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2017年10月19日 第8回厚生科学審議会がん登録部会(議事録)
健康局がん・疾病対策課
○日時
平成29年10月19日(木)15:00~17:00
○場所
全国都市会館 3階 第2会議室
(東京都千代田区平河町2-4-2)
○議題
(1)全国がん登録の現状について
(2)全国がん登録届出マニュアル改訂について
(3)全国がん登録情報の匿名化及び特定匿名化情報の提供について
(4)全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)について
(5)その他
○議事
○事務局(安藤) 定刻となりましたので、ただいまより「第8回厚生科学審議会がん登録部会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。健康局がん・疾病対策課、安藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、本日は有賀委員、川本委員、山中委員より御欠席の連絡をいただいております。また、本田委員より、おくれて御到着との御連絡をいただいております。
また、今回から3名の委員が新たに加わっております。
小泉委員に代わりまして、日本歯科医師会常務理事、杉山茂夫委員でございます。
道永委員に代わりまして、日本医師会常任理事、羽鳥裕委員でございます。
澁谷委員に代わりまして、本日御欠席でございますが、青森県中南地域県民局地域健康福祉部長、山中朋子委員でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日のがん登録部会の委員定数24名に対しまして、現在出席委員が20名でございますので、議事運営に必要な定足数13名に達しておりますことを御報告申し上げます。
本日は、2名の参考人に御出席をいただいております。
国立がん研究センターがん対策情報センターの東尚弘参考人です。
同じく、柴田亜希子参考人です。
それでは、健康局長より一言御挨拶いたします。
〇健康局長 健康局長の福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、先生方大変お忙しい中、また、お足元が大変悪い中、御出席を賜りましてまことにありがとうございます。第8回のがん登録部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
まず、お集まりの先生方におかれましては、日ごろからがん対策の推進のみならず、厚生労働行政全般にわたりまして、格別の御指導、また御協力をいただいておりますことを、この場をおかりしまして厚く御礼申し上げたいと思います。
御承知のように、全国がん登録につきましては、平成25年12月にがん登録等の推進に関する法律が成立いたしました。平成28年1月に法律が施行されまして、現在どのような状況かと申しますと、平成28年の診断症例の登録が開始され、進んでいるところでございます。今回、法律施行後、実は初めてのがん登録部会ということになります。全国がん登録の次の目標は、平成30年末を予定しております平成28年の診断症例データの公表、また、全国がん登録情報の利活用の円滑な実施でございます。
本日は、がん登録につきましては2点、今までの進捗状況などを御報告申し上げますとともに、その後、今申し上げました利用、提供に関しましての2点ほど先生方に御審議いただければと考えてございます。
委員の皆様方におかれましては、それぞれのお立場から活発な御意見、また、御議論をいただければ幸いに存じます。全国がん登録が円滑に行われますよう、今後とも先生方からのお力添えをお願いいたしまして、冒頭の御挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〇事務局(安藤)それでは、以後の進行は辻部会長にお願いいたします。
○辻部会長 それでは、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局(安藤) それでは、資料の確認をさせていただきます。
上から座席表、議事次第。
資料1 厚生科学審議会がん登録部会委員名簿
資料2 全国がん登録の現状について
資料3 全国がん登録届出マニュアル2016 2017改訂版の発行について
資料4-1 法第23条第2項の「合議制の機関」について
資料4-2 法第23条第2項の「合議制の機関」に関する規程内容(案)
資料5-1 全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)項目一覧(案)
資料5-2 全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)骨子(案)
資料5-3 全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)の主な論点
資料5-3別添 審査の基本的姿勢及び窓口組織による点検(案)
また、委員の皆様の机上には、参考資料1~12をファイルにまとめてとじておりますので、御確認いただければと思います。なお、参考資料の中には法律全文等ございますので、適宜御参照いただけますと幸いです。
資料の不足・落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。
以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○辻部会長 資料等に問題ございませんでしょうか。なければ、議事に入りたいと思います。
まず、議題1「全国がん登録の現状について」に入りたいと思います。
最初に、事務局から資料2について説明をお願いします。
○事務局(安藤) 資料2をごらんください。全国がん登録につきまして、今までの御報告、現状を御説明いたします。
左側に「第7回がん登録部会」とございます。第7回で御議論いただきました指針を公布しておりまして、その後、安全管理措置マニュアルに関しましても発出させていただいております。
昨年1月に、おかげさまでがん登録等の推進に関する法律が施行され、平成28年1月1日診断症例より登録を開始しております。
また、今年に入りまして4月に届出オンラインシステムを導入しております。こちらの導入に伴いまして、8月に届出マニュアル2016をマイナー改訂しております。
また、個人情報保護法等の改正施行日に、全国がん登録、院内がん登録、地域がん登録に係る診療情報の提供について、法が適用される医療機関におきましては本人の同意を得る必要のない旨、今年の5月30日付で健康局長通知を発出しておりますことを御報告いたします。
また、一番右をごらんください。2018年12月のところですけれども、平成28年診断症例のデータ公表を予定しております。こちらに向けての準備ということで、今回皆様にお集まりいただきました。改めてお力添えのほど、よろしくお願いいたします。
以上、御報告を終わります。
〇辻部会長 ただいま資料2に基づきまして、全国がん登録の状況について御説明をいただきました。これにつきまして、何か委員の皆様から御質問・御意見ございませんでしょうか。現状の御報告ということですので、よろしいかと思います。
では、議題2「全国がん登録届出マニュアル改訂について」に入りたいと思います。
参考人の国立がん研究センター、柴田室長から資料3の説明をお願いします。
〇柴田参考人 国立がん研究センター、がん登録センターの全国がん登録分析室、柴田でございます。私のほうから、2015年10月に初版を発行しまして、8月に2017年改訂版を公開させていただきました「全国がん登録届出マニュアル2016 2017改訂版」について御報告申し上げます。皆様におかれましては、分厚い青い冊子の資料8に、全国がん登録届出マニュアル2016 2017改訂版全体がおさめられておりますので、随時御参照いただければと思います。
今回の改訂について簡単に御説明申し上げます。
先ほど事務局より御説明いただきましたとおり、初版の発行後に生じた事項は大きく3点、今年4月のがん登録オンラインシステムの運用開始に伴いまして、医療機関から都道府県知事への届出の手段及び届出情報の提出形式の修正が必要であったことから、それにかかわるところについて修正・編集をさせていただいております。
また、昨年2016年6月に安全管理措置マニュアルが公表されたことを受けまして、届出マニュアル内のコラム「病院等における情報等の保護」の表記の整合性調整が必要になりましたため、そこを修正いたしております。
3点目としまして、オンラインと同じくらい大きな改訂となりますが、2015年12月に公表されました院内がん登録の標準登録様式2016との間の登録の共通項目に関する定義内容について、微妙な表現等の差異によるお問い合わせが医療機関からございましたので、そちらについて整合性調整が必要になりましたため、今回2017改訂版として8月に発出させていただく運びとなりました。
また、初版の発行後に出版物としての誤植や形式不備、あるいは都道府県のがん登録担当組織の変更等、随時御報告いただくたびに、ダウンロード版のPDFは事務局の直接修正で対応していたのですけれども、今回の3点の変更事項が出版物としての体裁の大きなずれを伴う内容になりましたことから、改めて出版社に最終校正を依頼した形での2017年改訂版としてつくらせていただいております。
届出マニュアル2017ではなく、届出マニュアル2016の2017年改訂版とさせていただきましたことにつきましては、全国がん登録の届出項目等法令等で定められた事項に係る変更がなく、前述のとおり周辺変化に伴う整合性調整の範囲と考えているために、この形とさせていただいております。
また、地域がん登録、院内がん登録でのマニュアル等は、従前より国際的にも核となる部分が定められたり、施行された年を基本にマニュアルとガイドライン等の題名がついていることが一般的でして、次の核の変更があるまでは改訂版として引き継ぐのが一般的な運用ということで、それに倣わせていただいております。
また、届出マニュアル初版は全国がん登録の開始の周知の意味を込めまして、全国の保険医療機関・病院、約7,500に冊子体をおつくりして送付していましたが、今回は改訂版ということもあり、全てダウンロード版のみとさせていただいております。ただし、これまでのダウンロード版を利用していただいて、都道府県個別に冊子体を作成して配布していただくことについては、厚生労働省と調整の上、自由に行っていただけるようになっております旨申し上げます。
具体的な改訂内容につきましては、本日の資料3の表紙の後ろに細かい修正内容をつけさせていただいておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
