ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護保険部会)> 第75回社会保障審議会介護保険部会 議事録(2019年02月25日)

 
 

2019年02月25日 第75回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

   平成31年02月25日(月)13:00~16:00

 

○場所

   ベルサール半蔵門 ホールA
   (東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル2F)

○出席者

安藤、石田、石本、伊藤、井上、江澤、遠藤、大西、岡、兼子、河本、久保、
黒岩(代理:川名参考人)、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、鈴木、武久、津下、野口、花俣、
濱田(代理:小原参考人)、東、藤原、桝田、山際の各委員
 

○議題

   (1)介護保険制度をめぐる状況について
   (2)その他
   

○議事

○黒田総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第75回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。しばし進行を務めさせていただきます、総務課長でございます。よろしくお願いいたします。
まず前回の会議から委員の御異動がありましたので、新任の委員の方々を御紹介させていただきます。
公益社団法人全国老人クラブ連合会理事の兼子久委員でいらっしゃいます。
あいち健康の森健康科学総合センターセンター長の津下一代委員でいらっしゃいます。
早稲田大学政治経済学術院教授の野口晴子委員でいらっしゃいます。
続きまして、事務局に異動がございましたので、主立った者を御紹介させていただきます。
まず老健局長の大島一博でございますが、現在、国会対応中につき、用務終了後にこちらにまいりますので、若干遅れての参加になることを御容赦ください。
続きまして、大臣官房審議官(老健担当)の諏訪園健司でございます。
大臣官房審議官(医療介護連携担当)の山本麻里でございます。
その他の事務局につきましては、お手元の配席図を御確認いただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
報道関係の方々には、冒頭のカメラ撮影等々はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、以後の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。


○遠藤部会長 皆さんこんにちは。ほぼ7カ月ぶりの開催でございます。御紹介にありましたように、委員の顔ぶれも少々変わりましたので、改めてよろしくお願いいたします。
さて、部会長代理につきましては、社会保障審議会令により部会長があらかじめ指名することとされております。部会長代理であった岩村委員が御退任されたため、野口委員に部会長代理をお願いしておりますので、御報告を申し上げます。
本日の出欠状況ですが、本日は黒岩委員、濵田委員が御欠席です。
黒岩委員の代理として川名参考人(神奈川県福祉子どもみらい局福祉部長)が、また、濵田委員の代理として小原参考人(日本介護支援専門員協会副会長)が御出席でございますので、お認めいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入る前に、本日の資料について事務局から確認をお願いします。

○黒田総務課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
その前に委員の皆様には事前にお伝えさせていただいておりますが、厚生労働省では審議会等のペーパーレス化を推進しておりまして、今回の会議もタブレットの御用意という形で開催させていただきたいと存じます。
タブレットの資料の確認方法、資料のめくり方等につきましては、お手元の資料をごらんいただければと存じます。また、操作等で御不明な点等がありましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、当方までお知らせいただければと存じます。
また、今日の進行上、複数の資料を交錯してご覧いただくような場面もあろうかと思いますので、あわせて先生方の机上に紙の形での資料も置かせていただいていることを御報告させていただきます。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
資料1「今後のスケジュール(案)について」。
資料2「主な検討事項(案)について」。
資料3「介護保険制度をめぐる状況について」。
資料4「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会の開催について」。
資料5「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案について(老健局関連部分抜粋)」。
参考資料1「『医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議』報告書」。
参考資料2「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書」。
以上でございます。不備等ございましたら事務局までお申しつけください

○遠藤部会長 ありがとうございます。
資料等についてよろしゅうございますか。
それでは、議事に入らせていただきます。まず資料1から資料4までについて、まとめて事務局から説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

