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2017年10月12日 第8回社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」議事録

社会・援護局

○日時

平成29年10月12日(木)14:00~16:30


○場所

フクラシア東京ステーション
会議室H


○出席者

宮本 (部会長) 駒村 (部会長代理)
朝比奈 (委員) 浦野 (委員)
大西 (委員) 大野 (委員)
奥田 (委員) 勝部 (委員)
小杉 (委員) 生水 (委員)
新保 (委員) 竹田 (委員)
平川 (委員) 松本 (委員)
渡辺 (委員) 吉岡参考人 (岡崎委員代理)
成田参考人 (福田委員代理) 前河参考人 (松井委員代理)

○議題

(1)子どもの貧困への対応について
(2)高齢者に対する支援のあり方について
(3)生活保護受給者の健康管理と医療扶助費の適正化について

○議事

○竹垣課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第8回「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただき、まことにありがとうございます。

 本日は、石橋委員、岡部委員、菊池委員は御欠席でございます。新保委員はおくれてお見えになる予定です。

 また、岡崎委員の代理として、高知市副市長の吉岡参考人、福田委員の代理として、川崎市健康福祉局長の成田参考人、松井委員の代理として、大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課長の前河参考人にお越しいただいています。

 吉岡参考人、成田参考人、前河参考人の御出席について、部会の御了承をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○竹垣課長 ありがとうございます。

 それでは、これ以降の進行を宮本部会長にお願いしたいと存じます。

 カメラの方いらっしゃいましたら、御退室ください。

 宮本部会長、よろしくお願いいたします。

○宮本部会長 それでは、始めさせていただきます。

 今日は、前回会議の冒頭に、暑い日は今日が最後みたいなことを申し上げた記憶があるのですけれども、とんでもない話でございまして、しかも、相変わらずの審議会会場は漂流を続けておりまして、ここにたどり着くまで大分エネルギーを使われた方も多いのではないかと思います。残ったエネルギーをフルに活用していただいて、今日も大変大事な議題山積でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 今日の議題でございますが、「子どもの貧困への対応」「高齢者に対する支援のあり方」、さらに、「生活保護受給者の健康管理と医療扶助費の適正化」、この3つを議論していきたいと思います。

 進め方になりますが、この3つの議題を大きく2つに分けさせていただきまして、まず最初に「子どもの貧困への対応」と「高齢者に対する支援のあり方」を議論したいと。それに当たって、事務局から資料説明及びそれに対する質疑応答も行いたい。そして、若干の休憩をはさみまして、その後に、「生活保護受給者の健康管理と医療扶助費の適正化」について、同じように資料の御説明をいただいた上で、質疑応答、そして、議論に入っていきたいと思います。

 それでは、最初に「子どもの貧困への対応」「高齢者に対する支援のあり方」をめぐって、事務局から資料説明をお願いしたいと思います。

○本後室長 それでは、皆様お手元の資料1をまずごらんいただければと思います。

 「子どもの貧困への対応」についてでございます。資料の構成は、前回と同じように、現状と課題、考え方、それから、論点と並べてございます。

 現状と課題については、今までお出しした資料の整理ですので、説明は若干飛ばし飛ばしにまいります。

 まず、子どもの学習支援事業について3ページ目でございます。

 ●の2つ目、実施状況をみますと、学習支援を中心にしながらも、居場所の提供、イベント等を通じた相互の交流や、コミュニケーションを図る取組、家庭訪問、生活環境の向上を図る取組を一体的に行っている自治体も多い。

 困窮世帯の子ども、自尊感情の醸成、ソーシャルスキル・生活環境の向上といった生活面の課題を抱えている。それから、子どもさんとの関わりが少ないといった親の養育に関する課題のため、居場所の提供、生活習慣・環境及び社会生活の向上、「子どものための世帯支援」としての親への養育支援も求められていることを踏まえれば、こうした学習支援以外の取組も行われることは重要です。

 子どもの学習支援の今後のあり方については、このような実態や必要性を踏まえることが必要ではないか。

 世帯全体の生活困窮に対する支援の入り口にもなりうることで、自立相談支援事業との連携をより明確にしていく必要があるのではないか。

 それから、小学生からの早期支援が必要という指摘もございました。

 子どもの学習支援については、個別給付とも区別がつきにくくなることもありますので、「子ども食堂」の取組自体をこの事業の対象にするのは困難であるが、子どもの学習支援事業の中の特別なイベントの場面での取扱いは柔軟にしてもよいのではないかという意見もございました。

 それから、学習支援のみの問題ではないということですけれども、高校生、中退した人、それから、中学校卒業後進学・就労してない人など10代の若年層に対する支援が不足しているのではないか。

 それから、一番下ですけれども、福祉部局と教育委員会とのさらなる連携が図られることを確保するべきではないか。ということでございます。

 4ページ目、「論点」でございます。

 学習支援のほか、居場所機能の提供、それから、生活習慣・環境の向上、社会生活の向上に資する取組といった子どものための支援。

 親への養育支援といった「子どものための世帯支援」といった取組も重要ではないか。ということでございます。

 続きまして、5ページ目から、ここは生活保護世帯の大学等への進学支援についてでございます。

 まず、「現状・課題」の1にありますとおり、現行の生活保護制度では、利用しうる能力を活用することを要件としていますので、義務教育を終了し、稼働年齢になれば、原則として就労して自立を目指すこと。

 2番目ですけれども、生活保護を受給しない低所得世帯の子どもとのバランスを考慮する必要があります。このため、夜間大学等を除いて大学等に進学する場合には、その子ども一人分の保護費は給付対象外としています。

 他方で、現在の大学等への進学率を比較しますと、生活保護世帯は33.1%、全世帯平均の73.2%と比較して著しく低い状況にあります。

 また、高等学校等への進学については、当初は生活保護の給付対象外となっていましたが、昭和45年以降、順次取扱いを変更し、現在は、高校就学に必要な入学費用、授業料等も支給をしています。

 さらに、大学等に進学する場合、受験料等高校在学中に必要となる費用については、保護費のやりくりによる貯蓄等を認めています。

 次に、6ページ目、「考え方」でございます。

 まず、生活保護世帯の子どもの自立助長のために、大学等への進学を支援していくことが重要という点は共通認識ではないかと考えられます。

 他方で、どこまでの支援をするかという点については、さまざまな御意見がございました。大学等への進学が既に一般化しているとして、世帯内就学を認めるべきという御意見がある一方で、大学等進学後の教育費や生活費は生活保護制度以外の一般施策で対応すべき課題であるとの意見、それから、大学等に進学しない子どもや生活保護世帯以外の低所得世帯の子どもとのバランスを考慮すべきという御意見もございます。

 それから、3つ目の段落でございます。現行の取扱いについては、生活保護費が一人分減額されることが、子どもの進学意欲をそいでいるという指摘があります。また、就学金などの一般施策はありますが、生活保護制度では、授業料等の大学等への進学後の費用をあらかじめ蓄えることは認められておらず、進学後の諸費用の準備が困難という生活保護世帯特有の事情もあります。

 以上の考え方を踏まえた「論点」でございます。

 生活保護世帯の子どもの大学等への進学を支援するため、どのような施策が必要と考えられるか。

 また、大学進学時の支援だけでなく、高校在学中も含めた総合的な支援のあり方について、どう考えるか。

 という2点に整理をしてございます。

 続きまして、「高齢者に対する支援のあり方」ということで、資料の2をごらんをいただければと思います。

 こちらにつきましても、1ページ目、2ページ目は、現状と課題の整理でございますので、説明は割愛いたします。

 3ページ目、「考え方」でございます。

 (高齢者に対する支援のあり方全般)ということで、高齢者の生活保護受給者の増加要因を見ると、稼働年齢層のうちに生活保護の開始に至る人も少なくない。保護に至るきっかけとしては、失職や住まいの喪失などを経験した人も多い。

 高齢者の就労を求めるニーズが高い。生涯現役社会の実現の観点から、高齢者に対する就労支援も重要です。

 まず、(高齢期に至る前の支援)ということでいきますと、就労支援や家計相談支援を通じ、可能な限り就労収入が得られるようにしておくこと。家計管理ができる能力を身につけておくことが重要。

 生活保護の「その他世帯」となりうるリスクを抱える世帯も含めて、中高年のひきこもりの人や長期に離職している人などについては、特に留意して相談が行われていく必要があるのではないか。

 それから、高齢者に対する支援ということでいきますと、まず就労支援でございます。

 高齢期の就労の場の開拓、意欲と能力の活用を積極的に進める必要がある。

 そのために、ハローワークにおける取組との連携、ハローワークと連携した生活保護受給者等就労自立促進事業のさらなる推進、シルバー人材センターとの連携など、雇用対策との連携を強化する。あわせて、介護保険の生活支援サービスの拡充の展開と結びつけていくことによって、地域での就労・活躍の場の創出に結びつけていくこともできるのではないか。

 それから、就労準備支援事業の年齢要件については、施行規則に定める2号要件のあり方も含めて検討をする必要がある。これは前回の再掲でございます。

 それから、次のページ、4ページ目。居住支援についてでございます。

 低家賃の住宅が少なく、入居拒否の傾向がある中で、新たな住宅セーフティネットの対応、これと実効的に連携していくことが求められている。

 一方で、住居を確保できたとしても、特に高齢者には緊急時の連絡体制の確保など一定の支援が必要となる方も多い。社会的に孤立している方に対して、地域におけるつながりをつくるような取組を行っている例もある。

 それから、家計相談についてでございます。これは前回の資料の再掲ですけれども、収入が年金に固定されている中で、家計をどう考えていくかが必要。あるいは、年金担保貸付事業の廃止に伴い、細やかな対応が必要になってくるのではないか。

 それから、成年後見、日常生活自立支援事業の対象となるまでには至らずとも、家計管理ではない金銭管理が必要な方も生じてきており、その対応を行うべきとの意見もございました。

 こういったことを踏まえまして、次の5ページ目、「論点」でございます。

 高齢期になって生活困窮に陥ることが懸念される人や、いわゆる「8050」の世帯のように生活保護の「その他の世帯」となりうるリスクのある世帯に対して、生活保護世帯となる前の実効的な取組は可能か。

 高齢期の生活困窮者に対する就労面の支援は、雇用対策や介護保険制度等との連携によりどのようなことができるか。

 ということで、整理をさせていただいております。

 説明については、以上でございます。

○宮本部会長 御説明ありがとうございました。

 それでは、今の御説明に対する質問も含めて、議論に入っていきたいと思います。

 いつものように赤札を立てていただいて、こちらから指名をさせていただくことにしたいと思います。今日は、いつもより会議の時間が30分短くなっております。4時30分に終了ということになっております。議題は大変たくさんございまして、前半・後半、それぞれ皆さん御発言できるように、最大限司会も頑張りたいと思いますが、3分間をめどにした発言ということで、御協力もあわせてお願いしたいと思います。

 それでは、大野委員よろしくお願いいたします。

○大野委員 それでは、私のほうから、子どもの貧困対策について、意見と希望を述べさせていただきたいと思います。

 子どもの学習支援については、市町村ごとに実施の有無などの格差があることも事実だと思います。担い手の確保とともに、町村部も含めて全国どこでも手厚い支援が受けられるような取組をぜひしていただきたいと思います。

 また、民生委員、児童委員は、「子ども食堂」、学習支援などの取組にも協力していますが、何より、真にこうした支援の情報を届けたい世帯が情報が届かない現実があります。それは、市町村行政や市、中学校などが、個人情報保護を盾に情報を提供してくれないという課題がその背景にあるのではないかと思います。こうした自治体の姿勢もぜひ改めてほしいなということを希望いたします。

 また、低所得世帯の進学に際しましては、生活福祉資金、教育支援資金や各種奨学金などがありますが、給付型のものが少ないのが現状だと思います。借入では、困窮世帯の子どもたちが学校を卒業し、社会に出ていくときに多額の負債を背負っていくことになってしまい、その返済に追われて、結婚し、家庭を持つこともままならない現状があります。貧困の連鎖を防止するためにも、給付型奨学金などの拡充や奨学金や生活福祉資金の免除の制度も、ぜひ考えていってほしいなと願っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、札を挙げていただいた順序を完全に了解をしてないところがございますけれども、朝比奈委員お願いをいたします。

○朝比奈委員 子どもの貧困と高齢者に対する支援と、それぞれ何点かずつ申し上げたいと思います。

 まず、子どもの貧困についてです。子どもの貧困は、子育てをしている家庭の貧困であるということは論をまたないところだろうと思いますが、その観点から、子育て家庭に対する施策との連動をどうしていくかということも、しっかりと取り上げていくべきだと思います。現実に、虐待対応に家庭児童相談室も児童相談所も追われている中で、経済的な問題が養育のリスクにつながるという観点がちょっと弱いような印象があります。

 現在、私どもの地域では、関係機関と連携して高校にアプローチをしているところですけれども、学校の先生方とお話をすると、子ども自身からはなかなか見えてこないというところがあって、高校年代になると、家庭にどこまで踏み込むべきかという学校側の躊躇もあるようですけれども、例えば、ある非常に困難なケースでしたが、学校の先生が生徒の様子を心配して、半年かけて本人と話をして、やっと相談をするという段階になったときには、結果、深刻な虐待を受けていたのですけれども、御本人の年齢が満18歳に達していましたので、虐待の新規相談としては児相の受理にならず、別の対応をとるために苦労したということがありました。

 そういう状況のなかで多様なアプローチが必要だろうと。1つには、学習支援や「子ども食堂」のような場の力を使うということ。もう一つは、SNSなどのツールも積極的に使っていくべきではないか。例えば「よりそいホットライン」では、ツイッターとかチャットルームなどを同年代の若者たちが運営しながら、相談の前段階として少しサポートしているような取組もありまして、そのことも若年世代に対するアプローチとしては重要だろうと思います。

