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2018年3月28日 歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会(第2回)議事録

医政局 歯科保健課

○日時

平成30年3月28日(水) 15:30~17:00

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 仮設第3会議室

○議題

(1)歯科情報の利活用及び標準化普及に関する事項について
(2)その他

○議事

 

○和田歯科保健課長補佐 定刻より若干早いのですが、委員の先生方が全員おそろいですので、ただいまより第2回歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、青木委員より御欠席の連絡を頂いております。また、参考人として日本歯科医師会の瀬古口先生に御出席いただいております。また、オブザーバーとして警察庁刑事局より後藤課長補佐、小島課長補佐をお呼びしております。なお、今回の検討会については公開となっておりますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。この後の進行は住友座長にお任せいたします。よろしくお願いいたします。
○住友座長 こんにちは。第1回の検討会が昨年の7月19日だったのです。時間がたつのが早くて、今回、第2回で一応、平成29年度のテーマでの事業は閉じることになります。また、次年度に継続する可能性が高いと伺っております。今日は最初の予定より開始時間が遅くなったのではないかと思いますが、時間を守って17時には終わりたいと思います。会議の進行に対しまして、御協力のほどお願いいたします。
事務局より、今日、配布しております資料の確認をお願いいたします。
○和田歯科保健課長補佐 資料の確認をお願いいたします。本日の配布物ですが、まず議事次第、委員名簿、座席表があります。資料ですが、右上に資料番号を振っております。資料1として、平成29年度厚生労働省委託事業「歯科情報の利活用及び標準化普及事業」。資料2として、「平成29年度歯科情報の利活用について」。資料3として、「歯科情報の利活用及び標準化普及事業概要」です。また、参考資料1は、「歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会」設置要綱。参考資料2は、昨年7月に行われた第1回の検討会の議事録となっております。乱丁・落丁などありましたら、事務局までお知らせください。
○住友座長 資料を御確認いただいたと思います。早速、議事に入らせていただきます。議題(1)平成29年度歯科情報の利活用及び標準化普及事業について、説明を頂きます。日本歯科医師会に委託している事業ですが、歯科情報の標準化普及事業WGの委員として中心的にやっていただいております玉川委員より説明をお願いいたします。玉川委員は、歯科情報の利活用に関するWGでも座長を務めているため、資料1、資料2、一括して説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○玉川委員 まず、資料1を御覧ください。日本歯科医師会が厚生労働省より受託した平成29年度歯科情報の利活用及び標準化普及事業(以下、本事業)について、これまでの経緯と併せて説明いたします。スライドの右下に番号を付してありますので、今後、御参照ください。スライド2を御覧ください。初めに、本事業の前身である歯科診療情報の標準化に関する実証事業について、簡単に説明します。この事業は、平成25年度より開始され、東日本大震災のときの教訓を基に、歯科診療情報の標準化及び保存を目的として行われてきました。それは東日本大震災における身元確認において、まず身元確認を目的とした歯科診療情報の標準化の取組がなかったこと。そして、津波等による歯科医療機関の被災が原因で、歯科診療所の情報が失われたことの大きな2つの課題が浮き彫りとなったことに起因しております。
これを受けて、初年度はオプテック社と新潟県歯科医師会の2者が実施し、引き続き平成26年度、平成27年度と新潟県歯科医師会が本事業を実施しております。新潟県歯科医師会では、会員の協力の下、来院患者の歯科情報をマークシート様式によるデンタルチャートに記載し、レセコン中に存在する歯科情報との比較、照合の実験を行いました。これにより26項目(標準プロファイル)の情報量を保持すれば、高い精度で身元の絞り込みが可能であることを実証しました。
翌、平成26年度は、この26項目に対して、広範にわたる意見聴取を基に、階層構造に整理し直し、どのような情報の詳細度であっても対応可能で、かつ拡張性を備えたデータ形式を定義しました。
スライド3です。平成27年度は歯科情報の保全という観点から、このデータセットを拡張して、意見交換を行いながらISOで検討中のデータセットの内容も加えております。我が国の保険診療を基に、かつ海外との歯科情報の整合性、互換性を考慮した口腔状態の標準データセットを策定しました。右側にそのデータセットの一部を示しておりますが、データセット自体は896の項目からなっており、右側に、その一部を示しております。御覧のように、階層構造を持たせております。以上が平成27年度までの経緯になります。
スライド4は、昨年度、平成28年度実証事業の概要です。ベンダー各社が異なった形式で電子データを保存しているわけですので、これを共通形式で出力する基盤となるよう、口腔診査情報コード仕様を策定しました。それを基に、ベンダー3社に依頼し、CSVファイルの出力プログラムを開発しました。その後、CSV形式のファイルをHL7形式のファイルに変換するコンバーターを開発しました。HL7形式は、国際的な標準規格でもあり、日本では医科の電子データ蓄積でも使われており、ここではSS-MIXと書いてありますが、現在はSS-MIX2という形式で採用されております。歯科のベンダー各社が直接HL7形式のファイルを出力することも可能ですが、やや敷居が高いため、それまで出力経験のあるレセプトの形式と似た形でCSVファイルを出力できるよう設計しました。さらに、口腔診査情報CSV形式データからHL7への変換仕様も策定し、それに基づいたコンバーターをベンダー1社に依頼して開発しております。これらのことにより、電子診療録等に保存されている歯科診療情報を試作ではありますが、HL7に変換するところまで作ることができました。ここまでが標準化に関する部分となります。右下にあるように、利活用に関しても、どのような取組方法がよいか、あるいはそれらの利点と欠点、あるいは課題等について検討しております。以上が今年度の事業の前に行われた内容です。
今年度事業について説明します。スライド5は、平成29年度事業の概要です。平成29年度は、4つの事業をいたしました。1つ目が平成28年度歯科診療情報の標準化に関する実証事業における未完了部分を補うことです。2つ目が診療情報共有を目指して、モデル地区で事業展開することです。3つ目がモデル地区の事業展開を踏まえて、口腔診査情報コード仕様と出力プログラムを再検討するということです。検証するということです。4つ目が、厚生労働省標準規格の取得に向けた検討です。具体的には、それぞれ次のスライド以降で説明します。
スライド6です。平成28年度事業における未完了部分に関してですが、平成28年度までの実証事業を継続して、モデル地区での事業を開始する前に、「口腔診査情報コード仕様」を修正しました。紙面上、あるいはメーリングリストでの検討を含めて、口腔診査情報標準コード仕様2017年11月17日版ということで、モデル事業開始前に確定しております。口腔診査情報のコード仕様のビジュアル化に関しては、昨年度事業で作成したCSVファイル、あるいはCSVファイルをHL7にコンバートした結果をウェブ・ブラウザーで読み込み、表示が可能なことを確認しております。また、和歌山県内で実施中の総務省のクラウド型EHR高度化事業、いわゆる青洲リンクと呼ばれている和歌山の地域医療ネットワークに田辺地区の介護を含めた情報を連携させる事業ですが、そことの連携も含めて、CSVデータを読み込んで、それを表示するプログラムをこちらでも連携して作っております。レイアウトについても、できるだけ共通規格となるように話を進めております。
