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2018年7月5日 第66回先進医療会議

○日時

平成30年7月5日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第15会議室(12階)

○出席者

【構成員等】
宮坂座長 五十嵐構成員 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 福井構成員
藤原構成員 山口構成員 山本構成員 横井構成員 斎藤技術専門委員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
保険医療企画調査室長 先進医療専門官 他

○議題

 1 新規技術(6月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-2)(別紙2)
 3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-3)(別紙3)
 4 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-4)(別紙4)
 5 先進医療の保険導入等の検討について
   (先-5)(参考資料1)
 6 臨床研究法の対象となる先進医療B試験について(報告)
   (先-6)(参考資料1)

○議事

16:00開会





〇宮坂座長
ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
それでは、構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は福田構成員より御欠席との連絡をいただいております。欠席されます福田構成員からは委任状の提出があり、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
また、技術専門委員の出席状況ですが、本日の審議案件に関して、技術審査部会での審議にも参加していただきました斎藤技術専門委員に出席していただいております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
〇課長補佐
事務局でございます。頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。よろしくお願いいたします。
では、資料の確認をいたします。
上から議事次第、座席表、構成員名簿。
おめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」としている資料がございます。こちらに別紙1-1、1-2がついてございます。
先-2「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙2、別紙2別冊がついてございます。別紙2別冊についてですけれども、先進医療技術審査部会におけるこれまでの審議に係る資料でございまして、通常は1つのホッチキスどめの資料としておりましたけれども、この議題に関しては非常に分厚くなっておりますので、別冊という形でホッチキスどめを別にしているものでございます。
続きまして、先-3「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございまして、こちらに別紙3がついてございます。
先-4「『ベペルミノゲンペルプラスミドによる血管新生療法(告示34)』の総括報告書に関する評価について」としている資料がございます。別紙4-1、4-2がついてございます。
先-5「先進医療の保険導入に係る検討における指摘事項及びそれに対する対応について(案)」としている資料がございます。こちらには参考資料がついております。
最後ですけれども、先-6「臨床研究法の対象となる先進医療B試験について(案)」がございます。こちらにも参考資料がついてございます。
資料の確認は以上でございます。資料について不足・誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
また、本日もタブレットを使用していただきたいと思っております。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容が異なっておりますので、発言者の方は会議資料のページ、またはタブレットのページをあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうかよろしくお願いいたします。
以上です。
〇宮坂座長
資料等については、よろしいでしょうか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
〇課長補佐
今回の検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。今回、検討対象となる議題等に関して、利益相反は特にございません。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、新規技術(6月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについての資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
〇課長補佐
新規技術(6月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、資料先-1に従って御説明いたします。
6月に受理した技術は、整理番号90「進行・再発の難治性固形癌患者に対するOncomine Target Testを用いたがん遺伝子パネル検査」の1件でございます。
適応症等につきましては、進行・再発の難治性固形癌。
申請医療機関は、大阪大学医学部附属病院。
費用については、資料にお示ししたとおりでございます。
本技術に関しまして、別紙1-2をごらんいただきますと、本技術で使用します医療機器は本邦未承認でございまして、これまでも同様の遺伝子パネル検査も先進医療Bとして振り分けられていることから、本技術についても先進医療Bとして振り分け案を作成いたしました。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
〇宮坂座長
