賛成したいと思います。前提としまして、基本的には地域ごとの実情を踏まえてサービス事業所を整備することが必要であり、事業所指定には障害福祉計画を策定する市町村が指定権限を持って進めていくことが理想的だと思います。しかしながら、この調査にもありますように、市町村への指定権限の委譲を進めているものの、ノウハウ不足や人員不足等々の理由から、指定権者に乗り出せていない市町村も多々存在していると。
ただし、そのような市町村においても、事業者指定を持たないまでも、事業者指定に当たって課題意識等々の意見など、何らかの形で発言したり関与できる仕組みを講じることはとても大切なことだと思います。
例えば就労系サービスで言えば、ほかの就労系サービスは整備されてきたが、就労移行支援は減ってきているであるとか、事前確認として継続支援のA型は整備されてきたけれども、特定の障害に偏っているため、どのような障害種別を想定しているものであるのかということを確認したり、この地域には公共機関が少ないけれども、通所に関してどのようなアクセシビリティーの確保を考えているのかなどを確認したり、地域の状況はその地域の市町村が一番知っているわけですから、改めてこのような仕組みをつくっておくことはとても重要なことだと思います。
2点目ですけれども、資料2の地域生活支援事業についてです。この検討の方向性、まずは実態を把握するということには賛同いたします。現状、改めて申し上げましても、対象者によっては、同一日において日中、それから夜間支援を受けようと思うと、個別給付と地域生活支援事業におけるサービスを併用しないと御本人さんの特徴に合わせたサービスが受けられない状況もあるかと思います。これはもう明らかになっていることだと思いますけれども、さらに実態を明らかにして、その先に、全国的にどこの地域においてもそういった方々が利用できる仕組みを考えることはとても大切だと思います。
他方、個別給付に類似したというか、個別給付に頼った形で利用はしているけれども、個別給付ではないので気軽に相談できるとか、あるいは気軽に利用ができるとか、そういった方々もたくさんいらっしゃるわけですので、いずれにしても、今そういう利用をされている方が不備のないように実態把握して、見直しを検討する、こういうことをぜひしていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、渡辺参考人、お願いします。
○渡辺参考人 ありがとうございます。全国市長会の永松委員の代理として、参考人として参加させていただいております渡辺と申します。本日はありがとうございます。
私からは、市長会というよりも、若干市町村の意見としてのお話になるかと思いますが、よろしくお願いします。
まず、本日配付されています資料1の3ページ目ですけれども、検討の方向性の1つ目の○で、市町村が障害福祉計画をしっかりつくるということは、サービスの給付数やニーズ把握ができるのは支給決定を行う市町村であるから、地域のニーズを踏まえた事業所の整備を進める上ではとても大切なことと考えています。
ただ、一方で、多くの市町村にとっては、自ら指定事務を担うということは、マンパワー、それからノウハウの面で難しいのが現実でありますので、○の3つ目ですけれども、昨年3月の障害者部会でも地方分権提案との関連で議論されましたが、やはり委譲しないという結論に至っています。
最後に、○の4つ目なのですけれども、今回の検討の方向性として示されています、都道府県が指定を行うが、そこに市町村として意見を申し出る仕組みについては、現場のニーズを指定にしっかり反映しつつ、小規模な市町村でも実務的に十分対応できる有意義な仕組みなのではないかと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、藤井委員、お願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
資料2の地域生活支援事業に関しまして、実態把握につきまして、今、検討事項にお示しいただいている点のほか、既に御指摘のあったところではあるのですけれども、必須事業で実施状況の地域差が大きいものについては、実施が不十分な自治体ではどのような理由により実施が不十分なのかについて等の実態把握や好事例の検討などを行う必要があるのではないかと考えています。
例えば広域的な支援事業の精神障害者地域生活支援広域調整等事業、これは多職種アウトリーチを推進するものと理解していますけれども、これは地域差が大きいとかというレベルの話ではなくて、必須事業になっているのですけれども、ほとんど実施されていないというのが現状だと思います。精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進という観点からは、アウトリーチ、それを実施できる体制の整備は非常に重要ですので、これが広がらない要因などを検討して、何らかの対策を講じる必要があるのではないかと思います。
一方で、地域生活支援促進事業のほうでは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業を拡充していただきまして、ありがとうございます。こちらの事業ではアウトリーチは進んできていると聞いていますので、広域調整等事業との住み分けとか、少し整理が必要なのではないかと考えます。
もう一つは、にも包括に関連してなのですけれども、これは市町村を中心に進めるとされているのですが、にも包括の推進事業は市町村が直接受けることはできない構造になっています。運用の仕方で市町村が実施するということも実際にはできるようなのですけれども、まだそのような運用をされているところはほとんどない状況ですので、市町村が何らかの形でにも包括事業、推進事業を受けることができるように、御検討をいただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、野澤委員、お願いします。
○野澤委員 野澤です。ありがとうございます。
3点お話しさせていただきたいと思います。
1つがサービス提供体制の市町村の関与なのですけれども、もっと市町村の関与を強めていただきたいと、それについては賛成です。県内の市町村によっても随分条件の状況は違うと思うのです。私は千葉県におりますけれども、浦安ところは狭い埋立地にマンションが林立しているようなところで、土地もなければ物件もないと。ただ、房総半島の広大な土地を背景にした県の感覚でやられると、これまでも何度もそごを来していて、事業者と市は一致しているのですが、県に跳ね返されるということは度々あるのです。国に問い合わせても、国はオーケーしているのですけれども、県が駄目だと。ぜひ市町村の実情に合ったものを進めていくために、市町村の関与を強めるというのは賛成です。
ただ、悩ましいのは、こんなことを言っておきながらなのですけれども、就労とか放デイとか収益重視のグレーゾーンのところが、市町村にうまく取り入って事業展開していくような例もあります。そうすると、今度は県が間接的にストッパーになれるわけです。その辺をどういうふうに調整していくのかということを、私自身、何の知恵もないのですけれども、懸念される点として考えていただきたいと思います。これが1点目です。
2点目は意思疎通支援、これは極めて重要なものだと思っております。盲聾の方とか、ALSの方とか、これまであまり福祉制度を考えていく場で登場してこなかった方たちが、当事者がコミュニケーション支援によって自ら発言するようになった。この社会的なインパクトは大変大きなものがあると思うのです。それによって制度も拡充してきたということがあります。なので、意思疎通支援というのは本当にそれぞれの当事者にとっては、最重要と言ってもいいかと思います。
