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2017年7月5日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第42回議事録

○日時

平成29年7月5日(水)10:52~11:41

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 中村洋部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
日色保専門委員 昌子久仁子専門委員 上出厚志専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○費用対効果評価の制度化に向けた検討事項について

○議事

 

○荒井部会長

 ただいまより、第42 回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、榊原委員が御欠席です。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○荒井部会長

 それでは、議事に入ります。

 本日は「費用対効果評価の制度化に向けた検討事項について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 医療課企画官は本日、公務で出張中でございますので、私がかわりまして御説明をさせていただきます。

 費-1をごらんいただきたいと思います。

 費用対効果評価の制度化に向けた検討、今回はその6でございますけれども、2コマ目をごらんいただきまして、これまでの議論との関係のおさらいでございます。

 5つ○が書いてございますけれども、基本的にこの夏を目途に、費用対効果評価のあり方に関する中間的な取りまとめを行うことで、現在、作業を進めていただいております。

 2つ目の○ですが、ここに記載しておりますけれども、これまで「総合的評価(アプレイザル)等のあり方」について検討を行っていただきました。

 6月14 日につきましては「対象品目、医療技術の選定のあり方」「費用対効果評価の反映方法」について検討するということで、「総合的評価(アプレイザル)等のあり方」についても引き続き検討することを御審議いただきました。

 前回(6月28 日)につきまして、今回との関連でございますけれども「対象品目、医療技術の選定のあり方」及び「費用対効果評価の反映方法」について御審議いただきました。

 今回、その流れの中で、幾つか明確すべき点につきまして、改めて御紹介をさせていただき、御議論いただきたいと思っております。

 今、御説明させていただきました、全体の流れのもう一度おさらいですが、3コマ目、アプレイザルの後の評価の結果をどう活用するのか、特に時間的な関係につきまして、今回、御審議をいただきたいと思っております。

 4コマ目でございますけれども、前回との関係でございます。

 まず、前回の審議の概要でございますけれども、3つ○がございますが1つ目の○。これまでは、安全性・有効性が確立したものにつきまして原則として保険導入をしてきました。この費用対効果評価につきましては、御審議をいただきました結果として、制度化におきましては2行目から3行目「原則として保険償還の可否の判断には用いず、価格の調整に用いる位置づけ」ということでございます。そして、3行目、4行目でございますが、制度化に当たっては費用対効果評価の結果を価格調整に活用するということでございます。ただし、これは御指摘いただいたものをそのまま書いてございますけれども、将来、その可否の判断を用いることについては排除するべきではないという御指摘もありましたので、そのことを記載しております。

 2つ目の○でございますけれども、制度化におきまして、当面、どういった形で運用するのかということを現実的に考えたときに、2行目、3行目でございますけれども、やはりドラッグ・ラグ、デバイス・ラグを生じさせないことが非常に重要だということに鑑みまして、費用対効果評価につきましては、作業時間もございますので、一度、価格設定を行って保険に導入した後、価格調整を行うという対応を考えたらどうかということでございます。

 このことを踏まえまして、本日御審議いただきたいことにつながるわけでございますが、3つ目の○であります。

 対象の選定から価格調整までを行うということになりますと、(1)でございますけれども、費用対効果評価を行うためには一定の時間的な間隔がございますが、その期間はできるだけ短くするべきではないか。作業に進めるに当たって、これは後ほど見ていただきますけれども、企業からのデータ提出には一定の期限を設けるべきではないか。

 (2)でございますが、価格の調整を具体的にどういうタイミングで行うのかということになりますが、年4回、薬価の見直しの機会が現にあるということ。これは薬価収載でありますけれども、それから、薬価自体の見直し。これは今、薬価の抜本改革で議論されている内容でございますけれども、そういったこととあわせて速やかに対応すべきという御指摘がありました。

 本日の議論でございますが、5コマ目であります。

 2つ○が書いてございますけれども、今、御説明をさせていただきましたとおり、企業によるデータ提出、再分析、アプレイザル、そして、最終的な価格調整という流れになります。これは5コマ目のポンチ絵のとおりでございます。