○黒田総務課長 総務課長でございます。
私から資料1~3につきまして、御説明を申し上げます。
まず資料1「今後のスケジュール(案)について」をお開きください。
介護保険制度の検討に当たってのスケジュールについて、この紙では記しております。介護保険制度は先生方御案内のとおり、3年1期をサイクルとしてPDCAを回していく仕組みでございます。今年度からスタートいたしました第7期の介護保険事業計画に際しましても、ちょうど第6期の2年目に御議論をいただいて、制度改正をして第7期の計画につなげていったということでございまして、それを2021年度から開始いたします第8期の計画に置きかえたものが、ご覧いただいている資料でございます。
第8期の介護保険事業計画は2021年度からのスタートになりますので、きょうお集まりいただいております2月25日に制度改正の議論をスタートさせていただき、年末ぐらいまで、冬ごろまでかけて制度全体のPDCAについての御議論をいただいた上で、必要な事項については法案の形で取りまとめて、国会にお出しをしていきたいと思っております。
その上で2020年度には計画の策定、2021年度予算編成過程での介護報酬の議論等を経て、2021年度からの8期の計画の施行に向けて準備をしていきたいということでございまして、例年どおり3年に1回このようなスケジュールで行わせていただいていることを今回もお願いをしたいということで、資料1を御用意しております。
続きまして、制度の概況と主な検討事項について、資料2と資料3を用いて御説明を申し上げます。
先に資料3をおめくりください。1枚、表紙をめくっていただきますと目次がございます。目次がⅠとⅡからなっておりまして、まずこの前半部分、Ⅰの介護保険制度の現状について簡単に御説明をさせていただいた後、資料2の検討事項、それから、関連する資料についてという順番で御説明を申し上げたいと思います。
まずⅠから入ります。介護保険制度の現状です。右下のところに通しページが打ってありますので、適宜御参照ください。
4ページからになりますが、まず介護保険制度の仕組みにつきましては、先生方御案内のとおりですが、保険料と税を組み合わせた形で運営をされている社会保険の仕組みでございます。保険料50%、税50%の形の運営でございまして、税金のうちおおむね半分が国の負担、それから、おおむね4分の1ずつを市町村、都道府県に御負担いただく。それから、保険料は40歳以上の皆様に御負担いただいているという仕組みでございます。それらの中から1号被保険者、65歳以上の方々、それから、2号被保険者の方々、40~64の方々、それぞれに保険料を頂戴した上で、いただいた費用について介護保険制度のサービスを提供するコストに充てる。あとは利用者の方々からは一定の利用者負担も頂戴をするという仕組みで運営をされているものでございます。
5ページにまいります。介護保険制度の財源構成を図示したものですのでごらんください。
6ページ、調整交付金という仕組みがございます。総費用のおおむね4分の1、公費のうちのおおむね半分を国が費用負担する仕組みでございますが、そのうちの5%分を調整交付金という形でお配りしておりまして、この仕組みの中で所得水準、それから、高齢化の水準についての補正を行った上でお渡しをする。そういうやり方になってございます。
次の7ページにまいります。介護保険制度から提供されている給付事業の一覧でございます。上のほうに介護給付、予防給付とございますが、こちらが要介護認定を経て提供される給付でございまして、それに対して下の地域支援事業という事業が、給付ではなく事業として市町村の皆様を中核に置いた上で展開されている事業ということでございます。その中がいわゆる総合事業、緑色の部分、それから、赤い部分であります包括的支援事業、任意事業という3つの柱で構成をされています。費用負担の部分につきましては左側に記しておりますので、御参照いただければと存じます。
8ページは、7ページの図で言いますところの上の部分でごらんいただいた介護給付と予防給付について、指導監督を行う主体に着目をした分類をした資料でございます。これは皆様方御案内のとおりでございますので、詳細の説明は省略いたします。
続きまして9ページでございます。これらのサービスが介護保険制度から提供されているわけですが、そのうち給付の形で提供されているものにつきまして、全体のそれぞれサービスごとの割合を記したのがこちらの資料でございます。おおむね施設サービスに34%、地域密着型サービスに17%、それから、残りが居宅介護支援や在宅サービスという形になってございまして、その次の10ページに、それぞれのサービスごとの費用額、利用者、事業者数を記しておりますので、参照いただければと存じます。
11ページにまいります。このシェアが経年で変化してきたものを記した資料でございます。当初は施設の割合が非常に高くて、それが在宅の割合がだんだん高くなって、現在に至っているというところをごらんいただければと存じます。
続きまして、12ページ以降で、介護保険制度を取り巻く状況について概観をご覧いただければと存じます。
13ページ、総人口の推移でございます。先生方よく御案内のとおりでございますが、我が国これから人口減少局面に差しかかってまいりますが、その中で介護保険制度にとっては高齢期の人口の絶対数、それから、割合というものが非常に大きな制度の規定要因になってまいります。折れ線で65~74の人口の割合、それから、75以上の人口の割合を記しておりますが、これから65~74の方々の人口の割合はおおむねフラットになってまいりますが、75歳以上の方々の割合はこれから増えていくということがございます。
同じような資料で形を変えたものを14ページにも御用意しておりますので、ごらんいただければと存じます。
続きまして15ページ、要介護認定率の推移、それから、人口一人当たりの介護給付費のグラフを御用意しております。これは制度をごらんいただくときによく見ていただく資料ではありますが、まず左側でまいりますと、要介護認定率の話は65歳以上人口に占める認定を受けている方の割合でごらんいただくケースが多いのですが、それは言ってみれば人口全体が高齢化をしていく中で、高齢化のインパクトの部分と年齢階層別の認定率の推移と、2つの要素に分類することが可能です。左側のシートはそれを年齢階層別でごらんいただくための資料ですが、60代、70代前半、70代にかけては使う方の割合が非常に低いのですが、80代になりますとお使いになる方の割合が上がってきまして、80~84で3割弱、85~89で5割、それから、以後7割、9割というふうに上がっていくということがございますので、このカーブをごらんいただきながら人口自身が高齢化していくということを掛け合わせてご覧いただけると、今後の見通しというものがご覧いただけるのではないかと思います。
それを65歳以上人口一人当たりの給付費で見たのが右側でございます。これは使う方も使わない方も両方込み込みで一人当たり人口に置きかえたものでございますが、左側のグラフとパラレルな形で一人当たりの給付費がふえていくということがございます。
16ページは人口の推移です。これは75歳以上人口を先ほどごらんいただきましたが、75歳以上の人口はおおむね2025年以降でフラットになりますが、右側のシートでありますように、特に85歳以上の人口の推移が介護保険制度にとっては非常に重要な要素でございまして、その伸びというものが今しばらく見込まれるという状況にあることもご覧いただければと思います。
18ページ、要介護認定の認定者数の推移です。これは制度が始まって以降、特に軽度の方々を中心に認定者数が急増しまして、そのことに対する対応をというお声がかなりあった時期がございました。その後、さまざまな制度変更を経て今に至っておりますが、直近の4、5年で見ますと増加の傾向にあることはありますが、それまで以前に比べると増加のペースがやや緩やかになっている面もあろうかと思います。特に重度の方々の認定者数の増高がそれまでに比べると少しマイルドになってきているということと、軽度の方々の増加も足元数年で見ますと、ややマイルドになってきているところが見てとれるかと思います。
次の19ページでございます。これが総費用と保険料の動向でございまして、第7期の保険料水準は大体5,800円余りとなってまいりまして、第6期に比べて6.4%の増ということでございます。
その次のページは社会保障・税一体改革の関係の資料でございますが、23ページにありますように、社会保障と税の一体改革の中で課題として挙げられておりました低所得者の軽減強化の措置が来年度からスタートするということでございまして、これは長年の懸案であったわけですが、いよいよ実現の運びになるということで御報告でございます。
以上、簡単に制度の概況をごらんいただいた上で、資料2に戻りまして、この年末までにかけた御議論の中で議論の順番といいますか、課題設定について資料を御用意しておりますので、ごらんいただければと存じます。
おめくりいただきまして1ページでございます。前回の制度改正の中では、平成29年に成立しました、通称包括ケア強化法と呼んでおりますが、こちらの中では高齢者の自立支援と重度化防止、地域共生社会の実現と制度の持続可能性の確保ということがテーマであったわけでございます。それを踏まえて第7期の計画を作っていただいていると考えます。
次期制度改正につきましては、これらの課題が重要な課題だということは変わらないという前提ですが、むしろ2025年度以降で現役の世代の方々の人口が減っていくという新しい課題が浮上してまいります。そうしますとこれまであった課題に加えて、現役世代の減少の中でどう活力を維持していくのか、労働力の制約が強まっていく中できちんとサービスを確保していく課題がございます。
事務局からの御提案でございますが、個別の施設類型、サービス類型にわたる詳細な議論に入る前に、一つ一つの施設やサービスの類型にとどまるというよりは、それぞれ複数のものにかかわっていく分野横断的なテーマを先に御議論いただいた上で、個別の詳細な議論に入るという順番で御議論いただいてはどうかと考えておりまして、それが次の2ページでございます。
分野横断的なテーマとして5つ、ここには挙げさせていただいております。まず1つ目が「介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)」、2番目が「保険者機能の強化(地域保健としてのつながり機能・マネジメント機能の強化)」、3番目が「地域包括ケアシステムの推進」、4番目が「認知症「共生」・「予防」の推進」、5番目が「持続可能な制度の再構築・介護現場の革新」、以上の5点をまずは御議論いただいた上で、詳細な御議論に入ってはどうかということで、資料2は御用意しております。
関連の資料につきまして、ざっと概況をごらんいただければと存じます。資料3の44ページ以降で概況を御説明申し上げますが、その話の前に39ページから43ページまで少しごらんいただきたいと思います。第7期の計画の全国集計の資料がございますので、ごらんいただければと存じます。
39ページに被保険者数、認定者数等々がございますが、それに対して次の40ページでサービス量の見込みの資料がございますので、そちらをごらんください。この資料をごらんいただきますと、第7期の計画の中では在宅サービスが約10%の増加、それから、居住系サービスが約17%、施設サービスが約10%の増加と、そのような内容の計画ができておりまして、居住系の伸びが比較的高いという状況になっております。
41ページに保険料の基準額の推移の資料がございます。各県の状況はご覧いただいているとおりですが、その中で上の四角のところをごらんいただきますと、保険料の基準額の伸び率が5期から6期にかけてに比べて、6期から7期にかけての伸びのほうがややマイルドになっているという話。それから、6期時点における7期の保険料の基準額の見込み額が6,700円余りだったところが、実際は5,800円余りになっているということが現状でございます。
以上を置かせていただいた上で、44ページ以降の今後の主な検討事項に即して、若干の補足的な御説明をさせていただきます。
まず45ページをお開きください。45ページから48ページまでは、昨年4月の経済財政諮問会議における加藤厚生労働大臣、当時の大臣の提出資料でございます。一体改革が一区切りになるということも踏まえて、今後のことを考えましょうということが書いてございます。
46ページを見ていただきますと、この資料の左側と真ん中の短冊を見ていただきますと、これまで人口構造が高齢化をしていくという話をしてまいりましたが、この伸び自体は65歳以上人口という意味ではややマイルドになってまいりますが、一方で現役世代と言われている生産年齢人口の減少は加速をしていくという話がございます。こうしますと、制度の持続可能性を考える際には、これまでの給付と負担のバランスが重要課題だということは変わりませんが、それに加えまして現役世代の方々の活力の維持増進等々の課題が生じてくるということがございまして、そのことが1つページを飛ばしまして48ページにも書かれているということでございます。つまり、給付と負担の見直しに加えて現役の世代の方々が減っていくということを踏まえて、社会への活力を維持していく。それから、労働力の制約がある中できちんとサービスを確保していくというテーマが挙げられているということでございます。
続きまして、49ページ以降で個々のテーマについて若干の補足をさせていただきます。
まず50ページでございます。50ページは同じ機能、諮問会議の中で加藤厚生労働大臣からお示しをした資料でございます。この中では健康寿命の延伸を一つテーマに置いて、こうした取り組みを若年層から壮年期、高齢期にかけてバランスよく展開をしていきましょうということが書かれています。
続きまして51ページ、52ページをごらんいただきますと、これらの中では51ページは昨年の骨太方針の抜粋ですが、この中でも予防健康づくりの推進というところが大きなテーマになってございますし、その次の52ページには未来投資戦略、それから、健康医療戦略の抜粋を置かせていただいていますが、それらの中でも健康寿命の延伸ということが大きなテーマとして掲げられている。そういうことでございます。
53ページを見ていただきますと、このお題を介護保険制度に当てはめて考えますとということになりますが、先ほど全体の図を見ていただきましたが、その資料を再掲したり、少し要介護度別に分けて見たものでございます。これは要しますと一定の年齢層になったときに、どれぐらいの方が認定を受けているかということです。これからの高齢化のことを考えていったときに、言ってみればこの構造の状態のまま高齢化が進んでいくと考えるのか、それとも制度的なアプローチをこの構造自身に対して働きかけるというふうに考えるのかということによって、制度の見方というものが多少変わるのかなと思います。
55ページ以降にまいりますと、幸い、介護保険制度の中には介護予防関係の事業等が導入されておりまして、その事業が始まってから10年余りが経過しております。その事業の展開につきましては若干の方法の変更等々も経て展開をされておりますが、次の57ページにございますが、現行の介護予防は、平成26年の法改正の中で導入をされた介護予防の考え方に沿って展開されております。つまり、機能回復訓練だけではなくて、高齢者の取り巻く環境にアプローチをしていく。高齢者自身も担い手になっていただく。高齢者の方々のつながりを強化していくというような発想に立った事業が展開されております。
そういった取り組みはある程度の広がりを見せておりまして、おめくりをいただきますと63ページにまいります。こうした一般介護予防事業の取り組み、通称、通いの場と呼んでおりますが、この取り組みがかなり広がってきておりまして、平成29年度の段階で1,500余りの自治体で既に取り組みがなされております。
また、2つ飛ばして65ページにまいりますと、この箇所数も年々増加をしておりまして、平成29年度の私どもの調べでは9万箇所を超える箇所数で実施していただいている。それから、週1回以上、つまり開催頻度が多い部分もかなり広がってきているということがございまして、こういった取り組みが広がってございます。
ちょっとおめくりいただきまして70ページ、71ページになりますが、このページをごらんいただきますと、介護予防の取り組みを非常に精力的に取り組んでいらっしゃる自治体として、高知県高知市がございます。こちらはいきいき百歳体操という運動機能向上の体操のプログラムをつくっておられまして、この取り組みをベースにしながら住民の力を引き出して、そこに市役所が寄り添う形でこの取り組みを精力的に広げていただいています。この取り組みが反響がありましたので、口腔の関係の体操等々も加えた形で幅広く展開をされていまして、この取り組みは足元で365カ所で約8,000人弱ぐらいの住民の方が参加されていて、こういったこともあって要介護認定率も当初の見込みほどは増えていないという話がございます。
71ページには長洲町の例を置いています。これも同様なアプローチで、町長の指揮の下で町職員の方々が住民と協力して取り組みを広げておられる。こういうお話がございまして、こういった高齢化ということを念頭に置いたさまざまな事業の展開について、どう考えるかという点がテーマの一つでございます。
2番目は、もう少しおめくりいただきますと保険者機能の強化というテーマでございます。74ページに先ほどご覧いただいた図をもう一度ご覧いただくわけですが、給付の話、施設サービスの話がございますが、それらに加えて地域支援事業も込みでトータルでどのように運営していただくのか、というお話がテーマだろうと思います。
このお話については、少しおめくりいただきますと、先ほどごらんいただいた介護予防の事業に加えまして、81ページにございます地域包括支援センターの事業、それから、82ページの地域ケア会議、83ページの生活支援の関係、84ページのコーディネーターの関係等々、関連の事業がございまして、これらを込みで全体の展開をしてくださっている自治体の皆様が増えているということかなと思います。
85ページと86ページで、先進自治体として大西委員の高松市の取り組みと、86ページに藤原委員の川上村の取り組みを御紹介させていただきます。詳細は両委員にお話をお譲りしたいと思いますが、高松市、川上村の取り組みに共通しますのは、地域ぐるみで、地域の実情に非常に細かく目配りをされながら、地域共生の視点、予防の視点を込みで基盤を整えていらっしゃるという点が両者に共通するテーマだろうと思いますし、そういったことがさまざまな成果を生んでいるということかと考えます。ですので、これまでのきちんとサービス基盤を整備するということに加えて、こうした地域支援事業の展開等々も含めて保険者の役割をどんなふうにお考えいただくのかという点がテーマだろうと思います。
また、89ページ、90ページには地域差のお話ですとか、これまでも議論されてきた保険者の役割に着目したようなデータを添えておりますし、92ページ、93ページには、前回の法改正で導入をされたインセンティブ交付金の仕組みも御紹介しておりますので、後ほど御参照いただければと存じます。
以上が2点目でございます。
3点目、104ページからですが、こちらが地域包括ケアの関係でございます。地域包括ケアの関係は、過去3回の改正、平成23年、26年、29年の3回の法改正にわたって非常に大きなテーマであり続けていますので、これからも、今回の御議論の際にも非常に大きなテーマであり続けるということだと考えます。
医療の側では地域医療構想の関係、107ページにございますが、こういった動きもございますし、108ページでは、この中で在宅の方々の支えをどうしていくのかという話が今回の計画の中に反映をされているというのもございます。そういったお話が今回もテーマであろうと思います。このテーマが重要テーマだということは間違いのないところだと思います。
111ページ以降は、皆様のお力をいただいて進めていただいています在宅医療・介護連携の関係の取り組み、それから、115ページ以降では資料再掲になりますが、地域包括ケアの関係のシートを御用意しております。
119ページには報酬改定の資料がございますし、120ページ以降は、これからの高齢化に向けて各地域でどのような取り組みが進められているのかという話を添えておりますので、後ほど御参照いただければと存じます。
続きまして、128ページ以降で認知症の関係を御説明申し上げます。
認知症の関係につきましては、129ページにまいりますと、昨年末に関係閣僚会議が立ち上げられました。これは次のシートで130ページに現在の認知症施策の総合戦略であります新オレンジプランの内容を添えておりますが、このプランが平成27年に策定をされ、29年に数値の改定が行われて現在に至っております。この新オレンジプランの基本的なコンセプトは、共生と当事者参画ということかと存じますが、7つの柱によって構成をされる包括的な取り組みでございます。
129ページにお戻りいただきますと、このプランの歩みを継承した上で、新しい視点を加えてより施策のレベルを上げて発展させていこうということで、関係閣僚会議が立ち上がったということでございます。
133ページ、このように新オレンジプランにつきましては、関係者の皆様の多大な御協力をいただいて施行も進めていただいておりまして、認知症サポーターを始めとして、初期集中支援チームの取り組み、認知症カフェの取り組み等々、本当にお力をいただいて進めていただいておりますが、こういった取り組みをベースにした上で、新たに研究開発、それから、さまざまなリスクを事前に把握をして取り組みを進めることによって、発症や重症化していくのを遅らせたりといった予防の取り組みも可能なのではないかということで、共生のこれまでの発想を堅持した上で、プラス予防、研究ということを加えた形でのバージョンアップが検討されているということでございまして、本部会でも御議論をいただきたいと考えます。
最後に140ページ以降で、持続可能性の関係について御説明を申し上げたいと思います。
142ページ以降で、先ほどごらんいただいた諮問会議の資料を再掲しております。142ページから145ページまで諮問会議の資料の再掲ですが、これまで持続可能性の議論というものが給付と負担をめぐって行われてきたことは確かでして、このテーマは今回も御議論を頂戴する非常に重要なテーマだと考えます。あわせまして、これから高齢化が進んでいくということを考えますと、働き手の方々をきちんと確保していくことが、お金の面に加えて非常に重要だということが言えようかと存じます。
151ページのあたりにマンパワーのシミュレーションというものも添えておりますが、これから若年の方々の数が減っていく中で、一方で介護の人数がふえていくということになりますので、この方々をどのように確保していくのか。これまでの歩みをベースにした上で効率的な働き方なりを実現していくため、どういうことができるのかという話をあわせて考えていく必要があろうかと存じます。
以降、報酬の関係の取り組みですとか、関係の資料を添えております。
163ページに飛びますが、こちらの中では介護現場の革新に向けた関係の先生方の取り組みを少し御紹介させていただいております。業務仕分け、ロボット・ICTの活用、介護業界のイメージ改善といった取り組みをあわせて行うことによって、人材面でも持続可能な仕組みにしていくことがあろうかと存じます。この部分は並行して御議論いただいているところでございますので、折に触れてこの部会でも進捗状況を御報告させていただきたいと存じます。
資料1から資料3の説明につきましては以上です。
続きまして、資料4の説明を老人保健課長から申し上げます。

○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
資料4につきまして御説明をさせていただきます。
先ほど資料3の説明の中で、一般介護予防事業に関しても言及があったと思いますけれども、その部分についてでございます。
資料4をおあけいただきまして、その次のページをおめくりいただけますでしょうか。一般介護予防事業の推進方策に関する検討会の開催についてということでございまして、これまで先ほども御説明がありましたように、26年に法改正を行いまして、27年度以降、このような形で一般介護予防事業を展開してきておるわけでございますが、これの制度的な見直し、充実方針、推進方策に関して、別途整理をする検討会を立ち上げたいとお諮りするものでございます。
現状・課題がございますけれども、27年度以降、ポピュレーションアプローチの考え方も踏まえまして、地域づくりなどの本人を取り巻く環境へのアプローチも含めたバランスのとれた取り組みが重要であるということから、通いの場の取り組みを中心とした一般介護予防事業を推進してまいったところでございます。
先ほど幾つかの実際の例もお示ししましたとおりでございまして、一部の自治体ではその取り組みの成果があらわれてきているとともに、介護予防に加えまして、地域づくりの推進という観点からも保険者等の期待の声も大きいところでございます。
一方、この後また御説明の時間をいただく予定でございますが、介護予防と保健事業を一体的に実施することということで、そういう動きもありますことから、この一般介護予防事業等に対する期待もさらに大きくなってきているところでございます。
このような状況も踏まえまして、今後、一般介護予防事業に求められる役割・機能やPDCAサイクルに沿ったさらなる推進方策等の検討を集中的に行いたいというものでございます。
目的はその左下にございますように、まずは現状、果たしている機能を整理し、そして効果的な実施方策について検討をし、また、専門職等の効果的なかかわり方についても検討をいただく。それらを踏まえて今後求められる機能ですとか、PDCAサイクル沿ったさらなる推進方策を整理したいというものでございます。
右側に行きましてメンバーは、こちらは介護予防に係る学識経験者等を予定しているところでございます。
検討スケジュールでございますけれども、きょう御了解いただきましたら来月の部会におきましてメンバーについてもお示しをすることを考えており、4月以降、検討を順次開催し、夏ごろには一度、介護保険部会へ御報告させていただき、そして年内に検討結果を取りまとめ、最終的に御報告をさせていただきたいと思っているものでございます。
資料4の説明は以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御報告のありました内容につきまして御意見、御質問等をいただきたいと思いますけれども、しばらくぶりの開催ということもありますし、ただいまの話、大変多岐にわたった話でありますので、御発言が非常に多くなる可能性も考えられますので、ぜひ効率的な議事運営に御協力いただければと思います。したがいまして、要領よく御発言いただくことをよろしくお願いしたいと思います。
また、事務局に対して御質問もあるかと思いますけれども、これも事務の効率化のために、何人かの発言者の御質問をまとめて事務局から答えていただくという形で少し進めさせていただこうかなと思いますので、御了解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、御意見等ございましたらば挙手をお願いしたいと思います。いかがでございましょう。
それでは、佐藤委員、お願いいたします。

