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2018年10月24日 社会保障審議会障害者部会(第91回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成30年10月24日(水)13:00~15:00

○場所

ベルサール御成門タワー(4階)
(東京都港区芝公園1-1-1)

○出席者

駒村康平部会長、阿由葉寛委員、井上博委員、内布智之委員、江澤和彦委員、大濱眞委員、沖倉智美委員、菊本圭一委員、北岡賢剛委員、久保厚子委員、小西慶一委員、齋藤訓子委員、斉藤幸枝委員、酒井大介委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、永松悟委員、日野博愛委員、本條義和委員、松田ひろし委員、久松参考人、岸川参考人

○議事

 

○駒村部会長 それでは、これから第91回「社会保障審議会障害者部会」を開催したいと思います。
きょうの予定を事務局からお話しいただくことになるのですけれども、最初に議事の進め方について確認させていただきたいと思います。これは毎回お願いしていて大変恐縮なのですが、事務局においては資料説明をなるべく簡潔にお願いできればと思います。また、各委員からの発言についても、最初に私のほうから発言希望者を募りますので、挙手をお願いできればと思います。私の指名によって発言を始めていただきたいと思います。より多くの委員の御発言の機会を確保するために、簡潔に御発言いただければと思います。なるべく結論を最初に述べていただき、その後、理由、説明をつけていただければと思います。それから、御発言の際にはお名前を名乗ってください。私は慌ててきたので、今、かなり速くしゃべっていますけれども、可能な限りゆっくりと、わかりやすくお話しください。よろしくお願いいたします。済みません。私ができていないかもしれない。できるだけマイクに近寄ってお話しください。御発言の後はマイクのスイッチをオフにしてくださるようにお願いいたします。
それでは、早速内容に入っていきたいと思います。事務局より委員の交代、出席状況、資料の説明をお願いいたします。
○内山企画課長 まず、委員の交代がありましたので、お知らせをいたします。本日初めて御出席の委員を4名御紹介いたします。
全国就労移行支援事業所連絡協議会、酒井大介委員です。
○酒井委員 酒井です。
○内山企画課長 次に、公益財団法人日本知的障害者福祉協会、井上博委員です。
○井上委員 井上です。よろしくお願いします。
○内山企画課長 次に、公益社団法人日本看護協会、齋藤訓子委員です。
○齊藤(訓)委員 齋籐です。よろしくお願いいたします。
○内山企画課長 次に、公益社団法人日本医師会、江澤和彦委員です。
○江澤委員 江澤です。よろしくお願いします。
○内山企画課長 このほかに、本日御欠席でございますけれども、一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長、小林真理子委員が交代となってございます。
委員の出席状況でございますが、本日は菊池委員、朝貝委員、中込委員、中里委員、野澤委員、吉川委員から御都合により欠席との御連絡をいただいております。
また、石野委員の代理として久松参考人に、山口委員の代理として岸川参考人に御出席いただいてございます。
続きまして、事務局の人事異動によりまして、障害保健福祉部の幹部職員の変更がありましたので、紹介をさせていただきます。
橋本障害保健福祉部長でございます。
○橋本障害保健福祉部長 橋本でございます。よろしくお願いいたします。
○内山企画課長 私、障害福祉課長から企画課長に異動いたしました内山でございます。
源河障害福祉課長でございます。
○源河障害福祉課長 源河です。よろしくお願いいたします。
○内山企画課長 得津精神・障害保健課長でございます。
○得津精神・障害保健課長 得津です。どうぞよろしくお願いします。
○内山企画課長 山口障害児・発達障害者支援室長でございます。
○山口障害児・発達障害者支援室長 山口です。どうぞよろしくお願いします。
○内山企画課長 石塚依存症対策推進室長でございます。
○石塚依存症対策推進室長 石塚です。よろしくお願いします。
○内山企画課長 続きまして、本日の資料の確認ですけれども、その前に1点御連絡を申し上げます。厚生労働省におきましては、審議会等のペーパーレス化を推進しておりまして、本日の部会におきましてもペーパーレスで実施をさせていただいてございます。委員の皆様にはタブレット端末を配付しておりますので、資料についてはお手元のタブレットを操作してごらんいただければと思います。操作についての説明書をお手元に配付しておりますが、御不明な点がございましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、御遠慮なくお申しつけいただければと思います。
それでは、本日の資料の確認でございます。
会議次第
資料1 障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画の策定について
資料2 ギャンブル等依存症対策基本法について
資料3 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の開催について
資料4 平成30年4月の放課後等デイサービス報酬見直し
資料5 相談支援専門員研修制度の見直しに関する今後の取り扱い
資料6 障害児の発達支援に係る閣議決定事項
資料7 障害者手帳のカード化について
資料8 障害者虐待防止法附則第2条についての検討、措置状況及び今後の対応について(案)
参考資料 平成31年度障害保健福祉部関係概算要求の概要
なお、本日急遽2点資料を追加しておりまして、これは紙で委員の皆様に配付をさせていただいています。1つ目は公務部門における障害者雇用に関する基本方針、2つ目は障害者優先調達推進法に基づく国等による障害者就労施設等からの調達実績(平成29年度)。2点を配付させていただいています。これにつきましては、後ほど御説明をさせていただきますが、公表後間もない資料であったため、ホームページ等への掲載が間に合ってございません。傍聴者の方につきましては、本日会議終了後にホームページに掲載をさせていただきますので、御確認いただければと思ってございます。お手元の資料に過不足がある場合には事務局にお申しつけいただければと思います。
それでは、報道のカメラの方は、カメラ撮りはここまでということで、御協力をよろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
(報道関係者退室)
○駒村部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
きょうは、今、事務局からお話がありましたように、当初予定していたものに加えて追加の議事もあります。資料もございますので、かなりタイトな予定になっていくと思います。大変申しわけございません。
それでは、議題(1)障害保健福祉施策の動向についてですが、関係する資料は、資料1から資料6まででございます。事務局はこの資料について簡潔に御説明をお願いいたします。
○田仲自立支援振興室長 自立支援振興室長の田仲でございます。
それでは、資料1「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画の策定について」の説明をさせていただきます。スライドを1枚おめくりいただきまして、2ページ目のスライドは、前回の障害者部会で御報告いたしましたとおり、法律の概要を掲載しております。さきの第196回通常国会におきまして、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が成立しまして、6月13日に公布、施行されたところでございます。資料の右下のほうにございますとおり、こちらの法律の中では、文部科学大臣、厚生労働大臣が基本計画を定めることとなっております。
3ページは、この基本計画策定の流れについて示した資料でございます。下のほうに点線囲みの条文をつけてございますが、第二十条におきまして、政府は関係行政機関の職員をもって構成する障害者文化芸術活動推進会議を設けて、施策の総合的かつ効果的な推進を図るための連絡調整を行うものとするとされております。
また、第2項におきましては、前項の関係行政機関は、学識経験を有する者によって構成する障害者文化芸術活動推進有識者会議を設け、その意見を聞くものとされてございます。
したがいまして、上の図にございますとおり、8月8日に政府行政機関の関係者による推進会議を設置いたしまして、9月26日、10月23日に有識者の会議を開催いたしました。この後、ワーキンググループにおきまして各省庁の取り組みとか有識者の御意見等を整理いたしまして、厚生労働省と文化庁が連携して基本計画案を策定する予定でございます。
年末から年明けにかけまして推進会議、有識者会議において基本計画案についての御意見をいただくとともに、パブリックコメント、それから関係行政機関への協議等を行う予定でございまして、上記のプロセスを踏まえまして、年度内に基本計画を完成させたい。このようなスケジュールで進めていきたいと考えているところでございます。
資料1の説明については以上でございます。
○石塚依存症対策推進室長 続きまして、資料2、ギャンブル等存症対策基本法についての御説明でございます。よろしいでしょうか。
2枚目のスライドにありますけれども、今月5日に施行されたばかりの法律でございます。1番の目的におきまして、ギャンブル等依存症は、本人・家族の日常生活・社会生活に支障を生じさせる。また、さまざまな社会問題を生じさせているということで、総合的かつ計画的に対策を推進するということになっております。
ここの資料の8番目にギャンブル等依存症対策推進基本計画がありますけれども、これから施行された後、この計画を策定していくということになっております。
10番のところにギャンブル等依存症対策推進本部ということで、関係閣僚からなる対策推進本部が設置されたところでございます。
3枚目は、今の推進本部の構成でございます。真ん中の構成のところに副本部長として厚生労働大臣が任命されているところでございます。
4ページは、厚生労働省における依存症対策の全体像ということで、少し複雑で恐縮ですが、左のほうに国の役割がございまして、全体的な普及啓発事業とか、全国拠点機関において指導者の育成などを行っているということになります。
右のほうの自治体、都道府県指定都市におきまして医療体制、相談体制を整備していくということで、依存症の方、御家族の方の支援づくりの体制を構築していくということとしております。
5枚目は、専門医療機関の選定状況ということになっております。少し細かいですが、アルコール、薬物、ギャンブル、それぞれ専門医療機関を設置して、患者さんの対応ができるように整備していこうということでございますが、ギャンブルにつきましては、一番右下にありますが、4月時点で10カ所整備しているというところでございます。
6枚目が相談機関ということになります。これにつきましても、一番右側のギャンブル依存症の相談機関として、4月時点で18カ所設置されているという状況でございます。
7枚目のスライドは、厚生労働省の中におきます依存症対策の推進体制ということで、平成28年に設置されているものでございます。大臣を本部長とする本部のもとに各対策チームを設置しておりまして、ギャンブルにつきましても、一番下のほうにございますが、障害保健福祉部長をトップとするチームを立ち上げているというところでございます。
8枚目は、ギャンブル等依存症対策につきましては、昨年8月に一旦対策を取りまとめたところでございます。厚生労働省におきましては、1番目の実態把握・調査研究などを初め、2番目の相談支援・医療提供体制の整備を進めるということにしております。
医療体制のみならず、その他にありますけれども、求職者とか虐待の関係、あるいは生活保護の分野などの施策とも関連して対策を進めていくこととしております。
依存症対策につきましては以上でございます。
○源河障害福祉課長 続きまして、資料3を御参照ください。資料3の1ページには開催要綱を掲げておりますが、障害福祉サービス等報酬改定検討チームについてでございます。平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定の取りまとめに当たって、次期報酬改定においては、サービスの質に関する調査研究を行うなど、サービスの質を報酬体系に反映させる手法等を検討するとされていたところでございます。
