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2021年9月6日 社会保障審議会障害者部会(第117回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和3年9月6日(月)15:00~17:00

○場所

ベルサール飯田橋駅前
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階

○出席者

菊池馨実部会長、阿部一彦委員、安藤信哉委員、井上博委員、江澤和彦委員、岡田久実子委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、黒岩祐治委員、小林真理子委員、齋藤訓子委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、新保美香委員、陶山えつ子委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、永松悟委員、丹羽彩文委員、野澤和弘委員、朝貝参考人、大竹参考人、叶参考人、小阪参考人

○議事

○菊池部会長 皆さん、こんにちは。
 定刻になりましたので、ただいまから第117回「社会保障審議会障害者部会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 議事に入る前に、本日の会議については、こちらの会場とオンラインで開催いたします。事務局においては、資料説明はできるだけ分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。
 各委員からの発言について、お願いがあります。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言をお願いいたします。御発言の際は、まずお名前を名のっていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話しください。また、会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力お願いいたします。
 それでは、事務局から委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○源河企画課長 事務局です。
 本日の会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としまして、オンライン開催をしております。
 委員の状況について報告いたします。
 本日の出席状況について、沖倉委員、吉川委員より御都合により欠席との御連絡をいただいています。
 また、阿由葉委員の代理として叶参考人に、石野委員の代理として大竹参考人に、内布委員の代理として小阪参考人に、小﨑委員の代理として朝貝参考人に御出席いただいています。
 藤井委員につきましては、遅れて御出席いただく予定です。
 また、黒岩委員におかれましては、公務により途中退席されるとの御連絡をいただいています。
 本日の資料です。議事次第、資料1~3、参考資料1、参考資料2となります。万が一、これらの資料が表示されていないなどの状態となっておりましたら、事務局にお申しつけください。
 事務局からは以上です。
○菊池部会長 それでは、本日の議事に入ってまいりますが、その前に、黒岩委員より議題に関しまして、御発言を希望されておられます。
 本日、公務により途中退席されますので、黒岩委員に先に御発言いただくということでよろしいでしょうか。
 それでは、黒岩委員、御発言をお願いいたします。
○黒岩委員 神奈川県知事の黒岩祐治です。今回は、こういった発言の機会をつくっていただきまして、誠にありがとうございます。
 今、神奈川県が取り組んでいる障害福祉の方向性について、御説明したいと思います。これは当事者目線の障害福祉。この言葉です。
 どうしてこういうことをやっているかというと、我々の原点は、5年前に起きました7月26日の津久井やまゆり園事件でありました。重度障害者は生きている意味がないのだというとんでもない、めちゃくちゃな考え方で、19人もの命を奪ったという大変悲惨な事件がありました。どうしてこういうことが起きてしまったのかといったことで、我々はずっとこの検証もしてまいりました。
 しかし、今もいわゆる虐待と言われるものが続いている現実があるといったことです。例えば鍵が開けられない部屋に閉じ込められているとか、ずっと車椅子に縛りつけられているといったことは、今の定義でいけば、明らかに虐待に当たるわけです。
 しかし、あの事件が起きた津久井やまゆり園で反省して、様々なことで出直しているのかと思いきや、そういったものは続いていた。しかし、なかなかそれが見えなくなっていたといったことがあり、ここはしっかりとメスを入れていかないと、我々はああいった事件が絶対に起きないという確証は持てないと思ったわけであります。
 そして、有識者の皆さんのお力を得て、様々な検討、検証をしてまいりました。というのは、当事者目線というのはどういうことなのか、では、今までの障害福祉はどういう障害福祉だったのかというと、利用者の安全・安心のために、この人は暴れるから部屋に閉じ込めておきましょう、この人のために車椅子に縛りつけておいてあげましょうといったことだったのではないのかなと。
 しかし、当事者目線というのはどういうことか。部屋に閉じ込められている本人がどんな気持ちなのか、車椅子に縛りつけられているその人はどんな気持ちなのか、その気持ちに立つという障害福祉に変えていかなければいけないのではないかと思った次第でありました。
 そして今、津久井やまゆり園、前の悲惨な事件が起きたところを造り直しました。いろいろな議論がありましたけれども、最終的には全部個室で11人の小規模ユニットが6つあるという形。そして今、横浜の芹が谷にも同じようなものがこの12月に完成します。
 今まで津久井やまゆり園にいた人たちに、津久井の新しいところに行くのか、横浜の芹が谷に行くのか、どちらがいいですかという意思決定支援という作業をやりました。あなたはどちらがいいですか、このどちらでもなくて、グループホームに行きたいですか、でも、グループホームは、経験したことのない人にとっては、分からないのです。グループホームを体験していただいて、選択肢をつくっていただいた上で、選んでいただきました。意思決定支援は、まさに当事者の思いといったものを中心に考えようといったことであります。それをやってきたら、当事者の思いは分かるのだといったことが見えてきました。
 ですから、こういったものをしっかりと前に進める中で障害福祉をつくっていかなければいけない。それが当事者目線の障害福祉であるといったことで、今、「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」をつくっておりまして、議論しています。そのメンバーの中には、3人の障害当事者の皆さんも入っていただいて、ほかの委員会ではなかなかできないような議論を積み重ねているところであります。
 この部会は障害者総合支援法の見直しがテーマになっていると認識しておりますが、どういう方向性で見直していくのかという中で、ぜひ当事者目線の障害福祉というキーワードをぜひ盛り込んだ形でまとめていっていただきたいと強く思う次第であります。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 議題1につきまして、資料1につき、事務局から説明をお願いします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害福祉課の室長の河村でございます。資料1をお手元に御用意いただければと思います。
 ページをおめくりいただきまして、2ページ目でございます。本日の前半のテーマの質の確保・向上でございます。○の1つ目にありますとおり、この課題は非常に重要であって、かつ難しい課題でもございます。
 ○の2つ目でございますけれども、質の確保・向上をめぐっては、1個目の黒ポツですが、これまでもいわゆる指定基準において人員配置、設備・運営等の基準を設定する、また順守を求める。
 また、黒ポツの2つ目でございますけれども、指導監査によってその基準の徹底を図っていく。
 また、黒ポツの3つ目でございますけれども、専門職の配置とか特別な支援の実施などを評価する。報奨を通じた評価によって取組を進めていく。
 また、黒ポツの4つ目でございますけれども、情報公表制度を通じて、利用者の方が良質なサービスを選択できるようにしていくということを通じて質の確保・向上を図ってきたところでございます。
 こういった取組を進めてきたところでございますけれども、必ずしも質が高くない、あるいは適切でない支援を行う事業者が増えているという御指摘もいただいているところであります。
 ○の4つ目でございますけれども、こういった御指摘も踏まえて、サービスの質の確保・向上のさらなる徹底、支援内容の適正化をこれから進めていかないといけないだろうと思っております。
 その上で、次のような課題があるのではないかと思っております。
 下から2つ目の○でございますけれども、まずは指定基準の関係でございますが、指定基準によっていろいろな基準の設定をしてきているところでありまして、その中で、指定事業者は、提供するサービスの質の評価を自身で行って、常にその改善を図らなければならないとされております。
 一方で、その質の評価を具体的にどうするかという点につきましては、一番下の○でございますけれども、例えば放課後等デイサービス・児童発達支援といった子供の通所の分野においては、ガイドラインにおきまして自己評価、また保護者による評価を行うこととして、具体的な評価票を設定しているところでございますが、こういった具体的な評価項目をお示しして、事業者自身で評価する、あるいは保護者からの評価を受けるという取組が一部のサービスにとどまっているのではないかということ。
 続きまして、3ページでございますけれども、○の1つ目ですが、この間も第三者評価を行うことを推奨してきたわけですが、現状として、第三者評価の受審実績がそれほど多くはないという現状がございます。
 そうした一方で、○の2つ目でございますが、こういった第三者からの評価について、介護分野の中では、認知症グループホームあるいは地域密着型サービス等におきまして、地域に開かれたサービスにして、外の目を入れていくことを通じてサービスの質の確保をすることを目的にしまして、指定基準の中で、外の第三者をメンバーに入れた上で運営推進会議を設置して、定期的に自分たちの運営状況の評価を受けるという取組が義務づけられてきておりまして、こういったことも参考にできる可能性があるのではないかということ。
 続いて、○の3つ目から報酬体系に基づく評価を通じた質の向上でございますけれども、○の3つ目は、サービスの質の評価については、医療とか介護といったところは、私どもも共通にストラクチャーと呼ばれている人員配置とかそういった構造を通じた評価と、プロセスを通じた評価、アウトカムの評価といった3つの視点からアプローチがなされております。
 次の○ですが、こうした視点に基づいて改めて私どもの障害の報酬体系について概観してみますと、黒ポツの1つ目ですが、ストラクチャーの指標は、ほぼ全てのサービスにおいて様々な評価が設定されておりますけれども、プロセスの指標については、幾つかのサービスで特定の個別支援をやった場合の加算の設定が進んできている。一方で、アウトカムの指標については、まだまだ就労系などの一部のサービスにとどまっている状況がございます。
 次の○でございますけれども、こういった評価に当たって、個々のサービスの目的とか特性を十二分に踏まえる必要がございますが、一般論としていけば、プロセス指標やアウトカム指標のほうが、ストラクチャーを通じた評価よりも、サービスの質そのものを評価することに資するであろうと考えられる部分もあるのではないかといった点でございます。
 それから、一番下の○ですが、情報公表制度の関係でございます。情報公表制度については、事業者が一定の情報を都道府県に報告して、都道府県がその情報を公表するということにされておりまして、都道府県は公表制度に関して指導監督権限を持っておられるという状況にございます。
 ページをおめくりいただきまして、4ページの一番上でございますけれども、しかしながら、こういった情報公表について、全ての事業者の登録・公表に至っていない現状がございまして、直近で8割ぐらいとなっております。
 また、次の○ですけれども、情報の記載の内容につきましても、ある程度標準化されていない部分もございまして、任意の記載になっている部分もあるので、その内容について、十分な確認とか比較、検証ができているとは言えない状況にあるのではないかという点を挙げさせていただいております。
 3つ目の○でございますけれども、データの整備の関係でございます。近年、データに基づいて、エビデンスに基づいた政策決定を行うという点が政府全体の中でも非常に重要な流れになってきて、NDB(医療のデータベース)とか、介護ですとLIFEと呼ばれているデータベースの整備が進んできている中で、私ども障害福祉分野において、地域の様々な関係データを包括的に収集・分析する仕組みを現状で持ち合わせていないのではないかという問題意識でございます。
 次の○の介護は、介護保険総合データベースとして、様々な情報が整備・運用されている。こういったデータベースを実施していく上で、黒ポツのところでございますけれども、以下のような規定で、市町村は国に対して情報を提供しなければならない旨とか、その次の黒ポツでございますが、こういった介護保険関連情報について、第三者への提供をするに当たって、その主体別に相当の公益性がある業務が定められているという第三者提供のルール等が明確に定められているところでございます。
