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2017年9月4日 第19回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成29年9月4日(月)14:00~16:00


○場所

千代田区平河町2-6-3(都道府県会館 401会議室)


○議事

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、定刻より若干早いわけでございますが、皆さんおそろいになりましたので、ただいまより第19回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。

 皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日の出席状況でございますが、古井構成員が欠席でございます。

 また、全国健康保険協会から小林理事長ほか、関係者の方々に御出席をいただいております。

 なお、大変申しわけありませんが、保険課長の田中でございますが、急用がございまして欠席とさせていただいております。

 それでは、土田座長、よろしくお願いいたします。

○土田座長 それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。

 議事内容、配付資料につきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、議事内容と配付資料の説明をさせていただきます。

 議事内容についてですが、前回の検討会において決定いたしました今年度の本検討会の進め方に従いまして、本日は健康保険関係の事業概況及び自己評価について、協会から説明していただいた後、質疑に入り議論をお願いしたいと思います。

 なお、本日の議論の進め方といたしましては、協会から資料1-1について15分程度、自己評価の説明聴取後、評価の視点と突き合わせを行いながら、質疑、議論を行っていただきます。

 こうした流れで、資料1-2、1-3の資料ごとに議論を進めていただきます。

 続いて配付資料でございますが、座席図と議事次第、検討会の設置の規程、その後からが資料になりますが、

 資料1-1 業績評価シート(平成28年度) I.健康保険 1.保険運営の企画

 資料1-2 業績評価シート(平成28年度) I.健康保険 2.健康保険給付等

 資料1-3 業績評価シート(平成28年度) I.健康保険 3.保健事業

 資料2 平成28年度事業報告書

 参考資料 全国健康保険協会の平成28年度業務実績に関する評価の基準

以上でございます。不足等がありましたら事務局へお知らせいただければと思います。

 以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 よろしいでしょうか。

 それでは、早速ですが議事に入りたいと思います。

 最初は、資料1-1「保険運営の企画」から入りたいと思います。

 全国健康保険協会から説明をお願いいたします。

○稼農企画部長 企画部長をしております稼農と申します。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。

 資料1-1をお開きいただきたいと思います。

 まず、「1.保険運営の企画」のパートでございますが、「(1)保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」でございます。

 「評価の視点」につきましては、御議論いただいたことが書かれてございます。ごらんのとおりでございます。

 以下、【評価のポイント】を中心に説明させていただきまして、その後、説明資料の中でポイントとなるものを幾つか説明するような形で説明させていただければと思います。

 まず、【評価のポイント】でございます。

 最初の○でございますが、保険者機能強化アクションプラン(第3期)でございますが、これに沿った各施策につきましてはPDCAサイクルを的確に回す観点から実施状況、目的の達成状況を検証するための具体的な項目、検証方法を策定して取り組んでまいりました。

 次ですが、データヘルス計画につきましては、2年目が28年度でございましたので、27年度の取り組み状況の評価を行うことで、28年度の取り組み内容を見直すなど、PDCAサイクルを適切に回すことにより事業展開を図りました。

 その結果、健康宣言事業所数が28年度末現在で1万318社に達しまして、27年に発足しました日本健康会議における目標の、「2020年までに1万社以上」を前倒しで達成しております。

 各種審議会等の関係ですが、各支部において都道府県関係の審議会に入っておりますが、ごらんのとおり、医療計画に関する審議会は30支部、地域構想の議論の場は35支部、地域医療構想調整会議は181区域ということで、いずれも前年度から増加をいたしております。

 続きまして、パイロット事業の関係です。

28年度につきましては、27支部・54件の応募がありました。実施件数は16支部・20事業と、いずれも過去最大となってございます。

 また、パイロット事業のうち、効果が認められた事業所ごとの疾病リスク特性に応じた保健事業の取り組み、後で御説明しますが例えばヘルスケア通信簿やGISの取り組みなど、3つの事業について新たに全国展開等を図ったところでございます。

 自治体等との連携につきましては、冒頭にありますが都道府県と協定済みの支部が45支部、昨年度末では32支部でしたが、市区町村との協定締結済みの支部が44支部と、ごらんのとおりでございます。

 また、都道府県医師会などの関係団体等との協定もふえてきておりまして、いずれも前年度から増加をいたしております。

 以上のとおり、保険者として拡大していく業務範囲に対し、限られた陣容で前年度を大きく上回る成果を得たことから、自己評価は「S」とさせていただいております。

 幾つか取り組みの内容を、もう少し詳しく説明いたしたいと思います。

 5ページをお開きください。パイロット事業でヘルスケア通信簿等の全国展開などを図ったということでございます。

 5ページがヘルスケア通信簿の例でございますけれども、四角のところにありますように、協会けんぽが保有する医療費データや健診結果等から、企業ごとの健康状況、課題を見える化しております。

 例えば右を見ていただきますと、御社の医療費は、業種・事業所ごとに規模別に、この支部の中でどれぐらいの位置だというのを見える化してあるということでございます。また、1人当たりの月額医療費の経年変化等も見える化などをしまして、事業所様にお届けしているというような取り組みでございます。

 6ページ「GISを活用したデータヘルス計画の推進」でございます。

 地理情報システムを活用して、データを見える化することで、例えば未受診者が多くいる地域を特定し、効果的な受診勧奨を目的に実施をするということでございます。

 下の図の左側が、未受診者の住所情報を集めたものでございます。

 右側の2○は兵庫県ですが、1km×1kmに分割して、密集地域を特定して、上位22カ所で集団健診の場所を選定するといったことで活用しているということでございます。

 次の項目の説明をさせていただきたいと思います。

 9ページ「(2)地域の実情に応じた医療費適正化の総合的対策」でございます。

 「評価の視点」、【検証指標】は上の段のとおりでございます。

 【評価のポイント】でございます。

 最初ですが、支部ごとに医療費適正化の総合的な対策を事業計画に盛り込んでおります。レセプト点検、ジェネリック医薬品の使用促進、現金給付の審査強化等、事業を実施いたしております。

 2番目の○ですが、医療機関における資格確認事業の参加支部数につきましては、35支部から37支部に拡大いたしておりまして、参加医療機関数についても、ごらんのとおり大幅に増加しております。

 3番目の○でございますが、28年度におきまして、医療審議会等の議論の場への参加を推し進めております。ごらんのとおり、各都道府県での審議会への参加支部数が拡大をいたしております。

 下から2番目でございます。インセンティブ制度の検討をいたしております。

 健診等の実施率や要治療者の医療機関の受診割合といった指標について、支部ごとの実績を評価して、評価結果を都道府県単位保険料率へ反映する仕組みにつきまして、28年度は運営委員会や各支部評議会等の意見を聴きながら検討を重ねまして、年度末の3月の運営委員会で試行実施の案が了承されたということでございます。

 最後のまとめですが、このように各支部におきまして、地域の実情に応じた医療費適正化の取り組みに向けて、積極的かつ総合的な対応を行い計画を大幅に上回る成果を達成したことから、自己評価は「S」とさせていただいております。

 続きまして、13ページ「(3)ジェネリック医薬品の更なる使用促進」でございます。

 これにつきましては、上の箱のところに【目標指標】が定められておりまして、65.1%というのが目標指標でございます。

 【評価のポイント】に参ります。

28年度におきましては、従来から実施しておりますが、ジェネリック医薬品の軽減額通知の送付件数が過去最大となりました。具体的には375万件から609万件と大幅に通知件数をふやしたところでございます。また、医療機関や調剤薬局ごとのジェネリック医薬品の使用割合を見える化したツールを作成しまして、効果的な働きかけを行ったことにより、目標指標であるジェネリック医薬品の使用割合を大幅に上回り、年度平均で68.8%を達成いたしております。

 また、こうしたツールを活用しまして、都道府県格差の是正に向けた取り組みを確実に実施いたしております。

 協会けんぽの44支部で、各都道府県のジェネリック医薬品の使用割合を上回る結果となっております。

 下の段です。左側が使用割合でございまして、29年3月末時点で70.4%、年度平均が68.8%でございます。

 このように大幅に上回る成果を上げましたことから、自己評価は「S」とさせていただいております。

 次のページをごらんください。この表が、先ほど申しました軽減額通知の送付件数と効果額の推計でございます。

28年度におきましては、先ほど申しましたように600万件を超える通知を実施しまして、効果額は推計で270億と見込んでおります。

15ページの一番下の<ジェネリック医薬品の使用割合の都道府県格差の是正と更なる使用促進に向けた新たな施策>ということで、協会けんぽ各支部のジェネリック医薬品の使用割合については、依然として20%ポイントの格差がある。

 このため、28年度は地域ごとに一般処方率や院内・院外処方それぞれにおける使用割合、患者の拒否率などを見える化しまして、支部ごとに、どのような分野、重点的に取り組むべきかを明らかにした「ジェネリックカルテ」の作成に取り組みました。29年度においても、これを活用して、さらなる促進に努めていきたいと思っております。

16ページをごらんください。これはイメージですが、右側が「地域別ジェネリックカルテ」でございます。

 それぞれの項目ごとに、院内・院外処方等、偏差値全国平均を50としまして、それぞれの地域がどの位置にあるかというのを細分化して分析したものでございます。こういった取り組みをしながら格差の是正等にも取り組んでまいりたいと思っております。

17ページ「(4)地域医療への関与」でございます。

 「評価の視点」はごらんのとおりでございます。

28年度におきましては、さまざまな場を通じまして、あるべき医療提供体制の実現に向けた課題整理と解決に向けた着手、関係者の共通理解の必要性、都道府県に対してリーダーシップの発揮と必要なデータの提示等について、各支部、都道府県の各種審議会で意見発信を行っております。それが1つ目の○でございます。

