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2016年11月10日 第26回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部 生活衛生課

○日時

平成28年11月10日(木)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○出席者

市川 まりこ ((一財)日本消費者協会消費生活コンサルタント)
大森 利夫 (全国理容生活衛生同業組合連合会理事長 )
岡部 修 (株式会社日本政策金融公庫常務取締役)
北原 茂樹 (全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長)
倉持 繁夫 (千葉県食肉生活衛生同業組合理事長)
小池 広昭 (全国クリーニング生活衛生同業組合連合会会長)
佐野 真理子 (主婦連合会)
渋谷 篤男 (全国社会福祉協議会常務理事)
武井 寿 (早稲田大学商学学術院教授)
西尾 チヅル (筑波大学大学院ビジネス科学研究科経営システム科学専攻教授)
原田 一郎 (東海大学・早稲田大学・中央学院大学 講師)
藤田 育美 (全国地域婦人団体連絡協議会理事)
山縣 正 (全国すし商生活衛生同業組合連合会会長)
山本 裕子 (大東文化大学法学部教授)
吉井 眞人 (全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長)
上竹 誠一 (全国中華料理生活衛生同業組合連合会理事)
岩瀬 一郎 (全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会事務局長)
山戸 聖一 (全国料理業生活衛生同業組合連合会事務局長)

○議題

(1) 飲食店営業(一般飲食業、中華料理業、料理業及び社交業)及び喫茶店営業の経営実態について
(2)その他

○議事

○城間課長補佐 ただいまから、第 26 回「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては御多用中のところ、本分科会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。遠藤委員、小熊委員、蔵本委員、後藤委員、櫻田委員、佐竹委員、野々山委員、堀口委員、三村委員からに欠席される旨、武井委員から遅れる旨の御連絡を頂いています。あと山本委員が遅れています。委員総数 24 名中、 15 名の委員の先生に御出席を頂き過半数に達していますので、厚生科学審議会令第 7 条第 1 項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを報告いたします。

 それでは、開催に当たり、北島生活衛生・食品安全部長より御挨拶を申し上げます。

○北島生衛・食品部長 皆様、こんにちは。生活衛生・食品安全部長の北島でございます。本当に急に寒くなってまいりまして大変お寒い中、そして御多忙中のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。

 この分科会は、生活衛生関係営業の振興指針や生活衛生関係営業に関する重要事項について、御審議いただくために設置されているものでございます。本年度は、飲食店営業及び喫茶店営業の振興指針について御審議をお願いしたいと思います。

 振興指針は、生活衛生関係営業の各業種の振興目標や、これを達成するための手段、配慮すべき事項等を定めるものでございまして、各業界の振興の基本となるものでございます。御参集いただきました委員の皆様方におかれましては、この振興指針の策定のため、幅広い観点から忌憚のない御意見を頂戴いたしますよう、よろしくお願いいたしまして、簡単ではございますけれども、開会の挨拶とさせていただきます。本日は、よろしくお願いいたします。

○城間課長補佐 それでは、議事に入ります前に私から、本日、御出席の本会議の委員及び参考人につきまして紹介いたします。お手元の委員名簿と座席表に基づいて紹介いたします。

 向かって左側、一般財団法人日本消費者協会消費生活コンサルタントの市川まりこ委員です。

全国理容生活衛生同業組合連合会理事長の大森利男委員です。

株式会社日本政策金融公庫常務取締役の岡部修委員です。

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の北原茂樹委員です。

千葉県食肉生活衛生同業組合理事長の倉持繁夫委員です。

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会会長の小池広昭委員です。

主婦連合会の佐野真理子委員です。

全国社会福祉協議会常務理事の山田委員に代わりまして、今回から新しく渋谷篤男委員です。

東海大学・早稲田大学・中央学院大学講師の原田一郎分科会長です。

早稲田大学商学学術院教授の武井寿委員です。少し遅れていますので御了承ください。

筑波大学大学院ビジネス科学研究科経営システム科学専攻教授の西尾チヅル委員です。

名簿が間違っていて申し訳ありません。全国地域婦人団体連絡協議会理事の藤田育美委員です。

全国すし商生活衛生同業組合連合会会長の山縣正委員です。

大東文化大学法学部教授の山本裕子委員です。

全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長の吉井眞人委員です。

 続きまして、意見聴取人を紹介いたします。

全国中華料理生活衛生同業組合連合会理事の上竹誠一意見聴取人です。

全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会事務局長の岩瀬一郎意見聴取人です。

全国料理業生活衛生同業組合連合会事務局長の山戸聖一意見聴取人です。

審議会に御参画いただく方々は以上です。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。机上に配布しておりますが、配布資料一覧に記載している資料です。議事次第、委員名簿、座席表、配布資料一覧、資料 1 が諮問書 ( ) 、資料 2 が付議書 ( ) 、資料 3 が生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律 ( ) 、資料 4 が平成 25 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 一般食堂 )( ) 、資料 5 が平成 26 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 中華料理店 )( ) 、資料 6 が平成 27 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 社交業 )( ) 、資料 7 が平成 25 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 料理店 )( ) 、資料 8 が平成 25 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告喫茶店営業 ( ) 、資料 9 が意見聴取人提出資料飲食店営業 ( 社交業 ) 、資料 10 が意見聴取人提出資料飲食店営業 ( 料理店 ) 、資料 11 が振興指針の見直し方針 ( )( 共通事項 ) です。参考資料は一覧のとおりです。資料は以上です。落丁等がございましたら事務局までお申し出ください。大変恐縮ですが、北島部長につきましては、国会等用務のため途中退席させていただきますので御了承ください。

 それでは、以降の議事進行につきまして原田分科会長、よろしくお願いいたします。

○原田分科会長 昨年度までの流れで大変恐縮ですが、私が分科会の議事進行のお手伝いをさせていただきたいと思います。恐縮ですが座りながらやらせていただきます。

 本分科会におきましては、お手元の資料 1 の諮問書と資料 2 の付議書に示してありますように、本年度は、飲食店営業 ( 一般飲食業、中華料理業、料理及び社交業 ) 並びに喫茶店営業の振興指針がその対象となっております。これについて本日、御活発な御審議を頂きたくお願いを申し上げたいと思います。

 審議に入ります前に、事務局から、資料 3 に基づいて振興指針の位置付け及び参考資料 5 により当分科会の全体の概略について説明をお願いします。新任の先生もいらっしゃいますので、事務局で参考資料 5 を準備していただいております。それを使って説明をしていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。

○城間課長補佐 資料 3 から簡単に説明いたします。お手元の資料 3 、「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」の中で、振興指針につきまして位置付けられています。第 56 条の 2 厚生労働大臣は、業種を指定して、当該業種に係る営業の振興に必要な事項に関する指針を定めることができるとされています。

 その振興指針につきましては、 1 枚めくっていただいて審議会等の第 58 条で、厚生労働大臣は、中略しますが、第 56 条の 2 1 項の規定による振興指針の設定又は第 56 条の 6 1 項の規定による料金若しくは販売価格に係る勧告をしようとするときは、厚生科学審議会に諮問しなければならないと位置付けられています。

 参考資料 5 を御用意ください。「生活衛生適正化分科会に係る参考資料」ということで、振興指針の位置付け等について説明いたします。皆様御承知のとおり、生活衛生適正化分科会につきましては厚生科学審議会の中に位置付けられていて、その中で振興指針に関すること、標準営業約款の認可に関することについて審議いただくことになっています。

2 ページ、厚生科学審議会の分科会の位置付けについて記載している部分を抜粋しています。厚生科学審議会令第 5 条に基づきまして、厚生科学審議会の中で、分科会に係る審議については生活衛生適正化分科会で御審議いただくこととなっております。

 「生活衛生関係営業に関する政策体系」としまして、 3 ページですが、先ほど説明しましたとおり、生活衛生の適正化及び振興に関する法律の中で、厚生科学審議会生活適正化分科会の位置付けと、国による振興指針の策定について、業種を指定して必要な事項を指定するとされています。

