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2017年11月16日 第64回先進医療技術審査部会

(了)


第64回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成29年11月16日(木)16:00~17:50

(2) 場所:中央合同庁舎4号館共用108会議室(1階)

(3)出席者:
山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、
上村構成員、掛江構成員、真田構成員、柴田構成員、
関原構成員、大門構成員、田代構成員、山本構成員、
磯部技術専門委員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 専門官
保険局医療課 課長補佐
医薬・生活衛生局審査管理課 課長補佐

議 題
1.継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取下げについて
5.その他

議事録
○山口座長 定刻となりましたので第64回先進医療技術審査部会を始めさせていただきたいと思います。御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 本日は手良向構成員、藤原構成員、松山構成員、山中構成員より御欠席の連絡をいただいております。また田島構成員、掛江構成員から少し遅れるという報告をいただいております。現在のところ10名出席をいただいておりますので、現時点で本会議が成立していることを申し添えます。
 配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 配布資料につきまして確認させていただきます。議事次第から座席表、改正要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。
 次に、継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について資料1-1から1-5。試験実施計画の変更について資料2-1から2-5。協力医療機関の追加について資料3-1、3-2。先進医療Bの取下げについて資料4、会議資料の最終ページは63ページとなります。
 本資料につきましては会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となりますことを申し添えさせていただきます。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等ございましたら事務局までお知らせください。
 続きまして利益相反の御確認です。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等につきまして資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業につきまして、事務局から事前確認させていただいております。今回、整理番号80の技術(国立病院機構刀根山病院)につきまして、伊藤構成員より、本研究は国立病院機構の共同研究で、倫理審査を先生が御所属の国立病院機構本部で実施しているため、公平性に疑念を生じさせるのではとの御申告をいただきましたので、当該技術の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたらこの場で御報告をお願いいたします。該当なしということで承知いたしました。
(伊藤構成員退席)
○医政局研究開発振興課専門官 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等につきましてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレット資料、何番の何ページと予め御発言をいただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。議事に入りたいと思います、継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 御説明させていただきます。資料1-1、15ページを御覧ください。再度、御評価をいただく技術は整理番号80番、筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法です。申請医療機関は、国立病院機構刀根山病院です。審査担当構成員は主担当が上村構成員、副担当は掛江構成員、手良向構成員、技術専門委員として磯部委員、以上となっております。
 資料1-5、31ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保健医療機関の要件について事務局より御説明いたします。実施責任医師の要件ですが、診療科は内科・神経内科・小児科・小児神経科のいずれかです。資格は内科認定医・専門医または小児科認定医・専門医です。また、当該診療科の診療経験年数は3年以上が必要です。当該技術の経験年数は要件にございません。また、当該技術の経験症例数も要件にございません。