それを考えたときに、知的障害、発達障害の方の疎通支援は、これまで私は結構言ってきているつもりなのですが、取り上げられないのです。片方で、成年後見制度の改善においても、そのほかのいろいろな分野においても、意思決定支援は重要だと言われていますけれども、コミュニケーション支援のないまま、本人の思いをどうやって酌み取るのかと思うのです。合理的なコミュニケーション支援、意思疎通支援が知的障害のモデルでも必要だと思います。
特に先鋭的にそれが表れるのが、捜査や司法の局面です。過去にもいろいろありましたけれども、知的や発達障害の方の言葉が全く違う意味で捜査や司法で変換されて、大変重罪、凶悪な事件だと印象づけられてきたことがたくさんあります。これは日本だけではなくてイギリスとかでも同じなのです。イギリス辺りでは、知的や自閉症の方へのコミュニケーション支援、意思疎通支援を大変重視して、Appropriate Adult Schemeとか、いろいろな通訳者、付添人制度が制度化されてきているのです。これは本当に致命的な不利益を受けます。これは一番分かりやすく現れている場面ですけれども、日常生活においてもコミュニケーション支援をもっと重視していただきたい。なので、私は、知的障害モデルの意思疎通支援の研究と人材開発と普及啓発と制度化をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
最後、3点目は療育手帳についてです。知的障害者福祉法が制定された1960年から、この60年間全く一歩も前進していない分野で、毎回積み残しされてきたもので、早急に根底的な改革が必要だと思います。自治体ごとにばらばらで使い勝手が悪いということもありますけれども、もう一つは今、発達障害や軽度知的障害の方たちがこの隙間に落ちてしまっているということが気になります。今、小学校高学年から中学校にかけての不登校がすごく多いのです。それはなぜかというと、小学校高学年ぐらいから学習内容が非常に難しくなってきている。つまり、英語だとか、プログラミングだとか、そういうものが持ち込まれてきて、これについていけない。ほかにもいろいろな要因があるのですけれども、中学校に入った途端に不登校がぐんと増えていく。
それにもかかわらず、不思議なことにこの国では高校進学率が99%なのです。とにかく高校進学するところまで行けば教育の役割は終わりと。ところが、高校に進学しても、困難校、底辺校を見てみれば、1年生で入ってきた160人が2年生になると80人に半減し、3年生になると40人にまた半減し、卒業して就職するのは20人弱、そのほとんどが3年以内に離職していく。当初の160人は一体どこに行ってしまっているのかということです。
教育からもこぼれ落ち、手帳もないと福祉の分野からも救われない。昔は工場だとかの単純作業があったり、自営業だとかがあったのですけれども、今はそういうものがなくなってきて、本当にこの人たちはどこに行っているのだろうと。困窮状態になっていると思うのです。この問題は今は待ったなしではないかと思っております。つまり、判定基準とか定義の問題は早急にてこ入れして、早くきちんとしていかないと、ますますこういう方たちが置き去りにされていくだろうと思います。
もう一つだけ、発生した問題で、障害支援区分のことです。これも判定とか基準につながってくるのですけれども、最近、各地で知的障害の方たちの判定基準が軽くなっているという話をよく聞くのです。私も身近なところで起きて、実際判定している方の話を聞いているのですけれども、どうも判定する方のちょっとした価値観の違いによって、幾らでも軽くなったり、ちょっと重くなったりすることができてしまう。もともと介護保険がモデルになってできてきて、知的障害や自閉症の方に軽く出るということはよく言われていて、かなり改善はされてきていると思うのです。お医者さんの意見書等もかなり重くされてきて、それはそれで非常にいいことだと思うのですが、それでもまだ身体モデルが基準だと思うし、もう一歩深掘りして言えば、入所施設モデルのような気がするのです。つまり、どういうことかというと、身体機能とか行動面で判定していくわけですけれども、立てますか、歩けますか、走れますかという項目があって、それは機能面で言えば立てるし、歩けるし、走れると。ただ、例えは悪いですけれども、ブレーキやウインカーのない車が市街地を走っているような状態を想像してもらえれば分かるように、車としては走れますけれども、果たして信号機があったり歩行者がいる市街地をブレーキやウインカーがない車が走れると定義づけていいのだろうかと思います。
今、知的障害の方も地域で暮らす、地域生活を基準にすべきだと思いますし、地域生活の上でどのような機能面、行動面での支障があるかというところに判定基準や定義の照準を合わせないと、実際の困り具合と判定とがどんどんずれていくような気がするのです。この辺りを療育手帳の在り方のところでもぜひ検討いただきたいというのが私の意見です。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、このパート最後の御発言になりますが、江澤委員からお願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
資料1について申し上げたいと思います。
まず、1つ目の論点の事業者指定の在り方については賛成でございます。ニーズに応じた障害福祉計画の策定、あるいは事業者支援については、ぜひ推進していくべきものと考えております。
2番目のICT活用の推進についてでございます。介護等の直接業務を軽減するようなロボットは、なかなか存在しないのが実態でございます。ここの記載の中に、令和4年度の調査研究事業において実証データを収集するということが記載されておりますので、より多くのデータの収集をお願いしたいと思います。
前回の介護報酬改定でも、こういったロボットの評価が少し入りましたけれども、調査をしている施設の数、いわゆるnが極めて少なくて、なかなか評価に苦慮したことを記憶しております。したがいまして、できる限りより多くのデータ収集をお願いしたいと思います。
また、仮に、夜勤等の一部の人員配置基準を緩和するのであれば、その緩和されたときに勤務に当たった職員負担も併せて考えていく必要があると思います。
また、ICT化はぜひ進めていくべきものですけれども、一方で、ICT化をすると業務、労務負担が増えるケースもありますので、特に小規模事業者等においての支援が必要だと思います。
3番目の人材確保・育成についてでございます。福祉介護職員処遇改善臨時特例交付金が10月から新たな加算となって、処遇改善加算が3階建てのイメージとなります。今後、実態を把握するために、職種別の賃金の改善の状況等を調査していく必要があると考えます。
また、離職理由、あるいは長く勤められている人の長期勤続している、あるいは勤続できた理由、併せてそういった調査も必要ではないかと思っています。
最後に、職場内のハラスメント対策も講じていく必要があると考えます。
以上でございます。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
丹羽委員からお手が挙がっています。どうぞ。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
いろいろな委員の御意見を聞いていまして、1点だけ。
