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2017年11月7日 第6回「仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会」

雇用環境・均等局職業生活両立課

○日時

平成29年11月7日(火)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第20会議室


○出席者

委員

武石委員、池添委員、池田委員、駒崎委員、座間委員

説明者

三菱UFJリサーチ&コンサルティング

厚生労働省

宮川雇用環境・均等局長、成田審議官、源河職業生活両立課長、土岐職業生活両立課課長補佐

○議題

1.平成29年度厚生労働省委託調査の報告について
2.男性育休取得促進等に係る周知・啓発等について
3.その他



○配布資料

資料1-1 平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業 企業調査結果(速報)
資料1-2 平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業 労働者調査結果(速報)
資料2 男性育休取得促進及び育休中の所得保障にかかる周知・啓発について
参考資料1 周知・啓発資料の実物等
参考資料2 育介法の目的規定・両立支援制度の位置づけ等について
参考資料3 個別課題及び出された各委員の意見など

○議事

○武石座長 

それでは、第 6 回仕事と家庭の両立支援に係る総合的研究会を開催いたします。御多忙のところ皆様には御出席いただき、大変ありがとうございます。早速ですが、本日の最初の議題の平成 29 年度厚生労働省委託調査の報告についてお願いしたいと思います。今日の報告ですが企業に対する調査結果と労働者に対する調査結果、それぞれ分けて資料を作成いただいております。本日も企業調査、労働者調査、それぞれ御説明をいただいて、質疑をそれぞれお受けするということで進めたいと思います。では、最初に企業調査につきまして、委託先の三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング様からお願いいたします。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング

では早速ですが、御説明させていただきます。資料は企業調査結果の概要 ( 速報版 ) を御参照ください。 3 ページに実施概要を記載しております。こちらの調査なのですが、今回は従業員を 51 人以上の企業 5,000 社に対して実施いたしました。有効回答数 635 件で、回答率が 12.7 %となっております。本日の御報告なのですけれども今回、集計するにあたりまして、経済センサスの比率と従業員規模が合うように重み付けをした後の数値だというふうに御理解ください。

 まず、最初に企業調査の結果概要を御説明させていただきます。回答企業の概要、 6 ページをお開きください。こちら、今回の回答企業なのですが、本社所在地、 6 ページ左上のグラフになります。「東京都」と「中部」と「近畿」がそれぞれ 2 割ずつ程度でした。従業員規模別に見ますと 301 人以上は東京都が多い構成になっております。業種は「製造業」、「医療・福祉」がそれぞれ 2 割強程度になっています。最後、正社員数は下のグラフです。ウエイト付けをしてセンサスに合うようにしております。「 100 人以下」が 52.1 %、「 101 人~ 300 人」が 33.6 %、『 301 人以上』合わせまして 14.3 %、こちらが今回の回答企業の概要です。

 次のページ、今回の設問で女性活躍に関する指標も併せて聞いております。まず左上のグラフになります。正社員に占める女性比率ですが、「 10 %以上~ 25 %未満」が 32.2 %程度を占めている結果となっております。次、右上の所で、直近 3 年間における新規採用者の女性比率を聞いています。こちらは「 50 %以上~ 75 %未満」が 2 割強で一番多い結果になっております。次、左下にまいります。管理職の女性比率です。こちらは「 0 %」が 44.4 %を占めておりました。特徴といたしましては従業員規模が小さいほど「 0 %」の割合が高くなっている傾向にあります。その次、右下の数量表になります。こちらは平均勤続年数をそれぞれ聞いておりまして、男女の差を見ています。男女差の平均値で見ますと、全規模で 2.1 年ぐらい、企業規模別に見ますと 301 人以上が 2.6 年で最も長くなっております。

 その次、 8 ページです。従業員の状況といたしまして、残業と年次有給休暇取得率の状況を聞いております。非管理職の月間総労働時間が左上のグラフです。「 160 時間以上~ 180 時間未満」が半数程度、 5 割ぐらいになっています。その次に多いのが「 180 時間以上~ 200 時間未満」です。右上のグラフは、週労働時間が 60 時間以上の正社員の割合を聞いております。規模別に見ますと「 100 人以下」、「 101 人~ 300 人以下」の所では 0 %が過半数を占めておりますが、「 301 人以上」になると「 0 %超~ 3 %未満」が 4 割を占める形で少し多めになっております。下のグラフが有給休暇の取得率です。平均取得率で見ますと「 100 人以下」、「 101 人~ 300 人以下」は「 25 %以上 50 %未満」、「 301 人以上」になりますと「 50 %以上 75 %未満」の割合が最も高い傾向になっております。

9 ページ、今回は仕事と育児の両立支援等に関するアンケート調査でしたので、男性の育児参加等も主眼において聞いております。その中で両立支援の必要性について、男性・女性のそれぞれについて、仕事と育児の両立支援を行う必要性を感じていますかという聞き方で聞いている設問がございます。男性が左下のグラフ、女性が右下のグラフです。まず、男性の仕事と育児の両立支援を行う必要性については「感じている」「まあ感じている」を合わせた『感じている』割合が 55.9 %になっております。規模別に見ますと「 301 人以上」でより必要性を感じている割合が高い結果になっております。一方、右手の女性、こちらについては「感じている」「まあ感じている」を合わせた 80.9 %が『感じている』と回答していただきました。こちらも規模別に見ると、「 301 人以上」で必要性を感じている割合が高い結果になっています。男女を見比べますと、女性が 8 割を超えている企業が必要性を『感じている』と回答しているのに対しまして、男性が 55.9 %程度にとどまっているという特徴がでています。

10 ページです。こちらについては、育児に関する制度等について法定を上回る対応をしていますか、という質問を聞いております。結果といたしましては 32.8 %の企業が「行っている」と回答しています。特に規模別、「 301 人以上」では「行っている」割合が高く出ておりまして 56.4 %です。

11 ページです。先ほどの両立支援のための法定を上回る対応を行っていますかという質問に対して、「行っている」と答えた企業に対してのみ、どういう目的でそういった取組をしていますかという質問をしております。こちらも男女別に聞いておりまして左手のグラフが男性、右手のグラフが女性になっております。男性の両立支援を行う目的につきましては、「男性も含めた全社員が働き方を見直す契機になること」という回答が 44.2 %と最も割合が高くなっております。次いで「女性社員の仕事と育児の両立に対する男性社員の理解促進」が 36.1 %という結果です。一方で女性の両立支援を行う目的は、右手のグラフを見ますと、「育児中の女性社員の定着率向上」を目的にしているという企業が 64.8 %と最も割合が高く出ておりまして、次いで「全社員が働き方を見直す契機」となることが 42.1 %と出ております。こちらまでが企業の概要として聞いておりまして、ここからが出産・育児に関する休業・休暇制度の状況に関する設問の結果概要を御報告申し上げます。

13 ページ、まず最初に出産・育児に関する法定制度の利用実績、こちらを男性で利用者がいるのか女性で利用者がいるのか、利用者はいないのか、該当者がいないのかといった選択肢で聞いております。まず左上と右上の 2 つです。こちらについては育児休業の利用実績と育児短時間の利用実績等を聞いたものの結果です。「女性のみ利用者がいる」が育児休業で 55.4 %、短時間勤務で 48.2 %になっています。その下の 2 つのグラフです。こちらは左手が、育児のための所定外労働の免除の利用実績について聞いておりまして、こちらについては「利用者はいない」という回答が 44.2 %で一番多くなっております。右下、こちらは子の看護休暇制度の利用実績です。こちらも「利用者はいない」が 44.1 %で一番多くなっております。規模別に見ますと「 301 人以上」の大規模の企業、こちらについては各制度について男性・女性の両方で利用者がいると回答された所がほかに比べて高くなっておりました。

 その次、 14 ページです。こちらが育休の取得率を計算している項目です。まず数値の表を御覧いただきまして、男性の育児休業取得率、平均で見ると今回の調査では正社員で 4.2 %になっております。男性の有期契約労働者は 1.8 %です。こちらを分布に直したものがその下のグラフになります。分布で見ますと男性正社員の育休取得率の分布で「 0 %」になっているものが 87.6 %を占めている結果になっております。規模別に比較すると「 301 人以上」の所で男性正社員の育休取得率がやや高めの企業が他と比べて多めになっています。次に女性を見てみますと、正社員の育児休業取得率の平均率値は 95.2 %と非常に高く出ています。一方で有期契約労働者は 89.2 %です。こちら女性の分布で見たものが右下のグラフになります。正社員は 100 %取っていますよという企業が 89.9 %を占めています。

 続いて資料 15 ページです。こちらでは昇進スピードへの影響で、例えば育児休業を上限期間まで利用した場合に、管理職への昇進スピードにどの程度影響がありますかということを聞いております。まず、男性正社員が育児休業を上限期間まで利用した場合の昇進スピードへの影響については左下のグラフです。こちら、「分からない、該当者がいない」と答えた企業が 50.4 %で最も割合としては高くなっています。「全く影響しない」、「あまり影響しない」を合わせた『影響しない』は 39.6 %です。右下が女性のグラフになります。こちらについては「全く影響しない」と答えた企業が 34.9 %で最も割合が高い結果です。「全く影響しない」、「あまり影響しない」を合わせた『影響しない』で見ると 58.9 %と女性については回答されています。規模別の特徴で見ますと、該当者がいる割合が高いということもあるとは思うのですけれども、 301 人以上の企業で、「やや影響する」、「大きく影響する」を合わせた『影響する』との回答割合が高くなっている特徴になっています。

 続いて資料の 16 ページです。同じ設問を短時間勤務を上限期間まで利用した場合はどうですかということで聞いているものです。左下が男性、右下が女性になります。男性については「分からない、該当者がいない」がこちらでも 52.8 %で最も割合が高くなっています。女性については「全く影響しない」とした企業が 34.2 %です。

 資料 17 ページです。こちらでは育児休業を取得しやすい雰囲気がありますかという設問を聞いています。これに対して、「ある」、「まあある」を合わせた『ある』の割合で見てみますと、左下の男性正社員は 25.2 %になっている一方で、右下の女性正社員、こちらについては 79.3 %です。いずれの従業員規模でも同じ傾向が出ておりまして、女性正社員と比較して、男性正社員が育児休業を取得しやすい雰囲気があるとした企業の割合が非常に低く出ています。

