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2020年8月28日 社会保障審議会障害者部会(第100回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和2年8月28日(金)14:00~16:00

○場所

ベルサール飯田橋駅前
(東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階)

○出席者

駒村康平部会長、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、井上博委員、内布智之委員、江澤和彦委員、大濱眞委員、岡田久実子委員、沖倉智美委員、菊池馨実委員、北岡賢剛委員、小﨑慶介委員、小西慶一委員、小林真理子委員、齋藤訓子委員、斉藤幸枝委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、中里道子委員、永松悟委員、野澤和弘委員、吉川かおり委員、橋詰参考人、田中参考人、山田参考人

○議事

○駒村部会長 こんにちは。
定刻になりましたので、ただいまから第100回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
委員の皆様には、御多忙のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
議事に入る前に、今年度初めてということでもございますけれども、新型コロナで亡くなられた方、健康を害された方は多数いらっしゃると思いますけれども、心よりお悔やみ、お見舞い申し上げたいと思います。
また、障害者福祉の現場の関係者の方々、福祉、医療の関係者の方々も日頃より大変御尽力いただきまして、心よりお礼を申し上げたいと思います。
本日の会議は、こちらの会場とオンラインで開催いたします。事務局におかれましては、資料説明はできるだけ分かりやすく、要点を押さえた形でお願いしたいと思います。
また、これまでの説明で既に皆様にはお願いしておりますし、また、こういう新型コロナがまだ感染のリスクがあるという時期でもございますので、御発言は簡潔にとは思っております。
進め方としては、最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方は「手を挙げる」機能を使用してください。
進め方としては、まずオンラインの手を挙げた方から御発言いただき、その後挙手ということになりますけれども、最初は何人ぐらいの方が御発言を希望されるかをざっと見たいので、最初に一度皆さんに確認させていただきたいと思います。
私の指名により発言を開始してください。こういう状況でもありますので、基本的にはマスクをしたまま、マイクに口を近づけてお話しいただければと思います。
より多くの委員に御発言の機会を確保したいと思っておりますので、簡潔にお願いしたいと思います。最初に結論を述べていただき、その後、理由説明をしていただきたい。御発言の際には、まずお名前を名乗っていただきたい。可能な限りゆっくりと、分かりやすくお話ししていただければと思います。
今日は今年度初めてということで、議論は多数ございます。しかし、時間も限られているのと、あまり長時間の会議というのもまたリスクを高めてしまうと思いますので、できましたら、まずオンラインの方から御指名をさせていただきますけれども、待っている間に御発言内容を整理していただく。そして、資料や数字を挙げて御発言したい方がいらっしゃるならば、そういう部分は、場合によっては後日にメモを出していただくという形で御協力いただければと思います。
会場の方は、マイクに近寄ってお話しください。発言後はマイクのスイッチをオフにしておいてください。
オンラインの出席の方は、操作などの質問がある場合は、事務局までお問い合わせください。円滑な会議運営に御協力お願いいたします。
それでは、事務局より委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○源河企画課長 企画課長の源河です。
本日の委員の出席状況の報告の前に、本日の会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としまして、オンライン開催をしております。また、会場への出席に当たって、アルコール消毒やマスクの着用など、感染予防に御協力いただくようお願いしております。皆様には、これらに御協力いただき、ありがとうございます。
なお、オンライン出席の方で、操作などの質問がある場合は、チャット機能で御質問いただくか、お電話でお問い合わせ願います。
それでは、本日の委員の出席状況について報告させていただきます。
本日は、中込委員が御都合により、欠席との連絡を頂いております。
また、菊本委員の代理として橋詰参考人に、久保委員の代理として田中参考人に、山口委員の代理として山田参考人に御出席いただいております。
なお、中里委員につきましては、遅れて御出席いただく予定、また、北岡委員は途中退出の予定でございます。
続きまして、人事異動により、事務局の障害保健福祉部職員の変更がありましたので、紹介させていただきます。
障害保健福祉部長の赤澤でございます。
障害福祉課長の竹内でございます。
障害児・発達障害者支援室長の河村です。
依存症対策推進室長の諏訪です。
そして、私が企画課長の源河です。どうぞよろしくお願いします。
また、本日の会議も、会場に出席されている各委員につきましては、ペーパーレス会議として実施させていただきますので、よろしくお願いいたします。
操作説明については、お手元に「ペーパーレス審議会 タブレット操作説明書」を配付しておりますので、こちらを御参照ください。
なお、本日の会議資料は、タブレットの左上に表示しております「マイ プライベートファイル」を1回タッチしていただきますと、本日の会議資料一覧が表示されます。その中から、タブレットに表示したい資料を1回タッチしますと、資料が表示されることになります。
ほかの資料を表示する場合は、再度左上の「マイ プライベートファイル」を1回タッチしていただきますと、資料一覧が再表示されます。
拡大・縮小は、2本の指を開いたり閉じたりすることで画面が拡大・縮小いたします。
簡単ではありますが、以上がタブレットの操作でございます。御不明な点がありましたら、お近くの事務局職員にお尋ねください。
では、本日の資料でございますが「マイ プライベートファイル」を開いていただきますと、並んでおりますように、議事次第。
資料1 障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の状況について
資料2 障害者就労に係る最近の動向について
資料3 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について
資料4 精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会とりまとめについて
資料5 障害者虐待防止に係る取組の更なる推進について
資料6 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画について
資料7 障害者芸術・文化祭と国民文化祭の開催について
資料8 今後の公認心理師試験のスケジュール(予定)
資料9 障害福祉計画等に係る国の基本指針の見直しについて
その後、参考資料1~5までございます。
万が一、これらの資料が表示されていないなどの状態となっておりましたら、事務局にお申しつけください。
カメラ撮りはここまでということで、御協力をお願いいたします。
以上です。
(カメラ撮り終了)
○駒村部会長 本日の議事に入る前に、第99回について、新型コロナ感染症の感染拡大防止のため、持ち回り開催となったことを踏まえ、まず、参考資料1及び参考資料2について、事務局より説明をお願いいたします。
○源河企画課長 企画課長の源河です。
参考資料1をお開きください。前回、持ち回り開催とさせていただきました第99回の部会の議事次第でございます。
この点につきまして、御質問等がありましたら、後ほど頂ければと思います。
また、参考資料2-1をお開きください。「新型コロナウイルス感染症への対応について」ということで、おめくりいただきまして、2ページにわたって障害保健福祉分野での新型コロナウイルス感染症への対応についてまとめております。
まず、基本的な方針といたしまして、障害福祉サービスが非常に重要なサービスであるということを踏まえまして、基本方針の1として、緊急事態宣言が発せられるような状況下でも、できる限り障害福祉サービスを継続すること。それから、新型コロナウイルス感染症に関する情報を分かりやすく障害者に伝えるなど、情報発信等に当たって十分に配意することの2点を基本方針として進めております。
2番目といたしまして「障害福祉サービスの継続」という点で、様々な措置あるいは予算上の対応等を行っておりまして、ここに掲げております。
3番といたしまして、基本方針の2番目に当たります情報発信等について、どのような工夫をしているかというものを掲げております。
例えば(1)の特別定額給付金等でございますが、これは総務省にも大変御尽力いただきまして、ここにいらっしゃる団体の皆様にも御協力を賜りながら、分かりやすい情報発信をさせていただいたところでございます。
もう少しこの取扱いについての分かりやすい資料でございますとか、予算の具体的な内容は参考資料2-2に掲載しておりますので、御覧いただければと思います。
簡単ですが、説明は以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
ただいまの事務局からの説明について、皆様から御意見があればお願いいたします。前回の持ち回りの会合の際の御説明ということです。
非常事態ではございましたが、いささかなりとも議論のクオリティーを下げるわけにはいきませんので、時間も限られていますので、簡潔にお願いしたいと思っています。
2時半ぐらいをめどに終えるというタイムスケジュールで考えていますけれども、よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。挙手していただければと思います。
フロアの方はお1人。オンラインの方はいかがでしょうか。お2人。
それでは、阿由葉委員、石野委員、永松委員の3名、それから、斉藤委員の4名の方から御発言をお願いいたします。
阿由葉委員からお願いします。
○阿由葉委員 セルプ協の阿由葉です。どうぞよろしくお願いいたします。
参考資料2-2の「新型コロナウイルス感染症に関する主な対応」のスライド3の「新型コロナウイルス感染症に係る障害福祉サービス等事業所の人員基準等の臨時的な取扱い」の「5.就労系サービスに関する事項」についてですけれども、意見としまして、今般の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、A型・B型事業では、賃金・工賃の支払いに自立支援給付費を充てるということが可能という通知が示されています。
A型事業では、過去に利用者等を短時間利用とし、浮いた自立支援給付費を利用者に賃金として支払うなどの事例、いわゆる悪しきA型への対処のため、原則、自立支援給付費からの賃金支払いは禁止とされた経緯があり、今般の取扱いは本来的には不適切と考えます。同様の趣旨から、B型事業についても不適切ではないかと考えています。今般の取扱いは当分の間継続とされていますが、この取扱いが常態化することがないよう早急に期限を設定していただきたいと思います。
また、A型事業では基準省令第192号の2条第6項のただし書に、B型事業ではQ&Aの中に自立支援給付費から賃金・工賃を支払う場合の取扱いが示されていますが、この点についても見直しを検討するべきだと思っていますので、よろしくお願いします。
もう一点です。スライド25の就労系福祉サービス等の機能強化事業になりますが、マル1の生産活動活性化支援事業について、既に御案内のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、就労系事業所では生産活動に深刻かつ甚大な影響を受けました。今般、生産活動活性化支援事業により事業所を後押ししていただいたことに深く感謝申し上げます。
本会の会員事業所に対して実施した4月以降の生産活動に係る影響調査によれば、4~6月の調査対象期間を通して昨年同月比で減収となっています。また、生産活動活性化支援事業の助成要件である前年同月比で1か月50%以上、また3か月連続で30%以上の減収に該当する事業所は全体の2割程度しか存在しませんでした。
さらに、本日の資料2のスライド2にある貴省での状況調査結果では、今後の見通しが全く立たないとの回答がA型事業で約5割、B型事業で約6割との結果が示されました。これらの結果は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、多くの事業所で業態の変更などの経営努力をした上での結果と思います。継続的な支援をお願いするとともに、より多くの事業所が支援を受けられるように、要件緩和をお願いいたします。
以上です。
○駒村部会長 御意見と御要望があったと思います。必要に応じて、後で事務局にまとめていただきたいと思います。
石野委員、お願いいたします。
