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2017年9月6日 平成29年度第7回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

平成29年9月6日
9:58~11:50


○場所

中央合同庁舎第5号館 講堂(低層棟2階)


○出席者

【委員】

武藤分科会長、池田委員、池端委員、石川委員
岡村委員、神野委員、菅原委員、武井委員
田宮委員、筒井委員、林田委員、藤森委員
本多委員、牧野委員

【事務局】

医療課長、企画官、保険医療企画調査室長、薬剤管理官、歯科医療管理官他

○議題

1.データ提出加算について
2.一般病棟入院基本料について(その3)
3.療養病棟入院基本料について(その2)
4.中間とりまとめ(案)について
5.その他

○議事

○武藤分科会長

 それでは、定刻より若干早目ですけれども、委員の皆さんはおそろいになりましたので、ただいから平成29年度第7回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」を開催いたしたいと思います。

 まず、委員の出欠状況ですけれども、本日は尾形委員が欠席となっております。

 それでは、本日の議題の「1.データ提出加算について」「2.一般病棟入院基本料について(その3)」「3.療養病棟入院基本料について(その2)」につきまして事務局より、まず一括説明をしていただいた上で、各議題に分けて議論を行っていきたいと思います。

 では、事務局から御説明のほどをお願いしたいと思います。

○事務局

 それでは、資料の御説明をさせていただきますが、その前に資料の確認で、本日お配りしている資料は、議事次第、席次表、委員名簿のほか、入-1と入-2になります。不足等がありましたら事務局にお申しつけください。

 それでは、入-1を用いまして資料を御説明させていただきます。

 2こま目、本日の目次ですけれども、「データ提出加算」と、「一般病棟+入院基本料(その3)」と、「療養病棟入院基本料(その3)」と、あとは「参考資料」として御指示、御指摘がありました資料、追加資料などをつけております。

 3こま目、まずデータ提出加算についてですが、現状、データ提出加算は加算の1と加算の2がございまして、加算の1は入院データのみ提出、加算の2は入院データと外来データを提出となっております。

 4こま目がデータの中身ですが、ファイル名としては様式1、4、3と、あとはDファイル、EFファイル、Hファイルとございまして、このD、EFに関しては診療報酬請求情報などが含まれるデータとなっております。

 5こま目は前回もお出ししていますが、このデータ提出につきましては7対1入院基本料のようなものについては平成26年から算定要件化になっていることで、こちらの一覧にお示ししている主な入院料の中ではもう既に対象病棟になっていますけれども、回復期リハビリテーション病棟と療養病棟は算定要件化になっていないということでございます。

 続きまして、少し飛んでいただいて7こま目をごらんください。データ提出加算で先ほど御説明しましたけれども、データを提出するセットの違いということで、加算の1については入院データだけですが、当然DPC対象病院以外はDファイルのところを提出は不要ということになっています。データ提出加算2についても同様でございます。

 続きまして8こま目、対象病棟の種類別で提出する情報の違いの一覧ということになっていまして、これはDPC対象病院以外だけでまとめていますので、Dファイルの欄はバツとなっていますが、違いとしては地域包括ケア病棟についてと、一般病棟についてはHファイルの必要度の情報を提出するという形になっております。

 また、Dファイル、EFファイルと様式4につきましては医事会計システムなどからの変換が可能なデータということになっております。

 9こま目、10こま目についてはADLスコアとFIMスコアの概要ということになっておりまして、ADLスコアは入院時と退院時のみ測定をするという形ですが、FIMスコアも平成28年改定から提出することになっていますが、これは回リハ病棟だけで、その回リハ病棟の入棟時、退棟時のみで任意の提出という形になっています。

 11こま目、実際にこの加算を算定している病院の状況ですけれども、加算1、加算2、それぞれ分けて、DPC対象病院、準備病院、それ以外ということで整理をしていますが、合計欄をごらんいただくとDPC対象病院が1,663、準備病院が272、それ以外が1,373で、合計3,313病院が対象になっているという状況で、一般病院のうちの45%に該当するということです。

 12こま目をごらんいただくと、上のグラフは病床数ベースで見ておりまして、合計すると約79万床がこの対象になっているということです。データのレコード数でいうと、125万件のうち18%はDPC対象病院以外というデータ数になっております。

 13こま目をごらんいただくと、入院病棟の種類別でこの状況を見ています。右から2つ目の欄にパーセンテージが括弧書きでありますのが、いわゆるシェアみたいなものとしますと、7対1一般病棟と地域包括ケア病棟はほぼ100%で、10対1については200床以上が要件になっているので、これは60%、回リハ病棟は61%、療養病棟は28%というのが病院数ベースです。

 同様のグラフの病床数ベースが14こま目になります。大体似たような状況ですので、説明は割愛します。

 15こま目、16こま目はそれをグラフで見たもので、回リハ病棟と療養病棟についてです。

 15こま目の回リハ病棟を見ますと、病床数ベースで57%がデータ提出の対象になっているのですけれども、右下に参考とあるところが、それぞれ回リハ病棟は入院料1、2、3と3種類ありまして、入院料1の中で見た割合としては63%、2では51%、3では52%というような割合になっています。

 16こま目は同様に療養病棟入院基本料の届け出病床数ベースで同じように見たもので、療養の1だけで見ると28.2%が対象になっております。

 以上が、現状です。

 17こま目以降がデータの中身でございますが、まず18こま目、項目の概要で様式1の主な項目の概要を一覧で並べておりますけれども、もともと急性期の入院医療を想定してつくられておりますので、この一覧表の中を見ますと左側は患者さんの基本情報ですが、右側はADLFIMなどから、中間から下だと化学療法の有無ですとかTNM分類といったような急性期の疾患の病期分類といったものが含まれていて、急性期の診療内容、重症度などが多くて、逆に回復期や慢性期の患者さんの状態をあらわすような、例えばADLFIMの入院中の変化であるとか、要介護度、医療区分にかかる詳細な情報が含まれていないということで、対象は回復期や療養にも広がっておりますが、データの中身については少しまだ十分ではない部分があるのではないかという課題でございます。

 19こま目は療養病棟の現状ですが、20こま目、21こま目は前の回でもお出ししていますが、この療養病棟については医療区分で入院料を請求していますので、請求するときに20こま目、21こま目のようなデータを出しているのですが、これはデータ提出という形でいただいていないので、つけているだけで利活用のほうにあまり活用されていないということもあるので、例えばこちらとこのデータ提出の様式を少し整備することで、そちらに合理化していくということもあるのではないかということでこれを出させていただいております。

 22こま目はEF統合ファイルの現状ということで、当然報酬の点数やコードや入っておりますが、使用量ですとか実施日といったようなデータも入っているというものでございます。

 23こま目は実際にデータの質といいますか、詳細不明コードの割合が多いとなかなか使えないということなので、その状況を整理したものです。左のグラフの上がDPC対象病院、下がそれ以外の病院で、DPC対象病院については20%以上になりますと少し減点されるということもあり、20%以上というところはほとんどなくて0.7%なのですが、それ以外の病院で見ますと20%以上というところが200床以上だと16%、200床未満だと34%ということで、そのあたりの違いがあるということでございます。

 24こま目、回リハ病棟の病床規模別分布で62%が200床未満ということですが、25こま目はこの回リハ病棟を持っている病院について200床以上と200床未満でデータ提出のあるなしを見たもので、200床以上ですと83%がデータ提出ありという状況です。

 26こま目は同様に療養について病床規模別の一覧を見まして、約7割が200床未満ということですが、27こま目を見ていただくと同様に右側の棒グラフが200床以上で見ていまして、療養は200床未満のところが対象数は多いということで、200床以上だけで見ると40%、200床未満で見ると24%という状況でございます。

 次に、28こま目以降がこういうデータを使った分析例ということで分析をしたものです。

 29こま目は前回もお出ししておりますが、EFファイルを使って出来高相当の行為が何点くらいやっているかというのを医療区分1、2、3別に見たもので、29こま目の右側のグラフの内訳を分析してみました。

 30こま目が医療区分1についてということで、左の円グラフが29こま目でいう右側のグラフの点数の内訳になっていまして、左のグラフの包括内というのが入院基本料に包括されている検査や処置などで、包括外というのがそれ以外ということで、全体の3分の1くらいが包括内のものということでございまして、包括外の中ではリハビリテーションの点数の割合が多いということです。

 右側の円グラフは、この算定している点数のうち、この箱ひげでいうと上のほうのひげの先のところの上位10%を抜いてどんなことがされているかの内訳を見たもので、上位10%で見ますと平均点も2,200点余りということになるのですが、包括内で処置をやっているところが全体に比べると多くなっている。

 31こま目、32こま目は、同様に医療区分2と医療区分3で見ています。こういったことなのですが、上位10%を見ると医療区分2と医療区分3では出来高のところで手術や処置をとっている人の割合が多いというような分析になります。

 33こま目は主傷病で1日当たりの平均点数の分布を箱ひげで示したものですが、左側が入院基本料が入ったもの、右側がそれ以外の診療行為で見たものということで、大体こういったような分析ができるということの例でございます。

 34こま目が、このデータ提出加算に関する課題と論点です。矢印の上がサマリーなので下を見ていただくと、まずこのデータ提出加算を算定する病院はDPC対象以外の病院にもだんだん多くなってきていまして、一般病棟以外、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟にも一定程度、対象が広がってきている。医療の質の向上に資するデータ利活用の観点から、データ提出に係る実態も考慮しつつ、このデータ提出の対象範囲についてどのように考えるか。主には要件化されているものとされていないものがあるということで、どう考えるかということです。

 2つ目の「○」は、一般病棟以外の回復期や慢性期の病棟からも多数データが出ているので、この負担軽減にも配慮しつつ、患者の特性の違いに着目した項目の追加や入力頻度の設定をどう考えるかということで、データの中身についての御意見をいただければと思います。

