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2018年6月27日 社会保障審議会障害者部会(第90回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成30年6月27日(金)13:00~15:00

○場所

ベルサール御成門タワー(4階)
(東京都港区芝公園1-1-1)

○出席者

駒村康平部会長、朝貝芳美委員、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、内布智之委員、大濱眞委員、菊本圭一委員、北岡賢剛委員、小西慶一委員、斉藤幸枝委員、竹下義樹委員、永松悟委員、日野博愛委員、橋口亜希子委員、本條義和委員、松田ひろし委員、酒井参考人、齋藤参考人、江澤参考人、岸川参考人

○議事

 

○駒村部会長 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから第90回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして大変ありがとうございます。
毎回お願いしておりますことでございますけれども、かいつまんで議事に関する確認をしたいと思います。
議事についてですが、事務局においてはなるべく簡潔に要点を押さえた形で資料説明をいただけるようにお願いいたします。
また、各委員からの発言についてですけれども、私が最初に発言を希望される方を募りますので、挙手をお願いいたします。その上で、私の指名により、発言をしてください。より多くの委員の御発言を確保する立場からも、なるべく簡潔に御発言いただきたいと思います。できましたら、最初に結論を述べていただき、後に理由なり説明を加えていただくと、よりわかりやすいのではないかと思います。
それから、御発言の際にはお名前を最初に名乗っていただき、今、私も急いで来たもので慌ててしゃべっていますけれども、可能な限りゆっくりと、わかりやすくお話しください。できるだけマイクに近寄って、お話しいただければと思います。
また、発言後は必ずマイクのスイッチを切っていただくようにお願いいたします。
円滑な議事運営について、御協力をいただきたいと思います。
それでは、事務局より、出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
委員の交代がありましたので、お知らせをいたします。本日、初めて御出席の委員をお二方、御紹介いたします。
一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構、内布智之委員です。
○内布委員 このたび、委員にならせていただきました、日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の内布と申します。精神障害者当事者であります。緊張しております。よろしくお願いします。
○朝川企画課長 ありがとうございます。
次に本日欠席でございますが、国際医療福祉大学、中里道子委員が御就任されております。
委員の出席状況でございますが、本日は、菊池委員、久保委員、橘委員、飛松委員、中込委員、中里委員、野澤委員、吉川委員から、御都合により欠席との御連絡をいただいております。
また、石野委員は、後ほどから御参画されるとお伺いしております。
また、石原委員の代理として酒井参考人、中板委員の代理として齋藤参考人、松本委員の代理として江澤参考人、山口委員の代理として岸川参考人に御出席をいただいております。
続いて、議事に入ります前に、人事異動により、事務局の障害保健福祉部幹部職員の変更がありましたので、紹介いたします。
遠藤施設管理室長でございます。
○遠藤施設管理室長 よろしくお願いいたします。
○朝川企画課長 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。
一番上に議事次第がありまして、その下に委員名簿がございます。
その下からが資料ですが、横紙の資料で資料1-1、縦紙の資料で資料1-2とありまして、その後、資料2、資料3、資料4とございます。資料5が2つございまして、資料5-1と資料5-2とございます。
その後ろに、本日、参考資料を3つほど配付させていただいておりますが、参考資料は後ほど触れる機会がございませんので、ここで簡単に御紹介をいたします。
参考資料1につきましては、先般6月15日に閣議決定されました、経済財政運営と改革の基本方針2018、いわゆる骨太の方針と言われているものですけれども、障害保健福祉関係に関係する部分を抜粋させていただいたものを用意してございます。
ちょっとだけ中を見ていただきますと、全ては触れませんけれども、例えば2ページ目、中ほどに新しい経済政策パッケージと書いてございますが、これは昨年末に閣議決定されているものですが、この中で、我々に関係しますのが、介護職員の処遇改善の話と幼児教育の無償化の話がございます。
幼児教育の無償化に関連しましては、3ページ目の2段落目「このほか」で始まります段落で、障害児の通園施設について、無償化することが決まっておるのですけれども、幼稚園、保育所などに並行通園する場合、両方とも無償化するということが、ここで決められてございます。また、実施時期は一番下、2019年10月から実施を目指すということにされています。
5ページ目では、上のほうで依存症対策のことが触れられ、真ん中あたりで障害者の文化芸術のことが触れられております。
6ページ目で共生社会の関係のことが触れられておりまして、7ページ目の真ん中あたりでございますが、きょうも議題に取り上げますけれども、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めるということが、触れられてございます。
以上が、骨太の方針についてでございます。
次に参考資料2がございます。こちらは未来投資戦略2018ということで、いわゆる成長戦略と呼んでいるものですけれども、こちらも関係部分を抜粋してございます。
さらにその下に、参考資料3とございます。これは通知文を頭につけておりますが、一番上、「このたび」というところに書いてございますが、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律という、議員立法でございますが、これも先般6月13日に国会で成立し、公布、施行されましたということでございます。
この法律は、障害者の文化芸術活動を推進するということですが、主な内容は後ろのほうにつけてございますけれども、例えば国でも文科大臣と厚労大臣が一緒になって基本計画をつくるでありますとか、地方公共団体でも計画づくりに努めなければいけないという旨が新しく規定された法律でございます。
以上が、参考資料の御説明です。
さらにその下あたりにあるかと思いますけれども、本日、本條委員より資料配付の求めがございましたので、参考資料としては間に合っておりませんが、資料として配付をさせていただいてございます。
以上、資料に過不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
カメラ撮りは、ここまでということで、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○駒村部会長 ありがとうございました。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。
その前に、部会長代理について少し決めておきたいことがございます。これまで部会長代理を務めていただいた伊豫委員が退任されましたので、現在、部会長代理が空席になっております。そこで、部会長代理を指名させていただきたいと思います。
社会保障審議会令の第6条第5項では、当該委員または臨時委員のうちから、部会長はあらかじめ部会長代理を指名することになっております。私としては、障害者施策に知見が深く、社会保障審議会の委員でもある菊池委員にお願いしたいと思っており、菊池先生からも内諾をいただいておりますので、そうしたいと思っております。よろしくお願いいたします。きょう、菊池先生は御欠席です。御内諾をいただいておりますので、これ以降、菊池先生がいらしたときには、部会長代理という形で、私が欠席のときにはかわりをやっていただくことになると思います。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。
議事(1)第5期障害福祉計画及び第1期障害児福祉計画の目標値の集計結果について、事務局から資料説明をお願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
資料1-1、横紙の資料をごらんいただければと思います。
障害福祉計画につきましては、当障害者部会におきまして、御審議いただいた後、昨年の3月に、国として、基本指針というものをお示しさせていただいているものでございます。昨年度、自治体で計画づくりに努めていただいて、昨年度中におおむね策定が終わっているものでございます。
1つ目の「○」にございますとおり、3年一期の計画でございますけれども、今回、各都道府県が設定されました目標値の集計を国で行いましたので、その御報告でございます。
2つ目の「○」にございますとおり、国が定めます基本指針を踏まえて、都道府県に計画を作成していただいておりますが、その中で、大きく分けますと、5項目にわたる成果目標を定めることにしてございますので、その関係の集計でございます。
これから中身を見ていただきますが、今後につきましては、第5期の計画の目標値の集計が、今回、御報告するものでございますけれども、実績につきましては、ことしの3月に終わりました、第4期の実績把握をこれから国としていたしますので、その集計を改めてこの場で御説明をさせていただきながら、次期、第6期の計画策定に向けて、PDCAサイクルを回していくという段取りになります。
それでは、中身でございますけれども、1つ目の大きな柱、施設入所者の地域生活への移行についてでございます。
表の見方でございますけれども、点線箱囲みのところに、国として設定した成果目標を書かせていただいておりますが、その下に表がございます。1番の項目でいきますと、左側が地域生活移行に関する目標、右側が施設入所者数の削減についての目標です。
地域生活移行についての国の目標値は、太線で囲まれているところの目標値1と書いてあるところ、9%以上の施設入所者の方が、地域生活に移行するという目標を国として立てたというものでございます。今回、集計しました結果でございますが、1つ右の欄、(A)分の(B)と書いてあるところですが、全て積み上げて集計しますと8%という数字になってございます。また、1つ右の欄、基本指針を満たす都道府県ということで、9%以上の目標を設定されている都道府県の数を数えますと、22ということでございます。47分の22ということでございます。
右側のほうですが、施設入所者数の削減につきましては、国の目標値が2%以上、さらに都道府県の値を集計しますと2.2%、基本指針の数値を満たす都道府県は、36という結果になってございます。
1ページおめくりいただきまして、2番の項目は、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に関する成果目標でございます。
こちらにつきましては、本日の2つ目の議題で詳しく取り上げますので、そこでも出てまいりますが、ここでも簡単に見ていただきますと、1つ目の目標としては、保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置するという目標値を設定しています。
表でいきますと、左側、圏域ごとの設置の目標と市町村ごとに設置するという目標、2つを立ててございます。それぞれ44と46という数字になっていますので、ほとんどの都道府県で、設置を目標にしていただいている状況でございます。