○石野委員 参考資料2-2の21ページを御覧ください。新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の慰労金のことについて発言をします。質問と意見の2つをお話ししたいと思います。
昨日、毎日新聞のトップのページに大きく載った内容なのですが、コロナの感染拡大によって、知事会見の隣に手話通訳がつくようになりました。全国にこの状況が広がっているということは非常に喜ばしいことだと思います。
しかし、慰労金の交付要件を見てみますと、残念ながら手話通訳者がそこに含まれておりません。手話通訳者は感染のリスクの高い中、活動をやっています。意思疎通支援事業の中の手話通訳だけではありません。盲ろう者の通訳・介助者もいろいろな方法で聞こえない人に対応しながら活動をされています。
しかし、厚生労働省の考え方を聞きますと、手話通訳の活動は人と接する事業ではないので、対象外だということです。その考え方について、私としてはどう理解したらいいのか、理解しにくいと感じております。対象者の幅をもっと広げていただきたい。手話通訳者も含めるべきではないかと考えております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
後ほど、事務局は御回答があればお願いします。
永松委員、お願いいたします。
○永松委員 99回ではなくて、100回のところでまた御質問したいところがありますので、後ほど。
○駒村部会長 承知しました。
それでは、斉藤委員、お願いいたします。
○斉藤(幸)委員 日本難病・疾病団体協議会の斉藤と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうは難病患者さんが中心ですので、福祉サービスというよりも医療系に偏る発言になろうかと思いますので、ぜひ所管のほうにお伝え願いたいという思いで発言させていただきます。
難病患者の多くは、専門医の先生の診療と治療を必要としております。この新型コロナウイルスの感染によりまして、遠くの専門病院にかかることが非常に困難になりました。近くに専門医がいればいいのですけれども、近くにはかかりつけ医しかおりません。そういうことで、オンライン診療が大きな病院でできるといいなとずっと思っておりましたが、専門医の先生たちがいらっしゃる病院ではオンライン診療がほとんど行われておりません。
ただ、この間、電話によります処方箋を出してくださるということが、このコロナウイルスの感染をきっかけとして随分広がったと思っておりまして、これについては非常にありがたく、また、便利だという声を伺っております。
ですが、一番お願いしたいのは、専門病院の先生、地域のかかりつけ医、患者さんの三者が一体となったオンラインによる診療ができるといいなと思っております。そういたしますと、地域の開業医の先生方、あるいは地域の病院の先生方も難病に関して知識が深まっていくだろうということがありますので、このコロナに限らずですけれども、必ずしも専門病院にかかる、あるいは遠くの専門病院に通わなくてもいい回数が増えるかと思っております。
そういう意味では診療報酬の問題にもなってしまうのですが、専門病院とかかりつけ医と、患者さんが診察を行った場合に、両方が保険点数の対象になると思っております。
大きな意味では福祉サービスに入るかという気はいたしますが、この部会の直接的なテーマではないので、ぜひお伝え願いたいということで発言させていただきました。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、99回についての御発言は以上とさせていただいて、事務局のほうから今の委員の御発言についてお答えいただければと思います。
○竹内障害福祉課長 障害福祉課長の竹内でございます。
まず、阿由葉委員から御指摘のあった御意見についてお答えを申し上げたいと思います。1つは、現在のコロナ禍での臨時的な取扱いについての御意見がございました。今般の取扱いにつきましては、あくまでもコロナ禍での臨時的な取扱いという位置づけでございます。コロナの収束がなかなか見通せない中で、いつまでというような期限の設定は今の時点ではなかなか難しいかと思いますけれども、常態化することがないようにという御指摘でございます。御意見として、しっかりと受け止めさせていただきたいと思っております。
また、就労系の障害福祉サービス等の生産活動の活性化支援事業の関係でも御意見を頂戴いたしました。また、本日、就労継続の事業所の足元の生産活動の状況については、後ほど資料説明の中でも触れさせていただきたいと思っておりますけれども、御意見を受け止めさせていただいた上で、引き続き、必要な支援を実施していきたいと考えております。
○金原自立支援振興室長 自立支援振興室長の金原でございます。
石野委員から御質問がございました慰労金の関係でございますが、慰労金の考え方は、まず、障害福祉サービス施設事業所等に勤務する職員に対する考え方として、感染すると重症化リスクが高い利用者と直接接触して、継続して提供が必要なサービスであることなどを総合的に勘案させていただいております。これは慰労金の対象となる医療機関、あるいは介護の事業所、障害の事業所と、全て同じ考え方でございます。この考え方を踏まえて、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の一部事業においても指定障害福祉サービスに準ずる事業として支給対象としているところでございます。
そういうことで、盲聾者向けの通訳・介助員派遣事業については対象となっております。手話通訳事業については対象となっておりませんが、もちろん手話通訳士の方が大変な業務をなさっていただいているというのは本当に我々としても理解しております。これについては何とぞ御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○源河企画課長 企画課長の源河です。
斉藤委員から頂きました御要望につきましては、関係部局にお伝えさせていただきます。
○駒村部会長 委員の御質問、御意見に一わたり回答があったと思います。
石野委員、必ずしも納得いただいているかどうかは分かりませんけれども、厚労省の見解が今のようにということでございます。
本日の議事のほうに入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
そうしましたら、本日の議題1、資料1から資料4について、事務局より説明をお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 障害福祉課長の竹内でございます。
資料1をお開きいただきたいと思います。
1ページでございますけれども、令和3年度の報酬改定に向けたスケジュールをお示ししてございます。
検討チームにつきましては、本年2月より検討を開始しており、先般、7月9日から8月7日までの間、5回にわたりまして関係団体のヒアリングを行いました。
また、昨日の検討チームにおきまして、ヒアリング意見の集約と主な論点案の提示を行ったところでございます。
関係団体のヒアリングにつきましては、2ページの「3.ヒアリング要領」の(2)にございますとおり、4つの視点を盛り込んだ御意見を伺っております。
4ページから72ページまでの資料が関係団体ヒアリングにおいて頂いた御意見を事務局でまとめたものでございます。本日は時間も限られておりますので、個別の御説明は割愛をさせていただきます。
ページは飛びますけれども、73ページを御覧いただきたいと思います。今年の9月からの各サービスの報酬等に関わる検討で想定される主な論点の案を事務局において整理したものでございます。
令和3年度報酬改定における主な論点案として、74ページに記載しておりますが、6つの項目に整理をしているところでございます。あくまでもこの論点は現時点のもので、今後、議論を進めていく中で変更することがあり得るものでございます。
本日は時間の関係もございますので、簡潔に御説明させていただきますが、75ページを御覧いただきたいと思います。
「1 障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援等」でございますが、主な論点といたしましては、共同生活援助について、平成30年度に創設した日中サービス支援型の整備状況等も踏まえつつ、障害者の重度化・高齢化に対応していくための方策を、また地域生活支援拠点等につきまして、機能の充実を図るための方策を、さらに平成30年度に創設いたしました自立生活援助の整備を促進するための方策をそれぞれ検討する必要があるのではないかといった点を挙げてございます。
続きまして、同じページの下の「2 効果的な就労支援や障害児者のきめ細やかなニーズを踏まえた対応」でございますけれども、主な論点といたしましては、就労移行支援及び就労継続支援につきまして、効果的な支援を評価するための方策を、また、平成30年度に創設された就労定着支援の整備を促進するための方策を、さらに、利用者のニーズに応じた短期入所を確保するための方策や、緊急時の受入れ促進につながる方策をそれぞれ検討する必要があるのではないかといった点を挙げてございます。
76ページでございます。「3 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進」でございますが、主な論点といたしましては、医療的ケア児への支援について、客観的な指標に基づく評価方法を、また、障害児通所支援につきまして、サービス内容や質に応じた評価方法、さらに、障害児入所施設の在り方に関する検討会の最終報告を踏まえた見直しについて、それぞれ検討する必要があるのではないかといった点を挙げてございます。
続きまして、同じページの「4 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進」でございますが、主な論点として、地域包括ケアシステムの構築を目指すため、障害福祉サービス等報酬や人員・運営基準等において取り得る方策を検討する必要があるのではないかという点を挙げてございます。
77ページでございます。「5 災害や感染症の発生時も含めた支援の継続を見据えた対応」でございますが、こちらは関係団体から近年の災害や新型コロナウイルス感染症を踏まえまして、様々な御意見を頂いてございます。主な論点といたしましては、専門家との連携による日頃からの体制整備等について、また、コロナ禍でのオンライン等を活用した在宅での支援の取扱い等を踏まえまして、サービス支援の評価の在り方等についてそれぞれ検討する必要があるのではないかといった点を挙げてございます。
最後に「6 制度の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し」でございますが、主な論点としては、障害福祉サービス等の現場における業務効率化を図るため、ICTの活用等を推進していくため、報酬や人員・運営基準等の見直しについて検討する必要があるのではないかといった点を挙げてございます。
今後の障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおきましては、以上の論点を踏まえつつ、各サービスの課題について議論を進めていくこととしておりまして、その内容につきましては都度、障害者部会のほうに御報告させていただきたいと考えております。
障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の状況に関する説明は以上でございます。
続きまして、資料2「障害者就労に係る最近の動向について」をお開きいただきたいと思います。
2ページでございます。「直近の就労継続支援事業所における生産活動の状況」についてです。
新型コロナウイルス感染症への対応が求められる中で、就労継続支援A型・B型事業所における生産活動の状況でございますが、この資料の一番下にございますけれども、令和2年8月7日から8月24日にかけまして、A型・B型の全事業所を対象としてウェブ調査を行い、A型760事業所、B型3,814事業所から回答を頂きました。
その結果でございますけれども、生産活動の収入につきましては、A型・B型ともに5月が最も落ち込んでおり、直近7月においても約6割が減収という状況です。
また、賃金・工賃につきましては、前年同月と比較し、A型では5月を除き前年以上、B型では9割以上の水準の支払いで推移しています。
さらに、今後の見通しといたしましては、一番右下のグラフでございますが、A型では約5割、B型では約6割の事業所が全く見通しが立たないままだという御回答を頂いているという状況でございます。
ページが飛びますが、8ページを御覧いただきたいと思います。「『雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業』の実施に向けた対応状況等について」でございます。
本事業の支援スキームにつきましては、次のページに別紙としておつけしてございますけれども、本年10月から開始いたします本事業の円滑な実施に向けまして、Q&Aや解説動画を作成し、また、実施を検討中の市町村に対しまして、雇用部局とともに説明会に出向くなどの対応を実施してまいりました。
令和2年8月時点で、13の市町村が10月からの開始に向けて準備中ということでございまして、今後も本事業のさらなる活用を促していくため、取組状況を定期的に把握・集約し、広く情報提供等を実施する予定としてございます。