4 ページ、「生活衛生関係諸法の体系」ということでお示ししています。厚生労働大臣は、振興指針の策定と標準営業約款につきまして策定するとなっています。生活衛生関係営業は飲食業、理容業、美容業、クリーニング業、旅館業、浴場業など、国民生活に密着したサービス提供をする。これら事業所数は 112 万事業所、全事業所の 19.7 %、従業者数で 689 万従業員、平成 24 年経済センサスの資料ではこれだけの位置付けを持っています。

5 ページ、振興指針と振興計画の位置付けを示しています。国において振興指針を定め、それに基づいて各組合で振興計画を策定していただき、その計画に基づいて、各組合で振興に対する計画に取り込んでいただくこととして位置付けられています。振興指針の今後の改定予定につきましては、今年度 ( 平成 28 年度 ) は飲食店営業と喫茶店営業、これはひとつの指針になっています。平成 29 年度以降は食鳥肉販売業、平成 30 年度は理容業、美容業、クリーニング業、興行場営業、飲食店営業 ( すし店 ) となっていて、これら各業種別に定められている振興指針を 5 年に 1 回のサイクルで更新しております。

6 ページ、「生活衛生関係営業の振興指針の改定について」、これまで、平成 26 年度改定、平成 27 年度改定まで改定方針として連続性の強化、戦略性の強化、役割の明確化の観点から改定を行い、地域コミュニティの再生・強化、東日本大震災の対応・災害対応の強化。サービス産業の生産性向上につきましては平成 27 年度から位置付け、改定してきています。

7 ページ、簡単に標準営業約款制度について説明いたします。こちらは本年度、改定の予定はありませんけれども、標準営業約款制度というものがあり、全国生活衛生営業指導センターは、利用者又は消費者の選択の利便を図るため、厚生労働大臣の認可を受けて約款を定めることができますということで、こちらを改定する場合には、また生活衛生適正化分科会の場で御議論いただいて改定いただくことになっています。

 資料 3 及び参考資料 5 につきまして、簡単ですが説明は以上です。

○原田分科会長 ありがとうございます。今、御説明がありましたような形で、平成 28 年度を対象にして本会議をスタートさせていただきたいと思います。

 それでは、本日の審議に入っていきたいと思います。これに関連して、まず初めに事務局から経営実態等に関しての説明を、よろしくお願いいたします。

○城間課長補佐 続きまして、経営実態調査につきまして報告いたします。お手元の資料 4 から説明したいと思います。平成 25 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 一般食堂 ) の抄訳版という形でお配りしています。こちらの資料につきましては、調査の目的として生活衛生関係営業の経営の実態及び社会・経済的な諸条件について調査し、生活衛生営業振興のための指針の作成に資するということで、基礎資料を得ることを目的として調査を実施しました。

 調査の結果につきまして説明いたします。 3 ページです。資料が膨大ですのでかいつまんで説明いたしますことを御了承ください。調査結果の概要としまして、 1 の一般的事項の (1) 経営主体別施設数として、調査対象となった 358 施設について経営主体別には「株式会社」が 57.3 %と最も高く、次いで「有限会社」が 30.4 %、「個人経営」が 9.8 %という結果が出ています。

4 ページ、 (5) 経営者の年齢別施設数で、経営者の年齢階級別に施設数の構成割合が出ています。「 60 69 歳」が 36.9 %と最も多くなっています。次いで「 50 59 歳」が 20.7 %、「 40 49 歳」と「 70 79 歳」がともに 16.5 %という結果が出ています。

5 ページ、 (9) 従業者数別施設数ですが、従業者数別の施設数の構成割合を見ると、「 20 人以上」が 32.7 %と最も多く、次いで「 10 19 人」が 26.5 %、「 5 9 人」が 22.9 %となっており、少人数の施設は割合としては少なく出ています。

6 ページ、 (13) 生活衛生同業組合への加入状況です。経営主体別に生活衛生同業組合への加入状況を見ると、総数では 40.5 %が加入しているという結果が出ています。経営主体別では、「個人経営」で 51.4 %、「株式会社」で 38.0 %、「有限会社」で 41.3 %が加入しているという回答結果が出ています。

7 ページ、 2 の経営に関する事項で (1)1 日の平均客数ですが、施設数の構成割合を見ると、「 100 140 人」が 14.8 %で最も多く、次いで「 300 人以上」が 10.9 %という結果が出ています。

8 ページ、 (2)1 日平均料金単価ですが、 1 人平均料金単価別の施設数の構成割合を見ると、「 1,000 1,250 円未満」が 14.5 %で最も多く、次いで「 750 1,000 円未満」が 14.0 %、客 1 人当たり平均料金単価は高価格帯が押し上げる形で 2,134.2 円となっています。

9 ページ、 (4) 経営上の問題点ですが、施設数の構成割合を見ると、「原材料費の上昇」が最も多く 60.9 %の施設が指摘しています。次いで「客数の減少」が 50.3 %、「水道・光熱費の上昇」が 45.0 %、「施設・設備の老朽化」が 36.9 %、「人手不足・求人難」が 32.7 %、「人件費の上昇」が 31.8 %という結果が出ています。

10 ページ、 (5) 今後の経営方針についての質問に対する回答ですが、「食事メニューの工夫」が 61.2 %と最も高く出ていて、これに「接客サービスの充実」が 55.0 %、「価格の見直し」が 33.0 %、「広告・宣伝等の強化」が 25.1 %と続いていて、客数の増加を梃子にした前向きな経営改善に取り組む様子が窺えています。

11 ページ、 (2) 雇用形態別従業者数ですが、雇用形態別の従業者数構成割合を見ると、「臨時雇用者」が全体の 67.5 %を占めており、「常時雇用員」が 26.6 %という結果が出ています。

12 ページ、 4 の設備投資等に関する事項ですが、 (1) 過去 3 年間の設備投資の主な理由として、「設備の老朽化」が 63.4 %と最も多く出ていて、老朽化の進展によって、やむなく設備投資を実施している場合が大半であるという結果になっています。 (3) 過去 3 年間の設備投資資金の借入先を聞いていて、「その他金融機関」が 30.6 %、「日本政策金融公庫」が 22.6 %という結果が出ています。

14 ページ、 5 の日本政策金融公庫の利用等の状況ですが、 (1) 日本政策金融公庫の利用等の状況について、「利用したことがある」は 38.3 %となっている一方、「知っているが利用なし」は 23.2 %、「名前のみ知っている」は 9.8 %、「知らない」は 23.2 %と結果が出ています。

15 ページ、 6 のサービス関係の項目ですが、 (1) サービスの内容について説明いたします。サービスを行っている施設が実施しているサービスの内容についてみると、「看板メニューや独自メニューを提供している」が最も多く、 56.2 %となっています。次いで「地産地消の食材メニューを提供している」が 45.4 %、「割引券や特定日等の価格サービスをしている」が 39.2 %となっています。簡単ですが、一般食堂に関する実態調査につきましては以上です。

 続きまして、資料 5 、生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 中華料理店 ) について説明いたします。調査の概要、目的につきましては、先ほどの一般食堂と同じような位置付けで調査を行っています。

3 ページ、 1 の一般的事項で (1) 経営主体ですが、総数については調査対象が 366 施設、経営主体別にその割合を見ると、「個人経営」が 249 施設で最も多く、次いで「株式会社」が 68 施設、「有限会社」が 47 施設という結果が出ています。

5 ページ、 (7) 経営者の年齢ですが、経営者の年齢階級別に全体の施設数の構成割合を見ると、「 60 69 歳」が 30.6 %と最も高く、前回調査と比較して 0.6 ポイント減少しているという結果が出ています。

6 ページ、 (1) 従業者の規模別施設数ですが、今回調査対象となった 366 施設について従業者の規模別に施設の構成割合を見ると、「 5 9 人」が 30.3 %で最も高く出ていて、次いで「 2 人」が 20.8 %、「 3 人」と「 10 19 人」がそれぞれ 11.5 %ずつという結果が出ています。 (2)1 日平均客数ですが、「 20 29 人」が 14.5 %で最も高く、次いで「 30 39 人」が 13.1 %、「 150 人以上」が 12.0 %という結果が出ています。 (3) 平均料金単価ですが、 1 施設当たりの客 1 人当たり平均料金単価別に施設数の構成割合を見ると「 750 1,000 円未満」が 30.3 %で最も高く出ています。