持続可能な制度について、中間整理案も出されている中で、この法改正の中で何を実現していくのかということをきちんと共有しなければいけないと感じました。中間整理の中でも大きく3点、その目指すべき姿というところが描かれています。そういった中で、まずは鈍化している地域移行についてきちんと促進していくための取組、地域生活支援拠点の促進とか、あと、地域移行のコーディネーターの配置であったりということが必要だということは変わりませんが、複雑な相談支援の統廃合とか、あとは就労支援の部分についても、ある一定程度の統廃合が必要ではないかと思います。
さらに、他法や他施策を活用する事例の提示なども活用できるものもありますので、限りある人材を限られる財源の中に集中投下していくということをきちんと念頭に入れながら、やるものはやる、やらないものはやらないという中できちんと議論をしていきたいなと感じました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
安藤委員からお手が挙がっています。2度目になりますので、手短にお願いできれば幸いです。
○安藤委員 すみません。連合会の安藤です。手短にお話しさせていただきます。
皆様の意見を伺っていて、資料1の4ページの市町村からの意見を踏まえていくというのに皆さん賛成で、私だけ何となく反対で、ちょっと寂しかったのですけれども、私が危惧しているのは、市町村のよい意見ならば問題ないのです。ただ、総量規制みたいなことが起きて、措置から契約へとなった今この時代に、僕ら障害当事者が選べないという事態が起きないでほしいのです。総量規制が起きて、今、十分あるからというけれども、本当にその事業所がよいかどうかは分からないではないですか。とりわけ、地方に行けば行くほど、また、重要な障害になればなるほど、ここの事業所しか受けてくれないから、しようがなくここでサービスを受けているという僕らの仲間がたくさんいるのです。そういう話をよく聞くのです。
本当であれば、もっといい事業所があったらそっちに行きたいのだけれども、ないからここで我慢しているという当事者がたくさんいるので、ぜひ市町村の意向、恣意的なところもあったとしても、総量規制とか、今、十分あるからだというのではなくて、質的なものも含めてしっかりと当事者が選べるということを担保していただきたいなと思います。
以上です。失礼しました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
たくさんの論点につきまして、それぞれたくさんの御意見をいただきました。一口でまとめられませんが、事務局のほうではこれらを踏まえて、まとめに向けて、またお考えいただきたいと思います。
今、最後に安藤委員からありましたように、そういった当事者の方からの御懸念も踏まえた形でまとめに入れるようなものにしていただければと思います。
本当にいろいろなご意見がありました。ICTの活用についても当事者の視点が欠けているのではないかと多くの方から御指摘がありましたし、小﨑委員から車の両輪としてというようなお話があったところでありまして、それはそうかなと私も思いました。職業柄というか、私は法学の研究者なので、これも多くの方からございましたけれども、やはり療育手帳は法令上の根拠がないのです。これは極めて法的基盤が不安定であることは間違いないので、様々な課題があることは承知していますが、法定化に向け、今回も前向きな検討をされておられるということですが、ぜひ私からも引き続き、前向きに進めていただきたいとお願いしておきます。ありがとうございます。
それでは、10分には少し足りませんけれども、16時35分から再開させていただきます。
 
(休 憩)
 
○菊池部会長 それでは、再開させていただきます。
続きまして、議題2に入ります。資料5及び資料6について、事務局から説明をお願いいたします。
○林精神・障害保健課長 精神・障害保健課長の林でございます。
「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の議論の状況について、一度御報告をさせていただきたいと思います。
資料5がこれまでの検討の状況でございます。
1ページ、これまで第1回~第9回、4月15日まで検討を行ってまいりました。今後さらに議論を続けてまいりますけれども、最終的には障害者部会に取りまとめたものを御報告したいと思っていますので、この段階で一度、現在の状況について御説明を申し上げたいと思います。
資料6を御説明させていただきます。資料7、8、9がその検討会の資料でございますけれども、長くなっておりますので、資料6に抜粋をさせていただきました。
これは4月15日の検討会の資料の抜粋でございます。この回は論点整理のたたき台のような資料を事務局から提示させていただきました。4月15日にいただいた御意見の反映等はこれからでございますので、もちろんまだ固まったものではございませんけれども、この時点で提示をさせてだきます。時間が限られますので、要点に絞って御説明させていただきます。
資料6をめくっていただいて、1ページでございます。総論として、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すことや、障害者権利条約に基づく初回の対日審査が予定されていること。また、利用者のニーズに応じた質の高いサービスを提供している医療機関や福祉サービスと事業所等の優れた実践的な取組を位置づけ、普及啓発を図ること、こうした観点を総論として取り入れております。また、津久井やまゆり園事件の再発防止を契機とした取組を含まない点について明確にすべきであることが確認されました。
テーマとしては幾つかの点について議論してきております。
まず、精神保健に関する市町村等における相談支援体制についてであります。市町村において、福祉分野に加えて精神保健も含めた相談支援に取り組むことが重要ではないかという認識の下、法制度上の対応を念頭に検討を進めるべき事項として、現在、法的な義務となっている都道府県が実施する精神保健に関する相談、それから努力義務となっている市町村が実施する精神保健に関する相談支援について、精神障害者を対象とするものだけではなくて、精神保健に関する課題を抱える者についても対象となる旨を明らかにするということ。
また、(3)市地域づくりを支援するための支援会議に関する規定を設けること。
それから、法律以外の体制整備として、関係する下位法令等を改正し、市町村が資する精神保健に関する相談支援を市町村が実施するものとして明確にする、こうしたことを議論してきております。
3ページ目、第8次医療計画の策定に向けて。これは令和6年度からの第8次医療計画の策定に向けて、基本的な考え方や指標例、そして精神病床の基準病床数の算定式についての考え方を整理するものでございます。
医療や障害福祉、介護、その他のサービスを切れ目なく受けられる体制を整備する必要があるという認識の下、検討してきておりまして、まず、指標の例につきましては厚生労働科学研究において検討が進められておりますけれども、「普及啓発、相談支援」「地域における支援、危機介入」「診療機能」「拠点機能」、こうした段階に分類をした上で、指標例を定めていこうといったことを検討しております。
また、各疾患等ごとにその特性を踏まえた医療提供体制の基本的な考え方を示すということで、これは第7次の計画をおおむね踏襲しております。
基準病床数の算定式につきましては、近年、精神病床入院患者数が減少傾向にあることを勘案したものとするということや、政策効果、これは精神科医療の進展、地域における基盤整備の進展などを含みます。また、政策効果以外にも疾病構造の変化等で変化してきている、こうした両者の影響を勘案できるようにするべきであるといったことを検討してきております。
4ページ、患者の意思表明についての支援というタイトルでございます。これは名称についても御意見がいろいろございますので、まだ検討中でございますけれども、前回の資料のまま提示させていただいております。