 次の○の最後の2行のところですが、28年度は地域医療構想調整会議の参画が一層進むように、各支部において都道府県等に対して積極的に参加を働きかけたところでございます。

 その結果、345あります構想区域ごとに設置されます調整会議におきまして、181区域まで参加が進んでおりまして、昨年よりも大幅に上回っております。また、都道府県全域の地域医療構想を議論する審議会におきましても、前年度比で3道県の増となっております。

 次の○ですが、本部におきましては支部が、エビデンスに基づいて意見発信をできるように、病床機能報告等のデータをもとにした医療機関の現状分析についての研修を実施いたしました。また、厚生労働省に設置されている各種検討会において意見発信をするなどの取り組みを行ってきたところでございます。

 このような取り組みにつきまして、本部、支部と一体となって取り組みまして、計画を上回る成果ということで、自己評価は「A」とさせていただいております。

18ページ、細かいところは省きますが、下の段<意見発信にあたっての取組>ということで、各支部で発信した発言例等を載せてございます。

19ページ、本部において研修に使った資料、厚生労働省等の資料を用いて、各支部、都道府県ごとに一覧表を作成して示して研修を実施するなどの取り組みを行ったところでございます。

20ページ「(5)調査研究の推進等」でございます。

 「評価の視点」は、ごらんのとおりでございます。

 最初の○ですが、データヘルス、アクションプランにつきましては、本部において、健診・保健指導・レセプトデータをもとに、支部別・業態別の健康状態の分析を行うとともに、新たに健診・保健指導の医療費適正化の経年効果検証を行いまして、支部の保健事業のPDCAに役立てたということを行いました。

 また、支部調査研究事業としては、3支部で行っております。例えば徳島ではジェネリック医薬品の使用促進に向けた加入者等意識調査を行いまして、その分析成果を後発医薬品適正使用協議会等で情報発信したところ、県や医師会等の関係団体から強い関心を得られたということでございまして、加入者及び県民に向けて積極的な広報を行うなど、使用促進に取り組んでおります。

 医療費等のデータベースの拡充としまして、薬局別のジェネリック医薬品の使用状況を集計したリストへ新たに処方元医療機関の情報を取り入れるなどの取り組みを行っております。さらに研修等も取り組んでございます。

 アドバイザーや地元大学との連携等にも取り組み、分析の成果を内外に発信するということで調査研究報告会の開催、調査研究報告書の発行等を行っております。また、学会発表等も行っているということでございます。

 1つ取り組みを御紹介します。

22ページをお願いします。先ほど言いました徳島の取り組みでございます。

 左下に概要が書いてありますが、徳島は47支部の中でジェネリックの使用割合が一番低いのですが、全国的にも高い鹿児島支部の加入者及び薬剤師にアンケート調査を実施して、比較をしながら分析をしたというような取り組みをしております。

 右側ですが、加入者の皆様、県民の皆様に向けてジェネリックの使用促進を強く訴えていこうということで、ここに書いてありますように、ジェネリック使用率全国最下位を逆手にとって、写真を載せてございますが、バスの後ろの部分とか駅のデジタルサイネージ等を用いまして、積極的に使用促進に取り組んでいると、こういうような取り組みをいたしておるところでございます。

23ページ、これはことし初めてやってみたものなのですが、調査研究の一環として、特定健診・保健指導を受けた方と受けていない方で、その後の1人当たり医療費等について差が出るのかということを経年を追って調査したものでございます。

 ごらんのとおり、やはり利用している方のほうがよい結果が出ているということがありまして、これは運営委員会等で報告するとともに、各支部に提供したところでございます。

 「(6)広報の推進」でございます。29ページをお願いいたします。

 【目標指標】につきましては、メールマガジンの新規登録件数が目標となってございます。

 【評価のポイント】でございます。

 下の左を見ていただくとわかりますが、インターネット環境が再構築できまして、ホームページ1日当たりの平均アクセス件数は前年度から伸びて、大幅な伸びとなっております。

 下の右側がメールマガジンの登録件数でございますが、インターネットの環境から遮断したことで配信を一時休止しておりましたが、28年9月より再開ができました。

 各支部の積極的な登録勧奨の結果、目標値を大幅に上回る2万を超える新規登録となりました。

 このようなことで、計画を大幅に上回る成果を上げたことから、自己評価は「S」とさせていただいております。

 最後でございます。32ページ「(7)的確な財政運営」でございます。

 【評価のポイント】でございます。

29年度保険料率の決定につきましては、5回にわたりまして運営委員会で精力的な御議論をいただきました。加えて、支部評議会からの意見聴取などを経て十分に議論を尽くしまして、多くの方に御理解をいただくための議論の素材をお示した上で、中長期的に安定した財政運営の観点等から平均保険料率10%を維持いたしました。このようなことからも財政運営主体としての責任を的確に果たしてきたのではないかと考えてございます。

 また、国の各種審議会等の場におきまして、協会の財政基盤強化の視点はもちろんのこと、加入者や事業主の立場に立った保険者として、医療保険制度全体を見渡した制度の持続可能性の維持、給付の重点化・効率化や医療・介護の質の向上等の観点から積極的に意見発信を行ったところでございます。

 こうしたことで十分な成果を上げたというように認識しておりまして、自己評価は「A」とさせていただいております。

 少し長くなりましたが、説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞお願いします。

 小島構成員、どうぞ。

○小島構成員 小島です。

 5点ほどコメントをしておきたいと思います。

 初めに「保険運営の企画」の「(1)保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」についてです。先ほど御説明がありましたように、アクションプラン(第3期)に沿って、データヘルス計画などに基づいて取り組み、成果としては、数値目標はおおむね前年を上回っていることなどから、評価したいと思いります。

 その中で、特に今回の取り組みについて要望を述べておきたいことがあります。各都道府県での各種審議会あるいは地域医療構想調整会議等への参画も、前年度から比べますと支部の参加率も上がっております。各都道府県の各審議会等のメンバーは、どちらかというと医療関係者、提供者側が多いので、ぜひ加入者や事業主の立場から、保険者、被保険者としての意見反映に、これからも積極的に対応していただきたい。

 2つ目は、9ページ「(2)地域の実情に応じた医療費適正化の総合的対策」についてです。

 ジェネリックの使用促進の成果も上がっております。それから、医療機関あるいは薬局等との連携も多くの支部で取り組んでおり、地域におけるジェネリック協議会等にも41支部で参加している。そういう取り組みが、ジェネリックの利用促進の成果を上げているということで、高く評価できると思っております。

 引き続き、全支部で地域におけるジェネリック協議会に参加できるような取り組みをお願いしたいと思います。

 3つ目は、11ページあるインセンティブ制度の導入に向けた試行的な取り組みです。

 インセンティブ制度の導入これについては運営委員会の中でも、賛否いろいろな議論があったと伺っております。

 現在でも、都道府県支部間での保険料の差があるという実態もありますので、運営委員会あるいは支部評議会から出されている意見なども十分踏まえて、納得性のある内容で試行実施を行っていただきたい。保険料に反映するのは32年度からということですので、それまでに説明責任が十分果たせるような検討をお願いしたいと思います。

 4つ目は、13ページ「(3)ジェネリック医薬品の更なる使用促進」です。

 これにつきましては、今年度の数値目標を大幅に超えているということで大いに評価できると思っております。

 減額通知の送付件数も609万件と前年から大幅に増えており、それらの取り組みの結果、ジェネリック使用による費用は270億円ほど減額されております。

 なお、今後、国の目標としては利用率80%を目指すことになっており、それに向けて、協会けんぽは29年度に72.1%を達成する目標を掲げております。そのためには支部間格差を是正することが大きな課題ではないかと思います。一番進んでいる沖縄と、徳島との利用率では22%近く差がありますので、この差の縮小に向け、利用率が低いところの底上げが、これから重点的に取り組む課題ではないかと思います。

 1つ質問があります。16ページの都道府県支部ごとに「ジェネリックカルテ」をつくったということなのですが、細かな数字で見えないが、各都道府県ごとで医薬分業、調剤薬局で受けとっている比率と、ジェネリック利用率の相関関係は何かあるのかどうかが、質問です。

 それから、5点目は、20ページの「(5)調査研究の推進運等」についてです。21ページにあるように、健診データを分析して、都道府県支部ごとに具体的な疾病構造を分析して、データヘルス計画の上位目標に掲げるといった取り組みなどは、特に評価できるのではないかと思っております。

 あるいは支部独自の取り組みとして、徳島支部の利用者に対するアンケート調査を踏まえて、利用率促進に向けた取り組みなど、各支部で独自の工夫を凝らして取り組んでおり、今後ともそれらの取り組を進めていくべきだと思います。

 最後に、32ページからの「(7)的確な財政運営」に関してです。

 先ほども御説明がありましたように、今年度も保険料率は全国平均で10%に据え置くということでありました。これについても運営委員会あるいは支部評議会で、引き下げるべきといった意見も出ていたと伺っております。

 それについて、最終的には中長期的に10%を維持するということ、そのためにさまざまな医療費適正化対策を推進するということで、10%を今後も維持するのだということで、29年度の保険料率も、前年に引き続き10%にするということが確認されたと伺っております。これからも中長期的な視点に立って、ヘルス事業の推進、医療費適正化対策等を通じて、なるべく長く10%維持ということを続けていただければと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ただいま意見を込めて、質問は一つだけございましたけれども、協会のほうで何かございますか。