スライド7、事業の2つ目ですが、診療情報共有を目指したモデル地区展開です。事業1を踏まえて、「口腔診査情報コード仕様」に準拠した環境を作るということで、モニタリング、いわゆる歯科医療機関での実証を新潟県と静岡県の2地区で行っております。実施概要は、当初、各県200名程度と想定しておりましたが、実際には後ほど説明しますように428名分のデータが得られました。実証結果に基づき、コードの仕様等を詳細に検討しております。それも後ほど説明します。
実証事業の内容ですが、スライド8です。ここでは、現場で集めた個人情報を保護するために、図に示したような運用フローを採用しております。すなわち情報そのものは、右の上のように、最終的には日本歯科医師会に集められました。これに個人情報が含まれないように配慮したということです。左側に戻りますが、県の歯科医師会では、歯科医院での情報提供に必要な院内掲示、あるいは同意書の雛形を作成しております。各歯科医院では、患者さんの同意を得てデータを収集し、レセコンベンダーは当該患者さんのデータをCSVで出力するという形にしております。また、診療所では患者さんの口腔内情報を紙に手書きをしていただきました。そして、CSVデータと手書き書類をまとめて、一旦、県の歯科医師会に提出することにしました。県の歯科医師会では、医療機関IDと患者IDなどを使ってハッシュ値を求めて、患者名との対応表を作りました。紙で来ている口腔内情報のチャートはスキャンして、ファイル名をハッシュ値と同じものに付け替えております。CSVファイルのファイル名も、同じハッシュ値を使って付け替えております。こうすることにより、64桁の数字を基に、レセプトコンピューターの持っていたCSVデータと手書きのPDFファイルとの紐付けが行われるということで、これらをまとめて、最終的に日本歯科医師会に提出いただきました。
このときに議論になったのは、災害時を想定すると、蓄積されたデータを検索するわけですから、最終的には元の個人までたどり着けなければいけないわけで、個人の情報を保護しながら、個人にたどり着くことができるようにする仕掛けを、もう一工夫する必要があるかなということでした。とりあえず、今回の事業に関して、日本歯科医師会で持っているデータに関しては、それを使って、この人が誰であるという個人を特定することはできないようにしました。その状態で、次の作業をいたしております。
スライド9、事業の結果です。先ほどお話しましたように、428名分のデータが集まって、新潟県で209名、静岡県で219名です。新潟県の209名のうち、90名に関しては初診時と最終来院時の電子データと紙のデータが一対で得られております。これによって、初診時と最終来院時のデータの違い等も検証の対象にできると存じます。当初の予定を上回った例数が集まりましたし、性別にも特に偏りはありませんでしたので、以上のデータを集めた解析を行っております。
スライド10は、事業3、モデル地区展開を踏まえた口腔診査情報コード仕様とその出力プログラムの検証の部分です。事業2を踏まえて、問題点を抽出するということで、その結果の検証を行いました。また、身元確認の作業の効率化、あるいは迅速化のために、歯科情報をどこに置いておくのがよいか、歯科医療機関の中だけなのか、あるいはある程度抽象化して集中させるのか、あるいはもっと広い範囲で集中させるのか、そういう保存方法と、それらに対する検索の方法、あるいは問題点、課題等について検討を行っております。これは後ほど説明します。特に法律、改正個人情報保護法との整合性も含めて検討しましたし、平時の有用性についても検討しました。ただ、保管場所、保存方法については、今年度は検討するにとどめて、次年度以降、現有のデータをもう少し分析した上で検討したいと考えております。普及策の検討に関しては、先ほどお話したように身元確認作業はもちろん、平時の有用性について検討を重ねる必要があると考えて、WGの2ですが、後ほど説明しますが、歯科情報の利活用に関するWGを作っていただいて、それを動かしてまいりました。
スライド11は、実際に収集されたデータの例です。左側が手書きの情報をPDFにしたものです。右側が同じ症例のCSVファイル、レセプトコンピューターが持っている情報の出力内容です。右のCSVファイルの一番上にアルファベットや数字の細かいものが並んでおりますが、これがいわゆるハッシュ値と呼ばれるもので、この内容が左側のPDFファイルのファイル名となっています。それによって、口腔内の手書き情報とCSVファイルとを紐付けることをしたわけです。
これをこのまま比較して、何がどのように一致しているかを集計することもできたのですが、その前にそれぞれのデータ、PDFのデータ、あるいはCSVのデータに、どのような内容が含まれているかを集計しました。
スライド12は、レセプトコンピューター側が持っていたデータをCSVファイルに出力した内容です。428件のデータを集めて、そのデータの中にどのような用語が使われているかを集計した内容で、左側にCSVファイルで使われている用語の内容が書かれています。その隣の新潟に、5680と書いてあり、TP,,01,,というのは、新潟県では5,680件あったということです。静岡が空欄になっていて、総計が5,680ということです。この表は、CSVファイルの中身を全部集めて、その用語の多いもの順に並べたものの一部で、実際には全部で723通りありました。用語の総数は1万4,222語ありました。先ほどお話しましたように、県別に分けて、それぞれの用語がどのように使われているかを見ると、例えば1行目と2行目にあるように、TP,,01,,というのと、TP,,,というのと、それぞれ新潟県でたくさん使われているけれども、静岡県では使われていないとか、逆に静岡県では使われているけれども、新潟県では使われていないとか、そういうことが分かりました。これは2つの県でお願いしたレセコンベンダーが2社ずつですので、その2社のレセコンベンダーがどのような情報の持ち方をしているかによって、出力の仕方が異なってくるということも考えられますし、あるいは仕様書に書かれている内容が少し曖昧といいますか、どちらにも解釈できるようなケースもあって、レセコンベンダーがどのように解釈したかによって、出てきた結果が少し違うことも分かってきました。
このような食い違いが生じる原因は、もう1つは、レセコンベンダーのシステムの初期値をどのように持っているかが違うということでした。ということで、書面上というか、見かけ上はたくさんの語があって、その語の食い違いがあったわけですが、具体的にどの項目がどのような原因で生じているかまでは、残念ながら組合せが多いということもあって、時間内で分析をすることができませんでした。また、仮にその原因が分かったとしても、この仕様書を今後広めていくことになると、それぞれのベンダーの立場によって、いろいろな解釈をされては困りますので、そのような状況に効率よく対応する手段が、まず必要だろうと考えました。ということで、今年度事業では、この解釈そのものにどのような違いがあるか、およそのところを把握できたわけです。この食い違いをさらに少なくするためには、出力するときに、こういう状況の場合は、こういうコードで出してくださいねというような、いわゆるガイドラインとなるような表を作ることを考えております。次年度以降、この内容を検討してガイドラインを作ることで、出力時の食い違いを更に小さくできるものと考えております。スライド12に関しては以上です。
スライド13は、PDFファイル、いわゆる手書きのチャートに書かれていた内容についての集計結果で、先ほどと同じように手書きのチャートに書かれている内容をそのまま入力して、集計した結果です。表の左側には用語が書いてあり、その右側には分類(歯の有無)歯が「有」とか「無」と書いてあり、その右側には分類(基本状態)と書いてあり、「健全歯」とか「欠損歯」ということが書いてありますが、PDFファイルの全部のデータを集計したので、用語としては1,617通りありました。先ほどのCSVよりは個数が多くありました。そして、用語そのものの総計も2万1,728語で、多く見られました。この表では、例えば4行目に「FMC」がありますが、実際には手書きで小文字であったり、一部だけ大文字であったり、あるいは括弧が半角であったり、いろいろな揺らぎがありましたが、それらは同一のものとして集計しておりますので、実際に半角と全角を区別するとか、あるいは平仮名と片仮名、大文字と小文字などを区別すると、もっと多くの組合せになったと思いますが、それらは同義として集計した結果です。