 それから、児童養護施設から出てきた子どもたち、若者たちのことも触れられておりますが、施設に措置された段階で、地域の要保護児童対策地域協議会の対象からは外れるのですね。18歳より前に地域に戻ってくれば、また要対協の対象になりますけれども、18歳を過ぎて地域に戻ってくると、どこにもつながらずに、結果、卒園した児童養護施設を頼らざるを得ないと。児童養護施設の側もアフターケアに取り組んでおりますが、現実、地域との連携はなかなか進んでいない状況で、ぜひ、そこに困窮者支援が活用できることを、もっと社会的にもアピールしていくべきではないかなと思います。

 それから、例えば奨学金の問題も含めて債務とか、それから、若年の妊娠なども大分問題としては見えてきている状況があります。キャリア教育の中で、ぜひ、そうした金銭の問題や妊娠・出産・性病など、社会に出て巻き込まれる事柄について取り上げていっていただきたいと思います。

 すみません、あと、早足ですが、高齢者に対しても若干触れたいと思います。

 1点は、何回か申し上げていることですけれども、高齢者に対するアプローチの前提として、地域包括ケアとの関係をしっかりと整理をつけていただきたいと思います。養育の問題とも同様ですけれども、地域包括の介護や健康相談の中で、経済的な問題が困窮のほうに投げられるという、実際上は地域では連携に苦労をしているという状況がございます。

 それから、就労についてはぜひ取り組むべきだと思っておりまして。「論点」の中では、介護保険制度等との連携によりとありますけれども、数少ないですが、実際に、デイサービスなどで就労支援に取り組んでいる実践などがあるとも伺っております。OTさんやPTさんなどが介護保険の事業所にはおりますので、そうした人たちの力を借りながら、高齢者に対する就労支援は最も効果的な介護予防策ではないかと考えますので、ぜひ進めていただきたい。その際には、困窮者支援も含めた障害者や難病・ひとり親など、就労支援に配慮が必要な人たちの共通のテーブルづくりが必要だと思いますので、その辺りは自治体の取組に期待したいというところです。

 最後ですけれども、高齢者に対する支援の4ページに、1つは居住支援の問題、それから、2つは家計管理ではない金銭管理が必要なもの、ということが挙げられています。この辺りは、例えば公的な保証の仕組みづくりとか、緊急時の連絡、それから、初動の体制づくりとか、日常的な生活の見守りも含めた金銭管理などについて、地域の仕組みがつくられていくと、困窮者支援にとっても有力な出口になりうるなと思いますので、今回、「地域福祉計画」のメニューなどにも例示されておりますが、地域の取組にぜひ期待したいところです。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 特に子どもの問題に関わっては、児相、施設、要対協等、いろいろな制度があるけれども、同時に、そのすき間もたくさんあるということですね。そうした中で、この自立支援制度がSNS等も活用しながら場の力を発揮しなければいけない。この辺りはこれから議論の一つのポイントになっていくのかなと思います。高齢者に関して、地域包括ケアとの関係、これもまたおそらく皆さんから御議論いただけるところかなと思いますが、生水委員いかがでしょうか。

○生水委員 ありがとうございます。

 私からは、「子どもの貧困対応の子どもの学習支援事業」について述べます。

 3ページの下から●3つ目、食事の提供の個別給付について、考え方が挙げられていることについて意見を述べさせていただきます。

 野洲市の学習支援については、地域住民の寄附でおにぎりなど軽食の提供をさせていただいていますが、おにぎりをきっかけに子どもたちが学習支援に参加しやすい場となっています。また、つくってくれている地域のボランティアとの交流にもなっています。あと、個々の子どもの学力に応じて教材を渡すことで学習がしやすいのと、子どもが自分のための教材なのだと思うことで、学習のやる気につながっています。そこで、こうした学習支援に関する食事の提供や教材などの経費を認めるべきだと思います。

 お手元の配付資料をごらんいただけますでしょうか。1枚目になります。

 野洲市の場合、現在28人の中学生が登録しておりますが、全員が母子家庭です。多くの母親の就労支援とか養育費の請求、借金の問題、学費の準備などのお手伝いをさせてもらっていますが、子どもだけが貧困ということではないので、世帯支援は当然必要です。ただし、それには、先ほど大野委員からも御指摘ありましたとおり、支援者間同士での個人情報の共有が必要です。この配付資料の中にありますのが、野洲市の学習支援事業において、関係機関における個人情報の共有について、要保護児童対策地域協議会の枠組みを活用したものを挙げさせてもらっています。

 当市では、学習支援事業についてはNPO法人に委託をしておりますが、生徒の個人情報の管理については、市民相談生活課が事務局として行っています。

 ここで整理しておく必要があるのが、世帯支援については、学習支援事業でするのではなくて、自立相談支援事業での対応となるために、自立相談支援機関である市民生活相談課が、要保護児童対策地域協議会の構成員となっています。この枠組みに入ることで学校や家庭・児童相談施設、スクールソーシャルワーカーなどの関係機関と個人情報を共有できるので、世帯にとって必要な支援がとてもやりやすくなっております。

 あとは、「生活保護世帯の大学等への進学支援」というところで、6ページの意見を述べます。

 生活保護世帯の子どもたちは、親が働いていないなど、職業のある方と接する機会がとても少ない状態です。そのため、将来の職業を具体的に考えるイメージを持つことが難しくて、高校進学のときに将来の職業を考えて、商業科・家政科・福祉科と選択をするのではなくて、合格のできる公立高校を選択している状況です。それが高校卒業後の進路に結びつかないというようなケースになっているのだと思います。よって、中学のころから、職業観の醸成と、職業に結びつく教育の仕組み、これが必要だと考えます。

 最後に、高齢者に関する支援のあり方について、高齢者の5ページの「論点」について意見を述べます。

 高齢期の生活困窮者に対する就労面の支援については、野洲市の状況をお伝えします。野洲市では、市役所内にハローワークの機能を設置しまして、就職ナビゲーターが常勤して、市の相談員と一緒に相談を受け、就労支援を行っております。平成28年4月から平成29年9月末までの間に、就労支援を行った実人数は259人で、そのうち65歳以上の実人数は19人です。そのうち65歳以上の就職決定者は14人で、就労支援をした74%の方が就職決定している状況です。

 就職ナビゲーターの方にお話を聞きますと、求人情報端末機を検索するだけでは、「65歳」と入力すると求人情報は合致しないそうで、相談者の話をよく聞いて、できそうな職種を考えて、うまく検索し、事業者に直接連絡をして、求人条件の緩和をしてもらうよう交渉し、了解をもらった上で紹介状を発行するそうです。また65歳までとあっても、その後も働けるように交渉をするなど、求人情報端末機の情報だけではなくて、個別に調整してくれているからこそ高齢者の就労に成果が出ているものです。

 働きたい高齢者がチャレンジできる入り口を広げるように、求人条件の緩和策を進めるのと、雇用調整ができる、能力のあるハローワークの職員等の人材育成が必要だと考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今日は、子どもの問題と高齢者の問題、同時に議論していただいているので、皆さん議論を展開するのに御苦労をおかけしておりますが、今、4点貴重なお話をいただきました。

 学習支援について、教材とか食べ物の支援。これは事務局案では、イベントの場合はいいのではないかと。その辺りどういうふうに調整、つけあわせをしていけばいいのかというところも課題になるかと思いますが、これも詰めていきたいと思います。

 自治体からの御発言を少し承っていこうかなと思いますが、吉岡参考人いかがでしょうか。

○吉岡参考人 高知市です。私のほうからは、まず子どもの貧困への対策として、子どもの学習支援事業についてですが、学習支援は全国でも50%を超える取組がなされておりますが、高知市も「チャレンジ塾」という学習支援に取り組んでおります。

 高知市の状況を紹介しますと、平成23年から始めまして、当時は、「チャレンジ塾」の対象者は生活保護を受けている家庭のお子さんは約18.7%でしたが、平成28年では31%、3割を超えております。この中で、中学校を卒業された後の就学の状況を見てみますと、この「チャレンジ塾」に参加された生活保護世帯の学生は、過去3年間を見ますと、28年は3年生51名中50名、27年は53名中52名、26年は39名中38名が高校へ進学しており、「チャレンジ塾」は、生活保護世帯のお子さんだけではなく、一般の学生も一緒に取り組んでおりますので、一定の効果があるものと考えております。

 学習支援面だけでなく、親の養育環境がもたらす生活環境への影響などを向上させるために、生活面での課題を改善する支援も必要であると考えております。特に、高校進学とともに、学習支援が途切れる事例も多々ありまして。各自治体の取組に任せるのではなくて、生活保護世帯の高校中退率も非常に高いことから、高校生支援のための就学支援の体制、財政的な面も含め、そういう制度構築が不可欠ではないかと考えております。

 また、一方、親に対する取組ですが、将来的な貧困の防止のために、社会性や日常生活の習慣を身につけるところから支援を行う必要があるという観点は、就労準備支援事業とも共通する部分があります。子どもを通じてさまざまな情報を得られますので、その情報が自立支援にとっても必要なものであると考えており、学習支援の現場と自立相談支援機関との連携による仕組みを設けることが、子どものための世帯支援にもつながっていくのではないかと考えております。

 それから、高齢者に対する支援のあり方で、高齢生活困窮者の自立支援制度の窓口として、スクリーニングをした上で、情報の連携とか、保護と困窮における支援の継続性も含めて、必要に応じて生活保護につなぐ仕組みを構築していかなくてはいけないと考えております。生活保護に至る前の状況は、ほぼ開始を見ておりますと、高知市の場合、多分、全国的にもそうではないかと思うのですけれども、疾病のところと預貯金の減少とか稼働収入の減少、失業などによるものが非常に多くて、生活困窮制度の中で、就労支援や家計相談支援を行うことで、可能な限り就労収入が得られるようにしておくことや家計管理ができる能力を身につけておくことが重要であると考えております。

 また、住み慣れた地域で、自分らしく暮らす、共生社会を目指すということでは、就労準備支援事業の年齢要件の緩和も必要ではないかと考えております。

 それから、高齢者の生活困窮者に対する就労面の支援では、例えば、介護保険制度との連携がいわれておりますが、高知市でも、「こうち笑顔マイレージ」事業という、高齢者の社会参加とか生きがいづくりを進めておりますけれども、例えば、地域支援事業の総合事業の中で従事員として働いていただくことで、軽度の生活支援をすることができますし、また、困っている世帯を支援する社会参加、それを対価として何らかの形で収入を得ることができるような、そういう取組が必要ではないかと考えております。

 こういう活動が地域づくりの一環として位置づけられますと、高齢者の方々にとって、生きがいや健康面で非常に効果があると考えておりますので、そういうような取組もひとつは体系的に進めていってはどうかと考えております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 子どもの学習支援を親の支援ともつなぐことができるのがこの制度の強みである。これは朝比奈委員からもお話があったとおりでございます。それから、高齢者の就労支援についてのユニークなアプローチ、これも生水委員の御発言ともあわせて掘り下げていきたいと思います。

 続いて、成田参考人、自治体の立場からもよろしくお願いします。

○成田参考人 川崎市でございます。学習支援事業の財源と効果測定について、発言をさせていただきます。

 4ページに記載されている視点が、貧困の連鎖防止に向けて大変重要な視点であると考えております。その面で何点か要望をさせていただきたいと思います。

 まず財源についてですが、本事業の実施に当たりましては、対象者の範囲の問題もありますが、支援の内容・密度によってかかる経費が膨大なものとなってまいります。名古屋市では、一人親の学習支援事業と連携しながらになりますが、昨年度は68か所、今年度は143か所で実施を予定しておりまして、経費も、今年度は4億円、来年度は6億円を予定していると伺っております。貧困の連鎖防止に向けて、支援の充実を図るに当たっては、各自治体の負担の現状を踏まえて、基準額及び補助率について、抜本的な見直しを行っていただくなど、事業を実施しやすい環境の整備に向けて、ぜひ御検討いただければと思います。

 また、「論点」にある視点や「考え方」に示されている小学生からの早期支援といった取組を強化していくことは、厚生労働省の児童家庭局において現在実施をされている、子どもの生活・学習支援事業等、食事の提供の有無以外は、内容がほぼ同一なものとなっております。子どもの貧困対策を効果的に実施するために、類似するメニュー、事業の統合も含めて、あわせて御検討いただければと思います。

 次に、事業の効果測定についてです。本事業の効果の1つに、高校進学後の中退率の低減が挙げられると考えております。現在、生活保護受給世帯の中学生に対して、卒業後の進路状況及び高校等在籍状況に関する調査が、毎年行われております。その中では、ひとり親世帯の子どもの状況を裁定するようになっておりますが、あわせて、学習支援利用制度の状況についても裁定するようにし、本事業利用制度のその後の状況を追跡・把握をすることで、学習支援事業の学力向上以外の効果である社会性の向上や非認知能力の向上などの効果の測定が、傾向を把握するなど一定程度測れるのではないかと考えております。

 また、各福祉事務所においては、当然、子どもの状況の詳細を把握しておりますので、学習塾の利用状況や進学先の高校名、保護者の就労状況などの項目を追加し、調査を実施することで、その後、国においてさまざまな分析も可能になるのではないかと思われますので、調査票の改定も含めて御検討をいただければと思います。

 あわせて、今年度、社会福祉推進事業として、子どもの学習支援事業の評価指標開発のための調査研究事業が実施されておりますが、これらの調査研究を踏まえて、各自治体が活用できる効果測定のツールの開発、発信を行っていただけると、各自治体がより効果的な事業推進が図れるものと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 事業の効果測定という、これも議論をしていく上で非常に大切なポイントを出していただいたかなと思います。