 そう考えますと2つ論点がございます。すなわち(1)(2)と書いてございますが、この作業全体についてどういう期間設定をするのかという評価期間の問題。(2)でございますが、最終的にどのタイミングで価格を調整するのかというタイミングの問題があります。

 このことについて、きょう、事務局としての整理をしておりますので、御審議いただきたいということでございます。

 6コマ目でございますが、まず1つ目の論点。評価に必要な作業の期間、評価期間でございます。1つ目の○でございますけれども、今、見ていただきましたとおり、高額な医療機器を用いるような医療技術の評価につきまして、一定の予見性を確保する必要があるということでございます。そうしますと一連の作業について、それぞれ基本的には標準的な事務処理期間をあらかじめ設定することが必要なのではないかというのが、まず1つ目の○でございます。

 2つ目の○でございますが、その際には3つ要素がございます。

 まず1点目、1)ですが、当然ですけれども必要な作業の時間を確保することが前提になります。すなわち、分析等を行うに当たっての作業時間が必要だという論点でございます。

 括弧で書いてございますのは、基本的には、そのとおりなのですが、個々の品目によって、例えばここに書いてございますのは、諸外国で既に制度化されております費用対効果評価の対象品目になっているものもございます。逆に申し上げますと、そういった品目については一定のデータの蓄積がされているということでございますので、ゼロから作業を始める場合とは当然違うことになります。したがいまして、そういった個々の製品によっての作業時間は異なるということも考慮することが必要ではないかというのがあわせて御検討いただきたい点、これが1)でございます。

 次に2)、結果を迅速に反映する必要があるという御指摘でございます。これは先ほど御紹介した審議の中でも触れてありますけれども、基本的には評価結果を迅速に反映すべきである。

 3)、もう一つの論点といたしまして、関係者、これは特に実際に現場にかかわる方々、医療機関、薬局等々もございますし、関係する企業もございますけれども、関係者が価格改定に対応するための期間を確保することが必要ではないかということでございます。

 以上のような観点を踏まえて、評価期間について、引き続き検討する必要があるということでございます。

 ここに書いてございます「試行的導入及び諸外国における状況も参考に」ということで、7コマ目と8コマ目にそれぞれ御参考ということでお示しをしております。

 7コマ目、<参考1>でございますが、試行的導入を今、進めておりますけれども、どういったタイムフレームになっているのかということのおさらいであります。

 これは平成28 年4月、前回改定後から試行的導入ということで対象品目を選定し、以降、作業を進めております。時間的な経過はここで見ていただいたとおりでありまして、分析にかかわる企業のデータ提出、これが大体、大きく矢印で「約1年間」と書いてございます。それぞれございますけれども、期間としてこういう設定になっておりまして、以降、作業を進めておりますということでございます。

 8コマ目は諸外国の事例でありまして<参考2>となっております。ここに掲げております幾つかの国において制度運用されております。当然ですが、それぞれ個々の制度によって運用の仕方は違いますので一概に比較はできません。企業の分析期間についても含まれておりませんので、下の※1、 2に書いてございますので、いろいろ違いはありますけれども、おおむねこのような期間を要しているということでございます。

 これが1つ目の論点、評価の期間であります。

 引き続きまして9コマ目でありますが、論点の2番目、タイミングの問題であります。

 9コマ目にまとめてございますが、実際に価格調整を行うタイミング、この検討について、どのような視点があるのか、論点があるのかということでございますが、●が2つあります。

 1つは、まず費用対効果評価の結果。これはもともと薬価の抜本改革の中でも触れておりますけれども、基本的なそもそもの目的といいますか大義といたしましては、国民皆保険の持続性を確保することと、イノベーション推進を進めていくということ。これらを両立するという観点で、可能な限り早期に反映させるべきというのが、まず基本的な考え方であります。

 一方で、もう一つの●でございますけれども、価格調整による価格の改定は、関係者にとっていろいろな影響がございます。

 まず、1つ目。これは現場的に言いますと、システムの改修が当然必要になります。価格設定になりますので、請求事務への影響。それから、オプジーボの改定のときにも御議論がございましたが、在庫の調整等の対応が当然必要になりますので、そういった視点があります。