 こういったことを踏まえますと、一番下の○でございますが、障害福祉分野においても、将来的に質の向上をどんどん図っていくという観点からも、介護のこういったデータベースに相当するデータの整備に取り組んでいるところでありますが、その整備に際して、先ほど御紹介したように、同様の法的な仕組みも含めて整備することが必要ではないかという問題意識でございます。
 最後に、5ページにこういった現状と課題を踏まえた論点を書かせていただいております。
 論点の1つ目の○ですが、指定基準に基づくサービスの質の評価について、さらなる推進方策をどのように考えるか。
 黒ポツの1点目として、自己評価・利用者評価の推進にどう取り組んでいくか。
 次の黒ポツでございますけれども、第三者による外部からの評価をどのように活用していくか。具体的に、先ほど御紹介したような介護分野における地域の目を入れた運営推進会議を通して、事業者の運営状況を評価するということも含めて検討していってはどうかということでございます。
 次の○ですが、今度は報酬による評価の関係でございます。先ほど御紹介したような3つの視点の中でも、プロセスの視点に基づく評価の充実をより図るべきではないか。
 あわせて、アウトカムの視点に基づく評価についても、これはサービスの性質的にマッチするものとしないものがあるのではないかという問題意識がございますが、評価手法がなじむものについては、その導入について検討を進めていってはどうかという点。
 次の○は、情報公表制度の関係でございます。情報公表制度について、全ての事業者において登録・公表を行うことの徹底方策をどう考えていくか。また、その情報公表として、アップされている具体的な情報内容について、内容をよりふさわしい記載にしていくための方策についてどう考えるか。
 最後の○になりますが、先ほど御紹介したような障害福祉分野におけるデータベースの構築に際して、介護保険と同様に国の調査分析とか市町村のデータ提供、第三者への提供等に係る仕組みを設けていくことについて、どのように考えるかという点を論点として挙げさせていただいております。
 参考資料は、適宜御参照いただければ大変幸いです。
 よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの事務局の説明に関しまして、皆様から御意見、御質問等がございましたら、挙手をお願いいたします。御発言については、できるだけ簡潔にお願いいたします。
 なお、この議題につきましては、16時をめどとして御議論いただきたいと考えております。
 それでは、まず、会場からいかがでしょうか。
 竹下委員、小阪参考人から手が挙がっております。
 それでは、竹下委員からお願いします。
○竹下委員 日視連の竹下です。ありがとうございます。
 2点だけ発言させていただきます。
 結論から言いまして、今、ここで課題としていることについては、この方向で前向きに進めるべきだということになるとは思うのですけれども、問題はこの評価の仕方で、今、室長から説明があったこの3つのポイントというか、視点にこだわり過ぎる必要はないのではないかと思っております。
 ストラクチャー指標というのは、私の理解でいうと、一定の専門職の人を配置しているかどうかという、分かりやすいかもしれないけれども、その面だけにとらわれているのに対して、そうではなくて、現に行っているサービス内容が、今の知事の発言ではないですが、当事者のニーズに十分に適合している場合に、専門職を配置していなくても評価をしてあげるような方向はないのだろうかと。
 あるいはプロセス指標でもそうなのですけれども、現に一定の決められた個別のサービスを行っているという場合ではなくて、サービスを受ける当事者のニーズが現に満たされているとき、あるいはその必要性から現に行われているものをパターン化というか、定型化せずに評価する方法を見つけるべきではないか。そのように、あくまでも現に処遇されている当事者、障害者の必要としているサービスが実現されるような方向で考えるべきではないかと一つ思っています。
 2番目には、僕は第三者評価と情報公開は一体だと思っていまして、あくまでも情報が公開されていることを前提として、現に第三者評価が行われている場合に、そのことからそれが非常に質の高い評価を受けるような場合には、それを報酬に一定反映させることのできる仕組みを考えていかないと、第三者評価制度そのものあるいは情報公開そのものが進んでいかないのではないかと考えます。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、小阪参考人、お願いします。
○小阪参考人 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
 私からは、一当事者の立場から、障害福祉サービス等の質の確保・向上については、大変関心が高いところとなります。私は当事者でもあり、かつ障害福祉サービス等の支援者でもありますが、本日は、主に当事者として、利用者等に近しい立場からの目線から言葉を紡ぎたいと思います。
 ガイドライン等の整備によって、障害福祉サービス等の事業所などが自ら自己評価・利用者評価の推進を図ることについては賛同いたします。
 なお、ガイドライン等を整備する場合においては、障害福祉サービスごとに一律のものを整備するだけでは行き届かないところもあると思いますので、障害領域ごとにも配慮したものであることが望ましいと考えます。
 また、第三者評価については、常に福祉サービスを受ける者の立場に立って、良質かつ適切な福祉サービスを提供できるように努めなければならないとされている中で、非常に重要な観点であり、かつ、国は社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるように努めなければならないとされているわけですから、その実施等については、引き続き推進を積極的に図るべきだと考えています。
 なお、その際においては、支援関係者や有識者等の評価だけにとどまらないように、当たり前に利用者の立場の方たちの評価や言葉がきちんと尊重されるように、その枠組みについて引き続き御検討いただきたい。具体的には、当事者の思いを酌んだものとなるようにしていただきたいと思うと同時に、併せて事業者等においては、過度な負担とはならないようにもしなければならないと思います。
 また、障害福祉サービス等における評価指標については、一当事者としましては、プロセス指標がとても大切になるだろうと考えているところです。
 さらに付け加えれば、アウトカム指標においては、事業所ごとにという単位だけではなく、市町村ごとや圏域ごとなど、地域を包括的に捉えるような枠組み、視点も検討に値するだろうと思うところです。
 なお、このような検討をする場合においては、昨今、もちろん、利用者やその家族等、当事者性を持つ立場の方たちの思いなどを尊重するように考えられているとは思うのですが、それでもどうしても不十分になってしまうところが発生し得るものということを改めて十二分に御留意いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインでお手をお挙げの方にお願いしていきます。15名という多くの方がお手を挙げておられますので、順次、指名させていただきます。
 まず、陶山委員からお願いします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山と申します。
 私どもも、そもそもの話をしたいと思うのですけれども、障害福祉分野におけるデータベースの構築についてなのですが、障害者総合支援法に難病等という言葉が入ったのはよかったのですけれども、行政の仕組みが変わっていなくて、例えば障害者の方でしたら、市町村に申請をされますね。
 ところが、指定難病とか小児慢性特定疾患の人たちは、政令市であれば市に申請するのですけれども、市町村のほかのところの場合は、都道府県に申請するようになっておりますので、町あるいは小さい市に住んでいらっしゃる方の情報が、そこには行き届いていないというか、ないというか、分かっていらっしゃらない部分があります。
 例えば障害者の方たちの福祉サービスといいましても、私たちはこれを県に申請するようになりますので、市町村のデータベースの中には入っていないということになります。だから、福祉サービスを受けることができるということさえ知らないという現状があります。ですから、今後、このデータベースを作成するに当たり、難病の人たちがこの中に入らない可能性が出てくるのではないかというところを懸念しています。
 今、福祉サービスといいますと、これは例えばの例なのですけれども、特別児童扶養手当があるのですが、今、障害を持っている子供たち、特に発達障害の子供たちがたくさん申請していて、大分たくさんの子たちがこの児童扶養手当を支給されています。
 ところが、小児慢性特定疾患の子供たちの親御さんは、そういう制度があることを知らないというのがあります。なぜなら、その福祉サービスを提供する市町村に申請しているわけではないからです。
 ですから、そういう福祉サービスとつながらなかった人たちへも福祉サービスがつながるようにするためにも、何とか市町村に私たちの小児慢性特定疾患とか指定難病の方たちのデータが行くような仕組みにしないと、今後、抜け落ちる可能性があるのではないかと懸念しているところです。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 質の確保と担保ということで、ストラクチャー、プロセス、アウトカムという指標が示されましたので、それに即した形でお話をしたいと思います。
 まず、ストラクチャー指標ですけれども、これは障害福祉サービスに関しては、様々な方が参入してサービスを行っているということは、今までの議論の中でも出てきました。場合によったら専門性とかが足りないということも示されています。
 ですから、ストラクチャーに関していえば、確かに専門職の配置に関しての加算という形では評価ができているわけですけれども、いわゆるミニマムリクワイアメントというか、最低必要な部分がまず確保されないことには、きちんとした質の確保がサービスで行われないのではないかと。監査というお話もありましたけれども、そういった最小必要な部分についての担保は必要ではないかと考えます。
 それから、プロセス指標に関しては、今までの議論でも出てきましたけれども、サービスの提供に関して、その計画相談が行われる際にアセスメントの問題があります。それから、定期的にモニタリングが行われます。そういった部分に沿った形でプロセスの評価、利用者サイドあるいは利用者の御家族の御意見を入れながら、この辺のアセスメントないしはモニタリングに関する評価が必要ではないかと考えます。
 それから、アウトカム指標です。これもこれまでの議論の中で触れられてきたものですけれども、特に就労系サービスなどで一般就労をアウトカムと置いた場合に、サービスに非常にひずみが出てくるという御指摘があったかと思います。その部分に配慮しながらこれをやっていかないと、質の確保、担保というよりは、ひずみが起こってくるということに気をつけなければいけないと考えます。
 それから、第三者評価もある程度標準化された指標が必要だと思います。利用者の方の目線に立ったということは言うまでもありませんけれども、標準化した指標を使って評価をしていく。例えば医療機関なんかは、病院評価があります。そういった標準化された指標を使って、なおかつ、その結果については公表していくことが必要ではないかと。
 それから、自己評価に関してですけれども、自己評価はなかなか十分にできないということも言われています。いわゆるピアレビューのような形でやっていくというのも一つの考え方ではないかと考えています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 続きまして、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
 私は、以前にもストラクチャーが中心の今の評価制度では不十分だということをお伝えしてきたつもりではおったのですが、今回の現状・課題の認識には同感です。プロセス評価とかアウトプット評価についても、導入についても、方向性としては賛成です。
 ただ、先ほど来お話もありましたように、様々な評価があるわけですので、広くそういったものも併せて検討していくという、この2つの評価基準をベースにしながらも、そういったものを導入していく方向性での検討については賛成です。
 資料を見ますと、入所系について、アウトプット評価とかは難しいということが書かれているのですが、なかなかこれというアイデアはありませんけれども、心当たりというか、気持ちの中でまだまだ検討できる要素はあるのかなと思っておりますので、利用されている当事者の方は当然ですが、我々事業者とかそういった方も含めて検討会をしっかりとつくり上げて検討していくことについて、賛成でございます。
 もう一点、情報公開について、まだまだ進んでいないというのは私も実感として持っておりますので、これはペナルティーを与えるというよりも、なぜ進まないのかというところの原因というか、事情を踏まえてしっかりと検討を進めていく、より周知徹底していくという方向性で進めていくものについては賛成でございます。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、永松委員、お願いいたします。
