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2017年12月7日 先進医療会議・先進医療合同会議(第60回先進医療会議、第65回先進医療技術審査部会 議事録
○日時
平成29年12月7日(木)16:00~16:32
○場所
中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)
○出席者
【構成員等】 |
宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 |
藤原構成員 山口構成員 横井構成員 真田構成員 田島構成員 |
【事務局】 |
医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 |
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 他 |
○議題
1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-1)
(別紙1)
○議事
○第65回先進医療技術審査部会
15:59開会
○宮坂座長
ただいまより、国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bにかかわる新規技術の科学的評価について、「先進医療合同会議」を開催いたします。
それでは、先生方の出欠状況ですけれども、本日は福井構成員、福田構成員より御欠席との連絡をいただいております。
次に、先進医療技術審査部会からは真田構成員、田島構成員に御出席をいただいておりまして、大門構成員から御欠席との連絡をいただいております。
欠席されます福井構成員、福田構成員、大門構成員からは委任状の提出があり、議事決定につきましては私、座長に一任をするとされています。
それでは、資料の確認をよろしくお願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
頭撮りについてはここまででお願いいたします。
(報道関係者退室)
○医療課長補佐
それではまず、資料の確認をいたします。
議事次第、おめくりいただきまして座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1がついてございます。
資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
また、本日もタブレットを使用していただきたいと思っております。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容が異なっておりますので、発言者は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますのでどうかよろしくお願いいたします。
以上です。
○宮坂座長
資料等についてはよろしいでしょうか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますけれども、その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告させていただきます。
柴田構成員、藤原構成員、山本構成員、真田構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号118の技術について報告がございました。柴田構成員、藤原構成員におかれましては利益相反についてはございませんけれども、みずからが所属される保険医療機関からの届け出に関する医療技術であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなっております。
山本構成員、真田構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、同規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
次に、事務局から「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」の御説明をお願いいたします。なお、先ほど御説明いたしたとおり、藤原構成員、柴田構成員は当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申しわけありませんけれども、よろしくお願いいたします。
(藤原構成員、柴田構成員退席)
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-1に従って御説明を申し上げます。
今回、御審議いただきます技術は、整理番号118の「大腸癌治癒切除後アスピリン補助療法」の1件でございます。
適応症については、Stage 3(UICC-TNM分類 第7版)の下部直腸を除く大腸がん[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者となっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を真田構成員、副担当を田島構成員と大門構成員にお願いしておりまして、総評としては「適」の御評価をいただいております。
先進医療会議における事前評価は、山口構成員にお願いしてございまして、こちらも総評として「適」の御評価をいただいております。
御説明は以上でございます。
続きまして、医政局研究開発振興課より追加の御説明がございます。
○先進医療専門官
お願いいたします。
資料先-1別紙1の38ページをごらんください。先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものについて御説明させていただきます。
まず、実施責任医師の要件ですが、診療科として、消化器領域の外科もしくは内科が要件となってございます。また、資格ですが、「(日本臨床腫瘍学会:薬物療法専門医以上(指導医を含む)または、日本がん治療認定機構;がん治療認定医以上(教育医を含む))」とございます。また、当該診療科の経験年数は5年以上が必要です。
当該技術の経験年数及び当該技術の経験症例数は要件にございません。
