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2018年11月15日 第8回食品の営業規制に関する検討会

医薬・生活衛生局食品監視安全課

○日時

平成30年11月15日(木)
13:00~15:30

 

○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B

○議題

1.開 会

2.議 題
 (1)事業者団体からのヒアリング
  
 (2)営業許可対象業種等の見直しの考え方について

  (3)営業許可対象業種の施設基準の考え方について

 (4)その他


3.閉 会

○議事

○五十君座長 それでは、定刻になりましたので、第8回「食品の営業規制に関する検討会」を開会いたします。
 本日は、岡崎構成員、加藤構成員、中村好一構成員、山口構成員、横田構成員から御欠席の連絡をいただいています。また、髙田構成員は所用により、おくれての出席となります。
 また、本日は参考人としまして、全国菓子工業組合連合会様、全国和菓子協会様、一般財団法人全国豆腐連合会様に出席いただいています。
 それでは、議事に入る前に事務局から配付資料の確認をお願いします。
○蟹江HACCP企画推進室長 本日の資料の確認をいたします。本日はペーパーレスでの開催とさせていただいておりまして、昨日16時に資料を厚生労働省のホームページに掲載しております。資料4につきましては、おくれての掲載となりましたので、受付で配付しております。お持ちでない方がいらっしゃいましたら、事務局までお申しつけください。
 本日の資料でございますが、
 第8回「食品の営業規制に関する検討会」議事次第
 座席表
 資料1 菓子に関する規制について
 資料2 全日本菓子協会、全国菓子工業組合連合会、全国和菓子協会、一般社団法人日本洋菓子協会連合会、協同組合全日本洋菓子工業会様の連名の資料
 資料3 豆腐に関する規制について
 資料4 一般社団法人日本厨房工業会様 提出資料
 資料5 貯蔵・運搬について
 資料6 営業許可業種見直しの論点に関する主な意見及び対応方針案
 資料7 一般社団法人日本パン工業会様 提出資料
 参考資料1 施設の共通基準の素案(たたき台)
 参考資料2 公衆衛生に与える影響が少なく、届出不要な営業の考え方
 参考資料3 本検討会 開催要領
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、検討会冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、議事に入りたいと思います。
 議事次第にあるとおり、本日の議題は「(1)事業者団体からのヒアリング」「(2)営業許可対象業種等の見直しの考え方について」「(3)営業許可対象業種の施設基準の考え方について」となっております。
 まず、議題(1)「事業者団体からのヒアリング」についてですが、各事業者団体様から、現行の営業許可制度の問題点等について御意見等をいただきたいと思います。
 それでは、資料1「菓子に関する規制について」を事務局より説明願います。
○蟹江HACCP企画推進室長 各食品の事業者団体様から御説明いただく前に、事務局から関係する現行の規制について説明させていただきます。資料1「菓子に関する規制」でございます。
 1の営業許可につきましては、政令で定める34業種の中で、菓子製造業、あん類製造業が該当いたします。現状の許可取得施設数でございますが、菓子製造業が16万2418、あん類製造業が927、いずれの数字も平成28年度の衛生行政報告例の数字でございます。
 それから、私どものほうで調査いたしました重複許可の業種の結果でございますが、菓子製造業の場合ですと、飲食店営業を重複して許可を取得しているケース。それから、あん類製造業ですと、菓子製造業の許可を取得しているケースがございます。
 2の規格基準につきましては、生あんの規格基準が設定されております。成分規格と製造基準が設定されておりますが、まず成分規格につきましては、生あんは、シアン化合物の検出されるものであってはならないという規格が設定されております。それから、製造基準につきましては、シアン化合物を含有する豆類を原料として生あん製造する場合についての基準が設定されております。
 規格基準につきましては、告示で定めておりますけれども、洋生菓子の衛生規範は通知でお示ししておりますが、こちらについて、目的、適用の範囲、用語の定義、施設・設備、施設・設備の管理、食品等の取扱い、検査、営業者、食品衛生責任者及び従事者の関係について、この衛生規範の中で記載されております。
 以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 次に、全国菓子工業組合連合会専務理事の山本様、全国和菓子協会専務理事の藪様から、資料2、菓子関係5団体提出資料を御説明いただきます。山本様、藪様、よろしくお願いします。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 それでは、菓子関係について御説明させていただきます。お手元の資料ですが、ヒアリング資料ということで提示しております。
 まず、菓子製造業界の一般的な状況ということです。ここに書いています事業所数ですが、この業界は菓子を製造して卸小売に販売する、いわゆるメーカーと言われる業者と、みずから小売も行う、街中の和洋菓子店から成り立っております。
 平成28年度の経済センサスで数字を拾ってみますと、菓子の製造事業所数は全国で9047カ所ある。そのうち従業員が30人以上の比較的大きいところが1397ですから、ほとんどはそれ以下の本当に小・零細な事業所であるということです。それから、街中のお菓子屋さんであります菓子の製造小売事業所数が2万4860ということで、合わせて3万4000弱です。
 注で書いてますが、これは事業所統計ですので、事業者としては、製造小売であっても、小売と一体でない製造所を持っている場合には製造事業者のほうにも含まれているということですので、実際の事業者数はこの内数だとお考えいただければ結構です。事業者としてみれば、ほとんどが中小・零細事業者であるということです。
 それから、昨年の菓子の生産金額と小売金額の推定ですが、飴菓子から始まって、主な菓子ごとに整理していますが、全体で見ますと、生産金額で2兆5000億円余、小売では3兆4000億弱といった規模になります。
 次の項目でございますが、会員が主として取得している許可業種は、菓子の製造業ということです。
 許可業種についての問題点が次の項目ですが、その中で重複して取得することが多い業種をとりたてて調査は行っていないのですが、この検討会での第1回検討資料等から見ても、あるいは私どもが日ごろ耳にすることから判断しても、飲食店営業とか喫茶店営業などが多いのではないかと推察しております。
 次に、重複業種を営むに当たっての課題ということですが、1つは、国の制度である以上、指導は原則として統一していただきたいということです。これは、県ごとによっても違いますし、保健所ごと、保健所の個々の職員の方によっても指導が異なってくるということで、現場では大変困惑しているというのが実態です。特に、都道府県と政令指定都市がある県については、政令指定都市は政令指定都市で独自にやられます。そうすると、非常に身近で違った運用が行われるということで、それに対する不満も非常に大きなものを感じています。
 それから、2ですが、主たる許可業種があり、付随的に他の許可業種に該当する業を営む場合には、特段の必要性がない限り別途の許可は不要としていただきたいということです。ごく一部、ほかの業種に当たるものをやっただけでも、ほかの業種の許可をとれというのは、そこまで本当に必要があるのかどうかということです。指導の内容によりましては、それに対してワンセットの施設をつくれとか、そういう指導も受けたりしておりますので、負担感が非常に大きいということです。
 3番目の複数の許可が必要な場合でも、更新について、一定の期間でやるのですが、その都度、何回もやらなければいけないということで、できれば時期を調整して一括してやっていただくことができないか。括弧に書いていますように、1枚の許可書の中に、例えば菓子製造業、喫茶店営業とか、そういう形で必要な場合でもやっていただけるような、できるだけ手間を省略できるようなことを考えていただけないかということです。
 4の保健所等の指導に疑問がある場合に、相談するための国の窓口をぜひ設置していただきたいと考えています。現場に行きますと、保健所さんというのは非常に権力といいますか、指導権限があります。私どもの業者は、保健所さんが一番怖いのです。ですから、そこから言われると、おかしいなと思っても、泣き寝入りというのはちょっとあれかもしれませんが、そういう嫌いがないでもないので、そういう場合に国のほうで、こういうことでどうしたらいいですかという相談を受ける窓口をぜひつくっていただければなと思っております。国のほうからも、その内容について、保健所等に確認なり、あるいは改善の必要がある場合には、その情報を全国的に共有するというシステムをつくっていただければと考えています。
 次のページをめくっていただきまして、ここはこれまで私ども、いろいろ聞いている中で、こんな声が寄せられているということです。
 ざっとごらんいただきたいのですが、1の場合は、今、申し上げました、自治体、保健所によって対応が異なる。同一の製造所、建屋、ラインで複数許可品目の製造を認めないところもある。
 菓子を販売している店先などでサーバーによるソフトクリームを販売することについても指導がまちまちであり、理解できないという声。
 飲食店営業で、食べ歩きに向けて冷凍タルトをオーブンで焼いて供するだけでも菓子製造業の許可が必要と言われた。
 カフェスペースでオープン当初からキッシュを出していたが、今年になって急に喫茶店営業から飲食店営業に切りかえるように指導された。
 あるいは、5番目ですが、2店舗を別会社にして製造許可を得ていて、会社を1つにまとめるということで、食品衛生法上どういう手続が必要かということで、数カ月間、保健所に相談して、その指示に従って資料を持っていったところ、上司に当たる人から、この内容ではだめだと言われて、何のために相談したのか困惑しているという声もあります。
 それから、6点目ですが、商品のカテゴリーの境界がはっきりしない製品を製造すると、追加の製造許可をとるように指導される。例えば、栗入りの芋あん、あるいは黒豆ぬれ甘納豆を製造し店頭で販売したところ、前者はきんとんなので、後者は煮豆なので、そうざい製造業を取得しなさいと言われたということです。
 ただ、こういう製造者が売る場合には、菓子という表示、意識で売っているわけです。それに一律そうざい業ということで指導されて、それに従わざるを得ないという状況があるということです。その辺は、ぜひ御考慮いただければと思っております。
 次に、現行の施設基準の問題点ということですが、重複業種を営むに当たっての課題等の、前のページの項の1の、国の制度である以上、統一していただきたいということと、相談窓口をつくっていただきたいということです。
 寄せられている声としまして、1つは、販売スペースと製造(厨房)スペースの間仕切りがない、いわゆるオープンキッチン形式の洋菓子の製造・販売が自分のところでは認められない。でも、他県では認められているようなので、不公平感を感じるという声も寄せられております。
 それから、アイスクリームの製造許可をとる際に、コンピューター制御で温度などを管理できるマシンを入れた。ところが、さらに温度計と記録できる機械をつけるように指導され、メーカーに問い合わせたところ、そういう例は全国的に初めてだったという声がありまして、全国的に統一していただきたいということです。