以上、全国がん登録届出マニュアル2016 2017改訂版の発行に関しての御報告とさせていただきます。
以上です。
〇辻部会長 ありがとうございました。
ただいま全国がん登録届出マニュアル2016についての2017改訂版ということで御説明いただきました。これにつきまして、委員の皆様から何か御質問・御意見ございますか。
どうぞ。
〇天野委員 御説明いただきまして、ありがとうございました。ちょっと細かい確認になってしまいますが、2点質問がございます。
資料3になりますが、更新内容がそれぞれ細かく記載されている中で、3ページの32ページと記載がある行で、病理学的診断でないときに用いてよい形態コードで、リンパ腫が追記されていることの趣旨について教えていただければというのが1点目。
2点目が、4ページの一番下で、造血器腫瘍以外の悪性腫瘍の初回治療の定義ということで、経過観察を選択している場合「治療しない」あるいは「経過観察」という行為を初回治療と扱いますと修正されている点について、その趣旨を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
〇柴田参考人 1点目につきましては柴田から、2点目の御質問には東よりお返事申し上げます。
まず、1点目につきまして、全国がん登録、地域がん登録、院内がん登録で適用しているルールになるのですけれども、全国がん登録、地域がん登録、院内がん登録においては、病名をコード化して登録するのにICD-O-3という国際疾病分類腫瘍学第3版を用いております。その国際疾病分類腫瘍学というのは、基本的には病理学診断がついた所見に基づいてコード化するものになるのですが、全てのがんにおいて病理学診断がなされているわけではございませんし、実は、だんだん病理学的検査を経ないで、そのほかの検査手段で診断がされる疾病もふえております。そのことについてICD-O-3(国際疾病分類腫瘍学)では、これは病理学的検査を経ないでも明らかにそのがん種であろう、がんであろうと判断できるものについて幾つか定めておりまして、その中にもともと悪性リンパ腫が含まれておりました。ところが、この全国がん登録届出マニュアルの発行時に悪性リンパ腫を落丁しておりましたので、今回追加させていただいた次第です。まことに申しわけございませんでした。
〇東参考人 2点目は、造血器腫瘍以外のところで初回治療の定義ということだと思います。初回治療の定義というのがこれまでも議論にはなっていたのですけれども、具体的なアクションがないまま、ただ、方針として経過観察をするのは治療なのだろうかという議論の中で、院内がん登録では経過観察しているというのも初回治療と考えるということになり、また初回治療をしている当該施設の責任症例のうちの1つなのではないかという考えのもと、初回治療に入っています。この前の段階で初回治療はないと書かれたのがなぜなのかについては、すみません、私ももう一度経緯を見ないと正確なところがお答えできませんので、現在のそういう考え方だという回答にとどめさせていただきたいと思います。
〇辻部会長 ほかにどなたかございますか。よろしいですか。
それでは、議題3に移りたいと思います。「全国がん登録情報の匿名化及び特定匿名化情報の提供について」ということです。事務局から資料4-1、資料4-2の御説明をお願いします。
〇事務局(安藤) 資料4-1、資料4-2をごらんください。まず、資料にはございませんが、背景といたしまして、もともと法律では、全国がん登録情報の利用と提供に関する権限及び事務は厚生労働大臣にあり、その際に意見を聞く先は審議会等、これは政令第5条で定められた厚生科学審議会とされております。
一方で、こちら資料4-1に記載されておりますとおり、法第23条第1項におきましては、全国がん登録情報の匿名化すること、全国がん登録情報の特定匿名化情報の提供に関する厚生労働大臣の権限及び事務は、国立がん研究センターに委任されております。
また、法第23条第2項では、上記の国立がん研究センターに委任された権限及び事務を行う場合において、国立がん研究センターは審議会等ではなく、合議制の機関に意見を聞くこととされております。
以上を背景といたしまして、この合議制の機関を円滑かつ確実な事務執行の観点から、国立がん研究センターに置いてはどうか。つまり、事務局を国立がん研究センターとした匿名化及び特定匿名化情報の提供に係る審査を行う委員会のようなものを置くことに関しまして、皆様の御了承をいただきたいと考えております。
次に、資料4-2をごらんください。こちらでは合議制の機関に関する規程を、今回皆様に御了承いただきました場合には、国立がん研究センターが作成する予定の規程の中に入れるべき内容案として御提示いたします。
上から第1条目的、第2条定義、第3条審議事項、こちらの審議事項に関しましては、先ほど申し上げたとおり、全国がん登録情報の匿名化及び特定匿名化情報の提供に関する内容である旨記載しております。
第4条組織に関しまして、3行目をごらんください。「委員の半数以上は法第15条第2項の審議会等」、こちらの審議会等厚生科学審議会ですが、「政令で定めるものの委員その他の構成員をもって組織する」と記載してあります。一~六に委員の詳細を記載しております。こちらを内容に入れることで、法律で定められております厚生科学審議会がん登録部会とのつながりを表し、さらに第三者機関としてこの委員会を担保したいと考えております。
第7条をごらんください。「委員会は、申出状況を考慮した上で、2、3カ月に一度開催」とありますが、この程度必要ではないかということで記載しております。
第9条をごらんください。こちらでは、委員会の開催、内容に関しまして厚生労働省に報告する旨を記載しております。
事務局からの説明は以上となりますが、まず、資料4-1に関しまして、合議制の機関を国立がん研究センターに置くことの御了承、また、資料4-2に関しまして、規程内容について御意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
〇辻部会長 ありがとうございました。
ただいま資料4-1、資料4-2に基づきまして、合議制の機関を国立がん研究センターに置いたらどうかという御提案、それから、それに向けての資料4-2の中で、合議制の機関に関する規程内容の案が出されましたけれども、これにつきまして委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ。
〇山本委員 合議制の機関を国立がん研究センターに置くことに関しては、全く異存はございません。
資料4-2の規程内容案ですけれども、第7条の5「委員会は、個人情報の保護の観点から特別な配慮が必要と認める場合を除き、公開で行う」とあるのですけれども、これは提供を求める者の理由といいますか、研究計画を見て審議するわけですよね。そうすると、研究計画がこの合議制の機関に出た時点で公開されることになって、これは研究者にとっては実際に実施していない研究のアイデアが全部ここで公開されることになりますので、少なくとも研究計画を審査するときは非公開のほうがよろしいかと思います。
例になるかどうかわかりませんけれども、厚生労働省が運営しているナショナルデータベース(NDB)の提供申出に関しましては、研究計画の審議自体は非公開で行っております。それ以外の議事がございましたら、そこは公開にするのですけれども、研究計画自体は研究者のアイデアを守るという意味で非公開にしております。ここも非公開にしたほうがいいのではないかと思います。
〇辻部会長 ありがとうございます。今、山本委員から研究計画に関する審査について、非公開にしたほうがいいのではないかと。私も全くそのとおりだと思いますし、ほかの合議制機関でも同様の扱いをされているということですが、これにつきまして何か御意見ございますか。よろしいですか。
ほかに委員の皆さんから、何か御質問・御意見ございますか。友岡委員どうぞ。
〇友岡委員 その点なのですけれども、この会議のコンセプトをどのように考えるかにもかかわるのかなと思います。研究計画について非公開という概念は非常にいいのですけれども、逆に、公開すべきでないことを書き込むのか、それとも公開すべき場合を書き込むのか。要するに、ここで言う委員会がどういうコンセプトで設立されているのかを考えないと、5項の規程というのは書き方によっては公開の自由が狭くなるか、逆に言うと非公開の自由が広くなってしまうので、その辺は工夫をしないといけないので、その概念はきっちり押さえる作業が必要かなと思いました。
以上です。
〇辻部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見ございますか。平田委員どうぞ。
〇平田委員 具体的に手順を踏んでの質問になりますので、スタートの質問の意図として何を質問したいのかよくわかりにくいということになるかもしれませんけれども、お許しいただきます。
委託されている事務権限についてですが、研究者に対して全国がん登録情報の特定匿名化情報の提供とございますけれども、この場合にまず、がんセンターからの参考人のお二人に教えてもらいたいのですが、もし、研究を行う場合のこの情報に関する提供は、匿名化して加工されたデータをお渡しすることがあるのでしょうか。というのは、申請した場合に、分析委託業者やあるいは自分たちで行わなければならぬ場合もありえるわけですけれども、その手前のがんセンター担当部署の事務作業が大変なのではないかと想定されます。
「合議制の機関」を、国立がん研究センター内に置くことについてはよろしいと思っていますが、実際の事務作業が例えば研究採用課題に対する作業として、あるいは“合議の為の”委員会を開催するに当たって、加工データをどのように提供するかのご準備については仕事量が大変多くなりうるので、今の体制で活用が円滑に進むかどうかが心配されるというか、何らかの応援が必要なのかなという印象を持つのですが、いかがなものでしょうか。そこだけ大丈夫だと言っていただければ、ありがたいかなというのが本音でございます。
〇東参考人 御指摘ありがとうございます。またお気遣いいただきまして、ありがとうございます。一応、今の時点で大丈夫だと言い切るのは、すごく勇気の要ることだと考えますけれども、始まってからもし何か不都合がありましたら、その辺は厚生労働省の御支援・御指導のもと、鋭意状況を改善していきたいと考えております。これは我々にお仕事としていただきましたら、責任を持って遂行したいということを現時点では申し上げるということで、それに対して必要なことは今後整理していきたいと思っております。