 資料 18 ページです。こちらは少し男性の育児休業取得率を深掘りして聞いた設問になります。まず男性の育児休業取得率について、目標値を設定していますかという設問に対して、左上のグラフです。男性の育児休業取得率の目標値を設定している企業は 3.1 %にとどまっています。規模別で見ますと「 301 人以上」ですと、 14.5 %が目標を設定しているという回答です。続いて右上のグラフです。こちらの目標値を設定している企業について、どの程度の目標値を設定していますかという設問を聞いています。それに対しては「 3 %未満」を目標にしている所が一番多く出ておりまして 32.6 %です。次いで「 5 %以上 25 %未満」が 24.7 %になっています。下のグラフは男性の育休取得率、これを過去 3 年の平均で聞いたものです。こちらでもやはり男性の平均育児休業取得率が 0 %が 77.9 %となっており、割合としては最も高くなっています。規模別の特徴としては「 301 人以上」も 0 %以上が一番多い傾向は変わりないのですが、ほかと比較しますと「 0 %超~ 3 %未満」の割合も 3 割程度でやや多くなっています。

 資料 19 ページです。こちらでは育児休業以外で男性正社員が利用できる独自の休業・休暇制度について聞いています。下のグラフです。「配偶者出産休暇制度」があると答えた企業が 53.9 %で、「失効年次有給休暇の積立等の制度」が 16.7 %です。いずれの制度も「 301 人以上」の規模で導入割合が高い結果です。それらに対して、休暇を取得した場合の賃金を聞いたものが右手のグラフになります。右上が「配偶者出産休暇制度」、こちら有給と回答した企業が 8 割弱、右下のもの、「失効年次有休休暇の積立制度」を有給と回答した企業が 66 %になっています。

 続いて 20 ページです。こちらは男性が配偶者の出産・育児にあたって、何らかの休業・休暇制度を取得する目的と時期について聞いてます。こちらについては育児休業に限定せずに聞く形にしています。左手のグラフが目的です。一番多かったものは「配偶者の出産時の立ち合いや入退院時のサポートのため」が 66.7 %、次いで「配偶者の出産後、体調、体力が回復するまでの生活・育児サポートのため」が 3 割弱、その次が「子の保育園入園や配偶者の復職時のサポートのため」等です。今回、お話しているのは企業調査ですので、あくまで企業の人事担当者が把握している目的ということになります。右手が時期です。こちらの時期については「子の出生後 1 週間以内の時期に取得開始」が 5 割程度で最も多くなっています。

21 ページです。こちらは何らかの休業・休暇を取得する期間について最も取得が多い期間、最長の期間、要望が多い期間、比較的取得しやすい最長期間の 4 つを企業に聞いています。左上が最も取得が多い期間で、こちらは「 1 週間未満」が 58.3 %で一番多くなっています。右上、こちらはこれまでの取得の中で最も長かった取得期間、こちらも「 1 週間未満」が 46.0 %で一番多い結果です。左下、男性正社員からの要望が多い期間を聞きましたところ、「分からない」という答えが 44.1 %でした。右下、職場や業務への影響の視点から比較的取得しやすい最長期間については、「 1 週間未満」が 37.9 %になっています。

 次のページ、男性社員が休業・休暇を取得しやすい環境をつくるための取組として、まず、会社全体や職場に対して実施している取組はありますかといった質問をしています。これに対しては「特に実施していない」が 7 割程度で最も割合が高くなっています。その次にきているのが、「全社員に対して理解を促進するための情報提供」が 18.5 %です。規模別に見ますと「 301 人以上」の企業ですと、少し各取組を実施している割合が高めに出ています。

 続きまして資料 23 ページです。男性の育児参加促進のために男性社員に対して取り組んでいることと、女性社員に対して配偶者の育児参加を促進するような取り組みを行っているかを分けて聞いています。男性社員に対する取組が、「特に実施していない」が一番割合が高く出ておりまして 85.2 %です。右手の女性社員に対する取組みについては、「配偶者の育児休業等の取得や参加を促すアドバイスを行っている」が 9.3 %にはなっていますが、やはりこちらも「特に実施していない」が 85.5 %で一番多い、傾向は変わりません。

 続いて 24 ページです。配偶者の出産や育児に関する休暇制度のうち、今後、推進したいものは何ですかということを聞いています。「育児休業制度」が 31.5 %で最も割合が高くなっておりまして、その次が「法定の年次有給休暇」が 27.6 %、次いで「配偶者出産休暇」が 26.7 %で出ています。規模別に見ますと「 100 人以下」では「育児休業制度」と「配偶者出産休暇制度」、「法定の年次有給休暇」、それぞれ 3 割程度で同じぐらい推進したいという形で出ています。『 101 人以上』の企業は育児休業を推進したいという割合がほかよりも少し高めになっています。

 次いで男性社員の仕事と育児の両立支援を推進する上での障壁・課題について聞いています。一番多かったのが「職種・仕事内容・部署によって仕事と育児の両立のしやすさが異なる」が 42.4 %、次いで「職場の理解・賛同・協力を得ることが難しい」が 31.9 %です。規模別に見ますとほとんどの項目で従業員規模が大きくなるほど割合が高くなる傾向にあります。もう 1 つ、グラフの上、 3 つです。理解・賛同・協力関連で見ますと、一番難しいと答えられたのが「職場」の理解でその次が「管理職」の理解、その次が「経営層」の理解という形になっています。

 最後に今回の調査、こちらの育児休業に関することだけではなくて、柔軟な働き方や働き方改革に関する設問も聞いています。

 それを聞いた上で一番最後に 27 ページの設問です。今後、仕事と育児の両立のためにどのような取組を重点的に推進する予定かを「育児休業やその他、出産・育児の休業・休暇の取得促進を重点的に推進する」つまり、まとまった休みを重点的に推進する予定か、もしくは「柔軟な働き方を重点的に推進する」予定か、「労働時間の削減を重点的に推進する」予定かといった選択肢で聞いております。結果といたしましては「労働時間の削減を重点的に推進する」と答えられた企業が 58.7 %、最も割合が高く出ております。その次が「育児休業やその他、出産・育児の休業・休暇の取得推進を重点的に推進する」が 33.2 %。最後が「柔軟な働き方を重点的に推進する」が 24.0 %です。こちらの傾向はいずれの規模でも大きくは変わりません。ただ「 301 人以上」の企業については特に「労働時間の削減を重点的に推進する」と答えた企業は多くなっておりまして、 72.7 %がこの選択肢を回答した結果となっておりました。企業調査については以上となります。


○武石座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関して御質問、御意見があればお願いいたします。こういう項目を追加でお願いしますとか、そういうのでもいいのでしょうか。ここの項目とここの項目をというようなことがあれば、いかがでしょうか。

 最後のデータはいくつでも選んでいい項目ですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

こちらはマルチアンサーです。

 

○武石座長 

マルチアンサーで、 3 つまでなど個数の制限はありますか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング  

最後の設問 問 28 については、「○はいくつでも」の形で聞いております。

 

○池添委員 

初歩的なというか、前提の前提みたいな話で申し訳ないのですが、今回調査していただいたデータをこの研究会でどのように使おうと思っているのかというのを伺いたいと思います。概略版なので、サマライズした形で簡潔に要領よく御説明いただいたのは非常に有り難いことではあるのですが、例えばある項目のクロスを出していただくとか、あるいは単純集計も全部ひっくるめて見せていただいた上で、クロスの項目を検討して、またこの研究会の平場で議論するということが可能なのかどうか、そういうのも予算的、時間的に可能なのかどうかという点ですね。 2 点、事務局のほうからも含めてお話いただきたいのですが。

 

○源河職業生活両立課長 

いただいた御要望によってどの程度お応えできるかというのはあるかと思うのですが、今年は男性に重点をおいて調査していただいていて、今は企業調査だけを御紹介していますが、労働者調査も後ほど見ていただくと、どのようなところにニーズがあるかというのを見ていただけると思います。この研究会の目的はニーズを踏まえた男性の育児参加を促進するための方策を検討するということなので、それを踏まえてお考えいただければと思います。

 今回は調査を重点的に御議論いただきますけれども、今後は研究会を進めていく中で、御意見があればそこについてコメントしていただくことは可能です。調査について主に御議論いただくというのは、今回だけを予定しています。

 

○池添委員 

今後追加でこういう項目をもう少し深掘りして見てみたいと言った場合に、リクエストできるということですか。

技術的な問題もあるかと思いますが。

 

○源河職業生活両立課長 

サンプル数等の問題もありますのでお応えできる範囲で対応いたします。

 

○池添委員 

研究会の平場では、とりあえず、今日はこの場での御説明で一応終わりということですね。

○源河職業生活両立課長

 今後はまたあれば研究会の場で、あるいは事務局に出していただければと思いますが、全てについてお応えできるわけではないです。

 

○池添委員

 取りあえず単純集計と基本クロスぐらいは一通り全部見たいという気持ちはあります。私は調査の専門家ではなくて、むしろ池田委員や座長のほうが御専門ではあるのですが、一通り見て、どういうところにニーズがあって、施策のバリエーションを持たせる形で施策的な議論を進めようとするときに、もうちょっと概略ではなくて、細かく見たほうがいいのではないかなという印象があったので、そういうお願いをさせていただきたいと思います。

 

○武石座長

 今回の男性関係の調査の項目は、御説明いただいたものでほぼ全部でしょうか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 企業調査について、男性の仕事と育児の両立に関連する設問は、ご説明した内容でほぼ拾えていると思います。

 

○武石座長

 それ以外にも一般的なことは聞いているのですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 働き方に関することを聞いておりまして、例えば柔軟な働き方を推進するためにどういう制度を導入していますかといった設問や、全社員を対象とした労働時間の削減のために取組んでいることや効果に関する設問等があります。

 

○池添委員

それとデータのマッチングはできるのですか。別立てでしょうか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

労働者調査とは 別立てです。

 

○池添委員

 分かりました。

 

○武石座長

 今日はいろいろお考えを聞いたり、できる範囲のことをやっていただき、今後の報告書をまとめる際の参考にするということになると思いますので、いろいろなアイデアを出していただいたほうがよろしいかと思います。

 

○駒崎委員

 感想でもいいですか。資料 1-1 です。企業調査結果の概要 ( 速報版 ) というところで、大変勉強になったのが、企業が男性社員の育児への参画などに対して、特に何もしていませんというのが、 85.5 %でしょうか。男性の育児参画促進のためにやっていること。