 2つ目のポツとしましては、卸の関係者と現場との間で当然やりとりがございますので、妥結交渉のやり直し等の問題が生じます。

 3つ目のポツですが、そもそも製造販売業者におかれましては、当然、経営計画を立てて事業運営をされているということでございますので、そういったことへの影響があり得ますということです。

 こういった論点を踏まえて、どのような対応が考えられるのか10 コマ目に整理をしております。

 現在、検討されております薬価制度の抜本改革も含めて、実際に保険の収載、あるいは価格改定が想定されるタイミングといたしまして3つございます。

 1つは、まず市場の変化を最大限早期に反映させるということで、薬価の抜本改革においても触れられておりますけれども、現在、医薬品の新規収載につきましては年4回やっておりますので、そういった保険収載の機会を活用すべきであるという意味での価格の設定のタイミングがあり得ます。これが最大年4回となっておりますが、一応補足しておきますと、必ず年4回やるのだという意味ではございませんで、最大年4回やっている新規の収載品のタイミングを活用してという前提でございます。

 2つ目のポツ。これは薬価の抜本改革で、これも議論されている内容ですが、通常の改定との間の年における薬価の見直しを行っていくべきだ。そこについて、もし行うとすれば、そういった対応がでてくると。

 3つ目のポツは、従来から行っております改定年の価格改定。

 この3つの内容があり得るということでございます。

 破線で引用しておりますのは、先ほどから何度も触れておりますが、薬価の抜本改革の基本方針の中で関係する表現あるいは文章。こういった表現になっているということでございます。

10 コマ目、2つ目の○です。こういったことを踏まえまして、医薬品、医療機器の費用対効果評価につきましてのタイミングは、基本的にこういった価格改定を行うための現場の対応も想定されておりますので、こういったタイミング、改定の機会を使っていくというのが現実的ではないかということでございます。

 このような論点を踏まえながら引き続き検討していただきたいということですが、本日、こういった整理につきまして、どのようにお考えか御議論いただければと思っております。

 最後でございますが、10 コマ目の最後の○。ここまでは医薬品、医療機器の価格設定でございましたが、もう一つ、高額な医療機器を活用する医療技術の点数調整もございます。これは技術料にかかわる話でございますので、上記の整理と一定程度、整合をとりつつも診療報酬設定との関係もございますので、今後、引き続き検討してはどうかということでございます。

 最後のコマは、今、お話ししましたそれぞれの作業につきまして、このようなタイムフレームになるというポンチ絵でございます。

 事務局からは以上でございます。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いします。

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 事務局にお尋ねしますけれども、この制度化に向けた検討(その6)ということで、きょうは3つ目のスライドにあります評価結果の活用について、特に時間的についてもというようなお話だったのですけれども、まだアプレイザルについての最終的な詰めもできていないと思うのですけれども、それはまた後日、検討するという理解でよろしいのでしょうか。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 御指摘のとおりであります。きょうは資料の中にお示しはしておりませんが、薬価の抜本改革も同様に、幾つかのステップを踏んで議論を進めていただこうと思っております。費用対効果評価の制度化に向けては、第1ステップといいますか、今お願いしております作業としては、ひと通りの流れについて論点とか実際の実務を含めて作業をお示しして、こういった課題がある、こういう論点があることをお示ししております。

 松本委員が御指摘のとおり、実際に費用対効果評価をどう価格に反映させるのかという審議をお願いしたときに、いろいろな論点をいただいております。それは改めまして第2ステップでこれらをまとめてさらに御議論いただくと考えております。

 いずれにしましても、一定の論点とか課題についてはひと通り見ていただくことが必要かなと思いまして、今回、第1ラウンドの最終的な事項としてお願いしたという趣旨でございます。

○荒井部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員 

 そういうことですと、どういうふうになるかはわからないけれども、評価結果が出たら、それをどう活用するかという議論を先に進めなさいという理解をいたしますが、本来ならば順にアプレイザルもして、このときはこうしようとか普通なら考えると思うのですけれども、事務局がそういう方向ならば、従います。

10 枚目のスライドのところの破線の括弧内に書いてある去年の 12 20 日の、いわゆる抜本改革に向けた基本方針ですけれども、結局、年4回の新規収載のときに合わせてもできるようにはなったとは思うのですが、薬価調査等もありますので、やはり年4回は現実的には厳しいのではないか。そうしますと、この費用対効果評価も、それに合わせていくべきではないか。確かに問題点も幾つか書いていただいています。9枚目のスライドにも書いてありますけれども、それを踏まえても余りにも頻回過ぎるのはどうなのかと思います。

