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2017年10月3日 第1回臓器移植に係る情報システム作業班議事録

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成29年10月3日(火) 18:30~20:00


○場所

中央合同庁舎5号館15階専用第12会議室


○議題

1 日本臓器移植ネットワークにおけるシステム改修について
2 腎臓レシピエント選択基準改正について 
3 その他

○議事

○蔵満室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第1回臓器移植に係る情報システム作業班を開催いたします。班員の先生方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。まず、始めに作業班を開催するに当たりまして、移植室医療対策推進室長井内努より、御挨拶させていただきます。

○井内移植医療対策推進室長 移植室長の井内でございます。本日はお忙しい中、この時間にお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 この会ですが、今年1月に臓器移植ネットワークで、システムを新しくした直後に、あっせん誤りが起きたということをふまえ、今までシステムの変更については、臓器移植ネットワークの中での検討し、運用を行っていたというところです。今後、二度とあっせんミスがあってはならないということで、厚生労働省としても、厚生科学審議会の下に「臓器移植委員会」というのがあり、臓器移植委員会のほうにいろいろな意見を提言する作業班というのを、幾つか設けております。その1つとして、今回、臓器移植に係る情報システム作業班というのを作らせていただきまして、先生方にいろいろ御意見を頂いた上で、システムの改修を行っていくという段取りを踏んでいくことといたしました。

 ここにおられる先生方は臓器移植ネットワークあっせん誤り後、再発防止策等の検討というところでお知恵を貸していただいた先生方ですが、あっせん誤りが二度とないようにということで、事前にいろいろ御意見等をお伺いして、臓器移植ネットワークのシステムの改修というのが正しく適切に行われているかということを専門家の目で検証していただくということでお願いしたいと思い、本日、会議をさせていただいております。本日は、臓器移植ネットワークのほうが、あっせん誤り後にCIOとして招聘されました伊豆さん、専属チームのグループ長となられた芦刈さんに来ていただいております。組織も変え、体制も一新して今後、二度とないようにという意気込みでやっていただいております。その中で、更に充実した対応ができるように忌憚のない御意見を聞かせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○蔵満室長補佐 それでは、今回は第1回目の会議ですので、班員及び参考人の御紹介をさせていただきます。まず、臓器移植に係る情報システム作業班の班長を務めていただきます東京工業大学科学技術創成研究院准教授の小尾高史先生です。続いて、筑波大学システム情報系社会工学域教授川島宏一先生です。国立情報学研究所副所長佐藤一郎先生です。技術士の徳武康雄先生です。続いて、参考人の御紹介をさせていただきます。先ほど室長から紹介がありましたが、日本臓器移植ネットワークPMOCIO伊豆則夫先生です。日本臓器移植ネットワークあっせん事業部のレシピエント選定グループグループ長芦刈淳太郎です。日本臓器移植ネットワークPMO室長補佐上田直希です。

 それでは、以降の議事の進行を小尾班長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○小尾班長 これから始めたいと思います。私が班長ということになっているわけですが、川島先生と佐藤先生と一緒にいろいろな提言という形でまとめさせていただいた後、しばらく私と、あと、ここにおられる徳武班員ですが、主に徳武班員にお願いし、JOTの内部の問題点の洗い出しとか、ヒアリングをして、今後どうすればいいかということを調査させていただいた経緯もありまして、班長という形で務めさせていただきたいと思います。その後、7月以降、CIOで伊豆さんがJOTに来られて、更にいろいろ検討されたり、今後、どのように進めたらいいかということを詳細に詰めてこられたと伺っていますので、本日はそれを踏まえて、今後どうするのかについて議論させていただければと思います。皆様、よろしくお願いいたします。それでは、会議を始めます。まず、事務局から資料の確認をお願いします。