8 ページ、 (6) 経営上の問題点ですが、 78.4 %が「原材料費の上昇」と答えています。 (8) 今後の経営方針ですが、「食事メニューの工夫」が 56.8 %で最も高く、「接客サービスの充実」が 34.7 %、「価格の見直し」が 24.0 %となっています。

9 ページ、 (2) 雇用の形態ですが、従業者総数の 1 施設当たりの平均従業者数を見ると、男 3.5 人、女 4.1 人となっています。雇用形態の構成割合を見ると、男性・女性ともに「臨時雇用者」が最も多く、男性 39.5 %、女性 73.1 %という結果が出ています。

12 ページ、 (5) 過去 3 年間の設備投資の主な理由については、「設備の老朽」が 66.9 %で最も高く、「経営改善策」が 12.7 %、「利用客の要望」が 7.6 %という結果が出ています。

13 ページ、 (7) 設備投資の際の借入金の借入先ですが、「その他の金融機関」が 49.0 %で最も高く、「不詳」が 32.5 %、「日本政策金融公庫」は 19.1 %となっています。

14 ページ、 5 の日本政策金融公庫の利用等の状況ですが、「利用したことがある」は 29.2 %、「知らない」が 39.1 %ということです。

 サービス関係の項目として、 16 ページです。 (4) 実施しているサービスの内容ですが、「独自メニューを提供している」が 61.4 %で最も高く、以下、「割引券や特定日等の価格サービスをしている」が 39.8 %、「地産地消の食材を意識したメニューの提供をしている」が 24.7 %という結果が出ています。駆け足で恐縮ですが、中華料理店につきましては以上です。

 続きまして、資料 6 、社交業について説明いたします。こちらも調査の目的、概要につきましては、先ほどの生活衛生営業振興のための指針の作成に資するため調査を行っています。

3 ページ、 1 の一般的事項ですが、 (1) 経営主体別施設数につきまして、今回の調査対象は 528 施設、経営主体別に構成割合を見ると、「個人経営」が 75.8 %と最も高く、次いで「有限会社」が 13.6 %、「株式会社」が 9.7 %となっています。

5 ページ、 (7) 経営者の年齢ですが、経営者の年齢別に施設数の構成割合を見ると、「 60 69 歳」が 30.1 %で最も高く、次いで「 50 59 歳」が 24.6 %となっています。

6 ページ、 2 の経営に関する事項ですが、 (1)1 日の平均客数と客 1 人平均食事単価の結果として、 1 日平均客数別施設数の構成割合を見ると、「 10 19 人」が 35.0 %と最も高く、次いで「 10 人未満」が 30.3 %、「 20 29 人」が 12.9 %となっています。

9 ページ、 (7) 経営上の問題点ですが、「客数の減少」が 54.5 %と最も多く、次いで「材料費の上昇」が 30.1 %、「人手不足・求人難」が 25.8 %となっています。 (8) 今後の経営方針ですが、「接客サービスの充実」が 49.6 %と最も多く、次いで「食事メニューの工夫」が 22.5 %、「広告・宣伝等の強化」が 21.8 %となっています。

10 ページ、 3 の従業者に関する事項ですが、 (1) 従業者数で雇用形態の構成割合を見ると、男性は「常時雇用者」が 34.8 %、女性は「臨時雇用者」が 70.5 %と最も高くなっています。

15 ページ、 5 の日本政策金融公庫に関する事項ですが、 (1) 日本政策金融公庫の利用状況で、「利用したことがある」が 54.9 %で最も高く出ています。「知らない」が 2.1 %という結果になっています。

16 ページ、 6 の設備投資等に関する事項ですが、 (1) 過去 3 年間の設備投資の主な理由を見ると、「設備の老朽」が 48.3 %で最も高くなっております。 (2) 資金調達方法についても、借入先を見ると、「日本政策金融公庫」が 44.0 %で最も高くなっています。

18 ページ、 7 のサービス関係の項目ですが、 (2) サービス等について、実施状況を見ると「会計が分かりやすい工夫をしている」が 29.5 %、次いで「割引券や特定日等の価格サービスをしている」が 15.0 %となっています。社交業については以上です。

 続きまして、資料 7 、生活衛生関係営業経営実態調査報告飲食店営業 ( 料理店 ) の説明です。調査の目的、概要につきましては先ほどの説明と同じ内容です。結果ですが、 (1) 経営主体別施設数については、今回、調査対象が 138 施設となっています。構成割合を見ると「有限会社」が 47.1 %、次いで「株式会社」が 44.2 %、「個人経営」が 7.2 %となっています。

4 ページ、 (5) 経営者の年齢別施設数ですが、「 60 69 歳」が 37.0 %と最も多く、次いで「 50 59 歳」が 23.9 %、「 40 49 歳」と「 70 79 歳」が同率で 15.9 %という結果が出ています。

5 ページ、 (9) 従業者数別施設数ですが、「 20 人以上」が 33.3 %と最も多く、次いで「 10 19 人」が 32.6 %という結果が出ています。

7 ページ、 (13) 生活衛生同業組合への加入状況ですが、経営主体別に組合への加入状況を見ると、「個人経営」で 70.0 %、「株式会社」で 60.7 %、「有限会社」で 72.3 %が加入しているという結果が出ています。 2 の経営に関する事項ですが、 (1)1 日の平均客数としては「 10 19 人」が 15.2 %で最も多く、次いで「 30 49 人」が 14.5 %、「 60 99 人」「 150 人以上」が同率で 12.3 %という結果が出ています。

8 ページ、 (3)1 人平均料金単価ですが、 1 人平均料金単価別の施設数の構成割合を見ると、「 4,000 5,000 円未満」が 18.8 %で最も多く出ています。

9 ページ、 (6) 経営上の問題点ですが、「原材料の上昇」が最も多く 65.9 %の施設が挙げていて、「客数の減少」が 64.5 %、「施設・設備の老朽化」が 49.3 %、「客単価の減少」が 46.4 %となっています。 (7) 今後の経営方針については、「食事メニューの工夫」が 64.5 %で最も多く、「接客サービスの充実」が 50.7 %、「広告・宣伝等の強化」が 25.4 %と、経営の改善に前向きな項目が多数を占めています。

10 ページ、 3 の従業者に関する事項で (1) 雇用形態別従業者数ですが、全体で 22.2 人のうち、「臨時雇用者」が 12.3 人と最も多く、次いで「常時雇用社員」が 7.4 人となっています。

11 ページ、 4 の設備投資等に関する事項で (1) 設備の状況ですが、電子マネー関連設備の導入状況では、「 100 席以上」が 6.8 %と最も多く、「 30 49 席」が 6.3 %、「 50 99 席」が 3.1 %となっていて、総数で見ても 5.1 %と、まだ普及が進んでいないという結論が出ています。

12 ページ、 (4) 過去 3 年間の設備投資資金の借入先ですが、「その他金融機関」が 54.5 %、「日本政策金融公庫」が 25.8 %となっています。

14 ページ、 5 の日本政策金融公庫の利用等の状況ですが、「利用したことがある」は 44.2 %、「知らない」は 20.9 %あったということです。

15 ページ、 6 のサービス関係の項目ですが、 (1) サービスの内容については、「独自メニューを提供している」が 61.4 %で最も多く、次いで「地産地消の食材を意識したメニューを提供している」が 51.8 %、「インターネットの情報サイト等を介した割引サービスを行っている」が 28.9 %という結果が出ています。簡単で大変恐縮ですが、料理店につきましては以上です。

 最後、資料 8 、喫茶店営業に関する調査結果です。調査の目的につきましてはこれまでの調査と一緒です。

3 ページ、1の調査結果の概要として、 (1) 経営主体については、今回、調査対象は 301 施設となっています。「株式会社」が 49.2 %と最も多く、「有限会社」が 37.2 %、「個人経営」が 7.6 %という結果が出ています。