 それから、営業許可業種の見直しの論点(案)に対する意見ということですが、許可業種の大括り化あるいは統合については、異存はございません。ただ、加工食品は既存のカテゴリーを超えて常に進化していくものですので、クロスオーバー的なもの、先ほどの菓子とそうざいみたいなものですけれども、そういうものを許容する業種設定としていただきたいということです。
 それから、重複業種を営むに当たっての課題等ということで、前のページの項目2と同じということです。主たる許可業種があり、付随的にということです。
 その他ですが、指導基準の統一を今回はされるということで、省令でいろいろ取り組まれるということで大変ありがたいことだと思っております。ただ、その際に、食の安全の確保ということはもちろん大前提ですが、家族経営等の小規模零細事業者の過剰な負担にならないように、十分御配慮いただければと思っております。
 それから、2点目ですが、条例でまた追加されるということがあろうかと思いますけれども、その場合には、食品衛生上の必要性を明確に説明していただければと思っております。
 3点目に、これとは直接関係ないのですが、営業許可以外の指導についても、保健所、地方自治体により内容が異なることがあり、不公平だという声がしばしば寄せられているということです。
 以上、雑駁ですが、御説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○五十君座長 ありがとうございました。
 次に、関連業界ということで、資料番号が飛びますが、資料7、一般社団法人日本パン工業会提出資料を事務局より御説明いただきたいと思います。
○蟹江HACCP企画推進室長 一般社団法人日本パン工業会様から要望をいただいておりますので、御説明いたします。
 資料7「営業許可制度の見直しに係る製パン業界の要望」ということで、製パン業界では、「菓子製造業」、「飲食店営業」、更にリテイルベーカリーにおいては、「喫茶店営業」、「乳類販売業」、「食料品販売業」等、複数の営業許可が必要とされる。一方、基準や判断が地方自治体や保健所によって異なっていることから、地方自治体等によっては、申請しても許可がおりない、許可申請時や更新時の費用が高額となる、申請時に新たな設備変更(区画や手洗い設備の増設等)が求められるなどの支障が生じている。今後、営業許可制度見直し時には、地方自治体等の「判断基準の統一」を図っていただきたいということが1つ目です。
 具体例といたしまして、菓子パンを製造しているラインで、新たに調理パンを製造することになり、飲食店営業の許可を取得しようとしたところ、地方自治体等によって取得できるケースと、区画が必要とされ同一ラインでは取得できないケースがあるということでございます。これは具体例でございます。
 2つ目の御要望ですが、「菓子製造業」と「飲食店営業」を統一する場合は、飲食店営業が不要な事業所等もあることから、営業許可申請の審査条件が増えて全体に難易度が上がらないようにしていただきたいという御要望を書面でいただいております。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料1、資料2、及び資料7の説明に関しまして御意見や御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
 どちらからも、かなり自治体間の判断基準が異なるという御意見がありましたけれども、自治体の方、これに関して何かありますでしょうか。河村委員から行きますか。
○河村委員 今までも業界の方から自治体間の差の話がいろいろ出ているのですけれども、都道府県、政令市、中核市も含めて、たくさんの自治体が食品衛生法に基づく営業許可業務について自治事務でやっているということで、それぞれ定義がはっきりしない食品を扱ったり、施設についてもさまざまな施設、昔より業態が複雑化している部分もあったりして、その中で苦労しながら判断しているということも御理解いただければと思います。
 道は、政令・中核市をあわせて道と4市で食品衛生行政をやっていますけれども、自治体間で差がないように情報を共有しながら指導等をさせていただいています。それでも、100%一致しているかというと、施設によって細かい部分が異なることもあったり、文字で書かれていても、実際に施設に行くと、細かい部分で違っているということが多々あります。資料にある事例のように明らかにおかしいというのも確かにあるかもしれませんけれども、全てが全てこういった事例ではないとご理解いただければと思います。自治体間でも情報を共有しながら、違いがないようにいろいろ努力しているということもご理解していただければと思います。
 今回、許可業種の見直しに伴って、施設基準も統一して省令で規定するということでございますので、自治体としても新しい基準の中で全国平準化して指導できるというところに期待しているところもありますし、そうなるべきだと思います。
○五十君座長 ありがとうございます。
 ほかの自治体から、もしコメントがございましたら、よろしく。
 中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 今、河村委員が言われたように、ケース・バイ・ケース、個々の事例はあると思います。多くがコミュニケーションの問題もあるのかなと思っています。事例で、きんとんだからそうざい製造業の許可をというお話がありましたが、本当にそれだけでそう指導されたのかなと。ほかの要因もあったのではないかなと、実際聞いてみないとなかなかわからない部分もあります。
 特に、今の許可制度というものが、何回もこの席でもお話ししていますけれども、まずハードのところから入っている。今まで衛生管理というのは、ハードで何とかしよう。事前に未然防止の観点でがっちりやっていこうという主眼だったので、今後はHACCPの制度化が行われて、どっちかというと事前指導というよりは、皆様方の中の自主管理に重きが置かれるでしょうから、そういうところを我々は今後重視してやっていくことになるのかなと思います。
○五十君座長 貴重な御意見ありがとうございます。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 質問させてください。
 先ほどの営業許可見直しの論点に対する意見の中で、クロスオーバーを許容する業種設定ということがあります。いろいろなイメージを業界ごとにされていますけれども、菓子でいきますと具体的にどういうイメージがありますでしょうか。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 菓子とは何だという定義があるようでないのですね。例えば、おはぎは、お菓子屋さんはお菓子だということで、食品表示法も和生菓子ということで売られています。でも、スーパーに皆さんが行かれると、おはぎはそうざいコーナーにあって、おはぎと書いていると思いますけれども、そこはお菓子ではないと理解されているということですね。ですから、お菓子というのは何だということになると、売る人がお菓子と思い、買う人もお菓子だなと思って買うものがお菓子ということしかできないというのが実態です。
 もちろん、個々のお菓子の中で、例えばビスケットはどうだ、チョコレートはどうだというものはございます。ただ、お菓子というのは非常に広い概念で、それを一つのお菓子製造業ということで許可を出されているので、それはそれで結構ですが、どうしてもカテゴリーをまたがるもの、あるいは新しいものが競争の激しい中でどんどん開発されていますから、今までのものだけじゃなくて、今までなかったようなものもどんどん売り出されています。
 ですので、そういうものが出てきたときに、普通の甘納豆は乾燥ぎみなものですけれども、ぬれ甘納豆は少ししっとりしたもの。最近、柔らかいとかぬれ何とか、いろいろあると思いますけれども、そういう昔はなかったものが出てきている。その中でも、この事例の場合は汁けが少しある。ただ、乾燥させない程度です。表面が少しぬれたような感じである。だけれども、いわゆる煮豆と違うわけです。表示するのもお菓子ということで表示していますし、買う方もぬれ甘納豆ということで意識して買っていらっしゃるというものがどうしても出てくるということです。
 新しいものが出てきたときに、これはこうだからという今までの概念だけで仕切るのではなくて、それをつくっている人なり業者の意見もよく聞いていただいて、しかもどういうものとして本人が売っているのか、あるいはお客さんがどういうものとして買っているのかということも、そこは十分確認していただきながらご指導いただければと思っております。
○五十君座長 例えば、非常に多様化し、製品自体も変わっていくということで、菓子自体の定義がなかなか難しいというお話ですが。先ほど関連業界ということで、パンについてもここで一緒に御紹介させていただいたのですけれども、業界といたしましては、そのあたりまで一緒にするのがいいのか、それともある程度、線引きをしたほうがいいのかということについては、いかがでしょうか。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 特に、菓子の場合は、洋菓子の業種に関して言いますと、どちらかというと少量多品種生産です。大手さんは、どちらかというと多量小品種生産。わかりやすく言いますと。和菓子とか洋菓子の場合は、季節によって食品群が変わる。
 極端なことを言いますと、皆さんもおわかりのように、和菓子で言えば桜餅は春しか売られない。今、桜餅を買おうと思って買えないというふうに、時期によってつくるものが出てきたり、その時期だけ売られるものが出てきたり、同じようなお菓子ですけれども、いろいろな種類のものを数多くつくって並べるという少量多品種生産のように出されるもの。いろいろなものをやらなければいけないということが、多様化してきている一番の原因だと思います。
 和菓子屋も洋に近いものを随分やっていますし、洋菓子屋も和に近い素材をどんどん入れるようになってきたということから言えば、昔とは随分変わってきていることが事実。ただし、座長がおっしゃったように、パンと菓子を一緒にするかという話になりますと、我々の業界の者はパンとは一線を画したいと思うと思います。ただ、パンの中でも、あんこを入れたあんパンはどうするのかという話になってくると、非常に難しい会話になってくるのかなと思います。
○五十君座長 そのあたりの線引きというのはなかなか難しいという感じがしますし、資料2で関連ということでカテゴリー分けをしていただいているところでも、これはもしかしたら分けたほうがいいかなというものもあるようです。そのあたりについては、今、御提案いただいたように、まだ漠然とした”お菓子”という定義でひとまず考えてほしいということでよろしいですか。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 今、メーカーさんは特定のものということでありますけれども、皆さん御案内のメーカーさん、パンも巨大メーカーさんがいらっしゃいますけれども、そこは同時に菓子の巨大メーカーでもありまして、かなり和洋問わず、生から乾燥したものまで、ほとんど菓子全体をつくっていらっしゃるようなところもございまして、それぞれの事業者さんによって、どういうものをつくるかはそれぞれ考えられることなので、そういうところで細かく分けてしまいますと、何本もとらなきゃいけないという非現実的なことになってしまいますので、そこは、菓子は菓子ということでやっていただければなと思っています。
○五十君座長 施設基準等では、ぬれたタイプと乾燥タイプでは、大分違って設定される可能性もあるわけです。そういった観点で分けたほうがやりやすいという考え方は、今のところないということですね。
 ほかに御意見。どうぞ。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 はい。