 次に医療機関の要件です。診療科は内科・神経内科・小児科・小児神経科のいずれかです。実施診療科の医師数は常勤医師2名以上が必要です。他診療科の医師数は要件がございません。
 その他、医療従事者の配置として薬剤師、心エコー技術担当者(医師含む)が必要です。病床数は150床以上、看護配置は10対1看護以上、当直体制は1名以上が必要です。内科または小児科系医師が当直していない場合は、必要に応じて内科または小児科医との応援態勢が取れることとございます。緊急手術の実施体制、院内検査(24時間実施体制)、他の医療機関との連携体制、医療機器の保守管理体制に要件はございません。倫理審査委員会による審査体制は原則2か月に1回以上開催、迅速審査有りとのことです。医療安全管理委員会の設置は必要です。医療機関としての当該技術の実施症例数は要件はございません。
 その他といたしまして、循環器専門医に相談できる体制を有することということが前回から変更になり、追加されております。その他の要件は特にございません。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。31ページの要件につきまして何か御意見はありませんでしょうか。
○一色座長代理 加わった点、循環器専門医に相談できる体制というのはどういうものを指しているのかについては、規定はなくても大丈夫なのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね、より具体的に記載いただくのがよろしいでしょうか。
○一色座長代理 今でも相談はできるのですよね、電話さえすれば相談はできる。体制の在り方はもう少し明確のほうがいいかという気がしました。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。そのように指示をさせていただきたいと思います。
○山口座長 恐らく、循環器専門医の資格を持った誰々先生とコミュニケーションを取ってやりますということを、それぞれに言っていただかなければ駄目だということでしょうか。
○一色座長代理 個人がいいのかどうかちょっと微妙ですが。
○山本構成員 推測ですが、地区としては、この病院で循環器系の問題が起きた場合には、我々の国循か、恐らく阪大にコンサルトがかかるのだろうと思います。ただ、そういう地域連係がきちんとしていることを、表明していただく必要はあるかと思います。
○山口座長 そういう然るべき施設と提携している、ということを一応記載しておいてほしいということですか。
○山本構成員 はい、多分そこは、この件の先生方は言っていただけるのではないかと思います。お聞きしたらどうでしょうか。
○山口座長 そういう施設ということでいいですか。
○一色座長代理 アバウト過ぎる表現が気になったところでしたのでそれで結構です。
○山口座長 誠にごもっともな御指摘かと思います。今の点を追記いただくという条件で、様式第9号についてはお認するということでよろしいでしょうか。
○山口座長 ありがとうございました。次に主担当の上村構成員より、概要の説明と実施体制の評価について御説明をお願いします。
○上村構成員 この案件は、7月の部会で一旦評価をしまして継続審議になっていた案件です。筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法です。心不全を合併し、それに対する標準治療が行われている筋ジストロフィーの患者さん(BNP 100pg/mlまたはNT-proBNP 400pg/ml以上)に対し、トラニラスト300mg/dayを28週間投与する被盲検の単群試験です。前後の心機能、運動機能、QOL、末梢血単核球表面TRPV2発現解析等で有効性・安全性を評価するものです。
 主要評価項目としては、投与開始前から24週までのBNPの変化量(投与開始前の測定平均値と20、24、28週の平均値を比較した変化量)として記載されております。
 副次評価項目としては、心イベント(機能増悪による心不全治療内服薬の変更または経静脈薬の投与、心不全による入院または入院期間の延長)、総死亡それからこれは心エコーでの評価になりますけれども、FS症、hANP、cTnT、それから末梢血単核球表面TRPV2の発現、筋力、これは指のピンチ力で測ったものです。クレアチニンキナーゼ、MDQoL-60、SF-12、有害事象等がされております。
 予定の試験期間としては4年間、予定症例数としては20例が予定されております。
 まず、実施体制についての評価ということで私からコメントさせていただきます。ただ今、冒頭に議論がありましたが、前回、7月13日の評価の際にも指摘がされておりましたとおり、現在、先行研究の例数が少ない段階です。全治療期間が144週の研究を開始するには慎重な判断が必要であると考えます。