 それと、7枚目のスライドの<参考1>ですけれども、やはり再分析に約1年はかかると。企業からのデータ提出もなるべく短期間でいう書きぶりでしたが、その辺は事務局としてはどれぐらいの期間をイメージされているのでしょうか。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 私どもの受けとめといいますか、現状の認識は、7コマ目の試行的導入のスケジュール、これは我々もそうですし、事業者、企業にとっても初めての経験でもございますので、試行ということで無理のない範囲で確実に作業を進めていただくことで、それぞれお願いしております。

 結果として約1年かかっているという実態論をお示ししていますので、これを今後制度化したときに、どういった形で作業を短縮できるのか、それから、あらかじめ期間を設定してルール化をした上で運用するとしたら、どこまでタイミングを調整できるのか、こういった実務的な視点でまだまだ調整の余地はあると思っています。現時点で、何カ月とか何日というところまではまだ固まってはおりませんけれども、そういったことを今後、御相談しながら設定をしていきたいという趣旨でございます。

○荒井部会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 私が読み間違えていました。企業から約1年という図でした。

 そこで<参考2>の表なのですけれども、これは対象品目を選定してから最終的に評価が出るまでの期間が、それぞれの国別で書かれているということの理解でよろしいのでしょうか。声に出してください。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 御指摘のとおりでございます。8コマの御説明のときにも少し補足をさせていただきましたが、国によりまして、制度運用の実態は異なりますので、※1、※2に明記しておりますけれども、企業の分析期間は含めておりません。評価結果が出るまでの期間ということでございますので、逆に言いますと先ほど御指摘のあったような評価結果をどう活用してくのかといった期間については、この中には含まれておりません。ですから、こういったことも参考にしながら、今後、制度化の議論を進めていただきたいということでございます。

○荒井部会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 ということは、<参考1>の表を見れば、再分析、今のところ試行的導入にどれぐらい時間がかかるかというのも当然参考になるとは思うのですけれども、今のところイメージですと、やはり再分析に1年ぐらいはかかるということなのですか。当然、総合的評価も実施されるわけですし、議論の途中と思いますけれども、支払い意思額をいろいろな方に聞かれることも含めますと、やはり1年ぐらいを見越してということなのでしょうか。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 繰り返しになりますが、現時点で何年何カ月ということを予断をもって設定することは避けたいと思いますけれども、これも先ほどの繰り返しになりますが、7コマ目は結果としてこれぐらいの期間をかけて今やっていますという話ですが、試行的導入の場合にはタイムフレームを示して動かすとした場合、何カ月という設定というよりも、まず費用対効果評価を試行的に導入するために品目を選びましょう、そこからこうしていきましょうと、逐次作業を進めていった結果として生じた期間ですので、これがそのまま制度化した期間になるとは我々は考えておりませんで、今度はそれぞれの要素ごとにさらにどういう作業ができるのか、どう短縮できるのかというのは、十分検討の余地があると考えております。

○荒井部会長

 では、松原委員、どうぞ。

○松原謙二委員

 今、支払い意思額の話が出ましたけれども、試行的からこういった制度的にもっていくことについては、私も国民皆保険を維持するためにはある程度仕方のないことだと思いますが、しかし、患者さん個人にとっては、病気というものを治したい、そして、その方の健康、命というのは、個人にとっては最も大切なものであると思います。したがって、やり方として、皆さんの意見を聞いて金額を決めるというのはどうもしっくりこない、納得できないところがあります。どうしても何か指標が必要だということでつくられるのであれば、あくまでもこれは指標にしかすぎないということを十分に御理解いただいて、しかもそういった偏りのないように、適切な形になるように、制度を設計していただきたく思います。

 また、今回、この制度化において、国民皆保険が維持できる大前提は、やはり国民が皆さんで皆さんを支えるという、患者さんを支えるということからできているわけですから、患者さんにとって必要なものがあれば、国民皆保険の中で、保険適用するというのは一番大事なことですので、そこのところに例外規定ができてしまうことについては、私ども医療を扱っている立場からすれば、患者さんにとってよいことではないと思っております。そこのところの御注意をお願いします。