○蔵満室長補佐 お手元の議事次第を御覧ください。配付資料ですが、資料1、「日本臓器移植ネットワークにおけるシステム改修について」、資料2から参考資料5までは、JOTからの提出資料になります。資料2、「E-VAS腎臓ルール改定の検証作業について」、参考資料1、「改正後の腎臓移植レシピエント選択基準の変更点」、参考資料2、「腎臓レシピエント選定業務フロー」、参考資料3、「腎臓レシピエント選定業務の手順」、参考資料4、「平成29年度システム導入スケジュール」、こちらはA3の紙です。参考資料5、「ルール適応前後の腎臓あっせんリストの比較」となっております。資料の不足や落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。

○小尾班長 それでは、議事に入ります。本日最初の議題は、「日本臓器移植ネットワークにおけるシステム改修について」、事務局から説明をお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 それでは、資料1に基づいて御説明を簡単にさせていただきます。これについては、ここにおられる先生方は、おおむね御了承いただいている経緯かと思います。この資料については、先日行われた臓器移植委員会で、同様のものを出しており、こういった対応を行っていくという了承を取っているというものです。

 まず、簡単に御説明させていただくと、あっせん誤り後の対応ということで、あっせん誤りがありました。その後、レシピエント選定時の優先順位付け、及びこれに関連する業務に特化した部門を、51日に設置しました。71日に、情報システムの管理運営に十分な責任と権限を持つための情報統括部門を設置し、外部より招聘をした最高情報責任者を情報統括部門責任者として迎え、新たな体制を構築して進めているというものです。

 こういった体制の中で、レシピエント選択基準の改正という宿題が実はあります。これは平成281031日の臓器移植委員会において、「腎臓のレシピエントに係る選択基準の改正」というのが実は決定されています。この決定を受けまして、実際いつから運用するかということで、我々、厚生労働省としては、臓器移植ネットワークの体制が整い次第ということで、システムの状況を見ていたのですが、そういったときに、あっせん誤りがあり、一旦凍結という形になっています。

JOTのシステム運用の現状ですが、レシピエント選定の順位付け作業として、現状ということで、手作業によってExcel上で対象となる移植希望登録者を抽出、順位付けのリストを作成し、新レシピエント選定システム(E-VAS)から出力した順位付けリスト、さらに3月以降の事例においては、旧レシピエント選定システム(JNOS)から出力した順位付けリストを併用して、今、3つのリストを職員で手分けして読み合わせを行い、順位に差異がないか確認を行い、順位付けの決定を行っております。

 今後の対応ですが、(JOT)として、あっせん後の誤りの対応ということで、上述のあっせん誤り以降、920日までの間に49例、心停止は27例、合計76例のレシピエント選定の順位付け作業を行いました。この中で1ですが、各臓器の待機期間の計算において、従来は日数差でやっていたのが、E-VASでは時間差になっていた。2旧システムでは、未更新者が順位付けリスト上に表示される。また、腎臓移植のリスト上、合計の点数が同点であった場合、IDが若い順ではなくランダムに表示される。さらに、旧システムの改修はできないことがあるのが判明したということで、上記の問題点を含めて、現在、E-VASシステムの待機期間計算の改修をシステム開発担当企業内で行っており、改修は11月末に完了し、JOTでは、来年1月末までに新システムの受入れテストを行う予定です。この辺りについては、後段、また、本論のところでJOTのほうから十分な説明があると思います。

 次ページ、「腎臓レシピエント選択基準改正への対応」で、これも1から4ということで受け入れテストをやっていただいている状況です。肝臓のレシピエント選択基準の改正への対応ということですが、実際、これについて我々としては、臓器移植委員会で決定しましたので、早急に反映をしてほしいということですが、現時点では着手していない。腎臓のレシピエント選択基準、あっせん誤りの対応が終了次第、対応するという現状で、ある意味、臓器移植委員会では決まったものの、運用ができていない状況です。