 続きまして、都道府県の視点から、前河参考人お願いできますでしょうか。

○前河参考人 よろしくお願いします。子どもの貧困と高齢者への支援について、幾つかお伝えさせていただければと思います。

 まず学習支援事業の関係ですが、学習支援事業における居場所づくりや環境調整、社会生活能力向上の取組に加え、養育支援も含めた子どもの環境全体に働きかける取組の充実は大変重要と考えております。

 なお、その際に、朝比奈委員もおっしゃられていましたが、一般の子育て支援、養育支援施策との連携も重要ではないかと考えます。

 また、全国的に子どもの貧困への取組を進めていくためには、こうしたメニューの充実や加算措置は非常に有効であると考えます。また、府内自治体からは、学習支援事業本体の補助率を上げてほしいとの意見もございまして、自治体が取り組みやすくなる対応の1つとして御検討をいただければと思います。

 次に、生活保護世帯の子どもの大学進学等への対応策ですが、これについて有効と思われる施策としては、大学に進学しない子どもや生活保護世帯以外の低所得者世帯の子どもとの公平性を考慮すると、大学進学に伴う、世帯分離をした際の住宅費の認定の際に、引き続き、世帯分離前の世帯人員に応じた限度額での適用といった例外規定を設けることや、基本的に給付型の奨学金、授業料の全額免除等、他方、多施策を活用した上で、自立助長に資する就学に必要な費用の一次給付等が望ましいと考えます。

 また、基準部会においても検討が進められているところですが、貧困連鎖防止の観点から、滑りどめを想定した高校受験料の複数回給付、大学受験等に伴う受験料や模擬試験代の給付、入学準備金のうち、制服等が傷んでしまった場合の2回目の給付も、御検討をいただければと思います。

 次に、高齢者に対する支援ですが、困窮に至る前の段階で、生活困窮者自立支援制度における就労支援や家計相談支援により予防的な活用を図ることが有効ではないかと考えております。具体的には、本制度の対象者に、困窮のおそれがある者へも広げてはどうかと考えます。

 高齢期の生活困窮者に対する就労面の支援は、例えば、家計相談支援事業におけるキャッシュフロー表作成等のノウハウを活用し、年金等で足りない生活費のみを稼働収入で補うための短時間労働の創出。例えば、これも就労訓練事業における業務分解のノウハウを活用し、例えばですが、ニーズの高い介護業務における介護補助や清掃、その周辺業務の切り出しなどを担うなどにより、また、その相互のマッチングにより就労支援が有効ではないかと考えます。このような取組が高齢者の社会参加、生きがいづくりにもつながるのではないかと考えます。

 以上になります。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 生保受給世帯の子どもたちの進学支援や高齢者の就労支援の具体的な方法を御提示いただいた、細かい配慮に満ちた方法を御提示いただいたかなと思います。

 自治体からの一連の御発言もありましたが、それでは、竹田委員お願いをできますでしょうか。

○竹田委員 ありがとうございます。私から子どもの貧困への対策と高齢者に対する支援について、それぞれ何点か述べさせていただきたいと思います。

 子どものほうでは、生活保護世帯の大学進学支援において、例えば包括支援センターで関わっている中でも、祖父母に養育されているお子さんたちも少なからずいらっしゃって、なかなか貸付が受けられないという現状もあったりしますので、先ほど大野委員からも出ておりましたが、貸付から給付のほうへシフトしていく、それが出身世帯に関係なく教育の機会を確保していくことにつながるのではないかと思っていますので、その辺をぜひ検討していく必要があるのではないかと思っております。

 高齢者に対する支援のあり方ですが、地域包括ケアシステムの中では就労は特に含まれていないかと思っており、住まい、医療、介護、介護予防、生活支援、これが一体的に提供されるという中で、就労というところまではまだ含まれてないのかと思います。就労支援で考えていくと、例えば、今、自治体で取組をされています、生活支援体制整備事業、生活支援コーディネーター、生活支援と就労支援を一体的に取り組んでいくような施策の展開も有効ではないかなと思っていますし、また、就労するに当たっては、通勤できる手段も重要になってきますし、また、長年身につけてきたスキルとニーズとのミスマッチということもありますので、個人への働きかけとか、環境整備もあわせて取り組んでいく必要があるのではないかなと思っております。

 また、「論点」の1つ目にございます、なるべく早く相談につなげていく仕組みを、前回の議論の中では、どちらかというと行政内、庁舎内での情報共有ということで議論がされたかと思いますが、これに関しては、地域住民が把握しているニーズをいかに早くキャッチして相談機関につなげていけるか、そういったネットワークの構築も、地域包括支援センターの機能と役割を整備しながら、地域住民や多機関・多職種と連携してつなげていける仕組みを地域に構築していく必要があるのではないかと思っております。

 また、「論点」の中にあります、成年後見制度に関して申し上げますと、現在、成年後見制度の利用促進の流れの中で、利用者がメリットを実感できる制度運用として、補助類型とか保佐類型の積極的な活用、さらには、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりも掲げられていますので、成年後見制度に限らず、権利擁護支援が必要な人の発見、早期相談、そういったものが求められており、利用促進の観点からは、ネットワークづくりなども活用しながら、できるだけ早期に発見していく仕組みを地域全体でつくっていく、これが必要ではないかなと思っております。

 私からは以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 地域包括支援センターとの連携、これは特に地域共生社会論の視点からも極めて重要になってくるわけですけれども、もう具体的に就労と情報共有と、この2点でいかにつなげていくかという点で、大野委員の御発言もありましたが、大変重要な御提起をいただいております。

 続きまして、勝部委員お願いできますでしょうか。

○勝部委員 この間、子どもの貧困の問題がいろいろと考える機会をいただき、地域の住民の皆さんとともに、「子ども食堂」や「地域食堂」という取組が随分広がったことで、今まで、家族の中にいれば家族というのは幸せなのではないかという一般論でみんなが思っていたことが、実はそうではないということがだんだんわかってきた。これが今地域の実態ではないかなと思っています。

 いわゆる就学前の実態で言うと、就学前に、親の養育支援のところを見ますと、家事ができない、生活は回せてないという人たちが相当数おられるということで、お家の中をみても、普通に生活を行っていくことを学ばずして大人になっていくという、こういう子どもたちがいることに対しての養育支援のところの家庭訪問型のようなものがもう少し手立てとしてないと、生活を支えることができない。これは、我々自立相談支援機関で関わる中で、例えば、本人がいわゆる精神疾患、何らかの精神の課題があるだろうと、メンタルの課題があると思っても、本人が契約をしなければ、それらのサービスにつながっていかないということがありますので、ある意味措置的な支援ができるような、子育てに対する支援策を考えていくことがないと、一時保護以外に手立てがないということでは、なかなか支えることが難しいなということを思っています。

 もう一つは学習支援ということで、ここを始めたことで、子どもたちに直接さまざまな経験やいろいろな交流、学習の享受ということができてきていることで、自信を持って前を見て頑張っていこう子どもたちにたくさん出会っていること。この事業の大切さから言いますと、補助率をどういうふうに考えていくかということについては、かなり積極的にやっていただきたいなというのを強く思います。

 それから、3点目が、中学校から高校へ行くときの高校の中退率のことを考えますと、中学の現場の先生方とお話をしていますと、いろいろな奨学金の状態であるとか、貸付の状況、そういうことを全て進路指導の担任の先生方が把握することはなかなか困難であって、ここの時点でしっかりと自立相談支援機関などと連携ができることで、もっと有利な、あるいは、その家族に応じた対応ができるのではないかということを強く思っています。 そこの進路のところでしっかりと結びつかないと、結果的に、また、中退ということにもなっていくと思いますので、ここの結びつけといいますか、連携のところが非常に重要だと思っています。

 さらに、今度、高校に入った後ですけれども、府立高校になりますと、市町村の枠とエリアが変わってしまうということで、豊中の例えば高校生であっても、豊中市外の高校に行っている子たちがたくさんいるということで言いますと、連携をしていくことが非常にやりにくいという問題があるので、都内とか府内というふうな、府教委ですね、そういうところとの結びつきについても、ぜひ、この機に整備をしていただくと、より支援がしやすくなるのではないかなと思っています。

 高齢者の問題については、高齢者が生活支援サービス、介護保険の生活支援のところでさまざまな役割を担っていくことも、大きな役割として、実践としてやっておりますが、もう一点、当初のところでありました養育支援のところでも、高齢者の方々が、例えばお料理をつくったりとか、家事支援のところでも、我々のまちでは大いに力を発揮していただいている部分がございます。こういうことも一つの就労の形として、ぜひもっと普及させていくということはどうかなと思っています。

 最後ですが、居住の問題はいろいろ言いますが、保証人の問題でなかなか入れるところは限定されていることは、今までも何度かここの議論でもお話がありましたけれども、保証人問題については、一定の何か新しいやり方を構築していくことが急務な課題だと思っています。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。学習支援の補助率を上げていく問題、それから、中退率を下げていくような長期的な取組の問題、これは、先ほどの成田参考人からの御意見とも非常にうまく呼応して、大事なポイントになっていることがよくわかりました。

 それから、子どもの支援と高齢者の支援は実は一体のものなのだという、柏市などでもやられていることでもありますけれども、これを困窮者の自立支援の場でもという、示唆に満ちた御提起をいただきました。

 続きまして、渡辺由美子委員お願いをできますでしょうか。

○渡辺委員 ありがとうございます。子どもの貧困対策について、何点か述べさせていただきます。

 まず、「論点」にもありますように、学習支援の総合化というのは非常に重要な方針だと思いますので、ぜひ、これは進めていっていただきたいと思います。その中で、財源といいますか、資金の面で、皆さんからも出ているように、補助率のアップとか、特に、単なる学習会ではなくて、居場所機能をつけたり、食の機能をつけたり、相談機能をつけたりということでは、非常にコストがかかっていくので、そこの部分をどうしていくのかというふうなことはぜひお考えいただきたいと思います。

 また、特に私どもがやらせていただいていても、貧困率が高く、また、子どもの人数が多いところでは、現在でも上限額を超えてしまっていて、自治体の自主予算で補てんをしなければならないということがあります。

 実は、沖縄が非常に子どもの貧困が深刻な問題で、これは何とかしなければいけないということで、沖縄には特別予算が11億ほどついて、居場所も120か所以上をやっているとか、支援員もたくさんついているというふうな状況がある中で、貧困率が高くて、人数も多いところの問題をどうするかということですね。でも、ここはしっかりとできれば、逆に、非常に改善効果が進んで、国にとっても、将来的には非常にいい面が出てくると思いますので、その重点地域みたいなものを少し考えて、上限額を緩和するとか、そういうふうなことを考えていただけるとよいのかなと思っています。

 また、2点目で、高校中退の支援が出てきていますが、これは非常に重要だと思います。ぜひ、高校生世代をどうするかということは、今回の予算の中にも少し入っておりますが、入れていただきたいと思っています。私どもでやっている、高校中退をしてしまった生徒さんのための学習支援事業ということで、居場所型のをやっているのですけれども、おかげさまで、昨年10月から始めたのですけれども、7月の高卒認定試験を3人受けて、3人受かりました。みんなそれぞれ大学に行きたいとか専門学校に行きたいというふうなことで、今も勉強しております。一人は児童養護施設を出た後、高校中退を2回した後に来ているような生徒ですけれども、大学進学をしたいということで頑張っています。そういったことで、非常に若年のうちの支援というふうなことが、その生涯に関わると思うので、ぜひ、ここはお考えいただきたいと思います。

 また、親の養育支援にも少し関わるかもしれないのですけれども、先ほど朝比奈委員からも出てきた若年妊娠の母親の支援も、子どもなのか親なのかというところで、なかなか枠組みが不明確なのですけれども、非常に大きい問題だなと思っていて、私たちの高校中退のところにも、妊娠で中退したけれども、見てほしいというふうなことを言っています。ただ、子どももいるので、子どもも連れてきていいですかというふうなところで、では、子どもは誰が見るのかみたいなことが問題になって、なかなか簡単には受け入れられないという状況がありますし、沖縄のほうを聞きますと、子どもの貧困で、子どもの学習支援も重要だけれども、実は、そのお母さんたちが高卒の資格を取るというふうなことが非常に大事なので、そこが何かできないかということは沖縄の方からはすごく言われています。そういうことも含めて、若年妊娠をしたお母様とかそういう若者への支援をどう考えるかということは、ぜひ御検討いただければと思います。

 また、生活保護世帯の大学等への進学についても、非常に論点として挙げていただき、ありがたいと思っております。子ども貧困対策にもありますように、生活保護世帯の子どもたちも、大学等への進学を勧めていくのだと。現状、一般家庭と大きな差がある中で、この差を縮めていくのだというふうなことが、まずメッセージとして出ていくことが非常に重要で、今までは、生活保護世帯の子どもは高校を卒業したら働くと、稼働に資するということで、働くことが前提だったけれども、選択肢としてはそうではなくて、学びたい人は学ぶ道があるということを、これはぜひ社会の中でもメッセージとして伝えていくことで、大学進学を応援するということが必要だと思います。

 その中で、財源も限られる中で、扶助等をどうするかという形でくると思います。今出ているように、住宅扶助の減額をやめるということは非常に有効な策だと思いますので、ぜひ、これは進めていただきたいと思いますし、生活保護を受けてない低所得家庭のお子さんたちとのバランスをどうするかというのはあるのですけれども、できれば、生活扶助みたいなところでも少し緩和があればいいと思いますし、特に、生活保護世帯特有な事情として、大学に入る前に、大学生活とか専門学校のためのお金をためることが家庭としてはできないという問題があります。ただ、もし、これが大学や専門学校に行くとなると、入ったとたんにすごくお金がかかるわけでして。入学金や授業料は奨学金等を借りるとしても、例えばパソコンを買うとか、教科書を買うとか、通学の定期を買うとか、地方から移動をすれば住居も借りるとかというふうなことで、一時金としてのお金が非常に必要で、これが大変だったというふうなことは、生活保護世帯から大学進学をされた学生の方からも聞いているので、ここに関しては、ぜひ、一時給付金というようなものを考えていただければと思います。