○佐藤委員 最初まず質問というか確認なのですけれども、1つは自治体に対する財政的インセンティブづけというものがたしか出ていたと思うのですが、そちらについてよく見るとほとんどがアウトプット指標、資料で言うと93ページとかですかね。保険者機能の発揮にかかわるところなのですが、評価指標は何かと見ると、基本的にはアウトプット指標が多いのかなと思ったのですが、もう少しアウトカムというか、実際に成果というのを反映させる予定が今後あるのかどうか。もしあったら、できれば次の事業計画のほうで反映できたらいいのではないかというのと、あと済みません、私は財政学者なのでいつもこの話をするのですが、保険料の話で、もちろん所得に応じて保険料を適正にかけていくということは、資料でいけば31ページの説明ですかね。そのあたりはあっていいと思うのですが、今、特に高齢者の間で一番大きな偏りがあるのは金融資産なので、これはマイナンバーの普及次第ではあるのですが、金融資産も視野に入れていかないと、なかなかかなと思います。
あと大きな話になるのかもしれないのですけれども、今回かなり介護予防のほうに力点を置かれていますが、他方ではサービス量の適正化というのは不可欠で、40ページにもありますとおり在宅、居宅ともども利用者数はふえています。私は財務省の財審にもいるので、サ高住とかはかなりサービスの利用量が多いのではないかともよく言われていますので、利用量の適正化というのを視野に入れないといけないかなと。
あとよくわからなかったのは、47ページの就業促進は非常にいいことだと思うのです。とにかく高齢者の社会参加を促して、もって健康でいただくのは結構なのですけれども、介護の枠の中で、では65歳以上の就業率を上げろと言われたときに何をやるのかというのは、これは年金にもかかわる話でありますし、もちろん働き方改革にもかかわる話なので、介護の分野ではどこが守備範囲になるのかなというのがちょっとよくわからなかったなという気がしました。
あとは細かくて済みませんが、66ページの日常生活支援総合事業のところで、高齢者人口の4.9%が参加なのですけれども、これが高いのか低いのかがよくわからないということで、つまりもともとターゲットであるべき人口がどれくらいいて、そのうちの何%が参加してくれたのかという割合と、4.9だと果たしてどうなのかということと、それから、こういう事業はPDCAを回していくということ、それから、ベストプラクティスを見出していくことが必要だと思うので、やりましたではやりっ放しなので、そのあたりもう少し、やることはいいことだと思うのですが、何か戦略性が要るのかなと思ったということ。
最後に一つだけ、これからどうしても人手不足なので、これ以上、人がふえるということは前提にしていけないので、どうしても事業者に関して言うと生産性の向上を求めていくしかないというのが166ページ以降の議論だと思うのですが、その中でよくわからないのが介護の事業者はかなり数が多いではないですか。中小、特に在宅では。なのでこの辺の事業者のM&Aを含めて再編成とかグループ化とか、一言で言えば産業の再編成です。そういったものは視野に入っていくのかどうかということ。
私は思うのですけれども、介護保険の事業者は要するに中小企業なのです。だから中小企業事業となると1つ今、視野に入れられているのはM&Aとか、そういった形の大規模化というのも、たしかこれはKPIにも入っていますよね。今回178ページにもありますが、事業所マネジメントの改革の推進というところにも入っていると思うので、このあたりはどうなのかなという気がしました。
済みません、感想めいた感じで、以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。非常に多様な重要な御指摘をいただいたと思います。御指摘いただいた中には今後、当部会で議論をする内容もあるかと思いますので、またそのときには深く掘り下げて議論をいただければと思います。また、事務局に対して質問なのか、あるいはある種のコメントを求めることになるのかわかりませんが、そのようなものも幾つかあったかと思いますので、これもまた何人かの発言者の後に事務局からコメントできるところはコメントしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。それでは、河本委員、お願いします。

○河本委員 健保連の河本でございます。
2点ほど申し上げたいと思います。
まず1点目は、極めて概括的な話でございますけれども、そもそも今回、検討項目を5項目、挙げていただいておりますが、御案内のとおり介護の給付費というのは先般の政府の2040年試算でも、足元の10.7兆円から2040年25.8兆円と急激にふえていくというお話を伺っています。第8期計画においてそれに対応していく観点から言うと、言ってみれば制度の持続性を確保するということになりますが、給付と負担についてもう少し踏み込んだ検討が必要なのではないかと。ちょっと概括的な意見で恐縮でございますけれども、そういうふうにまず第一印象として思っております。
いわゆる団塊の世代が、皆さん御案内のとおり2020年から後期高齢者に到達するわけですが、先ほどのお話で介護のほうは75歳よりは80歳あるいは85歳というお話もございましたけれども、しかしながら、時間がほとんどないため、給付と負担についてもう少し踏み込んだ検討を行っていただきたい。それが1点でございます。
その話とも関連いたしますけれども、負担といったときに本日の資料の32ページ目にも介護納付金の全面総報酬割の資料が出ておりますが、現在、段階的に総報酬割が拡大しており、健保組合の場合ですと平成31年度は前年に対して600億円も負担がふえている。そのような厳しい状況になっております。これに対して今、国は94億円という負担の軽減といいますか、激変緩和のために補助金を出していただいておるのですけれども、これが全面総報酬割となる2020年度には、この補助金がなくなってしまうという問題がございます。その意味では一番負担が厳しくなるときに、その補助金がなくなってしまうということは大変に厳しいということについては、厚労省当局についても御理解をいただきたいなと思っているところでございます。
それから、1点質問がございます。今、申し上げました総報酬割の負担について、以前、厚労省は介護納付金の総報酬割をすることによって、協会けんぽの国庫補助が1600億円減る。要するに国費が1600億円減る。一方、健保組合の負担増が1100億円というふうに御説明をいただいた経緯が過去にございますけれども、これが足元ではどうなっているのかということをちょっと伺いたいと思います。
今回、平成31年度予算の策定に当たって、国庫の補助の軽減が610億円みたいなお話、これは2分の1総報酬割から4分の3総報酬割に上がっていく過程の話でございますけれども、先ほど申し上げた1600億円とか1100億円というのはもう少し増えているのではないかと考えているのですが、そこのところの直近の試算の数字がございましたら教えていただきたい。これが質問でございます。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
もうお一方ぐらいお聞きしてから回答してもらおうと思います。伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員 第8期に向けた議論ということで、また参加させていただけるということで大変光栄に思っておりますし、重責に大変緊張もしております。
私たち労働組合・連合には、700万人の組合員がおります。これは介護サービスの利用者という面と、家族を含む働く者、これはまた、被保険者であり、介護労働者も含むという、いろいろな側面を持っています。こうした多様な意見を持つ組合員の問題意識にもとづき今後、発言していきたいと思っております。
今回、大変充実した資料をいただいている中で、高齢者がふえるとか、長寿化していくとか、世帯の様子が変わっていくとか、地域コミュニティが変わっていくとか、仕事と生活の両立だとか、さまざまな社会的要請の中で、やはり介護サービスが確実に利用できる体制を確保していくということと、高齢期の尊厳ある暮らしを確保していく。そして、介護離職がない社会をつくっていく。こういう意味からこの介護保険サービスは大変重要だと思っております。
この中でも対人サービスを担うのは人ですので、その人材確保を強力に進めていかないといけないと思っています。今回147ページに2040年までの就業者の見通しが示されており、2025年で406万人、2040年で505万人と一応出ているのですが、これは介護職員とそうでない人を合わせて書いてあると思います。今、介護職員を中心に処遇改善は行われてきていますけれども、その他の職員については今年10月から緒に就くところでありまして、この全体、推計で言うところの405万人だとか505万人という介護従事者全体を考えた人材確保が極めて重要であり、そのための説得力あるプランをきちんと示していかないと、いつも必要だ、必要だと言っているだけでは、安心して介護サービスが利用できる状況が確保できないのではないかと思っております。
また、一方でその人材確保も、労働力人口の見通しからすると課題もありますので、効果的で効率的な介護を実現するために介護のデータの収集や活用はやはり重要だと思っています。このような問題意識を持っていますが、34ページから36ページに書いてある部会の意見や、国会からの要請を踏まえた検討を一つ一つやっていきながら、資料2にあります主な検討事項に沿って検討を進めていくことでいいと思っています。ただ、今、申し上げたように人材あっての介護保険サービスですので、人材確保についても主な検討事項として確実に明記していただきたいと思っております。
この議論とは少し離れてしまうのですけれども、加藤元厚生労働大臣の資料がありました46ページと48ページに、「国民的な議論」という文言がありますが、これは大変重要だと思っています。介護だけにとどまらない社会保障全体の国民的な議論が必要だと思っていますので、私たち連合は2035年の姿を念頭に今、社会保障のビジョンを検討していますけれども、国会議員や政府、労使、国民各層が参加できるような議論の場をぜひつくるべく提起していっていただきたいと思います。
質問が1つあります。131ページに認知症施策の大綱を今年5月につくることが出ていますが、これらは介護保険部会なり厚労省の場で検討してしかるべきではないかと思っているのですけれども、今は違うところでやられているようです。先ほども話がありましたが、ここに当事者がきちんと参画できているのか。ここでどういう検討がされているのかは非常に重要だと思いますので、どのような検討状況にあるのかということもお聞きしたいと思っています。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、3委員から御発言がありましたけれども、御質問もありましたし、あるいは御主張もありましたが、それに対する回答あるいはコメントを事務局からお願いしたいと思います。

○黒田総務課長 総務課長でございます。
いろいろな御質問をいただきまして、複数の者からそれぞれ回答させていただく形になることをお許しいただきたいと思います。
私からまず概括的にお答えをした上で、担当の課室長から追加のお答えをさせていただきます。
まず佐藤委員から幾つかお尋ねがございました。サービス面、給付と負担ということをしっかり考えるべしという話は、そのとおりだと思います。横断的なテーマを提起させていただいていますが、それらの関連でもそのお話は出ますし、最終的に給付と負担という話、持続可能性というテーマが出てくるということは、そのとおりだと思いますので、そういった点は先ほど伊藤委員からも御指摘をいただいた法律の規定あるいは国会における審議、介護保険部会の課題として明記をされていることもございますので、そちらの中でしっかりとということになろうかと思います。
それから、その話の中には先ほど話のありました金融資産のお話も課題として明記をされていますので、そういった中で議論がされるということだと考えます。
就業促進の関係のお尋ねです。これからの御議論にということにはもちろんなってまいりますが、例えばということで申し上げますと、きょう御用意をした資料3の168ページ以降に、介護保険施設の働き方改革の取り組みの中で、地域住民の方々に参画をしていただくということ。これが介護職員の専門性の確立のためにも、地域の方々の働く場という意味でも、非常に有用だという取り組みを一つ御紹介させていただいております。もちろんこれにとどまるものではありませんが、特に高齢期の方々の人口自体がふえていくという中で、受け手と担い手という分け方がありますが、その2つの分け方に加えて住民の方々の参画というような話もあろうかと存じます。もちろん資格を取っていただいて参画していただくという形もありますので、そこは複眼的な思考でということかなと思います。
河本委員からお話のありました総報酬制の関係です。これは数字にかかわるお話になりますので、整理をさせていただいた上で後日というふうに考えます。
あと、行きつ戻りつで申しわけありません。佐藤委員からお話のありましたインセンティブ交付金の中の指標の関係につきましては、アウトプット中心でスタートはしておりますが、一部アウトカムの指標もございます。それは後ほど介護保険計画課長から御説明申し上げます。
また、伊藤委員からお尋ねのありました認知症の関係につきましては、認知症室長からお答え申し上げます。

○橋本介護保険計画課長 計画課長でございます。
佐藤委員から御質問のありましたインセンティブ交付金の指標の関係でございますけれども、93ページの一番下のところに要介護状態の維持・改善の度合いというところで、要介護認定者の認定の変化率はどの程度かということにつきまして、30年度の評価指標とさせていただいております。こちらにつきましては、アウトカムの指標を少し充実したらどうかという御指摘もございますので、引き続き来年度以降につきましても、この指標につきましてはアウトカムについて、さらにどういう指標が設定できるかということについて検討してまいりたいと思います。

○田中認知症施策推進室長 認知症室長の田中です。
認知症の大綱の策定に向けた検討の状況について、御質問をいただきました点についてお答えをさせていただきます。
スケジュールについては131ページに資料をつけさせていただいたように、5月ないし6月の取りまとめに向けて、今、130ページの推進体制のもとで検討を進めております。今の新オレンジプランにつきましても、厚生労働省と関係12省庁で連絡会議を持ちながら進めてきたところですが、今回この体制のもとで、事務局につきましては研究開発などについて健康医療戦略に位置づけて進めていることもあり、また、官房長官を議長と掲げていることもありますが、内閣官房と共同で事務局を行っておりますが、引き続き、その他の公的施策の企画立案につきましては、厚生労働省が中心となって検討を進めていきたいと思っております。
具体的には幹事会の中で、新オレンジプランと同じように各省庁局長級の幹事会を置いておりますので、この中で有識者の意見も伺いながら検討を進めているという状況でございまして、当事者の御意見を聞くということにつきましても、厚生労働省としてはしっかり当事者の意見を聞きながら検討を進めていきたいと考えております。

○黒田総務課長 1点だけ補足をさせていただきます。
認知症の関係につきましては、伊藤委員からお尋ねがございましたが、こちらの推進体制の中での検討の状況につきましても、こちらの社会保障審議会介護保険部会にも共有させていただくという段取りを考えておりますし、本日の資料に掲げたテーマの中にも認知症の関係を添えさせていただいておりますので、そういった形で御相談申し上げたいと考えております。
以上でございます。

○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
佐藤委員から御質問のありました66ページの通いの場への参加率でございますけれども、こちら4.9%の評価をどう考えているかというお尋ねでございました。
定義を申し上げますと、分子は通いの場への参加者を人数としておりまして、分母は65歳以上人口としております。これを一律にどのように評価するかなかなか難しい面がございます。というのは実際の高齢者の年齢構成ですとか、要介護認定者数は地域によって異なりますので、なかなか高いか低いか一概に申し上げられることがないのですけれども、私どもがいいなと思っているのは、27年度の改正の後、この通いの場は非常に伸びてきている。それから、実施されている市町村数も伸びてきているということでありまして、ここに関して今後さらにエビデンスを求めるようなPDCAサイクルを回しながら、どのような進め方ができるかということをまさに御検討いただきたいなということでございます。
また、ベストプラクティスをという御発言もございましたけれども、まさにそれをまた資料4で御説明申し上げましたような検討会の場でも検討していきたいと思っているところでございます。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
御質問をされた方、大体よろしいですか。
それでは、続きです。先ほどお手を挙げておられた大西委員。