10ページでございます。雇用施策と福祉施策の一体的な推進を図るため、昨年7月に障害者雇用・福祉連携強化プロジェクトチームを立ち上げ、これまで13回にわたり開催してまいりました。なお、現在、PTで議論しております内容につきましては、また改めて別途御報告をさせていただく予定でございます。
ページが飛びますが、12ページを御覧いただきたいと思います。「障害者優先調達推進法に基づく国等の取組状況」についてです。
国の機関における障害者優先調達推進法に基づく障害者就労支援施設等からの令和元年度の調達実績は6,296件、9.75億円となっております。調達額は前年度比10.2%増の0.9億円の増加となっておりまして、国の機関につきましては、法施行後、6年連続で過去最高を更新しているという状況でございます。
なお、国分以外につきましては、現在集計中でございますので、別途御報告をさせていただく予定です。
障害者就労に係る最近の動向に関する説明は以上でございます。
○佐々木精神・障害保健課長 続きまして、資料3「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について」をお開きください。私、佐々木のほうから検討会の開催状況について御紹介いたしたいと思います。
この資料のページでいうと1ページでございますけれども、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのイメージは御覧のとおりでございます。これまで予算事業等で取組を進めてきているわけでございますけれども、国といたしましては、さらにこの取組をこのケアシステムの概念とともにしっかり広めていきたいというところから、有識者による検討会を開催しているところでございます。
検討事項でございますけれども、スライド3を御覧ください。箇条書きで検討事項を書かせていただいております。地域住民への普及啓発、住まいの確保、地域におきます精神科医療機関の役割や一般科との連携、保健・福祉等との連携、また、都道府県や市町村、関係機関の役割といった論点でこれまで議論を進めているところでございます。現在、3回まで検討会を開催したところでございますけれども、年度末をめどに結論を得たいと考えております。
あわせまして、スライド5を御覧ください。精神科救急医療体制整備に係るワーキンググループを開催するというところでございます。
地域包括ケアというのは、住まいを中心に精神障害をお持ちの方が暮らしていくという中で、緊急時の対応がとても大事になってまいります。そのときに関わる医療、すなわち救急医療につきまして、現状の体制の検証を行いながら、この地域包括ケアの文脈に沿って、どういった体制が整えられるかといった点に着目して御議論いただくということとしておりまして、ちょうど今日、この後午後4時から別会場におきまして第1回のワーキングを開催させていただく予定でございます。
こちらのスケジュールにつきましては、12月頃をめどに取りまとめて、先ほどの親検討会でございます地域包括ケアの検討会のほうに報告をするという予定となっております。
私からは以上でございます。
○風間心の健康支援室長・公認心理師制度推進室長 続きまして、精神・障害保健課心の健康支援室の風間です。よろしくお願いいたします。
資料4をお願いいたします。私からは「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会とりまとめについて」御説明させていただきます。
1枚おめくりください。精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会は、精神保健福祉士を取り巻く環境の変化を踏まえ、新しい状況に的確に対応できる人材を育成することを目的として、平成30年12月に設置され、2つのことについて検討していただきました。
1つは、精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについてでありまして、こちらにつきましては、昨年10月25日に開催されました第95回障害者部会において報告させていただいております。
本日は、本年3月6日に検討会で取りまとめられました精神保健福祉士資格取得後の継続教育や人材育成の在り方について御報告させていただきます。
精神保健福祉士に求められる役割を遂行するには、養成課程での学習だけでは、養成課程で得た知識を応用し、具体的な支援を展開する能力等の養成が困難であり、資格取得後の継続教育や人材育成が重要であることから、検討の上、取りまとめていただいたものでございます。
3ページをお願いいたします。「精神保健福祉士に求められる役割と能力」についてでございます。
精神保健福祉士には、精神保健福祉士の倫理綱領に基づきまして、その責務を果たすことを前提とした上で、求められる精神保健福祉士の役割を遂行することが求められております。
1枚飛びまして、5ページをお願いいたします。「組織(職場)で取り組む人材育成」では「イ 雇用主の役割」として、職場内で少数である精神保健福祉士は、研修の機会を確保することが困難な場合もあることから、地域の複数の医療機関や障害福祉サービス等事業所等が連携し、合同で精神保健福祉士に対する研修を開催する等の視点を持つことが重要とされております。
6ページをお願いいたします。「国等の行政機関の役割」については「精神保健福祉士への社会的要請等の周知」や、「ウ」になりますが、地域の基盤整備を能動的に推進できる精神保健福祉士の養成の研修に関する支援等について記載されています。
その下は「都道府県や精神保健福祉センター、保健所の役割」、7ページに「市町村における研修等の取組」について記載されております。具体的には、精神保健福祉士の保健所や市町村等に設置されている保健・医療・福祉等の関係者からなる協議の場への参加の促進等について記載されております。
その下ですが「職能団体における研修」の利点や「組織(職場)や教育機関との連携」による継続教育の機会の確保について記載されております。
8ページをお願いいたします。「イ 養成校に期待される役割」として、資格取得後の数年間の新人期における支援や、リカレント教育等による継続教育の充実等について記載されております。
検討会で取りまとめられた事項については、地方自治体、職能団体等の関係団体及び養成校等とも連携しながらその実行に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
簡単ですが、私からの説明は以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明について、皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。
御発言予定の方は、オンラインとこちらの会場で手を挙げていただければと思います。
おおよそ13人ぐらいいらっしゃるということで、次の議論との時間を考えると、40分前後ぐらいしかないので、平均だと2分前後ぐらいでお話をまとめていただく。足りない場合は、後ほどまた資料、メモを出していただくという形で対応したいと思います。
では、オンラインのほうから先に御発言をお願いしたいと思います。櫻木委員からお願いいたします。
○櫻木委員 日本精神科病院協会の櫻木です。
私は、障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の話と、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築についての2点について御質問というか、意見を述べさせていただきたいと思います。
「障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の状況について」ということで御説明がありました。令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定に関する検討チームが立ち上がって作業をされているというようなことは承知しております。ただ、印象としては、役所の中でずっと内向きに議論を続けられているのではないかという危惧を持っています。
唯一、外との開かれた議論として、関係団体とのヒアリングが行われました。私も参加させていただいて意見を述べさせていただいたわけですけれども、ヒアリングというのも短時間で、言いっ放し、聞きっ放しという印象が非常に強くて、何か議論が深まらないというもどかしさを感じておるところであります。
議論の中で、私どものヒアリングが終わった後で議事録を拝見して分かったのですけれども、我々がヒアリングでお願いをしたのは、精神障害は疾病と障害が併存しており、精神症状が悪化すると、それに伴って障害も重度化するということですので、医療、福祉の両方の観点が障害福祉サービスを提供する上では必要です。ですから、医師の意見書についてもう少し活用をしていただきたいという意見を申し述べました。
ところが、我々が意見の表明を終えた後の議論の中で、あるアドバイザーのほうからそのことを取り上げて、例えば地域に住むとか、学ぶとか、食べるとか、働くとか、遊ぶということに対して、あまり医療がコントロールしてしまうのはどうかという御発言がありました。我々の発言を十分に理解されていないということは非常に残念なのですけれども、こういったヒアリングの別の部分で、我々からすると少々間違った理解に基づいて、一方的なお話をされるということは非常に残念に思います。
重ねて、このアドバイザーはそのヒアリングをした団体の方に対して、福祉と医療とを比べると医療の力が強いと思うのです、ですから、皆さんは地域医療は自分たちに任せろぐらいの感じで何か言わないといけないのではないかと、我々からすると非常に一方的な、間違った理解に基づいた発言をされております。
私はヒアリングは言いっ放し、聞きっ放しと言いましたけれども、本当はもう少しオープンな場所で活発な議論ができれば、こういった誤解は解消することはできると我々は思うのですけれども、我々が退出した後にこういった議論をするということは非常に残念に思います。この際、強く抗議をさせていただきたいと考えております。
それから、佐々木課長から御説明いただいた「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について」の部分です。これも検討会ができておるということは先ほど課長からも御説明がありましたけれども、私も今、その検討会に参加させていただいています。
その中で、最初の議論のときに確認をさせていただいたのは、これはいわゆる精神疾患、精神障害を持っておられる方に特定のシステムを構築するのか、それとも地域の住民全般に対してこういったサービスの提供を行われるようなシステムの構築をするのかという確認をいたしました。
その結果として、精神障害の有無あるいは障害の程度にかかわらず、その人が地域の一員として安心して自分らしい暮らしができることを目指すのだという確認ができました。つまり、障害を持っていようが、持っていまいが、その人が地域で生活をするために必要であれば、様々な障害に対するサービス、相談機能、あるいは医療といったものにアクセスができるのだというシステムを構築していこうということが我々検討会の基本理解になっております。
どうしても旧来のサービス提供にとどまらず、精神科医療、保健、あるいは福祉に関しては新たなニーズという部分が非常に増えています。その部分も十分に目を向けながら、地域包括ケアシステムを構築していくというようなことをぜひとも障害者部会の委員の皆様にも御理解いただければと考えております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
前半部分は抗議をされているということでございますので、事務局のほうからこの辺については見解を頂こうと思いますが、続けていきたいと思います。
オンラインの齋藤委員からお願いいたします。
○齋藤(訓)委員 日本看護協会の齋藤でございます。
障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論についてと、精神科救急医療体制整備に係るワーキンググループについて意見を申し上げたいと思います。
1つ目の障害福祉サービス等報酬改定検討チームの検討では、医療的ケア児への支援が挙がっており、確かに想定される検討事項としてはこの方向でもよいかと思うのですが、今、医療的ケア児は各地域で増えているため、病院から退院後、障害を抱えて、住み慣れた地域で教育等の支援も切れ目なく受けられる場の確保が非常に早急に求められている状況かと思います。
資料1の76ページの2つ目の○にあります児童発達支援及び放課後等デイサービスについて、介護保険のサービスである看護小規模多機能型居宅介護で児童発達支援及び放課後等デイサービスを併設している事例があるのですが、非常に要介護度の高い高齢者あるいは様々な障害等を持った高齢者と、医療的ケア児が同じ場に会して支援を受けることは、非常に相乗効果があるような状況を目の当たりにしております。そこで、共生型サービスの一つとして看護小規模多機能型居宅介護を有効的に活用し、共生型サービスがもっと地域に増えていくように、報酬の在り方について論点に挙げて検討していく必要があります。
