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2017年7月5日 中央社会保険医療協議会 総会 第355回議事録

○日時

平成29年7月5日(水)11:46~12:01


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 中村洋委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 中川俊男委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
菊池令子専門委員 丹沢秀樹専門委員 横地常弘専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○先進医療会議の検討結果の報告について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)
について
○その他

○議事

○田辺会長

 ただいまより、第355 回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、榊原委員、岩田専門委員が御欠席でございます。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどお願いいたします。

(カメラ退室)

○田辺会長

 それでは、早速、議事のほうに入らせていただきます。

 まず、報告事項でございますけれども、初めに「先進医療会議の検討結果の報告について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 では、医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 医療課企画官が本日、公務で出張中でございますので、私から御説明をさせていただきます。

 総-1をごらんいただきたいと思います。

 これは御報告でございますけれども、先日、先進医療会議で承認されました先進医療Bでございます。

 総-1は7ページございます。まず、1ページ目をごらんいただきたいと思います。

 整理番号111 「根治切除可能な初発・単発・結節型肝細胞癌に対する陽子線治療」でございます。内容でございますけども、概要で御説明したいと思います。6ページをお開きいただきたいと思います。

 この技術でございますが、外科切除が可能で、無治療かつ腫瘍が一つの結節型の肝細胞がんの症例につきまして、外科的な切除ではなく、陽子線治療を希望された症例について試験を行う計画になってございまして、陽子線治療を行うというものでございます。

 御希望によりまして外科的切除を選択されるケースも当然ございますけれども、そういった症例につきましても前向きに登録をいたしまして、その後、フォローアップをするということでございます。そういったことも含めまして、陽子線治療と比較をする非ランダム化の比較試験でございます。

 本研究の主要評価項目につきましては、外科的切除に対する陽子線の全生存期間における統計学的非劣性の検証でございます。7ページ目のロードマップにお示ししていますが、副次評価項目は、QOL 非悪化割合、無増悪生存期間、増悪形式、安全性等々でございます。保険収載までのロードマップとしては、本先進医療の結果に基づきまして、学会要望などを経て、適用拡大を目指す方針とのことです。

 先進医療会議におきまして、これを御評価いただいておりまして、総合判定は「適」となってございます。

 簡単でございますが、以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 では、中川委員、お願いいたします。

○中川委員

 今の7ページの「申請に至らなければ」「新しい試験デザインの先進医療の追加を検討」とは、どういう意味ですか。

○田辺会長

 では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 これは基本的には先ほど申し上げましたとおり、この先進医療の結果、学会要望などのさまざまなエビデンスを経て適用拡大を目指すということなのですが、それができなかった場合には、別途、改めて考え直すという趣旨という理解でおります。

○中川委員

 新しい試験デザインとはどういうものですか。

○田辺会長

 では、医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 繰り返しになりますが、現時点で事務局として把握しておるわけではございません。基本的にはこの試験をベースに、先ほど申し上げましたような適用拡大を目指すということでございますが、それが成せなかった場合にどうされるかということにつきましては、学会を中心にお考えをいただくということで、現時点での腹案は私どもとして把握しておりません。

○中川委員

 では、ここのところはちょっと筆が滑ったということでいいですか。そういう意味だったら了解します。

○田辺会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 これは申請者が作成いたしますので、何とも申し上げられませんが、確かに通常ですと申請に至らなければという部分を書いていただく必要はないということでございます。

○中川委員

 わかりました。

○田辺会長

 ほかはいかがでしょうか。

 よろしゅうございますでしょうか。

 ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 次に「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 では、医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 総-2をごらんいただきたいと思いますが、1枚目に概略が書いてございます。選定療養につきましては、これは保険外併用療法の一つとして、現在、制度化、運用されておりますけれども、これは平成26 年の時点での閣議決定を踏まえまして、 28 改定のときからこのような対応を行っているということでございますけれども、選定療養に追加すべき御提案につきまして、広く意見をいただくというプロセスを実施しております。

 今回につきましては、総-2参考2でございますが、これは中医協の総会で2月22 日にお諮りをして実施をしているものでございますが、総-4ということで、2月 22 日にお諮りした内容そのものでございますけれども、ここで御了解いただきました内容につきまして作業を進めましたということでございます。

 総-2に戻っていただきまして1ページ目でございますが、意見募集の期間はここに記載しているとおりでございまして、関係団体等々に御意見をいただいております。寄せられた意見の概略は合計82 でございまして、内訳はここに記載しておるとおりでございます。本日はあくまで速報で、こういった対応をしております、こういった結果でございますということをお知らせしておりまして、実際の内容につきましては2ページ以降にございますが、これは改めまして中医協で御議論いただくこととしております。内容についても事務局で引き続き精査をさせていただきたいと思っておりますので、きょうは御審議というよりは、あくまで御報告をさせていただきたいという趣旨でございます。

 事務局からは以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、何か御質問等ございましたらよろしくお願いします。

 よろしゅうございますでしょうか。

 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございますけれども、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いします。