○大西委員 今年度から、7期の介護保険事業計画が始まりまして、そこでは2025年問題ということを中心にして、高齢者がこれからどんどんふえていく、団塊の世代が75歳以上になる2025年をにらんでということで策定されたわけですが、それについてある程度めどがついたとまでは言えないのでしょうけれども、対応策が大体出たというのが今回の改定かなと思っています。
次期改定に向けてきょうから議論が始まるということでございますけれども、まさに資料でも出てきていますように、高齢者が急激にふえる2025年、次は若年層が急激に減っていくような形になってくるわけなので、それの2040年あたりをにらんだ議論というのをきちんと今から始めて、そのような制度をどうしていくのかというのを検討していかなければならないと思っております。
そのときに一番大きな問題なのは、担い手となる人の確保の問題であり、あとは財政的な問題。それとともに、ここに論点として保険者機能の強化というのが挙げられていますが、そもそも介護保険の保険者は市町村、自治体でございますけれども、そもそもの保険者自体のあり方が本当に持続可能なものなのかどうか、かなり厳しい状況にございます。
総務省のほうで自治体戦略2040構想という研究会が設けられておりまして、そこが第1次、第2次報告を出しているのですが、その中に2040年代に予想される3つの危機というものが出ておりまして、その最初の一つが若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏ということなのです。まさにそのとおりの現象が2040年に起こりかねないということですけれども、そうなった場合に何が一番大変かといいますと、やはり介護、医療あたりの問題が一番大きくなってくるということでございます。
この自治体のあり方というのは今、この研究会の報告等を受けまして、地方制度調査会という総理大臣の諮問機関がありますけれども、そこで議論がされているのですが、まさにその議論の中にこの介護保険の問題あたりはかなり強く意識して議論をしていただく必要があると思っておりまして、自治体はどうあるべきかというのと介護保険はどうあるべきかというのとは、かなり密接な関係があると思いますので、ぜひその辺につきまして介護の議論と自治体のあり方の議論というのがきちんと行われるように、厚生労働省さんに働きかけをお願いしておきたいと思っておるところでございます。
そういう中で、我々、個々の自治体、個々の保険者としても2040年あたりをにらんでやっていかなければならないと思っておりますけれども、そこに向けた取り組みで重要と考えておりますのが、1つには、これはかなりめどが見えてきておりますけれども、地域包括ケアシステムの構築ということかと思っています。それと地域支援事業というものをいかに充実させていくのか。先ほど言いましたように、自治体そのもの、保険者としてのあり方というのも非常に難しくなってきておりますけれども、それ以上にそれぞれの保険者の中の、例えば私であれば高松市の中のそれぞれの地域の相互扶助のあり方といったものも、非常に難しくなってきております。例えば自治会というものが高松市にございますけれども、自治会加入率は20年ぐらい前には70%、80%あったのですが、今は既に60%を切るような状況でございまして、非常に厳しい。このままほっておけないということで、高松市の場合、42万人の人口ですけれども、自治会とは別に、小学校区単位で44地区の地域コミュニティ協議会を設置いたしておるところでございます。
その地域コミュニティ協議会を一つのプラットフォーム的なものとしながら、高松市の場合は地域包括ケアシステムの構築などを図っていくとともに、地域支援事業などもコミュニティ協議会をある程度単位として、主体となってやっていただこうということにしておるところでございます。
きょうの資料85ページに高松市の取り組みの紹介もいただきまして、本当にありがとうございます。その資料にありますとおり、高松市では、市と社会福祉協議会、コミュニティ協議会の三者が一体となりながらそれぞれの地域における健康づくり事業でありますとか、地域包括ケアシステムのあり方みたいなものをきちんと議論しようということで、今44地区のコミュニティ協議会のうち、39地区で、住民主体の支え合いを推進するための、地域福祉ネットワーク会議というものが開かれておる状況でございまして、多くの地域で地域包括ケアシステムの考え方がおりてきて実施されているかなと思っています。
ただ、まだまだというところがございまして、特に一般の市民あたりは、地域包括ケアシステムについてまだ十分な認識がないということですので、地域包括ケアシステムの推進という課題も上がっておりますけれども、ぜひとも厚生労働省さんのほうでももう少し全国的なPRなり、あるいはこういうものが必要なんだという意識づけや、啓発活動等について積極的に行っていただきたいと思っておるところでございます。
いずれにしても、2025年をある程度クリアしながらも、その先は明るい道ではなくて、さらに厳しくなるような新たな課題も出てくるということかと思っておりますので、それに向けてしっかりとした議論をして、取り組みを考えていく必要があろうかなと思っているところでございます。
意見でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
石田委員、石本委員の順番でお願いします。

○石田委員 1点、事務局に確認をさせていただいた上で要望を申し述べたいと思います。
資料3の79ページなのですけれども、この棒グラフの中にあります赤い部分は「従来相当サービス」と説明されています。この解釈ですが、※3に記述されている「まだ従来のサービスが残っている方」というのがここに相当するのか、この内容を教えていただきたいのですが。

○遠藤部会長 事務局どうぞ。

○尾崎振興課長(荻田課長補佐) 振興課でございます。
赤いところに書いてございます従前相当サービスについては、総合事業の移行後に予防サービスの基準というものをそのまま使うような形で提供しているサービスでございます。※3で書いてございます実施段階でまだ認定が残っていたので使っているという部分は、青い部分でございます。赤の部分については移行後の総合事業のサービスとして位置づけられているものでございます。

○石田委員 ありがとうございます。
そうすると、対象者はかなり対象の幅はあるということなのですけれども、その次の80ページを拝見いたしますと、やはり総合事業の実施内容につきましては、ほとんどのところが従来の介護事業者によるサービス内容の規制緩和された形でのサービスが提供されているところが多いことがわかります。つまり、そのほかの例えば住民参画型のサービスなどは、まだまだ非常に、これからだとは思いますけれども、少ないということになります。生活支援体制を整備する目的で住民の参画を視野に入れた総合事業については、最終的には地域づくりにもつながり、地域の元気な高齢者も含めた住民の皆さんが参画して仕組みをつくっていこうという目標が掲げられていると理解しております。しかし、実質的にはそれが3年間の間でなかなか難しいというか、うまくいっていないというところも多々あるのかなと感じております。
厚労省のホームページや会議などでは、非常に先進的な取り組みの事例というのが幾つか紹介されており、それはそれでとても参考になるのですが、逆になかなか事業を進めていくことが難しいところの理由とか要因というのをぜひとも解明していただきたいと思います。どうして進んでいかないのか、何が難しいのか、そういったことをぜひいろいろな自治体や実践していらっしゃる方々から生の声を拾っていただきたいと思います。せっかく自治体の独自性が出せ、住民参画の機会が増えるといったシステムができるようになったのですから、自治体や地域住民が自分たちの希望を乗せてシステムを運用していけるように、また、その方向性を見定められるように、ぜひとも検証を今後お願いしたいということで、要望ですけれども、よろしくお願いします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして石本委員、お願いします。

○石本委員 2点ほど御意見を申し上げたいと思います。
質の高い介護とは何かや、財源の課題に照らして適正化を図るなど、人材不足の問題で生産性を上げるという部分については理解しているところでございます。当然、今までの支え方と、これからの時代の支え方というのを見つめ直す過渡期にあろうかと思います。
ただ、2点ほど、ぜひ今後の議論の中で大事にしたい視点があるというところを、前回の報酬改定の今後の課題の中から引用して申し上げたいと思うのですが、まず1点が介護保険法のもともとの目的って何だろうと考えたときに、ここは要介護者の尊厳の保持であるということと、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことというのが大原則であるはずだと思います。先ほど申し上げたように、さまざまな課題の中で議論が進みますと、例えば尊厳というものが本当に担保できるのであろうか、もしくは何か改正の影響で最低限必要な暮らしを営むことができなくなるのではないかという不安要素が現状にあると思います。ここに関してはやはり利用者視点、利用者の感覚というものを我々はしっかり持ちながら、この場で議論すべきではないかというのが1点目でございます。
もう一点目が、各委員から過去にもたくさん出ましたが、介護保険制度が余りにも複雑になり過ぎている点です。報告書の中では報酬体系の簡素化という言葉で書かれていますが、何せ現場の人間ですら重々理解できないような制度の難しさがあります。これを国民の皆さんへ現場の人間が説明するときになかなか難しくなってきている現状があるということを踏まえますと、もっとわかりやすい制度のあり方を念頭に置きながら議論していくというのが今後、大事ではなかろうかと思いますので、私どももその2点、重要なポイントとして今後議論に参画してまいりたいと思いますが、ぜひとも今後そういった共有ができればと思います。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。安藤委員、どうぞ。

○安藤委員 まず3点、御意見を述べさせていただきたいと思います。
資料3の144ページに示されてありますように、介護保険の給付費が今後もさらに大きく増加していくというのは明らかだと思っております。負担能力に応じた負担を求めることを基本に、この介護保険制度の持続可能性をより高めていくように、世代間、世代内の公平性を確保していくことが最も大切だと思っております。特に現役世代であります第2号被保険者につきましては、一般的に介護保険サービスの恩恵を受ける機会が少ない中で、介護保険料負担は年々上昇し、かつ、医療保険も含めた負担は既に限界の水準となっております。そこを新改革工程表の2018に掲げられました検討事項に限らず、給付と負担を大胆に見直していくことが、今後この会合での検討課題で不可欠であると思っております。
続きまして、保険者機能の強化というところなのですが、持続可能性を維持していくためには、介護給付費や要介護認定率など、不合理な地域差を縮減していくことも重要であると思っております。資料3の26ページ、27ページに、今年度から実施している保険者機能の強化のための取り組みが示されておりますが、今年度の実施状況を踏まえまして評価指標であるとかインセンティブのあり方などについて、必要な見直しをしていく必要があると思いますので、事務局におかれましては今後、議論の素材を提供いただくようにお願いするとともに、先ほど大西委員からもありましたけれども、市町村だけで本当に保険者機能を強化するということがいいのかどうかということも、今後の議論の中でやっていく必要性があるかなと思っております。
もう一点、資料3の45ページによりますと、高齢化が進む一方で、2025年以降は生産年齢人口の減少が今より一層進む見込みでございます。介護の人材不足がますます深刻になっていくというふうに考えられている中で、主な検討事項の5つ目の介護現場の革新というのは、非常に重要な論点であると考えております。ここでの生産性向上であるとか業務効率化に向けて、事業者や自治体任せにするのではなく、厚労省がしっかりと音頭をとって早急に取り組みを進めていただくようお願いいたします。
その際に、経営の効率化や安定化により、利用者が安心して介護を継続して受けられるようにすること、介護人材の確保や有効活用という観点から、介護サービスの経営主体の統合であるとか再編成ということも視野に入れて考えていかないと、安定した継続する介護サービスというものは、介護を受けられる方たちが受けられなくなるということも考えられますので、その辺も検討の課題かなと思っております。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
先ほど手を挙げられた井上委員、どうぞ。

○井上委員 今回の検討は第8期、2021年から2023年ということですので、高齢化の一層の進展と現役世代が減少していくという、先ほど御説明があったような前提で議論をするわけですが、やはりキーワードは持続可能性をどうやって維持していくかということになろうかと思います。
持続可能性を考えた場合に、我々企業の立場から言うと、まず資金の出し手ということもありますので、給付と負担の話というのはしっかりと議論していかなくてはならないと考えています。
それと同時に人手不足、人材の確保をどうするかということについても重要な課題になってこようかと思います。2040年に向けて福祉、医療関係者が、現役世代が減る中で20%に近づくという、産業構造として本当に大丈夫かなという状況になってしまいますので、介護人材の不足についても具体的な対応について真剣な議論が必要なのではないかと思います。
人手不足の対応ということでいきますと、人がやるべき部門に人を配置し、それ以外のところはなるべく効率化を図っていくということが重要です。もっと積極的にICTやさまざまな機器ロボットなどそういうものを積極的に使っていくという計画も重要になってくると思います。また、先ほども出ましたけれども、経営のバックオフィスの効率性などを高めるためにも、経営の大規模化を真剣に議論をすべき時期ではないかと思います。
それとともにもう一つ、認知症への対応しっかり議論していかなくてはならないと思います。2025年700万人という数字が出ていましたけれども、これはまさに介護制度とも関連する話だと思いますので、ここの予防をどうするかということも含めて議論をする必要があると思います。
予防全般について申し上げれば、議論をする際には、その効果について必ずエビデンスベースでやらないと、とにかく何かやってみたということになってしまいますので、可能な限りエビデンスを使いながら御議論をお願いしたいと思います。
最後、個人的な意見になりますけれども、介護制度の中で、きょうの資料の中でも違和感を覚える言葉が地域包括ケアというところでして、これは何でしっくりいかないかというと、団塊の世代の方々というのは結局、ふるさとから首都圏にどんどん来た方々が地域というのがない。この大量の方々が今後退職して、自分の住んでいる首都圏に戻るときに、この地域包括ケアというのがどうもしっくりこない言葉でございまして、これはやはり本当の地域と、首都圏に集中している方々の扱いをしっかりと区分して考えていかないと、大量のサラリーマンが余り自治体に参加もしたことがないような方々が、これからどんどんその世界に入っていくということですので、このあたりは別の視点での検討が必要ではないかなと個人的に感じました。
以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、こちら側、お待たせいたしました。まずは山際委員、お願いします。