2点目の資料3のところにつきまして、救急医療体制についてはワーキングが設けられるということでしたので、このワーキングには大変期待をしているわけですけれども、夜間救急等を受診する理由が何なのかということをきちんと検証していかなければいけないと考えています。
特に精神科の障害あるいは病気を持っている方々に対応する訪問看護ステーションでは、夜間にいろいろな相談が入り、1時間なり、90分なり、しっかりとその方と向き合った電話対応をすることによって、救急搬送に至るような状態の悪化を防いでいるケースも地域では非常に多く存在しております。ですので、このワーキングではそういった救急搬送に至る現状や、地域での取組をしっかり把握した上で検討をしていただきたいということが要望でございます。
ですので、ワーキングにおいては家族会や、こういった訪問看護ステーション等で働いているナースにもぜひヒアリング等を実施していただいて、安心して暮らすことができる日頃からの支援体制についても視野に入れて検討していただきたいということが要望でございます。
以上です。
○駒村部会長 2つ要望があったと思いますので、後ほどまた事務局からと思います。
次の御発言は、オンラインの岡田委員、竹下委員、阿由葉委員という順番でいくと思いますので、岡田委員、よろしくお願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。
私からは1点なのですけれども、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムに関連したことで意見を述べさせていただきたいと思います。
視点は、差別・偏見の問題についてなのですけれども、現在、コロナ感染においても差別・偏見の問題が社会問題となっております。私たち精神障害者とその家族は、この差別・偏見の課題と日々直面しながら生きていると言っても過言ではありません。
ということで、私どもの団体の全国精神保健福祉会連合会では、昨年度、精神疾患、精神障害がある人の家族に対する差別や偏見についての調査を行いました。今回、御参考として、皆様に資料として提出をさせていただきました。
多くの時間を占領してしまっては申し訳ありませんので、この内容の詳細は省きますけれども、本当にかなり辛辣な言動を投げかけられたりという実例がたくさん出ておりますので、ぜひ後でお目通しいただけたらと思います。
調査結果からは、約30%の家族が差別や偏見の実体験をしているという結果ですが、実感としては、実はもっと多いように感じているというのが多くの関係者の意見でもあります。
障害のある人や家族への差別・偏見は、精神障害者だけの問題ではなく、ほかの障害者と家族とも共通する問題であり、今まさにコロナという課題でも直面している、国民全体の問題でもあると思っています。あらゆる差別や偏見は、ただやっていけませんとか、なくしましょうと広報するだけでは決してなくならないということを私たちは実感しております。差別・偏見がなぜ起こるのか、なぜなくならないのか、翻って自分自身はどうなのか、社会全体が腰を据えて考えるべき課題だと今、多くの人が実感しているのではないかと思います。
本日の先ほどの御説明にもありました精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、障害のあるなしに関係なく、みんなが安心して暮らせる地域づくりというところを目指すのだということで、その推進のためにもこの差別・偏見の課題は避けて通れない重要な課題だと考えております。
精神障害者に関して言えば、差別・偏見の問題は回復にも大きく影響しますし、差別・偏見が新たなメンタルヘルスの問題を生み出すということにもつながっていきます。正しい情報提供を得て、正しく理解する機会の必要性や、他人事としてではなく、自分に置き換えて考える力を育む教育などとともに、この場でも検討しております福祉も含めた社会的な制度、施策の充実が望まれるという結果が私たちの調査から出ております。
この観点から、コロナへの差別・偏見も、障害者への差別・偏見も啓発活動とともに、制度・施策の充実がとても重要だということを本日、皆様と共有させていただきたく思いまして、意見を述べさせていただきました。
以上です。ありがとうございました。
○駒村部会長 ありがとうございます。
貴重な資料もまとめていただきまして、ありがとうございます。
続けて、オンラインのほうから順番を申し上げておきますと、竹下委員、阿由葉委員、石野委員、永松委員、江澤委員の順番で御発言いただくことになると思いますので、御準備ください。
次は竹下委員からお願いします。
○竹下委員 竹下です。
2点について、意見を述べさせていただきます。
最初は資料1の部分ですけれども、この中の主な論点として6項目が挙がっております。点字の資料がないので、文言は正確に頭に入っていませんが、その6項目に利用者の増加を念頭に置いた継続性の論点が挙がっているわけですが、少しそこは実態と違う部分があるのではないかと思っております。
例えば訪問系のうち、移動支援のところで報酬が低いためにヘルパーが確保できない。そのために、利用者が利用できない。事業所がお断りをするという事例が全国で発生しています。そうした状況も踏まえた報酬改定の見直しがされないと、利用者のニーズを吸収できないということになりますので、この点をぜひ御検討いただきたいというのが1点です。
2点目は、資料2についての意見です。8ページの2番目の部分の雇用施策との連携による特別事業の問題ですが、10月からスタートするに当たって、現時点では13の自治体しか手を挙げていないと伺っています。これは極めて低いわけです。当たり前ですけれども、1,700ほどある自治体のうち、13しか実施しないというのは、現実には事業としては全国的には成り立っていないと言ってもいいわけです。
そうした状況は、今年の10月からということと、コロナの問題もあるので、やむを得ない実情があるにしても、来年の4月から全国的にどれだけ十分な障害者のニーズを満たす、あるいはこの制度が発足したときの議論を踏まえた制度の広がりが自治体で十分に理解されて実施されるかが問われていると思いますので、単に啓発活動にとどまらず、全国の自治体がこの雇用施策と福祉の連携に基づく通勤や職場介助における支援策を十分に実施できるような支援を厚労省として必ず手を打っていただきたいというお願いです。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
また後ほど、議論をと思います。
阿由葉委員、お願いいたします。
○阿由葉委員 セルプ協の阿由葉です。
資料1「障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の状況について」で4点、資料2「障害者就労に係る最近の動向について」で1点という形で述べさせていただきます。
まず、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に関する主な意見等の21ページの就労継続支援B型事業の1、2についてです。先日の団体ヒアリングで、本会が意見を述べさせていただいたB型事業所の報酬体系の基本的な考え方について、追加で説明をさせていただきます。
本会では、B型事業所では、工賃の多寡にかかわらず、同様の支援をしていることから、B型事業の将来的な報酬体系は人員配置と定員で決定される従前の仕組みに戻すべきと考えています。一方で、本会ではB型事業の役割として、利用者の地域での自立支援を支えるための工賃支払いが重要だと考えています。
仮に報酬体系を従前の仕組みに戻す検討がなされる場合には、高い工賃を支払う事業所を評価する仕組みとして、仮称でありますけれども「高工賃達成加算」による評価の検討も行う必要があると考えますので、よろしくお願いいたします。
次に、20ページの就労継続支援A型事業の5についてです。今般の団体ヒアリングにおいて、施設外就労に関する課題が何点か示されています。施設外就労は一般就労にも、工賃向上にもつながる、障害のある方にとって非常に重要な事業です。
課題として挙げられた点については、本会としても、会員事業所での実態調査の実施を検討していますが、国においても十分な調査をした上で、慎重に検討いただきますようお願いいたします。
次に、21ページの就労継続支援B型事業の5についてです。令和3年度以降の報酬体系が現行の仕組みを踏襲することとなった場合、現行で不十分となっている高い工賃を支払う事業所の評価を要望しています。具体的には「6万円以上」の区分の新設、工賃向上達成加算の基本報酬への反映です。
特に目標工賃達成加算分については、前回報酬改定時に基本報酬に十分に反映されないまま廃止された経緯がありますので、その点についてはぜひ検討いただきますようお願いいたします。
次に、57ページ以降の「人材確保関係」です。
昨今進められている働き方改革に関して、昨年度より年5日間の年次有給休暇の付与義務が課せられ、同一労働同一賃金により、非正規雇用労働者にも賞与等が発生することとなりました。これらの仕組み上、施設職員全体の人件費は増加することとなります。報酬改定の内容を検討する際には、働き方改革の影響も踏まえて検討いただきますよう、お願いいたします。
最後になりますけれども、資料2「障害者就労に係る最近の動向について」です。
15ページの障害者優先調達情報交換会についてですが、優先調達推進法に基づく国の令和元年度調達実績は1億円余りの増加となりました。昨年開催していただいた障害者優先調達情報交換会による影響も大きかったのではないかと思います。
今年度も引き続き開催を希望いたしますが、新型コロナウイルスの影響もあり、現時点での検討状況をお聞かせ願えますでしょうか。また、都道府県によっては県単位での同様の取組を実施しているところもあるため、全都道府県での同様の取組が開催されるよう、国からの働きかけをお願いいたします。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
続けて、石野委員、お願いいたします。
○石野委員 今までチームで、いろいろとヒアリングを基にして検討がされてきたと思います。より高い質のサービスを提供し続けるために、重度重複障害者の働く場、生きる場というものを確保することが基本だと思っています。
言いたいことは、コミュニケーション支援という考え方もすごく大事なのですが、より大切な問題はコミュニケーション保障をどうつけていくのかが今後の論点の一つになるだろうと私は思っています。
全日本ろうあ連盟からもヒアリングで意見を出しましたが、残念ながら全てここには載っておりません。大切なことが省かれております。それについて御説明したいと思います。
重度聴覚障害者に対して体制加算はあるのですが、それはコミュニケーション支援です。全国ろう重複障害者施設連絡協議会という組織があります。そこのデータを見てみますと、登録者が1,653名、その半分を超える54.9%が聴覚障害者です。他は、聴覚障害プラス知的障害、または聴覚障害プラス視覚障害など、いろいろな重度重複の方々です。その中に、視覚プラス聴覚の障害を併せ持つ方々は93人の方がいらっしゃいます。
数字で見ると少ないかもしれませんが、1対1で対応しなければならず、現場においては職員は非常に苦労しております。専門的な知識がなければ進まず、非常に高い質を求められております。残念ながら、それに対して報酬加算というものは全くありません。このような問題があるということをぜひ考えていただきたいと思います。
もう一点。簡単な質問ですが、毎年8月に予算の概算要求各省庁から出されると思います。今年については、資料にそれがありません。ホームページを見てもありません。いつもよりもスケジュールが遅れているのか、もし遅れているのであれば、いつ頃予算の概算要求があるのか教えていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 分かりました。
後ほど確認したいと思います。
次の発言は永松委員からお願いします。
○永松委員 全国市長会の永松です。
資料2の地域包括ケアシステムの構築についてです。御要望、それから市としての提案と言えるかどうか、実際の取組等についてお話をしたいと思います。
地域包括ケアシステムの構築自体は非常にすばらしい考えで、ぜひ進めてもらいたい。そして、安心して自分らしい暮らしができるという理念が大変すばらしいと思います。
ところが、私どもの市の問題ですけれども、就労継続B、精神の方が中心に利用されているところで、内職、下請が中心なのですけれども、コロナの長期化で施設の側も仕事が減少して、この先の見通しが立たない。それを敏感に感じ取られて、利用者の方も休みたくないのに仕事がない。そして不安と動揺が広がっております。このままだと、生活リズム自体が乱れて、精神症状の悪化に結びつかないか、そしてまた医療中心の生活に逆戻りしないかがとても心配です。
地域包括ケアシステムの構築にとっては、今は厳しい状況にあるのだろうと考えております。要は、できるだけ早く仕事を確保しないといけないのですけれども、そこで私どもの市でやっているのは、これは児童養護施設の子供たちですけれども、新たな仕事を見つけるというふうに農林水産業に中学生、高校生をやっているのですけれども、こういう中で、収穫のときに就労継続Bの方であるとか、この間も林業に行っている施設もありました。そういう第一次産業で人手が非常に不足している。