 

○宮川局長

22 ページですか。

 

○駒崎委員

23 ページですか。 85.2 %ですか。結構何か衝撃的な数字だなと思ったのですが、イクメン・プロジェクトとか結構やってきたけれども、駄目だったなということを、改めて考えさせられるデータだなと思ったので、いいデータだなと思いました。

 

○池添委員

 その点に関して言うと、 24 ページとか 27 ページで、法定年休で処理したいという会社の割合が結構高かったり、あるいは労働時間の削減を頑張りたいと言っているのですが、それは男性育休というような話ではないですね。

 

○駒崎委員

 なるほど。

 

○池添委員

 個別企業が働き方改革全体的な取組の中でやっていきたいということで、それは男性育休を前面に出してやるのがいいのか、全体的に進めるのがいいのかというのは、それぞれの企業さんの価値観も異なるので、一概に政策的にいいとか悪いとか言えないのですけれども、この研究会の趣旨からすれば、果たしてそれでいいのかなという疑問は、まず取っかかりとしてあるので、そういう回答をネガティブなというか、既存の制度の活用とか、時間削減ということを回答している企業の、具体的な男性育休の取組の動向はもう少し知りたいと思っていたのです。

 

○駒崎委員

 そうですよね。先読みになってしまうのですが、資料 1-2 の片方の労働者調査のほうだと、 20 ページに男性の育児休業取得を促進する職場のというところで、育児休業の取得のきっかけというのが出ていて、一番最多の 70 %は、以前より休業の取得を希望していたという内発性がそもそも高かった人という話なのですが、マルチアンサーなのでかぶるのはありますけれども、 23 %で、職場の同僚や上司などから取得を勧められたというのと、会社から取得を勧められた。合わせると 40 %ぐらいなのですよね。やはり内発的に取りたいという人もいるのだけれども、同時に職場からそういったメッセージを送られているという状況が、男性育休取得に結び付くということがあるのではなかろうかと思います。そうであれば、この企業のほうの、特に実施していない 85 %というのは、そこにギャップがあって、もったいないのではないかなと思います。

 

○池田委員

 その年休取得とか、残業削減ということの延長線上に、男性の育児参加という問題が本当にゴールとしてあるのかというのは、今までの議論を総合すると、ちょっと補助線が必要かなと思うところがあります。例えば年休と育休だと、取るに当たっての準備の仕方とか、年休は取れたら取るわというニュアンスが強いので、結果的にいろいろな仕事の業務のことで隙間があったから、年休を取って出産に立ち合いましたという休み方と、育休となると、事前申請して、取る時期を決めて、そのために仕事の調整を付けて、ということになるので、年休を消化しましょうという話の先に、男性の育休参加が進むかどうかというのは極めて成り行き任せ感が強くなるということがあります。前回、前々会の研究会でそういう議論があったと思うので、大きな働き方改革の文脈に乗っていれば、何とかなるというのは、ちょっと楽観的過ぎるかなという印象があります。

 もう 1 つ言えば、残業についても、例えば総日労働時間が 36 協定の 45 時間に治まっていても、毎日 2 時間残業ありの職場だと、保育園のお迎えに行けないです。保育園のお迎えという育児参加を促すためには、定時退勤日が何日あるかという話ですから、法定労働時間で 36 協定の 45 時間の中に収まっている中の時間のやり繰りが問題になるので、そういう意味で言うと、今の働き方改革の残業の部分でも、その勢いでずっと、日々残業が 0 になれば別ですけれども、我が社は残業時間を 45 時間から 30 時間に削減しましたということは、即座に男性が保育園のお迎えに行ける日が増えたということには帰結しないですから、そういう意味で、やはり何となく、やれる範囲でやってくださいねみたいな、特に会社としては面倒見ませんけれども、というようなニュアンスに捉えたほうが、実情に近いのかなという感想です。だから特に何もしてないですよということと整合するのかなというように、私はデータを読みました。

 

○池添委員

 企業の本音としてはどうなのですか。

 

○座間委員

 ある程度の規模の会社であれば、部門によっていわゆる仕事の質とか内容によって文化が違います。ある程度小規模の会社でも、職種によって考え方、課題などが地域によってもものすごく違っていると思います。今、皆さんがおっしゃっていることはそのとおりだと思うのですが、あまりにもばらばらなものの、どこにフォーカスを当てるかということで考え方が変わってくると思います。

 例えば、今回のこの研究会の趣旨が、男女ともに活躍するために、積極的に育児に関わる男性が増えることで、日本の少子化、労働力、いろんなところに変化を与えようというテーマですので、そうだとすると、全体の底上げというよりは、ある程度頑張りたいけれども、もう一息伸ばすところとか、更に伸ばすところとか、どちらかというと平均よりは意識の高いところを更に高めようというような仕組みになると思います。そうではなくて、そもそも育児は女性だけのものではないのだと。男性も育児をするものだという、そういう認知を更に高めようとなると思います。

 今まで行政としてもいろいろお取組をされていた中、こんな言い方はすごく失礼なのですが、それでもまだどこか他人ごとであって、自分ごとには思えない方たちが、どうも社会には多いように感じる場面もあります。それであれば、もっと別の取組になると思うのです。したがって、有給休暇等、労働のいわゆる見直しですという話ですと、今お話した後者のところになりますし、もっと積極的にという駒崎委員のお話は、もっと上の部分を上げようとなります。どこにフォーカスするかということで、変わるのではないかなというのが、私の思っているところです。

 実は先日、社内の生活調査をしている研究部門がありまして、一般の地方の方の生活環境を調べるという研究テーマの話を聞く機会がありました。幾つかの中の 1 つとして、仕事と育児の考え方というテーマがありました。その中で、北陸の結果だったのですが、平均として共働きは非常に多い地域にも関わらず、育児を男性にさせるのは格好が悪いと思っている。育児は女がするものであって、家事等を男性にさせるなんて最初から思っていない。仕事をしていてもそれは女の仕事だと、そう思っている方というのがほとんどであって、男性も育児をしたいとか、一緒にやりたいという意見は全く出なかったそうです。少人数を対象とした調査でしたが、そのような結果でした。ですから、そういう方たちにも認知してもらうのか、都心で本当に困っている人にターゲットを当てるのか、ある程度ターゲットを決めないと議論が深まらないなと思います。

 

○駒崎委員

 今のお話を聞くと、補完性というか、重ねるような形ですけれども、結局企業としては、働き方改革は政府からも言われているし、人手不足だし、しなきゃいけないよねと。では、残業時間を減らして長時間労働から脱しようというところのレベルで、働き方改革のその向こうのイメージは、描けていないのではないかなと思うのですよね。残業を減らそうとなっていて、働き方改革をすると、こういうふうに素晴らしい生活が待っているんだよと。理想の働き方と、理想の人生を一緒に実現していこうよみたいな感じではなくて、取りあえず残業するなよという形で終わってしまっているのではなかろうかと思うのです。ある意味政府もそうかなというところが少しあって、生産性向上のために働き方改革という感じなのですが、それによって我々の生活がどのように豊かになっていくのか、どのように、より素晴らしい生活になっていくかというようなビジョンに関する話というのは、確かに少し置いていかれていたというところがあるので、そうした議論をもっと盛り上げてもいいのかなとは、自戒の意味も込めて思うところでした。

 

○池添委員

 法律の政策の話としては、 1 つの規定を何か新しく作ったり、あるいは変えたりしたときには、真ん中をいくしかないと思うのです。だから、バリエーションがある休暇・休業制度を様々設けましょうといったときにも、ターゲットはここというより、大体世間一般、真ん中はここら辺というところを定めなくてはいけないので、例えば地域性とか、おっしゃっていた企業のカルチャーとか、様々なことを全部引っくるめるわけにはいかない話で、そこをどうするのかとなります。今駒崎委員がおっしゃっていた、政策的にやるべきことはターゲットを定めて、ある程度これぐらいはお願いしますということをやらなければいけない。

 それとの関連で、平行して、多分政策的な働き方改革の向こう側にある具体的なイメージ像とともに、その価値観が将来の日本の社会にとってどのぐらい大事かということを、周知啓発していくような取組を、具体的な法律改正とか、政策議論とともに、一緒にやっていかなくてはいけなくて、法律改正できるところというのは、多分技術的に限りがあると思いますので、できるところはやっていく。それぞれの関係する主体に対して、言葉はよくないかもしれないですが、たき付け方をしていくのかという。民間企業さんとしてはできることはこれぐらいだったら、本当は 5 割増しぐらいでいきたいけど、今回 2 割増しぐらいとかいうのを、少しハードルを上げる形でやっていくとかですね。

 何か政策的な、将来的な価値観を現実的に落とし込めるのだったら、法律の中に入れたらいいし、そうではない部分は、もうちょっと周知啓発のほうで喚起していくような取組を一緒に平行してやっていったらよいのではないかと思います。

 

○駒崎委員 

池添委員のおっしゃることはよく分かって、おっしゃられるように、たき付け方というのがすごく大事で、実は福祉の世界で最近社会的養育ビジョンというのが出て、これが日本の社会的養護、つまり虐待や親がいなかったりするような子供たちをどうしていくのかということを、ビジョンという形の答申で示しているのです。これは、これまで 70 年間、こういう政策をしてきました。今後の 50 年はこれでいきますという、 30 年ぐらいですね、これでいきますというたき付け方をしているのです。もしかしたら、働き方ビジョンとか、労働ビジョンみたいなものというのを出して、日本において望ましい働き方や労働の在り方というのはこうなんですということを、様々な議論を通じて出たものを出す。

 恐らくそれは AI やあるいはテレワーク、 ICT が非常に進化したときにおいては、働くというのはこういうふうになっています。今は想像だにつかないかもしれないけれども、我々が働くというのは、実はこうなりますと。それは 1 つの会社に勤めながらも、幾つもの職業を持っていたりであるとか、あるいはフルタイムという仕事の仕方だけでなく、週 4 正社員というものがあったり、週 3 正社員というものがあったり、あるいは中間労働的なものも含めて、働くんですよというような形で、非常に労働や働き方というものが、未来はこのようになっていてほしい、あるいはさせしめるんだみたいな決意とともに、そういった絵を描いていくことは、よりそういう議論をしていって、もしかしたら、必要になってくるのではなかろうかなということを、たき付けという話で思いました。それを実現するために、このような法律が必要ですね、というように下ろしていくというやり方はあるのではなかろうかと思います。