これに対応するために、これまで報酬改定の前年度に開催していた検討チームを常設化し、当面ここに検討項目を掲げておりますが、次期報酬改定の基礎資料を得るための各種調査、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴う報酬改定などについて検討を行うこととしております。
2ページ目にメンバーを掲げております。主査は厚労大臣政務官で、アドバイザーとして10名の方に御参加いただいております。
3ページに進め方を記載しております。第1回においては、平成30年度に実施する調査内容について御説明し、各アドバイザーにより御意見を頂戴しました。本日は1回目の資料をお配りしております。2回目は来週予定しておりまして、障害福祉サービス等従事者の処遇改善について御議論いただく予定でございます。検討チームは公開で行っております。この部会には要所要所で御報告させていただきたいと思います。
以上でございます。
○山口障害児・発達障害者支援室長 続きまして、資料4につきまして、私、山口より御説明をさせていただきます。
資料4をお開きいただきたいと思います。放課後等デイサービスにつきましては、本年4月の障害福祉サービス等報酬改定におきまして、この資料の左側に記載がございますけれども、障害児の状態像を勘案した指標を設定いたしまして、報酬区分を設定したところでございます。すなわち、新たに設けた指標によりまして判定を行い、特に支援を必要とする指標該当児を50%以上受け入れている事業所を区分1、それ以外を区分2として、2つの区分による基本報酬としたところでございます。
その後、現場から各市町村が用いている判定方法が実態に即していないのではないかといった御指摘が寄せられましたことから、報酬改定の実態把握をいたしましたところ、特に支援を必要とする児童を50%以上受け入れている区分1に分類された事業所の割合について、自治体の間でばらつきがあることが明らかになりました。
こうしたことから、次のページにございますとおり、放課後等デイサービスの運用改善に向けた取り組みを行いました。具体的には、上の黄色い囲みにございますとおり、保護者等からの聞き取りを行うことなく、書面のみで判定を行った児童等を対象にいたしまして、自治体において再判定をお願いすることといたしました。その際には、その下の黄色い囲みのところでございますが、保護者に加えて相談支援専門員、事業所等からも意見を聞いた上で判定を実施することや、各種手帳の所持状況等の情報も活用して判定を実施することなどに留意するものとしております。
これらの見直しにつきましては、2ポツにございますとおり、10月のサービス提供分から報酬に反映させることができることとしております。今後、こうした見直しによる運用改善の状況についてフォローアップを実施する予定でございます。
続いて、資料5「相談支援専門員研修制度の見直しに関する今後の取扱い」でございます。相談支援専門員の研修制度の見直しにつきましては、本部会の平成27年度の報告書において、その確保と質の向上に向け、実地研修の実施を含めた研修制度の見直しが提言されまして、厚労科研において新たな研修カリキュラム案の開発を行い、本年3月の本部会におきまして御議論をいただいた上で、今年度中に告示を公布することについて御報告をさせていただいたところでございます。
その後、障害当事者団体から新しいカリキュラムの見直し内容について、現場の実態に合っていないとして、この資料の2ページ目の「指摘内容」のところにございますような意見が出されたところでございます。このため、これまで新たなカリキュラム案の内容、あるいは研修実施方法の工夫などについて調整を続けてまいりましたが、現在まで折り合いがついていないという状況にございます。
こうしたことから、今年度における研修制度の改正は見送ることとし、検討の方向性に記載がございますとおり、改めて障害当事者が参画した検討の場を設け、これまでの検討結果を前提として新カリキュラムの内容、及び必要な研修時間等について整理すること。検討に当たっては、障害当事者の参画を前提とし、その際、身体障害、知的障害及び精神障害の各関係者の人数のバランスに配慮した構成とすること。
これまで当部会において議論されてきた経緯を踏まえ、検討の前提として現時点で提示されている新カリキュラム、研修時間で言うと、初任者研修が42.5時間、現任研修が24時間をベースとして検討すること。研修の受講に当たり、障害者の負担が可能な限り少ない方法について検討を行うことという方針で対応したいと考えております。
新カリキュラムの施行時期につきましては、こうした検討に要する期間を考慮いたしまして、2020年度以降とすることとしたいと考えております。
続きまして、資料6「障害児の発達支援に係る閣議決定事項」でございます。ここにございますとおり、昨年末に閣議決定をされました新しい経済政策パッケージにおきまして、消費税率の引き上げによる財源も活用し、3歳から5歳までの幼児教育の無償化を進めることが閣議決定をされております。
就学前の障害児の発達支援、いわゆる障害児通園施設につきましても、あわせて無償化を進めるというふうにされております。
また、下段にございますとおり、ことし6月のいわゆる骨太方針におきましても、就学前の障害児の発達支援について無償化することが確認されておりまして、その実施時期につきましては、一番下の欄にございますとおり、消費税率の引き上げと同時に、2019年10月からの実施を目指すというふうにされております。
そこで、障害児支援の分野における無償化の対象につきましては、2ページの一番左、児童発達支援、医療型児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、これらを対象とする方向で検討しておりますので、御報告を申し上げます。
今後は法制面を含めた検討を進めまして、幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化とあわせ、次期通常国会に必要な法案を提出することとなると考えております。
私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○駒村部会長 ありがとうございました。
では、ただいまの事務局の説明について、皆様から御意見、御質問をいただきたいと思います。
6つの資料はそれぞれ性格が違うものでありまして、それぞれ論点が異なるのですが、分けて議論したいところですが、分けると、きょうはほかの議論がありますので、前半はこの6つの資料について一括として議論したいと思います。大変恐縮なのですけれども、できるだけ簡潔に御発言いただければと思います。お一人2~3分程度でまとめていただくと。2~3程度でゆっくり話せというと、かなり大変だと思いますので、要点をまとめてお話しいただいて、もし資料等の補足説明があれば、後ほど配っていただくとか、工夫していただければと思います。前半部分の議事は2時10分前後ぐらいに一まとめしていきたいなと思っております。
では、御発言予定の方は挙手していただけますでしょうか。では、私の右手から始めたいと思います。松田委員、お願いいたします。
○松田委員 日本精神科病院協会の松田です。
ギャンブル等依存症対策基本法に関連する質問をしたいと思います。IR法案に基づいてこういうものができたいきさつはわかるのですが、最近もっと問題になっているのはゲーム依存。いわゆるゲームに没頭して、日々の生活に著しく障害を来している。特に問題なのは、中学生ぐらいから30歳ぐらいまでの比較的若年層で物すごく多い。これはネットをやりながらネット仲間と課金し合って、要するに、ギャンブル性が物すごい。そこでゲームを競うのです。表向きはひきこもりみたいに見えるけれども、実は激しくゲームを一日中やっていて、食事をとるのも忘れてやる人もいます。こういったことが社会問題化しつつあって、特に隣の韓国ではこれはゆゆしき問題だという認識をされています。そういった意味で、日本でもいち早くギャンブル等依存症対策基本法ができましたから、ぜひそこら辺も含めて今後検討していただきたいと思うのです。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
次に手が挙がったのは日野委員ですか。では、お願いいたします。
○日野委員 身体障害者施設協議会の日野でございます。
障害福祉サービス等の報酬改定検討チームについて、1点お願いをしたいと思います。今回検討チームが常設化されたことと、次期の報酬改定に向けてさまざまな調査が実施されるということで、スケジュールも明示されました。本当にありがたいと高く評価をしたいと思っています。この実態を把握するためには多くのデータをとって、そこからしっかり分析をする。つまり、有効回答率の向上が不可欠だと思います。
私どもの身体障害者施設協議会も、昨年度の報酬改定で経営実態調査等についても、とにかく調査が参りましたら、100%回答というものをしっかりと言い続けてまいりました。今回次期報酬改定についてもこういった調査が参りますので、そこをしっかり言い続けてまいりますが、データを多く集めて有効回答率を高めるという手法をぜひとっていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
手を挙げられていたのは、永松委員、お願いいたします。
○永松委員 全国市長会のほうから出ております大分県の杵築市長の永松でございます。
私のほうは1点。資料3の25ページ、30ページになりますが、障害福祉サービス等の報酬改定の関係の御要望です。障害者、特に障害のある子供に対するサービスが充実されてきております。大変評価しているところでございます。また、福祉人材の確保等、サービス提供事業者の事業継続のための報酬の増額改定も理解はできます。ただ、地方自治体からしますと、高齢化、少子化の進行で税収の伸びがなかなか望めない状況、これからもますます高齢化、少子化が進みますので、地方自治体の財政が非常に厳しくなる。
資料の25ページにもありますとおり、10年間で2倍、この5年間で1.5倍、50%増ということになっております。必要な経費ですから、支払うというのは当然なのですが、市町村の負担率が4分の1ということになっております。今、市町村の状況を申しますと、全国的に災害が発生している。50~60年前に整備した道路であるとか、橋であるとか、下水道であるとか、上水道であるとか、そういったインフラの更新時期にちょうど重なっている。社会保障費は増大する。インフラの関係、それから災害の関係にも備えないといけないということで、非常に厳しゅうございますので、消費税の改定があると思いますけれども、市町村の負担について少し御配慮いただければありがたいなと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
では、斉藤委員、お願いいたします。
○斉藤(幸)委員 日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
3点要望と質問がございます。1つは、今回さまざまな調査を行うということで、私どもも非常に注目しておりますし、実態を知りたいということがあります。ただし、調査を行うという項目の掲げられているところの23ページでは、全体の障害の福祉サービスが表として載っていたと思います。ですが、ここのところには残念ながら数が少ないということで、難病患者の数が載っておりません。
ただ、ページをめくっていきますと、24ページのほうには難病等対象として2698人という形で数字を挙げられております。ぜひお願いしたいのは、恐らく調査をしているのだろうと思いますので、資料を出していただくときに、必ず「難病患者」という文言を入れながら、少数であっても書いていただければありがたいなと思っております。
昨年のこの会議のときに、たしか局長のほうの答弁をいただきまして、難病患者が障害者として一般的に認定されるまでは、いつのときにでも難病患者を障害者の枠の中に入れるのだということを掲げていきたい、そのように回答いただいているものと思っております。これはお願いです。
もう一点です。放課後等デイサービスのほうの報酬の改定ということと、基準の中身の改定というのが載っております。とてもいいことだと思います。でも、私も再三この放課後等デイのことに関してはお願いをしております。文科省が行っておりますインクルーシブ教育を妨げないような形で、保護者等のレスパイトになっていくことを余り考えないような形の中で、子供の発達にとってどうなのかということを視点にしながら、この改定のほうも臨んでいただきたいと思います。試行が始まってから10年たちますので、本来でしたらそのものの抜本的な見直しをどこかでしていただけるとありがたい。このように感じるところでございます。