平成29年の検討会の報告書で、医療機関以外の第三者による意思決定支援等の権利擁護を行うことを検討することが適当であるとされたことを受けまして、制度化に向けた支援者の役割、要件、対象となる患者の範囲などについて整理を図ろうとするものです。前提として、医療従事者が実施する医療に関する意思決定支援との関係について、慎重な検討が必要であるとの意見がございました。
検討の内容でございますけれども、1つ目に支援者の役割として次のようなことを検討してきております。精神科医療では、患者との共感を試みる診療が実践されてきておりますけれども、非自発的入院の場合、患者本人は入院に同意していない、また、閉鎖処遇といったことで外部との連絡が制限されており、処遇を行う側と入院する患者の側に立場の違いがあるという状況がございます。
こうした状況において、医療機関以外の外部との連絡を実質的に確保することは、患者の権利擁護の観点から重要であり、また、継続する入院生活の中で、患者の自尊心、自己肯定感の低下を防止するためにも必要であるということ。このために、非自発的入院の患者さんから優先的に傾聴や情報提供、寄り添いなどの支援を進めることができないかということであります。
支援者としては、研修の受講などによって、一定の資質を求めるべきというような検討をしているところでございます。
また、5ページ目でございますけれども、制度化に向け優先的に取り組んでいく対象者としては、非自発的入院患者のうち、他に家族のような寄り添う役割を担う方がいらっしゃらないということで、市町村長同意による医療保護入院患者を対象としてはどうかということでございます。
6ページ、医療法入院の見直しについては、制度の将来的な継続を前提とせず、課題の整理に取り組み、その縮減に向けた具体的かつ実効的な方策を検討するといったような考え方であります。
地域で切れ目なくサービスを受けられるようにするためのアクセスの確保の視点や患者の権利擁護の視点といったことがございます。
これらの点を踏まえて、3つの視点を挙げてございます。1つ目に予防的取組の充実、2つ目に医療保護入院から任意入院への移行や退院促進、3つ目により一層の権利擁護策の充実ということです。
1つ目の視点に関しましては、その下にありますように、包括的支援マネジメントの推進、緊急時における受診前相談や入院外医療の充実、こうしたものの方策について検討してきております。
7ページ、視点の2つ目です。医療保護入院から任意入院への移行、退院促進ということでございますけれども、入院期間につきまして、現在、保護入院の入院期間は上限がない形になっておりますけれども、入院期間を法律上定め、精神科病院側がこの期間ごとに医療保護入院の要件を満たすかどうかの確認を制度上行うことにしてはどうかということでございます。
それから、視点の3のところでございますが、より一層の権利擁護策の充実として、医療保護入院を行った場合に、入院者に対して行う書面での告知の内容について、新たに入院を行う理由を追加すべきといったことを挙げております。
4つ目に、今後の検討課題でございます。今後、患者の同意が得られない場合の入院医療の在り方など、制度の将来的な継続を前提とせずに課題の整理を進めていくことが必要であります。その際には幾つかの視点がございます。患者本人の同意がない場合の入院手続について、精神科と他科で対応を区別する合理性はあるのかといった御意見がある一方で、精神科の入院患者については、他科よりも充実した権利擁護の仕組みが必要ではないかといった観点もございます。
また、認知症等により病状は安定しているものの、患者自身が有効な同意の意思表示を行えない場合が増えている現状も踏まえ、精神疾患の特性により、様々な場合があることを念頭に検討することが求められるといった意見も出ております。
8ページは、医療保護入院の同意者についてでございます。家族等同意の現行制度、これは入院者本人の身近に寄り添う家族が、医師からの十分な説明を受けた上で同意することを目的に導入されましたが、家族の精神的負担や本人との関係性の悪化につながるため廃止してほしいといった御意見、また、市町村同意については医療法機関の判断を追認する形で手続が行われるのではないかといった御意見がございました。
こうしたことを踏まえて家族等同意、市町村長同意の代わりの方法があるかといったことについても検討がなされましたが、現状よりよい方法の提示には至っておらず、基本的には現行の仕組みを維持すると考えています。
ただ、その中で、改善策として、家族が同意・不同意の意思表示を拒否するなど、その家族の意向を確認することができない場合には、市町村長が同意の可否を判断することができることについて検討すべきであるといったこと。また、患者本人と家族等の間で、DV、虐待等が疑われるケースの場合は、家族に代わり、市町村長が同意の可否を判断できるようにすることについても検討することが適当であるといった御意見をいただいております。
9ページ、精神医療審査会につきましては、様々な課題が指摘されておりますので、審査会の実態を把握した上で運営マニュアルの改正を目指すべきであるということ。また、措置入院者については、措置入院を行った時点で速やかに精神医療審査会の審査を実施できるようにすることが望ましいといったこと。そして、審査会の保健福祉委員については、当事者や家族も含めることができることを示すべきであるといったこと、こうしたことを議論しているところでございます。
10ページ、患者の意思に基づいた退院後支援、これは平成30年3月にまとめられた精神障害者の退院後支援に関するガイドラインに基づく取組と、その一層の促進策ということであります。より一層充実した退院後支援を実現していくために、広く患者の入院形態を問うことなく支援が行われるよう検討を行っていくこと。また、警察の会議への参加については、警察の関与を不安に思う当事者がいるといった御意見も踏まえて、警察の御協力も得ながら、地域によって対応にばらつきが生じないように依頼するといった対応を検討してはどうかとしております。
11ページ、隔離・身体的拘束を可能な限りゼロにするための最小化に係る取組であります。可能な限り隔離・身体的拘束をゼロにすることを目指して、身体拘束の最小化の取組を総合的に推進することについて検討しております。
上から3つを御紹介したいと思いますけれども、マル1、切迫性・非代替性・一時性の考え方について、処遇基準告示上で要件として明確に規定をしてはどうかということ。
2つ目、多動または不穏が顕著である場合、これが身体拘束の要件の一つとなっておりますけれども、こうした要件で身体的拘束が容易に行われることがないように、多動また不穏が顕著である場合という要件にさらに加重をして、これによって患者に対する治療が困難であり、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合や、常時の臨床的観察を行っても、患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合に限定をしてはどうかということ。
また、隔離・身体的拘束の最小化について、管理者のリーダーシップの下、組織全体で取り組むといったことなどを明示してはどうかということでございます。
12ページは、関連して人員配置の充実についてでございます。
過去の経緯についてはいろいろ御意見を賜りましたけれども、結論としては一番下のところにありますように、慢性期の精神病床については医療計画に基づき減少を図っていくとともに、コメディカルを含む適切な看護配置、職員配置により、入院患者に対するより手厚い体制での医療提供を確保していくことが重要であると掲げてございます。
