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2018年3月29日 第21回予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

 

○議事

 

○大林予防接種室長補佐 それでは定刻になりましたので、第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会を開催いたします。本日は御多忙のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。プレス関係者の方々におかれましては、御理解、御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。

 続いて、出欠状況について御報告いたします。宮﨑委員から、欠席の御連絡を受けております。現在、委員10名のうち9名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。また、本日は医療法人自然堂峯小児科理事長・日本小児科医会理事の峯真人先生と、医療法人社団横田小児科医院理事長・小田原医師会顧問・日本外来小児科学会会長の横田俊一郎先生に、参考人として御出席いただいております。

 議事に先立ちまして、配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、配布資料一覧、委員名簿、座席表、資料1から資料4まで、参考資料が1つ、各委員からの審議参加に関する遵守事項の申告書を御用意しております。配布資料一覧を御確認いただきまして、資料に不足等がありましたら、事務局にお申し出ください。申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。

 それでは、ここからの進行は、倉根部会長にお願いいたします。

○倉根部会長 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項等について報告をお願いします。

○大林予防接種室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会の審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取り状況、申請資料への関与について申告いただきました。各委員からの申告内容については机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。本日の出席委員の申出状況及び本日の議事内容から、今回の審議への不参加委員及び参考人はおりませんことを御報告いたします。以上です。

○倉根部会長 それでは、議事次第に従って進めたいと思います。まず、議題(1)の1の「予防接種に関する基本的な計画におけるPDCAサイクルに係る検討」に入ります。「予防接種に関する基本的な計画」については、各事項についてヒアリングを実施していくこととなっておりますが、本日は、医療関係者としての立場から御発表していただくことになっております。それに先立ちまして、まず前提として、事務局から基本計画について説明をお願いします。

○大林予防接種室長補佐 資料1を御覧ください。資料1は、基本計画のうち、本日の議論と関係のある部分を抜き出して、それに関する取組状況を記載したものです。今回は、予防接種を実際に実施されている医療機関の先生から御発表いただくということで、医療関係者と関わりのある部分を抜粋しております。まず、1つ目は、第二の、国、地方公共団体その他関係者の予防接種に関する役割分担に関する事項のうち、四、医療関係者の役割という規定があります。医療関係者は、予防接種の実施、医学的管理、予診、事故の防止、保護者への情報提供、副反応疑い症例があった場合の報告、感染症発生動向調査への協力、最新の知見の習得が役割とされております。また、第六の、予防接種の有効性及び安全性の向上に関する施策を推進するための基本的事項の中の四、予防接種関係者の資質向上というところで、医療従事者に対する教育・研修の充実を図る等の記載があります。

 現在の行政機関の取組としては、都道府県に設置されている予防接種センターでの研修や、国の委託事業である予防接種リサーチセンターが実施している従事者研修などがあります。医療関係者自らの取組としては、本日の御発表の中でお聞きしたいと考えております。事務局からの説明は、以上です。

○倉根部会長 それでは、本日は参考人としておいでいただいております先生方から御発表を頂きたいと思います。峯参考人、横田参考人においでいただいております。ありがとうございます。まず始めに、峯参考人、続いて、横田参考人に御発表をお願いした後で、質疑応答に入りたいと思います。それでは、峯参考人、よろしくお願いいたします。

○峯参考人 皆様、こんにちは。私は、埼玉県さいたま市岩槻区という所で、峯小児科を開業している峯と申します。先ほど資料等の紹介もありましたように、日本小児科医会の公衆衛生委員会の担当理事でございます。公衆衛生委員会は、予防接種全般と、それから予防接種のリスクマネージメントの2つに関して、日本小児科医会の中で仕事をしております。今回、私のお話は安全な予防接種の実施をどのようにしたらいいかというのを、私どもの通常のクリニックの取組と、私の仕事の関係上、いろいろな所で、小児科医会の会員ですとか、あるいは、一般の医療機関のスタッフといった方々に対して、予防接種に関する安全な取組はどうしたらよろしいかというお話をする機会を結構いただいておりますので、そのときに使っている資料等を、これからお話させていただきます。

 まず、私どもの医療機関での予防接種の間違いですが、次のスライドは予防接種の間違いについて国から発表していただいたデータです。私どもが現場でやっていると、この111までの取組の中で、実は同時に幾つものことを一緒にきちんとチェックをしないと間違いが見付からないということがありまして、私どもはもっと簡単なところで、5つの間違いについて、ワースト5ということで皆さんにお話をしています。まず、患者の接種対象者の取り違え、それからワクチンの取り違え、その次が、2つが一緒になっていますけれども、接種時期の間違いということで、接種の対象年齢を違えた場合、本来は接種対象年齢に達していない場合でも接種してしまった場合、あるいは、接種の間隔の間違い、不活化ワクチンの後に、我が国では1週間、生ワクチンの後は間を4週間空けることになっておりますが、それを間違えて接種してしまった。この2つが、どちらも接種の時期の間違いということで、一緒にチェックするべきものですので、この2つを併せてワースト5の中に入れています。そして接種量、有効期限切れのワクチンの接種、こういうものがあるわけです。

 ちょっと触れましたが、我が国の場合には、接種の時期、特に接種の間隔について諸外国とはちょっと違うやり方になっておりまして、諸外国では生ワクチンの注射同士は4週間空ける。しかし、我が国では、不活化ワクチンの後も1週間空ける。生ワクチンの経口の生ワクチンの後も4週間空けるといった形になっている関係で、なかなか接種の間違いの中のこの部分は、かなり多いというのが現実です。これが正にそうでして、この上から4番目の接種間隔の間違い、これが52.64%、半数以上がこの接種の間隔を間違えてしまっているということです。これを何とか減らすためには、接種間隔が本来どのようにすべきなのかというのをもうちょっと検討していかないと、この間違いが正直、なかなか減らない。間違っていいはずはありませんが、そういうのがなかなか減らないというのが現実だろうと思っております。

 その中で、予防接種に関しては、いろいろな場面がありますので、その場面ごとにその注意事項をチェックしていかないと、間違いは減っていかないだろうということで、まずその場面の1つは予約です。予約の中でも電話で予約が入る場合、あるいは窓口で予約する場合、最近はネット予約もありますが、今回はこれを入れておりません。この2つの予約のパターン。それから、接種後当日に受付の段階でどうするか。診察、それから接種、そして接種が終わった後に次のワクチンのスケジュールを立てる場面、あと、ワクチンの管理、そして、その他ということで、それぞれについて私どもの現場の状況のお話をさせていただきます。

 まず、「予約」です。予約を受ける場合は、我々医師が直接予約を受けることはほとんどありません。受付の者とか看護師が予約を受け付けるわけですが、そういう場合には、必ず母子健康手帳を手元に用意してもらって、電話であれば電話を掛けている親御さんにそれを用意していただいた上で、それをきちんと確認してもらいながら予約をしていかないと、先ほどの接種間隔や、年齢の間違いがどうしても起こってしまいます。特に予約ですと、やはり予約をした日と、それから接種日は当然違うことになりますので、接種日が本当に適当な年齢に合っているのかどうかというのも確認する必要があります。接種希望のワクチンについても、いろいろチェックしなければいけません。まずワクチンの種類と、できるワクチンの名前です。それから接種の回数、これは月齢・年齢によって接種回数が違うワクチンがありますので、そういうものに関しては特に注意していかなければと考えております。そして最近のワクチンの接種歴の確認、これは正に先ほどの他のワクチンとの接種間隔に当たりますし、同一効能・効果でも異なる接種方法のワクチンが複数ありますので、例えば、子宮頸がん用ワクチンの2種類であったり、ロタウイルス用ワクチンの2種類、この2つは途中で変更することはできませんので、これについてもきちんとワクチンの名前でチェックをする必要があるということになります。

 そして、母子健康手帳にはいろいろな情報が書いてありますので、できれば予約の段階で、特に窓口で予約をする場合は母子健康手帳を見せていただいて、そこに接種の履歴がありますので、それに合わせて接種の予約を入れていく。私の所では、予防接種は全てパソコンで予約の管理をしております。IDの番号と患者の名前、生年月日、接種日は何月何日、どういうワクチンの接種をする予定ということを、自分の所で予約、あるいは今まで接種したワクチンの履歴やコメントがパソコンにID番号ごとに全部管理されております。そうすると、例えば、Hibワクチンは、1期の3回目から追加接種までは7か月以上空けないといけないわけですが、そういう約束事は、このパソコンに約束事として導入されていますので、万が一、7か月をたたない時点で予約を入れてしまうとエラーメッセージが出てきます。そうすると、そこでこのワクチンの何月何日の予約は、これはしてはいけないのだということが予約を入れる担当者が気が付いて、別の日に予約を入れ直す。こういうことは、もしかすると忙しい現場の中では、人間だとどうしてもチェックしきれない部分が出てまいりますので、そういう意味では、機械のほうが得意な部分は機械に任せるというのも、1つの方法だと思います。ただし、これなどは、いろいろな接種の形態が変わってくると、これも変わってくることになりますので、最新の情報をこのパソコンに入力しておかないと、それがまた間違いの原因になってしまうということもあり得ます。