 

○座間委員

 よろしいでしょうか。今の御意見は非常に賛同いたします。恐らくいろいろな将来のビジョンを描くような取組はもう既にあって、何かそういうのは検討会等で示されているとは思います。しかし、現実の環境とすごく差があり過ぎると、他人事になってしまうところが、非常に悲しいところです。ちょうどよい加減で想像できる未来だと、もう少し具体的に、できるかもとか、あっ、そうだなとか、共感を持てると、企業も社員もというか、国民全部がもっと賛同できるということには、非常に共感いたしました。

 

○池添委員

 企業さんにとって足下を見て、取り組んでいけるメリット、取り組んでいくとこういうメリットがあるんだというのを、もっと提示していけるような何かを示せれば、たき付けるというと、言葉は悪いので誘導という言葉に変えさせていただきます。

 

○座間委員

 国としてどうして必要なのかというような必然性みたいなところですかね。企業となると、やはり最終的には国に言われたからやってますというよりは、解釈して自社内ではこういう課題だから、国のこれと合うみたいな言い方にはなるとは思います。当社は違うとか、関係ないとか、思うような組織を減らすという意味で、今の御提案というのは非常に意義があると思います。

 

○武石座長

 いろいろな話になっているので整理をすると、労働者調査も御報告していただいた後に、両方合わせた議論のほうがよさそうなので、労働者調査の御報告を頂いてよろしいですか。大きな話になってきていますが、調査のほうを今日はメインにやりたいので、ご報告お願いします。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 労働者調査について説明いたします。タブレットの資料は 04 、資料 1-2 、労働者調査結果の概要です。前提として、こちらの報告の内容に関しては、単純集計のものと、一部分析のためにクロス分析をしている箇所があります。報告の内容は、 1. 回答者の概要、続いて 2. 末子出産前後の状況として、育児や家事の分担内容や里帰り出産の状況について確認しております。 3. で、育児を目的とした休暇・休業の取得の状況。 4. からは分析になりますが、男性の育児休業取得に関する分析として、 6 つの項目を掲載しております。 2 ページ目は、目次の続きです。 5. 配偶者等の関係から見た男性の育児参加状況、 6. 夫婦間のコミュニケーションと女性のキャリアについての分析になります。

4 ページ目を御覧ください。こちらは、労働者調査の実施概要です。今回の調査では、年齢 20 代~ 40 代までの正社員・職員を対象に調査を行っております。末子が満 1 歳以上満 3 歳未満の回答者を対象にしており、男性 2,000 人、女性 1,000 人を対象に、インターネットのモニター調査を行いました。有効回答数は、男性 2,062 人、女性 1,032 人となっております。

 調査の結果について説明いたします。 7 ページを御覧ください。こちらは、回答者の属性です。年齢、婚姻状況、お子さんの人数、末子の年齢は掲載しているとおりです。 8 ページは、業種・職種の単純集計です。

9 ページからは、末子出産前後の状況です。 10 ページです。こちらは、末子妊娠判明時の仕事の状況です。図表 7 が、末子妊娠判明時の雇用形態、図表 8 が末子妊娠判明時から現在までの就労状況となっております。男性・正社員については、 n の値が間違っておりまして、 n=2,062 が正しい数字になりますので、訂正いたします。図表 8 を御覧いただきますと、末子妊娠判明時から現在までの就労状況については、「男性・正社員」は「同じ会社の同じ部署で継続して働いている」が 79.2 %、「女性・正社員」は「同じ会社の同じ部署で継続して働いている」が 64.1 %、「同じ会社で働いているが、部署が異動したり、就労形態が変わったりした」が 22.3 %となっております。

11 ページは、家事・育児分担の考え方について集計をしております。図表 9 が、末子妊娠判明前、及び現在の家事分担の考え方、図表 10 が、末子妊娠判明前及び現在の育児分担の考え方になります。図表 9 を御覧いただきますと、「男性・正社員」では「末子妊娠判明前」、「現在」いずれも、「自分と配偶者が同程度担うべき」が 5 割程度となっています。「女性・正社員」のほうでは、「末子妊娠判明前」は「自分が主で、配偶者が一部担うべき」と「自分と配偶者が同程度担うべき」がいずれも 4 割程度となっていますが、現在を見ますと「自分と配偶者が同程度担うべき」が 6 割となっています。図表 10 、育児分担については、男女とも「末子妊娠判明前」から「自分と配偶者が同程度担うべき」と考えている人の割合が 5 割を超えています。

12 ページは、具体的な家事の分担の内容についての集計です。図表 11 が、末子妊娠が分かる前の家事分担内容、図表 12 が、現在の家事分担内容になります。図表 11 を御覧いただきますと、「男性・正社員」では「ゴミ出し」をしている割合が最も高くなっております。図表 12 を御覧いただきますと、末子妊娠が分かる前と比べてあまり変化がないという状況です。 13 ページが、育児の分担内容です。図表 13 が、末子妊娠が分かる前の育児分担内容です。回答者については、子どもが 2 人以上の回答者となっています。図表 14 が、現在の育児分担内容です。図表 13 を御覧いただきますと、「男性・正社員」は「遊ぶ」と回答した割合が最も高くなっております。また、現在の育児分担内容を見ますと、「男性・正社員」において「食事をさせる」、「寝かしつける」、「おむつの交換やトイレの助け」、「泣いたときや機嫌の悪いときにあやす」の割合が、末子妊娠判明前と比べて 5 ポイント以上高くなっています。

14 ページは、里帰り出産の状況について集計をしております。図表 15 を御覧いただきますと、里帰り出産に「該当する」かどうかについては、「男性・正社員」の回答者で 36.7 %、「女性・正社員」の回答者で 41.9 %が里帰り出産に「該当する」としております。図表 17 と図表 18 を御覧いただきますと、里帰り出産の有無別に、男性の休暇・休業の取得状況や、育児参加の状況についてクロスをしております。こちらを御覧いただきますと、あまり里帰り出産の有無による差は見られないという状況になっております。

15 ページからは、育児を目的とした休暇・休業の取得状況について、単純集計結果になります。 16 ページは、休暇・休業の取得状況です。図表 19 に、男性の制度ごとの取得率を示しております。「育児休業制度」については、回答者 2,035 人のうち 8.2 %が、育児休業を取得している状況です。また、図表 20 を御覧いただきますと、「育児休業制度」について「制度を利用したかった」という割合は、 35.3 %となっております。

17 ページは、どの時期に休暇や休業を取得したかというものです。図表 21 は、「育児休業制度」や「年次有給休暇制度」ともに、「末子出生後 8 週間以内」に取得したという回答が最も高くなっております。図表 22 は、妻がどういった状態のときに休暇・休業を取得していたかを調査しております。「妻が退院するとき」に「取得した」という割合が 54.2 %、「産後、妻が産院にいる間」に「取得した」が 46 %となっています。「取得したかったが取得しなかった」という割合は、「妻の退院後、数日間」で高くなっており、 28.5 %となっております。

18 ページは、休暇・休業の取得期間、日数です。図表 23 に、各制度ごとの取得日数を掲載しております。「育児休業制度」の平均取得日数は、 26.2 日となっています。また、図表 23 の一番下の行「上記の休暇・休業制度の合算」は、いずれかの制度を 1 つでも取得した方を対象に、どれだけ取得日数があったかを集計しております。そちらの平均取得日数は、 13.1 日となっております。また、図表 24 を見ていただきますと、いずれかの休暇・休業を取得した人の取得日数の分布を見ています。「 3 日以内」の割合が 43.1 %と最も高くなっている状況です。

19 ページ以降は、男性の休暇・休業取得に関する分析を行っております。 20 ページは、男性の育児休業取得を促進する職場の要因についてです。図表 26 を御覧いただきますと、育児休業の取得のきっかけとして、職場の要因としては、「職場の同僚や上司などから取得を勧められた」が 22.9 %。「会社から取得を勧められた」が 17.1 %となっております。図表 27 は、育児休業取得者の職場で行われていた取組は、「所得の保障」が 45.5 %で最も高くなっています。続いて、「人事からの周知」が 35.9 %となっております。

21 ページも、職場の要因に関する分析になっております。図表 28 では、職場の同僚に休暇・休業を取得した人がいたかどうかを調査しております。育児休業取得者の職場では、育児のための休暇・休業を取得した同僚や上司がいた割合が比較的高くなっており、育児休業取得者のうち 25.7 %が「男性の上司が取得していた」と回答しています。図表 29 では、男性が育児休業を取得しなかった理由を掲載しております。職場の要因を理由とする回答の割合が大きく、「育児休業を取得しづらい雰囲気」だったが 33.7 %、「業務が繁忙で職場の人手が不足していた」が 38.5 %となっております。

22 ページは、休暇・休業の取得と、休暇中に何を行っていたかというものです。図表 30 が、休暇・休業の取得時期別に見た、休暇・休業中に行ったこと、図表 31 が、図表 30 の内容を更に休暇・休業日数別に見た「休暇中に行ったこと」です。図表 30 を御覧いただきますと、「末子の世話」をしたという割合は、 8 週間以内に取得したで 32.8 %。 8 週間~ 1 2 か月に取得したで 45.9 %。「妻が復職した時期」に取得したで 57.1 %となっております。さらに図表 31 は、末子出生後 8 週間以内に取得した休暇・休業の日数が「 7 日以内」の場合、「末子の世話」をする割合は 29.2 %と、他の日数と比べて低くなっている状況です。 23 ページも、休暇・休業の取得状況別に見た、休暇中に行っていたことをまとめております。図表 32 は、取得のタイミング別に見た、休暇・休業中に行ったことです。特徴があるのは、休暇・休業中に行ったこととして、「末子の世話」をしたという割合は、「妻が復職するとき」に最も高く 57.1 %となっています。

24 ページからは、休暇・休業の取得がその後の家事・育児にどのような影響があるかという分析です。図表 33 は、休暇・休業取得状況別に、育児への意欲の高まりを見ますと、育児休業を取得した回答者の 48.5 %が、「育児への意欲が高まった」としています。育児休業を取得していないが、何か他の休暇休業を取得した人たちと比べると、 10 ポイントほど差があります。図表 34 は、休暇・休業の期間別に「育児への意欲が高まった」とする割合を見ています。休暇・休業が長いほど、「育児への意欲が高まった」とする割合が高くなる傾向になります。「 1 か月より長い」場合は、 58.1 %が「育児への意欲が高まった」としています。