○永松委員 全国市長会の杵築市市長の永松と申します。よろしくお願いいたします。
 5ページに検討事項の論点がありますけれども、この論点につきましては、私としては賛成です。第三者による外部評価の活用、介護分野における運営推進会議の事業者の運営状況の評価について、障害福祉サービス等に導入するということは、ぜひ行っていただければと思います。
 特に、外部評価につきましては、先ほど櫻木委員からお話がありましたように、「病院機能評価」がありますが、そこは評価するだけではなくて、その支援をしたり、教育もする。発展的にはここまで来るといいなと。ただ、第三者による外部評価は、ぜひ取り入れていただければと思います。
 それから、2番目の○ですが、報酬等によるサービスの質に係る評価関係もこのとおりで、ぜひ導入していただければと思います。
 それから、障害福祉サービス等の情報公表制度の関係につきましても、客観的・具体的なサービス内容が分からなければ正しく選べないので、特に実際に気軽に出かけていって、そのサービスを受けられるという方は、障害福祉サービスの場合では限られると思いますので、選ぶ前にどういったものなのか、客観的で、具体的に知りたいところを公表するということは、できればぜひ義務づけていただければありがたいと思います。
 また、そういう意味では、これは今80数%まで来ておりますので、この事業に参入する方は、当然、選んでほしいということでなさると思うので、ぜひきちんとした書き方をして、誰でも見られるようにしていただければと思います。
 特に、そうすることで自分の事業所が悪い評価を受けるのではなかろうか、まだ発展途中なのに、これを全部出せるかなという御心配もあるとは思うのですけれども、ただ施設内で止めるだけではなくて、地域や行政に対して大いに公表することで、年々少しずつよくなっていくことが、実際に経験はあるのですが、いろいろな方が工賃の向上について、うちの仕事をやってくれないかとか、そういう地域共生型の地域になるために、まず、現状がこうだ、うち的にはこうだということで、そういったことをむしろ積極的に公表することも一つの考え方だと思います。
 最後の論点のデータの整備関係も賛成です。先ほど竹下委員がおっしゃったように、報酬の面でいろいろと評価をしていただくと、緒に就いたばかりですけれども、ある程度動きを促すためにも、報酬の面での評価もぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
 冒頭、黒岩委員から津久井やまゆり園についての発言もありましたが、私どもの会員施設で発生した事件でもありましたので、改めて障害のある方の権利擁護の徹底と意思決定支援の推進を協会全体で取り組んでまいりたいと思ったところでございます。
 今日、提案された論点等については、方向性としては基本的に賛成でございます。知的障害等のある方には意思表出が困難な方が多くいらっしゃるので、よりそのサービスの質を上げ、権利擁護を図っていくためには、様々な仕組みの決定が一番大事かと思っているところです。
 その中で、一つには、皆さん方からお話が出ているところですが、自己評価・利用者評価の推進は、我々事業者としても十分に取り組んでいかなければならない課題だと思っております。様々なところからガイドライン等が出されているわけですけれども、全事業所が実施していくという方向性を検討すべきではないかというところでございます。
 2点目も、多くの方から同様の意見があると思いますけれども、第三者の専門家による評価というか、介入がなければ、なかなか利用者の権利を守り切れないのではないかというところでございます。それも支援現場に精通したいわゆる専門家の方たちが入ることによって透明性の確保につながるのではないかという点です。
 3点目は、行政の指導監査の在り方もとても大事だと思っております。これまでの行政の指導監査がどうであったかという側面には言及しませんが、特に権利擁護やそういった視点に関する指導監査については、過剰な精神科薬の投薬であったり、拘束であったりという点は、やはり専門家が関わらなければ対応が難しいのではないだろうかという思いでおりますので、ぜひ第三者による専門家が参画して評価を実施していただきたいですし、指導監査においても、そのような視点を大事にしていただきたいと思います。
 最後ですけれども、一つの報酬の評価としてストラクチャー評価やプロセス評価、アウトカム評価を出されたことは、非常にいい方向だと思います。特に、プロセス評価が最も大事なところだと思いますので、先ほどの計画相談も同様ですけれども、サービス等利用計画についての中身等についても、専門家、現場に精通する方たちが評価するような仕組みをぜひ導入していただければありがたいと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 私どもの会としましても、本日事務局から説明がありましたことにつきましては、おおむね賛成でございます。ただし、アウトカム評価の設定でございますけれども、十分な研究と広く関係者からの意見を集約していただいて、議論をしていく必要があると思っております。
 例えばアウトカム評価として考えられるものとして、障害支援区分の軽度化があります。いい支援をすることによって区分が軽度化していくというのがあると思います。
 しかし、支援区分の軽度化は、その支援の報酬の減を招くということもありますので、単にアウトカム評価をすることはできない。先ほど井上委員がおっしゃったように、プロセス評価も重要であると思っております。
 また、究極的なアウトカム評価は、理念的にも正しい反面、実際には長い年月を要するということも私ども知的障害の場合はあるということでございますので、こうしたことも踏まえていただいて、アウトカム評価の設定には十分に評価の方向性とか実現可能なことを吟味した上で、広く意見を集約して設定していくべきだと思っております。
 また、監査の在り方につきましては、現行の評価は、人員配置やサービスの提供実績などを書類上でチェックする方針が中心でございますので、報酬の考え方に合ったストラクチャーに着目したものであると認識しております。
 しかし、利用者の立場では、プロセスやアウトカムに対するチェックが重要でありまして、さらに言えば、利用者を一人の人として尊重する支援を展開しているかどうかということをチェックするのが本来の監査であると思っております。事業所に対する監査の在り方については、真に利用者本位となるように、抜本的な見直しが必要ではないかと考えております。
 また、第三者評価につきましては、事業所を地域に開き、外の風を入れる効果も含めて、より広がっていくことが期待されると思っております。
 ただ、各種データの整備につきましては、特に、制度はあるけれども、サービスがないという地域もございますので、そういう地域差を明確化する意味でも充実させるべきだと考えております。
 また、障害者にまつわる課題につきましては、障害福祉サービスだけにとどまらないことから、例えば先ほどもいろいろと御意見が出ておりますように、介護保険とか医療保険といった分野をまたいだデータのクロス集計のようなものもぜひ実施していただけたらありがたいと思っております。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 次に、小林委員、お願いします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。障害福祉サービスの質の確保と向上等で、特に外部評価のことについて少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 団体ヒアリングの際に、障害児福祉サービスの質の向上に向けて、既存の第三者評価とは異なる枠組みで簡便かつコンサルテーション機能を持ち、第三者が主に臨床サービスの質を評価する外部評価の導入が必要というふうに意見を述べてまいりました。
 今回、そのサービスの質の評価として、医療・介護分野のストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つの視点に基づく障害福祉サービス等報酬についての整理とか、運営推進会議における質の確保の取組など、今後の障害福祉サービス等の質の確保・向上に十分に参考になるものであろうと思いますので、基本的には賛同いたします。
 一方で、医療・介護分野でのこれからのこれらの取組について、実際に行っていて、課題や、場合によっては改善点などはなかったのか。導入に向けて、もう少し情報を知りたいと思いました。
 また、障害福祉サービスで、特に障害児のサービスについて、2019年度に障害者政策総合研究事業において、障害児支援のサービスの質の向上のための外部評価の実施とその検証のための研究について行われております。そこでは、管理調査中心になりやすいこれまでの評価と比較して、臨床評価であり、コンサルテーションを行い、サービスの内容の向上をより強く意識しているということ、簡便であり、1日でできるということ、障害児を持つ親御さんの視点を交えつつ、現場の支援スタッフが作成した評価尺度であって、様々なバックグラウンドを持つ全国の専門家により作成されているということ、障害特性、特に自閉症スペクトラムとか注意欠如多動症などの発達障害について、こういう障害特性があることに応じた支援を考慮していること、それから、まさに子供、ユーザー目線であることなどが成果として挙げられていると言われています。
 今回の御報告であるドナベディアンモデルというのでしょうか、プロセス、アウトカムの部分について、特に障害児支援について当てはめにくいという点、また、養育者への支援・対応を含めた障害児支援についても、サービスの質の評価として必要がある点など、とりわけ障害児支援のサービスの質の確保・向上については、検討していく必要があるのではないかと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 次に、飛松委員、お願いします。
○飛松委員 国立障害者リハビリテーションセンター顧問の飛松でございます。論点の中の障害福祉分野におけるデータの整備関係について、意見を述べたいと思います。
 基本的に、介護保険法と同様に仕組みを設けることについて、どのように考えるかということで、そのような仕組みができることは非常に重要だと思います。とりわけ、現在、Evidence-based Policy Makingということで、事実に基づいた政策の決定が叫ばれているわけでありまして、この分野においてもそれが必要だと思います。
 ただし、障害の分野においては、いつぞや申し上げましたとおり、障害者の数ですら実数が分からない、推計値に頼っているというところがあります。これらは、実は実数は存在しているわけで、市町村はそれを分かっているわけです。それが都道府県に行って、国のほうにと集計される段階で、例えば死亡した人の数がカウントされないということがあって、例えば平成30年の厚生労働白書においては、身体障害者手帳の発行件数が508万になっており、一方で、同じ年度の厚生労働白書の中では、身体障害児・者の数は、推計値でありますが、436万となっています。この間に70万ほどの差があって、それは決して誤差の範囲ではない。推計が間違っているという言い方はないのですが、手帳の発行の数が間違っているのか、いずれにせよ、双方は現実を反映していないところがあるわけです。
 それらを解消するためにはどうしたらよいかというと、市町村の実態に基づく数が国のほうに直接上がって集計されるシステムができれば、障害者の数あるいは補装具のどのようなものがどれぐらい出ているかといったことを実数として国としてのデータを持つことができるようになるので、そういうことに関しても、ぜひこれから構築していただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 まず、サービスの質の評価については、積極的に導入すべきと考えております。
 質の評価には、報酬部分と報酬以外の部分といろいろとありますけれども、その辺りをきちんと整理して行うべきではないかと思っておりますが、特に事業所の理念と役割、すなわち機能に着目することが重要でありますし、特に報酬の中の評価においては、そういった点が重要であると考えております。障害福祉サービス等において、医療分野の臨床試験のようなRCT(ランダム化比較試験)の実施は困難でありますし、なじまないと思っております。
 したがって、サービスの質の評価に当たって、ストラクチャー、プロセス、アウトカムのうちプロセスを中心的に評価すべきと考えております。その中で、コンセンサスの得られているアウトカムを部分的に導入することも方策であると思っています。特に期待に資するアウトカムを導き出すのは、充実したプロセスがあってのことと思いますので、その辺りが非常に重要だと思います。
 資料の13ページに「外部評価に係る運営推進会議の活用」の一覧が示されておりまして、グループホームの一例が示されております。グループホームの外部評価を行うことに関しましては、現状では外部評価を行う各事業所の評価基準にまだまだばらつきがあるという課題があります。それから、運営推進会議は、住民が参加して、その事業所の透明性が非常に高まるので、障害福祉サービスでも導入をしていくべきだと考えております。
 ただし、現状、運営推進会議は第三者評価という内容ではなくて、施設がやっていることをちゃんと理解してもらうとか、説明するような場になっておりますので、そういった点も重要でありますが、第三者評価という観点からいうと、運営推進会議を代用するのはちょっと難しいかもしれません。