4 ページ、 (5) 生活衛生同業組合への加入状況ですが、「総数」で 29.9 %、「個人経営」で 30.4 %、「株式会社」で 24.3 %、「有限会社」で 37.5 %となっています。

6 ページ、 (11) 経営者の年齢階級ですが、「 60 69 歳」が 28.2 %で最も高く、次いで「 50 59 歳」が 25.9 %、「 70 79 歳」が 16.9 %という結果が出ています。

7 ページ、 (1)1 日平均客数ですが、「 100 199 人」が 16.6 %で最も高く、次いで「 300 人以上」が 11.3 %となっています。 (3) 1 人当たり平均単価ですが、「 500 750 円未満」が 33.6 %で最も高く出ています。

9 ページ、 (6) 経営上の問題点ですが、「原材料費の上昇」が最も高く 50.5 %となっていて、「客数の減少」が 49.2 %、「水道・光熱費の上昇」が 37.5 %、「人件費の上昇」が 29.9 %という結果が出ています。 (7) 今後の経営方針ですが、「食事メニューの工夫」が 48.8 %と最も高くなっていて、次いで「接客サービスの充実」が 44.2 %、「価格の見直し」が 24.6 %、「広告・宣伝等の強化」が 23.9 %と、経営の改善に前向きな項目が多数を占めています。

10 ページ、 3 の従業者に関する事項として、規模別に構成割合を見ると、「 5 9 人」が 26.6 %と最も高く、次いで「 10 19 人」が 17.9 %、「 20 人以上」が 16.6 %となっています。

12 ページ、 (3) 過去 3 年間の設備投資の主な理由ですが、「設備の老朽化」が 68.6 %と最も高くなっています。 (5) 過去 3 年間の設備投資資金の借入先ですが、「その他金融機関」が 32.4 %、「日本政策金融公庫」が 13.3 %と出ています。

14 ページ、 (9) 日本政策金融公庫の利用等の状況ですが、「利用したことがある」が 44.2 %と最も高くなっています。一方、「知らない」も 20.9 %という結果です。

15 ページ、 (1) サービスの内容ですが、実施しているサービスの内容別に施設数の構成割合を見ると、「看板メニューや独自メニューを提供している」が 70.5 %と最も高くなっています。次いで「テイクアウトを行っている」が 46.3 %、「時間帯によりメニューを工夫している」が 38.5 %という結果が出ています。駆け足ですが、経営実態報告喫茶店営業につきましては以上です。

 引き続きで大変恐縮です。資料 11 を御確認ください。今年度の「振興指針の見直し方針 ( ) 」ということで、共通事項と書いてあります。こちらは過去の振興指針、今回の飲食店営業の振興指針以外にも、同じような方針で振興指針の見直しを行ってきており、振興計画の実施状況について共通事項等を記載しております。 2 ページの振興計画事項の記載として、サービス産業の活性化及び生産性向上への対応については、 27 年度改正より項目をたてております。項目の七に災害への対応と節電行動の徹底と記載しています。昨年度までは東日本大震災への対応ということでしたが、その他の災害も発生していることから、災害への対応という形で見直しいただければと思っています。八、最低賃金の引き上げに向けた対応として、今年の 10 月から最低賃金が大幅に引き上げられました。今後も引き続き、引き上げ予定であることから、最低賃金の引き上げに向けた対応についても項目出しとして新たに付け加えて、見直しいただければと思います。

 今後の振興指針の見直し予定について、先ほども説明いたしましたが、今年度は飲食店営業の振興指針の見直し、 29 年度は食鳥肉販売業、 30 年度に理容業、美容業、クリーニング業、飲食店営業 ( すし店 ) 、興行場営業、 31 年度は飲食店営業 ( めん類 ) 、旅館業、浴場業、 32 年度に食肉販売業、氷雪販売業を見直す予定としています。

 これに関連して、参考資料 11 の「サービス産業の活性化・生産性向上」、参考資料 12 の「最低賃金制度について」を付けていますので、こちらも併せて確認いただければと思います。その他、参考資料 7 以降につきましては、先ほど説明した経営実態調査報告から経営改善の方策について、中小企業診断士に作成していただいた資料となっていますので、併せてご確認いただきますようお願いします。非常に簡単ではございますけれども、私の説明は以上でございます。

○原田分科会長 膨大な調査結果ですので、そのポイントをまとめてピックアップして説明するという形を取らせていただきました。ただいま事務局から説明がありましたが、それに関連して、岩瀬意見聴取人から資料 9 の社交業に関して、そして山戸意見聴取人から資料 10 の料理店についてをまとめていただいておりますので、それを使って社交業並びに料理店の現状や課題、取組の状況等に関して御説明を頂きます。まず最初に、社交業について、岩瀬意見聴取人からお願いいたします。

○岩瀬意見聴取人 お手元の資料は 1 ペーパーに集約したものです。読み上げさせていただきます。「全社連の現状・課題等 ( 振興指針改訂基礎資料 ) 」です。 4 つの項目に分けています。

1 番、組合加入促進、後継者育成の取組・現状。これが当連合会にとって最重要課題です。 1 つ目として、全社連「組織拡大・ 1,000 店運動」の継続実施。これは、全社連が各県挙げて、年次計画としてやっている運動です。組合員が減少傾向にありますので、 1 店でも多く組合に加入していただくという運動を年次でやっております。 2 つ目として、毎年 11 月に実施する「加入促進強化月間」への強力参加。 3 つ目は、後継者育成・・生活衛生関係営業対策事業における「若手組合員の意識改革研修会」の開催。これは厚生労働省のサポートにより、生活衛生関係対策事業における組合員の若手意識研修会を毎年 11 月に実施しております。今月の 21 22 日にかけて、全国の社交組合の組合員を対象に研修会を実施する予定です。参加者は 100 名を予定しております。 4 つ目は、組合員加入促進・・新規開業者の取込成功例はあるものの、脱退者もそれを上回り、全体として減少傾向にある。文脈が余りすっきりしていないのですが、要は組合員は今減少傾向にあるのですが、決して減少だけではなくて、新規開業者の取込み成功事例というものは多々あります。ただ、脱退者がそれを上回っているものですから、全体として組合員が減少傾向にあるということです。

2 番、業界 ( 組合員 ) の経営環境です。 1 つ目は、小規模経営のため後継者難ということです。これについては、先ほどの実態調査の中にもありましたが、全体の 70 %が個人経営です。バー、スナック、ナイトクラブ、一般飲食に分かれます。そのような小規模経営のために後継者がなかなかできないという実態があります。 2 つ目は、経営者の高齢化です。先ほどの実態調査の中でも触れていましたが、年齢層が非常に高くて、 50 歳以上 70 歳までが過半を占めるということです。

 関連して、高齢者ゆえに IT を活用した売上げ拡大の店舗 PR の推進ということもなかなか進んでいなくて、今後の課題となっております。一方で厚生労働省のサポートによって、若手組合員によるお店のホームページの作成、また充実を図るというような件も最近は見受けられる実態です。脆弱な経営基盤ということで、 1 店舗の平均的な正規雇用者というのは大体 2 名ぐらいで、臨時雇用者が 4 名ぐらいです。先ほど申しましたが、小規模事業者がほとんどです。それゆえ多額な投資や、大規模なリニューアルというものがなかなか難しいという実態があります。

3 番、全社連に関連する制度見直しに対する対応です。こちらのほうは、本年 6 月に改正された風営適正化法改正に伴う対応ということで、各都道府県警察署所管の協議会への参画・協力ということで、一緒になって風営法の改正についての協議を行っているということも課題の 1 つです。 2 つ目は、受動喫煙防止対策への要望です。顧客ニーズを損なうことで、売上げ減少への懸念。雑居ビル、中小店舗での経営者が多く、喫煙室設置が困難。業界の自主的な受動喫煙防止対策 ( 確実な分煙の促進 ) を要望しています。やはり社交界にとって、お酒とタバコというのは切っても切れないところがあります。もしこれが完全禁煙になると、顧客のニーズを損なうことで売上げが減少するということが非常に懸念されているところです。今の現状では、店舗の約 80 %は分煙を行っていない状況です。