○山際委員 民間介護事業推進委員会の山際と申します。よろしくお願いいたします。
私からは資料2で提示をしていただきました、主な検討事項(案)について、検討事項、項目として5つ示されておりますが、これについて3つの意見と1つの要望を申し上げたいと思います。
まず1点目の意見ですが、検討項目の2、保険者機能の強化についてです。こちらにつきましては検討項目1の介護予防・健康づくりの推進にも関係するところですが、総合事業の現状や実態をぜひ保険者単位で把握をして、評価をしていく必要があるのではないかと考えております。今回、資料3の83~85ページに関連資料が掲載されていますが、介護保険制度と総合事業を一体的に進展させていくためにも、平成30年老健事業調査の資料等も活用しながら分析と評価を行って、その上で課題解決のための手立てを打つ必要があるのではないかと考えております。
当委員会に加入をしている組織も、事業者あるいは非営利の団体があるわけですが、総合事業に積極的にかかわっております。ただ、現状は当初想定したとおりには進んでいないのではないかと考えております。
保険者ごとに体制などがまちまちであると考えれば、単なる保険者機能の強化ということだけではなくて、保険者の負担軽減も検討して、国であるとか都道府県が支援を行っていくということも必要だと考えております。
一方で、多様なサービス、例えばボランティア活動などについては、保険者が事細かくルールを決めるということではなくて、地域の団体であるとか民間事業者の裁量に任せることが可能なところは任せて、保険者は条件整備であるとか、インフラ、情報提供などの下支えを行っていくということが課題解決につながるのではないかと考えております。私どもの組織に加入しているところでも、例えばJAさんであるとか生協さんなどありますが、お互いの助け合いの互助活動ということが行われております。全国で5万人以上の活動会員がいますが、やはり何よりも自主性が非常に大事だということを聞いておりますので、この自主性を重んじながら保険者がきちんと下支えをすることが非常に大切だろうと考えております。
2つ目の意見ですが、検討項目の5番目、持続可能な制度の再構築・介護現場の革新についてです。制度の持続性という観点から言って、先ほど来お話が出ていますとおり、制度が非常に複雑になり過ぎているのではないかと考えております。やはり国民にも理解しやすいように、現在の制度をよりシンプルにつくり直していくというような方向性を介護保険部会として検討すべきではないかと考えています。また、介護現場の革新であるとか生産性の向上の取り組みは、事業者としても当然必要だと考えておりますが、生産性向上の課題としてぜひやっていただきたいことは、例えば、保険者への各種報告書の書式であるとか、そうしたことの標準化あるいは保険者のローカルルールの是正等々、そうしたことを通じて事務作業量の削減、そういったことをあわせて検討していかないと、生産性の向上にはつながらないだろうと考えております。
さらに平成29年の介護保険法改正「地域包括ケア強化法」において利用者負担割合の見直しであるとか総報酬割の導入などが行われましたが、今後もさまざまな持続可能な制度のための論議を行っていく必要はあると思っています。しかし、このことは国民生活への影響が非常に大きいと考えていますので、議論の前提として前回の改正によってどのような影響があったのか、現状を早期に把握し示していただきたいと考えております。
介護保険制度が始まって約20年となるわけですが、国民にとってなくてはならない制度として定着してきていると思っておりますが、改めて、国民に対して介護保険制度へ参加しているのだということのメッセージも含めて、この介護保険部会としてこれまでの制度のあり方、まとめと今後の方針について示していってもいいのではないかと考えております。
3つ目の意見です。3つ目につきましては、この5つの検討項目への追加についてです。先ほど来、お話が出ていますとおり、介護人材の確保が何よりも重要だと考えております。挙げられている5つの検討項目の中に溶け込んでいて、それぞれ展開をされていると読みとっておりますが、介護現場においては人材の確保は非常に深刻な状況にございます。特に在宅系のサービスにおいては喫緊の課題という状況になっております。それぞれの検討項目の中で検討するという形、それもあっていいと思うのですが、非常に重要な課題でありますので、介護人材の確保については是非別項目として起こしていただく検討をお願いしたいと考えております。
最後に要望事項が1点です。この審議会等でボトムアップしていくということは非常に重要です。一方で、骨太の方針から財政制度等審議会、このあたりから実質的には課題提起がされてくるものもあろうかと思います。介護保険部会で議論を進めてきた中で触れられていない課題が、突然議題として出てくるというのは混乱を生じますので、所管が違うということもあろうかと思いますが、ぜひ厚生労働省におかれましては、他省庁での検討内容をこの介護保険部会の場に、より早目に情報提供いただき、議論ができるよう要望を申し上げたいと考えております。
以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見、御要望と受けとめましたが、特段、事務局からのコメントは必要ではありませんね。
それでは、桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 これから検討が始まるわけですけれども、まず制度の大枠、やはり20年たちますと色々な環境要因が変わってきた。そうすると保険的な部分から言っても、例えば1号被保険者、2号被保険者、特に2号被保険者の範囲、年齢的な部分はこのままでいいのか。支える側がどんどん減っているときに、同じスキームでは支え切れなくなる可能性が強い。40歳問題がそれですよね。それと今、65歳の方、働いている方がどんどん増えてきた。そうすると65歳になったから支えられる側に回るのではなくて、これからも支え続ける人がいてもいいのではないか。1号被保険者に変わるのではなくて、2号被保険者としての機能を持っていただくという部分も検討課題として入れていただいたほうがいいのではないかと。持続可能性の問題の部分です。
もう一つ、保険者機能の問題で、制度がどんどん複雑になってきて、例えば地域密着型サービスというのは市町村が基本的には指定権限者になっています。そうすると、そこで決めたルールが絶対になります。隣の市町村と違うルールを決めたら、そこの決めたルールに従わなければいけない。すごく複雑な体系が生まれてきています。指定の問題については、指定更新というのは6年に1回ですので、一度指定を受ければ6年目までその問題は大丈夫ですよね。書類上の問題は。でも国のほうではそれを少なくするというのでどんどん減らしていただいています。それは非常にありがたいのですけれども、一方、保険者、指定権限者のほうは、追加の補足資料としていろいろなものをどんどん要求してくる。国は減らしていったけれども、市町村は追加していったらより複雑な体系が生まれてきている。だからルールだけではなくて書類上の問題もすごく今、複雑になってきています。
その部分はやはり国が統一して定めるべきものと、保険者、指定権限者がルールをつくっていいものという部分は、やはりどこかで線引きをすべきではないか。特に報告書関係、一番今、極端な事例が出ていますのは、介護職員処遇改善加算です。介護保険の中で一番特殊な加算体系なのです。毎年、計画の届出を行い実績報告を出すスキームが交付金の時代から続いてきている。それは国が様式を定めていますから、そのルールのとおりなのですけれども、それに市町村ごとの追加資料がどんどんついてくる。様式も微妙に変更して、その様式に合わせなさいと。毎年毎年、届出と実績報告でいろいろな多岐にわたる書類をつくらなければならない。今、事業者のほうでは各自治体に合わせて煩雑な作業をしならければならない状況です。
事務の簡素化の部分というのは末端まで行き届いて初めて簡素化になりますので、保険者機能の強化の部分と統一すべき部分というのはどういうものかという議論も、少ししていただけたらと思います。
あと、総合事業のほうは実際にほぼ動き出したのが実態かと思います。市町村が定めて行うルール、これは結構なのです。でも実際に現場事情とすれば事業者側で受けられないような状況も出てきている。ですからボランティアに依存する形もいいのですけれども、そこのあり方というのも国のほうで何かを示してあげるルール化づくりが必要ではないかと思っています。これからの議論の中で細かないろいろな部分、ちょっと矛盾点がある分の検討をお願いできたらと思います。
以上でございます。

○遠藤部会長 それでは、川名参考人、お待たせしました。

○川名参考人 私からは2点、お願い、意見として申し上げさせていただきます。
先ほど来、話が出ている介護人材の確保でございます。これは各自治体とも非常に大きな課題として、どこも今、新たな取り組みを発信しようとしているところでございます。ただ、労働力人口がこれだけ減っている中で、新しく新規参入というのはなかなか望めない中で、元気高齢者ですとか外国人とか、そういう活用も進んできておりますが、それもやはりパイの限界があるという中で、今回も資料で出していただいておりますけれども、労働生産性の向上ですとか負担の軽減というようなところの事業は重要になってきます。
また、そういう中で各自治体では新たなやり方を工夫して実施しようという動きも出てきております。今回いろいろと参考事例を出していただいておりますが、そういう中で人材確保というところで、自治体が期待しているのは地域医療介護総合確保基金の活用という中で、なかなか介護分のルールが厳しい中で限定的な使用となっているのが現状でございます。その辺の改善を今後引き続き検討をお願いしたいと考えております。
もう一点が、保険者機能の強化の関係で、交付金でございます。こちら平成30年度から導入されまして、30年度の市町村、都道府県とも評価が終わったところかと思います。そういう中で今後に向けてぜひ30年度の評価についての評価と課題を今後、明らかにしていただきたい、お願いしたいと考えているところでございます。始まったばかりですので、なかなかこの評価指標が、先ほどアウトプットの指標が多いという話もありましたが、指標自体が、物差しがはっきりとしない部分も多くあるのかなと考えておりますので、そういう中でどこが課題になっているかということで、各自治体の事業の底上げを図っていければと思っております。そういう中でぜひ全国知事会とも今後も引き続き、この辺の議論をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
また、この関係では従来から財源の話が出ております。調整交付金の活用という部分につきましても、引き続きこちら自治体といたしましては、趣旨が異なるのではないかということで反対しているところでございますので、この辺の議論につきましても引き続きお願いしたいところでございます。
以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。それでは、東委員、お願いいたします。

○東委員 全国老人保健施設協会の東でございます。
先ほど来、介護保険制度の持続性の問題が出ております。私も非常に重要な問題だと思っております。利用者負担を上げたり、保険料を上げたりする前に、この介護保険制度は始まって20年近くたつわけですから、制度の見直しによって持続可能に寄与するものがあれば、まずそれを議論すべきではないかと考えます。
例えば、今日の資料にもありますが、要介護認定です。私も要介護認定審査会の委員もしておりましたが、認定調査員等による心身の状況に関する調査、それから医師による主治医意見書の作成、要介護認定審査会による審査ということで、かなりの費用がかかっていると聞いております。次回その費用に関しては総額どれぐらいかかっているのか御提示いただきたいと思います。例えばこういう要介護認定の作業を、ICT等を使って効率化できないかとか、制度の効率化等をこの場で議論すべきではないかと思います。
それに関しましてもう一点、今回の資料3の81ページにございます地域包括支援センターのことについて、御意見を申し上げたいと思います。
この地域包括支援センターは平成18年に運営が始まり、もともと保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員等でセンターの運営が成り立っているわけでございます。ところが、当初の介護予防ケアマネジメント、権利擁護等々の業務に加えまして、近年では地域ケア会議の開催、包括的なケアマネジメントの支援業務等が求められ、地域包括支援センターの業務が非常に過大になっているということも伺っております。これもそろそろ見直すべきではないかと思います。地域包括支援センターは行政が独自で運営をしているところもありますが、社会福祉法人、社会福祉協議会、医療法人等に委託している自治体も多々ございます。そして、私ども老健施設を運営している法人が、地域包括支援センターの委託を受けているところも多数あるわけでございます。さらに老健施設と地域包括支援センターは、当然ですが、別々に運営をしている現状がございます。
一昨年、老健施設の定義が、介護保険法で在宅支援をする施設というふうに規定をされたところですが、地域包括支援センターの役割と重なる部分が多くございます。そういう意味で老健施設と同じ法人に委託されている地域包括支援センターを、老健施設と一体的に運営をしたらどうだろうかということを考えるわけでございます。コストメリット、それから、地域ケア会議をやる際の利便性等々、色々な効果が考えられます。私ども全老健で、実験・実証的に老健施設と地域包括支援センターを一体的に運営してみて、その効果をエビデンスとしてお示ししていこうと考えています。
以上でございます。

○遠藤部会長 ほかにいかがでしょう。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 私はきょうの検討課題の中で、特に1番の介護予防あるいは健康寿命の延伸、それと4番の認知症、そういったところにかかわる点で意見を申し上げたいと思います。
1つは資料3の介護保険制度をめぐる状況の中で、今後、認知症がふえていく。これは14枚目のデータが出ております。2012年に462万が2025年には約700万人になるという推計値で出されております。恐らく今後ふえていく可能性は確かにあるのですけれども、また、先ほど井上委員が御指摘になられましたように非常に重要な課題だと思われますが、このふえていくというエビデンスについては、恐らく九大の久山町研究という非常にしっかりした研究から導かれたものもお使いになっていると思うのですが、御存じのようにこの2、3年の間に欧米の非常に大規模な疫学研究では、英国、特にアメリカで認知症の有病率が下がってきております。これははっきりした下がりが出てきております。
その最大の理由は、母集団が異なってきている。要するに10年前、20年前、30年前の母集団、高齢者母集団と今の集団とで全く違う。何が違っているかというのを分析すると、一番違っているのは教育歴という答えが出てきております。それが確かに同じ資料3の132ページに一昨年のランセットに出た大変に有名な認知症のリスク、これは多くのシステマティックレビューをベースとして、専門委員からなるコミッションが出しているのですけれども、これを見ますと教育歴が確かに非常に大きな割合を占めているということがよくわかるわけです。
一方で久山町研究の根拠は、これはインシュリン抵抗性といいますか、要するに糖尿病のリスク者が非常に増えている、このままにしておくと認知症が増えますよということなのですけれども、もちろん、ランセットだけが正しいわけではないですが、ランセットも一つの資料として見てみますと、糖尿病は1%のリスクという形で出ており、教育歴よりかなり小さいことがわかります。
日本でも実は2012年と2025年の母集団を考えると、教育歴だけでも非常に大きな差が出てきます。ですので一つは認知症というのは今後ふえるのかという国民にとって大きなメッセージの中で、もう少し慎重であってもいいのかなというのが私の一つの意見です。これは国民向けのメッセージとしては、もちろん最悪のものには備えなければいけないけれども、しかし、ある程度の明るいものであってもいいのかなと思います。
そういう意味で、それから追加というか、小児期の教育歴というのは今日、この2年間の間でまたデータが更新されておりまして、必ずしも小児期の教育歴だけではない。成人期、高齢期における生涯教育のほうがより重要ではないかというデータも出てきております。というようにエビデンスというのは日進月歩で変わっていくということがございますので、できればそういった幾つかのきちんとしたエビデンスを考慮しながら国民向け、あるいは医療関係者向け、介護関係者向けへの高齢者関係の方々へのメッセージとしていただければなと思っているのが1つです。
もう一つは、先ほど老人保健課長さんから今後、一般介護予防事業の推進の方策について検討会を開くということで、これは大変に大事なポイントだと思っております。この場合、やはり大事なポイントが1つ私はあると思っておりまして、1つは高齢者といった場合に現時点では65歳以上全体を示すわけですけれども、こういった介護予防であるとか、健康寿命の延伸といったことを考えるときには、3500万人いる高齢者をもう少しブレークした考え方が大事なのではないか。例えば前期高齢者、後期高齢者、それから、85歳以上の超高齢者、その方々の持っている健康の水準であるとか、あるいは健康寿命の延伸がどこまで可能なのかといったような介入に関するレスポンスといいましょうか、そういったものをきちんと持っておかなければいけない。
もう一つは、例えば男性と女性とでは老化の矢面に立ってくるフェノタイプが全く異なっているという点もありますので、ぜひ今後この高齢者における介護予防施策というものを推進していくときには、そういった全体としてのありようというのは総論としてはよろしいのでしょうけれども、具体的なメッセージを発信していくときには、ぜひ少しブレークした形で、集団の特性に応じた対応というものを考えていただければなと思っております。
以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。認知症の話が出ましたので花俣委員、お願いします。