 あわせまして、公表・登録率は、ぜひさらに高めていくことが必要であると思っています。
 第三者評価に当たって、関係者で共有する一定程度統一した基準を検討していく必要があると思います。特に、国の国庫補助等研究事業等で各サービス類型において現状の実態把握を行って、そのデータに基づいて質を評価する報酬体系を検討していくということも一方策であると思いますし、介護報酬改定においては、以前、老人保健施設においてそのような取組でうまくいった実績がございます。特に障害福祉サービスにおいては、基本報酬部分で何をしているのかという視点が重要になると考えています。
 最後に、データベースにつきまして、ぜひ障害福祉サービスのデータベースを構築すべきだと思っておりますし、NDB、介護DB、LIFE等が匿名化の下、連結する方向ですので、ぜひそこに障害福祉サービスのデータベースも加わっていくべきではないかと思っております。
 今回、介護報酬改定で創設されましたLIFEは、データを提出して、フィードバックを受けて、PDCAを回すまでが算定要件となっておりまして、現状はまだフィードバックができていない状況で、検討中ですが、例えば障害福祉サービスにおいて、まずはデータを提出することから始めることにより、データベースが構築されますので、その辺りをぜひまた検討していただければと思います。
 最後に、併せましてICTの導入がなかなか困難な事業所も多々ありますので、その辺りについては、十分な手取り足取りの支援が必要ではないかと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 続きまして、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。
 5ページに論点として示されています方向性については、賛成という立場です。その上で、それぞれについて、留意いただきたいことをお伝えできればと思います。
 1つ目が、質の評価に関する方策に関することですけれども、ここに示されていることに加えて、あるいはこれは第三者にも含まれるのかもしれませんが、ぜひ同じ現場で支援する事業者、同業のそういう事業者の意見やアドバイスをもらえる仕組みをつくっていただきたいと思います。
 私は、ふだん大阪で仕事をしていますけれども、就労系サービスでなかなか実績が上がりにくい事業所にコンサルテーション等で介入させていただいたりしているわけですが、そういう仕組みを公的な仕組みの中でもやっていただけると、質の向上につながるのではないかという意見です。
 2つ目が、報酬に関連することですけれども、事務局の方より御説明いただいたように、確かに就労系サービスは、前々回から報酬改定により、アウトカムに重きを置いた評価になっています。就労系サービスは、どれだけ質のいいサービスを提供できていると自負していても、求められている事業の実績なしにサービスの質は語れないわけですし、この方向性はよかったと思っています。
 ただ、反面、実際に現在の報酬体系で運営してみると、あまりにもアウトカムに寄り過ぎていないか、実績一辺倒で本当にいいのかなという気持ちもあります。今回、就労継続支援のA型にスコアによる評価が導入されましたが、ほかの就労系サービスもプロセス、あるいは対象者によっても就労実現が困難な者あるいは定着が困難な者は、障害種別によっても違うような気もしますので、その辺りにも焦点を当てて評価を考える時期に来ているのではないかと思いますので、次期報酬改定ではそのことも踏まえた検討をぜひお願いしたいと思います。
 情報公開については、適切な情報の公開ができるように、もう少し管理をするべきだと思いますし、事業者側にとっても、もう少しインセンティブを持たせて、情報の公開・公表に双方が責任を持つ仕組みに再構築するべきではないかと思います。
 それから、データの整理についても賛成なのですけれども、介護の分野と違いまして、福祉サービスは、介護に比べてそれぞれの利用者のニーズの違いも大きな違いがあるように思いますし、障害種別あるいは状態像も様々です。どういう情報を集めるべきなのかということを慎重にというのは後ろ向きではなくて、いろいろと検討をしていただきたいということと、併せて介護の分野で導入されたLIFEのことで申しますと、よく聞くのは、事業者の負担がかなり大きいということも聞きますので、そこは過度な負担にならないよう留意すべきということと、併せてそのデータがどういったことに使われるのか、その辺りの情報発信もなかなか少ないように思います。それも過度な負担に感じるところだと思いますので、そういう辺りも踏まえていただいて検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、叶参考人、お願いします。
○叶参考人 ありがとうございます。全国社会就労センター協議会の叶と申します。
 まず、サービスの質の評価についてですけれども、自己評価や利用者評価、運営推進会議を含む第三者評価の活用の方向性については、賛成の立場です。
 一方で、サービスの質の基準については、十分に検討する必要があると考えています。例えば就労継続支援事業では、指定基準上、訓練・作業室の面積などの具体的な基準が示されていません。支援費制度のときには、作業室や作業場等の面積などの具体的な基準が定められており、現行の指定基準でも同様の基準を示す必要があるのではないかと考えております。
 また、B型事業における工賃の平均額の最低基準の問題ですけれども、経過措置期間を設けた上で3,000円から5,000円に引き上げることが必要と考えております。
 最後に1点確認ですけれども、昭和50年12月27日の「知的障害者援護施設における授産作業等に関する安全衛生の確保について」という通知は、現在も運用されているのでしょうか。この通知は、知的障害者の危険防止や健康管理、安全衛生管理に関する内容が示されておって、質を担保する上では重要なものです。現在も運用されているのであれば、再周知するなどが必要ではないかと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 今の通知の件はすぐに答えられますか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 確認をさせていただきまして、委員に御連絡させていただくようにいたします。
○叶参考人 よろしくお願いします。
○菊池部会長 お願いします。
 私は、この通知が生きているかなと思うと、直接担当部署に聞いて、教えてもらうということはよくあるので、この場ではなくても、必要に応じてそういったことを事務局にお聞きいただければ、必ず答えてくださると思いますが、今回はよろしくお願いします。
 それでは、あと6名の方がおられます。
 まず、齋藤委員からお願いします。
○齋藤委員 ありがとうございます。日本看護協会の齋藤でございます。
 今回、資料で出されました5ページ目の論点につきましては、反対ではございません。
 私は情報公表制度のことで1点申し上げたいと思うのですが、2018年から施行されて約3年経って、80%の方々が登録し、情報公表をしているということなので、この数字を3年経ってよしとするのか、それともそうではないと評価するのかは分かれるところではあるかとは思っております。もし本当に全施設義務化とするのであれば、何らかの対策、例えば報酬上のインセンティブでも一案と考えました。
 具体的には、私がもし利用者として、これを活用して事業所を選ぶとすると、事業所の運営に着目すると思います。しかし、ホームページ等々の、公表制度のページから入っていきますと、これをやっているか、やっていないかという点で止まっていて、具体的な方法にはなかなか記載が及んでいないようです。また、黒岩知事等からもお話がありましたように、権利擁護あるいは倫理の醸成というところでは、どのように職員へ周知するのか、あるいは研修しているのかというところが大変重要になるのではないかと思っております。
 情報公表制度について、各都道府県の知事への報告が必要なものは一定の裁量があって公表されております。しかしながら、各都道府県知事の裁量でこれは大事というものがどのぐらいあるのかという、詳細な中身につきましても、調べていただき、その中から全都道府県で報告が必要というものをピックアップして公表制度に盛り込んでいくことを検討することも方法としてはあるのではないかと思っています。
 なので、せめて倫理に関すること、権利擁護に関すること、年に何回研修しているのか、あるいは研修が適切に行われているのかなどをこの報告の運用の中に盛り込んでいくということを検討すべきではないかと思いました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 1点目ですが、第三者評価のところで、11ページです。これを拝見すると、確かにいろいろな視点がすごくたくさんあって、項目がたくさんあるのですけれども、そもそもこれはいつぐらいにつくられたものなのかなと。
 障害当事者から見ると、顧客満足度がないなと。確かにいろいろなことに取り組んでいるけれども、顧客満足度はどうなっているの、利用者視点はあるのかなというところがちょっと気になりました。そもそもとして、まず、第三者評価の評価基準をもう一回評価していただきたい。これはかなり前なのではないかと思いました。
 先ほど黒岩知事も当事者視点でやっていくとおっしゃっていました。津久井やまゆり園が契機なのですが、やまゆり園も、今調べたら、2010年7月に第三者評価をやっているのです。第三者評価をやっていてあの事件が起きているのはどういうことなのだろうと。私からすると、本当にこれは意味があったのかなという感じがします。
 また、居宅介護に関しては、11ページで8しか受けていないですね。これは非常に高くてお金がかかるから、なかなか居宅介護の事業所ができないのだろうなと。そこまでお金をかけてやる意味があるのかという疑問があるから、8しか受けていないのではないかと私は思うわけで、そういったところでもう一度評価システムをしっかりとやるならば、ちゃんともう一回見直していただきたいと思います。
 次に、26ページのデータ管理のことなのですが、こちらは私も賛成で、ぜひ推進していただきたいと思っています。これもまだやっていなかったのかなというところが正直なところで、日本自体がDXに対して周回遅れになりつつあるので、これを積極的にすぐに進めていただきたいと思います。
 これはこの後のICTのところも含めてですけれども、判こ文化とかそういったところの見直しも含めて、このようなものを促進していただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 今回の検討事項の論点については、いずれも賛成の方向で考えております。
 1点、指定基準によるサービスの質の評価についてということで、少しお話しさせていただきます。
 ガイドラインによる自己評価・利用者評価についてですが、特に利用者の評価に重点を置くことが重要だと思うと同時に、障害ゆえに声にならない声をどう拾い上げるのかというところの工夫や努力が望まれると思っております。
 その上で、利用者評価と自己評価との比較評価が丁寧に行われる必要がある。それを実際のサービスの向上につなげていくことが大切だと思います。そのように考えますと、第三者が関わる介護分野でも実施されている運営推進会議のような場の設置は、とても必要なものだと思っております。
 それと同時に、その構成員を定期的に交代するなど、会議の形骸化を防ぐ視点もとても重要になると思います。その中でも、年に数回でも外部の視点を交えた検討の機会があるということは、サービスの質の向上に貢献できるものと思いますし、利用する立場の者からしても安心につながるかと思います。
 また、評価の視点として、苦情が多い、少ないという表面的な評価ではなくて、その内容をどう受け止めて、どう対応して運営等の見直しとかサービスの改善に反映できたか、反映する努力をしているかという視点が評価の中ではとても重要になるのではないかと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。よろしくお願いします。
 まず、5ページの論点は賛成です。自己評価・利用者評価の推進とともに第三者による外部評価はとても大事なことだと思いました。その評価によって、施設サービスの改善につながるということは、施設にとっても大きなメリットになるのかなと思います。
 それから、データベースのことですけれども、データベースは、介護保険総合データベースのときも国保連が関わっていますように、先ほど26ページを見てみましたら、国保連とありましたが、国保連が関わっているときに、国保連と介護保険事業所の関わりと、障害福祉事業所と国保連の関係は違うところが結構あるのではないのかなと思います。
 介護保険領域では、相談・指導などにも関わるということを聞いたことがあります。そこで、国保連の介護保険、障害者福祉への関わりについて、詳細な検討をするときには、どのような関わりの違いがあるのか、また、介護保険のほうの国保連との関わりの中で、私たちも障害福祉の領域で必要なものがあるかどうかについても検討すべきなのかなと思って、お話しいたしました。
 以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、野澤委員、お願いします。
○野澤委員 ありがとうございます。野澤です。
 評価については、報酬改定の関与のたびにずっと疑問に思っていて、問題提起してきたので、今回、とてもこういうところに着目して変えようとされているところは、非常に歓迎したいと思っています。すごく頑張っていい支援をしているところと、そうでもないところでも同じ補助金ではちょっと報われないなとずっと思っていたのです。