 最後に、大学等への進学等の支援だけでなく、高校在学中も含めた総合的な支援も非常に重要だと思っております。生活保護世帯のお子さんも含めて、低所得世帯のお子さん全般に、高校を出た後のキャリアをどうするかというふうなことも、誰に相談すればいいのかわからない。だから、ただ単に大学に行きたい、専門学校に行きたいというだけではなくて、お金の問題とか家庭の問題とかいろいろある中で、高校の先生が全てそれを把握するのは難しいですし、また、多くの保護者の方もそこのところには応えられないという中で、低所得世帯の高校生の学習支援といいますか、居場所のような機能があって、そこの相談を受けられるような体制をつくることで、非常に彼らの未来も開けると思いますし、将来的に貧困の連鎖を防ぐことにもなると思うので、ここの高校生世代への支援ということと大学進学をあわせて考えていただければと思います。

 以上です。

○宮本部会長 大変ありがとうございました。

 前半に考えていた時間もだんだん押してまいりまして、私もよけいな交通整理せず、どんどん進めさせていただきます。続きまして、平川委員お願いをいたします。

○平川委員 最初の子どもの貧困対策で、学習支援の関係で、当然、補助率については改善をしていくことが重要であります。市によって対象が限定されているような自治体もありますので、しっかりとそれを拡大していくことが重要かと思っています。

 ただ、学習支援事業に来ている子どもたちについては、保護者が送り出す。その保護者はそれなりに問題意識を持って送り出していただいていると思いますけれども、学習支援を利用しない家庭に対してどういう働きかけを行うのかというのも重要ではないかなと思っています。そういった意味で学校や教育委員会との連携も重要ではないかと考えているところであります。

 高校の場合、例えば福祉事務所との関係で言うと、小学校や中学校との関係性と比較すると、どうしても薄いのかなと思いますので、実施機関、福祉事務所と高校との連絡体制も必要ではないかと思っているところでございます。

 生活保護世帯の大学への進学支援については、これは以前お話ししましたけれども、当面は、住宅扶助の暫定的な率とか、あるいは、収入認定の除外などについても、入学金などから授業料などに拡大する。そして、就業扶助という制度も活用しつつ、大学入学の支度金というものについての考え方を構築していくことも重要ではないかと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 それから、高齢者に対する支援のあり方です。これは竹田委員もおっしゃっていましたが、地域のネットワークの中で、リスクの早期発見、早期対応が重要ではないのかなと思っています。

 また、そういった中で住まいをどうしていくのかというのが大きなポイントとなっていますし、ほかの方も、連帯保証人のいない高齢者の取扱いについてどうしていくのかというような議論がありました。特に当事者が死亡した場合、家財道具の処分が大きな問題になっておりまして、これが理由で高齢者に部屋を貸さないということもよくあるとお聞きしています。一般世帯との均衡ということで、家財処分料の支給についてはなかなか難しいとは思いますけれども、できれば、家財処分についてどうしていくのかということも連帯保証人がいない場合の高齢者の取扱いについて検討も1つの材料になるのではないかなと思いますので、これも含めて検討していくべきではないかと思っています。

 それから、資料の「高齢者に対する支援のあり方について」の3枚目のスライドで、(高齢者に対する就労支援)の中に、介護保険の生活支援サービスの拡充の展開ということで記載があります。生活支援サービスの拡充の中にはボランティアも入っておりまして、ごみ出しとかはボランティアさん等の活用ということでありますけれども、その辺、就労とボランティアは明確に区別していくべきだと思いますので、生活支援サービスの拡充の展開ということに限らず、介護における就労の場、活躍の場というふうな方向で記載をすべきではないかなと思っています。介護事業に対しての人材確保をどうしていくかということについては、同じ社・援局の中でも検討がされて、この前、介護労働者については裾野を広げるという新たな考え方も出されておりますので、そっちのほうの観点で記載をしていったほうがいいのではないかなと思います。ボランティアについては、それとは別に、社会参加という観点で記載をすべきではないかなと思っています。

 以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、小杉委員、そして、奥田委員、浦野委員の順番でお願いをいたします。

○小杉委員 ありがとうございます。3つお話ししたいと思っています。

 1つは子ども貧困関係で、大学への進学をどう考えるかということですけれども、私は、本人の意欲をそぐような住宅扶助の問題とかそういう部分についてはきちんと対策すべきだと思いますが、進学後について、保護のままでいるかというと、そこは違うのではないか。進学後の話は一般施策の範囲で考えるべきだと思っています。

 貧困の連鎖をとめるということは大事なのですけれども、例えば、高卒労働者が貧困かというとそうではないですよね。生涯賃金などを考えますと、確かに大卒と高卒では賃金差はありますけれども、大卒で100人未満の企業に就職した方と高卒で100人以上の企業に就職した方の生涯賃金を比べると、高卒で100人以上の企業に就職した人のほうがずっと高いのです。そういう実態があるので、高卒で労働市場に入っていくのは決して貧困ではないということも大事なポイントだと思いますので、貧困の連鎖の観点から生活保護をそこまで持つというのはちょっと違うのではないか。

 ただ、職業によっては、大学を卒業することが必須な職業はたくさんあります。そういう選択肢を削ってはいけないので、そういう意味では給付型の奨学金は非常に大事だと思いますけれども、それはそれとして、生活保護でどこまで考えるかということについてみれば、高校卒業で就労することは決して貧困につながるわけではないということは押さえるべきではないかと思います。

 もう一方は、学校の中退の話です。中退はかなり後々まで響きます。私どもの30代、40代までやった調査もあるのですが、その中で、高校中退の場合には失業の確率が高くなるという結果が出ていまして。高校中退を何としても防ぐという意味で、学校在学中の支援、学習支援だけではなく、キャリア支援だと思うのですね。将来につながる今だということをちゃんと認識できるような相談支援みたいなものを含めた支援はぜひ必要だと思います。これが2点目です。

 3点目は高齢者の就労です。高齢期の就労は非常に重要だと思いますし、就労を通じた社会参加という考え方は非常に重要で、それが健康のもとにもなるし、意欲のもとにもなるしというので、さまざまな形で就労することは、今は、本人にとっても、社会にとっても非常にプラスだと思います。ただ、そこで、いわゆる雇用労働の範囲に入るか入らないかという問題が出てくると思うのですね。

 この場合、個人の状態によって雇用労働に入る人とボランティアレベルの話と、かなり幅広くあるのですが、その中間辺りのところをどうサポートするかといいますか、そこをどう拡充していくかというのは大事なポイントではないかと思います。多分、訓練事業の中でも、雇用型と非雇用型を一生懸命分けましたけれども、現実の人の働き方は、あるところから突然雇用型に足る労働力が身につくわけではないので、その中間をどうするか。

 雇用労働者であるかどうかというのは、社会的なセーフティネットといいますか、保護をちゃんと受けられるかどうかというところの問題で、それ以外の働き方は、場合によっては、搾取を受けかねないという状況があるわけですね。それを福祉の観点からきちんとコミットすることで搾取にはならない仕組みにしていく。そこを保証するようなものが必要なのではないか。その場合には、人に使われるばかりではなくて、スロービジネスですね、畑でつくったものを売るとか、焼酎をつくるとか、そういうことが、また、生きる糧になりますので、そこまで含めて就労支援という幅で考えていくべきではないかと思います。

 今、「インダストリー4.0」といろいろいわれて、IoTだのロボットだのという話があるのですが、ああいう時代はまもなく来ると思いますが、そこでいわれているのは、そうした新技術は、これまで労働市場に参加しにくかった高齢者や障害者をサポートして参加しやすくすることができる。あるいは、時間と場所を選ばない働き方ができるので、これまでいろいろな制約があった人が働けるようになる。そういう意味では非常に柔軟性を高めるものを持っているのですね。一方で、それは、人の情報を全て把握してしまうので、まさに人間がコントロールするような技術にならないこともないのですが、一方で柔軟性のある働き方を何とかうまくやるためにうまく使えば使えるのだと思うのですね。という意味で、今後の話ですけれども、福祉の立場から「4.0」をどう使うかというようなことを、今後は議論をしていく必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 奥田委員、お願いいたします。

○奥田委員 まず子どものほうですけれども、私は、子どもの貧困においても、問題は経済的な問題だけではなくて孤立の問題。結局、親も子も誰に「助けて」と言っていいのかわからないという、これが大きな問題で、親の収入も大事ですけれども、親も孤立している、子どもも孤立しているという、ここが一つ観点としてしっかり置くべきだろうということが1つ。

 「論点」の2点目に、「子どものための世帯支援」が出てきますが、私、そうなれば、「考え方」のところもそうですけれども、上から4つ目の●の「子どもの学習支援の今後のあり方については、このような実態や必要性を踏まえることが重要ではないか。」ここまで議論が進んでいるとするならば、今回の法律のことに関わってくると思うのですが、「子どもの学習支援」という事業タイトルで果たしていいのですかという、それをずっとやっている限りは、何かちょっと的がずれる。これをよくわかってない行政がやってしまうと、単純に学習塾のことなのだろうと思われてしまう。そうではなくて、もっと複雑な社会的な問題なのだということを示すために、この事業タイトル自体を今回見直すべきではないか。

○宮本部会長 例えばどんなタイトルがいいですか。

○奥田委員 例えば、単純に「子ども及び子どものための世帯支援」とか、今まで出てきた議論の流れでね。その辺はちょっとこちら(事務局)のほうに考えていただくとして。ごめんなさい。そこまで考えていませんでした。ただ、「学習支援」というと、何となく今までの重ねた議論とはずれるのではないかというのが、私の感想です。

 それから、3ページ目の●の5つ目ですが、「自立相談支援事業との連携をより明確にしていく必要がある。」これはそのとおりだと思います。ただ一方で、なかなかコミットが難しい世帯に入っていったときに、やっとつながったパイプを自立相談にさらにまたつなぎ直すという、この一手間が増えるのは、実は現場では相当大変なことで、そうなると、この辺の手続の明確化をする中で、自立相談を使った有プランというかプランつきのアプローチと、子どもの学習支援のチームが直接関わっていってもいいという二通りの手段があってもいいのではないか。

 あるいは、これは今回、総体としての制度なので、自立相談へ行くと、当然就労準備につながったり、それは今までどおりのスキームで行けるのですが、例えば、子どものほうから入ったときに、子どものほうから就労準備にオーダーを出せるのかとか、この辺りの手続やルールの整備をすべきではないか。

 それから、●の7番目のさっきの現物給付ですが、そのところに関して「お菓子を出しちゃだめよ」みたいな、自立相談事業所で「お茶を出しちゃだめよ」と言われたら困るのですよね。だから、何が一体現物給付で何が現物給付ではないのかよくわからない。もっと言うと、現物給付はだめだという原則は、就労準備のときにも、交通費負担をどうするのかという議論があったはずなので、根本的に、この子どもの部分だけでなくて、就労準備も含めて、一部現物給付ということをどう考えるのかというのが根本議論だと。

 それから、8つ目9つ目のところですが、私は学校との連携、教育委員会との連携も絶対必要だと。でも、その中で、1つは具体的なことで、教育関係者への情報提供とか教育ということをしないと、学校の先生がこの制度のことをほとんど知らないということで、なかなかアプローチできない。選択肢として、教員の知識の中にこれがあるかどうかというのはやはり大事なので、ここを何とかならないか。

 そうなると、厚生労働省と国土交通省が居住のことで既に局長クラスで去年の12月から協議を始めておられて、一歩も二歩も進んでいる状況だと思うのですが、同じように、厚生労働省と文科省の間で一歩進んだ協議をやらない限り、正直、地域においては教育委員会は結構いろいろあるのですよ。私は、学校が本気になってくださるかどうかが最大のネックだと思っていますので、そこをどうか。

 最後に、効果のところですが、2.9兆円の話も含めて、ただ、進学率だけで子どもの学習支援の評価をしてはいけない。これだけ総合的なことだという議論をしてきたので、高校進学率とか云々というところだけでは事業評価しない。しかも、社会参加の面も含めて、多分、経済的効果も当然出ると思うのですね。だから、単純に関係性の問題だけでなくて、それが経済効果もあるというような論証をできないかなというふうにも思っています。

 高齢者のほうですが、改めて、年齢要件とか収入要件とか、就労準備支援事業、これはなくしたほうがいいのではないかということ。

 それから、2つ目としては、先ほど小杉先生がおっしゃったのと私も同じことで、就労とは何かということで、雇用なのかという。例えばシルバー人材のことを書いていますけれども、あれは雇用ではないでしょう。あれはやはり請負でしょう。そうなると、既にシルバー人材は雇用ではないところでやっているわけだから、個人商店も含めて、何か新しい高齢者が働けるステージを法的にも少し整備しないと、雇用といわれるとなかなか難しいなというのがあります。

 3点目、居住のことですが、国土交通省のセーフティネットとの連携で、3つのことで、入居支援、国土交通省さんらしい点が3点挙げられているのですが、国交省の方とこの間しゃべっていても、生活支援をどうするのかというのが最大のポイントになっていて、セーフティネットの中には、4番目のポイントとして生活支援をどう確保するかという話を、例えば居住支援法人なりにやってほしいという思いはあるけれども、実際に中身としては、何をどうするかはわからないというところに来ているので、こっちの制度との連携で言うと、生活支援のところを明確にセーフティネットとの連携をどうつなぐか。