さまざまな資料について、1点目のお願いと重複するのですけれども、難病患者が障害者の枠に入っているのかなというのがあります。就労対策のところとかさまざまな対策のところに「障害者」という文言が書いてあるのですが、これは私どもも対象になっているのかどうか危うい部分がありますので、このあたりについてもただし書き程度で結構でございますので、加えていただければありがたい。このように感じております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
御質問というのは、最後の部分ということですか。
○斉藤(幸)委員 そうです。
○駒村部会長 わかりました。
では、それは後で。
では、こちら側で北岡委員から手が挙がっていましたか。お願いいたします。
○北岡委員 北岡です。
1つは相談支援事業の延期について発言をしたいと思います。2つ目は障害者の文化芸術について発言をしたいと思っています。
まず、先ほど厚生労働省のほうからこれまでの経緯についていろいろとお話がありましたが、当事者の方という切り出しもあり、そういうことから20年度以降でこの研修を実施するということの御説明がありました。私は、これは次年度、2019年度から実施すべきという意見を持っています。相談支援のこれまでの経緯をここでるる述べるのは控えますけれども、いずれにしましても、現在相談支援事業者の質の向上が求められていまして、そういう中にあって、ことしの3月、この部会の場で特に反対の意見が出ず、みんなで了解をしたという経緯を重ねてきておりまして、そういうことであって、またこの障害者部会でのそういう手続を踏んでいるにもかかわらず、改めて今、厚生労働省からお話があったようなことがあるとしたら、全国で相談支援の事業の研修を新たなカリキュラムでやることに期待している人たちがたくさんいまして、そういうことに対して、この部会としても自分たちの意思決定をしたわけですので、しっかりと予定どおり進めていくべきだと思います。これはぜひ厚生労働省の皆さんにもその方向ですり合わせをいただきまして、実施ができたらと思います。これが1つです。
2つ目は、障害者の文化芸術のことについて、現在文化庁と厚生労働省のほうで基本的な計画の策定について議論が進んでおりまして、この構成員の中には文化サイドの方もいらっしゃるし、福祉サイドの方もいらっしゃって、そういう方々が対等に議論を闊達に進められていると聞いております。この話はとてもいい話だと評価しておりまして、これは国だけでなくて、地方自治体でこの計画がスムーズに立てられ、障害のある人たちの文化や芸術活動が全国各地で、盛んにいろんなものが取り組まれることを期待したいと思いますので、この委員の方にもご注目いただき、この基本計画が実りあるものになることをお願いしたいと思います。これは内閣府の障害者基本計画などにも大きくかかわってくる具体的な事項かと思いますので、くれぐれもこの部会の委員の先生方にも御注目いただきまして、応援していただけたらと思っています。
以上です。
○駒村部会長 では、次に江澤委員、それから井上委員の順番でお願いします。
○江澤委員 まず最初に質問でございます。障害者福祉サービス等報酬改定検討チームを常時設置するということですけれども、この立ち位置について御質問を申し上げます。この検討チームで議論されたことが当部会に上がってきて審議するようになるのでしょうか。今後の方向性について教えていただきたいと思います。
きょう、その資料の4ページに障害福祉人材についても介護人材と同様の処遇改善を行うということで、新しい経済政策パッケージの記載の抜粋がございますが、今、介護のほうでは保険料と合わせて総額2000億円で20万人の介護人材の処遇改善を行っているところでございますが、仮に障害福祉人材が5万人といたしますと、こちらは公費のみですから、500億円規模となりますので、非常に重要な案件となりまして、介護の審議会のほうではこれをどう配分するかとか、いろいろ議論をしている真っ最中ですけれども、そのあたりとの整合性をどうしていくのか。
それから、25ページのところで、最近、費用が9%の伸びを示しているということで、当然需要が押し上げていると思いますが、介護保険の目的と同様に、尊厳の保持と自立支援というところの御議論をこちらの検討チームでお願いできればありがたいかなと思っております。
もう一点は、相談支援専門員の研修カリキュラムで移動が困難な障害当事者が研修を受講しやすくということで、そこはそういった障害者の方の声を十分御配慮いただいて、特に障害者の方が研修を受ける場合には特段の御配慮を御検討いただければ幸いでございます。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
では、井上委員、お願いします。
○井上委員 知的障害者福祉協会の井上です。
相談支援専門員研修制度について、知的障害の方たちは自分で発言とか、伝えることがなかなか難しいわけで、相談支援専門員の研修を実施してレベルアップしていただかないと、なかなか思いが伝わらないわけでございますので、着実で早急な実施をお願いしたいと思います。
もう一点は、先ほど当事者の参画という部分についても、知的障害を持つ人たちが参画した場合、その辺、わかりやすい情報の提示なり一定の御配慮をぜひお願いしたいと思います。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
こちらのラインに入りたいと思います。内布委員が手を挙げているということで、その後、菊本委員の順番で行きたいと思います。お願いします。
○内布委員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の内布と申します。
相談支援専門員の研修カリキュラムの見直しの取り扱いについて発言させていただきます。私が過去に障害福祉サービスのユーザーだったときには、相談支援が法制化されていなかったので、相談支援の利用の経験はございません。ですが、現在の私自身を障害福祉サービスのユーザーと置きかえて考えてみますと、相談支援専門員は、ユーザーである当事者に理解しやすく情報提供してくれる存在。表面的な情報だけではなく、各事業所等のサービスの質も含めて教えてくれる存在。定期的なモニタリングを通してユーザーである当事者のそのときの気持ちを確認して、必要な調整をしてくれる存在ということで、その役割は大きいと考えております。
また、私自身もピアサポート専門員の養成研修を組み立てる立場として、必要な研修内容を削ることができない葛藤や議論を経験してきております。新しい相談支援専門員の法定研修もこれまで不足していた部分を積み上げてきた結果が示されていると思いますので、単に時間数を見直すということだけではなく、研修の質が下がらないように、あと、ユーザーが困ってしまうことがないようにしていただきたいと思います。相談支援は、信頼の置ける相談ができるための質の確保が重要だと思います。私自身も相談支援専門員の資格を取得しており、法定研修を受講し、研修協力を行っておりましたが、これまでのカリキュラムではサービスを受けるユーザーの立場を考えたときに、本当に必要な研修内容を理解するためには、時間数が足りないのではないかと実感しております。ですが、やはりこちらの研修を受講するに当たっての障害特性に合わせた配慮をしていただきたいと思っています。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
菊本委員。
○菊本委員 相談支援専門員協会の菊本でございます。
資料5の相談支援専門員の制度改正について、発言をさせていただきます。先ほどから出ておりますように、この社会保障審議会の中で出席者の方から相談支援専門員の質の向上を何度も指摘していただきました。私もこの会に出席をさせていただいた当初からこういった形で叱咤激励という形で受けておりましたので、そういう意味では、約3年ほどかけて相談支援専門員の質の向上に向けたカリキュラム改正については合意を得たものと理解しておりました。ですので、今回の見直しにつきましては、こういった全ての出席者からの意向を受けて現在があると思っております。ですので、相談支援事業がほぼ全てのサービスに関係する、それからほぼ全ての障害のある方に関係するという点からも、相談支援の質の向上は障害福祉全体の向上につながると考えておりますので、非常に重要で喫緊の課題と思っております。
一方、全国には既に5日間以上の内容の養成研修を行っている自治体もありまして、その地域から特別に障害のある方の参加について、特段配慮が欠けているという声は、今まで私自身は聞いたことがございません。ですが、障害のある方が受講する場合、そこについての配慮が必要だということは十分承知しております。ですので、実施の段階での配慮ということが十分確保されれば、今回のカリキュラム改正への影響も最小限に防げるのではないか。
また、今回のカリキュラム案の中では中断期間というか、現場で実習を受ける期間というのが2回想定されています。ですので、そういう中断期間があるということも、体力的な負担等々については軽減が図れるのではないかと考えております。
また、これまでの研修カリキュラムは、ケアマネジメント技法の普及という意味合いが強い内容で組まれてきたと記憶しております。ですので、現行のカリキュラムでは不足ぎみであると言われていますエンパワーメントであったり、地域づくりの部分、そういった新たな知識や技術を獲得する必要性が大いに生じておりますので、早急に今回のカリキュラム改正を図っていただければと思っております。
相談支援専門員として実務を行う者としては、どちらにしても日々研さんしていくというのは、専門職が求められている非常に大事な責務だろうと思っていますので、できる限りの早い実施をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
このラインだと、久保委員、お願いいたします。
○久保委員 全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
2点御意見を申し上げたいと思います。1点目は障害者の文化芸術に関することでございます。きのう有識者会議がありまして、私もそこに参画させていただいておりますが、議論の中身としては、文化庁における障害者の文化芸術をされている美術館とか文化のところは、モデル事業をしておられますけれども、モデル事業でいいことがあると、さらにお金をつけてそれを向上させるという形になっていまして、それをいい見本として各地に広げていくという仕組みに余りなっていないと思っております。
それと、障害者に対する理解促進というところの人材を育成するというところにも文化庁としてはお金が出しにくい状態のようでございますので、私たち障害者の文化芸術を進める者としましては、福祉のほうからそういう人材育成のことについて予算をつけていただくことはできないかなと思っているところでございます。
もう一点は、相談支援事業所の相談支援のことでございます。今、お話がありましたように、この資料によりますと、エンパワーメントの視点とかセルフケアプランの位置づけということを言われておりますが、私たち知的障害のほうから見ますと、セルフプランをすごくたくさんやっている市町村は、親が自分の子供の今しか見なくて、将来ということは余り想定せずにセルフプランを書いてしまっているということが現状として大変多く発生しております。私たちの育成会としましては、相談支援員をふやすということも必要でありますけれども、それと同時に、初任者のところからしっかりとした研修を積んでいただいて、そういうノウハウをきちんと持った人を育てていただきたいと思っています。
セルフプランではなくて、第三者の目から見て、この人は将来どうあるべきかということも含めたプランを立てていただけるような専門員を希望しておりますので、当初の予定どおり早急にこの形で進めていただきたいと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
次は大濱委員、お願いします。
○大濱委員 脊損連合会、大濱です。
この相談支援員の件で申し上げたいと思います。まず、現行が三十何時間を42.5時間に延ばしたと。それと、現任研修も18時間から24時間に延ばしたということですが、これは私たち障害者にとって、私も初任者研修を31.何時間受けましたが、本当に厳しいのです。1日でも休むと、これはだめですよという形になりますので、それを四十何時間に延ばすということは、障害当事者が相談支援専門員になるという道を閉ざすことになりかねない。なおかつ現任研修の18時間も東京都のを2日間受けましたが、東京都のは2日目になると時間をもてあましているような感じで、はっきり申し上げて内容がないのです。ですから、24時間に延ばしたからといって相談支援専門員の質が向上するとはとても思えないということが第1点。