 続きまして2つ目の議題、「一般病棟入院基本料」で35こま目からです。

 まず1つ目、非該当の患者の分析をという御意見、御要望がありましたので、今回そのデータを準備しました。3637は既存のデータなので、38からごらんください。

 38こま目で、この入院医療分科会のデータで出てきた非該当という部分、75.4%の部分の内訳が下の円グラフになっておりまして、それぞれ内側の円が、Aが0点、1点、2点で、外側がそれとBとの組み合わせで出ております。

 左の上の3分の1くらいがA1点とか、B1点、2点以上のところでのそれぞれというデータになっているということでございます。

 それぞれ内訳を見ていきますと39こま目ですが、非該当患者というのが左側の棒グラフで、右側が該当患者で、Aについては3点以上は該当になりますので、非該当の人、0点と1点と2点で、0点の方が多いのですが、1点、2点の方もいらっしゃる。

 40こま目、B項目について見ていきますと、これは非該当の方も該当の方も、非該当の方は0点が多いですが、全体的に非該当の方でも5点、6点ですとか点数が出ている方もいらっしゃる。

 41こま目はA項目の内訳で見ていますが、上の棒グラフが非該当、下の棒グラフが該当で見ますと、非該当も該当も専門的な処置というところが多く出ていまして、その内訳を見ると、該当の方はドナレージの管理が多いのですが、非該当の方は薬の管理ですとか放射線治療といったような治療をやっている方が多くなっております。

 42こま目はB項目の該当、非該当の内訳を見ておりますが、全体的に非該当方もいろいろな項目に該当しているということでございます。

 43こま目はB項目での分布を見ておりまして、A項目が0点、1点、2点でそれぞれで見ておりますが、A項目0点でもB項目で見ると点数の高い方もいらっしゃる。

 44こま目ですが、A項目1点の人でどの項目が当たっているかを見ると、心電図モニターが多く、その次は創傷処置といったような内容になっているということで、該当、非該当ということで、非該当になった方も、専門的な治療ですとか入院の必要な方がいらっしゃると読めるのではないかと思っております。

 次に45こま目、重症度、医療・看護必要度の測定方法についてです。前回、シミュレーションの検討をしてはどうかということで論点を出させていただいていろいろ御意見をいただきましたので、少し追加の資料などを御準備いたしました。

 46こま目が追加の資料で、ことしの1月にやりました急性期病院約700施設の調査結果から、これにつきましては重症度、医療・看護必要度のHファイルのデータと診療報酬区分のデータを突合しているもので、47こま目をごらんいただきますと統計的なことであれなのですが、それぞれ2つ、必要度の項目と診療報酬区分の項目とを同じ患者さんで両方出ているか、片方しか出ていないか、両方とも出ていないかということについての一致率を見るというようなデータです。

 ちょっと概念的に数字が並んでいるので、53こま目を先にごらんいただくとわかりやすいのではないかと思います。53こま目は、重症度、医療・看護必要度のA項目の呼吸ケアの項目が出ている人と、診療報酬の区分でJ024の酸素吸入という項目が出ている人ということで、左側の円が必要度の呼吸ケアがある人で、右側の円がその診療報酬の酸素吸入がある人です。ですから、一致しているところは両方あるですし、その円の外側は両方ないということになってそれぞれ感度特異度が出るのですが、これをファイ係数という統計的に関連性を見るケースで見ると、これだと0.72ですというような重なり具合を見るという統計処理をしたものです。

 少しお戻りいただくと、47こま目の下の表にファイ係数というものがありますが、ファイ係数は1が一番強い関連があるということで、0から1までの間で関連性をある程度見ていくといったようなものになります。お詳しい先生に後から補足いただければと思います。

 そうしますと、4849はA項目についてこちらにあるような診療報酬区分での該当状況を見ているということでございます。

 それから、50こま目と51こま目はC項目について、これは日数の処理をしないで単純に当てているものでございますが、それの一致状況ということになっています。ファイ係数で見ますと、少し高いものも低いものもいろいろあるということでございます。

 52こま目で、呼吸ケアにつきましてはこの重症度、医療・看護必要度は単に酸素をやっているとか、そういうことではなくてこのように定義がありまして、酸素吸入は痰を出すための体位ドレナージ、スクウィージングなど、しっかり呼吸管理が必要な方に対してそういう管理をしているということが定義になっていますし、「判定の留意点」というところに下線を引いていますが、単に喀痰吸引のみという方は呼吸ケアでないという定義をされているということで、この状態を確認して測定しているということです。

 一方、診療報酬請求区分のJ024酸素吸入というのはこちらにありますように1日につき請求する点数ですけれども、ここに書いてあるようなことをやっているということになっております。J018は、喀痰吸引ということでございます。

 53こま目、先ほど説明したように、これは呼吸ケアに該当している方かどうかと、酸素吸入があるかどうかということで見た円です。

 こちらにつきましては、例えば55こま目にあるように、酸素吸入だけではないので、その呼吸ケアに関連しそうなその他の酸素吸入以外の処置の項目ですね。J024-2ですとか、ここに9個並んでおります。この9個のいずれかに該当という形でその一致率を見たものが、お戻りいただいて54こま目のスライドになります。

 そうしますと、少しですけれども、円の重なる部分がふえてくるような形になるということで、ファイ係数で見ると0.720.77になるということでございます。

 55こま目にいっていただくと、当然このA項目と診療報酬の項目は定義なども違いますので、完全に一致するということはないんですけれども、例えばこのように複数の項目で見て該当をいずれかにしているといったような補正をするというようことでシミュレーションをしてみてはどうかというまずは御提案です。

 56こま目につきましては、「救急搬送後の入院」という項目がA項目に前回改定で追加されておりますが、こちらについてもこの定義のほうが入院当日と翌日までとなっているのですが、診療報酬請求は1回だけなので、例えばこの1区分が出ていたものを2日分ということで補正をして該当性についてのシミュレーションをしてはどうかということでございます。

 57こま目がB項目とADLスコアの比較なのですが、前回も御指摘がありますように今のB項目は14番、15番のようにコミュニケーションに関する項目が入っておりますし、右側の今のADLスコアを見ていただくとコミュニケーションの項目がございませんし、また、行動に関する分類も違うということなのでございますし、さらにADLスコアは入院時と退院時だけで、毎日の日々の変化というのがとれないので、日々この方はB項目に該当しているかどうか、判定が極めて困難ということなので、今回のシミュレーションではこのADLではなくてHファイルで既にB項目、毎日の状態の点数をいただいているので、これはHファイルのBをそのまま活用することとしてはどうかということでございます。

 まとめますと58こま目ですが、シミュレーションの内容としましては、使用するデータとしては昨年の10月から12月に提出されたデータで一般病棟の7対1だけで、AとCは置きかえのマスターというのをこれからつくる予定なのですけれども、それに沿って置きかえてみて該当する、しないという判定をする。

 それで、B項目はHファイルのB項目でそのまま判定をするということをして、医療機関ごとに該当患者の割合というものを出してみて、現行の割合とこのシミュレーションでできた割合というものがどれくらい変化するか、あるいは相関しているかということの分布を比較するということをやってみてはいかがでしょうかというのが原案になります。

 続きまして、この重症度、医療・看護必要度に関して、前回、前々回、きょうで3回目の議論になるのですけれども、やはり突然に議論が進んでいるのではないかといった御指摘もございましたので、いま一度、全体のこの議論、このシミュレーションにしていこうというような議論の流れを整理させていただきたいと思います。

 59こま目、60こま目が位置づけと経緯ということです。先生方はよく御承知かと思いますが、この重症度、医療・看護必要度について、現行急性期の入院料で主としては7対1と10対1の一般病棟・入院料で算定要件なりに導入されておりまして、重症度、医療・看護必要度はこの急性期の入院医療体制の報酬評価について急性期の医学管理や患者の状態に応じた看護提供の必要性を適切に反映するために導入された指標というものでございます。

 2番目の経緯としては、2000年の改定で導入された入院基本料の体系です。参考としては62こま目と63こま目が参考ですが、入院基本料という体系になって、こちらは看護体制や平均在院日数や医師配置数といったような評価で行っておりまして、従前、看護料や入院時医学看護料や室料、入院環境料といったものを統合した点数ということになっています。

 2002年の改定で、特定集中治療室管理料でICUでの管理を必要とする重症患者の指標に「重症度」が導入されて、今の必要度と同じような判定基準の患者の割合というものが設定をされました。

 2004年の改定でハイケアユニットにも拡大をされて、その際に重症度の高い患者というところの「重症度」と、看護の必要量を推計するための項目としての「看護必要度」というものが両方追加をされて「重症度・看護必要度」ということで判定基準と割合が導入をされております。

 60こま目にいっていただいて、この診療報酬のほうでのさらなる導入ということで、2006年に7対1入院基本料というものが創設をされて、その次の改定、2008年の改定で医療ニーズに着目をした評価を導入するということで、このハイケアユニットで使われていたものを一部、一般病棟用に修正をして導入された。

 以後、2012年、2014年、2016年と、少しずつ改定といいますか、項目の見直しなどが行われてきているということなのですけれども、直近の改定では医療処置、手術などというところでC項目というのが従来のA、Bに加えて新規で入ったという状況になっております。

 次に61こま目ですけれども、今回議論している事務局で考えている論点ということですが、以上の経緯から「重症度、医療・看護必要度」はその開発・導入で活用された「看護必要度」の測定・評価方法が用いられていて、この「看護必要度」は患者に必要な看護量を測定するために開発された指標ですので、日々の状態変化、日内変動に対応して全ての患者に連日測定を基本としてされている。

 一般病棟の入院基本料の今、使っている「重症度、医療・看護必要度」は本来、急性期の医学的管理や患者の状態に応じた看護提供の必要性について“入院基本料の報酬算定に反映させる”ために実施するというもので、この「看護必要度」というところとは少し異なる視点から導入されてきたのではないかという指摘がある。

