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2017年10月18日 平成29年度第10回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

平成29年10月18日
15:00~17:02


○場所

中央合同庁舎第5号館 講堂(低層棟2階)


○出席者

【委員】

武藤分科会長、池田委員、池端委員、石川委員
岡村委員、尾形委員、神野委員、菅原委員
筒井委員、林田委員、藤森委員、本多委員
牧野委員

【事務局】

医療課長、企画官他

○議題

1.短期滞在手術等基本料について
2.救急医療管理加算について
3.慢性期の病棟におけるデータ提出項目について
4.入院時の食事療養に係る給付に関する調査結果(速報)の概要について
5.その他

○議事

○武藤分科会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成29年度第10回「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を開催したいと思います。

 委員の出欠状況ですけれども、本日は武井委員、田宮委員が欠席となっております。

 尾形委員はおくれての参加とお聞きしております。

 次に、事務局から本日の資料の確認をお願いしたいと思います。

○事務局

 事務局でございます。

 先ほどタブレットでも御説明しました。タブレットの上にタブがございます。左から順番に座席表、議事次第、委員名簿、本日の資料として入-1、入-2、入-2-参考を御用意しております。よろしくお願いいたします。

○武藤分科会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。

 本日の議題は「1.短期滞在手術等基本料について」「2.救急医療管理加算について」「3.慢性期の病棟におけるデータ提出項目について」につきまして、事務局から一括説明をしていただきたいと思います。説明の後にそれぞれの議題について議論を進めていきたいと思います。

 ではお願いします。

○事務局

 それでは、入-1で御説明させていただきます。

 まず2ページ目をごらんください。本日この3つのテーマを資料として用意しております。

 3ページ、まず短期滞在手術等基本料でございます。平成26年度改定で短期滞在手術等基本料につきまして、基本料3という区分をつくりまして21種類の手術、検査を包括する点数ということで設定をしております。基本的にこちらの点数は、全ての手技料や基本料を全部包括するという点数になっておりまして、4ページ目をごらんいただくと、入院の5日目までの分で左上の囲みにありますように入院から手術、検査ないしは退院しない場合もございますが、そのどちらも5日以内に手術や検査が行われた場合は、こちらの短期滞在手術等基本料を算定することになっておりまして、5日を超えた場合は出来高ないしはDPCの点数をとるというルールの点数になっております。

 5ページ、この短期滞在手術等基本料につきまして前回、平成28年度の改定では、シャント拡張術等々の手術を新たに加えたほか、水晶体再建術、ヘルニア術等について、水晶体再建術は片側・両側の別を設けたことと、ヘルニア手術については年齢別を設けたということをしております。

 6ページ目、7ページ目は前回もお出ししておりますが、黄色い網かけの部分が改定で別を設けたものになっておりまして、それぞれの算定状況がこちらの資料のようになっております。

 8ページ目、平成26年改定のときに、短期滞在手術等基本料3に追加をするといったときの要件をこちらに示しておりますが、9ページ目、平成28年度改定でも要件を示して、この追加をしておりまして、9ページ目の下の部分にありますように、対象は手術や1,000点以上の検査で、抽出方法としましては在院日数の平均+1SDが5日以内、一定の症例数が存在、入院5日以内の包括範囲出来高実績点数のばらつきが小さいものということで分析をして、10ページ以降のものをこのデータを踏まえまして追加をしたという手続になっております。

 13ページ、今回、同様に手術と1,000点以上の検査等についてDPCデータを用いて分析をいたしました。今回、抽出方法としまして前回に加えて症例数が多いとしていたところは100件以上という基準で対象を選ばせていただきました。

 14ページ目以降がデータでございます。まず14ページはD419の5の副腎静脈サンプリングという手技料になっておりまして、在院日数の分布については平均値が3.3日、標準偏差1.4で、包括範囲出来高点数の実績の分布につきましては、平均値が2万1,955点で、2575パーセンタイルの幅が5,323点ということで、このグラフにあるような形になってございます。

 以降、15ページ目は同様のデータが子宮鏡下子宮内膜焼灼術、16ページ目は子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、17ページ目が子宮内膜ポリープ切除術となっておます。

 18ページをごらんください。短期滞在手術等基本料につきましては、対象になった場合にはDPC病院であっても短期滞在手術等基本料を算定することになっているのですが、現在、DPC/PDPSの点数設定方法につきましては、18ページ目の右下に囲んでおりますが、区分のD、高額薬剤に係るものが多いのですが、こちらの区分は入院期間(I)を1日で固定して点数を設定しているということで、点数の設定方法が5日分のものを1回の点数でまとめてお支払いするという形から見れば、短期滞在手術等基本料の点数設定と類似をしているという状況になっておりまして、以上のことをまとめまして19ページ目が課題といいますか整理ですけれども、矢印の下をごらんいただいて1つ目の○として、短期滞在手術等基本料3につきまして、今、対象になっていない手術等のうち在院日数が短く、算定点数のばらつきが少ない項目が存在するので、これをどうするかということと、2つ目としては短期滞在手術料等基本料について、関連するほかの報酬項目と整理が必要ではないかという2つの論点を挙げさせていただいております。

 続きまして20ページ目以降、救急医療管理加算でございます。

 21ページ目をごらんください。救急医療管理加算については、平成26年度の診療報酬改定で、それまでは1日800点という1つの区分の点数になっておりまして、対象患者がこちらにあるような図でしたが、平成26年度改定で加算1と加算2と分けまして、加算2は加算1の対象患者についての準ずる状態ということで分けているということです。

 22ページ目ですが、平成28年度改定でもさらにこの加算1、2につきまして400点と800点だったところを300点と900点に少し差を大きくして、対象患者のケのところ、緊急手術のほかにこちらにあるようなものを追加したという改定を行っております。

 23ページ目につきまして、算定回数の推移を見ますと26年度に加算1と2に分けまして、以降、28年までの3区分で全体の回数としては26年度改定のときに少し減ったのですけれども、横ばいから少しふえているということですが、内訳を見ますと加算2の部分がふえているような構成になっている。

 24ページ目をごらんいただくと、救急医療管理加算1の算定患者について、対象のア~ケの要件、それぞれどれに該当しているかという割合を172万件のデータで見ておりますけれども、一番多いものとしてはウの呼吸不全または心不全で重篤な状態が29.1%になっております。その次に多いものとしてはケの緊急手術等ということです。アとイの状態も、それ以外に比べれば多いということになっております。

 25ページ目ですけれども、今度は医療機関ごとに救急医療管理加算を算定している患者のうち、加算2が占める割合というものを分布で見ております。1,600病院のデータで右欄で割合の分布ということで見ていますが、縦軸が病院数の全体の中の割合ということで見ますと、20%以上30%未満より少ないところの部分が多いですけれども、すごく多い割合というところも一部あるということで、分布全体としては幅の広いような形になっているということです。

 26ページ目、救急車で来院して入院した患者のうちの救急医療入院患者、救急医療入院患者の定義は資料の下の部分で※で説明していますが、救急医療入院で、かつ、救急医療管理加算や救急医療管理加算を包括する包括の入院料をとっているものということを入院初日から算定している患者ということで見ますと、これは箱ひげ図になっていますが、全体で中央値としては70%ぐらいのところにありまして、大体6~8割ぐらいが救急車で来院されて、救急医療の入院になった方ということですが、ひげの部分が全体にありますので、全体としての分布で見ると幅が広くなっている。

 27ページ目は、今の救急車の入院で来た方で救急医療管理加算を算定している方の分布ということで、先ほどのデータの県別を見ておりますが、割合で見ますと3倍ぐらいの差があるということでございます。こちら割合だけでしたので、参考までに28ページ目については、これは人口割にあえてしておりませんけれども、県別の救急車の入院患者の実数を出していますので、この実数に割合を掛けると実際に救急車で来て入院した方で救急医療管理加算をとった方の数となります。参考までに28ページ目は実数ということです。

 29ページ目はDPC分科会で一度提出している資料ということで、こちらの分科会では初めて提出させていただくものですが、DPCの医療機関別係数の中には救急医療係数という係数がございまして、その定義が救急医療管理加算の算定をしている救急の入院患者となっておりまして、こちら救急医療管理加算を算定した方のうち、3日以内に退院した患者の割合となっております。

 右のX軸が救急医療管理加算を算定している患者の数ということで、右に行くほど数が大きくなるので、病院としても大きな病院になってくるのですけれども、縦軸はそのうちの3日目までに退院した患者、これは死亡以外ということですが、そうすると3,000とか超えてきますと大体それが0.1とか0.2以下のところになってくるのですが、数が少ないと少し割合としても多いところも出てくるということではあるのですが、一定割合、3日以内に退院する方もいるというデータがあるということでございます。

 30ページ目、救急医療管理加算の算定患者の状態ということで、救急車で搬送された呼吸不全のない肺炎患者ということで肺炎ですけれども、少し軽いといいますか、呼吸不全には至っていないという方ということで見ますと、これも右軸が搬送された患者の数で、縦軸が搬送された患者のうちで加算を算定した人ということで、X軸のn数が小さいと分布が1になるか0.5になるかということでがくがくしていますけれども、50を超えたぐらいですとばらつきも出てくることになっております。

 31ページ目、きょう御議論いただきたい点として救急患者の関係で患者に実際に使用されている指標というものがございます。これは現場で使っているものですけれども、例えば喀血とか吐血系ということですと、緊急に止血の処置をしているかしていないかといったことですとか、例えばイの意識障害や昏睡というところですと、JCSJapan Coma Scale)ですとかGCSGlasgow Coma Scale)といったようなスケールが1桁、2桁、3桁といったようなことがあるということで、今、現場で使われているような指標の例ということでこれは挙げさせていただいているのですけれども、あと参考まで、救急医療管理加算とは違うのですが、3233は救命救急センターの整備事業において使われている重篤患者の目安といいますか、基準ということで出ているものになります。かなり重篤な方ということなので救急医療管理加算とは違うものになるのですけれども、参考ということでこちらはつけております。