25 ページも、休暇・休業後の家事・育児参加についてです。先に図表 36 を御覧いただきますと、こちらは育児休業の取得状況別に見た現在の育児分担の考え方です。育児休業を取得しているグループでは、「自分がすべて担うべき」、「自分が主で配偶者が一部担うべき」とする割合が、他と比べて高くなっています。また、図表 35 から 36 の変化ですが、図表 35 が末子妊娠判明前の育児分担の考え方ですので、末子妊娠判明前から現在への変化を見ますと、育児休業を取得している回答者層ではあまり変化が見られないという状況で、もともと育児分担への考え方がこのような考え方があったと考えられます。

26 ページは、育児分担の考え方について、休暇・休業の日数別に見ております。図表 38 を御覧いただきますと、休暇・休業の日数が 1 か月よりも長い場合、「自分がすべて担うべき」、「自分が主で配偶者が一部担うべき」とする割合が、他と比べて高くなっております。図表 37 が、末子妊娠判明前の育児分担の考え方です。図表 37 から図表 38 への変化を見ますと、休暇・休業の日数による変化の傾向はあまり見られない状況です。

 引き続き 27 ページは、休暇・休業の取得状況別に見た休暇・休業後の家事・育児参加です。図表 39 を御覧いただきますと、取得のタイミング別に見た育児への関わりの度合です。こちらを見ますと、全体と比較して「妻の育児休業期間中」に取得した場合や、「妻が復職する」ときに取得した場合に休暇・休業を取得している層で、育児について十分関われていると思う割合が高くなっております。また、図表 40 では、育児について十分関われていると思う回答者層と、そうではない回答者層が、休暇・休業中に何をしていたかを見ますと、十分関われていると思うという層では、「日々の家事」や「末子の世話」において差が見られるといった状況です。

28 ページからは、休暇・休業の取得と休暇・休業後の仕事との関係を見ております。図表 41 を御覧いただきますと、取得のタイミング別に見た男性自身の変化として、仕事に関する意識がどのように変わったかを見ています。「妻の育児休業期間中」に取得した層で、「仕事の効率化を考えるようになった」、「会社に仕事で応えたいと思うようになった」とする割合が高くなっております。また、「妻が復職するとき」に取得している層においては、「早く家に帰ることを意識するようになった」、「より多くの休暇を取得するようになった」とする割合が高くなっております。図表 42 を御覧いただきますと、休暇・休業期間別に見た男性の変化です。休暇・休業期間が長いほど、「より多くの休暇を取得するようになった」、「会社への帰属意識が高まった」、「会社に仕事で応えたいと思うようになった」とする割合が高くなっております。

29 ページです。図表 43 は、休暇・休業の期間別に、現在どのような、効率的な仕事のための工夫をしているかを見ております。一番下の「特にない」の割合を見ていただきますと、休暇・休業の期間が長いほど割合が小さくなっていることから、休暇・休業の期間が長いほど何かしら工夫を行っている割合が高くなっている傾向にあるといえます。また、休暇・休業の期間が「 8 日~ 1 か月以内」で、「業務の優先順位付け」や「スケジュールの供有」の割合が高くなり、 1 か月より長いと「業務の棚卸し」、「業務の分担の調整」の割合が高くなっております。図表 44 を御覧いただきますと、休暇・休業の期間が長いほど、「仕事にやりがいを感じる」ということについて、「そう思う」割合が高くなっております。

30 ページは、男性の育児参加とキャリアの関わりを見ております。図表 45 を御覧いただきまして、休暇・休業から職場に戻った際に不満に感じた変化を見ていきますと、育児休業取得者の 17.4 %が、「帰宅時間を配慮されるようになった」ことを不満と感じているとしています。図表 46 は、育児への関わりと仕事のやりがいの相関になります。「育児に十分関われている」と思うほど、「仕事にやりがいを感じる」割合が高い傾向になっています。

31 ページは、男性の育児休業に関する分析として、男性の育児休業取得が出産意欲に与える影響を分析しております。 31 ページの図表 47 48 は、休暇・休業の取得状況別に何人のお子さんを持ちたいと思うかということの分析です。右側の図表 49 50 は、休暇・休業の期間別に見た出産意欲です。図表 47 48 を御覧いただきますと、育児休業を取得している場合、現在子どもが 1 人の回答者は、「もう 2 人の子ども」を、現在子どもが 2 人の回答者は、「もう 1 人の子ども」を希望する割合が高くなっております。休暇・休業期間別に見ますと、 1 か月より長い休暇・休業を取得している場合に、現在子どもが 1 人の回答者は「もう 2 人の子ども」を、現在子どもが 2 人の回答者は「もう 1 人の子ども」を希望する割合がやや高くなっております。

32 ページからは、配偶者との関係から見た男性の育児参加です。 33 ページを御覧ください。こちらは、配偶者の就労状況別に見た男性の家事・育児参加状況です。図表 51 は、配偶者の就労継続状況、図表 52 は、配偶者の雇用形態です。図表 53 は、配偶者が就労を継続している場合、平日の家事・育児時間が 1 時間以上であるという割合が高くなっております。図表 54 を御覧いただきますと、配偶者が就労を継続している場合、「育児に十分関われている」とする割合が高くなっております。図表 55 では、配偶者の就業継続状況別に見た、末子妊娠判明時から現在までの男性の育児分担の考え方の変化を掲載しております。御覧いただきますと、育児分担の考え方の変化に対して、配偶者の就労継続状況はあまり影響をしていないということになっております。図表 56 を御覧いただきますと、配偶者が同じ会社で就労を継続している場合、育児休業を取得する割合が高くなっております。

 続いて 35 ページです。図表 57 に、末子妊娠中の夫への休暇取得の希望の有無です。図表 58 に、希望していた場合のその理由を掲載しています。末子妊娠中に、夫に対して休暇取得の希望があったかどうかを、女性の回答者に聴取しています。それによると、「夫に取得してほしかったが取得しなかった」が 11.6 %となっております。図表 59 を御覧いただきますと、女性回答者に夫に育児休業や有休を取ってほしかったかどうかを聞いております。それを見ますと、 19.2 %が「育児休業を取得してほしかった」と回答しています。

36 ページは、女性の回答者にどのタイミングに夫に取得してほしかったかを聴取しております。図表 60 を御覧いただきますと、「妻の退院後、数日間」において「夫に取得してほしかったが取得しなかった」の割合が高くなっており、 26.0 %です。図表 61 に、男性回答者本人と、女性の回答者が夫に対して感じた夫の変化を掲載しております。こちらを見ますと、男性の回答者よりは女性が回答する場合に、「家事への抵抗感がなくなった」、「早く家に帰ることを意識するようになった」などと回答する割合が、やや低くなっています。

37 ページは、男性の育児参加と女性のキャリアについての相関を見ております。図表 62 では、女性が夫婦の育児分担に満足しているかどうかという状況別に、女性の復職状況について調査・分析しております。御覧いただきますと、夫婦の育児分担の満足について、「そう思わない」と回答した女性において、「復帰時期を、計画したが計画どおりに復帰できなかった」とする割合が 26.6 %と高くなっております。図表 63 は、育児分担の満足について、「そう思う」と回答した女性において、女性が希望するキャリアが「ほぼ実現できそう」、あるいは「まあ実現できそう」とする割合が高くなっております。

38 ページ以降は最後のテーマで、夫婦間のコミュニケーションと女性のキャリアについての分析です。 39 ページを御覧ください。こちらは、妻のキャリアについての話合いの単純集計です。図表 64 は、男性回答者の回答内容で、図表 65 が女性の回答です。図表 65 を御覧いただきますと、女性回答者では 7.1 %が、夫婦間で「妻のキャリアについてよく話し合った」。 28.3 %が、「まあ話し合った」と回答しております。図表 66 を御覧いただきますと、夫に対してキャリアの希望を「伝えたことがあり、夫は協力的である」が 30.9 %。キャリアの「希望を伝えたことがあるが、夫はあまり協力的ではない」が 13.2 %。「希望を伝えたことがない」が 47.5 %となっております。

40 ページは、 39 ページで見ていただいた妻のキャリアについての話合いの状況と、女性の復職状況の相関を見ております。図表 67 を御覧いただきますと、妻のキャリアについての話合いの程度が高いほど、「妻はすでに復職したり、働き始めたりしている」という割合が高くなっております。図表 68 を御覧いただきますと、妻のキャリアについてよく話し合ったという女性で、復職時期が 1 年以内である割合が高くなっております。図表 69 を御覧いただきますと、妻のキャリアについての話合いの程度が高いほど、「復職時期を計画しており、計画どおりに復帰をした」割合が高くなっております。

41 ページは、妻のキャリアについての話合いと女性の仕事のやりがいの相関を見ております。図表 70 を御覧いただきますと、妻のキャリアについて「よく話し合った」というグループにおいて、仕事のやりがいについて、「そう思う」とする割合が特に高くなっております。図表 71 を御覧いただきますと、夫にキャリアの希望を伝えたことがあり夫は協力的である場合において、仕事のやりがいについて、「そう思う」という割合が高くなっております。労働者調査の結果については以上です。

 

○武石座長

 いろいろな角度から分析していただいたので、育児休業を取った男性の状況やその後の家事・育児への参加状況、最後の「妻」は女性の調査ですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 そうです。

 

○武石座長

 いろいろと見ていただきました。先ほどの続きでも結構ですので、両方の調査を併せての御意見でも結構ですので、お願いしたいと思います。

 

○池田委員

 男性が子育てのために休んで何をしているかということでいうと、妻の出産の立会いと産院の退院となると、日数が短くて当然だし、育休をわざわざ取らなくて当然だし、そのために会社が全社を挙げて何かに取り組むというより、個別の職場で、休めたら休ませてあげてくださいという話になって当然だと思います。

 そうすると、企業調査のほうも「男性がどういった目的で取るか」というところでそういう結果が出るし、労働者調査のほうもそういった結果が出ています。それが、本当にそういうことであれば、わざわざ育休ではなく年休でいいと言えるかどうかを、まずデータ上確認してみる必要があるのではないかと思います。