 それから、4つ目の「○」として、医療機関によってはこの報酬の算定の手続ということなので、現場にとっては負担になっているのではないかとの指摘ですとか、算定要件の基準値になっているので、そこは経営的な視点からは入院患者の状態に応じた医療の提供、あるいは基準値をクリアするということに重きが置かれているのではないかといった指摘もあるということでございます。こういった論点といいますか、課題という認識のもと、議論をさせてきていただいているということでございます。

 少し飛んでいただいて66こま目ですが、「課題」としては先ほどデータ等を整理させていただいたのですが、矢印の下としては、この重症度、医療・看護必要度の評価項目について、EFファイルを使ってシミュレーションをするということについて、御提案としてはAとCについては少しその補正をした上で判定をしてみる方法、それからB項目はHファイルのB項目の判定をそのまま活用する方法ということで、全体の該当患者割合というものを現行とシミュレーションと両方を比較して、その基準値の相関ですとか分布がどうなるかといったことを検証してはどうかということでございます。

 続きまして、3つ目の議題です。済みません。長くなりますが、これが3つ目ということで「療養病棟入院基本料」です。

 療養病棟入院基本料につきましては、まず医療区分の変化ということで70こま目からごらんください。療養病棟は1と2がありまして、70こま目は療養病棟の1、療養の1のほうで、これは7月1日時点と9月1日時点での医療区分ないしは退院しているかの変化の割合を見たものです。

 それで、入院医療1のところで見ると医療区分1は57%がそのまま、医療区分2は76%がそのまま、医療区分3は70.3がそのままということで、多くはそのままなんですけれども、変化する方、あるいは退院する方もいるということです。

 71こま目は療養の2につきまして同様の分析をしていまして、こちらにあるようなデータでございまして、一部変化もありますが、多くはそのままの区分、2カ月くらいの変化ですと、ということです。

 72こま目は、医療区分3と医療区分2の何個の項目に該当しているかを見ると、1項目という方が多い。

 73こま目は、その1項目に該当している人はどの項目に該当しているかというような割合を見たもので、医療区分3は中心静脈栄養とモニタリング、監視管理、それから医療区分2は喀痰吸引が3割で、その他はそれぞれいろいろあるということでございます。

 74こま目が「リハビリテーションの提供状況」で、75こま目は前も出していますが、理学療法士等の職員の配置と在宅復帰率というものを見ておりまして、配置があるほうが復帰率は高い傾向がある。

 76こま目、今度は1回当たりのリハビリテーションの提供量を見たもので、これは2単位未満が多いんですけれども、2から4単位というところもある。

 77こま目は1週間当たりの提供の回数、これは頻度といいますか、1週間に何回リハビリをやっているかということで見ると、平均3回とか5回とか6回とか、そういったようなところが出ている。

 その提供量と提供頻度について在宅復帰率と見ますと、78こま目は提供量で見ますと余り差がないのかなと見えますが、79こま目では提供頻度で見ますと2回以上、4回以上、6回以上と少しずつ在宅復帰率は高くなるように見えるということでございます。この分析についてというのが論点です。

 続きまして、80こま目以上が療養の2についてということで、療養病棟の2については82こま目、先ほど病床規模別分布を出しましたが、200床未満というところが、療養の2のほうが72%ということで1よりもさらに小さいところが割合としては多い。

 83こま目、療養の2の病床の数だけの分布を見ますと40床から60床未満というところが一番多くなっていて、持っていても1病棟というところが多いというような状況に見えます。多い、たくさん持っているところもあるのですけれども、そういう状況です。

 84こま目、医療区分の割合は療養2のほうが1よりも2・3の割合は少ないのですが、85こま目の分布を見ると、要件が5割というのがかかったばかりなので分布はばらついています。

 86こま目、87こま目は職員配置を見ますと、いずれも多目に配置しているというところの分布が多いのですが、療養2でも多目に配置しているというところが一定程度ある。

 88こま目は看護要員以外の職種の割合ということで、療養2も1と同じようにそれ以外の職員を置いているというところがある。

 8990は前もお出ししましたが、なかなか退院できない理由として、家族の関係ですとか退院先の関係があるということで、医学的な要因以外の部分もあるということであります。

 91こま目は平均在院日数等について1と2で比べていますが、療養1と療養2、上と下で横グラフを比べても、療養2がすごく長いということもなく、退院支援加算をとっているところというのはそれなりの平均在院日数でやっているところもあるということでございます。

 92こま目の矢印の下が論点で、まず療養病棟全体で入院している患者さんの任意の2カ月を見ると、医療区分が変化しないという方が最も多いということでどのように分析しますかということで、療養病棟なので今回2カ月で見ていますけれども、例えば先ほどのデータ提出のデータの関係でいうとどのくらいの頻度で見ていくかといったようなところの参考でも分析していただければと思います。

 それから、2つ目の「○」です。リハビリテーションの提供量と提供頻度と在宅復帰率を見ると、提供頻度が高いほうが復帰率が高い傾向があるように見えるのですが、このあたりはどのように分析をするか。

 3つ目の「○」で、療養の2については平均値で見ると確かに医療区分1の割合が療養1より多いんですけれども、分布で見ると配置とか該当患者割合は高いところもあって多様であるので、療養2でも療養1相当のところがあるということについてどういうふうに分析するかということで、また御意見をいただければと思います。

 93こま目以降は「参考資料」でございまして、4つで、「重症度、医療・看護必要度」の病棟の組み合わせの関係、回リハ病棟のアウトカム関係のデータ、有床診療所の先進的な取り組みに関するデータ、障害者病棟の年齢別と入院期間別の分析ということで、もしお時間があれば少し説明しますが、今の説明では割愛させていただきます。

 御説明は、以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 それでは、ここから区切って議論を進めていきたいと思います。

 まず、1番目はデータ提出加算についてです。論点は、34ページに掲げられております。いかがでしょうか。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 今後の診療報酬に係る論点に資する観点から、前回申し上げたとおり、データ提出の要件化については対象範囲を拡大することが望ましいと思います。ただし、前回、池端委員からも御指摘がありましたとおり、療養病床や回復期病棟は小規模病棟が多い点を踏まえると、データ提出項目の対象範囲は、それぞれの病床の患者像の実態把握に資するデータに限定するなど、負担軽減を図る方向で検討していただければと思います。

 また、あわせて13対1と15対1についても同様に、何らかの形でデータ提出を促すような方策を検討いただければと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 今、本多委員からありがたいお言葉をいただいて感謝申し上げます。

 やはりこのデータ提出加算は、私どもは一般病床と療養病床という区切りではなくて、病院全体の病床がどういうパフォーマンスをしているかということでは必要なことだと思っています。

 ただ、今、本多委員もおっしゃっていただいたように、なかなか全てを条件化する。特に療養病床に関してはかなり厳しい状況もあると思いますので、できれば一つの考え方として5ページに出ています要件化も、一般病床10対1も200床以上と未満で分けているということがあるので、これをひとつ取り入れる方向性はありなのかなと思っています。

 ただ、一方で、ある程度しっかりした猶予期間とか、そういうこともきちんと置いていただいた上で導入しないと、やはり唐突と思われる大規模な療養病床をお持ちの病院もあると思いますので、ぜひその辺は十分御検討いただきたいと思います。

 一方で、5ページの表を見てみますと、10対1の一般病床でもまだ要件化していない200床未満のところがありますし、療養病床でもし200床ということで区切るのであれば、200床未満の療養病床についてもいずれはデータ提出加算をしていく方向でありますよということの何らかのインセンティブをかけていただいて、少しでもとれやすい方向をつけていただければと思っています。

 そして、もう一つお願いしたいのは、先ほど資料でもお見せいただいたように、療養病床は一方で毎日の細かい医療区分、ADL区分の評価票を出させていただいていますので、これと二重にデータ提出加算をするのは非常に不合理であり、負担が大きくなるので、何らかの形でこれが一つで済むような工夫とかをしていただけるとありがたいと思います。

 そしてもう一つ、今のデータ提出加算の中の項目では測り切れない評価項目、慢性期ならでは、あるいは回復期ならではの項目も幾つか必要ではないかと思いますので、それもあわせて御検討いただいた上で、慎重にデータ提出加算を広げていく方向で御検討いただければと思います。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 私も、同様の考えです。5ページにあるように今、池端委員がおっしゃったように、順を追って今まで歴史的にも広がってきたわけですから、この歴史的な順番、特に200床以上とそれ未満というところでの順序というので、徐々に進めていくということに関しては賛成でございます。

 そしてもう一つ、合理化や負担軽減に配慮する項目の見直し云々のまとめでありましたけれども、今18こまにありますように、提出項目の様式1の概要の中に、先ほど御説明にもありましたが、TNM分類とか、あるいはJCSといったような急性期ならではの項目があって、これを慢性期の方に全部課すのは、いかがなものかと思います。

 それから今、池端先生がおっしゃったように、慢性期ならではの項目をふやすということに関してはまた御検討いただければと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 お二人の先生の意見に賛成です。慢性期ならではの評価項目というところですが、2021の医療区分・ADL区分に関してのデータ提出というのは、病院の負担になると思うので、これは前回も前々回も申し上げた通り、この「重症度、医療・看護必要度」の項目に変更していただくよう、意見としても、前回を含めて何回か申し上げております。以上、ご検討していただくようお願いいたします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 ありがとうございます。10対1の入院基本料のところですけれども、今、地域包括ケア病棟の13対1が絶対定数必須という形になっているのであれば、当然10対1に急性期を担う病院はしたのでしょうから、しかも13ページにあるように既に60%出されているとしたら、これもそろそろ要件化する時期なのではないかと考えております。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 田宮委員、どうぞ。