下のほうでございますけれども、1つ目は、表でいきますと、左側、長期在院者数の目標に関しまして、1年以上の長期入院の患者数について、国の目標は、26年の18.5万人から14.6~15.7万人という目標を立ててございますが、今回、都道府県の値を集計させていただいた結果は、15.9万人という目標値になってございます。
右側、入院後の退院率についてですが、それぞれ3カ月時点、6カ月時点、1年時点ということで、目標を定めておりますが、ごらんのような45都道府県が基本指針を満たす水準を設定されてございます。
3ページ目をお開きいただきまして、3つ目の柱は、地域生活支援拠点等の整備についての成果目標です。こちらは、第4期にも同様の目標を設定してございましたが、残念ながら、第4期は、整備が余り進んでいない状況でございましたので、第5期も同じ目標を設定してございます。今回、集計いたしますと、基本指針を満たす目標を設定している都道府県が41あるという状況でございます。
4番は、福祉施設から一般就労への移行についてです。表を見ていただきますと、上の表は、一般就労移行比率について、1.5倍以上という目標値を設定してございますが、集計した結果も1.5、基本指針を満たす都道府県は35ということでございます。
下に移りまして、左側ですけれども、就労移行支援の利用比率は、国の目標の1.2倍以上に対して、都道府県集計が1.4倍、基本指針を満たす都道府県は43でした。
就労支援事業所の就労移行率については、国の目標が50%以上、これを満たす都道府県は42でした。
一番右、新しくできた就労定着支援事業による1年後の定着率につきましては、書いてございませんけれども、国は80%以上ということで、上に書いてございますが、それを満たす都道府県が43でございます。
最後、4ページ目でございますけれども、5つ目の柱は、障害児支援の提供体制の整備等です。こちらは、今回初めて成果目標を設定したものでございます。
上の表をごらんいただいて、左側、児童発達支援センターの設置につきましては、38の都道府県、保育所等訪問支援を利用できる体制の構築につきましては、37の都道府県が国の基本指針を満たしてございます。
下に移りまして、左側、重症心身障害児を支援する体制ということで、児童発達支援事業所の確保につきましては、38の都道府県、放課後デイサービスについては、同じく38の都道府県が満たしてございます。
右側、医療的ケア児支援のための関係機関の協議の場の設置をそれぞれの圏域ごとに進めていきましょうという目標にしてございますが、それぞれ46、34、27という状況で、市町村の設置は、まだおくれるという結果になってございます。
資料1-1は、以上でございます。
資料1-2は、これらのバックデータといいますか、1ページ目を見ていただきますと、都道府県ごとの状況が見られる表にさせていただいております。
途中、表の中に「-」が付されている都道府県が幾つかございますが、そちらについては、目標値の設定をしていない都道府県でございまして、その理由は下に書いてございます。
例えば、奈良県は全てのページにおいて出てくるのですが、こちらは、障害福祉計画の計画期間が国の計画期間とずれてございまして、今回はまだ見直しをされていないということで「-」がついています。
それが1ページ目から、それぞれの項目ごとにあります。
13ページ目をごらんいただきまして、13ページ目は、成果目標ではなくて、それぞれのサービスごとの目標値をそれぞれの自治体の計画で定めておりますので、それを集計したものでございます。それぞれのサービスごと、年ごとに、基本的にはふやしていくという計画になっているものでございます。
それが13ページ、14ページとありまして、例えば14ページ目の下のほうでいきますと、サービスというよりも、発達障害者の支援につきましては、協議会の開催回数であるとか、助言件数であるとか、そういったものの数値を挙げさせていただいております。
事務局からの説明は、以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明について、皆さんから御質問、御意見をいただきたいと思います。
資料1の一連の話は、自治体の福祉計画の目標がどうなっているのか、その集計ということなので、それほど時間を必要としないかもしれませんので、めどとして1時半過ぎぐらいには、これは終えたいと思っています。後のほうが、いろいろ議論があるかと思います。
自治体の方も、もしかしたらコメントがあるかもしれませんけれども、御発言予定の方、挙手をいただけますでしょうか。いかがでしょうか。
竹下委員から、左側からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○竹下委員 ありがとうございます。竹下です。
2点だけ、質問等をさせていただきます。
まず1点ですけれども、第4期の障害者福祉計画に基づく実績というものは、まだ出ていないように思っています。それが出るのは来年以降と聞いているのですが、そうすると第4期の実績に基づいて、本来、第5期の目標があるという説明ですから、第4期の実績報告がされた時点で、この計画についての見直しなり、あるいは何らかの再検討があるのかどうかについてお聞きしたいというのが1点です。
もう一点は、資料1-1でいうと、4番目になるのですが、福祉施設から一般就労への移行です。目標値の設定そのものに対する質問や意見ではないのですが、この算定の仕方及び報告は、これでいく限りでは、障害種別は出てこないのではないかと理解しています。すなわち、障害者全体でやることももちろん重要ではありますが、障害種別の一般就労移行というものが、少なくとも実態としてどういうふうに推移しているかということが今後の施策の実施に向けて重要だと思いますので、その点についての報告はされるのか。もしされる予定がないのでしたら、障害種別で集計されるようにお願いしておきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
こちらのラインはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
斉藤委員から、お願いいたします。
○斉藤委員 日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
2点ございます。
ただいまの質問にありましたものと同じように、私も障害種別の福祉計画が必要だろうと思います。と申しますのは、何度か前に御発言させていただいたのですが、特に難病は少数だということで、福祉サービスの部分の目標値のところに名前すら挙がらないのではないかと思っておりましたので、恐らく都道府県単位ぐらいですと、出ていて、計画ができている箇所があろうかと期待をしていたのですが、その辺がどうなっているかを教えていただきたいと思います。
もう一点は、資料の4ページの目標値4のところで、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の協議会の場を設置すると書いてありますが、当然ここには当事者団体も入っていると思うのですが、確認のためにお願いいたします。
以上です。
○駒村部会長 次に手を挙げられた委員は、松田委員ですね。お願いいたします。
○松田委員 日精協の松田です。
都道府県の比較はこれでわかるのですけれども、都道府県の中でも圏域差というものが物すごくある。そこら辺のことがないと、全国津々浦々、同じような福祉サービスを受けられているかというと、現実には大都市中心にサービスになっている。そういうことで、今後、平均的な福祉サービスが受けられるような計画を立てる予定があるのかどうかも含めて、この目標値を立てていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
酒井参考人、お願いいたします。
○酒井参考人 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。
1点、意見を述べさせていただきます。
3ページの4つ目の柱の福祉施設から一般就労への移行の項目についてですけれども、具体的には、数値目標4にて、就労定着支援事業による1年後の定着率を80%以上とすると、非常に高い目標数値が設定されております。しかしながら、4月から始まったということもあって、利用者数の数値目標までは設定されていないところですけれども、本会の会員事業所の動きを見ていましても、この事業は、まだまだ低調のように思います。恐らく指定件数も非常に少ないのではないか。国保連の請求ベースでも、非常に少ない件数でしか挙がっていないのではないかと推測されます。自治体によっては、ようやく今月指定の受け付けが始まっていたり、また、会員事業所の話では、求人等の解釈についても、自治体等でばらつきがあると聞いております。
定着支援事業を広めるために、当会としても、具体的な実勢については、情報発信をしていかなければならないと考えているところですけれども、指定の基準、施行に当たって、ローカルルールなどがこのタイミングでできてしまわないように、解釈とか考え方について厚生労働省からも引き続き情報発信をお願いします。
○駒村部会長 江澤参考人、お願いいたします。
○江澤参考人 日本医師会の江澤でございます。
地域生活移行率は、都道府県間において結構ばらつきが多くて、一番高いところは10.9%で、低いところは2.6%となっておりますが、このあたりはこのまま進めていいものかどうか。都道府県において考えられたものだと思いますけれども、うまくいくのかどうかについて、お伺いしたいということです。
2点ありまして、もう一点は精神障害者の地域生活への移行ということで退院率が出ておりますけれども、例えば6カ月後の退院率が多い都道府県だと、現状に比べて10%前後高まっています。これは精神科の医療機関あってのことですから、医療機関といろいろ連携をとったり、あるいは医療機関の経営もございますし、支援も必要ではないかと思いましたり、地域で定着するためには退院前に在宅復帰を目指したトレーニングが必要で、現実的にはそこにかなりの人手と時間がかかって、対応ができないということもあるので、そのあたりの医療機関への支援も含めて考えていかないといけないのではないかと思いますけれども、そのあたりについてポイントがあれば教えていただきたいと思います。
○駒村部会長 今の御発言以外に、触発されてというか、関連するようなことがあれば、いかがでしょうか。ほかの委員の皆様から、御意見はいかがでしょうか。いいですか。
松田委員、どうぞ。
○松田委員 今、出た話の続きなのですけれども、数値目標で退院率、退院数がいつも出るのですが、これはよくよく見ると再入院率が1年以内で40%です。そういうことを考えると、退院ありきという議論ではなくて、地域のサービスをどう充実させるか、それがあって、初めて退院がうまくいくので、そういった議論もきちっとしていただきたいということと、諸外国のように、病院は少ないのだけれども、かわりに施設が充実している。そういったことを、今後考えていく必要があるのではないかと思います。
そういった中で数値目標から離れますけれども、介護保険では医師の意見書等々をきちっと書きながら、介護と医療が連携しながらやっている。福祉と医療が連携するためにも、医師の意見書みたいなものを福祉サービスにもきちんとつけて、お互いがどういうことをやっているか、どういう状態の患者さんを診ているかということを共有しながらやる必要があるのではないかと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
大濱委員、お願いいたします。
○大濱委員 1点だけ、確認させてください。
資料1-1の1ページ目、施設入所者の削減なのですが、削減目標と削減率とありますが、これは施設入所している方で、亡くなった人の数も入っている数字なのですか。もしも入っている数字だとしたら、亡くなった人を抜いた形で、実質的な差し引きみたいな数字も出していただければ、わかりやすいと思います。
○駒村部会長 わかりました。事務局に確認したいと思います。
よろしいですか。