 それから、接種当日の受付に親御さん、あるいは、おじいさん、おばあさんが子供を連れてやって来ます。そのときに気を付けなければいけないのは、予約をした名前のお子さんと連れて来たお子さんが同一人物なのかということです。予約は、このお兄ちゃんのつもりで入れたけれども、連れて来たのは弟さんだった、これは決してまれではありません。予約者と受診者の照合をきちんとしないといけません。母子健康手帳の中や予診票の内容を全部チェックしないと、予診票の漏れがあると、地域の保健センターを含めた行政のほうが、それは受け付けていただけませんので、全部きちんとチェックする。過去の予防接種の履歴も確認する。そして当然のことながら、健康状態についても、きちんと予診票に書いていただくことが大前提になりますし、当日検温もいたします。

 そして、当日、1人ずつということになってくると、恐らく何人か、あるいは何十人か、1日に予防接種を受ける子がいるわけですが、その一覧をリストアップします。それぞれのリストアップした中で、どういうワクチンが要るのか、そして、そのワクチンは本当にその年齢のお子さんにすべきワクチンなのかというのが一目で分かるように色分けして、予防接種の一覧表も、その色に合わせて作っています。この子はこのワクチンですね、ですから、この年齢で間違いないということを確認ができるようなスタイルにしております。接種の受付の業務として、もう1つは、カルテを用意して、母子健康手帳の接種履歴を確認し、予診票を確認する。この3つの照合をしていかなければなりません。

 さらには、受け付けした段階で、健康状態をいろいろと予診票に書いていただくわけですけれども、そこで実は、このお子さんが最近ある病気をした、あるいは、今、その病気のために薬を飲んでいる状況がそこで分かる場合も、往々にしてあります。ある程度受付の段階で、事務の担当者とか、看護師が、こういう状況だと、今日は最初から予防接種はできないということを言ってあげないと、接種の場面まで回ってきてしまうと、うっかりすると、本来はやってはいけないお子さんにやってしまうということも絶対ないとは言えませんので、そういうものを含めた情報を、みんなで共有できるような資料を用意して、それを回覧しながら、みんなでその場で見ながらチェックしていきます。

 先ほど出ましたが、同一の効能・効果でも接種の方法が異なるワクチンに関しては、その2者がはっきり分かるように予診票にマークを付けて、そちらを予診票に合わせて接種していくということになります。

 「診察」についてです。診察の場面では、基本は保護者の方、あるいは、年齢が大きい子は本人から自分の名前を言っていただきます。こちらから、例えば「山田太郎さんですね」と聞いて「はい」と言っても、本当に太郎さんかどうか分からないので、自分から言っていただく。あるいは、保護者の方から言っていただく。最近は御両親がお仕事をされていて、おじいさんや、おばあさんが連れて来る場合も決して少なくありません。そうすると、お孫さんの名前は、覚えているようで覚えていないのです。ですから、よく分からないことが本当に多いです。それを考えると、やはり本人の確認という意味では、この辺は相当神経質にならないといけないと思っています。

 あとは、「接種」に関して、その後の説明ですが、今、同時接種がほとんどになってきましたので、同時接種のワクチンは全てのワクチンを含めて、その効能・効果とか、特に副反応についてきちんと説明していくようにしています。特に副反応については、発生率の高いもの、例えば発熱、接種部位の腫れ、痛みといったものは、やはり非常に多いですから、一応話をしておきませんと、その夜に、救急外来を受診したりして、また現場の混乱につながってきます。あと、もう1つは、非常に確率としては低い、まれではありますが、注意が必要な副反応、例えば、おたふくかぜワクチンの後の髄膜炎とか、ロタウイスルスワクチンの後の腸重積とか、これらに関しては必ず説明をしておかないと、めったに経験することはないにしても、経験してしまったときに、そんな話を聞いていなかったというのは、後で大きなトラブルにつながりますので、これは必ず話はしますし、皆さんにも絶対これだけは話をしておいてくださいと案内しています。そして母子健康手帳には必ず接種日、ワクチンの名前、接種部位、接種量等をきちんと記載することをしています。

 先ほどの副反応に関してですが、例えば髄膜炎よりも最も注意なければいけないのは腸重積だと思いますが、腸重積は、翌日まで待つと危ない場合もありますし、うっかりすると手術になってしまう、外科的治療が必要になってくる場合もありますので、こういう症状が出たら病院に行ってくださいと言うだけでは絶対に駄目で、どこどこで夜中でもやっているから、そこだったらこういう診察をしていただけますと、そこまでの情報を与えておかないと混乱につながります。私ども、さいたま市では24時間で小児科医が対応できる医療機関がありますので、電話相談も含めて、その情報を1つにまとめた資料を全員に渡しています。

 「接種」については、ワクチンの準備のときに、接種対象者1人に対して1つのトレイの用意をするような形で、私の所ではやっております。例えば、日本脳炎のワクチンが10人だったから、1つのトレイに10本の日本脳炎のワクチンをそろえる。それはよくあることですが、偶然そのときに、実は、うちの子は日本脳炎ではなくて、今日はDTをやってほしかったという子が出た場合に、それがもし、ではDTを入れましょうと、10本の中にDTが混じり込むと、それが別の人に打たれてしまうと、これは大変なことになってしまうので、必ず一人一人トレイを変えていく。そして、接種に当たっては複数の者が、例えばワクチンの商品名、ロット番号、有効期限、接種部位をそれぞれ双方で同時に声出しして、確認して、間違いを防いでいます。その同時の声出しが、違った内容だった場合は、どちらかが間違っているか、両方が間違っているかどちらかですので、それも含めて、複数の者が確認するという方向にしております。

 接種後の指示についても、医療機関の中、あるいは、近隣で待機してくださいという話をするのですが、これは特にロタウイルスのワクチン等は嘔吐してしまった場合はどうするかという問題がありますし、HPVワクチンに関しては御存じのように、接種後に失神することがないわけではありませんので、そういうものも含めて、きちんとした待機の場所や待機の方法も、そのワクチンに合わせて決めていくということにしております。

 これはワクチンの準備です。1つのトレイに1人分です。この場合は4本です。もともとシリンジに最初から入っているタイプは、そこにワクチン名が書いてありますからいいのですけれども、自分の所でシリンジを用意したものは、そこから外してしまうと、何のワクチンか分からなくなりますので、接種直前までバイアルに針を刺したままにしておきます。そして、複数の者が確認して、接種に向かう。接種に関しては、接種の準備と、接種の場所、そして接種したシリンジは必ず別の所にリキャップしないで捨てるという流れは、絶対崩さないというやり方です。

 次のワクチンのスケジュールを立てる、これもとても重要です。接種に来たときに必ず、ほとんどの場合、よほどのことがなければ母子健康手帳を持っておりますので、そうすると母子健康手帳を見ながら、次にはこのワクチンがこの時期に必要ですと、この時期までは受けてはいけないなどは、母子健康手帳が目の前にあると、そのきちんとした接種時期を指示することができます。ですから、接種間隔の間違いとか、月齢・年齢の間違いは、これによってかなり防ぐことができます。接種後の次回のワクチンのスケジュールを立てている間に、これがその健康観察の時間帯として利用することができますので、一石二鳥ということになると思います。次回の接種ワクチンをパソコン上で予約をして、予約票をお渡しすると。

 そして、ワクチンに関しては、当然のことながら、管理もとても重要になりますので、何日までに何のワクチンが何人の予約が入っているかによって、その必要なワクチンの本数を用意しておかなければいけないので、ワクチンの管理も、このように全部パソコンで管理すると、ワクチンの必要な本数が、何月何日までと出てきますので、そういう意味で、どうしても足りない場合は何とかしようと、それに対応することができますので、在庫管理もパソコンに頼っています。

 そして、間違いの中で少なくないのは、有効期限切れのワクチンの接種です。それについても、最も有効期限の短いものに関しては、こういうものを必ず次から次へと貼り替えていって、有効期限の短いものは、できるだけ早めに使っていくというスタイルを取っております。ワクチンの温度管理も、午前、午後の2回、冷蔵庫、冷凍庫を含めた温度管理がきちんとできているかどうかのチェックをして記録に残しています。ワクチンは基本的には、私は予約できちんと一般の診療と分けるべきだと思っておりますので、一般の診療の予約時間と、予防接種の予約時間は違うということを一般の方に話をしています。決して多くありませんが、やはり急変することも絶対ないとは言えませんので、急変した場合には、それに対応ができるためのツールを常に準備し、用意をして、点検をしていくというのが大原則だと思っております。

 業務マニュアルも当然いろいろな病院の中であるわけですが、私どものようなクリニックでも、いろいろな業務がありますので、その中で今、非常に予防接種業務というのはかなりボリュームとしては大きくなってきましたし、かなり煩雑ですので、そのマニュアルの中に予防接種のマニュアルを作って、中身が変わるたびに、逐一、この中身を変更していくという作業を続けています。万が一、間違いが、あるいはヒヤリ・ハットですけれども、そういうことが起こった場合には、きちんとそれを報告してもらいまして、全員がその情報を共有して、次からは同じことが起こらないように、みんなで共有しています。そして、月に12回のミーティングのときに、必ず予防接種のテーマが出てきますので、みんなで情報共有したり、先ほどのヒヤリ・ハットの事例を共有したり、いろいろなことがこの会議の中で共有が図られます。