 稼農企画部長、どうぞ。

○稼農企画部長 まず、御質問のところ、ジェネリックの関係で、小さくなってしまいまして済みません。

16ページの右側でございますが、上の段は、一番上が「院内処方」と「院外処方」に分けて、それの率がどれぐらいかということを比較いたしております。また、中ほどに「一般名処方率」とあります。医療機関のほうで処方されるときに、一般的には一般名で処方していただいたほうがジェネリックを使用する割合が相対的に高いという相関があるようでございますので、例えばここの院外処方の割合が他支部と比べてどうなのか、一般名処方率の割合が他支部と比べてどうなのかといったようなことを一覧にして見られるということです。

 小島構成員がおっしゃってくれたとおり、運営委員会等でも言われておりますが、我々も80%を目指していく中で、各支部でも相当取り組んできております。そうすると、80%を目指す中では優先順位をつけて目指していかないと、ここから先はなかなか難しいだろうということがあります。ジェネリックカルテは、支部間格差がある中でここの部分に手をつければ、格差を埋めていけるのではないかとか、施策の優先順位を各支部にとっていただくためにつくったようなところもございまして、各支部のグループ長さんたちを集めて、この見方等について研修や検討会も行いまして、それぞれ持ち帰って作戦を練りながらやっているところでございます。

 また、いろいろな御指摘をいただきました。

 総合的な取り組み、ジェネリックは今の話でございましたが、インセンティブ制度の導入に向けた取り組み。

 インセンティブ制度につきましてはお話がありましたとおり、昨年度末に試行実施案が了承されましたので、現在、試行実施中でございます。本格実施は、今年度の試行実施を踏まえながら、運営委員会、各支部の支部評議会でも御議論いただいた上で、今年度中に本格実施案を固めていくということでございますので、納得性のある中身になるように検討を重ねてまいりたいと思っております。

 財政運営につきましては、引き続き、中長期的な視点で財政運営ができるよう、今年度も秋・冬にかけて料率の議論を行っていくこととしております。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 小島構成員、どうぞ。

○小島構成員 今、ジェネリックカルテの説明がありましたが、私が質問したのは院外処方が多いところと、ジェネリックの利用率が高いという、その相関が見られたかどうかということです。

○稼農企画部長 全体的に見ますと、院内処方が多いほうがジェネリック率が低いという相関は見てとれます。

○小島構成員 なるほど、そうですね。わかりました。

○土田座長 そうでしょうね。常識的にそうだと思います。

 どうもありがとうございます。

今、小島構成員から出た意見の中で、最初のところでは都道府県の審議会等へ参加しているというけれども、事業主さんで被保険者の意見をどのぐらい発信しているかということについてですが、もうちょっときつい言葉で言えば、ただ座っているだけではないでしょうねということで、どういう状況かということを聞きたいということだろうと思います。

 また、支部間格差の問題は底上げを図ってほしいということについても、さらなる底上げとして、どういうことを行っているかということも聞きたかったのだろうと思います。

 ただいまのインセンティブについては、例えばヘルス活動をやったから保険料率を下げるというのはかなり強引なやり方なので、そこのところは何らかの工夫が必要だろうと思っております。そういうことを含めての御質問だろうと思いますので、もし協会として御意見等々ございましたら、どうぞ一言お願いいたします。

 今、一応、3点申し上げましたが、参加状況は、実質的にどの程度の取り組みを行っているかというようなことを含めてですけれども、よろしくお願いします。

 藤井理事、どうぞ。

○藤井理事 企画担当理事をしております藤井でございます。

 今、土田先生から御指摘のあった各県の審議会、協議会は、確かに医療関係者が多く、支部長あるいは部長もなかなか苦戦をしているようなところが正直ございます。

 しかし、私ども本部としても、こういう場面でこういう言い方ができるのではないかといった助言等をしており、少しずつではありますけれども、各県の審議会の中できっちりした発言も出てきているところでございます。私どもも、今後、支部長たちがさらに御活躍いただくことを期待もいたしますし、本部としても、できる限りのサポートをしていきたいと思っております。

 ジェネリックの支部間格差につきましては、若干繰り返しになるかもわかりませんけれども、先ほどのジェネリックカルテも使いまして、それぞれの支部ごとに、例えば院外のもの、院内のもの、全体で言えば確かに院内処方のほうが低かったりという傾向はあるのですけれども、そこも県によって、支部によって違うところがございますので、それぞれの支部が、うちの支部はどこが進んでいるけれども、どこが進んでいない、あるいは調剤のほうが低ければ薬局のほうの認識が足りないのではないかとか、そういうように支部ごとの現状をきっちりと分析をして把握をして、どこに施策を打っていけばいいか、どこに重点的に対応すればいいかということをターゲッティングして、それぞれが作戦を立ててやっていくというようなやり方を、今、進めようとしておりますので、そこでもって何とか底上げを図っていきたいと考えております。

 それから、3点目。

○土田座長 インセンティブの問題で、健康診査の受診率が上がったからすぐ保険料率に反映させるというのは、少し強引なような気がして、もう少し工夫がないものかという気がします。

 

○藤井理事 ありがとうございます。

 そこも運営委員会あるいは支部の評議会等々でもいろいろ御意見をいただいておりまして、これは正直、なかなか私どもも難しい仕組みだなということで苦労してまいりました。それでも何とか運営委員会の先生方の御意見、支部あるいは支部評議会の意見なども踏まえまして、何とか今の姿まで整理をしてまいったところでございますので、引き続き、関係者全体の納得が得られるような方法を模索していきたいと考えております。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 小西でございます。

 質問が1つあります。

 資料の13ページの「自己評価」の欄ですけれども、【評価のポイント】の1つ目の○の1行目ですが、軽減額通知の送付件数が過去最大になりました。375万件から609万件と目覚ましくふえているわけですけれども、増加した理由は何か、対策的なことなのか、あるいは環境的なことなのか、そんなことを含めてお教えいただければと思います。

○土田座長 今の問題はいかがでしょうか。

 稼農企画部長、どうぞ。

○稼農企画部長 14ページをお開きください。

 「通知対象条件」という表の左の項目でございますが、27年度は35歳以上の加入者を対象として通知をしておりましたけれども、さらに推進をするということで20歳以上の加入者も加えるということと、対象診療月を従来の1カ月分から2カ月分に拡大して、要は、幅を多くとって対象者を出すというようなことで、この2つが主に増加の要因でございます。

○小西構成員 なるほど。ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 森下構成員、どうぞ。

○森下構成員 事業主の代表的な立場でお話をちょっとさせていただきたいと思います。

 先ほど小島構成員から、1.の(1)からいろいろと御質問がございましたので、私も(1)~(5)の部分につきましてはほぼ同意見でございまして、協会けんぽの方々がいろいろと努力をされて、この数年間、全ての業務において向上されているように感じております。

 ただ、私も昨年、ここの構成員をさせていただきまして、当初はどういう内容かまだ不勉強なところもあったのですが、ことしは幾つか、いろいろな報告書等も読ませていただきまして、その中で、小島構成員が触れられなかった1.の「(6)広報の推進」の部分でございますけれども、近年、非常にソーシャルネットワークの活用が進むということで、協会けんぽのほうでもいろいろと努力をされているということだと思いますが、今後さらに、若い方々への周知という面では、スマートフォンを活用して、そこでも積極的に情報が展開できるような仕組みをつくられたらどうなのかなと思います。

 以前もお話ししましたけれども、向こう側から来るものを待って登録していただくのではなしに、やはり積極的にこちらから投げかけるというようなことで、若い世代の関心を生む。ひいては、それが将来の社会保険の仕組みそのものに対する理解を得られるような形になるのではないかという感じもしておりますし、一般の会社が行っているような、協会けんぽが何だということになるかもしれませんが、例えばポイントを付与して、医療費から少し軽減できるとか、これは極端なお話ですけれども、そういう一つのアイデアの提供は必要かと思います。

 報告書の中でも、今後のいろいろなソフトウエアに関する費用が1,400億円くらい使われるというような報告もなされておりますけれども、そういう中で、こういう部分に関する予算は余り大きな予算を使わなくても済むようなシステムではないかと感じています。

 もう一点、非常に大きなポイントかなと思って、後でお答えをいただきたいのですが、1.の「(7)的確な財政運営」のところで、今の(1)~(6)は皆さんが本当に御努力をされて、我々も評価をしたいと思っているところでございますが、財政的な運営等の部分で、これは協会けんぽそのものがどうこうではなしに、近未来の切迫した医療に関する問題をもう少し整理して、協会けんぽの存続がこれからどうなるのか。もう一回取り組みを行う必要があるのではないかと思います。

 その理由としては、きょうの報告書の中で、この冊子がありますけれども、2935ページくらいに実は非常に重要なことが報告されていまして、16ページの左下に[(図表4-3)4年度以降の単年度収支と準備金残高の推移]という図表もいただいているわけですけれども、一見、この表を見る限りは、何となく平成22年度から財政的にはゆとりができているような錯覚を起こしてしまいがちでございます。ただ、33ページにある図表を拝見いたしますと、この図表の中で非常に難しい問題がここにあらわれているのかなと思います。というのは、平成30年度から財政がマイナスのベクトルに向き始めているということです。

 この2つの図表が示す将来像は、団塊世代の高齢化や勤労世代の減少というような日本の社会そのものが直面している大きな問題点だと思っていまして、今、日本を代表する大きな会社様が過去最大の内部留保があるというようなお話もありますけれども、一方、我々のような中小及び小規模の事業者の代表という立場でお話ししますと、現在の10%という保険料率、将来、これ以上、料率が上がるということは会社の運営に関しても非常に厳しいものがあると感じておりますし、また、そういう企業で働く方々も、生活そのものに影響が出るということではないのかなと思っておりまして、社会保険料の肥大化は、今後、非常にゆゆしき問題になるであろうと思っております。