13ページ、虐待の防止に係る取組でございます。検討の方向性としては、1つ目のところ、虐待を起こさないことを組織風土、組織のスタンダードとして醸成していくための不断の取組が重要であるということ。こうした観点から、障害者虐待防止法第31条の虐待防止措置の取組例について周知を進めるということ。こうしたことを行っていってはどうかということであります。
また、通報義務や通報者保護の仕組みの制度化についても検討してきておりまして、こうした仕組みを設けることについて、制度上の対応を検討すべきであるということ。そして、それをどの法に規定するかについては一長一短あり、様々な御意見をいただいているところでございますけれども、いずれにしても虐待行為の早期発見・再発防止に資する実効的な方策となるよう、制度化に向けた具体的な検討を行うべきであると、こういった方向で議論を行っているところでございます。
今後も議論は続きますけれども、障害者部会からも御意見を賜りまして、そうした御意見も踏まえて、今後、引き続きの議論に生かしてまいりたいと考えております。
御説明は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
検討会でまだ議論の途中ということですが、部会のほうに御報告いただいたということでございます。
それでは、皆様から御意見、御質問がありましたら挙手をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。会場はお三方、オンラインの皆様は現在8名の方ですが、ほかにはよろしいですか。17時30分終了との兼ね合いで、御発言の皆様の人数を確認したいのですが、9名の方ですね。よろしいですか。
かなりいらっしゃるので、この中で17時30分以降の参加が難しいという方がいらしたら、先に優先で御質問いただきたいと思います。会場はいかがですか。よろしいですか。
それでは、オンラインの方で、早く退室予定の方、実際に手を挙げていただくとありがたいのですが、大丈夫ですか。菊本委員、竹下委員ですね。それでは、竹下委員、菊本委員の順番でどうぞお願いします。
まず、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
何点か意見を述べさせていただきます。
まず、意思決定支援ですけれども、早急に実現すべきだと思っております。入院患者、とりわけ医療保護入院された患者さんを考えた場合に、意思決定支援がなければ、患者本人が自らの意思を十分に表明するだけではなくて、十分な情報提供の下で適正な意思決定ができなければ、人権問題そのものだと言わざるを得ないと思っております。本来であれば、意思決定支援が、代理権の創設も含めて十分に検討されるべきでありますが、直ちにそこまでは行かないにしても、早急に、全ての入院患者に意思決定支援のための専門員的人材が派遣される制度を実現していただきたいというのが1点目です。
2点目は、医療保護入院の廃止の議論は当然十分にしていただきたいわけですけれども、そのときに大事なのは、今、医療保護入院がなぜ必要なのかという議論を抜きにしてはならないと思うのです。少なくとも医療保護入院そのものが常態化あるいは当然の前提として家族の同意の下に行われたりすることは、弊害としか言えないわけであります。そういう意味では、家族同意の問題と併せて、医療保護入院制度そのものの在り方というものの抜本的な検討をお願いしたいと思っております。
それから、身体拘束と虐待の問題ですけれども、身体拘束は原則廃止ときすべきであって、身体拘束が必要性の美名の下に常態化しているということが様々な報告でされている、これは非常に許されないことだと思っております。その点で、身体拘束が原則廃止であって、そのことも十分に議論されるべきだろうと思っております。
最後に、虐待防止のところで通報義務は当然のことであって、虐待防止法の中で今、入院や学校が特別扱いされていること自身が、障害者権利条約との関係から見ようが、世界的な水準から見ようが、大きな遅れだと言わざるを得ないと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、菊本委員、お願いします。
○菊本委員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の菊本でございます。
できるだけ手短にお話をしたいと思います。
まず、私たち相談支援専門員は、日々、精神科医療機関の皆さんと連携をして仕事をしています。多くの精神科病院が権利擁護にも熱心に取り組まれておりますし、今回の検討会の議論は、国民の期待に応えていくためにも、また、こうした良質な精神科医療を提供している皆さんの後押しをするためにも、法律上適切に位置づける必要があろうという立場に立って、2点ほど発言させていただければと思います。
まず、本日の資料の4ページにあります患者の意思表明についての支援は、良質な精神医療を目指す上で、また、御本人の権利擁護の視点からも、とても重要なことだと認識しています。病院訪問支援員を制度化することで、病院に外部の者が入るということはとても重要なことだと思いますので、このことについて反対はございません。
しかし、私の記憶違いがあるかもしれませんが、このことについて、これまで社保審の場において十分な議論があったという記憶はございません。ですので、もう少し時間をかけて、それから実際の運用場面も想定しつつ、詳細を決めていくことが大切なように思います。ですから、もう少し時間を取って、慎重な御検討をお願いしたいと思っております。
次に、13ページにございます虐待防止については、虐待の発生予防に加えて、早期発見・再発防止に向けて、虐待を起こさない環境、風土をつくっていくことがとても重要だと私も思っております。ただし、現状の虐待通報に関する自治体の対応状況や現行の障害者虐待防止法では、学校と病院が適用外になっている現状を鑑みますと、精神科病院だけを虐待防止法の適用によることには、少々無理があるのではないかと感じています。
また、自治体の職員が、病院の中に入って治療と虐待を判断できるかといえば、非常に困難を感じるのではないかと思いますし、保健所の関与も促す観点から、まずは精神保健福祉法を改正して、位置づけることを優先すべきではないかと思っておりますので、こんな方向性で少し検討してみたらいかがかと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはオンライン参加の皆様、お時間は大丈夫ですか。よろしいですか。
それでは、会場参加の皆様からお願いします。
丹羽委員からお願いします。
○丹羽委員 ありがとうございます。全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
とても重要な議論をしていただいているのが大変よく分かりました。とかく精神科病院は批判にさらされることが多いのですが、良質な医療を提供している精神科病院も多いわけで、今回の議論が頑張っている病院の後押しになればよいというのは菊本委員と一緒の考えです。
資料6の2ページにあるように、市町村においては、福祉分野に加えて、市町村保健センターで精神保健に取り組んでいただきたいと思います。既に市民の精神保健に取り組んでいる自治体も多いので、法律上適切に位置づける必要があると思います。
資料7の15ページからの患者の意思表明についての支援ですが、従来から精神科病院では、退院後生活環境相談員が適切な支援を行っていますが、非自発的入院の場合は、患者さんは入院に同意していないので、幾ら医療機関が信頼関係を構築しようとしても、おのずと立場に違いがあります。ここは一般医療とは全く違うわけです。