3 つ目は、暴力団等排除対策協議会の継続実施です。警察庁刑事局犯罪対策部の御指導ということです。これについても、毎年 1 度警察庁刑事局暴力団対策課と全社連の暴力団排除対策協議会を開催しております。警察庁からの情報提供、提言を受けています。今月の 15 日に第 14 回のこの協議会を開催する予定です。

 消費税軽減税率制度導入に伴う、飲食店に係る明確な内容及び対応例提示による円滑な導入準備ということです。消費税 10 %と軽減税率の導入時期は平成 31 10 月に延期になりましたが、そのために、また飲食店に関わる明確な内容の対応事例等について円滑な準備を進めていかなければいけないということです。

 その他として、自然災害発生時等、被災営業者の営業再開のための施策強化です。事例として、熊本地震、北海道・東北地方を襲った台風等、自然災害遭遇時のリスク低減策の検討です。先ほども自然災害の対応という話が出ましたが、本年 4 月に発生した熊本の事例を申し上げますと、熊本の組合は 700 軒あります。そのうちの 400 軒が被害に遭いました。当時の記録を見たのですが、 6 月になっても 20 %のお店が再開できない。そのうちの数パーセントが結果的に廃業に追い込まれるということも聞いております。熊本のときは、日本金融公庫から、ワンストップ融資という非常に有効的な御支援を頂きましたことを非常に感謝しております。今後も、このような自然災害があったときに、逸早くお店が再開できるようなことも考えていかなければいけないのではないかということです。簡単ではありますが以上です。

○原田分科会長 ありがとうございました。続いて料理店に関連して、山戸意見聴取人 からお願いいたします。

○山戸意見聴取人 御紹介いただきました、全国料理業生活衛生同業組合事務局長を務めている山戸です。資料 10 について説明させていただきます。まず、「全国料理業生活衛生同業組合の現状と今後の方途」ということで、 (1) 業界の経営環境として1~5までありますので、これを読み上げます。1和食が世界無形文化遺産に登録され、和食及び日本料理の伝統と四季に応じた厳選された食材を調理人の技、匠により訪日外国人の消費拡大につなげることができた。そういった状況は今後も続くと考察する。1の補足として、今年度訪日外国人は 2,000 万人を超え、確かに和食文化について、食に対するおもてなし、しつらえ及び健康志向に興味を持たれ、消費拡大につながったことは事実です。日本料理とは料亭、料理店、女将と芸妓、健康食としての日本料理、マナーの心得、食事マナー、箸の使い方、来客者に伝えるすべとして、絵を用いた案内書を広く PR してまいりたい。

 2創業 100 年を超える老舗店舗は、減少傾向にある。傾向として、少子高齢化と、長きにわたり景気低迷など、消費動向の変化と多様化により、日本料理店自体が後継ぎ問題も含め、世代交代がスムーズに行われていなく、店の老朽化などにより、耐震性の問題もあり、建て替えも困難な状況で廃業する店舗も今後は増えてくる。2の補足として、日本全国で築 100 年を超える建物を利用した老舗の料亭は、全国で 70 軒ほどです。東京地区においては戦災により 1 軒も残っていない状況で、現在営業している料亭は戦後の建物です。

 3 2020 年オリ・パラに向けて、訪日外国人の増加が見込まれ、多言語の対応不足を補うのに人材の確保が必要になってくることは必須である。3の補足として、料亭を仕切る女将、仲居はある程度おもてなしと経験が必要で、外国語を堪能に操れる人材を確保するためには、教育時間等人件費単価が高騰する懸念がある。

 4受動喫煙防止対策推進法案並びに分煙対策を業界として、施設内全面禁煙を徹底する法案が施行されるとどのような影響があるか懸念される。4の補足として、施設内の全面禁煙については、全国料理業生活衛生同業組合連合会として断固反対する姿勢です。

 5日本料理店 ( 料亭 ) は、風俗法の縛りを受けており、性風俗産業と同一視されることにより、業界全体のイメージを著しく損ねている。5の補足として、戦後 1948 年、風俗営業取締法が制定されたが、 2014 10 月には、政府はナイトクラブを含む、ダンスをさせる営業への規制を見直す風営法改正案を閣議決定された事実があります。それに向けて当連合会も除外する運動を進めてまいります。

(2) 業界の今後の方途です。1俗に言う料亭は人材難、特に調理人の不足、施設の維持管理の経費が嵩み、後継者不足問題等、正に経営のビジネスモデルの基盤が崩壊しつつある。この難局を乗り越えるため、今まで以上、各地域の組合役員による経営情報を共有し、日本政策金融公庫との連携を強固にするため、ますます組合員の団結力が必要になってくる。 ( ) として、料亭は、 ( 日本料理、しつらえ、おもてなしの振る舞いと伝統芸能 ( 花街 ) 、正しく日本文化の凝縮空間の提供 ) です。

 次は割烹ですが、 ( 日本料理のみ提供 ) です。2各地域において、組合加入のメリットを大々的に PR を行い、特に政策金融公庫の融資及び連合会提携のクレジットカード低利率優位性を唱え、組合員獲得に努める。

 3世界に誇る日本の食文化を代表する料亭としての自覚とプライドで、「適正な対価が得られるサービスの構造」へ転換を図らなければなりません。もともと料亭は各地域における暮らしが育む食文化 ( 行事食、通過儀礼食等 ) を提供し、コミュニティの中心の存在でした。素晴らしいサービスを正しく評価する質の高いサービスがリスペクトされる、そんな社会にしなければなりません。そのためには、より高みを目指す組合員の意欲を喚起するとともに、消費者の意識も改善が必要であると考えております。以上です。

○原田分科会長 ありがとうございました。ただいま説明していただいたことを対象として、どなたからでも結構ですので、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。振興指針というのは、現状に即していなければ意味がないということだと思いますので、取りあえず事務局のほうから、まずもって調査に基づいた現状説明がありました。それと同時に、各業界がやろうとしていることをバックアップする必要性はありますが、それを抑え込むようなことがあっては絶対にいけないと思いますので、その関係から岩瀬さんと山戸さんのお二人から御説明を賜りました。更にこの点を検討すべき項目として挙げておいたほうがいいのではないかとか、今説明があったのだけれども、この点はもうちょっと詳しく聞きたいとか何かありましたらお願いいたします。

○西尾委員 最初に基本的なことを伺います。聞き逃がしたのかもしれません。貴重な調査結果を御紹介いただきましたけれども、回答のサンプル数が非常に限られています。例えば、規模が 100 300 ぐらいしかない。貴重なデータなのですけれども、ミスリーディングしてはいけないという意味において、このサンプルは母集団の代表性を担保できているのでしょうか。要は、サンプル数は少ないけれども、ほぼ母集団の構成比率と同じような形で、そういう意味では母集団を代表する回答であり、これに基づいて解釈をして、指針を立ててもいいと考えてよいのでしょうか。どうしても任意で御協力いただくので、実際には回答サンプルが偏ってしまっている可能性もあるかと思います。もし、回答者が偏っている場合にはその点を注記し、実際の振興指針の策定をするにあたってもその点を留意する必要があると考えます。その辺はどのように考えたらいいかを教えてください。

○原田分科会長 まず、事務局はどのように考えているのか。

○城間課長補佐 サンプル数 358 施設等々というように出ております。

○西尾委員 調査票は、どういう施設に対してどのぐらい配布し、回収率はどのぐらいだったのでしょうか。

○城間課長補佐 回収率何パーセントというデータは、今は手元にありませんのでお答えできません。今回は 5 つの業種で 300 を超えていない所の業種は、料理店業が 138 施設です。少なくとも全国の営業者に当然ながら、通常の統計手法に基づいて、バランスよく調査を実施し、その結果として料理業以外の所は 300 を超えての回答が出ておりますので、比較的全国の平均的な回答が頂けているものだと考えております。料理業については 138 施設ということですけれども、こちらの 138 施設について数が少ないかと言われると、母数集団自体がそんなに数があるわけではないため、必ずしも少ないとは思っておりません。