 雇用均等基本調査でも実際に育休を取るのは 5 日未満という人がマジョリティですから、その人たちはわざわざ育休を取ってみたいというちょっと変わった人たちで、そうではない人たちは通常年休を取りますよねとなると、せっかくデータを取ったので、まず、そこの事実認識をきちんとしておいたほうがいいと思います。データを全部見きれてはいないと思いますが、感触としては、その辺はどうですか。育休を取るという人は、妻のほうにそれなりのキャリアがあって、妻の復職のためにとか、そちらのほうが。ヨーロッパなどでも、きちんとした育休を取るというのはそういうことで、出産前後というのはいろいろな人が混じっていて、わざわざ育休でなくてもいいという話になるのでしょうか、どうですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 もともと意識が高い人が育休を取っていて、変化があまりなかったということも考えられます。、妊娠前から意識が割と高い方が取っているということが結果から見えているのかなとも思います。「特殊層」とおっしゃいましたが、そういうグループがいるのではないかという印象がありまして、担当者間でそういう話をしていました。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 労働者調査の 16 ページを御覧ください。図表 20 に、各制度の取得の有無と同時に、取得しなかった場合にはどの程度の希望があるかを聴取しており、育児休業については取得者が少ないので、「希望している」という割合が 35.3 %と高くなっていますが、有休については 50.8 %が取得していて、更に 23.1 %が取得を希望しているという状況です。この辺りで、取得のニーズについてのデータはあるというところです。

 

○池田委員

 その期間は何をして過ごしたかということで、制度の利用とその中身をうまくクロスさせると、どういったアプローチで、これから男性の育児参加を促進していくかということの手掛かりになるのではないかといます。

 

○武石座長

23 ページの期間とタイミングと何をしていたかのクロスですよね。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 はい。

 

○武石座長

 私が驚いたのは、「末子の世話」が少なくて、何をしているのかという感じです。休暇を取って、末子の世話が半分以下です。

 

○池田委員

 産後 8 週以内、出産直後の時期だと末子の世話というより、周辺的な日々の家事のほうが高くて、子供周りのことのほうが多いのではないでしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんと一緒にいる、あるいは産院ですと、助産師がお母さんと離れた所で寝かせていてというようになります。

 

○武石座長

 ただ、 8 週間、 1 2 か月以内とか、妻が復職するときでもですから、何をしているのでしょうか。

 

○池田委員

 ここは項目同士の相関も見てみたいですね、全体としてどういう行動をしているのかを見たいと思います。

 

○駒崎委員

 生まれたばかりのときは 2 時間以内に目を覚ましたりするので、その都度ミルクをあげたりするから、そこはやるよねと思うと、おっしゃるように何をしているのか分からないというのはあります。「病院への付添いや面会」というのはしますが、そんなに毎日はないから、もう少しやろうよと感じはどうしても印象としては持ちます。

 

○池添委員

 お子さんが生まれた後は、お母さんと赤ちゃんが一緒にいて、手を離せないからいろいろなことがあるから、周辺的な日々の家事をやってくれというので、「付添いや面会」に続いて「日々の家事」の割合が比較的高めに出ているように思うので、家の中が大変だから周辺的なことをやってということなのかなと思います。

 

○座間委員

 私の部下が育児休職を 3 週間ぐらい取ったのですが、妻と一緒に子供の面倒をみていたということで、子供の面倒をみる妻のサポートをしたということでした。例えば夜一緒に起きて明かりを付けたなどです。「世話をする妻のサポートをした」という項目がありませんが、一緒に苦労して、非常にいい経験だったと思っているのかなと思いました。

 

○駒崎委員

 ピンでデビューしてほしいですよ、ピンでできるように育児参加してほしいです。

 

○座間委員

 今、デビューしたかまではフォローできていないのですが、初めての子供だといきなりは分からないので、新しい家族ができたプロジェクトに共に参加するというような感じだけれども、自分はちょっとサポートというような感じでした。そのような話を聞きました。

 

○駒崎委員

 アシスタント的な存在になってしまっている感じですね。

 

○池添委員

 奥さんの立場にしてみれば末子とはいえ、そばにいてもらって安心感があるというのは、世の中的には産後鬱の話なども取り沙汰されているので、そうした精神的な安定という目に見えない価値もあるのかもしれないです。

 

○座間委員

 例が少ないことをあまり言うのもと思いますが、「非常によかった」と満足気に語っており、奥様も満足しているということでした。そういう例もあります。

 

○池添委員

 駒崎委員は反論されるかもしれませんが、そうだとすれば、全面的に男性がピンで育児に関わるというよりもサポート的な立場で、池田委員もおっしゃったような、年休を取る形でもピンポイントのセットアッパー的な感じでもやれればいいのかなとも思います。

 しかも、 35 ページにありますが、 7 割ぐらいの奥さんが「別に旦那に育休取ってもらわなくてもいいや」と。実際に取っていなということもあって、奥さんがそんなに望んでいないのなら、適度な距離感でサポートできるならいいのかもしれないので。それは池田委員が先ほどおっしゃった、事実認識としてそこは見極める必要があると思うので、一概に数字が一人歩きしてもよくないと思います。

 

○駒崎委員

 でも、 31 ページの「男性の育児休業取得が出産意欲に与える影響」からすると、育児休業を取得した場合においては「もう 2 人の子ども」がほしいということで、第一子以降の出産意欲を語っているわけなのです。それは、「いずれの休暇・休業も取得せず」という人が「もう 2 人ほしい」というのが 9 %にすぎないということを考えると、 2 倍の効果が出ているということなので、出産意欲には顕著な影響を与える。特に、 1 か月より長い場合は、多くのポジティブな影響があるということを鑑みるに、日本の少子化対策という文脈においては、男性の育児休業取得がやはり望ましいのではないかという立案をここではできるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○座間委員

 図表 57 の解釈について、周りに両立している女性社員の点から聞くと、「夫に取得してほしいと思っていないし、実際に期待していない」という声はたくさんあります。このような働き方で、今までの状況を見て、とても夫に協力してもらえるとは思わないと。「下手に期待して裏切られたほうが自分は失望するので、端から期待しません」という人も、多いかどうかは分かりませんが、正直聞いたことはあります。だから、このデータを単純に少ないから期待していないと解釈するのは、今の日本の現状から見ると、少し危険な部分もあるのかなと思います。

 これ以上の調査がないので、ここからは推察になりますが、少し複雑に捉えたほうがいいような気がいたします。

 

○駒崎委員

 それはあります。最初から、いると思って期待すると失望するから、いないと思っているという感じの言い振りというのは、いろいろなインタビューでも出てきていて、期待の切下げという現象は起きがちです。

 

○座間委員

 特に、女性のメンタリティとしては、そういう解釈はをしやすい人が、女性には平均的には多いような気が個人的にはしております。

 

○武石座長

 駒崎委員がおっしゃった出産意欲というのは男性の回答ですよね。 1,000 人の女性のデータで、夫が育児休業を取ったかどうかでのこのデータは分かるのですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 女性の回答者 1,000 人のうち、配偶者が育休を取っているというのは 5 %未満で、更にそれを子供の人数で分けていくと、かなり n が少なくなるというのがありまして、今回は掲載していない状況ですが、クロス集計をすることは可能です。

 

○駒崎委員

 これは男性があと 2 人ほしいと勝手に思っているということなのですね。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

そうです。男性側の回答です。

 

○駒崎委員

 女性がどう思っているかは分からないということですね。

 

○武石座長

 育休を取っている男性が、子供をたくさんほしいとか、自分も子育てに関わりたいとか、そもそもが違うタイプの人なのだというのは、データから何となくありますよね。そこについて、そもそも違う人だと言ってしまうと、そうではない人たちにどうアプローチしたらいいのかということになるので、そもそも違わない人たちがどういうきっかけで育休を取るようになったかとか、本当はそういうのが分かるといいかなと思います。先ほどの「上司に言われた」「会社からの支援があった」というのがきっかけになっているというところであれば、それは施策につながると思います。

 

○池田委員

 男性が産院に行ったり、出産の立会い、入退院の付添い、家事周りのことは、役割期待としてある程度はある。

 あとは、実質的な子育てへの関わり方というのは、例えば母子関係がすごく強い家庭と、父子関係に対して積極的な家庭と、夫婦でやっていきましょうというときの夫婦関係の良し悪しとか、いろいろな要因が関わる話で、産後の 1 週間ぐらいから産後 8 週ぐらいまでの間というのは、いろいろな人が参加しているので、その辺はない交ぜになっているというのが実情ではないかと思います。とにかく、お母さんのほうの子供に対する愛着の強さ、お父さんの生まれたばかりの子に対する愛着の強さというのは一様ではないですから、別に夫になんか手伝ってもらわなくていいという人もいるし、逆に男性のほうにだって、最初からグイグイ行きたい人もいれば、様子見で、赤ちゃん、どうしたらいいのかという人もいるので、ただ、ご飯を作らなきゃいけない、洗濯物を干さなきゃいけないとか、家事に関しては実質的なニーズがあると思います。だから、そこの部分と産院などの諸手続で、そこはニーズがあるとはっきりと言い切ってしまっていいのではないかと、データから思います。潜在的なニーズも含めてです。

 夫に期待されてあとはさっき言った、諦めているとか期待するとかじゃなくて、役割としてはあるでしょうというのは、産後の 8 週までの間についてはそうだと思います。

 あとは、そこに、どういう制度でどういう期間をはめ込んでいくかというところで、今のところは短い人も長い人も、あまり差がないですね。だから、短い人はそれなりに短い間で家事をやっているし、長い人はもっと長い期間家事をやっているしということです。

 

○駒崎委員

 今の話とは関係なくて恐縮ですが、クロスしてほしいと思うのが一番最後のコミュニケーションのセクションで、よりコミュニケーションを取ってほしいところではあるのですが、これは育休を取った人と取っていない人で、夫婦間のコミュニケーションの差というのは、クロスできないのか、あるのだけれども出していないということでしょうか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 クロスを掛けることは可能です。ただ、時系列の問題がありまして、特にコミュニケーションについては、「最初のお子さんが生まれる前」という聞き方をしています。育児休業については末子について聴取しています。順番が前後している場合があるので、その辺を精査した上でのクロスになると思います。

 