 34ページ目、矢印の下が論点ですが、この救急医療管理加算の算定状況が医療機関ごとでばらつきが見られていることの分析がございましたので、実際にどのような患者さんを受けているのかという分析をするに当たって、救急医療現場で用いられている指標を参考にして分析をすることについてどうかということに御意見をいただければと思います。

 3つ目の課題の慢性期病棟のデータ提出項目で35ページ目以降ですけれども、36ページ目をごらんください。慢性期の病棟のデータ提出の関係で、既に中間取りまとめで回復期や慢性期の病棟にデータ提出の対象が広がりつつあることについて、提出項目についてはデータの質に留意しつつ、回復期や慢性期の患者の特性の違いに着目した項目などを検討する。あと、介護との連携の視点も必要ではないかといった御指摘もあったということで、今回この資料としては一番下の欄にありますけれども、慢性期の病棟でのデータ提出について検討するということで資料を御用意しました。

 37ページ目以降は既にお出ししているデータ提出関係の資料でございますが、ちょっと振り返るとしますと、例えば41ページ目をごらんいただくと、療養病棟に関してですけれども、病床規模別の分布を見ますと200床未満が7割前後ということで、200床という線でもし引くとすると、多いのは200床未満なのでということに留意が必要なのと、42ページ目、病床を200床以上と未満で分けたときに、当然200床以上のほうがDPCに参加している病院ということもふえていきますので4割ということですけれども、200床未満を見ると24%がデータ提出ありということで、データ提出していないところが多いということでございます。そういうことを留意した上での検討が必要ということです。

 44ページ目以降で、今回、慢性期の病棟におけるデータ提出をもし求めるとしたらということでの分析ですけれども、まず大きく3つの点で分析をしました。

 まず1つ目は傷病名をどうするか。2つ目は症状や状態をどうするか。3つ目は介護との連携をどうするかということです。

 45ページ目、まずDPCデータの様式1での傷病名というのが今どうなっているかというのが一覧ですけれども、左の項目名で見ますと主傷病名、入院契機病名、医療資源を最も投入した病名、2番目に医療資源投入した病名、併存名というような形になっているということですが、下の囲みを見ていただきますと、この慢性期の患者さんにおいては急性期と比較すると複数の傷病を持っていますし、傷病の経過が長いということで、医療資源を投入している傷病名と言ってもすぐに判断が難しいといったようなこともございますし、主傷病のものと直接関係するしないでいろいろ経過中に状態が変わったりするということもあるので、慢性期でデータをとるときの傷病名はどのように置いたらいいかということの議論のために、46ページ目ですけれども、医療課で療養病棟を対象にした調査をことしの年初にやっておりまして、一応そのデータを使って分析をしましたということです。

 47ページ目ですけれども、まず傷病名を何個持っているかという分析を、これは療養病棟だったので医療区分1、2、3別に見ていますが、全体でn数としては1,006データありました。右の円グラフを見ていただくと、1個という方が2割、2個という方が29%、3個という方が20%なので、4個目まで入れますと85%の患者さんがあるということで、大体4つ目までという方が多かったということでございます。

 48ページ目、発症してどれぐらいの期間たっているか。主傷病名です。それを見ますとこの調査に関しては調査基準日より1カ月以内に最も医療資源を投入した傷病ということで聞いているのですが、発症後の経過日数として見ると181日以上が7割ということで、この傷病名自体が半年以上というところが一番多かった。

 49ページ目は、それをクロスで見ているのですけれども、個数は4個目までが多くてと見ますと、でも181日以上のところが多いということで、そこは余り大きな傾向の違いは見えないですが、いずれにしましても4つ持っている方、4つまでの方が多くて181日以上ということでした。

 50ページ目、ということだったので矢印の下をごらんいただいて、これらを踏まえて慢性期の入院患者の様式の傷病名というところは、まずは現行の様式の傷病名と同じ定義で入力することなのかなということも含めて、どういうふうにしたらいいかについて御意見をいただきたい。

 2つ目として、慢性期では傷病の経過が長く、主傷病に限らずさまざまな要因でケア時間などが変わるので、そうした症状や状態の変化についてどう考えるかということでございます。

 51ページ目以降が症状・状態をどうするかということで、52ページ目をごらんいただきたいのですけれども、慢性期の患者さんで特徴的な症状や状態をもし測定することを考えるとすると、例えば今、既に活用されているものですとか、介護と共通で使えるものといった視点があり得ると思うのですが、まず今回この分析の参考にさせていただいたのは、左の囲みにあります医療区分の中で使っている状態のもの。もう一つは右側の囲みにありますが、介護保険の中で使われている主治医の意見書の中にある状態に関する項目がありますので、これは赤で文字をつけさせていただいているものが両方に共通していたり、片方にしかないのですが、該当する患者が多いという項目。これを抜き出してケア時間があるなしで影響するかどうかを見ました。

 53ページ目、この脱水以下6個の状態に関する項目について、それがあるなしでケア時間が変わるかというのを見ますと、赤いところが該当しているところのケア時間になりますが、いずれもあるなしで見ますと、あるほうがケア時間が長い。

 54ページ目も同様で、4つの項目について見たというものです。

 55ページですが、介護との連携という視点で見ると56ページ目ですが、要介護度と認知症高齢者の日常生活自立度もあるかと思いまして見ましたということで、ある程度、介護度や自立度のスコア、レベルとケア時間はある程度相関しているということでございました。

 57ページ目、データの様式1につきまして、慢性期になじまない項目、例えば57ページ目の右下で囲んでいるような手術日ですとか、TNM分類といったようなものについては、慢性期の病棟では提出を不要としてはどうかということで出させていただいております。

 58ページ目、以上まとめますと、まずDPCデータ様式1の既存の項目のうち、慢性期の病棟で提出を求める主な項目としては、上の囲みにあるような基本的な情報。DPCデータ様式1の中で慢性期病棟用に新たに提出を追加する項目として、その候補が下の囲みになりまして、この項目例、先ほどの状態を抜き出したものについて、これは例ですけれども、月ごと、毎月1回ということで入力してもらってはどうか。あと要介護度です。それは入院時と退院時に入力。認定のある場合のみですが、入力してもらってはどうか。この既存のものプラス新しいものを慢性期の病棟について提出を求める項目ということにしてはどうかという案でございまして、こちらについて御意見をいただきたいというのがきょうの論点でございます。

 以降、60ページ目以降は参考資料でございますので、適宜、議論の中でごらんいただければと思います。

 御説明は以上でございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 それでは、分けて議論をしていきたいと思います。

 まず最初に短期滞在手術等基本料について御意見、御質問はございますでしょうか。池田委員、どうぞ。

○池田委員

 在院日数であるとか、点数のばらつきの小さいものを選んで短期滞在手術等基本料の対象にしていくという方向性はよいかと思うのですが、2点、気になることがございまして、1つはDPCの点数設定について18枚目で示していただいているわけなのですけれども、DPCですと既に1日定額でありますが、包括算定となっているわけでありまして、さらに点数区分Dというのは初日で多くの金額、点数を設定してあるという点では、短期滞在手術等基本料もかなり似ている形なので、こうしたDPCの点数の設定との関係性を少し議論というか整理したほうがいいのかなというのが1点目でございます。

 もう一点目ですけれども、多分この短期滞在手術等基本料というのは入院基本料が異なっている場合でも同一に算定されるのではないかと思うのですが、それはそれでよろしいのかどうかということを、適切性についても検討が必要ではないかと考えています。

 以上、2点です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 今回、短期滞在手術等基本料で幾つか新たに項目を出していただいているのですけれども、例えば10ページ目から12ページ目のところで、前回の診療報酬改定で出てきたもののばらつきの部分が出ているのですが、例えばガンマナイフによる定位放射線治療が2575パーセンタイル値が50パーセンタイル値の幅として2%というものが出ているのです。あと体外衝撃波が15%、経皮的シャント拡張術等が20%と、ですから全部20%以下のところに分散があるのですけれども、今回の副腎静脈サンプリングが同じように計算すると大体24%で、子宮鏡下子宮内膜焼灼術は15%、これが唯一今までの基準と同じなのですが、それ以外の子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術は30%もあります。子宮内膜ポリープ切除術は35%、ですから今までのものに比べて分散がはるかに大きいというのが1つ問題かなと思います。ですから特に分散が大きい要因がどこにあるのかということをちゃんと調べた上で対応しなければいけないので、もう少ししっかりと分析した上で申し込んだほうがいいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 今回示された1417ページの手術等は、牧野委員から御指摘がありましたが、これまで対象としてきた基準にも合致するので、短期滞在手術等基本料3の対象にするという方向で進めていただいた方が良いのではないかと思います。

 28年度改定で包括点数について見直しが行われたものについて、中には点数の引き下げがあっても算定回数がふえている項目もありますので、この要因などについてもわかる範囲で示していただきたいと思います。

 今回の改定に向けて、既に基本料3に設定されている項目につきましても、14ページ以降に示されたような設定点数と出来高実績点数の乖離、在院日数の分布、項目によっては外来での実施率といったデータとの比較についても示していただき、再検証すべきではないかと思います。

 また、28年度改定に向けた議論において、水晶体再建術について、両側の手術が必要であっても、片側ずつに日にちを明けて実施しているといった実態が明らかになり、両側の基本料が設定されましたが、6ページを見ると、水晶体再建術のレンズ挿入の両側の算定回数が2,169回、レンズ挿入なしの両側の算定回数が3回とあり、改定前に片側ずつ2回に分けて実施したケースがどれだけ減少したのかが、これだけではわからないので、それを検証できるようなデータがあれば示していただきたいと思います。