次に医療機関の要件ですが、診療科は消化器領域の外科もしくは内科でございます。
実施診療科の医師数は、化学療法の実施経験を5年以上有する常勤医師が実施責任者または実施者に1名以上含まれていること、また、アスピリンの使用経験(対象疾患を問わない)を1例以上有する医師を1名以上実施者として含むということでございます。
他診療科の医師数は要件がございません。
その他医療従事者の配置は薬剤師が必要です。
病床数は100床以上。
看護配置は10対1看護以上。
当直体制は、外科系または内科系医師1名以上。
緊急手術の実施体制は必要です。
院内検査の24時間実施体制及び他の医療機関との連携体制は要件がございません。
医療機器の保守管理体制は必要です。
倫理審査委員会による審査体制は、2カ月に1回以上の開催が必要です。
医療安全管理委員会の設置は必要です。
医療機関としての当該技術の実施症例数は要件がございません。
ほかに要件はございません。
以上でございます。
○宮坂座長
それでは、整理番号118でございますが、先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を真田構成員、副担当を田島構成員と大門構成員にお願いしております。
真田構成員より概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○真田構成員
真田でございます。よろしくお願いいたします。
今回、国立がん研究センター中央病院さんから御申請いただいた「大腸癌治癒切除後アスピリン補助療法」についての評価の結果を申し上げます。
まず、医療技術の概要につきましては、お手元の資料の1ページの「医療技術の概要」というところに非常に簡潔にまとめていただいておりますので、こちらをごらんいただければと思います。
簡単に申し上げますと、先ほども少し御説明がありましたが、下部直腸を除く大腸がんについて、治癒切除を行われた患者さんを対象として、その術後の後療法、補助化学療法に加えて、低用量アスピリンを3年間服用することで、その無病生存期間を主要評価項目として、プラセボとアスピリン実薬で比較する二重盲検試験ということになります。
その治療の概要ですけれども、アスピリンについては1日1回1錠100mg、これは血小板の機能を抑制するために非常に多岐に使われている、もちろん承認用量であります。こちらを連日3年間内服することとなります。術後化学療法についても規定があり、この試験においてはStage 3A/3Bの患者さんにおいてはカペシタビン療法、Stage 3Cにおいてはオキサリプラチンの併用療法、mFOLFOX6またはCAPOX療法を行うことを原則とするとなっております。ただし、もし患者さんの希望があった場合は3A/3Bに対して、本来は3Cにおける第1選択療法と位置づけられているオキサリプラチンを使ってもよいし、Stage 3Cに対する患者さんにも希望があれば、本来3A/3Bの第1選択療法として位置づけられているカペシタビン療法を行うことも許容する枠組みになっております。
3年の登録期間で、登録後6年追跡しますが、この実薬投与あるいはプラセボ投与が3年間ですので、この3年の結果については登録終了後3年で全てが出そろった時点で主たる解析についての評価が行われることになっております。
症例数は、実薬群440名、プラセボ群440名の計880名となっております。
私、これに対しては、お手元の資料9~12ページにわたりまして、主に3つの懸念ではないかと思われる事項について事前に照会をいたしました。
その内容については簡単に御説明しますと、1つ目は許容する標準治療の内容、2つ目は試験薬の中止基準に該当した際の治療再開可能判断における手順、3つ目は毒性の問題や患者の拒否を理由とした後療法への移行に関する統計的な扱いについてでございます。
このうち1つ目については、本研究では大腸がんの術後の補助化学療法として、先ほども申し上げたように3A/3Bではカペシタビン療法、3Cではオキサリプラチン併用療法、これはいずれも6カ月の標準レジメンになっておりますが、この2者のいずれかを行うということを原則としており、患者さんの希望によってもう一方の選択は可能となっているのですが、今、この治療を取り巻く現状といたしまして、国際的には米国のNCCNガイドライン及び欧州のガイドラインでも、当該Stageにおいて第1選択肢というのはオキサリプラチン併用療法、6カ月投与療法と位置づけられていて、国内の治療実態でも特にStage 3Bなどですと、約75%と記述している書籍もございますが、大多数がかかる国際的標準に基づいた治療を行っているという現状がある点、それから本年の米国臨床腫瘍学会にてIDEA研究という研究の結果が発表されまして、オキサリプラチン併用療法の3カ月投与と標準6カ月投与の非劣性の検証を目的とした世界の1万2,000例で、国内からも1,300例が登録された国際試験の結果がオープンになり、その解析結果においては全コホートでは、非劣性検定は有意ではなかったものの、腫瘍の進展が少ないサブグループ、例えばTの1~3、それからNの1等において明確に非劣性が示されて、以後、この3カ月というのは結局半分の治療期間で済み、医療経済的にも副作用の観点からも軽いということが言えますので、このオキサリプラチン併用療法の3カ月投与は、昨今国内外で急速に患者さんから志向されてきているという点がありますために、この研究プロトコールにこれをどう反映されるのかということを照会いたしました。回答は先ほどの10ページからにございますが、私なりに認識としておまとめしたところでは、国内で期待されている手術成績と化学療法との毒性発現頻度との兼ね合いから、現時点でStage 3A、Stage 3Bではカペシタビン療法を選択の原則として、3Cでも選択を許容するという計画は変更しないということでございました。
2つ目に、JCOGの大腸がんグループさんでは、IDEA試験におけるLow-risk群での非劣性の結果は事前規定されていないサブグループ解析であって、探索的な結果と考えておられるということ。それから、毒性発現頻度とコスト低減の観点からオキサリプラチン併用療法の3カ月投与への短縮については、IDEA試験の結果の詳細が論文としてPeer review journalに掲載された時点、あるいは国内大腸がん研究会による「大腸癌治療ガイドライン」に反映される時点で、必要に応じて検討いたしますという趣旨の御回答をいただきました。