 厚生労働省における対応ということですが、今回、このシステム改修に関する作業班を設置するということでお願したいということです。

 最後のページは、これも前回のJOTの中で検討いただいたときに、実際、コーディネーターへの周知、業務手順書をしっかりすることも御意見として頂いていました。

 そういったことを踏まえて、この図を見ていただければと思います。今までレシピエント選択基準というのは、厚生労働省は学会から要望があればその都度検証して、改正することを決定し、JOTのほうに変更をしてほしいというお願いをして運用していました。システムの改修ということで、今後臓器移植の数も増えてくる中、システムで誤りがあると、見動きが取れないということもありますので、このスケジュールというのを一定化しようということで、簡単に言うと、厚生労働省で、例えば12月に受付を締め切ると、各学会のほうからこういった改正をしてほしいというのは12月に決めると。4月に臓器移植委員会で決定をし、その後、移植学会で周知するとともに、JOTの中でシステムの変更、業務手順書の変更、コーディネーターへの周知というのを一定期間決めてやっていただいた上で、新選択基準の運用を開始して、きちんとしたスケジュール感を持ってやることで間違いを起こさないようにするということです。我々としても学会のほうにこういった形で、厚生労働省は、今まではいつでも受け付けるという状況でした。ルール変更については、決まった形でいきたいということで審議をお願いし、臓器移植委員会のほうでこういうスケジュールでいくことが了承されたというものです。厚生労働省の対応としては以上でございます。こういった中で、今回、このシステムの変更等について、御議論いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○小尾班長 何か御質問等はありますでしょうか。システムに関する部分は、この後JOT側から御説明がありますので、そちら側でどのように今後進めていくかに関しては質問されたほうがいいかと思いますが、それ以外で。

○川島班員 今、4ページを御説明いただいた一定の手順のスケジュール感がありますが、先ほど決まったものの運用はできていないと御指摘がありましたけれども、臓器移植委員会で決定した時点で実態上の周知ができているかどうかという問題があると思いますが、早ければ早いに越したことはないという理解でよろしいでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、そのとおりです。

○川島班員 だとすると、このスケジュール表の解釈の仕方にもよるのですが、システムの改修には一定の時間が物理的にプログラミングを変えるということが必要になりますので、できるだけ改修の要件というものが事前に担当する技術者が理解できているという時間が前倒しであったほうがいいということを考えると、システムの用語で言うと、ウォーターフォールで段階段階で決まったことが、次の組織に移されるのではなくて、できるだけこの移植学会の議論からJOTの方、あるいは、実際にシステムの改修をされる方にもその変更の方向性とか、具体的な要件や変化、見通しなどについても、ある程度の見込みを持って分かった上で正式の変化を受け止めるというような、かなり前倒しな情報共有が重要になると思いますが、その辺は実態上はされているのですか。

○井内移植医療対策推進室長 12月に大体学会から上がってきた時点で、おおむねその方向性というのが分かりますので、厚生労働省の中で、一応は4月に決定という段取りです。その前の段階から十分その実務担当者レベルではこういった変更をするときに、という仮の話にはなりますが、システムがどういう変更がいるのか、大掛かりなものなのか、マイナーチェンジでいいのか、そういった相談というのは、ある意味、12月より後であれば間違いないですし、その前からも各学会からまとまって上がってくる段階で情報としては取れると思っております。

○川島班員 分かりました。ある意味、最後の運用開始まで何箇月とか書いていないところは、私はそれは正しいと思っていまして、これを何箇月とか言ったとたんに、非常に危ないことになるので、これは私は非常に確かな選択、書き方だと思います。そこはこのままのほうがいいと思います。ただ、実際にこの図ですと、JOTに受け渡されたり、厚労省に受け渡されるというところが分節化しているように見えますけれども、ここはできるだけ前倒しで情報共有をいただかないと、現実のここを短縮するという目標が実現できませんので、実態上の運用は、余り分節化しないで、一体的な情報共有をいただきたいと思います。