 最後に、年4回でやってみたら、余りにも非常識な、これは違うというようなデータ出たときには、例えば余りにも薬が高過ぎるとか機材が高過ぎるというときには、私は、速やかに対応することにおいて年4回を使われるのはよいことだと思いますけれども、ルーチンに、つまり毎年4回しなければならないということはないと先ほど医療課長おっしゃいましたので、例外的に採用するのだということをしっかり踏まえた上でやっていただきたいと思います。

 以上です。

○荒井部会長

 今のは御意見ということで。

 では、先に安部委員。

○安部委員

 まず、9枚目のスライドで関係者にとっての影響という論点を記載していただいておりますけれども、これは抜本改正の議論の中で、医療保険部会でも中医協でも繰り返し議論したわけでありますが、保有している在庫の価値というものが薬価改定によって下がってしまうということは現場にとって大きな影響でございますので、そういった観点もきちんと踏まえておく必要があると考えております。

 価格調整のタイミングでありますけれども、資料の10 ページに記載されております今回の抜本改革の中で、効能追加、一定規模以上の市場拡大への対応、乖離率の大きな品目についての薬価改定。これらはルールに基づいて一定の対象となれば、どちらかというと機械的に粛々とやるような仕組みだと理解しています。

 一方で、今回の費用対効果につきましては、制度化の中で技術、医薬品に関して、一定の量のものを定期的にというか計画的に実施するものかと思いますし、機械的にやるのではなくて医薬品等の価値と費用について評価をすることでございますので、そのタイミングにつきましては、アドホック的な対応と計画的な対応、いろいろ違う観点もあると思いますので、現場の負担等も踏まえたタイミングを検討する必要があると思います。

11 ページ目で質問があるのですが、これまで費用対効果の試行的導入前からいろいろと議論を聞いていたのですが、試行的な導入の際には、データを提供された企業が再分析の結果等に対して、その内容と評価のあり方が違う場合には、意見具申といいますか、異議申し立てというか、どういう形かわかりませんが、そういうチャンスがあったという仕組みだったと思います。この 11 ページには、例えば再分析のところや価格調整のところで、そういうことの記載がございませんけれども、実態としてはそういうことはお考えかどうか質問したいと思います。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

11 コマ目のポンチ絵といいますかイメージは、詳細な手続全てを記載しておりません。現行の薬価、あるいは特定保健医療材料も全てそうですが、企業の意見表明の場というのは基本的には確保されて制度運用しておりますので、当然そういった整合をとりながら制度設計していくことになろうと考えております。

○荒井部会長

 安部委員、お願いします。

○安部委員

 了解いたしました。

○荒井部会長

 では、猪口委員、お願いします。

○猪口委員

 試行的導入から始まって、それが本格的になるのか、非常に細かいところまで、今、出てきているわけですけれども、実際、これが本当にどう動くかというのが、実態としてまだ我々にもわからないのと、費用対効果の専門組織の大きさによって、果たしてどれぐらい選んで、それが本当にぐるぐると結果が出てくるようなものになるのかどうかがまだ見えないので、今の段階で4カ月だと言われても、本当にそんなものができるのかという危惧をいたしております。ですから、せいぜい2年、できれば1年ぐらいにしないと、薬価はほかの意味でも抜本改定でいっぱい項目があるわけですから、ここだけ余り細かく詰め切らないほうがいいのかと。もう少し、全体の中を見て決めていったほうがいいのかという気がしております。

 以上、意見です。

○荒井部会長

 御意見、ありがとうございました。

 間宮委員、お願いします。

○間宮委員

11 ページ目のポンチ絵のイメージなのですけれども、企業によるデータ作成の期間、企業がデータをつくっている間というのは、特にやりとりがなく進んでしまうのかが気になったところで、つまり一定の期間できちんとデータ作成ができるのかどうかという意味において、中間的に進捗状況なんかを確認して、おくれていれば少し急ぐようにと促すとか、実際にデータ作成の上で、一番適切な方法をとっているかどうかということも確認しておけば、結果が出たときにこれではだめだという話には余りならないかと少し思っています。