〇平田委員 ぜひ、そういうことで、こういう議論があったという事実だけをも記録に残していただきたい。採用された研究が円滑に進まないと、研究が採用されてもその結果はいつ公表されるのか、どうなったのかということでアウトカムの公表が遅くなると、研究者の責任なのか、どこの責任なのかという押しつけ合いをはよくありません。円滑に進むような体制を整えてくださるように、お願いしたい。何事もやってみないとわからないのですが、確かにお答えいただいたとおりと存じますので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
〇辻部会長 中西委員どうぞ。
〇中西委員 第4条の構成員のことですけれども、ここに書かれている一、二、三というのは、どちらかというとこれを積極的に活用するお立場の方だと思いますし、五は逆に活用される側の御意見だろうと思います。この事業は今後も非常に注目されるだろうと思いますが、ここにいわゆる生命倫理の専門家を入れるべきかどうか検討すべきではないかと思います。確かに、文言として入れずに「その他、委員長が認める者」に入れてもいいのかもしれませんけれども、その点について御意見があればと思うのですが、いかがでしょうか。
〇辻部会長 今、中西委員から、第4条の中で生命倫理の専門の先生、学識経験のある人を明記するか、あるいは6項の「その他、委員長が認める者」の中にくるんで、実際に運用していただくというのと、2つ考えがあるのではないかと。確かに生命倫理というのは非常に重要な話でございますので、考えなければいけないかなと思いますけれども、これにつきまして先生方から何か御意見ございますか。
どうぞ。
〇薄井委員 確かに、重要な点だと思いますけれども、これはいわゆる研究の倫理審査をするところではないと思いますから、もちろん生命倫理の専門家に入っていただく事には良いと思いますけれども、余りそこは明記しなくても、生命倫理についての配慮を含む形でもよいのかなと逆に思いますが、いかがでしょうか。
〇辻部会長 ほかにどなたかございますか。羽鳥委員どうぞ。
〇羽鳥委員 薄井委員のおっしゃることからすると、倫理審査委員会はこの委員会とは別に設けるということでいいのでしょうか。研究とかいろいろな事業が行われる合議制の機関とは別に、倫理審査委員会をつくることを前提とするということでよろしいのでしょうか。
〇がん対策推進官 恐らく倫理審査委員会なるものは、個別の研究を実施する際に、個々の研究機関、医療機関で審査されたものを、こちらのがんセンターなり厚生労働省なりにデータをこういうふうにいただきたいということで申請があるものだと思っておりますので、薄井委員のおっしゃるとおり、これは倫理委員会ではないわけですので、そういった御意見だと認識しております。
〇羽鳥委員 研究の妥当性をどこかで審議しなければいけないことがあると思うのですけれども、それを各研究機関だけでやっていいのか、それとも中央できちんとある程度ルールを決めていくということも必要なのではないかと思うのですが、その辺は大丈夫なのでしょうか。
〇がん対策推進官 次回以降でまた御議論いただこうと思っておりましたけれども、審査の際の基準みたいな考え方は次回以降にお示ししようと思っておりますので、その際また御議論いただければと思います。
〇辻部会長 ほかにどなたか。どうぞ。
〇家原委員 先ほど山本委員から御提案のありました、第7条の会議に関する研究計画は非公開かということに関係するのですけれども、2番に「委員会の委員長の判断により、持ち回りによる審議形態をとることができる」と記載されているのですが、具体的には持ち回りによる審議形態というのはどういうことを想定されているのか。先ほどのことと関連するのですが、研究計画は私も研究者のオリジナリティーがありますので、計画については非公開にしたほうがいいと思いますので、持ち回りによる審議形態、具体的にそういったことが担保されるのかどうかをお教えいただければと思います。
〇がん対策推進官 持ち回りのような形で審議されるものについては、迅速な判断を求める場合にそういった対応をとると思いますので、個別具体的な研究の内容について議論する際というよりも、もっと迅速にやらなければならないものに対する審議の開催の形と御理解いただければと思います。
〇家原委員 具体的には、こういう場で集まって審議するという形で、例えば郵送でそういうものが送られてくるとか、ないとは思いますが、メール添付で入ってくるということではないという理解でよろしいでしょうか。
〇がん対策推進官 もちろん内容にもよると思いますけれども、郵送も含めた開催形態にはなると思いますが、情報の公開の仕方、会議の開き方については十分注意して行いたいと思います。
〇辻部会長 黒田委員どうぞ。
〇黒田委員 まず、1つ目の質問は、2~3カ月に1回という言葉が書かれているのですけれども、その心というのは何をお考えなのか。つまり、基本的には申し出がない限りは本来開く必要がないもののはずなので、2~3カ月に1回と最初から規定しておくのは自縄自縛に陥るのではないかというのが質問の趣旨でございます。
2つ目は、逆に今お話があったように、迅速に審査しなければならないことが想定される申し入れがあった場合に審査するに当たって、今のお話だと持ち回りというのはなかなか難しいと考えた場合、合議で開催するとなったときに委員のスケジュールを合わせる等々は基本的にはかなり難しい問題が発生しますので、そういうときの運用形態として、人が移動せずに基本的にはテレビ会議で行うというような、この部会も含めてだと思いますけれども、そういった開催の方法は想定し得るのかについて教えていただければと思います。
〇がん対策推進官 テレビ会議等先ほど御指摘の点も含めて、柔軟に検討していきたいと考えております。
〇黒田委員 済みません、前半の2~3カ月に1回の心ですが。
〇がん対策推進官 こちらも、またあわせて検討させていただければと思います。
〇辻部会長 祖父江委員どうぞ。
〇祖父江委員 第4条ですけれども、一、二、三と「がんに関する」「がん医療等に関する」「がんの予防に関する」とあります。一が「がんに関する」と広いですね。これを「がん研究に関する学識経験者」としたら狭過ぎますか。3つ並んでいる包含関係がよくわからないというところです。
〇坂元委員 私も言おうかと思ったのですけれども、「がん医療等」という「医療」を、例えば医療法第1条の2の医療に限った場合、そこには治療と予防は両方医療であるとその法律に書かれているので、何でわざわざ医療と予防を分けたかと思いました。細かいことなのですけれども、法律には医療とは治療と予防もあわせたものとされているので、このように分解した理由が何なのか聞こうと思っていました。
〇がん対策推進官 お手元の青いファイルの参考資料2をごらんいただけますでしょうか。8ページにあります、がん登録等の推進に関する法律の第15条第3項にございます。「前項に規定する審議会等の委員その他の構成員には、がん、がん医療等又はがんの予防に関する学識経験のある者及び個人情報の保護に関する学識経験のある者が含まれるものとする」と、ここをそのまま引いておりまして、この法律の部分と平仄を合わせているということでございます。
〇辻部会長 よろしいでしょうか。
ほかにどなたかございますか。小俣委員どうぞ。
〇小俣委員 大変基本的なことで恐縮ですけれども、第1条の「委員会を設置し」というところで、そもそも合議制の機関については公平に行うということで設置されるということなのですが、どなたが委員を選定するのかがわからなかったので、教えていただければと思います。
〇がん対策推進官 本日そこを御議論いただきまして、この合議制の機関が置かれる場所、我々の提案ですと国立がん研究センターということになると思います。
〇小俣委員 公平に選定するというときに、がんセンターの方が選ぶとなってしまうと、外から見ると公平に見えないのではと思いますので、何か違う方法について決めていただいたほうがいいかと思うのですが。
〇がん対策推進官 そこは検討させていただきたいと思います。
〇辻部会長 ほかに御意見ございますか。
先ほど友岡委員からいただいていた合議制機関のコンセプトですけれども、これにつきまして何か事務局から御回答ございますか。
〇がん対策推進官 こちらも、これから検討させていただこうと思いますけれども、一応がん登録部会の運営細則の第5条第1項がございまして、そちらに「公開することにより、個人情報の保護に支障を及ぼすおそれがある場合又は知的財産権その他個人もしくは団体の権利利益が不当に侵害されるおそれがある場合には、委員長は、会議を非公開とすることができる」とありますので、こうしたところを引きながら、どういうふうに書いていくのか検討したいと思っています。
〇友岡委員 次々回の検討事項にしていただければと思います。私のイメージとしては、今回できる会議体が専ら申請される研究の内容についてのみ話されるというのであったら、これは全体として非公開にすべきです。でも、そうではないということになったら公開する部分があるのではないかと。どっちが原理原則なのかというのがちょっとわかりにくかったので、その辺問題整理をしていただければと思いました。
〇辻部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたかございますか。大体よろしいでしょうか。
それでは、私のほうでまとめさせていただきますと、資料4-1で出されております提案、合議制の機関を国立がん研究センターに置いてはどうかということについては、御了承いただけたということでよろしいでしょうか。したがいまして、合議制の機関を国立がん研究センターに設置することにつきまして、事務局におかれましては省令・告示等による規定の検討、また、国立がん研究センターにおかれましては、設置規程の検討など準備を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
また、資料4-2の内容ですけれども、一部公開の問題でありますとか、第1条のこととか幾つか御議論いただきましたので、これにつきましては、本日の御意見を踏まえて事務局でまた整理していただいて、規程内容については部会長預かりということで進めさせていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、私のほうで事務局と相談しながら内容を決めていきたいと思います。
なお、後の合議制の機関を国立がん研究センターに設置すること、それから、私が今後確認させていただきます合議制の機関に関する規程内容などにつきまして、その規定の方法は事務局に一任ということでお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、次の議題4に移りたいと思います。「全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)の策定について」、事務局から資料5-1、資料5-2を説明していただいた後、参考人の国立がん研究センター、柴田室長より資料5-3の説明をお願いいたします。