○田宮委員

 今までの方向に賛成ですが、私は今までの経緯をあまりわかっていないのですが、21ページの筒井委員がおっしゃったように新たにいろいろ測るというのは非常にバーデンだと思うので、これをどんなふうに軽減させるということを考えていますけれども、ひとつ毎日評価というところが相当負担なんじゃないかと思って、患者の重症度というのが毎日変わるというのはわかるんですけれども、この辺も本当に毎日が必要なのか。例えば、週に1回とか、そういうことでも大丈夫かというような検証などもできれば、負担軽減かなとちょっと思いました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 これは、例えば25を見ますと、回復期リハビリテーションの病院で200床未満で56%、200床以上で83%が既にデータを提出している。非常にデータ提出がだんだんふえてきているということをあらわしていると思うんですけれども、DPCの病院がこの中の比率でどういうふうになっていくかというのを見ると、職員の事務系の方の今後の育成といいますか、そういったところでDPC病院がどういう比率になっているか。一般病棟のところのDPC病院の中での比率といいますか、それがあると非常に参考になるんじゃないか。

 その下も、そうだと思います。療養病棟を有する病院ですが、要するにDPC病院の事務の方がこれに関係しているかどうかということを少し数字で見られればおもしろいかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 先ほど筒井委員のほうから医療区分、ADL区分に係る評価票を重症度、医療・看護必要度に置きかえることがいいんじゃないかという意見が出たのですが、私は療養病棟の負担軽減という点から毎日これを書くということをやめる。簡素化するということに関しては、賛成です。

 ただ、これを急性期病棟での重症度、医療・看護必要度と全くイコールで持ち込むというのはいかがなものか。あくまでも慢性医療をやっているところですから、それに沿った形で、一致するような項目に限定して持ち込むということで、急性期から慢性期まで長いスパンでの比較ができるということになりますけれども、例えばC項目とか、A項目の一部とか、こういったものは慢性期にはなじまないと思いますので、そういったものは外した上で持ち込むというようなことが必要かと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにいかがですか。

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 ちょっと誤解があるようなので意見を述べさせていただきます。「重症度、医療・看護必要度」の項目は、配布資料の例えばADL区分というのを見ていただくと、19枚目のADL区分というのは3、2、1となっており、項目はほぼ一緒です。いずれにしても同様な項目は利用すべきという意味で申し上げております。

 先ほどのデータでも明らかですが、一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期についても、94枚目をみてお分かりの通り、「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合別分布が示されておりますが、療養病床だけは別にされています。

 例えば、7対1から療養にいったときにデータがそこで途切れてしまうことは、入院期間の経時的変化を評価することにおいても、療養病床だけが異なる評価指標を用いていると病院内では、適切な看護配置といったことも難しいのです。これは、病院の病棟全体という観点だけでなく、日本全体で、どういう状態の患者がいるのかということを総体として捉える場合にも不具合が生じるということです。今後の医療行政にとっては、こういった患者の状態像の把握をできることが重要ではないかという意味で、慢性期特有の項目はあってもよいでしょうが、基本を他の病棟で用いている「重症度、医療・看護必要度」を用いることは、合理的であることというのが、申し上げたいことです。

 しかし、現在は、回復期は、入退院時だけになっておりますし、これも経時的な変化を追えるようにすべきではないかと考えます。いずれにしても慢性期については、私は毎日ADLと医療区分を入力するということではなくて、回復期とか地域包括ケア病棟と同様の同じような項目を評価して、他病棟との比較ができるようにすべきと考えております。その場合、毎日、評価すべきかについては、検討すべき課題と思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 今の筒井委員の御提案ですが、私もその方向もありかなと思っています。特にADL区分に関しては、B項目とADLスコアと療養病床のADL区分と微妙に違っているので、これをある程度統一したものでできれば比較もしやすいし、非常にいいのではないかと思っています。

 それから、医療区分に関しても、これは毎日つけているというのは、実は毎日つけていてそれを30日分の中で8割クリアしなさいということがあって今、本当に毎日つけさせられているので、それが1週間単位とか、少し広い範囲でのチェックにしていただければと思います。ただ、これをお願いするということは逆に医療区分2・3の割合の見直しということになるかと思いますので、こちらとしてはぜひお願いしたいところですけれども、そこも踏まえて御検討いただければと思っています。

 本当に今、現場では毎日チェックが非常に看護師の大きな負担になっているので、この際、何らかのことでDPCデータ加算をとる場合にはこういう軽減がありますよというようなことでもいいかと思いますし、その辺も御検討いただいてデータ加算が少しでも進むように、200床未満でも進むような形をとっていただければありがたいと思います。

○武藤分科会長

 御意見ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 今、牧野委員だとか筒井委員の議論を聞いていますと、将来的にこのデータ提出ということは、私は課長にこれは病床について全部やるのかということを時々聞いて、将来的なことについて聞くんですけれども、基本的にはこれはデータ提出で、先ほど筒井先生が言いましたように、いろいろな医療政策に使う統計を持っていくためにはこれは必要なことなのかもしれないですね。

 しかし、DPCの病院の我々が議論しているいろいろな係数だとか、極めて慢性期には不似合いなんです。全く違うと思うんです。手法が全く急性期と慢性期では測るものも違う。ですから、そういったデータ提出ということで、一つの病院では同じ事務の人がやるわけなので、非常に頭の切りかえだとか、項目のちゃんとした整備ということが絶対に必要になりますので、これは先生が御懸念するようなことにいくまでだったらもっともっと議論をしていただかないと、とても全面的なデータ提出みたいなものに日本の医療はならないんじゃないかと私は思うんです。

 この後の看護必要度の問題だとか、看護医療必要度の問題だとか、そういったことも含めてやはり急性期と慢性期では評価の大きな違いがあるので、そこは慎重に議論していかないといけないんじゃないかと思います。

○武藤分科会長

 ごもっともな御議論です。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 次の議論につながる話ですけれども、次の議論でB項目をHファイルだけ残したらどうだという話があって、それとこれと同じような話になって、もしかしたらそれは療養でのB項目はそのままつながるというのはありかもしれません。

 ただ、この医療区分のほうの1、2、3に関して、これも場合によってはDPCデータはつながるのならばつながってもいいかなと思います。

 ただ、今これで療養の1、2を決めているわけですので、頻度は別にして、この区分そのものの見直しと、次の話と、もしかしたらつながる話かなというふうにも思います。

○武藤分科会長

 それでは、次の話題につながるような話という御意見が出ましたので、次の2番目の一般病棟・入院基本料のほうに移りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 武井委員、どうぞ。

○武井委員

 お願いします。重症度、医療・看護必要度のことなので、私が一番に発言しなければと思いましたが、この検証資料を見て、私は実は自分の病院でこのようなことはずっとしてきていて、それは看護必要度をEFファイルで置きかえられるかという検証ではなくて、監査として使えないかということで、違う目的でやってきました。

 その結果や実績も踏まえてお話をさせていただくのですが、重症度、医療・看護必要度は看護量の測定だけではなく、日々の患者の状態の把握と入院患者に必要とされる医療、看護ニーズを明らかにするものだと思っていて、その中で診療明細情報の結果であるEFファイルとは全く性質が違うと思っています。ですから、このような検証を繰り返しても置きかえることはできないのではないかというのが私が思っているところです。

 具体的には呼吸ケアのところに出ていますが、ほかにも創傷処置や、心電図モニターでも同じようなことが言えて、心電図モニターの管理についてはそのモニターをつけるという医師の指示、これはEFでとれるのかもしれないですが、看護師が心電図を常時モニタリングする患者の状態ということはとれないですね。

 この事例はごく一部なのですが、その患者の状態を評価してケアにつなげて結果を出していく重症度、医療・看護必要度と、その行ったことを請求するEFファイルとは全くデータの質が異なっていると、思っているところです。

 また、負担、負担という話がかなり出ていて、評価の負担、看護記録の負担というところが出ているのですが、看護記録においては診療報酬の入院基本料で求められているものです。重症度、医療・看護必要度を評価するために看護記録を正確に記録することは求められていますが、追加でこういうことをしなさいということは求められていない。それが重症度、医療・看護必要度は看護記録が大変と誤解されやすいと感じています。しかし、看護記録の負担というのはこれ以前の別の問題も絡んでいるところであって、逆に重症度、医療・看護必要度の体制の整備を通して既に病院全体で問題として取り組んで、看護記録の整備ができている病院もあると聞いています。ですから、この看護記録や日々の評価が負担であるとすれば、病院としての問題解決に取り組むということをぜひ推奨してほしいと考えています。

結果からいうと重症度、医療・看護必要度は先ほど資料にもありましたが、平成20年度に一般病棟に導入されて、今では病院の経営マネジメントというところで重要なデータとなり、病院の機能分化や、平均在院日数の短縮、看護職員の傾斜配置等にも成果は出ています。

 重症度、医療・看護必要度を毎日測定することで、その急性期医療の日々変化する患者さんの状態が正確に測定でき、患者の状態にあわせて適切な転棟を検討するためのエビデンスともなっていると思っています。患者の医療や看護のニーズに沿った病棟への転棟で患者さんに必要な医療も提供できている。質の高い医療、平均在院日数短縮、医療資源の配分などに、成果が出ていると思っています。

 これは賛否両論ありますが、この基準値を目安とすることで病棟機能を変換する。急性期から地域包括に変換することも促進されているということは、国が目指している病院の機能分化に寄与できているのではないかと、私の意見として申し上げさせていただきます。

 看護職員の適正配置においては、過去にさかのぼると平成18年で7対1が入ったときに建議が行われ、平成20年度に看護必要度を導入したことになっていますが、それ以降も重症度や、患者さんの医療や看護の必要度にあわせた適正な看護配置が継続してできている。それによって、医療の質が保障されていると私は思っています。