 先ほどの資料の2931ページにかけて、協会けんぽさんのほうで試算をされた結果の報告も出ておりますが、ここには実は「最悪のペースだと平成31年度からは10%以上の保険料率に引き上げる必要が出てくる」と書かれているわけで、こういうものがさらっと書かれてしまうと、将来、我々は非常に不安感を持たざるを得ないというようなことで、日本の医療は、世界の中でもまれに見る優遇された医療制度だとは思いますけれども、我々国民が安心して将来も生活できるような、大きな制度改革も踏まえて、これは協会けんぽだけで解決できる問題ではないかと思いますが、国全体で医療制度そのものに取り組んでいただきたいということを感じました。

 ほかにも幾つかあるのですけれども、きょうの私の発言としては、そこを一つ、ぜひ強調させていただきたいと思いまして、ちょっと御意見させていただきました。

 ありがとうございます。

 

○土田座長 どうもありがとうございました。

 協会のほうで一言いかがでしょうか。

 稼農企画部長、どうぞ。

○稼農企画部長 1点目の広報の、特に若者を中心にというところで、昨今のソーシャルメディア等の環境も活用してということでございます。

 私どもとしても、加入者の方になるだけ直接届くというのが重要な視点だと思っております。一つは、本部も支部もホームページを活用して、ごらんいただくという意味ではそうなのですが、決算の状況等につきましてもホームページに載せておるということで、折々、ポイントポイントで載せてございます。

 例えばそのほかの、こちらから働きかけるソーシャルメディアということにつきましては、一つはセキュリティーの問題等がございますので、その辺との兼ね合いで検討が要るのではないかということと、費用対効果ももちろん重要です。視点としては若者に向けた広報は重要だろうと思っております。

 今年度、新たに加入者の理解度調査みたいなことで「広報媒体として、どのような媒体が望ましいか」というアンケート調査をやってみようかと思っておりますので、質問項目に「どのような媒体が望ましいか」と盛り込んで、その結果等も踏まえて、費用対効果、セキュリティーの面等も見ながら広報活動の改善に努めていきたいと考えております。

○土田座長 藤井理事、どうぞ。

○藤井理事 もう一点のほうの財政の関係でございますけれども、確かに森下構成員におっしゃっていただきましたことは、重要な御指摘だと考えております。

 私どもとしましても、恐らく協会けんぽだけでどう考えるかというよりも、国全体で考えるべき課題なのかなというようにも考えておりますので、そこは厚生労働省のほうにも、必要な要望なりあるいは必要な議論を一緒にしていくということを考えていきたいと思っています。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ほかにございませんでしょうか

 それでは、次の項目に進みたいと思います。

 次の資料1-2「健康保険給付等」につきまして御説明をお願いいたします。

○稼農企画部長 引き続き、私のほうから御説明をさせていただきます。

 資料1-2でございます。

 1ページ目「(1)サービス向上の取組」でございます。

 「評価の視点」のところで、ここには【目標指標】が立っておりまして、サービススタンダードの達成率が100%、10営業日以内、保険給付の振り込みまでの日数というようなことが掲げられております。

 「自己評価」の【評価のポイント】でございますが、<サービススタンダード>につきましては、決定件数が前年度から20%増加した中、加入者はふえておりますので、そうした中で達成率は99.99%ということで前年度を上回っております。

 年間を通して達成率が100%だった支部が37支部と、それぞれ前年度より改善しております。また、給付の受付から振り込みまでの日数については8.11日でございまして、前年度と同様に10営業日以内に振り込むことができております。

 <お客様満足度>につきましては、支部の窓口に来訪されたお客様を対象として調査を行っておりますが、窓口サービス全体の満足度は97.4%でありまして、昨年度を上回り、高い水準の維持ができております。

 <保険証の送付>につきましては、27年6月のシステム刷新により、年金機構から加入資格情報取得後2営業日で発送しているという状況でございます。

 以上のようにサービスの向上に取り組み、いずれも、指標も前年度と比べて上回るか、高い水準を維持しているということから、自己評価は「A」とさせていただいております。

 4ページ「(2)高額療養費制度の周知」ということで、これにつきましては「評価の視点」は、ごらんのとおりでございます。

 【評価のポイント】でございます。

 これにつきましては、限度額適用認定証の利用促進ということで、医療機関に協力依頼を行うとともに、事業主、被保険者に送付するリーフレット等により周知・広報を行っております。

 その結果でございますが、28年度の発行件数ですが、ここにありますとおり1328,379件ということで、前年度比10.3%増ということでございます。平成28年度の限度額適用認定証の利用件数も3.7%増となってございます。

 高額療養費の未申請者に対しては、あらかじめ必要事項を記載した支給申請書を対前年度増で送付しておるということでございます。

 以上のようなことから、昨年実績を上回る結果ということで、自己評価は「A」とさせていただいております。

 6ページ「(3)窓口サービスの展開」でございます。

 【評価のポイント】でございますが、平成28年度末現在、125の年金事務所に協会けんぽの窓口を開設して加入者のサービス向上に努めております。

 窓口の見直しに当たりましては、地域の実情や来訪者の状況を勘案し、事業主や健康保険委員を通じて丁寧な説明を行った上で実施しております。また、申請書について全て郵送による手続ができることを御案内して、郵送化の促進に努めております。

 下の表にありますけれども、年々郵送化率は上がってきておりまして、28年度83.4%と、前年度を2.4ポイント上回っております。

 このように、サービス向上に努め、郵送化率も向上しておりますので、自己評価を「A」とさせていただいております。

 8ページ「(4)被扶養者資格の再確認」でございます。

 「評価の視点」は、ごらんのとおりでございます。

 「自己評価」の【評価のポイント】でございます。

 日本年金機構と連携しまして、事業主の協力を得つつ、被扶養者資格の再確認業務を実施いたしております。その結果としまして、約7万人の被扶養者が削除となりました。

 高齢者医療費に係る拠出金等への負担額の影響、減額効果は23億円程度であったと推計しております。

 なお、後期高齢者支援金につきましては、加入者割が1/2から1/3へ制度改正されておりますので、高齢者医療費に係る拠出金等の負担額は前年度より約9億円減少したということでございます。

 このように被扶養者資格の再確認を的確に行っているということで、自己評価は「A」とさせていただいております。

10ページ「(10)柔道整復施術療養費の照会業務の強化」でございます。

 「評価の視点」にありますように、多部位、頻回の申請等についての適正化等でございます。文書照会の強化でございます。

 【評価のポイント】でございますが、適正な受診を促進するため、加入者に対する施術内容等の確認の文書照会を強化いたしました。結果として、28年度の文書照会件数は271,042件でございまして、前年度より104,447件増加しております。

 3つ目の○ですが、平成28年度の多部位かつ頻回受診の申請の件数ですが、2396件となり、前年度と比較して1万4,721件減少いたしております。

 このように文書照会、広報の強化により、適正受診の促進が図られたことから、自己評価は「A」とされていただいております。

12ページ「(6)傷病手当金・出産手当金の審査の強化」でございます。

 「評価の視点」は記述のとおりでございます。

 【評価のポイント】でございます。

 最初の○ですが、標準報酬月額が83万円以上である申請者については、決裁者まで個別に審査を行うということで、不正請求防止のための審査を強化いたしております。

 不正請求の疑いのある申請については、各支部の保険給付適正化プロジェクトチーム会議を経て、必要に応じて日本年金機構と合同で事業主への立ち入り検査を実施いたしております。

 「(参考)」のところにありますが、立ち入り検査実施件数は390件でございます。前年よりも減っておりますが、平成28年4月に制度改正がありまして、不正請求が疑われる申請が減少したことが影響いたしております。

 【評価のポイント】の3つ目の○ですが、本部におきまして、資格取得日から90日以内及び標準報酬月額が1.5倍以上に改定された日から90日以内に申請された傷病手当金・出産手当金の支払い済みデータを各支部へ提供し、支部の審査強化を図ったということでございます。これも制度改正前の期間に対する支援ということになります。

 以上のように、審査の強化を行い不正請求防止に取り組んだということで、自己評価は「A」とさせていただいております。

14ページ「(7)海外療養費支給申請における重点審査」でございます。

 【評価のポイント】の最初の○ですが、申請時にパスポートの写し等の渡航期間がわかる書類の添付を求め、渡航の事実、支給申請に係る療養等が、当該期間内に行われたものであるかの確認を行うということをやっております。また、海外在住の被扶養者に係る申請があった場合には、必要に応じて被扶養事実確認を行って、不正請求の防止に努めております。

 海外療養費の申請書の添付書類の翻訳内容の再確認あるいは海外の医療機関への文書照会のための翻訳業務、診療内容明細書等をもとに作成するレセプト作成業務につきましては、外部委託をしてさらなる審査の強化に努めております。

 あと、業務の体制自体を変えました。平成2810月から海外療養費の審査を神奈川支部に集約をいたしまして、審査の強化、業務効率化を図ったところでございます。

 この結果、下の表にもございますが、支給決定件数が5,620件ということで、前年と比較して1,178件の減少、支給決定金額も前年と比較して減少したというようなことでございます。

 こういった取り組みを踏まえまして、自己評価は「S」とさせていただいております。

16ページ「(8)効果的なレセプト点検の推進」でございます。

 ここは【目標指標】がございまして、加入者1人当たりの診療等査定効果額(医療費ベース):123円以上ということになってございます。

 【評価のポイント】でございますが、システムを有効活用した内容点検を中心とした計画を策定して実施したということと、本部主催によります実務研修等を実施しております。

 全支部で電子レセプトの20%の内容点検を外部委託をしております。目的は、外部委託以外の80%に注力した点検を行う、点検へのスキルの向上、点検業者と競争意識の醸成を図るといったことでございます。