その表の右側は、先ほどお話したCSVファイルの内容とPDFファイルの内容とが、どのように一致しているかを比較するときに、直接比較しても、多分このままでは一致する情報になりませんので、CSVファイルの内容もPDFファイルの内容も、1段階、あるいは2段階、抽象的に扱おうと考えました。例えばPDFファイルの2行目に×が書いてありますが、これは健康診査、あるいは歯周病検診などで使われている、いわゆる喪失歯、欠損歯を表しています。この×が付いている状態は歯の有無でいくと、歯は既にない状態だということで、分類としては×が付いていると無、基本状態はいわゆるDMF分類で、健全歯であるか、処置歯であるか、未処置歯であるか、欠損歯であるか、そういう4つの状況に分類したわけです。×は欠損歯ですので、基本状態として4分類にしようと思うと、×は欠損歯としました。3行目にある斜線は健全歯を表しておりますので、斜線の場合は分類の歯の有無でいくと、歯は有り、基本状態としては健全歯という分類となります。
同様の分類をCSVファイルにも適用して、CSVファイルにも歯が有・無、あるいは有髄・無髄という区分がありますので、それに合わせて歯の有・無と、基本状態の4つの状況に変換して、それぞれの語がどのぐらい一致するかを見てみました。ただ、全ての症例で全ての歯について対応表を作ることは困難ですし、どのように表現したらいいか難しかったので、典型的な症例を抽出して比較することにしました。
スライド14は総義歯の症例に関する比較の結果、スライド15は健全歯が多い場合の症例を分析した結果、スライド16は未処置歯が多い場合の結果です。それぞれ集計する前に、ある程度一致するだろうとか、あるいはこういうケースはなかなか一致しにくいだろうということを想定しました。
スライド14は、PDFファイルとCSVファイルの内容で、総義歯の症例に対する分析の結果です。総義歯ですので、ほとんど歯がないという状況ですから、PDFの記載もCSVの記載も、きっと一致しているだろうと想定されたケースです。縦方向にPDFの記載があります。有・無とか、あるいは対象外という回答があります。
右側に、同じ歯の状態をCSVで、どのように記載されているかを記しております。いわゆるクロス集計をやりました。対象外と書いてあるのは、対象の歯のデータが、PDFでは記載されていない、CSVファイルは、歯の番号に付いたデータが出ていないということです。総義歯の場合は、右の下に80という数字がありますが、そのほかの症例の場合は128になっております。80というのは、左右16歯で5つの義歯に対して集計した結果ということです。16歯×5本で80歯ということです。128は、上下32歯で4人分ということですので、128本ということになります。全体では428人でしたが、細かいところまで分析したのは、今お示ししたような各群4名程度のデータになります。
スライド14に戻って説明を続けますが、これはWGでもお話しましたが、なかなか分かりにくいということでした。できるだけ細かく説明しますが、改めてお聞きいただいてもよいと思います。左側のPDFの記載と右側のCSVの記載で、同じ歯、例えばPDFの内容を基に、歯の有無で分類した場合は、この歯は「無」と分類されたとします。その同じ歯について、CSVの内容がどう分類されているかをカウントしたもので、どちらも「無」と表現されたケースは、スライド14の真ん中の右上に70と書いてある場合です。実際には80本の歯について集計したので、PDFの内容とCSVの内容がどちらも「無」ということで一致していたのが70本あったということです。どちらも「不明」と書かれているケースもありました。PDFには歯がないということが明記してありましたが、CSVファイルではその部分のデータが出力されていなかったケースが9例ありました。ここはスライドの背景を赤にしてあります。
ということで、どちらも対象外となっているものもありますので、PDFファイルの内容とCSVファイルの内容は、総義歯の場合は80症例中の71症例が一致しており、88.8%が一致しているという結果でした。これは当初、想定していたのとほぼ同程度の高い一致率だったと思っております。
スライド15は、健全歯が多い症例について、4人分のデータを集めた結果です。32歯×4で132歯の内容です。当初より、歯科診療所の中では健全歯に対して治療はいたしませんので、CSVの結果として出てくる情報として対象外が多いだろうと想定しておりました。表の右下に128とありますが、PDFの記載で「有」、CSVの記載も「有」だったものが58歯でした。一致率は46%になります。逆に、PDFの記載には、この歯は「有」と判断されるのに、CSVからは出力されていないケースが33例ありました。これは当初想定していたとおりで、CSVファイル、いわゆるレセプトコンピューターからは健全歯の情報が余り出てこないことが分かりました。不一致ですので、24%ぐらいでしょうか。
スライド16は、「未処置歯3歯以上」という症例についてです。これは未処置歯が多い方は、多分ほかの歯の部位もいろいろと処置されているだろうから、きっとPDFの内容とCSVの内容は一致率が高いだろうと想定して、集計した結果です。歯の有・無だけで判断すると、PDFの記載の「有」と書いてある行の右端、CSVでも「有」と書かれているのは97歯ありました。PDFの記載が「無」と書かれていて、CSVの記載からも「無」と判断できるものが5歯ありました。両方足すと102歯でした。128歯に対して102歯が一致していたので、79.7%が一致していたと考えられます。
歯の有無だけでなく、もう1つ細かいレベルで見た結果があり、PDFの記載では未処置歯と書いてあって、CSVの記載からも未処置歯と判断された例が1、処置歯同士が右下にあります。健全歯同士もその下にあり、これらを合わせると22歯で、一致率は17.2%になります。PDFの記載では健全歯という判断ができるのに、CSVの内容からは処置歯になってしまっているケースが赤で書いてある37です。PDFの記載では未処置と書いているのに、CSVの結果からは処置済みだと出てきた歯が23あり、その辺りが不一致と考えました。
今回はCSVの情報自体が11月、12月、1月ぐらいまでの限られた期間に蓄積されたものだったので、その間に処置されていない、あるいは処置されてしまったという情報も影響しているのかもしれません。PDF側は、逆に過去の履歴が蓄積されたものですので、データの収集期間が長くなると、CSVデータの内容とPDFデータの内容との食い違いが少しずつ小さくなっていくと考えられました。そうは言っても、CSVデータもPDFのデータも、それぞれに揺らぎがありますので、それらが一致しているかどうか、今回は歯の有無のレベルと、歯の4つの状態のレベルに変換して検討したわけですが、実際の現場では、症例としては歯が全くない状態から健全歯が多い状態まで、たくさんのバリエーションがありますので、その辺りはどのように揺らぎを減らしていくかということがポイントかと思っております。ただ、全体としてどうなのと言われると、歯の有・無というレベルでは、レセコンの出力データと実際の出力データは、高い場合で80%ぐらい一致、低い場合でも50%ぐらいは一致しているという結果が示されたと考えております。
スライド17は、厚生労働省の標準規格取得に向けた検討です。今まで説明した事業(1)から(3)と並行して、厚生労働省の標準規格の取得に向けて、HELICS協議会に提案する準備を進めております。今回の口腔診査情報標準コードを一度に全部、申請するのではなくて、この仕様の基になっている歯式の表現について、MEDISの歯科標準化委員会と連携して、HELICS協議会に申請していただく準備を進めております。また、国民及び医療従事者への理解、協力を促すための啓発方法等についても、歯科医療機関への普及策と併せて研究するとともに、次に説明する利活用に関するWGを作って、そこで対応を検討しております。