 先ほど、PDCAサイクルの中でも出てきましたが、予防接種についてもいろいろな情報が変わってきますし、正確で、しかも最新の情報をみんなが知るためには、スタッフ全員がいろいろなところを勉強してもらわなければいけません。これは私が、たまたま埼玉県の中で代表を務めた「彩の国予防接種推進協議会」という会がありますが、そこでは年3回、4回の講演会を開いたり、ワークショップを開いたりして、ワクチンについていろいろな関係者、スタッフが集まって、いろいろな勉強する機会を設けていまして、多くの参加者を得ております。

 これからは、まとめになります。予防接種の実施上の基本は、私は、やはり予約が基本だろうと思います。というのは、予防接種は、接種に専念していただかなければいけません。私は医療事故紛争処理委員会の仕事も埼玉県の医師会の中でやっておりますが、予防接種の間違いによって起こった事例に関しては、忙しいときに、たまたま予防接種を受けに来て、間違えてしまったという例が決して少なくありませんので、やはり専念していただく。そのためには予約、あるいは接種は一般診療とは別の時間帯や別の場所を使うということも必要かもしれません。接種は複数の体制で行なわないと、1人が思い込んでしまうと、そのまま最後まで間違いがずっと続くことを防ぐためには、二重・三重のチェックの複数体制が必要です。

 もう1つは、医師と看護師、それから事務職の職員などの知識、それから情報提供は、親御さんたちへの情報提供の内容がきちんと一致していなければまずいので、受付で、こう言われたけれども、先生の所で言われたのと話が違うではないかとなると、それは、実際に齟齬がトラブルにつながってしまう可能性があるので、みんなが同じ情報と知識を持っていることが非常に重要になります。

 ということで、質の高い接種環境をつくるためには、医療安全に対する重要性の認識をスタッフ全員が持っていることが必要ですし、そして、毎日忙しい中で行われる一人一人の接種、あるいは、その接種の機会、これを漫然と過ごさないように、きちんと積み重ねていくことが必要でしょうし、関係者全員で知識や情報の共有、そして、やはり医療機関のハードとソフトの環境に合わせた実施可能なシステム構築と安全マニュアルが必要かなと思います。私もいろいろな所でこの話をすると、先生の所のマニュアルを譲ってくださいとよく言われます。医療機関の規模とか、建物の構造等々によって、当然変わって当たり前ですので、それを持っていったら、全てに共通して使えるとは限りませんので、やはり自分の所に合ったものを作っていただくのがとても重要だと思います。とても忙しいので、そんな面倒くさいことをやらないという人たちも決して少なくありません。だから、日頃の多忙の中で行われている作業は、この注意が何のために必要なのか、時々確認していかないと、めげてしまうという感じがするので、そのことも必要でしょう。

 実は、接種の間違いと紛争とでは、そのレベルが全く違って、一定の数の間違いがあると、どうしてもそこから紛争にいってしまう例も少なくありません。そうすると、紛争でのトラブルに発展してしまうと、医療関係者のその対応のストレスは、本当に大変なものになりますので、決してトラブルにならないよう、紛争にならないようにするためには、紛争への発展を防ぐための知識とか、経験が必要になります。

 よくいろいろな所でこの話をするのですが、なぜ予防接種によって起こる重篤な副反応、あるいは間違いが、なぜ紛争にまでつながるか。予防接種というのは基本的に健康な人に対してだけやる医療行為でありまして、苦痛を取るための治療的な医療行為と全く異なります。つまり、健康だった人が、予防のために行った医療によって健康被害を被る。これはあってはならないという認識は当然一般の方にはあるので、これは当たり前な話です。だからこそ、紛争につながりやすい。そして、一定の確率の中でどうしても起こってしまう間違いはやはりあると思います。しかし、その中に、恐らくそこの裏には人為的な大きなミスがあったのではないかといった疑問を持たれやすいでしょうし、予防接種を受けない場合のデメリット、受けないことによって感染してしまい重篤化するといったデメリットと、受けた場合の副反応が起こった場合のデメリット、これを比べるというのはとても難しいのです。その2つが比べられないとすると、受けた場合のデメリットばかりがどうしても表に出てくるのが現状かと思っています。

 これもいろいろな所で話をするのですが、もし間違いが起こってしまったら、どのように対応してあげたらいいかということですが、まず間違いに気が付いた時点で、家族に例えばワクチンの取り違えの事故が起こってしまった事実を報告して、真摯にお詫びしていただきたいというお話をしております。どうしてこのような間違いが起こってしまったのか反省し、分析して、その結果を丁寧に説明することも必要です。間違いによって接種されたワクチンによる副反応、あるいは効果が十分期待できるかなどについても客観的なデータをもって説明して差し上げないと御理解いただけません。そして、今後このような間違いを起こさないようにするためには、具体的などういう対策を取るのか、必要な対策を早急に取りますという意思を伝えていただきたい。ただし、3と4は、その場ですぐにお答えすることは難しいですから、その場合には、恐らく専門家の指示とか指導が必要になってきますので、その場合には、いつ頃までにこういうことを報告するということを、余裕を持った予定をお話して、必ずその約束は守らなければいけません。やはり何とか早くということで、では、来週の月曜日までに御報告しますと言って、それまでに資料が出来上がらないと、もう1つの約束違反を起こしてしまうと、トラブルが更に大きくなってしまうので、そういうことも必要です。間違いがあったらなるべく早めに保健センターとか、場合によっては地域の医師会などの専門家に報告し、相談していただいて、助言を受けるのもとても重要だと思っています。

 もう一つのワクチンのリスクについては、これも日本でも時々起こるワクチンの供給の問題です。私どもは接種を積極的に勧めていますが、何らかの形で突然、接種をしてあげたいけれども、接種するワクチンが足りなくなった、こういうことがあると、非常に現場は混乱しますし、これは一般的に誰でもそうかもしれませんが、ワクチンが足りないと思うと、余計、ワクチンを受けなければいけない、そういう心理状況が働きます。そこが、また次のトラブルに拍車を掛けるということになりますので、やはりワクチンの安定供給というのは、重要な危機管理体制という認識が必要だと思います。それがうまくできないというのは、そういう体制が脆弱であるということを証明してしまうことにもなりかねませんので、注意が必要だと思います。そういう意味で、安定供給が確実なものとなった上でのワクチン管理、あるいは供給体制がなるべく早く取られることが必要かと思っております。どれぐらいワクチンが必要かということを分かるためには、定期接種・任意接種、今、MRワクチンの任意接種がどれぐらいあるかという調査が入っているようですが、それは本当に分からないのです。それをすると、全て定期接種であれば、恐らく必要数はおのずと出てきますので、そういうものについても管理しやすい体制の構築も必要かと思っています。すみません、駆け足で話をしましたが、以上でございます。ありがとうございます。

○倉根部会長 峯先生、ありがとうございます。それでは続いて、横田先生に御発表をお願いいたします。横田先生、よろしくお願いします。

○横田参考人 皆さん今日は。横田です。今日、峯先生と一緒に話すということを知らなかったので、中身が重なる所が多いのですが、私は峯先生といつも一緒に仕事をしていて、日本小児科医会の理事も一緒にしていました。神奈川県の小田原市で開業して、ちょうど25年になります。いろいろなことをやっていますが、予防接種に関しても、神奈川県の予防接種研究会をやっていたり、幾つかの仕事をしています。大事なことは峯先生がかなり話していただいたので、実際に開業の小児科医がどのように仕事をして、どのぐらい予防注射をしているのかという話をしてみたいと思います。

 私の所は、今、ウィークデーに休みはなく毎日診療していますが、一般の診療は大体845分か9時ぐらいから始まりますが、その前に大体30分から、長いと1時間ぐらい予防接種をしています。朝一番です。それから火曜日と金曜日の3時から415分か430分ぐらいまでを予防注射の時間に当てているのが現状です。インフルエンザのときは、これにエキストラとなるので、夕方1時間というのを何日かやって、その辺が大変になります。実際、どのぐらい接種しているのか、お手元の資料にありますが、緑色で書いたのが、保険の実日数です。どのぐらい外来で患者さんを診ているかという数です。多いとき年間3万件ぐらいでしたが、今は25,000件ぐらい実日数があります。予防接種の接種数は、これはインフルエンザを入れていますが、12,000件ぐらいです。ですから、患者さんを診る数の半分ぐらいは予防接種をしているというぐらい、予防接種が診療の中で占める割合が多くなっています。健診もしていますが、健診は微々たるものです。

 実際どういうふうになっているかをワクチンごとに書いてみました。3種混合、4種混合、ポリオ。ポリオは、途中から不活化ポリオになったので、色を変えて書いてあります。右側が、BCGの数です。これを見ますと、新患で1年に来る人の数が分かるのですが、大体300350人ぐらいの間の新しい人が、ワクチンを受けに来ている状況です。その人たちがみんな20何回ワクチンを受けるということになります。ヒブ、肺炎球菌も定期接種になってぐんと増えましたし、B型肝炎も前から打っていたのですが、定期接種になって一気に増加しました。ロタも結構な数を接種していることになっています。