 さらに、居住のところでもう一点として、後で、退院促進のところで、生活保護のところで、無料低額宿泊施設等の活用というのが今日の資料の中に出てくるのですが、高齢者の受け皿として、私は、無低なのか、生活支援つき居住なのか、共同居住なのかわかりませんが、要するに、その地域でケアが要る人で、高度なケアは要らない、しかし、地域で暮らせるというところで、無低の活用。私なりに言うと、生活支援つき居住の活用というものが必要なのではないか。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 複数の委員からお話があったことなので、私のほうからも事務局に、これがもし可能であれば、資料をお願いしたいのですけれども、1つは、今、学習支援から入って、例えば自立相談支援につなげるとか、あるいは、朝比奈委員がおっしゃった、場の力を発揮するさまざまな関連する、特に保護者の問題等に支援を広げていく、そうしたコースが実際取り組まれている事例とか、こうしたことが可能であるといった、そんな資料がもしございましたら、御紹介いただけると、今日の議論の延長で非常に示唆的なのかなと思います。

 あるいは、学習支援に対する一時的給付、特に食べ物等の問題で、イベントというのを例えばどういうふうに理解すればいいのかについても、少し補足的に何かの機会で御説明いただけると、難しいとは思いますけれども、いろいろ支援の構想が広がるのかなと思います。

 浦野委員、お願いできますでしょうか。

○浦野委員 1点だけ、高齢者の支援、特に居住支援のところで申し上げたいと思います。

 資料で言うと、4ページ目だと思いますけれども、この中で、まず安価な住宅をいかに発掘し、確保するかということ。それから、その上で家賃債務保証とかというような、大家さんが安心して貸し出せるようなその仕組みとか、それから、もう一つは緊急時の連絡とか、あるいは見守りの支援をしていくとかいう課題があると。これを一つのセクターで全部やりましょうというのはなかなか難しいのだろうと思うのです。

 私は、自分が社会福祉法人の人間ですから、我々として何ができるかなと考えたときには、ごく平均的な、そんなに大規模な法人でなくても、普通の規模の社会福祉法人のできることを考えますと、福祉施設は、24時間誰かがおりますので、何かあったときに緊急の連絡を受けるのは結構得意なのだろうと思います。そういう意味で緊急の連絡を受けるとか、あるいは、定期的にクライアントの安否を確認するとか、また、相談に応じるとか、こういうことが結構できるのだろうなと。

 そういうものをできるところを、社会福祉法人はこういうところができますね、ただ、家賃債務保証まで社会福祉法人でやるとか、住宅の発掘までやってくれとかいう話になるとなかなか難しい。そういう意味ではそれぞれ得手のあるところを整理して、その担い手を見つけていくことが必要なのかなと思います。

 この1点だけ今日は申し上げておきます。以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 前半の最後になりますが、駒村部会長代理お願いをいたします。

○駒村部会長代理 ありがとうございます。

 資料に関して質問が1つ、子どもに関して4つのコメント、そして、高齢者で1つあります。

 資料1の質問ですけれども、3ページの先ほど奥田委員がお話しされて、ここでは現物給付と表現されていますけれども、資料中は「食事の提供という個別給付」。個別給付だからいけないということなのですかね。そして、イベントであれば。要するに、こういう理解なのですか。一人一人定食が出てくるといいのだけど、立食パーティをやったらいけないというのか。個別給付がひっかかるところのポイントを説明していただければなと思っています。菊池先生がいれば、多分わかりやすく法律上の問題を説明していただけると思いますが、私は法律家ではないので、個別給付はいけないけれども、イベントだったらいいと。もしかしたら先ほど説明があったのかもしれませんけれども、もう一度御説明いただければと思います。

(新保委員出席)

○駒村部会長代理 そして、子どものほうですけれども、さっき、成田参考人や奥田委員からも話がありました。狭い意味での学習・学力向上、いわゆる認知能力の向上をもってその評価と考えるのではなくて、子どもの貧困の連鎖を食いとめるための学習支援であると、そういう意味ではっきりさせないと、学力を上げればいいのだ、高校進学率を上げればいいのだという狭い評価ではいけない。それはそのとおりだと思います。

 その一方で、学力、いわゆる認知能力・非認知能力はちゃんと改善しているのかどうなのかは、先ほど成田参考人がおっしゃるように、ちゃんと検証をしなければいけないと。別の事業になるのですけれども、障害者のほうの「A型作業所」や、養護施設における子どもたちに対して、民間の教育プログラムで認知能力・非認知能力ともに高める有効な教材の開発が行われているのですけれども、そこでちゃんと科学的根拠も検証されているようなのですが、大事なのは、そのカリキュラムなりをちゃんと動かせる人材を育成しなければいけないというところもありますので、学習教室の目標は狭い目標ではなくて、自己肯定感の向上とかそういったところと、それに対した有効なカリキュラム、それに対応したきちんとした人材の育成が大事かなと思います。

 もう一つ、子どもの認知能力・非認知能力に影響を与えるものとして、最近の研究では、親がストレスを感じていれば、当然、子どもの認知能力・非認知能力に悪影響を与えるという研究があるわけです。親のストレスの問題も十分考慮しなければいけないのですけれども、午前中の生活保護基準部会でも少し議論があった話で、阿部委員からあった話で御紹介したいと思いますけれども、地方での被保護者の子育て世帯で非常にお困りになっている問題の1つとして、保育所に送迎の車の運転・保有が制限されている。保育所の車の送迎については、病院や就業と同じように考慮できないのかという意見がありました。

 こういうことで非常にストレスを感じていらっしゃると、子どもにも影響が出るのかもしれませんし、これは基準部会で議論する話かどうかわからなかったので、こちらの部会でも私が紹介すると言ってきましたので、紹介しなければいけないので、そういうようなことだということを御紹介します。もちろん、この問題はそう簡単には、多分いろいろ波及する問題もあると思いますので、簡単な話ではないとは思いますけれども、こういった議論も午前中はありました。

 それから、高校の考査料の話についても午前中の基準部会でありまして、1回しか認めないということになると、どうしてもリスクヘッジというか、実力よりも低い高校を受ける傾向があるのではないか。複数回の受験を認めるようにすればいいのではないか。これは先ほども御指摘がありましたので、基準部会のほうで議論が進んでいるという状況です。

 それから、児童養護施設への子どもたちのケアも書いてありますけれども、きちんと充実していただきたいなと思います。

 子どもについては以上で、最後、高齢についてですけれども、課題のところで「8050」のような状態の人に対してどう対応するのか、実効的な取組が可能なのかと。どういうパターンで「8050」になるのかという、少し典型例みたいなものを整理していただければなと思っています。

 海外の研究では、子ども時代の養育環境が、35歳になったときの自分の人生の満足度にも大きな影響を与えることは研究でわかってきておりまして、日本はそれだけ長い3040年にわたる研究調査はほとんどないわけですが、私も似たような研究をやったことはあるのですけれども、子どものときに不利な状態にある人は貧困リスクが上昇するということは日本でも言えるのではないか。

 そういうことになってくると、こういう問題が起きているケースは、子どものときからの課題が実はあって、大人になって、成人になってずっと続いているのかですね。あるいは、50代の子どもが、景気循環の中で仕事をたまたま失っていってこういう問題が起きているのか。どういうパターンによってこういう問題が起きているのか。少しパターン化して、整理した上で、どういう取組がそうなのかという議論になるのではないかと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 私からの事務局へのお願いとも重なるような御依頼が駒村部会長代理からもございました。よろしくお願いできればと思いますが、今、お答えいただきましょうか。

○本後室長 御質問のありました個別給付のところですけれども、生活困窮者自立支援制度は、全般として、個別の方への給付という仕組みの構成にはなっておりません。唯一あるのは、住居確保給付金のみ、厳しい要件を課した上での個別給付ということになっています。

 子どもの学習支援における食事の提供をどういうふうに考えるかということですけれども、今の整理でいきますと、食材費を費用として出していいかということに関しては、どこからどこまでが個別的なもので、どこからどこまでが事業かという区別がなかなかつきにくくなりますので、基本的には、一律に食材費に関しては今は認めていないという取扱いにしています。

 現場の中で、まさに年一回のクリスマスのイベントとか季節のイベントみたいなところで、食材を使うというときは事業費を認めてもらってもいいのではないかというような御意見もかなりいただいていますので、この場での御意見も踏まえまして、この「論点」「考え方」の中に載せさせていただいているという状況でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 ここで前半の議論を終了させていただきますが、時間が20分くらい押しております。30分開始ということで、5分間ちょっとお休みいただこうかなと思います。後半は時間が限られていることをくれぐれも念頭に置いて御議論を進めていただければと思います。

 それでは、休憩に入らせていただきます。

(休 憩)

○宮本部会長 再開をさせていただきます。

 議題の3になります。「生活保護受給者の健康管理と医療扶助費の適正化」につきまして、議論を進めてまいりたいと思います。

 事務局からの御説明をまずお願いいたします。

○姫野推進官 それでは、資料3について御説明させていただきたいと思います。

 まず、「現状・課題」ですけれども、これまで資料を出させていただいたものをまとめたものですが、下から2つ目の●に結論を書いてありますが、生活保護受給者は健康上の課題を抱える者が多いにもかかわらず、健康に向けた諸活動が低調な状況にあると考えられることから、健康増進を支援する取組を進める必要があるというのを現状と課題と考えております。また、引き続き制度に対する国民の信頼を確保し、持続可能な制度としていくため、医療扶助費の適正化に取り組んでいく必要がある。この2点が大きな現状と課題かと考えております。

 次のページでございますけれども、4つに分野を分けまして、「考え方」「論点」を整理しております。

 まず1点目、健康管理の推進ですけれども、生活保護受給者については、生活習慣病予防等の健康管理に取り組む必要性が高いにもかかわらず、医療保険におけるような特定保健指導のような取組が全国的には行われていないという課題がございます。

 また、現状では、医療扶助のレセプトのほかに、精神の通院医療などの自立支援医療費のレセプトとか、健診のデータ、医療機関の検査データ等が分散して管理されておりますので、福祉事務所において受給者の健康や治療の全体像が把握できていないという問題もございます。

 また、3点目ですけれども、子どもについては、適切な食習慣、運動習慣、生活習慣が確立されておらず、虫歯や肥満など健康への影響が出ているという指摘がございますので、そういった支援を行う必要があるというのが一つの考え方でございます。

 その次のページ、「論点」ですけれども、少し具体的な支援のイメージのようなものも書いておりますが、まず1点目「生活保護受給者の健康管理」については、受給者の生活習慣病の予防・重症化予防のために、福祉事務所が主体となって、健診や検査データ、レセプトデータを活用し、健康管理を行う事業をさらに推進していくこととしてはどうか。

 それから、2つ目ですけれども、それに当たりましては、保健部局やかかりつけの医師、地域の医療等関係者などとの協力・連携のもとで推進する必要があるのではないか。それから、福祉事務所における保健師等の専門職の体制とか、外部の資源への委託のあり方も検討する必要があるのではないか。

 それから、3つ目ですけれども、具体的な方法については、現場の実情を踏まえてマニュアルの策定を行っていくことが必要ではないか。そして、国において、データの収集・分析をして、情報面で支援をしていくことが必要ではないか、としていくこととしてはどうかといった形で「論点」を整理しております。

 それから、2つ目ですけれども、「子どもの健康管理支援」については、福祉事務所において子どもに関係する機関から健康に関する情報の収集を行うなど、地域の医療関係者とも連携して、取組をさらに進めていくこととしてはどうかというふうに整理をしております。

 次のページ、「頻回受診対策」について整理をしております。

 まず、「考え方」の1つ目ですけれども、年次推移を見てみますと、近年、受診日数については減少傾向にあるということでございます。ただし、2つ目にありますように、頻回受診の指導を受けた人のうち、改善した人の割合は45%程度になっていたり、あるいは、効果が一時的で一定期間を経過した後、受診回数が増加してしまうなど、さらなる対策が求められているということでございます。

 また、適正受診指導を行っても改善されてない方の背景事情ということで、精神面での疾患・障害を抱えている場合や、社会的な居場所がない場合があるとの指摘もございました。

 また、子どもの受診率に関して見ますと、むしろ、一般世帯より低くて、適切な受診の促進が求められる状況にあるかと考えております。

 それから、窓口負担についてですけれども、窓口負担がないことから、頻回受診を助長しているのではないかという御指摘もありましたが、他方で、医療を含めた最低生活を保障する必要があることとか、窓口負担により真に必要な受診までも抑制されるのではないかといった御指摘も多数あったということで、両論を整理しております。

 「論点」ですけれども、まず、頻回受診へのさらなる対策も含めて、かかりつけの医師との連携のもと、指導員の同行などの丁寧な指導をすることで、真に必要な受診の積極的な勧奨を行うこととしてはどうかというのが1つの整理です。

 それから、2つ目、窓口負担に関しては、繰り返しになりますが、最低生活保障との両立や真に必要な医療の受診までも抑制されない方法などが果たしてあるのかどうか、という整理をしております。

 5ページ目ですけれども、3番目の分野でございます。重複調剤と退院促進について整理しております。

 まず、医薬品の使用に関しては、現在、同一の向精神薬の投与を受けているものについては、レセプトでチェックいたしまして、主治医に確認の上、適正受診指導を行っておりますけれども、それ以外の薬剤については、福祉事務所の取組に委ねられております。

 現在、モデル事業として、処方せんを持参する薬局を1か所選定いたしまして、薬局において薬学的な管理・指導を実施するとともに、重複処方を医師に情報提供するといったことで適正化を行うことができれば、生活保護受給者の健康に資するとともに、医療扶助の適正化につながる効果も期待できるということで、モデル事業を行っております。

 それから、精神科の長期入院についてですけれども、生活保護受給者が退院して地域生活を送るような環境を整備したり、あるい社会参加の場の拡充を進めることが、退院促進を通じて医療扶助の適正化につながると考えられると感じております。

 「論点」ですけれども、先ほどの重複調剤の件ですけれども、自立支援医療等も含めて、調剤を受ける薬局をできる限り受給者ごとに1か所にする取組を、いろいろな配慮もしながら、こういったモデル事業の結果を踏まえて、さらなる展開を行うこととしてはどうかということでございます。