 中でもストラクチャー評価、プロセス評価、アウトカム評価はどれも大事だと思うのですけれども、一般の市場原理が働く場合は、基本的にはアウトカム評価ですね。ストラクチャーがどうであれ、つまり、サービス提供者側の配置がどうであれ、プロセスの中身がどうであれ、それがいいか、悪いかは別にして、結果的に出てきたサービスや商品のよしあしで消費者とか利用者は選ぶものだと思うのです。ひょっとしたら、長期的に見るとあまりよくないのかもしれませんけれども、基本はアウトカム評価を重視すべきだと思います。黒岩知事がおっしゃる利用者目線も、徹底して考えた場合にはやはりアウトカム評価だなと思います。
 これが非常に難しいところが問題だと思うのです。利用者目線と言うけれども、では、利用者は一体誰なのか。重度の知的障害者の場合には、基本的には家族が選んだりしているわけで、では、家族は本当に利用者なのかというと、御本人とは利害が相反している場合もよくあるわけです。
 それとよく言われますけれども、就労系は、きちんとそこのアウトカムが出ると言いますが、移行率とか定着率は、果たして誰の努力によって移行率が高いのか、定着率が高いのかというのは意外に分からなかったりすると思うのです。御本人の努力かもしれないし、企業側の努力かもしれない。ただ、それに関わっているサービス提供事業所のほうを評価されるところもちょっと違うかなと思うのです。ここは非常に難しいと思っていて、第三者による外部評価は、今考え得るものでは、やはり一番ベターというか、望ましい、必要なものなのかなという気がします。
 介護保険の運営推進会議は、果たしてこれを本当にちゃんとできるのかなと思ったりします。つまり、これは事業所側が自ら設置するわけですね。そうすると、評価は、比べるものがないのに、本当にできるのかなと。そこのところを例えばグループホームだけ見て、いいか、悪いかというのはなかなか分からないような気がするのです。
 私は前にも言ったかもしれませんけれども、千葉県で中核地域生活支援センターというのがあるのです。これはあらゆる相談をワンストップで受けて、24時間365日やるというものなのですけれども、私はこれができたときから評価委員会でずっと関わっているのです。もう15~16年になりますけれども、例えば県内13か所の中核センターを毎年1回、同じ日に全部呼ぶのです。全センターから聞き取りをするのです。そうすると、比べられるので、水平的な比較ができるのです。ここのセンターでいいなと思っても、ほかのセンターから聞いていくと、そうでもなかったのかなと分かりますし、こんなものかなと思っていても、ほかのセンターを聞いていくと、あそこのこの取組はすごかったのだということが比較して分かるのです。
 それと、毎年同じ評価委員会のメンバーがずっとヒアリングしますので、前年に比べてどのようになったという時間軸での垂直的な比較ができるのです。そうすると、評価する側の目が肥えてくるのです。だから、定量的な評価だけではなく、定性的な評価ができてくるようになるのです。何かこういうものを考えられてもいいのではないかと思います。
 ただ、問題は、やはり情が湧いてくるし、なれ合いが出てくると思います。駄目だったところがすごく頑張って、ちょっとよくなると、すごく評価したくなるし、なかなか難しいのですけれども、評価委員会はずっと同じですが、県の担当者は2年ぐらいで定期的にどんどん変わっていくので、ダブルチェックでそれを評価してもらうみたいなことはできる。だから、基礎自治体単位でそういう評価委員会みたいなものを何かつくって、同じ市のエリアの中でやっている同じサービスを比較対照して評価していくみたいなものが一番いいのかもしれないと思っています。
 これは先ほどもお話がありましたけれども、病院機能評価、あるいは大学でも高等教育評価機構みたいな7年に1回ぐらいのものがありますね。これは全くの第三者が各現場に行って、いろいろなチェック項目を見てやる。やはりこういったものがいいかなと思っています。
 もう一つは、まずいところ、できないところをチェックされる評価をすると、評価をされる側は、バツをつけられないようにということで、形式的に整っていくということで、いいサービスをしていこうというモチベーションとはまた違うエネルギーがどうしても必要になってくるのです。むしろいいところも前向きに評価してあげて、一緒に育てていくようなコンセプトを盛り込むといいかと思うのです。それを基礎自治体ぐらいで、同じメンバーが毎年やっていく、それを自治体側が後ろからチェックするみたいなものがいいのではないかと私は思っています。
 ただ、基礎自治体の負担が重くなったりすると嫌がられますけれども、何か運営適正化委員会や技術振興委員会とかの既存の機関なんかをうまく改変したり、巻き込んだりしながらできやしないのかなと思ったりしております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、時間があるので、もしよろしければ、大竹参考人で最後という形にさせていただきたいと思っております。
 まず、大竹参考人、お待たせしました。よろしくお願いいたします。
○大竹参考人 全日本ろうあ連盟の大竹でございます。私は、当事者の立場で発言させていただきます。
 3ページに、障害福祉サービスの事業所に対する評価の記載がありますが、手話言語を必要とする当事者として、手話通訳派遣事業所がまず思い浮かびます。今、手話通訳派遣事業所に対する評価といいますか、システムがございません。将来的には、必要になってくるだろうと思います。
 1つ目は、意思疎通支援事業が障害者総合支援法の中の地域生活支援事業に入っております。そのシステム上でいいますと、その事業は、都道府県が国に申請して補助金を受け、都道府県の責任で派遣を実施する、おおむねそういう方法になります。
 民間の事例を言いますと、民間業者が手話言語通訳者を採用して、派遣しているところもあります。東京、大阪といった大都市では、そういった状況が見られます。地方ではあまりないかもしれませんけれども、そういう現状がございます。
 手話通訳者を必要とする立場でどこに依頼をするのか、まず調べてみますと、中には、本人は、悪気はないだろうと思うのですけれども、聾者に対する支援をしたいという気持ちから事業所を立ち上げたというところもあるようです。しかし、手話技術の面で十分に獲得されているのか、手話通訳サービスに対しての学びをされているのか、今、そうしたものに対しての基準がございません。
 なので、全日本ろうあ連盟の考え方としては、手話通訳派遣事業所評価システムを構築するための会議を2年前から立ち上げております。厚生労働省の方にも来ていただいたと伺っています。今の障害福祉サービスの評価の在り方に組み入れて、将来的に考えていくという意味合いがあります。
 東京、大阪のようなところでは都道府県の派遣のほかに、独自でも派遣しているところもあると話しました。そうしたところで相見積を取るという問題もあります。行政は手話通訳を依頼するとき見積りを取り、金額を比べて安いところに依頼をするような形になります。
 ただ、技術的にどうなのかが置いておかれて、安ければいいということでは困ります。派遣事業所の評価によって、その基準がクリアされているとわかれば、私たちは安心して通訳を依頼するということにつながっていくと思います。
 まとめますと、意思疎通支援事業に関わる事業所に対する評価というものは、今まではありません。将来的にそういったことが必要になるだろうと思っています。障害福祉サービスの技術の向上のためにというところと、今回のテーマにもぜひ入れていただきたいと思い、発言させていただきました。
 以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
 まだ安藤委員からお手が挙がっておりますが、この後、もう一つ大きなテーマがございますので、そこでまた発言の機会を確保いたしますので、必要であれば、そこで御発言いただければ幸いです。申し訳ありません。
 ありがとうございました。様々な御意見をいただきまして、おおむねの方向性としては、ここで提示された論点については、前向きに進めてよろしいといった御意見が大多数であったと思います。
 飛松委員がおっしゃいましたように、EBPM(Evidence-based Policy Making)も、福祉だけではなく、国全体の方向性ですので、ここを避けて通るわけにはいかないという大前提があるかと思います。
 その中で、今日、ストラクチャー、プロセス、アウトカムという評価の在り方の中で、プロセス評価をもっと重視すべきだという御発言がかなり多かったかなと私は感じました。
 また、アウトカム評価についても、今後、しっかりと取り組むべきだということであったかと思いますが、野澤委員から御指摘がありましたように、アウトカム評価は難しい部分もあると。
 私は、厚労省の政策評価にも関わっておりますけれども、アウトプットはまだいいけれども、そもそもアウトカムとして、何をアウトカムと見るか、指標をどう立てるかというところですごく悩むところでありまして、しかもそれをどう評価するかという辺りにそういった難しさがあると思いますが、その中で前向きに取り組む必要があるという御意見も複数いただいたかと思います。
 ただ、そういう難しさの中で、これも野澤委員からございましたが、そこで第三者評価にもしっかりと取り組むべきだし、その先には、そういった情報をきちんと公表するという公表の在り方もきちんと取り組まなければいけないということであったかと思います。
 あと、今日の最初の事務局の説明にそれほど出てこなかったのですけれども、監査の在り方について、その取組をしっかりとやっていくという御意見も複数あったと思うので、今後の議論をまとめていく上で、そこは触れる必要があるのかなと感じた次第です。
 やや主観的なまとめも入っていたかもしれませんが、いずれにしても、全体として前向きにさらに取り組んでいく方向で、事務局にさらに詰めていただきたいと思います。
 それでは、少し時間が押してございますけれども、もう一つの論点で持続可能性等とありますので、ここもいろいろとございますが、すみませんが、時間もあるので、それも勘案の上、事務局からお願いしたいと思います。
○河村障害児・発達障害者支援室長 資料2をお手元に御用意いただければと思います。
 お時間が大分押してしまいまして、大変申し訳ございません。資料の説明を少し簡単にさせていただきますので、お許しいただければと思います。
 後半は大きく3つのパーツに分かれておりまして、1点目が事業所指定の在り方で、2点目が19ページ以降のICTの推進、3点目が35ページ以降の人材確保・育成になっております。
 最初に、事業所指定の在り方について、3ページを御覧になっていただければと思います。
 ○の1つ目でございますけれども、事業者指定は都道府県知事が行うわけですが、一方で、御利用される方の支給決定は、原則論としては、利用者が居住されている市町村が行う。このように、都道府県と市町村にまたがっている仕組みになっております。
 また、2つ目の○でございますけれども、障害福祉計画及び障害児福祉計画の中で、サービスの提供体制に係る目標とか必要な量の見込みを設定するということになっております。
 ○の3つ目でございますけれども、事業所の指定に当たっては、指定基準を満たせば指定するというのが大原則なのでございますが、生活介護とか放課後等デイサービス等の一部のサービスに関しては、一定の量の見込みに達しているときに、指定を拒否することができるといういわゆる総量規制の仕組みが設けられているところでございます。
 一方、○の4つ目ですが、実際に御利用者の支給決定をされている市町村の立場から見ますと、事業所の指定に関して、基本的には関与できない仕組みになっておりまして、いろいろと利用者の障害特性のニーズとか地域偏在といった観点を踏まえて、事業所の配置として偏在あるいは不足しているケース、また、市町村が知らない間に新規の事業所の指定が行われていたというケースもある中で、一方で、介護保険制度におきましては、都道府県知事が指定を行うことになっている居宅サービスの指定に関して、市町村協議制とか市町村からの意見を踏まえた条件付加といった市町村の関与の仕組みが設けられているところでございます。
 仕組みの詳細は、後ろに参考資料をおつけしておりますので、御参照いただければと思います。
 最後の○でございますけれども、障害福祉計画の策定の際に、各自治体は障害者・障害児の状態、ニーズを適切に把握した上で見込みを設定することが必要、きちんとそのニーズが十分に把握できているかという指摘がございます。
 その上で、論点でございますけれども、一番下の黒ポツでございますが、地域ごとのニーズを適切に踏まえた事業所指定の在り方、特に一般市町村の関与の必要性について、どう考えていくかというのが1つ目のテーマでございます。
 続きまして、大変恐縮ですが、参考資料を省略させていただきまして、19ページ以降が2つ目のテーマのICTの推進でございます。
 20ページに現状と課題が書かれておりますけれども、○の2つ目にございますとおり、ICTの活用やロボットの導入については、私どもも推進すべきものとして財政支援を行ったり、調査研究をしたりすることによって推進を図ってきたということでございます。
 また、○の3つ目に書かせていただいておりますとおり、今回の報酬改定の中でも現場の業務効率化、業務負担の軽減のために、一部の必ずしも対面でなくても大丈夫な支援について、テレビ電話装置を用いた支援が可能だということを明確化する取組を行ったところでございます。