相談支援専門員の役割は何でしょうかと障害当事者の団体の中で今、いろいろ話し合っていますが、相談支援専門員の役割というのは、障害当事者、障害者自身のエンパワーメントをしないとまずいだろう。先ほど久保委員のほうから知的障害者の話もございましたが、知的の方についても、家族の意見でなくて、知的の方御自身がどれくらい自分の意見を表に出せるか。そういう方をどうやって育てるかということも相談支援員の大きな役割だと思っています。計画相談をつくることが相談支援員の役割みたいなものになっていますけれども、これは違っていると思います。障害当事者の方とずっと意見交換をしていますが、計画相談をつくるということになって、逆に障害者の生活を管理するという形になりかねないということで、計画相談をこのままつくり続けるということがどうなのかという疑問も挙がってまいります。それが現状なのです。
だから、障害者を管理するシステムになったらまずいと思っていますので、障害者自身がみずからの必要な時間数、どうやったら地域で生活できるかということを言えるような障害者をきちんと育て上げるというのが一番大事な相談支援専門員の役割だと思っています。
例えば基本相談、一般的な相談受付みたいなものは全く報酬がついていないのです。したがって、エンパワーメントについても報酬がつくようなシステムにならないとまずいだろう。先ほど社会保障審議会の中で1回ちゃんとこういう形で意見がまとまっているのに、また何でここで蒸し返すのだという話もございましたが、きょうの委員会でもそうですが、8つぐらい大きな議論があるのです。
このとき私が見落としたのは、はっきりいって申しわけないと思っていますが、このときの課題としては、加算の問題、相談支援事業者がみんな赤字だ、それをどうするのだという議論がかなり中心になったように思うのです。それプラス主任相談支援専門員をつくりますよというのが議論の中心で、質の向上云々というのは余り議論されていなかったように思っていますので、ここで改めて時間数を延ばせば質が向上するのかというのは、私たちはそうでないと思っています。はっきりいって現場でどれぐらい障害者と向き合って、現場で向き合った課題について一つ一つ議論を重ねていくということ。そうやって形で障害者がエンパワーメントを高めるということこそ相談支援専門員の役割だと思っていますので、そこら辺の議論がすっぽり抜けて落ちて、現行の相談支援専門員制度そのものももう一回根本から見直す必要があるのではないかと思っています。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
では、竹下委員からお願いいたします。
○竹下委員 日盲連の竹下です。
2点お願いします。1つは資料3の報酬改定チームの件です。この常設化は非常に歓迎したいと思います。その検討チームにアドバイザーを置くということもこれまでの経緯から見て大いに賛成ですけれども、アドバイザーの構成は、ユーザーないしはサービスを受ける当事者である障害者の声が十分に反映されるアドバイザーがそこに含まれていないのではないかという懸念を持っています。この点についてどういうふうにお考えなのか教えてください。これが1点目です。
もう一点は資料4の放課後等デイの問題です。ごめんなさい。資料が見つからない。今回の報酬改定で質の悪い事業所をなくしていこうという目標で報酬改定をやったかと思うのですが、その過程で重度の方の指標がばらばらになったということで、見直しをしたというのだけれども、実態として大きく支援が必要な方がそこにちゃんと含まれているのかどうかという実態をもう少し検証していただきたいと思っています。なぜならば、今、示されている基準によって成り立たなくなっている事業所が出てきているのではないかと思いますので、その点についてお願いをしておきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
ほかにこのテーマでの御発言予定者はいらっしゃいますか。日野さん、どうぞ。ただ、時間が来ていますので、簡潔にお願いできればと思います。わかりました。では、お二人、簡潔にお願いできればと思います。
○日野委員 身体障害者施設協議会の日野でございます。
先ほど言い忘れたのですが、主任相談支援専門員の研修のあり方について、都道府県で実施される場合に、現在でもサービス管理責任者であるとか、新任・現任の研修については、受講希望者が例えば翌年度に回されたりということで、全ての希望者が受講できないという現象が自治体によっては起きているのです。ですから、今回の主任相談支援専門員というのは、報酬にもかかわってきますけれども、恐らくかなりの受講希望者が出てくるだろうと思いますので、ぜひ都道府県への周知、多くの方が受講できるような仕組み、体制づくりというものをしっかりととっていただければなと思います。
もう一点ですが、先ほど大濱さんのほうから相談支援事業者のほとんどが赤字だという話がありましたが、今回の調査の中で例えば担当件数がどれくらいだったかという調査は入っているのですが、収支の調査がこの中には含まれていないと思うのです。ですから、相談支援事業者の経営状況といったこともこの調査の中に含んでいただければありがたいと思っています。
以上です。
○駒村部会長 北岡さんから手が挙がっていました。お願いいたします。
○北岡委員 しつこいのですけれども、相談支援事業、相談支援専門員研修制度の見直しについてもう少し意見を申し上げたいと思います。ちょっとさかのぼると、平成24年度に計画相談支援が始まり、地域移行支援が始まり、それから地域定着支援が始まるわけです。このときに相談支援専門員の増員が課題となったのです。そして、各地で研修の定員と研修の回数をふやす取り組みがこのころから行われてきたと理解しています。いわば相談支援事業所と相談支援従事者の量の確保が重視されてきました。そして、今から3年前、平成27年のこの部会で計画相談支援の質の向上ということと、意思決定支援の取り組みの重視について提言がされたわけです。それを受けて、平成28年に相談支援の質の向上に向けた検討会が実施された。そして相談支援従事者研修のプログラム開発と評価に関する研究が平成29年度まで厚労科研として実施された。そして、この3月の部会でそういう内容が報告され、我々はこの部会の構成員、障害当事者の団体もこの構成のメンバーに入っている中で、では、これでいきましょうというようになったという理解があります。
平成27年からこの間の中で、もちろん軸は、先ほど大濱さんがおっしゃったエンパワーメントというのは、障害のある人たちの相談支援事業としては重要なキーワードであるということは言われていたと思うのです。私は障害者部会の構成団体には参加していない全国の障害当事者団体の方とも意見を交わして、きょう臨んでいるのですが、その人たちは、反対ではない、やっていいではないかとおっしゃるのです。なので、大濱さんが障害当事者の方と話をしているとおっしゃったけれども、こういう意見もあるということは多分御存じだと思うのです。
そんなことで、何にしても100点満点はないのであって、とりあえず計画どおりに実施してみる。そしてまた課題が見つかれば、新たに検討会がいろんなものを立ち上げて検討してみるということ。とにかくいろんなカリキュラムは既に準備されたわけですから、なぜここでそれを延期しなければいけないかという十分な理由にならないと思います。
大濱さんが先ほどおっしゃっていたけれども、厚生労働省から資料が送られてくると、厚生労働省から事前に説明が必要だったらしますよという連絡が来るわけですよ。ですから、この審議会に臨む前にでも、厚生労働省にこの資料の意味はどういうことだということを確認できる時間が十分あるわけでして、それでこれに臨んでいるから。大濱さんもこの時期は委員なわけですから、ぜひそういう観点で議論をしていかないと。終わった後にまた言われるより、1回やってみて、課題はどうせ出るでしょうから、そこで議論を始めるほうが建設的な議論になりはしないかということを申し上げているということを補足したいと思います。
○駒村部会長 ありがとうございます。
事務局からもお話しいただいた上で、またお話の機会を保障しますので、とりあえず一わたりしたところで、事務局からきょうの議論のうちのすぐ答えられる部分と、それから発言の中で検討会の設置とこの研修が特に大きい問題になっていると思いますので、そこを中心的にして議論したいなと思っています。
まず、事務局から一わたりした委員の御質問についてお答えいただけますか。お願いいたします。
○山口障害児・発達障害者支援室長 相談支援のところについて説明をいたしたいと思います。複数の委員から相談支援について御意見を頂戴いたしました。もう一回資料5を開いていただきたいと思います。今、御指摘のあった事項、質の向上が必要だ、相談支援専門員の重要性ということを御指摘いただきまして、私どもとしてもこの相談支援の重要性、また質の向上が重要だということについては、よく認識をしているつもりでございます。
これまでこの相談支援専門員については、研修制度の見直しについてるる議論がなされ、現状に至っているというところでございますけれども、今般障害当事者の団体から御意見がございました。そこの考え方ですが、今、北岡委員のほうからまずはやってみてはどうかという御指摘もございましたけれども、私どもとしては、この相談支援専門員の研修制度が重要であるからこそ、関係団体の理解をきちんと得た上でしっかり進めていきたい、それが安定した制度運営にもつながっていくだろうと考えているところでございます。
ただ、他方で、これまで議論の積み重ねということも当然あるわけでございまして、そうしたことからこの検討の方向性というところをいま一度ごらんいただきたいと思いますが、ここにございますように、改めて障害当事者に参画していただいて検討する。その際には障害当事者のバランス、身体、知的、精神の各関係者のバランスに配慮して進めていくと。
その次でございますが、これまでの議論の経緯もございますので、そうしたことから現時点で提示されている新カリキュラムをベースとして検討するということで、こうした形で関係者の合意形成に努めてまいりたいと考えております。
そして、施行時期につきましては、ここでは2020年度以降とするということで記載をしておりますが、早急に進めるべきだという御意見もこの場で頂戴しておりますので、そうした御意見も踏まえながら、しっかり検討を進めていきたいと考えております。
○駒村部会長 ほかの部分での御質問に対するお答えをお願いします。源河課長、お願いします。
○源河障害福祉課長 障害福祉課の源河です。
複数の委員から資料3に関連して御質問いただきまして、ありがとうございました。報酬改定検討チームの議論の状況については、要所要所でこの障害者部会にも報告させていただく予定でおります。
障害福祉人材の検討でございますが、障害福祉人材の処遇改善につきましては、新しい経済政策パッケージの中でも介護人材と同様の処遇改善を行うと記載されておりますので、きょう御指摘もございましたが、介護のほうの動きは当然踏まえて検討していく予定でおります。
竹下委員から御質問のありましたアドバイザーにユーザーが含まれていないのではないかという点でございますが、この検討チームの中では関係者から必要な意見を聞くことができるとしておりますので、必要に応じてユーザーの方からも御意見を伺うようにしたいと思います。
調査の有効回答率についての御指摘もありましたが、有効回答率を高めるというのは非常に大事でございますので、きょういらっしゃる皆様の御協力もいただきながら、有効回答率を高めて必要な分析が行われるようにしたいと思っております。
御要望としてございました自治体の財政負担でございますが、財政負担に限らず、今後ともいろいろな場面で自治体の皆様方とは、よりよいサービスをどうやって進めていったらいいかという点で御意見交換をさせていただければと思っております。
もう一点、難病等対象者の方について御指摘がございましたが、これを文言としていろいろな資料にどう書きあらわすかという点については一工夫させていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 では、石塚室長からお願いいたします。
○石塚依存症対策推進室長 松田委員よりゲーム依存の関係で御質問がございましたが、ゲーム依存につきましては、WHOのほうで国際疾病分類(ICD11)の中で来年度正式に決定されると思いますけれども、ゲーム障害として位置づけられると承知しております。厚生労働省におきましては、ゲーム依存の実態把握を今年度の調査で行うと考えておりますので、その結果も踏まえて必要な取り組みを進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○駒村部会長 事務局、田仲室長、お願いします。
○田仲自立支援振興室長 障害者の文化芸術活動について御意見をいただいたと思います。