 この結果、加入者1人当たりの効果額でございますが、27年度実績の125円を18円上回りまして、143円の結果となってございます。

 支払い基金の審査と協会の再審査を合わせた診療内容等査定効果額の合計ですが、27年度を約14億円上回る203億円の結果となってございます。資格点検、外傷点検ともに、昨年度を上回るということになってございます。

 以上のような結果を踏まえまして、自己評価は「S」とさせていただいております。

21ページ「(9)資格喪失後受診等による債権の発生防止のための保険証の回収強化」でございます。

 【評価のポイント】でございますが、保険証の回収催告につきましては、日本年金機構において行うこととなっておりますが、回収ができていない方に対しては、協会において早期に文書や電話による催告を実施いたしました。

 保険証回収率は、一般被保険者分は97.4%、任意継続被保険者の場合は96.1%と向上いたしております。また、回収件数は、日本年金機構回収分と合わせて714万件と、いずれも前年度を上回る結果となってございます。

 こうしたことを踏まえまして、自己評価は「A」といたしております。

23ページ「(10)積極的な債権管理回収業務の推進」でございます。

 【評価のポイント】でございますが、債権回収の方針及び重点事項を定めまして、早期かつ確実な回収のための催告を実施いたしました。

 結果として、債権回収率ですが、58.94%ということで、昨年度比1.21ポイント向上いたしております。回収金額につきましても123.8億ということで、前年度を上回る結果となっております。

 次の○ですが、保険者間調整を積極的に活用しまして回収をしました。前年度よりも、この部分の回収件数はふえてございます。回収金額も同様でございます。

 法的手続につきましても実施件数が2,380件となりまして、昨年を上回っております。金額も同様でございます。

 担当者等のスキルの向上を図るために、各支部の実務担当者に対して、弁護士等により債権回収担当者研修などを実施をいたしております。

 このように前年度実績を上回る結果となっておりまして、自己評価は「S」とさせていただいております。

 最後でございますが、25ページ「(11)健康保険委員の活動強化と委嘱者数拡大」でございます。

 【評価のポイント】でございます。

 全ての支部で、健康保険委員に対しまして、セミナーの実施、全国計で377回、情報誌の発行等を194回行いまして、協会の健康保険事業の周知に取り組んでおります。

 次の○ですが、委嘱者数は117,450人ということで、前年度末から1万6,000人ほど増加をしております。

 支部では、委嘱拡大のために事業所への訪問、電話、文書による委嘱勧奨を実施するとともに、ホームページや事業所へ送付するリーフレットでの広報を行っております。

 健康保険委員の皆様には、研修会や事業所への訪問、情報誌の発行等を通じまして、限度額適用認定証の利用促進あるいは資格喪失時の保険証回収強化等に対する御協力を依頼してまいっております。

28年度は先ほど申しましたが、限度額適用認定証の発行件数、資格喪失後の保険証回収率とも、昨年度を上回る実績となっております。

 このように、全ての支部で委員の御協力をいただきまして健康保険事業の推進に取り組んでいること、また、委嘱者数が前年度と比べてかなり増加しているということも踏まえまして、自己評価は「A」とさせていただいております。

 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ただいまの健康保険給付等につきまして、御意見、御質問がございましたらお願いします。

 小島構成員、どうぞ。

○小島構成員 1点目は、加入者、被保険者の負担軽減あるいは利便性の観点から、4ページの「(2)高額療養費制度の周知」についてです。限度額適用認定証の発行件数も大幅にふえていますし、現物支給件数も10万件ほどふえているということ、支給申請勧奨件数も20万件以上も前年より大幅にふえている。この取り組みについては高く評価できるので、引き続き、この取り組みは進めていただきたい。

 2つ目は、いつも課題になっております、11ページの「柔整」の問題です。

28年度は文書照会件数も前年度から10万件ほど増やしているということで、多部位あるいは頻回受診の件数が減ってきており、成果が出ていると思います。これらの取り組みを、引き続き、広報活動も通じて強化していただきたい。

 なお、多部位あるいは頻回受診といった不正に当たるような受診を抑制する意味でも、柔整を受けたときの明細書発行の義務づけについて、協会けんぽから、厚生労働省に申し入れるといったようなこともぜひ検討していただきたい。

 3つ目は、13ページの「(6)傷病手当金・出産手当金の審査の強化」についてです。算定根拠が標準報酬の1年間平均へと制度が変わっているが、それでも不正請求があるということですので、審査の強化を続けていただきたい。

 4点目は、17ページのレセプト点検です。1人当たりの査定効果額は、目標数値123円を大幅に上回って143円となり、成果を上げています。資格点検、外傷点検でも前年度を上回っており、医療費ベースでの減額も支払い基金の第1次審査もふえておりますけれども、協会けんぽ独自の再審査のほうで、28年度は53億円の効果を上げている。そのことは評価できるので、引き続きレセプト点検の充実・推進を続けていくべき。

 最後の5点目は、「(11)健康保険委員の活動強化と委嘱者数拡大」についてです。この制度は、協会けんぽと事業者、そして、被保険者・加入者をつなぐ大きな役割があると思いますので、引き続き、健康保険委員の委嘱拡大とさまざまな取り組みを進めていただきたい。

○土田座長 どうもありがとうございました

 ただいま5点御意見が出ておりましたが、協会のほうでこれについていかがですか。例えば先ほど明細書の発行の話が出ておりましたけれども、それはまだ検討を要するかと思いますが、何か御意見がございましたらどうぞ。

 片平業務部次長、どうぞ。

○片平業務部次長 業務部次長の片平でございます。

 御意見ありがとうございます。

 全般的にお褒めのお言葉をいただいたかなと思っております。

 いただいた御意見の明細書の件につきましては、協会全体としてはまだ取り組みを進めている状況ではございませんけれども、支部においては一部取り組みを開始しようという御提案が出ているところもございますので、その辺も踏まえまして、厚生労働省等とも相談をしながら、進められるものであれば、給付の適正化のために進めていければと考えております。

 ありがとうございます。

○土田座長 よろしいでしょうか。

𠮷 森理事、どうぞ。

𠮷 森理事 業務担当理事の 𠮷 森でございます。

 小島構成員から貴重な御指摘をいただきましたけれども、いずれにしましても我々の給付業務は、それぞれの沖縄から北海道まで人的資産といいますか、規模も違いますし、それぞれがこなす量も違いますので、地道に標準化した体制できちんと取り組んでいくということでやってまいったわけですが、やっと成果が出てきたかなと思っておりますので、お褒めの言葉をいただいたと、これを糧に身を引き締めて引き続き頑張ってまいりたいと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 森下構成員、どうぞ。

○森下構成員 私も2.の(1)から、順次、サービス向上の取り組み等で、この数字が出ておりますけれども、問い合わせが非常に減ってきている。

 これは全国だと思うのですけれども、件数がこんな数しかないのかなと思うぐらい少ないということで、これであれば窓口になっていらっしゃる方々も、随分気が楽に本業に取り組めるのかなと思います。

434件ということは、1日、せいぜい全国で2件ぐらいしかない、支部内で言えば全くそういうあれがないということだと思いますので、これは皆様の努力のあらわれかなと思います。

 もう一点、事業主の方々に御協力をいただかなければいけない部分が幾つもあるかと思うのですが、被扶養者資格の再確認、資格喪失後の受診という部分については、これからもいろいろと工夫を凝らして回収に努めていただきたいと思うのですが、回収率が9697%と言われていますけれども、実数で言うと20万件程度の数の保険証が未回収である。ということは、かなりの絶対数だなと感じるわけで、ここを単なる数値、ほんのあと2、3%ですよということではなしに、実数を深刻に受けとめて回収の努力をしていただければと思っております。

 2.の「(8)効果的なレセプト点検の推進」で、その効果につきまして、先ほどいろいろと御説明もあったところでございますが、18ページの下に医療費ベースとの関連の推移の表がございますけれども、一番下の項の「請求金額に対する査定効果額割合」、先ほどから数字的に203億円に上ったとか、123円以上だとか、その数値が言われておりますけれども、一番下の割合を見ますと0.389%ということで余り比率が上がってきていないというような数値が見えるのですが、これは素人目なので、我々の目から見たものと専門家の目から見たものでは大分評価が違うかと思うのですが、我々的には、この0.389%が、実際にどのぐらいまで数値を上げられるものと協会けんぽ側としては考えていらっしゃるのか、そこはちょっと教えていただけたらわかりやすいかなと思います。

 それと医療費全体がかなりの額に上昇していますので、この率をさらに上げていかないと効果というものの絶対額の減少はなかなか難しいような気がしますので、そんなところでちょっと疑問に感じたところでございます。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 片平業務部次長、どうぞ。

○片平業務部次長 ありがとうございます。

 今、御指摘いただきました資料18ページの「請求金額に対する査定効果額割合」、流れを見ておりますと0.389%ということで、絶対金額は上がっているにもかかわらず効果額割合が上昇していないというところ、今、御質問ございましたようにここをどこまで上げていけるのかというところは、冒頭にもございましたように、加入者数がふえている実態がございますので、全体の医療費の分母が上がっているということが、まず1点ございます。

 そうはいいましても、その中にどれだけ、いわゆる保険診療のルールにそぐわないレセプト請求があるかというところは、それに伴って件数もふえることはあり得るところでございますけれども、今、システムを活用した点検を推し進めておりますので、そのあたりを進めることによって、少しでも効果額割合を上昇させていくように、今後、引き続き努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 小西でございます。