18ページにある第三者である病院とは独立の外部の立場にある支援者、菊本委員は病院訪問支援員とおっしゃっていましたけれども、この面会は権利擁護の視点からもとても重要だと思います。
御提案のように、まずは非自発的入院患者のうち、市町村長同意による医療保護入院患者を対象とすることに賛成いたします。これは平成26年の法改正の積み残し課題ですから、適切に御対応いただきたいと思います。
次に、21ページからの医療保護入院についてです。
27ページにあります長期在院者の支援は、医療機関の適切なアセスメントの上で、市町村が社会的な支援基盤をつくり、責任を持って退院に向けた支援を行うことが重要です。そのため、ここにありますように、地域援助事業者に市町村を加えることに賛成します。
その上で、精神科病院だけでなく、施設からの移行を地域全体としての責務として取り組むためにも、地域生活支援拠点等に地域移行支援のための専任のコーディネーターを置くことを重ねてお願いしたいと思います。
虐待防止の取組については、資料7の45ページになりますが、通報という言葉を聞くと、熱心に取り組まれている医療機関の方はとても嫌な気分になるのではないかと思います。ただ、私たち福祉事業者も、当初は自分には関係のないのに、通報なんて言われること自体に抵抗感がありました。しかし、虐待防止法ができて10年経ちますと、虐待はどこでも起こり得るという価値観に変わりました。疑わしい場合は理事長自らが通報して、第三者に判断してもらいながら、虐待を起こさない組織風土をつくることが当たり前となってきています。そういった価値を精神科医療機関の皆さんと共有できると、今後もっとよいのではないかと考えます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、小阪委員、お願いします。
○小阪委員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
私からは、一当事者性を持つ立場として言葉を紡ぎたいと思います。
まず、資料6の6ページにお示しの医療保護入院の見直しについての具体的な検討に当たっての3つの視点について、賛成いたします。特に入院医療を必要最小限とするための予防的取組の充実は大切な視点であろうと考えます。
同じく資料6の11ページ、隔離・身体的拘束を可能な限りゼロとするための最小化に係る取組についてですが、処遇基準告示上で要件として明確に規定することについては賛成いたします。ですが、現行基準である、イ、多動または不穏が顕著である場合に相当する要件については、身体的拘束の影響の大きさと実施する側による裁量が大き過ぎるという観点、そして現行基準のア及びウに相当する基準のみで差し支えないのではないかという立場から、削除が望ましいと考えています。
加えて、先ほど竹下委員が身体的拘束は原則廃止とおっしゃってくださって非常にありがたいなと思いました。私も原則廃止ということに同意いたします。そのようにお願いしたいと思います。
また、全体を通してということですが、既に公開されている」地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の議事録を確認させていただくと、ピアサポートに関連するような御発言は六十数か所ととても多岐にわたっているようです。地域で安心して暮らせる体制の実現については、当事者の力の活用は欠かせない構成要素の一つかと思います。特に身近な市町村などの相談支援の場面において、リカバリーのロールモデルともなり得るピアサポート活動従事者に、障害や病気をお持ちの当事者の方やその御家族など、希望する人誰もが出会えるような相談支援体制の整備が望ましいと考えています。それは従来の支援者の方々にも波及的に好影響をもたらし、支援の質そのものを向上させることにもつながっていくと考えます。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、石野委員、お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野でございます。
2つほどの事例について述べさせていただきたいと思います。
この事例と申しますのは、入院医療が必要のない聴覚障害者が存在したという事例でございます。必要のない人たちが、なぜ精神科医療機関に入院したかということになりますが、きっかけはコミュニケーションの齟齬で無理やり入院させられたという事例です。
まず、Aさんの例ですが、御本人は退院したいという気持ちが非常に強かった。でも、御家族は認めないという状況にあったため、なかなか退院に至らなかったという事例です。生活相談員や手話通訳者、受け入れるろう老人ホームだとかそういった場所努力もあり、いろいろと掛け合って、御本人の意思を確認しつつ、ようやく退院にこぎ着けました。無事にグループホームに入所し、そしてろうあ老人ホームという場所ですけれども、そこで暮らすことができたという好事例です。
一方、Bさんの場合には、医療がほとんど必要のない方でした。ただ、たまたま体調不良で、家族も誰もいらっしゃらないという状況で、孤立しておられました。御本人は退院したいと思っていても、精神保健の法律では、制度の仕組みの中でなかなか退院ができなかった、代弁者もいなかったというような状況でした。
医療機関と相談しながら進めていたわけですけれども、結局、聴覚障害者だけののホームヘルパーの会があり、1か月に1回御本人のところに出向いて、コミュニケーションをし、介護をするというピア的なサポートを行っていたわけです。そのような取組がずっと続いてまいりました。御本人は何とか退院したいという思いがありましたけれども、なかなか退院ができなかったという状況です。
医療に関する意思決定支援ということに関わりますが、4ページに医療機関に訪問する支援者という記述がございます。これも非常にいいことであると思いますが、ただ、ピアサポートという視点、また、先ほどお話ししましたように、ホームヘルパーの会等についても、ボランティア的な支援のグループですけれども、そういったものもここに加えることができないかと思っております。本当は医療が必要ないので退院すべきですけれども、なかなかそれが実現できなかったというような事例も含めて進めていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、オンラインの皆様から、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
私のほうから4点ほど、簡潔にお話をしたいと思います。
まず、第1点、患者の意思表明支援についての支援です。資料7の16ページからになります。翻ってみますと、平成25年、精神保健福祉法が改正される際、いわゆる代弁者という提案がありました。それについては、どのような者がなるか、また、その果たすべき役割、これは必ずしも明らかではないということで、制度化が見送られた経緯があります。
今回、支援者については、資料8に示してありますように、医療に関する意思決定支援との関係ということで、それなりに整理がなされたと考えられます。しかし、支援者の要件については、研修の受講による一定の資質を求めるべきとされたものの、具体的に研修の内容等については議論が達しておりません。支援者については、別のところで医療機関と独立の外部の立場の者が、入院後、迅速に支援が受けられるような体制をつくるとされています。
精神科医療の現場では、入院早期に、患者さんとの治療関係を構築することが、その後の治療効果に影響を与えるとされておりまして、我々はそのことにかなり気を配っているつもりです。