○小尾班長 ありがとうございます。ほかに御質問はありますでしょうか。

○徳武班員 2ページ目の一番下の2の所ですが、後でお話が出てくるのであれば後で結構ですけれども、1については、その下のほうで、どのような対応をするかという記載があるのですが、2については状況だけが書いてあって、これについてどう対応するかというのは書いていないのですが、これはいかがなのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 これは後になります。

○徳武班員 分かりました。

○小尾班長 それでは、資料1に関しては、この形でよろしいですか。ありがとうございます。それでは、次の議題の腎臓レシピエント選択基準改正についてです。本議題については、JOTCIOである伊豆参考人より説明をお願いいたします。

○伊豆参考人 では、説明させていただきます。JOTの伊豆です。資料2、「E-VAS腎臓ルール改定の検証作業について」から入ります。先ほど説明がありましたとおり、腎臓のルール改定というものが、平成281031日に決定されていますが、システムの反映については、十分な検証を行ってから反映するということで、まずは検証を行っております。

 目的としては、E-VASのプログラム検証は擬似データを用いて、E-VASから出力された結果と、それとは別にExcelによる手作業で選定基準に従って計算した結果と比較して、E-VASの結果というものが正しいかというのを検証するという形になります。

 検証体制としては、先ほど7月から設立したJOTPMOを中心に、各システム管理グループ、レシピエント選定グループ、コーディネーショングループが共同で実施しております。責任者として、CIOの伊豆と、あっせん事業部長の林が責任者ということで進めてまいりました。検証期間は、平成2981日から925日ということで、先週完了しております。

 検証内容に入る前に、改定の説明を少ししたいと思います。参考資料1を御覧ください。左側の所が改正前で、親族優先ということで、ドナーに対して親族の方を優先するのが一番上にきています。その後、ABO式、通常の血液型に一致しているか、あるいは、適合するかということで判定しています。その下に搬送時間ということで、基本的に近い所、ドナーの所在地とレシピエントの所在地が一番近いのは、同一県内が近いということで点数が高くなっており、その後は東北とか、ブロック別が高くなるという形になります。さらにHLA適合度という検査結果に従って、適合度の高い者から優先すると。その後、待機日数ということで、どれだけ待機しているかという日数で計算し、さらに未成年者ということで、これは20歳未満の人で、段階を設けてポイントを付けるという形になっています。

 改正後ですが、一番右側のドナーが20歳以上の場合は、改正前と全く一緒です。仮にドナーの20何歳とかという人が出た場合は、今までの基準と同じ選定になります。20歳未満の場合、上の親族優先ABO式血液型というところまでは今までどおりで、その後違うのが、レシピエントの方の年齢が、20歳未満の人を優先するところが追加になります。この辺をフローチャートで説明したほうがシステムの方は分かりやすいと思いますので、参考資料52枚目の裏に、プログラム的に見てどういう変更になるかというのが書かれております。先ほどの選定基準の変更点と並べて見ていただければ分かりますが、改正前のほうは、優先する親族ということで、親族の場合は、一番高いポイントの256点を付けています。次に血液型については、A型ならA型、同じものが一致という形になりまして、128点です。適合は、A型に対してO型も適合ということになるので受け入れられますが、その場合は64点になります。その下の都道府県が一致するかというのが、所在地ポイントで12点、同一ブロックかということで6点といった形で点数付けしまして、最後の各(1)でポイント計算というのは、先ほどのHLA適合度とか、待機日数、未成年者の各ポイントを計算します。最後に並び替えるという形になっております。

 改正後は右側になりますが、まず、基本的なポイントを2倍にしています。親族ポイントを512ポイント、血液型が一致ならば256ポイント、適合ならば128ポイント、その後は同じ点数を使っています。この間に小児優先というのが入りますので、小児優先については64ポイント、ドナーとレシピエントがともに20歳未満だったら、64ポイントの点数を付けて上位にいくように並び替えるという形になっております。

 サンプルで説明しますが、参考資料52ページ目がルール改正前のリストになります。1枚目の承諾時年齢の所が20歳未満がばらばら入っている状態です。小児優先していないということでそうなっていますが、改正後の場合は、同一血液型の場合は小児が先にくるということで、3ページのような並び順になります。そのようなロジックになっております。

