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2018年11月5 日 第1回「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」議事録

○日時

平成30年11月5 日(月)15:00~17:00

 

○場所

NS虎ノ門ビル(11階) AP虎ノ門Bルーム
 

○出席者(敬称略)

岡部 卓(座長) 大西 豊美 (構成員) 森松 長生(奥田構成員の代理出席)
岡野 秀隆(難波構成員の代理出席) 滝脇 憲(構成員) 立岡 学 (構成員)
辻井 正次(構成員) 野村 泰洋 (構成員) 菱田 貴大 (構成員)
平野 方紹 (構成員) 水内 俊雄 (構成員) 宮澤 進 (構成員)
山田 壮志郎(構成員)    
 

○議題

(1)制度改正の概要
(2)検討会の今後の進め方 等
 

○議事


○姫野保護事業室長 それでは、定刻まで少し時間がございますけれども、ほぼ皆様おそろいになりましたので、ただいまから第1回「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、まず初めに、本日お集まりいただきました構成員の皆様を座席順に御紹介させていただきます。
まず、全国救護施設協議会会長 大西豊美様でございます。
○大西構成員 どうぞよろしく。
○姫野保護事業室長 NPO法人ホームレス支援全国ネットワーク理事長 奥田知志様ですが、奥田様は本日、業務の都合により御欠席とのことですので、代理といたしまして、NPO法人抱樸専務理事 森松様に御出席いただいております。
○森松代理 よろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 大阪市福祉局生活福祉部保護課長 難波勉様ですが、難波様は本日、業務の都合により御欠席とのことで、代理といたしまして、保護課課長代理の岡野様に御出席いただいております。
○岡野代理 岡野です。どうぞよろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 NPO法人自立支援センターふるさとの会常務理事 滝脇憲様です。
○滝脇構成員 よろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 NPO法人ワンファミリー仙台理事長 立岡学様です。
○立岡構成員 立岡です。よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 中京大学現代社会学部教授 辻井正次様です。
○辻井構成員 辻井です。よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 首都大学東京大学院教授 岡部卓様です。
○岡部構成員 岡部です。よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 東京都福祉保健局生活福祉部保護課長 野村泰洋様です。
○野村構成員 野村でございます。よろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 NPO法人エス・エス・エス理事長 菱田貴大様です。
○菱田構成員 よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 立教大学コミュニティー福祉学部教授 平野方昭様です。
○平野構成員 平野でございます。よろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 続いて、大阪市立大学都市研究プラザ教授の水内俊雄様ですが、業務の都合により30分ほど遅れて到着される予定です。
続きまして、NPO法人ほっとポット代表理事 宮澤進様です。
○宮澤構成員 宮澤です。よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 日本福祉大学社会福祉学部准教授 山田壮志郎様です。
○山田構成員 よろしくお願いします。
○姫野保護事業室長 事務方からの出席者につきましては、お手元の座席表のとおりとなっておりますので、これをもって紹介にかえさせていただきます。
それでは、本検討会の開催に当たり、谷内社会・援護局長より御挨拶を申し上げます。
○谷内社会・援護局長 社会・援護局長の谷内でございます。
本日は、御多忙の中、検討会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
無料低額宿泊所につきましては、これまでいわゆる貧困ビジネスと言われるように、一部の悪質な事業者の問題が指摘されておりました。一方で、近年増加しております単身の生活困窮者などに対しまして、一定の日常生活上の支援を行いながら、そういった方々の地域での生活を可能としている良心的な事業者も存在しておりますけれども、こうした生活支援を制度上、評価する仕組みがないという課題も指摘されておりました。
こうした課題を踏まえまして、今般、社会福祉法及び生活保護法を改正しておりまして、無料低額宿泊事業の適正な運営を確保するための規制の強化を図るとともに、良質な事業に対する支援として、単独での居住が困難な方への日常生活上の支援の仕組みを創設することとしております。この見直しにつきましては、再来年、2020年4月の施行を予定しておりまして、施行に向けた具体的な検討を行うに当たりまして、本検討会を立ち上げさせていただきました。
本検討会には、有識者の先生のほか、実際に支援に取り組まれておられる事業者の皆様、また地方自治体の皆様にもお集まりいただいております。皆様に御議論いただきながら、施行に向けた準備を進めていきたいと考えておりますので、ぜひ忌憚のない御意見、また御知見をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 続きまして、本検討会の取り扱いについて御説明いたします。
本検討会の議事につきましては、公開とさせていただき、また議事録につきましては、後日、当省のホームページに掲載することとしておりますので、御承知おき願います。
それでは、本日の議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元にタブレットを御用意させていただいておりますが、厚生労働省全体の方針といたしまして、審議会等については原則ペーパーレスで実施することになっております。本検討会についても、ペーパーレス会議で実施させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、タブレットをご覧いただきまして、事前に紙媒体を御希望された構成員の方については、クリップどめの資料をお配りしておりますが、ご覧いただければと思います。
タブレットの中でございますが、左側一番上にマイプライベートファイルというものがございまして、こちらを選択いただきますと、本日の会議資料が表示されるようになっております。
一番上が「議事次第」、2番目が資料1「開催要綱」、3番目が資料2となっております。4番目からは、構成員の皆様からの提出資料でございまして、滝脇様からの提出資料が2点、続いて、宮澤様、山田様からの提出資料、最後に机上配付資料といたしまして、立岡様からの提出資料となっております。
ファイルの場所がわからない方ですとか、資料が不足している方がございましたら、お知らせいただければと思います。大丈夫でしょうか。
なお、タブレットにつきましては、現在のシステム上、2つのファイルを同時に開くことができないシステムになっておりまして、別のファイルを開く際には、開いているファイルを一度閉じてから開くようにお願いしたいと思います。
続きまして、本検討会の座長の選出についてでございます。
資料1をご覧ください。「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会 開催要綱」の「3.検討会の構成員等」の欄でございます。2点目に、構成員のうち1人を座長として厚生労働省社会・援護局長が指名すると規定しております。
皆様、差し支えなければ岡部教授に座長をお願いしたいと思います。
(「異議なし」と声あり)
○姫野保護事業室長 それでは、岡部教授に座長をお願いしたいと存じます。
これからの議事運営につきましては、岡部座長によろしくお願いいたします。
○岡部座長 着席して挨拶をさせていただきたいと思います。首都大学東京の岡部です。
本検討会は、社会福祉住居施設の適切な運営と生活保護受給者の日常生活支援の在り方について検討する場として設置されております。
委員の方々には、社会福祉居住施設の事業者の方、社会福祉法人全国救護施設協議会の会長であられる方、行政機関の方、そして学識経験者の方に御出席をいただいております。委員の皆様には、それぞれのお立場から利用者の利益にかなった施設運営と、生活保護受給者の日常生活支援について、忌憚のない御意見と御議論をしていただきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入りたいと思います。議題1「制度改正の概要」、議題2「検討会の今後の進め方」について、まとめて事務局より資料説明をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○清水室長補佐 それでは、事務局から資料の説明等を行いたいと思いますので、タブレットファイルの3番目、資料2、検討会の第1回資料をお開きいただければと思います。時間も限られてございますので、資料については、かいつまみながら説明させていただきますので、御了承いただければと思っております。
それでは、冒頭、初回でございますので、生活保護の近年の動向について、簡単に触れさせていただきたいと思います。
資料の3ページでございますけれども、生活保護受給者数は約210万人ということで、平成27年3月をピークに減少傾向にある状況にございます。
ただ、4ページ、5ページで、その内訳を見ますと、65歳以上の方については、受給者数、また保護率、受給の割合ともに増加が続いているという状況でございます。
続いて、6ページの右側のグラフでございますけれども、高齢者世帯が保護受給世帯の約半数を超える状況でございます。
この高齢者世帯の増加の内容について、7ページになりますけれども、高齢単身世帯の増加が著しく、特に高齢単身男性世帯でございますけれども、20年前、平成7年、約6万人から、平成27年の数字だと約34万人ということで、5.8倍ほど大きく増加をしている状況でございます。