 質問が3つございます。

 4ページですが、先ほどと同じような趣旨の質問になりますが、【評価のポイント】の2つ目の○の2行目の後段のところで、支給申請書を送付したのが実数で約2倍の数になっているわけですけれども、どのような施策をなさったのか、あるいは先ほどのような、基準を変えたことを私が気がついていないのかということもございますが、これが1点でございます。

10ページ目の中ほどの【評価のポイント】の4つ目のです。自己評価に関する結論の部分なのですけれども、ここでは文書照会及び広報の強化により適正受診の促進が図られたということです。語弊があるかもしれませんが、言ってみれば定性的に説明をしていただいているのだろうと思うのです。

 この告知書を送付した請求案件と、告知の結果で是正された案件との対比、例えば名簿とかリストとか、そのようなもので告知の効果を具体的に測ることはできるのでしょうか。余り大がかりに作業をするものでもないのですが、もしそれができるとすれば、その成果が、もう少し具体的に説明やアピールができるのではないかと思いました。それが2点目です。

16ページ、ここでの質問の趣旨は保健事業というよりも、どちらかというと、法人、協会の役務の調達という観点でございます。経営あるいは財政といった大きな分野の一部ということだと思うのですが、電子レセプトの内容点検を外部委託しています。

 外部委託の委託先は、ここでは専門性ということもあろうかと思うのですが、一定の機関なり、組織なり委託先候補者の範囲が決まってくるのかどうか、あるいは個人事業者というように個人でお受けになるような方がいらっしゃるのか、そういった委託先の態様ということでございます。

 これはまさに専門性のある分野についての役務の調達と思うのですが、いわゆる業者選定はどのようにやっていらっしゃるのか。概括的なことで結構なのですが教えていただければと思います。

 以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 今、3点のご質問がございました。

 片平業務部次長、どうぞ。

○片平業務部次長 4ページの高額療養費の支給申請の勧奨件数でございますけれども、これは27年の6月に業務システムの刷新がございまして、従来は各支部で照会業務を実施しておったところなのですが、アウトソース化を実施いたしました。そのことによりまして、件数が大幅に増加したという側面はございます。また、適正化の観点から照会業務をより強化をするため、各支部の姿勢のあらわれもあろうかと思います。

 2点目の10ページの文書照会に対する効果は、申しわけございませんが、そういった形で現状分析をしていないところもございまして、照会件数をふやすことによって、一般的な効果もございますし、あわせて広報の一環にはなるわけですけれども、実際に受診なさった方に適正受診の広報をしておりますので、全般的な広報よりはより強い効果はあるのかなと思っているところではございますが、今、小西構成員から御指摘があったようなひもづけた形での分析は現状できてございません。

 3点目のレセプト点検の関係でございますけれども、16ページでございます。

 こちらは20%の委託につきましては、いわゆる専門業者ということで、先ほど御質問にございました個人で請け負っていただくということはございません。

 件数的にいいましても、私ども協会は、年間でレセプト枚数が4億4,000万ございまして、そのうちの20%を外部委託に回しているということもございますので、いわゆる専門業者でないと請け負えないという実態もございますので、競争入札を実施して委託をしておるところでございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 補足ですね。春山参与、どうぞ。

○春山参与 今の小西構成員の御質問の中で、1点目の高額療養費の申請件数が大幅に伸びているという御指摘がございました。今、次長から申しましたように、まず27年6月にシステム刷新をやりまして、アウトソースで出せるようになったということが一つございますけれども、それに合わせて、いわゆるターンアラウンドと申しておりますが、診療月から6カ月で未請求のものについて発送するというような仕組みにしております。

 レセプトが私どものほうに参りますのが、診療月から3カ月たってから参りますので、それから協会のほうで内容点検等を行って支払基金に再審査請求を行い、それが反映されるのが大体6カ月であろうということで6カ月で出しておるわけでございますけれども、システム刷新の前は、お恥ずかしい話ですが支部によってばらつきがございました。1年とか、長いものになると1年6カ月たって出しているというようなものがございましたけれども、システム刷新を契機に全部6カ月に縮めるということでやってまいりましたので、例えば2カ月分まとめて出すというところもあり増加しているのかなと思っております。

 ちょっと前後して申しわけございませんが、先ほど森下構成員からお話がございました、保険証が20万枚未回収だという御指摘でございます。

 確かに3,800万枚ほど、今、出回っておりますけれども、20万枚程度は率からすれば少数ですが絶対数に対しては非常に大きな数字で、これはやはり問題であると思っております。

 回収業務、いろいろ催告等をやっておりますけれども、中身をいろいろ聞いておりますと、私どもの広報が足りないのか、皆保険ということは、もうずっと言われて久しいわけでございますけれども、皆保険なので、例えば会社をやめた後、次の保険証が来るまで持っていていいよというようなことを事業所の担当の方がおっしゃられるようなところがあると聞いています。やはり持っていると使ってしまいますので、喪失後受診につながるということでございます。

 今はそれに対しまして、医療機関とか事業所にポスターを送りまして、保険証が使えるのは資格喪失日までですよと、あるいは保険証は退職したらすぐに事業所に返してくださいねという働きかけを行っておりますけれども、それがまだ浸透し切れていないのかなというように、ここをまた、重点的にやっていかなければいけないなと感じている次第でございます。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

𠮷 森理事、どうぞ。

𠮷 森理事 先ほど小西構成員から御質問のあったレセプトの外注の競争入札はしておるわけですけれども、専門業者に対してどういうコントロールをするか、価格的にどうだというところでございますけれども、私ども、外注の際は委託レセプトの1枚当たりの基本額だけで契約するのではなくて、再審査の査定額の、何%とは申し上げませんけれども、一部のパーセントを成功報酬として支払うという二段構えの契約にしておりますので、効果を出す業者はたくさんとっていただけるというような、競争原理が働くような仕掛けにはしております。ちょっと補足させていただきます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 高橋理事、どうぞ。

○高橋理事 

 今、2点目に出ました柔道整復の適正受診で、実際にこういうものをやって効果があったのか、あるいはそれをやって効果のほどを調べたのかというお話がございましたが、大体日本全国、全般でいって柔道整復の対策で成功している保険者はないです。この分野は非常に難しいです。

 事業報告書でごらんいただきますと、11ページに柔道整復の最近の件数とか金額が載っていますが、5、6年前にかなり問題になったのは、多部位で何度もやるという典型的なパターンの不正請求だったのですけれども、これはきょうお話をしている文書照会などで、一応牽制効果があって大分減ってきたのです。

 ただ、かかっていらっしゃる方は、柔道整復はおなじみさんが多いものですから、私どもが文書照会をかけると、加入者の方が私どもからの照会文書を柔道整復師さんのところに持っていってどう書こうかとか、そういう相談をされるということです。それでは目立つから多部位はやめて頻回のほうに変えるとか、これは想像ではないのです。実際にこういうことがあるのですけれども、そういうことでイタチごっこのところがありまして、それでも、この11ページをごらんになっておわかりのとおり、金額ベースでは25年までは下がっていたのですけれども、最近はまた、これまでの多部位、頻回のものをかなりやっていったら、先方も今度は対応方法をどうも覚えて、別途いろいろなことをやって、また伸び始めているという実態がございまして、これはなかなか、やっても難しい分野だということで一つ御理解を賜りたいと思います。

○土田座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 それでは、先に進みたいと思います。

 最後になりますけれども、資料1-3「保健事業」につきまして御説明をお願いいたします。

稼農企画部長 引き続き、稼農から説明いたします。

 資料1-3でございます。

 1ページ目「(1)保健事業の総合的かつ効果的な促進」でございます。

 【評価のポイント】を御説明します。

 <データヘルス計画>ですが、47支部がデータヘルス計画に基づき実施した27年度の保健事業の結果について検証をいたしまして、それをもとに計画の修正や見直しを行うということで、PDCAを十分に意識して進めることができたと認識しております。また、本部に外部の専門家を招聘したデータヘルス計画推進会議を設置しまして、各支部の課題等について議論して共有することで連携を深めてきております。

 <目標達成に向けた体制の強化>でございますが、支部の実績等を踏まえまして、特定健康診査、特定保健指導の目標値を本部で設定しまして、支部では勧奨時期、方法、実施者数等を具体的に記した実施計画書を作成したということで、本部と支部が事業の進捗状況を確認し合いながら施策の改善を図るなど、取り組み体制を強化したところでございます。

 <地域の実情に応じた支部独自の取組>でございますが、各支部では自治体の保健医療政策部局と連携・協働に関する包括的な基本協定を締結したりしております。また、特定健診、がん検診の受診促進、中小企業に対する健康づくり支援事業の連携、特定健診結果のデータ分析などの取り組みを行っております。

 <パイロット事業の成果>ですけれども、以前、パイロットの成果として展開された大分支部でパイロット事業として「一社一健康宣言」を実施しており、これが今の健康宣言事業のはしりになります。これが全国に広がったということでございます。

 企画のところでも説明しましたけれども、宣言事業所が28年度末は1万318社まで増加しまして、健康会議の2020年までの1万社の目標を前倒しで達成したということでございます。

 また、パイロットの関係では、これも先ほど説明しましたがGISを活用した健診の受診勧奨等の取り組みということを実施しております。

 このように、事業計画を上回る取り組みを実施したということで、自己評価は「A」とさせていただいております。

 少し補足的なところを説明いたします。3ページをお開きください。

 先ほどの目標達成に向けた体制のところですが、一番上のところですが、健診におきましては28年度、協会全体の目標値がありますので、これを達成するために支部の実績等を加味して各支部の目標値を本部において設定し、協働しながら達成に向けて取り組んでいくという体制で臨んだところでございます。