○花俣委員 認知症の人と家族の会の花俣でございます。
大変関心深いお話を興味を持って聞かせていただきました。
きょうのこの部会の意見なのですけれども、きょうから次期改正に向けての議論が始まることとなりましたが、実は家族の会では昨年の総会あるいは支部代表者会議を初め、10月に実施した介護保険困りごとアンケートなどを通じて会員からの意見を集約、検討を重ねて、現在、認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書、2018年度版のまとめ作業に入っております。3月中旬に最終案をまとめて厚生労働大臣初め、できれば関係省庁にも提出する予定でおります。今後、議論が進められていく過程において、各論については要望書の内容を踏まえて、当事者の立場から現状や現場の意見をしっかりと述べていきたいと思っております。
今のお話とも関連があるのですが、資料2の主な検討事項(案)のところ、2ページ目、4の認知症「共生」・「予防」の推進というところなのですけれども、共生という言葉そのものは、家族の会もずっと認知症になっても安心して暮らせる社会の実現を希求するという理念をずっと掲げております。それに沿った検討課題であるというふうには捉えていますが、一方で予防については今お話も少しありましたけれども、ここはなかなか微妙なところで、病気そのものの予防が困難な状況が続いている中で、この予防という言葉に一般の方の美しきというか、誤った受けとめ方が生じないように十分な配慮が必要ではないかと考えています。
ともすれば本人が予防に努めなかったから認知症になってしまったというような新たな偏見や誤解が生じるようでは、共生社会の実現とはどう考えても整合性がないと言わざるを得ませんし、資料3、55ページの介護予防導入の経緯のところにも、軽度者の原因疾患の約半数は体を動かさないことによる心身の機能低下とあります。しかし、要介護度別の原因疾患では軽度の認定者の47%は関節疾患、骨折、転倒、高齢による衰弱となっています。この関節疾患、骨折、転倒、高齢による衰弱の3種類が体を動かさないことによる疾患で、定期的に体を動かすことなどにより予防が可能であるというふうに受けとめればよろしいのでしょうか。
また、132ページ、予防可能な認知症危険因子の寄与には、潜在的に予防可能35%という表記がございます。高齢者は晩年期になるのかなと思いますので、ここの数字を足していくとこれは15%になるのですけれども、ほかにも認知症危険因子として若年期の教育歴8%、中年期の難聴9%、晩年期の鬱4%などというふうに表記されていますが、こういう要素が紹介されることで、やはり自己責任であるかのような印象を持たれないかなということを大変不安に思っております。
とにかく私たちは認知症の人、本人と介護家族が主体である当事者団体なわけですから、認知症の予防とか病気の予防が大前提ということになると、私たちはだんだん立場がなくなってしまうのかなとさえ思ってしまいます。健康寿命の延伸、例えば認知症のリスクの高いいわゆる糖尿病の予防とか、あるいはフレイル予防とか、または認知症になっても進行を遅らせるための進行予防等のさまざまな取り組みにおける予防そのものを否定するものでは決してありません。もちろん予防ができる、可能になればそれは私たちが一番望んでいることなので、そうではないのですけれども、先ほど言いましたように受けとめ方で新たな誤解や偏見が生じないようにというところは配慮していただきたいと思います。
5番目の持続可能な制度の再構築、介護現場の革新のところなのですけれども、これは163ページに介護現場革新会議が開催されているということが紹介されているのですが、次のページの委員名簿を見ると施設サービス、認知症グループホーム、医師会というような構成になっているのですが、具体的な検討テーマとか、現状レベルの展開したパイロット事業の実施、そんなものも書かれているのですが、一方で40ページを見ていただくと、第7期介護保険事業計画におけるサービス量の見込みのところに、2017年度でホームヘルプサービスの利用者が110万人、デイサービスは210万人と報告されているわけなのです。でも、介護現場革新会議というところには今、言ったように施設、グループホーム、医師会のメンバーの構成。では在宅サービスの介護現場については、ここでは議論がされないということでよろしいのですかね。これは確認をさせていただきたいと思います。
以上です。

○遠藤部会長 これは事務局に直接的な質問もありましたが、それ以外のことも含めて予防ということの意味合い、これは生活習慣病ができたときに似たような議論がされたように記憶しておりますけれども、そのようなことも何らかの形でコメントがあれば事務局、お答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。
ただいま御指摘のありました介護現場革新プランの関係でございますけれども、まず私ども施設関係の介護現場を想定して、今、開かれております会議の中で御議論をいただいているところでございます。
今、御指摘がありました在宅サービスの分野はどうするのかというところでございますけれども、今、御議論いただいているところでアウトプットが、在宅サービスにも応用できるところがあるかと思いますし、必要に応じて在宅サービスでの現場を想定した議論もタイミング、機会などを見て議論する場を設定していきたいと思っておりますけれども、新しい試みですので、施設の現場でどううまく展開できるかというところにまずは注力して取り組んでいきたいと考えております。

○黒田総務課長 総務課長でございます。
先ほど高齢者支援課長からお話をさせていただいた点につきましては、少し言葉を足しますと、会議に参画いただいている関係の先生方のご協力で検討するということはもちろん行っておりますが、それ以外にもそれぞれのサービスごとの検討というのは並行して行っておりまして、そちらの取り組みも今年度も行っております。こうした場を通じてある程度の形のものがあれば、それも御紹介できるように準備をさせていただきたいと思います。
もう一つお話のありました予防の考え方です。先ほど私の説明が駆け足になってしまって、十分伝わっていなかったら申し訳ないのですが、この言葉は大切な意味合いを持つ、これからの制度を考える上で大切な概念だと思いますし、同時に非常に注意深く使わなければならない概念でもあると思います。
先ほどお話がありましたように、かからなくなるという意味での予防というよりは、発症する時期や重症化のスピードを遅らせるとか、問題行動が周りの方々のかかわりの中で起こりにくくなるとか、そういった意味合いが中心的な議論として使われていると思いますけれども、受けとめられる方々のお話も含めて正確に伝わるようにというお話だと思います。そこは私どももこの話は当事者の関係の方々のお力なくては進まない分野だと肝に銘じて取り組んでいく構えでおりますし、そういった議論の進捗については節目節目で委員の皆様にもご覧いただいてと考えておりますので、そこはぜひ御指導よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
介護予防の話も出たので、津下委員、先ほど手を挙げておられたので。

○津下委員 あいち健康の森の津下と申します。今回初めてこの会議に出席させていただきます。
出席させていただいた経緯は、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議に参加させていただきまして、高齢者の保健事業、すなわち医療保険者からの保健事業と介護予防をどのように一緒に考えていくか。そのような議論の中で委員を務めさせていただいたことだと思います。
資料の67ページあたりにあるのですけれども、介護予防においても、要介護になる原因を考え、予防できることにアプローチしていくことが肝要と思います。要介護の原因として、脳血管疾患や認知症などが多く、生活習慣病の重症化予防も重要と思います。脳血管疾患の予防や糖尿病の重症化予防、また、認知症についても生活習慣病が関与する要因を減らしていく。もしコントロールが悪いとかそういうことであれば、それを修正していく。また、ロコモティブシンドローム、骨折、転倒においても早期からのかかわりが非常に重要だろうと思います。
その中で保健事業としては、医療保険側は特定健診・保健指導が40歳から74歳まであり、また、重症化予防の取り組みが国保を中心に74歳まで実施されていますが、75歳以上になりますと広域連合に医療保険者が移管し、市町村としては保健事業から引いてしまっている現状があります。さりとて介護予防の取り組みですけれども、実際に体の衰えを感じ始める75歳以上でも、何かきっかけがあると参加しやすい、周りから勧められると参加しやすいということがあり、主体的な参加だけでは厳しい状況もあります。通いの場への参加も増えてきたとはいえ、まだ5%ということで、多くの方に届いている状況にするには、残りの95%の方に届くには、どうしていくべきかを考えなければならないと思います。
そこで今回の一体的な実施に向けての有識者会議において、医療保険者が74歳まで実施している予防について、後期高齢者になったからといって市町村が手を放してしまうのではなくて、一体的にできないかとか、ということを議論しました。また、介護予防と生活習慣病予防、重症化予防などは共通したこともいろいろあるので、そういう中で高齢者にとって参加しやすい状況をどうつくっていくのかというのが、これから大きな課題なのかなと思います。今後この委員会の中で一般介護予防事業の推進に関する検討がなされるということで、この推進について大きく期待しているところでございます。
その中で68ページにございますように、要介護になる前においても、医療の状況、例えば多様な疾患を持っているとか、骨折歴があるとか、さまざまな医療の状況がわかるとより介護予防の必要性のある人たちを抽出しやすいということもあります。現状では介護の部門は介護のデータだけ、医療の部門は医療のデータだけということで、情報が分断化されている。これが一体的に実施できると、加入者全体を見ることができると思います。高齢者全体数が増加していく中で、保健事業が必要な対象者に対してアプローチできるのではないか。この仕組みづくりが非常にこれから重要になるのではないかと思っております。
先ほど介護予防のアウトカムがどうかという話もありましたけれども、実際に通いの場に参加している人と参加していない人の介護認定がどうなったかということも、なかなか評価が難しいという現状にあります。どんな人が参加しているかどうかわからないというような実態で、アウトカムが出しにくいということもあると市町村の方々から聞いております。そういう意味ではデータをうまく活用して、必要な対象者に早目にアプローチするような予防プログラム、それから、自分がみずから参加しようかなと思わなくても、ちょっと誰かが行こうかと、来たらどうですかというように声をかけられるような仕組みをつくり、地域のつながりと相乗的に運用してくことを検討しても良いのではないかと思います。もちろん地域のつながりとかそういうものは非常に大事なのですけれども、データベースドでやれることもあるのではないかということで、これからの事業の伸展にすごく期待しているところです。
健診受診率は今、高齢者だと30%ぐらいですか。そこの中で例えば高齢者がどのように活動しているかということが把握できれば、このような高齢者の状況もさらに保健事業として生かせるのではないかと思っております。
先ほどの認知症の方もそうなのですけれども、それぞれの対象者にあわせてできることを一緒に探していって、チームで支えることがすごく大事だと思います。保健事業をするときに、やれないからだめだとか、そういうふうになってしまわないように丁寧に支援の仕方を示し、悪いこと探しみたいになってしまわないようにすることが重要だと思います。本当はサービスが必要なのだけれども、サービスのことを知らない人、手が届いていない人が参加してもらえる仕組みの一つとして、若い世代から引き続きやっている健診とか医療の場面から介護予防の必要性をもっと伝えるアプローチが進むとよいと思います。介護予防のことをよく知らない人、介護保険のことを知らない人がいっぱいいるので、行政の中でももっと連携した取り組みが進んでいくことを期待しています。現状では庁内の縦割りというのがあって、データも縦割りの活用になっていて、なかなか連携が難しい現状があるのかなと思っています。
最後なのですけれども、介護保険制度は3年ごとに切りかわっていくのですが、切りかわるときに、前やっていたことはだめだったのかという受けとめが実施者の中で時々聞くことがあります。第何期に変わった、今までのこれはやめて、これになりましたというときに、今までの成果は十分あり、さらにどういう観点が必要だからこういうふうになるんだという、頑張ってきた人がさらにやる気に高まるような事業の紹介とか、そういうことも工夫していく必要があるのかなと考えています。
以上です。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、武久委員、齋藤委員の順番でお願いしたいと思います。