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますか。もう既に今までもここで審議したがん遺伝子のパネル検査ですけれども、値段がそれぞれの施設によって大分違うというのがちょっと気になりますけれども、見ている遺伝子も当然数も違うし、ターゲットも違うので、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
次に、事務局から「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇課長補佐
資料先-2をごらんください。御審議いただきます技術は「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植術」でございます。
本技術は、第46回、第55回、第63回の先進医療技術審査部会で御審議された技術でございます。
適応症につきましては、末期慢性腎不全。
費用については、資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は、山口構成員にお願いしてございまして、総評としては「条件つき適」の御評価をいただいております。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
整理番号123の技術につきましては、先ほどもお話がありましたけれども、事前評価を山口構成員にお願いしておりますので、山口構成員より技術の内容及び評価結果についての説明をお願いいたします。
〇山口構成員
それでは、御説明申し上げます。
非常に長い経過をとって検討された技術でありまして、非常に分厚い資料がございます。全部やりますと会議が終わりませんので、かいつまんでお話しいたします。
先-2の別紙2をごらんいただけますでしょうか。6ページに「保険収載までのロードマップ」というものがございますが、これは臨床研究として既に13例行われて、5年経過例も出ております。それでは7例が生着し、2例が腎機能廃絶、2例が転帰不明という結果でございます。必ずしも十分なフォローアップとは言えないわけです。
この技術は、小さな腎臓がんを摘出した場合に、正常なところがかなり残っていて、それがもったいないので、それを活用しようということで考え方としてはよく理解できるのですが、かつて腎臓がんに対しては、かなり小さいものに対しても腎摘が行われていました。ですから、そのまま捨ててしまうのはもったいないというのは非常にもっともなことなのですが、このところ実は小さい腎臓がんに関しましては部分切除という技術が非常に普及して、保険にも収載されて、腎を温存する術式の適応の幅が少し広がってきたと。ということは、逆さまに言えば、こういう術式の適応が狭まってくるという難しい局面がございますということが、長い間の検討で起きてしまったことです。
資料をごらんいただきたいのですが、別紙2の分冊が163ページもありますけれども、まず1ページに、平成28年8月25日の評価が出ておりますが、「実施体制の評価」のところで藤原先生から、実施責任医師等の体制並びに実施医療機関の体制が「不適」と指摘されております。そのほかに、2ページにあります小原委員からも、実施医療機関の体制が「不適」であるということが詳細に述べられています。倫理的観点からも、田島先生から「不適」が出ておりまして、この時点ではかなり厳しいということで、随分やりとりが行われました。
4ページの「試験実施計画書等の評価」も、柴田先生はかなり「不適」が「適」よりも多い状況で、かなり未熟な状態だったわけですが、その後どんどんやりとりを重ねまして、65ページを見ていただけますか。平成29年3月16日の評価が出ております。この間、ずっとこういうやりとりが行われたということです。それだけ指摘事項が多かったということです。
この時点でもまだ65ページを見ていただきますと、藤原先生からは実施医療機関の体制に不備な点があるということが指摘されていますし、柴田先生からも67ページの10、11がやはり「不適」とされています。
このときは「条件付き適」でしたけれども、その後、またさらにずっと検討が行われて、71ページからまたやりとりが行われまして、107ページをごらんいただけますか。平成29年10月19日に、藤原先生から実施医療機関の体制をきちんと直せばよろしいということで指摘がございますが、小原先生からも実施医療機関の体制が、特にドナー及びレシピエントの選択について108ページに、公平性と公正性を担保するような体制に整えてくださいということです。これは以前、このグループで行われた試験が、そのあたりが非常に不明瞭なところがあったので、特に注意していただきたいという要請であったかと思います。
109ページで、総合評価として「条件付き適」ということになりまして、下のほうにレシピエント判定委員会、修復腎移植検討委員会に第三者を配置してくれということが書いてございます。
その後、やりとりがまたずっとございまして、実は108ページには、ドナー及びレシピエントの選択について、両方についてきちんとした体制をとってくれと書いてあったのですが、総合評価のところではレシピエントという言葉しか出ていなかったので、ややそのあたりが不備があったように私は思います。
最初の別紙2をごらんいただけますでしょうか。評価といたしましては、倫理的な問題はないと。
罹患率、有病率から勘案して、普及はしていません。
効率性に関しては、やや効率性が認められると。
将来的には保険収載を行うことが妥当ですが、しっかりしたキャンサーボードを構成することで、手術適応を遵守し、医療の透明性を確保することが必要。つまり、グループの病院だけ集まってやるとか、要するに、ちょっと公平性が疑われるようなことは極力ゼロにするということが必要かと思います。
「条件付き適」といたしましたのは、ドナーだけではなくてレシピエントに関しても、選定に関しては公正な体制が必要であると。そこのところをきちんとやってもらえればよろしいのではないかという判定にいたしました。
以上です。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御質問ございますか。本件は今まで長い歴史があって、マスコミでも取り上げられたりして、いろいろ問題になった案件だと思いますけれども、今、山口構成員からはキャンサーボードをきちんとして、ドナー・レシピエントの選定をきちんとする、公平性・公正性を担保するということですね。
ほかにはよろしいでしょうか。どうぞ。
〇福井構成員
内容を全部は読んでいなくて申しわけないのですけれども、しっかりしたキャンサーボードという場合に、望ましいメンバーというところまで踏み込んだリコメンデーションはされるのでしょうか。
〇山口構成員