 そういったことも踏まえ、責任医師と実施医療機関については本研究の中評価項目がBNPということもありますので、循環器専門との連携を確立し、維持していく必要があるという指摘をさせてもらいました。そのことについては、その後紹介事項等も踏まえ、研究者のほうから合意をいただいています。ただ今、議論になりましたように、体制についてもきちんと地域の中での連携等を進めていくことが重要になってくることを今、確認させていただいたとおりです。
 それから、前回御指摘があったわけですが、非常に多くの探索的な評価項目が挙げられておりますので、その辺の質の問題が挙がってくるかと思います。質を確保するというところの努力が必要であるということは変わらない。例えば標準的な測定をお願いするということで、標準化についてはSOP、若しくはマニュアル等で対応していただくことが必要になってくると考えています。
 7月13日の評価では、「まずは対象となる患者でBNPが本当に下がるのかを、もっと効率よく、かつ患者のリスクを最小化した形で見極めることが重要であろう」という指摘をさせていただきました。その時、私は欠席させていただいていたのですが、書面のコメントの中で中間解析等を実施して、試験の継続の妥当性を判断するということも考慮したらどうかということを述べたわけです。その後、紹介事項等の中でのやり取りもあり、ベースラインの変化、ここがプライマリーエンドポイントなわけですが、中間解析ということではなく、最初の評価の部分をあくまで「主たる解析」として行って、その後の追加のデータに関しては追って追加の解析を行い、早い段階での安全性及び有効性の評価をした上で次のステップに行けるかどうかのGO/NO GOの決定を行う計画の提案がありました。現在そのような形になっています。有効性のみならず、安全性の確保という観点からも適切な判断と考えております。
 紹介事項の回答の中では、BNPなのかproBNPなのかという話もありました。これに関してはBNPの自然変動も踏まえ、BNPに主要評価項目を絞り込む形で、かつ、これは非常に変動の大きい評価項目ですので、24週時データを1ポイントで評価するのではなく3ポイント、具体的には20週、24週、28週のデータの平均値とするという御提案がありました。それに関しても適切と考えております。専門委員の磯部先生、また倫理の観点から掛江先生、また実施計画書の評価という点で手良向先生からも御指摘もあると思います。最後にまた、総評というところでコメントを述べさせていただこうと思います。
○山口座長 ありがとうございました。続いて、本日おいでいただいています技術専門委員の磯部先生から実施体制の評価について御説明をお願いいたします。
○磯部技術専門委員 磯部でございます。今、上村先生から御説明いただいたことでほぼ尽きているかと思うのですが、前回の申請で私が一番懸念いたしましたところは、主たる評価がBNP、inclusion criteriaもBNPになっておりますし、効果の判定についてもBNPが主要評価項目になっているということです。BNPというのは非常に変動が大きい臨床検査でございます。そういったことから、より慎重に評価をすべきであるという懸念を申し上げたところです。
 まず、選択基準の中でNT-proBNP又はBNP、両者いずれでもいいようなプロトコールになっておりました。それについてはどちらが正確ということはないのですが、時に、実際臨床上は2つの指標が乖離を示すことがございます。そのため、BNPに統一されたということは、inclusion criteriaとしては一歩前進したと思います。
 変動するということにつきましては、今御紹介がありましたように3回分、20、24、28週のデータの平均値を用いることで、当初の申請よりは信頼性が向上しているということが言えると思います。先行データが2例と少なく、かつそのデータが必ずしも有効性を示しているかどうかについては若干疑問があるという点は前回申し上げたとおりです。ということで、今回、中間解析を入れるという御判断をされたということにつきましては適切であると思います。かなり長期間の中間ということになって、その辺の評価が難しい点はあろうかと思いますけれども、当初の申請に比べてより適切かつ妥当な修正をいただき、私の拝見したところではこれで先進医療としての要件を備えたのではないかと考えます。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。続いて副担当の掛江構成員より、倫理的観点からの評価について御説明をお願いします。
○掛江構成員 掛江です、よろしくお願いします。前回のプロトコール習性を踏まえ、説明文書等が適切に修正されているかどうかの点を、特に確認させていただきました。