まず、北岡委員から御意見をいただきましたとおり、この計画は、地方自治体におきましては計画策定が努力義務になっております。現在、国のほうで基本計画をつくった上で、それを踏まえてつくっていただくように努めていきたいと思っております。今回の有識者会議には地方自治体の方にもメンバーになっていただいておりますので、計画の内容が実りあるものになりますよう努力してまいりたいと思いますので、この部会の構成員の先生方からも御支援、御協力いただけたらとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、久保委員のほうから障害の芸術文化に関する人材育成に関しての御意見をいただいたところでございます。現在、私どもで補助事業として実施しております障害者の芸術文化活動普及支援事業という事業がございますが、これは都道府県レベルとブロックレベルと全国レベルの三層構造になっておりまして、実はまだ都道府県レベルの事業実施が全国47都道府県で実施されているという状況ではございませんが、都道府県レベルで行われる障害者の文化芸術活動の普及支援事業の中では、芸術活動に関する支援方法とか、あるいは作品の権利の保護、あるいは鑑賞支援といったことに関する相談支援を行うとともに、芸術文化活動を支援する人材育成といったところもこの事業の中身として入ってございます。こうした事業を47都道府県全県で実施できるよう、予算確保と普及に向けて努めてまいりたいと考えておりますので、御支援をよろしくお願いしたいと思います。
○駒村部会長 山口室長、お願いいたします。
○山口障害児・発達障害者支援室長 先ほど触れませんでしたが、放課後デイについては、まず斉藤委員からインクルーシブな教育ということで、配慮するようにという御指摘をいただきました。この点については全くそのとおりだろうと思っておりまして、我々が策定しております放課後デイサービスのガイドラインについても、細かい文言は正確には覚えておりませんけれども、健常な子供との交流といったことも含めて、きちんと進めるようにということをガイドラインにも記載させていただいておりますし、子供の発達の観点からしっかり進めていくことが必要だと考えております。
また、竹下委員のほうから今回の指標の見直しにつきまして、重度の子供たちへの支援が実態としてしっかり含まれているかどうかを確認すべしという御指摘をいただいたと思います。この点についてはこれからフォローアップ調査を実施していきますので、そこの中で実際にこの区分の見直しによった影響について調査をしてまいりたいと考えております。
また、日野委員のほうから相談支援のほうですが、県で行う相談の研修が受けられないということがないように、多くの人がきちんと受けられるようにという御指導をいただいたところでございます。これにつきましても、そういう研修の場が十分ではないのではないかという御指摘も聞いているところでございます。県と協力しながらしっかり進めていきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 事務局から一わたり答えが出たという理解でよろしいでしょうか。
2つ大きな議論がありまして、1つは検討委員会が常設されるという点でありますが、委員の皆様からも位置づけ、それから当事者参加の担保はどうなっているのかというお話がありました。当然ながら報酬は制度のアクセルであり、ブレーキであり、実質的な部分を非常に左右するところであります。こういった検討会が常設される。しかもきちんとしたデータに基づいて議論していただくということは大変いいことだと思いますが、一方で、当部会が形骸化したり、先に決まってしまったようなことを追認するというような立場になっても困ると思いますので、先ほども当事者参加という議論がありましたけれども、当部会のほうからも意見を出させていただきますし、適宜適切な時期に、決まったからという報告ではなくて、こちらから意見が出せるようなタイミングで連携していただきたいと思っています。これは事務局にもよろしくお願いいたします。委員の皆様も多分そう思われているのではないかと思いますので、その辺、よろしくお願いいたします。
もう一個のほうは御意見が2つあるわけでありまして、これは事務局と相談して、何ができるのか、どこまで対応できるのかという話をしなければいけないわけでありますが、1つは十分な議論ができた上で決まった話であると。手続的にも1回決まった話をまた何度も何度も議論していくというのは、今後の例として余りよくないということも起きるのではないかと。一方で、実態から考えてもう一工夫できないのかという意見。あるいは大濱委員のほうは、全くなしにしてガラガラポンにしろというところまでおっしゃっているのか、工夫をしてくれとおっしゃっているのか、この辺は大濱委員から先ほど手が挙がっていましたので、今までの御議論に対して御発言いただければと思います。
○大濱委員 ありがとうございます。
前回のこの部会については、そのメルクマールについては、報酬改定とかが多分メルクマールだと思ったのです。それが中心になっていたということもあって、これは確かに細かいところまで議論できない。例えばきょうにしても、今、2時半近くになっていまして、2時間ぐらいの中で全てをぴちっと議論できるかといったら、そんなことは絶対ないと思うのです。後から問題が起こってきて、その後、厚生労働省といろいろ話したりするというのが実態だと思っています。
相談支援の加算についても、後から厚生労働省から数字を聞きますと、どうもこのままの加算では実際に厚生労働省の担当部署が言ったような数字にならないということで、加算の仕方をもうちょっと緩くしないとなかなか事業所は収入がふえないということで、いろんな話し合いをその後もしたという経緯があります。
そのようにこの部会の2時間の中で全てを議論するのというのは不可能に近いと思っています。大事なことをできるだけ議論しているつもりですが、どうしてもそういう形で見落としたということはあります。ただ、31.何時間、現行でも非常に厳しいという現状の中で、さらにこれをふやすということは、障害当事者の相談支援を締め出すような形になりかねないと思っているのです。それで危機感を持ってこういう形で発言をさせていただいて、ここについてはもう一回きちんと議論させてもらいたい。
これを本当にゼロからということであれば、私たちは場合によってはそれが一番いいかなということも議論の中ではありました。だけど、そうではなくて、一応私たち当事者同士の仲間内で話し合った案も厚生労働省に出させていただきました。そういうこともたたき台にして、できればもう一度議論のし直しをきちんとしていただきたいということで、私たちは意見を申し上げております。
以上でよろしいですか。
○駒村部会長 ありがとうございます。
今、御指摘もありましたように、確かに一回一回の限られた時間の中で深められない部分もある。北岡委員がおっしゃるように、事前資料を十分見ているではないかという反論もあるとは思います。これだけメンバーが多い部会でございますので、日程調整で、皆さんが会う日をそう何度も何度もというわけにはいかなくなって、どうしても詰め込んでしまうということで、議事運営、大変御負担をかけて申しわけございません。
今のようなお話がある一方で、事務局としては、先ほど御発言があった施行時期の問題とともに、足並みをそろえたいというお話もあったと思います。今の大濱委員の意見を踏まえると、どのくらいまで対応可能なのかということで、もちろん議論をし直して同じ結論になるということもあるとは思いますが、あるいは幾つかの工夫をするということもあるのかもしれませんけれども、事務局として考えられるものとしては、限定的に期限を切ったような検討会をして、実施時期を少しおくらせるということができるかという理解でいいのでしょうか。その辺は何ができるのか、できないのか、そんな議論をできる余裕はないですという状況なのか、ちょっと確認させてください。
○山口障害児・発達障害者支援室長 ありがとうございます。
まず実施のタイミングですが、これは都道府県で検証していただくというスキームになっておりますので、基本的には年度単位で実施するということになると思います。年度途中から違うカリキュラムに切りかえるというのは、現場も混乱する可能性がございますので、基本的には年度単位で考えるということだろうと思っております。
その上で、何年度からということになるわけですが、これから検討の場を設けまして議論を重ねていくということで、あらかじめ期限を先んじてこのときまでにという見通しを今の段階で申し述べることは困難ではございますけれども、議論がまとまれば2020年度から実施できるように、今、この場でも議論いただきましたので、早くやれという御議論もありましたので、そういったことも踏まえながら調整に努めてまいりたいと思います。
○駒村部会長 質の向上に関しては、皆さん、気持ちは一緒なのですね。その内容について、大濱委員から現場に合わせて工夫をしていただきたいと。委員の方からはなるべく早くお願いしたいということで、今まで決まったとおりでいいのではないかというお話もあったわけであります。
これまでの経緯を踏まえると本当は難しいところかなと思うものの、今、事務局からもありましたように、検討会を設置して、施行時期を年度単位でおくらせるということは技術的には可能なのかということだったと思います。この考え方はどうでしょうか。委員の皆さんのほうはかなり難しい顔をされているかと思いますが、一方では足並みをそろえたいと。大濱委員、お願いします。
○大濱委員 もう一点追加で申し上げたいのは、42.5時間の初任者研修の時間が出てきた背景として、科研費を使った委員会そのものが、全く障害当事者が入っていない委員会なのです。科研費を使った委員会がずっと開かれて、42.5時間が決まったということでして、私たちはこの42.5時間の質の向上という文言の中に障害当事者の意見が入っていないという認識をしています。
○駒村部会長 本来そういうことも含めて3月のうちに議論をしていただきたかったところではありますけれども、現行どおりで押し通しても足並みがそろわないということを危惧されるならば、施行時期をおくらせて、検討会でもう一度、どういうことができるかということはまた議論があるとは思いますが、するという形で、皆さんのほうから強い反対がなければ、対立する中で大変申しわけないのですけれども、まとめさせていただきたいと思うのですが。沖倉委員、どうぞ。
○沖倉委員 沖倉です。済みません。時間がないところ、発言させていただきます。
今、議論になっている新カリキュラムの検討にかかわった立場として申し上げさせていただきます。厚労科研の一員として担当させていただいた立場で言えば、大濱委員が御指摘の当事者の方が直接的に委員として入っていただくことができなかったというのは、配慮に欠けていると思っています。ただ、今までほかの委員の方々、私よりもずっと長く相談支援のことを研究したり、実践されたりしている方の御発言もありましたが、突如として湧き上がったカリキュラムではなくて、これまでのいろんな実践や研究の積み重ねがあってこの提案になっているというのがぜひ申し上げておきたいことです。
それと、お話を伺っていて悩ましいなと思うのは、相談支援専門員に求められている質という部分で、エンパワーメントであったり、あるいはセルフケアプランという話がありましたけれども、私はよく申し上げているのですが、皆さんの合意が得られるかわかりませんが、セルフケアプランの作成を支援するのが相談支援専門員の役割だと思っているのです。というのは、主体は御本人であって、それをサポートするのが相談支援専門員なので、そのことに矛盾はないですし、おっしゃっていた当事者を管理するようにならないようにとか、あるいは勝手につくらず、当事者の声をベースにつくるというふうに考えれば、より研修に時間がかかるのはいたし方がないことだと思っています。
議論の過程を申し上げれば、もっと多くの時間を費やす予定でした。ただ、それは現実的に不可能だと思ったので、どこを削って、どこを残していくかというのをかなり丁寧に議論したつもりでいます。それだけは申し上げておこうと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
なかなか結論が出ない話でありますけれども、私の判断で施行時期の延期と検討会設置ということで準備していただくということで、ただ、こういう議事の進め方は前例としたくないので、十分に事務局とコミュニケーションをとっていただき、情報共有していただき、事務局も私も議事の時間を十分とらなければいけないということ、反省しなければいけない部分もありますが、一度決まっていたものを何度もということは余りよい前例とは思いませんので、前例とはしないということで、事務局のほうとしては、今、確かにそういう詳細な情報をいただきましたけれども、施行時期の延期と検討会の設置ということで進めていただきたい。