○新津課長補佐 補足させていただきます。確かにおっしゃったように偏りがあった場合に、そのデータ的な解析は難しいです。この統計を取る調査票そのものが大幅に変わっていないということと、これは 5 年ごとに指針そのものは改正するのと、調査するものは 3 年おきにデータは取らせていただいています。サンプルとして取られる数、それから規模別の撒くものについても、毎年大きく変えるものではなく、同一性を持って統計を比べられるように配慮して取っているということです。そこは、前回と今回のを合わせてそう大差ない規模と数で上がってきていると考えています。

○西尾委員 なるほど、そうですか。これはとても重要な情報ですので、是非とも資料の中で明記しておくべきです。そして、調査結果の解釈に関しての事務局側の見解も書いていただくとよいと思います。私も自分でマーケティングリサーチを行うことがあるので、任意で調査に答えていただくのは非常に難しいと思うのです。ただ、そういう限界があることも踏まえて、それをきちっと開示しておくことが、データの信頼性という点からも重要かと思いますので、その辺は是非とも明記していただければと思います。

○原田分科会長 大変重要な御指摘だと思います。せっかく調査をしましたから、それのある程度統計的な妥当性というものを納得させる根拠が必要だと思います。特に規模によって、例えば対応するやり方が違っていたりする可能性があります。それを全体で平均した場合に、違いが偏っていたらちょっとずれてきてしまう可能性もあります。業界の方に、大体こんな感じでいいですかというようなことも、念のため検討の中に入れておいたほうがいいと思います。見せていただいて、ずれていないということであれば、毎年また取っていかなければいけないという側面もあると思います。その辺のフォローをやっておいたほうがいいと思います。フォローをやった、ということをどこかに書いておけばいいのではないかと思います。他には何かありますか。

○佐野委員 資料 3 の法律の第 56 条の 2 3 に、「利用者又は消費者の利益に資するものでなければならない」と書いてあります。この内容を見ていくと、余り消費者に対してという部分がないというより、私がもったいないと思うのは、皆さんが振興指針、振興計画を作って一生懸命努力していることが消費者には分かっていない。だから、もっと見える化をするべきであって、こういうことをしているのだ、というところを出すべきではないのだろうかと思います。非常に残念なのが、資料 5 17 ページの S マークについてなのです。せっかく S マークというものがあるのに、知らない事業者が 7 割というのは、このマークの意味を全く成していないと思います。今、千代田区では、新しく自ら区できちんとした基準を作って、そして保健所が認定して、来年 1 月からマークを与える。それは、消費者にとって分かりやすく、事業者にとっては衛生の管理がきちんとできていることをもって、更に進めていきたいと。そのように、消費者にも見える形に是非していただきたいと思います。

 一方では、消費者庁が、消費者志向経営の概念を普及したり、それから定着させるということで、一生懸命呼びかけを始めました。それも同じように、ここの業界でもきちんとやれることだと思います。消費者にとっては、厚生労働省とか消費者庁とかは全く関係ないわけです。是非連携をしながら、自ら自分たちで指針を作ったとか、自主基準を作ったということを消費者に分からせる努力をしていただきたいと思います。

 もう 1 つこの中で出てくるサービスの内容を見ると、ほとんど独自メニューを提供しているというのが一番トップに上がるわけです。これはどちらかというと当たり前のことであって、その中身を知りたいわけです。中身というのは、もしかしたらここに書かれているカロリーとかアレルギーも表示しているとか、地産地消だとか、原産地を表示しているとかそういうものであって、独自メニューというのは、皆さん各店舗がやるのは、消費者にとっては当たり前のことではないかと思うのです。このアンケートの答えは多分チェックしていくのだと思うのですが、回答例を変えていくべきではないかと思います。私が見る限りすごく内向きです。もっと外に向けて、こういうことをしているという情報提供をすることによって、更にお客さんも増えるだろうし、事業者も衛生管理に努力するという両方の面が見られるのではないかと思います。

1 つ御質問します。資料 10 の一番最後の所に、「消費者の意識も改善が必要でしょう」とあります。その消費者の意識の改善というのはどこを一番指しているのかを教えてください。

○山戸意見聴取人 消費者の意識というのは、まず料亭という部分の意識がまだまだ消費者にはないということなのです。先ほど申しましたように風営法に縛られている部分があります。料亭というのは芸子遊びを主体とすることを料亭と称しています。そういう部分で、料亭は非常に敷居が高い、料金が高いということで、一般消費者、一見の客は入れないということもありますので、料亭自身、消費者に対して PR と言いますか、なかなか知られていない部分です。逆に、料亭に芸者を入れなくても、料理を楽しむ場所として、今後も私ども連合会が変えていかなければならないだろうという意味の、消費者にもっともっと PR を心掛けたいということです。

○佐野委員 それだったら、是非明朗会計とか、会計の部分をもっと外に出していただかないと、おっしゃるとおり私たちには敷居が高くて利用できないと思います。

○山戸意見聴取人 資料にも書いてありましたが、 1 人当たりの単価が 1 万円を超えるのが普通です。芸者を入れると、 1 人当たり 5 6 万円という金額を設定します。料亭のしつらえ、おもてなしという部分については、 1 人に使う四季折々の食器は、春夏秋冬を通じて、例えば春なら春に 10 万円ぐらいの食器を使います。ですから、 1 人で年間 40 万円かかります。そういう物をそろえておく倉庫も設置しなければならないということで、全国の有名な料亭となると、大体敷地が 1,000 坪以上あって、お店と食器を収める倉庫があります。必ず毎日庭の手入れをするとか、毎日花を変えていくとか、日々の設備投資が非常にかかるものですから、どうしても 1 人当たりの単価が高くなってしまいます。 1 人当たり 5 6 万円と言ったところで、果たして一般の消費者が使うかどうかという部分も 1 つあります。その辺の料金の公開というのは、各店にお任せしております。その辺は連合会としても店に任せるということでお答えになるでしょうか。

○原田分科会長 消費者に対して見える化の方向性を少し検討すべきだという御指摘です。それを振興指針の中にどのように入れ込むことができるかというのは、事務局のほうで検討しないといけないと思います。余りにも具体的に書きすぎると、結局個々の業者の工夫の余地がなくなる可能性もありますので、その辺のところはどの程度振興指針の中に盛り込むことができるかというのはかなりシビアに見ていかないと、振興指針の性質が非常に堅苦しいものになってしまう可能性も逆にあるわけです。その辺は検討課題として受け入れさせていただいて、私と事務局の間で、できるだけ消費者の視点が振興指針の中に入るように検討していく。それは大幅な変革になってしまう可能性もあります。余りにも急激な変革というのは、この際はちょっと避けたほうがいいと思います。

○佐野委員 あるということだけでも、情報を提供していただければいいのではないかと思います。

○原田分科会長 そうですね。分煙の問題でももうちょっと真剣に対応しないと、これから先はオリンピック・パラリンピックを迎えて、外国の人たちが来た場合に、外国で分煙の進んでいる所と日本とでは、明らかに遅れているということが無きにしも非らずですよね。分煙の方向性というものも、きちんとこれからどの程度中に入れていくのが妥当なのかというように、余りトーンダウンしないで、トーンアップしすぎないように、日本の現状に合うような形にしていかないと、振興指針が宙に浮いてしまいますので、その辺の対応はかなり慎重にいかないと難しいです。御意見は賜っておきますが、どのように反映させるかというのは検討を要するのではないかと思いますので、そこのところは御了承いただければ有り難いです。

○山戸意見聴取人 先ほど、消費者に見える化ということで、私ども連合会では、『味わってみたい日本の料亭・料理店』という冊子を 7 年計画で、東北編を 2014 年、北海道・北陸編を 2015 年、九州編を 2016 年に作成しています。中部・東海編、関東・甲信越編、四国・中国・近畿編という形で全国を 7 冊に分けて、おもてなしからマナー編、箸の使い方という冊子を、全国観光協会、それから公立の食品科を持っている高校、あるいは大使館、教育委員会にお配りしております。それは厚生労働省の補助金事業でやらせていただいておりますことを報告させていただきます。これも消費者に見える化ということで、こういう展開もしております。