そのような時期に、言葉は申し訳ありませんけれども、外部から訳の分からない人間が入ってきたら、現場が混乱する、そのような危惧が精神科医療の現場には少なからずあります。そのことは、そういった視点からすると無理からぬことと考えられます。支援者の制度化については、慎重な対応が望まれるところであります。仮に制度化するに当たっては、モデル事業等を行った上で、問題点の抽出、あるいはその改善がなされるということがあってから行われるべきであると考えております。
2点目、21ページからの医療保護入院に関しては、患者さんの権利擁護の視点と、切れ目のない医療へのアクセスを確保する等の視点、これがバランスよく検討されることが必要だと考えます。
従来の議論は、ともすれば権利擁護を重視するあまり、医療を受けないことによる患者さんの不利益に思いが及ばないという嫌いが見られました。
精神科医療の現場では、患者さんの病状によっては、非同意的な治療を行わざるを得ない場合もあるということを念頭に置いた議論が必要だと思います。一切非同意的な治療を行わないというのであれば、それは治療の放棄ともなり、患者さんの不利益につながる、このことを明確にすべきであります。その上で、制度の存廃について言及すべきであると考えます。
入院への移行あるいは退院促進の視点の2として示された医療保護入院の入院期間を法律上定めるということについては、現行の退院支援委員会、あるいは定期病状報告等の制度との整合性に留意をする必要は言うまでもありませんが、診療報酬上の適切な評価を行う必要があると考えます。
資料7の30ページからの家族等の同意について言及があります。前回の法の改正の際に、保護者制度の廃止に伴って、家族等の同意が要件とされたものであります。しかし、退院後支援の立場から言うと、極めて不十分な制度になっています。この際、精神障害者の相談支援を基礎自治体が一元的に行う方向性が明らかになったということに鑑み、基本的に医療保護入院の同意は市町村長が行うということにしてはいかがでしょうか。
3点目、隔離・身体的拘束を可能な限りゼロとするための最小化に係る取組に関してであります。隔離・身体的拘束等の行動制限については、精神保健福祉法上、精神保健指定医の専門的な知見に基づき、代替方法によることは困難であり、医療、保護を図る上でやむを得ないと判断された場合に、必要最小限の範囲で行われる、この基本原則に立ち返った議論が必要だと考えます。
現状においても、大多数の精神科の医療現場では、精神保健福祉法を厳格に適用して行動制限が行われております。行動制限最小化の試みについてはカンファレンス等医療機関全体で取り組む、このことは言うまでもありませんが、個々の行動制限の可否については、あくまでも精神保健指定医がその責任において指示をし、最終的な責任は病院管理者に帰する、このことを再度明確にすべきであります。
また、行動制限に対する代替方法についての研究は、国が責任を持って行い、その成果を普及させるよう全力を傾けるべきであります。
最後に、虐待防止に係る取組についてであります。虐待防止に関する議論は、障害者虐待防止法における附則第2条、何人かの委員がお触れになりましたけれども、学校・保育所等、医療機関、それから官公庁については通報義務を除外している、これが附則の第2条でありますけれども、それについての議論に終始をしております。何か医療機関にも通報義務を課すことが象徴化され、議論が錯綜して、実効性のある障害者虐待防止に関する議論がおざなりになっているという印象が強いのであります。
我々としては、障害者虐待防止法における附則第2条を改正しなくとも、精神保健福祉法において、精神科医療機関における虐待防止の実効性は担保できるという立場に立っております。いわゆる間接的防止措置、例えばマニュアルの策定であるとか、あるいは研修をするだとかというようなことによって、より実効性のあるものとなるような議論が必要だと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 ありがとうございます。
資料6、概要版に沿って発言させていただきます。
精神保健に関する市町村等における相談支援体制に関して、2ページに「市町村保健センター等の保健師増員のための対応を検討する」と記載されていますが、その下にも記載があるように、市町村のバックアップ体制を確実にしていくということが必要になると思うのですが、そのためには保健所や精神保健福祉センターの人材確保・育成、あるいは予算等の確保も必要になるのではないかと思っております。
それから、第8次医療計画における指標例について、3ページの2つ目の○の後半部分に、「普及啓発、相談支援」、それから「地域における支援、危機介入」「診療機能」といったように、段階ごとにストラクチャー、プロセス、アウトカムの各指標を定めるべきと記載されております。
この方向性には同意しますが、特に地域における精神医療提供体制に係る支援として、通院が定期的にきちんとできることは重要ですが、高齢化も相まって通院ができなくなり、薬の管理もできなくなるという状況に対しては、やはり訪問看護をしっかりと入れていくことが非常に重要になってくると思います。
ですので、ぜひ指標の中に、地域支援と療養をしっかり支えていくということを加えていただきたいと思います。それから、今、特に外来等では、専門性の高いナース、精神領域に特化して学習をしているいわゆるリエゾンナースという人たちもいますので、こういった方々の活用についても検討いただきたいと思います。
また、多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築について、うつ病等の気分障害は、例えば子育てや出産を契機に発症することもございますので、相談内容に応じて適切な人材につなげる仕組みが必要ではないかと思っております。その辺りを明記していただくことが必要と考えます。
最後に、隔離・身体拘束の最小化の取組のところで、資料6の12ページに人員に関する記載がありますが、確かに慢性期の医療提供は、医療従事者のみが関わるというものではありません。できるだけ地域での療養に移していくという方向性に沿って、より手厚い体制でのコメディカルの配置に関する記述があるわけなのですが、そうは言ってもやはり薬剤の管理等、看護師にしかできないこともございますので、安易に経過措置を伸ばしていくといった議論の方向性は少し慎重に考える必要があると思います。
慢性期医療は治療だけではないとこういうことに鑑みれば、プラスアルファでコメディカルをしっかりチームとして入れていくという書きぶりのほうがよろしいのではないのかと思っている次第です。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
1点発言させていただきます。
資料6のスライド13の検討の方向性の3つ目の○にあるとおり、精神科医療機関における虐待事案を適切な対応につなげるため、通報義務及び通報者保護の仕組みは設ける必要があると考えますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 私は1点だけです。
資料6の2ページのマル1の(1)ですけれども、先ほども言われましたが、精神保健に関する課題を抱える者を対象にして市町村が実施する精神保健に関する相談支援の位置づけを明確にして、市町村の保健センター等に保健師の増員を検討することに対して賛同します。
かつて家庭訪問して、みそ汁の味を見て、高血圧の防止を呼びかけていた保健師さんたちがいました。これが介護保険の導入以来、事務手続に時間を取られるようになったり、あるいは市町村合併とか保健師の数が減少していった時期がありました。しかし、少しずつ当時の保健師さんたちが辞められて、新しく入れ替わる時代になっているようではありますけれども、ただ、全体的にすごく人数が減ったことは確かです。
