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2018年5月15日 第9回放課後児童対策に関する専門委員会 議事録

子ども家庭局子育て支援課健全育成推進室

○日時

平成30年5月15日(火) 10:00~12:00

 

○場所

経済産業省別館114会議室(1階)
 

○出席者

委員

柏女委員長
安部委員
池本委員
植木委員
小野委員
金藤委員
清水(利)委員
田中委員
中川委員
野中委員
山田委員
 

オブザーバー

西川文部科学省地域学校協働推進室長
 

事務局

長田総務課長  
田村子育て支援課長  
里平健全育成推進室長  

○議題

1.中間とりまとめ(素案)
2.その他

○議事

 

 

○里平健全育成推進室長 おはようございます。
定刻となりましたので、ただいまから、第9回「放課後児童対策に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。
本日は、赤堀委員、清水将之委員が欠席でございます。また、前回専門委員会のオブザーバーとして参加していただきました、静岡県健康福祉部こども未来局こども未来課、赤堀正美課長を、昨日、5月14日付で任命いたしましたので、御報告させていただきます。
それでは、議事に移りたいと思います。
柏女委員長、よろしくお願いいたします。
○柏女委員長 皆さん、おはようございます。このところ、不順な天候が続いていて気温差が大きいので、皆様方、体調管理はいかがでしょうか。でも、連休は晴れましたので、私も、児童養護施設、学童の子どもたちと一緒にバーベキューを囲みまして、こんなに焼けてしまいました。皆様方も、連休が終わって、子どもたちとの生活あるいは学生さんとの生活が本格化してきているのではないかと思います。お忙しいときにお集まりいただきまして、ありがとうございました。
中間とりまとめが、前回、3番目のところについて御意見を頂戴しまして、それを受けて、初めて、いわば全体方向、全容を今日は明らかにさせていただきました。ようやくここまでたどり着いたなという感じがいたしております。今日はこの中間とりまとめ案について御意見を頂戴して、できれば次回あたりでとりまとめをできればと考えているところでございます。
それでは、資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。
○里平健全育成推進室長 それでは、お手元に配付しております資料の確認をさせていただきます。
資料1、「中間とりまとめ(素案)」(第8回)における主な発言要旨。
資料2、中間とりまとめ(素案)。
参考資料1、放課後児童健全育成事業の「従うべき基準」に関する実態調査の結果について。
資料に欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
○柏女委員長 大丈夫でしょうか。
参考資料1として、厚労省が行った調査の報告が入っております。それを受けて、一部事務局で中間とりまとめ案に加筆をした部分がございますので、それも今日は事務局から御説明いただいた上で、皆様方の御意見を頂戴できればと思っております。
今日の進行方法についての確認をさせていただきます。この中間とりまとめについての議論ですけれども、最初に事務局から資料の説明をしていただいた上で、時間を区切って項目ごとに議論もしていこうかなと考えております。大きく3つに分けられますので、その3つについて、それぞれ時間も大体20分ぐらいずつになるかと思うのですが、また最後に全体をレビューするという流れで進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、そのような形で進めさせていただきます。
事務局から、資料の説明をお願いいたします。
○田村子育て支援課長 それでは、資料の説明をさせていただきます。
まず、資料2「中間とりまとめ(素案)」をお出しいただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
今、委員長からも御説明がありましたように、1と2ではある程度書き込んで、3のほうはまだという感じだったのでございますが、まず、大きな1番のところ、2ページでございます。「1.子どもたちの放課後生活の重要性とその理念」でございます。ここに関しては、前回お示しさせていただいたものに対しまして、前回、委員の皆様から御意見等々をいただいたものをつけ加えさせていただいたり、修正しております。まず、その箇所について御説明いたします。
3ページの一番下でございます。朱書きになっているものが主なその変更点でございます。ここで、前回の御議論の中で、児童の権利条約について、休息・余暇の権利について、そこを書き加えさせていただいております。ほかの子どもの回復の場となるよう保障していくことも必要であるという形で記載してございます。この権利条約31条のことを追記させていただいているところでございます。
4ページ目をお開きいただきたいと思います。「(2)子どもの『生きる力』の育成支援」ということで、ここも前回の御議論の中で、教育基本法第13条にある、学校・家庭・地域が相互に連携して社会全体で取り組むことが重要だということで、そこら辺を追記させていただいております。同じページの(基本的な視点・方向性)の一番下の○でございます。ここも「生きる力」を育成するということの中では、放課後生活、学校教育を通じて「生きる力」を育成していくこと、その両面をあわせて「生きる力」を育成していくのが重要だということで、ここをこのように修正させていただいております。
5ページでございます。「(3)地域共生社会を創出することのできる子どもの育成支援」でございます。ここの真ん中辺にあります、朱書きになってございますけれども、自分自身に権利があるとともにということでございますが、まず、自分に権利があることを知ることが重要である。その上で、他者の権利を知るという趣旨でございます。ここを書き加えさせていただいております。
6ページですが、これが大きな2番になります。「2.放課後児童対策の歴史的推移と現状並びにその課題」でございます。上から3つ目の○のところでございます。これは、前回の御議論というか、全体の文章を見直した中で、以前の委員会の中で御発言等々があったものをここに書き加えさせていただいてあります。学校に行きづらいとか、なじめないようなお子さんもいるということを意識した書き方ということですね。子どもの中には、学校の外で放課後を過ごしたいと望む子もいるなど、子どものあり方は多様だという形で書かせていただいてございます。その一つ下でございます。前回は民間の学童保育とはどういうことなのかという御質問等もありましたので、ここをもう少しわかりやすいようにということで、いわゆる児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」というものの届け出を行わずに実施している類似の事業という、ちょっとかたい書き方でございますけれども、法律上、事前に届け出が必要となっておりますので、そういうふうな形にさせていただいています。届け出をしないで国の補助金等ももらわずにやっているというような意味合いでございます。(基本的な視点・方向性)の1つ目のところで、ここは民間事業者による事業や活動も含め、放課後児童対策全体の質をどのように担保していくかという形で書いてございますが、前回の御議論の中で、公的施策と民間事業が切り離されているようなイメージがあるということだったものですから、こういうふうに訂正させていただいているところでございます。
次に、7ページでございます。○の2つ目です。ここも前回御議論で御指摘いただきました、児童館の後に「社会教育施設等をはじめとした」という形で、社会教育施設についてつけ加えさせていただいております。その後段のほうでございますけれども、運営委員会の関係も前回記載させていただいて、それもどういったものかという御質問がありましたので、わかりやすいようにということで、「放課後子ども総合プラン」のもと、市町村において地域の実情に応じて設置されている運営委員会の活用と記載させていただいてございます。その下の○のところでございます。これも、これまでの意見、議論の後にまた委員の先生からいただいた意見ということで、ここに記載してございます。放課後の事業について、公的な事業からプレイパーク等民間で行われているもの、ひとり親家庭に対する事業とか、生活困窮者世帯の子どもを対象とした事業、障害児を対象とした事業等々、課題に対応した事業まで幅広く行われている事情がある。そして、全ての子どもに多様な居場所が必要だということをここは記載させていただいております。そして、民間事業者も含めた子どもの居場所や放課後児童対策のあり方、民間事業に対してどのような支援のあり方が考えられるかということで、引き続き検討していくことが求められると記載させていただきました。一番下のところでございますが、これもこれまでの意見で言われたところで記載していなかったものをつけ加えさせていただきました。放課後児童対策のあり方について、基本的な考え、目的、諸施策の連携等総合的な放課後児童対策の推進について、法律の中に明記しておくことが今後の課題となると考えられると記載させていただいています。それから、最後のくだりのところで、ここも前回指摘いただいたかと思います。現在の観点だけではなくて、法制定時の状況等もその当時の理念とかということも鑑みた上で検証することが必要ではないかということで、児童福祉法制定当時の社会状況や理念等を引き継ぎながらも、現在の「育成支援」という観点からふさわしいかどうか検証すると記載させていただいております。