 患者側としては、もちろん費用がもし少なくなることがわかるのであれば、その期間が早く来たほうがいいわけであって、そのためには実際の手続の期間というのは短いほうがいいと思うのです。

 先ほどのポンチ絵の話ですけれども、この絵だと、矢印が薬価収載のところから線が引いてあって、どんと下におりていますけれども、これはデータ作成を待って始めるのであれば、一番下のオレンジの枠はもっと右のほうへ行かなくてはいけないと思うのですけれども、このあたりというのは、もちろん、この紙面上の問題なのかもしれませんけれども、全体の期間を考えるというイメージという意味では、ちょっとイメージしにくいのかと思いました。

 以上です。

○荒井部会長

 ありがとうございました

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 間宮委員の御指摘、ごもっともだと承りました。資料としては本来、今回の費-1でいきますと、例えば7コマ目のようなイメージで時間の経過をお示しするということと、11 コマ目のようなイメージで作業の手順をお示しするということでございますので、時間的な流れは 11 コマ目の図ですと、本来、これは左から右へ流れていくようなイメージでつくってはおりますが、どちらかといえば作業をブロックで示しておりますので、時間的な再現性は必ずしも十分ではございません。あわせて7コマ目のような時間的な流れを示すものと作業を示すものとあわせて、今後は資料を整備していきたいと思っております。

 御指摘ありがとうございました。

○荒井部会長

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 本日の論点として2つお示しいただきました。皆様もおっしゃるように、ある程度具体的なイメージがまだなかなかできていない中での議論ですので、どうしても総論的にならざるを得ないかなと思ってはおります。

 その中で、6枚目のスライドでございますけれども、1つ目の評価期間です。やはり本格的導入に向けての現時点での議論と思いますので、それこそ本格的に導入できるような仕組みを考えていくべきと考えております。

 したがいまして、この評価期間につきましても、8コマ目に諸外国の例が出てございまして、最短4カ月から最長12 カ月でございます。諸外国においては、一定程度、制度として定着していることを鑑みれば、場合によっては 12 カ月よりもう少し長い期日が必要なのではないかと思うところでございます。一定程度の幅を持ってということでございますので、4カ月が最短でございますが、そこは参考値といたしまして、本格的導入に当たっては、 12 カ月程度の評価期間を設けるほうがよろしいかと思います。先ほど猪口委員も触れられましたように、評価をするための組織、あるいは人員と申しましょうか、そういったものも一定程度制限がございますので、それも考えますと、ある程度の長さがないと十分な評価ができないかと考えております。

 2つ目の価格調整のタイミングでございますけれども、これもやはり本格的に導入するには、混乱なくスムーズな導入が目指されるべきと思いますので、余り頻回なタイミングは不適切と思います。したがいまして、10 コマ目のスライドにありますように、私自身は、改定年の価格改定時でも、当初はよろしいのではないかと思います。タイミングとしては改定年の間の年における価格改定時というのも、年度がかわりますのでそれも考慮しないわけではございませんけれども、しつこいようですが、やはり本格的な導入をスムーズにするという意味においては、余り拙速にしますと、かえって9枚目のスライドにありますような現場の混乱が相当程度懸念されますので、こういったものがないような形で本格的な制度の導入を目指すべきと考えます。

 以上です。

○荒井 部会長

 御意見ありがとうございました。

 吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 期間とタイミングですけれども、そもそも本格的導入をするときには、対象品目の選定をいつやるかということ。それから企業の分析に1年。さらに、評価が外国の例を見れば1年なのか8カ月なのか6カ月なのか。価格調整するタイミングはこれらによって決まってくるということでありますので、対象品目の選定をいつどういう状況でやって、そこからスタートするということなのではないのでしょうか。

 試行的導入をするわけですから、それぞれの期間がどれぐらいかかるのか、どういう論点があるのかというところを見ながら決定していくのだろうと思いますし、中間取りまとめにおいては、フレームワークをある程度決めて課題を抽出しておくということなのでしょうけれども、本日の議論はそもそもの品目の選定の時期を決めれば決まってしまうのではないか。年4回なのか、それぞれの改定年にやるのか、または中間年にやるのかということも決まるのではないかと思います。ですから、その辺は別途対象品目を選定のときに議論すればいいのではないかと思います。