 麻しん・風しんは、私が開業したのが1994年で、ちょうどMMRの事件があって、MMRがなくなった頃です。まだ開業したときはMMRはあったのですが、すぐに打たなくなるという状況でした。2回接種になったのもあり、かなりの数があります。水痘とムンプスが右に示してありますが、おたふくかぜのワクチンは、昔からかなり打っています。水痘はやはり定期接種になって、かなり打つ数が増えています。左下が日本脳炎ですが、がくっと下がった所が、積極的勧奨の中止が起こったときです。かなり減りましたが、患者さんには、やはり、日本脳炎をやったほうがいいということを外来で説明していたので、それでゼロになることはなく、ある程度の数が来て、再開でまた元の数に戻っている。その後、少しワクチンの供給が足りないことがあり、一時減っている時期があります。

 インフルエンザは、開業した当時はちょうど定期接種でなくなった頃ですので、ほとんど打つ人がいなかったのですが、驚くほど増えて、新型インフルエンザの流行もあって毎年2,500接種ぐらいです。1回の人も2回の人もいますが、総数でそのぐらいの接種を続けています。これは、上が2種混合ですが、2種混合にいらっしゃる方は100150人ぐらいですから、3種混合で来る方に比べると、内科へ行っているということもあるのでしょうが、かなり接種率が低いことが分かります。

 HPVワクチンですが、定期接種になって400近く打っていたのですが、積極的勧奨が中止になって、ほとんどゼロに近い、10もいかないということです。これが先ほどの日本脳炎に比べると、すごく違うのです。日本脳炎のときは、勧めていたら結構打つ人もいましたが、今回は、本当に打つ人がいないという状況が、日本脳炎のときとは随分違うなと思っています。

 問題点、これは、もう峯先生が話してくださったのですが、予約はほかの病気で来たときとか、電話予約が最も多いのですが、先ほども言ったように、本人を間違えないようにいろいろな工夫をしています。あとは予防接種にいらしたときに、次回の予約をしていくことが多いわけですが、いろいろな確認が必要になります。最初、2011年ぐらいのときは、電話で「どれから受けたらよいでしょうか」とか「同時接種でも大丈夫ですか」「任意接種も受けたほうがよいでしょうか」「ほかの人は任意接種を受けていますか」というような質問が多かったのですが、3年後ぐらいになって、この間ずっとワクチン勧奨の活動が盛んだった時期ですが、「同時接種できますか」「任意のワクチンも一緒に受けたいですけれど、接種してもらえますか」「ロタウイルスワクチンは2種類ありますけれど、どちらがよいでしょうか」「B型肝炎ワクチンは上の子にも接種したほうがよいでしょうか」という質問を受けるようになりました。この3年間で明らかに患者さんの知識とか、状況が変わってきたと思います。ほとんどの人は、保健師さんの新生児訪問などの際に話を聞いていて、2か月で初めて電話をしてくるようなときにも、かなりの知識を持っているのが現在の状況だと思っています。

 予約を取るときに、ワクチンの供給不足の問題が私たちには大変です。解消時期が分からない、問屋さんによって供給量が異なるので、違う所に聞いてみると「ある」と言ったりすることがあり、自治体が状況を把握していないので、国とか県からの情報しかないという問題もあります。不足になると、患者さんの問合せが非常に増加します。日常の診療中にも、「ワクチンありませんか」と電話がどんどん掛かってきて影響が出てきますし、予約を取って、入荷したら打ちますという作業も私たちがしなければならなくなるので、クリニックとしてはいろいろ問題が大きいです。先ほどもあったように、危機管理対策の不足があるので、何か起こっても、大きな問題が起こらないような状況を作っていただきたいと思います。

 これは、一昨年の12月にMRワクチンが不足したときに、厚生労働省から、供給している量が足りているはずだという通達が何回も出ていたのですが、実際に私たちの現場では、足りないことが多くて、私も医師会の仕事をしていていろいろ問合せが多くて困っていました。そのときに、日本外来小児科学会の会長をしていたので、そこのメーリングを使って、実際どうかをオンタイムで調査してみました。上の表の2つ目、「注文しても必要な本数が納入されない」という人が3分の1ぐらいはいて、活発に小児科をやっている方たちを対象とした調査ですが、かなり不足していたことが分かります。流通などに何か問題があったのではないかと思いますが、私たちも学会として、メーリングを使って何か起こったときに実際どうなっているのかという情報をいち早く集めて、学会のホームページなどに公表していきたいと考えております。

 実際の接種で注意している点については、ほとんど峯先生が話してくださいましたが、まず正確な接種であること、それから迅速であることも大事なことです。先ほども言ったように、私たちは、平均すると1日に30本以上のワクチンを打っていることになりますので、そう長く時間を掛けられません。接種後のケアと副反応の説明もきちんとやらなければなりません。予防接種スケジュールの確認も必要です。次回の接種の説明をしたり、未接種のワクチンを勧めたりしなければなりません。他に注意していることの1つは、大変だからこそ楽しく接種するということです。問診票をきちんと見ることも大事ですが、忙しいとサッと目を通して、右側に○が付いていればおしまい…みたいになってしまいます。幾つか項目がありますので、そこを確認することがとても大切だと思います。

 問診票もいろいろ問題があります。当院のスタッフから言われたのですが、例えば、B型肝炎ワクチンの「ラテックスス過敏症ですか」というのは、2か月の赤ちゃんにとっては全く分からないものなのです。本当にその子に必要な質問なのかどうかと。下のほうの「母子感染予防として、出生後にB型肝炎ワクチンの接種を受けたことがありますか」という質問に、1回目は必ず「いいえ」になるのですが、2回目になると、1回目打ったと思って、みんな○してくるという問題があります。職員が、それは違う、お母さんがキャリアのときの質問なのだと言いますが、これだけ見ると、一般の人は、1回もう打ったから、「打ったことがある」と思ってしまうのです。問診票上にも幾つか改善するべき点があるのかと思います。

 これは間違いの問題ですが、年齢により接種量が異なるワクチン、兄弟での来院、ワクチンを詰めているときに作業を中断すると間違えることが多いということ、同時接種の量、母子健康手帳の不備、こういうものがあります。これは、府中で開業している崎山先生の「予防接種の事故予防ガイド」から出したものです。こういうことを気を付けています。

 年齢により接種量の異なるワクチンは、先ほども話があったように、インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、2種混合です。このワクチンを打つときには、いつも量を間違えないようにということを気を付けています。3歳をまたぐことによって、1回目、2回目で接種量が変わる日本脳炎は、3歳ぎりぎりで来たりすると、1回目と2回目の量が違ったり、あとインフルエンザもそうですが、そういうときに本当に変える必要があるのかどうか考えたりします。兄弟で来院すると一番間違いが起こりやすいので、気を付けなければならないと思っています。先ほども話がありましたが、ずっと昔ですが、上の子に打ったワクチンの空のを置いておいて、下の子が来たときに、間違えてその空ので打ってしまったことがありました。すぐ捨てることもとても大事だと思います。大きい子が必ずお兄ちゃんかというと、そうでもなくて、体格が逆転している兄弟も結構いるので、そういうことも気を付けています。

 作業を中断するといろいろ間違いが多いので、作業を中断しないことが大事です。生ワクチンは、溶解しておいて打たないとロスになるので、なるべく打つ直前に溶くようにしています。それだけ時間が掛かるということにもなるのですが、長く置いておくと、力価が落ちますし、結構、光に弱いことが分かっているので、明るい所とか、太陽光が当たる所にちょっと置いておかないよう気を付けなければいけないと思っています。インフルエンザはたくさん打ちますので、あらかじめ準備して打たないととても間に合わないのでそうしています。

 同時接種は、基本的には、1回目はどことどことどこと決めて打っていますが、私は両側の上腕の上下を使って打っています。大腿部で打っている人も出てきていますので、特に筋肉内注射のことも含めて、接種部位を考えるべき時期に来ているかなと思っています。

 母子健康手帳を持ってこないで前回接種し、しばらくたって来たときに、これ打ってなかったと思って打ったら、打っていたということがあります。峯先生の所のように、電子カルテで一覧で書いてあればすぐ分かるのですが、そうでない場合には、こういう間違いが結構あると思います。ほかのクリニックへ行って接種した場合には、書いてある場所が違って見落とすこともよくあります。母子手帳を忘れたときにどうするかという問題があるのです。先生によっては、母子手帳を忘れたら、絶対に打たないと決めている先生もいらっしゃいますが、遠くから来たりすると、なかなかそれもできなかったりします。私の所では母子手帳を忘れて接種したら、紙に接種したワクチンの番号を書いたものを渡して、それを必ず母子手帳に貼っておいてくださいという指導をしています。

 ワクチンの管理もとても大事で、普通の冷蔵庫を使っている方も多いと思いますが、専用冷蔵庫を使って温度管理を行い、急に停電などで温度が下がることがないか見ておくことが大事だと思います。冷蔵するものと冷凍するものを間違えないようにすることも大切です。また溶解のときに溶解液の量を間違えないことが大事です。準備から接種までの時間をなるべく短くすることも大切です。先ほども話しましたが、生ワクチンは光に当てないように気を付けることが大切です。予防接種の時間がかなり増えて、一般診療の時間を圧迫しているという現状が今の小児科クリニックではあるかと思います。どのようにして効率よく準備して打っていくかということを、いつもクリニックでは考えています。患者さんの呼び出し方法とか、受付、支払いをいかにスムーズに行うかということも問題です。患者さんが多くなって、例えばインフルエンザのときのようにドッとたくさん来ると、駐車場や待合室に入りきれなくて大きな問題が起こることもあるので、大きな悩みの種の1つです。ただ、急ぐと、見落とし・間違いが多くなるので、忙しいときこそ気を付けることを心掛けております。