 テストのほうに戻りまして、資料2の検証内容ですが、フローチャートでやった分岐をできるだけ通る形でバリエーションを設定するというのが、1)の所です。北海道、東北、関東ということで、全国7ブロックに分かれています。ブロックに対してテストケースを設けています。それに掛ける年齢ということで、成人1事例、小児を3事例、具体的に言うと、成人が33歳、小児が18歳、8歳、2歳の3段階を設けています。血液型は、A型、B型、O型、AB型の4種類について行っています。これを掛け合わせると、112パターンのケースになります。それをE-VASで、先ほどのサンプルのような検索リストを作りまして、それとは別にExcelの手作業で、これは同じデータですが、E-VASから取り出したレシピエントの希望者データからリストを作っています。それを比較して、結構量が多いので、関数を使ってExcel上で一致しているかどうかを比較して、順位と各ポイントが一致しているか確認しました。

 これは分岐の網羅率をカバーするという考えなのですが、それとは別に、2)の所で、今回20歳未満か、20歳以上かというのが閾値になりますので、その前後できちんと先ほどのフローのとおり、並び替えがされているかというのをチェックしています。具体的に言うと承諾日がこの場合は、例として、2017630日時点で20歳未満で、199771日が誕生日という場合は20歳未満ですが、それに対して、今度71日になったら1歳上がって、20歳を迎えるので、並び順が変わることを検証しております。

3)ですが、これは1月のあっせん誤りのときもそうだったのですが、検索だけ着目すると、どうしても静的なデータで合っているかという確認になってしまうのですが、実際、移植希望者の情報というのは更新されるので、その更新された場合でも、前後で想定どおりの動きをするかという確認になります。

1が先ほど、県によってポイントが違うという話がありましたので、県内の移動とブロック外への移動というパターンを行って、ある希望者が移動したときに、それに伴うポイントの計算の変化があるかというのをチェックしました。2は、転帰が希望というのが選定の条件になっているのですが、その希望者の転帰が死亡になったり、取り消しになったり、生体移植済みや変更になったときに、対象のリストから正しく抜けるとかといったようなテストを行っています。以上が、テストのパターンです。4)ですが、例えば、31日から改正とした場合に、その前後によって承諾日が、前の場合は古いルールで、31日以降は新しいルールが適用されるかというテストを行っています。

 ※が何個か並んでいますが、3つ目のテストパターンについては、今回、資料として別紙で申し訳ありませんが、詳細になるので配付しておりません。少し参考に回覧したいと思いますが、回覧してよろしいでしょうか。

 それから、1)2)3)4)でのパターン数については、1)112パターン、2)3)4)が、26パターンになっています。今、回覧しているものの行数になります。それを全て検証しまして、OKということを確認しています。

 環境については、JOT内のあっせんする部屋に設置されている環境で行っています。保守端末を使って行っています。フローが書いてありますが、これは本物のDBから一旦保守環境にデータを持ってきて、それで、12ですが、1E-VASを使ったリスト作成です。2が、手作業でExcelを使ったリスト作成を行いまして、突き合わせて検証したという形です。

 次ページで検証結果としては、全てのケースについて、一応、判定条件としては、想定している並びになることというような形になっています。1の「また」以降については、先ほど、少し説明があったのですが、待機日数の計算方式は、E-VASと従来と違っていましたので、その差は今、想定しております。その差以外について、正しいかという検証をしています。判定結果としては、今、言った待機ポイントの差異のみが出ていました。

 その他、「なお」以下に書いてあるのですが、若干、待機ポイント以外の差があったのですが、これはExcelの手作業での並び替えで計算して、同一ポイントのときの最後の並びがID順か、登録順かという違いで行っていまして、これは登録時間順のほうが正しいので、Excelのほうが、全く同一ポイントのときは登録順に直して並び替える必要がありました。