 一方ということで、○の4つ目でございますが、そうはいっても、障害の現場におけるICT活用が他分野に比べて進んでいるとなかなか言えない状況にあるのではないか。そういった状況の中でより推進する方策を考える必要があるのではないかという御指摘もいただいているところでございます。
 その上で、21ページ目に論点を書かせていただいておりますが、障害の現場における業務効率化、職員の方々の業務負担の軽減を推進していくために、ICTの活用、ロボット導入についてどう考えていくか。
 論点の黒ポツの1つ目ですが、ICTの活用に伴う報酬上の評価あるいは基準の見直し等も含めて、具体的な推進方策の検討が必要ではないかということ。
 また、黒ポツの2点目ですが、これまでも各種の記録の作成とか直接介護の業務、相談の支援、自立生活援助等の業務において、一部こういったICTの活用やロボット導入に向けたいろいろな調査研究等も行ってきているところでありまして、具体的にこういった分野において業務効率化、業務負担軽減をより推進できる可能性があるのではないか。
 いずれにしても、こういったICTの活用、ロボット導入効果の定量的な評価について、調査研究を進めて、検証をして、導入につなげていってはどうかという論点でございます。
 続きまして、35ページをお開きいただければと思います。最後の3つ目のテーマでございまして、人材確保と育成についてでございます。
 35ページの現状と課題のところに書かせていただいておりますとおり、サービスを安定的に、永続的にやっていくという観点で、人材確保は非常に重要である。これまでも数度にわたる報酬改定において処遇改善に取り組んできたところでございます。
 また、障害の仕事の魅力の情報発信について一生懸命に取り組むとともに、返済免除条件つきの就職支援金貸付事業のようなものも新たな取組として開始してきたところでございます。
 こういった中で、そうはいっても人材確保においてまだまだ課題があるという御指摘をたくさんいただいております。下の論点として、障害分野における人材確保・育成について、どう考えて進めていくべきかという論点を設定させていただいております。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○菊池部会長 御協力ありがとうございました。
 非常に多岐にわたる論点でございますが、ただいまの説明、論点提示につきまして、皆様から御意見、御質問等をいただきたいと思います。挙手でお願いいたします。御発言はできるだけ簡潔にお願いいたします。5時前をめどとさせていただきます。
 それでは、まず、会場からいかがでしょうか。
 小阪参考人、丹羽委員の順番でまいりたいと思います。
 それでは、小阪参考人からお願いします。
○小阪参考人 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
 私からは、1点「障害福祉サービス等の人材確保・育成について」について述べたいと思います。
 前段の障害福祉サービス等の質の確保・向上等についても関連しますが、障害福祉サービスの人材確保・育成については、従来の支援専門職のみを想定して検討するものではなく、障害当事者の立場性を持つ方たちの積極的任用、適切な人材育成を推進することが望ましいと考えています。
 障害福祉等の受け手であります障害当事者ですが、その立場性は、ただの受け手にとどまるものではありません。障害やリカバリーの専門家は、障害当事者自身です。ピアサポートという行為に代表されますように、障害当事者でなければ行き届かない支援やサポートがあり、その行為は、本質的支援に近しいものと私は考えています。
 障害福祉サービス等において、障害者自身が支え手ともなり得るピアサポート活動従事者のさらなる活躍の場の整備等を地域生活支援事業における障害者ピアサポート研修事業の活用と併せて一層推進していくことが検討事項に資するものと考えます。
 私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 まず、厚労省から説明があった各市町村の障害福祉計画と指定のところが連動していないというところは、一定程度指定の部分で市町村が関わっていって、それぞれの市町村で必要とするサービスや計画に基づいたものがきちんと指定に反映されるという仕組みがやはり必要だと思います。
 これは人材確保にもかなり跳ねているかなと思いまして、各市町で定員を大幅に満たさない状態で何年も事業が運営されているようなところが幾つもあって、そういう事業所が増えてくればくるほど、人材もそのように薄く、広く散っていってしまうという状況があって、本当に必要なサービスや質の部分に人手が確保されないという状況が起きているのではないかと思います。そういった意味でも、市町村が一定程度関与していくことが必要ではないかと思います。
 また、ICT、ロボットの導入については、当ネットワークとしても積極的に活用を進めるべきであろうと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインの御参加の皆様からお願いしたいと思います。
 先ほどは失礼しました。まずは安藤委員から、よろしければ先ほどの追加の御質問、御意見も含めてお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 ちょっと戻るのですけれども、野澤委員がおっしゃっていてちょっと気になったのですが、知的障害者だと決められないから、第三者評価が必要なのではないかという論調がありましたけれども、確かに野澤委員のおっしゃることは分かるのですが、たとえそうだとしても、やはり当事者主体でお願いしたいと思います。
 「私たちのことを私たち抜きで決めないで」というスローガンがありますように、第三者評価の必要性があるということで、当事者主体ではなくなるという論調はやめていただきたい。あくまで当事者が決めていく、当事者の声を尊重していくというのをプライマリーに置いた上で、第三者評価を進めていただきたいと思っています。
 失礼しました。次に行きます。
 14ページの「地域密着型サービスにおける公募制、市町村協議制」で訪問介護や通所の事業者に対しても、市町村との協議を踏まえて指定をしないことが可能とありますが、これが総量規制に転化されかねないという危険性を危惧しています。ですので、こちらはやめていただきたいと思います。
 次に、19ページのICTの促進のところは、私が見た限り、数値目標がないなと。何をもってICTが促進されたのかというのが分かりづらいかなと。現時点はこうだから、こうなったという数値目標をしっかりと設定した上で効率化がなされたということをもうちょっと分かるようにしていただければと思います。
 例えば今、判こを押さなければいけなかったりして、私もいろいろな事業所にお願いしていますけれども、月末になったりすると、いろいろとサインと押印してくださいと言われるのです。私は御覧のとおり、手に装具をつけていますので指が動かないのです。指が動かないから、ペンで書けない。なので、介助者の方にサインをお願いして、判こも押してもらう。
 そうではなくて、もしそれがパソコン上でできるものだったら、私は介助者の方に支援内容や居宅介護、介護内容とかを見られずに、自分だけで見て、自分でサインして送り返すことができる。ですので、そういったことも含めてICTの促進はしていただきたい。
 そうしたICTを促進して、紙文化から脱却できている、それなりにしっかりと投資した事業所に関しては、評価をするような事業者加算とかそういうのをつけていただければと思います。
 次に、38ページなのですが、これもお給料が安いなと思います。今、やっとコロナのおかげでと言ったらなんですけれども、エッセンシャルワーカーとして脚光を浴びることができました。それでも脚光を浴びた割には、まだまだここの評価や給与が低いのかなと。ここが上がらなかったら、先ほどの質の向上とかそういったこともままならないのではないかと思います。
 一昔前に比べると、今は東京の最低賃金は1,000円を超えていますね。それでもヘルパーの時給は、一昔前に比べてもさほど変わっていないです。そうすると、うちのヘルパーはそうですけれども、辞めて、コンビニで働いたほうがいいなんていう話になってくるわけです。
 そうではなくて、ここもエッセンシャルワーカーとしてしっかりと脚光を浴びた今だからこそ、こういったところでもう少し処遇の改善をしていただければと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 私は、委員からお手が挙がった順に上から指名をさせていただいておりますが、次が野澤委員でございます。よろしくお願いします。
○野澤委員 何か順番が来てしまって、コメントしなければいけないのかなと思うのですけれども、時間がなかったので、すごく乱暴な言い方になってしまって、誤解を生んだかもしれませんが、本人の意思に沿ったものにしなければいけないというのは、本当にそのとおりだと思います。それは全くそのとおり。
 ただ、現状は、そうではなくて、家族が決めてしまっているわけです。それに対して意思決定支援というものを深く、長くいろいろと議論しているけれども、なかなか溝があって、もどかしいところはあるのです。現状に比べれば第三者のほうがまだましだというぐらいのところで言っているわけですから、それはいいです。
 今回の本題ですけれども、人材確保と育成のところは、何を置いても優先的にやらなければいけないと私は思っていて、これは人材不足もそうですけれども、社会のいろいろなことを考えるときに、福祉の側にいろいろな方に入ってきてもらうというのは、これからの日本全体を考えて、本当に必要だと私は思っているのです。
 一つは、企業等からの、特に中高年の方の転職を考えたいと思います。去年、厚労省の推進事業でやらせていただいたのですけれども、直近の5年間ぐらいで企業から転職した方は、1,000人ぐらいのデータが集まったのですが、福祉は賃金が低いと言われるのですけれども、それを見ると、意外に若い人は、前の仕事よりも福祉に入ってきたほうが賃金がいいなんて答えてくれる人も結構いるのです。
 あと、風になっているのが、受入れ側の社会福祉法人やNPOとかのそちら側も、受入れ体制をもうちょっとやってくれれば、もっと入ってこられるのにみたいな結構興味深いものが出てきて、これは全国のハローワークに冊子にして配りました。ただ、ハローワークに来てくれない人には、それが届かないのです。
 経済界や企業とかの潜在的な転職で、今、AIがホワイトカラーの仕事をどんどん奪っていって、中高年が特にすごい勢いでリストラとか早期退職を求められているので、もちろん全員ではなくていいと思うのですけれども、福祉の側に来てもらうと非常にいい効果があると思います。むしろそういうことをやっていかないと、第二のロストジェネレーションをここで生んでしまうのではないかと危惧します。
 実際に長期ひきこもりの調査をすると、初めて引き籠もった年齢はというと、今は65歳以上というのが一番多いぐらいなのです。なので、ここに重点を当ててやっていただきたい。
 あとは小中高校生です。今、中高校への福祉出前授業をやっているのですけれども、反応は非常にいいです。みんな授業を受ける前と受けた後で、劇的に意識が変わるのです。全国でやっていますが、どこでもそうなのです。
 何でだろうと思うのですけれども、子供たちは今、結構大変です。学歴社会とストレスの多い学校社会を生き抜くことにきゅうきゅうとして、不登校は過去最多、自殺も過去最多、いじめも過去最多とさんざんな目に遭っています。それと向き合う機会がない。それで障害のある方の話をしたり、福祉の話をしたりすると、非常に響くものがあって、福祉の仕事とか障害者のことは、子供たちは知らない、先生は教えられない、教えてくれない、親はそういうところに就職することを反対する。何かきちんとした情報が届いていないと思っているのです。
 だから、ちょっと時間がかかるかもしれませんけれども、これまでの障害福祉分野だけの政策とはちょっと違うかもしれませんが、文部科学省とか学校の現場と障害福祉の分野が直接つながれるような方策、そういうほかの分野にまたがっていくような仕組みをぜひこの機会につくっていただきたいと思っています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、永松委員、お願いします。
○永松委員 よろしくお願いします。
 まず、論点の1番の障害福祉サービス事業所の指定の在り方については、18ページに書いてあるとおりで結構だと思います。その方向性でいいと思います。
 特に市町村になりますと、県のヒアリングの状況がよく分からない、事業者が初めてそういう人がいたのだ、ここで開業するのだということになってしまうという御意見もありますけれども、できれば事業者を呼んで県のヒアリングをやるときに、許されれば市町村が同席をするとか、そうすれば、事業者にとっても県の思いとか市の状況も把握できるし、県も管内の市町村の状況が分かるし、事業者と初めて市役所に来て会うのではなくて、県で同じ目的を持つわけですから、そういったことをやるのもいい案かなと思います。
 それから、ICTの関係ですけれども、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)とかをやることで、1人しかできない事業について集中してできるということで、これは進めるべきだと思いますし、デジタル庁が今月からできましたが、国、地方自治体もDXがどんどん進んでいきますので、その歩調と合わせてサービス事業者のデジタルの関係も一緒に協議ができて、事業者もDXに関していろいろな支援が受けられると、市町村、都道府県、国、そして事業者も同じ方向性と歩みでやっていくと、効果がより非常に高まるのではなかろうかと思います。