8ページをお願いいたします。大きな3番、「3.放課後児童クラブの今後のあり方」で、ここが、今回改めてといいますか、初めて全体図を描かせていただいたということでございます。これについて御説明をいたします。「3.放課後児童クラブの今後のあり方」ということで、まず、「(1)待機児童の解消(いわゆる『量の拡充』について)」でございます。ここは、前半、現状、放課後児童クラブ数、登録児童数、待機児童が約1万7,200でございます。その待機児童の状況を見ると、4年生以上の割合が約4割になっていること、これについては放課後児童クラブの対象拡大の影響が大きいのではないかということを書かせていただいています。○の3つ目でございます。保育所のほうで保育の受け皿ということで「子育て安心プラン」ということで、女性の就業率等々に対応した32万分を確保するということ、そして、放課後児童クラブについては、31年度末までの整備目標だった30万人というものを1年前倒しして、今年度、30年度までに30万人分を整備するのだということが閣議決定されたということです。その次の4つ目の○でございますけれども、今後、保育の利用率も上がってきている中で、放課後児童クラブの利用率も関連して当然さらに上がるだろう。それに対応するように、いわゆる待機児童、「小1の壁」の解消に取り組む必要があるのだということを書かせていただいています。(基本的な視点・方向性)でございます。待機児童を解消していくためには、女性就業率の上昇を踏まえたニーズを見込んだ上で、必要な受け皿の整備を進めていく必要がある。その上で、放課後児童クラブ未設置の小学校区への放課後児童クラブの設置、「放課後子ども総合プラン」に基づく放課後児童クラブと放課後子供教室との一体的な実施については、学校に加え、児童館や社会教育施設等を活用するなど、さまざまな方法によって整備を行っていくことが必要ではないかということでございます。2つ目でございますけれども、4年生以上の高学年児童の待機児童の解消に当たっては、放課後児童クラブの整備にあわせて、児童館、社会教育施設等、既存の資源も活用しつつ、子どもが安心、安全で生き生きと過ごせる多様な居場所を確保していくことが求められるということでございます。その際に、放課後に子どもがどこでどのように過ごすのがよいか、子ども自身がどこで過ごしたいのか、多角的に検討する必要があるということで記載してございます。
9ページをご覧ください。ここのところで、子ども自身が放課後の居場所を選べるように、子どもに向けた情報を提供していくこと、公的事業、民間事業にかかわらず情報を一元化し、その情報を提供しコーディネートする役割も必要ではないか。これも前回議論の中でちょっと出た話を記載してございます。最後のところでございますが、放課後児童クラブの利用者の増加、障害のある児童、配慮を必要とする児童の家庭が増えているという状況を踏まえて、放課後児童支援員の方を、必要に応じて関係機関と連携して支援するスーパーバイザー的な職員の配置も検討することが考えられるのではないかと記載してございます。
10ページでございます。ここでは「(2)質の確保」でございます。放課後児童クラブに求められるものでございます。ここでは、施設運営基準及び運営指針に基づいて、子どもの最善の利益を第一に、子どもの視点に立って、運営や育成支援の内容を検証する必要があるのではないかということでございます。2つ目の○のところで、運営指針によれば、放課後児童クラブの役割は、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進する。育成支援の内容について、ここに記載しているところでございます。○の3番目のところでございますけれども、育成支援の内容に、「子どもが発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができるようにする」「子どもが自分の気持ちや意見を表現することができるように援助し、放課後児童クラブの生活に主体的に関わることができるようにする」などが挙げられていますが、現状を踏まえると、子どもの主体的な活動を尊重する運営や育成支援を一層進めていくことが一つの課題ではないかと記載してございます。(基本的な視点・方向性)でございます。運営指針で示されている放課後児童クラブにおける「育成支援」の内容について、改めて現場への理解浸透を図る必要があるのではないかということ。子どもの発達段階に応じて、主体性に応じた遊びや生活ができるよう、最大限に配慮する。それと同時に、放課後児童クラブ以外の子どもや地域の人たちとの交流や多様な活動ができるよう、地域の他施設等との連携により交流や活動の幅を広げることが求められるということでございます。また、運営指針が求める「育成支援」の内容を実践できる放課後児童支援員の育成や資質の向上に、より一層取り組む必要があるということを記載させていただいております。最後の○でございますが、運営指針及び運営指針の解説書でも述べられているように、遊びは自発的、自主的に行われるものであり、子どもにとってほかにかえがたい不可欠な活動である。自ら遊びをつくっていくという観点に立てば、放課後児童支援員が、子どもが主体性を発揮できる環境づくりとかかわり方の専門分野であるプレイワークの知識を身につけていくことも求められるのではないかということで記載してございます。
11ページのところの○の一番上でございます。ここから○の3つなのですけれども、先ほど柏女委員長からちょっとお話がありました、事務局からつけ加えさせていただいたところでございます。
参考資料1を見ていただければと思います。「放課後児童健全育成事業の『従うべき基準』に関する実態調査の結果について」という調査の結果でございます。これは、先週の金曜日に行われた地方分権改革有識者会議のものですが、その中で、これは私どもが各市町村に調査をした結果でございます。これは地方分権の絡みで、市町村の実態を把握した上で検討するということになっておりますので、その関係で調査をした結果でございます。もちろん以前にもここでの基準に関する議論はしないということになっております。その議論の話ではございませんけれども、この調査をする際に、調査結果の7ページ目の(6)、放課後児童クラブの運営に当たり、次の点はどのような対策が講じられているかということで、放課後児童クラブの運営に係る見える化について、取り組んでいるものを選択してくださいということで調査をしております。次の最後の8ページですけれども、児童の安全確保に関する取り組み状況ということで、これも、自治体調査をする際に、私どもとしてはこれは重要な点ではないかということで、調査をさせていただいた結果でございます。
資料2の素案のほうに戻りますけれども、11ページの上から3つの○について、この調査結果について、重要な点であるということから、ここに記載させていただいております。これについても、何か御意見があれば後ほど御意見をいただければと思います。結果的に、ここに書いてありますのは、情報公開等について調査を行ったところ、「運営状況をとりまとめて、情報公開している」というところが1割程度。放課後児童クラブの中には、保護者に対し、連絡帳のやりとりやアンケートを実施するところもあるが、全体的には運営にかかわる情報公開については進んでいないのではないかということが多く見られたということ。それから、安全確保に関する取り組みについて聞いてみたところ、部外者が敷地内で自由に出入りできないよう施錠等を行う場合が2割、内部通報制度が周知されているところが2割など、安全確保についてまた課題があると考えられる放課後児童クラブも多いことが想定されるということを記載しております。3つ目のところで、質の確保という点では、情報公開の推進、第三者評価の実施や子どもの安全確保の体制の整備は重要な視点であると考えられ、今後、必要な方策を考えていくことが求められると記載してございます。
放課後児童支援員のあり方・研修についてでございます。放課後児童支援員は、学校教育とか保育とも異なる「育成支援」を担うということでございます。放課後児童支援員のこうした特性を踏まえた、資質の向上のあり方を考えていかねばならないということ。2つ目の○ですが、国では、放課後児童支援員に対する研修を大きく分けて2種類やっているわけですが、そのうち、認定資格研修については、経過措置により、来年度末までに放課後児童支援員として勤務を予定する方については受講が義務づけられている。これについて、自治体、放課後児童クラブ関係者からは、経過措置期間まで受講が修了しないことについても懸念があるということを記載してございます。昨年の5月の厚労省調査でございますけれども、放課後児童支援員の常勤職員が約27%、残りは非常勤、パート・アルバイト等が占めているということを記載しています。
12ページでございます。(基本的な視点・方向性)、放課後児童支援員の職務には、子どもに直接かかわることのみならず、育成支援の計画、保護者、学校等との連絡、さまざまなものがあります。こうした育成の内容を反映できる処遇ができるようにしていくべきではないかということ。認定資格研修について、経過措置が終了する2020年度以降のあり方について速やかに検討していく必要があるのではないかということ。研修の資質向上研修のほうでございますが、研修体系の整理等、今後検討すべきであるということ、それから、とりわけ、放課後の子どもの生活を保障するという視点からは、ソーシャルワークの専門性やプレイワークの知識等を培う必要が考えられ、その方法を検討する必要があると記載してございます。全体を通してでございますが、下の欄の注釈等々もあわせて説明等を記載してございます。
最後、13ページでございます。「おわりに」ということで、これは前回にお示ししたものと変わりはございませんけれども、2つ目のところでございますが、ここで「なお」ということで、各委員から放課後児童対策を考える上での将来的な検討課題を、いろいろ御指摘、御提言いただいたところなのですけれども、それについて付記させていただくという形にしております。今後の検討課題ということになってございます。ここに5つほど書いてございます。放課後児童クラブの就労要件について、保護者負担の割合について等々、意見をいただいたものをここに付記させていただいているところでございます。それと、前回、この後ろに資料として、放課後児童対策に関連するポンチ絵を1枚つけさせていただいておりました。これを、率直に申し上げますと、各施設の所管している部署等々に確認等を行ったのですが、なかなか公私とか、普遍的ニーズ、あの4方向の中でどこに位置づけしたらいいのかというといろいろ意見等々があって、正直に申し上げて、なかなかまとまり切れなかったというところが実態でございます。いろいろ考え方によって施設を置く場所とかは違うのではないかという議論もありまして、なかなか調整できなかったということで申し訳ないのですが、ポンチ絵に関しては報告書の中からは落とさせていただきたいということで、これにはつけておりません。ただ、最後の【参考資料】に書いてありますけれども、子どもの放課後に対する主な取り組みということで、関連する事業とか、場所とか、事業の目的、内容等々については、3ページにわたりますけれども、記載させていただいたということでございます。