それでは、今、7人の方、松田委員は2回ですけれども、御発言がありましたので、事務局からよろしくお願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
竹下委員から、2つほどいただきました。
1つ目でございますけれども、第4期の実績をこれから集計していきますということを申し上げ、竹下委員からの御意見は、その実績を踏まえて第5期の計画の見直しがあるのかということだったと思います。
当然、それぞれの自治体が実績を把握しながら計画を見直すということは、十分にあり得ることではあるのですけれども、3年に一度の計画なので、通常の対応としてはその次、第6期の障害福祉計画にその実績の状況は反映していくというところが、多いのではないかと思います。といいますのは、物によるのですけれども、実績把握が1年後になったり、さらにそれよりもうちょっと時間がかかったりするものがありますので、この期の計画に反映するというのが、なかなか難しいという、スパンの短さの問題もありますので、恐らくそんな感じになっていくのではないかと思います。
2つ目でございますけれども、3ページ目で御指摘をいただきましたが、種別の区分けがされていない、トータルの数字になっているという点でございます。目標値はトータルで設定されておりますので、そういうことになっています。
実績ですが、こういう形での実績の把握については、トータルの数字で把握をさせていただきながら、種別の状況についてどこまで細かく集計できるかはこれから少し検討させていただくということと、あとは計画というツールでの種別の把握ができれば一番いいのですけれども、できない場合も、サービスごとにいろんな調査をしますので、そういう中で種別の把握というのは今までもされてきていますし、これからもちゃんとしていきたいと思います。
斉藤委員からでございますけれども、前段の種別のことについては今のとおりでございます。
もう一つ、協議の場について、当事者団体が入っているかという点でございますが、今回の集計はそこまではとっておりませんので、これは推測ですけれども、恐らく今の時代でございますので、当事者団体は当然入るということではないかと思いますが、今後、把握をしていきたいと思います。
松田委員からは、県の中の圏域差があるのでしっかりニーズを踏まえたものにすべきであるという御指摘だったと思います。
自治体に計画をつくっていただく際には、その前段として、ニーズ調査をしていただきながらそれぞれ圏域ごとに、サービスをどこにどういうふうにふやしていくかということを考えていただくことになっていますので、それぞれの計画では、圏域の状況の違いも反映したものになっていると考えておりますが、今回の集計値の段階では、そこまでつぶさに集計できておりませんので、今後、国としてもできる限りそういった状況を把握していきたいと思います。
酒井参考人から、定着支援が低調ではないかという御意見をいただきました。
残念ながら、直近の国保連データの把握が遅くなっていますので、新しいサービスについての状況を国としてもよく把握できていないのですけれども、出だしでございますので、もしかしたらそういう状況にあるのかもしれません。さらには、地域の中でのばらつきということもないような形で、サービスがしっかりふえていくようにしなければいけないと思っています。
ちなみに、資料1-2の13ページ目を見ていただくと、就労定着支援はちょうど真ん中ら辺にございます。これは県の計画値を積み上げたものですけれども、30年度も1万3,572人という目標値は設定されておりますので、こういった目標値がしっかり実際のサービスになっていくように、国としてもしっかり支援をしていきたい、情報発信をしていきたいと思います。
○武田精神・障害保健課長 続きまして、精神・障害保健課長でございます。
江澤参考人から御指摘いただいた件でございますけれども、例えば退院率のことでございます。3カ月、6カ月、12カ月ということで、お示しをさせていただいてございますけれども、これも御指摘のとおり、それぞれ退院後の受け皿のところの課題のみならず、当然のことながら、医療機関との連携というものは、非常に重要かつ必須のものであろうと思います。また、御指摘いただきました、退院前のサポートでありますとか、準備段階のものにつきましても、必要不可欠なものであろうと考えております。
次の議事のところで、精神障害の地域包括ケアにつきまして、御説明をさせていただく中でも出てくると思いますけれども、このようなものにつきましても、当然のことながら大きな包括ケアの中のシステムの1つとしてサポートしていく必要があると考えてございます。
それとの関連で、松田委員から御指摘をいただきました。これは退院率のみならず、また、再入院率も高いという部分に関して、特に退院ありきの議論というのが一義的に行われている。そういうものに関して、どうなのかという御指摘もございました。これにつきましても、精神障害の方々が早期に退院をするだけではなくて、退院後に地域定着がしっかりと図られていくようなことが重要だと認識してございます。そのためにも、精神障害者の方々の地域生活を支えるための基盤整備が必要だと考えてございまして、後ほど御説明させていただきますような、地域包括ケアの中でも、さまざまな方策について、関係者の御意見をよく伺いながら、幅広く検討を行ってまいりたいと考えてございます。
また、医療と福祉の連携、介護と医療の連携ということと関連づけて、御指摘をいただきました。これも御指摘のとおりでございます。精神障害者の方々が地域で安心して暮らすためには、医療と福祉の連携が不可欠であると認識してございます。
一例といたしましては、医療、介護、福祉事業者間での切れ目のない連携を推進する観点から、平成30年度の診療報酬改定におきましても、入退院支援、退院時の指導等における要件に、障害福祉サービスの相談支援専門員との連携も追加されたところでございます。
このようなものも含めまして、このような連携がより進むような方策につきましては、それぞれの地域の事情の把握に努めた上で、今後とも関係者の皆様方の御意見も幅広く伺いながら、進めてまいりたいと考えてございます。
○朝川企画課長 企画課長です。
漏れていました。大濱委員から、資料1-1の1ページ目の右、施設入所者数の削減について、亡くなった人の数はどうなっているかという点がございました。こちらは入所者数総体の数の状況を見ていますので、死亡も含めて退所されて、新しく入所されてきますので、その差の結果として、減った数を目標値にしていますので、退所のところには、亡くなった人の数も入っています。しかし、削減数というのは、入所が新しくされるという感じ、その差分であるということでございます。
○駒村部会長 大濱委員、数字のつくり方は、そういう構造になっているということです。
ほかの委員からの御指摘も、一通り、御回答はいただいているようですが、江澤参考人、関連ですね。
○江澤参考人 1点目の質問に関してです。
○駒村部会長 江澤委員以外に、関連して最初のセッションで御質問があればと思いますが、いいですか。
それでは、江澤参考人、お願いいたします。
○江澤参考人 1点目に質問させていただきました、都道府県間における地域生活移行率で、数値のばらつきがかなり大きいのですけれども、これについて、それなりの根拠とか、バックグラウンドがあってのことであれば、問題ないと思うのですが、それを1点目に質問させていただきましたので、もし何かありましたら、教えてください。
○駒村部会長 その辺は、資料を収集されたり、分析されているかということですね。お願いいたします。
○内山障害福祉課長 それぞれの県で議論していただいた結果でして、そこのところは、私どもでは、詳細に把握しておりませんけれども、それぞれの県で議論して、決めていただいた結果ですので、そういう意味では、各都道府県、各自治体に説明責任があるものだと思ってございます。
加えまして、私どもとしては、こうした目標を設定した後にも、30年4月から、例えば日中サービス支援型のグループホームですとか、自立生活援助、御自宅暮らし、お一人暮らしを支えるサービス、そうした新しいサービスもできていますので、そうした新しいサービスも踏まえて、さらに地域生活への移行が進むように、自治体にも働きかけをしていきたいと思ってございます。
○駒村部会長 分析とか、評価について、厚労省がどこまでかかわっていくのかというのは、分権的な部分とともに、先ほどのPDCAサイクルの問題もありますけれども、自治体みずから考えていただきたいという部分と、当然、厚労省、中央省庁としての役割もあると思いますので、こういう問題意識が出たということは、厚労省もどういう要因なのかということは、モニターというか、研究をしていただきたいと思います。
議事(2)は、先ほども御質問があった、関連するテーマであります。地域包括の話に入っていきます。よろしければ、議事(2)に移っていきたいと思います。議事(2)は、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築といったものであります。
事務局から資料説明をお願いいたします。
○武田精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。
資料2、横組みの資料をごらんになっていただければと思います。ごらんのとおり、情報量として、かなり多うございますので、説明はかいつまんでさせていただければと考えてございます。よろしくお願いします。
1枚おめくりいただいて、2ページからでございますが、まず最初にこれまでの経緯等について、簡潔にまとめさせていただいてございます。
ここに書いてあるとおりでございますが、平成16年の精神保健医療福祉の改革ビジョンにおきまして、入院医療中心から地域生活中心へという大きな理念が示されて以来、平成26年には、良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針におきまして、目指すべき方向性も具体的に示されているところでございます。
また、直近のものといたしましては、次でございますが、平成29年にこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討の報告書におきまして、地域生活中心という理念を基軸としながらも、一層の地域移行を進めるための地域づくりを推進するという大きな観点から、これから御説明をさせていただきます、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すということを明確にしたところでございます。
国におきましても、このようなシステムの構築に向けた具体的な取り組みを総合的に展開していくことが必要でございまして、地域包括ケアシステムの構築に向けまして、各自治体における精神障害に係る障害福祉計画の実現のための具体的な取り組みの方向性、視点等を、今般、取りまとめさせていただきました。
1枚おめくりいただきまして、現状認識でございますが、なぜ精神障害にも地域包括ケアが必要かというところで、幾つかまとめさせていただいております。
まずは1年以上の長期入院者というのが約17万人、うち5年以上の方が約9万人、これは全体の33%でございますが、これらの方がいらっしゃるということでございます。
4ページでありますが、精神病床からの退院者の約4割の方々は、1年以内の再入院でございます。先ほども御指摘がございましたが、このようなデータがございます。
また、右に書いてございますが、精神障害者の多くの方々が、必要な地域サービスを十分利用できていないという調査結果もございます。
1枚おめくりいただきまして、精神科病院における1年半以上の長期入院患者さんの退院可能性、退院困難理由について、まとめたものでございます。
丸い円グラフのところでございますが、約85%の方は退院困難です。退院が可能な方は、14%おられるということでございます。
また、退院困難の理由ですが、そのうち、33%の方の理由といたしまして、居住もしくは支援がないためであるということが一番大きな理由になっているという調査結果も出てございます。