地方自治体としては、ぜひその間に入って、マッチングの労が取れないかと考えています。厚生労働省から枠を少し広げて、ハローワークであるとか、JAであるとか、そういったところとそういうことができないかと思っています。
実際、障害のある方が農場とかに行かれると、また来たいということ、それから、今、コロナが蔓延していますけれども、外ですので3密はなくてソーシャルディスタンスも取れるし、幾らかのお金ももらえるということで、こういったことを農林水産省、厚生労働省、それからJAと大きくマッチングのシステムができるといいなと思っています。そのときに、ぜひ基礎自治体が中に入れるといいなと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
続けて、江澤委員から御発言をお願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
まず、3点簡単に申し上げます。
資料1につきまして、各サービス類型の経営の実態を正確に把握するために、できる限り精緻な調査が可能となるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。あわせて、サービスの質の向上に向けた取組も必要であると思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、資料3につきまして、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について」ということで、当初からここに「にも」という言葉がついておりますが、もともと地域包括ケアシステムは全住民を対象としているものでございますので、決して精神障害を特別視することなく、地域で孤立しないように、住民主体の地域づくりを念頭に置いて推進していただきたいと思います。
3点目は、参考資料2のコロナ対策でございます。今までも、新型コロナウイルス感染症のいろいろなクラスター等が障害者施設でも大規模で起きておりますけれども、今回、無症状病原体保有者、すなわち症状のない症例がかなり多いということがありますので、ゼロリスクは難しいかもしれませんが、ゼロリスクに近づけるということが大事だと思っております。
したがいまして、専門職が少ない障害者事業所においては、介護施設と同様に感染対策の外部からの支援を含めた、特にちゃんと実行できるような支援を担保していただきたいと思っております。特に研修においては、座学に加えて、知っていることがちゃんと実行できるように、実習を含めた施設内研修をお願いしたいと思っているところでございます。これからいろいろ施策が行われるということで、期待しております。
あと、利用者の方においては、ちゃんと治療が必要である場合には、今は治療も進歩している状況でございますので、医療機関でしっかり治療を受けていただきたいと思っております。障害者だから施設にとどまるということは決してあってはならないと考えております。
そして、障害者には特有のそれぞれの状況がございますので、そういったところを事前にちゃんと通常の感染管理に含めて、障害者に対するきめの細かい対応を引き続きお願いしたいと思います。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
それでは、お待たせしました。会場の委員から御発言をお願いしたいと思います。
先ほど挙手をされた方はいかがでしょうか。
それでは、今回はこちらからということで、大濱委員からでよろしいでしょうか。
お願いいたします。
○大濱委員 大濱です。
ありがとうございます。
京都でALS患者の嘱託殺人事件がありましたが、図らずもこの中に重度訪問介護の問題点が凝縮されていると思いますので、この点について意見を述べます。
京都のALSの女性は死にたいということで、医師2人から薬物を投与されて死んだという事件がありました。2人の医師は嘱託殺人ということで逮捕されました。これに対してALSの患者団体が、生きる、生きたいと思える環境提供をということを言っています。
この京都のALSの女性はなぜ死にたいと思ったのかを考えたとき、その背景には重度訪問介護の根本的な課題があると思います。報道等によれば、17の事業所がこの女性の介護に関わっていたそうです。しかも、1つ1つの事業所は短時間の介護しか提供していなかったということです。
通常、重度訪問介護は、多くても4~5か所程度の事業所が24時間のシフトを組みます。1回の勤務が大体8時間以上です。場合によっては12時間ぐらいで1日2交代というように長時間のヘルパーが入るというのが通常の形です。
ところが、今回の場合、1回のサービスではどうも1~2時間の細切れで、1日に多くのヘルパーが入っていたと推測されます。重度の障害者の場合、その障害特性に応じた介護が必要となります。したがって、ALSの場合は、症状の進行に応じた特殊な介護が必要になります。したがって、通常は慣れたヘルパーが1勤務8時間以上の長時間で入る形が一般的です。
今回のように数多くのヘルパーが入れ替わり立ち替わり入るということは、介護される側にとっては非常に苦痛になります。短時間ではその人独自の方法による意思疎通もきちんと図れません。その人独自の介護方法も覚えることができません。細切れの介護体制では外出などもとてもできません。こんな状況の中で、この女性は暮らしていたのだと思います。
慣れたヘルパーが長時間入るということであれば、その障害者にとってベテランとなり、多くの指示を出さなくても、必要なところだけ指示するということで済みます。しかし、入れ替わり立ち替わり慣れていないヘルパーが入った場合は、その都度いろいろなことを指示するということで、これは私などもそうですが、本当に疲れます。これは非常に苦痛です。
ここで見えてくる課題を整理します。
1つ目は、重度訪問介護だけに限ったことではありませんが、介護者が慢性的に不足しているという現状をきちんと解決しないと駄目だということです。その中でも、単価の低い重度訪問介護が最も危機的な状況にあると考えられます。
2点目は、重度訪問介護の単価が非常に低いために、参入するという事業者が少ないという現状です。したがって、なかなか重度訪問介護の事業所を見つけられないという状況がまだ全国的にあります。
3つ目は、重度の障害があっても仕事ができる環境、就労できる環境を提供してほしいということです。京都のこの方は、もともと仕事をしていたそうです。ALSになって仕事が全くできなくなったということですが、もしも仕事をするという生きがいがあったら、このALSの方の人生も違っていた、死にたいと思わなかったという可能性が高いと思われます。
したがって、重度訪問介護によって、重度の障害があっても、就労する機会をできるだけ確保していただきたいのです。そのことによって、障害があっても社会に貢献できるという生きがいを生み出すことができます。煩雑な手続を踏むことなく、重度訪問介護というスキームの中で就労できる制度が必要です。当面は在宅就労でもよいですので、この辺りをきちんと検討していただきたいです。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、こちらのラインですけれども、内布委員、御発言予定ですね。
お願いいたします。
○内布委員 資料の17番目の資料を基に意見をいたします。
一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構代表理事の内布と申します。僭越ながら、令和3年度の報酬改定に関することについて、2点要望させていただきます。
精神障害者の地域移行や地域生活の支援をより充実させ、ひいては精神障害者がその障害にとらわれずに、地域や社会に支えられるだけではなく、自ら社会に貢献し、また、活躍ができる共生社会の実現を図るためにも、障害ピアサポーターを配置することについての評価の新設を強く要望します。
ここでいう障害ピアサポーターは、自らの困難な経験を受容したり、リカバリーの道を現在進行形で歩んでいく経験の中で、その困難な経験やスティグマの中だけにとらわれずに、新たな人生の目的や希望を見いだしていけるのだというリカバリーの実体験を持っている者を指します。
障害ピアサポーターが支援現場や広く国民にとって身近な地域に存在することの意義はとても大きく、例えば障害、疾病を持ち始めたときの社会復帰に対する障害当事者の障害者やその家族の苦悩に実感を持って寄り添えること、もう一度自分の人生を取り戻すリカバリーの過程やその行程を一緒に実感を持って考えるようなロールモデルとして存在し得ることの2つは、まさにこれからリカバリーを歩んでいこうとする障害当事者及び身近で支える家族等にとって心の支えとなります。また、身近な地域にリカバリーの道を歩んでいる障害ピアサポーターが存在することが広く国民の精神障害に対する偏見を解消していくことにもつながり、共生社会の実現に寄与できるものと考えます。
これらの役割を担うリカバリーについて、一定の知識や技能を有している障害ピアサポーターが障害当事者の身近な存在であるために、各障害福祉サービス提供事業所等に雇用されているということが重要であり、そのためにも障害ピアサポーターになるための研修や、あわせて障害ピアサポーターを配置することについての報酬上の評価の新設が必要となります。その根拠として、厚生労働省の実態調査や調査研究で有効性が指摘され、令和2年度の地域生活支援事業として、障害ピアサポート研修事業が位置づけられました。
この研修の質の担保を図るためには、国の責任において相談支援専門員、サービス管理責任者と同様に、都道府県の指導者向け研修を行うことが必要です。そして、養成された障害ピアサポーターが報酬上の評価も併せて受けられるように、早急に検討いただきたいと思います。
最後に、障害当事者の支援現場や支え合う身近な地域等にリカバリーの経験を有した障害ピアサポーターが自分なりの人生の再目標を得て、就労している姿が身近に存在していることは、ほかの障害当事者の希望が枯渇しているような心に再び希望の潤いを取り戻すことにつながります。この障害ピアサポーターが果たす役割にも注目していただきたいと思います。そして、その評価については、従来の専門職の下請的なものではなく、同じ支援現場の同僚として価値のあるものを望みます。
今回、この場をお借りしまして、報酬改定に関する意見を述べさせていただいたことにつきまして、心より感謝申し上げます。
本来は、団体ヒアリングに精神障害者の当事者団体を構成するべきであるということについても、併せて強く要望させていただきます。
以上、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
○駒村部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、こちらのほうで、田中参考人、お願いします。
○田中参考人 全国手をつなぐ育成会連合会の田中です。本日は、久保会長の代理として、参考人として発言させていただきます。
2点ほどありまして、1つは資料2の12ページ以降の優先調達に関してになります。
優先調達に関しては、全体的に増加傾向にあるということで評価しているわけですが、一方で、特に地方自治体において具体的な計画がまだ策定されていないという実態もありますので、そのような状況に対して、具体的な働きかけを国として行っていただければと思っております。新型コロナの対応もありますので、全体的に事業所の継続が難しいと言われている中で、この優先調達の方策については、まだ対応していないところがあるところに着目をしていただければと思います。
次に、資料3の3ページになりますが、こちらの地域包括ケアシステムの精神障害の対応ということで、検討事項が具体的に挙がっておりますが、精神障害という位置づけの中に、ぜひ自閉症やADHDなどの発達障害も強めた視点で関わっていただくように意識していただければと思っております。
特に行動障害がある人の対応については、認知症の初期対応チームが地域包括で既に先行して行われているように、特別な対応が必要な面がありますが、今はそれが地域の中ではなく、特別な医療に関わらなければアプローチできないという状況がありますので、それらのことについて、日常的な関わりに求めていけるような方向で、この地域包括ケアシステムの構築に関して、発達障害の視点をぜひ取り込んでいただきたいと思っております。
以上になります。
○駒村部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、こちらの列だと先に斉藤委員、その後に酒井委員。
○斉藤(幸)委員 ありがとうございます。
日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
私は資料1の報酬改定についてというところで2点申し上げたいと思います。
一点は、難病患者の多くは障害福祉サービスの利用においても、身体・知的・精神等の手帳があるということに限らないものですから、いわゆる手帳のあるなしでは大きくサービスが限定されている場合があります。そういうことを考えますと、全ての障害者施策がその対象となることを強く求めております。
障害者基本法の中には「その他の心身の機能の障害」という文言が示されております。ですが、これを難病患者を含むというように解釈するのは非常に難しく、難病等が障害の対象となっているということを知っている難病患者が少ないという現状があります。患者自身ももっと勉強すべきではありますが、この辺りの文言を分かりやすくしていただくこと、そして周知の徹底を図っていただくことが、やはりいつの時代でも必要かと考えておりますので、要望させていただきます。