また、少し飛ばしていただいて、9ページでございますけれども、世帯類型別の世帯増減の要因分析ということで、横軸、ゼロから上に行ったものが増加要因、下のものが減少要因となっております。高齢者世帯で見ますと、保護開始世帯より保護廃止世帯のほうが数としては若干多くなってございますけれども、「その他」の要因の影響で全体の高齢者世帯が増加しているということでございまして、注釈に書いているとおり、「その他」の内容といたしましては、世帯主の年齢の変化による世帯類型の変更等々がございます。したがって、その他の世帯で受給されていた方が年齢を重ねて高齢者世帯に分類されてくるといった要因というのも大きくなってございます。
10ページは世帯主の保護開始年齢階級別の世帯数ということで、1年間で保護開始した世帯について、どの年齢層で開始した世帯が多かったかというものを図示したものでございます。特に、先ほどの単身男性世帯の場合については、40代、50代から60代前半ぐらいまでをピークといたしまして保護開始、つまり貧困に陥り、そのまま年齢を重ねるという傾向にあります。生活保護に至る要因としましても、中高年齢のうちに病気や失職、またそこから住まいの喪失等に至るケースなど、こういった単身世帯の支援策、数ともに重要な対策になってくるということが見てとれるかと思っております。
その中で、居住の場として、これまでも一定の受け皿となってきたのが無料低額宿泊所であろうかと思います。少し飛びまして、13ページになりますけれども、平成27年時点の調査でございますけれども、無料低額宿泊事業を実施している事業所、首都圏中心に537カ所、入所者数は約1万5600人ということになってございます。
また、下に参考と書いてございますけれども、その他、法的位置づけのない施設にも一定数、生活保護受給者が入居しているという状況でございます。
あと、この施設数とか入所者数の状況につきましては、本年7月末時点の調査を現在実施しているところでございますので、今後議論する中で、その調査結果等も提示させていただきたいと思ってございます。
このような宿泊所等におきましては、先ほど局長からの挨拶にもありましたとおり、入居者の支援に取り組んでいる良質な事業所がある一方で、一部の事業者で貧困ビジネスと揶揄されるような運営も見受けられるという指摘をされてきたところでございます。
少し飛びまして、16ページにありますけれども、そのため、これまでも無料低額宿泊所の設備、運営に関する指針ということでガイドラインを作成するほか、また、19ページになりますけれども、平成27年からは、狭い住宅に対する住宅扶助の上限額について、面積に応じた減額を行う制度等も設けたところでございます。ただ、こちらについては、入所者の支援を行っている事業所は、利用料の中からサービス等の実施に必要な費用を捻出しているという実態にあることから、そのような場合については、この減額の措置を適用しないという取り扱いをしてきたところでございます。
このような状況に関しまして、平成27年度においては、本検討会に御参加いただいている多くの皆様にも御参加いただき、意見交換会を開催させていただきまして、ガイドラインではなく、公的な基準の制定等々、貧困ビジネス対策としての規制の強化。もう一方では、良質な事業所における支援に必要な対応策といたしまして、生活支援の提供に係るコストに対応する何らかの仕組みの創設というものが必要ではないかという意見をいただきまして、そういった意見を踏まえた制度見直しに着手いたしまして、先般の国会で法律の改正を行ったという経緯でございます。
法律の概要でございますけれども、23ページをご覧いただければと思ってございます。こちらが先般の国会で成立いたしました法律の概要のうち、該当する部分の概要ペーパーでございます。法改正につきましては、大きく2つのポイントという形で行わせていただいております。
1つ目は、無料低額宿泊所の規制強化、貧困ビジネス対策といたしまして、社会福祉法を改正いたしまして、無料低額宿泊事業、社会福祉住居施設という名称を設けましたけれども、その最低基準の策定など、規制の強化を目的とした改正。
もう一方、大きな2番でございますけれども、生活保護法の改正によりまして、単独での居住が困難な方の日常生活上の支援の仕組みということで、一定の要件を満たす良質な無料低額宿泊所等に対する日常生活上の支援を委託する仕組みというものを、制度見直しにより創設したところでございます。
24ページにつきましては、その法律の改正時、国会で附帯決議がなされておりまして、その中でも、制度の円滑な施行に向けて、関係者の意見を十分に確認すること等が求められているところでございます。
先ほどの御挨拶にもありましたとおり、この改正については、2020年4月施行になってございますので、本検討会においては、この法改正を踏まえて、大きな2点、社会福祉住居施設の最低基準の内容、もう一点は、日常生活支援住居施設の委託の仕組みの具体的な内容について、御意見を賜れればと思っております。
続いて、25ページでございます。こちらは、居住の場の確保の課題についてということで図示したものでございまして、図自体は左肩に書いてございますとおり、平成27年度に実施されました調査研究事業のものを引用したものでございます。図自体は、この居住の場について、生活支援の必要性、また供給価格によって、その資源を図示・整理されているものでございますけれども、今回の制度見直しにつきましては、このグレーで書いてございます供給が乏しいゾーン、特に施設ほどではない支援や見守りのある住宅というというところの一つの対策といたしまして、この無料低額宿泊所等に日常生活上の支援を提供する仕組みを創設したということで考えてございます。
その上で、次ページ以降、本検討会において、今後、御意見を伺いたい主な事項としてまとめさせていただきました。本日は初回の検討会でございますので、主な課題一覧として挙げさせていただきまして、また次回以降の検討会でそれぞれ個別に具体的な意見、御議論を行っていただければと考えてございます。
27ページからは、この課題につきまして、2つ、規制の強化に関する部分と日常生活支援の委託に関するものでペーパーを分けてございます。
27ページは、社会福祉住居施設の最低基準に関連した課題を一覧化したものでございます。
まず、1つ目の事項につきましては、無料低額宿泊事業のそもそもの範囲の明確化という部分でございます。今回、最低基準を制定いたしましても、その範囲が明確でないと効力というのは不十分なものになるかと考えてございます。無料低額宿泊事業につきましては、法律上、生計困難者に対し、住宅の貸し付け等を行う事業ということで位置づけられてございますので、一般賃貸住宅との区分をどう考えるのか。また、他の法律に基づく有料老人ホームですとか、そういった住まいとプラスアルファのサービスを提供するようなサービスとの区分。これも必ずしも明確でなかった部分がございますので、この関係等も改めて整理する必要があるかと考えてございます。
また、これまで無料低額宿泊事業については、一時的な居所の場ということで位置づけられてきたところでございますけれども、中長期的な入所になっている実態もあるということと。あと、自治体によっては、そういった長期的な入所を前提とした施設については、対象にしないという取り扱いをしてきたところもございますので、今回、最低基準の創設を機に、無料低額宿泊事業の適正な運営の確保という観点から、最低基準が対象とすべき施設に適切に適用されるような範囲について、どのように考えるかということで御意見いただければと思ってございます。
続いて、2つ目の項目でございますけれども、居室面積等、居住環境に関する最低基準の創設でございます。居住の場ということで言いますと、基本的・基礎的な基準となるのが居住環境に関する事項になるかと思ってございます。居室面積等につきましては、現行の指針、先ほど触れましたガイドラインにも定めてございますけれども、その前から事業を実施している施設等々において、指針の面積よりも狭い施設ですとか、多人数の居室、またベニヤ板等で区切った簡易な個室というものも一部で存在している状況でございます。その他、必要な設備等も踏まえまして、その居住環境について、最低基準として盛り込むべき内容についても御議論いただければと考えてございます。
次いで、職員配置ということでございます。社会福祉法では、無料低額宿泊所には施設管理者を配置することとなってございます。また、※に書いてございますとおり、日常生活支援の実施に必要な人員配置については、後段の日常生活支援部分の議題として考えてございますけれども、この施設管理者の要件等についても、一般の無料低額宿泊所の要件ということで整理してまいりたいと考えてございます。
次ページ、28ページに行っていただきまして、続いて社会福祉住居施設で提供するサービスの水準ということになります。貧困ビジネスと言われるような批判については、サービス内容と比較して、利用料が適切に設定されていないということが主であろうかと思いますので、ここのサービスの水準とあわせて、下段の利用料・サービスの明確化ということで、食事等の提供がなされる場合については、その内容の水準について、どのような基準が考えられるか。また、サービス内容に合った料金設定が行われ、適正な契約手続ですとか利用者の選択性の確保等が行われるために、どのような基準を設けるべきかという点についても御意見をお伺いしたいということで考えてございます。
また、そのほか、事業の適正運営の確保という観点から、苦情対応の仕組みですとか情報開示等々の規定の在り方。
また、利用者の安全確保という観点から、防火・防災対策についても必要な基準についてということで御意見を伺いたいと思ってございまして、これらの項目、御意見をいただいた中で、それを踏まえて最低基準の策定を行っていきたいと思ってございます。
また、一番下の欄でございますけれども、こちらは最低基準ということではございませんけれども、先ほど説明したとおり、住宅扶助の面積減額の適用も、後段の日常生活支援の委託の内容というところにも関係する部分もございますけれども、こちらについても意見をいただきながら整理してまいりたいということで考えてございます。
次いで、29ページがもう一つの大きな項目でございます、日常生活支援の委託に関する主な検討課題ということでまとめてございます。
まずは、そもそも日常生活上の支援とは何かということで、支援の内容について、御意見、御議論が必要ということで考えてございます。これは、日常生活支援住居施設としての役割ですとか制度的な位置づけを整理しつつ、日常生活支援住居施設として提供されるべき支援の内容ですとか、あとはどの支援の部分について、委託費として評価するのか等々について、御意見をいただき、整理してまいりたいということで考えてございます。
その上で、もう一つ下の項目でございますけれども、その支援の実施に必要な要件、具体的にはサービスの内容・水準に関することですとか、人員配置、また施設基準等についての御意見を頂戴したいということで考えてございます。