 接種後の副反応のことですが、30分よく観察することになっていますが、院内に全員30分留めておくのは難しいので、近くの方も多いので、30分間よく見てくださいとお話してお帰りいただいています。入浴や発熱時の対応も説明しています。特に、肺炎球菌と4種混合の同時接種は熱が出やすいので、患者さんには必ず、今夜もしかしたら熱が出るかもしれないというお話をして、熱だけのときは慌てないで、1日見てくださいという話をしています。ロタウイルスについては、私の所で1例だけ、飲んでから3週間後の腸重積があったので、それ以来、私から直接全員の患者さんに腸重積の話をするようにしています。BCG接種後のコッホ反応の話も、必ず看護師さんからするようにしています。

 予防接種スケジュールの確認ですが、一般外来で受診したときに必ず母子手帳を見るという癖を付けること。ワクチンの接種をしたときに、ほかのワクチンの履歴を必ず見ることが大切です。特に、インフルエンザの接種は、とても良い機会なのです。インフルエンザワクチン接種では毎年来ますから、そのときに接種し忘れているワクチンがないか看護師がいつもしっかり確認してくれています。追加接種の忘れが多いのが一般かと思います。看護師がスケジュールを作成したり、任意ワクチンを勧めていますが、任意ワクチンは産院とか保健師さんからの勧奨でかなり接種する人が増えています。他に育児書や、友達からの口込みがかなり有効のようです。どのぐらい任意接種を打っているかというと、これは去年調べたのですが、ロタウイルスを去年の1月から11月で、1回目打った人が227人ですが、同時期にヒブワクチンの1回目を打った人が278人なので、80%ぐらいはロタウイルスワクチンを飲んでいることになります。おたふくかぜワクチンも1歳から3歳までの接種数を調べましたが、310あって、MRワクチンの1回目の接種数が349でしたので、88%ぐらい、少なく見積もっても8割ぐらいはおたふくのワクチンを打っているのが現状かと思います。受付にカレンダーみたいなものを出して、今日、打つと1か月後は何日ですよというのを作ったり、峯先生の所にもありましたが、次のワクチンを書いたり、あとスライドの左の下は、BCGのコッホ現象のことを書いたりとか、いろいろな製薬会社のパンフレットなども使ってやっています。大変なので楽しく接種したいと思い、なるべく泣かさないでやるために看護師さんが気をそらせて褒めたりとか、針を細いものに換えたりとか、打ち方の工夫をしています。予防接種はお子さんが小児科に来てくれるとても良い機会なので、注射だけで終わるというのではなくて、それを1つの機会と捉えて、子育て支援につなげることが大事かと考えています。心配事の相談をなるべく受けたり、新しい育児情報を提供したり、小さい赤ちゃんだったら、ビタミンKやビタミンDなどの投与の情報をあげたりとか、心掛けながらやっています。

 今、思っているワクチンの問題点を開業医として書いておきました。第14種混合の開始時期が外国では生後2か月なのに日本では生後3か月ということです。ポリオ、百日ぜきの5回目の接種が必要だと言われていますが、開業していると、小学校高学年ぐらいで百日ぜきが確かに多いのです。小学校入学前に1度勧めることができればと思っています。ヒトパピローマウイルスワクチンの積極的勧奨差し控えで、かなり接種数が落ちていますが、これは日脳のことを考えてもかなり異常な状態かと思って、これを何とか打破できないかと思います。普通に考えたらワクチンが大事だと思う方はいると思うのですが、そういう人たちが打てないような状況ができているのかなと考えています。

 インフルエンザワクチンの接種回数ですが、今、中学生から2回となっていますが、外国ではもっと小さい34歳でも、前年にきちんと打ってあれば1回となっていますので、それも考え直さなければいけないと思います。また、任意ワクチンは打っている人はかなりいますが、どうしても家庭のお金の状況とかで、打ちたくても打てない方がいます。これは子供の差別につながってくるので、是非、任意ワクチンを早くなくして、定期接種にしていただきたいと思います。

 同時接種は、私たちは普通にやっていますが、内科の先生などで、同時接種はやらないとおっしゃる方が結構いらして、患者さんが逆に困っているという問題もありますので、同時接種が必要だということももう少し言わないといけないかと思います。接種間隔が生ワクチンは接種後1か月、不活化ワクチンは接種後1週間というのは、海外にないルールです。これが原因になって接種間違いが起こっていますので、間違いであっても、意味のない間違いであれば、ルールを変えることも必要かと思います。あと、皮下接種をずっと続けていますが、特に腫れやすいワクチンは、やはり筋肉内接種のほうがいいと思いますので、筋肉内接種を認める方向に行ってくれたらいいかと思います。

 ワクチン接種が始まってからいろいろな事件がありました。私は3種混合の接種中止の頃から小児科医になり、MMRのワクチンの事件があり、日脳が一時積極的勧奨中止になったり、ヒブ、肺炎球菌ワクチンなどの突然死の問題があったり、最近はHPVワクチンの問題があったりしました。それを受けて予防接種法の改正が行われているわけです。日本脳炎の積極的勧奨差し控えのときには、2005年に重症例が1例あってすぐに積極的勧奨が中止になりましたが、このときWHOなどは日本のワクチンは問題ないということを発言していました。マウス脳をやめて、乾燥細胞培養ワクチンになりましたが、その後の検証でも、ADEMがそんなに減ってはいないということがあって、本当に差し控えが必要があったのかどうかもきちんと検証する必要があると思います。

 ヒブ、肺炎球菌ワクチンと突然死の問題も新聞で報道されて、201134日に一時見合せがあって合同会議が開催され、そこで因果関係は認められないということで、1か月で再開になっています。海外でも死亡例の大半は、感染症や乳幼児の突然死症候群が原因だというのが分かっていて、ある程度の数を超えなければ、副反応とは考えないということがここで確認され、マスコミでも死亡例があってもすぐに報道することはなくなっています。

 有害事象と副作用の問題については、有害事象は、接種の後に起こった全ての好ましくない徴候とか症状、疾患、検査値異常で、副作用というのは、因果関係が否定できないものとなっていますが、一般的に調べているのは有害事象であって、本当に副作用かどうかということとは違うのだということを、国民に知ってもらうことが大切と思っています。

 不活化ポリオワクチンの導入の問題ですが、当時私は神奈川県予防接種研究会の会長をしていました。野生ポリオがなくなり、ワクチン関連麻痺が440万接種くらいで1例あるということで、外国で使われている不活化ポリオワクチンを個人輸入をして打つことがだんだん広まってきていました。神奈川県では、黒岩知事が、県が不活化ポリオワクチンの提供体制を整備して、保健所で打つという事業を始めました。私はちょうど神奈川小児科医会の会長をやっていましたので、どのように対応したらいいのか非常に苦労しましたが、早いうちに不活化ポリオに切り換わったわけです。この辺の対応も、接種していると必ず関連麻痺が出ることが分かっていながら、外国にあるものは未承認であったし、国内のものも開発は進んでいたものの完成しないという状況で、非常に難しかったのではないかと思います。こういうときにどうしたらいいのかということも、みんなで話し合わなければいけないかと思いました。

 HPVに関しては、今、子宮頸がんがどんどん増えていることはいろいろな所で言われていますし、打たない世代に子宮頸がんが多くなることは、誰が見ても否定できないことのように思います。機能性身体障害の契機になったということは否定はできないわけですが、ワクチンを打った人も、打たない人も同じ割合で症状が起こっていることも、最近、はっきり言われています。再開すれば同じような人は必ずまた出るでしょうけれども、それがワクチンのせいではない、科学的な根拠をどういうふうに取り扱うかということが、今後の問題かと思います。何しろ、打たない人があまりにも多いので、どうしていいかということを悩んでいるのが現状です。

 まとめですが、予防接種を打たないで何か問題が起こることと、打って何か問題が起こることの板ばさみの状態にいつも私たちはいるわけです。科学的知見をどういうふうに活かしていくかが課題です。責任を分散して個人の判断が重視されるようになってきて、同意とか、積極的勧奨の中止ということが行われるようになってきており、それも1つの方法ではないかと思いますが、なかなか判断するのが難しいということもあるかと思います。

 さらに、どうしても無過失責任による救済制度、何か起こったときにそれを救済する制度がきちんとそろえば、安心して接種できるようになるのではないかと思います。接種期間など、ルールの厳格化が進んでいますが、余り厳格化し過ぎると、行き詰まってしまうところもあるので、何が大切かということをもう一度整理し直すことも必要かと思います。

 有害事象と副反応の問題、さらにマスコミの報道の問題です。マスコミにかなり国民の考えが左右されていますので、国民に対して国がどういうふうに説明していくかということが、とても大事ではないかと思います。

 最後に大事だと思うのは、予防接種教育です。特に小学生ぐらいから、ワクチンで防げる病気、ワクチンというのはどういうものかという教育をもっとしていくことが、これから何十年も先のことを考えると、一番の大きな課題かと思います。雑駁でしたが、以上です。ありがとうございました。