スライド18は平成29年度の事業の実施体制です。まとめますと、歯科情報の標準化普及事業WGを設置して、各事業内容の検討と検証を行いました。WGは歯科医科関係者だけでなく、医療情報分野の専門家、この事業の目的である厚生労働省標準規格を円滑に進めるため保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)、あるいは医療情報システム開発センター(MEDIS)の方々にも入っていただいて進めてまいりました。モデル地区展開に基づくレセコンの実証と様々なことが分かってまいりましたので、それを基に今後、個人情報保護法との整合性を担保するため、弁護士の先生方を含めて、更に検討を進めていきたいと考えております。以上です。
○住友座長 先ほど資料1、資料2を一括にと言ったのですが、ここまでで御質問がありましたらお願いいたします。例えばスライドの5ですが、到達度と言いますか、1、2、3、4という段階があります。平成29年度事業の到達度に関し、先生の評価としては、どのように考えておられますか。
○玉川委員 なかなか難しい質問ですが、(1)の未完了部分の実施は、100%と思いますが、新たに出てきたものがありますので、率が下がりまして、8割ぐらいかなと思います。それから、(2)モデル地区の展開は当初予定していた以上の人数が集まっていますし、きれいなデータが上がってきましたので、これは100%完了というように思います。(3)出力プログラムの検証に関しては、当初想定していた以上の様々なばらつきがありますので、これをコード仕様に反映させようと思うと70点ぐらいかなと思います。(4)の厚生労働省規格の取得に向けた検討に関しては順調に進んでおりますので、これもほぼ完了だと思います。来年度は、実際に委員会を開いていただいて諮問を受ける立場まできていると考えております。以上です。
○住友座長 以上、平成29年度の事業内容の概要について御説明いただき、現時点での到達度を述べていただきました。かなり専門的と言うか難しいところがありますが、何か御意見がありましたらお願いいたします。ここでの到達度が100%で終わりというわけではなくて、今度は検証事業が考えられているというように理解していいですか。
○玉川委員 そうです。
○住友座長 このような状況ですが、御意見はございますか。
○小室委員 実証地区で「おおむね200人程度」となっていますよね。前回、私が確認という意味で尋ねたのですが「200医療機関の間違いではないですか」という話をしたのですが、そのときに200人ではないという話だったと思っているのですが、数的には少なくないですか。お手元に議事録がありますが、「200医療機関」となっています。そうすると、15とか12の医療機関ですから、当初の想定からすると数が少ないのではないですか。議事録の10ページの真ん中ぐらいにありますけれども。
○住友座長 ここでは200医療機関となっていますね。
○小室委員 ここでは200名程度は数としては少ないので、200医療機関の間違いではないかと尋ねているのですが。今回の報告ですと15とか12の医療機関で行っていて、428名ですから、数的に全然足りていないということにはならないでしょうか。実証事業ということでしたので、前回私は確認したのですが。428人で精度を調べて、100%であるというようなことを言われましても、普遍的に物事がいえるのでしょうか。
要するに、CSVファイルと26項目からなるPDFファイルを用いますと、428人は全て識別でしょうし、どのようにお考えでしょうか。もっと数を増やすということはしないのですか。
○玉川委員 歯の状態としては、そこにあるように出てきていますので、解析対象としては十分だと思います。
200医療機関だったのではないかということですが、私の認識としては当初から200人ということを考えておりましたので。
○小室委員 「200医療機関ですよね」と確認したとき、「そうです」と議事録はなっていますので、この実証事業が正しかったのかどうかが危ぶまれます。
○柳川委員 私も何となく疎覚えなのですが、確かに小室先生がそのような発言をされたのは覚えていて、我々はむしろ200名という感じだったので、その前の瀬古口参考人はおおむね200名程度ということになっている、200医療機関かどうかは未定だと前後に議事録が載っていますが、200医療機関を2地区でと断定したような記憶ではないのですが、いかがでしょうか。
○小室委員 「実証事業」という言葉が、何を指しているのかが不明です。使用段階に入る直前の検証の意味ですよね。日本全国7万箇所ぐらいの歯科医院等で始まるわけです。普遍的に考察するためには12とか15の医療機関でよかったのかなという感じがするのですが。数が少ないと偏りも出てきますよね。
○玉川委員 実証のそもそもの目的は、我々が作った仕様書のコードが、昨年度のモデルケース、我々が作った口の中のこのような情報は表現できるかなという机上のものと比べを、実際の患者で過不足がないかということを確かめたかったのです。それが実証の内容ですので、400人分のデータがあれば、そこはカバーできるだろうと考えておりますし、実際にやってみますと、その1つ手前というか、いろいろなレベルがあって、出てきたデータそのものにも揺らぎがあると。
それから、見に行こうとしている先にも揺らぎがあるということが改めて分かったと。おおよそ揺らぎがあるだろうなと分かっていたのが、これだけの違いがあるとわかりました。
○小室委員 揺らぎというのは、所見と一致しないという意味ですか。
○玉川委員 そうです。全く同じではないということです。
○小室委員 それは、CSVファイルがレセプト内容を反映しているものだとおっしゃっていましたよね。
○玉川委員 そうです。
○小室委員 PDFのほうはそのままですから、それらを直接に比較しますと、確かにそれは一致しないものが出てくるはずでしょうから、それを揺らぎとおっしゃっているのですか。
○玉川委員 そうではなくて、同じCSVファイルの中でも、実はCSVファイルの中に階層構造が入っていますので、この歯は、ある歯ですというようにレセプトから出てくる場合もあるし、この歯にはインレーが入っているというデータが出てくる場合もあるし、インレーが入っていて、それが咬合面と近心だという場合もあって、それらの解釈が少しずつ違うので、歯の状態としてはあるかないかを見ようとしたわけですが、そこの揺らぎです。同じインレーでもここの部分はデータを省略してもいいですというように仕様書に書いている所もありますし、ここは省略しないで、きちんと書いてくださいと仕様書に書いている所もあるのですが、実際に出てきたデータを見ると、そこは書かれていたり書かれていなかったりするということがありますので、そこを「揺らぎ」というように呼んでいます。そういう意味では、同じ状態なのに出てきたCSVコードが見掛け上で少し違っていたということです。
○住友座長 こちらの議事録の内容と今回の実際の数字が違うというのはあるのですが、実際に実施したのはスライドの9番です。瀬古口参考人が言われている2地区において、機関は15と12、数が209、219の428ということです。これが、また後の資料3になるのですが、平成30年度は、今回と同じような形でもう一回行うという意味でしょうか。平成31年度のほうには書き込みがあるのですが、これは後で議論する話だとは思いますが。
○玉川委員 そうですね。
○住友座長 平成30年も入っているのですか。前年度と違うものを行うというようになっていますから、歯の数は増えるのでしょうか。
○玉川委員 増えます。
○住友座長 そういうことですから、今のところは、これしかデータはなかったということになります。それでも、先ほど言いましたように、目的としては100%に到達していると言えるかなと。
○小室委員 90人だけが初診時と最終データがあるということですね。最終データがない、あるいは初診時のデータがないというのは、数字に出てくるのですか。
○玉川委員 今のところ、最終来院時のデータしか見ていないのですが、初診のときと最終のときと、PDF上では違いが出ています。もちろん未処置の所が処置済みになっているのはあります。それが、CSVでどのように表現されているかまでは見られていません。
○小室委員 CSVにおいてインレーにはインレーの数字が与えられているはずですよね。
○玉川委員 そうですね。
○小室委員 ただ、レセプトのほうは情報量が少ないですが、全歯について歯が有・無ということの情報を得ることはできます。細かいデータとしてはないですから得ることはできませんね。
○玉川委員 特に、初診時に診査をした情報がレセプトメーカーによって、デフォルトでどう載っているかも違うようで、その請求の都合上、その歯があるというように載っているメーカーもあるし、白紙のメーカーもあるし、いろいろなのだということが改めて分かったということです。