 4ページのところでございますが、保健指導の関係です。

 最初の○にありますように、保健指導の質の向上も非常に重要なポイントでございまして、本部におきまして支部保健師を対象とした保健師の全国研修、契約保健師を対象としたブロック研修などを行いまして、技術の修得につきまして実施をしているところでございます。

 その下の○ですが、協会全体の業績向上、支部間格差の縮小を図るために、本部が支部を訪問しまして、支部の保健事業を展開する環境、取り組み事項の確認、好事例、課題等を共有するための意見交換を行う取り組みをしてございます。

 5ページ<地域の実情に応じた支部独自の取組>でございます。

 各支部では、自治体の保健医療政策部局との連携・協働をやっておりますが、締結した自治体と連携して、特定健診やがん検診の受診促進等の取り組みを行っております。

 (1)は以上でございます。

 続きまして、8ページに移らせていただきたいと思います。

 「(2)特定健康診査及び特定保健指導の推進」でございます。

 「評価の視点」につきましては、中ほどにあります【目標指標】ということで検診の実施率等が目標指標として定められてございます。

 【評価のポイント】でございますが、最初が<コラボヘルス>でございます。

 これにつきましては、先ほど来話しておりますが、健康宣言事業を実施しておりまして、数もふえてきているということでございます。この健康宣言事業は、健診受診、保健指導の実施、生活習慣の改善等、健康づくりの推進を宣言した事業主に対しまして、「事業所健康度診断シート(事業所カルテ)」などを作成しまして、その事業所特有の健康課題を分析、可視化して取り組むというようなことで、事業主と協会で連携して取り組むというものでございます。

 次の分野でございますが、<特定健診の市町村がん検診との連携・特定保健指導の外部機関への委託>でございます。

28年度でございますが、被保険者の健診受診者数は対前年度452,000人ほどふえまして、6786,977人でございます。着実に数がふえております。なお、実施率は48.5%でございまして、目標の達成には至っておりません。

 主な理由は、近年の加入者数の急激な増加によりまして、いわゆる分母、対象者数が大幅に増加したことによるものでございます。

 仮の試算をしてみました。対象者数が26年度対象者数と同じであれば、目標値を上回る53.7%となるという仮の試算です。また、被扶養者の特定健診につきましてもさまざまな取り組みをしております。同時実施を拡大し、受診しやすい環境整備を全国各地で行っております。

 この連携等により、受診者数は過去最大となる946,496人ということで、プラス5万5,000人ほどでございます。ただし、受診率は22.2%となっておりまして、前年を上回ったものの目標値には至っていないというのが現状でございます。

 9ページに参ります。

28年度の実施計画では特定保健指導は184,000人を計画しておりまして、28年度実績は203,481人と計画値を大きく上回って、制度開始以来、最大の実績となっております。これも実施率としては13.3%でありまして、目標の達成には至っておりません。これも分母の増でございます。

 これについても仮の計算をしてみまして、特定保健指導対象者が26年度対象者数と同じであれば、目標を上回る15.6%となる計算となります。

 「また」のところですが、28年度の被扶養者の特定保健指導実施者数は2,858人ということでございます。こちらも制度開始以来、最大でございます。

 実施率としては、目標の4.1%に対して3.6%でありますが、同様の試算をしますと、目標値とほぼ同水準の4%となるということでございます。

 次の○は外部委託の状況でございます。

 外部委託単価の上限を引き上げました。それと新たに被保険者に対する血液検査等業務の委託を実施した結果、外部委託機関数は前年度比48機関増の910機関となりました。

 委託機関の保健指導実績が初回面談が8万3,000人ほど、6ヶ月後評価実施者数が5万2,515人と大幅に増加をいたしております。

 協会全体としましては、初回面接が313,742人、6ヶ月後評価実施者数が203,481人と制度開始以来、実施者数が最大となっております。

 <健診機関と協力関係を強化し、健診の推進や事業者健診データの取得を促進>でございます。

 健診実施機関数は、27年度から102機関増加しまして3,132機関となっております。受診者数の向上、健診機関が少ない地域の対策、未受診事業所への勧奨など、地域の実情に応じたインセンティブを活用した契約を取り入れております。こういうことで健診機関との連携を強化をいたしております。

 次の項目です。<保健指導利用者の拡大を図るための取組>でございます。

 先ほど来お話がありますが、事業主、加入者の皆様との距離をできるだけ協会が縮めていくというのが重要な視点でございます。支部の役職員で勧奨体制をつくりまして、事業所等の訪問を行った結果、28年度は125,226事業所、対前年度比1万3,000ほど増で、協会の保健指導者が特定保健指導を行ったということでございます。これも実施事業所数としては最大となっております。

 <業種・業態健診データの分析結果等の活用>でございます。

 「事業所健康度診断シート(事業所カルテ)」等を活用いたしまして、その中で、業種別・業態別の医療費、健診受診率等の数値を可視化したものを作成して協力依頼に活用しているということでございます。

 <保健指導実施者の育成方法>ということで、量の拡大と質の向上の両輪で取り組んでおります。

10ページ【目標指標】の関係でございますが、目標には至っていないというところでありますが、分母がふえているというような話をいたしました。

 ここの表がございますが、これは20年度からの、左側が被保険者の生活習慣病予防健診の実施率、右側が特定健診の実施率でございます。

 線が3本ございますが、真ん中が協会全体の平均でございます。上の線が、その年の47支部で一番高いところ、3番目の線が一番低いところということでございまして、ごらんいただきますように、平均も、上位・下位も、年を追うごとに右肩上がりに実施率が上がっているというようなことで、各支部で取り組みを進めてきている結果であろうと思っております。

10ページの表の下【検証指標】でございますが、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率は19.7%、改善状況は26.9%ということでございます。

 前年度を上回る成果を上げたことから、自己評価は「A」とさせていただいております。

 続きまして、18ページをごらんください。「(3)各種業務の展開」でございます。

 【評価のポイント】を御説明いたします。

 <システムを活用した、勧奨や実施の効率化>でございます。

 新システムの勧奨機能等の充実などによりまして、対象事業所、対象者を規模別や受診状況等の区分に基づいて抽出が可能となったことから、受診割合が低い事業所を抽出し、勧奨を実施いたしました。

 これによりまして、事業者健診結果のデータ提供の勧奨件数は、全支部合わせて131,724事業所となり、新たに提供された件数は8,464事業所、151,130人分となりました。

 結果、データ提供総数は、従来から提供を受けていたものと合わせて872,743人となりまして、前年度を大きく上回ることができました。

 次の項目です。<地方自治体との覚書・協定に基づく、関係機関との連携強化>でございます。

 これにつきましては、2行目にありますが、27年7月には全支部で、都道府県または市区町村との間での包括的な協定・覚書が締結されたということです。これは昨年報告したところですが、27年度末時点ではさらにふえておりまして、45の都道府県、230の市区町村との間で協定等が締結されるなど、目に見える形での自治体との連携強化を進めているということでございます。具体的には、自治体の集団健診やがん検診との同時実施を拡大しまして、28年度は1,129自治体での協会の被扶養者の受診が可能となったということでございます。

 その下<適切な受診行動を促す取組>でございますが、○の1行目の最後のところですが、支部におきまして1カ月に20件以上のレセプトが存在する受診者を抽出して、文書及び必要に応じて訪問により指導等を実施しております。

 具体的には656人に対しまして、文書、電話により重複受診の弊害についてお知らせをするとともに、健康相談が必要な方には保健師による訪問指導を行ったということでございます。この結果、受診の適正化が図られたことを確認できた方が78人でございました。

 まとめでございますが、各支部におきまして自治体等との連携・協働により、地域の特性に応じた保健指導に取り組むなど、計画を上回る成果を達成したことから、自己評価は「A」とさせていただいております。

 説明は以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございますでしょうか。

 小島構成員、どうぞ。

○小島構成員 保健事業について、初めに一つ質問があります。4ページには、「健診等の目標達成に向けて、都道府県支部別に本部で目標設定をした」とあるが、47支部のうち、本部が設定した目標値を超えた支部は幾つあるのか。

 支部の事情に合わせて目標設定をきめ細かに設定するというのは非常にいい手法だと思いますので、実際に28年度で目標を達成した支部が幾つあるのかが質問です。

 次に、特定健診、保健指導の達成率については11ページのところで、年々実施率がふえていますけれども、今回、年間の目標数値には至っていない。前年よりは前進したことは一定の評価はできるかと思う。やはり課題は、支部間格差がまだまだありますので、実施率の支部間格差をどう埋めるかだと思います。

 それから、事業所からのデータ取得についても、支部間を見るとばらつきがあるので、健診の受診率と事業所からのデータ取得率の支部間の格差をどう是正するのかが、これからの課題だと思いますので、ぜひ底上げに努力して頂きたい。

 それと今年度の受診率の数値目標が達成できなかった要因として、加入対象者がふえたことだと説明されましたが、今後、短時間労働者等に対する健康保険の適用拡大が進んでいくと、協会けんぽの被保険者も増えていく。そういうことを念頭に置いたときに、対象者が増えたから実施率が落ちたということでは済まされないと思います。ぜひ今後とも受診率達成に向け、十分な取り組みを進めていただきたい。

 3点目は、12ページのコラボヘルス、事業所カルテなどを作成して、事業所との連携を図ったことについてです。健康宣言をした事業所が1万件を超えるような取り組みをはじめ、コラボヘルスに関する様々な取り組みが、各支部レベルでパイロット事業的に進められている。そういう取り組みについては評価できるので、是非、それらの取り組みを一層強化していただきたい。