○五十君座長 ほかに御意見。どうぞ。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 済みません、補足発言でございますが、商品のカテゴリーの境界がはっきりしない商品を製造する。例えば、和菓子屋が黒豆のぬれ甘納豆を販売して、そうざい業をとりなさいというケースが1つ。最近では、私どもの中の大手の企業では、そうざいだけではなくて、冷凍食品とか缶詰・瓶詰の許可も一緒にとっている企業もございますけれども、超零細企業でも、包材として缶詰を使う、瓶詰を使うケースが出てきているのですね。缶詰というと、何でも大きなロットでつくるわけじゃなくて、今、小ロットで簡単につくれるものができてきている。
 例えば、最中を例にとりますと、最中の皮とあんを別々に売るという形態でということが大分ふえてきている。そういう場合には、小さい菓子屋であっても、あんを缶詰に入れて、自分で巻き締めをして最中の皮とあんを一緒に売る。最中として売っているわけです。その場合に、缶詰のあんについて厳しく言われると、缶詰製造業の許可をとらないとだめという話になってくるわけですね。ところが、菓子屋は単なる包材として考えているわけです。それでは、密封性のない包材で売ればいいのかという話になってきて、今度は製品の日持ちの問題とか、安全・安心の問題がかかわってくる。
 そういった意味で、缶詰業として許可をとるべき缶詰と、菓子を売るために缶詰を使うという場合の缶詰、そういう違いのようなものについて、菓子屋まで缶詰製造業の許可をとらなければいけないのかということになってくると、非常に困難になってくる部分もあります。というのは、缶詰製造業の許可をとるためにはこういう基準が必要だ、また違う基準が出てきたりするわけで、小さい会社はとてもそれができなくて缶が使用できないことになってくる。そういう問題についても御考慮いただくとありがたいなと思います。
○五十君座長 わかりました。ありがとうございます。
 ほかにありますか。富松委員、どうぞ。
○富松委員 1つ、今の話に質問ですけれども、あんをつくって缶で売るというのは、あん製造業にはならないのですか。
○全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 一般の菓子屋があん製造業の許可をとっていることはありません。環境庁の排水処理関係であん製造業の許可が必要になっているように記憶しております。あんを製造して、菓子の中の材料としてつくっている。ただし、あんの製造にはすごく排水が出ますから、そういったものが排水されるのはよくないということで、排水処理上の問題で、一定量使うものについては、あん製造許可というものをとらなければいけないとなっていると思います。
 小さい菓子屋では、あんこは和菓子の命ですから。豆を炊いて、あんこをつくるのは。それを一々、あん製造業という許可はとっておりません。菓子製造業の中に含まれていると考えています。
○五十君座長 今のことに関して、自治体からご意見がありましたら、お願いします。
○中村(重)委員 あん類製造業という許可は食品衛生法の中にあるので、あんこを卸売するのであれば、あん類製造業をとってくださいという話になるのですが、今のお話ですと、つくられたあんは、お菓子の原料として用いられ、その菓子が消費者に直接販売されるので、さすがにあん類製造業は要らないという判断だろうと思います。
○五十君座長 河村委員、ありますか。
○河村委員 道も同じ考え方です。一番最初の検討会のときにも、おはぎをつくるのに、あん類製造業と菓子製造と、御飯を炊くので飲食店営業をとるように指導されたという話もあったと思います。和菓子をつくられるところには、菓子製造業だけで、あんを重複して上乗せして許可を取ってくださいという指導は、ほとんどの自治体はしていないと思います。ただ、今、中村委員がおっしゃったように、あん製造業というのは法に基づく許可業種になっています。
○五十君座長 追加ありがとうございました。
 それでは、時間もありますので、ほかに御質問がないようでしたら次に参りたいと思います。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
(全国菓子工業組合連合会・全国和菓子協会 退席)
(全国豆腐連合会 着席)
○五十君座長 次に、資料3に戻りますが、「豆腐に関する規制について」を事務局より説明をお願いしたいと思います。
○蟹江HACCP企画推進室長 資料3をごらんください。「豆腐に関する規制について」でございます。
 まず、政令で定める34業者の中に豆腐製造業というものがございます。それから、許可取得施設数としては、6971となっています。
 それから、規格基準の設定がございます。成分規格、製造基準、保存基準とありますが、つい先日、無菌充填豆腐の基準が設定されまして、これまでの一般的な豆腐と無菌充填豆腐の基準が設定されています。
 成分規格につきましては、豆腐のうち、常温で保存するものにあっては、当該豆腐中で発育し得る微生物が陰性でなければならない。これは、無菌充填豆腐のことでございます。
 それから、製造基準でございますが、原材料の大豆に関する記載もございまして、品質が良好できょう雑物を含まないものでなければならないですとか、十分に水洗いしなければならないといった基準がございます。
 それから、殺菌の基準もございまして、特に無菌充填豆腐につきましては、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な殺菌・除菌をした原料を用いなければいけない。例えば、豆乳の殺菌にあっては、その中心部の温度を120度Cで4分間加熱する方法などが記載されています。
 それから、豆腐を製造する場合に使用する器具は、十分に洗浄しかつ、殺菌したものでなければならないとか、豆腐を製造する場合に使用する水は、食品製造用水でなければならないといった製造基準がございます。
 それから、保存基準につきましては、一般的な豆腐については、冷蔵するか、又は十分に洗浄し、かつ、殺菌した水槽内において、冷水で絶えず換水をしながら保存しなければならないという基準がございます。
 以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 続きまして、一般財団法人全国豆腐連合会相談役の青山様から、豆腐製造に関する御意見を御説明いただきます。青山様、よろしくお願いいたします。
○全国豆腐連合会 青山です。よろしくお願いします。
 このたび、急遽、御意見を述べさせていただくことになりまして、大変ありがとうございました。急遽ということで、資料がそろっていない状態で、大変申しわけございません。
 お豆腐業界も、今、前におられた菓子とかパンと丸きり同じ状態で、豆腐の製造業をとりながら複数の営業許可をとらなければいけないという指導がたくさんされて、非常に困惑している状態です。お豆腐というのは、伝統的につくられておりまして、豆腐製造業の中では、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐、焼き豆腐、おぼろ豆腐、さらに揚げ物として、油揚げ、生揚げ、がんもどきというものがあります。それと、通常、昔から豆乳も豆腐屋さんの店頭では販売されてきております。最近では、多様な素材を使った2次的な加工したものがさらにふえてきています。
 そういう中で、過去に行われていた事例としましては、例えば揚げ出し豆腐をつくるのにそうざいの営業許可をとらなければいけないとか、豆腐ドーナツ、おからドーナツをつくるのに菓子の製造業をとらなければいけない。あと、伝統的につくられるがんもどきについても、そうざいの営業をとりなさいという指導がなされることがあるということで、先ほど御意見がありましたように、各地方行政の保健所さんの指導が統一されていないということがあって、非常に困惑しております。
 それと、先ほど無菌充填の豆腐の殺菌の条件というものがありましたけれども、お豆腐屋さんで伝統的につくられている充填豆腐というものが、普通の豆腐、無菌ではないものがあるのですけれども、製造流通基準が90度C、40分という殺菌の基準があるのですけれども、これの指導に対しても、AF2が使用禁止になったときにできた基準なので、それほど技術が進んでいない時代にできた基準なのです。ですから、お湯の温度で90度C、40分の殺菌がなされるという常識で、殺菌効率としては10のマイナス5乗ぐらいの殺菌効率を考えてやっているのですけれども、指導されるときに、中心の温度が90度C、40分を維持しなければいけないという指導がなされるのです。
 そうすると、本来の豆腐の風味が丸きりなくなってしまう、何を食べているかわからないようなものができてしまうのですけれども、そういう指導がなされるということで、各地方行政によってみんな違うということで、非常に困惑しております。
 特に最近、豆腐屋さんはお年寄りが多くて廃業が多いのですけれども、伝統的なお豆腐を継いでつくっていこうという若い方も大分出てきております。そうすると、従来にない豆乳とかおからを使った商品が新しく、いろいろ出てくると思います。そのときに、その都度新しい営業許可ということになると非常に困惑する事態になりますので、これは豆腐製造業、大豆を使って、豆腐・豆乳をつくって、関係したものは、一括の豆腐営業許可の中で製造できるようにしていただくというのが一番いいことかと思っております。HACCPということもこれから進めていくわけで、最低基準の中でとり上げていただければいいかなと思っております。
 それと、今の基準が、最近のスーパーさんの店頭を見ていただくとわかるのですけれども、絹ごし豆腐と木綿豆腐の境が非常に曖昧な商品が多くなっています。AF2が使用禁止になって、製造流通基準の中で、木綿豆腐、絹ごし豆腐とか焼き豆腐とか、一応の基準が全部決まっているのです。ところが、実際の現場での運用がされていないために、絹ごし豆腐に表面だけ布をつけたものを木綿豆腐として売るとか、絹ごし豆腐が自動化して、固くしないと壊れてしまうので、木綿豆腐に近く固くなってくるとか、境目が非常にわかりらくなってきているような商品があるものですから、豆腐業界といたしましては、豆腐公正規約をつくって、はっきりとした製造方法、規格基準をつくっていこうということで進めております。
 それと、加工豆腐というジャンルもありますので、加工度を高めたものも豆腐の公正規約の基準の中で整理ができるかと思いますので、豆腐製造基準の中でいろいろな関連商品ができるような形でぜひ進めていただくとありがたいと思っております。
○五十君座長 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料3と、全国豆腐連合様からの説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、お願いします。
 先ほどの御意見では、豆腐の加工品までは一括してというお話だったのですが、例えば。
○全国豆腐連合会 昔から、正月のおせち料理として擬製豆腐という、相当高度な加工がされたものを豆腐屋さんがつくって、それは腕を非常に自慢して売られていたものです。ですから、今ですと、これは恐らくそうざいでやらなければいけないという指導をされると思います。
○五十君座長 リスクマネジメント側から考えると、どこで線を引くかということで、地方自治体はそのあたりの判断で行われているのではないかと思います。もし自治体からコメントがありましたら、お願いできますか。
○中村(重)委員 おからドーナツをつくると菓子製造業をとらせられるという話ですけれども、これは各自治体で多分ぶれがないと思います。おからドーナツは、つなぎで小麦を使うのではないかと思います。そうすると、当然アレルゲンの問題も出てくるので、それを厚揚げを揚げる油と同じ油で揚げていれば、まさにコンタミを起こすわけで、表示も必要になってくる。まさに、今、座長がおっしゃったように、リスクマネジメントの観点で、ちょっと違うレベルのコントロールが必要になってくるのではないか。という意味で、菓子製造業あたりできちんとそれを分けてくださいねというのは、そんなに的を外した指導ではないのではないかと私は思うのです。