 以上です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 では、遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員

 ちょっとお聞きしたいのですけれども、本格導入になれば、ある基準に従って選定して実施することだと思うのですけれども、医薬品材料が選定されたということがわかるのは、結果が発表になって初めてわかるということなのか、それともある基準を示して、それに該当するもの全てが評価の対象になっているのか、その辺の点。

 もう一点が、評価の期間については今、議論されたのですけれども、実施の間の周知の期間というのはどのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。

○荒井部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 まず、前者の御質問でございますが、これは前回の部会、前々回もそうですが、一定の基準を設定した上で品目を設定することを前提に制度設計をするということをお示ししておりまして、その具体的な内容について御審議いただいておりますので、費用対効果評価が何だか進んでいって結果だけ後で出てくるということでは決してなくて、あらかじめ基準も含めて設定をしていくということでございます。

 周知の期間は、安部委員の御指摘にも結局重なる話でございますが、現場の対応としてさまざまな配慮も当然必要ですし、分析の作業期間とは別に、流通も含め、さまざまな作業期間があるということでございますので、具体的にそれを何日ということは今の時点ではお示ししておりませんけれども、当然そういったことも詰めていくということだろうと思います。

○万代委員

 今の吉森委員の御意見でございますけれども、品目ごとということで、より具体的なイメージが出るということについては、よく了解いたしますが、事務局が提示された9コマ目のスライドにつきまして●が2つございます。

 1つ目は当然、これを反映することを求められているわけでございますが、さは言いながら、2番目の●の、現場にとっても混乱のない導入というのは必要だと思います。したがいまして、品目ごとに決めるというようなことになりますと、品目によって2番目の●の対応が異なるという結果になりますので、ここは本格的導入の当初においては、原理原則をある程度立てまして、こういう現場の混乱がないということもぜひ重視してやっていくべきかと思っております。品目ごとに決めるような考え方は将来的にあり得るかもしれませんけれども、当初はそういったことではなくて原理原則を立ててというほうが、私としては混乱なく導入されるのではないかと思います。

 以上です。

○荒井部会長

 吉森委員、いいですか。

○吉森委員

 おっしゃるとおりなのでしょうけれども、試行的導入でどれぐらいのものかというので、将来的に全ての薬価について、新規収載品についてやるということであれば、おっしゃるような決めも必要になるかもしれませんが、それはステップを踏んで考えていけばいいのではないかと思います。最初からこれでやるということではなくて、そこは事務局において、本格的導入をどういうふうに導入するのかという制度設計にもよるのだろうと思いますけれども、そういうところも踏まえて幅広に考えていく。

 万代先生がおっしゃっているように、現場にいろいろな配慮というのは当然必要ですし、制度設計としてはそれがないとそもそも費用対効果という、新しい観点で薬価を決めていくというものが成り立たないのだろうと考えております。

○荒井部会長

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 私も実際に価格調整を行うタイミングは、品目ごとに決まってくるのではないかと思うので、吉森委員の意見に賛同します。これから薬価制度の抜本改革が行われるので、薬価は毎年改定されるということと、最大年4回の保険収載の機会があるということも考慮して、価格調整のタイミングを検討すべきだと思います。最初に医薬品や医療機器が保険収載された後に、費用対効果評価の対象である場合は、そこから1年データ分析をして、それを踏まえて価格調整が行われるので、収載の時期によって、価格調整の大体の時期は読めるのではないかと思っています。費用対効果評価の分析結果が出るのが中間年や通常の改定の時期に近いのであれば、改定の4月に合わせて行うこととし、年4回の保険収載の機会に近い時期であれば、この機会を活用するというように、品目ごとに大体の目安を置くことで、頻回改定にもならずにうまくできるのではないかと思います。

○荒井部会長

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 今、文言として薬価というようなことが出てまいりましたけれども、費用対効果につきましては当然薬価だけではないと、考えてございます。あと、費用対効果の考え方と、薬価の抜本改定における年4回の改定の考え方とは、やや異なるのではないかと思っております。