 最後に、13ページの特定健診と市町村がん検診との連携という件です。これも自治体との協定が増えたということで、集団健診やがん検診との同時実施を行う自治体が1,000自治体を超えている。引き続き、自治体との連携強化を図って、特定健診を受診しやすい環境整備が必要だと思います。

○土田座長 ありがとうございました。

 4点です。細かいこともありますけれども、いかがでございましょうか。

 松下保健部次長、どうぞ。

○松下保健部次長 保健部の松下でございます。

 1点目、資料の3ページにございます各支部の目標値を上回った実施支部が幾つあるのかといったところでございますけれども、冊子の報告書の89ページに各支部の健診等の実施状況をお示ししております。

 超えているのは山形支部だけでございます。あとは全て、この目標値に対しては下回っております。

 事業者健診の取り組みについても支部間格差があるのではないかといった御指摘でございましたけれども、事業者健診のデータの取得につきましては、当方といたしましても課題だと考えておりまして、特に個人情報保護法の改定等にございます事業者健診に特定健診項目以外の検査項目があった場合には、そこの提供については被保険者の同意が必要となりました。

 今まではオプトアウトと申しますか、黙示の同意でよかったところが、明確な同意が必要になったといったようなところがございまして、そういった取り扱いを共同利用といった形で見直してきたところではございますけれども、取扱い等に関する周知をさらに進めた上で取得していく必要があるといったことも踏まえまして、本部と厚生労働省の労働部局のほうとも話をしながら、今後、さらに推進をしていきたいと考えているところでございます。

 被保険者数がふえたことが健診実施率が落ちた理由にはならないのではないかといった御指摘でございましたけれども、そのとおり認識しているところでございます。資料の8ページのほうで、仮に対象者数が26年度の対象者数であればこういう数字になりましたとお示ししたところでございますが、こちらにつきましては事業報告書の81ページ「図表5-20」をごらんいただければと思います。こちらが被保険者の健診実施率、また対象者数と実際の受診者数を棒グラフ及び折れ線グラフでお示ししているものでございます。

 健診受診率につきましては年々増加しているところでございますけれども、一番下にございます、色のついております受診者数についても年々増加している。一方で、上の「健診対象者数」のところ、いわゆる未受診者に当たる部分の増加が、特に2728年度に対しての伸びが大きいといったところでございまして、現在、目標を率で定めているところですが、健診の場合、それに対するマンパワーですとか、健診を実際に実施する実施機関数といったところもございまして、どうしても件数としても見ていかなければいけないといったところで、件数見合いで見たところ、受診者数はふえているのだけれども、対象者数がふえることで、いわゆる逃げ水のように、幾ら受診者数を伸ばしても実施率がなかなか伸びていかないというような状況があるところでございます。

 対象者数の伸びに今後どのように対応していくかといったところは、十分留意した上で、今後、健診を推進していきたいと考えているところでございます。

 健康宣言につきましては、29年度からは47支部全てのほうで健康宣言事業に取り組んでおりまして、先ほどもございましたとおり、1万社を超えているということです。

 また、先日の8月23日の日本健康会議で、小林理事長から「健康なまち・職場づくり宣言2020」の宣言後の協会けんぽの取り組み状況といったプレゼンをしていただいたところでございますけれども、29年6月時点では1万1,653社まで伸びているところでございまして、今後は件数のみではなくて、内容と申しますか、協会が健康宣言をしている事業所を適切にフォローアップして、その取り組みを継続していってもらうといった内容の充実も重要になると考えておりますので、そういった視点での取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。

 最後に、12ページの市区町村との連携の中で、がん検診との同時受診といったところでございますけれども、これは特に被扶養者の特定健診の部分でございますが、お話の中にもございましたように、受診しやすい環境と申しますか、そういったところの構築というところで、いわゆる利便性が向上することで受診につながる、特定健診とがん検診を同日に受けていただいて、効率的に健診を受診していただくといったことから、こちらのほうも引き続き同時受診ができるように取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 高橋理事、どうぞ。

○高橋理事 小島構成員の、先ほどの健診関係、加入者の増加について、健診の実施とか、保健指導の実施が追いついていないと、頑張れという話でしたが、実情を申し上げますと、東京と南関東を中心に適用拡大ということで、年金の適用拡大と短期の雇用の拡大で急速に事業所が増えています。したがって、全体をながめてみると、少し小さ目の事業所が最近は非常に増えている。そういう意味で、どうしても私どものPRの効果としては効きが悪いところが増えているという感じはいたします。もう一つは、新しく最近入ってきてやるものですから、私どもが今までずっとやっていたPRを初めて聞くという格好になりますので、そこはちょっと効果が出るまでには時間がかかる。

 保健指導のほうの一つの要因としては、前回もお話が出ましたが、内部での保健師をそれに応じて比例的に増加させるというのは非常に難しい状況でして、外部委託でできるだけ対応はしようとしていますが、そこもちょっと追いついていないという実情があるということはある程度御理解を賜りたいと思います。

 以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 森下構成員、どうぞ。

○森下構成員 今、総合的に保健事業について御説明いただきましたけれども、報告を見る限り、前年比の目標設定に対してプラスになったという自己評価のお言葉が多いわけです。それにつきましては、本来ならば絶対数でどのくらい目標が上がるのが理想かというような数値目標を立てることも必要になってくるのかなというような感じがしました。

 今、高橋理事からもお話がありましたけれども、新規の加入者に関して、広報・周知がなかなか徹底しないということでございますけれども、逆に言えば、新規であるからこそ、加入数が多ければなかなか大変ですけれども、直接いろいろな協会けんぽの事業そのものを説明するよい機会ではないのかなという感じがしまして、逆に、徹底してお話をすることができるのではないか。

 今は500人以上でございますけれども、今後、もしこの枠がさらに広がって、アルバイトも含めた加入者数がかなりふえてくるということになると、今、協会けんぽに加入している二千数百万でしょうか。これがかなり数がふえるということも予測されますので、協会けんぽ側としては大変だとは思いますが、さらなる努力を進めていただければと思っています。

 それと全体の報告の中で、PDCAサイクルを回してという言葉が、全部の報告書の中に何十も出てくるわけですけれども、やはりPDCAというのは、本部が支部に対して強制的に発するという概念は、当初はそういうPDCAサイクルという考え方があったかもしれませんが、今はさらに進化して、言われたことだけをやるのではなくて、言われた者が個々でレベルアップする。それと、いろいろな工夫や検証、そして、品質向上に結びつける。自分の立場だけではなく、周囲の環境に合わせた立場で見直すというような、いろいろな経験からの気づきも含めてPDCAサイクルを回すというのが新しい概念で、今、世の中では普通になってきていると思いますので、その辺も含めて、このような大変な事業ではあると思いますけれども、今後進めていただきたいと思います。

 もう一つだけつけ加えたいのは、1で質問したように、協会けんぽとして、今後、非常にリスクを持ったこういう運営があるかと思うのですが、我々は実は事業主にも、意見は聞かれても、こういう形でこうなっていましたよというようなフィードバックが比較的なされていないのかなと思いました。

 だから、ちょっと細かいことですけれども、先ほどの保険証の回収で、事業主自体が皆保険制度だから持っていていいよなどという間違えた情報を持っているということ自体がおかしくて、これだけ皆さんに御努力いただいたおかけで数百億のお金が浮きましたとか、具体的な数値まで示して皆さんにも御理解いただくということも逆に必要になってくるのかなという感じがしています。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 私からは頭出しだけですけれども、先ほど来、10ページのところをめぐって議論や御説明をいただいているのですが、これは評価の基準に照らしたときにどうしたものかなと思っております。

 目標指標の持ち方もポイントとして出されておりますけれども、環境をどういうように考慮できるのか、あるいは環境の推移をどういうに考慮できるのかと、皆様方には釈迦に説法のような言葉遣いになってしまいますけれども、そんなことを思っておりまして、最初にこれを見せていただいたときに、さて、これは目標未達であり、未達の幅も案外少なくないぞと、大きいぞと、今、御説明を具体的に伺っていたところです。

 何かまとまりませんけれども、この辺は工夫も必要かと思います。いずれにしても、今回どうしたものかなと考えている次第です。

 ありがとうございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 大体同じことを感じていると思いますが、非正規の被保険者がふえてくるわけですから、それに対してどうするかという問題はさらに重要な課題になってくると思います。例えば未回収の問題などももっと発生してくる可能性もありますし、いろいろな対応がこれから重要になってくるだろうと思います。

 保健事業につきましては、古井さんが専門ですが、きょうは休んでいますので、次回、コメントをお願しようと思います。

 きょうの議論は、これで終わりました。ただ、御存じのように、まだ「船員保険」と「組織運営及び業務改革」という課題が残っておりまして、それは次回、19日にやる予定でございます。

 それで、その19日をもって今回の評価の委員会は終わりになりますので、次回は皆さんから一言ずつ感想を含めてのコメントを申し上げたいと思います。今日はここまでにして、最後にこれからの予定をお願いしたいと思います。

○友田全国健康保険協会管理室長 本日は、さまざまな御意見をいただきましてありがとうございました。

 次回でございますが、9月19日火曜日、14時から16時で、厚生労働省内の17階専用21会議室で開催することになっております。

 議題としましては、今ございましたように「船員保険」「組織運営及び業務改革」等でございますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ちょっと時間をオーバーしましたが、きょうはこれで終わりにします。

 どうもありがとうございました。


(了)

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