6ページにおきましては、精神療養病棟に入院されている患者さんの退院の見通しでありますが、患者さんの約2分の1の方々が、在宅サービスの支援体制が整えば退院可能であるとされているところでございまして、基盤整備というものが、必要不可欠になってきているというデータでございます。
1枚おめくりいただきまして、その上で、前の議事のところでもございましたが、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けた目標設定をさせていただいてございます。
これにつきましては、一番上のところにもございますように、政策効果を見込まない将来の入院需要をそれぞれで推計していただきまして、その上で、一番下のところで、マル1、マル2、マル3と書いてございますが、地域移行を促すための地域における基盤整備、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及、認知症施策の推進、これらによる政策効果を差し引いた結果、入院需要の目標値を設定して、目標としているところでございます。その結果、先ほども出てまいりましたが、平成32年度末のところでの慢性期入院、1年以上の長期入院の需要としては、14.6万人から15.7万人という、全国を足し合わせたものでございます。その数字を目標として設定しているということであります。
次のページでございますが、これは既にいろいろなところでお目に入れているところではあると思いますけれども、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム全体のイメージ図でございます。
この中で、当然のことながら、一番上に書いてございますように、究極的なコンセプトとしましては、精神障害者の方々が地域の一員として安心して、そして、自分らしい暮らしをすることができる、これをゴールとするために、ここにあります、医療、障害福祉・介護、住まい、就労等の社会参加、地域の助け合い、教育等が包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築を目指すということでございます。
この中でも、先ほども御意見がございましたが、まずは地域の基盤の整備、前提として各地域における保健・医療・福祉関係者による協議の場、ここでのしっかりとした議論を通じて、精神科医療機関、その他の医療機関、または地域援助事業者、自治体等の重層的な連携による支援体制を構築していくということが大きなイメージの図でございます。
1枚おめくりいただきまして、これは先ほどもございました、第5期障害福祉計画の基本指針の中で、大きな柱の1つとして2のところでございますが、初めて精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということを位置づけさせていただき、3の成果目標のところで協議の場の設定、そのほか入院の患者数、退院率等の目標値を設定させていただいているということであります。
それから、各県における目標値の集計状況は先ほど御説明したとおりでございます。10ページのところにあるものです。再掲でございます。
1枚おめくりいただきまして、現状と成果目標というところでございますが、まず1つ、前提と申し上げました、地域の協議の場の設定状況でございます。
2つ、円グラフがございますが、圏域ごとの協議の場の設置状況、約4分の3が設置もしくは設置予定ということでございます。
右のほうは市町村ごとですが、このところは圏域ごとの協議の場に比べると、設置のところがまだ仮定という状況であろうかと思っております。
12ページは、それぞれの入院需要につきまして、65歳以上、65歳未満というところで分けたもので、再掲させていただいております。
13ページ、14ページでございますが、3カ月、6カ月、1年時点の退院率でお示しをさせていただいています。上の3カ月のところでは69%という形で書いてございまして、全国平均として、その下にもお示しをさせていただいております。それぞれ65%、82%、14ページは89%という形になっておりまして、目標に向けての現時点での状況でございますが、これも各県によるばらつきがございます。状況として、データをお示しさせていただきました。
15ページでございますけれども、今年度から開始しました、障害福祉計画とスタート時期を一にするものといたしまして、第7次の医療計画がございます。この中でも、精神疾患の医療体制を構築するということが、1つの柱になってございます。
左のほうの図は、先ほどの障害福祉計画の図と同じでございますけれども、その中で、特に医療につきまして、多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築ということが、この部分の柱になってございます。
それを具体的にお示ししておりますのが、16ページでございまして、下のところで表になってございますけれども、左側のほうをごらんになっていただきたいのですが、都道府県の連携拠点機能、地域の連携拠点機能、地域における医療提供機能という形で、それぞれ分けて書いてございます。
横軸のところは、多様な精神疾患ごとに、それぞれの医療機能を明確にするというところがあります。
そして、このようなものをそれぞれ連携関係で結んでいくということでありまして、点を線でつないでいく、最終的に地域という面を満たしていくというイメージの医療連携体制でございます。
17ページでございますけれども、こちらにつきましては、都道府県ごとの取り組み状況でございます。これは一端でございますけれども、例えば協議の場の設置状況、アウトリーチ、ピアサポート、住まいの確保等の状況について、現時点のもので、これも今どんどん動いている最中のところでございます。
18ページ以降につきましては、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムに係る現在の施策でございます。
19ページでございますけれども、予算に関しましても、大きな柱として2つございます。
まずは、包括ケアシステムの構築推進事業ということでございまして、それぞれの地域の実情に合わせまして、協議の場を設定した上で、いろいろなメニューから選べるような推進事業の予算を確保してございます。29年度予算は、約2億のところから5億のところまで増額をしているということでございます。
また、それらのシステムの構築をする上で、アドバイザリースタッフとして、そのような機能を持つ者の支援といたしまして、構築支援事業ということで、図の右側のところに書いてございますが、それぞれのアドバイザー、広域アドバイザー、都道府県等密着アドバイザーと称しておりますが、そのような方々の専門的見地からのバックアップというものも、この予算で見られるような形になってございます。
20ページ、21ページ、22ページは、今の事業に関しましての説明でございます。
23ページは、地域ごとの縦割り的なものだけではなく、横で情報であるとかノウハウを共有化していこうということも非常に重要ではなかろうか。それぞれの地域の事情に応じて、それぞれ工夫を重ねていっている状況もございますので、そういう意味ではポータルサイトの開設でありますとか、ニュースレターの定期的発行、3番目のところでは各自治体の担当者、今、申し上げましたようなアドバイザーの方々、私どもが定期的に集まって行う会議、これもワークショップ形式で、かなりプラクティカルな内容のものを進めてきておりますが、このようなものも進めているところでございます。
24ページ以降は、静岡県、兵庫県それぞれの取り組みの一例ということで、いただいているものについて御参考にお示しをさせていただいております。
28ページ以降でございますが、各自治体における障害福祉計画の実現に向けた具体的な取り組みでございます。
28ページは、具体的な取り組みということで、ベースとなっている、一番上のところでありますが、協議の場の設定でありますとか、医療、障害福祉・介護、住まいの確保、就労等の社会参加、普及・啓発、教育等について、28ページは目次のような形でお示しをさせていただいておりますが、このような重要な因子を組み合わせることによって、包括ケアシステムをつくっていくというものでございます。
29ページ以降は、一つ一つの因子に関して、資料も含めてお示しをさせていただいています。
29ページは、協議の場などの取り組みでございます。ここのところで、現状、今後の具体的な取り組みということでお示しをさせていただいておりますが、これも障害保健福祉圏域ごと、市町村ごとにこういうものをつくっていくのですが、ただ単につくればいい、開けばいいという話はないと思います。実際にこのような協議の場を進めていくためのノウハウの共有も重要であり、有効に地域の課題解決を進めていくためのツールにするには、どうしていくのかということを、これから深化させていかなければならないということでございます。
下のところにも、例えば実務者のコーディネーターの方でありますとか、そういう者を選定する仕組みであるとか、研修、協議で提示するデータをどのようにして活用していくのか、そのようなことについてここでもお示しをしているところでございます。
30ページは、鹿児島県の取り組みということで、入れさせていただいております。
31ページは、今、申し上げたデータに関して、例えばこういう活用データがありますということですが、今、続々とそういうデータをふやして、活用できるような状況に進めてきているところであります。
32ページは、1つの要素であります、医療でございます。これにつきましても、最初に申し上げました、1年以上の長期入院者は17万人、そのほかいろいろな状況ということで、地域移行を一層促進することが必要です。同時に、地域定着の視点も不可欠である。
そういう意味では、適時適切に必要な医療にアクセスをして、入院の長期化等を未然に防ぐという観点も重要でありまして、外来医療でありますとか精神科デイケア、アウトリーチ支援、精神科救急の体制整備等も重要だろうということで、お示しをしておるところであります。
今後の具体的な取り組みについても、下のところでまとめさせていただいてございます。
33ページ、34ページは、それについての資料をつけさせていただいております。
35ページですが、実際に医療機関の取り組みの事例も種々ございます。そういうものにつきまして、1つの断面といたしまして、入院から退院に向けての時系列に沿ってどういう取り組みがあるのかということで、おまとめをさせていただいたというものでございます。
37ページは、救急医療体制の整備でありますとか、そういうものについてお示しをさせていただいています。
38ページは、障害福祉・介護の部分でございますけれども、地域移行に伴い、必要となる障害福祉サービス・介護サービスの量と質を確保していくことが必要でありまして、また、サービス提供側においても、精神障害者の方々を支援するノウハウ・知見が必ずしも十分でない。これについても、対策を練っていかなければいけないということで、今後の具体的な取り組みとしてまとめさせていただいているところでございます。
39ページは、今年度の障害福祉サービス等の報酬改定における、特に精神障害者の方に関連する部分を切り抜いたものでございます。
40ページは、安心というものを確保する上で、必要不可欠なものとして、住まいの確保があるわけですけれども、この現状につきまして、例えば各地域で必要量のグループホームでありますとか、高齢者向けの住まいの整備を進めるとともに、公営住宅等への入居、もしくは精神障害者の方々が入居可能な賃貸住宅の登録の促進等を図ることが重要だということでございまして、まずはそれぞれの地域における課題の実態把握等も必要であろうと考えてございます。
また、生活支援を伴いながら、公営住宅等への入居を推進するという意味での自立生活援助サービス、今年度からのものでございますけれども、その充実等がございます。
1枚おめくりいただきまして、民間賃貸でございますと国土交通省との連携も進めておるところでございまして、入居を拒まない賃貸住宅の登録促進、マッチング・入居支援、こういうものもしっかりと進めていく。