 最後の人材確保ですけれども、これは障害分野ではないのですが、私どもの市で特別養護老人ホームに勤めているのが、そこで退職した60歳以上、70代、80代のおばあちゃんが有償ボランティアとしてやっています。それは送迎つきです。そういう形でやっていると、若い職員の離職が少なくなる。どういう思いでやってきたかとか、本当にノウハウだけを勉強するのではなくて、高齢者に対する介護の仕方とか、こういうことをやってとてもよかったとか、こういうことが将来役に立つというような優しいアドバイスや相談に乗ってくれるとか、9時から5時までではなかなか学べないことが、おばあちゃんの有償ボランティアといっぱいお話をすることで、その職に対して非常にモチベーションが高くなったという例もあります。
 先ほどは多くの職種の人がとか、いろいろな立場の人がとありますけれども、同じ職を経験したOBも来てくれるという有償ボランティアや、そういう人が少し働く場にもなります。そういうことをうちの市でもやっていますので、参考にしていただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 続きまして、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
 3点ございます。
 1点目の指定に関する市町村の関与については、基本的に賛成です。ただ、質的にも、量的にも市町村の負担にならないような配慮が必要であると思います。
 2点目ですが、ICTにつきまして、5年ほど前から私どもも計画的に導入を進めているのですけれども、単に負担軽減だけではなくて、個人情報保護とか、最近導入が進められていますが、BCPといったものが非常に効果的に活用できる部分がたくさんあります。
 5年前はなかったのですけれども、今回は補助金なども非常に使い勝手のいい補助金があるので、ぜひこの機会を捉えて、広く周知していく必要があるかと思うのですが、1点、福祉業界特有のアレルギーというのか、ロボットとかICTという表現に対して、正しい理解がされていないように私としては感じます。これ以外にも様々なものが導入できる可能性を秘めた補助金でしたし、ぜひそういった意味でも表現、伝え方を少し工夫されてはどうかと思います。
 最後ですけれども、人材確保のところですが、私は、処遇面ももちろん大事なのですが、もう一つはやりがいという部分で、職員がこの仕事をしていて、職員自身の自己実現をどう達成させるかということが非常に重要かと思っておりまして、先ほどのサービスの質のところと関連づけて、個々の専門性をどう評価していくのかといったものも検討していく必要があると私は思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、大竹参考人、お願いします。
○大竹参考人 全日本ろうあ連盟の大竹です。時間がないので、まとめてお話ししたいと思います。
 1つ目は、聞こえない人の中には、他の障害を併せ持っている重複障害者がいます。私たちは重複障害者の支援を今までやってきました。その支援をするために、さらにそれに関わる制度によって人材を確保しなければなりません。その辺りの聞こえない人や目の見えない人たちだけでなく、ろう重複障害者に対する支援を、意思疎通支援として含める、手話は言語であるということもあり、本人に合った支援の方法を獲得できる職員も必要です。手話通訳士という資格を持った人が多くいます。その人たちが障害福祉サービスの事業所で採用され、聞こえない人、ろう重複障害者を含めて支援をしていくような体制が必要になってきます。そのために、手話通訳士という資格を持っている人を活用するのが大切だと思います。
 2つ目は、繰り返しになりますが、今までの障害福祉サービスの資料を見ますと、手話通訳士の記載が少ない。ほとんど地域生活支援事業の中に入っていますが、障害福祉サービス事業所にはきこえない人もたくさんいらっしゃって、意思疎通支援のためには手話通訳士を持っている人の配置、仕組みが必要です。これは手話通訳士の仕事の獲得にもつながると思います。
 全国手話通訳問題研究会の発表によると、全国で手話通訳の活動に関わっている人たちの平均年齢が50を超えていて、若い人が少ない。聞こえない人にとっては将来暗い話になってきますので、手話を学ぶ人が手話を生かした仕事につけるよう拡充するための体制が必要になってきます。
 あとは、ICTの問題。スマホやタブレットなどがあります。
 一つの例を申しますと、障害福祉サービス事業所では聞こえない人もたくさん働いています。聞こえる人と聞こえない人が同じ職場で一緒に働いています。手話はありますが、大きな施設になると、何か緊急のことが起こった場合、一階と二階で聞こえる人は携帯で連絡できますが、聞こえない人が連絡する方法は、走っていって知らせる方法です。命にかかわることもあります。聞こえない職員がいる場合は、ICTを活用して、スマホやタブレットを職員に配布して、これを助成で行う仕組みが必要だと思います。
 日常生活用具にファクスがあり、ファクスは今、安くなって使っている人が減っています。スマホなどで連絡をすることがほとんどなので、スマホ、タブレットを日常生活用具に入れるように、社会の背景に応じて内容を変えていく仕組みがこれから必要になると思っています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 1つ目の御意見のところで混線した部分があって、そこは後で事務局のほうで御発言を確認させていただくことがあるかもしれませんので、その節はお願いいたします。どうもありがとうございます。
 それでは、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 酒井です。3ページの基礎自治体の関わりについてというところで意見を述べさせていただきます。
 ここにあります課題等から、基礎自治体が地域で開設する事業所のことをよく知っておくことは当然必要ですので、市町村との協議の場を持ったりするということは、とてもいいことだと思います。
 ただ、規模の小さい市町村にとって、過度な負担にならないように配慮すべきことと、都道府県の役割も大きく、例えば指定基準の解釈一つを取っても、市町村で違いが生じないようにすべきですし、先ほどの質の担保に向けても、都道府県の役割、責任も重要だと思います。都道府県と基礎自治体がコミュニケーションを取って双方が関与していくことがあくまでも重要だということをお伝えしたいと思います。
 加えて、参考資料には、介護保険の総量規制についての仕様も記載されていますけれども、就労系サービスの状況を見渡しますと、地域によっては供給過多になっている事業もあるのですが、まずは先に質の担保や質の向上を考えるタイミングだと思いますので、今、一律に総量だけ規制してしまうと、課題のある事業の発展にはなかなかつながらないと思います。新陳代謝が必要なタイミングだと思いますので、そのことも踏まえて協議の在り方、市町村と都道府県のコミュニケーションの在り方をもう少し検討していただきたいと思います。
 それから、21ページのICT関連ですけれども、参考資料でもお示しいただいていますように、現在、タブレット端末等の購入に関して、補助金等も用意していただいているのですが、例えばAIを入れたシステムの導入となりますと、現在、かなり高額になりまして、施設単体でなかなか対応しにくい状況です。
 システム業界も競争ですから、そこに直接公が関与するというのは難しいことも重々理解しているのですけれども、普及させるためには、民間のシステム会社と福祉事業者の努力だけではなかなか進まないように思いますので、これらの意見も踏まえて検討いただきたいと思います。
 それから、35ページの人材確保についてですけれども、まず、今後のアプローチを考える上で、例えばここ3年までの入職した障害福祉サービスの従業員について、例えば確保のルートがハローワークなのか、それとも福祉人材センターなのか、あるいは民間の職業紹介なのか、紹介派遣なのか等々は現状でどうなっているのかということで、もしデータがあればお示しいただければと思いますし、なければ、その辺りの実態を調査することも必要ではないかと思います。
 その中には、恐らく、新卒で来られた方もいらっしゃれば、転職組もいらっしゃいます。その背景等々についても実態の調査が必要ではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 制度の持続可能性の確保につきましてですけれども、事業所指定に対する市町村の関与は、現に事業所指定に関与するのは前向きに検討すべきであると思っております。障害者支援の主体は市町村であり、その意見を踏まえて都道府県が事業所指定をする流れは自然であると思っております。介護保険制度に倣って、事業所指定時に市町村と事前協議するか、あるいは事業所の指定申請に市町村の推薦を求める方法も考えられるのではないかと思っております。
 ただし、重症心身障害児者や強度行動障害のように、専門性の高い支援事業所につきましては、複数市町村で1か所の整備という可能性も高いことから、サービスや対象者によって事業所指定のルールを定めてもよいかと思っております。
 もう一つは、ICTの活用と人材確保の方策でございますけれども、ICTや介護ロボット等の活用につきましては、活用できる分野も多数あり、特に支援事業所における事務負担軽減につながる部分は活用できるのではないかと思っております。
 ただし、知的障害者への直接支援につきましては、どうしてもマンパワーが必要な局面も多いかと思っておりますので、ICTや介護ロボット等を活用すべき分野や範囲を明確化していただけたらありがたいと思っております。
 人材方策につきましては、福祉分野に限らず、あらゆる産業分野で人材難になっていることを踏まえまして、より踏み込んで具体的に人材確保へ成功した事例を収集し、好事例の成功ポイントを抽出して水平展開するなどの仕組みが必要ではないかと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 5時を過ぎましたが、もう少し延長することをお許しください。
 叶参考人、お願いします。
○叶参考人 全国セルプ協の叶です。
 まず、ICTの活用等の推進については、2点ですけれども、一つは、令和4年度の概算要求にICT、ロボット等の導入支援で7.3億円の予算がありましたが、各事業所から導入後のランニングコストの負担がどうしても大きいという声が上がっております。導入に関わる初期費用だけでなくて、ランニングコストの補助があると、より導入が進んでいくのではないでしょうか。
 2つ目が、就労系事業の生産活動の分野においても、ICT化推進に関する研究を進めていただきたいと思っております。
 次に、人材確保と育成についてですけれども、人材不足の要因の一つとしては、業務量が増大する一方での低い処遇がやはりあると感じています。これまでも処遇改善については御対応いただいていますけれども、現行の処遇改善加算について、さらに処遇の拡充等を図るとともに、事業種別間あるいは職種間での不均衡が起きないような使いやすい仕組みに改善していただきたい。
 あわせて、生保・社会事業授産には処遇改善加算の仕組みがないために、同様の加算の創設をぜひ検討してください。
 最後ですけれども、10月の最低賃金引上げについてですが、いわゆる103万円の壁あるいは130万円の壁によって、パート職員の勤務日数が減ってしまうことが懸念されます。ぜひ最低賃金の引上げと併せて検討する必要があるのではないかと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。時間の制約がありますので、端的にお話をさせていただきます。
 現時点で制度の持続可能性あるいは総量規制という用語を使って、総合支援法の見直しの議論をすることは、非常に危険だと考えています。
 市町村は、障害福祉計画に基づいてサービス量の見込み量を立ち上げるわけですけれども、先ほど飛松委員も御指摘になったように、データが不整備で、障害者の数も推計値にとどまっているところがあります。
 この資料の9~11ページまでの間は、財政制度等審議会に出された資料ですけれども、事業者数が増えると、利用者数も増える。それによって予算全体が膨らむということを示している資料です。
 ただ、これは需要サイド、いわゆるサービスの必要量を供給の側が満たしているところにおいては有用かもしれませんけれども、私の実感としては、サービスの供給がまだニーズに追いついていない状況ですので、この右肩上がりのグラフに影響されて、抑制をかけるという方向の議論は、非常に危険だと思います。
 2ページの現状と課題のところでも触れていますけれども、今、地域では、利用者の障害特性等のニーズに応じた事業所の適切な整備が行われていなくて、偏在あるいは不足しているケースもあると指摘されておりますように、供給がまだ需要に追いついていない段階ですので、そのことに留意して、用語の使い方に気をつけていただきたいと考えています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
 事業所指定の在り方、障害福祉計画、総量規制等については、障害福祉の領域ではサービスはあっても、実際の対応は難しい地方の実態があるのだろうと思いますので、先ほどの意見のとおり、行き過ぎた規制とならないようぜひお願いしたいというのと、地域の実態を把握した上で、県と市町村の一層の連携をお願いしたいというのが一つでございます。