しかし、こういう災害とかコロナの感染対策の中で、いかに重要なポジションにいる専門職であるかが、皆さん社会で認識されたのではないかと思います。医療と福祉の谷間にいました難病患者は、この保健師さんたちにすごく助けられました。精神障害者への個別訪問も含めまして、今後、医療と福祉、行政と家庭をつなぐ、そしてピアサポーターと共に歩み続けるためにも、これからの精神保健を担う保健師の増員を強く希望したいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
私からは1点です。虐待防止に係る取組のところなのですけれども、今回は精神科医療機関ということですが、私は以前から医療機関も含めた虐待防止法の網羅的な取組が必要とずっと考えております。前回、学校における虐待についてもお尋ねしましたが、障害を持ったお子さんたちがどれぐらいその中にあるのかというようなところも併せて網羅的に把握していくためには、障害者虐待防止法の中に位置づけることが大事かなと思っております。
実際、精神科医療機関だけではなくて、一般の医療機関の中でも、私が知っている範囲ですけれども、難病の方も身体拘束を受けていというようなこともありますし、また、その手続や手順、あるいは定義など、様々な点で統一的、網羅的に把握していくことが大事かと思います。私ども福祉サービスに関しては、総合支援法の中で指定基準等も含めて様々な虐待防止、身体拘束への対応がきちんと明確になってきて、それを基に取組をしてきているわけですので、それと同じような構造として考えていけないかなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
時間の都合関係もありますので、今日は医療保護入院に絞って2点意見を述べさせていただきます。
検討会の場でも発言をさせていただいておりますが、この方向性としては、曖昧な表現ではなくて、医療保護入院の廃止に向けた検討を進めるということを明記していただく必要があると考えております。私どもは家族の立場ですが、現状で、今すぐに医療保護入院を廃止することには多くの家族が反対の立場です。それは現状の体制のままで医療保護入院を廃止すれば、本人が精神症状で大変な状況になったときに、どうやって医療につないだらいいのかが分からなくなる、つなぐことができなくなるということがあるからです。これは大きな不安になります。けれども、今後に向けては、非自発的入院制度である医療保護入院ありきではなくて、医療保護入院制度がなくても精神科医療が必要な人が必要なときに受けられる、つながることができる体制を目指す必要があると考えております。
他の先進国の状況を見ても、また、資料5の1ページの総論にもありますように、障害者権利条約に照らしても、精神科医療における強制的な治療の在り方は見直すべきと考えております。この強制的な入院治療の在り方が、精神疾患や精神障害への偏見にも大きく影響を与えています。医療保護入院という制度がなくても、安心して、必要なときに医療につながれる体制を目指して、精神科医療機関の皆様も含めて、多くの方々と一緒になって考えていきたいというのが私どもの意見です。
2点目、医療保護入院の同意者についてです。資料6の8ページには、家族の精神的負担や本人との関係性の悪化につながるとありますが、この家族の精神的負担ということには、単に家族が辛いとか大変とかということではなくて、本人が了解していない状況下での精神科入院の必要性ということを、本当の意味で本人のために、本人の権利擁護の観点からも、家族でも判断ができるのだろうかという重たい責任感による負担感があることをお伝えしたいと思います。
家族相談を受けていく中で、医療保護入院で本人を入院させた後に、家族自身が下した決断について、本当にあれでよかったのだろうかと悩んだり、悔やんだり、迷ったり、中には泣き崩れたりという姿をたくさん見てきました。単なる家族等の同意という一文ですが、この言葉の後ろには、家族の戸惑いや混乱、疲弊、そして傷つく、そんな家族の姿を思い描いていただきたいと思います。
医療保護入院における家族等の同意の削除については、諦めることなく検討していただくよう、切に願います。せめて、家族であっても本人が了解していない入院についての同意の判断ができないという場合には、市町村同意による入院もありという体制にしていただけないだろうかとも考えております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
精神保健福祉部につきましては、大きく取り上げられていないものではございますけれども、強度行動障害のある人の受入先がなくて、精神科病院へ入院している事例は少なくないです。そして、精神保健福祉分野における行動障害者支援への対応と併せて、地域の福祉支援では、行動障害のある人を受け止められていない現状を理解していただきたいと思っております。支援の方向性が異なる精神科病院への入院となっている現状の改善となる仕組みが必要であると考えております。
また、医療分野における本人の意思決定支援は、本人の権利擁護の観点から、精神障害者に限らず、知的障害者分野でも重要な視点になっております。ぜひ、知見を水平展開していただきますようお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
このほか何か御発言がおありの方はいらっしゃいませんでしょうか。オンラインでいかがですか。よろしいですか。
ございませんようでしたら、この論点につきましても様々な御意見を頂戴いたしましてありがとうございます。なかなか重たい論点が多いところで、そのために検討会を設けて検討が重ねられているということですが、同一の論点につきまして複数の御意見をいただいたりもしておりますので、事務局におかれましては、丁寧にここでの御議論を検討会のほうにお伝えいただいて、さらに検討を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
皆様の御協力のおかげもございまして、ちょうど予定の時間となってまいりました。
最後に、今後のスケジュールなどにつきまして、事務局からお願いします。
○矢田貝企画課長 企画課長、矢田貝です。
本日は御多忙の中、御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の部会でございますが、5月16日月曜日の14時より、ベルサール飯田橋駅前にて開催いたします。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 次回辺りからそろそろ取りまとめに向けた議論に入っていくのではと思います。これまでも皆様には、御発言についてはコンパクトにおまとめいただいて、御協力いただいてまいりましたが、今後まとめの段階に入っていくことになりますと、たくさん御発言なさりたいということがおありかと思いますが、他方で、多くの皆様に御発言いただくために、また御協力いただかざるを得ないという状況でございます。事務局からまた個別に事前に御相談させていただくかと思いますが、引き続き御発言をおまとめいただいて、恐らく1回で議論はおしまいということにはならないと思いますので、複数回御議論いただくということで事務局にも考えていただいていると思いますので、ひとつ充実した、ぎゅっと締まった議論ができるように、皆様の御協力を引き続きお願いしたいと存じます。
それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

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