〇事務局(安藤) 資料5-1、資料5-2の前に、資料2をもう一度ごらんいただきながら、今後のスケジュールについて御説明いたします。
資料2には記載しておりませんが、全国がん登録情報の提供に関しまして都道府県の準備も必要なことから、年度内にマニュアルを策定し、御提示したいと考えております。ただし、後ほど御説明いたしますが、一部詳細につきましては、年度を超えて本マニュアルの別添の形で二段階、三段階で順次策定・御提示したいと考えているところでございます。そのため、本日御提出するマニュアル骨子案につきましては、事務にかかわる部分を中心に御意見いただきたいと存じます。
それでは、資料5-1をごらんください。こちらはマニュアルの目次を想定して項目を挙げさせていただきました。マニュアル作成に当たりまして、国の所有する情報の提供に関するガイドラインとして、お手元の青いファイルの参考資料11、参考資料12にございます統計法第33条の運用に関するガイドライン、レセプト情報、特定健診の提供に関するガイドラインを参考にしていく予定でございます。
項目の下線につきましては、資料5-3「全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル(仮称)の主な論点」で、国立がん研究センター、柴田室長から後ほど御説明いただく予定でございます。
次に、資料5-2をごらんください。骨子案といたしまして、各項目に記載する内容に関して、こちらの資料を用いて御説明いたします。
「第1 目的」では、情報の利用及び提供に関する事務処理の明確化及び標準化。事務の適切かつ円滑な実施と記載させていただきました。先ほど申し上げましたとおり、まずは事務にかかる内容を中心に記載していく予定でございます。
「第2 用語の定義」では、法第2条において定義されている用語以外で、こちらのマニュアルの中で頻度の高いものに関しまして定義させていただきました。
「第3 全国がん登録情報等の提供に当たっての事務処理要綱の作成」に関しましては、「1.運用体制等」のところでは、国立がん研究センター、都道府県知事または第24条の規定に基づき、都道府県知事より権限及び事務の委任を受けた者は、本マニュアルを参考にそれぞれ事務処理要綱を策定するよう記載する予定でございます。
2番に関しましては、法の規定により1つの都道府県のがん情報の提供の申出を行う場合には、都道府県に申出を行うことになっておりますが、2以上の都道府県にまたがる場合には、全国がん登録情報として申し出るようございますので、そちらを改めて記載する予定でございます。
「第4 事務処理の流れの概要」に関しましては、実際に事務処理の想定として、こちらの12項目を挙げさせていただきました。
「第5 運用体制等の整備」に関しましては、運用体制の統一化・明確化のため、情報等の提供依頼申出者からの申出をとりまとめ、それぞれの情報につき厚生労働大臣、国立がん研究センター、都道府県知事が行った提供の決定に基づき、情報等の提供を行うといった調整機能を果たす組織として、以下を窓口組織としたいと考えております。全国がん登録情報及び全国がん登録情報の匿名化が行われた情報の提供に関する窓口組織は、国立がん研究センター、都道府県がん情報及び都道府県がん情報の匿名化が行われた情報の提供につきましては、当該都道府県または都道府県知事から指定を受けた者に窓口組織をしていただこうと思っております。
「第6 情報等及びこれに付随する定義情報等の保管及び整備」では、厚生労働大臣、国立がん研究センター及び都道府県知事においては、全国がん登録における個人情報保護のための安全管理措置マニュアルに基づき、情報等及び定義情報等の適正な保管等の措置を講ずることを記載する予定でございます。
「第7 事前相談への対応」に関しましては、提供依頼申出者から連絡・相談等があった場合、窓口組織は直接申出者とやりとりをいたしますので、法に規定される提供の趣旨や提供を受けることのできる者、審議会等による審査の要不要及び審査基準、利用の制限、安全管理義務等について説明を行うよう記載する予定でございます。
「第8 申出者からの申出文書の受付」では、「2.申出者の別と利用目的」に関しまして、国、都道府県、市町村のがん対策の企画または実施に必要ながんに係る調査研究が目的である場合には、申出を行う者にとって必要不可欠であることを証明する書類の添付を求める予定でございます。
第2段落に関しましては、調査研究等を委託された提供依頼申出者は、委託契約書等の写しを添付することを求める予定でございます。なお、申出時に契約締結前であることが想定されるため、その場合にはその旨を記した文書をもって代替できるものとし、審査は行うこととする予定でございます。ただし、契約締結後は速やかに委託契約書及び覚書等の写しを提出していただきまして、提供可となった場合には、当該写しの提供を確認した後に情報等の提供を行うものとする、このような体制をつくっていきたいと考えております。
第8の「3.申出文書に記載を要する事項」は、申出者が実際にどのようなものを記載するかを9項目挙げさせていただきました。
(3)情報等を取り扱う者の範囲に関しましては、利用規約を定め、誓約書の提出を求める予定でございます。括弧書きで別添とございますが、こちらは皆様に次回以降御議論いただいた後に定めるべきものと考えますので、このように別添とさせていただく予定でございます。
(7)利用場所、利用する環境、保管場所及び管理方法に関しまして、受領者側の安全対策に関しましても、皆様に次回以降御議論いただいた後に策定し、別添として配布する予定でございます。
次に「第9 申出文書に基づく審査」では、審査までの流れを簡単に図式化させていただきました。申出者から書類提出をいただきましたら、窓口組織では形式の点検といたしまして、書類の確認、利用目的の確認等を行っていただく予定でございます。「3.申出に対する審査基準」の項で形式点検のポイントを定める予定でございまして、後ほど国立がん研究センター、柴田室長より資料5-3を用いて御提案いただこうと思っております。
審議案件を提出した後、審議会等や合議制の機関で内容の審査を行う予定でございますが、こちらの審査基準に関しましても、皆様に次回以降御議論いただいた後策定するべきものでございますので、別添とする予定でございます。
説明の冒頭で申し上げました本マニュアルの提示後、別添として追って提示するものは、スライド9の利用規約、受領者側の安全対策、スライド10の審査基準、こちらの3点を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「第10 審査結果の通知」に関しましては、審査に要する期間、審査後の手続等を記載する予定でございます。審査結果の通知者は全国がん登録情報の提供に関しましては厚生労働大臣、全国がん登録情報の匿名化すること及び特定匿名化情報の提供につきましては国立がん研究センター、都道府県がん情報の提供及び都道府県がん情報の匿名化すること及び特定匿名化情報の提供につきましては都道府県知事といたします。
「第11 情報等及び利用に必要な定義情報等の提供」の「1.提供に要する期間」に関しましては、申出のデータ量により提供にかかる時間が異なりますので、各窓口には速やかに提供を行うことを記載する予定でございます。
「2.情報等の提供の手段」に関しまして、配達記録書留等による安全性の高い送付に限定すること、電磁的記録媒体転写情報は、暗号化しパスワードを付与すること等を記載する予定でございます。
「第12 調査研究成果の公表前の確認」では、受領者は、調査研究成果を公表前に窓口組織に報告していただく予定でございます。窓口組織は個人を識別し得る結果ではないかなど確認していただく予定でございまして、こちらに関しまして詳細は資料5-3で後ほど国立がん研究センター、柴田室長より御説明いただく予定でございます。
次に「第13 利用期間中の対応及び終了後の処置の確認」の、「1.利用期間中の対応(報告及び監査)」に関しましては、法に記載されているとおり、厚生労働大臣、国立がん研究センター及び都道府県知事は、利用状況等に疑義が生じた場合は、受領者から情報の取り扱いに関し報告させること、報告において問題が解決しない場合には、適切な監査手順に基づき、情報等の取り扱いに関し必要な助言をすることを記載する予定でございます。
「2.利用期間終了後の処置」に関しまして、提供を受けた情報等から生成されるもののうち、申出書類に添付した集計様式または統計分析の最終結果以外のものは、使用後の処置について、窓口組織に報告する旨、記載する予定でございます。
「第14 不適切利用への対応」に関しましては、法律では第6章第52条から罰則に関して規定されておりまして、受領者は以下の義務または制限が課せられており、これらに違反した場合は罰則が適用される旨、記載する予定でございます。
最後「第15 提供状況の厚生労働大臣への報告」では、国立がん研究センター及び都道府県知事は、法の規定により、厚生労働大臣の求めに応じ情報の利用及び提供の実施の状況について報告を行うものとする旨記載されておりますので、こちらも記載する予定でございます。
資料5-1、資料5-2に関しまして、事務局からの説明は以上でございます。
〇柴田参考人 続きまして柴田より、皆様に具体的、詳細な御意見を伺いたい案件につきまして、御説明申し上げます。
まず初めに、提供に関するマニュアルにつきましては、これまで既に公表されてきました届出マニュアル及び安全管理マニュアルと同様に、厚生労働省と国立がん研究センターで協働して策定させていただいておりますことを申し上げます。
これから大体15分くらい御説明にかかりますので、よろしくお願いいたします。
資料5-3をごらんください。本マニュアルの策定にかかり御意見を伺いたいことが、本日は大きく3点ございます。
1点目は、窓口組織における申出文書の点検内容について。2点目は、全国がん登録情報等の提供を受けて実施された調査研究成果について、研究者の公表前に審査・提供する側が確認する手続を行うかどうかについて。3点目は、研究終了後の提供された情報を一定期間で廃棄する本来の義務に関連して、必ずしも速やかに廃棄しない特例を置いてよろいかということについてでございます。