すみません。長くなりました。以上でございます。
○柏女委員長 ありがとうございます。
1章、2章については、これまで出た意見で必要な部分を付加し、3章部分については、新たに全体を整理した上で書きおろしたということになります。ようやく全体像が見えるところまでこぎつけたかなと思います。今日は、皆様方からさらに御意見を頂戴して、ブラッシュアップしていくということになるかと思います。時間があと90分弱ありますので、全体を1章、2章、3章、それぞれ20分ずつ考え、3章は新しいので、少し時間も多目に30分ぐらいとれればと思っております。最後に、全体を通して御意見を頂戴できればと思いますが、そんな流れでよろしいでしょうか。
まず、最初ですけれども、表紙から、目次も含めて、「はじめに」、1番までということになりますが、何か御意見、御質問等があれば、お願いしたいと思います。なお、先ほどの事務局の御説明にもありましたように、委員から出た御意見をかなり生かすために、あるいはヒアリング等で賜った御意見などがたくさんございますので、それらを生かすために注書きをかなり多く入れる形にいたしました。また、条文については、前回のものは本文中に参考資料として入っておりましたけれども、見栄えがよくないのではないかということもあって、全て法文についても注書きのところに入れる、整理するという形にさせていただきました。何かございましたら、お願いしたいと思います。
いかがでしょうか。
植木委員、お願いします。
○植木委員 お願いいたします。
冒頭に児童の権利に関する条約が出てくるというのは、この報告そのものが子どもの権利保障に基づいてつくられているのだよという表明にもなるという意味では、大変すぐれていると思われます。その条約の表記なのですけれども、「児童の権利条約」という表記が随分目立ちますけれども、一般的には、例えば、「児童の権利に関する条約」とか、あるいは「子どもの権利条約」という言い方をするのかなと思うのですけれども、この表記に関してはこれでよいということでよろしかったでしょうか。
以上です。
○柏女委員長 事務局のお考えを、まず、お伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○田村子育て支援課長 「児童の権利条約」という形で記載させていただいておりますが、外務省の表記がどういう形になっているか、それを見た上で統一性を持った形で記載させていただきたいと思います。
○柏女委員長 専門委員会の文書ではありますけれども、政府が設置した委員会なので、例えば、「児童の権利に関する条約」が正式な訳文なので、括弧をして(以下、「子どもの権利条約」)とかとしていっても、通称で「子どもの権利条約」は使われていますので、そんなふうにしてもいいかなと思いましたけれども、よろしいですか。あわせて、政府のほうでも御検討いただければと思います。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
金藤委員、お願いします。
○金藤委員 今、植木委員がおっしゃられたように、子どもの権利で論が始まっているのは大変すばらしいと思っており、共感しておりますが、1ページの「はじめに」のところ、書き出しが「共働き家庭の増大や就労形態の多様化」というようなところから始まり、2番目の○も「女性就業率の上昇に伴い」ということが先に出てきておりまして、できれば3番目の○、子どもたちの放課後の過ごし方は多様化していて、でも、そういったさまざまなニーズもあり、多様な遊びの場が用意されなければならないと、そういうところから始まっていただきたいと思いました。
○柏女委員長 大切な御指摘ではないかと思います。全体が子どもの視点からという表現が多い中で、「はじめに」のところが大人の視点から入っているので、3つ目の○を上に持ってきながら、共働き家庭の増大や就労形態の多様化等々、子どもをめぐる家庭の状況は変わってきているという形に書いていったらどうかという御意見ですが、それでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。事務局のほうで御工夫いただいて、上のほうの○を1つだけにするか、子どもたちの放課後の過ごし方は多様化しておりというその1つだけにするか、あるいは次につなぐ文章を入れていただくかはお任せしたいと思いますので、子どもの視点は最初に入れていただくということでお願いしたいと思います。
池本委員、お願いします。
○池本委員 今の金藤先生のところの補足のような形なのですけれども、もう少し今の子どもの現状を細かくというか、イメージできるような表現が最初のところにあってもいいのかなと。例えば、ひとり親家庭が増えているとか、そもそも兄弟が少なくなっているとか、すごく長期的な流れではあるのですけれども、かなりそこがいくところまでいっているという感じもありますし、あと、授業時間が増えて、そもそも放課後の時間が減っているとか、塾とか、そういった民間サービスに取り込まれているような、表現が難しいのですけれども、放課後生活の多様化と丸めているところはあるのですけれども、そうした変化とか、いろいろな問題がありそうだということがあったほうが、この報告書の注目というか、重要性が伝わるかなと思いました。
○柏女委員長 ありがとうございます。最初のころにそうした議論をかなりしていたかと思いますので、そういう意味では、これは上のほうに○を2つか3つ入れていただいた上で次に続けていければと思います。このファイルの中にたくさんの子どもたちの実情についての調査報告なども入っておりますので、それらの一つ一つを確認していくことはいたしませんが、確認した上で進めていっていただければと思います。よろしくお願いしたいと思います。
過不足等もあれば、ほかにいかがでしょうか。
野中委員、お願いいたします。
○野中委員 文章校正の範囲のことなのですが、3ページの一番下の児童の権利のところなのですけれども、終わりから2行目のところで、「特に後者は見過ごされがちであるが、放課後が子どもの回復の場となるよう」という表現があります。その前の文が「子どもの回復の場となるよう」となっています。まとめて括ったというのは読み取れるのですが、どのようなことの回復かということがストレートに伝わりにくい部分があると思います。「後者」と既に書いてあるので、別の言葉でまとめるというよりは、「特に後者は見過ごされがちであるが、子どもの放課後の生活の中で保障していくことが必要である」という形でまとめることを考えていただければと思います。ほかにもこういう文章校正の範囲の気づくことがあるのですが、それは後ほど事務局のほうにお伝えするということでよろしければ、そのようにさせていただきたいと思います。
○柏女委員長 文意が伝わりにくいところを私も幾つか感じていますので、それらは後で事務局のほうにお伝えいただけると、時間的にもロスが少ないかと思います。そのようにお願いしたいと思います。
今のは、子どもの回復の場ということで上の全てを代表させるのはやや無理があるのではないかということなので、特に後者は見過ごされがちであるが、子どもが放課後の生活の中でこれらを保障することができるように、これらを回復することができるように保障していくことも大事だといった表現ぶりに変えていただくことが大事だと思いました。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
よろしければ、第2章のほうに移っていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、6ページから9ページのところまでですけれども、何かございましたらお願いしたいと思います。
植木委員、お願いいたします。
○植木委員 お願いいたします。
まずは7ページです。○の上から3つ目の赤で丸が書かれているところですけれども、「放課後の授業については」ということで、プレイパーク、「子どもの生活・学習支援事業」、「子どもの学習支援事業」、「放課後等デイサービス事業」等ということが明記されていて、最後に、すべての子どもに多様な居場所が必要であると。これはそのとおりだなと思うのですけれども、これらの放課後の子どもに対応する類似のさまざまな事業を、例えば、包括的にサービスとして子どもに提供できるような仕組みとか、あるいは、このようなこと以外のサービスが必要なのだけれどもそれがまだ制度化されていないとか、それであれば、それを積極的に発掘していくとか、そういった比較的積極的な表記の仕方もあってもいいのではないかなと思うのが1点です。
済みません。8ページ、9ページ目も含まれてよろしかったでしょうか。これは3になりますけれども。
○柏女委員長 失礼しました。7ページまでということになります。大変申し訳ありません。
○植木委員 すみません。以上です。
○柏女委員長 それらはどこかにありませんでしたか。意見としては出ていて、いろいろな放課後の生活の過ごし方があるし、それを子どもたちに情報提供していってコーディネートをできるような場が必要とか、専門職が必要なのではないかという意見があったように思います。これは中のどこかに入っていませんでしたか。
○田村子育て支援課長 それは3番のところに。