 それから、退院促進等を通じた医療扶助の適正化にも資するように、保護施設や無料低額宿泊所等を含めた居住支援の体制の再構築を進めることが考えられないかとしております。

 最後、後発医薬品(ジェネリック医薬品)については、医療全体で使用割合を8割以上とする目標を定めておりますが、医療扶助についての取組としては、前回の改正で、医師が使用可能とした場合は、後発医薬品の使用を促すことを規定しておりまして、平成27年で使用割合が63.8%、28年で69.3%になっておりまして、着実に取組が進んできております。

 他方で、都道府県ごとの使用割合に差がありましたり、あるいは、医師が一般名で処方したにもかかわらず薬局において患者さんの御意向によって後発医薬品が処方されないというものが6割以上あるという調査結果もございます。

 生活保護制度に対する国民の信頼を確保するために、さらなる取組が求められているところでございます。

 「論点」ですけれども、医師が後発医薬品の使用を可能と認めた場合で、かつ、薬局等での在庫等の問題がない場合に、後発医薬品の使用をさらに促進する方策についてどう考えるかということであります。

 資料については、以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 医療扶助費の問題については、以前の部会でも、特に生活保護受給者の健康増進という観点こそが自立支援部会では貫かれるべきではないかと、私自身もお願いをしたわけですけれども、その辺り、議論の構造としてはきちっと反映してくださって、事務局には感謝したいと思います。もちろん、施策、構造も含めて、各論的にも皆さんいろいろ御意見・御質問等があると思いますので、議論に入っていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 大西委員。

○大西委員 ありがとうございます。

 今いろいろ御説明を受けたのですが、1つ言えることは、福祉事務所がその主体となっていろいろと適正化に向けて役割を担うようですが、結論は多分難しいのではないかなという実感を持っています。

 薬、重複診療についても、福祉事務所のケースワーカーがそこまで細かなところを見てできるかといえば、大変な長期間の時間を要するのではないかなと。それ以外にもいろいろな意味で、今、福祉事務所のケースワーカーについては大変心配することが多いわけですが、それにも増して、この細かな被保護者の医療管理、また、薬のことまで、とてもではないけれども、おぼつかないのではないかという思いを持っています。

 ちなみに、救護施設に入所すると事務費等で居宅保護に比べ費用は掛かりますが、みなと寮では少なくとも3か月おきに主治医と施設の嘱託医と看護師が話し合う中で、「この通院の必要性がありますか」「これが余分な薬ではありませんか」というようなことも実施しております。本人の了解を得て、職員が通院にもついて行きますが、「ジェネリックでいいですか」ということの確認もしています。施設入所は、一見すると費用が掛かるように見えますが、急がば回れで、どこかで安くついているようなところもあるのではないかなと思います。今、福祉事務所が全てにおいて背負い込むような印象にとれますが、それはなかなか難しいなというのは当初から思っていますので、外部委託等、いろいろな具体的な策を講じてやらなければ、このままでは絵に描いた餅になるのではないかなという思いを持っています。

 以上でございます。

○宮本部会長 現場の御経験を踏まえた大変リアルな御指摘をいただいたと思います。

 続きまして、朝比奈委員お願いできますでしょうか。

○朝比奈委員 朝比奈です。

 1点目は、今の大西委員の意見と全く同じで、さまざまなデータを全体として把握することはかなり専門的な知識が要求されるであろうと。この部会でも、保健師を配置した自治体の取組などを御紹介されていましたが、そうした職種を活用することは非常に重要になってくるのではないかと思います。

 3ページで、「子どもの健康管理支援」についても、ケースワークを通じて子どもを取り巻く家庭環境や生活実態を把握しというところが、現実にどれぐらい実効性を持って行われるかということもかなり厳しいだろうと思いますので、さまざまな観点から保健師などを活用したり、それから、外部の専門的な機関と連携するというようなアプローチで、逆に、ケースワーカーさんが抱え込まないで済むような状況をつくっていくことが必要だろうと思っております。

 4ページの3つ目の精神面の疾患・障害を抱えている場合や社会的な居場所がない方についての頻回受診についても同様で、地域の資源を活用していくようなアプローチを、ケースワーカーさんだけでは難しい場合にどうするかというようなところについては、組織的・体制的な担保を裏づけ、バックアップが必要だと思っております。

 それから、4ページで、窓口負担がないことが頻回受診を助長していることについて、こうした指摘があることは否定されないとは思うのですが、実際上の問題として、こうした点を具体的な施策として取り上げていくことについては反対をしたいと思います。

 それから、5ページで、精神の長期入院の方々の事柄を取り上げています。医療扶助を適切に効果を持って実施していくために、長期入院の問題をどうするのかということを論点として取り上げていくことは、大変重要な観点だと思っておりますけれども、これについても、「論点」の2つ目で、保護施設と無料低額宿泊所は大分違いがあると思いますが、この文脈で、今後、こうした論点で取り上げられたところの真意がいま一つ理解ができないということもあります。

 現実に、確かに精神障害の方々のグループホーム等々、居住の支援の場で受け入れの難しかった方が、行き場がなく、無料低額宿泊所に行くことも現実としてあるのですけれども、実際に、無低の側からはそうした方々のケアが難しいと。ですから、受け入れが困難だというふうな声も上がっておりまして。

 奥田さんがおっしゃっているように、人的なケアをそこにどういうふうにつけていくか、それを無低につけるのか、それとも精神障害者の地域生活支援などのリソースを使いながら、無低を一時的な通過施設として使っていくのか。どういう枠組みでこれを活用していくのかいかないのかということをちゃんと議論をすべきだと思っております。

 基本的には、私が働いている地域では、無低に何かのケアを求めることは現実には難しく、居住支援の体制の中の一部にしかすぎないだろうというふうにも思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今、大西委員と朝比奈委員から続けてケースワーカー頼みになってしまっては、健康増進そのものがなかなか進まないという御指摘があり、姫野推進官からのお話は、必ずしもケースワーカーだけということではなかったと思いますが、もし、何かその点補足されることがあれば、お願いしたいと思います。

○姫野推進官 御指摘のとおり、ケースワーカーだけということではなくて、例えば、5ページで重複調剤の話を書いておりますけれども、「考え方」の2つ目の●にありますように、重複調剤の確認については、実際に薬局の薬剤師さんが専門的な目で見て判断していくことも必要ですし、薬剤師さんが専門的な指導を生活保護受給者に対して与えていくといったことも必要だというふうな考え方をしております。

 また、ページをちょっと戻っていただきまして、3ページに、健康管理の「論点」を書いておりますけれども、この中でも、2つ目の「-」になっておりますが、福祉事務所における保健師等の専門職の体制をどうしていくのか。あるいは、そういった体制がとれない場合に外部の資源をどのように活用していくのか。そういったこともしっかりと検討していく必要があるということとか、あるいは、実際に福祉事務所で取り組んでいく上で、マニュアルをどういった形で整備していくのか、こういったことも含めてしっかりと体制を整備していく必要があるのではないかといった形で、「論点」を提起させていただいておりますので、まさに御指摘いただいた点も含めて御議論いただければと思っております。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 同じく朝比奈委員から御指摘があった点ですけれども、頻回受診と窓口負担の関係などについても、この部会の議論をどういうふうに集約していくのか、これから集めていくことになろうかと思います。

 渡辺由美子委員が早く札を挙げていただいております。

○渡辺委員 子どもの健康管理についてですけれども、これをどこが担うかということで、前の議論とちょっと重なるのですけれども、子どもの学習支援といいますか、居場所型の支援をする中で、子どもたちへの健康、生活習慣みたいなことも入ってくるのかなと思っています。

 私たちがやっている居場所型の学習支援で、夏休みに、子どもたちに「夏休みの目標」を書かせたところ、出てきた目標が「毎日午前中に起きる」とか、「夏休み中、毎日3食食べる」とか、そういうふうな目標が出てきて、ここに大きな課題があるのだと。学力の前にここなのだというふうなこともあったので、居場所のスタッフと相談をして、毎朝ちゃんと来ると、夏休み中は朝から開けるのですけれども、午前中に来るとスタンプを押してあげるとか、軽食を出さないとだめだからといって、簡単なのだけれども、お昼を出して食べさせるとかそういうふうなことをやっております。

 そういうことも含めて、子どもの学習支援は、居場所の支援の中でできうるところもあるのでしょうし、それを言うと、先ほどのお金の話になってくるのですが、運営コストが非常に上がってきて、補助率とか上限額を超えてしまうというふうな運営費になる中で、ここの緩和とか、付帯事業みたいな考え方をするのか、そういうふうなことが必要になってくると思います。

 学校健診等の情報の共有みたいなことも、ケースワーカーさんに学校側がつなげたときに、ケースワーカーさん個人のパーソナリティーで非常に差が出てくるところがあるなと思っております。私たちが学習支援をやっていても、心配なことがあったときに、お伝えするとすぐ動いてくださる方もいらっしゃれば、「ああ、わかりました」と言って、報告を受けるというところで終わる方もいらっしゃるような中で、私たちはいいのですけれども、学校側は特に忙しいので、お伝えをしてうまくいかないと、もうそこで終わってしまうというふうな可能性が高い中で、例えば生活保護を受けている子どもに関しては、その担当の方をある程度専門職というか専門のくくりにするとか、福祉事務所の中に担当の窓口みたいなものをつくって、このお子さんは非常に歯の具合が悪いから、ぜひ歯医者に行かせてくれだとか、学習支援でも出てくるのは、視力が非常に低いのだけれども、眼鏡を持っていないというふうなことで、そこの部分で、「眼鏡を用意してくださいね」みたいなことを、後追いをちょっとできるような、気遣いができるような体制になってくると、子どもに関してはいいのかなと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、松本委員が札を挙げていらっしゃいますので、ここで早目に御発言をお願いします。

○松本委員 ありがとうございます。

 生活保護受給者の健康管理に取り組むことは本当に重要なことだと考えております。皆様方のおっしゃるとおりでございます。基礎疾患を抱える方が非常に多いことから、福祉事務所が重症化予防に取り組む際には、かかりつけ医と十分な連携をとって、治療方針とそごのない支援を行う必要があります。先ほど、大西委員が実際としては取組がなかなか難しいのではないかとおっしゃったことについては、私も実感としては同じように思っております。

 したがいまして、福祉事務所が行う健康管理事業の手順、内容の標準化を行うに当たりましては、かかりつけ医との連携も含めて、現場の関係者が協力して取り組むことができるように、また、患者の治療が効果的に進むように、現場の実情のわかる実務者の意見をよく聞いて、このマニュアルの策定を進めていただきたいと思います。

 それから、子どもの健康支援管理ですけれども、生活保護の家庭の子どもの健康を守るために、情報収集、地域の医療関係者との連携、保護者への関わりを含めまして、しっかりと取組を進めるべきであると思います。

 2番目の頻回受診対策ですけれども、先ほども御指摘があったとおり、適正受診指導を行っても改善されないものは、精神面の疾患症を抱えている場合や社会的な居場所がない場合があるとの指摘があると書かれてございますけれども、まずは、改善されない原因の分析をしっかり行うべきであると思います。それによって具体的な対応策が策定できるのではないかと思います。この辺のところは、今日の前半のテーマとも非常に関わりがあるところだと思っております。

 受診率が低い子どもの家庭に対して、必要な受診の勧奨をする取組も含めるべきであると思いますし、適切な受診につなげるようなサポートが必要なのではないかと思います。

 窓口負担については、慎重でありたいとか、あるいは、反対であるとかという方向で、当部会ではほぼ意見が一致しているものと私は理解をしております。現状でも、子どもの医療機関への受診が低く、実感としても、重篤になってから受診させる保護者が多い感触を持っておりまして、そのような患者の受診を勧奨する必要がある状況で、子どもの受診を控えさせるような方向にはならないように、慎重に対応していただきたいと思います。頻回受診患者の指導については、急性期にある方など、連続した通院が必要な場合まで指導対象にならないように、ぜひ、運用基準を決めていただいていると考えていますけれども、それをさらに徹底させていただきたいと思います。

 3番目、重複調剤、退院促進等ですけれども、向精神薬以外の薬剤で重複調剤されている薬剤にはどんなものがあるかをまず分析すべきだと思います。また、薬局を1か所にするモデル事業の結果がまだ判明していない状況でございますので、さらなる展開を性急に進めるのではなく、まず、このモデル事業の検証をしっかりすべきであると思います。

 退院後の環境整備や社会参加の拡充を進めることが、医療扶助の適正化につながるという考え方は非常によろしいかと思いますので、居住支援体制の再構築を進めるべきだと思います。

 最後、4番目ですが、後発医薬品の使用促進ですけれども、後発医薬品の使用促進は非常に大切だと考えておりますけれども、伸びは鈍化しております。中医協の検証調査で、後発医薬品を積極的に調剤しにくい医薬品の種類は、精神神経用剤、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等でございます。剤形としては外用剤という結果が中医協の5月31日の資料でも示されております。この調査結果は、私ども実際の臨床現場の感覚と非常に合っておりまして、精神神経用剤、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤を全て後発品に取り替えていくのは、現実的にはなかなか困難が生じます。精神神経用剤は、患者さんには非常に神経質な方たちが多く、薬が変わることによる影響を物すごく気にされます。一方、血圧降下剤とか高脂血用剤とかは、私どもが説明いたしますと、ほとんどの方は納得していただけるような状況かと思っております。

 最後ですけれども、後発医薬品の使用促進は、これまでの繰り返しになりますが、医師の医学的判断がその前提にあることを踏まえた対応をしっかりとお願いしていただきたいと思います。

 以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。松本委員には、引き続き、専門的な知見の御提供をお願いしたいと思います。