ページをおめくりください。初めに、窓口組織における申出文書の点検内容についてお伺いいたします。先ほどがん疾病対策課から資料5-2、マニュアル骨子案の御説明において、全国がん登録情報等の提供に係る事務については、窓口組織を設置し、その窓口組織において運営を行う旨がございました。そこで資料5-2、スライド番号10の「第9 申出文書に基づく審査」を振り返っていただきたいのですが、提供依頼申出者から窓口組織に申出文書が提出されたとき、審議会等や合議制の機関に内容審査を実施していただく前に、添付されるべき書類、その他の形式点検確認は窓口組織が実施することによって、合議制の機関での審議を速やかなものにするとともに、提供に至るプロセスまでも速やかにするということを想定しております。この際、窓口組織として想定されております国立がん研究センター及び都道府県の窓口組織が、申出文書の記載内容を見ながら同じ要領で確認・点検するためのポイントを、このマニュアルに記載してはどうかと考えております。
その内容につきまして、資料5-3の別添をごらんください。表の左側には申出文書に記載いただこうと思っている内容におおむね沿いまして点検・審査の項目案を。中央の列に、審議会等が合議制の機関において内容審査をいただく上においても共通となる基本的な審査姿勢案を。そして、右側には窓口組織で点検可能と考えられる内容案を記載しております。
本日は、幾つかの点検・審査事項案を御説明いたします。まず、(2)全国がん登録情報または都道府県がん情報が提供されることについての同意をごらんください。提供依頼申出が法第21条、提供の申出は、厚生労働省や都道府県における公的機関におけるがん対策のための調査研究の場合の提供と、その他の研究者への提供、そして病院等の提供への大きく3つに仕組みが分けられておりますが、その中でも第21条というのはその他の提供、一般的な研究者への提供の仕組みになります。法第21条、その他の理由の第3項または第8項の規定による全国がん登録情報または都道府県がん情報の提供を求める申出に該当する場合は、法第21条の第3項の4号、または第8項の4号の規定によって、当該提供の求めを受けた全国がん登録情報または都道府県がん登録情報に係るがんに罹患した者が生存している場合にあっては、当該がんに係る調査研究を行う者、調査の申出をしている者が、その調査研究のために当該全国がん登録情報または都道府県がん登録情報の提供を受けるということについて、当該がんに罹患した者から同意を得ていることと法律本文に記載されております。
そのことにつきまして、窓口組織においては同意を得ていることがわかる書類の添付を確認することを想定しております。具体的には、研究計画に基づく対象のリクルートにおいて交わされるであろう説明と同意の文書の内容になるかと思います。
また、申出に係る調査研究が、がん登録推進法の附則の第2条第1項に該当する場合は、法施行前に実施されている調査研究に関する経過措置になるのですけれども、こちらにつきましては、法施行前に開始されていて、さらに政令附則第2条第3項に定められた、改めて法律の中で同意をとりなさいとされている行為が難しいと考えられる場合に該当するときには、既にこういう場合が難しいと指針に定められておりまして、さらに指針に定められた同意代替措置をもって同意とみなすとされておりますので、この研究に該当する場合は、調査研究が経過措置の対象となる研究であることがわかる書類と、同意代替措置が適切に講じられていることがわかる書類の添付の確認は、窓口組織で実施することと考えております。
法律・政省令ができてから1年半ほどたっておりまして、記憶を振り返っていただくのは難しいかと思うのですが、折に触れて随時こちらの青い冊子体の法律・政省令の該当する部分を見ながら御検討いただければと思います。
続きまして、(3)と(4)の御説明をさせていただきます。また、資料5-3別添にお戻りください。
(3)情報等を取り扱う者の範囲、(4)利用する情報等の範囲という項目になります。審査の基本姿勢としては、必要な限度で提供できますという法律上の規定がございますので、これらについては必要最小限の提供申出であるかどうかということが基本的な姿勢となります。しかし、事に専門的な提供に係る提供申出の場合は、当該研究の実施に必要な限度の提供申出か否かということは窓口ではかなり判断が難しく、審議会等に意見を聞く場合もあるかと思います。ただ、窓口組織においても申出文書に記載することになっている事項が確実に記載されているかどうかを点検して、記載されていない場合は修正・再申出を促す運用を検討しております。
特に、情報等を取り扱う者の範囲につきましては、審査の基本姿勢をあらかじめ利用規約として定めて、当該規約の内容を遵守する旨を認めて、署名または記名・押印した誓約書を情報を取り扱う者全員について求め、それを添付していただく。それを窓口組織において確認するという運用を考えております。
次に、裏面の(8)結果の公表方法及び公表時期についてをごらんください。審査の基本姿勢としましては、法の基本理念に基づき、全国がん登録情報等は厳格な保護のもとで十分に活用され、調査研究成果を国民に還元することを両立させないといけないということが書かれております。そのため、研究成果は基本公表前提と考えておりますので公表予定日を、そして、公表しない場合は、その理由の記載を求めることを想定しております。また、研究成果が国民の権利利益を不当に侵害するおそれがないことも基本的な審査における姿勢と考えられます。
研究成果が国民の権利利益を不当に侵害するおそれがないことについて、窓口組織である程度の確認をするためには、調査研究成果の公表に当たってある程度制限を置くことが必要ではないかと考えております。これにつきましては、引き続き論点2の調査研究成果の公表前の確認についてで御説明させていただきたいと思います。
また、資料5-3にお戻りください。2点目、全国がん登録情報等を活用した調査研究成果として、提供を受けた情報そのものの公表や、特定の個人を識別し得る結果を公表しないのは当然ではありますが、提供を受けた情報の任意の組み合わせの集計において、意図せず特定の個人を特定できる状況になってしまうことは以前より想定されております。この問題について、米国における複数の州がん登録の情報をとりまとめて、一般にも比較的容易な形でデータを提供している米国のNCIという組織のSEER研究事業というものがあるのですけれども、こちらについては提供前に交わす利用規約での合意をもって、集計値が11未満になる場合は、公表に際して秘匿することという条件を設けております。また、偶然に特定の個人を識別し得てしまった場合にあっては、速やかに事務局に報告してくださいということも規約に定めております。
この仕組みで提供される情報は、ほぼこれから全国がん登録情報等の匿名化された情報で提供しようとしている情報と同等のものなのですが、米国のNCIのSEER事業の情報の提供に関する利用規約に対しては、利用前の規約への合意を取得するのみで、公表前の確認は行われておりません。
一方、我が国で国が収集している情報を研究的に提供する仕組みとして先行実施されておりますレセプト情報、特定健診等情報の提供においては、提供依頼申出者は集計値の公表基準が示されておりまして、公表前に公表を予定する研究成果について任意の様式で厚生労働省へ報告することとされています。このように日米を比較して情報提供判断材料の1つとして提起させていただきます。
その他、参考までの御提示となりますが、スライドの5番目、6番目、7番目に、前述の米国のNCIのSEERが整備しているまた別のデータセットがございまして、こちらはがん登録情報とレセプト情報のようなデータを既にNCIのほうで連結したデータセットを準備して、それを提供するという仕組みもあるのですけれども、こちらは我が国のレセプト情報等の提供と同等の制限を含む利用規約が整備されておりまして、それに合意したものについて情報が提供されています。
また、米国の全国がん登録に相当するCDCという組織が行っているNPCRという研究事業で収集された情報の提供に当たっては、少数例の考え方につきまして、これまで米国は11未満が多かったのですが、こちらは16未満という値を設定しておりまして、16未満の集計値の公開の禁止と秘匿、その他の注意事項を利用規約に提示して、合意形成の上で提供されております。
以上の先行事例を参考に、全国がん登録情報等の成果物の少数例の公表に当たって、窓口組織における点検の判断基準は、原則として10以下の集計値について、欧米で言うと11未満の集計値について、割合や逆計算による推測も不可能に秘匿されているかどうかとして、秘匿されていない場合は秘匿するように差し戻すか、または本来全国がん登録情報等は活用されることをとても重視している法律でございますので、研究の性質として少数例の公表を重視することが絶対に重要であるという場合には、審議会等の意見を伺いたいという運用をしたいと考えております。
最後の3点目の論点に移らせていただきます。資料5-3においては一番最後のページ、スライド8の資料になります。
全国がん登録情報等の提供が認められまして、研究計画に基づき情報等の利用期間が終了した後は、本来であれば提供された情報は速やかに復元不可能な状態に処理や廃棄することが必要かと思います。ただし、次に挙げるような場合は事務処理の効率化を図るために、この処理を必須としない特例を設けてはどうでしょうかという御提案です。と申しますのも、我が国には長期にわたって、同意を得て10万人以上のさまざまな疾病の発症や罹患の有無を確認しているコホートが幾つか既にございます。そして、今後がんの罹患の有無の確認に全国がん登録情報等を活用されることが想定されます。通常このようなコホートのがんの罹患の状況の確認は、毎年あるいは定期的に研究班の研究計画に沿って行われます。研究の対象者と全国がん登録データベースに登録されている対象が同一人物かを正確に判定するには、大部分機械化できるようになってきておりますが、中には人の経験則や、そこにある情報だけでは判断できずに、さまざまな追加情報をもって確認する場合もございまして、そのような判断過程を経て得られた照合結果を1回の研究期間の終了と同時に破棄して、次回以降もまた同じ人に係る照合、同じステップを踏むというのは非常に非効率と考えられます。そのため、定期的な全国がん登録情報等との照合が予定されている対象に関する調査研究への提供においては、初回にコホートの名簿と全国がん登録データベースを照合して、がん罹患者が特定された場合にあっては、ひもづける情報の補完を再度の利用に備えて許可することにしてはどうかということについてお伺いいたします。
以上、全国がん登録情報等の提供に関するマニュアルの策定にかかり、3点部会の皆様の御意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。
○辻部会長 ありがとうございました。
ただいま資料5-1~資料5-3まで、特に資料5-3について詳しく御説明いただきました。きょうは骨子の御提示ですので、幅広く御指摘いただいたり、御意見をいただいたりして、これから肉づけしていきますので、特にきょうはまとめることなく先生方から御意見をいただきたいと思います。どうぞ、御意見・御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。