○五十君座長 どうぞ。
○全国豆腐連合会 ドーナツの油については、同じものを使うということはどこの業者もありません。別の菓子用の油を使っています。
○五十君座長 今の中村委員からの御発言は、その辺の線引きをするために、認識していただくために業種として許可をとってもらっている。それがなくなると大丈夫なのですかということだと思います。豆腐という言葉は、いろいろなものについていますが、私も、よくわかりませんでした。高野豆腐は、豆腐業界に入るのですね。
○全国豆腐連合会 豆腐の業界に入ります。卵豆腐とかごま豆腐は別。
○五十君座長 卵豆腐は全然違うものということになるわけですね。わかりました。
 大隅委員。
○大隅委員 御説明ありがとうございました。
 ちょっと確認したいのですけれども、豆乳やおからを原料としたものという話がありましたけれども、今の豆腐製造の中で、おからについての管理基準は多分ないと思うのですね。多くの豆腐屋さんは産業廃棄物として出しているほうが多くて、その辺を一体化してしまうと、管理をどこでするのかなという心配があるのですが、その辺のお考えはどうなのでしょう。
○全国豆腐連合会 私、個人的には、豆腐の細菌数ですとか、そういう基準がないものですから、逆にそういうところをしっかり整備して、最低の基準の中でそういうところを強化していただきたいという感じです。おからについては、産業廃棄物で処理するのは非常にもったいないものですから、それが普通にそうざいの許可じゃなくして出荷できるものであれば、お豆腐屋さんも積極的に利用していくのではないかと思います。
○大隅委員 そうすると、そこを包括して許可するとなると、多分、おからについてのある程度基準というか、おからを除去するときの施設基準みたいなものが発生してくる可能性があって、それが豆腐の営業許可に全部含まれていくと、そういった利用されていない豆腐屋さんが苦労されるのではないかという懸念があるのですけれども、その辺は大丈夫ですか。
○全国豆腐連合会 全体的に見ますと、今、おからを絞る機械が非常に高度化していまして、小さなまちの豆腐屋さんで油圧で絞るとか、まだあるのですけれども、一般的には90度C、100度近い煮釜から直接スクリューの絞り器で絞っているとか、そういうものが多いものですから、以前に比べると菌数については相当低い状態で置いておいても、そんなに傷む状態ではないですけれども、確かに先生のおっしゃるような懸念はあるかと思います。
○大隅委員 ありがとうございます。
○五十君座長 よろしいですか。
 そのほか、確認すること、あるいは御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 先ほど、揚げ出し豆腐がそうざい、おからドーナツがお菓子、がんもどきがそうざいというお話を伺いましたけれども、この議論の最初のころにもあったのですけれども、施設基準をつくるに当たって、原料の違いというのも当然あるでしょうけれども、製法も含めて、危害要因が大きく異なるか、似通っているかということが大事だと思います。揚げ出し豆腐のようなものをつくると、危害要因は豆腐由来よりもプロセス由来になる気がするのですけれども、それを全部豆腐にまとめるというのは豆腐の定義がわからなくなる気がするのですが、いかがでしょうか。
○全国豆腐連合会 そういう意味で、逆に保健所さんの御指導をいただくときに、そうざいの許可ですと、揚げ出し豆腐は非常に多くの食材を使いますので、飲食の許可をとってほしいということで飲食の営業許可をとってされている方が結構いらっしゃいます。
○五十君座長 なかなか複雑なところがあると思いますが。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 逆に、業界の方から見て、豆腐、大豆加工品、いろいろ新しいものが出てくる中で、これは「そうざい」でしょうとか、これは「豆腐加工品の範囲を逸脱している」といったものも、これから出てきたり、また今現在もあるのでしょうか。
○全国豆腐連合会 お豆腐と言いながら、現実にはでんぷんとか酵素が結構入っているものがあったりして、それはお豆腐業界の公正規約の中でそういうものを規定していこうということでやってはいるのですけれども、そうざい的にどこまで行くかというと、豆腐屋さんも非常に売り上げが下がっているので、店頭で油揚げとか生揚げと野菜をちょっと混ぜて商品化して売っているとか、そういうものが非常に多くなっているので、現実的にはそうざいに近い状況だと思います。ですから、それを許可としてちゃんととっている業者さんと、保健所さんに許していただいて、そのままでいいですよというところと両方ある。
○五十君座長 ほかに御質問ありますか。
 ちなみに、そうざいの中に豆腐を全部入れるということは、難しいでしょうか。もし何かコメントがあったらお願いします。よろしいですか。
○全国豆腐連合会 補足でよろしいですか。全豆連の事務局でございます。きょうは、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
 営業許可制度について、政令で定める34許可業種が設定された当時に、どのような整理がなされたのか、資料不足の点もあるのですけれども、従来、豆腐製造業と言いましても、実際は豆腐、油揚げ、がんもどき、焼き豆腐などのバリエーションが多く取り扱われてきているところでございまして、豆腐製造業というよりは豆腐類製造業になるのかなというのが実態でございますので、これもあわせて御承知おきいただければと思います。
○五十君座長 1つの御提案として、豆腐類という形でまとめるのがよろしいのではないかという御提案ということですね。わかりました。
 ほかにはございませんでしょうか。もしないようでしたら、どうもありがとうございました。
(全国豆腐連合会 退席)
○五十君座長 次に、資料4、一般社団法人日本厨房工業会提出資料、及び資料5「貯蔵・運搬について」を事務局より説明願いたいと思います。
○蟹江HACCP企画推進室長 まず、資料4をごらんください。一般社団法人日本厨房工業会様から「HACCP義務化に向けての確認事項」という書面で提出していただいています。
 読み上げますと、厨房の場合の衛生管理は、単に運営だけではなく建築・設備等の環境整備が重要と考えますが、所管各省庁から出ている基準についての統一が必要ではないでしょうか。既存施設は難しいと思いますが、新築・改築の際の基準として、今後関連省庁との協議が必要かと考えます。
 2ページ目に表がございますけれども、この表の出典が記載されていますが、「最適な厨房設計のためのガイドブック2016」と記載されています。これは、最適厨房研究会、任意の研究会でございますが、そこが取りまとめたガイドブックにこの表が掲載されているということで、この研究会自体は、厨房機器メーカーですとか厨房コンサルタント、学識経験者、業務用厨房に関する深い見識を持つ方、そういった方々をメンバーとして、研究会で厨房を設計するのに必要な基準を整理して、ガイドブックを作成されています。
 そのうち、この資料に載っておりますのは、厨房室内の温熱環境指針値ということで、室温と湿度、このガイドブックでは室温25度以下、湿度80%以下と推奨されておりますが、その根拠の各関係省庁が出している基準等をこの表で示しています。
 食品衛生法(厚生労働省)と記載されておりますが、法令上、こういった規定はございませんで、恐らく衛生規範に記載されている温度と湿度が引用されているのではないかと思います。
 それから、ビル管理法と書かれておりますが、これは建築物における衛生的環境の確保に関する法律がございまして、この法律に基づきまして、建築物環境衛生管理基準というものが定められています。その中で、温度、湿度、気流の基準が設けられています。それを参考にしているのだと思われます。
 それから、文部科学省の学校給食衛生管理基準は、学校給食法に基づきます基準でございまして、その中に温度と湿度の基準が記載されているということでございます。
 それから、外国、ドイツの民間団体が示しているものも参考にしているということです。
 Ⅱでございますが、厨房内の有効天井高ということで、2.7m以上と記載されておりますが、食品衛生法(厚生労働省)、これも衛生規範に記載されているものが参考にされていると思われます。
 それから、建築基準法(国土交通省)とありますが、これは建築基準法の施行令第21条に、居室の天井高さは2.1m以上でなければならないという基準がありまして、それを引用しているものと思われます。
 海外のものは、ドイツとアメリカのものが記載されています。
 以上が資料4でございます。
 続きまして、資料5「貯蔵・運搬について」とありますが、4ページ目に「第2回営業規制に関する検討会 資料4より抜粋」とありまして、公衆衛生に与える影響が少なく、届出不要な営業の考え方という表がありますけれども、ここに赤い線で囲っています。ここについて、輸送業、常温倉庫の関係団体に対しまして、現状を聞き取ったものを整理しています。
 1ページ目は、現行の食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)ということで、私どもで作成しておりますガイドラインの中の運搬のところを抜粋しています。「第5運搬」のところで、(1)から(8)までの記載があります。
 (1)でございますが、食品の運搬に用いる車両、コンテナ等は、食品や容器包装を汚染するようなものであってはならない。それから、容易に洗浄、消毒ができる構造のものを使用し、常に清潔にし、補修を行うこと等により適切な状態を維持すること。
 2番目として、食品と食品以外の貨物を混載する場合には、食品以外の貨物からの汚染を防止するため、必要に応じ、食品を適切な容器に入れる等食品以外の貨物と区分けをすること。
 3番目でございますが、運搬中の食品がじん埃や有毒ガス等に汚染されないよう管理すること。
 それから、4つ目ですが、品目が異なる食品や食品以外の貨物の運搬に使用した車両又はコンテナを使用する場合は、効果的な方法により洗浄し、必要に応じ消毒を行うこと。
 5番目ですが、バルク輸送の場合、必要に応じ、食品専用の車両又はコンテナを使用すること。その場合は、車両、コンテナに食品専用であることを明示すること。
 6番目に、運搬中の温度、湿度その他の状態の管理に注意すること。
 次に、配送時間が長時間に及ばないよう配送ルート等にも留意し、時間の管理に注意すること。
 8番目ですが、弁当等にあっては、摂食予定時間を考慮した配送をする等、適切な出荷時間に注意すること。
 これが管理運営基準に関する指針に記載されております。
 2ページ目でございますが、倉庫業(普通倉庫業)の状況につきまして、一般社団法人日本倉庫協会から聞き取った内容をまとめております。
 まず、日本倉庫協会及び倉庫業(普通倉庫業)の概要でございますが、会員数、本社の数として2545社、事業者数として3386事業所、これは平成30年11月1日現在でございます。
 国土交通省に営業倉庫登録をしている普通倉庫会社が約4884社ございますが、そのうち5割程度が協会の会員で、うち9割が資本金3億円以下の中小企業。これは中小企業基本法による基準ですが、中小企業に該当するということでございます。
 食料品は、貨物全体の28.6%ということでございます。
 2番目の衛生管理でございますけれども、基本的に荷主からの指示に従って実施している。
 それから、荷主から定温保管や保管温度の上限や下限の指示があるものについては、温度管理を徹底している。