また、これは後で資料がございますけれども、住宅セーフティネット制度というものがございます。これは国交省の制度でございますが、この制度の周知でありますとか、居住支援協議会と先ほどの地域包括ケアの協議の場との連携でありますとか、そういうものの仕組みづくりも重要だと思います。
また、グループホーム、高齢者向け住まい、それぞれにつきましても活用していくための施策を進めていきたいと考えてございます。
42ページは、今、申し上げたような、住まいの確保に係る考え方をこのような形で整理させていただいておるところでございます。
43ページは、今、申し上げた住宅セーフティネット制度の枠組みでございます。
最後でございますけれども、就労を初めとした社会参加に関しまして、44ページからお示しをしてございます。
精神障害者の方々の雇用者数は過去最高を更新しているということで、現在5万人ほどでございます。雇用義務化、法定雇用率の引き上げも1つのはずみになってございます。また、一方で、雇用主と精神障害者の方御本人とのミスマッチでありますとか、理解不足などにより、定着率の問題も非常に大きな問題であり、あわせて考えていかなければならない。
こういうことも含めて、ここにもお示ししましたが、障害福祉サービス、そういうものと相まって、このようなものの状況を改善させていくということが必要であろうと考えてございます。
45ページ以下におきましては、法定雇用率の見直しでありますとか、ハローワークにおける職業紹介の状況、課題であります、障害者の方々の定着状況について、また、ハローワークにおける精神科医療機関との連携モデル事業の実施、これは48ページであります。
精神障害者雇用トータルサポーターは、ハローワークで行っているものでございますが、そのほか、職場におけるジョブコーチの支援、51ページは、職場において企業の一般職員向けに教育ということであります、精神・発達障害しごとサポーターの養成講座を進めていること等々を、ここでまとめさせていただいているところでございます。
これが最後のファクターでございますが、教育(普及啓発)でございまして、いろいろな対策を立てていく中におきましても、基盤となっていくのは、地域住民の方々の精神障害者の方への理解ということで、これが不可欠である。こういうものをしっかりと普及・啓発していく、行っていくということも、あわせて重要な観点だろうと考えてございます。
非常に急ぎ足でございましたけれども、以上、御説明させていただきました。
○駒村部会長 ありがとうございました。
精神障害にも対応した地域包括ケアという考え方を、関係者や自治体にも、理解、定着させていきたいということだと思いますが、議事に入る前に、事務局に確認したいのですけれども、きょう、このタイミングで、この資料を配付して、コメントをいただきたいというのは、狙いがあるのでしょうか。きょう、初めての委員の方もいらっしゃいますし、このキーワードで本格的に議論するのは初めてだと思いますので、お願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
本日、これをメーンの議題設定とさせていただいている趣旨でございますが、1つは、昨年定めました国の基本指針で、初めて精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築というものを政策目標にしたということです。国の指針に基づいて、初めて都道府県にも、そういう視点からの計画づくりを進めていただいて、高齢者の地域包括ケアシステムも一緒だと思いますけれども、一晩のうちにでき上がるものではなくて、しかも、完成形があるものでもありませんので、関係者の意思が1つになって、地域づくりを進めていくというものだと思いますので、そういう意味で、国もしっかり取り組み姿勢を示すということと、有識者の先生方に課題をしっかり挙げていただきながら、我々のこれからの取り組みにも反映をさせていただく、そんな趣旨で、この機会に取り上げさせていただいております。
○駒村部会長 わかりました。そういう目的の資料でございますので、委員の皆様からは、ここに加えたり、コメントを入れたりして、またそれをバージョンアップして、関係自治体、あるいは関係者の中で共有していくという資料になると思います。要するに改善していく、磨き上げていくという話だと思います。
きょうは、もう一つ、その他があって、その他の資料も若干多くありますので、時間配分に苦慮するところですけれども、45分ぐらいまでは、時間をとりたいとは思っています。最後のその他は15分ぐらいしかないですけれども、事務局、いいですね。
それでは、このテーマについて、御発言予定の方は、挙手をいただけますでしょうか。今度は右側から回っていきたいと思います。
江澤参考人です。よろしくお願いいたします。
○江澤参考人 3点ございますけれども、1点目は地域移行された方をいかに居宅サービスに結びつけるか。特に外来診療のみという方も結構いらっしゃるので、必要な居宅サービスにどう結びつけるかがポイントなのですけれども、一方で、現状ですと、居宅サービス側においては障害者の方に余り経験値がないために、苦手意識を持っていたり、あるいは両者を尊重したかかわり方の問題であったり、実践すればできるのに抵抗感があるところもございますので、そういった意味では、より実践的な研修システムをつくっていただければありがたいということです。
計3点あるのですけれども、2点目は、協議の場について先ほどから御説明を賜ったのですが、これが形骸化しないように、ワーキンググループを設置するなど実効性を担保しないと、ほかにも似たような会議がよくあるのですけれども、実効力が伴わないものもありますので、ぜひ実効性のある会議にしていくと、よろしいのではないかと思っています。
3点目は、一般の医療では、急性期、回復期、慢性期、治療が終わると、介護、在宅サービス、居宅サービスであったり、地域密着型サービスであったり、あるいは施設サービスに移行することになるのですけれども、先般の診療報酬改定で、老健施設も精神科の在宅復帰の受け皿に位置づけられたところでございます。一般にグループホーム等は、認知症をメーンとしたところでございまして、精神障害者等の受け皿の必要があるのであれば、そういった治療が終わった形で、御自宅では難しい方の受け皿も、今後、検討が必要ではないかと思っております。
以上でございます。
○駒村部会長 次は、齋藤参考人、お願いいたします。
○齋藤参考人 日本看護協会の齋藤でございます。
質問が1点と、意見が2つございます。
地域包括ケアシステムという考え方は、介護保険でリードしてきた印象がありますけれども、恐らくこの考え方は、社会保障全般に通ずる基本的な概念になるだろうと思っております。ですので、精神障害あるいは難病の方、いずれにしても、地域で自分の暮らしをきちんとしていくことを保障するためには、この考え方をきちんと周知し、理解し、参画をしていくことが、関連団体でも、当事者の方でも、非常に重要だと認識しています。
さまざまな協議会等々を市町村単位でやりましょうということになっているのですが、今、江澤参考人がおっしゃったように、実効性のあるものにしていくためには、既存で機能しているネットワークも活用していくという視点は、大事なのではないかと考えています。
ただ、一方で、地域では、働き手の減少といいますか、マンパワーが限られているという現状もありますので、効率的に地域包括ケアシステムの構築をしたり、機動力を上げていくことになりますと、既存のサービス等々の力を上げていくことも非常に重要だと思います。ですので、研修等々のシステムを一方で考えていく必要があるのではないかと考えています。
特に訪問看護などでは、医療でも、介護保険でも、今は障害を抱えたベビーちゃん等にも訪問をしている状況でございますし、もちろん精神のほうにも行っている状況ですけれども、こういった1つのサービスの力量を上げて、そして、いろんなところに対応できる力をつけていくという方策も必要なのではないかと思いました。
もう一つの意見は、13ページにあります、退院の実態でございます。都道府県の格差が非常に大きい状況だというのは、あるのですけれども、これから第4期の目標達成がどうだったのかということが出てくるかと思いますが、先ほども1点目の話題で出ていたように、分析をきちんとしていただきたい。それは資源によるものなのか、都道府県や市町村の事業がどうなって、こういった実態になっているのかということは、ぜひ報告をしていただきたいと思っています。
34ページのアウトリーチ支援、新しい事業の創設に関しましてなのですが、長期入院をされていた方を地域に移行するといったときに、受け皿が、患者さんや利用者さんの移動のときに手厚く入る部分と、そうでない部分があるだろうと思っております。ですので、病院の訪問看護、あるいは訪問看護ステーション等は、退院後も要所、要所で医療の目が入って、服薬をきちっと継続していく、あるいは環境に適用していくというサポートが必要になるかと思います。
ただ、こういったように、うまくつながるケースと、一方で、アウトリーチの新しい支援の中で治療を途中でドロップアウトする、あるいは未受診の方々、こういったことをどうやって地域で拾い上げて、アウトリーチに結びつけていくのかというのは、大変困難が大きいと思っているのですけれども、このあたりは人員要件とか、ある程度の要件を緩和すれば、アウトリーチ事業の普及が見込めるのかどうかというのは、懸念を生じているところなのですが、このようなあたりは、事務局として、どういう仕組みでドロップアウトの人たちを引き受けていくというか、見つけ出していくということをお考えなのか、そのあたり、もしお答えがあれば教えていただきたいと思います。
○駒村部会長 質問は最後のところです。あとは、コメントなので、また確認したいと思います。
ほかに委員の方、御質問、御御意見はございますか。松田委員、本條委員の順番でいきたいと思います。
松田委員から、お願いします。
○松田委員 今回の精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築というのは、障害福祉計画に定められて、非常に前進したと思います。協議の場を持ちながら、地域にある社会資源を有効に使おう。これは我々も前から希望していたことで、それが一歩進められたということで、十分に評価できることだと思います。
ただ、自分が患者さんを診ていて、いつも思うのは、地域移行とか、地域定着というのは、物すごく手間暇がかかるし、労力を要する。10年入院していた1人を退院させるというのは、物すごく大変です。本人だけではなくて、家族を説得したり、地域を説得したり、いろんなことをしながらやっていくわけですけれども、そういうことを考えていくと、果てしない努力をして、それだけで終わってしまうのではないかと、危惧感を持ちます。
考えていると、基本に戻って、地域でまず精神病にさせない、いわゆる予防医科学的な観点がどうしても必要になる。精神病にさせない、精神疾患にさせないという観点があって、そのためにどうしたらいいか。やむを得ず、そういった病気になったら早期発見、早期治療をして、場合によっては入院をして早く退院をさせる。そういうシステムを今のうちにどこかできちっとつくっておかないと、10年たって退院させると多大な労力を要するのです。片手落ちの施策ばかり進めるのではなくて、原点に戻って予防医科学的、予防保健的な観点をもう少し構築していかなければいけないのではないかというのが、私の意見です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
本條委員、お願いします。
○本條委員 みんなねっとの本條でございます。
私からは、教育と就労について申し上げたいと思います。
教育については、55ページに教育(普及啓発)と書いてあります。これは非常に重要なことではないかと思っております。教育というのは、本来、ここで審議すべきかどうかという問題がありますが、学校教育も大事でありますけれども、学校教育だけではなく、地域教育といいますか、社会教育も非常に重要になってくると思います。