もう一点は、論点のところの76ページの「3 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進」について意見を述べさせていただきたいと思います。
医療的ケア児への支援につきましては、客観的な指標に基づく評価方法が必要だと書かれております。そのとおりだと思いますし、団体のヒアリングのときに、たしか医師会のほうからもこの評価方法について再検討の余地があるというような文言が書かれていたような気がいたします。
私どもの難病患者の子供たちが学校に行くときに、この評価方法あるいは評価の基準がはっきりしていないために、医療的ケア児なのか、ケア児でないのかというものがはっきりしておりません。そういたしますと、医療ケア児としてかなり明確であれば、看護師、ヘルパー等が派遣されたり、あるいは付添いされたり、自治体のほうで取り組んでいただいている場合が結構あります。ですが、その辺が曖昧であるがゆえに、校長先生の判断、あるいは施設長の判断等で様々な違いが設けられております。
一例を申し上げますと、現在、中学に入ったお子さんですけれども、小学校1~3年生まで酸素ボンベを携帯して学校に行っておりました。1~3年生までは母親が毎日付き添いました。1年生のときは同じ教室にいさせられたということです。2~3年生は別の教室で、何か事故があったときに呼ばれるというような形でしたが、全面的に学校に常駐をさせられました。4年生以降は少しずつ緩和されましたが、中学に入っては送迎だけになったということを伺っております。
こういうことを考えますと、子供の発達上、非常によくないということと、もし保護者の具合が悪い、あるいは都合が悪いときは、子供に学校を休ませなくてはいけないというような形になると思いますので、施設においても同じだと思いますが、この医療的ケア児への支援ということを考えますと、基本的には評価して、その子が本当に医療的ケア児なのか、医療的ケア児でしたら医療的ケアの状況を支援するような仕組みをしっかりとつけていく。この2点を考えていただければと考えております。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
それでは、お待たせしました、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井です。
資料2の就労支援の関連について、簡単に4点ほど意見を申し上げさせていただきます。
1点目は、5ページの障害者雇用への新型コロナウイルスの影響ですけれども、説明は割愛されておられましたけれども、求人数並びに就職件数にかなり影響が出ていることがはっきり分かります。実際、現場の感覚でも就職件数の減少はもとより、その前の企業による体験実習の機会も大幅に減っているというような状況にあります。この実習の減少は今後の就労支援、すなわち例えば今年度の下半期以降の就職実績にもかなり影響するのではないかと考えます。
今回、就労継続支援事業の生産活動について緊急的な調査を行われたと認識しておりますけれども、ぜひ就労移行支援並びに就労定着支援の実態調査も近々に行っていただきたいとお願いを申し上げます。
あわせて2点目ですけれども、それに関連しての話ですが、報酬改定についてです。現在の就労系サービスは、事業運営をしていくための柱であります基本報酬がそれぞれ実績による評価となっています。この実績が社会、経済の影響に大きく左右される仕組みでありまして、まさに今のコロナショックの影響を大きく受けるのではないかと大変危惧しています。報酬改定に当たっては、就労系サービスについては、まずコロナの影響に対する対応を最優先に考えてもらいたいと思っているところです。
3点目は、8ページの労働・福祉の連携による重度障害者等の就労支援特別事業についてですけれども、まだコロナの影響もあって手を挙げている自治体は少ないようですけれども、しっかりモニタリングをして、課題があるのならば整理して、次につなげてほしいと思います。プロジェクトチームについては、もともと今年の夏ぐらいまでをめどにという話だったと認識しております。
今後、具体的に検討しなければならない点は、論点の整理がある程度できたのではないかと思っているのですけれども、これも繰り返しの要望になりますが、次のフェーズとして、労政審の障害者雇用分科会とこの障害者部会の合同の部会のような場を立ち上げていただいて、ぜひ開かれた場で検討をできることを望みます。
4点目は、11ページからの優先調達です。国の機関の調達実績が右肩上がりに進んでいることは、皆さんの周知の徹底が大きく影響しているのだと思います。率直に感謝申し上げたいと思います。しかしながら、自治体も含めて、まだまだ障害者施設に仕事を発注できるものがあるのではないかと考えていまして、これは最近の自分の実体験からも改めて実感したところです。
障害者施設はどんな仕事ができるのかはまだまだイメージ不足の会計担当者であるとか、あるいは契約担当者がいると思われますので、15ページに載っております情報交換会は一定の反響があったと聞いておりますので、今、このコロナ禍で実行しにくいと思いますけれども、このようなマッチングの催しであるとか、国や自治体担当者がほかの取組事例が知れるようなサイトであるとか、そういう媒体の検討なんかもしていただければありがたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございました。
ちょっと間隔が空いた審議会になりましたので、いろいろと盛りだくさんの議論があったわけでありまして、実はちょっと時間が押しております。
延長するということも一案かもしれませんけれども、現下の状況、感染リスクも高まってしまいますので、悩ましいところですけれども、強めの御意見も幾つかあったと思いますので、まず、事務局のほうからお答えいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○佐々木精神・障害保健課長 では、精神関係からお答えいたします。
地域包括ケアの検討について幾つか御指摘を頂いておりますけれども、精神障害を特別視するというわけではございませんが、特有の課題についても御指摘を頂いているところでございます。
一般的な高齢者等に対する取組を意識しながら議論を進めてまいりたいと考えておりますし、対象者として、発達障害の方々についても強く意識してまいりたいと思っています。また、今後の議題の中では、就労の在り方についても取り上げてまいりたいと考えております。
差別・偏見の解消につきましては、これまでの取組に加えまして、一般の方々により御理解いただけるような、少し踏み込んだ取組についても検討してまいりたいと考えております。
そして、精神科救急のワーキングについてですけれども、これまで得られた知見に加えまして、改めて実態を把握しながら議論を進めてまいりたいと考えております。
最後に、櫻木構成員からの御指摘も十分肝に銘じて検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○竹内障害福祉課長 障害福祉課長の竹内でございます。
様々御意見を頂きました。
まず、櫻木委員からは検討チームでの議論について、内向きに議論しているのではないかというような御指摘もございました。強く抗議したいというお話もお伺いいたしました。
議論の場につきましては、様々御意見があるところでございますけれども、検討過程の客観性、透明性を確保するということは大変大事なことだと思っております。この検討チームは省内の検討チームではございますけれども、あくまでも公開の場で議論を行わせていただいております。今日、櫻木委員からも御指摘いただきましたが、検討チームでの議論につきましては、説明の中でも申し上げましたとおり、障害者部会にも都度御報告をさせていただきたいと思っておりますので、こうした機会を通じてまた御指摘いただければ、報酬改定の検討チームのほうにお伝えしたいと考えてございます。
また、報酬改定に関わりましては、今回お示しいたしました主な論点に追加をしてほしい、あるいは個々のサービスについて、こうした要望をということでいろいろ御指摘を頂きました。
全体をまとめて御説明をさせていただきますと、今回お示ししております論点案につきましては、あくまでも現状の課題、あるいはヒアリングにおける御意見等を踏まえた大枠としての論点を整理させていただいたものでございます。今後、サービスごとに報酬等の具体的な内容については、報酬改定検討チームのほうで検討させていただきたいと思っておりまして、本日頂きました御意見も踏まえまして今後検討してまいりたいと考えてございます。
また、就労の特別事業についての御指摘も幾つか頂きました。まだ13市町村ということで非常に数が少ないということでございますけれども、これにつきましては、雇用施策と福祉施策とを組み合わせて実施する新たな試みということで、いろいろ委員からも御指摘いただきましたとおり、コロナ禍の対応で自治体のほうもいろいろ難しい状況の中で、なかなか手が回らないというようなお話もお伺いしてございます。今後、横展開をしっかり図っていくということで、手を挙げていただいた13市町村の取組をしっかり把握をして、また、周知をしていきたいと思いますし、取組を進めてまいりたいと考えてございます。
あと、優先調達の関係でも幾つか御指摘を頂きました。昨年実施した情報交換会の関係でございますけれども、これは阿由葉委員から御指摘があったかと思います。今年はやはりコロナ禍ということでございますので、昨年と同じような形で開催というのはなかなか難しいわけでございますけれども、どういう方法があり得るのか、よく考えてみたいと思っております。
あと、様々な御意見、御要望を頂きました。そこの辺りは受け止めさせていただきたいと思います。
また話が戻ってしまいますけれども、団体のヒアリングに精神障害者の当事者団体を構成すべきだという御指摘も最後にございました。御要望につきましては、次々回、また障害福祉サービス等の報酬改定に当たりまして関係団体のヒアリングを行う際には、今回の御指摘も踏まえて検討をさせていただきたいと思っております。
もう一点、最後に、先ほどの優先調達の情報交換会のお話を申し上げましたけれども、優先調達の取組について、自治体のほうにもっと働きかけよというようなお話もあったかと思います。自治体の中には、管内の保育施設などに配布する布マスクの製作を事業所に発注するといったような、時勢に応じた取組を進めているところもあるとお伺いしてございます。そうした取組などを把握、情報発信することなどを通じまして、各機関の取組を後押ししてまいりたいと考えてございます。
本当にたくさんの御指摘、御意見を頂いたかと思います。最も多かったのは報酬改定の関係かと思いますので、そうした点についてはしっかりと受け止めさせていただいて、また検討チームのほうにも御報告を申し上げたいと思っております。
以上でございます。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害児・発達障害者支援室長の河村でございます。
看護協会の齋藤委員より医ケア児について、報酬改定で示した論点以外にも、退院後の切れ目のない支援が大変重要ではないかという御指摘を頂戴いたしております。
当事者の方々からもまさに同じく、NICUを退院後に適切なサービスの支給決定がなかなか受けられない、そこで切れてしまうという御意見も頂いておりまして、この辺りは報酬改定だけでなく、自治体における乳児期の支給決定の在り方ですとか、そういった制度運用上の課題も含めてしっかり検討していきたいと考えております。
それから、難病・疾病団体協議会の斉藤委員からも、医ケア児について客観的な評価方法の確立が大変重要だという御指摘を頂戴いたしました。医ケア児に関する評価方法につきましては、研究班で新しいスコアの設定の評価の仕方について構築をしてきていただいておりますので、こちらの新しい評価方法をベースにいたしまして、見守りの部分の支援も含めて、適切な支援に応じた報酬が得られるような体系を目指して、これから議論を進めてまいりたいと考えております。
○源河企画課長 企画課長の源河です。
石野委員から予算の概算要求について御質問を頂きました。
今年度の作業は、コロナの影響で1か月ほど遅れております。したがいまして、しかるべき時期にちゃんと予算の概算要求の資料もお出しして、障害者部会に御報告させていただきます。
○駒村部会長 事務局、よろしいですか。まだ御発言はありますか。いいですか。
ちょっと時間がない感じもあって、細かく御回答を頂いた部分もあれば、包括的な部分もあったかと思います。
まだ議事がもう一個あるというのを考えると、これ以上もう一ターンというわけにはいかないわけでありますが、いずれにしても、報酬改定については、制度の根幹部分を左右しますので、先ほどもお話がありましたけれども、しっかりと部会のほうに報告いただき、継続的に議論をするということで、この部分については引き取らせていただくということです。
一人だけ、今、野澤委員から手が挙がっていますけれども、先ほど発言がなかった方に限定して、極めて時間がないので簡潔にお願いしますけれども、フロアのほうでは野澤委員、オンラインのほうではいかがでしょうか。いらっしゃいますか。先ほど発言がなかった方で、ぜひともという方がいらっしゃればと思うのですが。オンラインのほうはよろしいですか。