申請者の方が本研究で提示されている標準治療というのが、必ずしもオキサリプラチン併用療法に係る国際的な標準や今の国内の治療実態の現況に合致した計画であるとは言えないというところはただいま御説明したとおりで、将来的な保険収載を目指して、科学的なデータを収集するという観点に立った場合はこれが懸念事項になる可能性があります。しかし、国内で保険診療が認められた治療を標準として、また、学会発表レベルで論文未公表、また、ガイドライン未掲載の治療を標準とはしないという先進医療Bの趣旨にのっとりますと、必ずしもこれは誤った選択とは言えません。よって、これらの申請者からの回答内容が表明されたことをもって私は「適」といたしました。
また、3つ目につきましては、本研究では毒性の問題や患者さんの拒否等の理由で治療中止基準に該当した場合、その後の治療法選択を自由とする一方で、治療法が変更された場合もこれを打ち切りという処置はせず、そのまま当初治療を続けたと仮定してイベントを観察し続ける計画となっております。これについて、後療法を変更した状況のもとで特に有効性が変化した場合などにおいても、それを打ち切り後の変化とせず、当初と同様の評価とすることで、見かけのイベントの出現頻度が変化して、最終解析データを攪乱する恐れがないのかということについて、このプロトコールにおける対策の如何を照会いたしました。
回答としては、私なりにおまとめしたところでは、純粋に試験治療に薬効があるかどうかを評価するのであれば、無再発・無増悪であるにもかかわらず後療法を実施した場合、その時点で打ち切りとすることは考えられますが、後療法の開始日は担当医が決めることができるプロトコールとなっていて、本試験のみの通常のJCOG試験から手順を変更することによって、データのエラーや逸脱の増加が起こることを避ける、また、日常診療により近い設定で後療法による影響も含めた治療方針全体として、試験治療の有効性を評価するということを主たる目的としたいために、後療法への移行時点で打ち切りとして生存時間を解析するということで、私の指摘事項を反映していただくということではなく、通常のJCOG試験共通で行っておられる運用方法、つまり、後療法を変更した状況下でもそれを打ち切り後の変化とせず、当初同様の評価とするという点を踏襲するということでございます。ただし、もし予想以上に「無再発・無増悪であるにもかかわらず後療法を実施した患者」が多かった場合には、試験治療の真の有効性を正しく評価できていない可能性があり、その場合、感度解析として、例えばイベント確認前に後療法を開始した患者を後療法開始時点で打ち切りとした解析を実施して、結果の頑健性を確認いたしますという趣旨の御回答をいただきました。
私は、この回答の内容をいただいたということをもって「適」といたしましたけれども、申請者のおっしゃる「予想以上に無再発・無増悪であるにもかかわらず後療法を実施した患者」が多かった場合に限らず、単に最終解析結果の有意性が仮に脆弱であった場合、例えば主たる検定のp値がぎりぎりであったということなどの理由から、感度解析を実施して、それによらないといけない場合などの状況も容易に想定されます。また、過去に行われた別の先進医療技術においても、主たる解析結果と感度解析の結果が異なったということはございましたので、試験の解析前にこれに対応いただくことによって、そのような懸念を払拭しておいたほうがよいとも考えられました。ただし、今までの議論によって論点は全て整理されたと考えますので実施については「適」と判断いたしました。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、田島構成員より倫理的な観点からの評価をお願いいたします。
○田島構成員
倫理的観点からの評価をいたしました田島でございます。
まず、同意に係る手続、同意文書ですが、いずれもほぼ問題はございませんでしたけれども、説明文書につきまして、患者相談窓口としまして、臨床試験の実務責任者の個人名と連絡先が挙げられていたのみでございましたので、臨床試験にかかわる者には相談しにくい事柄の相談窓口として、もう一つ一般の相談窓口も追記していただくようにお願いしまして、この補完がなされましたので全体として「適」と評価いたしました。
また、補償内容につきましては、臨床試験の開始前に補償保険に加入されるということで、その保険の内容も適切でございましたので「適」と評価しております。患者相談の対応も整備されております。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、本日御欠席の大門構成員からの試験実施計画書等の評価について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進医療専門官
事務局でございます。
資料先-1の別紙1の4ページをごらんください。
大門先生の御評価ですが、全ての項目について「適」といただいております。
コメントですが、事前照会に示されるとおり幾つかの懸念点、Stage 3A、Stage 3Bに対する標準治療がJCOGと海外のガイドラインとで捉え方が異なる点等がありましたが、おおむね適切な回答が得られたと考えます。ただし、照会事項に対して回答がなされた以下の点はしっかりと検討・遂行していただく必要があると考えます。
オキサリプラチンを含む3カ月のレジメンが論文となった際には、その追加変更をJCOGでも検討する。
予想以上に無再発・無増悪であるにもかかわらず後療法を実施した患者が多かった場合には、感度解析として、例えばイベント確認前に後療法を開始した患者を後療法開始時点で打ち切りとした解析を実施して、結果の頑健性を確認するということでございます。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは真田構成員、現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめをお願いいたします。
○真田構成員
部会としての最終評価でございますが、お手持ちの資料5ページのところに示してございます。