幸い精神疾患については、昨年度、学習指導要領が改訂されまして、40年ぶりに高校の保健体育で精神疾患を教育することになりました。今から40年前ですから、1977年、1978年までは、精神疾患について教育していました。それまでは、ある種、偏見といいますか、そういうスティグマを助長するような記載があったので、いろいろ改訂があったわけでありますけれども、1978年以来、実施されていなかったものが今回実施されることになりました。
ただ、高校教育でありますので、私たちの願いとしては義務教育段階から、あるいは発達段階、幼児教育を含めて進めていただきたいと思っておりますけれども、それ以外に福祉の分野で社会教育とか啓発が必要になってくるのではないかと思っております。
就労につきましては、きょうお手元に資料が配られていると思います。今までの就労というのは、例えば精神科病院から退院してきますと、デイケア等で十分に支援して、ストレス耐性を高めた上で、次の段階として日常生活の訓練をし、その後、就労訓練をするという時間的な流れがあったわけでありますけれども、そうではなくて就職先というか、プレースメント、就職をさせて、それから直ちにといいますか、同時に支援していくほうが、定着率、就職率、さらには驚くべきことに、再発率、再入院率の低下にもなる。そういうデータもありますので、ぜひここでも議論していただきたいと思っております。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
次は、永松委員、お願いします。
○永松委員 全国市長会、杵築市長の永松と申します。よろしくお願いいたします。
意見が1つ、要望が1つです。
まず意見としては、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ですが、私ども地方自治体は、高齢者の地域包括ケアシステムには取り組んでおります。私どもの市も、十数パーセントの高齢者が介護保険から卒業するようになりました。これは多くの職種が一堂に会して、週1回ですけれども、高齢者のアセスメントをしまして、3カ月後、6カ月後、どういう形ならば自立に結びつくのか、多くの職種がそれぞれの意見を出し合うことによって、週1回、勉強会にもなりますので、個々の力量が、他の職種の人の考え方がわかるようになる。最初はなかなか進まないのですけれども、一定のところまでくると顔見知りになりますので、地域で高齢者の方々の自立に向けていろんな取り組みをしている成功事例がどんどん出てきますので、テンションも上がってくる。そして、今度、精神障害にも対応するということで、これはすばらしいことだと思います。
地域で協議の場ができるということは、往々にして病院、専門性の高い方だけの問題であったものが、市であれば、福祉事務所の職員であるとか、保健師であるとか、地域生活を希望なさる精神の方を中心に、多くの職種が一堂に会して支援策を検討することで、希望する人に対する理解、精神障害のある方に対して、理解をする人の実数がふえる。実数がふえれば、社会の課題として広く認識されることになりますので、急に何かできるということではないのですけれども、地域で協議の場ができる。例えば私どもの大分県では、保険証の範囲になると思いますけれども、そういったところで、ぜひこれを前向きに進めていただければ、ありがたいと思います。
1つ、要望です。地域ケア会議にかける、分析をするとなると、市町村の職員にも一定の力量がないと難しいので、基礎自治体としての人材の育成・確保等について、国、県からいろんな研修等もありましょうけれども、そういったところの支援をお願いしたい。研修とか、力量がつくと、先ほど委員からお話がありましたように、早期発見であるとか、早期支援であるとか、個々に事が至ってから、なかなか厳しいというところがあるのですけれども、未然に発見して、地域の中で、地域の人材であるとか、資源を活用して、そういう対策がとれるのではなかろうかと思います。基礎自治体の職員の研修についても、御支援いただければと思います。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
橋口委員、お願いします。
○橋口委員 日本発達障害ネットワークの橋口です。
まず初めに、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について、このような取り組みがされること、発達障害の団体として、深く感謝申し上げます。
その上で、私からは2点、意見がございます。
1点目ですが、先ほど松田委員がおっしゃっていたように、そもそもとして精神障害にしないという取り組みが大事ではないかと思います。なぜならば、精神障害の根底に発達障害が潜んでいるということも多くあります。発達障害が見逃されたために、二次障害として精神障害になってしまう場合もあり、また、そういった中でドクターショッピングを繰り返す方も多くいらっしゃいます。ですので、二次障害を未然に防ぐためには、早期発見、早期支援が重要だと考えます。
資料の33ページの診療報酬の改定ということで、今年度されたばかりですが、次回というところで意見がございます。発達障害に対する診療の充実というところに関しまして、2点お願いがあります。
1点は、医師の育成です。そもそもとして、精神障害、発達障害の診療は、採算がとれないということで、なり手がいないという課題があります。そのためにも、質というところで評価できる報酬改定に、次回していただけないかと思います。発達障害の診察というのは、5分や10分という診察では解決できないことが多々あります。ですので、未来に向け、この点も一緒に考えていただけるとありがたいと思います。
2点目、51ページの精神・発達障害者しごとサポーター養成講座は、もっと推進していってほしいと思います。地域移行、地域生活支援の充実には、本人の経済的な自立、また、一方で、その人が働いたり、住んだりする地域、企業の理解が不可欠だと思います。先ほど本條委員が、55ページの教育というところで地域ということを言っていましたが、学校、地域、企業、そこに合わせてきちんとした形で教育がされることを切に望みます。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
次は、斉藤委員、お願いします。
○斉藤委員 日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
精神障害者の地域包括につきまして、私は前に自治体にいたものですから、グループホームの設置まで関与したことがございました。そのときの経験を踏まえまして、少し発言させていただきたいと思います。
それから、心臓病の子どもを守る会の関係からも、私はここに参加しております。心臓病の中にも、遺伝子が欠けているということがありまして、発達障害系になって、精神障害になっていくというお子さんもおりますので、あながち関係がないということではないので、発言させていただきます。
9ページの地域包括ケアシステムの構築の中で、いつも図を見ていて、よくできていると思う反面、欠けていると思う部分がございます。社会参加、地域の助け合い、ここのところだろうと思っております。精神障害者が地域に出ていくに当たりまして、一番大変なのは、地域の理解です。そして、地域の理解は行政の役人、あるいは病院等の先生方、看護師、ケースワーカーがどんなに言っても、地域の中でそれに対応してくれる組織がないと非常に難しい。それは、経験上からもそう思います。
グループホームをつくるときに何が一番頼りになったかといいますと、地域で信頼される人がどこにいるかということです。信頼されている方が、グループホームに対して責任者になったり、世話人になってくれたり、そういうことがないと、地域が動きません。そういうことを考えますと、今でも活躍をしてくださっています、民生・児童委員の方々は大変立派な方が多いです。地域によって違うかもしれませんが、そういう方々が中心になってくださったり、あるいは保健所関係で健康づくり推進員という方々がおります。この方々が地域との間に入ってくださって、信頼を得てくださいます。そういう方がやっているのならばということで、巻き込まれていくことがございました。
それから、第22回になりますけれども、こころの健康フェスティバルをやっておりまして、障害者全員を集めながら、精神の患者さんを中心にして、区民の皆様を集めて、大きなイベントをやります。そういうことで、少しずつ、長い間をかけて、地域の人の理解を求めてきたという経緯があります。ただ、非常に難しいので、間違って、この図だけを見まして、上のほうから、行政から、こういうふうにやると言っても、地域は全く動かないので、現場をもう少し見ていただきながら、ここのところの助け合い、教育、この辺は、上から目線ではなくて、地域の実情に合わせて、掘り起こしをしながらやっていくことが必要だと思います。
なお、その地域は、4つ、大きな精神病院がありまして、地域に精神障害者を見ない日はないところですので、区民の方々もなれているという状況もありました。ただ、課題はたくさんありますので、一つ一つ解決していくためには、地域の信頼ある方々をここのところに登場させていくといいと思いまして、発言をいたしました。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
ほかに、右側ではいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、内布委員、お願いします。左側のラインに入ってきます。時間がやや押してきている感じもしますが、よろしくお願いいたします。
○内布委員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の内布と申します。
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
質問があるのですけれども、こちらの資料の中で8ページにあります社会参加、地域の助け合い、教育の中でピアサポートという言葉が出てきております。こちらのイメージはどのようなものを想定しているのかということを、1点伺いたいと思います。
あとは、34ページにも、アウトリーチの人員配置でピアサポーターという言葉があったりします。
少し戻りまして20ページなのですけれども、事業内容のところで、ピアサポートの活用に係る事業とあるのですが、こちらの具体的なイメージをつかめればと思ったので質問させていただきたいと思っております。
○駒村部会長 それでは、後ほど事務局からお願いいたします。
左のラインで、いかがでしょうか。私と同じ列のところは、いいですか。こちらの列では、御発言はないですか。いいですか。
それでは、今までの中でドロップアウトの話だったかと思いますが、具体的な御質問もあったと思います。御質問の御回答を事務局からしていただいて、あとはコメントに関して、何か意見があればと思います。よろしくお願いいたします。
○武田精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。
まずは最初に、委員の皆様方、参考人の皆様方から、大変幅広く示唆に富んだコメントをいただきまして、心から感謝申し上げます。先ほど申し上げましたような、担当者、都道府県、自治体の方々との合同の会議等もございますので、そういう機会も十分に活用して、皆様方の御意見、発想を伝えて、私どもも発展させていきたいと考えております。
幾つかコメントをいただいたものもございます。御質問をいただいたものの中で、齋藤参考人からだと思いますが、アウトリーチに関してのものです。病院、医療機関のところは、要所、要所でうまくつないでいくということは、非常に重要だ、未受診の方々を拾っていくためにどういうものがあるのかというお話もございました。
これにつきましても、非常に大きな課題だと考えてございます。それぞれの地域から、課題、問題が出てございます。これは1つの答え、1つの方式はないのではないかと思います。
ただ、今も各地域において、そういうものの仕組みがうまく作動しているところもございます。ある意味では、それぞれの地域によって、バックグラウンドとか、そういうものも違ってございますので、そういうものも勘案した上で、先ほど申し上げたような国レベルでの協議の場のようなところ、そういうところも含めて、うまく動いている事例の共有化、発展をさせていくということはどんどんしていきたいと考えてございます。