 具体的なコメントといたしましては27ページにお示しいただいているのですが、今回中間解析というか、24週時の主解析をしていただいてリスクの軽減化を図っていただくという形に前回プロトコールが修正されたわけです。その点につきまして、説明文書だけ拝読すると、最初にエントリーされた方から最後にエントリーされる方まで最大12か月あるわけです。最後の方の解析データがそろうまでとなると、結局最初の方が短期投与試験が終わられて、確か長期投与試験の48週目まで終わったぐらいになるというところでした。その辺、私が素人だったものですから、そういう継続なのか若しくは28週、24週時点、28週の短期投与が終わった時点で皆さんが次の長期投与へGOなのかどうかの判断を見て、それからまた長期投与試験に新たに入られるのか、どちらか若干分からないような理解をいたしました。その点、まず申請者のほうに確認をさせていただき、そのままトータル144週の長期試験ということですので、間に休薬期間なしでそのまま行くということを申請者から確認させていただいた上で、その辺について適切に説明文書に追記していただいたことを確認させていただきましたので、今回は「適」とさせていただきました。
 そのほか、プロトコールの変更とは関係ない、軽微な点で幾つか気になる点もありましたので合わせて指摘させていただきました。その点につきましても適切に修正していただきましたので、倫理的な観点としては「適」とさせていただきました。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。続いて本日御欠席、副担当の手良向構成員の治験実施計画書等の御評価について事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 評価表19ページを御覧ください。手良向先生のご評価ですが、これらの表中にございます全ての項目について「適」といただいております。
 コメントですが、「試験実施計画書「11.4 解析時期」の変更により、24週時のデータで(中間解析ではなく)主たる解析を行い、GO/NO GOの決定を行うというという計画がより明確になったと思います。」ということでございます。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。それでは、主担当の上村構成員より、事前のまとめと総合評価について説明をお願いします。
○上村構成員 以上のように、それぞれの先生方からコメントをいただきました。研究者のほうからも適切にコメントに対する対応をされたと理解しております。実施体制につきましても、ただ今議論がありましたように循環器専門と連携をしながら、しっかりとした体制を築いていただくということで何とか対応できるのではないかと思っています。
 手良向先生からの御指摘というのは、かなりメジャーなポイントだったと思います。特に、24週のデータを主たる解析として扱うということですので、ここでまた、ある程度大きな決断が必要になってくると考えています。これに対しても適切な対応だと考えております。
 ただ、掛江先生からも御指摘がありましたように、24週目の解析が行われた段階では何人かの患者さんはもう既に長期投与に入っているということが予想されます。このことは、こういった試験においては、ある程度致し方がないことだと思います。逆に、そういった長期投与が始まっている段階においても、安全に対する適切なモニタリング等を実施していただいて、必要に応じて中止をする若しくは継続をするというディシジョンをしっかりと付けてほしいと考えております。
 ということで、全体の症例としては20例なのですが、これに関しても実施可能性も含めきちんとしたものがあるだろう。統計的にも十分な件数力を持って臨む試験になるようです。よって、総合評価に関しては「適」とさせていただきました。
○山口座長 ありがとうございました、それでは御討議をお願いします。前回の審査の時にかなり議論され、いろいろな問題点が明確になって、それに対してかなり大胆に改変していただいたかと思います。ある意味で審査のしがいがあったというか、良い形に収まったように思います。何か、御意見はございませんか。よろしいでしょうか。
○上村委員 1点、細かい点なのですが非常にエンドポイントが多いので、データをまとめるところで結構苦労されると思います。
 BNPを測られるということなのですが、BNP測定の標準化というのは非常に難しく、その辺も含めて中央測定、手順も含めて各施設間できちんと統一して行わないと、折角やる試験ですので、重要なデータがノイズの塊になってしまうことを避ける必要があります。その辺をしっかりやっていただきたいと思います。
○山口座長 ありがとうございました、測定キットで違うとか測定の会社によって違うということでしょうか。
○上村構成員 そういうことです。
○山口座長 今のご発言は例えば検査会社を統一するとか、あるいは明確にして幾つかのグループにするとかしないと難しいということでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 それでは、条件として付けさせていただきたいと思います。
○上村構成員 多分、プロトコールの外でもいいので、そういった標準化の手順点を作っていただければ多分対応できると思います。
 変な話ですが、いわゆる臨床検査で測っているものは、ある日、突然検査会社が「やめた」と言っても文句は言えないのです。汗をかいちゃったということが起こると、折角やっていてもベースラインと同じ測定方法ができないということがありますので、エンドポイントとして測定するBNPと一般の臨床で使うBNPの精度、若しくは管理体制というのはちょっと違うように、考えていただいておいたほうがよろしいかと思います。