○柏女委員長 9ページの上ですね。植木委員が今おっしゃったのはその趣旨ですよね。社会資源の開発みたいなことはここには入っていませんけれども。そうすると、ここの中に、それらの包括的に提供できる体制というのは、3のところに一部載っていますけれども、それらや、子どもたちにとって必要な、足りない場を開発していくということの大事さということですね。ソーシャルワークの視点だと思いますけれども、それらはこの中にも包括的に入れておくことができると思いますので、今の2点、1点は「3章にあるように」として入れていただいて、もう一つは、子どもたちの居場所がなかったりする状況に対してはそれを開発していくということの大事さをここに触れておくということはお願いしたいと思います。それこそ不登校の子どもたちの場とか、ひきこもりの方たちの場というようなこともありますので、それらをあわせて考えていくことが大事だろうと思います。ありがとうございました。
その他はいかがでしょうか。
安部委員、お願いいたします。
○安部委員 安部です。
事務局に1点質問があるのですけれども、6ページの真ん中に「児童福祉法上の『放課後児童健全育成事業』の届け出を行わずに実施している類似の事業」という表現がありますが、この「類似の事業」についてはどの程度実態を把握されているかどうかというのを教えてください。
○柏女委員長 まず、事務局のほうから御回答をお願いしたいと思います。
○田村子育て支援課長 具体的にどういった種類のどういった数のものがあるか、そこまで全体像を調査したものはございません。ただ、この間の会議でございましたけれども、一部同じような民間の学童保育と言われるようなものが幾つかあるというのは把握しておりますけれども、全体像は把握しておりません。すみません。
○安部委員 ありがとうございます。
この類似の事業の中で、子どもの最善の利益にかなうような内容のものをやっていらっしゃるところもあると思うのですけれども、そうではなくて子どもの権利侵害に近いことが起こっているような事例ももしかするとあるかもしれないなと思いますので、現状並びに課題のところに類似の事業の実態把握のようなものを入れ込んでいただけたらと思います。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。
実態を把握していくことも大事であるということですね。自治体では、「放課後子ども総合プラン」はほかのところで通知で出していませんでしたか。自治体が自分たちの管轄の中にある類似事業については把握した上で、自治体が情報提供していくということの大事さを、放課後児童クラブの設備運営基準を作成する専門委員会で、たしかそういう提言をした記憶があるのですけれども、後で結構ですので、御確認いただいた上で、国としても実態把握をしていく必要があるということなのだろうと思いますので、自治体にそれが出されていなければ、再度御検討をいただくことをお願いしたいと思います。
今の関係ですね。お願いいたします。
○中川委員 先ほど来、議論されております民間事業者ですね。
民間事業者の中にもいろいろあるだろうということが想定されるのですね。実際、私どものほうにも、民間事業者の方から、放課後児童クラブの運営について、例えば、いろいろ情報提供をいただきたいとか、あるいは職員に対する講義などもお願いできないかというお話もありました。民間事業者は民間事業者なりに、少しでも子どものためにいいものをと考えている人たちもいるだろうと思います。
ですから、実態把握と同時に、そういう民間事業者がよりその事業を向上させていくための仕組みというのですかね。そういうものも含めて、今後、考えていけたらいいのではないか。例えば、自治体のほうから情報提供をして、こういう研修会がありますよとかということも含めて、民間事業者に任せっきりということではなくて、こちらのほうからも積極的に働きかけをしていくような、言ってみれば、子どもたちがその中で実際に放課後に生活しているわけですから、そこのところは、いわゆる公的事業であれ、民間事業であれ、子どもたちの権利をしっかり守っていくという点では必要なことではないだろうかと思っております。
○柏女委員長 ありがとうございます。
今のことは関連しますので、その実態把握と同時に、運営の質の向上のための施策を検討していく、さらに向上していくための施策を検討していく必要があるというような書きぶりにしていくことはできるかと思いますが、事務局のほうではよろしいでしょうか。
特に大きな規制をかけようとか、そういうことではありませんし、今、お話が出ていましたように、民間の事業者のほうで倫理綱領をつくったり、資格を独自に認定したりしているところも多いと聞いておりますので、そこがさらに質の向上を図っていけるように支援をしていくという対策を検討しているということはあっていいのではないかと思います。ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
清水委員、お願いいたします。
○清水(利)委員 三鷹市の清水でございます。
3にお書きいただいている内容になるかとは思うのですけれども、ますます女性の就業率が向上していくこととか、あるいは子ども・子育ての新制度を今後ますます推進していくという点から考えますと、全国の必要とする家庭にはサービスが行き渡るようにしていく。とりわけ「小1の壁」という大きな問題がありますので、そういった対策について、今後のあり方というところでお書きいただいているのですけれども、現状・課題というところで御指摘いただけるとありがたいと思いました。
以上でございます。
○柏女委員長 すみません。今の御意見は、2のほうにそれを移すべきということになるのでしょうか。3のところも、最初に現状と課題を挙げ、(基本的な視点・方向性)を提示しているので、今の委員の御意見だと3(1)のところに述べていくほうがいいのかなと思ったのですけれども、お願いいたします。
○清水(利)委員 清水でございます。
移すというよりも、こちらのほうにも重ねてというような形になってしまうかと思いますが、お書きいただけると、課題ということで非常にわかりやすいと思った次第でございます。
以上です。
○柏女委員長 わかりました。そうしますと、7ページのどこかに今の趣旨を入れ込んでいくという形になりますかね。御検討いただければと思います。
それでは、野中委員、お願いします。
○野中委員 野中です。
どちらの項目で発言したらいいかちょっと迷っていたのですけれども、今の流れだとこのほうがいいと思いますので、話します。
3のほう、9ページの1行目の文章は、流れからいきますと、2の7ページ19行目からの、放課後の事業については、さまざまなものがあって、「引き続き検討していくということが求められる」の後に持っていって、情報を提供しコーディネートすることの必要ということに触れて、その続きで、「その際」にはということで、13ページ8行目の「今後、議論が深められることを期待する」の項目、「その際、情報提供をする事業の倫理的なセキュリティーの確保についても検討していく必要がある」という1文を入れればバランスがとれるのではないかと考えていたのです。
もう一つ、9ページ1行目の上の文章なのですが、「子ども自身が放課後の居場所を選べるよう」という文章になっているのですが、これは少し無理があると思います。「子どもと保護者が放課後の居場所を選べるよう」というのが実態に合っているのではないかと思いますので、「子どもと保護者が放課後の居場所を選べるよう、放課後の居場所に関する情報提供をしていくこと、」という文章にすれば、今のところが全部おさまるのではないかと考えました。置き場所の問題なのであまりこだわりませんけれども、発言させていただきました。
○柏女委員長 ありがとうございます。全体をコーディネートする、情報を一元化する等は、放課後児童クラブのみにかかわることではないので、7ページのところに入れたほうがいいのではないかという御意見です。あわせて、その際の情報セキュリティーの問題等々についても配慮していくことが大事なのではないかということでした。事務局のほうで全体の据わりを御検討いただければと思います。そのほうがいいかなという感じはしています。全体を変えるわけではない、趣旨を変えるわけではないので、そのほうがわかりやすいかなとは思いますが、いかがですか。
どうぞお願いいたします。
○田村子育て支援課長 とりあえず、もう一度全体を通して見て、検討をさせていただきたいと思います。
○柏女委員長 全体を通して見ていたただいた上で、ここに置いてあるとおかしいのではないかとか、いろいろとあるかと思いますので、御検討いただければと思います。
金藤委員、お願いします。
○金藤委員 現状と課題という2のところで加筆いただければと思いますのは、放課後対策というのは格差是正のための政策と非常に密接に関連していると思っております。そういう意味で、子どもは、今、育つ家庭の所得の格差による学びや体験の不足とともに、地域の格差が非常に出て、どこに住んでいるかによっても格差が出ている。同じ公立学校に行っていても、豊かな財政のところはNPO等の放課後支援の専門の者が入って多様なプログラムを展開しているのに対して、そうでないところはボランティア頼みであったりして、そういったプログラムがないといった地域間格差も広まっておりますので、そういう状況に対応していく必要があるということを書いていただければと思います。
○柏女委員長 貴重な御意見です。以前もそれは出ていたかと思いますので、すみません。金藤委員、6ページのところの下から2つ目の○なのですが、ここの最後の2行で「現在の子ども・家庭に広がる様々な格差」ということで「経済格差」と「地域格差」を入れ込んでいるのですが、これでもよろしいですか。
○金藤委員 「地域間格差」ですね。地域間の格差というものがこの中に入っていればいいのですけれども、それがわかるようにしていただけると、よりありがたい。
○柏女委員長 「地域格差」というよりも「地域間格差」ですか。
○金藤委員 「地域間格差」です。
○柏女委員長 「地域間格差」というものを少し詳しく説明していくことも大事なのではないかということでよろしいでしょうか。
○金藤委員 そうではないかと思っております。
○柏女委員長 わかりました。御検討ください。
ほかはいかがでしょうか。
それでは、池本委員、お願いします。