 保管中の事故として、フォークリフトによる荷捌きや地震による荷崩れ等に起因する外装破れ等が発生した場合、当該品の良品・不良品の取扱い判断は荷主が行いまして、倉庫側はその指示に従っているということでございます。不良品の廃棄についてもマニフェストは荷主の名前で発行されているという現状でございます。
 普通倉庫におきましては、保健所からの監視指導の実態はほとんどないが、清掃状況等に関する自主的な監査は行っているということでございます。
 3ページ目がトラック輸送業の状況につきまして、公益社団法人全日本トラック協会から聞き取った内容を整理しております。
 1つ目の全日本トラック協会及びトラック運送業の概要でございますが、会員数が406、平成30年3月時点です。それから、各都道府県トラック協会会員数が4万9939、平成29年10月時点です。
 トラック運送事業者数6万2276、これは平成29年3月末現在で、規模別では、従業員10人以下の事業者が約5割。
 それから、国内貨物総輸送量のうち、トラックの輸送分担率はトンベースで約9割。残り1割が、海運、鉄道、航空になります。
 食料品(農水産品、食料工業品)は貨物全体の約15%でございます。
 2番、衛生管理につきまして、先ほどの倉庫業の状況と似ておりますが、一般的に衛生管理は荷主との契約に基づいて個別に実施している。
 荷台の清掃・洗浄・消毒、鼠族対策、温度管理等、一般的な衛生管理については、荷主からの要望・指示に基づき実施している。
 梱包された食品を取り扱うため、輸送時に必要な衛生管理は基本的に温度管理のみ。
 温度管理については、食品衛生法の規格基準で規定されている食品については、保存基準の温度が最低基準となるが、通常、メーカー等の指示で、より厳しい温度で管理している。
 それから、衛生管理については、メーカー等(荷主)の協力が不可欠であり、輸送業側だけで責任を持つことはできないということでございました。
 4ページ目、先ほど御説明した表の下に、これまでの指摘事項と対応方針案について記載しております。
 第2回検討会での指摘事項といたしまして、保管・輸送においても基本的な衛生管理(清掃、先入れ・先出し等)は重要である。特に冷蔵輸送(宅配便等を含む。)については、ある程度の制御(温度管理)が必要であり、検討の余地があるのではないかという御指摘をいただいております。
 対応方針案といたしまして、貯蔵(常温保管)・運搬業については、一般衛生管理の実施は食品等事業者としての当然の責務であるが、通常、衛生管理は荷主の指示又は契約に従って行われており、事故発生時の対応・措置も荷主が判断しているという実態に鑑みると、届出の対象、自ら衛生管理計画を作成することになりますが、そういったものにはなじまないのではないかということで記載しております。
 説明は以上になります。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料4、資料5の説明に関しまして、御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。
 では、中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 倉庫業と運送業、書いてあることはそうだなと思うのですけれども、両者とも共通しているのは、メーカーさん、荷主側の責任であるというお話だと思います。
 一方で、今、いろいろな手引書が出ていますけれども、そういった手引書の中で、例えば外部の倉庫に預ける場合とか運送を使う場合、荷主としてきちんと検証しますよという書き込みは多分されていないのではないかと思います。ですから、そういった責任の所在というものをこの際、きちんとしていって、さらに、それがメーカーさんあるいは荷主の責任だよとなれば、そういう可能性があるものは、きちんと手引書に追加していくということが必要になってくるのかなと思います。
○五十君座長 富松委員、どうぞ。
○富松委員 私も意見ですけれども、中村さんがおっしゃられたとおり、荷主が全部決めるべきみたいに書かれているのですけれども、よりよいものをつくるためには、施設がある程度のレベルにあって、その上で衛生管理計画がある。衛生管理計画の部分については、荷主さんの指示に従うべきですが、施設をきちんと維持するのは非常に大事な、施設管理者の仕事と思います。このような書きぶりだと、施設管理もあたかも荷主さんの責任みたいに見えますが、それはあり得ないと思います。この施設の所有者が管理しなければいけないと思いました。
 そんな中で、常温の保管や運搬は確かにおっしゃられるとおり、管理は少ないかもしれませんけれども、冷蔵のほうは施設がきちんと正常に動くということを担保するのは、トラックの所有者や倉庫の所有者の責任だと思うので、それなりの管理業務が必要と思います。
 以上です。
○五十君座長 今、出てまいりましたように、常温については問題ないと思いますが、冷凍・冷蔵となると、倉庫にしても、輸送につきましても、温度管理の逸脱ということで、影響を受ける食品が結構あるという御意見かと思います。
 ほかにはございますか。中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 蛇足的ですけれども、施設基準で言えば、恐らくこういった倉庫などは食品の冷凍または冷蔵業に該当するのですが、今、我々自治体のほうでは、冷凍食品をつくる業態にも食品の冷凍・冷蔵業許可というところがある。ですから、施設基準を議論する中では、冷凍食品をつくる業態というものを食品の冷凍・冷蔵業の中に置くかどうかということも議論しなければいけないかなと思います。
○五十君座長 そのあたりと組み合わせた組みかえも、一つの案としてあるのではないかということでしょうか。
 ほかにはどうでしょうか。こちらについては、よろしいですか。
 それでは、特段追加はないようでございます。ありがとうございました。
 次に、議題(2)の「営業許可対象業種等の見直しの考え方について」及び議題(3)の「営業許可対象業種の施設基準の考え方について」を御討論いただきたいと思います。
 それでは、資料6、営業許可対象業種見直しの論点に関する主な意見及び対応方針(案)を事務局より説明願いたいと思います。
○道野食品監視安全課長 食品監視安全課長の道野です。済みません、おくれて参りまして。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料6に基づいて御説明したいと思います。その資料6の内容でありますけれども、以前、営業許可業種の見直しの論点ということで、事務局から整理させていただいてお示しした資料であります。これまで、業界団体の方々、もちろん委員の方々からもさまざまな御意見があったということで、そういった内容について要約して、今後のまずは営業許可業種の見直しについて、どういった考え方がとれるのかということで整理させていただいたものであります。
 基本的には、この論点1から8までの各項目について、一つ一つというわけじゃなくて、くっつけられるものはくっつけて整理させていただいています。もちろん、今から御説明する内容については、結論はこうでなければならぬということではございません。引き続き委員の皆様、それから関係の業界団体の皆様、さらには、また後ほど御紹介しますが、今月の29日から現在の政省令の検討状況全般について、全国7ブロックで説明会をしていきたい。その中で検討途中のものも示しながら、関係の皆さん方からの御意見をいただいていこうということで進めようとしています。
これから御説明する資料についても、また御意見いただいた上で、現在、この検討会での営業規制の部分に関しては、こういった議論がされていますということで、全国で意見交換をしていきたいと考えているものであります。
 資料の2ページに参りまして、まず1つ目の現行許可対象業種を大括りにするのは可能かというテーマがございました。乳処理、乳製品製造業、清涼飲料製造業について、まとめた資料であります。現行の政令の規定につきましては、乳処理業、乳製品製造業、それからここで関係してくるものとして、乳酸菌飲の製造業もありますので、加えさせていただいています。さらに、清涼飲料水製造業というものが現在、政令で書かれていて、規定そのものは、括弧書きも含めて、こういった規定になっているということであります。
 主ないただいた御意見としては、乳処理業と乳製品製造業の液物と乳酸菌飲料の製造業をまとめることができるのではないかということであります。上の規定を見ていただいても、乳製品製造業の中に、液体の、むしろ飲料もしくはそれに近いようなものも含まれているということもありまして、こういった御意見であります。さらに、清涼飲料水と乳製品製造業の液物と乳酸菌飲料をまとめる、いろいろなパターンがあるのではないかという御意見でありました。これは、検討会の中でも御紹介したとおり、そういう飲料の製造ラインという特性から、ある程度大括りの整理は可能ではないかということは、事務局からも御説明したところであります。
 それから、乳処理業の大きなポイントは、生乳を取り扱うので、配慮が必要である。ここが、動物性食品ですから、そこにポイントがあるのではないかということで、配慮が必要である。設備も当然のことながら、受乳施設、貯乳といったことも含めて、生乳を扱うとなると、施設が他の飲料とはかなり異なってくるということがあります。したがって、これを丸ごと統一してしまうと、逆に清涼飲料の許可をとるのにも大きな足かせになるのではないかということで、単純な統合は難しいのではないかということであります。
 清涼飲料製造業は乳処理業と設備がかなり異なるが、乳酸菌飲料、カフェオレ等の乳比率が高い商品に関しては、ほぼ同じ設備でつくることが可能。要するに、生乳を使わずに、脱脂粉乳とかバターといったものを使っている場合は、清涼飲料で十分対応できるのではないかということであります。
 対応の方針案としては、例えば乳処理業の許可においては、発酵乳、今は乳製品製造業のほうに入っています。それから、乳酸菌飲料は乳酸菌飲料製造業で単独です。これに加えて、清涼飲料を製造可能としてはどうかということが1点目。
 2点目は、清涼飲料の許可で、生乳を使用しないで製造する乳飲料。今、御紹介したように、言ってみれば脱脂粉乳とかバターということであります。それから、乳酸菌飲料を製造可能とするということであります。
 結果的に乳酸菌飲料の製造業に残るものがないということと、別に清涼飲料の許可で乳酸菌飲料の製造が十分間に合うのであれば、乳酸菌飲料の製造業というものは、逆に必要なくなるのではないかという考え方です。
 次のページで、2番目は同じ現行の許可業種の大括りというテーマでありますけれども、食用油脂製造業とマーガリンショートニング製造業であります。
 これにつきまして主な御意見としては、単純にくっつけてしまうと、マーガリンが油脂製造の工程であるわけではないので、別物として区分したほうがいいのではないか。油脂製造のほうから見れば、工場の一部でマーガリンショートニングをつくっているのだからいいじゃないかということですけれども、油脂製造業から原料を仕入れてマーガリンとかショートニングをつくっている業もあるので、区分は残したほうがいいのではないかということです。
 対応方針案といたしましては、油脂製造業の許可でマーガリン、ショートニングを製造可能とする。一方で、油脂製造工程のないマーガリンショートニング製造業があるため、これらに対してはマーガリンショートニング製造業の許可は残す。油脂の調製などをやる業については、そういったことで対応することではどうかということであります。結果的には、余り大きな変更ではございません。
 それから、次のページでありますけれども、2番目、既存の許可業種を統合した許可業種を設定してはどうかということで、最初にそうざい製造業について御議論いただいたところであります。そうざい製造業に関しては、政令の中で、通常副食物として供される煮物、以下、こういった個別のものが規定されていて、さらに、食肉製品製造業、魚肉ねり製造業と豆腐を除くという規定になっています。