 待機ポイントの話もしたいと思いますが、資料1で、3(1)です。あっせん誤り後の対応というところで、この資料を作った時点ですが、920日までにやった本番で三重チェックをしているのですが、三重チェックの結果の問題ということで、1 E-VAS上での計算の違いがあるということ。2は、先ほど質問がありました旧システム(JNOS)での差異ですが、旧システムについては、基本的にはプログラムを変える予定はないのですが、同一の点数のときに、その次に並ぶ順番がランダムであるということで、これは同じ点数になると件数は少ないので、手作業で最終順位を確定しています。先ほどのExcelでの問題も、今度は登録ID順にしていったというところでちょっと順位が変わるのですが、これも件数が少ないので、運用上でカバーしていました。

1は補足説明ということで、参考資料5の一番最後の5ページを御覧ください。この例では、登録日時を単純化するために1日しか見ていないのですが、「2017/1/1 19:00」という、真ん中の図ですが、登録日時が登録された場合です。あっせんの承諾日時が、「2017/1/2 15:00」という場合です。上の線ですが、Excelの場合は、通常、日にちの差です。1日と2日では1日差がありますので、「1日」というカウントになります。しかし、E-VASのほうは、登録日時というのが、登録日しか従来のシステムでは取っていませんでしたが、E-VASでは、時間が取れるようになったということで、登録日時から24時間経過して、1日という判定をしているということで、ここで差が出ていたわけですが、その結果、下のリストにあるように、Aさん、Bさんの順位が若干のポイントの差で、食い違うといった形になっています。これを通常の選定基準でいう待機日数というのは、やはり日にちが何日経過したかということになりますので、日にちの差、要するに、Excelで書いてある0時をまたがったら、1日とカウントするというのが正しいということで、E-VASのほうを直す修正を今、行っております。では、一旦ここまでで、質問等をお願いいたします。

○小尾班長 佐藤先生と川島先生は、今現在どのように運用されているかよく御存じではないかもしれないので、少し補足させていただきます。あっせん誤りが起こって、E-VASは一旦停止という形になったわけですが、その後、もともとのJNOS及びそれとは別に、検証用にデータベースから1回データを引き出したものを手計算というか、Excelベースで対象となりそうなものを検索をかけて、順位付けをするということを行っています。Excelで出てきた順位付けと、JNOSの順位付けと、更に暫定的に動かしているE-VASの順位付けを全て目視で比較をするという作業を今現在行っていて、それをもってあっせんを継続している状況になっています。

 今回、ここで御説明いただいているのは、そういう現状になっているということを認識いただいて、その上で腎臓のルールが改訂されるということになると、JNOSの旧システムに対して手を入れることは現実的にはできないので、今後どういう対応を取りますかということを、御説明いただいているという状況だと思いますが、それでよろしいですか。それを踏まえて御質問をしていただければと思います。

○佐藤班員 旧システムの所ですけれど、現状はかなり暫定的な状況なのかなと思っているのですが、旧システムを維持する状態というのは、お金も掛かりますし、いろいろなハードウェアーも含めたメンテナンスなどの期間もあると思いますので、どこかで期限を切らないといけないのかなと思うのですが、現状は、旧システムのほうは、単にそれが置いてあって電源が入って動いているだけというレベルなのか、メンテナンスやサポートなどでお金が掛かっている状況なのかを見ておかないと、無責任に旧システムを使ってくださいとはとても言えないので、それはどういう状況ですか。

○伊豆参考人 旧システムの費用として、利用料とその他メンテナンスなどの費用が掛かっているかということですか。

○上田参考人 もちろん掛かっております。保守料として毎月掛かっております。

○佐藤班員 私だけが悩んだのかもしれませんが、どういう答えを求められているのかちょっと分からないと思って、一般的に信頼性を求めるシステムのときには、3つ動かして多数決を取る。それは自動で、スペースシャトルなどはそういうシステムになっているのです。中にコンピューター3系統が入っていて、計算させて3つの答えで多数決を取るというときに3つ動かすということがあるのですが、目視でやったときに、恐らく答えが2つに分かれたときに、多数決を取るべきではないですよね。一旦そこで止めるという状況を考えると、通常は2つで十分なケースだろうと思ったのです。