○武藤分科会長

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 DPC病院においては、短期滞在手術等基本料3は恐らく支払報酬のDで吸収していけるのだろうなとは思っていますし、むしろそのほうが病院の中では非常にシンプルな取り扱いになるのでありがたいのですけれども、一方、当然出来高病院もあるわけですから、それは短期滞在手術的なものは必要なのだろうなということで、その関係がまざるかなと。

 もう一点、短期滞在手術等基本料を算定されている患者さんが例えば平均在院日数の計算から除外されるとか、あるいは医療・看護必要度から除外されるという特別な要因もあるので、そこも一緒に考えていかないといけないのではないかと思っております。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 短期滞在手術等基本料については、広げていったほうがいいということに賛成ですが、先ほど牧野委員がおっしゃった分散は、やはり質が違うのかなと考えます。統計的に、これらのデータで1617の分布というのは、少し広過ぎると思うのです。

 なぜ、こうなっているのかということについて、分析は必要と考えます。それをやった上で、先ほど池田委員がおっしゃったように、私もDでやれたらいいと思います。しかし、実際には、入院基本料ですとか、結構、細かいことを決めていかないといけない内容になると思います。

 今後、短期滞在手術という基本料を広げていく上では、このような分散が大きくなる原因が、こういうところにあるということがわかると良いと思いますので、こういった事例は、きちんと分析をされてから、やっていかれたほうが納得性が高まると思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。特になければ、これまでのことで事務局から御発言はありますか。

○事務局

 事務局としては、今いただいたような分散のことですとか、DPCとの比較といいますか、そういった点ですとか、あと基本料のことについての整理ですとか承ったので、さらに分析のための資料の準備をさせていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 よろしいでしょうか。

 それでは、次のテーマに移りたいと思いますが、救急医療管理加算についていかがでしょうか。

○池端委員

 2点ほど質問をさせいただきたいのですけれども、21ページ、22ページにこれまでの経緯が書いてあって、私は詳しくないもので確認したいのですが、まず26年改定で、前からあって、救急医療管理加算2に関してはア~ケに準ずるような重篤な状態とありますけれども、これがさらに準ずる状態がどういう状態かというマニュアルとか、そういうものはこの時点で出してあるのかどうか。医療区分であれば項目がありますけれども、かなり詳しく、例えばデータのここ以上がここの区分に入りますということがかなり詳しくマニュアルが、後で出してあるのですけれども、それがあったかどうかということと、もう一点、21ページの※の2つ目に、年に一度コに該当する患者の概要について報告を行うこととありますが、これが現時点でも生きているのかどうか。生きているのであれば、この概要報告というのはどういった内容で、医療課として概要の報告をどう集計されているのか。この辺がもしわかっていれば教えていただきたいのですけれども。

○事務局

 御質問ありがとうございます。

 まさに今の定義が22ページ目の右側ですけれども、ア~ケというのが加算1で、加算2はア~ケに準じる重篤な状態であって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者が定義で、これをさらにかみ砕いたような定義があるわけではございません。

○池端委員

 特にアについては、これが準ずる状態とあるわけではないということですね。

○事務局

 はい、ないということです。

○池端委員

 あと、報告の内容とかは。

○事務局

 後段の御質問のコの状態についての報告に関しては、報告は今も求めているということなのですけれども、特段分析には使っていないというのが今の認識なのですが、確認して改めてまた御回答させていただきます。

○武藤分科会長

 岡村委員、どうぞ。

○岡村委員

 今のことに関係して、23ページの加算2がふえていますね。それは何かコの理由が、要するに準ずるという理由を分析しないと、これがなぜ加算1から、トータルが余り変わっていないのに1から2にふえているのがどうしてかなと思うのですが、何か考えておられるのでしょうか。

○事務局

 今の御質問がまさにで、変化している理由を見るために今回、御提案している救急現場で使われているようなスコアで少し患者さんの状態が変化しているのかですとか、そういった分析をしてはどうかというのが御提案でございます。現時点でその理由に何かというのは、我々としてもなぜかというふうに思っているところでございます。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 今の23ページですけれども、前回もお話したように2がふえているではなくて1が減っていると見たほうがいいのかなと。1が減っている理由として、前回申し上げましたけれども、審査機関等の解釈がいろいろ変わるということの弊害で、今回こういったことを明確にしていただこうということで出していただいたということだと思います。ただ、各項目が31に指標の例、32に出ていますけれども、一つ一つここで言ったら切りがないと思うのだけれども、ちょっと厳し過ぎるというか、実態に合わないものもありそうです。それについて今回、最後に分析を行ってはどうかとおっしゃっておりますので、34で最後にもう少し分析することに関しては賛成します。

 もう一点、25枚目、確かに救急医療管理加算2が90%以上の病院が幾ばくかあることに関して、これはけしからんなのか、実態がどうなのかという話なのですけれども、恐らく病院の種別がどういう病院の種別かによって、例えば救急センターみたいなところでしたらほとんど1か2ばかりになると思いますので、この辺の種別をもう少し分けないといけないのかなと思います。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 今、神野先生と同じ意見を持っているのですけれども、ここは分析といいますか、やっていた調査の分析をする機関ですから幾つか教えてもらいたいのですが、23の表は加算1、加算2、全体が少なくなったということをあらわしているのですね。そのうち加算2が内容としてはふえてきているということでよろしいですね。ということは準ずるということの解釈について、かなり不安定性があると見ていいのではないかと分析します。それが1つ。

 それから、2728というのが救急車入院患者のうち、特に27というのは大きな違いが出ているのですけれども、これは例えば救急入院患者のうちの算定する患者が占める割合が熊本は非常に低いわけなのですが、要するに逆に言えば秋田が救急車で来た患者は本物の救急患者が来ていると。熊本は救急車に乗っている人は結構軽い方も来ているという解釈になるのですか。それが1つ聞きたいということです。

 その後、28番目に入院患者数というのは実数で出しているというのは何の意味もないです。対人口比で救急車の利用率を出していくというのはわかるのですけれども、28というのは意味があるのかなと思います。そこのところももし何かあれば教えてもらいたい。

 29ページ目、この表は、救急患者の重症の数を受けている病院ほど、3日以内の帰る患者数が少ないというふうに解釈できますね。つまり軽症を受けている病院は、要するに救急患者の少ない病院は結構軽い患者を受けているということですね。救急患者をいっぱい受けている病院は結構重たいので3日では帰れないという解釈でいいですね。そういうことですね。

 後で議論をしますけれども、3233は例示としても非常に重症過ぎるので、これは惑わされるので、参考として載せないほうがいいのではないかと強く要望します。

○武藤分科会長

 質問といいますか、事務局から何か御意見があれば。

○事務局

 2728のところ、御質問といいますか確認のコメントをいただいたので、27は県別に見て全体の救急車で入院した方のうち管理加算をとっているというので、その実数分の実数の割合として出していたので、実数がわかったほうがいいかなということであえて人口割にせずに28を出したのですが、確かに今の御指摘もあるので人口割で出すことはできます。今回は割合のもとの実数がどれぐらいかということで、あえて人口割にせずに出しているという趣旨でございます。

 29ページ目は、今の御指摘のような解釈も確かにできると思いますし、実際に加算を算定された人が3日以内に退院しているかどうかを見てみたというのは、そういうことでございますが、n数が少ないところは1人の方が退院しても割合がきゅっと上がってしまうので、そこの解釈自体はあえていたしておりません。こういう定義でグラフをつくったらこうでしたということでございます。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 林田委員、どうぞ。

○林田委員

 29ページのデータの見方の確認なのですけれども、X軸は救急医療管理加算を算定された患者数で、Y軸は全体の入院患者さんの中で3日以内に退院された患者さんの割合という見方でよろしいですか。

○事務局

 全体ではなく、その医療機関で救急医療管理加算を算定された患者のうち、死亡を除いた3日目までに退院した人ということで、X軸のnが分母というふうに見ていただいて。

○林田委員

 あ、その記述がありますね。すみません。そうなると一番左の上のほうでいくと、横軸がゼロで縦軸がほぼ100%というデータは1人とか2人とか少人数がそういう状態だったということですね。あるいは例えば少し突出していますけれども、2,000件くらい患者数がいて、7割ぐらいの方が3日以内に退院されているという病院もあるというデータですね。ありがとうございます。

○武藤分科会長

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 27ページ目で確認なのですけれども、これは救急車で入院されて、かつ特定入院料を算定された方を含めての救急車ということですね。そうすると念のために申し上げれば、秋田は特定入院が非常に低いです。ですから恐らく救急医管理加算で何とかカバーできていると考えてあげたほうがいいのかもしれないので、ぜひ特定入院の患者さんを除外した上でつくっていただけると、もう少し真の姿が見えるのかなと。かつ、それで1と2の割合ですとか、ア~ケの状態の割合というものが見えてくると、結構いい表ができるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 今の27枚目です。今、藤森委員の言うとおりだと思いますが、石川委員が指摘された県民性で軽症な人も救急車に乗っかっているのではないかというのは、レセプトとDPCのデータを分析することによって、何かそのことが確認できるのか。なかなかそこは感触で言っていても何が真実かわからないので、軽症な人が救急車に乗ってくるのか、それとも病院側の算定のばらつきが県ごとに大きいのかとか、あるいは審査機関の判断に県ごとの違いがあるのか、そこは別のエビデンスがないと、なかなか何が真実かということが、全てがもしかしたら関係しているかもしれませんし、ぜひ別の角度からのデータがあるといいなと感じました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 先ほど石川先生がおっしゃったこととも関連するのですけれども、32ページ、33ページは出すなとおっしゃったのですが、確かに救急医療管理加算というのは救命センターでもとっていますが、本来どちらかというと二次医療、地域の救急医療を支えるといったもっとベースの部分の医療に対して支払われているもので、ですから専門医のいないような病院もたくさんありますし、小さな病院もたくさんある。ですからそういった病院が何とか地域の救急医療を支えようとしている、そういったときにいただける。そういったインセンティブだと思っています。ですからそこで救命センターと同じような高いハードルを設けるのは、決して得策ではないというのはもっともだと思います。