黒田委員からどうぞ。
○黒田委員 主に議論してくださいと言われた後ろの話なのですけれども、資料5-2について1つ書いておいたほうがいいだろうなと思ったことについて意見を申し上げます。
申出者、いわゆるデータを受け取る者の責務については相当数ここに書き込まれておりますけれども、逆に、事前相談を受けたり、実際に受付をされたり、いろいろな作業をされる窓口機関の責務についての記載がほとんどないなという印象を持っておりまして、先ほどの委員会などの合議制の機関にかけたときの研究の秘密が漏れる等々の議論がございましたけれども、同じような権利がここにも存在し得るわけですから、そこについては、ちゃんとマニュアルの中に責任として記載しておいていただく。特に都道府県の方については、これが規範になるわけですから、それは記載していただくことをお願いしたいと思っている次第です。
○辻部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見ございますか。杉山委員どうぞ。
○杉山委員 資料5-2なのですが、今の黒田委員のお話に若干かかわるのですけれども、パワーポイントの7番、「第7 事前相談への対応」で、ここの説明文書の下から2行目に「審査の要不要」とあって、不要になる場合というのが想定されているようなのですが、これについて具体的にお示しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○がん対策推進官 想定される審査が不要なケースとしては、病院からの申出があると思います。法第20条の中で、都道府県知事は、病院から自施設が届け出たがんに係る都道府県がん情報の提供の請求を受けたときは、提供を行わなければならないとされています。ですから、病院が出した自分のところのデータをもらう、この点については審議会に意見を聞くことは法律上規定されておりませんので、この場合は審査不要かと思います。そういったケースが考えられます。
○辻部会長 ほかにございますか。松本委員どうぞ。
○松本委員 本質的な議論の前に1つ確認させていただきたいと思います。資料5-2のスライド番号4の第3の「1.運用体制等」です。今私どもが議論するのはマニュアルだと思うのですけれども、このマニュアルを参考にして、それぞれ事務処理要綱を策定するとあります。マニュアルをもとにそれぞれが要綱をつくるのだと思うのですけれども、その要綱が本当にマニュアルに沿ったものなのか。つまり、安全が担保されるのかという確認までは必要ないのでしょうか。患者の立場から安全を守るという意味で、念のために確認させていただきます。
○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。これまで検討していました内容には挙げていないのですけれども、そういった点についても御意見を承って検討していきたいと思います。
○辻部会長 天野委員どうぞ。
○天野委員 基本的な質問で恐縮ですが2点ございまして、1点目が、同じく資料5-2のスライド6になりますが、窓口組織として「都道府県知事から指定を受けた者」という記載がございますが、どういった基準で、どういった組織が選ばれることが想定されているのかを改めて教えていただければと思います。
2点目は、同じく資料5-2のスライド13で、3つ目の・「特定の個人を識別、推定しうる結果が含まれる場合、秘匿化等の必要な加工がされていること」ということですが、匿名化されている情報が特定の個人を識別・推定し得る結果が含まれる場合というのは、具体的にどういったことがあり得るのか教えていただければと思います。
○がん対策推進官 1点目の御意見につきましてお答えしたいと思います。
まず、都道府県知事から指定を受けた者ということで、具体的には法律の第24条に記載されておりますけれども、「都道府県知事は、次に掲げる当該都道府県知事の権限及び事務を行うのにふさわしい者として政令で定める者に、これらの権限及び事務を行わせることができる。」とありまして、具体的に申し上げると、大学病院ですとか、がんセンターなど、これは都道府県によって異なると考えております。
○柴田参考人 2点目につきましては、匿名化されているのに個人がわかる状態になるとはどういうことかという、相反する状況についての御質問と考えております。匿名化という定義については、がん登録推進法における匿名化とはどういうことかという定義がございますが、これは個人が識別できないようにすることと明記されています。データを取り扱う者は通常、個人を識別する明示的な指標、氏名、詳細住所を取り去った時点で、大多数の人は個人を識別することができないということになりますが、研究していく過程で、例えば人口1,000人の1歳児のがん、しかも、それだけでも珍しいのに、さらに珍しいがん種の場合は、集計値をもってしてもそれはだれかということを推測できる人が、ただのレコードだけよりも飛躍的にふえてしまうということを、アメリカでも演繹的に推定可能な状態と書いておりまして、そういう状態のことを懸念しております。
○中西委員 そのことに関連して、SEERプログラム等の扱いの御説明をいただきましたけれども、実際にこの扱いでやっていて個人情報が漏れてしまったという事例はないということでよろしいのでしょうか。
○柴田参考人 実はこの夏、私と東でSEERの提供しているところにお伺いしてきまして、情報を聞いてきました。東より御報告いたします。
○東参考人 口頭ではありますけれども、このSEERのプログラムについては、特にこれまで漏れたという事例はないと伺いました。
○辻部会長 坂元委員どうぞ。
○坂元委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、この中に全国がん登録情報と特に資料5-3の2に「全国がん登録情報」と書かれて、3には「情報等」とあって、「等」と結構混在して、法律文を読んでも「等」というのがありますが、この「等」は何か具体的なサンプルがあって、それがどこかに規定されていて、これを「等」とするというのがあるのかどうかという質問です。これを読むとバラバラに「等」と「情報」が出てきて、一体どこまで規制されるのかが読み取れないのですけれども、そこはいかがでしょうか。
○柴田参考人 法律におきまして、非常にわかりにくいのですが、「全国がん登録情報」と区切った場合には、全国がん登録データベースに登録されている全ての情報になりまして、個人識別情報をもちろん含む全ての情報を指しております。
そして、「全国がん登録情報等」と言った場合には、匿名化された情報並びに都道府県がん情報、法律の中にほかにも「都道府県がん情報並びに都道府県がん情報の匿名化された情報」という用語が出てきますが、それらも含めて「全国がん登録情報等」と述べております。
ただし、全国がん登録について、国立がん研究センターが取り扱っている部分についての「全国がん登録情報等」という表記については、「全国がん登録情報」と「その匿名化された情報」の2点を指すと読んでいただければと思います。
○坂元委員 そうすると、「全国がん登録情報」と言ったらそのデータベースで、この法律の第25条には「厚生労働大臣及び国立がん研究センターは、第一節から第三節までの規定による事務を行うに当たっては、全国がん登録情報等及びその匿名化を行った情報」と分けてわざわざ書いてあるので、つまり「全国がん登録情報等」には匿名化情報は含まないと、この文言からだと読めてしまうのですが、それで私もこの「等」とは何を意味するのか疑問に思って聞いた次第です。
○杉山委員 杉山です。「等」にこだわるわけではないのですが、資料5-2のスライド10の資料の「第9 申出文書に基づく審査」で、申出者が書類を出して窓口組織の点検を受けて、審議案件として提出されるのですが、内容審査と書いてあって、この上に合議制の機関は今ここで討論しているところなのですが、「審議会等」とここにも「等」があるので、この「等」は現実に考えられているのかどうかを教えていただければと思います。
以上です。
○がん対策推進官 先に杉山委員からの御質問についてお答えしたいと思います。
法律の第15条をごらんください。参考資料2で申し上げると8ページにございます。第15条第2項で「厚生労働大臣は、前項の規定による匿名化を行おうとするときは、あらかじめ、審議会等」、これはこの図で言う審議会ですが、「審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない」とあります。この政令の中で厚生労働部会が定められております。この審議会等が、まさにがん登録部会になるということでございます。
○辻部会長 羽鳥委員どうぞ。
○羽鳥委員 ちょっと事務局が困っているようですので別の質問で。先ほどの特定健診ナショナルデータベースとかKDBなどを使うということですけれども、私は国保のデータヘルスの委員会に出ているのですが、あそこで出てくる国保のデータ、レセプトデータは取扱い条件がゆるいので、個人が固定されかねないが出ているので、これを参考にしてがんのことをやっていくとかなり危険ではないかと思います。希少がんとか個人を同定される可能性が非常に高いもの、今後レセプトに7桁の郵便番号を記入することを保険者から申し出があるわけですが、そうするとかなり地域が何々町まで同定されてしまいますから、珍しい症例の方はどの人がというのがかなり明確になってしまうと思うので、先ほど10例、16例未満はきちんとやるということですけれども、もっと固定されないように明確にうたったほうがいいのではないかと思います。特定健診のナショナルデータベースを参考にする、レセプト情報を参考にするとちょっと危険な気がするので、言葉を明確にしておいたほうがいいのではないかと思います。
○辻部会長 ありがとうございます。御意見ということで承りたいと思います。
ほかにどなたかございますか。どうぞ。
○友岡委員 これも全然違うものですが、多分事務局としては易しい質問かと思います。今回、資料5-2と資料5-3に関しては、一切著作物に関しての話が出てこなかったということがあるので、もし、その点御存じであれば教えていただくか、今後の課題ということであれば、それで結構です。お願いします。著作権法に基づく保護された対象としての著作物という意味です。
○がん対策推進官 著作物あるいは著作権法に基づく著作等については、現在検討しておりまして、これも次回お示しして御検討いただければと思っております。
○辻部会長 家原委員どうぞ。
○家原委員 2点ございまして、1点質問と1つは意見でございます。