○池本委員 「歴史的推移」ということがここのタイトルに入っておりますので、どんなふうに変化しているかという、一体化とかは書かれているのですけれども、大規模化している施設の問題とか、どんどん長時間化して遅くまで子どもがいるようになっているという変化も課題として挙げておいてはどうかということと、「第三者評価」と後のほうにも出てくるのですけれども、その制度が保育所にはきちんとあるのに放課後児童クラブにはないといったあたりも、課題というか、確認してみてはどうかと思いました。
○柏女委員長 それは何ページのところになりますでしょうか。
○池本委員 6~7ページのところでそういったことが言及されていないので。
○柏女委員長 放課後児童クラブの大規模化とかだと、8ページのところに書いていけばいいかなと思ったのです。量の拡充のところあるいは質のところですね。例えば、質であれば、10ページのところに「求められるもの」というところで、ここに大規模化が図られている、進んでいるといったことを課題の一つとして挙げておくということも考えられるかとは思いますが。
○池本委員 そうですね。入れる場所はあれなのですけれども、そういった変化がどこかに課題として。でも、先ほどもありましたように、できれば前のほうで確認しておくと、次に進みやすいかなとも思っているのですけれども。
○柏女委員長 そうすると、たしか放課後児童クラブに一極集中ではないですけれども、そこに施策が集まっているということがどこかに書いてあったと思うのですが、その結果、放課後児童クラブの拡大化というか、大規模化が進んでいるという書き方でいいですかね。どこにありましたか。
○池本委員 見落としているかもしれないのですが、要するに、そういう環境の変化というか、子どもにとっては昔よりもすし詰めになっているし、長時間そこにいなければいけないという状況が起こっているのだということが、どこかにニュアンスとして表現できればと思いました。
○柏女委員長 わかりました。6ページの上から3つ目の○ですが、「現在は、国では放課後児童クラブの充実が図られ、放課後児童クラブに子どもが集中する状況が見られる」と。この結果、放課後児童クラブの大規模化なども進んでいって、子どもの放課後生活がそこに集中してしまっているという書きぶりでもいいのですかね。ここのところにそれを入れていくことは大丈夫。「一方で」ということで、放課後児童クラブだけが、拡大、大規模化して、その一方で公園とか遊び場は縮小してきているということをここに書いていくということでよろしいでしょうか。
○池本委員 はい。
○柏女委員長 ありがとうございます。
もう一点のほうの情報の第三者評価については、先ほど野中委員のほうで2番のところの情報の公開を入れたらどうかということがありましたが、それと同じに考えて、そこに入れるということにするならば、今の第三者評価のことなども入れていくということで考えたいと思います。そうでなければ、放課後児童クラブに固有のものとして考えていくということであれば、3章のほうで入れる。児童館の第三者評価ということもありますので、そういうものもあわせて進めていくということであれば、3番のところだけではなく2番のところに入れることが大事でしょうし、そこは全体の書きぶりを考えて事務局のほうで考えていただくことにしたいと思います。
よろしいでしょうか。
○池本委員 はい。
○柏女委員長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
よければ、また戻ることは可能ですので、第3章のほうに移りたいと思います。ここは全部を入れたいと思います。13ページの「おわりに」までを含めてということで、御意見を頂戴できればと思います。8ページから最後までということですが、何かございましたらお願いしたいと思います。
植木委員、お願いします。
○植木委員 お願いいたします。
3点あります。
まず、9ページ、○の上から2つ目ですけれども、これは放課後児童支援員を支援したり、あるいはスーパーバイザー的な職員の配置を検討するということ、これはこれまで委員会で議論されてきた内容が反映されていると思います。これは支援者支援の取り組みだと思われますので、支援者支援の視点からとか、あるいは支援者支援を実施するとか検討するとか、そういうふうに文言をつけ加えると、よりわかりやすいのではないかと思います。これが1点目です。
2点目でございます。12ページに飛びます。(基本的な視点・方向性)の○の上から2つ目でございます。認定資格研修が、経過措置が2020年度以降ない、終了するということで、これは大変重要な課題であります。そうしますと、放課後児童支援員の新人とか若手に関しては、これはみなし期間はありませんので、放課後児童支援員としては、仕事を始めるタイミングでみなしがないということになりますと、放課後児童支援員そのものの確保にも大変大きな影響が出てくるのではないかということが懸念されます。そういった意味では、質の確保というよりは量的な確保になるのかわかりませんけれども、そういった支援員の確保の方策ということもここにつけ加えることができるのかなというのと、これも委員会では何回か発言してまいりましたけれども、大学等における放課後児童支援員の養成等の検討についても、もし可能ならばどこかで加えていただけると、今後の議論につながるのではないかと思います。
最後でございます。13ページの「おわりに」です。後半のところで、点が5つ並んでおりまして項目が並んでおりますけれども、項目の4つ目の「子どもにやさしいまち」という視点というくだりでございます。これはこのとおりでありまして、大変重要な指摘かと思いますけれども、このままの表記、「子どもにやさしいまち」ですと、子どもの権利を保障するということがちょっとわかりにくいので、例えば「子どもの権利を保障するための子どもにやさしいまち」という視点とか、そういうふうに少し補足していただけると、よりよくこの趣旨が伝わるのではないかという気がいたします。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
1点目、9ページのところですね。支援者支援の視点から放課後児童支援員を支援したりとかという形で書いていったらいいのではないか。
2点目、12ページの○の2つ目ですが、少し詳しく書いて、これは包括的に2020年度以降のあり方について速やかに検討していく必要があるということで、今、植木委員もおっしゃった大学等における養成なども議論が出ておりましたので、それらは詰め切れてはいないので、今後、そこをしっかりと議論していく必要があるという意味で書いたわけですが、もう少し具体的な課題を入れておくということ。経過措置が終了してしまうと支援員の確保が難しくなるのではないかとか、あるいは、そのためには、大学等における養成、学部での養成等も考えられるのではないかとかといったことを挙げておくということですね。
3点目、「子どもにやさしいまち」の表現ぶりを子どもの視点から少し修正をするということです。
ほかはどうでしょうか。
田中委員、お願いします。
○田中委員 聖籠町の田中でございます。
私のほうからは、記載内容についての追記をお願いしたいということで、2点ほど意見としてお話しさせていただければと思います。
10ページ、「(2)質の確保」という部分になるかと思いますけれども、どこの部分というところでは特にございません。実際に運営していくことを目標として、形式的な規制ということから考えると、規制については形式的なものではなくて実質的なものであったり合理的なものであるような方向性を、まず、1点目としてお願いしたいと思います。具体的に言えば、時間帯であったり、曜日であったり、それに応じた適正な職員の配置であったり、あるいは規模とか地域性を考えた安全対策というところを柔軟に対策として織り込めればと考えております。
2点目については、未設置の小学校区への対応については、「量の拡充」の部分での記載もございますが、質的な面で言えば、これについては子ども・子育て支援新制度として全国的な制度を目指すということの観点から、そういった姿勢を掲げていただければと思います。放課後子供教室とか、ファミリー・サポート・センター、地域住民の互助、そういったもので運営をやりくりしている地域、これについても将来を考えてクラブを導入しやすい仕組みづくりであったり環境づくりであったりというところをお願いしたいと思っております。例えば、環境づくり、仕組みづくりの点で言えば、補助金であったり、支援員でいえば、規模の小さいところであれば地域人材の活用であったりということが考えられるかと思いますけれども、ここら辺についてどういう書きぶりがいいのかというのは、明確に言えませんが、そこの2点について追記していただければということでお願いしたいと思います。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。
地方分権の委員会での議論のテーマと少しかぶるところがあるので、どのような書きぶりにするかは事務局に御検討いただくような形でよろしいですか。
○田中委員 結構です。
○柏女委員長 2点の趣旨はわかりましたので、ここに書き込めるかどうかについては、事務局のほうで御判断いただくという形にさせていただきます。
それでは、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 小野です。よろしくお願いいたします。