 ただ、これは前回の議論ともつながるのですけれども、救命管理加算の算定要件が余りにも曖昧だということで、前回も議論になったわけですから、ある程度基準を設ける。何らかの基準を考えるという、そのためのシミュレーションは必要かと思います。そのシミュレーションを行った上でハードルをどうするのだろうというあたり、これを改めてしっかりと検討することが必要だと思います。ただ、そのハードルは決して高くあるべきではないということもあります。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 21の平成26年度の診療報酬改定のところの説明で、救急医療管理加算の対象患者はこのように書いてあるわけです。医師が診察等の結果で緊急に入院が必要であるということで、先ほど牧野委員がおっしゃったとおり、そこを持ち上げたい。救急患者はなるべく皆さんで見ていただきたいということなのですけれども、そう考えますと3233というのは、病状的に見ますと、ほとんどこれがあったらすぐ三次救急に行かせないと、二次病院だとそのままにしておいたらとても大変になってしまうわけです。ですから例えばそうすると31の救急患者に関する指標の例ということについて、もう少し加算に準じたようなところをあらわしていただくというのが一番適当なのではないかと考えます。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

前回の議論で加算2のところで結局、病院は出すが、支払審査機関からだめだと言ってくる。しかし、その前には、その検査データとか、根拠を出すように言われるということについては、各病院が経験しておられるのですよね。このことは、根拠を出すようにと言われても、出せないという状況が病院にはあるということだと思います。実は、ICUでも、このような状態が15年ぐらい前にはありました。ICUの基準も先ほど出ていたア~ケの基準で実施されておりまして、医師が判断してICUに入れるという実態となっておりました。

 このため、その当時の医療課は、ICUで集中治療をやっている先生方を集めて委員会を開いて、アパッチや、他にもいろいろと、あらゆる指標を出していただいて、これらをすべて調査をして、重症度基準というものを決めてこられました。結構、丁寧な研究事業を、当時は実施されてやっていたのです。

したがって、この救急患者に関する指標も本来は、3日間で退院している人、そうでない人が、どのようなプロフィールをもう少しきちんと分析することが必要なのだと思うのですけれども、それは、今、持っておられるデータからは、結構、難しいのではないかと思うのです。

ですから、救急患者さんを実際に扱っておられる現場の医師の意見をもう少しちゃんとヒアリングするとか、そういう丁寧なことをここはやられたほうがいいのではないかと思います。

 それから、検査データになってしまうのですけれども、救急患者に関する指標例みたいなもの、検査データと医師の判断ということになるのですが、そもそもこういうものは現場ではやっておられると思うのです。

例えば、24枚目のア~ケの分布なのですが、nが172721の分布の回答なのですけれども、これはア~ケを1つだけ選んでいるのでしょうか。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 24番目のスライドに関しては、ア~ケの1つを選択していただいた結果になっております。

○筒井委員

 そうなると、本来、患者の状態を考えると、ダブりは出てくるのだと思うのですけれども、一番、主要なものを選んでいるということですね。

○事務局

 はい。

○武藤分科会長

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 各委員の御意見を聞いておりますと、救急医療管理加算2の対象患者が加算1に準ずる重篤な状態と曖昧な基準になっていることから、加算1の算定が減っているなどの要因となっているのではないかと思いますので、可能な限り客観的で定量的な指標にすることが望ましいのではないかと思います。また、今回、論点に示された救命救急センターにおける評価基準等を活用して加算対象患者を分析することは、ぜひとも進めていただきたいと思います。

 また、可能かどうかわからないのですが、例えば消防庁からデータをいただくことはできないのでしょうか。先ほど牧野委員がおっしゃったとおり、地域では、軽症か重症かにかかわらず、積極的に救急搬送患者を受け入れている病院とそうでない病院があるのではないかと思いますので、積極的に患者を受け入れたことも評価軸に加えても良いのではないかと思います。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 今のお話なのですけれども、私は大事なことは患者さんが救急車で来たり、あるいは救急で来たりさまざまなのですが、そのときに医師が、これは帰してはだめだ、帰してはいけないといって入院させるかどうかの判断が大事で、そこがすごく重症かそうでないかというふうに分ける必要があると思うのです。

 例えば24の表で心不全とか呼吸不全がすごく多くなっています。心不全なんかはここに重症呼吸不全と書いてあります。重症呼吸不全は人工呼吸ではないですか。そうではなくたって帰せないというのは、心拡大があって脈が飛んでいる高齢者なんかは帰せないのです。結構むくみが来ているとね。こういうものをやはりちゃんと診ていくというのが医療のレベルなのです。そういうことが大事なので、医師の判断はすごく大事。だから明瞭にするだけではなくて、医師の判断で入院させるということをしたことは大事で、それを1と2というぐらいに大ざっぱに分けるというのがちょうどいいのではないかと思っています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 私も同じ意見で、救命センターの指標をそのまま持ち込むというのは危険だと思います。もう少し現場の医者の裁量のあるような基準が必要かなというのが1つと、もう一つ、先ほど筒井委員から現場のヒアリングが必要だということが出てきたので、一言加えたいのですけれども、実はここで出てきている基準というのは全て来院時、入院時、その1点での状態なのです。ただ、救急患者というのは時々刻々動くわけです。その動く部分の評価というのは全くここでは出てこないのです。例えば意識障害。脳梗塞で主幹動脈が詰まったときの意識障害。来院直後は非常に軽い意識障害であっても、それから数時間後に2桁、3桁に変わっていく。画像でそれがはっきり専門医であればわかってしまうのです。そういったことがここでは全く評価されないのですけれども、救急患者の重症度を判断する以上、ある程度時間軸とか病態とか、そういったことも含めて今後考えなければいけないのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 岡村委員、どうぞ。

○岡村委員

 29ページの3日目までに退院した患者の割合と病院の規模というお話がありましたけれども、退院というのが結構転院があると思います。ですからそこの病院で自己完結で軽症で退院できたというのももちろんあると思いますが、1日ぐらい入院して、翌日に大きな病院に緊急手術だとか、そのたびに転院しているというのが結構入っているのではないかと思います。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 私も皆さんの意見に基本的に賛成で、基準に関しては数字の基準とすれば楽なようで、かえっておかしなことになってしまって、最終的に何かおかしい。医師の判断って結構大事なので、その辺は担保してほしいと思います。

 ただ、一方で準ずる状態だけでは解釈が違って、特に現場で厚生局の監査等が入る場合の解釈が違ってくると、後でとんでもないことが起きることを、実際に医療区分なんかでも起きているのです。そこはそういうことを防ぐためにも、ある程度やんわりした基準と、基準というか例でいいと思うので、石川先生がおっしゃったようなこういう状態とか、こういう状態に準ずるという例を幾つか挙げておくだけでも随分準ずる状態のイメージが湧くと思いますので、何かしらそういうマニュアルでもいいですし、そういうものが少しあるといいのかなと、医療区分をやっている立場からも感じますので、意見として言わせていただきました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、最後に神野委員。

○神野委員

 先ほど牧野先生がおっしゃった時間軸の話がとても大事で、せめて例えば24時間以内に判定するとか、少し来たときではなくてレトロスペクティブに見られるような仕組みは絶対に必要なのかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。3番目は慢性期の病棟におけるデータ提出項目について、これについていかがでしょうか。筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 54ページから重みづけケア時間という概念が出ているのですが、この重みづけケア時間を出した数式というか、それは、どこかに書いてあるのか。どういうやり方をされているのかを教えてほしいのですが。

○武藤分科会長

 事務局、よろしいですか。

○事務局

 御説明のときに抜けておりました。参考資料のほうにございますが、62ページです。計算式はお示ししていないのですけれども、62ページ目のスライドのところで、今回この調査につきましてはタイムスタディーをやっておりまして、1,276人の患者さんに62枚目の下の表の職種別にケア時間というものをタイムスタディーで聞いております。重みづけといいますのは、直接ケアと間接ケアで単純にプラスするのではなくて、間接ケア時間のほうは重みを軽くして、合計の時間を出すというやり方になっております。今お示ししている資料で取り急ぎ、御回答させていただきます。

○武藤分科会長

 よろしいですか。

○池田委員

 職種別人件費重みづけケア時間と書いてあるので、多分どこかの職種が1になって、それとの人件費の重みがついているのかなと思うのですが、そういう理解でよろしいかどうか。

○武藤分科会長

 事務局どうぞ。

○事務局

 済みません、さらに確認をいたしましたので追加で御説明させていただきますが、今、池田委員おっしゃったように、職種別に人件費もこの調査で調査をさせていただいておりまして、看護師を1としまして、その人件費の相対比を掛けてトータルを出しております。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 そうすると、その相対比を教えてもらえないですか。私は20年ぐらいこういうタイムスタディー手法を用いた調査研究をずっとやってきているのですけれども、このようなデータは一度も見たことがないのです。まず職種の直接と間接の割合が、このようなデータになるということはありません。これは、今まで、わが国でやってきたタイムスタディー調査のデータとは違う内容が示されています。