総合評価は「適」といたしました。ただし、半手のところにアスタリスクをつけておりまして、こちらは事前照会のところの回答をいただいた事項を真摯に検討していただきたいということで、改めてここの実施条件のところに書き述べたという趣旨でございますので、例えば総括報告書の評価の際など、これが真摯に検討されているかということを御検討いただければ幸いという意味でこちらに書いているということです。
先ほども申し上げましたように論点が既に整理されました。この回答をよく見ますと、例えばここは国際標準によっています、ここは国際標準によっていませんというような、議論が少し揺れているようなところはあるのですが、論点は整理されて、回答にて申請者の方針がきっちりと示されたということで論点が整理されたと。同じくご評価を担当頂きました大門先生もそのようにお考えですので、「適」といたしました。
研究開始後は先ほど申し上げた2点を遺漏・遅滞なく検討していただいた上、必要に応じて実施してくださいということを述べてあります。その1つはオキサリプラチン併用療法の3カ月投与への短縮については、IDEA試験の結果の詳細が論文としてPeer review journalに掲載された時点、あるいは「大腸癌治療ガイドライン」に反映される時点で療法群選択への追加変更を検討していただきたい。それから状況によらず感度解析として、イベント解析前に後療法を開始した患者を後療法開始時点で打ち切りとした解析を実施して、結果の頑健性を確認していただきたいということで「適」といたしました。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、先進医療会議における事前評価については、山口構成員にお願いをしております。
山口構成員より、評価結果等についての御説明をお願いいたします。
○山口構成員
御報告申し上げます。
先-1別紙の14ページをごらんいただけますでしょうか。
倫理的な問題はない。
罹患率、有病率から普及はしていない。
既に保険導入されている医療技術に比較して、「やや効率的」とは書きましたけれども、これは現時点では全く不明というところが正しいと思います。
将来の保険収載の必要性については、将来行うことが妥当ですが、ただし、本試験で有用であることが確認された場合に限るということです。
総評につきましては「適」といたしましたが、大腸がん補助化学療法に併用することが有用かどうかは、本邦においては全く不明です。諸外国のデータは確かにあるのですけれども、本邦においては全くないということを指摘しておきたいと思います。
17ページの下段のところに四角の枠で囲まれたところに、諸外国ではフェーズ2、フェーズ3がもう大規模で始まっているわけです。我が国においてはこれが全く行われていない。また欧米では、その前に後ろ向きの試験が既に行われていて、大腸がんの患者さんでたまたまアスピリンを服用しておられた方を解析したり、そういうことをちゃんとやっているわけです。本来であればそういうデータを我が国としても出した上で、前向きの臨床試験をやるべきではないかなと思います。
ただ、アスピリン自体は比較的安全なお薬でもありますこのアイデア自体は30年ぐらい前からインドメタシンとかアスピリンが発がん予防ということが言われてやられてきたことで、決して新しいことではありませんし、技術的には難しいことではありませんので、これが先進的医療かどうかということにちょっと疑問があります。ただ、意義のあることは間違いないので、標準治療が何かということで真田先生から非常に細かい議論がありましたけれども、そのあたりをクリアされましたのでこのような前向き試験をやっていただいて、早く我が国の基本的なデータをつくっていただきたいという気持ちであります。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
これまでの御説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。
どうぞ。
○横井構成員
対象者ですけれども、今年からTNM分類が第8版になっているのですけれども、大腸がんのTNMの第7版と第8版の齟齬といいますか、相違といいますか、私が担当している肺がんは随分変わったのですけれども、それで対象者が変わらないかどうかだけをお聞きしたいのです。
○宮坂座長
事務局お願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
事前面談においても、その点に関しては事務局から聞いておりまして、基本的には第7版と第8版で大きな変更点がないということと、もう一つは日本の大腸がんの診療における普及性の点から、計画の時点では7版が妥当であるという結論に至っているということで聞いております。
○宮坂座長
よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。
これはちょっとプリミティブな質問ですけれども、これはアスピリン100mgですから、我々が普通この量を使うときには、血小板の凝集阻害とかCOX阻害を狙って使うわけですけれども、それがこの治療でも作用機序として提唱されているのですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
タブレットのほうでは133ページ、こちらはJCOGのプロトコールのほうなのですけれども、そちらのほうに治療計画の設定の根拠ということで、アスピリンの項目の3段落目にアスピリンの抗腫瘍効果について書いてございます。そこに関しては、主なメカニズムとしてはアラキドン酸カスケードにおけるCOX阻害、そして、腫瘍増殖にかかわるプロスタグランジンの産生抑制であると考えられてはいるわけですけれども、それ以外にはNF-kBの経路であったり、Raf、MAP kinaseの経路に作用することで抗腫瘍効果を発揮するという御報告であったり、抗血小板作用が微小転移を抑制するというさまざまな報告があって、現時点では明確に何が抗腫瘍効果であったり、再発抑制効果になっているかということに関しては明確ではないということで書かれてございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかには、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、各先生方の評価結果どおり決定したいと存じますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○宮坂座長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