○原田分科会長 何かほかにありますか。

○市川委員 経営実態調査報告、ありがとうございました。それを踏まえた振興指針の見直し方針 ( ) について述べたいと思います。飲食業界というのは、特に人手不足が大きいとよく言われております。それからまた、アルバイトというような非正規で働く労働者の人たちが多い分野でもないかと思います。厚生労働省は、もちろん衛生面も管理されますが、働き方という面も管理するところです。この頃ブラックバイトというような言葉も、私たち普通の消費者の耳にもよく届くような状況になっております。そういう中で、飲食業界の方々がアルバイトであるとか、非正規の方々に対する雇用管理であるとか、そういう労働環境をどのように意識して、どのように対応されているのかという辺りについて、この振興指針の見直し方針の中にも、例えば 2 ページの振興計画事項ということで、一から八まで書き込んでありますが、私の希望としては、最低賃金の引上げの下の所に九という項目を入れて、「アルバイトや非正規の方々の労働環境の整備」とか、そのようなニュアンスのことをきちんと飲食業界の方々が認識して、改善に取り組めるような方向を目指せるようなものになるとよいなと思っているところです。以上です。

○原田分科会長 振興指針の計画事項の中の、特に青で書いてある所が新しく考慮すべき項目として出てきていると思います。その中で、最低賃金だけではなくて、労働環境の問題も、特にパートを対象にしたものに関しても、何かきちんと振興指針の中に盛り込んでほしいという御意見だと思うので、これは同じ内容の働く者に関しては同じ賃金とか、そういうことがあるわけですが、でも、パートの問題というのは、生衛業にしてみれば、ものすごく重要な側面を持っている。労働力としてもそうですが、パートの働き方を急激に変えたら、経営そのものをひっくり返してしまう可能性もあるわけですね。

○市川委員 同一労働同一賃金とか、そこまで踏み込むつもりはなくて、例えばアルバイトの学生さんを雇うときに、労働条件を書面で交換するとか、そのようなコンプライアンスの部分です。

○原田分科会長 よろしくお願いします。

○城間課長補佐 労働者の労働条件等の話については、既に現行の指針の中で、経営者に対する支援に関する事項ということで、組合・連合会においては、「営業者における自立的な経営計画の改善取組に資する」項目の中で、 (8) として「従業員の福祉の充実に関する事項」と入れており、従業員の福祉の充実を図るために必要な支援に努めること。労働者の労働条件の整備、作業環境の改善及び健康管理の充実のための支援、福利厚生の充実、医療保険、年金保険及び労働保険の加入等の啓発、共済制度 ( 退職金、生命保険等 ) の整備及び強化というように、記載されている項目があります。

○原田分科会長 一応、入ってはいると、更によく見てほしいという御指摘でいいと思います。最低賃金に関しては、やはりあれですよね。

○城間課長補佐 最低賃金までは、現行の指針には書かれていません。

○原田分科会長 そこはちゃんと入れなければいけないということで。

○城間課長補佐 この辺の部分を項目をたてて明記いただければと。

○原田分科会長 そのときに、パートの問題が出てくる。そこはちょっと検討させていただくということで、よろしいでしょうか。

○市川委員 そうですね。是非お願いします。

○原田分科会長 ですから、今までもう既に文面として入っているもので補えないところを、ちゃんと補わなければいけないと思いますので、そこは事務局と相談していきたいと思います。

○山本委員 働く人の問題ということで、関連して教えていただきたい点も若干あるのですが、社交業において、個人事業主扱いの方の比率がほかの業種より多いのは、ホステスさんのような方が、いわゆる労働者扱いではなく個人事業主としてお店と契約をしているケースが多いというのを仄聞したことがあるのですが、そのような事情も反映しているのかということについて、私の理解が間違っているかどうかという点について御教授いただきたいということ。あと、ホステスさんのような、いわゆるお店で働いている方であっても、個人事業主扱いになると、健康診断とか、こちらの統計だと雇用者に対するということですよね。そうすると、労働者としての保護の対象からは外れてしまう。ちょっと前にはやった偽装請負などのような形で、働く人の保護というときの振興指針の資料 11 の下の緑色の四角の所の「従業者」という所です。ここはいわゆる労働者、労働契約、雇用契約を結んでいる人たちだけなのか、それともこういう個人事業主として働いている、いわゆるホステスさんのような人も含み得るものなのかということを教えていただきたい。もし、そういう人が含まれていないのであったら、雇用の環境が多様化していく中で、そういう形で、働く人も保護できるような形で考えたほうがいいのかなというのは個人的な感想です。教えていただけますと幸いです。

○原田分科会長 いかがですか。

○岩瀬意見聴取人 実態として、いろいろなケースがあると思うのですが、ちょっとお答えになっているかどうか分からないのですが、臨時雇用で時間、例えば 1,500 円だか 1,200 円でやっているホステスさんもいらっしゃるし、聞くところによると、昼間お仕事をして、夜バイトをしているという方もいらっしゃるし、そういう方々は臨時雇用ですから、季節労働ではないのですが、例えば週の後半とか、ウィークデーの早い時間は出ないで、変則的なシフトで、要は週末 9 時以降出るとか、いろいろなケースは聞いております。ただ、正社員というか、ママさんに代わる正社員的な方はいらっしゃるというケースもありますし、お答えになっているかどうか分からないのですが、いろいろなケースがあると聞いておりますが。

○山本委員 いろいろな働き方をする方がいらっしゃると。ありがとうございます。

○原田分科会長 スナックのママさんみたいなものは個人営業の方が非常に多くて、事実上、個人営業の形で従業員で入っているというのは少ないのではないかと思うのですけれども。私はそういう分野はよく知りませんので、大変恐縮ですけれども。

○山本委員 はい。

○原田分科会長 ほかに何かありますか。

○佐野委員  1 つだけ質問なのですが、資料 6 の社交業の所の 18 ページなのですが、リサイクルの所です。ゴミの減量化・リサイクル実施状況で、 73.5 %が何かしら取組をしているとあります。その中身を見たら、ゴミの分別をしているのが 81.4 %とあるのですが、ゴミの分別というのは、これは義務ではないでしょうか。 100 %でなければならないのではないかと私は思うのですが、どのような質問の内容なのでしょうか。教えていただければと思います。

○原田分科会長 多分、調査を行ったときに、どういう質問項目で分別に関連したことを調べたかというのが、今分かればお答えいただければいいと思うのですが。

○城間課長補佐 恐れ入ります。具体的に調査項目として手元に持っていませんので、調べて回答したいと思います。ゴミの分別をしているが 81.4 %で、分別は当たり前で、 100 %ではないかということですよね。

○佐野委員 はい。

○城間課長補佐 確認いたします。

○原田分科会長 ちゃんとやっていないケースもあり得ると思いますので、実際はまとめて捨ててしまっているという可能性も無きにしも非ずです。ですから、 100 %というのは出てこなければおかしいはずなのですが、出てこないというのは、そういう認識をちゃんと持っていないという可能性もあり得ます。

 いろいろと御指摘いただきまして、どうもありがとうございます。特に現状に合わせた形での振興指針をやらなければいけないということですので、調査に関しての妥当性をちゃんと裏付けるような記述は、やはり付け加えたほうがいいと思いますので、今後このような資料を出されるときに、欄外でも結構ですから、今御指摘いただいたような項目を書いておいたほうがいいと思います。それは守ってほしいと思います。ただ、そのような形で振興指針に書くというのはどうかという面もありますので、振興指針はあくまでも振興指針の領域の中で、現状を把握しているものに、根拠としてデータがあるということでいいのではないかと思います。