 2つ目の人材の確保は、先ほどのサービスの質の議論と全く直結する議論で、人材難が非常に深刻になっているというのは、皆さん御承知のとおりだと思いますけれども、私は、サービスの質を確保するためには、今の制度における常勤換算方式の在り方が関係しているのではないだろうかと思っていることと、もう一つは、事業所において中核的な立場にある施設長をはじめ、サービス管理責任者等に事業所内において十分にマネジメントが効く仕組みになっていないのではないかということを懸念するところでございます。
 国の福祉部会で提案があったと思いますけれども、富士山型の人材確保が機能するためには、先ほど野澤委員や永松市長からもお話があったとおり、裾野を広げるという点では、様々な工夫が我々にも求められているのだろうと感じるところでございます。多様な人材が働いて、また、多様な人材に働いていただけるような事業所をぜひ知恵を絞って皆さんと共に考えていかなければいけないのではないだろうかと思っています。
 以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
 まず、事業所指定などに関して、一般市町村の関与は大事なことだと思います。政令市、中核市では既にそれが行われていることなどを考えますと、それぞれの市町村のニーズに合わせた仕組みが大事なことだと思います。様々な検討すべき課題はあるのかもしれませんけれども、方向性はとても大事だと思います。
 それから、ICTの活用はすごく大事なことだと思います。委員の皆様がいろいろとおっしゃいましたように、ペーパーワークが多過ぎたり、様々な課題が多くて、実際の支援に関わる時間が足りないのだというお話を聞くことがあります。
 さて、ICTの活用などに関しましては、介護保険領域では既に取り組まれているのかなと思いますけれども、そのようなこれまでの経緯も参考にしながら、例えばそれぞれの施設において活用する段になって、製品と実際の使用の要件などでボタンの掛け違えがないように、今、リビングラボということで介護保険領域は取り組んでいるのだと思いますが、その辺も参考にしながら取り組む必要があるのかなと思っています。
 当事者というのは、この場合は障害当事者もですけれども、当事者、施設のニーズに合わせた開発がすごく大事だということをお話しさせていただきました。
 そして、そのことも踏まえて、実証実験ということになるのだと思いますけれども、このとき、円滑なシステム、モデル事業を進めていただきながら、ICTはインカムだけでも随分違うのだと特別養護老人ホームの職員からお聞きしたことがあります。それなどを含めて、ICTの活用はとても大事だということで、確認させていただきます。
 それから、ICTの活用は、今日の議論は、施設のサービスということですけれども、やがて障害当事者の一人一人についても、ICTを活用できるような仕組みができることが望ましいと思います。
 障害福祉サービスの中でも、在宅で生活している方々のサービスには、事業所と在宅の方の中で、ICTで情報共有ができることはすごく大事なことなのではないかと思います。
 さて、人材確保・育成についてですけれども、これは福祉領域がハードな仕事だということがいろいろな場面で伝わっているように思います。委員の方からもお話がありましたように、中学生、高校生で福祉の仕事に就きたいという考えを持っている人も多いと聞いておりますので、そのときにICTの活用・運用などにより、これからの業務内容も変わっていくのだというポジティブな面についてもいろいろと知ってもらう必要があるのかなと思いました。
 ただし、今度は、ロボットの活用などが進んだときに、安易に人員の削減につながらないようなことは大事かと思っています。その辺も含めて適切な活用、よりよいサービス、そして働く人にとって充実した働く場、何よりもサービスを受ける人にとっての生活の充実ですけれども、その辺のことでお話ししたところです。よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、最後の御意見になります。江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 まず、資料にございます障害福祉サービス等の地域差について、ぜひデータに基づいたニーズにのっとって、しっかりとした障害福祉計画の策定が重要であると思います。そのことによって過不足のないサービス提供体制の構築を図っていくことができると思います。
 2番目ですけれども、ICTやロボットの導入につきまして、令和3年度の介護報酬改定においても一部導入されたところですが、そのときの課題として、調査研究事業における検証をするためのモデル的に導入した施設の数が極めて少ないのが課題であったと認識しています。ですから、今後の障害福祉分野の調査研究事業においては、ぜひ数多くの事業所で検証を行って、より精緻な視点で検討していただきたいと思います。
 例えばロボットの導入等によって、人員配置基準を緩和するのであれば、本当に現場職員の労務負担が増加となっていないのかどうかは極めて重要なところでございますので、ぜひ多くのデータに基づいてお願いしたいと思います。
 最後に、人材確保について申し上げます。
 介護分野においては、定期的に職員の離職の理由を調査しています。トップは職場の人間関係、2位が妊娠・出産・育児・結婚の女性の働き方、3番目が法人や施設の理念や方針が毎回上位に並びます。賃金が低いというのが、最近では5位、6位という感じになっています。
 また、これは介護のほうの審議会で要望してお願いしたのですけれども、10年以上勤続している介護福祉士に、どうして業務が続けられているのかを調査していただきました。その結果は、予想どおり、やりがいがトップです。現場職員ですから、現場職員の視点で申し上げますと、目の前の自分の関わっている利用者の方が、自分たちの行ったケアで状態が改善するというのは最大の喜びでもありますし、また、キャリアアップ等についても、その職員に応じて事業所が配慮するべきものでありますので、そういったやりがいをどう実現していくのかということが重要な視点になります。
 したがって、介護分野と同様に、離職理由、長年勤続している職員へのヒアリング等の調査といったものをぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 論点は3つに分かれていましたが、それぞれにつきまして、様々な建設的な御意見をいただきまして、ありがとうございました。これらを踏まえて、次の議論に進んでいきたいと思っております。
 伺っていまして、昨日、パラリンピックの閉会式があって、私は感銘を受けましたけれども「WeThe15」の「15」について、マスコミも誰も何も触れないなと。
 すごく残念だったのですけれども、それとの関係で、先ほどの御議論の中で、一つは、教育というお話がありましたが、これを機に、この機運が盛り上がったところで、次に社会的に何をするかというお話がありました。
 今、厚労省は年金教育に力を入れてやっていますが、年金の前に、共生社会とは何かとか、地域共生社会とは何かという点で、支え合いなのだというところから始めて、その先で年金や医療も支え合いだねというほうが説得力があるのではないかと思うのです。厚労省は社会保障教育に取り組んでいますが、教育にあたって、年金以外にも、もう一度障害分野も含めた社会的な広がりをどうつくっていくかというのが課題なのかなと、先ほどの野澤委員のお話を伺って感じました。
 もう一つは、これも複数の委員から、櫻木委員からはっきりとございましたけれども、医療経済の分野では医師需要誘発仮説、あるいは供給需要誘発仮説というのがあって、供給が需要をつくっていくという仮説がありますが、こちらの分野は、そもそも対象者の数やニーズが潜在的というか、そこがきちんと把握されていない中でどう考えていくのか。フィフティーンという話もありますけれども、そういう提起がされたのかなと私は承った次第であります。
 いずれにしても、非常に貴重な御意見を多くいただきましたので、2巡目の議論に、また事務局としておまとめいただければと思っております。どうもありがとうございます。
 実は、議題3があって、今日、資料3が用意されておりますので、御説明を簡単にお願いできればと思います。
○源河企画課長 事務局です。資料3は御報告でございます。資料3を御参照ください。
 明日、9月7日に、障害者総合支援法対象疾病検討会を開催予定でございます。障害者総合支援法の対象疾病の見直しにつきましては、これまで難病法における指定難病の追加等を検討される場合に、あらかじめ決められた要件を基にこの検討会を開催いたしまして、議論の上、追加等がなされております。明日開催しまして、議論の上、決定する予定でございますが、障害者部会には10月中旬に御報告させていただければと思っております。
 説明は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 報告事項ということかと思いますが、何かこの場で御発言される方はいらっしゃいますでしょうか。
○櫻木委員 櫻木ですが、よろしいでしょうか。
○菊池部会長 どうぞ。
○櫻木委員 ちょっと問題提起というか、お伺いしたいのですけれども、今年の春に行われた報酬改定の際の、新型コロナウイルス感染症への対応に係る特例的な評価のことです。
 新型コロナウイルス感染症に対応するためということで、9月末までの間、報酬に対する特例的な評価ということで、通常の基本報酬に0.1%分上乗せされています。10月以降に関しては、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態を踏まえて、必要に応じ、柔軟に対応するとされております。
 現下、感染状況は第五波が進んでおりますし、障害福祉サービスの提供に関しては、感染に対する対応が非常に求められているところです。
 同様の特例評価が、診療報酬あるいは介護報酬でもされています。これに関しては、例えば中医協で診療報酬に関する検討がされておりますし、病院団体あるいは日本医師会を含めて延長の要望を出しております。介護保険の領域でも同様と承知しております。
 障害福祉サービスの分野については、どのように検討あるいは考えられているのかということをお伺いして、ぜひ10月以降についても、延長する必要があるのではないかという私の意見を申し述べたいと思います。よろしくお願いします。
○菊池部会長 まず、資料3につきましては、よろしいですね。ございませんね。
 それでは、その他のその他ということで、源河課長から何かあれば。
○源河企画課長 櫻木委員、御指摘いただきまして、ありがとうございました。
 その取扱いにつきましては、今、政府内で検討中でございまして、結論が決まっているものではありません。御指摘を本当にありがとうございます。
○菊池部会長 問題提起ということで、承らせていただきます。
 よろしいでしょうか。
○丹羽委員 全く違うことなのですけれども。
○菊池部会長 では、時間もないので、端的にお願いしてよろしいでしょうか。
 丹羽委員から、どうぞ。
○丹羽委員 お時間が過ぎているところですみません。全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 先日、次回の第118回の開催通知をいただきましたけれども、多分、各議題について、2周目の議論ということになろうかと思います。これまでもサービス等の各論についての議論が中心となっていました。
 しかし、6月の第112回で最初に触れられてはいましたけれども、今回の障害者総合支援法の改正を通じては、どういう社会を目指すのかという議論があまりなかったと感じております。
 障害者総合支援法は、全ての人の地域生活の実現を目指す法律です。入所・入院している人が地域移行できる、地域で暮らしている人がそのまま暮らし続けることができる、親元から離れてグループホームだけでなく、多様な地域生活を選択できる、不要な入所をさせないということが重要です。
 総合支援法では、自立支援をうたっていますので、まずは地域生活と地域移行をどのように推進するかの議論が大切かと考えています。厚労省にあっては、今後の進め方について、御検討いただければと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。貴重な御指摘であると思います。
 まずは各論から入った形になりますけれども、最終的に取りまとめをしますので、そこでいきなり論点だけ羅列して終わりということにはならないはずなので、そこで全体的な見通しを持った総論的なものはつけることになると思います。
 源河課長、そういった方向でよろしいですか。
○源河企画課長 はい。ありがとうございます。
○菊池部会長 そういった方向も意識しながら進めたいと思います。どうもありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、本日はここまでにしたいと思います。
 今後のスケジュール等について、事務局からお願いします。
○源河企画課長 事務局でございます。
 本日は、御多忙の中、御議論いただき、貴重な御意見をたくさん頂戴いたしまして、ありがとうございました。
 次回の部会は、9月16日木曜日10時より、ベルサール御成門タワーにて開催いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 会場出席の方は、場所が変わるということで、私も留意したいと思います。
 それでは、長時間にわたって、どうも御苦労さまでした。時間をオーバーしてすみませんでした。
 今日はこれで閉会といたします。
 どうもありがとうございました。
 

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