リコメンデーションは一応されています。それに加えて学会の代表者から、ぜひ学会の代表者も入れてほしいということがありまして、ドナーやレシピエントの選定に関しては、学会の代表者が2つの組織から出てもらいたいということで、そういう体制をとってほしいということにしたわけです。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
私から質問させていただきけれども、要するに、先生もさっきおっしゃったように、技術の進歩によって今までであれば全摘をしなければいけなかったものが、部分切除でよくなった。すなわち腎臓を残すことができる。そうすると、それは対象にならないわけですよね。今回ここでは7cmと書いてありますけれども、ヨーロッパの基準などを見ると4cmと書いてありますし、これはまだ技術の進歩とともに変わっていく可能性はありますよね。
〇山口構成員
御指摘のとおりで、これは技術の進歩とともに変わる可能性は大いにあると思います。デバイスが変わるだけでも変わりますし、今ダヴィンチを使ったりいろいろなことで技術が進歩してきていますので、それは途中で検討すべきことになるかもしれません。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
もう一つ、前に読んでいたのですが、今回どこにあるか見つけられなかったのですけれども、摘出する腎から腫瘍を切除しますよね。完全に切除したと思っても、それが残っているリスクが、たしかローとインターミディエイトとハイに分かれていたと思うのですけれども、たしか10%以内くらいまでは認めるというようなどこかに記載があったように思うのですが、違いますか。10%というと結構なリスクだなと思って読んでいたのですが。
〇山口構成員
再発したときにまたとればいいという考え方もありますから、完全にゼロにするということにすると極めて限られてしまうので、私はその正確に数字は覚えていませんけれども、ある程度のパーセンテージまで許容してもらいたいという提案だったと思います。
〇宮坂座長
この点も含めて皆様よろしいでしょうか。これを技術的にゼロにすることはなかなかできなくて、だからこそドナーとレシピエントの選定を公平かつ公正にして、もちろん患者さんの文書同意も取得の上で、納得の上で行うということになりますが。
柴田先生、今までの経緯で先生からいろいろ御指摘がありましたけれども、今回の申請に関しては、特に問題なしということでよろしいでしょうか。
〇柴田構成員
これまで繰り返し御指摘してきたことに対しましては対応していただいておりますので、計画書の内容については問題ないものと考えます。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
これは、たしか東京西徳洲会病院を中心にして申請するということですけれども、徳洲会系列の病院は入っていますが、ほかは余り入っていないですよね。
〇山口構成員
どうでしたか。
〇先進医療専門官
現時点で、宇和島徳洲会が協力医療機関です。
〇宮坂座長
そうですよね。その点も、普通今まで、こういう先進医療会議で出てきたときには、かなり全国的にそれなりの技術を持っているところであれば入れていて、ある程度多施設でその効果を検証しようということだったと思うのですけれども、今回の場合は42例徳洲会系列の病院ということになりますよね。その問題点は特にないですか。
〇山口構成員
やはりこの技術に関しては、学会でもまだ議論のあるところがありますので、必ずしも全ての施設が手を挙げるという状態ではないかと思います。ただ、おっしゃるとおり非常に適応が限られていますので、ある程度施設を広げないと実際には行いにくいのではないかと思います。極めてわずかな例しか適応にならないので、そこは考えないとダメではないかということです。ですから、徳洲会のグループでも何例か集めてよさそうだということがわかれば、報告していただいて、手を挙げるところが出てきたら加わるということになるのではないかと思います。
〇宮坂座長
これは登録期間が4年で、観察期間が5年ですから合計9年で、被験者数が42例ですから結構それなりの数で、しかも時間をかけて集める。その間に技術はどんどん進歩していくかもしれない、適応も変わってくるかもしれないという問題はありますよね。だけど、今の時点ではとりあえずゴーサインを出すということになりますか。
〇山口構成員
もう既に、この技術の議論が何年にもわたって続けられているので、これ以上延ばしても結局できないことになってしまって、今まである程度の実績があるわけですから、評価をなるべく早くしてあげたいということかと思います。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
〇福井構成員
審査に2年かかった最大の理由は何でしょうか。
〇山口構成員
過去の実績から見て、体制に対する不信感と、それを完璧なものにするための要求がぶつかり合ったというところかと思います。かなり厳しい内容にはなっているかと思います。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
技術専門委員の斎藤先生にいらしていただいていますけれども、何か御発言ございますか。
〇斎藤技術専門委員
今、山口構成員から御説明いただいたとおり、概略はそれでよろしいかと思います。
時間がかかったのは、今までの経過から見ますと、まず申請機関が変わりましたよね。途中で入れかわったということで、それが最大の原因だと思いますが、もう一つは、泌尿器関係、移植関係の5学会から反対という声明文が出ておりますので、そういう意味でかなり厳しい条件をつけてということで時間がかかったのはやむを得なかったと思います。
もう一つは、「条件付き適」その他でございますが、さっきの普及性というか、やっているのが全国でそこだけですから、徳洲会グループが全部バックアップするとしても、その中の泌尿器科の先生によっても考え方がいろいろございますので、なかなか広がるのは難しいなということと、一番大事なのは、レシピエントとドナー、特にドナーの倫理的なサポートをきちんとされているかということで、今回、委員会をつくっていただいたのをまたお聞きしたのですが、その中には専門医が2名、移植に関する人が1名、泌尿器科学会の腎がんの治療をやっている先生が1名。そこには、既にダヴィンチ手術支援設備がしっかり入っているところです。