○駒崎委員

 育休を取るような人は、どうコミュニケーションしているのかという感じの言い方になると思うのですが、仮説としては、育休を取るような人は妻とのキャリアについての話合いもしていて、いい感じで満足度があるから、それって、育休はいいよねというようになるのではないかと。夫婦関係にポジティブな影響があるという感じですね。

 

○座間委員

 本質と違う話になってしまうのですが、 30 ページの図表 46 ですが、私が気になったのは育児に十分に関われていないと思っている人の中で、「仕事へのやりがいがない」という人が一番多いというデータが衝撃的で、気になってしまいました。

 労働時間とか、有給休暇取得といったデータは、このときには取っていなかったのでしたか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 週当たりの労働時間を聞いていますし、妊娠前と現在の有休のおおよその取得状況も聴取しています。その当たりは掛け合わせることができます。

 

○座間委員

 ちょっとメインの話ではないので躊躇していたのですが、前向きな方たちの議論もあるのですが、阻害要因的な別の因子が隠れているような気がしまして、データで分かると傍証というのか、メインの話のほかにこういうこともというような、そのような示唆が得られるのではないかという気がしました。

つまり私が思っていたのは、育児に十分に関われていない人が仕事へのやりがいもないと思っているところに、今回のほかのデータから関係性が得られたとすると、そこに育児をしたいけれどもできない人の現状の課題が推察できるのではないかということです。

 

○池田委員

 この手の調査をいろいろやっていると、主観的な判断においては、最近の言葉で言うとリア充ですが、実現できている人とそうではない人の差というのは、結構はっきり出ます。つまり、仕事かプライベートかではなくて、仕事もプライベートも充実している人と、仕事もプライベートも充実していない人と出ます。

 これはもう 1 つ現実的に言えば、端的に言えば、仕事のやりがいが感じられているということは、会社に対するバーゲニング・パワーが強い人ということです。因果を逆にして考えれば、極めて納得できます。

 

○駒崎委員

 因果の矢印の向きですよね。これというのは、育児に関われていないから仕事のやりがいが感じられないのか、仕事のやりがいを感じられていないから育児にも関われないのか、どちらの因果で。

 

○池田委員

 育児にもというのは、先ほど言ったように客観的な要件とすれば、ある程度バリバリ働いて、会社に対して「育児に参加したい」と言ったときに、「いいですよ」と会社が首を縦に振りやすい人が参加している。つまり、我がままを言える人です。そうすると、当然それが言えない立場の人は、子育てにも参加できていないし、仕事も押し付けられたような仕事でやりがいがないというのは、社内の個人の立ち位置の問題としては、当然の如くあり得ることです。

 そうすると、先ほど言った極めて意識の高い特殊な人たちが、どうも育休を取っているようだという話とも整合します。バリバリ社員がバリバリ育児をやっている。ほどほど社員はほどほど育児。

 

○駒崎委員

 そういう可能性もあるし、育児に本当は関わりたいけれども関われないぐらいに長時間労働させられていて、何だ、この仕事、やる意味があるのかなと思ってしまい、本来はやりがいがあるかもしれない仕事も、色褪せて見えるというような心の側面もあるのではないか。どちらなのか。

 

○池田委員

 ワークとライフは二律背反ではなくて、リア充なのです。全体に対してすごく充実感を感じていて、ポジティブな気持ちでいる人とネガティブな人というのは、いろいろな調査を見ると大体そうです。

 

○駒崎委員

 私が思ったのは、育児に関わることができていないから、労働者にとって、プライベートが充実していないと自分の会社の仕事も色褪せて見えてしまうという言説というのは、会社がなぜ男性に育児休業を取らせる必要があるか。男性社員になぜ子育てに関わってもらう必要があるのかというところにつなげられるデータになると思うのです。

 つまり、御社の仕事がいくらよかったとしても、ちゃんとプライベートの時間を充実してもらわないと、社員にリア充をさせないと、このように仕事に対するやる気もなくなってしまうという企業への言説として使えるデータなのではないかと思うのです。

 

○池田委員

 それで言うと、 28 ページの図表 42 ですが、「休暇・休業の期間別にみた、男性自身の変化」という所が、取っていない人をベンチマークで置くと、全く取っていない人、 3 日以内の人と、長くなったときに 1 か月より長いというところがどう出るかなのです。

 

○駒崎委員

 会社への帰属意識が高まった、会社に仕事で応えたいと思うようになったということが、明らかに 1 か月より長い人が 12.2 %で、 3 日以内の人に比べると 3 倍にもなっているから、そういう意味では本当にリア充化することが、会社への愛が深まることになるのだという仮説は傍証できると。

 

○池田委員

 取っていない人を足せたらです。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 図表 42 の設問が「休暇・休業を取得した後の変化」という設問になるので、取得していない人は非該当の項目になります。

 

○池添委員

3 日以内よりもということは言えるわけですね。長く取らせてあげると、生活全体の満足度が仕事に対するポジティブな影響を及ぼす可能性があると。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 はい。

 

○座間委員

 企業にとって、日にちがより長いほうがいいと言うと、また 1 段ハードルが高くなります。ある程度取り組んでいる組織では、更に長くしたほうがいい、そちらを目指しなさいというところではいいと思います。企業の状況が非常にいろいろなので、いわゆるワーク・ライフ・コンフリクトがあると会社にとってもいろいろデメリットもある。かつ、取ったら両方よくなるというように両方あると、企業として納得しやすくなるのではないかと思います。

 

○池田委員

 今の話ですと、少し始めても意味がないということだと思います。これを見ると、会社への帰属意識とか何とか、 1 か月が顕著ですが、その前は 8 日と 7 日以内の所に、グレーの帯と長さの差が出ています。その前が、 4 日から 7 日というのは、 3 日以内と比率の差がはっきりとは出ていなくて、やらないのであったらやらない、やるのであればしっかりやってくださいということです。ありがちなのが、少しお試しでやってみて、うまくなじまないからこの政策は駄目だというのは、テレワークなどもそうですが、意外と見られます。

 

○駒崎委員

 それは少しスパルタだと思うのですが、やるのなら 8 日以上というのは、このデータから言えるような気がします。 8 日以上が目安だよと言うのは言えるような気がします。

 

○池田委員

3 日ぐらい休ませてみたけれども、大して感謝もしないしというのは、そうかなと思います。

 

○駒崎委員

 逆に 8 日以上だったら、会社に仕事で応えたいと思うような人が 9 %なので、そこそこ 10 %弱でいくので、そういう意味では男性産休はありなのだということではないですか。 2 週間以内というのはいい線をいくと。 1 か月より長いと、確かに企業にとってのハードルは高くはなるのですが、ただ、でもかなり効果は出るということがあるので、社員をリア充化させると、会社への愛も高まるというのは、このデータを使って言えるような気がするので、 1 つ武器は手に入れられたような気はするのです。

 ただ、ハイ・パフォーマーになったかどうかは知らないので、そこはちょっとあれですが。ただ、人手不足のこの社会において、会社への帰属意識が高まったりとか、仕事で応えたいと思うようになってくる。つまりモチベーションが上がってくれるというのは、少なくとも悪くないデータかなと思いますから。

 

○池添委員

 でも、この図表 42 では「休暇・休業」となっているので、育休だけではなくて年休との組合せというバリエーションはあり得ますよね。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 そうです。

 

○池添委員

 その組合せはどのような感じなのか。つまり、短かったら年休だけで処理できてしまうから、わざわざ育休という話になってこないです。

 

○池田委員

8 日以上、 2 週間となると、相当取り崩すか、相当未消化をため込むことになるので、そこは年休と代替関係が発生しやすいのは 1 週間以内ではないかと感覚的には思います。

 

○池添委員

 いや、大規模企業だったら、 2 週間ぐらいの連続休暇を、夏休みを取る代わりに、育休として取りたいから取らせてくれということがあるかもしれないと思いました。

 

○池田委員

 なくはないです。

 

○池添委員

 そうすると、労働義務がある日は 5 日間の 2 週だから、 10 日取ればいいわけではないですか。

 

○座間委員

 そういう事例はあると思いますが、 2 週間休むのが、標準な企業というのが、先ほどの現状の割合で見ると、あまりメジャーではないような気がします。恐らく池添委員がおっしゃったようなことはあると思いますが、全体の割合からするとそれほど多くない気がします。

 

○池田委員

 妻の出産直後、タイミング的には里帰りした場合にも里帰りから帰ってくるようなタイミングで 8 日以上をまとまって取って、家事をしたり、端的に言えば育児生活のセットアップという話になるときに、退院の付添いとかいうのは。そこは役割期待などがあって、しかもその期間に少しだったら、普通に風邪をひいて休むような年休と変わらないぐらいだと、それによって帰属意識が高まったりは多分しないでしょう。まとまった期間休ませてもらえると、頑張ろうと思います。お返ししようと思うのかどうか、分からないですけど。

 

○池添委員

 だから、やはり内訳が分かったほうが、育休を取ることによってロイヤリティが高まるというのは言える可能性は出てくるから、そういうのはあったほうがいいかもしれないです。

 

○武石座長

 有休とそれ以外の休暇を分けてということですよね。

 

○池添委員

 そうです。どういう組合せで取っているのかと。サンプルサイズが大分小さくなってしまうかもしれないから、データの信頼性に疑問符が付くかもしれませんが。

 

○武石座長

 この制度で何日と、制度別に取ってあるのですか。

 

○駒崎委員

 それはいいですね。まとまったというのが 8 日ぐらいかなというのが、何となくこれから分かるというのは、よかったと思います。会社からまとまった休みをもらえた感、まとまったという境はどこなのかというのは常に経営者としては思うのですが、 8 日からでいいというのは参考になります。

 

○座間委員

 仕事の効率化を考えるようになったという割合も、非常にその辺りで差がありますので、そういう意味では職場へのメリットというものをすごく分かりやすく実感できるデータかなと思いました。

 

○駒崎委員

 意外に 1 か月より長いときに早く家に帰ることを意識するようになったとか、より多くの休暇を取得とか、仕事の効率化は 36.5 %、 25 %台であるのに対して、 1 か月以内でも早く家に帰ることを意識するようになったが 40 %だったり、この上の 3 つはそんなに差がないというのは面白いというか、提言するならこうかなというような。

 

○池田委員

 統計的にはほとんど差がないですね。

 