藤原先生、柴田先生にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(藤原構成員、柴田構成員入室)
○宮坂座長
以上をもちまして、「先進医療合同会議」を終了させていただきます。
○医療課長補佐
事務局でございます。
準備が整い次第、先進医療会議を開催させていただきます。
第60回先進医療会議
〇日時
平成29年12月7日(木)16:27~16:32
〇場所
中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)
○出席者
【構成員等】
宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員
柴田構成員 藤原構成員 山口構成員 横井構成員
【事務局】
医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 他
〇議題
1 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
(先-1)
(別紙1)
2 先進医療Bの取り下げについて
(先-2)
○宮坂座長
ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
それでは、先生方の出欠状況ですけれども、先ほど申しましたように、本日は福井構成員、福田構成員より御欠席との連絡をいただいております。欠席されます両委員からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
頭撮りにつきましてはここまでといたします。
(報道関係者退室)
○医療課長補佐
それではまず、資料の御確認をいたします。
まず、議事次第、座席表、おめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について(届出状況/11月受理分)」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1-1、別紙1-2がついてございます。
続きまして、先-2「先進医療Bの取り下げについて」としている横紙の資料がございます。
資料の確認は以上でございます。
資料について、不足、誤り等がございましたら事務局まで御連絡ください。また、先ほどと同様タブレットを使用していただきたいと思います。届け出書類等についてはタブレットから閲覧していただけます。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
資料等についてはよろしいでしょうか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○医療課長補佐
今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」資料先-1に従って御説明申し上げます。
11月に受理した技術は、整理番号87「血清TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断」の1件でございます。
適応症等につきましては、皮膚科専門医が重症あるいは重症化の可能性があると判断した汎発性皮疹の患者で、かつ薬疹が疑われるものとなっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
本技術に関しまして、別紙1-2をごらんいただきますと、本技術で使用する体外診断用医薬品は重症薬疹に関して適応外でございますけれども、体外診断用医薬品を使用する技術であるということから、先進医療Aとして振り分け案を作成させていただきました。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か質問はございますでしょうか。
血清TARCというケモカインを迅速測定することによって、重症薬疹、特に薬剤性過敏症症候群、DIHSとも呼んでいますし、DRESSとも呼んでいますけれども、それの診断ができるかどうかということになります。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、先進医療Aとして振り分けます。
次に、事務局から先進医療Bの取り下げの資料が提出をされておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
先-2をごらんください。
大臣告示されている先進医療Bの技術について、取り下げの申請がございました。
告示番号53番の「131I-MIBGを用いた内照射療法」でございます。
取り下げ理由としましては、予定症例数満了の上の試験期間終了でございます。
総括報告書は、今後提出予定となっております。
御説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ただいまの説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、短いのですけれども、本日の議論は以上としたいと思います。
次回の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
次回の開催につきましては、平成30年1月11日木曜日を予定しております。
審議内容が多いと予想されますので、時間と場所につきましては別途御連絡させていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
次回は少し多いので、多分時間の繰り上げをするということになりますね。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、第60回「先進医療会議」を終了したいと思います。ありがとうございました。
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