私が一番危惧しているのは、医療機関の判断でやる、やらないが決まってしまっては困るわけで、今は保険医療の中に移行しようという目的があるわけですから、あくまで日本の医療として標準的な医療をやっていただきたいと。そういう意味で、山口構成員がおっしゃられたように、限りなく今、技術の進歩により腎部分切除の適応症例が出る可能性が少なくなってきたと。7cmでもやると。どちらかというと腫瘍の部位が一番、腎臓というのは1本の血管から、腎門部から栄養されていますので、そこに占拠性病変があるとどうしようもないわけですね。少しでも上極とか下極に寄っていれば、腎臓の半分または3分の1残せるという可能性はありますけれども、大きさプラス部位というのは非常に大きいところでございまして、そのへんは泌尿器科の専門医が入って、これは日本の標準的な医療で腎臓は残せるのではないかという意見をきちんと残せる体制をとってもらったということでございます。
もう一つは、委員が何名で、2名の委員に拒否権があるのかとか、欠席のときはどうなるのかということが大いに危惧されたわけですけれども、必ず2名が参加する日にやるというのがたしか条件になっていると思いますが、それで間違いないですよね。
〇医療課長補佐
事務局でございます。関係学会から申請医療機関に、学会推薦者が参加できる期日に委員会を開催するようお話があったと承知しております。また、修復腎移植検討委員会の運営細則において、原則として採決は出席した委員の全員一致をもって行うよう努め、意見が一致しない場合には出席委員の4分の3以上の同意が必要と書いてございます。
〇斎藤技術専門委員
それも含めまして、7名の委員で2名から、もし日本の標準医療としてこれは移植に適さないという意見が出たら、4分の3を超すわけなので拒否権が発動できることと同じことになりますので、そのへんを総合的に鑑みまして「条件付き適」ということで、山口構成員と同じ御意見にさせていただきました。
以上です。
〇宮坂座長
さっき先生、当初は専門学会5つが反対されたと。現時点で新しい申請、修正された申請に関しては、学会のメンバーが必ず2人ボードに参加するから、それでいいということでよろしいでしょうか。それとも学会はいまだに反対されているのでしょうか。
〇斎藤技術専門委員
それに関しましては、その後の追加の声明は出ておりませんから、今回の条件が出たのはごく最近なので、まだ学会全体では納得していないと思いますが、一部の諸関係の委員は知っていると思いますけれども、まだ周知はしていないので学会からの声明は出ていません。
〇宮坂座長
学会としては、この問題を取り上げて議論する可能性はありますか。今の時点では、その必要性は認めないということでよろしいですか。
〇斎藤技術専門委員
私は学会の代表ではないのですが、学会員としての個人的な立場では、そういう機会があったらぜひともやってもらいたいと思いますが、今のところ学会でシンポジウムをやるということは聞き及んでおりません。
〇宮坂座長
というのは、さっき先生が御説明になったように、最初は反対をしたわけですから、今状況が変わっていて、それに対して学会としての意見を何か変えるなり、継続するなり、何か予定があるのかなと思ってお聞きしたのですが。
〇斎藤技術専門委員
今のところはないと思います。また、連絡を取ってその辺を聞いてみたいと思います。
〇宮坂座長
ほかには何かございますか。どうぞ。
〇横井構成員
42例が評価項目で全てクリアーされたとして、42例だけで保険収載に持っていけるのかなというのがちょっとわからないので。
〇宮坂座長
そもそもさっきのお話ですと、適応がどんどん小さくなっていくと、42例やること自体可能かどうかという問題もありますし、その一方で、先進医療というのは一種の評価療養ですから、保険療養に移行できるかどうかの評価もしなければいけない。だけれども、42あるいはそれ以下で評価ができるかどうかということですよね。それは何か。
〇山口構成員
それはおっしゃるとおりで、適応がどんどん広がってきた時点では、この技術自体が今の適応では全然ものにならない可能性はあると思います。ただ、逆さまに、今スタートしないと今までの苦労が水の泡というところもあるので、ギリギリのタイミングであって、これでも集めるのは大変な努力をしないとだめだと思いますので、ここで本当に参加施設が情熱を持ってきちんとやるかどうかが問われているのだと思います。それくらい内容としては厳しいものがありますので、学会としても委員を出すということは、もし反対であれば出さないわけですから、一応見守ろうというか、厳しく監視しながらお手並み拝見ということかと理解しました。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
ほかにはいかがですか。どうぞ。
〇梅村構成員
今の学会の件で、5つの学会が出していたのですか。そのうち2つは委員を出されるみたいですけれども、ほかの学会が出した声明の内容だと思うのですけれども、それをクリアーしているような結論なのかどうか。
〇斎藤技術専門委員
そういうわけではなくて、実は学会というのはかなりオーバーラップしていまして、泌尿器科学会にいながら移植学会にもいるし、あとは臨床腎移植学会にもいるし、同じメンバーが多いので代表の2学界で十分、要するに、腎臓を残して腎がんを治療する側と移植する側で代表が2名入っていれば十分議論ができるではないかということです。
〇宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(委員 異議なし)
〇宮坂座長
ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
次に、事務局から「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇課長補佐
資料先-3をごらんください。御審議いただきます技術は「遺伝子パネル検査(Todai OncoPanel)」でございます。本技術は、第70回先進医療技術審査部会で審議された技術でございます。
適応症等につきましては、治癒切除不能または再発の病変を有するがん患者。
費用については、資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は、山本構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
それから、別紙3についてでございますけれども、2~4ページに新旧対照表がございます。こちらについてですが、パネルに含まれているDNAとRNAそれぞれにつきまして、同じ遺伝子を重複してカウントして、またリストに重複して掲載されていたということがございましたので、そのことに関する修正を行っております。この点について記載したものでございます。
事務局からの御説明は、以上でございます。よろしくお願いいたします。
〇宮坂座長
整理番号122の技術につきましては、事前評価を山本構成員にお願いしておりますので、山本構成員より技術の内容及び評価結果についての説明をお願いいたします。
〇山本構成員