○山口座長 ありがとうございました。確かに、BNPの値で決めるわけですから一番肝心なものをぐらつかせるのはまずいわけで、精度管理はきちんとしてほしいということを付記してよろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。
○山口座長 石川先生、どうぞ。
○石川構成員 確認なのですが、筋ジストロフィーと名称がありますが、全てのという感じになるのでしょうか、デュシェンヌだけでなく対象になる患者さんは全ての筋ジストロフィーという形になるのでしょうか。そうすると、結構症例が多い。この病院だけでなく、考えますともっとあるのではないかと思います。それがお聞きしたいことの1点です。
 実はこれ、13歳とかいうように区切っているのですが、例えばデュシェンヌなど見ていると弁離の拡大で僧帽弁逆流が起こるというのはもうちょっと早くから起こる可能性もあるのではないかと思います。なぜ13歳で区切ったのか、ちょっと意味がよく分からない。ただ、こういうトライは必要だなと思ったので余り言いませんでした。
 私が子ども病院にいる時はやはりこういう患者さんで、エンドステージで運ばれてくる患者さんがいるのですが、ずっと前から兆候があって、何か手立てはないか、何もなくて悩んだことがございます。その場合、もちろんBNPという数値ではなく、もっとエコーで様々な指標を使って判断をしました。これはもう一色先生のほうが御専門だと思います。もう少し評価指標を多くして、データとして採っていただいたほうがよろしいかと思っています。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
○関原構成員 私自身のケースなのですが、偶々私の今日のBNPは血液検査で78、主治医は「大分下がったですね、先月が158、先々月は123、その前は148とえらく高かったですから」との説明を受けてきたばかり、結構動く数値ですね。だからほかの疾患であっても結構数値が変わると思われ、筋ジストロフィー以外に合併症というか、いろいろな病気があれば結構動くような気がします。今回の臨床試験でこのBNPだけを評価項目というのはいいのかという素朴な疑問があったものですから質問しました。
○山口座長 磯部先生や一色先生、何かございますか。
○磯部技術専門委員 私、同じことを前回御指摘申し上げました。よりBNP測定の精度を上げるということで幾つかの改善点が見られたということです。
 測定キットによる違いという御指摘もありましたが、それもそのとおりです。BNPという測定値そのものが、同じ日に2回測っても大分変わってきたり、今、御指摘があったように変動値がありますので、評価項目の中にFS(フラクショナル・ショートニング)というエコーの指標が入っています。それを重視してください、ということを前回申し上げたと思います。
 ただ、エコーの指標というのはこういった疾患、進行性の疾患の場合、メキメキ良くなってくるという指標でもございません。むしろ、BNPのほうがある意味鋭敏で、変化を捉えやすいという側面もございます。むしろ変動値を考慮に入れても、鋭敏であるBNPを指標とすることは妥当ではないかというように思います。
○山口座長 ありがとうございました。一色先生、追加はありますか。
○一色座長代理 前回、BNPについてはさんざん議論したので、ここでもう一回やらなくてもよろしいかと思います。
○山本構成員 プロトコールを確認したら、13歳以上としている理由は成人の保険適用量を用いるということで、多分、ある程度体重ある方ということで決めているみたいです。BNPを中央測定というのはちょっと書いていないのですが、一応、幾つかのものは中央測定で資料を集めてされるみたいですので、BNP全部を中央測定である資金があるかどうかちょっと問題があるかもしれませんが、可能であればそういうこともできそうな体制は組んでおられるようです。上村先生がおっしゃったように、プロトコールの外で中央測定というか、セントラルに資料を集めるところのSOPについてはきちんとしていただいたほうがいいのではないかと思います。
○山口座長 ありがとうございました。ワンポイントではもちろん駄目なので、その辺、複数回に渡ってというところが改善されたということで良いのではないかと思います。エコーも決してやらないわけではなくてやるということです、よろしいですか。
ほかにございませんか。それでは、整理番号80については「適」という御判断そのままにしたいと思います。
 伊藤構成員にお戻りいただくことにいたします。伊藤先生、どうもありがとうございました。
(伊藤構成員着席)