○事務局

 また次回にでも追加で補足の資料を出させていただければと思いますが、この資料のお示ししているデータを、厚生労働省のほうで平成18年に行ったタイムスタディーの調査設計を参考に、同じ形でさせていただいたものになっております。口頭ですと説明内容に限界がありますので、参考資料を後日、追加させていただければと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 データ提出加算、今回堂々とこれが出てきたら、慢性期のほうもこういうものをやれる方向なのかなということがはっきりとしてきたわけなのですけれども、1つ聞きたいのは、こういうものは病棟の連携だとか、どこからどこに変えていくという連携の中で捉える必要があって、例えば45の様式1における診断情報というところで入院の契機となった傷病名と書いてあります。これはDPC病院そのままのあれで、入院・入棟でしょうね。転棟したときの病名は変わってくることがありますから、だから入院と言ったときの入院というのは療養病棟来たときの一番主の病名とするほうがいいわけですね。それから、その後、長くいる一番最も医療資源を投入した傷病が一体何だったか。かなり変わってきていますので、急性期病棟から来た、そういった表現が必要だと思うのです。

 それから、やはり何と言っても慢性期のデータで一番大事なのは、急性期のところから来たときのADLだとか、そういったものの表現をどのようにしていくかということが一番大事になるので、そこはデータ提出という形で工夫していただくとすれば、一生懸命やっていただかないとできないのですけれども、やっていただくとしたらそこのところをもう少し指標をきちんと提示する必要があると思うのです。どういうことをデータで出しなさい。そのままDPCを持ってくるというのは大変乱暴だと思いますので、かなり取捨選択する必要があると思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 恐らくデータ提出の目的、いろいろありますけれども、例えば急性期からの一連の流れとか、そういうものを見たりする。余り項目が急性期と違ってしまうと、何の分析にもならないのかなという気もするわけであります。

 58ページですけれども、57で慢性期病棟では提出不要としてはいかがかということに関しては賛成いたします。次、58ページで項目案が出ているわけですが、特に下のほうで新たな提出を求める項目で、これはいわゆる症状ばかりが項目例で、しかも等ですからまだ決定したものではないと思うのですけれども、例えば脱水とか発熱は1カ月の間にずっと発熱していたら何とかしなければいけないのではないか。なのでいかに慢性期とはいえ、1カ月を全部あらわすのにはこの症状、状態ではいかがなのかなというふうに思ってしまいました。なので項目はきちんと急性期との整合性あるいは慢性期での必要なものをもう少し選択、精査すべきなのかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 私も同じようなことを考えています。まず58枚目です。この項目は1カ月の中で変化するものをどうつけるのかなというのが疑問だった。あと、ここに出てくる項目が実は医療区分、ADLに係る評価票に記載するものと結構似通った項目もあるのです。ですからこれを両方ともつけるというのは、医療機関にとって結構な負担になる可能性があるなと。ですから何らかの負担軽減策を設けるとか、経過措置をとるだとか、何かそういったことをかませないと医療機関にとっては大変なことになるのではないかと思います。

○武藤分科会長

 林田委員、どうぞ。

○林田委員

 同じ58枚目のところなのですけれども、先ほど牧野委員もおっしゃっていたように月ごとの入力というのは1カ月続いているものなのか、1回でもあればつけるのかというのは非常に難しい問題があるなと思っていますので、その様な項目は精査したほうがいいかなと思うのと、あと実際に負担の軽減という意味からいくと、多分、病院の運用にもよるのだと思うのですけれども、そのデータを実際につくるのがどの職種なのかとか、そういう部分も関係してくるかなと思いますので、その辺りもぜひ考慮していただいて、項目等を考えていただければと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。池端委員、どうぞ。

○池端委員

 言いたいことはいっぱいあるのですが、まずは今、議論になった5758に関してですけれども、私もどちらかというと神野委員がおっしゃったようにDPCデータ加算をせっかくとるのであれば、急性期から回復期、慢性期、ある程度流れがわかるように項目を共有化したほうがいいのではないかと思っています。

 一方で57ページにあります手術日とかTNM分類とか化学療法、うちも小さな病院ですけれどもDPCデータ加算をとっていますが、ほとんど非該当、非該当でチェックしなければいけないので、これは任意の項目にする。外すのではなくて一方で療養病床でも手術は出来高でとれるようになっていますので、任意項目に置きかえるだけで外さなくてもいいのかなと思っています。

 一方で58ページにありますような新たに追加する項目、確かにこれは慢性期。でも実際に我々の病院には、急性期から来ると急性期から来た段階で既にこういうものがついてくることが結構あるのです。脱水であったり、電解質異常になっていたり、褥瘡を持って来たりというので、もし可能であれば、これも逆に急性期側は任意でいいですから一緒に入れて、項目はずっと通してチェックできるようにすると、どういう患者がどういう流れで、最後は介護医療院ができますけれども、そこまで本当は持っていくとすごく患者の流れのイメージが湧くのではないかと個人的には思っていますので、5758については事務軽減負担とともに、上手に任意項目と必須項目を分けていく形で、なるべく余りでこぼこにならないようにしたほうがいいのかなと思っています。

 それと同時に先ほど牧野委員もおっしゃっていただいたように、もし様式1をある程度義務化する方向に持っていくということであれば、当然ながら今、毎日チェックしている医療区分だけでも大変な状況なので、別に取引するつもりはありませんけれども、少し事務軽減をしていただいて、DPCデータ加算をとる場合には、ここは1週間単位でいいよとか、何かそういうものがないととてもではないけれども、義務化されるのは厳しいということで、それもあわせてお願いしたいと思います。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 余り義務化ということは言わないほうがいいと思います。それは私たちが言うことではないので。5758のところで議論されていますけれども、私は急性期で入院したときと転棟してきたときの病名はすごく大事だと思うのです。そのことを先ほど言ったので、ぜひそういうふうにしてもらいたいということと、やはりDPCになれていない小さな病院の方たちにこれを書かせるというと、大変な負担になるので、ある点では簡略化することも十分考えた上で提案していただきたいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 療養型には、2つのパターンあります。医療側から来る患者と、介護のほうに行くという場合という両方のデータを考えなければいけないということなのでしょう。今、できることとすれば、中間報告書にも掲載してもらっているのですが、様式1のADL区分を「重症度、医療・看護必要度」のB項目に変更すべきではないかという意見を書いていただいているので、再度、検討していただいて、一般急性期から患者の経緯がわかるように、やるとするならばB項目での評価をしていただくのがよいのではないかと思います。このデータを療養型が持っていれば、一般病棟から、療養に転棟してきた際の得点や、その推移もわかるわけです。

すでに、療養型でも「重症度、医療・看護必要度」の得点を評価しておられる病院もあると聞いておりますが、一般病棟では、A項目が点数が低くなったら、B項目でどのぐらいになって療養型に行くべきかという目安を実際に看護師さんたちは使っておられるので、そういったすでに現場で使われている方法も考慮していただきたいなと思います。

○武藤分科会長

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 療養病床に合わせて様式1の項目を少し入れかえるのは結構だと思うのですけれども、むしろハードルが高いのは、フルセットのEF統合ファイルをつくるほうがハードルが高いのではないかと思うのですけれども、そこは全く考慮なくフルセットの処置も含めて全てのEF統合ファイルの提出を求めることになるのでしょうか。

○武藤分科会長

 これは事務局よろしいですか。

○事務局

 EF統合ファイルについては、きょうまさに論点に示していない部分なので御意見いただきたかったところなので、ハードルになるということもあるので、そこは今、加算の要件にはなっておりますけれどもということで、難しいとすると少なくとも58こま目にお示ししたような状態をまずは求めるということでという形で、この状態に関してEFでほとんどとれるものが多くなるので、逆にEFを出しているときは要らないとするとか、当然EFを出した場合、出さない場合の整理が必要だとは思っておりますが、まずはきょうは先の論点と思いまして、お出ししていなかったということです。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 私もここに来る前にうちの事務に確認してきましたけれども、EF統合ファイルを同時に出せとなるとかなりハードルが高くなってしまうので、これは十分慎重に御検討いただきたいと思いますし、一方で今200床以上について云々というのが前回もありましたが、200床以上で今とっているのは4割ということです。普通は7割、8割とっているものを要件化するのが一般的で、4割ということは5割を超していないということですので、これをいきなり要件化するというのは、かなりハードルが厳しいのではないかと思います。

 ですからもし、十分な経過措置等を考えていただきたいと思いますし、私ども小病院がとるときに1年がかりで出してみて、だめで、また出したということでを繰り返してやっととれるようになりますので、それも1年単位の経過措置が必要になってくるのではないかという気が個人的にはしていますので、ぜひ御検討いただきたい。ただ慢性期をやっている者としても、データ加算をとって明らかにしようということに対しては、前向きに進めていくことに対して反対はしないということでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 今、EF統合ファイルが大変だということをおっしゃったのですけれども、実は主傷病のICDコードのコーディングも結構大変な作業なのです。大抵、急性期病院では診療情報を管理し、コーディング作業をしています。ただ、療養型の病院で置いているところはほとんどないと思います。日本病院会が養成しているので雇っていただけると助かるのですけれども、ただ、負担になるのは間違いないと思います。

○池端委員

 私もそれを確認しました。ただ、今ソフトがあると、病名を入れるとICDがざっと出てきます。それを主治医が選択していただければいいので、なれると案外できるなと思ったので、ここは何とかクリアできるかなと思っています。

○武藤分科会長

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 47ページに傷病の個数についての調査結果が示されておりまして、これを見ると例えばいわゆる高齢者の方の保険病名のように、たくさんの病名がということではなさそうだなと思うのですが、ただ、大半の患者さんが傷病の数が4個以内というのは、私の感覚からすると少ないような気がしていまして、というのは現在の状態は医学的治療とか看護とかADL等に関係がある傷病と聞いているわけで、例えば大方の患者さんは認知症とかあって、それは看護とかADLのほうに影響があるかもしれないし、例えば高血圧で治療されている方というのは相当数いると思うしというふうに考えていくと、この4個というのがかなり少ないように思うのですが、これはどのように調査をされたのですか。その日に行われている治療という一時点のものなのか、例えば1カ月でということなのか、この数がこれを前提として議論していいのか気になったので、確認させていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 事務局どうぞ。