先-3の別紙3をごらんください。表の1ページ目が私の事前評価の評価票になっております。
まず、技術の概要ですけれども、同じ別紙3の28ページ、横向きになっているところがございまして、上に「Todai OncoPanelを用いた遺伝子検査システム」というスキームになっております。これを見ていただくと、がんの遺伝子パネルがあって、塩基配列決定があって、遺伝子パネルのところが体外診断薬、塩基配列決定に使う次世代シークエンサが医療機器、解析・判定をするプログラムも医療機器という形でなっていて、薬事申請の範囲はコンビネーション製品として予定しているということです。
流れとしては下にありますけれども、患者さんの腫瘍検体・血液検体が、がん遺伝子パネルと塩基配列決定の株式会社理研ジェネシスが担当して、株式会社テンクーが解析プログラムを走らせて、知識データベースからレポートをつくり、それをエキスパートパネルに送り、エキスパートパネルでは専門家がそのレポートに意義づけを行って、その意義づけを行った結果がもう一度テンクーに戻って、テンクーが最終的にレポートを作成するということだったと思いますけれども、ちょっと複雑な流れになっております。ただ、これは多分、その前に既に国がんの遺伝子パネルが出ておりますけれども、あれと基本的には同じものということになります。
29ページにも同様の流れが書いてございまして、こちらも見ていただくとわかるのですが、結果としては約2週間で報告されるということになっております。
次の30ページ、31ページは、DNAパネルとRNAパネルのそれぞれの説明がございまして、32ページに薬事承認申請までのロードマップがございます。
これが恐らく国がんの遺伝子パネル検査と余り大きくは違わないということなのですけれども、今回は主要評価項目がこのロードマップに書いてありますが、今回の先進医療で見るところは、治療介入への判断根拠、または病理組織学的診断の補助となり得る遺伝子変異を持つ患者頻度で、1)治療介入の判断根拠となる遺伝子変異、2)病理学的診断の補助となる遺伝子変異(融合遺伝子等)とあります。その患者頻度を出すということになっておりまして、その結果をもって薬事申請の参考資料になると。
下のほうで分析性能試験というものがございまして、コンビネーションとは言っておりますけれども、基本的には体外診断薬とそのための医療機器の組み合わせということになっておりますので、申請に本当に必要なところは分析性能試験ということになりますので、そちらについてはPMDAと今相談中ということで、この分析性能試験を別立てでやって、それと今回の先進医療Bの参考資料をセットとして薬事申請するということになっているということだと考えております。
1ページ目に戻っていただきまして、社会的妥当性ですけれども、倫理的問題につきましては遺伝子のことですとか、国がんパネルのときも問題になりましたし、今回も特に倫理の先生方からきちんと評価していただいておりますけれども、情報の漏えいが問題ないかとか、データはどこに行って、どこに出ていかないかということは部会でかなり御審議いただきましたので、結果として現時点では倫理的問題はないと判断をいたしました。
普及性につきましては、普及しておりませんので「C」とさせていただいております。
効率性ですけれども、これで効果的に遺伝子変異が見つかって、そこから治療につながるとしたら効率的かなということになりますが、一方で、別に100人中が100人、皆さんどの患者さんにも見つかるわけではないですので、そういう意味でいうと「やや効率的」という程度になるのかなと考えております。
将来の保険収載の必要性ですけれども、将来的には体外診断薬でございますので、効率的であれば保険収載していただくことが妥当と思いますけれども、問題は遺伝子パネルの性能だけでは決まらないというところがありまして、結果が適正に臨床活用されるような体制整備が必要ですし、もう一つは、この遺伝子パネルの診断結果を受けて効率的に使える治療薬等々の開発も進まないといけないところがございますので、これだけが世に出て非常にすばらしくなるかという問題ではないのですけれども、今、この分野の科学技術の発達度合いというのが、恐らくいろいろなところからどんどん進んでいますので、何かを待っているという状況ではないというところがありますから、これはこれで進めていただくということになるのかなと思っております。
総評としましては「適」とさせていただきまして、技術部会でも指摘されておりますけれども、技術の進展が急速に進んでいる領域であり、パネルに組み込まれる遺伝子は今後変動する可能性があり、現時点では探索的位置づけの試験と考えられます。また、結果を解釈するエキスパートパネルの品質が当該検査の品質を左右すると考えられます。革新的技術であるがゆえに、保険導入に際してはこの遺伝子パネルの性能のみならず、結果を適正に臨床活用するための体制整備等も必要になると考えるということでさせていただきました。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御質問ございますか。どうぞ。
〇石川構成員
ちょっと教えていただきたいのですけれども、2つ目ということで、NCCのものとこれということで、今度また新しく阪大からも出ているわけですね。今回の場合にはDNAで四百幾つと非常にふえているわけですね。NCCよりもふえている、阪大はもう少し少ないという話なのですけれども、両方とも難治不能のがんが対象だということと、一括して40万とか20万のお金を払って治療のきっかけを見つけたいと。それも10~30%内外の可能性しかありません。国民の目線からいって、この違いといいますか、例えば、自分が難治性のがんになったときに東大に行って四百何十種類あると、こちらのほうがいいのではないかとかいろいろあると思うんです。全てが先進医療の審査をして妥当だということになれば、この辺の違いといったことについて、もう少し見える形で説明する必要があるのではないかと。それから、この話の収束が例えば、中核施設が幾つか申請して認められているわけですから、そういったところが同じような申請をしてきたとき今後どうするのかということで、どう扱うのかということについて、これは事務局に対しての質問ですけれども、その辺のところを教えていただきたいと思います。
〇山本構成員