○倉根部会長 先生、ありがとうございました。ただいま、お二人の参考人から御発表いただきました。ここについて、それぞれの委員の先生から御意見なり、御質問なり頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤委員 大変貴重な話をどうもありがとうございました。両先生から供給問題については御指摘を頂いておりますが、生産・流通部会として、この問題は放っておけませんので、検討させていただいています。現在では、どこの地域にどのぐらいのワクチンが供給されているのかは分かってきており、多い所から足りない所に移すということも進んでいるのですが、そこで問題になるのは、ロットバックといって、今、先生方の所に供給されているワクチンよりも、よその地域から持ってきた使用期限が短いワクチンが供給される可能性が出てくるのですが、それは医療機関が受入れ難いとおっしゃられる所もあるやに聞いているのです。そういう他の地域からの転送するという体制整備をしたときに、先生方のところでどのようにお感じになられるか、そういうロットバックは受入れ可能かどうかということについて、1つお教えいただけないでしょうか。

○倉根部会長 お二人の参考人、いかがでしょうか。

○峯参考人 峯でございます。今の御意見は、もちろんほかのところからでも足りない分が来ていただければ、現場としては助かるのですが、先生がおっしゃるように、有効期限はかなりデリケートで、もう1つは本当にそのワクチンが的確に管理されていたのかどうか。もし、ワクチンの管理体制が十分でなかった場合、あるいは移動のときに本当にそれが大丈夫であるかどうかというのが、なかなかメーカー、卸しから直接来たものとの違いを、果たしてみんなが通常どおり受け入れてくれるかなと、ちょっと疑問はあるのはあります。ですから、私は安定供給のことについては、また別の所でお話をしたことがあるのですが、本来ですと、どこかに医療機関に納めたものを1回引き上げて、移すというのは、卸しに入れたということですか。

○伊藤委員 医療機関に1回行ったものを戻してという形ではなくて、卸しの別の地域にあるものを持ってくる、Aという地域からBという地域に移したときに、もう既にBという地域ではもっと新しいものを卸してしまっていて、期限が2週間とか3週間の古いワクチンをAという地域から持ってきたときに、医療機関によっては、在庫管理の方法が変わってしまうせいもあると思いますが、受入れ難いと言われて、卸しとしてはそういう形の移送ができないと、大変悩まれていることがあります。医療関係者の中の理解が得られないと、そういう体制整備ができないと思っているものですから、先生方の御意見をまず、伺ってみようと思いました。

○峯参考人 本当に足りない場合には、予約をたくさん取っているにもかかわらず、ワクチンが圧倒的に足りないとなれば、恐らく動きが短くても、ある一定の期間で全部使い切ってしまうことはあるのだろうと思いますが、もともと今までが、有効期限が余り短いものは、卸しからは地域の医療機関には納められないという今までの実績があるものですから、ぎりぎりのものが入ってくると思っていないと、うっかりすると、それが有効期限切れのワクチン接種につながってしまうということは確かにありますので、その意味での反発があるのだと思います。私は本来は、最初に作った段階で、どこかに一定の期間プールをして、有効期限も十分あるものを、そこから足りない所に分配するというほうがやはり安全のような気がします。ただ、どこにプールするかというのはとても大きな問題かもしれませんが、もし一定のプールする場所を、メーカーであるとか、卸しであるとか、そういう所のある冷蔵庫、ある冷凍庫は、そういう形で使ってよろしいというように、1か所、厚生労働省で借り上げるとかいうことでもすれば、もうちょっとうまくいくのかなという感じがしないでもありません。

○倉根部会長 横田参考人、この件でありますか。

○横田参考人 私もほぼ同じです。もちろん流通経路がはっきりして、使用期限の長いものがほしいとは思いますが、本当に足りないときで、予約で待っている人がたくさんいるような場合には、入ったらその日のうちに全部なくなるという状況になると思いますので、それは期間が短くても大丈夫だとは思います。

○倉根部会長 ありがとうございます。多屋委員どうぞ。

○多屋委員 先生方の本当に多くのご尽力によって、子供たちのワクチン接種と感染症の減少に貢献していただいていると思いました。お礼申し上げます。それと、先日、MRワクチンの供給の問題について調査依頼をさせていただいており、お忙しい中、大変な調査ですが、よろしくお願いいたします。結果が出ましたら、目的といたしましては、定期接種以外のところで、どういうところにニーズが高まったのかということを明確にして、こういうときには、こういうところに接種の需要が増えているのだというのを、今後の安定供給への対策につなげていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。質問が、先生方に共通するものと、お一人ずつの先生のことがあるのですが、よろしいでしょうか。

○倉根部会長 結構です。

○多屋委員 まず、お二人の先生方に共通する質問なのですが、予防接種の間違いが起こったときに、接種間隔の間違い以外の間違いについては、厚生労働省からコメントを求められて、お返ししているのですが、母子健康手帳を忘れてきたときに、接種済み証をお渡ししても、それをお母さんが貼り忘れて、結局、接種をしていないことになったというのが散見されているように思います。母子健康手帳を忘れてきた場合の対応として、何か名案があれば教えていただきたいと、先生方のお話を聞いて思いました。マイナポータルなども進んでいるように聞いているのですが、来たときにそのお子さんの接種歴が、全国どこでもすぐに分かるような電子化されたシステムができれば、そういうことが起こらないのではないかとずっと思っているのですが、何かそれが導入しにくい原因があるのかどうか、このことについて教えていただきたいと思います。

○倉根部会長 まず、そこでこの件はいかがでしょうか。

○峯参考人 峯でございます。私の所でも結構、母子健康手帳忘れは多くて、ただ、先ほど横田先生もおっしゃっていましたが、そこでもう打たないということになると、その子はずっと打たない可能性もあるので、感染を防ぐという意味では、是非打ってあげたいと。私の所では、母子健康手帳を忘れた場合、接種済み証をお渡しするのですが、カルテにマークを付けて、母子健康手帳を忘れているというのは、いつ、どこで見ても分かるように、そして母子健康手帳を後で持ってきていただく。持ってきていただくまで、そのマークを消さないということにします。マークが付いている子は、例えばその後、普通の診療のときに受診した場合も、「この間、母子手帳持たないで接種したけど、今日は持っているでしょうね」と、何回もしつこく、そして最終的に母子健康手帳に記載する。そうすると、8割ぐらいはそれでカバーできるのですが、引っ越してしまったとか、そうなってしまうと、もう駄目。そうなると、先ほどのマイナンバーを含めた電子的なものですが、なかなか。特に今までのもの、過去のものに関しては、各地方自治体がデータを全て電子的に取っていないものも結構あるようで、そうするとなかなか難しいのかなという感じはいたしますが、今後は是非それをやっていただきたいと思っています。

○倉根部会長 横田参考人、いかがでしょうか。

○横田参考人 私も同じような感じなのですが、ワクチンのシールを必ず一緒に渡して、それを貼る場所を教えて、帰ったら母子手帳にまず貼っておいてと言って、打ったことが母子手帳から抜けないように話をしています。同じように、電子カルテに母子手帳忘れを作って、いつも入れておいて、患者さんが来たらすぐそれが見れるようになっていて、確認をするようにしております。

○多屋委員 先生方に幾つか質問があります。最初に峯先生、お教えください。8ページの予約業務や、管理のパソコンは本当にすばらしいと思って拝見しました。このようなシステムなのですが、全国の小児科の先生で、何割ぐらいの先生が導入されていて、導入には費用が結構かかって、導入は難しいのか、比較的もう導入されていることが多いのか、現状がもし分かりましたら、教えていただけるとうれしいと思いました。

○倉根部会長 峯参考人、いかがでしょうか。

○峯参考人 正直、どのぐらい導入されているか、私は存じておりません。ただし、これは別にこのためにわざわざ新しく開発したものではなくて、一般の予約診療のシステムの中にあるものを使っているだけなのです。ただ、いろいろな予約のシステムの機械がありまして、機種によってはこういうものを装備していないものもあると思いますが、結構、装備しているものもあるようで、私がいろいろな所で話をすると、もう既に使っているという方と、実はうちの機械でもできたのに、今までそれを知らなかったという方が結構多くて、そうすると、こういう形での使い方をお教えすると、それを使い始めて、エラーメッセージなどを活用されたり、予約時の管理に使われる方も最近、随分増えてきているようです。ただ、実数としてはよく分かっておりません。

○多屋委員 ありがとうございます。間違いが起こった後の対応は、先生方皆さん本当に御苦労されていらっしゃるので、導入しやすいものなのであれば、多くの先生方に、今回の部会での御発表をきっかけに知ってもらえるのかなと、もちろん、もうほとんど導入されているのだったら良いのですが、というように思いました。ありがとうございます。

 横田先生と峯先生、お二人の先生への共通の質問なのですが、間違いが起こってしまうポイントは共通されていましたので、それを起こらないようにするためにはどうしたらいいか。人の目で見るのは、どうしても間違いが起こってしまうので、鼻注の薬を点滴で入れてしまったという間違いが起こった時期が10年ほど前にあったと思うのですが、それからは注射器の形状を変えるとか色を付けるとか、医療の設備のほうで変えていって間違いを予防していくということも導入されてきたと思うので、何かそういう工夫ができたらいいなと、お伺いして感じていました。