8ページの「量の拡充」についての部分の基本的な視点、1番目の○の部分なのですけれども、今の御意見にも少しつながるのかなと思うのですが、4行目の「放課後子ども総合プラン」に基づく放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的な実施においてという部分に関して、ここでは、学校施設に加え、児童館や社会教育施設等を活用する等、さまざまな方法により放課後児童クラブの着実な整備を行っていくということで記されてきています。もしかしたら「(2)質の確保」の部分にもつながるかもしれない部分ではあるとは思うのですが、この放課後子供教室と放課後児童クラブとの関係を連携して一体型で実施するという形で「放課後子ども総合プラン」で示されてきてはいますが、3月に行われた全国児童福祉主管課長会議の説明資料の中にも、「放課後子ども総合プランにおける一体型の推進について」という項目の中で、一体型として実施する場合についての文言が記されてきているのです。このあたりを、形の中で一体的な実施を行っていくよという外枠だけではなく、中身として、その一体型として連携していくことはどんな形で進んでいくことが必要なのかということを少し具体的に示していただくとよいかと思って、そこの部分、一体型の部分をどんなふうに説明されたかというところでお伝えしようと思うのですが、「なお、一体型として実施する場合でも、両事業の機能を維持しながら、取り組んでいただく必要があり、特に放課後児童クラブについては、子どもが安心して生活できる場としての機能を十分に担保することが重要であるため、市町村が条例で定める基準を満たすことが必要である」ということがはっきり示されてきています。「また、放課後児童クラブのニーズがあるにも関わらず、子どもが安心して生活できる場としての放課後児童クラブではなく、全ての子どもに一律の居場所を提供する、いわゆる『一体化』の取組は、市町村が条例で定める基準を満たしておらず、本来ならば、放課後児童クラブにおいて対象となる子どもに確保されるべき、日常生活に必要となる基本的な生活習慣を習得し、発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる環境が確保されない恐れもあるため、十分ご留意いただきたい」ということが厚労省からの説明の部分でもありますので、このあたりの視点を今回の中間とりまとめの中でも連携していく上での視点として盛り込んでいただければと思っていますので、もしかしたら質の部分と量の部分の関係があるかもしれませんが、少しこのあたりをお願いしたいと思って発言しました。
お願いいたします。
○柏女委員長 ありがとうございます。
これは従来からの放課後児童クラブについての考え方ですので、どこかに一体型というものが、完全に一緒にしてしまう、いわば全児童対策とは違うのだということを明確にしておくためにも、一体型ということの注書きをどこかに入れておいたらいいということだと思いますので、それはお願いしておきたいと思います。注で書いていけば大丈夫ではないかと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、中川委員、お願いいたします。
○中川委員 11ページの最後の○なのですけれども、平成29年5月の厚生労働省調査によると、放課後児童支援員のうち、常勤職員は27.1%であり、残りは非常勤職員、パート・アルバイト職員等が占めるということで、前回、年収の話が出たときに、恐らくそれは常勤職員の年収をデータとして出されたのではないかということで、むしろ放課後指導員の就労状況を見ると、いわゆる常勤職員ではなくて、非常勤職員あるいは一時的な臨時的な雇用というケースのほうが割合としては高いのではないかと。そこのところをしっかりと把握した上で対策を講じていかないと、放課後児童支援員の確保、定着化になかなか至らないのではないかということを申し上げたところでございます。今回、それを反映した内容をここに記載していただいたのですけれども、もう1行か2行、このことが何を意味していて、専門委員会としてはどういうことが求められるのかと。事実について書いていただいているのですけれども、それに加えて、この事実に対する評価というか、今後の考え方も含めて書いていただけたらと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○柏女委員長 それは12ページになるかと思うのですが、それらを受けて、今までの現状や課題を受けて(基本的な視点・方向性)というところをここに加筆していくという形になりますけれども、中川委員のほうで具体的に何か御意見があれば、今、お聞かせいただければ事務局としても書きやすいのではないかと思うのですが。
○中川委員 結論から言いますと、雇用形態を改善していくということだろうと思うのです。ですから、放課後児童支援員についてはパートであるとか、非常勤職員であるという身分から、できるだけ常勤職員に移行していく。そのことが放課後児童支援員の人材確保と定着化につながる大きな要素になるのではないかと考えておりますので、そこを、国もそうですし、各自治体もしっかりお取り組みいただけたら大変ありがたいと私は考えております。
○柏女委員長 そうしますと、一番上の○は、放課後児童支援員の職務は直接子どもにかかわることのみならず、育成支援の計画や保護者・学校・地域との連絡等があるので、それらを反映して常勤でやれるようにすべきだという意見がここに入っているわけですが、それと同時に、あわせて、雇用形態で、支援員を確保していくためには、こうした非常勤の方、パートの方を、できるだけ雇用形態の改善を図って常勤化していくことを検討することが大事だということをここに入れていく形になりますけれども、そんなことでよろしいでしょうか。
野中委員、何かありますか。
○野中委員 関連して、ほかのこともあるのですが、まとめてもいいですか。
今のことにつきましては、運営指針の中に「第4章 放課後児童クラブの運営」の「1.職員体制」、「(3)子どもとの安定的、継続的な関わりが重要であるため、放課後児童支援員の雇用に当たっては、長期的に安定した形態とすることが求められる」という表現がありまして、これが多分ここで書く、ぎりぎりの表現かなと思います。常勤かパートかということについて、この専門委員会として触れることは難しい問題だと思いますので、実態はここの2行で書かれているわけですけれども、そのことを受けて書き足すとすれば、今読み上げた部分がバランスとしては無難なのかなと思いました。
○柏女委員長 それでは、今の件は運営指針を引いていただくということでお願いしたいと思います。
それでは、次をお願いします。
○野中委員 同じ11ページの上から2つ目と3つ目の〇のことなのですが、上から2つ目のところで、子どもの安全確保に関する取り組みについての調査ということで、結論が「安全確保の取組について課題があると考えられる」とまとめていらっしゃるのですが、調査そのものを見ますと、「調査結果(参考資料1)」の8ページ、最後のページのところなのですが、主に防犯の問題について聞いているのですね。それで、この素案の文章の例示も、防犯上の事例を書いてあって、施錠の問題とか、通報制度とかは2割というのはそういうことなので、この○で、子どもの事故とかいろいろなものも含めた全体の安全上の課題があるとまとめるには少し無理があるかなと思いました。この調査報告を例示に書くのであれば、「防犯面における安全確保の取組について課題があると考えられる」ということにしていただければ、この調査の事実と整合性があるのではないかと思うのが1点です。
それから、次の3点目の○のところなのですが、先ほども第三者評価の話がちょっと出ましたが、これは前回も私が申し上げたことなので内容は繰り返しませんが、この「調査結果」でも第三者評価は6%ですよね。この点については、設備運営基準は、自己評価とその公表ということを示していまして、そのことをどうやって定着させるかということが一番の課題だと言えるのではないかと思います。運営指針のほうなのですが、「放課後児童クラブの運営主体は、その運営内容について自己評価を行い、その結果を公表するように努める。評価を行う際には、子どもや保護者の意見を取り入れて行うことが求められる。」となっていまして、これは設備運営基準の第5条の4の部分の説明なのですね。実態から考えますと、質の確保を図る上では、そういうことをしっかり書き込むことが必要だと思いますので、提案なのですが、「情報公開の推進、自己評価とその公表、第三者評価の実施や子どもの安全確保等」と、今、読み上げた文章を入れていただきたい。前回も申し上げましたように、第三者評価は、児童館等とは違いまして、放課後児童クラブについては、評価基準自体がまだつくられていない段階ですので、それは研究課題として示すということが必要ではないかというのは前回申し上げたとおりです。
以上です。
○柏女委員長 わかりました。具体的な文言も含めて御提案いただいて、ありがとうございます。今の表現ぶりを生かしていただければと思います。ありがとうございました。
それでは、山田委員、お願いします。
○山田委員 福島の山田です。
1つお願いがあります。11ページの一番下の○ですが、非常勤職員とパート・アルバイト職員等と書かれています。昨日も市のほうから調査が来ましたが、非常勤とパートの違いがわからないという現場の中でありますので、どこかにこの非常勤とパートのことについての説明があるとありがたいと思っております。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。
それは、調査するときに定義をしていますよね。お願いいたします。
安部委員の次に、金藤委員、お願いします。
○安部委員 安部です。「量の拡充」について1点質問です。小学校1年生の待機児童の解消に関しては、非常に重要だと思っています。一方で、2年生以上、特に中学年、高学年であっても、夏休み等、長期休暇の際には親も子どもも不安になるというところがありますので、夏休み等の子どもたちの受け入れについて何か言及できないかと思います。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。8ページの4年生以上の高学年、ここのところに、一部、特に長期休暇におけるクラブの必要性といったことを加筆するということですね。大事なことだと思います。
それでは、金藤委員、お願いします。
○金藤委員 ありがとうございます。
3点あります。
1つは、「量的な拡充」のことについて、事例発表もございましたけれども、登録児童のみではなく、預かりの必要性のある子どもをアドホックな形でも預かるということです。それが書かれていないような気がしまして、加筆いただければというのが1点です。
2点目は、研修のあり方というところにつきまして、これほど学校との連携ということを書かれておりますので、教員と放課後支援員との協働のあり方の検討や、また、専門職と非専門職の協働のあり方について、研修していく必要性もあるのではないかと思いました。それが2点目です。