私から回答できる範囲は、国がんのオンコパネルとこのオンコパネルの何が違うのだという話ですけれども、どっちがどういいのかというのは、現時点ではわからないとしか言いようがないと思います。というのは、これは広い意味での体外診断薬に該当すると思いますけれども、要は今、技術を競って幾つかの会社が参入して、それと国がんと東大も実際に競合してやっておられると思いますので、現時点でどちらがいいという問題ではなくて、どちらもこちらがいいということを示したくてやっておられるのだろうと。ですので、臨床試験の段階ですので、どっちがいいかわかっていたら臨床試験しなくていいわけですから、現時点ではわからないとしか言いようがない。ただ、それを横並びでどこかに患者さんがわかるような形で出すべきだというのは、そのとおりだと思いますので、そこについては、先進医療のこういうものをやっていますよというところに厚労省の方が情報を提出されるのか、あるいは、がんの情報センターの方々がこういう相談を受けたときにそういう話をされるのか、私は専門ががん領域ではないので、どういうのが一番いいのかよくわからないのですけれども、これをやられる研究者の方々にそういうことをお願いするというのはあるかもしれません。将来的にこれをどうしていくのかというのは、できれば医療課にお答えいただくほうがよろしいのではないかと思います。
〇宮坂座長
多分このオンコパネルというのはまだまだ、例えば京都大学も出てくるでしょうし、ほかの施設も当分の間は幾つかが出てきて、さっき山本構成員も言われたように、今の時点での優劣はつかないわけですよね。つきようもないと思うのですけれども、ただ、それもいつか出そろったところで評価するシステムは必要かなとは思うのですが、このことに関して現時点で何かコメントできますか、医療課でしょうか。
〇先進・再生医療開発戦略専門官
御指摘ありがとうございます。山本先生からも今もお話がありましたとおり、現時点でまだトライアルの段階であるというところ、これがさらに品目の数もふえて治験も重なっていく中で、どのような形で保険適用に収れんしていくのかというところは、まさにトライアルの結果等も踏まえて検討しなければいけないものと考えております。
〇宮坂座長
どうぞ。
〇石川構成員
そうしますと、例えば、難治性のがんを抱えている患者さんが、お金のゆとりがあれば3つの施設を全部受けて、一番妥当な成績といいますか、どこかで当たって治療するということが今の段階ではお勧めなのかどうなのかということになると思うんです。このことについては、既にNCCでおやりになっている藤原先生あたりから少しコメントがあればよろしいのではないかと思いますが。
〇藤原構成員
使い分けというか、いろいろな種類がこれからも出てくると思うのですけれども、先ほど山本構成員がおっしゃったように、現段階ではわからないので臨床研究としてやるのは大事なことだと。アメリカの実情を見て見ますと、3月にたしか5つかもう少し多かったかと思いますが、遺伝子パネルが既に保険償還が始まっているんですね。日本よりもかなり先行していますけれども、そのときも300とか400とかパネルによって対象になる遺伝子変異はいろいろあるけれども、CMSという公的医療機関は、そこの内容がどうだということは現状では言っていません。ですから、複数個出ることは当然商品としてはコンペティションになるのでいいことだと思いますので、今の段階ではそれぞれの性能がどのようになるかを先進医療の中で見きわめて、どれが一番いいのだろうかということをはっきりさせるという段階ではないかと思います。
ただ、1つ気になるのは、この3月に既にアメリカの会社が日本の会社を通じて承認申請を日本でもパネル遺伝子検査をしているんですね。そうすると、1年以内に多分それが世の中に出てきますから、それが出たときにこういうNCCオンコパネルもそうですし、東大パネルも、きょうかかった阪大のパネルなどはかなりおくれて先進医療をやっていますから、それが薬事承認、保険収載になるまではタイムラグがあるので、それが出てくるころにはアメリカ製の製品が市場を席巻してしまって日本の技術が勝てないかもしれないというリスクはあると思うのは、我々日本人としては懸念しているところではあります。
こんな感じで、石川先生、いいですか。
〇石川構成員
今のように海外に攻められているということは私もちょっと調べてきて、非常に脅威的なことだと思うんです。これは何で3つに分かれているのか。もっとマージしていろいろなことができないのか、少し早めることができないのかといったことは検討できないのかというのも最後に言いたい話なのです。今回、山本構成員の御説明は本当に妥当で、もちろんそうなのですけれども、今後のこととして3つの施設が力を合わせたり、あるいは京大も入って大きなプロジェクトみたいなことができて早めることができるかどうか。それから、項目についてもきちんと妥当な線で、日本ではこれが一番妥当だみたいなことでやっていただくことはできないのかというのが、非常に単純な疑問だということだと思います。
〇宮坂座長
どうぞ。
〇山本構成員
もちろんオンコパネルが複数あって、今後どうなっていくのか私にはわからないのですけれども、一番重要なのは診断なんですよね。診断をつけて、結局今のところこの診断をしても、遺伝子型はわかりましたと、使えそうな薬はありませんでしたと評価されてしまう患者さんが結構な割合いらっしゃるんですよね。その方にとっては、ここまでやったのに結局治療はないのかなという話になってくると。そういう意味では、たとえ海外からパネルが来たとしても、その次に診断されても次の治療が出てこなければ、どれも結局役には立たないんですよね。ですから、逆に言うと早く診断の技術もサクッと入れてしまって、保険に入れるのか、臨床試験でやるのかは別としても、サクッと入れて早く動かして、むしろターゲットを絞り込んで治療の試験ができる環境をつくることのほうが本当は重要なことなのかなとは思います。
〇藤原構成員
今の山本構成員の御指摘のところは結構進んでいまして、がんゲノム中核病院というのが3月に11指定されていますけれども、その中の大きなミッションの一つとして、薬にアクセスすることが一番大事だろうと。診断は機械に入れれば何でも結果はすぐ出るので、10%ぐらいの人しか使えませんというのは多分世界的に言われていますので、そこまではいいのだけれども、その10%の人たちではなくて、もっと2割、3割あるいは半分の人がいろいろな薬の提供機会を受けることが、みんなが今一番気にしているところで、そこはがんゲノム中核病院を中心にバスケットトライアルとか専門的には言うのですけれども、さまざまな医師主導治験や企業治験を走らせて、がんゲノムの11病院がそれぞれ協働で臨床試験をやって、いろいろなコンパウンドの評価をしましょうという体制整備が始まっています。