※のところに、その際には、現在でも無料低額宿泊所ですとか日常生活上の支援と一口に言っても、利用者の属性とか事業の運営形態によって、さまざまな形態がございますので、そのような違い、異なる場合等も考慮しながら、実施する上で必要な要件について御意見を頂戴したいと思ってございます。
また、その下でございますけれども、日常生活支援の対象者ということで、生活保護法上、居宅における保護を原則としながら、これによりがたい場合は施設等への委託ができるということになってございます。したがいまして、委託の対象とする単独での居住が困難な方については、一定の支援を必要とする方ということになりますけれども、その委託の対象とする場合について、どのような要素で、どのような手段で判断するのかというところも意見を伺えればと思ってございます。
さらに、日常生活支援住居施設の範囲についてということで、こちらは法律上「無料低額宿泊所及びその他の施設」となってございます。この委託先として考えられる事業形態、また要件等、どのように考えたらいいのかということで、その条件、また対象先についても整理していきたいということで挙げてございます。
また、一番下の項目は具体的な運用方法等に関連いたしますけれども、委託の手続とか委託費の支給方法等、円滑な施行に向けて、具体的な手続面での御意見をいただければと思ってございます。
以上が、検討会において御意見をいただきたい主な事項ということで整理したものでございます。
あわせて、検討のスケジュール、イメージというものも説明させていただければと思ってございます。31ページが全体の行政側の手続等も含めた準備スケジュール(案)ということで整理したものでございます。先ほど申し上げましたとおり、現在、無料低額宿泊事業の実態調査というものを実施してございます。また、適宜、その結果については、速報的な集計もこの検討会の中で御提示させていただければと思ってございます。
また、本日、検討会を立ち上げたところでございますけれども、一番上の社会福祉住居施設の最低基準の制定につきましては、実際には各都道府県において条例を制定いただく必要がございますので、検討会の意見においても先行して頂戴いたしまして、事務的には年度明けから厚生労働省令案の策定に入ってまいりたいと思ってございます。
また、2点目の日常生活支援の関係についても、委託の要件等々、省令を策定する必要がございますけれども、これは委託費の内容とも関連することから、来年末、平成31年末をめどに検討を進めていくことになろうかと思ってございます。
また、委託費の具体的な水準等について、検討会においては、委託するサービスの内容とか、その要件について御意見をいただき、その要件も参考にしながら、来年度の予算編成過程の中で検討してまいりたいと考えてございます。
日常生活支援の判定基準ということで整理してございますけれども、これもどのような人を委託の対象にするのか、どのような判断で行うのかというところでございますけれども、これは検討会にも参加いただいています辻井先生のほうに調査研究事業を実施いただいておりますので、また検討会の中でも、この調査研究事業の状況も踏まえて御意見をいただき、整理をしてまいりたいということで考えてございます。
32ページにつきましては、全体の検討スケジュールを踏まえた、この検討会の開催スケジュールのイメージということで掲載させていただきました。具体的な日程につきましては、本日と2回目までを掲載してございます。先ほども触れましたとおり、年度内をめどに、1点目の社会福祉住居施設の最低基準に関する御意見等を先行的にお伺いしてまいりたいと思ってございます。
また、それに続きまして、来年10月、11月ぐらいまでの間で、この日常生活支援の内容について、順次御意見をいただきたいと思ってございます。また、本検討会では、最終的にはいただいた御意見を整理して、まとめてまいりたいということで考えてございます。
また、検討会自体は、1カ月、1カ月半に1回ぐらいのペースで開催を予定してございますが、この資料自体はあくまでも現段階でのイメージでございますので、今後の議論の進捗によって、開催回数、時期、議題等、適宜調整しながら実施してまいりたいと思ってございますので、御参加の皆様方には、御多忙中、恐縮ではございますけれども、3回目以降の日程についても早目に設定してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
資料の説明は以上でございます。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
構成員のお一人が先ほど到着しましたので、御紹介をしたいと思います。大阪市立大学都市研究プラザ教授の水内俊雄さんです。
○水内構成員 月曜日午前中、授業がありますので、常にちょっと遅刻して参りますが、よろしくお願いします。
○岡部座長 よろしくお願いいたします。
ただいま事務局から御説明していただきましたけれども、御質問、御意見をお願いしたいと考えております。初回ということもありますので、構成員お一人ずつ、自己紹介も兼ねまして、無料低額宿泊所等に対する現状認識や取り組み内容なども含めて発言していただければと思います。
まず、事業者の方々、次いで、社会福祉法人の代表として全救協、それから行政機関、学識経験者の方の順で自己紹介をお願いしたいと思います。事業者の方は、このタブレットの資料を提出された方からお願いできればと思っております。
最初に、NPO法人自立支援センターふるさとの会の常務理事の滝脇憲さんから資料が出ておりますので、まずそこから御報告をよろしくお願いいたします。
○滝脇構成員 5分ぐらいと言われております。
○岡部座長 5分以内でお願いします。
○滝脇構成員 5分という時間ですので、端的に問題提起を1つさせていただこうと思います。提出した資料につきましては、もし御関心がございましたらご覧ください。
ふるさとの会は、東京23区において事業を行っております。その中で、まさに今回の日常生活支援住居施設にかかわる問題として、福祉事務所の方などとも常に振り返っている問題があります。それは、2009年に起きましたたまゆら火災という問題です。これは、御承知の方も多いかと思いますが、群馬県の老人施設で火災が起き、東京で生活保護を受給されている方などが10名お亡くなりになったという事件です。あれから、間もなく10年たつことになります。来年3月で10年という節目を迎えます。この10年で何が変わり、何が変わらなかったのかということを振り返る時期かと思います。
1つ言えるのは、東京都内において、住みなれた地域で暮らし続けるということがますます難しくなっているということであります。東京都が調査して2014年まで公表されていますけれども、都外の施設利用者はますます増加していく傾向でした。では、この日常生活支援住居施設というものが問題の解決になるのかどうかということが問われるかと思います。
私たちは、たまゆらで火災に遭われた方を受け入れ、そして、その方は今でも地域で生活されています。私どもが行政とともに考えながらつくってきた自立援助ホームというトライアル事業で入居されました。その方は、入居時から認知症と言われておりましたけれども、地域の草むしりなど役割を持ちながら、地域の人との交流が生まれていき、そして長年のそういった住民としての地域活動が認められて、地域の地元の区長、首長から表彰されるということもありました。
しかし、今、この制度化によって、最低基準というものの決め方によっては、その居場所も奪われるといった危機感を持っています。我々は、当時、相部屋が主流の宿泊所の世界において、いち早く個室化というものを進めてきました。大都市において、3畳という限られたスペースでありますが、個室をつくり、やってきましたけれども、今回の最低基準は、恐らくガイドラインというものをベースにつくられると予測しています。我々がつくった後にできたガイドラインによって、それが0.1平米足りないということだけでも、28ページの資料にありました劣悪な宿泊所といった位置づけをされてしまうという問題が生じつつあると思います。
私たちは、自立援助ホームにおいて、認知症になっても、がんになっても、家族やお金がなくても、地域で孤立せず最期まで暮らせるということを証明してきたつもりです。福祉事務所とも密接に連携しながらやってきました。この0.1平米というのは、およそ30センチ四方のわずかなものでありますけれども、それが10年にもわたって営まれてきた地域生活、そこで生まれたつながりとか、その人の居場所といったものよりも尊いということになってしまうのかどうか。最低基準の議論というのは、突き詰めるとそういった問題を抱えていると思っています。
もちろん私たちは、最低基準というのは当然必要なことだと思っています。これまでやってきた運用というのは、そうせざるを得ない事情や規制の必要性があったことも承知しています。そのうえで、今、暮らしている人たちの居場所が生まれ、奪われないような方策とか知恵というものを、この場で出し合っていただけたらありがたいと思っています。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
では、続いて、宮澤構成員、よろしくお願いいたします。
○宮澤構成員 さいたま市で家のない方の支援活動を13年行っている、独立型社会福祉士事務所でもあるNPO法人ほっとポットの代表の社会福祉士の宮澤と申します。
限られた時間ではあるのですが、皆様のお手元にある1枚のペーパー資料をご覧いただければと思います。こちらです。私も、先ほどの滝脇さんと同じで、今日の場を迎えることを非常に悩んだのです。理由は単純です。一昨年まであった意見交換会の場で我々は、それぞれの事業者、支援団体が余りにも違うことを重々確認したわけですね。事業規模や人員体制、支援の中身。そして、もちろん何よりも私が最後にあのとき申し上げた、我々事業者の在り方を決めるのは事業者自身ではない。当事者が選ぶ。当事者によって選ばれる支援団体でなければならないということだと思います。ですので、苦しんだわけです。あの意見交換会で終わったと思ったのですね。
しかし、今日、検討会という場で厚生労働省さんの方々がいらっしゃるところで、もう一度あれを繰り返すのか、一歩進んで、いかなる形態であったとしても、貧困ビジネスの事業者をしっかりと排除し、そして良質な支援が、いかなる小さな、若い者の取り組みでもしっかり生まれて、我々の業界が健全な競争原理が働くような。
それは、ともすれば当事者の立場にとってみれば、現場にいらっしゃる皆さんであればわかるでしょう。ある特定の団体のみしか残らないような業界にするのではなく、当事者の方が行き着いた最後のSOSの場でたくさんの選択肢があることにつながるので、私は健全な競争原理を生むためには、今日、この場にいない全国中の、数千はあるでしょう、家のない方たちの支援団体の負託を受けて話をしなければいけない。自分たちの団体のアピール合戦で終わっては、余りにも傲慢な検討会になってしまうと思います。