 最後になりますが、一概にこのような検証を否定しませんが、検証を進めるのであれば、ぜひ慎重にじっくり時間をかけて重症度、医療・看護必要度と同等の、日々の患者の状態がわかるデータがとれる手法を検討し、検証していただくことを私は希望いたします。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 今の御意見、非常によく私も理解をいたしました。

 ただ、中には例えばA項目の中の専門的な治療の抗悪性腫瘍剤の使用などでは、このファイ係数の解釈はいろいろと議論があるところなのですが、特異度で見る限り、1に極めて近い。すなわち、これが算定されていることがかなり専門的治療をやっているということの確認にはなってきているので、一部の項目については置きかえが十分可能と思われるものが含まれておりますので、そこは一応検証をして進めていただくのはいいのではないかと思います。

 また、C項目については感度が低目に出ているのは、当然この一つ一つの手技が果たしてどの程度当てはまっているかですから、これは低く出ているのですが、それを統合して、例えば開腹手術であれば開腹手術の傾向度を全てリストして、その感度を足し合わせれば恐らく100%に近い値になるのではないかというふうに予想しますし、特異度も1というのは非常に事実高いので、そういう意味ではぜひ検証はしていただいて、置きかえられるものは置きかえるという方向で御検討いただくといいのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 検証の話の前に、59枚目からの位置づけというところ、スライドが3枚続いています。これらの資料は、昨日の夜中に送られてきました。これは、委員の皆さん方も同じですが、余りに間違いが多いので修正をさせていただきたいので、修正の資料を配付してもよいですか。

○武藤分科会長

 事務局、どうですか。

○事務局

 もしよろしければ、口頭でこの部分をこうであるということを御発言いただければ議事録に残りますし、中間まとめまでにそちらのほうで調整させていただければと思います。

○武藤分科会長

 では、口頭でお願いできますか。

○筒井委員

 では、かなり多いので、59枚目の最初からです。「現行の急性期入院基本料」と書いてあるんですが、急性期入院基本料という名称はないので急性期は削除してください。それから、算定要件と書いてありますが、これは施設基準です。「重症度、看護必要度」は平成18年に、病院の入院基本料に関する施設基準であるということは、医療課長通知で出されていますので、これに準拠して、きちんと書き直してください。この通知には、「各勤務帯に配置する看護職員の数について、この重症度、看護必要度にかかわる評価を行って、人員配置を適正な配置数が確保されるように管理すること」とされております。この通知は、平成18年に出ているんです。

 ですから、これらの資料は、事実誤認となると思うのですが、ざっと読んだだけですと、単に、だんだん追加していきましたというような文章として読めてしまうのですが、実は施設基準として、「病院の入院基本料に関する看護職員数を適正に配置する」という目的で平成18年に医療課長が通知として出されていて、それが28年度まで踏襲されているということが最初に書かれなければならないのではないかと思います。ここは修正が必要と思いますので、ぜひお願いいたします。

 次に、この2000年以降ですが、まず特定集中治療室管理料についてです。この管理料を入れる前は、これは65ページにも書いてありますが、ICUの実態調査を医療課がやられました。この調査研究の結果をもとに重症基準という評価指標を開発しています。さらに、その次のハイケアユニット入院管理料についても同様に新たに調査研究事業を実施して、評価指標が創られてきたものです。

ですから、ここに書いてありますように、看護必要度の項目を追加したということではありません。ハイケアユニットについても、日本の病院の実態調査を踏まえて、研究的にエビデンスを示して出された項目だということを明確に書いていただかないといけないと思います。現状の書き方は、事実と異なっています。

 それから、一般病棟の評価指標の開発につきましても「重症度、看護必要度」とハイケアユニットの入院管理料で用いていた「重症度、看護必要度」は、名称は同じですが、評価する項目は異なっております。ですから、わざわざ「一般病棟用の重症度、看護必要度」と記述してきたのです。

 「一般病棟用の重症度、看護必要度」も同様に、医療課が実施した研究調査事業で開発されてきたものです。この資料の書きぶりは、流用や、転用というイメージが強く示されており、事実と異なっております。大変、よろしくないと思います。

 それから、論点というところです。この論点のところで、看護提供の必要性についてと書いています。ここは「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」は本来、急性期の医学的管理や患者の状態に応じた看護提供の必要性についてを評価するものである。とすべきで、これ以下の「”入院基本料の報酬算定に反映させる”ために実施するものであり」というのは、間違っているので削除していただきたいと思います。

 さらに、その次の「医療機関によっては報酬算定の手続きとしてしか「重症度、医療・看護必要度」が使用されず」というフレーズは、何か根拠があって書いておられるのでしょうか?こういった不明確な内容を書くべきではないという意見を申し上げておきます。これは、もしかしたら委員の発言かもしれないんですけれども、もしそのような病院があったとすれば、先ほど申し上げた施設基準等の内容を熟知していない、あるいは厚労省が周知させられなかったという問題提起ということになるので、そのような趣旨に書き直していただければと思います。

 今、いろいろ細かいことを申し上げているのですが、現行の「重症度、医療・看護必要度」の項目というのは先ほど武井委員がおっしゃられたように、急性期にふさわしい患者がいるから、入院基本料もまた急性期にふさわしい支払いがなされるという構造にしていかなければならないわけです。

 そういった意味で急性期特有の状況を反映できる項目とすべきと考えます。急性期特有の状況というのは、すなわち、患者が日々、それから日内変動が激しいという特徴があるということを根拠として示される項目とすべきです。また、この変動を考慮した適正な配置管理が病院内で行うことができるという指標が望ましいのであって、DPCで置きかえられる、置きかえられないという議論をするような中身ではないと考えます。両者は、まったく異なったものを示しているわけで、このことは、私は前回も申し上げましたし、今回も強く申し上げたいと思います。

 それで、中間報告書も今、配付されていますが、この重症度、医療・看護必要度の位置づけのところについては、先ほど、細々と申し上げましたような修正をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 それでは、今の御意見を踏まえてですが、シミュレーションに関してはどういう御意見ですか。

○筒井委員

 私は、時間の無駄だと思っています。ほかにも議論すべきことがたくさんこの部会ではあるんじゃないかと思います。この「重症度、医療・看護必要度」とDPCについては、異なる内容を評価しているわけで、そもそもシミュレーションという言葉は誤用です。そして、これについては、議論を尽くしたというふうに考えています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。それでは、ほかにございますか。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 まず私の認識でいきますと、重症度、医療・看護必要度は看護配置だけを目的にしたものというふうには理解していないんです。これは急性期らしい重症な患者像を把握するためのもので、その結果として看護配置も考えていきましょうというふうに理解しているんですけれども、そういった観点に立ってシミュレーションも含めて発言させていただきます。

 まず、このシミュレーションは、私はぜひともやるべきだと思っています。前回も言いましたけれども、現場の負担はかなり大きい。ですから、その負担を軽減するために既存のデータを活用することを行っていただきたいということです。それで、A項目、C項目、これはEファイルからのデータをかなり私は使えるんじゃないかと思っています。

 ただ、今回の資料にも出ていますように、Eファイルと、特にA項目が乖離する部分というのは確かにあるんです。これは、筒井委員のおっしゃった看護師の配置、病棟看護師の配置ということが背景にあると思うんですけれども、例えば創傷処置ですが、これを病棟でそこにいる看護師さんないしは医者が病棟の看護師さんを使って創傷処置を行った場合には評価されるんです。A項目1点になるんです。

 ところが、同じ病棟で行ったとしても、医者が例えば外来の看護師さんを連れてきて処置を行ったら、これは1点にならないんです。ただ、創傷処置として診療報酬上はカウントできる。ですから、これは患者像ではなくて看護師さんの仕事を評価しているというものになります。同じように処置を外来で行ったとしても、それはカウントされない。ですから、もともとEファイル、FファイルとこのA項目の1点との乖離があるのはわかっている話なんです。

 ただ、こういった調査をすることで、その患者さんが患者さんとしてどの程度重症なのかということはわかると思います。ですから、そういった観点からこのシミュレーションはぜひとも行うべきだと思います。

 あともう一つ、Eファイル、Fファイルを利用するということになっているんですけれども、そうすると一部とれないものも出てきます。例えば56こま目ですね。ここで救急搬送後の入院に関して救急搬送診断料というものが出てきているんですけれども、例えばこれはDPCの様式1には救急車で搬送される患者というのは出てきますから、これを使えば簡単にわかる話です。ですから、Eファイル、Fファイルにこだわらず、DPCでとれる全てのデータを利用しながら、より正確なものをつくっていくということが必要かと思います。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。そのほか、シミュレーションに関していかがですか。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 さっきの議論で、私も重症度、医療・看護必要度は武井委員がおっしゃったように恐らく看護のマネジメントとしては極めて重要で、非常に有用な指標だと思います。ただ、それと診療報酬とをつなげることについて、私は何らかのシミュレーションは必要であるというふうに思います。

 それで、2年前のときから申し上げておりますけれども、急性期医療とはというところから本質的に問題をもう一回考え直さなければいけないと思うのですが、先ほどおっしゃったように日内変動とか、毎日、日ごとに非常に変化が激しいのが急性期医療であって、ただ単に手数がかかるだけのものが急性期医療ではない。その辺の日内変動、あるいは毎日の変動をつかめるような項目をDPCから選んでいって、そこから組み立てるというようなシミュレーションもありなのかなと思います。

 それで、無駄かどうかはやってみなければわからないのではないか。やってみなさいというほうが私は賛成でありまして、もちろんいろいろな労力がかかることは重々承知ですけれども、この中の統計に詳しい委員の方もきっと協力いただけると思うのです。私どもとしてはDPCデータが急性期医療の評価というものにつながるのならば、そういったシミュレーションはやってみて、その結果としてどうもいかなかったらやめればいいし、いけばその方向でいくというようなことになると思います。

 そういった意味では、恐らく来年の4月までにやれというのはなかなか難しいのかどうかわからないですけれども、少し時間もかかるのかなという気もいたします。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 では、藤森委員どうぞ。