 下に施行通知の記載ということで、もう少し詳しく、言ってみれば副食物の内容がずらっと並んでいる。現行の政令というのは、こんなふうになっています。
 一方で、漬物の製造とは別ですよとか、かん・びんのそうざいについては、今後、製造業の許可を要することとなっているということであります。したがいまして、これの趣旨としては、かん・びん詰めの場合には、かん・びん詰めの製造業とそうざいの製造業が要るという過去の通知があります。
 主な御意見といたしましては、そうざいの定義として事業者団体がお考えになっているものというのは、そのまま食事として食べられる。簡単に言うと、調理されて販売されているものだということであります。具体的な操作としては、加熱調理・非加熱調理の洗浄・殺菌処理、合(和)える等の調理加工ですということであります。
 問題点として、同一施設で複数のそうざいを製造する必要がある。既に許可制度が存在するカテゴリーの加工食品を製造しようとする際には、同一エリアでの製造が認められない、仕切りが求められるというケースもあって、作業が分断され、生産効率が落ちる場合等があるという御指摘でございました。
 これは、まとめるのがなかなか難しい部分がございます。今回、ここで対応方針案としてお示しさせていただいたのは、本来、ソフトの基準というのは許可の要件にはならないので、施設の許可をおろした後、一定の期間の後に立ち入り検査をして、ソフトの基準に合っているかどうかということを見なければいけないという、ちょっと変わったやり方になってしまうのです。「HACCPに基づく衛生管理」を行うそうざい施設について、特に他の営業許可が必要な食品についても製造可能なように、統合的なそうざい製造業を新設してはどうかということであります。
 これについては、基本的にHACCPに沿った衛生管理の制度化のほうの課題として、今回の法律改正で「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」と、2つのルールを持ってきています。後者については、簡略化されたアプローチで対応可能ですという制度になっています。趣旨としては、食料販売事業者の方、飲食店、そうざい等々については、そちらで足りますよとしているのですけれども、さまざまな食品を扱う。それぞれについての一定の危害の分析というのは、ここの議論でもありましたけれども、必要になってくるということもありますので、そうであれば、許可を出した後に、こういった衛生管理ができているのであれば、基本的には法的には問題はないと。
 もしもできていない場合というのは、無許可営業になってしまうのか、それとも管理運営基準の違反になるのかという、どちらかということになるわけですけれども、そういう運用が可能かどうかということも含めて論点がございます。
 それから、従来型のそうざい製造業については、HACCPを取り入れた衛生管理により対応する。これは、今、申し上げたとおりであります。
 あと、半製品の問題があるわけですけれども、半製品と言いましてもさまざまなものがございまして、特段問題がなければ、加工レベルが非常に多様化しているところから、それを細かく許可区分で分けるというのは、むしろ規制がわかりにくくなる、混乱するだけですので、そうざい半製品についてもそうざい製造業の対象とすることが可能かどうかということであります。
 次の既存営業許可業種を統合した許可業種を設定してはどうかということの2つ目であります。缶詰・瓶詰食品の製造業ということでありまして、省令の規定は、業界団体の方からも御紹介がありましたけれども、他の営業許可でつくれる営業は除外するということにしています。前各号に該当する営業を除くということになっていまして、結局、重ねてとらなければいけないというのが課題としてあるということであります。
 主な意見につきましては、菓子、そうざい以下、こういった営業をさらに缶・瓶詰の内容に応じてとらなければいけない。そういったことをやると、包装場というのは、缶詰・瓶詰の製造業では必要としないということなのですが、つくらなければいけなくなる。
 それから、登場して久しいですけれども、レトルト食品というのは、営業許可として今の業種区分でなかなかはまりにくいということがあって、自治体ごとにそうざい製造業をとってください、飲食店営業をとってください等々のばらついた取り扱いがあるということです。
 団体というのは、缶詰びん詰レトルト協会であります。缶・瓶に密封して加熱殺菌を施して、長期の保存性を与えた食品と定義していますということであります。
 さらに、レトルトについては、次にあるように、基本的に製法というのは缶詰と同じということでありますので、同じカテゴリーで業許可というものについて設定していいのではないかということであります。
 次のページ、対応方針案でありますが、缶詰・瓶詰製造業において、レトルト食品の製造というものも追加してはどうかということであります。
 それから、許可の対象を、容器包装を密封した後に殺菌を行う食品と明示してはいかがかということです。
 さらに、製造する食品が食肉製品、そうざい等の缶詰・瓶詰・レトルト食品の場合であっても追加的な営業許可取得は求めないということも考えられるのではないかということであります。
 続きまして、次のページ、食肉製品製造業であります。これにつきましては、定義が食肉製品製造業の中に括弧書きで、ハム、ソーセージ、ベーコンその他これらに類するものを製造となっております。
 主な意見としては、業界団体からでごすけれども、食肉の含量が50%を切るようなものに関しては、そうざいと分類されて、食肉製品から派生した製品をつくろうとするときにそうざいの製造業が必要になってしまうという御指摘があります。
 そういったことで、対応方針案としては、食肉の含量が50%未満のそうざいに拡大するということができるかということではないかと考えています。
 続きまして、その次のページでありますけれども、新たに許可業種とするかどうかということが議論になっている漬物の製造業であります。
 主な意見ということで、HACCPの制度化に当たって、漬物製造業について許可業種としてレベルアップを図っていきたいという御希望。
 それから、基本的には塩蔵して、長期にわたって調味液に漬ける。塩漬けによって一定の保存性を確保していくことが基本になっています。ただ、これまで漬物について許可が要らなくて事業所が成り立っているかというと、そうではなくて、そうざい製造であったり、飲食店営業といった許可も受けているので、今後、仮に漬物製造業が要許可業種となった場合の移行段階での取り扱いというものについては、十分配慮してほしいということであります。
 最後に、先ほど基本的には一定期間塩蔵するということではあるのですけれども、以前、食中毒の発生もありました。浅漬けの問題、発酵しないもの、サラダ的な、漬物風のサラダみたいなカテゴリーもありますということで、そういったものについては、基準を分けて設けないと、発酵食品と同じというわけにはいかないのではないかということであります。
 幾つか考え方があると思いますが、これは一つの考え方としてごらんいただきたいのですが、漬物製造業を新たな許可業種とするけれども、発酵工程のない浅漬け等を製造する施設には必要な追加要件を設定するということで考えてはいかがか、ということであります。
 もちろん、この場合に、そうざいの製造業で浅漬けをつくれないのかというと、それはそうざい製造業のほうの議論として1つあるわけですけれども、こういう考え方ができるかということであります。具体的に言うと、原材料の殺菌をどうするかということなので、殺菌設備まで求めるのか、それともHACCPの手引書等の中で、浅漬けというか、発酵しない漬物についての原材料の殺菌等の工程を設けるようにするのかというのは、方法としてはあると思います。
 次に、新たな許可業種にするかどうかという議論になった液卵製造業と殻付き卵取扱業であります。
 現行は、当然政令の規定はなくて、業界の御意見としては、サルモネラに関しては、生産段階で対策が既に講じられていて、一時、卵のサルモネラによる食中毒が多かったわけですけれども、現在はそういう状況にないということが1点。
 あとは、食中毒に対するリスクがGPセンター、卵包装選別施設で大きくふえるというわけじゃないでしょうということで、HACCPはもちろん対応しなければいけないという御認識であります。届出で業者を把握していこうということで、適切じゃないかという御意見でありました。もちろん、GPセンター以外の流通というのもあるわけですし、要許可にする必要はないだろうという文脈の中で、GPセンターが許可制で管理して安全性が高くなるのか、という御意見でありました。
 それから、液卵や、加熱してゆで卵として売っている食品に関しては、衛生管理が当然必要だろうとおっしゃっておりました。
 そういったことで、液卵製造施設についても届出を望むが、許可制とする場合は施設基準の緩和が必要である。もちろん、これまで要許可業種でなかったので、以前に共通基準のところでも申し上げたとおり、弾力的な対応であるとか、それから事業の継続性ということを配慮していくということは当然求められることになるわけであります。
 対応方針案としては、GPセンターは届出、液卵製造は許可という考え方がとれるのではないか。液卵については、特に殺菌基準が設けられていますし、殺菌基準が設けられている食品の多くが許可業種になっているということもあるので、ここは許可業種としてはどうかということであります。長くなりまして、済みません。
 次が、調理機能を有する自動販売機。自動販売機問題というのは、単独の取り扱いになっております。
 現在、喫茶店営業の許可が必要になっているということであります。
 丸めて申しますと、業界のほうの御意見というのは、昭和55年に厚生省から自販機の規格基準が出されたということで、昭和の時代に公衆衛生に与える影響というのは相当低下してきているということがあります。
 それから、コンピューター制御といいますか、そういったことでかなり機能が高くなっている。さらに、全ての自販機がこうかということもあるかと思いますけれども、機内の完全自動調理ということが現在はなされていて、洗浄とか衛生機能の追加が、マイコン化によって、かなり高度なものになってきているという御説明でございました。御主張としては、販売機は届出でいいのではないかということであります。
 一方で、屋外に設置する場合には、業界のほうとしても、ある意味雨水を避けるようなものは、基本的には必要ともお考えになっているということでありました。
 最後のところは、許可手続の話でありまして、同一施設内の新設とか増設ということについては、自治体によってもかなりばらつきがあるので、手続の簡素化についての御要請というのが出ています。
 対応方針といたしましては、これは許可業種か届出かという観点で言うと、業界が御主張になっているような機能があるものに関しては、届出でもよいのではないか。ただ、それは国外の設置の場合、雨水等の問題もあるということで、一定の施設、ひさしとか屋根が必要だということはおっしゃっているので、そういった場合には、施設要件を課すのが要許可業種と考えた場合、許可という考え方がとれるのではないかということであります。
 済みません、長くなってしまいましたけれども、これまでヒアリングを行って、ある程度事務局のほうで整理ができた業種について、このように整理してみました。もちろん、いろいろな御意見等もあると思いますし、これでピンどめということでは全くございませんので、さまざまな観点での御意見をお願いできればと思います。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料6の説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。今までの長い分量のものがある程度整理されてきたという御提案かと思いますので、確認しておきたいこと、あるいは質問等ありましたら、ぜひお願いしたいと思います。