今日、この場にいない若い20代や10代の、それこそ学生ボランティアからスタートするような支援団体が、この社会福祉住居施設ないし日常生活支援住居施設になりたいと思ったときに、できるよ、いい取り組みだから頑張ってね。今度は、十数年の先輩方である我々が応援できるような、それぐらいの制度設計にしていかなければいけないと思っています。
さて、冒頭で私が明確に厚生労働省さんにお伺いしたい点があります。私のペーパーで、読み上げるのはわずか2点です。ほっとポットは、地域生活サポートホーム事業という形態で、小規模な社会福祉事業に満たない形態で運営してきた支援団体です。具体的には、入所定員が3人から6人という非常に小規模な、他法で言えば、まさに障害者福祉分野で見られるようなグループホームと限りなく似ているわけですけれども、小規模住居施設の運営や、はたまた社会福祉士にこだわるわけではないとはいえ、巡回形式の支援によって、さいたまでは当事者から選ばれるありがたい評価をいただいてきました。巡回にもかかわらずです。
なので、小規模、3から6。具体的には、被保護者、申請者を含み2人から4人までをしっかりとこの社会福祉住居施設、また同時に日常生活支援住居施設の範囲に含んでいただけるのであれば、私は2回目以降もこの場に参加できるなと思っています。そうでないのであれば、私はここにいる意味はありませんね。
続いて、小規模ならではの支援というものがあるということをしっかりと位置づけたいということです。これは最後になりますが、意見交換会の最後に私が1つ申し上げたことがあります。この小規模な巡回型支援の分野においても、同時に貧困ビジネスの参入を許さないよう、私は襟を正して、ほっとポットの代表者として、これからも適正な運営をしてまいりますと申し上げた記憶があります。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
この点、事務局のほうから御発言していただいたほうがよいのか、あるいはこちらのほうでお話をさせていただいたほうがよいのか。では、私の方でさせていただきます。
今のお話は、小規模の施設、または巡回型の支援というものをどう位置づけるかということについてはです。今回、議論の中で、この定員の規模をどうするか。または、その支援の中で巡回型のサービスを日常生活の支援に含めるか、あるいは別建てで整理するかも含めて、次回以降の中で議論ができればと思っております。宮澤構成員には引き続き積極的な御発言と御出席をしていただいて、その中で御自身の主張をしていただいたほうが、より建設的な議論になるのではないかと考えます。
事務局のほうから何か補足等ございますか。よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。その方向でよろしくお願いいたします。
次に、事業者の方からの御報告ということで、NPO法人ホームレス支援全国ネットワークの理事長、あるいはNPO法人抱樸の代理として参加されております森松代理から報告をよろしくお願いいたします。
○森松代理 私、資料は特にありませんが、すみません、全国ネットワークの奥田が欠席ということで。私は、全国ネットワークというよりも、抱樸の専務理事ということで参加させていただいております。
この無料低額宿泊施設の基準、そしてサービス内容等に関しては、皆さんの話を聞いても非常にいろいろな御意見があるなと。その妥協点といいましょうか、合意点をどこに見出していくかということに関しては、本当に難しい問題があるなと思っております。私たちも活動、30年ぐらいになりますが、その中で施設等の運営をしてまいりましたけれども、ここで一番の議論は、先ほどもどなたかおっしゃっておりましたけれども、生活の行き場のない方々の人権が守られて、人としてどう生きていけるのかということを中心にしながら、痛みを分かち合っていくという形でなければなかなか難しいのかなということを思っております。
ただ、長年支援してきた実績もありますし、私たちも平米数の問題とか課題もいろいろ抱えておりますので、一律に切られると困ると思いますし、いろいろな意見があると思いますが、皆さんの知恵を出し合って、今後の困窮者の方々の人権と尊厳を守りながら、なおかつそれを支援する事業者が社会資源の一員として、今のままでは難しい現状を皆さん、認識しているわけで、手出しが多い中で、必死になっている中で、支援しようとする支援団体がその活動を継続できる中身をどう見出していくかを議論していくことになるだろうかと。具体的に今、細かいことは申し上げられませんけれども、法人を通して最大限のことを考えていきたいと思います。
また、機会がありましたら、私たちも資料を出させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
次に、NPO法人ワンファミリー仙台理事長の立岡構成員、よろしくお願いいたします。
○立岡構成員 ワンファミリー仙台の立岡でございます。
私も前回の意見交換会で、地域によって全く違うということをすごく感じました。私は、地方の仙台で無料低額宿泊所の運営等をさせてもらっていますけれども、基本的に仙台というと大体1Kのアパートにお住まいになるというパターンが無低の一般的な形です。なので、都内で無料低額宿泊所等をやられているところと、地方の住宅的な事情が明らかに全く違うというところがあるので、同じ議論ができるのかなと非常に感じているところです。
私たち、一時滞在型の無料低額宿泊所として運営させてもらっている中において、課題として出てきたのは、加齢していく中においてADLが低下して、1Kのアパートで1人で生活できない人。だけれども、介護度がつかないので施設には入れない。だけれども、1人にしておくことはできない。でも、私たちのところにつながってくる人たちは、大体保証人をつけられない人たちが多くて、そこからすると、いろいろなサポートがついてくれるような施設とかを探すのですけれども、来る人たちは昔、いろいろなやんちゃをしたりしていて罪名で受けてくれないとか、いろいろつなごうとしても、私たちの努力不足もあるのかもしれませんが、なかなかつなげないという状況等がある。
その中、前回の意見交換会のときに、一時生活的な、一時滞在型の無料低額宿泊所と、長期滞在型の今回で言う日常生活支援住居施設みたいなものが必要という議論がなされたときに、まさに自分たちの一時滞在型にいる人たちの行き場をどうしようかという人たちがたくさん出たものですから、たまたま福祉医療機構さんの助成に長期滞在型無低みたいなものをパイロット的にできないかということで、本年度の事業に応募したら採択されて、それが今回、皆さんのお手元にお渡しさせていただいた愛子ハウスというものになります。
8月から10月末まで3カ月間、スタッフを2名ずっと張りつかせる形で、ADLが低下してしまって、誰かが見ていないとだめという一時滞在型にいた方々とか、今、10名の方がこちらに移って生活しています。半分の方は要支援とか要介護がついている状況の中で、こちらにつながってきたばかりの人だと、ここから介護保険の申請をしてというと、一定程度、当然ながらスタッフたちがサポートするという形で、外づけでいろいろなサービスをつけようとしていますが、まだついていない状況の方もいながらサポートさせてもらっているような状況です。
その中、実際に滝脇さんとかにもいろいろと御意見等をいただきながら、どんなサポートが必要なのだろうということとかを、3カ月でいろいろ統計をとっています。今日は、統計のデータまでは持ってこられなかったのですが、今後、この3カ月間、一時滞在型の無低でADLが低下して、こちらに移った人たちに対して、日常どんな支援が必要だったのか、どんなことをうちのスタッフたちがやらなければいけなかったのかみたいなものを、この場にいろいろ御提供することができたら、2回目以降の議論もおもしろくなるのかな。おもしろいという言い方はすごく語弊があるかもしれないですけれども、いろいろな部分で議題を提供できるのかなということを思ったりしていました。
とにかくやってみてわかったことは、24時間、人を張りつけてやることは大変だということがわかりました。これが実感でしたということで、5分ぐらいになったと思うので、以上にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
では、NPO法人エス・エス・エスの菱田構成員、よろしくお願いいたします。
○菱田構成員 関東一円で無料低額宿泊所を運営しているNPO法人エス・エス・エスの理事長の菱田と申します。
まず、前回の検討会に続き、今回の検討会にも委員招集をしていただきまして、ありがとうございます。事業者側の立場として、少しでも有意義な意見ができればと思っています。
まず、エス・エス・エスという組織ですけれども、現在運営している施設数は全エリア合計で124施設、定員で言うと4845名になります。スタッフの数は、正職員で304名、アルバイト276名の580名、それとボランティアの協力も得て法人を運営しています。すみません、今日は資料のほうは作成期日が少なくて間に合わなかったので、口頭だけで早口で申しわけないのですが、お話ししたいと思います。
具体的な取り組み内容と現状認識ということですけれども、今日、15部ほど法人の案内をお持ちしていますので、委員の皆様には改めてお配りしたいと思います。そのほか、ホームページ等にも取り組み内容がありますので、そちらをご覧いただければと思います。取り組み内容と実績等についても、主な部分だけお話ししようかと思いましたが、先ほど宮澤さんのほうからもアピール合戦になってもしようがないという話もあったので、そこは割愛させていただきたいと思います。
現状認識については、2つお話しさせてほしいと思います。
まず、1つ目は、利用者の傾向に関する部分です。エス・エス・エスは、宿泊所のほかに独自の相談センターを6カ所設置しています。それは、宿泊所の入所のいかんにかかわらず、生活困窮者の相談を受けていて、昨年は6483件の相談を受けました。運営している宿泊所でのアセスメントの結果、それと相談所で得た情報も含めてお伝えすると、利用者に関する現場の現状認識としましては、最近の傾向として、これは辻井先生から後ほどお話があると思いますし、エス・エス・エスとしても辻井先生の調査への協力を通じて改めて実感している部分ですけれども、3障害とその疑い、あと傷病だけではなくて、適応行動に問題がある方が年々増加している認識です。
エス・エス・エスが宿泊事業を始めた20年近く前は、日雇い労働者の方が高齢になって働けなくなって、いわゆるホームレス状態に陥ってしまう。そういった方が宿泊所に入所してくるというのが、ごく一般的な傾向だったのですけれども、近年は、入所してくる方の抱えている問題やその傾向、年齢層も非常に多様化してきていると思います。施設側としても何らかのケア、通院同行だったり、各種手続、生活相談、または要介護になってしまう方もいますので、そういった支援が必要な利用者がふえて、支援スタッフの人手がだんだん足りない状況になってきているという状況です。