○山口座長 続いて先進医療B、試験実施計画の変更について事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局です。先進医療Bの試験実施計画の変更について、今回5件の申請がありました。資料2-1の33ページを御覧ください。こちらは慶應義塾大学病院からの申請で、告示番号24、腹腔鏡下センチネルリンパ節生検です。本試験は、早期胃癌に対する安全な個別化手術術式の確立を目指して、センチネルリンパ節をリンパ節転移の指標とした胃切除およびリンパ節郭清を行い、従来術式に対するその根治性・安全性の検証を目的とするものです。予定症例数は225例。今回の申請時点で登録は46例となっております。御審議を頂く変更内容は、(1)登録期間を4年から6年に延長。(2)選択基準の生検組織の組織型分類が悪性上皮性腫瘍の一般型であるものに変更。(3)除外基準から、喘息既往歴を削除、薬剤アレルギーにおいては当該試験で用いる薬剤に対するアレルギーに限定。(4)ICG・インジコカルミンの投与方法:手術前日も可とした。(5)重篤な有害事象及び不具合の報告について記載を明確化。その他、記載整備等です。
 本変更の経緯です。(1)症例の集積が当初の予定より大幅に遅れているものの、1.各施設の関連病院に適用症例リクルートへの協力を依頼、2.内科と協議し適用症例集積のための協力体制を構築するなどによりまして、今後、更に症例集積が加速する見込みということで、あと2年間の延長を希望しております。
 (2)胃がん取扱規約における定義を引用して正確な表現に変更したということです。(3)喘息の既往歴は、各種トレーサーの使用において禁忌となってはいないので、除外基準から外しました。(4)トレーサー色素について、前回試験と同様に、前日投与も可能とするように変更ということです。(5)は、重篤な有害事象及び不具合な報告について、先進医療の通知の報告対象と矛盾のない範囲で、記載を明確化するということです。その他は記載整備です。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。今の5つの変更点につきまして、何か御質問はございますか。集まらないので期間延長の件ですが、225例の予定でまだ46例で、拝見しますと、参加施設の中には、まだゼロの所が1施設あったり、1件しか登録できていない所が1つ、2例が1つとか、ほとんど登録できていない施設があるので、この施設で幾ら激励してもなかなか今後うまくいかないのではないかという気がちょっとします。連絡を密にするというよりも、やはり然るべき施設に呼び掛けて拡大しないと220は無理なのではないかと思います。その辺りも是非、更に御検討を頂きたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。
○山口座長 ほかに何かございますか。ほかの案件については、(2)以下についてはもっともかと思うのですが、何か御意見ございませんか。よろしいでしょうか。では、告示番号24の変更については認めることといたします。ありがとうございました。
 続いて、試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-2の37ページを御覧ください。北海道大学病院からの申請で、告示番号37番、C11標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による再発の診断です。対象疾患は、頭頸部腫瘍又は上咽頭、頭蓋骨その他脳に近接する臓器に発生する腫瘍です。本試験は、炭素11標識メチオニンを用いたPET検査が、先行する医薬品であるフッ素18標識FDGを用いたPETと比較し有用性が高いことの検証を目的とするものです。予定症例数は99例、ただし、病理陽性症例数が33例に到達したら終了ということです。今回の申請時点で登録は39例です。うち、病理中央判定により陽性と判定されている症例が既に26症例あるということです。
 御審議いただく主な変更内容です。症例登録期間を7か月、試験実施期間を6か月の延長です。その他、協力医療機関の追加及び記載整備です。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。本変更内容について何か御意見ございませんでしょうか。症例登録期間を延長ということです。それに従って試験実施期間を6か月延長すること。
○山本構成員 よろしいですか、申請者がそれを望んでいるので別に構わないのですが、予定症例数のところで、全体99例なのですが、うち病理検査陽性症例33例を割と厳密に、どの施設に何例何例と振り分けているのですが、こういうことをわざわざ書く必要はないのではないかと。むしろこれを書かれると、症例が前後すると、また変更届を出していただかないといけなくなるので、何でしたら、この機会にこの記載を外して、何か特段の理由がないのであれば、ここまで書いていただく必要はないのではないかと思いました。
○山口座長 迅速にやるためにも、ごもっともな意見かと思うのですが、いかがでしょうか。
○柴田構成員 私も同じ意見です。研究を計画する段階で見込みとしてこのように病院ごとに割り振りを書くことはあると思うのですが、これが達成目標であるとか、オブリゲーションになるとまた変な話になると思いますので、私は山本先生のコメントに賛成です。