○事務局

 今回この調査票で伺っている病名に関しては、疾患を選択していただく形態にしていまして、現在のADL、認知、気分、行動状況、医学的治療、看護の観測、死の危険性に関係がある場合にチェックするということで疾患名を選んでいただくような形になっています。一部該当がない場合はフリーテキストで病名を入れていただいたり、また、主病名のICDコードを入れていただくという欄もあわせて設けてはおりますが、ほとんどの場合、選択式という形で選んでいただいております。

 全体の病名を選んでいただいている数としては、50項目ぐらいから選んでいただいているような形になっています。一応その療養病棟に多いと考えられるような病名と、もともと患者数として多いと考えられている病名ということで選んでいる選択肢になっています。

○池田委員

 45ページのところの資料にも、慢性期の患者さんは複数の症状を持っているということを前提として書いてあるわけでありますし、となるとこの4個というのは急性期でつく病名よりも数としては少な目のように思えるので、例えばこの年代の患者さんに一般的に起こるだろう罹患率とかと比べて、その病名が高血圧と書いている人が例えば1%しかいなかったら明らかにこれはおかしいわけで、そのあたりは検証したほうがいいかなというような気はいたしました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 5758ページについて、項目の削減や必要項目の追加を踏まえて、できるだけ負担を軽減することを前提に提出項目を整理する方向で進めていただければと思います。

 一方、病床規模の小さい医療機関が多いということは十分承知しておりますが、規模の大きい医療機関のデータの傾向に引きずられるという問題も生じるかもしれませんので、より実態を反映させるためにも、小規模の医療機関にも提出を求めるように対応を図っていただければと思います。

 また、論点と関係ないですが、療養病床の特性として前回もデータが出ておりましたが、死亡退院が4割程度あるという実態があります。これまで資料でも、人生の最終段階におけるガイドラインの周知や活用の取り組みが示されておりましたが、ガイドラインの普及を考えるのであれば、ガイドラインの利用状況や看取りに係る取り組み状況についても、データの提出を求めていくということも考えられるのではないかと思います。その前に事務局に、診療報酬上でガイドラインの普及を推し進めると考えているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

○事務局

 今の御質問ですけれども、この場でまさに療養病棟で診療している先生の御意見を伺いたいと思うところでございますので、今こちらで事務局としての考えを申し述べるのは差し控えさせていただければと思います。

 あと補足で2点ほど。先ほど池田委員の御質問にありました病名の件は、選んでいただくという方式なのですけれども、現在、問題のない診断名は挙げないということもあわせてお願いしているので、現在、主にADLですとか認知状態ですとか治療をやっているものを選んでもらうというような質問形式になっておりますので、補足させていただきます。

 ちょっと前に戻って恐縮ですが、先ほど岡村委員の3日以内の退院の定義なのですけれども、転院は含まないという形で集計しておりますので、補足をさせていただきます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 林田委員、どうぞ。

○林田委員

 データ提出項目の中で、先ほど池端委員からも項目としてはつくるけれども、例えば任意入力でいいのではないかみたいなお話もあって、多分それは負担軽減という意味ではいい部分もあるかなと思うのですが、逆に急性期のDPCのときにありましたけれども、任意入力項目だと実際に入っていないときに、なかったから入っていないのか、ただ単に入れていないのかという問題があり、その場合はせっかく入れていただいたデータも生かし切れないという問題もありますので、その辺りは本当になかったから入れていないのか、それとも単純に業務負担が重いので入れなかったのかというのがわかるような形のほうが、よりいいのかなと思います。

○池端委員

 先ほども話題になった45ページの病名に関して事務局から課題が挙がっていますが、確かに慢性期の患者、180日以上の患者が最も医療費を投じたものが多いというデータが出ていますが、一方で療養病床も在宅支援等々、地域包括ケア的な機能も担っているところもありまして、例えば脳卒中の在宅患者さんが肺炎を起こしてしばらく入院ということもあって、2週間、3週間で帰すというところもあると、私どもこういうDPCデータを入力していくと、特にこれで問題はないのかなという気がしています。

 例えば契機病名が肺炎であって、もともと脳梗塞でリハビリ等を行っていて入院して、1週間ぐらいで肺炎は治ったけれども、少しレベルが落ちてリハビリを3週間続けた。約1カ月で退院した。最も多い資源投入はリハビリになるとすると、それが脳卒中になりますけれども、ということで考えれば、それがばらばらになってもおかしくないし、特に迷うことはないのかなという気がするので、ではかわりにどういう病名を入れるかというとなかなか難しいと思うので、順番に1、2、3とある、これで現時点では問題ないかと個人的には思っています。自院の事務方にも確認しましたけれども、特に大きな悩む点は余りないと聞いているので、現時点ではこれで同じように病名については慢性期でもやれるかなという印象を持ちましたので、御報告しておきます。

○武藤分科会長

 それでは、そろそろ次の議題に移りたいと思いますが、次は入院時の食事療養に係る給付に関する調査結果について、報告をお願いしたいと思います。

○事務局

 それでは、御説明差し上げたいと思います。該当する資料は入-2、入-2-参考になります。

 こちらの調査結果は非常に大部になっておりますので、本日は基本的に入-2を用いて説明をさせていただきます。なお、こちらの調査につきましては、本年4月27日の入院分科会、そして5月17日の診療報酬基本問題小委員会並びに中医協総会にて実施が了承されまして、今般、実施して取りまとめをしたものでございます。

 しばらくは、前回の入院分科会でもお示し差し上げました資料が続きますので、めくっていただいて3ページが、平成28年度診療報酬改定で入院時の経腸栄養用製品の使用に関する給付の見直しということで、主に流動食を経管栄養で提供する場合、こちらを原則1割引き下げたということがありまして、次の4ページでございますが、これに伴って前回の中医協答申の附帯意見に、経腸栄養用製品を含めた食事療養に係る給付について調査を行い、そのあり方について調査・検証をすることとされて実施したものでございます。

 主な調査内容といたしましては、こちら4こま目の一番下にございますけれども、まず1つ目、病院の給食部門における収支の状況、そして2点目といたしまして、平成28年度改定に伴う経腸栄養用製品の使用及び食材費等の状況という二本立ての調査を行いました。

 続きまして5こま目でございますけれども、まず1つ目の収支調査の概要でございますが、原則として自記式の調査票を配付したということと、対象施設は介護保険事業に係る収入のない保険医療機関、約800ということで層化をかけまして、原則としては10分の1抽出しているものでございます。調査期間としては平成29年6月の1カ月について実施したものでございまして、次の6こま目に調査項目の概要をまとめさせていただいておりますけれども、施設に関する項目並びに給食部門に関する項目を聞いてございます。

 次の7こま目でございますけれども、こちらが調査の2つ目にございます流動食関係の調査の概要ということでありまして、対象施設については先ほどの収支調査の対象施設のうち、DPCの対象病院約50DPC対象病院以外の病院約50、合計約100ということで設計してございます。こちらの調査については、平成28年度改定の状況を検証するものでございますので、改定前の27年6月、そして改定後の値といたしまして平成29年6月のそれぞれ1カ月間の状況を調査するという形にさせていただいております。

 次の8こま目、9こま目は、収支調査については前回、平成16年に国で実施したものがありますので、そちらの内容を簡単にまとめさせていただいております。

 今回は、前回平成19年に調査した結果との比較というのも重要になってまいります。そこで入院時食事療養の制度の概要を簡単に御紹介差し上げたいと思いますので、資料の11こま目をごらんいただけますでしょうか。こちら先生方よく御存じでいらっしゃると思いますが、食事療養については入院時食事療養(I)(II)と分かれておりまして、(I)については条件を満たせば特別食加算ですとか食堂加算は算定できるというものでございます。療養病床に入院する65歳以上の患者さんについては、入院時生活療養(I)ないしは(II)が適用されますが、基本的には食事療養に関しては、先ほど御紹介した入院時食事療養と似たようなつくりになってございます。

 そして12こま目、こちらが現在の入院時食事療養における主な算定要件ということでございますが、冒頭、申し上げましたとおり前回の改定では、市販流動食を使う場合の価格が原則1割下げられているというものでございます。

 一方、13こま目をごらんいただきたいのですけれども、こちらは前回の調査時、すなわち平成16年時点での入院時食事療養の制度の概要になっております。こちら現行の制度と結構要件など違う状況になっております。食事療養に関しては平成18年改定で大きい改定がなされておりますので、次の14こま目で平成18年のときにどのような改定が行われたかというのを図示してございますので、ごらんください。

 一番大きい違いといたしましては、一番上にもございますけれども、従前、算定単位が1日当たりになってございましたが、こちらを1食当たりというふうにばらされているというのが大きい改定でございます。また、2ポツ目でございますけれども、前は特別管理加算が1日につき200円というものがございました。こちら内容としては常勤の管理栄養士の配置ですとか、適時適温の給食の提供ですとか、そういったものについてこの加算があったわけでございますけれども、このうちの大半の部分は、平成18年改定において食事療養(I)の要件にされております。ただ、一部この管理栄養士の内容については、横の吹き出しにもございますけれども、栄養管理実施加算ということで別の評価となっております。ただ、こちらの加算については、平成24年の改定の際に入院基本料に包括ということになってございます。

 そして、3ポツ目、特別食加算でございますけれども、こちらも先ほどの入院時食事療養本体と同様に、1日当たりの算定から1食当たりの算定となったところが18年のときの大きい改定内容でございます。