 では、お願いたします。

○佐藤安全対策課長

 その他、報告事項でございます。安全対策課長でございます。

 中医協資料の総-3でございます。「オプジーボの使用上の注意の改訂について」の御報告でございます。

 オプジーボにつきましては、平成26 年7月4日に、最初の悪性黒色腫の効能・効果で承認されて以降、さまざまな効能を有しているわけでございますけれども、今般、国内において、硬化性胆管炎に関連する副作用報告の集積が認められたということで、 10 例の報告をいただきまして、うち因果関係が否定できないと判断されたものが6例ということで、詳細は3ページ以降にございますけれども、これらに基づきまして、7月4日に添付文書の重大な副作用に硬化性胆管炎を追加する改訂を行いましたので、御報告をさせていただきます。

 参考までに2ポツのところで、現在までの本剤の使用状況及び副作用発現状況について御紹介をさせていただいています。

 5月31 日までで、約1万 8,000 人強の方に御使用いただいているという状況でございます。

 御報告は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。

 よろしゅうございますでしょうか。

 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございますけれども、中川委員、松原謙二委員が本日をもって御退任となりますので、一言御挨拶をお願いいたします。

 では、中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員

 中医協委員を退任させていただくに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 中医協は、厚生労働省の中で最も重要な審議会の一つです。中医協は国民の命と健康を守る最終的な意思決定機関だと思っています。私は平成25 10 月に4年ぶりに中医協に復帰し、そのことを改めて認識しました。そして、私心を捨て、たゆむことなく、しかし力まずに議論に臨む姿勢を貫いてきました。

 また、私は、支払い側委員の皆さん、厚生労働省の事務局とのやりとりを、できるだけわかりやすく国民に発信するように努めてまいりました。中医協の議論を報道していただいたメディアの皆様に、この場をかりてお礼を申し上げます。

 最後に2つだけ申し上げたいと思います。

 1つは各側委員へのお願いです。

 日本の医療政策は、中医協を初め、厚生労働省の審議会で丁寧に合意形成のプロセスを踏んで策定されています。このことが、国民皆保険としての日本の公的医療保険制度の国際的な評価につながっているのだと思います。

 しかし最近では、直接の所管ではない政府の他の部門から、診療報酬の細部に踏み込んだ提案が常態化しています。私的諮問機関からの提案もありますが、非公開で議論の過程が見えないこともあります。このままでは日本の医療政策がその時々の権力構造におもねる形で決まっていきはしないか、そういう危うさを感じています。各側委員には一致して、中医協の丁寧で開かれた合意形成プロセスを守り通していただきたいと心から願っています。

 もう一つは、厚生労働省の事務局、官僚の皆さんへのエールです。

 あなた方は、我が国の医療を守る最後の砦です。いろいろな立場、いろいろな部門から厳しい指摘があるでしょう。巨大な力にくじけそうになることもあるでしょう。しかし、国民は皆さんを心から頼りにしたい、いや、頼りにしていると思います。日本の国民皆保険を守るのは皆さんです。そのために私はこれからも支援を惜しみません。これからは今まで以上に優しく支えていきます。

 皆さん、長い間お世話になりました。本当にありがとうございました。(拍手)

○田辺会長

 それでは、松原謙二委員、お願いいたします。

○松原謙二委員

 私は10 年前に2期ほど中医協の委員を務めさせていただきました。そのときに、混合診療問題を十分に議論させていただき、保険外併用療養制度を皆さんの合意のもとにつくりました。その結果として、今の評価療養と選定療養ができたわけであります。この判断は、 10 年たった今でもやはり正しかったと私は信じています。

 まず、今回、3期目を終えるに当たって、十分に議論をさせていただいて、そして無事にこの任を離れられるということに対して、各委員の先生方、専門委員の先生方、また、厚生労働省さんに深く感謝したいと思います。

 この中医協は、先ほど中川先生がおっしゃいましたように、日本の医療を決める一番大きな大事な仕組みであります。世界医師会の役員として世界中の医師と話をしますと、世界の中で最もよく保険制度がうまくいっているのは日本であると皆さんおっしゃいます。この中にいるといろいろな諸問題があって、これを改善しなければいけない、あるいは直さなければいけないということを感じるのは事実でありますが、世界の中で本当に冠たる仕組みであります。この仕組みについて、もう少し自信を持って、さらによい議論をしていくということが私は大事だと思います。

 これまで何回も申しましたけれども、この日本の制度を支えているのは非営利の保険者さん、株主配当をしなくて済む、十分に国民のことを考えて発言できる保険者さんと、医療機関が十分に議論をして、中医協で決定し、それを公益委員の先生方が国民の目から見て判断していただいている。また、専門委員の皆様が専門的な意見を述べてくださっています。そういった仕組みをぜひ守り、これからの高齢者がふえる時代、また、先進医療がさらに出てきても、皆で皆を支えて必要な医療を供給できるため、中医協で十分議論して、それを守っていっていただきたいと思っている次第であります。

 繰り返しますけれども、無事、退任させていただいて、本当にありがとうございます。また、皆様、健康で頑張って、国民のために議論していただきたいと思います。ありがとうございます。(拍手)

○田辺会長

 お二人の長年にわたる本会議への御貢献に対しましてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日の総会はこれにて閉会でございます。どうも、御参集ありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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