資料5-2の14ページ、第13のところでございますが、1に「報告において問題が解決しない場合には、適切な監査手順に基づき」と書いてございます。この監査、モニタリングはだれがされるのかにつきまして、例えば、国立がん研究センターに利用を申し出た場合は、国立がん研究センターがされるのか、都道府県の場合はどなたがされるのかをお教えいただければというのが1点質問でございます。
もう一点、意見に関してですが、資料5-3の先ほどからお話が出ております少数例の話でございますが、集計値が11未満というのがSEERのデータで参考と提示されておりますが、私は小児がんを扱っておりますので、非常に希少がんというのは貴重な患者さん自身も欲しているデータかと思います。1つずつの疾患自体が希少がんで、明らかに年間10例を切る症例というのは多々ございます。これをわからないようにしてしまうというのは、逆に患者さんが知りたい情報が知れない、研究者が知りたい情報が知れないという不利益も想定されます。ですから、ここで検討の方向性で書かれておられますが、研究の性質とて希少がんの公表を重視する場合には、審議会等の意見を聞くとかそういう方向性を残していただいて、個人情報の保護も大事ではございますが、国民にとって大切な情報として活用できる方策も残していただきたいと考えます。
以上です。
○辻部会長 何か事務局あるいはがんセンターのほうでお答えはありますか。
○柴田参考人 少数例の集計値の公表について、いろいろな御意見をいただきまして、ありがとうございます。本当に私どもがマニュアルを策定するに当たって、かなりの議論をしている中の1つでございまして、私ども国立がん研究センターも研究者並びに医療を行っている者として、少数例でも知りたいという御意見と、またはそれを公表されたくないという御意見双方あることも承知しておりますので、今後も皆様の意見をちょうだいしながらどうあるべきか、できればここに御提案させていただいたように、迷うものについては随時判断で、これまでのように少数例になるから提供しませんということにはならないようにできればいいと考えております。
以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。どうぞ。
○薄井委員 1つ教えていただきたいのですけれども、3の同一コホートの件です。長期にわたってフォローアップというのは非常に大事なのですけれども、だれでもかれでも長期ということになると、データの処理にいろいろ大きな問題が生じてくると思いますので、そういう研究の対象をある程度絞るか、あるいはその都度審議会で検討するとか、そういう形にして、ある程度縛りを設けておかないといけないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○柴田参考人 貴重な御意見ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。コホートの規模等に応じて変えさせていただく、あるいは人に応じて審議会等に御意見をうかがうというステップを記載させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○辻部会長 永井委員どうぞ。
○永井委員 資料5-3別添の(8)結果の公表方法及び公表時期の点検のところに、「研究成果を公表しない予定の場合には、その理由が記載されていること」とあるのですが、研究成果を公表しない予定の研究というのは何かあるのですか。
○柴田参考人 こちらのマニュアルを策定するに当たり、統計法第33条の運用に関するガイドラインでは、公表をしない場合にはその利用も含めてと記載がありまして、私自身は公表を予定していない場合の事例を今は持ち合わせていないのでございますが、そういう場合もあるかなということで規定を置かせていただいております。
○永井委員 今後、検討していただくと。
○柴田参考人 はい。
○辻部会長 黒田委員どうぞ。
○黒田委員 資料5-3にかかわることで3点、質問というか意見に近いことを申し上げたいと思います。
1つ目は明確に質問なのですけれども、資料5-3別添の(3)情報等を取り扱う者の範囲がございますが、一般的に研究計画を立てて申請して、そのプロセスの中で、先ほどのコホートも含めてデータの管理等を通じて委託者がいたりする場合、委託されたものの扱いになったときには署名や記名押印した署名を全部集めるというのは相当厳しいことが起こる可能性が高い。しかも、そこから審査に入りますので、その時点で既に契約を結んでいるという状態は、研究者に一定以上の負担をかけることを意味しますから、ここの取り扱いをどのようにお考えでこれが書かれているのか。特に、某かのデータの取り扱いの受託者をどのように考えていらっしゃるのかを教えていただきたいというのが質問です。
2つ目は、コホートの件ですけれども、そもそもの問題として医学研究倫理指針の中で明らかに欠けているものの1つとして、コホートを取り扱うことは医学研究倫理指針の中で全く書かれていない。ですから、想定されていないということはかなりの関係者が指摘しているところで、長期にデータが蓄積されて多様な目的にそのデータが分析されるような場合には、そのときの同意のあり方であるとか、もしくは審査のあり方、関心のあり方が倫理指針の中に一切書かれていないので、コホート運用をされている方々は相当困っておいでであるという事実があるので、そこを逆に言うと、倫理指針まで戻って、多分臨床研究法の関係でかなり確実に倫理指針を書きかえないといけない部分が出てくるのだろうと理解しているのですが、そこまで戻ってそれを書き直した上で、ここについては議論をしないと、このコホートだったら出していいとか、出していけないと判断する基準すらないのではないかと考えますので、厚生労働省の御見解を問い合わせる形になると思いますけれども、倫理指針についてコホートの取り扱いについて省としてどうお考えであるのかを教えていただきたいというのが2点目の質問です。
3点目についてですが、これもほとんど意見になりますが、先ほどから希少がんの取り扱いをどうするかという御議論があったかと思いますけれども、もちろん一定の参考情報とか考慮情報としてのk-匿名性のkを指定する議論というのはあり得ると思いますけれども、この法律は個人情報保護法とは別のところに存在しているので、できてしまった情報の再突合を法で禁止していないですよね。そうなってしまうと、完全性を求めてしまうとものすごく難しい問題が発生してしまう可能性がありますから、そこは多分ある程度参考にはするものの、最終的には先ほどから先生方がおっしゃっているように、かなりの高い確率で合議制の機関にかける。それは、逆に言うと、10例を超えているからいいというものでもないと思いますので、場合によっては、この研究のパターンは100でなければいけないということもあり得ると思いますから、ここはあくまでも参考にとどめて、基本的には合議制の機関にかけて判断するというのが正しいのではないかと思います。3つ目は意見の形です。
1つ目、2つ目の質問について見解を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○柴田参考人 1点目につきまして、研究における採択先まで含めての利用者の取り扱いという御質問でよろしいでしょうか。
○黒田委員 採択された後、その先にはもちろん委託を受けて分析される方々、企業などが入っておられることがあると思いますので、そのあたりについても申出の段階で確認するのですかというのが質問です。
○柴田参考人 こちらにつきましては、本日は見出しと概要説明にとどめておりますが、その裏で策定準備を進めております中においては、委託先の場合の取り扱いも準備しておりまして、また、具体化した中で足りない事項がないかどうかについて御指導いただければと思います。ありがとうございます。
○がん対策推進官 2点目の人を対象にした医学研究倫理指針におけるコホートの位置づけ等については、こちらで確認しましてお答えさせていただこうと思います。
○辻部会長 丸山委員どうぞ。
○丸山委員 さっき少し話題に上りました「がん登録情報」と「がん登録情報等」の「等」は、第12条の都道府県から上がってきた情報で、まだデータベースに入っていないもので、匿名化と直接関係ないかもしれないですね。
別のところで質問なのですが、とても単純な質問で恐縮ですけれども、資料5-2の3枚目に用語の定義があるのですが、(2)提供依頼申出者、(3)受領者とあります。それから、先のほうを見ていきますと、8枚目以降に「申出者」という言葉がよく出てくるのですが、「提供依頼申出者」と「申出者」は同じなのか、違うのか。この定義のところを読まないで4枚目以下のスライドを見ていると、相談をするのが「提供依頼申出者」で、現実に申出を行った者が「申出者」かと思うのですが、スライド3の定義を見るとそうでもないみたいなので、そのあたりどうなのかということ。
それから、データをもらった後、今度は「受領者」という言葉がスライド3の定義で定められているのですが、資料5-3では「利用者」という言葉が出てきて、そこも同じか、違うかというあたり、流れに応じて相談の段階だと「依頼申出者」で、申出の文書を提出したら「申出者」で、あとデータをもらったら「受領者」かなと、そのあたりを明確に切り分けて文言を使っていただいたらいいかと思いました。
○辻部会長 これは、そのようにさせていただきます。
ほかにどなたか。亀井委員どうぞ。
○亀井委員 全く違う話になりますが、どこかのレベルのマニュアルは入るのかもしれませんが、申出をする場合の受付というのは、年間を通した受付と考えておられるのか、それとも先ほど審査の期間というのが資料5-2にございましたけれども、ここまでに審査の結果を得たい場合には、いつまでにというような形の申出の受付を考えておられるのか、その点についてお考えを伺いたいのですが。
○柴田参考人 柴田より御回答申し上げます。全国がん登録情報等の提供におきましても、特定匿名化情報の提供におきましても、相談から始まり、具体的に提供をする、研究を進めていけそうだと研究者御自身が判断されたところをスタートに考えまして、それがあらかじめ恐らく年間を通じて大体この時期に審議会あるいは合議制の機関での会を行うことを明示的にしておきまして、それに間に合うように申請していただくということを予定しております。
○亀井委員 ありがとうございます。そうすると、やはり利用する側、申出をする側用のマニュアルのようなものも今後作成されていくということになるのでしょうか。
○柴田参考人 今まで想定しておりませんでしたが、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○辻部会長 ほかにどなたかございますか。
山本委員どうぞ。