○小室委員 PDFの空欄は健全歯にしようというのは決めたのですか。
○玉川委員 そうです。
○小室委員 了解しました。
○住友座長 ほかにいかがでしょうか。
○工藤委員 1点だけ教えてほしいのですが、16ページの「未処置歯3歯以上」ということなのですが、通常これが一番我々としては使いやすいデータなのですが、先生が先ほど言った揺らぎのことですが、その前に幕の内弁当の話があったのですが、例えば唐揚げが入っている予定でCSVになると唐揚げがなくなってしまっているというのは、イメージ的にどのようなものなのかというのを教えていただければと思います。
○玉川委員 確かに、唐揚げが入っていませんでしたよね。それは、仕様書の書き方にもよると思うのですが、この部分は「省略可」と書いてあるところを、気をきかせて電子診療録上はデータを持っているから出力していただいているメーカーと、そうでなくて省略可だから省略といって出されている所とがあったので、記載がなかった所はあります。
○工藤委員 それをすり合わせて、例えば唐揚げが付いているという形にはなる予定なのでしょうか。
○玉川委員 そうです。具体的に言いますと、8です。第3大臼歯の扱いが随分違うと思いますので、その部分が出てきているのだと思っていますが、総義歯の場合は7から7の情報が書いてありますが、8については、ほとんど情報が書いていないので、それが反映されているのだと思っています。
仕様書には、その場合はどう書きなさいということは書いていませんので、ベンダーによってデータが出ていたり出ていなかったりで、このように揺らいでいると解釈しています。
○工藤委員 そうすると、そのルールを作れば、ルールを守っていただければ可能だということですか。
○玉川委員 そうですね。今回出てきた揺らぎの内容をもう少し解釈して、こういう場合はこう書いてくださいと。例えば、第3臼歯がなかったら「無」と書いてくださいとか、そういう情報は付けなくていいということを明示的に書かないと、一致しないのだなということです。
○工藤委員 分かりました。
○小室委員 現地では8番を含め埋伏歯については、レントゲンが撮れればいいのですが、撮れない状況下では、どうしても曖昧になりますよね。そこら辺はどうしても難しいですが、PDFで書く場合は、「無」としか書けませんものね。
○玉川委員 そうですね。
○小室委員 どの程度レントゲン撮影装置が使われるかの問題もありますが、使われない状況もあるかもしれないし。感想ですが。
○住友座長 続いて、平成29年度の歯科情報の利活用についてです。このワーキングの座長でいらっしゃる玉川先生、引き続きお願いいたします。
○玉川委員 先ほどのワーキングは標準化ということで、こちらのワーキングは利活用ということでした。先ほどは身元確認の迅速化と効率化、あるいは歯科診療情報の標準化ということが中心でしたが、こういうコード仕様ができたら、どのように使えるのかということで、新たな利活用方法あるいは多職種連携、あるいは標準化そのものをどう扱っていくかということで、「ワーキング2」を設置したということです。
資料を1枚めくっていただきますと委員が出ています。主に病院情報システムを担当しておられる歯科医師の東京大学の井田先生です。日本医師会のORCAを担当されている伊藤さん、和歌山県の県立医科大学におられて先ほど少し説明した「青洲リンク」を担当されている医療情報部の先生である入江先生、日本歯科医療管理学会会長の白土先生、歯科医師連携やかかりつけ医連携のことでお世話になっています。それから私と、臼杵市医師会の先生で「うすき石仏ねっと」を実際に運用している舛友先生です。このような方々に委員をお願いしていました。以下、資料に基づいて概要を説明いたします。
5ページを御覧ください。井田先生から提案いただいた資料で、概要というか、歯科情報を利活用するなら、こういうことが考えられるということで、応用に関して網羅的な記述がしてあります。6ページに内容がありまして、標準コード仕様そのものが固定のものではなくて持続的に発展することを前提にして考えてみたということです。1つ目は、左上の(1)匿名のビッグデータとして利活用できるだろうということです。歯科健診・検診あるいは診療所で行われている診療情報を一旦匿名化して、いわゆるビッグデータにしようということです。右側にあるように、集計情報として利用できるだろうということです。現在、歯科疾患実態調査が5年に1回ですが、その間を埋めるような細かいデータが得られるということが期待できます。その下にあるように、これは治療方法・材料ごとの臨床効果の測定。いわゆる臨床効果の測定と考えられます。既存のビッグデータと突合すると、その下にあるように医科の情報と歯科の情報を組み合わせることも考えられるだろうということで、いわゆる臨床疫学、臨床研究の分野に使えるだろうというのが井田先生の1つ目の御提案です。
次のページにいきまして、いわゆるPHRへの利活用についてです。右側にあるように、患者あるいは個人が、自らの健康情報を管理するということで、Personal Health Recordの略でPHRです。PHRの情報の中に歯科のコード仕様を入れるということで、それらを収集し、某かの認証基盤、この人は誰か、情報を見にきた人は誰かというような認証基盤が必要ではありますが、その情報を提示して、個別の情報を患者に提供する、医療情報自体を患者が管理するという立場での利活用ができると思います。このときに、コードが標準化されていると、それを基にして作るアプリケーションが少なくて済むと言うか、コードがたくさんあると、それごとにアプリケーションを作らなければいけないのですが、コードが一致していると少ないアプリケーションでできますし、あるいはアプリケーションを作る人たちの間での競争も生まれてくるので、よい意味でPHRが活性化されるのではないでしょうか。いわゆる生涯にわたる健康情報の一元管理ということに関して有効活用ができるという考えをそこに示してあります。
先ほど少し話をしましたが、この際に課題となるのは何かと言うと、左の下に書いてあるように認証基盤ということです。それぞれのデータがどのように管理されているかを、管理している側が知っているということも大事ですし、この人は誰かということをきちんと担保する仕組みがないと、むやみにそれは私のデータだからくれと言われて、どうぞと渡すわけにはいかないということをそこに書いています。いわゆるHPKIという仕組みが必要ではないか、あるいは患者側からすると、医療等のIDが必要ではないかということ、それから、それぞれの職種によって、どのような情報を見にいけるかの権限管理が必要ではないかということが書かれております。
次のページのスライド8を御覧ください。標準コードができると、歯科のいろいろな支援システムへの応用ができるだろうということで、健診情報のことを書いています。健診にはいろいろありますが、学校健診、特殊健診、特定健診等の歯科の情報を集めることができるでしょうし、インプラントに関しても情報収集が可能だと考えています。診療録に関してもコードが同じですと、先ほどお話しましたように、コード間でチェックするとか、コードと病名のチェックをすることも1つのアプリケーションで済みますので、利活用に役に立つのではないかと考えています。
4番目として、歯科医療以外の産業にも応用できるだろうということです。下のほうに4つ具体的に挙げていますが、こういうデータを基にして、3番目にありますが、効率的な歯科医療行政に貢献できるだろうということが提案されておりました。
井田先生のお話は、総論的というか、応用可能な範囲はこのようなものですよねということでしたが、続いて医師会のORCA管理機構の伊藤さんからもプレゼンテーションがありました。ここでは、現在医師会主導で稼働中のデータ収集の内容、SS-MIX2と呼ばれる規格を中心にして、かかりつけ医連携を行っておられるのですが、そういうデータ収集の基盤がどのような状況かというようなことと、現在の課題についてお話を頂いております。
スライド10を御覧ください。医師会中心に行われている事業ですが、かかりつけ医を通じて、国民の生涯保健情報を安心・安全に統合管理するという大目的がありまして、医師会では「ORCA」と呼ばれる保険診療のレセプトコンピューターを開発して広く利用しておられますが、それを中心に潜在的な医療情報の収集ができるだろうということです。