その基本になるのが、例えば、がんセンター東病院でやっていましたSCRUM-Japanとか、中央病院でやっているMASTER KEYという希少がんを対象にしたさまざまな企業治験と医師主導治験を束ねたタイプのトライアルがやられていますので、そこにみんなが入っていけば、今、石川構成員がおっしゃったような、診断の手法は違ったとしても最終的なアウトプットとしては、バスケットあるいはアンブレラというトライアル、複数の治験に入っていくということは統一されているので、そこでちゃんと患者さんの出口はつくれるのではないかと思っています。我々もやっている側としては、新たながん難民をつくるのが一番怖いので、それだけは避けたいというので、出口のところを今みんな協働でやっているという状態にあると思います。
〇宮坂座長
よろしいでしょうか。いろいろもちろん問題はありますけれども、それでは、構成員の評価結果どおり決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(委員 異議なし)
〇宮坂座長
それでは、そのようにさせていただきます。
次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇課長補佐
資料先-4をごらんください。今回、告示番号34として先進医療Bで実施されておりましたベペルミノゲンペルプラスミドによる血管新生療法につきまして、大阪大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございまして、3月15日に行われました先進医療技術審査部会において評価が行われたところでございます。
本試験は、申請医療機関が大阪大学医学部附属病院。
試験の概要ですが、代替治療が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症またはビュルガー病)の患者に対して、ベペルミノゲンペルプラスミドの筋肉内投与の有効性及び安全性を検討する試験です。
主要評価項目は、1つはFontaine分類3度の患者については、安静時疼痛の改善です。また、Fontaine分類4度の患者については潰瘍の改善ということになります。多施設共同前向き非盲検単群試験で、登録予定症例数は6例という試験でございます。
1ページの下になりますけれども、安全性の評価結果についてですが、試験治療機関から観察期間において有害事象が6例中5例に9件、副作用が6例中2例に4件発現しました。また、重篤な有害事象が6例中1例に1件発現しております。いずれの有害事象も投与中止が必要になるような有害事象ではありませんでした。
次のページでございますが、有効性の評価結果でございますけれども、主要評価項目の改善率は75%、4例中3例ということでございました。また、副次評価項目である安静時疼痛が改善したのはFontaine分類3度の患者で、3例中2例の66.7%。Fontaine分類4度の患者を含めると、5例中3例で60%であり、慢性動脈閉塞症に対する治療効果が示唆されました。
総括といたしましては、有効性についてはアンジェス株式会社が過去に実施した試験の結果と同等以上の結果が得られたとされております。
また、安全性については、いずれの有害事象についても、臨床研究の中止が必要となるものではなく、過去の試験で得られていたベペルミノゲンペルプラスミドの安全性を否定するものではなく、臨床上問題となるような事象ではなかったとされております。
以上のことから、ベペルミノゲンペルプラスミドは代替治療が困難な慢性動脈閉塞症患者の虚血肢の筋肉内に局所投与することで、安静時疼痛や潰瘍を改善する可能性があり、当該患者に対する新しい治療法になり得ることが示唆されたとされております。
事務局からの説明は以上でございます。
〇宮坂座長
ただいまの説明について、何か御質問ございますか。
先進医療技術審査部会の座長は山口構成員でしたけれども、特につけ加えることはないですか。
〇山口構成員
今の御説明のとおりで、安全性に関しましては高いパーセンテージで出ていますけれども、いずれも大したものではないという結論です。
評価いただきました一色先生と柴田先生もそのあたりは一致しているのですけれども、有効性に関しては一色先生は3ページをごらんいただきますと「B」で、柴田先生は「C」と、ちょっとディスクレパンシーがあるのですが、コメント欄を見ますと、一色先生も「B」とはしていますが、「この有効性の評価の信頼性は高いとは言い難い」と書いてありますので、限りなく「C」に近い御評価ですので、このあたりも同等くらいのことは言えるのではないかということだと思います。何しろ症例数が少ないのと、評価がなかなか難しくて、可能性はあるのでこれからきちんと検証してくださいという結論ではないかと理解しました。
〇宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明も含めて、何か御質問ございますか。よろしいでしょうか。どうぞ。
〇藤原構成員
先-4の結果の概要の2ページの「総括」のところで、今、山口先生のお話を聞いていて腑に落ちないのが、「有効性についてはアンジェス株式会社が過去に実施した試験の結果と同等以上の結果が得られた」と。これは後々文書として残るので、「同等以上」と言われるといいのではないかと思われは困るので、「同じ程度」と書いておいたほうがいいのかなと思いました。
〇山口構成員
これは山本委員からも指摘されて、おっしゃるとおりだと思います。訂正いたします。
〇宮坂座長
わかりました。では、それは訂正をされるということで。
それも含めてよろしいでしょうか。
(委員 異議なし)
〇宮坂座長
ありがとうございました。
次に、事務局から「先進医療の保険導入等の検討について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇課長補佐
それでは、資料先-5に従って御説明いたします。
既に御案内のとおり、先進医療は評価療養として将来的な保険導入のための評価を行うものとして位置づけられておりまして、平成30年度の診療報酬改定においても既に評価された技術について、保険導入に係る検討を行っていただいたところでございます。
しかしながら、一部の技術については、保険導入に係る有効性及び普及性の評価に必要なエビデンスの集積がおくれているなどの理由から、結果として長期にわたって先進医療として継続されるということなどがございます。
本年1月に開催されました第61回先進医療会議におきましては、お一方以上の評価担当の先生から、先進医療から取り消すことが適当である旨の評価があった技術、または保険導入に向けて特別に指摘のあった技術については、次回の診療報酬改定までに各技術に応じた指摘事項への対応を求めることとされました。
このような指摘がなされた技術につきましては、指摘内容と課題を明示いたしまして、医療機関に伝達したところでございます。
「2.対応(案)」でございますけれども、次回の診療報酬改定までにこういった指摘の内容と課題に対して対応がなされなかった場合などには、原則として先進医療の告示から取り消すなどの対応をとることとして、その旨を医療機関に伝達してはどうかという御提案になります。