○武久委員 介護保険が始まってから約20年近く、フェーズが変わってきたなという感じがしております。ここは介護保険委員会ですので制度のことなのですけれども、資料3を中心に見ていただきましても、148ページ、149ページのように医療保険の保険料はそれほど上がらないのに、介護保険料はどんどん上がっていく。これはどうしてかということもありますし、また、121ページのように都道府県によって大きな差がある、また、市町村によって非常に小さい市町村では高齢者が多くて要介護者が多いということで、介護保険料がめちゃくちゃ高いということもあり、また、介護医療院の新設に関して、移行しようにも市町村としてはなかなか受けにくいということもございます。
要介護者になるのは何が一番多いかというと、病気になったからというのが多いのです。自然にフレイルになるよりも、病気になって急性期病院でいろいろな治療を受けた後ですけれども、平均在院日数がアメリカの5倍も日本はあるという統計も続いておりますように、医療機関で介護のサポートがないままに長く入院していると、寝たきり要介護になるということは現実問題として起こっております。要介護者が減れば介護保険財政はかなり健全になると思われますので、今回も18年は同時改定でございましたから、かなり介護に医療要素が入り、また、医療にも介護要素が入ったという感じはしておりますけれども、なおこの介護保険料がまだまだ上がっていくということに関して、何とかして対応していってほしいと思います。
そのためには、要するに要介護者にならないようにするということが一番ですけれども、ここに書かれていることは、医療サイドのことはほとんど、サイドが違うので書きにくいこともありますが、医療サイドで私は今、両方やっていますと、医療サイドでいろいろ反省しなければいけない面も、改良しないといけない面も多々あると思います。ただ、新経済財政再生計画の中で非常にいいことも言っていただいておりまして、先ほど委員もおっしゃったように、アウトカムを入れようというところがあります。こういうところも含めますと、1人の国民が病気になって医療保険になって、要介護になって介護保険に行って、また悪くなって医療保険に行ってと、ずっと1人の人が制度を違うところを順々に動いていくということから考えると、どうしてももう少し医療保険と介護保険との連携というのは今回、非常に高めていただきたいなと思いますし、介護医療院にして病院のベッドを減らそうという保険局、医政局の考えもあるようですけれども、なかなかスムーズにいっていないということ。また、介護保険の要介護者に対して栄養や水分をやってくれとか、また、リハビリとか医療からの介入に対して今回は加算もかなりつけていただきましたが、ちょうどそういう時期に来ておりますので、制度自体の見直しも含めてさらに検討していただけるとありがたいと思います。
ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
齋藤委員、お待たせしました。

○齋藤委員 日本看護協会の齋藤でございます。
今回の検討事項の抽象度がかなり高いので、どこにどういった形で私の意見が当てはまるのか分からないのですが、1つは地域包括ケアシステムの推進における、多様なニーズに対応した介護の提供と整備ということで、40ページの第7期介護保険事業計画におけるサービス量等の見込みでは、医療と介護を一体的に提供できる複合的なサービス、看護小規模多機能型居宅介護や定期巡回型等のニーズが非常に増ふえるだろうと推計されております。特に看護小規模多機能型居宅介護では、推計されたサービス量を提供するためには、現在の約1.6倍相当の事業所数が必要となってきます。非常に良いサービスであるにもかかわらず、創設から約6年以上が経過しても、なかなか施設数が伸びてこないという現状があり、具体的にこの計画の達成ができるような手段をぜひ検討していただきたいと思います。補助金の額はどうなのか、何か不足な面はないのか、そういったことも十分事業者等からのヒアリングを行い、この計画を満たすような事業所数増加の方策をぜひ検討していくべきだろうと考えています。
そして、事業所数を増やすということは、何人かの委員の方からも意見が出ておりますように、人材確保をどうするのかが大きな課題になってまいります。今、特に訪問看護の従事者の確保も大変難しい状況でございます。今後どんどん若い世代の人たちが減っていくことを考えますと、一事業所の努力で人材を充足していくという考え方で本当にいいのだろうかと思っています。特に訪問看護に関しては、平成30年度の報酬改定で医療機関による参入という方向性も検討されていますが、なかなか伸びていないということもあります。しかし、幾つかの都道府県では病院に在籍したまま、一定期間、訪問看護ステーションへ出向し、そしてまた病院へ戻るといったようなことを行い、いわゆる地域全体で地域で働く看護人材確保に取り組むところも出てまいりました。先ほど小さな事業所のM&Aの話も出ておりましたけれども、いきなり合体だ、統合だというのは非常にハードルが高いですが、こういった交流を通じて、緩やかな連携をしながら地域で安定したサービスを行っていく方向性を考えていくべきなのではないかと思っております。
もう一つ、地域支援事業、これは保険者機能の強化にもつながるのかと思うのですが、新たに予防の観点から保険者事業と予防事業を一体的に実施できるようになっていくことを考えると、現状の在宅医療・介護連携推進事業の枠組みそのものが果たしてこのままでいいのかなと思っております。特に在宅医療と介護というのは非常に濃厚な連携が必要になってまいりますので、今のような8項目の事業で果たして効果が出てくるのか、あるいは事足りるのか、他に具体的な事業も必要ではないかと考えております。今年度の老健事業の調査研究で、訪問看護師と介護支援専門員による連携において、医療依存度の高い利用者に対する相談支援を行うことで、適切な介護保険サービスに繋がっているという事例が出てきておりますので、こういった事業を在宅医療・介護連携推進事業に新たな知見としてつけ加えていくことも必要なのではないかと感じています。
3つ目が認知症対策についての観点で、「共生」と「予防」は当然大きな柱として必要があると思うのですが、もう一つ、認知症予備軍といいますか、この人はどうもなりそうだなとか、少し変化が現れているような人を地域で早期発見する、キャッチする部分の取組が弱いのではないかと思っています。
全体の戦略ではケアを提供する人たちの研修やサポーター養成は実施されていますが、早期段階での発見、適切なサービス・療養の相談窓口につなぐ又は、医療につなぐということが重要であるにもかかわらず、この戦略の中ではあまり行われていないように思います。また、初期集中支援チームもありますが、これは介護給付費分科会で示されたデータ等々では、認知症が重度化してからの発見になっているという報告もございます。共生・予防・早期発見として、通いの場でのスクリーニング実施等も少し検討事項の中に入れ、検討を進めていただけるといいのではないかなと感じています。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
しばらく右側が続きましたので、左側に戻りたいと思います。こちら側でいかがでしょうか。江澤委員、お願いいたします。

○江澤委員 この会議は第8期の介護保険事業計画について、当然中心的に議論をすることになると思いますけれども、その際にぜひ2025年から2040年の15年間が、我が国が大変一番ある意味では乗り切るべきしんどい時期だと思いますので、ぜひ2040年を見据えた第8期の介護事業計画をぜひ議論の中心にお願いしたいというふうに考えております。
その中で4点ありますけれども、1点目は2034年には全国ベースでいきますと、2034年に第1号被保険者と第2号被保険者の人口が逆転しますので、ということは支え手である40歳から64歳よりも65歳人口のほうが多くなるというターニングポイントが来ますから、給付と負担の議論は当然すべきですけれども、それだけでは限界を超えていると思います。ですからこの部会の所掌業務とは異なるかもしれませんが、要は新たな財源を確保しない限り、あるいは財源の抜本的な見直しをしない限り、なかなか持続可能性というのは見えてこない。もし今の財源の給付体制でいくのであれば、対象者を重度者に絞っていくとか、そういうことをせざるを得ない状況になると思いますので、そのあたりもぜひ検討していく課題だと認識しております。
一方で介護事業者に目を向けますと、男性職員の結婚退職あるいは出産・育児退職というのが現状続いているわけで、介護職員の入り口の月額平均5.7万円は上がっておりますけれども、まだまだトータルでは低い状況にあります。これはなかなか賃金のベースアップが難しいということで、特に女性を中心に、若い職員が現場を支えていて、どうにか循環して回って、どうにか経営が成り立っているということで、本来なら本人が希望すれば定年までちゃんと誇りを持って働ける職にしていかないといけないと思っておりますけれども、仮に全職員が定年までちゃんと働き続けると、恐らくどこかで施設経営が破綻するというふうに、今はそういう状況だと思うのですが、そういった中で職員を人材確保で事業所へ迎え入れるのであれば、そういったところのメンテナンスというのは大変大きな話ですけれども、職員を迎え入れる以上、誇りを持って長く働き続けるような枠組みを考えていかないといけないと思っております。それが1点目でございます。
2点目は、医療と介護の提供体制でございますけれども、現行、多くのところが市町村の介護保険事業計画を全部足し合わせて、積み上げて都道府県の介護保険事業計画になっているところが多いかと思っております。ところで、その中で市町村がちゃんと将来の人口推計、あるいは疾病の発症者数とかきめ細かい、特に難しいのは在宅医療、在宅介護のニーズ把握ですけれども、そのあたりを含めて事業計画を立てるのは現状、厳しい状況にあると思っていますので、これはぜひ国のほうからそういったデータツールなりを用いて、市町村がより精緻な事業計画を立てていただけるように支援をお願いしたいと思っています。
と申しますのが、地方においてはかなり施設系に特養とか老健においても今、稼働率が少しずつ低下をしてきている状況で、それから、有料老人ホームの47万とサ高住の22万、サ高住の22万のうち97%は食事を提供しているので有料老人ホームになりますので、有料老人ホームの箱だけで約70万人分整備されていて、特養が60万人ある。そのほかのいろいろなハコモノがある中で過不足のない提供体制、これは人材が非常に厳しい中で施設が乱立すると余計、人材の取り合いとか非常に不足が生じますので、ちゃんと将来を見据えた精緻な介護保険事業計画をぜひお願いしたいと思っております。ですから地域によっては現状、足元は需要よりも供給の提供体制がオーバーしているという現状も相当地域でふえてきているのではないかと思いますので、そのあたりはお願いしたいと思います。
一方で地域医療構想のほうで非常に重要なポイントは、新たな30万人が入院外でどう受けとめられるか。これは非常に重要なポイントだと思っておりますけれども、ではその30万人が、医療区分1の7割プラス地域差解消分になっております。医療区分1で言うと、一見、医療が何もないように思われますけれども、決してそうではなくて、医療区分3と2以外の医療区分1でありますので、いろいろ医療ニーズは持っている方たちなので、その方々がちゃんと地域で入院外、在宅医療、介護施設等で受けとめられるかどうか。これは非常に重要な課題でありますから、ということは地域医療構想の調整会議に私は介護の行政担当者とか介護事業者が出るべきだと思っているのですが、そこが現状どうしても縦割りになっているので、地域医療調整会議は保険局が事務局で医療関係者で話が行われているので、そこの医療と介護の連携で新たな30万人が別途受けとめられるかどうか。そこはぜひ議論をしていただきたいと思いますので、それについてはぜひ御検討をお願いしたいと思います。
事業計画で不必要に、例えば極端な例でいきますと需要がないと見えているところで事業計画を盛り込みますと、事業者にとっては大体借金の返済に最低で20年かかるわけで、その20年後にちゃんと事業者が経営がうまくできるようなことも考えなければいけなくて、足元がよければいというわけではないので、事業者がばたばた倒れるということも不幸なことなので、ぜひお願いしたいと思います。
恐らく地域によっては、特に地方においては集住化をして、効率的にちゃんと医療・介護サービスを過不足なく提供していくというのは非常に重要な課題だと思いますし、190万人現行いる介護職員のうち、50万人強は訪問系の職員でございまして、訪問系の職員は実際に4割しか患者、利用者さんに接していない。したがって、日中8時間のうち3時間しか直接サービスしていなくて、あとは移動で大きく時間が消費されているので、これについてもぜひ今後の検討課題として御議論をお願いしたいと思います。
続いて3点目は介護予防ですけれども、なかなかエビデンスがない中で、できる限り医学的根拠、科学的根拠に基づいて実施していただいて、データをちゃんととってPDCAを回していくことをぜひ念頭に置いてお願いしたいと思っています。ということは、ぜひ専門家とか有識者とかかかりつけ医、医師会と企画立案段階から連携をして、ストラテジーでちゃんと戦略を練っていただくということを非常に、これは要望でございますけれども、お願いをしております。
あわせて認知症につきましては、現行、認知症は発症してからの臨床治験はことごとく倒れて潰れていって、1剤ぐらい今、候補で残っていますけれども、ほとんど世界中でうまくいっていなくて、脳細胞が破壊された後、なかなか治療的完治が難しいのが現状でございます。したがいまして、国のほうも先般の関係閣僚会議で予防と共生という二本柱を出しておりまして、特に医学的な発症予防については、また今後国のほうで取り組まれてもので期待しているところでございますけれども、その中で現行で発売されている治療薬は1年ぐらい臨床経過を延ばす程度なので、私は余り早期発見に労力を使うよりは、要は早期発見しても医学的予後は変わらないと思いますので、それよりは特に家族関係が崩れるとか、社会的に適用が難しくなったり、いろいろな軋轢を生むその前の段階は絶対に必要ですけれども、ある程度認知症でおかしいなと気がついた段階で、共生がちゃんと成り立つように、要は人間関係が崩れるとか、その前は大事ですけれども、余り早期発見に労力を使うよりも、発症して進行しても共生ができるように、そこに重きを置いていただきたいと思います。
あわせて認知症初期集中支援チームが、これはイギリスの成功モデルですけれども、日本には確固たる介護保険制度があって、今までよりははるかにかかりつけ医とかケアマネジャーの距離感も近くなっているので、これの必要性についてぜひまた今後、日本版の初期集中のあり方について御検討いただきたいと思います。
最後に人材確保のことですけれども、もちろんICTとかロボットとか高齢者の社会参加とかは当然行うべきですが、恐らくそれだけで介護人材が確保できるとは到底なかなか思えないと感じておりますので、どういうふうにそのあたりを考えていくのか。特に恐らく介護職員の立場に立ちますと、気持ちが切れると離職につながる。退職届を出してしまうと引き戻れないので、ということはモチベーションをどう高めていくのか。特に我々医師も職人でございますので、自分のかかわっている方が自分のケアでお元気になったり、あるいはその方からありがとうとか、お礼を申されることは大変元気が出ることで、それの日々の連続でどうにか続けているのが現状だと思いますので、これは革新会議でも同様なことを言わせてもらっていますけれども、ぜひ長く続けている方々がどうして長く続けてできているのか。その辺も広く検討していただきたいと思いますし、それから、なかなか介護事業者は小規模な事業者が多くて、労務管理、働きやすい職場環境になかなか不得手なところが多いかと思いますので、その辺のノウハウの支援というのは重要になってくると思いますので、ぜひ介護職員たちに心に響く介護人材確保、直接心に響くような施策も必要ではないかと思っております。
最後に、これから団塊の世代の方が特に2022年あたりから、既に前年度に対して75歳以上の後期高齢者の伸びが4%台という非常に高い時代に突入しますので、特に団塊の世代の方は現在の大変御苦労されている戦前戦後の高齢者の方とはかなり恐らく要望であったり、生活環境いろいろなことが、育ってきた環境が異なりますので、その方々の受け皿となる施設というのも考えていかなければいけないとあわせて思っておりますので、ぜひそういった介護人材の確保については、頑張っている方々へ心に響く人材確保もぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
済みません、以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、岡委員、お願いいたします。