では、野澤委員、お願いします。まとめていただきたいと思います。
○野澤委員 時間が足りないところすみません。
先ほどの報酬改定の議論の中で、櫻木委員から抗議されたアドバイザーというのは私でありまして、この場にいて何も言わないのもちょっとどうかと思うので、一言言わせていただきたいと思います。
委員がおっしゃるように、ヒアリングは多くの団体がたった8分間という時間で、しかも言いっ放し、聞きっ放しでなかなか議論が深まらないというすごくジレンマがあるのです。本当のことは、我々アドバイザーや厚労省よりもむしろ団体間のほうがお互い分かっているわけで、そこで議論をしてほしいのです。だけれども、制約上、そういうことができない。なので、我々アドバイザーがあえて批判的なことをぶつけてみたり、聞いてみたり、あるいは違う立場の団体に異論を促してみたりと、憎まれ役を承知でやっているわけで、その場でやり取りができればいいのですけれども、気がつかなかったことや分からないことはあえてほかの団体に聞くということをやったということは御理解いただきたいと思うのです。
私がもう一つ問題だと思っているのは、厚労省も以下の視点について盛り込んでくれという4つの視点のうちの3つ目で、自立支援法以降、予算が3倍以上に増加して、持続可能な制度としていくための課題や対処方策を示してくれと言っているにもかかわらず、特定の団体ではないのですけれども、一部はちゃんと議論をして出してくれていますが、ほとんどの団体が示さずに、加算、増額を求める意見ばかりなのです。これはどう考えたらいいのだということで、あえてよく経営の状況とかが分かっている団体間でもっと議論をしてほしい。でないと、こちらは分からないのです。何といいますか、右肩上がりの時代のこの団体交渉みたいなものではなくて、もっと成熟した時代にあえて痛みを伴う議論をきちんと国民の前でしていくということが求められていると思うのです。
そこで、私から提案というか、お願いなのですけれども、今回、櫻木委員からそういう抗議というか、異論を受けたのは、たまたま委員がこの部会の委員だから言えたわけで、ほかの団体やあるいは当事者の中には、議事録を見て、もっとこの団体の意見に対してこれを言いたい、アドバイザーのこの意見はおかしいのではないかという意見もいっぱいあるはずなのです。もう一度ヒアリングをやれというのはちょっと無理な話だと思いますので、メールでも手紙でも何でもいいのですけれども、どこかでそういう意見を反映できるようなものを、どこかに窓口をつくっていただいて、もっと掘り下げて議論していただきたいと思うのです。特に当事者の声を集めるような方策をぜひやっていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
委員や団体同士の議論は本来望ましい、あるべき姿です。そうではないと、何のための審議会部会なのかということになると思います。ただ、私も議事運営に大変至らない部分がありますけれども、時間制約等もあり、難しい部分もあるかと思います。
ただ、せっかくの御提案というか、御意見でございますので、事務局におかれましては、きちんと委員間、団体間の議論もできるような工夫を考えていただきたいと思います。
もしかしたら、オンラインのほうの櫻木委員から何かあるかもしれませんが、これ以上この部分で時間を割くわけにもいかないわけです。半年近く空いた会合になりましたので、今後、もうちょっと時間を延ばすのがいいのか、頻度を増やすのがいいのか分かりませんけれども、そういう意味では、後期は報酬改定の話も大事な話がありますので、もう少し頻度等も考えていただきたいと思います。
大変時間がない中で、きちんとしたクオリティーのある議論をするためには、委員の発言、それに対するリプライもちゃんと確保しなければいけないと思いますので、今の議論も大変重い議論でございますので、ちょっと検討していただきたいと思います。
大変申し訳ないですが、議論1についてはここで一度締めさせていただいて、まだ先ほどの事務局の御回答に対して続きということがありましたら、次回ということで、ちょっとメモを取っておいてください。事務局もその足りなかった部分についての委員の御発言の機会がもう一度あるというふうにさせていただき、その上で、事務局におかれましては、後半部分の「その他」の御説明に入っていただきたいと思います。
議題2「その他」の資料説明について、お願いいたします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 地域生活支援室長の河村でございます。
資料5をお開きいただければと思います。
おめくりいただきまして、2ページでございます。今般、平成30年度に自治体のほうに通報のあった虐待件数について、調査研究事業を経てまとまっておりますので、件数の推移を2ページに挙げさせていただいております。
左側が養護者による虐待、中央が施設従事者の虐待、右側が使用者による虐待でございまして、相談・通報件数のほうは全体的に大きく伸びております。一方で、虐待として判断のあった件数に関しては、養護者と使用者はほぼ横ばいでございまして、施設従事者のほうが緩やかに伸びているというような状況にございます。
その上で、3ページがこうした現状でありますとか、あとは虐待防止法の施行後の検討規定に基づく検討の結果を踏まえて、今年度特に力を入れている主な取組を挙げさせていただいております。
1つ目の○でございますけれども、虐待の防止と対応の手引は自治体の職員ですとか、施設の管理者、担当者等が参照するものでございますけれども、こちらの改訂を行っております。その改訂のポイントとして、1つ目のポツでございますけれども、まず、自治体における虐待判断の参考になるようにということで、養護者、施設従事者、使用者という類型ごとに虐待として判断された例示を充実させております。
○の3ポツ目ですけれども、社会福祉士会と日弁連がやってくださっている各地域の「虐待対応専門職チーム」をぜひ活用するようにというような記述、また、死亡等の重篤事案に関する自治体での検証の実施についても追記する等の対応をしております。
次の○でございますけれども、虐待防止、権利擁護の研修でございます。研修についても、先ほどと同様に、研修の対象は自治体の職員と施設の管理者等でございます。それについて、まず国が都道府県の指導者に対しての研修を行って、都道府県がそれを都道府県内の自治体職員や施設管理者に展開をするというようなやり方でやっておりますが、国研修、都道府県研修のいずれについても、受講の対象について学校、保育所、医療機関等の関係者にも拡大をするという方向でやっております。
それらの研修プログラムにつきましても、新しい研修プログラムを開発いたしまして、主に現場の初動の対応から虐待の判断に至るまでの辺りを充実させるような努力をさせていただいております。
次の○でございますけれども、令和2年度の研究事業として、障害者虐待に関する学校、保育所、医療機関等の間接的防止措置、具体的には研修でありますとか、相談体制の構築に関して、具体的にやっていることの現状の調査でありますとか、好事例の収集をこれから進めようとしております。
最後に、一番下の予算要求でございますけれども、関係機関の専門性の向上、連携の強化、体制の整備の辺りを重点にいたしまして、現在、概算要求の対応を検討中でございます。
以上でございます。
○金原自立支援振興室長 自立支援振興室長の金原でございます。
私のほうから資料6を説明させていただきます。
視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画、いわゆる読書バリアフリー基本計画と呼んでおりますが、昨年11月の部会で法律の概要と法に基づく基本計画の策定スケジュールについて御報告させていただきました。今般、そのスケジュールからは若干遅れましたが、基本計画が策定されましたので、御報告させていただきます。本体は添付させていただいておりますが、概要のほうで説明をさせていただきます。
まず、計画の位置づけでございますが、視覚障害者や発達障害者、肢体不自由等の障害により、書籍について視覚による表現の認識が困難な方の読書環境の整備を促進するということでございまして、文部科学大臣、厚生労働大臣がこの基本計画を策定という形で、対象期間は令和2年度から令和6年度になっております。
これを策定するに当たりましては、法律の中に協議の場を設置するという条文がございまして、関係行政機関あるいは各図書館、点字図書館、出版社、視覚障害者、そのほかの関係者による協議の場を設けるという規定がございますので、その規定に基づいた協議会で意見聴取を踏まえて策定をしたものでございます。この計画策定後についても、引き続き、この協議会を開催して、定期的な施策の進捗状況の把握、あるいは課題の解決に向けた取組を実施することとしております。
具体的にどういう内容かといいますと、下の「施策の方向性」を見ていただければと思います。
まず、1、2、3とありますが、これは主に本を借りるという形になります。1つ目が「視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等」ということで、公立図書館や国会図書館、点字図書館が連携してアクセシブルな書籍を充実させていき、また、連携することによってその利用の促進を図っていくということでございます。
また、3つ目のポツにありますが、障害のある児童、生徒、学生に対する読書環境の保障については点字図書館も連携して行っていくということでございます。
2番目が「インターネットを利用したサービスの提供体制の強化」です。国立国会図書館のサービスもインターネットを利用できるサービスもございますが、視覚障害者のための点字データや電磁データを提供するサピエ図書館というものがございます。こちらのサービスの周知ですとか、このサピエ図書館に地域の公立図書館が会員となって、その地域の方が利用できるように促進をしていくということでございます。
3番目は「特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援」ということでございますが、視覚障害者向けの点字などの複製を著作権者の許諾なく利用できるという形で、著作権法37条に基づいて特定書籍・特定電子書籍等がつくられるわけですが、これが出版関係者から電磁データを頂くことによって、より容易につくれるようにするということを今後検討していくということでございます。
4番目は、電子書籍を買うという形になります。先ほどと同じように、出版関係者から書籍購入者に対して電磁的記録が提供されるように、今後検討をしていくということでございます。
6番目でございますけれども、先ほど言ったインターネットを利用したサービスが受けられるように利用方法の習得支援や、8番目になりますが、図書を製作する人材、あるいは図書館サービスの人材の育成を今後考えていくというような計画が立てられております。
資料6は以上でございます。
続きまして、資料7でございます。「障害者芸術・文化祭の開催について」ということで、2点だけ御報告をさせていただきます。
1番目でございますけれども、今年度予定されておりました第20回「全国障害者芸術・文化祭みやざき大会」については、コロナウイルスの影響で延期という形になっております。変更後は、令和3年7月3日~10月17日に開催するということでございます。
同じページの一番下にございますが、来年については21回大会もございまして、こちらについては和歌山県で開催するという形になりますので、来年度は宮崎、和歌山と連続して開催という形になります。
2番目に、国民文化祭との名称の統一ということで、平成29年度から障害者芸術・文化祭と国民文化祭は一体的に開催しております。一体的にやっているということで、名称も両方の名称を並列するのではなくて、一体的な統一の名称にしたらどうかという御議論がございました。
ただ、一方で、両文化祭の歴史のある継続性も引き続き大事だということもございますので、正式名称という形ではないのですが、大会ごとに両文化祭を包括した統一的な名称を設定しようということで、これを広報等に積極的に用いるという形で考えております。
イメージとして書いておりますが、今までですと「第36回『国民文化祭』及び第21回『全国障害者芸術・文化祭』」と呼んでいたものを、次からは「紀の国わかやま文化祭2021」という形で呼称していこうということでございます。
以上、報告でございます。
○風間心の健康支援室長・公認心理師制度推進室長 続きまして、精神障害保健課公認心理師制度推進室の風間です。よろしくお願いいたします。
資料8をお願いいたします。私からは「今後の公認心理師試験のスケジュール(予定)」について御説明させていただきます。
1枚おめくりください。公認心理師法は平成29年に施行され、これまでに2回の試験を実施しております。第3回試験は、本年6月21日に実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、延期することとし、7月22日に改めて本年12月20日日曜日に実施することを公表しております。試験の実施に当たっては、感染症対策を十分に行うこととし、現在、そのための準備を進めているところでございます。
今後の公認心理師試験のスケジュールにつきましては、昨年10月25日に開催されました第95回障害者部会において御報告させていただいたところですが、第3回試験の延期に伴いまして、全体的に変更する必要が生じたため、今回改めて御報告し、その上で公表するものでございます。