 アプレイザルも含めまして、本当に、ある医療技術が有効なのかどうかということを、国民皆保険の維持も含めた上で考えていくということでございますので、それはそれとして別途考えないと、制度として定着しにくいと思います。

 すなわち薬価の抜本改革として年4回の改定がありますので、不適切とまでは言いませんけれども、薬価のつけ方として必ずしも十分な評価が検定がされていないものにつきましては年4回の薬価の改定を、今後議論されるわけでございますけれども、そこのところで調節すればいいのであって、費用対効果についてはまた別の考えが必要だと思います。

 以上です。

○荒井 部会長

 今、聞いていて感じたのですけれども、今、試行的導入のときには分析対象の選定時期が、改定後の4月の1回となっていますが、今、幸野委員がおっしゃっていた場合には、恐らくいろいろなタイミングで分析対象を選定するということを前提とした議論がされていて、万代委員のほうは、どちらかというと今までの試行的導入のタイミングなので、全部同じ時期に結果が出るということを前提として議論しているように感じたのですが、同じベースで話していないように感じたものですから、そのあたりはよろしいのでしょうか。

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 当然、企業の申請によって出てくる技術のタイミングというのはさまざまでございますので、それに応じて一定程度の期間ということは考え方としてあり得ると思います。

 一方、私が主張しております期間をそろえるということにつきましては、おっしゃるとおりの懸念はありますけれども、そこのところで要するに期間について差が出るというようなことは当然了解しております。ですけれども、どちらかにしなければならない、どちらも一長一短だろうと思っておりますので、そうであれば制度の定着を目指す、国民の皆様がこういった考えにもなじむという意味では、年4回、次々に現場の混乱も顧みずすることについては、余りよくないのではないか。回数より定着のほうをより優先すべきということからの主張でございます。

○荒井部会長

 上出専門委員、お願いします。

○上出専門委員

 ありがとうございます。

 評価期間の件につきまして、専門委員の立場から一点、コメントをさせていただきたいと思います。

 本日の資料の6ページ目の2つ目の○の1)の記載にもございますとおり、諸外国において既に費用対効果評価が実施されている品目でデータが蓄積されている場合にはデータの作成期間は比較的短くて済むかもしれません。しかし、一方で、世界に先駆けて国内で承認された品目で、費用対効果評価を日本で初めて行うような場合には、費用対効果評価の分析に必要なデータも十分にそろわないといったケースも想定され、品目によってデータ作成に要する期間は恐らくかなり異なるのではないかと考えております。

 また、企業という視点で見ますと、各企業の費用対効果評価に対応する機能や組織、またノウハウといったものに違いがあると認識しております。

 現在、試行的導入におきまして、医薬品については7品目の検討が進められているところでございます。対象になりました企業は、アプレイザルの方法や評価結果の活用方法等についての議論が進められるのと並行して、試行に対応しているところでございます。

 6ページ目の3つ目の○にも記載いただいておりますけれども、本日のテーマでございます評価期間も含めまして、今般の制度化に係る議論におきましては、この試行から明らかになってまいります課題を十分に検証いただいた上で、丁寧な議論をしていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ほかに御意見はないでしょうか。どうぞ。

○中村部会長代理

 スライド6で今後検討する課題として、評価期間について、標準的な処理期間をあらかじめ定めるとありました。標準的な処理期間という場合、平均的な処理期間と、長くてもこれだけの期間という2つの考え方があるかと思います。標準的な処理期間となると、平均的な処理期間というイメージを持つのですけれども、どちらでしょうか。

 以上です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 大変重要な御指摘ありがとうございます。事務局としましては、事務処理の期間を設定し、制度を運用する立場からしますと、もちろん平均的にはというのは念頭にはあると思いますが、やはり手順を設定するためには最低限といいますか、期間的な、いわゆるタイムクロックの設定を念頭に置いての御提案ということでございます。

○荒井 部会長

 ほかには御意見は特にないでしょうか。

 ほかに御意見等もないようでしたら、本件については、本日の御意見を踏まえ、御提案いただいた方向で事務局において検討を進めるということとしてよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○荒井部会長

 本日の議題は以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますのでよろしくお願いします。

 それでは、本日の費用対効果評価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

(了)
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