委員の皆様もいろいろ思うところはあると思いますが、まとめなければいけないので、そういう形でまとめさせていただきたいと思います。よろしいでしょうかというか、これを判断しなければいけないと思いますので、判断させていただき。どうぞ。
○北岡委員 座長がそのようにまとめられるのであれば、私はそれに反対は言いませんが、全国に新しいカリキュラムで相談支援事業の研修を待っている人たちがいるということだけは改めてここで申し上げたいと思います。我々がかかわったり、きょうここに向かうために障害団体の全国組織の方と会って話をしてきましたが、そういう人たちは賛成をしているということもあわせてお伝えしておきたいと思います。座長の御判断ですから、それにとやかく言うつもりはありませんが、おくれる場合、厚生労働省がどのようにそういう方々の期待に対してメッセージを出されるのかということがすごく重要なことになりますので、くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
○駒村部会長 関連する人に非常に落胆させるようなことが起きたり、その意欲が低下してしまうようなことや、予定が変わってしまうことが非常に危惧される意見があったわけでありますけれども、そういうことがないように、さらにこの情報を自治体のほうに通知していただくということで御対応願えればと思います。
本当に時間が押していて、もっと議論しなければいけないテーマなのですが、本当に申しわけないのですけれども、ほかにも議論がありまして、小西委員は次のテーマの御発言予定があったわけですが、その機会を保障できなかったということで、後で書面か何かでいただくのでしょうか。大変申しわけございませんが、次の議論に入っていかなければいけないと思います。
事務局のほうからこれまでのことで何かありますか。
○橋本障害保健福祉部長 相談支援専門員の件につきまして、いろいろ御議論いただきましてありがとうございます。結論につきましては、今、部会長のほうで出していただいたわけでございますが、先ほど来御意見が出ておりますように、質の向上ということを待ち望んでいる方がたくさんいらっしゃるということは、私ども事務局としても肝に銘じ、できるだけ早く結論を得られるように最大限の努力をしてまいりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○駒村部会長 それでは、議題(2)障害者手帳のカード化について、事務局から説明をお願いいたします。
○内山企画課長 それでは、資料7「障害者手帳のカード化について」をごらんいただければと思います。御案内のように、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳につきましては、紙の様式を法令で示してございます。これをプラスチックのカード化にしてほしいという御要望はこれまでもあったわけでございますが、いろいろと手帳に情報を加筆していくような仕様となってございまして、これまではなかなかカード化が実現してこなかったわけでございます。
一方で、健康保険証などは既にカード化をされておりますし、マイナンバー制度が普及してまいりまして、また、情報連携という仕組みもできているということでございますので、自治体において必要な情報を効率的に取得できる環境が整いつつあるということでございます。
そうしたことから、障害者手帳、特に身体障害者手帳、精神障害者の保健福祉手帳をカード化することを可能とする方向で検討させていただきたいと思ってございます。1のところですけれども、身体障害者手帳は更新がない仕組みになってございまして、補装具の支給状況などを加筆していきます。精神の手帳につきましては2年更新となっておりまして、更新日を加筆していく仕様でございます。この手帳につきまして、自治体の選択により、従来の形でも結構ですし、プラスチックカード化することもできるように。今は従来の紙しかできない形になっていますが、プラスチックのカード化でもできるように、そうした方向で検討させていただきたいと思ってございます。
なお、その下の論点に書いていますように、更新日をどういうしていくかとか、あるいは当事者が手帳型かカード型か選択できるような仕組みとすべきでないかといった論点もございますので、詳細については今後さらに詰めさせていただきたいと思いますし、その際にはこれまでいただいているような御意見や皆様からの御意見も反映させた形で詳細について詰めさせていただきたいと思ってございます。
2ページ目は現時点で想定をしていますカード化した場合の様式でございます。
説明は以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
カード化については独立して議論することになっております。日身連の小西委員は御都合で退室されるということで、私がメモを預かっておりますので、私がかわりに日身連からの御意見を御紹介したいと思います。
今般検討されている障害者手帳のカード化については、日身連においても加盟団体から紙製から経年使用可能なカード化への声もいただいているところですが、その一方で、今回のカード化検討の論点で示されることに加えて、以下のような課題の検討も必要であると考えます。
御本人が手帳型かカード型か選択できる仕組みの検討が論点として示されているが、現行仕様ではプライバシーへの配慮として必要な情報以外、住所、生年月日、保護者、障害名、身体障害の種別等については手帳内部に記載されていることから、カード化になった場合の表面の記載事項の検討に加え、カード内部に記載されている事項には補装具の支給状態のほか、減免事項等もあり、裏面のスペースが足りなくなることも懸念されていることから、必要なあり方についても丁寧な議論をいただきたい。
公的機関の窓口等における本人確認のための身体障害者手帳の身分証としての効力が、現状2点提示が必要な証明書類に分類されているが、例えば身体障害者に5年以内に撮影した顔写真を使用することで、運転免許証と同等に1点の提示で使用できる身分証明書への取り扱いについても検討いただきたい。
文面をそのとおり読み上げています。小西委員からこういうメモが提出されております。
では、ほかの委員のほうからこのカード化についての御意見をいただきたいと思います。かなり時間も詰まっており、恐縮ですけれども、簡潔にと思っております。竹下委員からお願いいたします。
○竹下委員 竹下です。
短く2点です。1点は、カード化には異論がありませんけれども、カード化に当たっては視覚障害者がさわっただけでそれが身障手帳のかわりのものであるということがわかるように、切り欠き、さわってわかる形にしていただきたい。これが1点です。
もう一点は、日身連と重なる部分があるわけですが、身分証明書につながるためにも、近い将来にIC化を早急に検討していただきたい。
以上です。
○駒村部会長 大濱委員、お願いします。
○大濱委員 カード化について、あちこちの団体に聞いて回っていました。何点か問題があるのですが、手帳そのものが医療モデルということになっていますので、社会モデルの視点からすると、手帳そのものがどうかという議論までなる可能性があるというのが1点。
もう一つは、今、韓国でこれの問題で、手帳を医療モデルでなくてカード化にしようということで、社会モデルということで、国の中でもめていると聞いています。そういう情報も入っています。
それはともかくとして、私たち団体としては、カード化するのであれば、ICカード化してほしいという意見が一方ではあります。高速道路で障害者割引などがありますが、そういうとき本人をそのカードで認識して車の割引をするとか、そういう形でIC化してもらったほうが非常に使いやすいのではないかという話も一方であります。
その一方で、カード化については、障害者がこのカードによって管理される。先ほど小西委員からあったように、いろんな情報がこの中に入っていますから、それで管理されることについては問題があるから、そういうことを考えますと、カードにしてほしい人については、私はカード化にしてくださいと。そうでなくて、従来の手帳のままのほうがいいという人は手帳のままにする。そういう選択できるような制度が必要なのではないかと思います。
以上です。
○駒村部会長 こちらのライン、久保委員、阿由葉委員の順番でお願いします。
○久保委員 育成会の久保でございます。
手帳のカード化というのは、知的障害のほうも本人が長年望んできたことでございますので、そういう意味ではいい方向に向かっていると思っております。ただ、知的障害の場合、落っことしてしまって失いやすいという現状も山口県では起こっているということがありますので、それは本人が気をつけるということであると思いますが、一方で、身体障害の方も多分そうだと思うのですけれども、知的障害も重度の方になると、一定の年齢で手帳の更新はないわけです。そうすると、写真が本人と随分違ってくるというので、飛行機などの障害者割引となると、これはあなたですかということで、なかなか認めていただきにくい、押し問答があるということも聞いておりますので、その辺のところを何か工夫ができたらなと思っております。
以上です。
○駒村部会長 阿由葉委員、どうぞ。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
障害者手帳のカード化につきまして、カード化に踏み切るというのは大変いいことだと思っております。障害者手帳の名称について、1点意見です。身体障害者手帳、精神障害者福祉手帳、療育手帳について、名称をこの中で書かれている精神障害者保健福祉手帳の記載予定の「障害者手帳」に統一し、その上で障害の状況を記載するようにしてはどうでしょうかということが私たちの意見です。意見出しの背景としましては、名称の統一によりまして、今までそれぞれの手帳を取得する際の精神的なハードルが低くなり、これまで取得をちゅうちょしていた方も取得しやすくなるのではないかと思っております。
また、報道等で御案内のとおり、女性歌手のライブツアーにおいて、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を身分証として提示した方が入場を拒否される事案が発生しております。本事案は身分証として認められる障害者手帳が周知されていないことが原因だと考えられると思っております。
また、療育手帳は、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳と同様に、都道府県知事などが発行する障害者手帳であり、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、それぞれの福祉法に記載されておりますが、知的障害者福祉法に障害手帳の記載がないことから、各自治体独自の施策となっており、名称も統一されておらず、周知することが困難となっていると考えております。
このため、療育手帳の目的である一貫した指導・相談等が行われ各種の援護措置を受けやすくするということが、今回のように損なわれてしまうことがありますので、その根拠法への記載も含め、他の手帳とあわせて「障害者手帳」という名称に統一すべきであると考えています。
障害者手帳のイメージについてですが、表面にあります保護者氏名、続柄というのは不要ではないかと思っております。障害者のプライバシーを貫徹する、表示する内容を検討するべきだと思っております。
裏面に関してですが、注意事項にある表記は変更を検討するべきではないかと考えております。この手帳の交付を受けて更生しようとなさる方は、国、都道府県、市町村などができるだけのお世話をすることになっています。このような表現がきちんと改正されるべきだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○駒村部会長 ありがとうございます。
こちらのラインに入ります。江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員 「自治体の選択により、カード化を可能とする方向」と書いてありますけれども、カードを利用される方が不平等とならないように、住む自治体によって利用者が選択できる、できないということが余り生じないように、自治体が選択しやすくなるような配慮等も必要であれば今後検討願いたい。1点でございます。
○駒村部会長 では、斉藤委員、お願いいたします。
○斉藤(幸)委員 日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