○山本委員 2つ意見と、1つは質問なのですけれども、まず質問から。
資料5-3の論点の3つのコホートの話ですけれども、これは今まで続けられているコホート研究に対して、全国がん登録の情報を提供していくという話で、この場合は当然ながら同意が得られた研究であって、ここで提供される情報は、匿名化されていない情報ということですよね。それを確認したかっただけです。
それから、意見ですけれども、1つは公表基準です。ここでレセプトの場合は10以下と書いてあるのですけれども、実は10以下ではない。母集団によってかえているんです。二次医療圏以上の母集団に対して調査をする場合は10以下で、最も小さい二次医療圏が2万ちょっとですから、そこを下回ってくると20になっていて、それから、母集団が2,000以下、つまり非常に小さな郡とかで疾患を集積するときは公表を認めない、それが基準です。もちろんデータを提供しないというのではなくて、データは提供するけれども、それが広く世間に広がる公表のときには認めない。研究される方は当然ながら1例でもわかるということになるのですけれども、それより小さい場合は同意をとるべきだというのがNDBの考えなんです。御参考になればと思って申し上げました。
それから、委託先の話ですけれども、確かに黒田委員がおっしゃるように、委託先を厳しく見ていくというのは研究者の負担になることは事実ですけれども、一方で、最近NDBで経験したのは委託先が1つの企業です。従業員が3人しかいない。そこが複数の研究の委託を受けるんです。全然テーマが違うのですけれども、その委託業者の中に全然関係ない、同じデータベースから出たデータが集積してしまうんです。これはやはりまずいということで、どうしようかと悩んだことがあるので、やはり委託先もある程度は事前に見ないと、リスクがあるなという気がしています。
○辻部会長 ほかにどなたかございますか。
本田委員どうぞ。
○本田委員 まだ議論が途中のこともあると思いますけれども、基本的に研究成果を公表するのが前提だということですが、場合によっては公表しないものもあるかもしれない。また、どれを選択していくか、OKを出すかというのも議論自体を公表しない、研究のアイデアを表に出さないという意味合いで公表しないこともあるとなったときに、それはそれでいいのですけれども、がん患者さんのデータを使ってどのような研究が、例えば公表されないものも含めて、最終的にどういう研究が採択されて、どういうふうに使われたのかというのは全部公表されるのでしょうか。成果は公表しなかったとしても、全て何に使われたのかということが、どの段階で、いつ、どのように出されるのかを知りたいのですが。
○がん対策推進官 具体的にどのようにそういった情報を公表していくかということはあると思いますけれども、基本的にデータを提供する際、公表される際には、きちんと公表することにしておりますので、どういうふうに示していくかはもちろん検討ですけれども、そのように考えています。
○本田委員 検討の中で、例えば結果や成果とは別に、こういうものに使われているということをリスト化するとか、そういうことも何かしら社会に示していただくということが必要かなと思いました。
○辻部会長 よろしいでしょうか。ほかにどなたか。
祖父江委員どうぞ。
○祖父江委員 今回のマニュアルの策定というのが、その他の提供に当たるという第21条の利用に関しての話ということですけれども、調査研究という言葉でいきますと、第17条の厚生労働大臣による利用等とか、第18条の都道府県知事による利用等、第19条の市町村等への提供と、公的な機関による利用に関しても「調査研究」という言葉が使われているんですね。何が調査研究として厚生労働大臣がやるべきことなのか、都道府県知事がやるべきことなのかというのは、何か具体的なものがないと、都道府県によっては判断が違ってくるようなことになりかねないと思いますけれども、それはどこの場で決めるのか、だれかそれを確認することはできるのかというのはどうでしょうか。
○がん対策推進官 今日お示ししたマニュアルは、いわゆるその他の研究だけではなくて、国や都道府県が調査研究する内容にも係るマニュアルであるということがまず1つと、具体的にそれをどういうふうに審査していくのかも含めて、次回別添の形でお示ししようと思っていますので、次回以降に御議論いただきたいと思っております。
○辻部会長 大分時間も迫ってきましたけれども、最後にどなたかいらっしゃいますか。
羽鳥委員どうぞ。
○羽鳥委員 やはり言葉の整理ですね。「情報を取り扱う者」とか「利用者」とかいろいろな言葉があるので、その辺の言葉の定義をしっかりしていただきたいのと、このがん登録事業の情報は製薬メーカーさんなどは大いに利用しようとされるでしょうから、そういう民間企業、大学の研究とか市町村での活用ではない収益を目的とする企業に関しては、何らかの縛りが必要ではないかと思います。資料5-2のスライド3にあるように情報を取り扱う者の利用規約を定め、誓約書の提出を求めるということですが、かなり具体的に書き込んで、こういう場合は許されるけれども、こういうことはだめだよということが必要ではないかと思うので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。
○辻部会長 ただいまさまざまな御意見をいただきまして、今後検討すべきことがかなり出てきたと思いますので、次回の部会でマニュアル案を御提示いただけるように事務局には準備を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
それでは、議題5「その他」に移りますけれども、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議論はこれまでとします。事務局においては、本日の議論を踏まえて、次回の部会に向けて必要な作業をお願いしたいと思います。
最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長でございます。
今日は本当に、さまざまな御意見・御指摘ありがとうございました。まず、事務的なことで申し上げますと、次回の「がん登録部会」の開催につきましては、決まり次第、御連絡いたします。それまでのことも含めてですけれども、先ほどの部会長からの必要な作業ということで何点か申し上げたいと思います。
まず、資料4-2につきましては、部会長に一任で、事務局とあわせて整理ということでございましたけれども、例えば、黒田委員からの御指摘でしたが、第7条、開催頻度の2~3カ月が意味するところ、これは定期的な開催、その後に非定期的な開催ということでこの文脈にしていますので、その視点で整理したいと思います。
また、会議の持ち方についても、明文規定の形で、例えばテレビ会議も可とするというかはさておき、先ほど検討と申し上げましたが、事実上、柔軟な対応をしたいということですので、それをどう明文化するかはまた整理したいと思います。
また、同じく第7条5項のところは、友岡委員、山本委員からも、まずベースとなるのが公開なのか、非公開なのか、それを固めた上でそうではない場合、これは場合によってはマニュアル以降の整理になろうかと思いますけれども、これは非常に重要なことになりますので、きちんと整理したいと思います。
また、資料5-2、資料5-3、資料5-3別添関係につきましても、さまざまな御指摘をありがとうございます。この案件は非常に重要なことですので、より多くの御指摘について対応すべきだと思っております。その上で整理いたしますと、定義を含めて用語をはっきりさせないと無用の混乱を招くということですので、今日御指摘いただいたさまざまなことを整理したいと思いますし、また、後でもこの定義ははっきりさせないと混乱する、この場合はこの用語なのだけれどもというものがあれば、どんどん御指摘いただきたいと思います。これが1点目。
2点目で、さまざまな場面でコンフリクトが起こるということも、今日御指摘いただきました。ですので、どのような場合にコンフリクトが起こるのか。著作物の御指摘もありましたが、この場合もどちらに帰属するかというのもある意味でコンフリクトの一部かと思いますので、これも整理したいと思っておりますので、あわせてこの後でもメール等で御指摘いただければと思います。
また、さまざまな意味での担保する方法、例えば、コンフリクトした場合、その調整したことをだれがどう担保するのかというのもありましたし、小俣委員でしたか、合議制の機関のメンバーはだれが妥当性をどう担保するのかというのもありましたし、また、松本委員でしたか、それぞれの都道府県、もちろん今日認めていただきました国立がん研究センターもそうですけれども、事務処理要綱をだれがどう担保するのか。これも場合によってはマニュアル以外の規定によるかもしれませんけれども、非常に重要な御指摘ですので、考え方は整理したいと思っております。
また、羽鳥委員、山本委員でしたか、委託の場合も含めて利用できる者をきっちり整理しておかないといけないのではないかということがありました。これもこの案件の非常に中心的なテーマになりますので、これも利用できる人をどう考えるのか、これは委託先の場合も含めてよく整理したいと思います。
本田委員からは、結果的に公表しないものも含めて何に使ったかということがありました。これは多分2つの意味で重要かと思います。まず、自分が含まれているかもしれないデータがどう使われているかというのは、情報のコントロールという点からすると不気味な部分なのでという御指摘もあっただろうし、ネガティブデータの共有的な意味でも、こういうことをやったのだけれどもうまくいかなかったと。もしかしたら、その場合も含めて検討が必要かもしれませんので、そこはよく整理したいと思います。
最後ですけれども、山本委員からの御指摘に代表されるように、関係する法律や制度、ガイドラインが多くこの場合はございますので、例えば、11未満といってもNDBの場合はシンプルなルールではないよということも含めて御指摘いただきましたので、関係する法律、制度、ガイドライン等は整理していきたいと思います。
今日議論にならなかったものも含めて、こういう制度がある、こういうガイドラインがあるということがあれば御教示いただきたいと思います。
以上を、今日の私ども事務局の受け止めとしたいと思います。
また、次回以降の開催につきましては、追って連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○辻部会長 それでは、本日の部会を終了したいと思います。委員の皆様、長時間にわたり活発な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
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