 続きまして、勝部委員、それから、奥田委員の順番でお願いいたします。

○勝部委員 子どもの健康管理支援についてですが、これは前回もお話をさせていただいていますけれども、我々は小学校の保健の先生と連携をして、虫歯の多い子どもであったりとか、受診ができていない子どもについてサポートをするという体制をとって、成果を上げていくということをしておりますけれども、これは、生活保護世帯の中には、子どもへの健康への無関心、それから、ネグレクト、それから、お母さん自身が精神疾患であったり、疾病を抱えておられるということで、ご自身の苦しさの中で、子どもにまでなかなか目が行き届かないという状態の方々がかなりおられるということ。

 その方々をサポートするのを、ケースワーカーが実態として実際に病院の通院を頻回に歯医者などに連れていくようなことが現実的にできるのかというと、これはなかなか難しいと思いますので、それにかわるような、あるいは、先ほど朝比奈さんが言われたような保健師の配置であるとか、あるいは、我々のまちであれば、コミュニティソーシャルワーカーというのが、生活保護を受けておられても、こういうフォローが必要な場合には連携して動くという体制がありますが、生活困窮の場面だけで考えていきますと、そこを一緒に動くという、そういう制度が別々ということになりますので、ここを支えていく担い手がなかなかいない。この辺りをどうつくっていくかということは、この機にしっかりと、先ほどの子どもの貧困と関連して考えていく必要があることを強く思います。

 実際に、こういうケースの中で、要対協にかかっているようなお子さんであればですが、その手前のところでこういう不安を抱えているようなお子さんの場合ですと、こういう情報自体が学校からほとんど外部に漏れることはありませんので、フォローがどんどんおくれて、全ての歯が虫歯になって、歯がない状態で、本当にごみ屋敷状態のところで生活していらっしゃるというふうな子どもたちに出会い、本当に悲しい思いをすることが多々あります。ぜひ、ここは早期の連携をとれる体制を考えていただきたいのは切に思います。

 それから、2つ目のところの頻回受診の話ですが、これも、相談相手が結局医療機関しかないという人たちがかなりおられるということが実態ではないかと思います。話をしに行く相手、まさに奥田さんが先ほどからおっしゃっています、生活保護を受給されている方々も社会的孤立をしている。いろいろなことを話し相手という形で選ぶときに、日常的に許される場所で、相談のできる人がやはり医療機関になっているという、そこしかないということが問題だと思います。

 就労不可であっても、賃金就労は不可かもしれませんが、社会的な役割があって当然なわけですから、そういう役割づくりのところを、もっとメニューと、それから、働き方の多様化というのは先ほど小杉委員もおっしゃっていましたけれども、その人たちの役割が、そして、仲間づくりができるような場づくりをつくっていくことが重要ではないかなと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 奥田委員お願いします。

○奥田委員 さっきのところで、これは意見ではなくて感想なのですけれども、高齢者に対する支援のあり方のところで、ちょっと言っておかなければと思ったのは、就労支援のところで、高齢期の自発的就労のニーズが高いと分析されているのですが、これはいかにもみんな働きたいというようなニュアンスですけれども、これは現実的には、低年金の問題とか、働かざるを得ないという社会状況もあるということを、ここは認識しているのだということをちゃんと書いておかないと、何か高齢者はみんな働きたいと言っているから、職を探してみましょうという、そんな単純な問題ではないのではないかと。ごめんなさい。これは私の感想です。

 健康と医療のほうですけれども、今、勝部さんがおっしゃったことと本当に同じだと思うのですけれども、例えば自殺の問題とか、依存症の問題のことをどう対策するかということで、特に自殺は当初からそうだと。今ちょっと広がりつつありますけれども、保健医療の分野で対応してきたのがメインだったと思うのですね。

 それは現場にいると、全くそうで、今日死にたいという方を目の前にしたときに、精神科医と相談する、医療機関と相談するのは、それはそうだと。でも、一方で、その背景は何かというところまで、今は考えなければならない。アディクションもそうで、では、医療機関にお願いしたら依存症は治るかというと、正直、現場は難しいですね。アルコール依存症を治療してもなかなか。では、何が問題かというと、私は、医療保健のアプローチと社会的ケアのアプローチという二本立てをすべきだと。

 そういうことで言うと、例えば、具体的に3ページに書かれている、外部委託等々をして健康促進しましょうと。これは生活保護事務所に保健師さんなり専門職を配置しようというのと、一方で外部委託しましょうと書かれているのですが、この外部委託は誰のことなのかということの中に、いわゆる保健医療ということの専門的な外部機関と、一方で、社会的ケアとか社会参加とかいうことを、健康という視点でできるような外部委託というような観点を持たないと、私は、自殺、アディクションも含めて、こういう貧困、困窮状態における健康支援ということにおいては、医療保健的アプローチと社会ケア的アプローチという2つが要ると思います。

 2つ目として、4ページの窓口負担ですけれども、私は原則はやはり反対ですね。これは頻回受診の抑制になるか。頻回受診のことで、正直、一方では社会的コストの問題なのだろうと。しかし、短期に見ると落ちるかもしれないけれども、現場感覚で言うと、初期状態を逃して、ずっと重篤状態になってから医療を出すと、長期コストで言うと、逆に高くなるのではないか。

 それと、窓口の対応に対する人件費等々の手当ての問題も相当大きくなることも含めて、これはあんまり結果は出ないのではないかなとも思います。何よりも病院に行かなければいけないところが行けないというようなのが、一番人権的な問題があるのは当然ですが、ですから、長期コストから見ると、窓口負担云々ということも効果的ではないのではないか。

 最後に、5ページ目の無料低額の活用ですが、先ほど朝比奈さんがおっしゃったとおりで、私はもうそろそろ無料低額宿泊施設でのステージの議論は卒業してほしいとずっと言っていまして。無低は法律上では箱にすぎないとおっしゃったとおりだと思うのです。もともとそういう想定しかなかった。でも、我々民間の中でケアが必要だということで、いろいろなことを付加してきたのですね。これは、正直、身を切ってやってきたわけです。

 もし、ここに長期入院からの退院促進とか、先ほどの高齢者の居住とかというところのニーズをやるのだったら、私は新しい概念、それは生活支援つきの施設として、一方で無低等においては規制もちゃんとすると。けれども、一方で必要な資源はつくるというシフトチェンジをしないと、いつまでもこの議論をしていたら、いや、悪い団体もあるじゃないか、やっている団体もあるじゃないかと、いつまでたっても終着しないのではないかということで、私は、規制の問題、それから、当然こういうニーズで使うのだったら、生活支援費なりをどうするのかという問題。

 それと、概念としては、毎回言っていますが、1種と2種の間、1.5種みたいなものを早急につくらない限りは、無低の議論をしている限りにおいては、私は結論は出ないとさえ思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、竹田委員、平川委員の順番でお願いいたします。

○竹田委員 ありがとうございます。では、簡単に3点ほど申し上げたいと思っております。

 先ほど来、議論されていますし、窓口負担は本日の「論点」でもありますとおり、受診抑制が結果的に健康管理の推進にならないという部分とか、また、早期発見、早期受診につなげていくという辺りとどうしても矛盾してしまうところもあると思っています。

 また、真に必要な医療というのは、結果的に誰が判断するかというと、受診して医師が初めて判断していくことになると、結果的に窓口で受診できないということをさらに助長していく可能性もあるので、これは反対であることを申し上げたいと思っております。

 もう一点、重複調剤に関しては、道内の交通事情を考えると、1か所に限定することになると、どうしても新しい交通費の負担とか、その支援に関わる手間暇ということもあるので、なかなか現実問題難しいのではないかと思っています。仮に、そういった情報を一元化することによる効果がもしあるのだとすれば、もう少しICTを活用するなど、実際に行くということではなくて、少し何かしらの工夫を検討していく必要があるのではないかと思っております。

 また、精神科等の長期入院の地域生活移行に関しては、居住支援のみならず、意見として出ておりますが、生活支援とか、場合によっては緊急連絡先、保証人、さまざまな部分で地域包括ケアシステムが必要なのだろうと思いますので、先ほど来、議論されておりますけれども、福祉事務所のケースワーカー頼りにしないような多機関・多職種によるチームで、地域全体としての取組を強化していかないと、なかなか前に進んではいかないのかと思っておりますので、その辺を積極的に進めていく方向性と、取組を強化していく必要があると思っております。

 私からは以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 平川委員どうぞ。

○平川委員 生活保護受給者の健康管理の問題ですが、確かに福祉事務所が主体となりますけれども、専門職の配置の問題は現状ではかなり厳しいのかなと思います。そういった意味では、本当に専門職を配置するという形でやれば、地方交付税の地方福祉基金の算定を明確にして、何ケースに何人というケースワーカーを配置するという区分がありますけれども、その枠にもう一個枠をつくって、保健師の配置ということを地方交付税の財政措置でそれを明確にするというふうなことが必要だと思いますので、もし、本当にこれをやるのであれば、そこまでやらないと効果が薄いのではないか。

 もしくは、例えば、保健センターとか、地方自治体のほかの機関との連携も明確にしていかないと、あくまでこれは福祉事務所の仕事なのだから福祉事務所でやってねということだけでは、物事は進まないのではないかと思っていますので、その辺、本当にこれは必要だと思っていますけれども、本当に必要であると認識すれば、その体制についてももっと明確に記載をしていく必要があるのではないかなと思っています。

 また、子どもの健康管理も同様でありますが、これはケースワークを通じてと書いてありますけれども、ケースワークだけではなく、学校との連携も明確にしていかないと、実際問題としてはなかなかやりきれないと思っているところであります。

 それから、医療機関受診時の窓口負担については、皆さんと同意見でありまして、これは反対です。実務としても、実際、払った分は償還払いになるということになりますと、その償還にかかる事務が相当多くなることからも、逆に、非効率な仕組みなのではないかと思っているところでありますので、これは皆さんと同じです。

 以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 ここで、自治体からの御意見も承っていきたいと思いますが、成田参考人が札を挙げておられますので、まず、成田参考人からお願いいたします。

○成田参考人 医療費の一部窓口負担の導入についてです。医療費の一部窓口負担の導入については、指定都市市長会から提言をさせていただいているところです。これについては、生活保護制度の根幹である最低限度の生活を保障し、かつ、必要な医療を抑制することがないような制度設計をすることは当然であると考えております。そのため、医療機関や自治体とも十分な協議の上で、持続可能な制度の方針に向けた検討を行っていかれるようにお願いいたします。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、前河参考人お願いいたします。

○前河参考人 「論点」に沿って発言させていただきます。

 健康管理支援のところですが、被保護者が生活に困窮し、生活保護に至った背景を考慮しますと、健康管理や健康増進といった意識が乏しいケースが多く見られ、各種データに基づく健康管理支援は非常に意義があるものと考えます。その際には、地域の医療機関やかかりつけ医との連携は重要で、また、取組を進めていくためには、保健師等の医療職の配置や外部委託等も含め、体制整備が不可欠であると思います。

 また、健康管理に関するマニュアルまたはガイドライン、好事例集等の策定も支援を行う上で有効と考えます。さらに、国におけるデータの収集・分析による情報面での支援は大変ありがたいと思います。さらに、自治体としては、データ活用を行う際のフォーム等の配信もいただければありがたいと考えております。

 地域の医療機関と連携した子どもの健康管理支援は、子どもの健全な育成や成人後の生活習慣病等のリスクを考えれば重要であると考えます。学校健診の情報収集方法については、保護者が子どもに生活保護受給を秘匿している事例も多くありまして、学校からの情報収集に加え、保護者に健診結果の写しの提出を求める等の配慮も必要かと考えます。

 頻回受診の件ですが、大阪府としては、国要望等において、被保護者が医療の適正な受診意識と健康管理への意識を高められるよう、医療費通知制度の制度化や一部負担の導入とともに、かかりつけ医の活用等の検討について要望してきておりまして、かかりつけ医との連携による健康管理事業における丁寧な指導については賛成です。

 償還払いによる窓口負担を実施する際の工夫としましては、可能な範囲での自己負担額や上限額の設定、自己負担ができない場合の対応策の準備とか、成長過程にある子ども等、配慮が必要な対象については、窓口負担を免除するなどの対応が考えられると思います。

 重複調剤の部分ですが、薬局の一元化の対応については、生活保護受給者の負担への配慮は、指定医療機関、薬局の所在、交通等の地域ごとの事情に配慮した上でのモデル事業の結果を踏まえたさらなる展開については、薬剤的管理、指導と重複調剤等の適正化において有効であると考えます。

 また、退院促進等を通じた医療扶助の適正化にも資するように、ルールは今日的な保護施設のあり方を検討した上で、居住支援体制の再構築を進めることは有効であると考えます。

 最後に、ジェネリックの義務化ですけれども、府内自治体の実情を見ましても、被保護者に指導をしても、理解が得られにくいことが使用割合が上がらない主な要因になっておりまして、医師等が後発医薬品の使用を可能と認めた場合、在庫等の問題がない場合において進めていくことは、ぜひとも必要だと考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 同じく自治体からということになるかと思いますけれども、生水委員お願いいたします。

○生水委員 ありがとうございます。

 少し戻って、高齢者のところを1点だけお話しさせてください。

 「8050」の問題が挙げられていますが、現場では、もはや「8050」ではなくて、「9060」にどんどん近づいており、のんびりと議論しているような場合ではないと考えています。本当にこれに国が取り組むというのであれば、生活困窮者自立支援法の生活困窮者の定義に社会的孤立を入れる必要が絶対あると考えます。

 健康管理の推進については、生活保護受給者に限ったことではなくて、自立相談支援を受ける生活困窮者の支援においても、健康管理が非常に重要になっています。医療機関にうちの相談員が同行する必要のあるケースが増えています。プランの中でも、受診支援というのも本当に多くなってきていて、だからこそ、先ほど勝部委員からもありましたが、保健師や看護師の専門家を自立相談支援機関に配置する予算措置を認めていく必要性があると考えます。