先ほどお話しましたSS-MIX2ですが、医療情報の交換の規約を活用して、医療機関同士で医療情報を交換し、地域医療ネットワーク等でお互いの医療機関が持っている情報を見に行く、見せてあげるということが行われています。そういうことも情報収集の一環として現在行われています。1つ飛びます。医師会では、医療等IDに関しても特に力を入れて進めておられまして、匿名加工の方法、患者の名寄せの方法、特に難しいのは同意の在り方だと聞いております。そういうことに関して、基本的なポリシーを検討中、作成中であるというお話がございました。難しいのは同意だと私も思いますが、いろいろなところで、いろいろな同意をしないといけないので、結局、患者は「そんな邪魔くさいことはできません」という話になってしまいがちということで、そこを乗り越えなければ、いわゆる情報の統合基盤ができないという、極めて現場寄りのお話を頂きました。
次のページを御覧ください。実際に伊藤さんの所で収集予定のデータが記載されています。医療情報は先ほどお話したようなことで、医療機関間で収集されているデータを中心に進めておられますが、特に糖尿病患者の情報には力を入れておられると聞いております。健診情報に関しても、特定健診の情報を集めたということを聞いています。介護の情報も同じく収集しておられて、4つ目の死亡情報が特に手に入りにくいということでした。生活情報に関しては、「かかりつけ連携手帳」というのがあり、かかりつけ医あるいは、かかりつけ歯科医を連携するための手帳がありますが、それを中心に情報収集しておられるということでした。
12ページは、伊藤さんの考えておられる課題です。まず匿名加工です。今、議論されていますが、どうやって共通の運用方針を作るか、先ほどお話しした同意の取り方と関係しますが、丁寧にオプトアウトするにはどうすればよいか、医療等IDの実現方法をどうするか。このようなことが主に述べられています。特に、改正個人情報保護法に対して、医療でのデータ利用についてのいろいろな議論がなされているので、次世代医療基本法も含めた現場での努力がされているということでした。
そういう努力がどこに向かって実現されていったらいいのかという1つのモデルとして、うすき石仏ねっとというものがあるということで、医科歯科連携が実際に稼働している地域医療ネットワークの例として、臼杵市の舛友先生にお話を頂きました。うすき石仏ねっとは14ページにあるように、臼杵市内で実際に動いている地域医療ネットワークですが、臼杵市の医師会が立てたもので、コスモス病院という所に実際にネットワークサーバーが置いてあるものです。医療だけでなくて、介護の情報も入っています。ここでは、臼杵市内の4万人ぐらいの市民に対して、現在1万7,000人ぐらいが参加されているようですが、患者に、石仏のデザインされた「うすき石仏ねっとカード」というカードをお渡しされて、そのカードとは別に医師がカードを持っていまして、それらをカードリーダーにかざすことによって患者の情報がそのときに見えるようになるというものです。そういう仕組みが動いているということでした。患者にとってみたら、私のデータは見てもいいというのと、今この情報を見ていますということを、右の下に書いてあるカードリーダーを通して明示的に行われるので、私のデータが陰でどうなっているかが分からないから心配だという不満の声はないと、聞いています。それから、ネットワークそのものも、いわゆるケーブルテレビネットワークを利用していて、インターネット接続していないということもあって、患者側からは安心して接続できるし、データが漏れる心配もないという評判を頂いているということでした。
次のページを御覧ください。では、「うすき石仏ねっと」はどうなっているかという話です。真ん中の辺りに書いてあるように、患者の情報は、それぞれ私の情報はここで見てもいいという同意が得られたら、そこで表示するということになっています。左側にあるように、歯科医院の情報、訪問看護ステーションの情報、内科の診療所、病院、薬局、介護施設、居宅介護事業所というように、いわゆる医療だけでなく介護を含めた全部入りのネットワークです。基本的には、ある診療所のIDをうすき石仏ねっとに登録することによって、地域共通のIDというものができるわけで、その石仏カードを持っている人が、私の情報は見てもらってもいいということを担当医の前で宣言し、担当医はカードを使って見に行くということになっています。同意してから60日間は情報が見えるようになっていて、それを越えると見えなくなるという仕組みもあるということでした。
16ページには、「うすき石仏ねっと」の検査等が実際に示されている画面例を紹介しています。上に並んでいるように、何とか循環器、何とか内科、眼科、何とか医院というように、異なる医療機関の検査結果も時系列で見られるようになっています。健診のデータも入っていますし、血糖値のデータも入っています。HbA1cのデータも入っています。検査結果は、このように異なる医療機関のデータが実際に見えるようになっていて、highとlowの表示もあるということです。
17ページは、電子化おくすり手帳です。これも先ほどと同じように、どこの病院で、どのようなお薬が投与されているかということが見えるようになっています。これは、普通の標準コードを使うだけでは難しいということもあって、18ページに書いておきましたが、N-sipsというサービスをお使いになっているそうです。実は薬剤にはいろいろなコードがありますので、そのコード間の調整等をN-sipsに任せているということでした。
19ページを御覧ください。歯科の連携の内容ですが、治療の管理情報もありますし、訪問歯科衛生指導の内容あるいは歯周病のチェックの内容も上がっているということです。各歯の状態は、ここでは26分類が扱われていますが、26分類を手入力されているということでした。
20ページを御覧ください。うすき石仏ねっとに搭載されている機能の概要が書いてあります。この中でよく使われているのは、左上にあるコミュニケーションツールということでメール、掲示板がよく使われているというお話でした。歯科医療管理学会の白土先生もこれを使っておられて、歯科連携もさることながら、患者情報の既往歴・アレルギー歴をよく利用しているというお話でした。
21ページ、22ページは、医科と歯科の連携についてです。21ページは、医科から歯科に向けての情報が左上、歯科から医科に向けての情報が右下の画面です。医科から歯科に向けては、こういう内容で紹介状が実際に動いているという話でした。合併症の有無、既往歴の有無、病状の所に、実際には担当者がチェックを入れているということです。医科から歯科に紹介状を書くときのフォーマットが既にあります。逆に、歯科から医科に紹介状を書くときの内容は、うすき石仏ねっとで協議された結果、これぐらいの情報でいいだろうということで集約された内容です。特に医科側からは、歯周病の状態、程度の状況がほしいということで、そういうことが上がっていました。
22ページは医科歯科連携の内容です。ここでは、右の下のほうに訪問歯科衛生指導で、一体どのようなことがされているかのフォーマットを上げています。真ん中辺りの右のほうですが、口腔の状態として歯石や歯垢の有無、口腔の清掃について、注意事項ということがありまして、情報連携がなされていて、衛生士が実際に訪問指導した記録がここに入力されているということでした。
最後に臼杵の説明です。先ほど少し概要を説明しましたが、人口は4万人ということですが、1万7,430人が登録しておられて、歯科医院も18施設が登録されているということでした。一番最後に書いているのが、医科側から見て、このような歯科情報がほしいということです。先ほどの診療情報提供書の中にも書かれていた情報ではありますが、改めてリストアップしていただいたものです。具体的には、災害・救急のときに口腔内写真・パノラマ写真がほしいということです。それから、地域の歯科電子カルテとしては、歯周病の状況、骨粗鬆症の状況、ケアマネージャーからの相談内容としては、メールでいろいろと文書を交換されているそうですが、何を食べたらいいか等を交換しているということでした。