○山口座長 それでは、そのことを付記して、そういう縛りをやめたほうがよろしいのではないでしょうかということでいかがでしょうか。かなり進捗はしているようですので、さらに確実にいくようにということでポジティブなアドバイスだと思います。よろしいでしょうか。それでは、告示番号37の変更につきまして、今のようなアドバイスというか、そこも今回変えたらいかがでしょうかということを付記してお認めすることにいたします。
 続いて、試験実施計画の変更について事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 それでは資料2-3の39ページを御覧ください。大阪大学医学部附属病院からの申請で、告示番号45番、コラーゲン半月板充填剤を用いた半月板修復療法です。本試験は、欠損のある半月板損傷患者を対象に、コラーゲン半月板補填剤を用いた治療法の安全性、有効性の検証を目的とするものです。真田構成員におかれましては、ご自身のご所属の医療機関からの申請ですので、本技術の審議に際し御退席いただきます。誠に恐縮ながら、ご協力の程宜しくお願い致します。
(真田構成員退席)
○医政局研究開発振興課専門官 本試験の予定症例数は35例です。今回の申請時点で登録は5例となっております。御審議いただく変更内容は、予定試験期間の平成32年12月31日まで、およそ2年6か月の延長です。関連病院への呼び掛け等を強化することで、被験者候補の集積を加速させ、今後は月に1、2例の実施を見込んでいるということです。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。本変更内容について何か御意見ありませんでしょうか。これもなかなか厳しい、今までのペースでいくとかなり厳しいですね。2年の延長では到底難しそうに見えますが。なかなかこれは珍しいのでしょうか、あるような気もするのですが。延長ということに関しては問題ないと思うのですが、何かアドバイスありますか、山本先生。
○山本構成員 一応、恐らくこの単施設でやっておられるので、周辺病院からの紹介患者さんを増やしていただくのが一番効果的なのだろうとは思います。一応、その方向で考えていらっしゃるみたいですから、これで駄目ならまた次もう一回、何か新たな手立てを考えていただきたいと思います。
○山口座長 ありがとうございます。ほかにございませんか、何か。よろしいでしょうか。それでは、告示番号45の変更についてもお認めすることといたします。
 続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いします。それでは、真田構成員にお戻りいただきたいと思います。
(真田構成員着席)
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-4の41ページを御覧ください。北海道大学病院からの申請で、告示番号56、11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による診断です。こちらの対象疾患は、初発の神経膠腫です。本試験は、炭素11評識メチオニンによるPET診断が、造影MRIへの上乗せ検査として、臨床的有用性を示すことの検証を目的とするものです。予定症例数は46例です。今回の申請時点で登録は39例です。御審議いただく主な変更内容は、(1)症例登録期間、試験実施期間を6か月延長すること、(2)、PET検査実施症例数の明確化です。こちらは、主要評価に必要な症例数としての「46症例」が試験開始時に定められておりまして、これまでの39症例の結果に基づいて、本先進医療にてPET検査を実施する症例数として「90症例」を明示しました。その他は、協力医療機関の追加及び記載整備等です。
 この(2)についてですが、本試験における主要評価に最低限必要な症例数は、試験開始時に高悪性度神経膠腫19例、低悪性度神経膠腫19例、計38例と定められております。ただ、神経膠腫か否か及び神経膠腫の悪性度判定は、実施医療機関での病理組織学的診断によるために、PET検査実施後に判明することになります。そこで、それらを確実に収集するために必要と考えられるPET検査実施症例数については、試験開始後に検出率を踏まえて決定することと記載されておりました。そして今回、結果の得られた34症例の中で、高悪性度症例は17/34(50%)、低悪性度症例は8/34(23.5%)ということで、これらを踏まえて、PET検査を実施する症例数を90症例としましたということです。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。本変更内容につきまして、何か御質問。