3点目は、13ページの「おわりに」のポツの3番目なのですけれども、「倫理的なセキュリティーの確保」がいま一つわかりにくい表現でもあるように思いまして、その前に「各種ハラスメントに対応するなど」というようなことを加筆されてもいいのではないか。御検討いただければと思いました。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。
3点とも大切なことではないかと思いますので、いずれか御提案の箇所のところに加筆するような形でお願いできればと思いますが、事務局、何かありますか。
○田村子育て支援課長 すみません。最初の部分、冒頭の御意見というのは、一時的な預かりみたいな形のことでしょうか。
○金藤委員 たしか鳥取県の御発表でしたでしょうか。この専門委員会でも御発表されました、登録していない児童でも一時的に1回1時間300円で月8回まで可能としているということは御発表がありまして、そういった必ずしも登録されている児童でなくても必要性がある場合には預かるという仕組みを持っているということが報告されていまして、それをぜひ全国的に広めていただきたいという意見です。
○田村子育て支援課長 放課後児童クラブの制度としては、そういった場合は対象にならないというか、あくまでも登録児童という考え方ですので、それを放課後児童クラブの中で広げていくとなると、方向性としてはちょっと違うのかなという形、また、一時的なものであればほかの分野でお預かりいただくということかなとは思うのですけれども。
○金藤委員 具体的に、ほかの分野というのはどういうところがあるのでしょうか。
○田村子育て支援課長 どう言ったらわかるのでしょうか。例えば、ファミリー・サポート・センター事業ですね。ああいった形で一時的に預かる。
○金藤委員 ファミリー・サポート・センター事業も、登録しないと預かっていただけないのですよね。ですから、そういうものではないものに臨機応変に対応することが既に取り組まれていて、この専門委員会でも御発表いただいたと思うのですね。ですから、それをぜひ生かしていただきたいというのが意見です。
○田村子育て支援課長 恐らくこの間ヒアリングでやったのは、そこの自治体の取り組みの一つのサービスという形でやっているとは思うのですけれども、それを、国として、事業として、放課後児童クラブで、それを拡大というか、そういった事業を始めるというのは、今、この段階でというか、この委員会の中で総意として書き込むというのはちょっと厳しいのかなと思っております。
○柏女委員長 7ページのところですけれども、下から2つ目の○ですが、ここにさまざまな類型のものが挙がっております。この中の一つで、この間のヒアリングのものは、恐らく、県の自主的な、いわば県単の補助とか市単の補助のものだと、余裕があればそういうことがあってもいいわけですけれども、そういうニーズがあると。つまり、アドホックなニーズもあるということを書いておいて、ここでそれらに対応する施策を考えていかなければいけないと最後になっているわけですけれども、そこの中に例示の一つとしてアドホックな対応が求められるということを入れておくことはどうでしょうか。そして、可能であれば、13ページの最後のところに、そうしたものについての安心・安全な子どもの一時預かりの場が必要になってくるのではないか、その検討ということを、最後のところ、中長期的な課題のところに挙げておくということではいかがでしょうか。
金藤委員がよろしければ、少しその辺も含めて御検討いただけますでしょうか。ニーズとして、障害のある子や貧困家庭の子ども、それから、アドホックな対応が必要な子どもは当然あるわけですので、そこは7ページのところにも書き込めるかなと思ったので、そのように提案させていただきます。御検討をよろしくお願いいたします。
それでは、中川委員、お願いします。
○中川委員 今のお話は整理がついたということで、放課後児童クラブの現場からしますと、実際、一時預かりを希望されるケースはあるのです。ただ、クラブの現状といたしましては、登録をしていただくに当たっては、申請書や附属書類を用意していただいて、要件に合致しているかどうかということを判断させていただいて一人一人の児童、御家庭について登録決定をしています。京都などはそうなのですね。そのことが背景にある中で、1日だけであったとしても、それでは、そこの要件を、どのように放課後児童クラブとして、判断、認定するのかという難しさが一つはあるかなと思います。
もう一つは、放課後児童クラブの子どもたちの員数について、一支援単位としての基準が定められている中で、例えば、子どもたちを基準のいっぱいいっぱいのところで実施している放課後児童クラブなどは、1日であれ、1人であれ、2人であれ、急に受け入れるということになると、放課後児童クラブのあり方、基準に対するあり方として、ここもどうなのかなと、難しさがあるかなと思います。
私どもは児童館で放課後児童クラブを実施しておりますので、そういう場合は児童館で対応させていただくということで保護者の方には御理解いただいてはいるのですけれども、ただ、単体の放課後児童クラブとなると、前段に申し上げましたような事情があって、なかなか難しいのかなと思っております。ただ、ニーズがある以上、そのニーズに対して、先ほど委員長がおっしゃったように、検討していく必要はあるだろうとは思います。
○柏女委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○金藤委員 今おっしゃってくださったことの続きで、そういう情報提供も含めて、何が何でも放課後児童クラブにアドホックに受け入れなさいと言っているわけではなく、そういう情報を保護者にもちゃんと伝えて対応する体制づくりが必要ではないかということです。
○柏女委員長 趣旨はとても大切なことだと思います。
清水委員、お願いします。山田委員も手を挙げていらっしゃいましたね。それでは、次に山田委員です。すみません。
○清水(利)委員 三鷹市の清水でございます。
8ページのところから、量の拡充ということで、主にハード面というところに特に視点があるのかなと思いまして、学童保育所をふやせば、それに伴って、結局、今度は人の面の課題ですね。支援員も着実にふやしていかなければいけないということが出てこようかと思います。それについては、地域によっては、さまざまな資格者の活用とか、地域のすぐれた方の活用ということも場合によっては考えなくてはいけないのかなと思いますし、そうはいっても、質も確保しながら量もしっかりと確保していかなければいけないということですので、研修の機会をふやすとか、さまざまな研修の方法の多様化ということもこの中に盛り込んでいくとよろしいのかなと思いました。
11ページ、12ページあたりのところで、支援員のあり方・研修ということが記述されているのですけれども、12ページの○の2つ目、認定の資格研修について、経過措置が終了する2020年度以降のあり方について速やかに検討していくという記述があるのですけれども、現場としては、差し迫ってそれが終了する以前の対策というものも考えていく必要があるのかなと考えた次第です。
以上です。
○柏女委員長 研修について、2つ目のところは認定資格研修に限定して、しかも経過措置が終了する以降のことが緊急の課題だということで書いてあるわけですけれども、緊急の課題の前に全体の資質向上ということがとても大事だということを挙げていただいた上で、これを入れていく。特に放課後児童支援員認定資格研修についてはということで入れていただくということでもよろしいでしょうかね。
○清水(利)委員 はい。
○柏女委員長 ありがとうございます。
それでは、山田委員、お願いいたします。
○山田委員 先ほどの金藤委員のお話に戻ってしまいますが、私も現場にいる立場として、1つの事例としてお話しさせていただきたいのですが、一時的な預かりというものをうちの学童では受け入れております。
ただし、年間登録をしていただいて、お話があったように、年に何回かしか利用されないお子さんもいます。ですけれども、ふらっと来てというわけにはいかなく、やはり来た子どもたちが、自分の居場所が、年に何回であってもそこにあるということで、ロッカーだったりとか、そういうものも準備してあげて、それで子どもたちがそこに来たときに違和感のないような受け入れ体制を取りたいと思っておりますので、登録はしていただく。おうちの方たちはちゃんと納得した上で、維持費なども頂戴することになるのですけれども、自分たちの居場所がそこにあるのだということで、何回かではあるけれども、預けてよかった、あってよかったという話もありますので、一旦は登録していただくのがベストかなと、自分たちのところでは思っております。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございました。
それでは、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 今のお話の補足のような形なのですが、私も現場で支援しておりますので、受け入れの部分に関しては、本当に必要なお子さんの受け入れをどうするかということで、例えば、お母様がふだんは働いていらっしゃらないけれども、病気で1週間ほど入院しますということがわかった時点で、役所のほうに申請していただいて、受け入れをする。1週間という期間ではあるけれども、その子が放課後の時間帯で本当に必要になってくるということがあれば、そういう必要とされるお子さんについては、手続をするということで、それが登録という形になるとは思いますが、受け入れをするシステムは整っているというか、整えられてきている自治体が多いと思っているわけです。放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準のほうにも「労働等」ということで、労働だけに限られていないという状況もありますので、病気療養だったり出産等で産休の時期に1カ月半ほど入会されるお子さんもいらっしゃいますので、そういう形での受け入れは今の段階では実施されているという現状があることをお伝えしておきます。