 接種間隔のことについては、数年前に厚生労働省でも随分取り上げてくださっていたのですが、その議論が今、少しとまっているような気がしますので、不活化ワクチン接種後の間隔とか、生の経口ワクチンの間隔ということについて取り上げてもらえたら、約半数を占める接種間隔の間違いは少なくなるのかなと思いました。

 横田先生に質問があったのですが、13ページのワクチン供給不足の所で、自治体のほうで状況が把握されていないというのは、これはどういうことなのかと思いました。

○倉根部会長 横田参考人、いかがでしょうか。

○横田参考人 これは地方自治体です。私だったら小田原市のほうに供給がどのようになっているか、例えば保健センターとか、そういう所に聞いて何か連絡があるかという話を聞いても、全くそれはつかんでいなくて、むしろこっちへ聞いてくるという感じです。情報が国から県に来て、県から市町村に行くという流れがかなり悪いし、十分に市町村の担当者の人たちも気にしていないのかもしれませんね。というような気がするのですが、違いますかね。

○倉根部会長 ほかの先生からも質問があるかと思いますので、よろしいですか。ほかにいかがですか。

○中野委員 お二人の参考人の先生には、現場からの本当にすばらしいメッセージを頂きましてありがとうございます。大変、勉強になりました。お二人の参考人の先生に1つずつ質問させてください。まず、峯参考人に、名乗り確認のことです。医療の現場では、医療安全管理の観点から、私も名乗り確認は基本だと思うのです。ただ、日本中を見わたして、先生が御指摘になられたように、小児科は患者さん御本人が話せないということもあって、他の科に比べて余りうまくできていないのではないかと、私は自分自身の反省も込めて思っています。先生の所はどういう努力をされているか、きっとコメディカルも含めたいろいろな職種の会議などで、意思確認をして、共通認識でやっているところがいいのだろうと思いますが、ワクチンもそうですし、診療も含めて、100%実施できているかということと、埼玉県さいたま市周囲で、どのぐらいできているかというのがもしお分かりであれば、お教えいただきたいのですが。

○倉根部会長 峯参考人どうぞ。

○峯参考人 私どもも実際、一般の診療の現場からすると、とても難しいです。100%というのは、とてもできないと思いますが、幸いにして、今かかりつけ医制度というのですか、このうちに、かかりつけの子供たち、あるいは親御さんが一緒ですと、大体、普段の診療の中では、この子はこのお子さんに間違いないというのが、みんなの認識として分かるのです。ただ、新しいスタッフが入ったりしますと、そういう認識がないものですから、その辺がうまくいかないことが時々あります。そうしますと、診療の場面も一緒ですが、いろいろな場面で、いろいろな人たちが普段から注意を払って、「この人は違うんじゃないの」というのをすぐ言えるような環境を作っておかないと、大先輩がこうしているのだから間違いないだろうという安心感だけは持たないようにということにしております。ただ、先生がおっしゃるように、子供たちはしゃべりませんので、そうしますと、先ほどちょっと触れましたが、御両親がお仕事をされていると、おじいちゃん、おばあちゃん、場合によって全く別の方が連れてこられる場合もないわけではないので、どこか前に連れてきた親御さんと違うかなというと、「実は私、おばです」となると、その辺が本当に分からないことがあって、確認はとても難しいと思いますが、できるだけのことをやるとしか言いようがない。ただ、どの程度のことが医療機関でできているかは、正直、私はつかんでおりません。余りできていない部分が多いのかもしれません。

○中野委員 ありがとうございます。横田参考人にも、1つよろしいですか。先生がおっしゃられた、予防接種の場はワクチンをするだけではなくて、その子の健康の発育をチェックできる良いポイントだというのは、全く同感で、すばらしい御発言だと思います。どちらかというと、私が見てきたアフリカとかいろいろな国では、子供たちが予防接種に来たときには、体重を測ったり、ほかのことができていたように思うのですが、どちらかというと、日本はそれができていないような印象が逆にあって、私は先生の御発言はすばらしい御指摘だと思っています。

 それに関してお伺いしたいのが、生後2か月からワクチンが始まって、2345と、ロタを飲んだり、3本、4本の同時接種をしたりして、1か月おきに3本、4本の同時接種をしながら、子供の発育も見れますよね。私も小児科学会が言うように、早くから免疫をつけたいですから、同時接種を推奨するのですが、1歳を超えてからのワクチンの現場では、任意接種を含めて、6本ぐらいワクチンがあります。早くから感染から守りたいというのはもちろんなのですが、1歳の時点で十分に歩けない子、十分に意思の疎通、こちらの言うことが1歳並みの理解ができているか。こちらも不安だし、お母様方も不安に思っているお子さんはたくさんいらっしゃるのです。その子たちを、1か月に1度、何かワクチンを打ってあげるのと同じに健康チェックしてあげることと、最初に6本打つことと、両方のそれぞれのメリットはあると思うのですが、先生は現場で1歳を超えた方の同時接種と、月々のチェックというのは、どのように組み合わせてやっておられるか、あるいはどれがベストとお考えでしょうか。

○倉根部会長 横田参考人どうぞ。

○横田参考人 1歳を過ぎると、はしか、風しん、水疱瘡があって、ヒブ、肺炎球菌、あと、おたふくかぜも打ちますが、うちでは人によっては4本打って、次の水疱瘡の2回目のときに4種の追加とおたふくを打つという2回になる人と、1回目を2つに分けて、先にヒブと肺炎球菌を1回打って、1週間後でも1か月後でもいいので、そこで、はしか、風しん、水疱瘡とおたふくを打つというようにして、それから半年後に水疱瘡と4種の追加を打つというようにしています。確かに1か月に1回ぐらい来て、診ていけるのはとてもいいことだと思いますが、そのために予防接種を11つ分けるというのも何かなと思うので、日本は健診の数が少ないですので、妊婦の健診があれだけ数が増えたように、可能であれば、子供の健診の数をこれからもっと増やしていくという方向になって、その中でワクチンが接種できるという形になるといいかなと思っています。うちは、小田原とその周辺では、89か月健診とか、お誕生前健診というのを個別でやっているのですが、そのときにB型肝炎の3回目をほとんど同時に打つというようにしているのです。それもとても良い機会だなと思っています。

○中野委員 国民の皆様に分かりやすいように、何か月で何をするんだというメッセージが、ワクチンはとても分かりやすいかなと思ったので、お尋ねいたしました。ありがとうございました。

○池田委員 医療の現場から、大変な取組、御苦労を伺いまして感銘を受けました。本日の医療従事者の役割に関する事項という所での取組状況に関することが、主たる本日のテーマだと思うので、資料1に書かれている医療関係者の役割という所で、もしかしたら繰り返しになってしまうかもしれないのですが、伺いたいです。予防接種関係者の資質向上ということが、「予防接種に関する基本的な計画」の中で挙げられており、現在の取組として、国及び地方自治体の取組が裏も含めて何行か書いてありますが、先生方のお立場から、国や地方自治体に対して、予防接種関係者の資質向上に関して、何か注文といいますか、更に改善、こういうのが必要だとか、先生方の所でお感じのところがあれば教えていただきたいと思いました。よろしくお願いします。

○倉根部会長 横田参考人、お願いします。

○横田参考人 小児科医会とか、医師会の中のいろいろな予防接種部会とか、そういう所で講習会などを開いていますが、余り十分に開かれてはいないかなと思うのと、ある程度、定期的に開かなければいけない、毎年1回などというようにやらなければいけないのですが、そのようにしている所も、例えば川崎市の医師会は、ワクチンをやるのに講習会に出ていないと担当になれないということで、必ず年に1回出ることが決められているのですが、そういう制度にしないと、なかなか長続きして講習会をするのが難しいのかなと思います。実際には、ワクチン関係のメーカーが付いた、ワクチンの宣伝を兼ねた講習会みたいな形になっていることが大部分なのではないかなと。確かに勉強にはなるし、悪くはありませんが、そういうのばかりではなしに、やはり自治体として、きちんと予算を付けてやるようなことも大事なのではないかなと思います。

○倉根部会長 峯参考人、お願いします。

○峯参考人 先ほど私の話の中でちょっと出ましたが、いろいろな職種がいるのですが、職種ごとに多少、役割分担がありますが、親御さんがどこどこの小児科で、ちょっと予防接種のことを聞きたいんですけどと言った場合には、医者に聞きたいとは限らないのです。ですから、出た人がある程度、一定以上のレベルの話をそこでしてあげないと、例えば「先生は今ちょっと忙しいので、すぐお話できないんです」、あるいは担当の看護師も、「ちょっと今、手が離せないんです」と言うと、もうそこで話が終わってしまいますので、ある一定のところまでは誰でも話ができるようにしておかないと、その疑問に十分お答えできないことになります。そうすると、医師、あるいは看護師以外の職種の方たちにも、ある程度のことを分かっていただかないといけないので、最近、割とメーカーが間に入っているところが多いですが、外に勉強に行かなくても、自分のクリニックの中で、Web上でいろいろなものを勉強できるような、そういう機会が随分作られているように思いますが、それは確かに悪くありません。わざわざ勉強するために日にちを確保して行く必要はありませんので、自分の医療機関の昼休みの時間帯だとか、あるいは夜間の診療の終了後の時間帯、一定の時間帯をワクチンの勉強のために、自分の所で使うことができるということは、そういう意味では勉強する機会を容易に得られることはいいと思います。ただ、行政の方がそれをやれるかどうかというのは、非常に難しいところがあると思いますが、そういう勉強をするためには、気合いを入れてどこかに行かないと勉強できないのだということではなくて、どこでも勉強できるツールは知っておく必要があるのかなという気がいたします。