○小尾班長 ほかに何かございますか。

○川島班員 基本的なことなのですけれども、御説明の内容で、この腎臓の選択基準の変更に焦点があって、20歳のことも含めて御説明いただきましたが、そもそも心臓の問題がトラブルという事象があって、心臓に対して腎臓のように選択基準が変わってないと理解しているのですけれども、心臓に対する今の運用というのは、そもそもどうなっていたのでしょうか。

○伊豆参考人 心臓については、もうその時点でプログラムを正しいものに変えて、その後、ここに書いてあるExcelE-VASの直ったもので運用しておりまして、3月以降、JNOSが入ったという形です。提供76例の中には、当然心臓も脳死下提供事例には含まれております。

○小尾班長 今まではExcelE-VASJNOSを全部使ってリストを出して、それを比較して、順位が一致しているかどうかを見て、優先順位を付けているという状況です。

○芦刈参考人 よろしいでしょうか。今おっしゃっていただいたように、全ての臓器に関して3つの系統で行っています。心臓、ほかの臓器全て一致しているということを確認をして、運用しておりますので、主としては手計算で運用しておりますが、先ほどありましたように、E-VASがその副として走らせている状況にはあります。それは一致しているということは確認しております。

○川島班員 基本的な疑問でよろしいですか。Excelを主としているということは、Excelは間違わないという、信頼性が高いということは確認されているという前提のように聞こえるのですが、それは間違いないということは言い切ってよろしいのですか。

○伊豆参考人 厳密に言うとExcelについては当然手順書を作って、その手順に誤りはないかはレビューして、そのとおり運用しているのですが、何分手作業なものなので。その結果が食い違う場合があります。

○川島班員 ロジック的には間違ってない。

○伊豆参考人 ロジックは間違ってないですけれども、食い違う場合が手作業の分でありますので、その場合、アンマッチングがありますので、アンマッチングがあったのは、どういう理由かというのを全件、当然チェックしています。そこでExcelの間違いがあったらそこをもう1回修正して、マッチするまで使っていくという形になっております。

○川島班員 前回のバグの議論を聞いていると、どこにまだバクが残っているかは分からないわけですよね。その状態でExcelは正しいと。実際の検証パターンがここに書いてあって、過去のドナーの事例の数がこれだけあったということですか。これは、リアルデータですか。

○伊豆参考人 まず、希望者側はリアルデータで、ドナーは仮想的に、小児の数は少ないので、小児の全ブロックなんていうのは、過去にはないので仮想で作りました。ただ、ロジック的には検索条件がドナーの条件であって、検索対象にバリエーションがあることが重要なので、それでいいとしています。

○小尾班長 もう1つ気にされているのは、現行でExcelE-VASJNOSで比較をしていく中で、E-VASが明らかにバグによるエラーみたいなことは起きたのか、起きていないのかということだと思うのですが。この前のあっせん誤りのように何かよく分からないけれども、順位が変わってしまったみたいなことは実際に起きたことはありますか。

○芦刈参考人 この76例の中では、それはございません。この待機ポイントの日数の差というところが、検証といいますか、その3つのリストを比較することの中で判明して、これが問題であるというところが分かったところで、それ以外のことは発生しておりません。