コメントと質問ということで、私のところでも、うまく分かれていないところで申しわけございません。
江澤参考人からいただいたものでございますけれども、協議の場の形骸化についてもまさにおっしゃるとおりでございまして、設定してそれを開くということが目的化してしまいますと本当に意味がないという御指摘だと思っております。
この点につきましては、私どももそれぞれの地域でのプランを実効あるものにし、効率的に動くものにするということ、うまく動くような協議の場の進め方について、いろいろな地域での成功例、逆に言うと、失敗例も含めて、集めて、そういうものの展開をさせていただければと考えております。そのためにも、私どものところでも知恵を絞りたいと考えてございます。
松田委員からいただきました地域移行、定着は非常に労力のかかるものであるというのは、いつも皆様方からお話を伺っている点でございます。そして、そういう観点から予防をしていく努力、そういうものも非常に重要なのではないか、これもおっしゃるとおりだと思っております。そういう意味では、地域包括ケアシステムの対象というものがいわゆる精神障害になってしまって、今、医療を必要とするという方だけではなく、予防的な観点からそういうものを未然に防いでいくということも、十分に範疇とするようなシステム化をしていくということについては、忘れずに、各地域のところでもしっかりとつくっていく必要があると考えてございます。
本條委員からの御指摘もございました。特に教育の部分におきましては、学校教育だけではなくて、地域教育、社会教育は非常に重要な観点だと私どもも思っております。そういう意味におきましては地域における理解というか、正しい知識、そういうものを持つための仕組みができないかということは、これからしっかりと考えていかなければいけないと思っております。
55ページの教育(普及啓発)のところで、今後の具体的な取り組みを少し書かせていただきました。普及啓発ツールの作成、シンポジウム、フォーラム等というのはいろんなところでやっておるところでございますけれども、そのほかに、真ん中の「・」のところでありますが、精神障害者地域生活サポーター(仮称)と書いてございますが、これはある意味では、認知症サポーターのようなものをイメージしているところでありますが、一般の地域の方々においても、しっかりと正しい知識を得ていただいて、そして、それを普及していく。地域の中でそういうものを広めていくための核になるような、そういう方々をふやしていくということもひとつ考えられると思います。これも、私どもの一つの宿題とさせていただきまして考えたいと思います。
永松委員からも、いろいろと御意見をいただきまして大変ありがとうございます。教育という意味、スキルアップという意味におきまして、これも本当に重要な観点でございますので、決して都道府県の方のみならず、実際のところ、生活の場である市町村の方々、そういうところには非常に重要な役割を担っていただいているということでございますので、そういう方々に対する正しい知識に関して提供をさせていただく、スキルアップをさせていただくという仕組みについても、これからしっかりと考えていきたいと思います。御指摘のとおり、未然に防いでいくという面においては非常に重要な観点だと思っております。
橋口委員からも、いろいろと御指摘をいただきまして、まことにありがとうございます。最後のところで、地域での理解が必須だということでした。これは先ほどの本條委員の御発言とも連結するところであると思いますけれども、例えば先ほど申し上げた精神障害者の地域生活サポーター等のプランを進めるなり、これもまた知恵を絞らせていただきたいと思います。また、御意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。
斉藤委員からいただいた御意見でございますけれども、これも地域の理解ということでございまして、全く同じ点でございます。全てのもので、いろいろな仕組みを進めていく上での基盤となるところだと思いますので、御指摘のとおりしっかりやります。
それから、みずからを戒めなければいけないわけですけれども、上から目線ではなくボトムアップで、それぞれの意見をしっかりとお伺いしながら、このような仕組みづくりを進めていくことが重要であると考えております。ありがとうございます。
内布委員からいただいた御質問でございます。特にピアサポートに関してのイメージということでございます。ピアサポートの活動といたしまして、私どもで考えておりますのは、例えば地域移行でありますとか、地域定着、就労移行、就労定着、今、るる申し上げたような精神障害に関する普及啓発など、このような幅広い内容のところで活躍していただけると思います。ある意味では、幅を制限しないような形でいろいろなところで御活躍いただける、そういうところを期待しているところでございます。精神障害者の方々が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをするといった大きな命題、こういうことができるようにピアサポーターとしての活躍の機会、そういうものをしっかりと確保することに努めてまいりたいと考えております。
もう一つ、関連で御質問いただいた点でございますけれども、構築推進事業におけるピアサポートの活用に係る事業についてのイメージということでございます。この事業におきましては、精神障害者の視点を重視した支援を推進するための体制整備に係る費用につきまして、都道府県、指定都市、特別区、特別区と保健所設置市は、本年度からでありますが、そういうふうに広げて補助するものでございます。各地域の実情に合わせた取り組みが実施できると考えているところでございます。これにつきましても、いろいろなアイデアに基づきまして幅広い観点で、ピアサポーターの方が活躍できる場をそれぞれの地域で考えていただけると大変ありがたいと思います。
また、そのようないろいろな考え方、事例というものも、先ほど来から申し上げておりますような多種会議でありますとか、もしくはニュースレターでありますとか、そのほかいろいろなもので、全国に水平展開していくということも、しっかりとやらせていただきたいと思っております。
ありがとうございます。
○駒村部会長 追加ですね。事務局から、どうぞ。
○三好障害児・発達障害者支援室長 障害児・発達障害者支援室長でございます。
橋口委員から、発達障害に関する御意見をいただきましたので、その部分についてお答え申し上げます。
精神障害の前置としての発達障害の防止、早期発見、早期対応が大事ではないかということで、これは私どもも全く同じ認識でおりまして、1歳半健診とか、3歳児健診とか、そういう機会を通じた早期発見、早期支援をやってございます。
発達障害が診られる専門医の確保に関して申し上げますと、私どもの事業でも従前からかかりつけ医の先生方に対する研修事業をやってきておりますし、30年度におきましては、新規事業として発達障害のネットワーク事業を新設いたしまして、これは地域のかかりつけ医の先生が専門医療機関に出向いて、実地で研修を受けるなどをして、地域の中でネットワークを構築していく、そんな事業も立ち上げておりますので、そうしたものを通じて地域の医療資源のアップを図っていきたいと思っております。
診療報酬に関することにつきましては、医療部局の担当になるわけでございますけれども、私どもからも改定のときには必要な意見を申し上げておりますし、30年度の報酬改定のときには精神科ショートケアの拡充の話でありますとか、あるいは小児特定疾患カウンセリング料の対象年齢の拡大とか、こういったものも我々との意見交換などを通じて実現したということもございますので、またいろいろと御意見をいただければと思っております。
以上です。
○駒村部会長 この議論に対しては、心配のある部分とか積極的なアイデア、あるいは具体的な御要望、それから先ほど地域間の差の分析という宿題もあったかと思いますので、その辺を踏まえていただいて、きょう配っていただいた資料はバージョンアップいただくということだと思います。
もう一つ、議題がありますので、大変恐縮ですけれども、ここで議事(2)から離れて、議事(3)のその他に入りたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から、議事(3)その他についての資料説明をお願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
3点ございますが、1つ目は私から説明させていただきます。
資料3でございます。
御報告ですが、生活のしづらさ調査を5年に一度やってございまして、資料3の1ページ目の上のほうに書いてございますが、平成28年12月1日時点で調査をした結果を、ことしの4月に公表いたしましたので、御紹介するものでございます。
エッセンスは、調査のポイントという四角囲みの中にありますが、1つは人数が把握されておりまして、手帳を持っていらっしゃる方は560万人ぐらいいらっしゃり、手帳を持っていないけれども、自立支援給付を受けていらっしゃる方が33万人いて、それを足すと600万人弱となるという人数の点です。
人数の点につきましては、一番後ろのページをごらんいただきますとトータル936万人という数字を上に書いてございます。私どもは、従来から、2つの数字を出していますけれども、しづらさ調査で把握したものは、在宅にいらっしゃる方の障害者の数であるという点で人数が少な目に出ているということと、精神障害者について手帳所持者がまだ少のうございますので、最後のページは患者調査で把握した精神障害者の数でございまして、その関係でトータルすると936万人という数字でございます。
戻っていただいて、1ページ目の箱囲みの2つ目のところに、手帳所持者のうちサービスを利用していらっしゃる方は、65歳未満では約3割、65歳以上では障害のサービスは2割弱、これは介護保険のサービスを利用している人がふえるということだと思っています。
その他、詳細な内容は後ろ、あるいは1ページ目の一番下に、ホームページでより詳しい表も見られるようになってございますので、ごらんいただくことになります。
2~3点だけ見ていただくと、3ページ目に身体障害者の中の種別の推移の数字が出ていますということと、4ページ目は知的障害者、5ページ目は精神障害者について等級ごとの数字、あるいは年齢ごとの数字も把握されています。
5ページ目の一番下、8番でございます。これは今回の調査から把握を始めておりますけれども、難病と診断された方の数はとれている母数が少ないので、かなりぶれの大きい数字だと考えられますが、一応推計をすると今回94万人という数字が把握されているということでございます。
簡単でございますが、以上です。
○遠藤施設管理室長 施設管理室長でございます。
私からは、資料4、国立のぞみの園の在り方検討会の報告書の概要について御説明をさせていただきます。
のぞみの園は重度の知的障害者の方が生活をする福祉施設であり、昭和46年に特殊法人として設立をされたところでございます。
平成15年に独立行政法人に移行し、終生保護する施設から、入所されている方が普通の暮らしができるように、総合的に支援する施設へと転換し、地域移行に積極的に取り組んでまいりました。
近年は、入所されている方の高齢化が進むとともに、地域移行により入所者の方の人数が年々減少し、のぞみの園を取り巻く状況が大きく変化をしているところでございます。このため、のぞみの園の中長期的な運営方針を検討する場として、有識者で構成をする、国立のぞみの園の在り方検討会を設置し、30年2月に報告書を取りまとめさせていただきました。
報告書では、資料4の1ページ、1.基本的なあり方として、(1)にありますように、国として実施すべき事業に重点を置き、地域移行という視点を重視しつつ、要請に応えるべきである。
2.事業内容として、旧法人から入所している方に対する支援について、進めていく中で、社会福祉法人等が役割を担えるか、医療的ケアが必要な方の支援のあり方を含め、検討すべきである。