 15こま目にもお示ししておりましたが、繰り返しで恐縮ですけれども、前回改定で市販の流動食のみを用いた場合の額が原則1割下げられているという状況でございます。

 続きまして16こま目をごらんください。こちらが入院時食事療養費の制度が発足して以来、各費用がどのように変遷しているかというのを1枚紙にしているものでございます。平成6年10月に入院時食事療養制度ができたわけでございますけれども、真ん中の赤い線が平成18年の大きい改定を示しておりますが、入院時食事療養(II)、入院時食事療養(I)、本体とも途中、1日から1食当たりの算定と変わったところはありますが、トータル、1日単位ということで見ますと、それほど大きな変化というか改定は行われておりません。そして、先ほど申し上げましたとおり、平成18年改定で特別管理加算というものが廃止されているという状況になってございます。

 17こま目をごらんいただけますでしょうか。こちらは入院時食事療養の総額の推移ということで、青線で示しておりますのが食事療養費のトータルの金額、そして黄色い点線が回数でございますけれども、まず青いところ、総額が18年改定のときに約2割ほど減少しているとなって、あとはおおむね横ばいとなっております。回数については、先ほどから申し上げておりますとおり、18年で1日が3食というふうに1食当たりにばらされておりますので、その分、回数はふえているのですけれども、欠食などいろいろな状況がありますので、回数は3倍ではなくて約2.8倍の増加となってございます。

 続きまして18こま目をごらんいただけますでしょうか。こちらは特別食加算の推移でございます。緑が金額で、黄色の点線が回数でございますけれども、まず金額が約5割減少となっております。回数は先ほど2.8倍という話もありましたが、こちらは2.3倍の増加となっております。下に※で小さく書いておりますけれども、平成18年改定では1日が1食になったことに加えまして、特別食加算の対象となる食種として従前、経管栄養のための濃厚流動食も算定対象でございましたが、これが外れたということもございました。こういうこともありまして、このような金額並びに回数の推移になってございます。

 それでは、19こま目以降に今回の調査の概要をお示ししておりますので、順に御説明を差し上げたいと思います。

 20こま目、こちらが今回の調査の回収結果でございます。収支調査、流動食調査、両方3割前後ぐらいの有効回答率になってございます。今回調査では基本的には10分の1抽出ということで病院を選んでおりますけれども、この中で特定機能病院と歯科大学病院に関しましては全数調査、つまり全ての病院に調査票を送って調査のお願いをしているということなどをやってございます。

 21こま目以降が収支調査の結果になります。

 22こま目、こちらは給食部門の収入でありまして、病院は一般病院、こちらの慢性期病院は含むものになってございますけれども、お示ししてございます。表をごらんいただくと、これは外部委託等別となっておりまして、左から全面委託、一部委託、完全直営となっておりまして、それぞれ平成16年と平成29年が比較できるようにしてございます。平成16年につきましては1日当たりの算定ということで、今回は1食当たりの算定ということでございますので、それぞれ真ん中に(H16)としてつけておりますけれども、これは1食当たりにした場合の換算の係数を掛けて、参考としてお示ししている値でございます。

 主な特徴、上の赤い囲みにも述べさせていただいておりますけれども、平成29年の患者1人1日当たりの収入は、平成16年に比べまして全面委託、一部委託、完全直営とも減少しておりまして、中でも全面委託での減り幅が最も大きいという結果でございました。

 収入の減少の要因といたしましては、食事療養費本体の収入、特別食加算の収入の低下、そして平成18年に廃止されました特別管理加算の廃止による影響が大きいものと思われます。

 続きまして、23こま目をごらんいただけますでしょうか。こちらは支出と収支の表になります。表は平成16年と平成29年の値を示すとともに、その差をお示ししております。ポイントは上の赤いところにもお示ししておりますけれども、支出につきましては平成16年に比べて、それぞれのカテゴリごと増加しておりまして、中でも全面委託の支出のふえ幅が一番大きいという結果でございました。支出増加の要因としては、光熱水費、委託費の増加が大きく、中でも全面委託では給食用材料費の増加も目立っている状況でございます。収入が減っていて、そして支出がふえているということで、当然、支出が悪化することになりますけれども、中でも全面委託での収支悪化が著しいという結果でございました。

 全面委託の場合は平成16年の場合、1日当たり1人168円黒字ということでございましたが、こちらが赤字になりまして、先ほど申し上げましたとおり赤字幅というか減り幅が一番大きいということになってございます。

 続きまして24こま目、25こま目は慢性期病院のサマリーでございまして、24こま目は収入、25こま目は支出と収支となってございます。25こま目の下段をごらんいただいてもおわかりのとおり、慢性期につきましても全面委託、一部委託、完全直営とも赤字の収支状況になっているという結果でございました。

 続きまして、26こま目以降は流動食調査の結果概要になります。27こま目をごらんいただけますでしょうか。まず改定前と改定後でそもそも給食の食事の体制、提供状況がどう変わっているかというのをお調べしたのがこちらの結果でございますけれども、改定前、改定後、比較いたしまして食事内容の構成比というのは大きな差が見られないという状況でございます。濃い青で示したところが市販の流動食でございます。改定前は6.9%、改定後は7.3%ということでございます。

 28こま目が経管栄養の入院患者さんの主病名でございます。ポイントを上にも書かせていただきましたけれども、最も多いのは循環器系の疾患、脳梗塞等でございますが、こちらが一番多いという状況で、上位5位までについて改定前、改定後を比較してもそれほど大きな差は見られないという状況でございました。

 29こま目以降が、改定に伴ってどういう対応を給食部門で行ったかというものでございます。まず29こま目の上のグラフでございますけれども、前回、原則1割減額があったということでございますが、それに対してどういう対応をしたかというものでございます。グラフで見ていただきますと、真ん中の80.6%というところは、特に価格面での商品構成の変更は行っていない。こちらが大多数の結果でございました。1割強の答えとしては、価格が安い商品の構成をふやしたというものもございました。

 続いて、下のほうの結果でございますけれども、こちらは流動食、経腸栄養用製品、医薬品と食品扱いがあるわけですが、この構成を変えたかどうかという質問ですが、一番多かったのは83.3%の特に変更は行っていないという結果でございます。

 続きまして30ページをごらんいただけますでしょうか。こちら上のほうは食事扱いの流動食でも市販と手製、2つ分かれるわけですけれども、この構成を変えたかという質問について、こちらも何も変えていないという答えが圧倒的に多いという結果でございました。

 下のグラフについては、今度は経管栄養の患者さんに対して早期に経口移行するための取り組みなどを強化したかなどの質問でございますけれども、ここで一番多かった答えとしては、特段、取り組みはやっていないということでございまして、早期に経口移行するための取り組みは2割弱となってございます。

 最後の31こま目をごらんいただけますでしょうか。こちらが1食当たりの市販流動食の費用の状況等をお示ししているものでございます。グラフにつきましては向かって左側、これが市販の流動食も含みます食材費のもろもろの改定前の平均値と改定後の平均値でございまして、右側が再掲データでございますが、市販の流動食の改定前と改定後の費用ということでございます。上の囲みにも書かせていただいておりますけれども、前回改定、原則1割、流動食の費用が引き下げられたわけでございますが、右側のグラフをごらんいただきますとおり、平成29年6月の費用は改定前と比べて平均で約14%ほど増加しているという結果が今回の調査から得られました。

 以上でございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 これに関して何か御意見、御質問ございますでしょうか。

○神野委員

 予想以上にひどい状態が出たので、これはどなたも異論の余地はないと思うのですけれども、恐らく2つあって、消費税の話が、特に委託、材料に関しての消費税がこの歴史を見ると診療報酬上で補填されていなかったのではないかということですね。

 もう一つ、今、働き方の問題で特に病院給食を提供するというのは早朝から夜遅くまでということで、もちろんシフトを組むにしても非常に朝早くの勤務が発生します。それに対して今、労働問題として人がいないということで、多くの病院が大変困っている。その上にこういった収支が悪化しているので人件費に回せないということですので、このデータはぜひ上に上げていただいて、働き方も含めて検討いただく必要があるし、税制のことも含めて検討いただくような問題なのかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。池端委員、どうぞ。

○池端委員

 最後の31ページの市販の流動食の費用について、これをどう解釈するかですけれども、実態として私のイメージでは、流動食そのものは何も変わっていないので値段が上がったというよりも、成分的にいろいろな、例えば貧血の流動食だとか、電解質をやりくりしたものとか、いろいろなものがかなりこまめに出てきて、だからそのために一般的な食事としての流動食よりも、そういうものがどんどん入ってきて単価が上がっていって、それを包括の中で使わなければいけないということで単価が上がっていて、収支も悪化していると言う印象です。委託でも委託でなくても収支が悪化していることと、給食全体よりも流動食だけ取り出すとそこが余計値段が上がっているということは、調べたわけではありませんが、そういう解釈をしてもいいのかなという感じがします。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。どうぞ。

○菅原委員

 提供体制、つまり全面委託でも一部委託でも完全直営でも大幅な赤字となっているので、ある意味では全体論というか構造的な問題として捉えたほうがいいのかなと私自身は思っています。全体として赤字が大幅に拡大している要因に、一般論として言えば人手不足だとか人件費の高騰とか材料費だとか水道光熱費、いずれも恐らくここ数年ずっと上がってきているということはもちろんありますし、消費税の増税の問題もあるのかなと思いますが、給食の提供の際には人件費だとか設備、そういう固定的な要素というのは基本的には1日に大体どのぐらいの入院患者さんがいるという、その病床のマックスのサイズを恐らく考慮して準備されていると思うのです。