○柏女委員長 ありがとうございます。
この議論は、今、ここで結論を出すこともできませんので、将来的な課題としてぜひ挙げておかなければいけないだろうと思いますので、それをお願いしたいと思います。
池本委員。
○池本委員 そもそものところの質問で申し上げると、この放課後児童対策というところには、年齢は小学生と限定はしているのでしょうか。まず、そこをはっきりさせたくて、もしそうでなければ、中学校ということまでちょっと視野に入ると、先ほど金藤先生がおっしゃっていたようなお話というのは、親は登録してくれないけれども、自分に居場所がない中学生とか、とにかくどこか家庭にかわる守ってくれるような場所に行きたいと本人が言ったときの行く場所がないのではないかと思いまして、そこも今回の範囲を超えてしまうのかどうかといったあたりも質問したいと思います。
○柏女委員長 具体的には、当初の専門委員会立ち上げのときにお話があって、それは小学生に限定しているわけではないので、中学生、高校生も含めて、18歳未満の子ども全体を含めるということはあったかと思いますけれども、議論の中心としては、小学生、特に小学校で低中学年あたりが主たるターゲットになっていたということはあると思います。今のような場合だと児童館がその役割を果たしているわけで、今、その児童館の議論は別の場で児童館ガイドライン等を検討されていますので、そこには恐らくそうした子どもたちのことはターゲットに入っているのではないかと思います。
植木委員が委員長でしたか。ちょっと御説明いただいてもいいでしょうか。
○植木委員 児童館ガイドラインの改訂作業に関しては、今、委員長が言われるように、別の専門委員会で議論しているところでありまして、まだ議論中でございますけれども、池本委員が御指摘されたような、自らの意思で自分の居場所に行く、たどり着くという事柄についても議論の中には含まれておりました。ですから、そういったことも含めて改訂版の児童館ガイドラインが出されるものと思われます。
以上です。
○柏女委員長 役所的な微妙なすみ分けみたいなものがあったので、中高生のところについては余り議論をこちらではしなかったところがありますけれども、念頭というか、議論のテーマとしては入っているという形になります。その上で何か加筆すべきことがあればおっしゃっていただければと思います。
○池本委員 そういったことであれば、そのことについては児童館のほうで議論しているとか、ここでの検討の中心は小学生のところであるといったことを書いておかないと、何がここで話されるのかというのが、最初にちょっとわかりにくいかなと思いました。
○柏女委員長 そうすると、「はじめに」のところで少し議論を限定するということをしておきましょうか。それがいいかもしれませんね。放課後対策というのは18歳まで考えられるべきだけれども、ここでは、小学生、いわば児童期ですね。そこを中心に議論を行ったという議論の限定は入れておいたほうがいいのかもしれません。ありがとうございました。
それでは、池本委員。
○池本委員 そうであると、親の働き方をもう少し小学生の部分についてはコンパクトにできないかとか、今、親の労働時間がどんどん延びているために延長保育が増えているという現状がありますので、小学生の親の働き方の検討とか、学校の授業時間がどんどん延びていって土曜に入ったりということについても、それはこちらで議論するテーマではないのかもしれないのですけれども、そのあたりも、個人的には、今後の検討というか、何か論点として挙げておいていただきたいということだけ申し上げます。
○柏女委員長 そこを挙げるあるいは限定するということは可能だと思います。つまり、労働政策や教育政策との関係もあるけれどもという形で。
○池本委員 そういったざっくりしたことで構わないのですけれども、ニーズがあるからどんどんやっていくとか、学校教育のあり方は変えずに、こっちが一方的に要望を受け入れるのではなくて、子どもの立場からすれば、もっと働き方とか学校教育のあり方についても議論が必要だといった点をどこかで触れられたらと思います。
○柏女委員長 ありがとうございます。そうした限定をつけた上で、この議論を行ったということは明確にしておかなければいけないだろうと思います。子どもの年齢時期を絞ったこと、あるいは、教育政策とか、労働政策とか、そことの改善も必要だけれどもということで、でも、今回は議論せずに子どもたちの地域での健全育成の問題について議論したと、こういう書きぶりにしておくということですね。それはぜひお願いしておいたほうがいいと思います。
その他、全体にわたることで何かございましたら、お願いできますでしょうか。
植木委員、お願いします。
○植木委員 お願いいたします。
全体にわたりまして、子どもの安全確保、放課後の安全確保に関する内容が、今回、多く盛り込まれて、大変よかったなと思っております。皆さん周知のことかと思いますが、新潟では学童が放課後に重大な犯罪に巻き込まれるという大変大きな事件がございました。それに伴って、当該地域の放課後児童クラブは、学校から児童クラブに子どもたちが帰ってくるまでの間、あるいは、そこで放課後を過ごす、保護者が迎えに来るまでの間の安全確保に関して大変神経をとがらせている。一方では大変不安を抱えながら仕事をしているという現状がございます。そういうことも鑑みて、今回、せっかくこのような報告が出るわけですので、もっとも11ページのところに具体的に安全確保のことについては盛り込まれておりますけれども、この部分に関しては、表記をより重大なものにしていただいて報告書を作成するということでお願いしたいと思います。
以上です。
○柏女委員長 ありがとうございます。本当に痛ましい事件がありましたけれども、それによって子どもたちの囲い込みが一方で進んでしまうということもどうかという思いはありますので、地域の中での子どもたちの安心・安全の確保、スクールガードの問題とか、そうしたこともあわせて充実させていくということもこの中で一言書いておくべきではないかという御意見だったように思います。とても大切なことだと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
私から、1点、事務局に御相談なのですけれども、表題が「中間とりまとめ」ということになるのだろうと思いますけれども、ちょっと味気ないので、表題を見ただけでどういうことを議論しているのかということがわかる表題があるといいかなと思ったのです。例えば、「総合的な放課後対策の推進に向けて」とか、副題として「放課後児童対策に関する専門委員会中間とりまとめ」としていただくようなことはできないだろうかというお願いです。見ただけでどんなことを議論したのかということがわかるようになっているといいかなと思ったものですから、提案させていただきます。御検討をよろしくお願いいたします。
ほか、どうでしょうか。よろしいでしょうか。
田中委員、お願いいたします。
○田中委員 事務局にお願いしたいことなのですが、余裕を持って、会議資料を頂ければありがたいです。よろしくお願い致します。
○柏女委員長 ありがとうございます。これは、委員長からもお詫びを申し上げたいと思います。事前にということは事務局とも話をしていたのですが、事務局のほうでいろいろとあったようでして、遅れましてお詫びを申し上げたいと思います。次回は早めに配付させていただく形にさせていただきたいと思いますし、最後の調整がうまくいっていないというような場合には、未定稿段階だけれどもということで配付をさせていただくようにしたいと思います。申し訳ありませんでした。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 小さなことなのですが、年号の書き方について、時折「2020年度」という形で西暦の部分が8ページや12ページあたりに出てきますので、そのあたりの訂正をお願いしたいということ。
参考資料のほうに、例えば、「放課後児童クラブ」の「設置及び運営(実施)主体」のあたりは、「市町村、社会福祉法人等」ということで「市町村」という書き方をしてあるのですね。ただ、「児童遊園」の項を見ると「市区町村等」となっていますので、基本的に多分放課後児童クラブも市区町村での実施があると思いますので、隣の「放課後子供教室」であったり、「児童館」であったりということで、「市区町村」という記述でしっかり書き込んでいただけるとありがたいと思っています。お願いいたします。
○柏女委員長 ありがとうございます。これからそうした年号表記の関係とか、あるいは表の精査なども必要になるかと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
よろしければ、今日の議論についてはこれまでとさせていただきますが、事務局から、これまでの意見をお聞きいただいて、包括的に何かございましたらお願いしたいと思いますけれども、特によろしいでしょうか。
それでは、この中で出た御意見を尊重していただいて、加筆修正を可能な限りお願いしたいと思います。
それでは、次回の予定について、事務局から御連絡をお願いしたいと思います。
○里平健全育成推進室長 次回の専門委員会では、「中間とりまとめ(案)」を予定しております。ただし、日程、場所につきましては、まだ決定しておりませんので、事務局より後日御連絡をさせていただきたいと思います。御迷惑をかけますが、よろしくお願いいたします。
○柏女委員長 わかりました。
それでは、日程について、わかりましたら早めに皆様に御連絡をお願いできればと思います。
委員の方から、何か「その他」としてございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、今日の委員会をこれで終了とさせていただきます。
各委員におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。また次回もとりまとめに向けての議論をよろしくお願いいたします。
 

 

(了)

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