私どもが加盟団体の方々にお話を聞いたところによりますと、カード化については非常に賛成しているという方が多うございました。ただし、カード化がイコール等級の見直しにつながるのではないかという懸念を持っておられる方も多くおりましたので、説明のときに、これはあくまでもカードにするだけのことだということを十分周知していただければと思います。特に赤ちゃんのときに障害者手帳をとった方は、赤ちゃんの写真が張ってあって、そのままで、交通の割引とか入場の割引のときなどに非常に違和感を持たれたり、不正使用をしているのではないかという疑いの眼で見られるということがありましたので、これはこの機会に更新ではなくて、単にカードをつくるだけのことだということで、写真も変えていただくような、そういう説明をしていただければありがたいと感じております。よろしくお願いいたします。
○駒村部会長 ありがとうございます。
ほか。本條委員、お願いします。
○本條委員 みんなねっとの本條でございます。
カード化に反対するものではありませんが、一つ懸念がありますので御質問いたしたいと思います。カード化した際には写真が必須となると伺っておりますが、写真のないものについては手帳のみで、カードでは対応できないということになるのかどうか。できればそういうことがないようにしていただきたいと思います。
もう一点は、先ほど阿由葉委員からもお話がありましたが、この際、手帳制度そのものをもう少し検討するべきではないかと思っております。といいますのは、雇用率の水増し問題でも、原則手帳所持者であるということになって、原則がそうであるから、例外のところでいろいろ問題が生じたわけでありますから、障害の範囲、あるいは障害手帳というところをもう一度原点に戻って明確にすべきであると思います。
○駒村部会長 ありがとうございます。
久松参考人のほうから御発言願います。
○久松参考人 全日本ろうあ連盟の久松です。
全日本ろうあ連盟ではICカードが必要だというふうに毎年要望をしております。ICカード化につながるということで、今回賛成しております。
この場をかりてお願いしたいのですけれども、まず身体障害者手帳の更新というものが、行政によりまして手続をするときにいろいろとトラブルになることが多うございます。手続を簡単にできるような状況をつくっていただけるとありがたいと考えます。
また、ICカードをつくることによって何がいいのかということを考えましたときに、例えば私、全国の災害支援として行政といろいろと交渉する際に、いろいろな手帳があるかどうかというところで確認をいたしますけれども、行政が持っている身体障害者手帳のデータというものが完璧ではないのです。いろいろな行政に行きますと、身体障害者手帳は、本人が亡くなられて、住民課に手続をしに行くのですが、本来は福祉課のほうにも手続に行かなければいけません。住民課のところに手続に行って手続はするのですが、福祉課のほうに手続をしないという例もあって、手続を持っている方が亡くなられているのに、そのまま生きているような状態になっているということがございます。
ですので、それぞれの自治体によっていろいろなこがあると思いますので、ICカードによって手続を簡素化するということ。また、正確なデータ管理ができるということ。障害当事者のほうが利用しやすく、便利になるということ。また、行政としても手続の簡素化につながると思いますし、正確性が担保されることにつながるかと思いますので、そういう意味で、ICカードにつながるということを考えると、今回のカード化ということはありがたいと思っております。
もう一つですが、先ほど説明を聞いておりましたときに、まず参考例として山口県がやっているという例がございました。山口県でこのカードを使うことになってどんな課題が起きているのか、また、効果はどうだったのかということについての情報をいただけるとありがたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
委員の皆様からは反対という意見はなかったと思います。ただ、幾つか御質問とか御意見がありました。
今の段階で事務局から回答できることはありますか。
○内山企画課長 たくさんの意見をいただきまして、ありがとうございます。先ほど御説明させていただきましたように、プラスチックのカード化ができるようにするというのが今回の御提案でございまして、詳細については、今いただいた意見も踏まえてまた詰めさせていただきたいと思っています。
なお、簡単にいただいた御質問にお答えいたしますと、小西委員や大濱委員からありました御意見のとおり、基本的には当事者の御希望によって手帳型かカード型の選択をしていただきたいと思ってございます。
それから、今、申し上げた今後詳細を詰めるということとも重なりますが、竹下委員からいただいたように、さわっただけでわかる切り欠きを入れるとか、あるいは小西委員からいただいた裏面の記載事項の不足への配慮といったことについては、今後詰めさせていただきたいと思っています。
また、IC化についての御意見もいただきましたけれども、一方で、マイナンバーカードにこうした情報も入れて、それが使えるようにということも今後検討されていくと思っていますので、IC化ないし交通の事業者などでの利用については、そうしたマイナンバーカードでの検討もあわせて今後検討を進めさせていただきたいと思ってございます。
写真と身分証明書として使うという点についても御意見をいただきましたけれども、写真につきましては、現状では再交付の手続で対応も可能かと思ってございますが、身分証として1点だけで使えるかというのは、それを使用する側の問題もありますので、今後の普及状況によるものではないかと思ってございます。
また、斉藤委員から等級の見直しにつながるのではないかという御懸念がございましたが、そうしたことはないということでございますし、そうしたことは周知をさせていただきたいと思ってございます。
また、療育手帳は自治体の判断でカード化できますので、山口県ではカード化をしているわけでございますが、山口県でのカードの希望は、今、3~4割カード化をされているということ。そして持ち運びやすいとか汚れにくいというメリットがある一方で、特段のトラブル、苦情といったデメリットは把握をしていないと聞いてございます。
最後に、手帳制度そのものについての御意見もございましたが、これはそれぞれ法律、身体障害者福祉法などでも今、定められているものでございますので、今後障害者総合支援法の3年後見直しなどの議論もございますので、そうした際にあわせて検討させていただければと思ってございます。
以上です。
○駒村部会長 今の御意見を踏まえて検討に入っていただきたいと思います。検討の場とか定期的な報告というのはあるのですか。
○内山企画課長 今回具体的な方向性を示させていただきましたので、なお、関係者の方が交通の事業者などでも使う場面が多いと思いますので、そういうところにも御説明あるいは調整をさせていただいた上で、またこの部会でも報告をさせていただければと思ってございます。
○駒村部会長 よろしくお願いします。
では、次の議題(3)その他に入っていきたいと思います。報告事項について、事務局から説明をお願いします。
○山口障害児・発達障害者支援室長 資料8をごらんいただきたいと思います。障害者虐待防止法附則第2条についての検討等についてでございます。障害者虐待防止法につきましては、同法の附則第2条におきまして、資料の上段にございますとおり、政府は、法施行後3年を目途として、法律の施行状況等を勘案して検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることとされております。
こうしたことから、資料の中段にございますとおり、これまで第5期障害福祉計画の策定のための基本指針に虐待防止の取り組みについて追記を行うとともに、平成29年度の調査におきまして、法附則第2条に規定する各機関等における虐待防止のあり方等に関する検討を行ってきたところでございます。
今後の取り組みといたしましては、資料の下段にございますとおり、本年度の推進事業におきまして、養護者支援における対応策の収集、関係機関における個別事例の対応や防止策の検討を行うとともに、あわせて本年度の厚労科研によりまして障害者虐待防止に向けたより効果的な研修プログラムの開発等について研究を実施することにしております。
さらに、これらの成果を踏まえまして、国が策定しております「障害者虐待の防止と対応の手引き」の改定、あるいは国研修でございます障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修におきまして、附則第2条関係を踏まえた対応について盛り込むことを予定しております。
私からの説明は以上です。
○源河障害福祉課長 続きまして、本日紙媒体でお配りしております資料2点について御説明させていただきます。
まず、1点目の公務部門における障害者雇用に関する基本方針でございますが、1ページ目からが概要、5ページ目からが本文となっております。本来は障害者雇用の話でございますが、大きな問題なので、この部会でも御紹介させていただきます。概要のほうで御参照ください。構成といたしましては、1ページ目で「1.今般の事態の検証とチェック機能の強化」ということで、左側に「厚生労働省における取組」を、右側に「各府省における取組」を記載しております。
2ページ目は、2番目といたしまして「法定雇用率の速やかな達成に向けた計画的な取組」ということで、最初の○でございますが、平成31年末までの障害者採用計画を各府省が策定しております。これは具体的には14ページを御参照いただければと思います。各府省にそれぞれ障害者である職員の不足数がございまして、採用予定数、採用予定数の合計を記載しております。これが平成31年末までの障害者採用計画でございます。
それ以外に合理的配慮指針をつくったり、障害者雇用マニュアルをつくったりすることになっておりますが、本部会との関係で申しますと、一番下の段に障害者就労支援機関等との連携というのがございます。これは本文で見ていただきますと9ページのウの部分でございます。具体的には厚生労働省が就労移行支援機関や特別支援学校等の見学会を実施すること、障害者就労支援機関にも各府省の求人情報をハローワークにおいて提供すること、各府省で就職した障害者を支援している就労支援機関等と連携し、円滑な定着に努めることが挙げられております。
概要のほうに戻っていただきまして、2ページ目の右側が3点目「国・地方公共団体における障害者の活躍の場の拡大」でございます。具体的には障害者が活躍しやすいように推進体制を整えること、相談窓口を設置すること、人事管理として早出遅出勤務の特例や、フレックスタイム制の柔軟化等を措置することが掲げられておりますが、当部会に関係ある箇所といたしましては、一番下の段、障害者優先調達法に基づく、障害者就労支援施設等からの物品等の調達の推進というのがございます。本文でごらんいただきますと、11ページから12ページにかけてでございます。
11ページの下の段、イのところからでございますが、具体的にはおめくりいただきまして、12ページの上から3行目に具体的な対策を掲げております。各府省が調達方針において定めている目標の達成に向けて取り組むこと、厚労省が各府省に対象となる障害者就労施設等に関する詳細な情報や創意・工夫等をしている取組事例を提供することなどが掲げられております。
概要をおめくりいただきまして、3ページ目、4番目の項目といたしまして「公務員の任用面での対応等」ということで、障害者を対象とした常勤採用の枠組みを設けること、ステップアップ制度の枠組みを導入することなどが書かれております。
最後に、5番目が「今後に向けて」でございます。この基本方針をつくる段階で、国会あるいは政府でさまざまなヒアリングが行われておりまして、この中で御対応いただいた方もたくさんいらっしゃると思います。ありがとうございました。そこでも多く指摘がございましたのは、数合わせに終わらせないようにという点でございましたので、障害部としても障対課と連携してしっかり取り組んでいきたいと思っております。
もう一点の資料は、本日10月24日、プレス発表いたしました障害者優先調達推進法に基づく国等による障害者就労施設等からの調達実績というものでございます。これは数字をいろいろ掲げておりますので、後ほど御参照いただければと思いますが、優先調達の関係に関しましては、基本方針の点も踏まえまして引き続き取り組んでまいりたいと思います。
説明は以上です。
○駒村部会長 おおむね時間が来てしまっていますけれども、雇用率の話というのは、当部会としても大変重要な話なので、いろいろと意見を申し上げなければいけない部分があると思います。大変恐縮ですが、15分ほど延長させていただきたいと思います。
ただいまの事務局からの2つの御報告について御意見、御質問があれば、挙手をしていただければと思います。いかがでしょうか。こちらから回っていきます。まず、酒井委員からお願いします。