 そうしますと恐らく費用項目というのは可変的な要素と固定的な要素があって、本当は固定的な要素と可変的な要素が全て合算されて、平成18年以前の報酬というのはある程度考えられたと思うのですけれども、結局それを単純に3分の1にして1食当たりにしてしまったものですから、可変的な費用はもしかしたらカバーできているのかもしれませんけれども、実際に固定的な部分については例えば1日3分の2、食事提供になったからといって固定的な費用は3分の2にはならないはずなので、必然的には恐らくは費用は賄い切れない状況なのかなということを思います。

 ですので、資料の参考のほうの唯一黒字になっている病床というのが実はあって、それは精神と慢性期のBというところなのです。ここは基本的には恐らく患者さんはほとんど終日動いていない状況なので、単純に言って丸々1日当たりの単価が全部とれていて、フルに固定費用がカバーできているような状況だと思います。今後もし議論するとするならば、医療機関の稼働率だとか患者さんが動いているところほど結構欠食というか、出せない部分が多くなって赤字がふえてしまうような傾向にあるのではないかと思いますので、どの程度そういう固定費用と可変費用が患者さんの動きによって変化しているのかということは、もう少し子細に検討していただいて、報酬のつけ方を議論していくのがいいのかなと考えます。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。事務局からどうぞ。

○事務局

 消費税のことで御発言があったので補足をさせていただきたいのですけれども、お示ししているデータはあくまでも医療機関の中の給食部門ということですので、医療機関の医療サービスを提供するための全体の報酬の一部ということですので、御理解いただきたい。

 消費税に関しましては、議論する場がここではない消費税の分科会というところがございまして、そこで医療機関の安定経営という視点でどのように対応するか議論した上で対応することにさせていただいておりまして、これは構造上、材料等々の経費が消費税で上がる分を診療報酬で返すということをしておりまして、そうしますと個別のことに対して、それをやっているやっていないで不公平になってしまいますので、平成26年の改定のときは全ての医療機関に万遍なく返るように、基本的には基本診療料に上乗せをするという返し方をしているので、食事療養費に上乗せということではない対応をさせていただいたという事実関係でございます。

○武藤分科会長

 尾形委員、どうぞ。

○尾形委員

 23枚目のデータを見ると、委託と直営で平成16年から平成29年は収支構造が大きく変化しているように見えます。かつて全面委託は収支差額を見ると黒字だったものが大幅に赤字になっているとか、完全直営が非常に大きな赤字だったのが相対的には委託に比べて非常に不利ということでもなくなってきているようにも見えます。この期間、これによって例えば委託から直営へ、いわば逆シフトみたいなことが起こっているのか、ないしは直営から委託へのシフトが減少しているとか、そういうことはあるのでしょうか。もしわかればで結構です。

○事務局

 今、定量的にお答え差し上げることは難しいのですけれども、関連の内容は現場の団体とかいろいろなところから上がってきていまして、よくあるのが全面委託の業者さんが撤退してしまう。なかなか経営が厳しくて撤退してしまうというお話ですとか、あとは残りたいのだけれども、今の金額では厳しいのでもう少し条件をよくしてくれないかというようないろいろやりとりが現場であるという話ですとか、病院の中には全面委託から完全直営に切りかえているというのは少数でございますが、そういう実態もあるというお話は伺っています。

○武藤分科会長

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 私は前回、平成16年から13年間にわたってこういった調査が行われていなかったというのが驚きだったのですけれども、その結果としてかなり給食に関して各医療機関の赤字幅が大きくなってきているというのも示された。それに対して入院基本料に上乗せしていますよというお答えもあったのですが、それが本当に妥当なのかということも含めた検証を今後していただきたいなと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 入院の食事というのが治療の一環だという観点からいけば、なるべくいる患者さんの病態に合わせて、そしてなるべく患者さんの注文というか特別食ではないですよ。合わせて出すのがいいので、直営に勝るものはないと思うのですけれども、いずれにしましても、だからといって経営が大変で給食部門も私のところも赤字なので大変なのですが、それでも頑張ってそうやってやっているのはどうしたらいいか。これを値段で患者さんに添加するかどうかということなのか、非常に大問題なのです。

 患者さんにとっておいしい食事を提供することは治癒率も違いますので、そういう点で考えると、日本の入院医療をどうするかというところでの非常に大きな問題だと思うので、これはぜひ中医協でそういうことはきちんと考えてもらわないと困りますね。このデータは非常にそういう点では大きな問題になりかけているということなので、それは中医協のほうできちんと議論していただいて、お願いしたいと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 それでは、最後のその他に移りたいと思います。その他として、この分科会でもいろいろ御議論いただいた例の重症度、医療・看護必要度とDPCの分析について、今、鋭意事務局でもってその分析を進めていただいておりますけれども、一旦、私のほうからこの論点の整理をさせていただきましたので、ごらんいただきたいと思います。資料の配付をお願いします。

(資料配付)

○武藤分科会長

 追加資料で重症度、医療・看護必要度とDPCデータの分析に当たっての前提と留意点ということで確認をしていきたいと思います。

 改めて振り返りますと、この分科会で重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の判定に関して、DPCデータ、EF統合ファイルのデータを用いる可能性について検討しているところであります。具体的にはEF統合ファイルを用いた該当患者割合の判定結果と、現行の該当患者割合の判定結果の相関などについて今後分析、議論する予定としております。

 この分析の前提として、重症度、医療・看護必要度とEF統合ファイルのそれぞれのデータの特徴、分析によって留意すべき点をここでもって整理しておきたいと思いましたので、事務局に指示をさせていただいて、この資料をまとめてもらいました。

 資料をごらんください。まず「1.分析の内容」に関してですけれども、まず最初に今回行う分析の内容を改めて確認したいと思います。

 まず重症度、医療・看護必要度の現在の評価項目のうちA項目とC項目について、それぞれ関連性の高い診療行為、請求区分でありますEF統合ファイルのデータを用いまして、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合を判定するための計算を、まさに現在、事務局で昨年のデータを用いて行っているところであります。計算では現在の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合とEF統合ファイルのデータを用いた該当患者割合について、医療機関ごとの判定結果が算定される予定です。計算方法の違いで医療機関ごとの該当患者割合がどのくらい変化するかといったことを分析することになります。

 2番目に分析の目的です。今回の分析の目的は、計算結果の相関を単に見るということではなく、診療報酬に活用できるかということを見るということであります。つまり急性期の入院患者の医療や看護の必要性や重症度を診療報酬に反映させる手法として、こうした視点で見たときにより適切な評価方法、具体的には評価項目、評価手法、合理性の観点でより適切になっているかどうか、あるいはなり得るものであるかどうかを検討するということでございました。

 3番目の留意点に関しては、分析の留意点としましては仮に今回のEF統合ファイルを用いた方法が診療報酬に活用できると考えた場合、その条件や現場への影響等について予測されることは何かといった点も留意する。こうしたことが必要だと思います。

 次の各データの主な内容の比較に関しては、これは事務方で事実ベースの説明をしていただければと思います。

○事務局

 それでは、下の表をごらんください。主な内容の比較ということで、左側、重症度、医療・看護必要度のA項目とC項目についてということと、右側の欄がDPCデータのEF統合ファイルについてということでの比較表でございます。

 まず作成のプロセスに関しましては、何度もここでも議論になっておりますが、改めましてまとめますと、重症度、医療・看護必要度に関しましては、看護職員等が各項目の定義に基づき、患者の状態に応じて入力をしていただく。DPCデータは院内の情報システムなどをもとにして、電子的に出力、作成するというやり方になっています。

 情報の記録の頻度としては重症度、医療・看護必要度は病棟において毎日評価、入力。DPCデータについては電子的に作成、出力するということですけれども、診療行為の内容とそれぞれの実施日情報を合わせた形で、原則として月単位で出力をするということです。

 報告や提出先については、重症度、医療・看護必要度は定例報告の際に地方厚生局に年1回提出をするという形です。DPCデータは厚生労働省、実際にはDPC調査事務局ですけれども、年4回、3カ月ごとに提出をしていただくものとなっております。

 研修等ということでございますが、重症度、医療・看護必要度に関しては、医療課長通知で評価票の記入は院内研修を受けた評価者が行うことを規定させていただいておりますし、また、院内研修の指導者は所定の研修を受講することが望ましいとさせていただいております。DPCデータのほうは、DPC調査へ適切な参加をするということが算定告示で規定されておるということです。

 対象範囲、このデータの中身といいますか、定義等々ということですが、重症度、医療・看護必要度は一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票を用いて測定を行うというふうに通知でされておりまして、評価の手引きの中で各項目が詳細に定義されております。DPCデータは対象病院に対してDPC調査に適切に参加することを示しておりまして、調査には適切なデータを提出することを、こちらも通知で示しております。

 また、その提出の範囲ですけれども、以下、点数表に基づく出来高による診療報酬の算定範囲としておりますので、こういう内容になっている。

 情報の確認という点では、DPCデータに関しては電子的な情報として御提出いただいていますので、電子的に調査事務局でEF統合ファイル以外のファイルも提出していただいていますので、ファイル間で不整合などの洗い出し、データクリーニングを行い、必要に応じて医療機関に対して修正や再提出を求めているということでございます。

 情報の確認として、補足としては欄外に書いておりますけれども、どちらの情報も実際に患者さんに提供されている診療行為や医療行為と比べて正しいかどうかということは、それは当然どちらも直接突合しなければ、なかなか評価は困難ということでございますので、その留意点として補足で一覧表につけさせていただきました。

 御説明は以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 次回以降、このデータを分析するに当たって、このような留意点を踏まえた上で議論をしていただきたいと思います。この点について何か補足等ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。なければ本日はこれにて閉会したいと思いますが、次回の開催日に関しては、また事務局から御連絡があるということでございます。

 それでは、本日の入院医療等の調査・評価分科会は、これにて閉会させていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

 


(了)

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