 中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 非常にわかりやすくまとめていただきまして、ありがとうございました。
 この資料の位置づけの確認をさせていただきたいのですが、今、道野課長からお話があったように、今までの論点の中で整理ができたものという理解でよろしいですか。まだ、そこまで至っていない部分も当然あるという理解でよろしいですね。
 それで、欲を言えば、今月末から説明会等が始まりますけれども、その時点において、現行の34業種が最終的にどうなるのかという全体像をできるだけ早目にお示しいただきたいなと思います。部分的には、これでいいと思いますけれども、全体的にどうなるのかということが我々自治体としても非常に気になっていますので、なるべくそういったものを早目にお示しいただければと思います。
○五十君座長 事務局、どうぞ。
○道野食品監視安全課長 今後の進行の話とも大きくかかわるわけでありますけれども、次回、19日、ちょっと間隔が短いのですけれども、その段階で御議論いただいたものについて、検討の状況ということでまとめさせていただいて。それは検討会の中でまとめるというよりは、事務局のほうでまとめさせていただいて、意見交換の資料をつくると考えています。中村課長、おっしゃるとおり、その時点で34、全部できれば一番いいのですけれども、まだ論点のところで全部カバーが終わっていないところもありますので、この検討会で御議論していただいたところまでに関しては、少なくともこの業種の区分については整理したものをできるだけ出したいと思っています。
 そういったことで、きょう、御説明したものに加えて、この検討会の中で11月に入ってからも議論いただいたものに関しても、19日にはもう少しまとめて補充して説明させていただいて、できるだけ多くの業種についての整理というものを御議論いただければ、説明会で示す資料についても全体像に近いものになってくるのではないかということで、事務局のほうでさらに資料を用意させていただきたいと考えております。
○五十君座長 ありがとうございます。
 ほかには御質問ありますでしょうか。河村委員、どうぞ。
○河村委員 そうざい製造業のところ、大分御苦労されて整理されたと思いますけれども、管理運営基準が許可要件になっているというところで、これまでと毛色が変わっているような感じがしてちょっと引っかかってくるかなと思っています。営業許可のところでこういう整理をされる中で、管理運営基準の部分で、「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた管理」は、従業員数で区分けするという部分もあるので、その辺とのリンクについても検討しないといけないと思いました。
 あと、許可を出してから要件となる衛生管理を確認して、できていない場合、どうするかというのは、許可業務を実際にやるほうとしてはなかなか難しいというふうに感じるのですけれども、どうでしょうか。
○五十君座長 事務局、どうぞ。
○道野食品監視安全課長 従来の保健所の仕事の進め方、それから制度の組み立ても、ハードの要件が合ったものについて許可を出すということです。一方、共通基準で議論していただいている、今後、個別基準案も出しますけれども、そういったものに外形的に合っていれば許可を出しましょうということ。ただ、そうざい製造業は非常に多様化しているということの中で、今のままでいいのかということで言うと、合理性に欠ける制度じゃないかというのは、この議論でもあったということがあります。
 もちろん、現場の運用の話としては、衛生管理計画も参考にしながら判断するというのが許可時にはあり得るのかもしれません。要するに不許可という不利益処分を出すときに、詰めて言うと、衛生管理計画がないからとか、不十分だからということは言えない。現場の許可の手続の中で、特にこういった統合型のそうざい製造業に関しての許可申請の場合に、そういったものも参考にしながら、施設についても見ていくことになるのかもしれない。
 ただ、法的に言うと、施設基準でまず許可を出す。もちろん、衛生管理基準に適応しない場合には、それなりの行政処分も可能だし、無許可営業というやり方もあるわけです。統合型をとっておいて、中身がそうでなかったということで、中は何のことはない、従来型のそうざい製造業で、例えばとるべき飲食店営業の許可をとっていなかったとか、ほかの菓子製造業をとっていなかったということになれば、それは無許可営業という考え方もとれるということがあります。
 選択肢はいろいろあるわけですけれども、新しい考え方でやるとした場合に、全て制度的に完備してやるというのはなかなか難しい問題もあって、現行の制度の中で運用するとしたら、こういうことがあり得るのではないかということです。むしろ、現場で許可をおろす場合に、具体的にこういうところの問題があって、それについてどう対処するかという御議論もいただければ、どういった課題があるかということについても整理しやすいと思います。
○五十君座長 中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 今の話の中で、まずハードを見なければいけないという部分で、今後、営業許可の申請、システムですけれども、その際にどういうものをつくっていくのか。特に、そうざい製造業ですとか乳処理業ですとか、今後、ほかのジャンルと統合される業種がつくれるということになる。そういうものにつきましては、具体的にどういう製品をつくるのかというのを申請時に申請を出させる形じゃないと、我々が行ったときに必要な設備があるか、ないかというのは、その時点で確認しなければいけないので、ぜひともそういう整理もしていただければと思います。
○五十君座長 何かありますか。
○道野食品監視安全課長 施設基準に関しても、そこは考慮したものにしておかないと、許可の審査ができないということになるわけですね。
○五十君座長 河村委員、どうぞ。
○河村委員 そういう考え方でいくと、そうざい製造業自体を統合型というよりも、そうざい製造業で取り扱える品目を拡大する中で、例えば、個別に食肉製品に近いものをつくる施設にあっては、こういう区画・設備が必要ですというのを基準で規定していけば、そうざい製造業の中で振り分けできるのではないでしょうか。今、中村委員がおっしゃったように、許可申請時にこういうものを製造するので、こういう設計になっていますというのを示していただく形にすれば、統合型とか従来型と分けなくても、その基準の中で品目毎に必要なものを明記していけばいいのかなと思ったりもするのですけれども、いかがでしょうか。
○五十君座長 事務局、いかがですか。
○道野食品監視安全課長 なぜこういうふうにしたかというと、区画等の問題について、柔軟に運用するのであれば2つに分けたほうが良い。要するに、危害要因に従って区分していくという考え方で、ソフトもハードも考えるということができると思います。従来型にしてしまうと、結果的には同じことになりかねないということがあります。特に、許可区分の違うもの、もしくは単に食品ごとの区画みたいなものが発生してくるということは避けたいということがあるので、施設管理がもちろん適切にされることが前提ですけれどもね。
 そういう中で、危害要因に応じた、例えばライン区分であるとか非汚染区域・汚染区域の区分であるということを可能にするのであれば、基づく衛生管理のほうがすっきりするというか、わかりやすい基準になるのかなと思います。もちろん、製造業ということとは別に、そうざい製造業というのは、そもそもHACCPの制度設計では、基準Bというか、考え方を取り入れた衛生管理となっています。もちろん、それは基づく衛生管理をやってはいかぬということではなくて、基づく衛生管理も選べるわけですから、そういう中で意欲のある方は対応していただくということで選択ができるようにしておくということが、この考え方の基本になっています。
○五十君座長 よろしいでしょうか。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 私も、ここに関しましては、事務局の考え方に賛成です。そうざい製造業な中で生肉を扱う場合や、生魚を扱う場合があります。こういった場合もHACCPの考え方即ちソフト面でライン区分、非汚染区・汚染区の区分管理してもうまくいくかもしれません。しかし、ある程度は施設即ちハード面で汚染を区分けする必要が出てくると思います。そういうソフトとハードの見方というのも監視・指導でやっていくことになって、監視指導員の方もすごく大変だと思いますけれども、それが可能であれば一番ありがたいと思います。特に生鮮原料を扱うところについては、更に監視に力点を置いていただけば良いのではないかと思います。
○五十君座長 ほかに御意見、御質問等ございますか。
○富松委員 ここ以外でも。
○五十君座長 もちろん、今回の資料6ですね。どうぞ。
○富松委員 それでは、6ページについて1つ質問させてください。
 理解が浅いのですけれども、下の対応方針案の3つ目の文章というのは、こういう解釈でよろしいのでしょうか。もう既にそうざい等の許可業種をとっているものについては、新たに缶詰や瓶詰・レトルトの許可をとる必要はないという解釈でよろしいでしょうか。対応方針案の3つ目、瓶詰・レトルトの場合であっても、追加的な営業許可取得は求めないというのはそういう意味でしょうか。
○五十君座長 はい。
○道野食品監視安全課長 意味としては、缶詰・瓶詰・レトルトをつくるというのが前提になっていて、課題としてあったのは、さらにそこで中身が食肉製品に該当したり、そうざいに該当したりする場合に、缶詰・瓶詰・レトルト食品を製造している事業所のほうから見ているのです。中身が食肉製品に該当すると、食肉製品の許可が必要。中身がそうざいだと、そうざいの許可が必要。その必要はないのではないかという考え方です。理屈は何かと言いますと、密封して殺菌するというところで、危害のコントロールをその時点でやるのが缶詰・瓶詰・レトルトなので、そこに着目した許可業種という考え方ができるのではないだろうかという意味です。
○富松委員 先日、この瓶詰・缶詰・レトルトのときの御説明では、1から32までの許可業種を既にとっているものは、33番目の瓶詰・缶詰・レトルトの許可業種は必要ないという説明をされたのですけれども、そうではなく、ここを中心に、それに加えて許可業種をとっていくことになるのですか。今までの考え方は変えて。
○道野食品監視安全課長 今の繰り返しになりますけれども、とりあえず、缶詰・瓶詰・レトルト屋さんから見ると、内容によって追加的な許可が必要になるとおっしゃっています。そういったことがあるので、この食品の製造の特性としては、密封して加圧・加熱するということで、それで問題が解決するというか、危害要因がコントロールできるのであれば、そこに着目した規制でいいのではないか。そうしたら、中身が何であろうと言うと語弊がありますけれども、さまざまな内容物に対して対応できるでしょうというのがこの3番目。
 食肉製品の製造とか、そうざいを製造している立場からいくと逆でありまして、端的に言うとレトルト釜の設備が必要になってくるわけですから、それで缶詰自体は密封後の加圧・加熱で危害要因をコントロールするという観点から当然つくられるわけなので、それは缶・瓶類の許可は要るのではないかということであります。だけれども、専門で商売を変えて、全部缶・瓶詰屋さんになられるということであれば、別にそうざい製造業は要らなくなるわけですね。
○五十君座長 中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 そうしますと、現行でレトルトパウチをやられているところは、恐らく瓶・缶の許可を持っていなくて、そうざい製造業といった許可でやっている。そうすると、今後は、例えばレトルトパウチもやっています、チルドのパウチもやっていますというところは、改めてそうざい製造業に加えて瓶・缶の許可をとらなければいけないという理解でよろしいですか。