○武石座長

 図表 43 、図表 44 は、ゼロの人というのは取れないのですか。やりがいは取れますよね。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 やりがいは取れます。

 

○武石座長

 そうすると、やりがいにゼロの人を入れてもらって、図表 43 は休暇を取った人だけですか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 こちらも休暇を取っていない人も入ります。

 

○武石座長

 そうするとここにゼロが入ると、先ほどの池田委員がおっしゃったことがわかります。

 

○駒崎委員

 そうか、図表 43 で見ると、 1 か月より長いとそれなりに効果が出ている感がある、感じがしますかね。業務の棚卸しなどは頑張ろうという感じになっていますかね。それでも、 8 日以上でも「業務の優先順位を付ける」とかは結構やっているから、頑張っていますね。

 

○座間委員

 企業のすごく身近なところでいくと、特に身近なマネージャ、直属の上司の視点からいくと、「業務の優先順位」「スケジュールの共有化」の辺りは、まず実感しやすい効果だと思います。

 

○駒崎委員

3 日、 4 日よりは 8 日以上のほうが効果が出ているような気もします。

○武石座長

 ものによるという感じでしょうか。

 

○駒崎委員

 ものによるという感じですね。あと、仕事にやりがいを感じるかというところは、 1 か月より長いと 31 %で大きくて、これはきれいに階段状になっているから、やはり効率性うんぬんよりは会社への愛のほうが高いような気がしますね。恩に着るというのはあるのでしょうね。

 

○池田委員

7 日とか 8 日というのは営業日単位ですか。そうではなくて暦でしょうか。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 その辺りは、特に指定して聞いてはいないもので、取得した日数という形で聞いています。

 

○池田委員

 暦だと、実質 5 日でいいということになりますね。

 

○駒崎委員

8 日だと週末を挟んで 1 週間ですね。やはり、 1 週間プラスαぐらい休ませる施策を取ればいいということだから、今まで育休で 1 か月以上、ガッツリ休もうという感じで言ってきたけれど、もう少しミドルレンジのもので率を上げていこうというのがいいのかもしれないというのが、おぼろ気に見えてきそうな感じがしないでもない。それだったら、企業への愛も高まるし、本人も満足するということで。

 

○武石座長

 男性の育休は 1 週間でいいというメッセージはどうかと思います。

 

○駒崎委員

2 か月取った私からしたら何を言っているのだという感じになりますが。

 

○武石座長

1 週間でも某かの効果はあって、ただ、やはり女性が 1 年取って、男性は 1 週間ですかということの問題はあります。

 

○駒崎委員

 ありますよね。

 

○池田委員

 多分、そこは出産直後の時期にフォーカスして、産院に入っている間の付添いとか、妻の身の周りの世話と、産院から帰ってきてからの数日間の家事というか、子育ての生活のセットアップの時期に関わるという側面でいうと、その辺だと思うのです。武石委員がおっしゃる話というのは、妻の早期復職で、男性が交代で取るという場面になると、 1 週間夫が育休を取ってくれるので、 1 週間早く復職できるという話はあまり意味がないということです。ヨーロッパのように、交代で長期単独取得ということになれば、当然 1 か月単位で夫が取る代わりに、 1 か月単位で妻が早く復職するという、多分ここの話になってくると思います。

 そこは内実が違うのかなという印象も受けますので、そういう意味では 1 か月より長いという人と、 8 日から 1 か月以内の人は、現実的に取っている場面などが若干違う可能性はありますよね。妻が早く復職するのに合わせて、 1 か月より長く早く取った人が感じている話と、 8 日から 1 か月というのは、いわゆる男性産休と呼んでいるところで、ある程度まとまった期間の時間を割いた人たちということではないかと思います。

 

○座間委員

 先ほど申し上げたように、いろいろな層がいろいろいるということを考えると、ディスカッションされていることで 2 つのポイントは、日本の現状から見ると非常に分かりやすいメッセージになるような気がいたします。全然していなかったのだったら、まず 1 週間ぐらいから始めれば、このような効果があると。でも、本当は長いほうがいいのだけれども、こういったところでもこういう効果は持てるというところからまず始めるとか、もう少しメッセージを合わせて上手に出すことができるような気がしますが、いかがでしょうか。

 

○武石座長

 そういう意味では、妻のキャリアというのが後ろのほうのところで重要になってくるので、女性のデータの分析、男性は妻が専業主婦とかパートの人も、結構な数がいるわけですよね。

 

○三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 

 はい。

 

○武石座長

 女性側の分析をして、自分のキャリアと夫の育児休業の関連が出てくると、後ろ側の少し長期の部分のメッセージが出てくる気がします。

 男性側の分析だと、そこがどうしても少なくなってしまいますよね。

 

○池田委員

 妻が復職するときというのが、図表 41 で見ても 71 n で、いわゆるヨーロッパで言うような形ではないです。

 

○武石座長

 妻が復職するときで、病院への付添いというのが出てくるのが意味が不明です。妻が復職するときに、病院への付添いや面会というのが 48.8 %で、何だかよく分からないのです。妻が復職するときというのは、私たちが言っている復職と違うタイミングなのかなと思います。

 

○駒崎委員

 もう病院へ行ってない。

 

○池田委員

 健診ですかね。

 

○駒崎委員

1 歳児健診とか、その 1 回をカウントして言っているのかもしれないですね。

 

○池田委員

 妻もきちんと育休を取れている人もいて、有期の人などは取れても 1 2 か月とか、場合によっては産休明けでとなると。

 

○宮川局長

 多分、子供を病院に連れて行かなければいけないときなどを答えてしまった人がいるのではないでしょうか。上の「病院の付添い」とは意味が違う形だと思います。

 

○武石座長

 女性側のデータをもう少し分析できるといいかなと思います。

 

○池田委員

 妻と交代で長期単独取得という話につながる手掛かりが、今のところは薄いという印象は確かにあります。データから、それに向けて何か読み取れるかというと、妻が正社員の場合に限定した場合に、どういう傾向が出るかとか、あるいは正社員の女性のほうから見て、夫に対する期待がどうかとか、そこがわかるといいと思います。

 

○駒崎委員

 確かに、気持ち的にはよく分かって、何で 1 週間なのか。すごくよく分かるのですが、日本を前に進めるために低いステップを男性に用意して、ここは登れよ、登ろうよと。それは会社にとってもメリットがあるし、第 2 子以降の出産にとっても、日本の少子化にとってもメリットがあるし、夫婦間のコミュニケーションも改善するし、いいことあるよね、どうよというパッケージにして、ミドルステージのものを用意するというのは、政策的な方向性としてあり得るのではないかと言えると思うのですが、いかがでしょうか。

 

○池田委員

 ミドルとかステップが高い低いというより、妻の就業状態に関わらずニーズが発生しますよね。後半の部分というのは、ある程度妻にキャリアと所得があってというもので、休業を取るに当たってのいろいろな諸条件が整った上でということになると思うので、ユニバーサルに話を進められるというのは産後の数週間の話で、フルタイムの人も当然産休で休んでいるし、専業主婦もというところです。

 

○宮川局長

 駒崎委員がおっしゃるように、タイミングとして 1 つの時期としての産後 8 週間ぐらいの中での、男性の育児参加を進めていくというポイントからすれば、ここは現実にいろいろとやっている方もおられるし、ニーズも高いのではないか、企業にとってもそれほど大きな負担感はないのではないかという意味での押し出し方もできるし、制度的には、仮に育児休業を取るにしても、その育児休業を 1 回取ってももう一回別に取れるという制度的なものは既に担保されているわけですので、育児休業、育児目的休暇、年休、様々な手法の中で、御自分の都合の付く限りのものを使えばいいというようなメッセージが出せるのではないか。

 一方で、後半のほうの中長期的な意味での 1 月以上というような育児休業の取り方というときの 1 つのタイミングとして、我々が今回想定したときに考えた妻の復職時周辺を中心とした、あるいはその後のところの育児休業というものには、現実がまだそこまではいっていないというのが正直なところなのかなと思います。

 

○武石座長

 全体その短期のというのが一人歩きしてしまうことの危険性というのがあると思うのです。男性は短くていいのかというところです。セットで提示していかないと、議論としてバランスが悪いのではないかと思うのです。

 

○駒崎委員

 男性産休はみんな取れと、それ以上にいける意識の高い人は育休も取ろうよと。

 

○武石座長

 「意識の高い人」というか、女性のキャリアを考えると、やはりそういうところにしっかりと男性も、と言いたいと思います。

 

○駒崎委員

 男性育休は望ましいと。男性育休の旗を挙げ続けつつ、産休ぐらいは皆、取れよという感じですかね。

 

○池田委員

 この 1 か月より長いという 74 件の内訳、やはり妻が正社員である場合とか、この間もお話をしましたが、夫婦の所得が均衡しているとか、そういういろいろな諸条件があるので、条件が整っているのに取っていないのか、条件が整えば取るのかというところは、少ない件数であってもデータから少し傍証ができていると、均等政策ですから、コミュニケーションを容認して、それぞれ取っていればいいというのは王道から反すると思うので、そこは追加的に押さえられたら押さえておいたほうがいいように思います。

 

○武石座長

 今、池田委員がおっしゃった、いろいろな条件が整っているのに取る人と取らない人がいる、妻が正社員でフルタイムなのに取る人と取らない人がいたときの、取るところに職場や上司のプッシュが影響していると、ストーリーとしては企業の役割が重要になるということが言えるので、前半の企業のデータというのが、企業は何もしていないという現状が分かったので、そこを変えていくための仕組みが必要になっていくと思います。

 もう 2 時間たってしまいました。いろいろな御意見を頂きまして、ありがとうございました。何となく抽象的にお話をしてしまったので、どんな分析でしょうかというものがあったら私も一緒に考えますので、よろしくお願いします。

 今日は他にも資料を御用意いただいていたのですが、次回に回すということで、国のいろいろな施策、イクメンの関係を御準備いただいておりました。

 今後のことについて、事務局から御説明いただければと思います。

 

○土岐職業生活両立課課長補佐

 本日はありがとうございました。熱心に御議論を頂きましてお時間になりましたので、事務局提出資料は説明できませんでした。次回以降の日程、議題については追って連絡いたします。今日はご説明できなかった部分についても、次々回以降になるかと思いますが、またさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○武石座長

 以上で本日の研究会を終わりにいたします。どうもありがとうございました。


(了)

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