○藤森委員

 ありがとうございます。36ページ目をもう一回見ていただくとよろしいのですけれども、基本的に急性期の患者特性をどう捉えるかというのがまさにここの眼目で、例えばこのA項目は大項目で8つあるわけですが、それぞれのいろいろな患者像というのを軸で押さえていくと8つの軸がある。それを診療報酬の算定の項目から起こしていくということで、必ずしも完全対応を求めるのではなくて、この軸に沿ったような意味合いというものを算定の項目から拾っていくのが私は正しい方向だと思います。

 それで、例えばモニタリングのところは少し弱いですから、もしそれがとれないということであればむしろそれはB項目に回してしまっていいんだろうと思います。ですから、Aは純粋に診療報酬だけでいきましょう。それでもし評価できないものがあるのであれば、それは手探りでやるしかないのであればBでいくという整理をすると、かなりここはきれいに理解できるかと考えております。

○武藤分科会長

 では、林田委員どうぞ。

○林田委員

 シミュレーションに関しては私もぜひやったほうがいいと思っているんですけれども、例えば50枚目のところは説明の中でC項目に関しては日数処理していないという話で、そのため今、非常に感度が低いという結果なのですが、例えば3日間とか5日間とか、そういう項目については、ぜひそのような処理をしていただくと、もう少し感度も上がってきてファイ係数も上がるのではと思っております。

○武藤分科会長

 岡村委員、どうぞ。

○岡村委員

 今のEFファイルと報酬区分との関係ですが、AとBとCとは全く別の性質だと思います。今の50枚目のものでいくと、例えばファイ係数というのは要は疾患というか、あるいは術式の頻度を見ているだけであって、低いのは当たり前だと思います。例えば53枚目の呼吸ケアと酸素吸入、これのファイ係数が高い。これはすごく意味があることだと思いますが、このC項目の開頭、開胸、開腹というのはただ頻度のことだけをあらわしているにすぎないのではないかということが1つです。

 それからもう一つはB項目ですが、例えば42枚目の口腔清潔が該当、非該当、ともに多いですが、口腔清潔というのは結果的にはほかの寝返りだとか、衣服の着脱だとか、それとかなりダブっていると思います。だから、A項目とかC項目というのはそれぞれ独立した因子だと思いますが、B項目の場合はかなり相乗効果というか、影響しているので、A、B、Cは別に評価する必要があるのではないかと思います。

○武藤分科会長

 田宮委員、どうぞ。

○田宮委員

 シミュレーションの議論なんですけれども、本来論でいうと医療ニーズがあるからモニターが必要で、モニターするから看護が必要になるということなので、本来は全く別物ではないはずなんです。だから、そういうことを一度検証することはやはり必要で、それでそぐわないところや乖離するところがあればそれは見直したりすることもできるでしょうし、今回の強みはデータがあるので組み合わせができるということです。

 だから、いろいろなデータの中で組み合わせをやってみると、今挙げてくださったのも53ページ、54ページで見ると組み合わせでやるとファイ係数は上がっていきますから、適切なものを組み合わせて、例えばどれかを抜いてみて下がるかとか、そういうこともある程度数字の上ではできると思います。むしろ今の医療が本当にモニターも含めて、その後の看護も含めた重症度というものがどの程度把握できているかということにもなると思いますし、そうなっていなければ長い目でいろいろ見直さなければいけない。ちょっと大きい話ですけれども、今回データがあるので医療ニーズ、看護ニーズというのは必ずしも分断するものではないし、もっと看護ニーズも含めた医療ニーズであるべきでもあるし、そういう検証を私はぜひ勧めてほしいと、そういう視点で思っています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 先ほどの筒井委員の61ページの論点のお話ですけれども、この論点の中の3つ目、4つ目の「○」についてはこういう意見があったということで、私なども記憶していますし、実際にこういうことが言われているというのは事実だと思います。

 それで、先ほど武井委員のほうからも、この重症度、医療・看護必要度を用いて自分の病院の中で自分たちの看護の振り返りみたいなことも含めて、看護業務として非常に生き生きとおやりになっているというのは聞いたんですけれども、これは結構いろいろな病院でそういうふうに実践しているのではないかと思っています。

 しかし、あくまでも看護の視点というのはもっともっと複雑な視点が業務の中であると思うので、これは言ってみれば急性期病棟の中での一つの測り方、測定の仕方ということで私などは考えています。これは、私の意見です。

 そうやって非常に多くの方が自分たちの設備というか、人員の投入と、その中の患者さんの重さといいますか、そういったものでどういう働き方をしているのかということを測るためにこういうものがあるわけですけれども、今回そういうシミュレーションみたいななことでファイだとか、そういうものを用いてこういうものが表現できるということであるならば、それはこれからの時代では必要なことなのかなとも思います。

 ですから、ファイ係数が0.72だとちょっとどうかなということであっても、少しいろいろ工夫してほかの指標を持ってくると、0.77とか少し上がってくる。1に近づいてくるということがあるならば、そういうこともあり得るかなということで、シミュレーションについてはもう少し研究して出していただきたいと思います。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 私は専門家ではないので恐縮ですが、DPCデータを活用したほうが患者の状態をより客観的にあらわしているのではないかと思います。事務局案にあるシミュレーションを行い、仮に、現行の重症度、医療・看護必要度の測定結果との一定の乖離が出た場合は、またさらに検討を深めていくという方向で進めていただければと思います。

 次に、資料に関連いたしまして、我々がかねてより要望してきました、重症度、医療・看護必要度の基準に該当しない患者のデータを示していただきまして、本当にありがとうございます。7対1病棟につきましては、基準に非該当の患者であっても退院困難な患者が一定程度存在するということは理解しておりますが、患者の状態像に即した評価を行うという観点から、基準に該当しない患者の状態などを把握する必要は非常に重要だと考えております。そこで、今回も幾つか示していただきましたが、さらにより詳細に非該当の患者の状態を分析してほしいと思います。例えば、非該当患者の傷病名や平均在院日数、A項目1点やB項目1点などの点数が低くて在院日数が長い患者について、退院できない理由との相関関係など、もう少し踏み込んで分析していただき、患者像がわかるようなデータを示していだたければと思います。

 こういったデータをもとに、7対1一般病棟における施設基準の妥当性について、今後中医協で検討を進めていただければと思います。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 シミュレーションが時間の無駄というふうに言いましたが、そもそも誤解があると思うのは、DPCが客観的だというのは、看護必要度が客観的でないというふうな感じで聞こえます、それはそのように思われている理由というのがあるのでしょうか。看護必要度のデータというのは定義に従った診療の補助というのと、それから療養上の世話という入院医療における中核となるプロセスを訓練された看護師が評価しているものです。そして、これを結果としてあらわしたのがDPCの評価だというふうに考えるのであれば、どちらも客観的と考えるべきではないかと思います。いかがでしょうか。

○本多委員

 先ほど武井委員がおっしゃった事情も理解しますが、重症度、医療・看護必要度の評価については、病院によって様々な違いがあるのではないかと思いますので、客観的なデータに基づいて評価していくということが必要なのではないかと思い、申し上げました。

○筒井委員

 そういう意味では、DPCは、今はおおむね3カ月後に確定できる仕組みになっていますね。これを早くしたとしても、日々の変化のデータと、どういうふうに置きかえるか。置きかえるということをシミュレーションというふうに誤用されているわけですけれども、そもそも違うものを測っていて、しかも測定方法も異なるデータですので、シュミレーションという用法はおかしいです。「重症度、医療・看護必要度」とDPCがほぼ同じ法則によって算出されているわけではないので、いわゆる他のシステムやコンピュータなどによって模擬するというシミュレーションの意味を取り違えています。まあ、表現すれとすれば、分析するということについては良いのでしょうか。

 DPCのデータを否定しているわけでもありませんし、DPCのデータを使って医療機能区分というものをやっていくということにも賛成しているわけですけれども、急性期で今、使われてきた看護必要度のデータは、先ほども申し上げましたように18年度から施設基準ということで始まって、日々の医療とか看護の適正化を図っていっている非常に重要なツールなので、全く出自の異なる、データの質が異なるもので、置きかえるという考えには賛成できないという意見です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 大分時間もたちましたので、そろそろこのシミュレーションの議論をまとめたいと思いますけれども、確かに筒井委員の言われるような御異論もあるとは思いますが、この分科会としては委員の皆さんの大勢を占めたシミュレーションを行うというとりまとめで行いたいと思います。

 ただ、その場合、やはり事務局の提案にあるように、補正を行った上でシミュレーションを行い、そしてそれをまたこの分科会でもって議論をするという方向でとりまとめてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、どうぞ。

○田宮委員

 時間もないところ、済みません。今、筒井委員が置きかえというふうにおっしゃったのですが、置きかえられるかどうかをまず検証するということですね。やはり看護必要度がこれだけ皆さんの努力で客観的なデータがあるということはすごく強いので、それとメディカルのほうのものとやってみてどこが置きかえられるのか、どこができないのかということを検証するという意味は意義があると思います。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 今回の論点を補足させていただきますが、何人かの委員から御発言がありましたように、もともと入院基本料の評価としてどうあるべきかということで、平均在院日数と、必要度と、配置と、あとは在宅復帰率というのが要件になっていますねという、それぞれの違いですとかがある。

 それで、何を見ているかということと、どうやって測定しているかというのを最初の回で整理をさせていただいて、今この重症度、医療・看護必要度については特に急性期の患者さんの重症度ですとか、看護の必要量というところを視点にしているということと、あとは測定方法として毎日病棟で測定していただいていますけれども、診療報酬のほうでの基準で合っているかどうかというのはまたちょっとフェーズが違います。