○横田参考人 追加でよろしいですか。神奈川県では、メーカーが主催しているのですが、スタッフミーティングというのを時々やっていて、お医者さんだけではなくて、スタッフを呼んで幾つか、施設が5つとか10とか集まって、その中で講演会をするというのが結構やられて、スタッフにとっては役に立っていると思います。今日お話が出たような、いろいろなクリニックの工夫などをお互いに教え合ったりとか、そうやってお互いを高めていくという活動がされていますが、そういうものをちょっと行政のほうでもやれるといいのではないかなと思います。

○坂元委員 先ほど横田先生から紹介があった川崎市なのですが、川崎市はそのように予防接種を市の事業として医師会に委託しております。医師会と一緒になって講習会を実施して、それに出席しない所は接種する権限を与えないという形です。これは医師会が熱心にかかわってくれて、「先生の所、出席しないから駄目だよ」ぐらいのことを平気で言っていただいているので、心強い限りです。その中で、学術講習会と制度講習会と2つの部分に分けており、学術講習会には毎年、その年のトピックス的なものについて学識者をお呼びして、かなりしっかりしたものをやっています。それと制度的なものに関しては、こういう国等の委員会の資料や、それを使ってこのように制度が変わったということを詳細にやっております。その事後にアンケートを取って、毎回、理解力などをチェックしているということです。

 あと、先ほどワクチンの供給に関して、把握していない所もあるかもしれないというのはごもっともなところで、自治体といっても、保健医療専門職がいないような自治体もあり、例えば川崎市であれば、予防接種担当は小児科の専門医を張り付けて、いろいろな講習会に出させて、かなりレベルの高いところでやれていると思います。それは多分、都市の規模があって、できる所と、できない所があると思うのです。私としては1つ、そういう小さな市町村はやはり県の保健所とも連携して、保健所にいる保健医療スタッフを上手く利用することが必要かなと考えております。供給量に関しては、川崎市の場合は薬剤師会に委託ですが、市で一括購入しているので、卸とはしょっちゅう情報交換をしているから、まず供給状況は把握できているということです。また政令指定都市の場合は、感染症担当課長会議をある程度定期的にやっている関係で、その日のうちに連絡を取って、どの政令市で何が不足しているか、大体、情報をつかめる場合もあるので、そういう情報が的確に集めることができるということがあるのです。どうも県の方に聞くと、県間同士の連絡というのは、必ずしも県によってはスムーズに行っていないとのようです。県そのものは熱心なのですが、隣の県が熱心でないと、なかなか情報が取りにくいという話も聞きますので、その辺の、予防接種に関して、自治体の連携を深めていかないと、横田先生が御指摘のように、そういう危惧を持たれる場合もあるかなと思います。この辺は自治体の会議等でもそういう意見を今後述べさせていただきたいと思います。貴重な御意見をどうもありがとうございました。

○倉根部会長 私から1つ、峯先生に伺いたいのですが、この小児科の業務マニュアルは平成254月という日付が付いていて、その前に何回かの改訂があり、それでここに至っているようですが、どのぐらいの頻度というか、3年これを使っているということは、もうほぼ完成だということだと思うのですが、現実にはどういうところなのでしょうか。

○峰参考人 業務マニュアルに関しては、実はちょうどそのときに合わせて建物を建て替えて、それに合わせて業務マニュアルを作りました。ただ、予防接種とか、最近は乳児健診などもどんどん中身が変わってまいりまして、そういうものに関しては全体はそれなのですが、個々に関してはタイムリーに合わせて変えていきます。我々のような小さなクリニックですと、業務マニュアルを作って、それをタイムリーに改変していくというのは、とても手間のかかる作業で、それは難しいのです。ただ、私の所は幸いにして、そういうのを専門にする非常勤スタッフがおりまして、看護職とかそういうものから、新しい薬を入れたので、マニュアルの中に入れ込んでほしいと、メモを渡すと、そのスタッフがそこにすぐ落としてくれて、新しいものに逐一、バージョンアップしてくれています。そういう担当者がいてくれるといいのでしょうけれども、そうでないと、私もよくこの質問は受けますが、「先生の所だからやれるんじゃないの。贅沢な話だね」で終わってしまうのです。でも、その機関の内容に合わせて変えることは、どうしても必要になると思います。

○倉根部会長 ありがとうございました。まだまだ御質問があるかとは思いますが、時間の都合もありますので、ひとまずここで終わりたいと思います。峯参考人、横田参考人におかれましては、御発表、本当にありがとうございました。また、本日頂いた御意見については、事務局においてまとめていただければと思います。よろしくお願いします。

 次に、議題2に移りたいと思います。「インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改訂案について」に入りますが、まずは事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○黒崎予防接種室長補佐 事務局から説明いたします。資料4、「インフルエンザに関する特定感染症予防指針改訂案」です。インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改訂に関しては、2017619日開催の第21回感染症部会、及び2017914日開催の第19回基本方針部会で、感染症法の改訂に伴うサーベイランスの強化及び新型インフルエンザ対策に関わる事項を削除するという改訂の方向性について御審議いただき、両方の部会で承認いただいたことを受け、今回その2点を中心に、実際の改訂案をお示しし、御議論いただきたいということです。1つ目の改正案については、平成28年に施行されている感染症法の改定において、感染症に関する情報の収集体制の強化に伴う修正ということで、第一、原因の究明の二について、「指定された医療機関は患者の検体または感染症の病原体の一部を提出することが義務付けられた」と修正しております。

 新型インフルエンザ対策に関しては、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び新型インフルエンザ等対策政府行動計画等が、総合的な推進を図るための指針の役割を果たしているため、削除の方向で修正したいと考えております。

 別添として、新旧対照表()を提示しております。右側が現行、左側が改正案となっております。変更箇所には、それぞれ下線を引いておりますが、今の主な変更点に関して説明します。2ページ、大きなページ番号4の上から7行目の改正案には、「なお、新型インフルエンザについては、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び新型インフルエンザ等対策政府行動計画に基づき、総合的な対策が進められている」という1文を追加しております。

 大きなページ番号の5ページ、二の「発生動向の調査の強化」に関して、一番最後の「また」以下の部分を、現行では「感染症の発生動向の調査に当たっては、患者情報のみならず、病原体情報も含めて、総合的に行うことが重要である」という文章から、今回の改正案では「感染症法第十四条の二において、指定された医療機関は患者の検体又は感染症の病原体の一部を都道府県に提出することが義務づけられており、これら病原体情報も含めて、総合的に発生動向の調査を行うことが重要である」という文章に変更していきたいと考えております。

 次は、12ページ、大きなページ番号で14ページに、新型インフルエンザに関わる部分の第六を全て削除して、大きなページ番号の16で、もともとの第七という部分を第六と数字を変更したいと考えております。

 今後の進め方としては、今回頂いた御意見を加えて、感染症部会のほうでも御審議いただき、更にパブリックコメントを踏まえた上で、告示の改正をしたいと考えております。事務局からは以上です。

○倉根部会長 今、事務局から説明いただきましたが、御意見、あるいは御質問はありますか。私から1つ伺いたいのですが、これは今回改訂した部分ではないので、質問していいか、ここでどうということはないのですが、3ページ、大きなページの5ページの二「発生動向の調査の強化」の所で、4行目に「感染症の情報収集における迅速性と正確性という本来相反する」という言葉なのですが、迅速性と正確性というのは、本来、相反するのかなという疑問。これは既に過去に現行でこうなっておりますので、今ここで変えるべきだという意見でもないのですが、読んでみると、相反するのだろうかという疑問があるのですが、何か事務局でコメントなりありますか。

○野田結核感染症課長補佐 結核感染症課でございます。この記載については、御指摘のように、現行の指針でも記載されているところです。その真意としては、情報がある程度束められるというか、それで待っていると、迅速性が失われてしまうというところで、この表現になっているとは考えております。もちろん、これは今回、改訂を議論というところですので、ここはやはり削除すべきであるということでしたら、削除することはあり得るかと考えております。

○倉根部会長 今の説明であれば結構ですが、読んだ人が一瞬考えてしまうかなという感じが、私自身もあったものですから。今回、事務局から説明いただいたことについて、何かありますか。よろしいですか。そうすると、インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改訂案については、この内容でよろしいということでしょうか。そうすると、この内容でこの委員会としての承認ということにしたいと思いますので、この内容で次に進めていただければと思います。本日、用意した議事は以上ですが、事務局から何かありますか。

○大林予防接種室長補佐 次回の開催については、追って御連絡させていただきます。本日は、峯参考人、横田参考人におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございました。事務局からは以上です。

○倉根部会長 第21回の予防接種基本方針部会を終了いたします。本日は、非常に活発な御議論を頂きまして、ありがとうございます。併せて、再度、私からも峯参考人、横田参考人におかれましては、本当にありがとうございました。お礼申し上げます。それでは、これで終了いたします。

 

 

(了)

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