○柴田構成員 変更自体は問題ないと思うのですが、手続的なことで将来問題が起こる可能性があるので指摘しておきます。43ページを御覧ください。今回、高悪性度症例を既に17例集積しておられて残り2例。低悪性度症例を既に8例集積しておられて、残り11例を集積するために51例の追加をされるということになっているのですが、51例の登録によって、大体4分の1ぐらいが低悪性度症例ということなので、11、12例低悪性度症例でほぼ目標どおり集積しますが、それを待つ間に、高悪性度症例の方はその2倍強登録されますので、多分、この間25、6例高悪性度症例が蓄積することになります。ですので、目標は19例なのですが、かなりオーバーシュートしてしまうことになります。これは問題ないと考えているのですが、そこのところはきちんと事前に整理しておかないと、結果として19例のはずが30例以上登録されたではないかということになって、今度は申請医療機関の方々がペナルティを受けるようなことになるとちょっと忍びないです。これはやむを得ないことなので、それは許容できるオーバーシュートであると判断しているのですが、そのような判断でよろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね、今の先生の御発言で、本技術審査部会でそのように整理されたということでよろしいのではないかと思います。
○山口座長 それはやむを得ないことだと思います。いかがでしょうか。ではそのようなことで、一応記載したいと思います。向こうにも伝えてください。よろしいでしょうか。ほかにございませんか。これは進捗もかなりしていますので、僅かな延長ですが。それとあと、協力機関の追加も問題ありませんね。それでは特に御意見がないようでしたら、告示番号56の変更につきましては、これを認めることにいたします。
 続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-5の45ページを御覧ください。こちらは筑波大学附属病院からの申請で、告示番号76、陽子線治療です。対象疾患は前立腺がんです。本試験は、局所限局前立腺がん中リスク症例を対象に陽子線治療の臨床的有用性を検証することを目的とするものです。予定症例数は200例です。今回の申請時点で登録はまだございません。本変更については、先月の先進医療技術審査部会で御審議いただきました。その際に、こちらにあります主な変更内容(2)の3)胸腹部CTを腹部・骨盤CTに変更という点について、胸部CTを撮影しなくてもよいとする理由をより詳細に御説明いただかないと、このままではお認めできないという御意見を頂きました。そこで、部会終了後に、申請医療機関に照会事項を出したところ、52、53ページにありますように回答がありました。米国で行われている低から中悪性度の前立腺がんの患者を対象とする臨床試験でも、胸部CTは撮影していないという御説明などを頂きました。この御質問をくださいました藤原構成員からは、この内容であればこのままお認めしてもいいとの御返事を頂いております。以上です。
○山口座長 本変更内容について、何か御意見ありませんでしょうか。藤原先生から御指摘があって、きちんと答えていただいて、米国の臨床試験でもこういう場合は骨までCTは撮っていないということでよろしいのではないのでしょうかということですが、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号76の変更についてはお認めするということといたします。
 続きまして、協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-1の55ページを御覧ください。大臣告示されておりますこれら4つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-2の57~61ページを御覧ください。事務局において、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認しました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。
○山口座長 では次に、先進医療Bの取下げについて事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4の63ページを御覧ください。告示番号53の技術について、先進医療Bの取下げ申請がありました。取下げ理由は、予定症例数を全て満了し、10月31日をもって試験期間が終了したためです。また、企業治験の治験計画が届出され、現在は総括報告書作成に向けて準備をしているということです。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。
○山口座長 よろしいでしょうか。本日の議題は以上です。構成員の皆様、何か御意見、御質問ございませんか。ないようでしたら、次回の日程について事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回12月の開催につきましては、12月14日木曜日16時から18時までの予定とさせていただきます。場所については別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いします。
○山口座長 ありがとうございました。今日は早く終わりましたが、持ち越しのがまた幾つかこの次にはあると思いますので、この次はきっちり2時間かかると思ってお出でいただきたいと思います。それでは、第64回先進医療技術審査部会を終了いたします。ありがとうございました。

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