○酒井委員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。
中央省庁を中心とした公的機関の障害者雇用の水増し問題の報告についてですけれども、この問題は大変残念で、遺憾であります。今週公表された検証委員会による報告書では、障害者雇用制度の理解に努めようとすることなく、恣意的に解釈していたということまで結論づけられておりまして、これは障害のある方のみならず、共生社会の実現に向けての施策や就労支援、障害者雇用に関係する者の背信行為だということで、その先頭に立って就労、雇用の支援をしている私たちの立場からして、本当に怒りがおさまりません。
その中で、一部報道によると、今年度中に4000人ほどの雇用を目指すということも報道されております。就労支援の機関の立場として、肌感覚としては一気にこの人数を各省庁に任せるだけのスキームで採用するのはとても難しいのではないかと感じております。今まで雇用したことがない障害種別の人を現場任せにするというのは、絶対失敗すると思いますので、先ほどの説明にもありましたが、支援機関をたくさん使っていただくということと、入り口の部分の人事関係者だけで対応するということなく、中央省庁職員全体で取り組んでいく、そんな気概を持ってやっていただきたいなと思います。
あわせてですけれども、障害保健福祉部に向けては、先般、障害者雇用対策課では研究会というものも別で開催されておりました。その中では障害福祉に関係する内容も多く議論されておりましたので、今回の件の対応とあわせて引き続き雇用と福祉の連携をよろしくお願いしたいと考えております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
皆さん、酒井委員と同じような気持ちだと思います。本部会にもかかわるところがあると思いますので、適宜情報共有、意見を言わせていただきたいと思います。
続けて、井上委員、お願いいたします。
○井上委員 障害者虐待防止法の関係ですけれども、知的障害者福祉協会としても大変な関心でございます。というのは、障害者虐待の7割が知的障害の方たちという形で、まして私たちの支援者による虐待も多いということなので、協会としては虐待の根絶という部分に関してメッセージを発信していきたいと思います。
2ページ、追加記載事項の中で各事業所に虐待防止委員会なりを設置していくというのは、大変有効な手段ではないかと思いますので、協会としてもこういう流れで進めてまいりたいと思っております。
もう一点、3ページにあります今後のスケジュールの中で、ヒアリングという部分も実施されるということですが、当事者団体とともに我々事業者団体もぜひ入れていただきたいと思います。虐待が起こるという要素は、さまざまな要素が考えられて、支援者による感情的なケア不足であるとか、追い詰められた問題であるとか、労働環境の問題とか、さまざまな要素が考えられますので、研修だけの問題ではないのではないか、総合的な対策が必要なのではないかという思いでおりますので、ぜひ今後のヒアリング実施団体の中に事業者団体のほうも入れていただいて、多くの声を拾っていただきたいという意見でございます。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
こちらのラインで、阿由葉委員、久保委員の順番でお願いします。
○阿由葉委員 先ほど課長から御紹介いただきました公務部門の障害者雇用に関する基本方針の中で、雇用の問題はたくさんありますけれども、1点、優先調達推進法に基づく就労施設からの物品の調達の推進ということで、きちんと文言として入れていただいたということ、本当にありがとうございます。また、先ほどの29年度の調達実績、さらに今年度もふやしていくということでお話を聞いておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○駒村部会長 久保委員、お願いします。
○久保委員 全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
今の雇用問題でございますが、3ページの公務部門における障害者雇用に関する基本方針の概要マル3の一番上の○のところに「人事院が能力実証等の一部を統一的に行う障害者を対象とした選考試験を新たに導入」と書いてあります。これは、知的障害にとりましては、一律に統一的な試験というのは、言い方は不適切かもわかりませんが、知的障害に対しましては門前払いに近いという感覚を持っております。字は読めなくても、こういうふうに仕事をしてくださいと言えば、できる人はたくさんいます。そういう意味で、ペーパーテストみたいな感じでやられてしまうと、そこに受かってくる人はごくごく少なくなってしまいます。そういう意味で、少しこの辺の部分を御検討いただきたいと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
久松参考人、お願いします。
○久松参考人 全日本ろうあ連盟の久松です。
2点ございます。1つは虐待防止法についてです。全国の特別支援学校の数が1000ぐらいございます。その中で知的障害、また病弱の部門、視力障害関係、ろう学校等、幾つか種別がございます。盲学校の場合にはまとまっていますけれども、ろうの子供も数的には少ないと思います。地域の学校に通う障害児がたくさんいますが、知的障害を持つ子供が地域の学校に入れないで、特別支援学校に入るという子供の数がふえているという現状がございます。盲学校の場合、また、ろう学校の場合にも子供が減って、あいている教室がふえている状況がありまして、知的障害を持った子供が入っているという例もふえています。
こういった状況の中で、さまざまな虐待という話も聞いておりますので、地域の学校での虐待防止だけではなく、特別支援学校における虐待防止についても、学校教育の現場と厚生労働省の間でも十分連携をとって対策を考えていただきたい。厚労省のマニュアルについて教育の現場でも活用できるように、そういった仕組みをつくっていただくようにお願いしたいと思います。
2点目は、雇用の水増しの問題についてです。昨日日本障害フォーラムの会議がございました。その議論の中で話が出たことですが、名前は伏せますが、ある省から障害者雇用の募集があった。その条件の中に、自立できない者、介護を要する者は試験を受けられないというふうな書き方になっていたということです。まだこういった募集要項が出ているということに対して、公表されているという例がありますので、そういうあたりを見ますと、やはり指導が必要ではないかと考えております。
これはいい例かどうかわかりませんけれども、ある省からきのうろうあ連盟の事務所のほうにお電話をいただきました。障害者雇用について経験がないのではないかと思うのですが、試験を受ける者はどうしたらいいか、アドバイスが欲しいというお電話をいただきました。サポートはしたいと思っておりますけれども、採用試験について、省によって採用の仕方が異なるということではまずいと思いますので、できるだけ統一した採用方法で試験ができるようにすることを改めてお願いしたいと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございました。
今の委員からの意見について、事務局からお答えすることはありますか。
○本條委員 関連で。
○駒村部会長 では、本條委員から。済みません。簡潔にお願いします。
○本條委員 今回の水増し問題でありますけれども、行政だけではなく、司法、立法、あるいは都道府県、先日は市町村まで結果が出たわけでありますが、市町村も中央省庁、都道府県と同様かと思っていたのですが、水増しもありましたが、比較的数値が少なかったわけです。この点はどういうふうに分析されているか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。市町村にはハローワークといいますか、調査権限は及ぶのでしょうか。そういうことを御質問したいと思います。
○駒村部会長 事実関係がわかればお答えいただければと思います。ハローワーク云々という話と、そもそもなぜ市町村が相対的に成績がいいのかという話もあったと思いますので、お願いします。
○源河障害福祉課長 いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。順番にお答えさせていただきます。酒井委員から御指摘いただきました雇用と福祉の連携、それから雇用が難しいということは本当にそのとおりだと思っております。今後は専門的なノウハウを持たれる障害者就労支援機関の皆様方、その他の皆様方にも御協力、御相談しながらしっかり進めていきたいと思っております。
阿由葉委員から御指摘いただきました優先調達については、しっかり進めていきます。
久保委員、久松参考人から御指摘がございました統一試験や募集要項、統一的な採用に関してでございますが、この基本方針はきのう出たばかりでございまして、詳細については今後詰めていくと聞いておりますので、いただいた御意見につきましては、関係府省庁と共有したいと思っております。
市町村の分析については、多分まだできていないのではないかと思うのですけれども、確認できましたら御報告させていただきます。
以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
事務局からありますか。では、続けてお願いします。
○山口障害児・発達障害者支援室長 虐待防止法の関係でございます。井上委員のほうから研修だけの問題でなくて労働環境の問題もあるだろうということで、そのとおりと思います。ただ、御指摘があった3ページの事業は29年度の事業で、もう終了してしまっていますので、今後ヒアリング調査等を行う際には、現場の実態をよく反映できるように配慮してまいりたいと思います。
久松参考人のほうから特別支援学校についてもきちんと対象にということで、特別支援学校における虐待防止に向けて、文科省としっかり連携をしながら進めてまいりたいと思います。
○駒村部会長 ありがとうございます。
昨日さまざま報告書が出ているわけでありますが、共生社会を本来推進しなければいけない公務部門がこういう状態だったというのは、非常にがっかりしたというか、皆さん、非常に情けない思いをしたのだと思います。一人でも不条理な立場に置かれた人を減らしていくというのが社会の進歩だと信じてこういう議論をやっていたのですけれども、肝心かなめの公務部門が余り理解されていなかった。ここにいらっしゃる方は皆さん御存じだと思いますが、前のオリンピック・パラリンピックでは、中村裕先生がパラリンピックを定着させた上で、さらに障害を持った方が働けるように、納税者になるように、誇りを持って社会に参加できるようにということで、障害者の就労を促進したという経緯があり、そこに応えた民間企業がさまざま工夫をして、障害を持った方の可能性を広げていくという努力をしてきた。そういったことを公務部門が実は余り理解されていなかったというのは非常に残念と思います。
きょう、酒井委員とか久松参考人からも具体的な懸念事項の御報告がありましたので、形式的に御対応いただくのではなくて、実質的にちゃんと実効性のある御対応をぜひお願いしたいと思っております。また同じような問題が起きないように、実効性のある、雇用の質を高めるという意味での御対応をぜひとも政府全体にはお願いしたいと思っております。
では、15分もオーバーして大変申しわけございませんでした。きょうの議論は以上とさせていただきたいと思います。
きょうの議論の中でもありましたように、非常に議論が多い割には時間がタイトだということ、あるいは回数の問題ももしかしたらあるのかもしれません。委員の皆様が多いということもあって、日程調整が非常に難しい部分もありますので、日程調整も含めて、なるべく皆様方には御協力いただく。進め方についても事務局は十分工夫をしていただくということをお願いしたいと思います。
では、最後に次回のスケジュールについて事務局からお願いいたします。
○内山企画課長 本日は、御多忙の中、御議論いただき、ありがとうございました。
次回の部会につきましては、今、部会長のお話もございましたので、改めて日程等について照会をさせていただき、その照会をもとに調整をさせていただいた上で開催の日程を決めたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
また、次回の部会においてもペーパーレスで実施することを予定しておりますので、この点についてもよろしくお願いできればと思います。
事務局からは以上です。
○駒村部会長 本日はこれで閉会したいと思います。皆様、ありがとうございました。
 

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