また、金銭管理や社会への適応など、いわゆる日常生活スキル、立岡さんのほうからお話があったと思いますけれども、そこに問題があるため、宿泊所から自立して1人で居宅生活を送るというプランを目指すことが難しい方だったり、宿泊所のほかの利用者とうまくコミュニケーションがとれずに、トラブルやちょっとした問題行動みたいなものを起こしてしまう利用者もふえています。
あと、現状認識としてもう一つお話ししたいのは、この検討会で次月以降から始まる面積基準、最低基準、面積減額、そして間接的には人員の配置等の部分にもかかわってくる問題なのですが、エス・エス・エスでは、活動圏内は東京を初めとする都市部が中心です。ここ最近の東京都と東京近郊における既存の不動産価格の上昇がとにかくすごくなっています。大手不動産会社が公表しているデータによると、既存住宅市場では、東京全体で見ると、ここ10年で40%ほど価格が上昇しているそうです。さらに、23区の上昇率の高いところでは、これはオリンピックの影響等もあると思いますけれども、ここ3年だけで30%以上も価格が上昇しているそうです。
エス・エス・エスの東京23区の宿泊所の物件のオーナーさんからの支払家賃の増額であったり、契約更新の拒否、立ち退きの要請なども、不動産価格の上昇が主な背景に、ここ10年で20施設ぐらい、定員にすると340名分ぐらいの施設が閉鎖となってしまいました。また、現在、7施設、定員数150名分ぐらいが今後閉鎖となってしまうような予定もあります。
一方で、先ほどお話しした難しい利用者、難しいケースが増加してきて、支援スタッフの手厚い配置の必要性というものも高まってきている。さらに、全てのエリアではないですけれども、御存じのとおり、住宅扶助費の上限も減額されてきている。不動産価格の上昇と支援スタッフの増員の必要性、そして住宅扶助費の減額という3重苦みたいな状態に置かれてしまっている施設が近年ふえてきている。特に都市部のエス・エス・エスはそうなのではないかと考えています。
都市部、都市部と、くどくなってしまって申しわけないですけれども、都市部を中心に施設を展開しているエス・エス・エスでは、利用者に提供している居住空間、面積という部分については、まだまだ課題を抱えていると認識しています。これは、エス・エス・エスの最優先課題として、居住空間の改善のための施設の統廃合、狭い施設とか古い施設は引っ越して新しいところへということに最も力を入れているのですが、ハード面として広い居住空間を提供することと、ソフト面で十分な支援スタッフの配置とか予算の確保が相反してしまう。この2つを同時に実現する。都市部でそういった物件・施設を見つけて事業を継続していくということは、年々難しくなってきているということを実感しています。
最後に、この検討会に参加するに当たってということですけれども、いわゆる貧困ビジネスと言われるような事業者をなくしていくための規制は、本当にしっかりとしたものをつくって、この業界からそういった言葉が二度と出ないようにしていきたいと考えています。それと、日常生活支援住居施設の創設によって、優良な事業者が利用者支援の質だったり、施設運営の健全性をさらに高めて、今後の日本の社会資源として、しっかり位置づけられていってほしいと切に思っています。
これらをこれから議論していく上で、エス・エス・エスとしては都市部の特殊性みたいなものをどう考えていくかということを重要なテーマとして、事業者側の立場から意見させていただければと考えています。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
今、エス・エス・エスのほうで、大都市における住宅事情のお話がございましたが、先ほどの立岡構成員の地方におけることもあります。これは全国の施設あるいは生活支援の在り方を検討する場でもありますので、そのことも含めて、また議論できればと思っております。どうもありがとうございました。
では、全国救護施設協議会の会長で、社会福祉法人を代表して大西構成員、御報告をよろしくお願いいたします。
○大西構成員 皆様、こんにちは。今、御紹介いただきました救護施設の大西でございます。
方向性として、良質、悪質と言っていいのどうか知りませんが、その仕分けの中で、よい事業者をしっかり伸ばそうという方向性について、私も大いに賛同するところです。しかし、今、聞いておりましただけでも、それぞれの地域によって相当差が生じているように感じているところです。
私ども社会福祉法人が運営する救護施設については、最低基準というものがきちんとあって、その中でできる範囲、できない範囲が決められている中で、今般の社会福祉法人制度改革を受けて、もっと弾力的にいろいろな運営をしなければいけないという過渡期にもあるわけです。そうしたこともあり、今回お集まりのそれぞれの事業者さんがやっておられるような先駆的、かつ貴重な事業がどれだけ集約されて、しっかりした方向性の中でルールづくりがされて、なおかつそれが現実の問題として、システムとして機能するかというところに大変関心を持っております。
と申しますのは、昨年度の審議会の報告書においても、近い将来、皆さん方と私どもの連携という、関係性を整理しなければいけないというような提言が盛り込まれています。御承知の方もおられるかと思いますが、日常生活支援はこういうものですよというのをはっきりとさせて、それらがシステムとして機能している中での連携というのは、私どもとしても近い将来模索していかなければいけないなと思っております。今回はしっかり勉強させていただいて、実態を把握したいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
社会福祉法人については、法人改革で社会福祉法の改正の中でもいろいろと御議論があったところです。また救護施設に代表される保護施設の在り方についても、今般の施設との差別化をどう図っていくのか、あるいは連携をどう図っていくのかということが非常に大切なテーマでもあります。大西会長にはまた積極的に御発言いただければと思っております。
どうもありがとうございます。
では、行政機関の代表で、大阪市さんのほうから報告をお願いいたします。
○岡野代理 大阪市、岡野と申します。今回、難波のかわりに出席させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
それでは、私のほうから考え方について、申し上げさせていただきたいと思います。
現在の被保護者の状況を考えますと、高齢の方とか障害のある方がおられますので、そういった生活保護の実態に応じて何らかの支援が必要だということから、このような制度が新しくできたということについては理解しております。
ただ、日常生活支援住居施設については生活保護法の中で規定されており、生活保護法には他法優先という考え方がございます。今回、支援の対象になる方のうち、他制度による支援が可能な方については、他制度の支援を優先的に活用していただくように、制度設計の中に盛り込んでいただきたいと思っております。
例えば、日常生活支援住居施設において、一部の支援が介護保険事業の支援であって、それにあてはまらない支援については、日常生活支援住居施設の支援を活用するということがあってもいいのではないかと思っております。
それから、先ほどにもお話がありましたが、既存の生活保護施設、今回の社会福祉住居施設、日常生活支援住居施設について、その役割とか関係性を整理していただきながら、制度設計をしていただきたいと思っております。
救護施設を初めとする生活保護施設については、自立生活への全般的・包括的な支援を行っていると考えていますので、さまざまな支援につなげる生活保護法の中核的な役割を担っていただき、御本人が抱える課題などが整理できた後、日常生活支援住居施設への委託を付しながら社会福祉住居施設に移行し、さらに居宅生活などに移行するような、自立に向けたステップが望ましいのではないかと考えております。もちろん、各段階で他法施設などの活用といった必要性が生じた場合は、実施機関と連携していただいて、他法による支援へ移行するということも考えていただきたいと思います。
また、実施機関と日常生活支援住居施設の関係性についてですけれども、今回、制度上、日常生活支援住居施設に対して、実施機関が支援を委託することになります。委託が単に本人の希望のみに基づいて行われるということではなくて、被保護者への委託内容決定や廃止にあたっては、厚生労働省さんにおいて判断基準を作成していただいて、それに基づいて実施機関が決定していくことが必要じゃないかと思っています。
また、日常生活支援住居施設については、実施内容が事業者への委託にあたりますので、行政的には実施結果の検証が必要になってくると思います。たとえば、ケース記録の整備や実施機関への定期的な報告などが必要になってくると考えております。
次に、支援メニューについてですけれども、資料の中に相談支援とか食事提供、家事等の支援、健康管理、金銭管理というものが記載されていますが、金銭管理は難しいのではないかと思います。行政が事業者に金銭管理を委託することになると、金銭管理が難しい被保護者に対する支援が金銭給付による保護でいいのかという問題も生じるのではないでしょうか。また、被保護者がよりよいサービスを求めて、他の施設を希望したときにも転出しにくくなるのではないか。あるいは、行政が事業者の財務上の信用性とかを常に担保する、確保しないといけないということも問題として出るのではないか。あるいは、万が一、事業者の方が破綻された場合に、被保護者の被害の補てんをどうするかといったさまざまな問題が出るのではないかと思われます。
また、先ほど申し上げたような他法活用ということで、厚労省による既存制度として日常生活自立支援事業がありますので、居住の自由や経済的な自由を本人に保障するためには、こういった制度を活用することが必要じゃないかと思います。今回、金銭管理を支援メニューにするのではなくて、金銭の使い方について指導する家計相談支援相当にとどめるのがいいのではないかというのが提案です。
いろいろ申し上げましたけれども、今回、資料にもさまざまな課題が記載されておりまして、従来の生活保護になかった制度について、支援を必要とされる方にとって、より有効な制度となるように検討会に参加させていただきたいと思っています。
○岡部座長 大阪市福祉局の岡野代理でした。今、お話の出た他法他施策との調整、保護施設との差別化、委託に関連しての検証。それと、日常生活支援の中身について、これは生活保護法上の規定の問題でいくと、どこまで踏み込んでやれるかどうかという点、個人の裁量というものとの兼ね合いが課題になってきますので、ここは慎重に考えていかなければいけないと思います。これについて、次回以降、議論できればと考えております。