 野洲市でも、生活習慣病予防については、重症化予防のために、社会福祉課で看護師が自宅訪問して健康管理を行うという事業が始まったところですが、ケースワーカーに聞いたところ、健康管理の課題として、先ほど奥田委員からもお話がありましたが、本人の特性の問題もあって、薬をきちんと飲むことができなかったり、食事をつくれなかったり、病気を理解しないのは、本人の能力の問題もあると。しかしながら、単身者が多いので、日常的にサポートをしてくれる人がいないのが課題であると。毎日、看護師が行くわけにはいかないので、そうした本人の特性に合わせた支援をするためには、医療関係者だけではなくて、地域包括支援センターとか、多様な支援機関が協力し合って包括的なサポート体制をつくっていく必要性があると思います。

 頻回受診対策の窓口負担については、受診機会の制限となるため、反対です。それに頻回受診の問題については、生活保護受給者に限ったことではなくて、高齢者等も含めた課題でもあるだろうと思っています。そこで、なぜ病院に行くのかという理由を調査し、病院をもし居場所として通っている場合であれば、病院にサロンを設置して、そこに例えば「健康相談」として話を聞いてくれる保健師さんを配置していくことで対応をすれば、健康管理もできるし、いろいろな御相談も受けていけます。人が集まってくるところにサービスを投入していくという発想の転換が必要ではないかと考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。忘れてはならないことですけれども、自立支援制度との問題の強い連関ですね、ここは引き続き掘り下げていきたいと思います。

 吉岡参考人お願いいたします。

○吉岡参考人 ありがとうございます。私のほうからは生活保護受給者の健康管理と子どもの健康管理の支援のこの2点について意見を述べさせてもらいます。

 大西委員からもお話がありましたけれども、福祉事務所の中で、ケースワーカーが全面的にやっていくのは非常に難しいと考えております。日常のケースワークの中で、助言・指導は非常に大切であると考えておりますが、ケースワーカーとかスーパーバイザーは不足しております。

 そういう意味では効果的な健康管理を実施するためには、指摘されているような各種データを分析して、指導・助言を行う専門職の体制が必要ではないかと考えています。特に初期段階での対応が重要と考えておりまして、保護受給以前から健康状態に課題がある場合が多く、生活保護の枠組みの中だけでは限定的でありまして、継続的な仕組みが必要と考えております。生活困窮者の自立支援制度から生活保護へ、そして、自立後は、また、自立支援制度へ改めてつないでいくような支援員の連携が必要ではないかと考えています。

 また、保健師等の専門職の体制とか、外部委託についてですが、専門職の体制を組める財源を確保すること、また、委託事業として実施する財源を確保すべきではないかと考えております。例えば、後期高齢者介護保険健診データを保有している国保連合会に、生活保護の情報を共有できるようにして、医療扶助の傾向を分析し、指導・助言と、あわせて健診の勧奨を行うなどの取組を考えてみてはどうかと思います。

 また、健康管理事業の方法ですけれども、マニュアルが必要ではないかということですが、高齢期前からの健康管理をしっかりと浸透させるためには、こうした関連情報を集約して分析して、アプローチを検討する部署・体制を構築して、広く周知する機関が必要であると考えており、例えば、審査・支払機能は支払基金に、医療情報ベースに調査・分析、指導・助言を行うことを国保連合会に集約するとか、そういうことを検討されてはどうかと考えております。

 また、子どもの健康支援については、これもケースワーカーとかスーパーバイザーだけではなかなか大変なことで、教育委員会等との連携が大事です。そういう意味ではスクールソーシャルワーカーとケースワーカーとの連携を義務づけるなどの枠組みを考えるほか、保健師等の専門職による生活指導の仕組みや、学習支援と同時並行で実施する生活支援の支援員などによる生活習慣の確立に向けた取組の実施等が考えられます。

 また、生活保護世帯だけで保護行政を考えるのではなしに、保護行政の枠を越えた形での抜本的な改革、例えば、先進的な自治体ではやっていますけれども、保健師を学校区へ相談員として配置して、丸ごと相談を受けるという、取組も既に始まっておりますので、そういうことも検討していく必要があるのではないかと考えております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 交付税措置等も含めた専門職の確保は、この生活困窮者自立支援制度の当初の特別部会の報告書にもうたわれていたことではあります。

 それでは、続きまして、浦野委員、駒村部会長代理の順番でお願いいたします。

○浦野委員 口をそろえて皆さんおっしゃっているので、あえて言わなくてもいいかなと思うのですけれども、窓口負担のことだけは。あたかも窓口負担がないことが、モラルハザードになって、過剰な受診を引き起こしているという先入観みたいなものが非常にあるのではないかなと思うのですね。

 ほかの方もおっしゃっていましたけれども、根本的には、行く場所がない人なのだろうなと思います。行く場所がないというのは、普通に考えれば、どこも体調も悪くないのに、わざわざお医者さんのところへ行って、何だか消毒液臭いところに行こうとは普通思わない。ほかに行くところがないから行く。ですから、行く場所をきちんとつくっていくことが基本になるのだろうと思います。

 例えば、特別養護老人ホームではなくて、養護老人ホームも私の法人で経営しておるのですけれども、その中には、生活保護の医療を受けている方が相当割合でいらっしゃいます。でも、決して過剰に受診をすることはないのです。それは、お医者さん以外のいろいろな職員がいるし、また、居場所があるしということです。

 だから施設に入れればいいという話ではなくて、そのような施設が持っているような機能を地域社会にちゃんとつくっていけば、おのずと過剰診療みたいなことは低減していくのだろうと思いますので、何かむちのように窓口負担を設けるという発想はちょっと方向性が違っているなと、私は思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 駒村部会長代理に次にお願いすると申し上げましたが、その前に、新保委員にお願いいたします。

○新保委員 おくれて申しわけありませんでした。

 机上配布資料を提出させていただいておりますので、それに基づいてお話をさせていただきます。

 資料の順番がちょっと前後しますけれども、2.に健康管理と医療扶助費の適正化についてです。かかりつけ医とのさらなる連携とか、保健医療の専門職による健康増進に関する支援の充実は、本当に期待されるところだと思います。もう既にたくさんお話がありましたけれども、この場合に「支援」を特に意識する必要があると思います。

 日常生活、社会生活自立、心理的サポートを考慮した丁寧なトータルな支援が必要であることも、委員の皆様のお話、それから、第5回の藤田参考人のお話からも学ばせていただきました。

 ここに書いていないのですが、資料3の5ページの退院促進については、生活保護施設、大西委員がいらっしゃる救護施設、更生施設等で実際に退院促進に向けた具体的な取組の実績があるかと思います。そうしたことをしっかりもう一度見直していく。そして、何ができるのかということをみんなで共有していく必要があります。生活保護の領域では、退院促進に関する事業を精神保健福祉士協会の皆様との協力の中でやってきた実績もあります。ですので、これまでの取組みから見えてきた課題を踏まえながら、これを、また、よりよい形にしていくことができるといいのではないかと感じました。

 少し前後して、大変申しわけないのですけれども、配布資料の「子どもの貧困の対応について」全部ではなくて、幾つかこの中からお話しさせていただきたいと思います。

 (1)の四角の囲みの1つ目の矢印ですけれども、子どもの学習支援事業については、ぜひ、国にガイドラインを示していただきたいと思っております。そこには意義とかあり方とか、効果、これは、進学できた、学力が向上したというのも大変重要な指標であるとは思いますけれども、それ以外に、自尊感情の向上とか、それから、子どもがいろいろな中で変化をしていく、その変化を捉えるというような効果の指標も検討していただければと思います。

 最後の矢印ですが、事業は多くの自治体で委託により実施されています。ガイドラインをつくることは、委託事業者の選定とか、自治体と委託事業者が本事業の目指す支援を着実に実施するためにとても重要です。この四角の外の矢印のところですが、支援の質の維持と継続性を考慮した委託事業者への委託のあり方、それから、自治体・委託事業者が協働して行う事業運営のあり方については、ぜひ、子どもの支援に限らず、総合的に検討する機会がいただけないかと思います。

 例えば、一般競争入札で価格の安さだけで事業者が選定されることもあってはいけないと思いますし、企画競争入札であったとしても、期間が短く、そのような中で質と継続性の維持はなかなか難しいのと思いますので、これは、また、別の機会にぜひ検討する機会がいただけたらと思います。

 最後に、子どもの大学の進学等のところですけれども、高校在学中も含めて総合的な支援が不可欠であると思っています。これについては、ぜひ、実際に大学に進学した経験を持つ当事者の方の経験、そうした声を今後のあり方に生かしていただけたらということを要望いたします。

 以上です。

○宮本部会長 駒村部会長代理に行く前に、今、奥田委員から、もう一言と拝まれてしまいましたので、お願いします。

○奥田委員 新保先生のおっしゃったことに関連してですが、3年目の見直しで制度とか法の見直しですけれども、現場のほうで言うと、実は、委託の見直しの時期に入っているのです。3年間はともかくこれで行きましょうということで、多分、各自治体はそんな動き方をしていたと思います。契約は1年ごとですけれども、多分、コンペとか開かれてなくて、次の春で一区切りの見直し時期が来る。

 それは、まさに新保先生がおっしゃったように、事業の評価のポイントは一体どこにあるのかということ。それと、一番大事なのは事業の継続性の問題だと思うのですね。特に民間委託の場合は、ころころかわるともうできないのです。せっかくそろえた人材が流れていくという話になりますから、その辺り、事業の継続性とか、人材・雇用の継続性の問題。

 あるいは、今、価格競争入札の話も出ましたけれども、私は、命とか福祉が安売りされるような状態になれば、この制度は潰れると思いますので、次回、ちょっと議題には入ってないと思うのですが、私どもはこれは直近の課題で、各自治体からすると、もう予算に入っていますので、早くガイドラインなり意見を出さないと、来年の春もう間に合わないということになりますので、できたら、次回の審議会で、このことを議題の1つに挙げてもらえないということをお願いしたいと思います。結果は、部会長に全てお任せしますので、よろしくお願いいたします。

○宮本部会長 大事な問題だということは、今の御発言でよくわかりました。

 これは、おそらく事務局からも、議題の1つに加えること自体は差し支えないと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

(本後室長首肯)

○宮本部会長 後半、最後になってまいりましたけれども、駒村部会長代理で、ほかによろしいですか。

 では、駒村部会長代理お願いいたします。

○駒村部会長代理 奥田委員の委託事業の質の評価の問題はとても大事だったので、優先していただいて、ありがとうございます。

 私は、先ほどからの議論で、子どもの健康習慣の確立と、いろいろな研究も明らかになっていて、低所得世帯で子どもの健康習慣ができていないと。この時期にできないと、生涯健康習慣が確立されないままになると。これこそ、まさに先ほどの議論があった学力と並んで、貧困の連鎖の引き金になりますので、家族ぐるみで、子どもの健康習慣をどうつくっていくのかと。これはなかなか難しいのではないかと思います。モデル事業などで、うまくいくケースを見つけていってもらいたいなと思います。

 それから、2つ目は大人のほうですけれども、全般的に、健康に関しては「勧奨」という言葉が多かったのですけれども、これは知識やサポートをつけることはとても重要だと思うのですけれども、これも子どもと同じだと思うのですけれども、インセンティブとかペナルティーとかいうことよりは、あるいは、外部からそういう支援をもらうのも大事かもしれませんけれども、やはり自らが自分のことを大事に思うというモチベーションがないと切りがないということもありますので、本人自身が自分の健康は大事なのだということは、先ほども奥田委員からもお話がありましたけれども、社会的な取組の中でもやっていかなければいけない部分があるのかなと思います。

 それから、重複調剤の話ですけれども、この部会ではないですけれども、医療全体のほうでは、かかりつき薬局の議論があったと思うのですけれども、その中では、薬の使い残しの問題とか、たくさんの薬を投与することによって、かえって、健康状態が悪くなるなどという議論もあったと思うのですけれども、今、過去の資料をちょっと見ていたのですけれども、今回のモデル事業は、そういうことも含めて検証しているということの理解でよろしいのでしょうか。

 当然、今までの議論もあったように、この議論は、もちろんアクセスの問題とかいろいろあるとは思いますけれども、きちんと薬の管理をしておかないと、かえって、体に悪いということもあると思いますので、その辺のことがモデル事業で明らかになれば、それに基づいて進めていただきたいなと思います。最後のところはちょっと確認で、私が休んだときの議論の中で、重複調剤の話があったと思いますので、どういうモデル事業をやっているのか、ちょっと教えてもらいたいなと思います。

○宮本部会長 事務局、いかがでしょうか。

○鈴木保護課長 モデル事業につきましては、薬局を1か所にすることで、その薬局が投与の際に、重複処方なりの疑いがあれば、指導する。その一つの薬局の関与のあり方として、これは、今ございました、残薬の問題も、これはかつて福岡でそういう残薬が薬局が管理することでなくなったという事例もございまして、そこもこのモデル事業の射程に入った形でございます。評価のあり方とかは、また、対象する自治体等を調査しないといけませんけれども、射程としては入っているということでございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今日は、3つの議題、やや幅広でございまして、議論が難しいかなと思ったのですけれども、委員の皆様には、見事にかみ合った議論をしていただいたと思います。

 今日の議論はこの辺りまでとさせていただいて、事務局から、次回の日程について御説明をお願いします。

○竹垣課長 次回は、1031日火曜日の15時からを予定しております。場所は、追ってお知らせいたします。

 以上でございます。

○宮本部会長 どうもお疲れさまでした。今日の議論はここまでで、審議会を終了させていただきます。


(了)


<委員名の漢字表記について>
岡崎委員の「おかざき」の「さき」のつくりの上部は、一部ブラウザ上で正しく表示されないために、便宜上「崎」の字で表示しています。正しくは「大」ではなく「立」ですので、あしからずご了承ください。

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