ということで以上をまとめますと、説明が不十分だったかもしれませんが、今回の口腔診査情報標準コードを用いることによって、利活用という側面から考えますと、多量の情報がまず得られます。そして、それを分析するためのツールが比較的シンプルに構成できるだろうという側面があると思います。それから、医科と連携を行うということですので、かかりつけ医あるいは、かかりつけ歯科医との連携で電子情報がうまく活用されると、地域医療ネットワークの中での情報連携ができるでしょうし、実際に、「うすき石仏ねっと」では随分進んだところで情報共有がなされていると思いました。和歌山の例を紹介していませんが、実は和歌山の「青洲リンク」というものもございまして、主に和歌山県の災害用対策ネットワークということで、総務省のEHR事業として、介護情報も入れるということで動いています。今の「うすき石仏ねっと」も、今年度は総務省事業として予算が付いていまして、来年度も引き続きネットワークとして運用されていくということでした。ということで、今回の標準コードを使うことで、最終的には患者自身が自分で情報を管理できるようになる、そういう管理への道筋を開くことができると考えております。駆け足でございましたが以上です。
○住友座長 ありがとうございました。それでは、質問をお受けいたします。何かございますか。
○工藤委員 これは福島も始めているのですが、このうすき石仏ねっとの歯科情報の、一番最初の歯科情報は、身元確認で一番大切な部分なのです。ここに検索機構を付ければ、一発で出るのですが、最初、私はそのようなイメージだったのです。だから、SS-MIXと言ったのは、実はここにこだわったところがあって、それは可能でしょうか。
○玉川委員 可能だと思います。ただ、今は手で入力しているそうです。今回のコードがありますので、できれば自動でセットから、そこを出してほしいというように考えておりますので、工藤先生が思っておられる所に、是非次年度は入っていきたいと。
○工藤委員 そうすると、「うすき石仏ねっと」も今、福島でやっているものも、患者さんに、同意書のカードを渡すときに、こういうような理由で使いますので、それに対して同意してくださいとなるのです。そうなると、災害時の医療情報や身元確認と一文字入れると終わってしまう話になるのですが、そこら辺も認識してください。
○玉川委員 はい。
○工藤委員 ありがとうございました。
○住友座長 ほかにございますでしょうか。
○小室委員 同意書というのは、様々なところで同意をもらわなければできないとおっしゃっていましたが、それは包括的な同意では駄目なのですね。
○玉川委員 そうですね。
○小室委員 個別に同意をもらうようになっているということですか。
○玉川委員 はい、個人情報保護法の制定後は、包括的では駄目ですので、例えば「うすき石仏ねっと」は、うすき石仏ねっとで取れていますが、他の地域医療ネットと連携したときに不可能。例えば、大分の人が福岡に行ったときに、福岡で事故に遭いましたという場合、どのようにデータを見ますかということについて同意はしていないはずなのです。
○小室委員 そういうことですね。
○玉川委員 ですので、そこも。
○小室委員 そういう登録している、そのうすき石仏ねっとを使う場合は、項目をざっと書いておいて、こういうことで使いますよと提示しておいて同意を取得すれば、それは許されるのでしょうか。そうすると、いちいち取らなくてもいいわけですよね。
○玉川委員 どういう目的で使いますかということを、全部書かないといけません。例えば、薬局が1つ増えたときに、名前を書いていなかったということにならないような同意書の文章を作らないといけませんからね。
○小室委員 薬局はどこでもいいですから。
○玉川委員 それがなかなか現場としては難しいと思います。これから同意を取る所はできるかもしれませんが、既に同意を取ってしまっている所に改めて同意を取ろうというのは、なかなか難しいと思います。
○小室委員 この7ページで、死亡情報が一番取りにくいという話をされていましたが、これはなぜですか。
○__ あれでしょうかね。死亡診断書。
○小室委員 なぜ情報が取りにくいのですか。いわゆる国が管理しているものですから。
○柳川委員 死亡の個票が市町村になっているので、それで取りにくいのではないですかね。
○玉川委員 管理が違うということで。
○柳川委員 個票管理は市町村じゃないかと思うのです。国とか県が管理していたほうが、取りやすいのではないかと思うのですけれども。
○小室委員 死亡診断書は、国の管理下ですますよね。死亡診断書は市や町に出しますと、国まで上がっていきますから、国の管理ですから、情報は得やすいのではないでしょうか。
○柳川委員 私も県の会議でそのことを発言したことがあるのですが、やはり取りにくいと伺いました。あと、PHRの件ですが、この標準仕様ができて、各健診にも対応できるわけですよね。ただ、実現のためには妊婦健診から、1歳半健診、3歳児、学校、成人歯科健診、後期高齢者歯科健診と続きます。やはり、それぞれが健診様式が違っていても、統一が可能なのか、それともやはり、その標準データセットを活用しなければいけないわけですよね。その辺の手順はどういうことなのですか。
○玉川委員 今回の標準コード仕様には、妊婦健診の場合のコードはこの番号です、3歳児はこの番号だと書いてありますので、コードの受け皿としてはあるのです。ないのは例えば、妊婦健診のときには保健所でありましたというときに、保健所の番号とか、学校でありましたというときには学校の番号とか、学校健診したときには健診をした人の番号なのか、学校の番号なのか、組織なのか、その辺りの決めがまだないのです。ですので、それを追加しないと、データとして出せませんという話になっています。学校健診の場合も、学校歯科医の先生方のコードがあれば、それでいいのですが、今のところ、そういう番号というのはあるのですが、これを使いましょうというところまで決められていませんし、学校歯科医の先生の診療所の番号でもいいかもしれないですけれども、いろんな所の学校歯科医をしている先生だと困るでしょう。最終的には、その歯式を持って個人までいかないといけませんから、途中に入っている組織を一意に認識するようなコードが何かを決めて、それをどのように書くかを、この仕様に盛り込まないと、データとして入りにくいと、そういうことだと思います。データはあっても、そもそもそのデータはどこから来たんですかというのが分かるようにしておかないといけないということです。
○柳川委員 例えば、窓口の担当者だとか、歯科医師の個人認証みたいなものが必要になるわけですか。そこまでは必要ないのですか。
○玉川委員 今、学校健診では、それはやっておられないと思いますが、どこかではんこを押していると思うのです、健診票に。そういう意味では個人認証まで必要になってくると思います。
○柳川委員 ありがとうございました。
○住友座長 日本医師会がお勧めしていますからね。それに我々のスタンスはどのようにすればいいのですか。要するに歯科独自というわけではなくて、やはり臼杵市のような形を求められるのではないか。今、そこはどのように利活用のワーキングで議論しているのですか。
○玉川委員 SS-MIX2という医科の標準の中に、歯科のデータも入れて、歯科からも検査を見られるようにしようと。歯科の検査も医科から見えるようにしようというスタンスが良いというように思っています。それで、臼杵市が1つのモデルと考えています。そういう話が出ています。
○住友座長 日本医師会の中に、これは柳川委員に聞けばいいのかもしれませんが、日本歯科医師会がここにメンバーとして入れるかという、そういう話は。
○柳川委員 三師会で、ある程度協調するということになっていますけれども、医師会には既に認証局があり、発券もできます。ただ一方で、物理的に毎年何千名くらいの認証カードしか出せないということは聞いています。薬剤師会はもう始めています。歯科医師会だけがスタートしていない状況にあります。
○住友座長 ほかに何かございますか。