それぞれの技術と指摘内容及び対応を求める課題については、次のページに表として、これまでの会議での先生方の御発言ですとか、評価に当たられた先生方からお伺いしたことをもとにお示ししてございます。こちらも簡単に御説明いたします。
告示番号については、いずれも平成30年1月11日時点のものとなりますけれども、まず、告示番号1「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」については、先進医療として開始されてから10年以上が経過しているものの、普及性が不十分であるということ。それから、子宮核出術そのものは、子宮温存可能という意味では非常に有用な技術であるという指摘がされておりまして、課題としては、普及性の向上を図ることということを挙げております。
続きまして、告示番号11番「泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術」については、症例数が少なく、有効性、安全性、技術的成熟度、普及性等のデータが十分に集まっていないという御指摘をいただいておりまして、課題といたしまして、当該技術の普及性の向上を図ること、有効性等について文献等で提示することということが求められてございます。
最後、告示番号15番「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」については、Basic FGFという新しい材料を使った歯周組織再生治療が保険に適用されたばかりであり、本治療と当該治療との治療成績を比較した上で先進医療として継続するかどうかについて検討すべきであるということが指摘として上がっておりまして、本先進医療技術とBasic FGFとの治療成績を比較したデータを示すことを課題として挙げてございます。
また、参考資料1につきましては、それぞれの技術の概要に係る資料でございます。
事務局からの御説明は、以上でございます。
○宮坂座長
ただいまの説明につきまして、何か御質問ございますか。これは既にこの会議でもやったことなので、皆さん覚えておられると思いますけれども、よろしいでしょうか。
(委員 異議なし)
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、「臨床研究法の対象となる先進医療B試験について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○課長補佐
では、資料先-6について御説明いたします。
「臨床研究法の対象となる先進医療B試験について(案)」とありますけれども、こちらは先進医療技術審査部会において審議されたものということで、その御報告でございます。
まず「1.背景」でございますけれども、今年4月より臨床研究法が施行されました。先進医療として実施される試験についても、この臨床研究法に規定する臨床研究に該当するものは臨床研究法の対象となり、そのうち特定臨床研究に該当するものについては、臨床研究実施基準等の遵守が義務づけられております。
一方で、臨床研究法に規定する臨床研究に該当するもののうち、特定臨床研究以外の臨床研究については、臨床研究実施基準等の遵守が努力義務とされております。
臨床研究法に基づいて実施される研究については、今年3月26日に改正しました先進医療通知によって、認定臨床研究審査委員会の意見を聞くこと等を求めているところですが、この特定臨床研究に該当しない非特定臨床研究の取り扱いについて検討が行われたところでございます。
おめくりいただきまして「2.対応案」でございますけれども、臨床研究法における非特定臨床研究については、実施計画に関して認定臨床研究審査委員会の審査を経ること等が、先ほど御説明したとおり努力義務とされております。また、当該審査を経ることで臨床研究に係る研究の質が確保されることも期待されるところでございます。
そこで、非特定臨床研究を先進医療Bとして新規に申請する際には、認定臨床研究審査委員会の審査を受けることが適当であり、当該審査を受けない場合にあっては、その理由の提出を求めるということでございました。
また、現在、先進医療Bとして既に実施中の非特定臨床研究についても、上記と同様の取り扱いをするということでございます。
なお、臨床研究法に基づき実施する臨床研究については、本年4月1日からの先進医療通知の改正に伴って、先進医療に係るさまざまな手続が簡便化されております。事務局への届出が必要な計画変更の内容の縮小や、有害事象報告の提出先の一元化等になります。
事務局からの説明は以上でございます。
○宮坂座長
ただいまの説明について、何か御質問等ございますか。どうぞ。
○柴田構成員
確認させていただきたいのですが、最後のなお書きの部分「臨床研究法に基づき実施する研究については」云々のところですが、この書類で対象になっている非特定臨床研究が認定臨床研究審査委員会で審査を経ていたとしても、臨床研究法に基づき実施する研究に入らないということになりますか、それは入ることになるのですか。つまり、特定臨床研究と非特定臨床研究に分けて考えたときに、後者がどうなるか。
○研究開発振興課長
これは臨床研究法の対象になっている研究のうちの非特定臨床研究ですので入ります。
○柴田構成員
では、非特定臨床研究できちんとこの手順を踏んでいるものについては、いろいろな手順簡略化の対象になるということですね。ありがとうございます。
○宮坂座長
ほかにはありますか。どうぞ。
○山本構成員
先進医療Bとしてやっているもので非特定臨床研究というのは実際にあるのですか。余りないような気がするのですが、存在はしているのですか。どういうものですか。
○先進医療専門官
現状で、先進医療Bで非特定のものですと、例えば、粒子線治療が該当します。
○山本構成員
でも、適応外ではないですか。
○山口構成員
適応内です。
○宮坂座長
ほかにはよろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○課長補佐
8月は予備日となってございましたけれども、現時点では8月の開催の予定はございません。ということで、次回の開催については平成30年9月6日を予定しております。場所については別途御連絡いたします。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、第66回「先進医療会議」を終了いたします。ありがとうございました。

 

 

 

(了)

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