具体的には、第3回試験が本年12月に延期になったことを踏まえ、第4回試験以降の試験については、毎年2~3か月ずつ試験実施月を前倒しし、第7回試験は3月頃に実施することとするものでございます。なお、各試験の実施月は予定であり、状況によっては多少前後する場合がございます。
簡単ですが、私からの説明は以上でございます。
○源河企画課長 続きまして、企画課長の源河です。
資料9を御覧ください。
第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画に係る基本指針の見直しにつきましては、昨年度に委員の皆様方に御議論いただいた結果、令和2年5月に無事に告示を改正することができました。どうもありがとうございました。
現在、各都道府県及び市町村において、計画の作成を行っているところです。計画は原則として本年度中に作成いただくこととなっておりますが、新型コロナ感染症の影響により、計画の作成がなかなか難しいという御意見も寄せられております。このため、各自治体の実情に応じた弾力的な取扱いを認める通知を近日中に発出予定としておりますので、御承知おきいただければと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございました。
既に時間をオーバーしております。
まだ議論が続きますので、少しオーバーするのは御容赦いただければと思います。
今日は盛りだくさんということもあり、今後の進め方、頻度について最後に私も一言事務局にお願いを申し上げるつもりでありますけれども、今までの後半部分の「その他」、資料5~9について、あまり議論を縛りたくはないのですけれども、こういう状況ですので、委員のほうからぜひともという方があれば挙手していただく、あるいはオンラインで合図していただければと思います。
いかがでしょうか。
フロアのほうはどうですか。
では、田中参考人、オンラインのほうは井上委員、竹下委員、岡田委員、齋藤委員の4人ということで、順番に御発言いただきたいと思います。大変申し訳ないですが、簡潔に御発言いただければと思います。
井上委員からお願いします。
○井上委員 資料5の障害者虐待防止に関わる取組というところで、意見と御質問をさせていただきたいと思います。
障害者虐待の問題については、知的障害を抱える方が大体7割を占めています。特に障害者施設の従事者による虐待が7割ということなので、私たち知的障害者福祉協会としても大変な課題であると受け止めておりまして、様々な研修であるとか、虐待が起こりやすい強度行動障害の人たちの支援の在り方についても協会内で検討して、今後対応してまいりたいと思っています。
一つ、今後のことでぜひ御検討いただきたいのは、言葉のない知的障害の方だったり、自閉症の方の権限を守っていく一つの大事なところは、指導監査の在り方にあるのではないかと私は思うわけです。もちろん、自治体の方が監査に当たっていただくわけですけれども、やはり専門職として、現場に精通した方がより多く監査という役割を担うことが、非常に大事なことなのではないかと思いますので、ぜひ今後の議論の中で御検討いただければありがたいと思います。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
続きまして、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 竹下です。
私も資料5についての質問と意見です。
資料を見ていただいたら分かるように、通報件数に対して認定件数はほぼ2~3割というのは、どの類型についてもずっと共通しているわけです。これ自身に問題があるというつもりはありませんが、気になるのは、通報されたけれども、認定されなかったものがどういう内容だったかということが外部からも検証できることが必要だと思うのです。どういう類型の虐待として通報されたものは認定されず、あるいは認定されたのかということについて外部から検証することが必要だろうと思うのです。これを検証できるようにしていただきたいというのが1点。
あわせて、当然、法律では、悪質なものは警察への通報がうたわれているわけですから、警察に通報された件数が何件あるのかについても、その内容を含めた開示をしていただくことが必要だろうと思っています。
質問は1点で、マニュアルの改訂です。これ自身の内容は非常にいい方向で改訂されようとしていることは分かるのですが、どういう人たちによってこの内容のマニュアル改訂が検討されるのかについて御質問したいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
岡田委員、お願いいたします。
○岡田委員 全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
私も虐待のことに関してなのですけれども、養護者による障害者虐待の件数が多いということに関連して、この原因の一つというか、大きな割合で家族支援の視点の欠如ということがあると私は考えております。精神障害当事者の方の多くの方から、家族が理解をしてくれていないという意見を大変多く聞くことがございます。
精神障害に特化したことではないと思うのですけれども、障害に対してきちんと理解できていない中で対応していくと、どうしても不適切な対応に陥りがちということがありまして、ぜひ医療の場でも、福祉の場でも、行政の窓口でも、あらゆるサービスのところで家族に対する支援の視点をきちんと持っていくことがすごく大事だと思っております。きちんと家族の話を傾聴して聞くとか、家族が必要としている適切な情報をちゃんと提供するとか、偏見から解放できるような情報提供をする支援をする、そして時には適切な休息の時間を持てるようなサービスを提供するというような、ぜひ家族支援の視点をいろいろな分野で広げていっていただきたいと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
では、オンラインの齋藤委員、お願いします。
○齋藤(訓)委員 日本看護協会の齋藤でございます。
資料9につきまして要望ですけれども、先ほど少し計画が遅れる、策定が遅れるようだということを御報告いただき、了解はしているのですが、医療的ケア児の支援体制はこれから非常に早急に整備をしていかなければいけない状況だと思っております。
人工呼吸器や胃ろう等を使用して、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な児の数が非常に増加してています。しかし人工呼吸器や胃ろうの管理、たんの吸引等の技術を要する看護職が障害福祉事業所に十分配置されているかというと、そうではないという状況でございます。そのため、成果目標達成に当たり、これらの事業所等で医療的ケア児を支援できる看護職の人材確保策をしっかり行っていただきたい。人材確保策にあたっては、当然質が伴いますので、しっかりとした研修の在り方を体制整備の中に盛り込んでいただきたい。
それから、基本指針見直しのポイントに相談支援体制の充実・強化ということがあるのですが、様々な御相談がこういったところに入ると思うので、やはり保健・医療・福祉の連携が重要になってまいります。症状の悪化を予防するために相談支援事業所が、医療や看護にすぐにアクセスしやすい体制をつくっていただきたい。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
では、フロアにいらっしゃる田中参考人、お願いします。
○田中参考人 2点ほどございます。
1つは、障害者虐待防止の取組についてです。今までの国の研修においては、普及啓発ということが主にされてきたと思いますが、今回、ガイドラインを見直すことによって、実務の質の向上を図る研修に移行すると聞いておりますので、ぜひ虐待通報が事案として処理されるような対応となることを進めていっていただければと思っております。
一方で、医療・学校分野における虐待防止法の枠がまだ十分に機能しておりませんので、いずれは法改正も見据えつつ、現在の法29条から31条における事前防止措置をより効果的に進めていくために、普及啓発に関しては、この分野に関しては引き続き強化していっていただければと思っております。
最後の資料9の障害福祉計画の基本指針についてですが、策定を少し後にずらしていくことがなされるということであれば、特に成果目標でうたわれているマル4の一般就労やマル5の障害児支援体制、特に放課後デイサービスは非常に著しい伸びがあったことによるよい面もありますが、様々な弊害もうたわれておりますので、ぜひ実態調査を行って、今後の基本計画に生かしていただけるようにしていただければと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
御要望、御提案が多かったと思いますけれども、事務局から御回答があればと思います。
よろしくお願いします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害者発達支援室長の河村から御説明をさせていただきます。
まず、御意見としてたくさん承っております。井上委員から虐待の専門性のある指導監査の在り方が重要ではないか、竹下委員より認定されなかったものに関して、外部からの検証が必要ではないか、岡田委員からは家族支援の重要性、また、齋藤委員から医ケア児に関する体制整備と人材育成、田中参考人からは虐待に関する実務の向上をきちんと図るための研修、通報に適切な対応がされるような在り方、学校、保育所等の虐待防止法の通報義務がかからない機関に対する引き続きの普及啓発の強化等について御意見を頂きました。いずれについても、しっかりと受け止めて、今後の検討を進めてまいりたいと思います。
竹下委員から、警察の通報の件数について御指摘を賜ったかと思います。まず、養護者の虐待に関しては、通報が寄せられたものの、そもそもその30%強はむしろ警察のほうからその情報が寄せられております。それらが市町村に集約された後に、虐待の対応の過程において、どの件数が最終的に改めて警察に情報が行ったかという点については数字を持ち合わせておりませんので、恐らく把握ができていないかと思います。改めて確認をさせていただければと思います。
それから、マニュアルの改訂の関係のメンバー構成、検討の体制がどうなっているかという御質問を頂戴しております。手引の検討会に関しましては研究者の方、弁護士の方、自治体の職員の方、それぞれの障害者福祉施設の管理者の方々、専門職団体の代表者の方々に参画いただいております。
以上でございます。
○源河企画課長 企画課の源河です。
岡田委員、田中委員から障害福祉計画、障害児福祉計画について御質問を頂きました。
弾力的な取扱いを認めるものの、計画を作成しなくていいというふうにするつもりは全くございません。計画の作成は後ろ倒しになることがあったとしても、御指摘いただいたような必要な支援や、検討、実態把握の手は緩めてはいけないと思っておりますので、その辺は誤解のないようにちゃんと周知したいと思います。
以上です。
○駒村部会長 事務局、よろしいですか。
それでは、時間もオーバーしていますので、今日の議論はここまでにしたいと思います。
今後のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いします。
○源河企画課長 本日は御多忙の中、しかも時間を超過いたしまして御議論を頂きましてありがとうございました。
次回の部会につきましては、日程が決まり次第、お知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
また、今後も、引き続きオンラインやペーパーレスで実施することを予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○駒村部会長 それでは、最後に私から一言お願いしたいと思います。
オンラインのタイプは今日初めてだったと思います。会場にいてフェース・ツー・フェースの議論とあまり変わらない、遜色ない議論ができたと思いますが、オンラインで参加している委員の方におかれましては、何かお気づきの点がありましたら、事務局に御連絡いただければと思います。
それから、比較的にスムーズにいったかと思いますので、事務局と会場を設営していただいた方にもお礼を申し上げたいと思います。
ただ、今日も、どうしてもゆっくり話してくださいと私が言っていても、私自身が、あるいは事務局の皆さんも時間の制約のために早くしゃべっているということになりますので、これはいかがなものかとも思います。時間を十分取る、あるいは後半は重要な議論がたくさんありますので、部会の頻度を上げるとか、工夫をしていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましても、オンラインという選択肢が入ってきましたので、移動時間が節約できると思いますので、ぜひとも日程調整に御協力いただければ、今日、野澤委員からも話がありましたように、重要案件についてもう少し議論を深めることもできると思いますので、御協力いただきたいと思います。
それでは、本日の部会はこれで閉会としたいと思います。
委員の皆様、大変ありがとうございました。

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