 そして、振興指針に配慮すべき項目の中で、資料 11 の中の特に青い線を引いたものと、最低賃金の項目を入れるということと、労働環境に関して抜けがないかどうかをチェックしていただくというのは、ポイントは御指摘いただきましたので、これは非常に重要な世界。特にパートタイマーを対象にした労働環境に関して、落ちがないかどうかというのは、やはりチェックしておかなければいけないと思いますので。それから、いろいろな独自サービスの中身を余りにも細かく書きすぎると、そこで思考が止まってしまう可能性がありますから、その辺のところは適度な自由度を入れていく必要性があると思うのです。ただ、外してはいけないポイントはあると思うのです。その 1 つが分煙だと私は思う。私がタバコを吸わないせいもあるのかもしれませんが、下手をするとそこがだんだんトーンダウンしていく可能性があるので、そういう外してはいけない項目に関しては、やはりきちんと振興指針の中に明記しておく必要性があると思いますので、それが抜けていないかどうかはチェックする必要性があるだろうと思います。

 あとは業界の特性です。それぞれの業界の特性。やはり微妙な違いがあると思いますので、特に個人営業のウエートだとか、上場しているわけではないと思いますが、株式会社の形態を持ったとか、そのような形の違いは多分にあると思いますので、それぞれの業界の特性、あるいはそれぞれの業界の微妙な違いみたいなものを無視して振興指針を書いたら、振興指針を誰も守ってくれないということになりますので、その辺のところは業界とよくクロスしていく必要性があると思います。その辺は事務局の大事なお仕事の 1 つだろうと思いますので、よろしくお願いします。何かほかにありますか。

○山縣委員 すし商組合の山縣です。最近こういう会議で発言させていただいているのです。というのは、こういう会議に出てくるのは、どういう業種に限っても、全部、組合に入っている所ばかりなのですね。実際に組合に入っていないお店というのは野放し状態で、勉強もしない、会合にも出てこないということになりますから、我々飲食店だと、都道府県で営業許可の更新が 5 年ぐらいなのです。ですから、組合に入らないお店は営業許可の更新 1 年、それから許可料も増額ということを訴えているのです。ということは、決して悪平等ではないと思うのです。組合に入っていないのと全く同じだという解釈で、組合に入っているほうばかりいろいろ、我々業界の恐らくみんなそうです。すぐメリットがない、メリットがないと言われるのです。ある意味では景気が停滞していて、本音から言うと、組合費がもったいないということにもなるのですが、それに対してメリットも出せない自分たちの業界が悔しい思いもしているのですが、では、組合に入っていない所はどういうことなのだということを、まるで一緒というのもおかしいと思いますので、ちょっと今日の趣旨とは違うのですが、何とかならないかなと思っておりますので、発言させていただきました。以上です。

○原田分科会長 ちょっと振興指針に入れるのは難しいかもしれません。ただ、メリットだけではなくて、入らないデメリットをやはり。

○山縣委員 そうありたいですね。

○原田分科会長 それを少し、振興指針というわけにいかないと思いますが、何かそういうものを認識させるような方向性みたいなものは、少し組合のほうの活動の中に入れ込むことができればいいと思います。

○山縣委員 これは本当に大森さんに頭が下がるのですが、税法の改正ということですね。交際費の課税の緩和とか撤廃のときに、本当に動いていただいて、少しずつ前進しているのですね。やはり交際費の課税が厳しくなれば、結局使わないということになります。私は料亭さんのお話を聞いていて、大変だなと。我が業界も同じようなところがあります。会社、あるいは交際費がふんだんに使えれば、やはりそういう料亭さんの意味があるのです。逆に言うと、大事なお客さんに「おいしい牛丼屋さんがあるから、牛丼に行きましょう」とか、「小諸そばに行きましょうか」と言ったら、「馬鹿にするな」と言われますよね。やはりそれぞれ理由があるのです。私は中央区で商売をしていますが、中央区の銀座のお店は、ちょっと食べて何万円という店もあります。御努力して素晴らしい環境にしていて、そういう営業形態も必要なのです。だから、その辺りは税法の改革も下のほうに出ていますが、これも大事なことで、トータルで消費が動くようにしないと、高いから良いとか悪いとかというのは違うのですね。この辺りは料亭さんは大変だなと思いますが、やはりそれなりの良さがあって特徴があるわけですから、単純に金額とか何とかということで括りを入れないでいただきたいなと。すし屋もある意味ではそういうところがありますので、思っております。

○佐野委員 私が先ほど申し上げた見える化というのは、そのように一生懸命、衛生管理をされている事業者、例えば先ほど申しましたように、千代田区ではステッカーを付ける。消費者にとって、きちんとしている事業者だということで選びやすくなる。それで、先ほど申し上げたのは S マーク。せっかくこの S マークがあるにもかかわらず、 7 割も知らないとのこと。やはりこういうものを表に出してくれば、消費者にとって店を選ぶ 1 つの基準になりますので、その辺をうまく取り入れながらやっていただければと思います。そこで組合に入っていてやはりよかったなという、何かメリットが見えてくるのではないかと期待をするところです。

○渋谷委員 私は福祉関係の団体なので、何となく場違いな感じもしているのですが、振興指針のことはよく分からないので、感想めいたことになってしまうかもしれないのですが。私たちは今、福祉については様々なことを関係方面に要請しているのですが、企業とか営利法人に対しては、今まで社会貢献とか地域貢献ということを言ってきたのですが、むしろ生活を支えるというところから、本業で頑張っていただきたい。ちょっと上から目線になって申し訳ないのですが、という気持ちがあります。過疎地はもちろんなのですが、都市部も食事をきちっと食べられない、食べていない高齢者がいっぱいいるのです。ですから、高齢者に対する福祉的な配慮というよりは、むしろ高齢者の生活を支える、食生活を支えるというぐらいの前向きなことを言っていただいたほうがいいのではないかという気持ちがします。

 このアンケートの中で、高齢者、障害者の介助と出てくるのですが、介助というのはいくら何でもハードルが高すぎると言うか、なかなかイメージがしにくいので、例えば、少し入りにくい、段差とかそういう問題の、店構えとか、そういうことはちょっと強調していただいて、またそういうことをしているということを、どんどんアピールしていただくことが大事なのではないかと思いました。

○原田分科会長 特に高齢者をコミュニティの単位で支えているのは生衛業ですから、そういう面で生衛業が高齢者の生きる環境の整備に寄与するというのは、ものすごく大事なことだと思いますので、御指摘は重視したいと思います。ほかに何かありますか。そろそろ時間も押してきているようですので、いろいろ活発な御審議を頂きまして、いろいろな御指摘も頂きまして、大変ありがとうございます。飲食店営業、一般飲食業、中華料理、料理及び社交業並びに喫茶店営業に関しては、本日の論議を踏まえた上で、事務局で検討の後、振興指針改正の原案を作成してもらいたいと思っております。今日頂きました皆様の様々な御指摘を反映した形での原案作りに従事してほしいと思っておりますので、事務局よろしくお願いいたします。最後に、事務局のほうから何か連絡事項がありましたら、よろしくお願いします。

○榊原生活衛生課長 生活衛生課長でございます。委員の皆様、本日は活発な御審議を誠にありがとうございました。振興指針の改正については、より良いものを作っていきたいと、私どもも思っております。本日頂いた様々な御意見は、しっかり反映させていきたいと思います。また、後でお気付きになりました点などありましたら、遠慮なくメール、ファックス、電話等で事務局にお寄せいただければ、大変有り難いと思っております。また、本日の議事録につきましては、速記ができました段階で皆様に御確認をしていただいた後、厚生労働省のホームページで公表させていただきたいと考えておりますので、併せてよろしくお願いしたいと思います。

 次回の日程ですが、先般頂いた日程調整表を参照して、年明けの 1 13 ( ) 15 時から 17 時の開催とさせていただきます。次回は、具体的な指針案について、私どもから提示した上で、御審議いただく予定です。何とぞよろしくお願い申し上げます。

○原田分科会長 本日も皆様の御協力を頂きまして、大変有意義に時間を過ごすことができたと感謝しております。以上をもちまして、第 26 回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を終了させていただきます。本日は誠にありがとうございました。


(了)
本件に関する問い合わせ先: 医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部 生活衛生課
代表電話:03-5253-1111

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