○道野食品監視安全課長 そうですね。それはなぜかといいますと、繰り返しになりますけれども、HACCPのコントロールで密封後の加圧・加熱殺菌ということが基本になるわけなので、そこを担保するというのは、技術的には適切な考え方なのではないかということです。
 区分のやり方の話として、いいか悪いかは別です。そうざい製造業の中でレトルト食品をつくる場合にあっては、追加的な要件を課すというやり方もあると思います。それがいい方法かどうかはよくわかりませんが、物事の考え方としては、あくまで密封後の加圧・加熱殺菌ということに本来着目して安全対策をとるべきものですし、実態的にはそう了解されているわけで、ルールのほうがずれているというのが実際のところなのかなと思います。
○五十君座長 問題は、瓶・缶詰がほかの分け方と質的にちょっと違うというところだと思います。
 どうぞ。
○大隅委員 今と同じところですけれども、商品をつくる立場から言わせていただきますと、瓶・缶詰にしてもレトルトにしても、いかにその商品を保存するかという視点で加工していますから、カレーというものであれば、カレーをつくってから、2次殺菌的なところで、後でレトルトにしたりということもあるので、保存するためにレトルトにしているという考え方のほうが強くて、全ての危害を最終的にレトルトすれば防げることはたしかですけれども、逆に言うと、瓶・缶詰の許可さえとっていれば何でもつくれてしまうのかという見方も出てくるのではないかという懸念がある。
 逆に言うと、瓶・缶詰の食品製造というものが本当に必要なのかと思うぐらいの内容でして、実態として、瓶詰・缶詰だけを請け負ってやっている、もとの製造を全くしていないところがあるのかどうかというところのほうが、実態に合っていないような気がするのですが。
○五十君座長 事務局、どうぞ。
○道野食品監視安全課長 営業許可区分の話ですので、話が戻りますけれども、施設基準ということになるのです。だから、言ってみれば、レトルト釜の設置ということが、この場合、施設基準の基本になるので、それが担保できればいい。もちろん、ほかのプロセスの中で衛生を確保するために必要なものがあれば、それはそれで個別基準の中で手当てしていくということで確保できる。ただ、缶・瓶・レトルトの話については、こういう業区分を設ける意味があるとすれば、それは加圧・加熱殺菌ができる設備が必要。そこに着目した許可業種という趣旨を基本にすると、こういった考え方もできるということであります。ほかがどうでもいいと言っているわけではありません。
○五十君座長 河村委員、どうぞ。
○河村委員 では、今までの缶又は瓶食品製造業とは内容を変える、考え方を変えるということですか。容器に入れて加圧・加熱した食品に特化した製造を対象にするということですか。
○五十君座長 事務局、どうぞ。
○道野食品監視安全課長 缶詰という言葉自体は、従前の解釈で申し上げると、密封して加圧・加熱殺菌していない、ただの運搬のための容器ということでとらえるべきものです。それは、むしろ缶・瓶詰という特性ではなくて、中身の食品の包装の1形態として本来捉えるべきものですから。そこは分けたほうがいいというのが今、河村課長がおっしゃっているとおり、瓶に入っているものもとる必要があったということもあって、それは側の瓶ではなくて、中身に着目した規制をするというのが本来なのかなということもあって、密封後の加圧・加熱ということに着目して整理してみたという内容であります。
○五十君座長 富松委員、どうぞ。
○富松委員 確かに加圧・加熱するためにはレトルト釜が必要で、施設基準として十分に整備すると思います。
 一方で、前回、缶・瓶協会の方に来ていただいたときに湯殺菌の話をさせていただいたのですけれども、あのとき水分活性で抑えて湯殺菌するものは問題ないだろう。ただ、pHを制御して湯殺菌するものは対象としたいという話があったのですけれども、おっしゃられるとおり、加圧・加熱に特化したものであれば理解できるけれども、湯殺菌の製品は、ただ瓶に詰めているのとかなり近いものだと思いますので、十分御考慮いただければと思います。
 よろしくお願いします。
○五十君座長 事務局、今の点に関しまして、何かありますか。
○道野食品監視安全課長 要は、密封はされている。もちろん、密封度は缶・瓶詰とかレトルトに比べたら低いです。容器の性質も含めて低いものではありますけれども、密封はされているけれども、加圧・加熱はしていないというのがHACCPの手引書の議論でそういうカテゴリーがあるということで議論したものであります。それについては、pHを下げるとか塩分の調整をするということで管理が可能じゃないか。あと、冷蔵ですね。pHと温度で管理するという方策も含めて議論させていただいたところであります。
 ああいった食品を取り扱う場合には、違った施設要件なり違った衛生管理というものが必要になってくるということで、別物となるのだろうと思います。
○五十君座長 よろしいですか。はい。
 私のほうから1つ確認ですが、許可業種から一部届出になるところが幾つか出てくるのですが、基本的には許可のカテゴリーに入る場合は、先ほどのお話で施設基準がある場合ということで、届出のほうは、今後どこまで何をやるかというところ、またちょっと整理する必要があるかなと思って聞いておりましたが、そのあたりは次あたりに少し出てくるのですか。全体の許可業種の整理のあたりで、許可だったらこういうふうに移行する。一部、届出に行くということになると、届出になった場合、どれぐらい状況が変わるかとか、その辺のところが整理されると考えておいてよろしいわけでしょうか。
○道野食品監視安全課長 これまで議論していただいた範囲で整理したいと思います。繰り返しになりますけれども、こういう許可業種にはめるということにこだわっているわけではなくて、缶・瓶詰とレトルトに関しては、加圧・加熱殺菌できる施設要件が必要なので、そういう角度で整理するとこうなるということです。逆に言うと、中身で業種を整理しておいて、缶・瓶・レトルトをつくる場合には、その殺菌機を設けなさいという選択的な要件にするという手もあるわけです。そこは、全体、また引き続き整理しながら御検討いただければと思います。
○五十君座長 富松委員、どうぞ。
○富松委員 もう一点だけ確認させてください。8ページの漬物の件ですけれども、先ほどサラダ的とか漬物風サラダのお話の中で、枠として浅漬けをそうざいに入れるという話も可能性としてあるかという話があったと思いますけれども、多くの漬物業界では、事業拡大の中で浅漬けをやっている。という中で、事業としては一体型になっているかと思います。そんな中で、ここに書いてあるように、浅漬け等を製造する施設に必要な追加要件を設定することになりますと、これを文面だけ読むと、新たな許可業種ができるみたいなイメージになるのですけれども、そういうわけではないと。先ほど言われたように、HACCPの中で差をつけていくという感覚ですか。新たな許可業種というわけではないですね。
○五十君座長 はい。
○道野食品監視安全課長 漬物製造業の中で整理できるのではないかなということで置かせてもらいました。特に、殺菌設備というものを置くのがいいのか、ソフトで担保するほうがいいのかというのは、方法論としては、規模とか業態によっても変わってくるだろうと思います。ただ、いろいろな問題も起きているということを前提に考えると、ソフトかハードかということは特定せずに、そういった要件を考えていく必要があるという意味で記載させていただいたものです。
○富松委員 ありがとうございます。
○五十君座長 髙橋委員、どうぞ。
○髙橋委員 先ほど届出か許可かというお話があったのですけれども、その辺について、ちょっと思うところがあるので発言させていただきたいと思います。
 届出というと、届出する側にとっては、とても要件が緩くなっているという印象を持たれると思います。許可だと厳しいという印象を持たれると思いますけれども、今、民泊などで住宅宿泊事業法が届出なのですけれども、ほとんど許可と同じぐらい事務量がかかって、職員は非常に労力をとられていますし、現地を確認したり、ちょっとこれとは違うかもしれませんけれども、届出であってもかなり事務量がかかる、手間がかかるということがございますので、届出の要件が厳しければ許可と変わらない実態になってしまいます。本当に要件を厳しくしなくても済むようなものだけを届出にしていただかないと、なかなかつらいものがあるなと。
 ですので、届出と許可の考え方についてはご配慮いただきたいなと思って発言させていただきました。
○五十君座長 事務局、何かコメントありますか。よろしいですか。
 時間がなくなってまいりましたので、要点だけ挙げておいていただいて、後で事務局とやりとりしていただければと思います。
 中村委員、どうぞ。
○中村(重)委員 ローカルな話で恐縮ですけれども、漬物製造業です。いわゆる八百屋の店頭に塩漬けとかぬか漬けをつくって売っていらっしゃる事業者さんも、年々少なくなっているけれども、実態がある。今、都では条例でそういう零細な業態は許可から除外し、届出にしていますけれども、そういう本当に小規模なものについては、許可でなくて届出にするとか、その辺、ちょっと御配慮いただければと思います。
○五十君座長 議事録に残すために、端的に御発言いただければと思います。
 河村委員、どうぞ。
○河村委員 2点ほどあります。
 1点、そうざい業でも取り扱う品目を拡大する中で、食品衛生管理者の設置というところも検討されるということでよろしいのかということと、
 もう一点、調理機能を有する自動販売機ですけれども、屋内設置の場合は届出、屋外設置の場合は許可という対応方針案ということで、これはこれでよろしいかと思います。ただ、屋内と屋外の定義を明確にここで議論していかないと、また自治体間で差があるということになりそうなので、よろしくお願いしたいと思います。
○五十君座長 回答のほうは次回ということでよろしいですか。
 ほかにありますか。
 富松委員、どうぞ。
○富松委員 もう一つだけ。食肉製品製造のところで、50%未満はそうざいに拡大する旨があるのですけれども、もともと食肉製造ではないものがそうざいだったので、食肉製造が広がると、そうざいが狭まるイメージがあるのですけれども、そういうわけではないですね。
○五十君座長 私から、4ページを見ますと、統合型そうざいが随分大きくなるのですけれども、これは大丈夫なのかなという気がします。
 それから、一番最初の見直しの論点の1ページの4番目にあると思いますが、そうざい製造業、飲食店営業はその規模等により、調理と製造に再編してはどうか。このところも、今後、どういう整理にするかというのを出していただければと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 そのほかございますか。よろしいですか。
 それでは、最後の部分につきましては次回のお楽しみということとさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、本日の議題の全体を通しまして、何か御質問あるいは御意見等がございましたら、お願いしたいと思います。よろしいですか。ありがとうございました。
 次回以降につきまして、事務局から何かございますか。
○蟹江HACCP企画推進室長 次回の予定でございますが、第9回の検討会は11月19日月曜日、9時半から12時半で、この同じ会場で開催する予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、特にないようですので、本日の検討会はこれで終了いたします。
 長時間の御議論、ありがとうございました。
 

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