(2)として、現在、取り組んでいる著しい行動障害を有する方や、矯正施設を退所した知的障害のある方を対象とした、有期入所者に対する支援について、引き続き行う必要があるか、全国の施設の状況を踏まえて、支援のあり方を検討すること。
(3)として、支援の実践成果を全国に発信すべきなどが、記載をされているところでございます。
次のページをおめくりいただきますと、3.事業運営について、(1)経営改善として、事業内容、運営体制の見直しや経営の効率化を検討すること。
(2)及び(3)として、実施場所や老朽化した建物の処分などについて検討することなど、今後の方向性について、論点が整理をされたところでございます。
本報告書を踏まえ、今後は、厚生労働省とのぞみの園で、平成30年度からの第4期目標期間の早い時期において、詳細な収支分析を行いつつ、人員体制、雇用管理のあり方や事業内容の検討などを行うこととしております。引き続き、しっかり検討してまいりたいと思っております。
私からは、以上です。
○三好障害児・発達障害者支援室長 それでは、報告事項の最後です。障害児・発達障害者支援室長です。
資料5-1と資料5-2に沿って御説明しますが、資料5-1をごらんください。家庭・教育・福祉の連携トライアングルプロジェクト報告でございます。
このプロジェクトは何かということなのですけれども、教育と福祉の連携というのは非常に重要だと以前から言われているわけでありますが、現場の学校と通所の事業者との間の連携というのが十分にうまくいっていない、あるいは市町村の教育委員会と福祉部局との間の連携がうまくいっていない部分があるということがございましたので、両省の間で議論をいたしまして、そういったところの連携をさらに強めていく。その際に、教育・福祉だけではなくて、家庭との連携も非常に大事でありますので、トライアングルプロジェクトということでやらせていただきました。
これは厚生労働省と文部科学省の両副大臣をヘッドといたしまして、あとは関係部局の担当が集まって、昨年度、12月から3月にかけて議論をさせていただきまして、年度末にここにありますような報告書をまとめさせていただきました。
大きな課題として2点、教育と福祉との連携に係る主な課題、保護者支援に係る主な課題ということで、両者の情報連携が足りていない、コミュニケーションがとれていないという話でありますとか、保護者の方がいろんなサービスとか、いろんな支援機関を1人で駆けずり回ってつないでいるという現状があって、ここは何とかしなければいけないということで今後の対応策をまとめております。
教育と福祉との連携を推進するための方策につきましては、関係機関が集まる場を設置することが必要ではないかということを書いておりましたり、あるいは学校の先生方が、福祉制度について余り詳しくないというところがございますので、研修会を実施するなど、周知を図るといったことを書いてございます。
保護者支援につきましては、いろんな相談機関がありますけれども、そういったものが一覧となって、わかりやすく整理されているものをつくる必要があるだろうとか、あるいは学校の先生と、例えば放課後デイサービスの事業者の方が、日々いろんな連絡をするためのフォーマットでありますとか、どういう事項を毎日の引き継ぎのときにお互いに共有するといいかというようなこともまとめさせていただいておりまして、それに沿って取り組みを進めていただければということでございます。
下に具体的な取り組み例も書いてございますけれども、私どもはこういった内容を取りまとめて、5月に具体的に自治体でありますとか、あるいは教育委員会に対して、通知を出しておりまして、こうしたものに基づく取り組みを進めているところでございます。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございました。
残された時間はわずか10分弱でございますけれども、事務局の今の御報告に対して御意見、御質問はいかがでしょうか。
斉藤委員、ほかにはいらっしゃいますか。よろしいですか。
それでは、斉藤委員からお願いします。
○斉藤委員 何度も済みません。日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
今回の福祉と教育との連携ということに関しましては、私も何回か発言させていただいておりますので、大変ありがたく、いいと受けとめております。
平成26年ぐらいだったと思いますけれども、文科省と厚労省が同じ通知文を出しまして、放課後子ども総合プランという名称の中で、両方一緒に頑張っていこうという趣旨で書かれておりまして、そこの留意点の中に、実施に当たってはということで、特別な支援や配慮を必要とする児童の受け入れと、それらの児童が安心して過ごせるような環境に配慮するようにということで、留意点として書かれております。
ところが、今回のトライアングルのプロジェクトの報告を見ますと、放課後子ども総合プランが全く書かれていないので、文科省として、また、学校としてはインクルーシブ教育に随分力を入れていると思っております。その流れの中で、放課後子ども総合プランもありますし、さまざまな地域でのプランもあるのだろうと思います。そういうところと、今回のトライアングルの児童のデイサービス、この関係がどういうふうになっているのかということで、また、どういう議論を踏まえてこの中に書かれていない形になったのかということを教えていただきたいと思います。
以上です。
○駒村部会長 御質問だと思いますが、ほかに委員で御質問はありますでしょうか。竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 竹下です。
この内容そのものの質問ではないのですけれども、せっかく教育と福祉の連携、あるいは文科省と厚労省の協議の場が持たれているのに、残念ながらこの検討の中にこの場でも議論されてきたようなことが落ちている部分があると思います。
典型的なものは、移動支援の場面で、通学における移動支援としての援助については、繰り返しいろんな委員の方が問題点を指摘し、あるいは支援の必要性を訴えてきたにもかかわらず、その都度、答えとしては、福祉がどこまでやるべきかとか、教育・行政との関係で調整とか、こういう形でしかいつも答えが出てこない。せっかく壁を取り除くかのごとく厚労と文科の議論の場が持たれているのに、そのことが落ちているというのは非常に残念でならないと思います。こういう場を設けて進めるからには、1つに絞りますが、通学における移動支援について、こういう場でぜひ議論していただきたい。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。本條委員、お願いします。
○本條委員 きょうでなくてもいいのですけれども、一度、障害の定義とか範囲ということについても議論をしていただきたいのです。これでいきますと、精神障害者の場合は、手帳所持者が84万1,000人になっておりますけれども、患者調査によりますと三百数十万と非常に大きな差があります。生活のしづらさという観点の調査でありますので、生活のしづらさということになると、手帳云々とは余り関係がないのではないかと思いますので、生活のしづらさ、精神とか、心身に障害があることによって、日常生活とか、社会生活に制限を加えられているという観点にのっとって把握する必要があるのではないか、そういう点で議論をしていただきたいと思います。
きょうは時間がありませんから、結構です。
○駒村部会長 橋口委員、お願いします。
○橋口委員 橋口です。
少し話がそれるかもしれませんが、報告も兼ねて連携というところでお願いがあります。
以前の部会でも意見をさせていただきましたが、日々の日常生活を支えるというところで、前回の部会で橘委員が、たしか福祉専門家の福祉をとった専門家の協力が不可欠であるという点で、そこに関して私もお願いがあります。
4月7日に、厚労省主催で世界自閉症啓発デーのシンポジウムが行われました。発達障害支援室長の三好さんを初め、支援室の人に御協力いただきシンポジウムを行ったのですが、以前、意見をさせていただきましたヘアカットです。障害のある方のための理美容師というところで、発達障害の子のためのヘアカットをやっている、そらいろプロジェクト京都という方の取り組みをシンポジウムで行いました。
既に私が課題として考えているのは、橘委員がおっしゃったように福祉専門家の福祉をとった専門家の協力が今後は必要不可欠である、そことの連携が必要不可欠だと考えております。ですので、既に行われている訪問カットだけではなく、町の中の理美容院へ行くことができ、もっと言うと、おしゃれを楽しむことができる支援、協力が必要なのではないかと思っています。
そういう中で、シンポジウム等を行うに当たって見えた課題があります。理美容師の協力を仰ぐため、また得るためには障害に対する基本的な知識が必要不可欠だと考えていますが、理美容師育成の段階での教科書に、合理的配慮などの障害者対応が載っていないということです。ですので、障害者対応、合理的配慮とはどういうものかということを知ってもらう機会の提供は私たちの役割、責務であると考えています。なので、教科書へ盛り込むために、盛り込んでいただくような動きをとりたいと思っているので、力になってもらえないかと思っています。
それから、先日、ニュースでも大きく出ましたが、2040年には社会保障費は190兆円という数字が出ています。こういった取り組みは、社会保障費にあらわされるように福祉だけで完結できるものではなくなっています。ですので、福祉をとった専門家、企業のお力を得ながら進めていくことが大事なのではないか、官民連携の仕組みが必要ではないかと考えます。
以上です。
○駒村部会長 ありがとうございました。
時間も来ておりますので、御意見はこのくらいにさせていただきます。
竹下委員、斉藤委員から質問に絡んだコメントがありました。
本條委員からは範囲の話、データの特性との関係ですので、これは今後の話だと思います。
橋口委員からは、生活全般を支えていくための基本的な情報の共有化や、システムの構築というお話だったと思います。
事務局から、かいつまんでコメントへのお答えがあればと思います。お願いいたします。
○三好障害児・発達障害者支援室長 斉藤委員、竹下委員から、トライアングルプロジェクトのテーマ設定の話について、御指摘いただきましたけれども、限られた時間の中で、今、特に問題になっているところを集中的に議論しようということで、今回まとめたものになります。
時間の関係で御紹介できなかったのですが、本文には本来、教育と福祉については時間軸と施策の範囲の両面で、さらなる連携が必要だということを書いておりまして、医療的ケア児など、医療が必要なお子さんに対する施策でありますとか、あるいは一般的な子育て施策との連携とか、子供だけではなくて18歳に達した後の就労支援の関係の連携とか、まだまだ連携するところがたくさんありますので、両省間でさらに連携していこうということも記載させていただいております。ですので、御指摘いただいた点を含めて、さらに連携を進めていきたいと考えております。
以上です。
○駒村部会長 ほかに事務局からはありますか。いいですか。
きょう、後半の部分は、また詰まった部分がありまして、今、三好さんからお話がありましたように、今後の動きを少しフォローしていただくこともあろうかと思いますが、きょうの議論としてはこれで時間もまいりましたので以上にしたいと思います。
最後に、今後のスケジュールについて、事務局からお願いいたします。
○朝川企画課長 企画課長です。
本日は、御多忙の中、御議論をいただき、ありがとうございます。
次回の部会につきましては、追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○駒村部会長 それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。
 

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