では、東京都福祉保健局の野村構成員、よろしくお願いいたします。
○野村構成員 28年度の検討会に引き続き、よろしくお願いいたします。
都内のいわゆる届け出の無料低額宿泊所というのは、平成30年10月1日現在167カ所で、定員が4899名となっていまして、稼働率は常時8割前後で推移しておりますが、平成24年をピークに、近年は横ばいもしくは微減という状況でございます。しかしながら、全国の届け出施設の約3割が東京に集中しておりまして、さらに神奈川県、千葉県、埼玉県を含めれば、7割ぐらいは1都3県に存在しているということでございます。
冒頭御説明がありました無料低額宿泊所の現状、特にその変容している姿というものは、まさに東京を初めとした首都圏の宿泊所の大きな特徴としても、そのままストレートにあらわれているものでございまして、いわゆる路上生活者の受け皿から、居宅で自立した生活ができなくなった低所得高齢者の住まいとなっているということでございます。
都市構造といいますか、事業者の方からも話がありましたが、都内においては、近年、目覚ましく姿を変える東京の都市の姿、ソフト、ハード、いろいろな変化がありまして、生活保護受給者や低所得の人で要介護度がそれほど高くない人々が、そのニーズに応じた住まいを確保することが近年は困難になっているということでございます。そうした人の受け皿として、低所得高齢者等が居宅での自立した生活が難しい場合には無料低額宿泊所が利用されるケースが多いということでございまして、しかもその長期化がございます。東京においても、現在の利用者の半数以上が60歳以上でありますし、約半数は入所期間1年以上ということでございます。
生活保護の実施に当たりましては、居宅保護あるいは支援が必要な場合には、保護施設あるいは介護保険施設等への入所を基本としながらも、今後とも趨勢から見れば、現在の宿泊所が低所得高齢者等の住まいの一部としての位置を占めていくものと考えておりまして、これを前提に質の悪い事業者及びその運営事業者に対し、厳しく規制を適用し、一方で良質な施設及びその事業者に対して公的な支援を制度化していくということだと考えています。
都の行政としての取り組みでございますが、国のガイドラインを踏まえまして、同じくガイドラインである、現在は宿泊所設置運営指導指針というものを平成15年に策定しておりまして、適時改正しておりますが、これをもとに社会福祉法に基づく届け出の受理、その前段としての相談や助言・指導や監督を行っています。
現況を見ますと、都内においては個室が半数弱という状況でございますし、入所者1人当たりの床面積で見ますと4.95平米未満という部屋も少なからずあるということでございます。また、施設長がガイドラインに規定する、これは国のガイドラインも共通ですけれども、どの要件を満たしているかを見ますと、社会福祉主事の任用資格を有する人が少なくて、多くは社会福祉事業従事2年以上というところで任用資格といいますか、施設長の要件ということで認めているわけです。ただ、その中には、利用者であった期間における内部雇用からの登用など、福祉の知識や経験のない施設長の配置もございます。
また、社会福祉法第70条に基づく指導検査というのは、1施設について、原則2年から3年に1回で、問題のある施設については毎年実施しておりまして、どのようなことが文書指摘等になっているかといいますと、施設長変更の届け出がないとか、さらに資格要件を満たしていない。徴収している食費が、会計資料で見るところの食材費等に見合った額ではない。財務諸表そのものが都になかなか提出されない。また、避難訓練、消火訓練が行われていない、感染症の防止に努めていないという施設も散見されるところでございます。設備・運営、それぞれに問題はあるかなと考えています。
一方で、先ほど来、事業者の方々のプレゼンテーションがありましたが、中には特徴を生かした自立支援を実施されているところがございます。都といたしましても、平成26年度から都独自の寄りそい型宿泊所事業というものを実施しております。これは、施設所在の設置区を通じた財政支援でございまして、低所得高齢者等が本来的な居場所、介護保険施設やケアつき住まいを利用できるようになるまでの間、不安なく居住できるように、設備としては、バリアフリー改修、スプリンクラー等の防火設備の設置。それから、ソフト面では社会福祉士等の有資格者の配置等によりまして、通常の無料低額宿泊所の機能強化を図ったものでございます。
それは個室を要件にしておりまして、都内においては個室の確保が難しいことなどから、当初の見込みよりは少なく、現在は5カ所運営されているということでございます。しかしながら、この寄りそい型宿泊所を26年度からやってきまして、日常生活支援住居施設の一つのモデルにはなるかなと考えています。
さて、今般の制度改正は、自治体サイドにとってみれば、15年から20年に及ぶ懸案の解決につながるものとして積極的に捉えておりまして、これを実効性あるものにしていくことが重要だと考えています。第2回以降、具体の議論になるのですけれども、当面の重大関心事項としては、例えば社会福祉住居施設として届け出すべき施設の範囲の確定。その上で、無届けで運営される施設に対する法の適用の在り方。実際には、都内においても、本来届け出すべきであるが、無届けであると疑われる施設もありまして、そのようなところへの対処に苦しんでいるところでございます。
それから、個室、相部屋等の取り扱い。先ほど申しました施設長の資格要件、職員体制等が当面の重大関心事でございます。
それから、利用期間。社会福祉住居施設や日常生活支援住居施設、それぞれの利用期間の考え方をどうするかなどがあります。
いずれにせよ、低所得高齢者等が都内において、個人のそれぞれのニーズに応じた居住環境と生活支援体制が整備された住居ないし施設に入りまして、安心して安定した生活を送ることができる。そうしたあるべき姿を見据えて制度設計していくことが重要であると考えています。
あわせて、先ほど来、お話がありますが、今回の制度改正においては、生活保護の実施の在り方にも大きくかかわるものと考えております。特に、福祉事務所における被保護者の支援とか処遇の在り方の転換にもつながるかなと考えておりますので、そうした観点からも丁寧な議論が必要だと思いますし、一方では、ある程度思い切った踏み込みというものが出てくる場面があるのかなと考えていますので、よろしくお願いいたします。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
施設の在り方について議論する前に、現行でどういう状況にあるのかということの報告をしていただきました。そこでいろいろな課題が挙げられておりました。財務であるとか人の問題であるとか、あるいは業務の在り方、あるいはリスクマネージメントの問題など、そういう問題が今後どのように施設あるいは日常生活支援の中で整備できるか課題として挙げられました。
それと、届け出の中での課題整理と、もう一つは無届け施設の場合はどうするかについても提起されたと考えます。
もう一つは、先ほど大阪市の岡野代理もおっしゃっていましたが、生活保護の実施機関としての業務と、この住居施設あるいは日常生活支援の中で行うことの整理というものは、どうしても必要になってくるかと思います。
どうもありがとうございました。
では、学識経験者の方々に、時間の関係で、あと15分ぐらいでお話ししていただくことになるかと思いますけれども、山田構成員から資料が出されておりますので、山田構成員、御報告よろしくお願いいたします。
○山田構成員 よろしくお願いします。日本福祉大学の山田と申します。
資料を準備させていただきましたけれども、今回、この検討会に参加するに当たりまして、自分自身の頭の中を整理するために慌ててつくったメモみたいなものですので、十分検討できているわけではございませんで、今後の議論の参考程度にご覧いただければと思っております。
この資料の冒頭部分は、今回の法改正の内容を自分なりに整理したものですけれども、先ほど事務局のほうからも御説明ありましたので、ここは省略いたしまして、2ページ目以降のところで、今回の法改正にどんなことが期待できるのか、しかし、どんな課題が残っているのかということを3つの点から書かせていただきました。今日、時間は十分ありませんので、1番の長期にわたる入所という部分だけ説明させていただきます。
この無料低額宿泊所に対して、これまで指摘されてきた問題の一つに、入所期間が必要以上に長期に及んでいるのではないかということがあるわけです。御案内のとおり、社会福祉法上の無低というのは、本来は住居のない生活困窮者が一時的に居住する施設として想定されているわけですけれども、実際には入所が長期化しているのが現状です。その要因として、よく指摘されることは、先ほどからお話があったように、単独での居宅生活が困難な人が少なくない。介護が必要であるとか障害を持っているとか、いろいろな理由で一般住宅での生活が困難な人たちがいて、かつ、そうした人たちの受け皿になるような社会資源が不足しているので、どうしても無低の入所期間が長期化してしまうということです。
(2)に書きましたように、今回の法改正で日常生活支援住居施設が整備されまして、この検討会にお集まりの事業者さんが実践されているような良質なケアを通じて、こうした単独居住が困難な人たちの受け皿になっていくということが予定されていると理解しております。であるならば、この日常生活支援住居施設に該当しない社会福祉住居施設では、長期入所の必要はなくなるのではないかと考えております。言ってみれば、一時的な宿泊場所としての無低という、本来、法律が期待していた機能を取り戻すことが可能になるわけです。したがいまして、この社会福祉住居施設というのは、一時的な居住場所として一般住宅への移行を進めていくことが必要ではないかと考えております。
具体的に申し上げますと、これから検討される最低基準の中で入所期間とか契約期間を限定してはどうかなと思っております。一時的と言ったときの範囲は必ずしも明確ではありませんけれども、生活困窮者自立支援法の一時生活支援事業の例に倣えば、原則3カ月以内、最大6カ月というところは一つの目安になるのかなと考えております。
なお、比較的長期の入所を前提とする日常生活支援住居施設であったとしても、終の住みかみたいな形で長期入所するのは、必ずしも適当とは限らないと思っておりまして、生活保護法30条は、居宅保護を原則として、それが困難な人とか本人が希望したときに施設保護を行うことができるとしているわけですが、今回、この30条が改正されて、この保護施設の中に日常生活支援住居施設が加わったわけです。原則居宅保護、例外的に施設保護という法の理念を踏まえますと、居宅保護の困難性とか本人の希望といったものを定期的にモニタリングして、条件が整えば居宅生活に移行できるように支援していくということが必要かなと思っております。