 そういう意味では、このDPCで出していただいているデータで、その基準値に達しているかどうかというのを見ることができるのであれば、日々使う分ということと、その請求のための測定というところはちょっと意味合いが違う部分もあるのではないかということで、ある程度の傾向が見られるのかどうかということをシミュレーションで見るということなので、今、評価している項目をそのまますげかえるということではなくて、今、評価で見られているものがこちら側から見てもある程度似たような形になるかどうかを確認してみてはどうかということで、今回シミュレーションを御提案したということです。

 それで、項目がどうかというのは、さらに今回そういうシミュレーションの中で、田宮先生がおっしゃるように、それぞれの該当性みたいなものはきょうお示ししたようなものでは見ることができるので、もし実際に該当患者割合というものがこちらから見たときにも似たような形で出るけれども、やはりずれる人がいたときに、なぜずれるかという分析はどの項目がということになると思いますので、それはそういう形で御提示をして御議論いただければと思います。

 測定法ということと、急性期の入院医療の評価としてどうかということと、2つの観点があって、前者について完全一致しないものを使うんですけれども、ちょっと似たような形でまた捉えられるのかどうかというのを見てみてはどうかという趣旨でございます。

○武藤分科会長

 そうですね。まずはシミュレーションをして、その妥当性をここで検証するということになると思います。

○筒井委員

 今、事務局がおっしゃたことは、シミュレーションの妥当性ではないですね。別の観点でやるというふうにおっしゃったと思いますが、それは、つまり、現行の「重症度、医療・看護必要度」とDPCで示された結果という違う性質のデータを単に、ただただ置きかえるというお話ではありませんよとおっしゃいました。このことは、妥当性の話とは別の話だと思います。

○武藤分科会長

 わかりました。いずれにしても、シミュレーションを行うに当たっての項目の原案に関しては、関係の統計に詳しい委員の皆さん方の目を通させていただいた上で実施するということでいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○池端委員

 1点だけ事務局に御質問させていただきたいのですが、私のイメージが合っているかどうかわかりませんけれども、もしこの置きかえを補正しながらやっていったデータというのは今、何度も本多委員がおっしゃったように非該当の病院がどういうパフォーマンスをしているかということを段階的に見られるようなデータが出ると考えていいのでしょうか。そうではないのでしょうか。いわゆる重症度、医療・看護必要度は25%カットオフがいいのかどうかというところとか、非該当の病院がどういうパフォーマンスをしているかとか、今よりもっとよくわかるようなデータが出るのでしょうか。

○事務局

 シミュレーションに。

○池端委員

 シミュレーションした場合、そのシミュレーションの。

○事務局

 今、想定しているシミュレーションは、こちらでお示ししたような報酬項目で読んだ、該当、非該当を読んだ場合に、医療機関単位で該当患者割合のパーセンテージがどう変わるかということを全体の分布で見て相関するかどうかということです。

○池端委員

 ここでカットオフがどう相関するかということですか。

○事務局

 ですから、該当、非該当の判定もシミュレートした項目で見てみるということです。

○池端委員

 わかりました。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 確認したいと思いますけれども、全ての項目がファイ係数1に限りなく近くなるということは最初から求めていないということでよろしいですね。ですから、場合によっては新しい項目の評価が非常に今よりも緩かったら重症度、医療・看護必要度はできれば25%相当は上げざるを得ないかもしれないし、逆に新しい項目が厳し過ぎるようだったら重症度、医療・看護必要度25%相当は今よりも下げるような、ちょっと多変量で見るような視点をぜひよろしくお願いしたいと思います。

○武藤分科会長

 よろしいでしょうか。シミュレーションに関すること以外で、先ほどの一般病棟・入院基本料に関してほかの議論、補足はございますか。

 なければ、次の3番目の「療養病棟入院基本料について」に移りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 75コマ目以降のデータを見ると、リハビリの提供量よりも提供頻度が高いと在宅復帰率が高いという傾向が示されております。このデータを踏まえて、今後、リハビリの提供頻度といったアウトプットを求めていくのであれば、やはりリハビリ職の配置といったストラクチャーと、在宅復帰率のアウトカムの両面を評価軸として検討していくべきだと思います。

 それから、療養2については30年度以降の経過措置の取り扱いが課題となっておりますが、85コマ目に示されておりますように、医療区分2・3患者割合の分布にばらつきが見られることを踏まえると、スムーズな転換や移行を促すような算定要件のメリハリについて、今後検討を行うべきではないかと思います。

○武藤分科会長

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。今、本多委員の触れられた部分でもあるんですけれども、こまで言いますと75こま目、78こま目、79こま目なのですが、これは議論をするに当たっての資料としては若干つくり方に問題があるかと思っております。いずれも中身の患者像が十分コントロールされていないような気がするのです。これは確認なんですけれども、要するに医療区分とかADL区分が違えれば当然効果も違ってきますし、そのあたりのマッチングというか、コントロールがきちんとできた上での資料なのかどうかということを確認させていただきたいですし、そうでないならばそれをきちんとコントロールした上で効果を見ていかないといけないかと思います。

 特に、75こま目でしょうか。配置との因果関係というか、あくまでもこれは相関ということですし、先ほどの御説明のときにもちょっと資料2という話がありましたので、その辺は多分配慮されていると思うんですけれども、ある程度、因果関係を想定して議論を進めたいのであれば、今これはサンプル自体がかなり少ないので、この資料だけで議論を進めるのはどうなのかということを思うんですけれども。加配の前後ですね。つまり1人から2人にふやした段階でどの程度パフォーマンスが変わったのかというような形で評価をしないと、今の資料3つだけで、92こま目の一番下の2つ目でしょうか。在宅復帰率が使用頻度と提供量の関係で高い、低いというのを議論するのは若干無理があるんじゃないかと私自身は考えます。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 御指摘ありがとうございます。なかなかこの調査票で、こちらの使ったデータで患者さんのADLの状態を平準化して比較するのはちょっと限界がございまして、もしやるとしても医療区分2・3該当割合が何%の病棟でというのを平準化するくらいかと思うんですけれども、それは限界があるということでございます。

 ただ、医学的にといいますか、そういった療養病棟にいる患者さんでリハビリを提供するあり方として、1回の量と、小まめにかかわるのと、どちらのほうがいいかというデータにはない実際にどう現場でなされているかということとあわせて見て、これがこういうふうに読んでいいのかどうかというところを、きょう御意見をいただければという趣旨でございます。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。

 では、石川委員どうぞ。

○石川委員

 だから、それは読めないでしょうと言っているんです。要するに、原因となる基礎疾患だとか、そういったものも全然わかっていないし、これだけで在宅復帰率とか、そういったものは見られないだろうと言っているんです。だから、もっと詳しくやっていただかないと評価できないと思うんです。

○武藤分科会長

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 療養病棟の医療区分の変化について、92ページのところに課題というか、医療区分は変化しないということをどう考えるかということが問題提起されておりますが、70ページとか71ページを見ますと、確かに医療区分は変わらないという患者さんは多いわけですけれども、療養1と療養2を比べると、療養1のほうが医療区分が改善している患者さんが少ない。療養2のほうが改善が多いということがありまして、これが例えば同じ医療区分2とか3の患者さんでも患者像が微妙に違ってこういうことが起きているのか。どのようなことが改善して医療区分が上がったのか。

 もちろん難しい患者さんも多いことは承知しておりますけれども、医療区分が改善をするということがどういう状態の変化であり、両方の療養1と療養2で何が違うのかということは分析をする必要があるかと感じました。

 もう一つは、これは施設基準であるとか報酬の設定も、当然のことながら医療区分が重いというか、高いほうが高くなっているのですが、いわゆる改善を促すためのインセンティブという点からいきますと必ずしもそういうふうにはなっていないので、そういったインセンティブについて今後どう考慮していくかということも課題かと感じました。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 では、林田委員どうぞ。

○林田委員

 ありがとうございます。今、リハの提供状況について、1回当たりの提供単位、あるいは1週間当たりの頻度に関する在宅復帰率の話がありましたけれども、菅原委員がおっしゃっていたように基礎疾患、あるいはもともとの状態という部分の考慮は必要だと思います。あとは例えば1回当たりの単位数と1週間当たりの回数について1週間当たりの回数が多いほうがいいんだというふうなデータになっているんですけれども、1週間当たりの回数といってもその1回当たりがどれくらいなのかということと関連させて考えないといけないのかなと思います。

 例えば2から4単位未満のNは31で、1週間当たり6回以上のNが32ですが、もしかしたら1日当たりの提供単位数が多いところがさらに頻度もやっているみたいな形になっている可能性もあります。その辺りについては分析されているのでしょうか。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 これは各データとしてクロスをとれるかどうか、ちょっと確認するんですが、既にこの状態でN数が大分少なくなってきているので、さらにクロスをして比較というのも難しいのかなという印象でございますが、確認をさせていただきます。

○林田委員

 クロスで比較するというわけでなくても、それぞれどんな組み合わせで分布しているのかだけでもちょっとわかると、もう少しわかりやすいのかな、議論しやすいのかなと思いました。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 今、委員の方々が御指摘されているように、このデータで物語をつくることはできるかもしれませんが、分析はちょっとできないということだと思うんです。

 それで、やはり一番、重要なのは89スライドで、在宅復帰率とかというのを考えたときに、結局、療養型におられる方々は、どうもリハをたくさん受けているからとか、そういうことで入院をしておられるわけではないようだということが、一番、わかりやすく示されていると思うのです。これらを捨象して分析をすると、療養病棟には、どのような医療的なサービスを付加すべきかを考えたとすると、それは、果たして、リハなのかどうかということが問われていると思うのです。

 それについては、療養型の実態を御存じの先生方はたくさんおられると思うので、何かほかにも、よい方策があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 私は、ストーリーは池端先生にお願いしますが、おっしゃるようにリハビリの回数と、在宅復帰率がアウトカムだとしても、この在宅復帰率は本当にリハビリの回数だけではないような気がしてならないので、Nの問題もありますけれども、恐らくアウトカムをどこに持っていくかというのは、もしリハビリで見るならばやはりFIMとか、そちらでアウトカムを見ないと在宅復帰にかかわる因子がいっぱいある以上は大変難しいのかなと思います。