○岡委員 私のほうから3点申し上げたいと思います。
まず1点目でございますけれども、新経済・財政再生計画に関連して一言申し上げます。私ども商工会議所には多くの中小企業が加入しておりますが、その中小企業を取り巻く環境について、改めてこの場で申し上げるまでもありませんけれども、介護保険料に限らず、健康保険料も含めて、社会保険料負担は賃上げをはるかに上回るペースで増加を続けておりまして、中小企業や子育て、現役世代の負担は既に限界に達しております。つきましては、社会保険料負担を抑制していくためにも、昨年末に決定された新経済・財政再生計画に盛り込まれた給付と負担の見直しに関する改革項目を確実に実施し、実現していただきたいと思っております。
続きまして、今後の主な検討事項に関することです。2点申し上げたいと思います。
まず1点目ですけれども、介護予防・健康づくりの推進についてですが、その中で健康寿命の延伸に向けた取り組みが挙げられております。予防・健康づくりによる医療・介護費の削減の効果は定かではないという説もございますので、限りある財源の中で事業の費用対効果を最大限に引き出す必要があると考えます。その一つの方策として、介護関連のデータベースを活用したエビデンスに基づいた予防・健康づくりの事業を実施していくことが考えられます。その際、実施後の効果検証とかデータの蓄積という一連の流れを確実に実施することで、精度をより高めていくことが重要と思っております。
続いて、介護現場の革新の進め方についてですが、多くの介護事業者に共通する経営課題として人員不足への対応とか、業務効率化という点が挙げられておりますが、それらに対応していくためにICTの導入が進められております。しかしながら、それぞれの事業者においてはデータフォーマットの異なるさまざまなソフトウエアが導入されているため、介護サービスを提供する際に複数の介護事業者間で情報共有を行うに当たり、現在でも紙媒体が多く使われており、その情報をもとにデータを手入力しているという状況があると聞いております。介護事業者の経営資源を本来のサービスに集中させるためにも、このような介護現場におけるペーパーワークの削減は早急に進めるべきであり、国が中心となってデータフォーマットの統一とか、クラウド上に共通のプラットフォームを提供することなど、そういった方策を検討いただきたいと考えております。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。久保委員、お願いいたします。

○久保委員 日本介護クラフトユニオンの久保と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほどからも介護人材確保について、ほかの委員の方から御意見が出ているかと思います。私からも若干重複する部分につきましてはお許しをいただいて、介護人材確保について意見を述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
さて、介護人材確保の問題はさらに深刻度を増しており、新設、既設にかかわらず、施設では介護従事者の不足により、利用者定員の受け入れができないところがあります。また、訪問介護事業所では介護予防、日常生活支援総合事業からの撤退やサービスの依頼をお断りするケースが以前よりも増して多く発生しています。さらに介護従事者の不足により事業所の統廃合、廃止、休止が後を絶ちません。2018年12月の厚生労働省発表の有効求人倍率は、全産業平均が1.63倍なのに対し、介護サービスでは4.47倍と高水準の状況です。NCCUの2018年度の賃金の調査では69.1%、およそ7割が賃金に対して不満を持っています。 2018年、介護従事者の平均所定内賃金は24万4206円であり、全産業平均と約6万3000円の格差があります。一方、2017年の平均年数は350万1000円であり、全産業と約90万もの格差が生じています。国は2009年から処遇改善に対して対策を講じていますが、他産業との賃金格差を解消するまでに至っていません。介護従事者が集まらない原因はここにあり、人材確保のためには、介護従事者へのさらなる処遇改善を早急に行わなければならないと考えています。
次に、国は介護人材について2020年度までに約26万人、2025年度末までに約55万人、年間6万人程度の介護人材を確保する必要があるとしています。この介護人材確保の対策の一つとして、153ページに記載されている⑤の外国人の受け入れ環境整備など、総合的な介護人材確保策に取り組むというところがあります。このことについて意見を述べます。
2008年から始まったインドネシア、フィリピン、ベトナムとのEPA、経済連携協定や育成施設への留学で介護福祉士の資格を取得して、現在、就労しているのはわずか177人です。2017年11月から年間5,000人の受け入れを見込んで、技能実習制度の対象職種に介護が追加されましたが、その後、1年間でわずか250名弱の受け入れにとどまっています。
このような状況の中から、今年4月からは新たに始まる特定技能1号を設けて外国人を受け入れることとなっており、計画では初年度5,000人、2023年までに6万人を受け入れることとしていますが、計画どおりに進まないことも懸念されます。したがって、国内における介護従事者の確保につながる国の対策①から④までの取り組みが特に重要で、とりわけ①介護従者の処遇改善が最も有効な対策であり、介護保険制度の持続のためにもさらなる処遇改善を図らなければならないと考えています。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。それでは、小原参考人、お願いいたします。

○小原参考人 資料2の主な検討項目2とか5にかかわることだと思いますが、今回から、法改正に向けて部会が始まっていくわけですが、介護保険の理念にのっとってサービスを提供していくことを考えたときに、人材確保というところは凄く大きな課題なのかなと思います。そういった中で我々ケアマネジャーも、その担い手の問題に直面してきておりますし、一方で例えばですけれども、介護問題に働いている方が遭遇したときに、その課題解決のために介護支援専門員がケアマネジメントサービスを提供して解決を図っていく、あるいは職場に出向いて相談をして負担を減らしていくとか、そういったことを多くしてきています。
それを踏まえて3点、意見があるのですけれども、まずは業務の効率化というところで、172ページの改革工程表以降の192ページの上段のところに、AIも活用した科学的なケアプランの実用化という項目がありまして、介護支援専門員に求められる役割というのは介護保険サービスのケアマネジメントだけではなくて、利用者さんの生活支援とか地域のマネジメントまで拡大してきています。そのような中でケアプランを作成、支援していく、AIの活用ということについては、当協会として有効と考えて前向きに検討を進めているところでもあります。ただ、AIのレベル自体はまだまだ発展途上にあるのかなということもありますので、実用に向けてはAIの育成が重要と考えていて、この件につきましては協会としても積極的に議論を行い、かかわっていきたいと思っています。
2点目ですが、同じく192ページの下段のところにケアマネジャーの業務のあり方の検討ということが書いてございますが、ここの公正中立とか質の向上についてということで、いろいろな場面で出てくるのですが、協会としても調査研究事業等、独自の研修等も含めて取り組んでいるところでありますので、今後の議論の中でもいろいろと提起をしていきたいと思っております。
3点目ですけれども、工程表でいくと193ページの下段のところです。介護のケアプラン作成に関する給付のあり方についての検討ということが項目として挙がっておりますが、このケアプランに対する給付と負担のあり方については、他省庁、財制審の指摘に対して既に今年度の春に協会としては反対という意見を表明しております。現在、一億総活躍で介護離職防止に努めている中で、相談支援の窓口を遠ざけるべきではないと感じますし、他の福祉制度でもむしろ相談の入り口とか導入部分のハードルというのは下げていることを踏まえますと、利用者さんが相談しにくくなって、結果的に課題の発見が遅れたり、サービスの提供が遅れるという状況については、国民の利益にならないということになりますので、そういったことについては反対ですし、国民の利益ということを利用者さんの利益、それを支える御家族さん、あるいは働きながら介護をしていく方々の利益を第一に考えながら、いい議論ができれば良いと思っておりますので、今後ともいろいろ意見として述べさせていただきたいなと思います。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
大変お待たせいたしました。藤原委員、お願いいたします。

○藤原委員 現行の介護保険制度をめぐる状況と次期介護保険改正等について御審議いただく場ということで、私の地域の参考事例も含めながらお話をしたいと思います。
まず私の村は代表的な中山間地域の一つで、県庁まで約2時間、中核病院、救急病院まで75分ということで、陸の孤島的な地域であります。ですから民間事業の参入というのはほとんど見込めないため、村と社会福祉協議会で介護のみならず、保健、福祉、医療の事業を一生懸命にやっております。それが今、かえって保健、医療、福祉、介護の一元化という結果につながってきておりますので、これは非常によかったと思っています。
また、きょうの資料の86ページにも若干載っておりますが、村では保健師や看護師、介護支援専門員等が利用者一人一人の状況を把握し、翌日の対応を共有する連絡会議を毎日行っております。このため、医療と介護の連携がスムーズにいっており、非常にこの点は対象者に喜ばれております。
このようなことを背景に、早い時期から介護予防でおたっしゃクラブやおたっしゃリハビリの事業にも取り組んでおります。その結果、介護度別の割合から見ますと、要介護の2~5は全国平均より若干高いかと思いますが、要支援や要介護1ぐらいのところは全国平均を下回っております。このような事業により、介護認定を遅らせる効果がよく出てきております。高齢者の現役比率が非常に高いということで、人生の健康的な時間を延長させています。高齢者のおたっしゃクラブでは、非常にまだ知恵のある人が多くいまして、自分のいろいろお得意の分野や、他人のそういういろいろな知恵を拝借しまして、お互いに刺激をし合っております。このような高齢者の刺激や感動の場を多くつくるということも、介護認定を遅らせる効果につながっておりますし、健康頭脳を長時間保たせることも非常に効果が上がっております。
そのようなことをしっかりやっておりますが、これからは特に若い世代からの健康というものをしっかり考えていかなければいけないと思います。ですから介護保険と医療保険が連携しまして、共同でいろいろな対策を講じていくことも今後必要ではないかと感じております。
一つ、問題提起をさせていただきたいと思いますのは、私の村ではショートステイが非常に混んでおりまして、なかなか予約ができないため、お泊まりデイサービスというものをデイサービスでやっております。お泊まりデイサービスは介護保険適用外でありますので、村費を相当投入しております。しかし、このようなことを村が一生懸命にやればやるほど、介護費用は少なく抑えられるわけでありますが、逆に自治体負担が大きくなるという状況があるわけであります。こういうことは一例でありますが、それぞれの地域で同様の制度外の事業をやって、介護保険の認定を遅らせたり、高齢者の健康維持を図っているわけでありますので、次期制度改正に当たっては、そのようなものをしっかり見つけ出して、手当をしていくことも非常に大事ではないかと思いますので、ぜひその辺の議論をよろしくお願いいたします。
以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、津下委員、どうぞ。

○津下委員 介護予防とか保険事業で高齢者の方に元気になってもらう。元気になってやりがいのある、生きがいのある人生ということで、こういうボランティアとかそういう活動に積極的に参加していただくことが、より一石二鳥、三鳥になると思うのですけれども、実は健康づくりリーダー、ボランティアの活動を地域の介護事業所でやろうとしたら、その方は就労ほどはしっかりやりたくないのだけれども、ボランティアとしてかかわりたい。そこが最低賃金との関係で雇用なのかどうなのか不明確だと、そういう形ができにくいということで諦めてしまったという方の例もありましたが、プロフェッショナルとして先生方もおっしゃったように、プロとしての介護職として報酬を高くとって、伸びていかれるというのもすごく大事なことなのですけれども、日常的に高齢者の身近なところで高齢者の気持ちがわかった、高齢者が一緒になって取り組むと、そこのところで就労とボランティアの間の位置づけやそういう活動が広がっていくと、介護予防にも一石二鳥だし、将来の勉強にもなるしということで、実はデンマークに行ったときに高齢者の施設の周りに一般の方々がどんどん住んでくる。そこで一緒に高齢者施設のお手伝いをしたり、学習をしたり、そして収入もあるんだということで、何とか一石三鳥みたいな働きの場や、ちょっとしたおこづかいといいますか、やりがいの感じられるようなボランティアの活用なども検討していただけたらなと。そのときに労働条件など関係のところもあわせて御議論いただければと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
本日の御議論はこのぐらいにさせていただければと思います。長時間にわたりまして非常に活発な御議論ありがとうございました。
ただいまいろいろな御意見をいただきましたので、そういった御意見を踏まえつつ、次回以降の個別の検討事項についても積極的な御議論をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1つ確認でありますけれども、事務局の提案として一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会というものの設置が提案されておりますが、これはお認めするという形でよろしゅうございますね。ありがとうございます。この検討会での審議内容については、適宜本部会においても報告をしてもらうという形で、皆様と情報の共有を図りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、1つ報告事項になりますけれども、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案について、老健局関連部分の抜粋について事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○黒田総務課長 総務課長でございます。
資料5に基づきまして、概況の御説明をさせていただきます。
今国会に提出されております医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案でございます。
1枚おめくりいただきまして1ページですが、この中にNDBと介護DBの連結解析、それから、先ほど来お話が出ておりますが、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関しまして、関係の規定が盛り込まれております。
2ページをごらんいただきますと、NDBと介護DBにつきまして並びの規定の整備ということで、第三者提供の規定、連結解析、情報の適切な利用、手数料、事務委託等の規定、それから、高齢者の保健事業と介護予防の一体実施に関しまして、4ページが概念図でございますが、最後の5ページのところに法律事項が書かれております。こちらは後期高齢者医療制度の中の保健事業の関連部分ということで、高齢者医療確保法の中に置かれる規定が中心でございまして、法と書いてあるのは、そういった規定が高確法の中に整備をされるということですが、これらの事業については介護保険の地域支援事業、国保の保健事業との一体的な取り組みを支援するということで、介護保険法にも若干影響がある部分でございます。
いずれにつきましても、本日のテーマとも重ね合わせながら御議論を頂戴できればと思いますが、以上、御報告でございます。なお、個別に先生方には御説明をさせていただいておりますが、改めまして本部会にも提示する次第です。
以上、よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、本日の部会はここまでとしたいと思いますけれども、次回の日程について事務局から何かありますか。

○黒田総務課長 次回の日程につきましては、追って皆様に御連絡を差し上げます。どうもありがとうございます。

○遠藤部会長 それでは、本日の部会はこれにて終了いたします。どうも長時間、本当にありがとうございました
 
(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護保険部会)> 第75回社会保障審議会介護保険部会 議事録(2019年02月25日)

ページの先頭へ戻る