そもそも今日の社会福祉というのは、認知症を抱えた高齢者も、重度の障害を持っている人であっても、誰もができるだけ地域での生活ができるよう支援していく地域包括ケアを推進しているわけですので、単独での居住に困難があるのであれば、それを克服できるように、さまざまなサービスを利用して一般住宅での生活に移行できるように支援していくということは、日常生活支援住居施設であっても求められるのではないかと思っております。
もう一つ付け加えますと、現在ある無低が日常生活支援住居施設にシフトしていくということを想定しますと、医療ですとか介護の専門サービスを提供するのはなかなか困難な施設も少なくないかなと思っております。したがいまして、専門的なサービスを必要としている人たちの受け皿になるような住まいを整備していくということは、これは附帯決議でも指摘されていると思いますけれども、今後も引き続き検討すべき課題ではないかなと考えております。
2と3の部分につきましては、また別の機会で話題提供できればと思っております。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
いろいろな課題について、なぜそのような構造が生み出されるのかと考え方について提示していただきました。次回以降の議論の中で、この点、議論を進めていければと考えります。どうもありがとうございました。
続いて、中京大学の辻井構成員、よろしくお願いいたします。
○辻井構成員 辻井です。よろしくお願いします。
昨年も構成員の皆様と事業所、いろいろお世話になりまして、調査にお伺いさせていただきました。実にいろいろな事業のところをたくさん見させていただいて、なおかつ、たくさんの方に調査に御協力いただいて、幾つかの心理検査などをとらせていただきました。
かなり印象的だったのは、全救協さんに御無理を言いまして救護施設さんに御協力いただいたのですが、知的障害の方たちの割合が非常に印象的で、無低でも45%以上、救護で7割、全体として6割ぐらいは軽度の知的な障害をお持ちの方たち、知能検査上ということになりますけれども、実際にはおられるということになっています。
ところが、障害福祉分野での障害福祉サービスというのは、自分がそのサービスを受けますと言わない限り、利用できない。多くの方は特別支援教育等を受けてきたわけではないので、通常の枠組みの中でかなりできない方として、いろいろな学校での体験を積み重ねてこられて、その上で仕事も長続きせずという形で、教育歴も割と少なめの年数という方たちが、今回、特に65歳未満というところで調査させていただくと全体像であるという形でいくと、一時的で地域に移行するというそもそもの制度設計の前提が、そうではないのではないですかという。
しかも、利用されている方の全体像の中での多数派、むしろそれが難しい方がそもそも利用されているという形です。そうだとすると、設計上、難しい。そういう意味でも、今回、新たに打ち出していこうというのは、現状の利用者に対応していくということでは、こうせざるを得ないというところになるのかなと思っております。
だから、救護さんのほうだと、障害手帳をとれる方には、もちろん御本人がとると納得された段階でという形ですが、無低の場合、本当に多くの方が利用されていない。ただ、無低の利用者の方たちが御希望されるのかどうかというのは、また別の次の問題になってきてしまうので、どういう生活をどういう形で選んでいかれるのかというのは、かなり考えなければいけないかなと思っています。
今年度の調査で、福祉事務所さんにいろいろお尋ねしてきているのですが、特に首都圏は大変忙しい中で、どこに入るのかというのが、必ずしも御自身の希望が反映されるような仕組みになっているかというと、それはよくわからないところがある。制度そのものとして、無低の事業者と言うのであれば、どういうところに振り分けるのかという側の問題と、両方あわせながらやっていかないといけないかなということは思いました。
それから、調査でお邪魔していて、そこの管理責任者の方の実態を把握するスキルというか、力量というものに関して、余りに差が大き過ぎる。資格を持った専門の方がやっておられるものと、そうじゃないところがもちろんありますし、例えば適応行動という視点そのものが、調査にお伺いして、実際に聞き取りをしていただきながら、こういう視点があるのですねという形で御理解いただきつつ。そういう把握すべき事項を明確にしておく、アセスメントの中身を明確にしておくことで、もう少し支援の質を上げていくということはあり得ることなのかなと思います。
それから、地域に移行するときの受け皿の問題はすごく大きいかなと思っていて、救護のほうにお邪魔できたものですから、地方と首都圏で人がどうやって暮らしていくのかの違いというか、年をとって自分がいろいろなことが難しくなったときに、どこで、どういうコミュニティーの中で、誰とつながって生きていくのかということを考えたときに、つながる人がいなくて、自力で居宅を借りて住むことが難しい場合に、でも、実際、そういう方たちは、単身でいるとこれからどんどんたくさんになっていくわけで、その人たちがどういうふうに支えられるのか。
現状、批判されるべき事業をなさっている事業体があるから、そこは当然批判されるべきだと思うのですが、調査でお邪魔したいろいろな事業所は本当に一生懸命なさっていて、そういう方たちがいるから、とりあえず今のところ何とかなっているという問題がある。批判して厳しくして、そこに住む人が住めなくなったら、結局、この人はまた路上に行くのかという話になるのは、また変な話だなと思うので、必要な形でそこの地域で生きていけるようにどうしていくのかということ。
それから、救護の支援を受けて出ていく方たちもおられるのだけれども、地域の中でいろいろなことがある方が、もう一度地域に戻れるのかというと、そこもまた難しいところがある。みんなと同じにできない部分があって、それで家族をうまく持てなかったりということがあると、ここまでのリスクがあるのだなということを、私自身、調査しながら感じたということです。
今年度は、福祉事務所等でアセスメントができるような仕組みというか、ツールというものを提案していくという形で考えておりますので、各事業所に御相談等しながら、現実的で、なおかつ利用される方の利益につながるような形。先ほどもお伝えしたように、アセスメントをきちんとみんなが共有できていくというだけでも、独自の理解とか勝手なことというのは、よくしていくことができていきますので、そうした仕組み。要するに、科学的な手法で、ある程度改善していくということは、もう少しあり得るのかなと思っております。
施設のことよりは、むしろ利用者の方たちが、どういう方たちが支援を受けるべき対象なのかということについて、幾つか資料を出させていただきながら貢献できればと思っております。よろしくお願いします。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
辻井構成員は、日常生活支援の中身のところで、より議論していただくことになると思います。今、お話にありましたように、救護施設は心身に障害のある方を入所させるということで、障害のある方が多いということ。もう一方で、社会福祉住居施設のところで、そういう障害がある、あるいはその疑いのある方も一定数いることがわかりました。
もう一つは、社会福祉の最も基本になることですけれども、その人の自己決定支援です。その人の意向に則した支援がどうできるかということが、1つポイントになります。それは一定の専門性がなければできない。その配置ができているかどうかということと、それを支える仕組みができているかということになるかと思います。そういう代弁的役割であるとか、要するに権利擁護とか成年後見的なものを含めて、支援が行き届いているかどうかということの議論がまた必要になってくるなと思っております。また、アセスメントができなければ支援はできませんので、おっしゃっていることは非常に大事な御指摘であるかと思っております。
では、大阪市立大学の水内構成員、よろしくお願いいたします。
○水内構成員 再び委嘱されました。私の専門領域は、福祉ではなくて、地理学という分野におりますので、なるべく都市構造的な、あるいは地域の違いというものを重視した形で貢献させていただきたいと思っております。
今、社会福祉推進事業でホームレス支援全国ネットワークの事業として、ホームレス自立支援センターのある都市の調査をしております。それを踏まえまして、3点、私がかかわれるところの問題を言ってみたいと思っております。大雑把に言ってしまいますと、私の役割は、本丸の日常生活支援のところを確定していくことに加えて、多分、その周りのグレーな部分のエビデンスを出すことが重要なのかなと思っております。優良あるいは優良でないという間のグレーな部分、あるいは仕組みのブラックボックス的な部分というのは、この業界の実態が社会に明らかにされていない、伝わっていないところがあり、私の調査自体もそっちにちょっとシフトしているのですけれども、その辺でひとつ貢献したいと思います。
まず、1点目ですけれども、ホームレス自立支援センターを動かしている自治体での生活困窮あるいはホームレスの方々のその後の支援のトラックを定めるスクリーニングが実に多様であるということ。その中で、無料低額宿泊所の位置づけが違うこと、明らかに異なっている実状があります。言いたいことは、先ほども福祉事務所の窓口あるいは生活困窮の窓口が、自分の都市のこうした社会資源をどう位置づけているかということは、それぞれであるという気がしています。
京都、福岡、仙台においては、自治体が意識的に無料低額宿泊所を自立支援の体系のもとに位置づけていると私は思っております。しかし多くの都市では、この資源を使わないとするか、明示的にはその利用を公言してはおられません。23区さんは、昔、無低を使うということをシステム上、設計され、そのラインで実施されていると思いますけれども、ある意味でアンビバレントな対応をされているのではないか。大阪は、無低を使わないで、無低以外の福祉アパートを活用しているということもあり、全国的に見ると、無低の位置づけそのものがかなり揺れているということが、この資源の不均等な偏在となっているのでしょうか。
しかし、今後、この偏在、特定の地域に偏っているということが、今回の制度の導入により全国化するのではないかと思います。なので、まず、各福祉現場、生活困窮者の現場がこの資源を、ある程度使っていく、利用していく住居/施設のイメージングをどうしていくかという点が、1点重要なのかなという感じが今、しております。どうも制度の隙間的なかつ柔軟で臨機な対応が一般的であり、今、模式図を書いておるのですけれども、無低の入居者の広がりが一番大きいという感じがしております。