○関口委員 これ、次年度にも続くということなので、ちょっとお伺いしたいと思うのですが、参考資料1にありますが、この検討会の設置要綱の目的の所を見ると、身元確認作業の効率化、迅速化に向けての体制整備、事業に対する国民及び医療従事者の理解と周知の必要性などを検討するとなっていて、想定される主な検討内容にはそういうことが書いてあるわけですが、資料3の事業概要説明のほうの「本事業」の平成29年度の所を見ると、目的の所に、②「このコード仕様を用いた新たな利活用方法、ならびに、ICTを用いた新たな連携方法について検討する」と書いてあります。何かこれは、今回のもともとの設置要綱にあった目的と、大分発展したものが入ってしまっているのではないかなということで少し驚いています。それで、今までの検討、あくまでも身元の確認作業の効率化、迅速化というのをベースに前回までは検討していたと理解していたので、今回ここまで利活用の方法というところで議論が進んできたということが、ちょっと私としては意外だったというか、随分一足飛びにここまで進んでいるんだなということで驚いたということがあります。それで、来年度もやはり、この利活用のワーキンググループでの検討で、こういった検討を進めていくということであるとすると、この検討会の性格も大分変わってくるのではないかなと思っていて、そこのところはどうなるのか。それによって私も臨むし、日弁連として私は来ているわけですけれども、日弁連としても、どういうような考えでこの検討会に臨んでいくべきなのかというのを、また考えなければいけないと思うので、そこのところをちょっと、今後の御予定等を伺いたいのですが。
○住友座長 ちょっと1つだけお答えしておきますと、ワーキングが立ち上げるというのは、前回の第1回の会議で話があって、実際に開かれたのが2月15日です。これまでにもいろいろな話題が出ていたのです。やはり関口委員の立場としては、従前のものと、また今後はこちらのものをという、2つのものに対応する必要が出てきたのではないかと、座長としては理解しております。今後の事業展開によって、どのようにまとめていくかというのは、これからの議論なのかなというように思います。事務局、何かありますか。
○和田歯科保健課長補佐 事務局でございます。後ほどまた30年度以降の予定に関して御説明させていただくことになっていますが、あくまでもこの事業自体は、身元確認というものがメインで、この予定表にも書いてありますが、歯科情報の標準化をどうすべきかというのが、あくまで柱になっています。然は然りながら、こういった口腔診査情報標準コード仕様というものを、もう少し発展的に活用できないかという趣旨で、いろいろ自由に御議論いただこうという趣旨で、2月から別途に、ワーキンググループを立ち上げて始まったところでございますので、現実的にまだ議論が始まった段階なので、具体的に方策として、何か打ち出していくことはもう少し先になるかもしれませんが、私どもの認識としては、先ほど申し上げたように、身元確認をどう効率化していくかというところがメインであるという認識には変わりはございません。その点で御理解いただければと思います。
○住友座長 関口委員、よろしいですか。
○関口委員 ひとまず、そういうことと伺っておきます。
○住友座長 それでは、まだ資料3がございます。事務局から説明を頂くことになっています。お願いいたします。
○山口歯科医師臨床研修専門官 事務局でございます。資料3を御覧ください。こちらは先に説明が少しあったところなのですが、こちらの資料は第1回歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会、2月15日に行われました利活用に関するワーキンググループで配布したものに一部修正を加えております。30年度ですが、今年度と異なる地域を選択して、モデル事業を行うととともに、今年度のモデル事業の課題についても引き続き検証を行う予定です。また、歯科情報の利活用に向けての検討についても、引き続き、この利活用に関するワーキンググループにおいて具体的に検討を行う予定です。
口腔診査情報標準コード仕様の医療分野の標準規格取得は、当初は平成31年度の取得に向けて行う予定でしたが、先ほど玉川委員より御説明がありましたように、もう既に、この下準備が始まっておりますので、引続き30年度に取得に向けて準備を整えていきたいと思います。標準規格が取得されれば各ベンダーさんに電子カルテやレセプトコンビューターへの導入が促進されることが期待されます。実施体制については、平成29年度と同様に行うことを予定しております。平成30年度の事業委託者において、歯科情報の標準化普及事業ワーキンググループを開催し、そこで歯科情報の標準化普及事業及び標準規格取得に関わる検討を行っていく予定です。
また、歯科情報の利活用に関する検討については、先ほど申し上げましたように、厚生労働省内で設置した歯科情報の利活用に関するワーキンググループにおいて、更に検討を行っていきます。
双方のワーキンググループは必要に応じて連携を行うものとします。歯科情報の標準化普及事業ワーキンググループについては、事業の進捗状況を歯科情報の利活用に関するワーキンググループの検討結果を検討会において報告する予定です。検討会の時期については未定ですが、できれば早い時期の開催を検討しております。また、ワーキンググループについても、並行して進めてまいりたいと思います。事務局からは以上です。
○住友座長 先ほどの関口委員のご発言の趣旨がよく分かったのですが、このワーキングには、弁護士の方等は入っていないのですよね。ここの親会議では、そこまでは踏み込めないのではないかというように今、理解しているのですが、どうなのでしょうかね。
○玉川委員 入っていただいたほうが心強いのですが。
○住友座長 これは事務局等と座長で話し合いをします。
○和田歯科保健課長補佐 そうですね。平成30年度以降、どういう形で運用していくかということに関しましては、座長あるいは、各構成員の先生方と相談させていただきながら、必要に応じて、少し修正をしていきたいと思っています。
○小室委員 29年度歯科情報の利活用をみますと、ここに法律家と書いてありますよね。入っていないのですか。
○柳川委員 入っていただきましたよね、歯科医師で弁護士でもある方に。
○玉川委員 入っておられました。
○小室委員 そうですね。入ってますね。
○玉川委員 ここではなくて。ワーキング1の。
○小室委員 別のワーキングもあるということですか。
○住友座長 ごめんなさい。資料2の平成29年度歯科情報の利活用、ここでのワーキングですよね。
○和田歯科保健課長補佐 歯科情報に関するワーキンググループは、厚生労働省が実際に運営しているワーキングでございまして、歯科情報の標準化普及事業ワーキングに関しまして、これは事業受託者にお願いをしているものです。
○住友座長 そちらのほうに入っているということですね。
○和田歯科保健課長補佐 はい。
○住友座長 こちらについては、親会議の所に出てきた段階で意見を求めるということになってしまうのですね。分かりました。
○関口委員 一応、ワーキンググループの親会が、ここだと考えるとよいのですか。
○和田歯科保健課長補佐 はい。
○住友座長 委託でやっている方には入っていると。
○柳川委員 そうです。そこに入っていただいているということです。ここが親会議ですので。
○小室委員 関口先生のお話ですと、本検討会の目的が大分、違ってきているという感覚がおありだったということだと思うのです。検討会の目的が違ってきているのであれば、その中身に合わせてこれから変えていくという予定はあるのでしょうか。それとも、このままの目的の状態で、話は進んでいくのでしょうか。乖離している状況は否めませんよね。
○和田歯科保健課長補佐 事務局でございます。その点はこれからの議論の内容とか、あるいは実態に合わせて、必要があれば少し修正を加えていきたいと思います。
○小室委員 分かりました。
○住友座長 ほかにございますか。オブザーバーの方から何か御発言等ございませんか。よろしいですか。
それでは、ほかにございますか。では事務局から、次のステップについてお願いします。
○和田歯科保健課長補佐 事務局でございます。本日は、長時間にわたりまして、御審議をいただき、どうもありがとうございました。今後の予定ですが、次回は平成30年度の事業内容に関して、御審議を頂きたいと思っています。その関係で、なるべく早い時期に検討会を開催したいしと思います。委員の先生方におかれましては、お忙しいところ恐縮ですが、何とぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○住友座長 それでは、本日の平成29年度の検討会はこれをもちまして閉会とします。どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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