 恐らく入退院のときにも出てきましたけれども、同じリハビリでも逆に今度は帰ってからのリハビリとか、訪問リハとか、あるいは地域での介護系のサービス等々もまたきっと関係するんだろうと思ってしまいました。

 それからもう一点だけ、療養2について今回非常に多様性があるということが出てきて、私は正直申し上げまして療養2はみんな30年から介護医療院に行くのかと思っていましたけれども、これは非常に多様性があるということがよく今回のデータでわかりましたので、その辺のところの介護医療院へ行く療養2と、それからそうじゃないやはりここで医療としてやっていかなければいけない療養2と、前の有床診ではありませんけれども、類型が分かれてくるのかなという印象を受けました。私は、その辺で類型別するといかがでしょうかというふうに提案したいと思います。以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。そろそろ時間の関係で次の「中間とりまとめ」に移りたいのですが、最後にどうぞ。

○池端委員

 どうしても私は言わなきゃいけないと思うので、ストーリーとしては非常にできたストーリーだと私は思っていて、統計学的に有意差がないかどうかというのは専門の先生方にお任せしますけれども、実際に療養のリハというのは今は当たり前のように入院当時から、例えば肺炎で入院したり、骨折で入院したり、当時からリハを提供するというところが明らかに退院が早くなるということは感覚的にも持っていますし、多分統計的にも出るんじゃないかと思っていて、これがその人のデータかなと思っています。

 しかも、それは2単位を1回でやるよりも小まめにやっていく。地域包括ケア病棟でPOCを推奨しているように、本当に頻回にちょっとしたADLを常にリハがかかわってやっていくということがアウトカムにつながっているというのを感覚的にもストーリー的にも感じているので、ぜひこれはそういう意味での療養病棟のリハのあり方ということの一つの考え方にしていただければと思っています。

 それから、70ページの医療区分の2カ月後はどうなったか。確かに、意外に療養2のほうがよくなっているよねと見られてしまうかもしれませんけれども、実際に20対1、25対1という看護配置、特に25対1の看護配置基準で本当に重い患者をどんどん見ているかというと、そういうイメージは余りない。中には、そういうパフォーマンスをやっているところもありますが…。

 ただ、実際に医療区分2・3が8割以上という療養1ではかなり重い患者、1項目だけではなくて恐らく2項目、3項目かかわっている方もかなりいらっしゃって、どうしても医療区分3が2カ月後は70%だということはあり得ると思います。

 ただ、先ほど池田委員もおっしゃったように、一生懸命頑張って2に直したら、あるいは1に戻ったら、その後すぐ退院させなきゃいけないということもありますが、かと言って無理やり治療しないというわけではない。ここは、何らかのインセンティブがそこにあると、ひょっとしたらもっと頑張れるのではないかという気はしています。

 最後に、何度も私は言っているんですけれども、85ページの療養1と療養2の基準ですが、療養2に関しては昨年4月に50%というカットオフが出て、それでもやはり満たせない方が出る。でも、先ほどいろいろなデータがあるように、療養2でも結構重い患者をある程度見ている病棟があって、行きたくなくて介護医療院に行かないんじゃなくて、本当に医療療養病床で診るべき患者さんがいるから行けないというところもあると思うので、やはり13対1、15対1と同じように病院の中でもいろいろなパフォーマンスを持っている。これを全部潰すという考え方は無理だと思うので、療養病床として生き残れる対策の一つについては、療養2が施設基準として看護配置基準を満たしたとしても80%を満たせないというところもあるので、この点に関する何らかの救済とか、そういうこともここの図から見ると考えていただければと思っています。

 これは、意見です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、「中間とりまとめ」のほうに移りたいと思います。まず、御説明いただけますか。

○事務局

 それでは、入-2の中間とりまとめの案の資料をごらんください。こちらの中間とりまとめは、今回の今年度の入院医療等分科会についてこれまでの分を中間的にとりまとめ、一旦、中医協の基本問題小委員会のほうに報告するためのものということでございます。

 なお、きょうの議論はまだ入っておりませんので、きょうの議論の部分は点線できょうの分を挿入という形で、きょうまたここでも御意見をいただいて少し修文もして次の会で御確認いただくという予定のものでございます。

 1ページ目が目次のラインアップになっていますが、今回取り上げた主な議題をそれぞれのテーマごとに整理をしてございます。

 2ページ目以降は、例えば1.の急性期入院医療のところを見ていただくと、まず1-1のところで算定病床の動向ということで、この分科会で出させていただいたデータについてピックアップをして書いておりますし、3ページ目の(1)の「重症度、医療・看護必要度」のところについてはきょうまた御意見をいただきましたので、少し修文をいただいた御意見を踏まえてさせていただいて、またきょう出たほかの御意見については追記などもさせていただいてという形を考えております。

 4ページ目は、きょうの検証に関しての御意見というところをまた追記させていただこうと思っております。

 詳細は御説明しませんが、きょうこれをまたお配りしますので、次の会の前までにまた事務局から改めて御連絡しますので、修文、意見なども御意見をいただいて次の会に御提示をさせていただきたいと思っております。

 御説明は以上で、きょうこの場でここを直してほしいという御意見があれば承って、また会議後も数日の間に調整させていただきますので、後でも結構ですのでよろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 きょうこの場で何か御意見がある方、追加等の御意見がある方はいらっしゃいますか。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 中間とりまとめの1.急性期入院医療についての「重症度、医療・看護必要度」のところで意見を述べたいと思います。急性期入院医療につきまして、まずは28年度改定の附帯意見に基づき、重症度、医療・看護必要度の評価指標の妥当性、合理性について、データに基づき十分検証するという内容を盛り込んでいただきたいと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 3ページ目は、先ほど修文の話を詳しくさせていただきました。先ほども申し上げましたが、急性期入院基本料という言葉はありませんので、入院基本料に修正してください。それから、「重症度、医療・看護必要度」については、開発の経緯を含めて、細かい点が口頭だけでは、うまく伝わらないようなので、それについては修正の中身をまた事務局とお話させていただければと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。

 どうぞ。

○事務局

 先ほどの本多委員の御意見なんですけれども、附帯意見に関しましては急性期入院医療だけでなくて、例えば地域包括ケア病棟や、回リハ病棟や、総合入院体制加算ですとか、全体に関係しますので、1ページ目の最初のリード文に既に28年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見のうち、入院医療に関する事項をやっているということで、全体で受けていますので、個別に改めては書いていないという整理にさせていただいております。

○武藤分科会長

 それでは、この後にも事務局のほうに御意見を寄せていただけばよろしいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 では、次の「その他」に関して、事務局から御説明いただきたいと思います。

○事務局

 それでは、「その他」の事項として、既に委員の皆様には事前に御相談していますペーパーレス会議の開催についてでございます。

 本日、傍聴の方もいらっしゃるので、この場で改めて御説明させていただきますが、厚生労働省では来年度からペーパーレスにすべく今、試行的に会議のほうでペーパーレス開催ということを準備させていただいております。それで、当入院医療のこの分科会につきましても、次回からペーパーレス開催を試行させていただきたいと思っております。

 資料については前日までに各委員の皆様にはメールでお送りするとともに、ホームページのほうにも前日にアップをさせていただいて、この場ではこのパワーポイントについてはペーパーレスということですか、パワーポイントと本文を両方見るような場合は、本文の部分のみは紙でお配りをさせていただこうと思っております。

 あとは、デバイスを準備する関係なんですが、省内の会議室であれば厚生労働省のデバイスを各委員のお手元に準備できるのですが、省外の会議室ですとそれが難しいということなので、先生方には大変恐縮ですが、御自分のデバイスに前日にダウンロードしていただいてお使いいただければと思います。

 大変恐縮ですが、ワイファイ環境も整っておりませんので、事前にダウンロードして開けるかどうかを御確認いただいてお持ちいただければと思います。ですので、今回事前にお送りしている資料が御自分のデバイスで動くかどうかということをもし御確認いただいて、不具合等がございましたら次回の会議開催までに事務局のほうにお申しつけをいただければと思います。

 試行期間ということで御不便をおかけする点もあるかと思いますが、業務の効率化や紙の削減ということもございますので、御協力のほどをよろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 今の御提言に対して何か御質問、御意見はありますか。

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 特に異論はないんですけれども、ワイファイ環境が整っていないとしても電源が途中で落ちてしまったりすると非常に困るんですが、そういう電源のサプライについては若干配慮していただければ大変ありがたいと思います。

○事務局

 確認をさせていただきますが、難しい場合も会議室の環境であるかもしれないので、十分に充電をしてよろしくお願いします。

○武藤分科会長

 よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議論は以上ですが、課長どうぞ。

○医療課長

 医療課長でございます。本日も、非常に活発な御議論ありがとうございました。非常に重要な案件を御議論いただいていると思いますので、私ども大変参考にさせていただきながらしっかりこの先の議論をさせていただきたいと思っております。

 それから、筒井委員が御指摘の部分につきましては御指摘のとおり、行政用語としては本来、正確ではない用語があったというのは、むしろ我々が気をつけなければいけないところを御指摘いただいているということで大変恐縮でございます。

 趣旨としては、わかりやすくということであったのですが、余り霞ヶ関文学的にするのもどうかと思うのですが、一方で御指摘のとおり用語は正確であるべきだということでございますので、事実関係を含めてそこはしっかり精査させていただきたいと思っておりますので、御指摘本当にありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 それでは、本日の議論を踏まえて事務局のほうで中間とりまとめ案の整理をしていただいて、次回この場でまた議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、平成29年度第7回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会はこれで終了させていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

 


(了)

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