なので、この大きい広がりの中で日常生活支援の人に当てはめる人を抜き取ってくるというか、それが大変だなと。無低のよさというのは、茫洋とした、何でも包括的に包容力のある住居的施設であったのが、今度、数字によってその守備範囲をリジッドに固めていく。パンドラの箱をあけてしまったのかなということも感じておりますので、包容力のよさというのをどこで、どう生かすのかというのが私の課せられた課題かなと思っております。
2点目は、この包容力というのは、白か黒かグレーかにもかかわってくるのですけれども、いろいろな意味でグレーという言い方は語弊があるのですけれども、見て見ぬふりをするとか、裁量とか、いろいろなものが働く中で、今後、厳格に数字のもとでやっていくのですが、そういう意味で、そういうところに入ってこない、バラエティーに富むさまざまな支援。例えば、大阪では不動産業者さんが見守りを担っている。不動産業者が幾つかのアパートを持って、8世帯のうち6世帯入れているという方式。大阪の場合は、それに居住支援法人というのをとりながら、担い手がどんどん多様化している。
でも、実態は薄く広く広がった居住支援が進んでいることを考えると、この辺の住宅資源を使っている、薄い支援をしているところを、この制度を今後導入することによって、どう位置づけていくのかというあたりに若干不安を持っております。ただ、福祉住宅の場合、大体15平米ぐらいですので、立岡さんが言われた1Kというのは、多分その広さで追求されていると思います。ただ、単独居住なのですけれども、そういう意味では手厚い支援、24時間支援は一切ありません。しかし、入っておられる方はそれに近い方がおられるという、この分野をどうするのかなというのが2点目として気になっております。
それから、3点目ですけれども、最近、独自に研究費を取ってやっている仕事ですけれども、仕事と福祉と医療とハウジングをセットにしたサービスハブという、アメリカのスキッド・ロウで出てきた概念ですけれども、いわゆる脆弱な方々を集中的な連携によって支援していくというシステムがあります。今回、西成特区構想でそのサービスハブ概念というものを文面に入れ込みましたけれども、私の考えでは、飯場/社員寮というところが非常に気になっております。仕事と抱き合わせに入居させておられるのですけれども、かなりの無料低額宿泊所は建築・土建業系の方もやっておられるところが結構あります。
幾つか見に行きましたが、いい意味で言うと、もし生活保護を受けるような元労働者の方がおったら、いいよ、住んでいなさいという形で、寮母さんみたいなのがいて家族的経営をされている人夫出し飯場さんが大阪には結構あって、そういう家庭的支援が東京にオリンピックの需要でどんどん進出していくなかで、首都圏で受け入れられていく。東京は、どちらかというとそうした系譜のない飯場が多かったのですけれども、大阪はそうでないところが多くて、東京・首都圏であちこち大規模飯場をつくっておられます。首都圏の場合は余り生活保護に入っているところはないのですけれども、大阪、尼崎とか京都、姫路においては、幾つかの部分は、かつての飯場が宿泊所的な運用をされている。
これが貧困ビジネスというか、一番ブラックボックス的なところですが、ここもある程度社会化というか、非支援的なところがまだセーフティーネットに包摂されていないので、こういう職住一体化した社員寮のサービスハブ化を通じて、何とか社会化をする提案をしないと、この増大する外国人労働者の受け入れを含め、ブラックボックスのままでおると非常に危ないのではないか。特に東京オリンピック以降を考えるときに、ある程度のセーフティーネットというものを、今回の議論からちょっとでもかかわるところでやってみたいなと思っています。
なので、私は、そういう飯場や社員寮の運営の系譜を有する事業者さんがやっている無低の今の現場を、ちょっと調査も始めているのですけれども、そういうところから本丸の一番良質な部分の制度設計との距離感というものを確認しつつ、多分、この検討会ではそこまで全然行かないと思いますけれども、外堀のそういう部分をデータで貢献できるような形で参加させていただきたいと思っております。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
水内構成員はエビデンスを出し、それによって何が言えるかを中心に研究を進められています。それをこの検討会で御報告いただけるのではないかと考えております。
では、最後になりましたけれども、立教大の平野構成員、よろしくお願いします。
○平野構成員 今回から参加させていただきます立教の平野でございます。
もう時間もありませんので、問題関心だけ簡単にお話しさせていただきます。
1つ目は、今回の法改正をどう考えるかということです。社会福祉行政を研究しているほうから見ますと、今回の法改正はすごく意味があるなと思っています。もともと無低は昭和26年、社会福祉事業法でできたのですけれども、このときの無低というのは、まさに20年代の引揚者、バラック住まい、こういう人たちを想定してつくった。そして、30年代には、いわゆる出稼ぎの人たち、地方から来た飯場。そういうところからつくったものと、今では世帯状況も大分違っているので、それとは違うものをつくらなければならないのではないかというのがずっと課題であったわけです。
そういった意味では、それと違うものを今回、打ち出そうというところでは、すごく大きな意味があったと思います。昭和20年代、30年代前半の規定でやろうということ自体に無理がある。それを今に合ったものにつくろうというので、この委員会があると思っています。そういった意味で、個人的には、1990年代、平成7年に生活保護が底をつきましたから、これから後は多分、今の形になっていると思うので、この後の人たちのところを踏まえて、どういうふうに取り込みながら新しいものをつくっていけばいいのか。そういった意味で、これから先にどうあるかという少し未来志向でこの問題を考えていかないといけないのではないかというのが1点目です。
それから、2点目ですけれども、先ほど平成7年の話をちょっとしたのですけれども、この50年間を見ると、扶助別の額を見ると、医療と介護を除いて、ほかの6つの扶助を見ると、生活扶助とか教育扶助は伸びが3倍ぐらい。ところが、住宅扶助だけ9倍ぐらい伸びているのです。もちろん人員の変化もあるのですけれども、それ以上にはっきりしているのは住宅費が高騰している。つまり、住宅が貧困になっているということがすごく数字的に出てきていて、住宅による貧困、住むことの貧しさというものが生活保護につながってきているというのがデータ上、はっきりしている。そう考えると、それを踏まえて、どういう新しい支援を考えていくのかというのが、多分、ここに突きつけられている課題なのかな。
3番目ですけれども、そういう意味で、支援の在り方も少し考える必要があるかなと思っています。1つは、この間ありました。利用者の層も変わっているわけです。従来は、ホームレスですと、明らかに住宅をなくした方にどう保障するかだったのですけれども、今はもう、するすると落ちていく人がいっぱいいるわけです。それから、不適応を起こして住めなくなってきた方もいる。それから、障害関係も随分おつき合いがあるのですけれども、親が高齢化してしまって、障害を持った人たちが出られなくなってしまった。こういう人たちがいっぱい出てきて、昔のイメージと大分違ってきている。
もう一つ違うことは、さっきエス・エス・エスの話で、層化しているのです。かなりヘビーな支援をしなければならない人と、ある程度基本的な支援をすれば暮らせる人もいる。こういう階層化も進んできているので、一つのパターンだけでやると難しい。私は個人的に言えば、さっきの山田さんの方法も賛成ですけれども、地域に移行できる人たちは、そういう人たちが参加できる施設があるべきだし、そういう支援をすべきだ。今、特に障害で言えば、前は施設、グループホーム、在宅だったのですけれども、今は在宅とグループホームの間に日常生活支援という巡回型の援助もしているのです。そういう形で、うまくごみ出しができないとか、そういう人たちの支援をしていく。
さっき言われたように、ある程度幅を持たせて、なおかつ一番自立に効果的な施設を未来志向で考えていくことが多分課題になっているのかなという、問題関心で恐縮ですけれども、以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
無料低額宿泊所というのは、社会福祉法の中で規定されている。前は社会福祉事業法で、それが法改正で社会福祉法になったわけですが、その中で無低そのものについて、もう一度きちんと捉え直しを行い、これからの施設の在り方について検討ができればと考えます。
もう一つは、生活保護法の中での8つの扶助があります。その中で住宅扶助の伸び率が非常に高くなっているということをどう考えるかという御指摘がありました。この住宅扶助の在り方について考える必要があります。これが2点目です。
3点目は、支援の方法についての見直しです。これは、利用者の層が相当変わってきている。その層に対して、利用者層の支援について考えていかなければならないという貴重な御指摘をいただきました。
以上、時間が相当延びてきて、残り5分になってしまいましたけれども、各構成員の報告を、自己紹介を兼ねて、していただきました。
次回は、個別の案件、テーマを設定して進めさせていただきます。冒頭に谷内局長からお話ししていただきましたが、本住居施設については、とりわけ無低の場合については、貧困ビジネスと言われているような悪質な業者の問題が非常に社会問題化しています。もう一方で、さまざまな生活課題を抱えた方に対して、解決に向けて極めて良質な支援を行っている。そういう意味では、悪質なものについては厳しく規制をかけていく。そのためのルールづくりが必要です。
もう一つは、良質なところに対しては、その仕組みというものも一定考える必要があることについて局長のほうからお話がありました。
そのように考えると、未来に向けて、これからの生活困窮状態にある方に対しての支援の在り方を考えていく必要があります。具体的には制度の仕組み、業務の内容、支援の方法等も含めて、次回以降、考えていければと考えております。
本日の検討会は、このあたりにさせていただければと思います。
事務局から今後の予定を御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○姫野保護事業室長 ありがとうございます。
第2回の検討会でございますが、12月17日月曜日15時から17時を予定しております。会場などの詳細につきましては、追って御連絡いたします。
○岡部座長 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。
御多忙の中、ありがとうございました。
 

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