○小尾班長 それは、バグというか、もともとの仕様が、ちょっと明確になっていなかった部分という理解だと思います。ほかに何かございますか。

○佐藤班員 同じ所にこだわってしまっていますが、通常高信頼のシステムで、ソフトウェアーが絡んだシステムを作るときというのは、例えば旅客機の場合は、ソフトウェアーは1種類にして、ハードウェアーを変える、例えばボーイング777とかだとプロセッサーが3種類です。モトローラ系とインテル系ともう1つはAMDの古いプロセッサーの3つぐらいを入れていて、ハードウェアーのバグとかコンパイラのバグというのを見つけるけれども、ソフトウェアーは3種類作るのはかえって危険で、むしろ1種類にしてその1個のソフトウェアーを十分に検証したほうがいいというのが、一般の高信頼のシステムでよく使われる方法なのです。今回のこのケースに関して言うと、多分Excelで済むようなものなので、ソフトウェアーの複雑性というのは、そんなに高くないので、ソフトウェアーを複数個作っても、それほどコストは掛からないですね。私が先ほど聞いた質問というのはどういう意味かというと、3系統の異なるもので比較をしないと心配だということであれば、それを続けるしか今の状況ではないのですが、ただ、旧システムに関して言えば、サポートとかメンテナンスとかいろいろな問題で続けられないとしたら、もし皆さんがどうしても3系統必要だというのだったら、正直いってもう1系統作るしかないのです。ただ、実はそれはもうバックアップというか、検証、答え合わせをするためだけのシステムであれば、比較的簡易な方法で作ってみる。一番理想的なものは、違う業者さんに作ってもらって合わせるというのも1つの考え方ですけれども、3系統でチェックしなくてもいいのであれば、どれか1つを落とすという決断をしなければいけないわけで、そこのところの希望を言っていただければ、例えば2系統で動くのであれば2系統の中でどう高信頼性にしていくかという議論をするし、3系統でこだわるというのであったら、何か旧システムがいずれ使えなくなったときに、次の3系統目をどうするかということを我々は議論しなければいけないのかなと思います。その辺の何を求められているのかが。

○伊豆参考人 基本的にE-VASに問題が発生したので、ちょっとE-VASは信用できないなということからスタートしていて、手作業でExcelでやりましょう。ただ、Excelは先ほど言ったように手作業ですから、問題を起こすので、拠りどころはその当時は旧システムだったということで、旧システムとまずはExcelが合うことを確認して運用して、E-VASも修正したので合っているかと基本は2つなのです。そのうちExcelが安定してきたということもあって、当初E-VASと比較して○を付けるとか、そんな関数とかも最初はなくて、だんだん運用していく中で、正しいか確認する手段を組み込んでいって、最終的にE-VASにも数十例選定に関してはノーバグできていますので、それとExcelを比較することで、今度はこちらで十分ではないかというような認識を我々としては夏ぐらいから持っております。ただ、安全で見れば、E-VASが待機日数を含めて、本稼働になるまでは、三重にJNOSは残しておくほうが安全ではないかというような考えが今は多いです。

○佐藤班員 私があえて旅客機の例で、旅客機はソフトウェアーは一種類ですよという話をしたのは、そういう選定基準とか変わらなければそれでいいと思うのですが、変わると結局更新しなければいけなくて、1つのシステムの更新に手間取るのに、ある意味でExcelも含めて3系統でするというのは、かえってクオリティーを下げると思うんですよ。

○伊豆参考人 それはそういう認識でありまして、JNOSはあくまでも今の制度が変わらない間の仮の確認手段であるということで、今回、腎臓の制度改定を入れるときに、もう基本的には使えなくなるので、旧システムなので、そこはもう二重にしたいというのが希望です。

○徳武班員 私の認識は、今佐藤先生がおっしゃった、3系統の議論の中でいうと、真ん中に通っているソフトウェアーが正しいことを検証するために、何種類かの検証を行っているということで、JNOSE-VASと手作業のそれぞれとが合っていて、あるいは合っていなかったことの原因をつかむという中で、E-VASは正しいルートを持っているのだということを確認してきた経緯ではないかなと思っています。ですので、当然さっきおっしゃったように、JNOSは今後機能が違えば使えないと思いますので、今までの中でE-VASを主に、Excelを副にするというのは、今の段階では正しい判断で、Excelはしばらくした後、全く問題がないようであれば、Excelによる手作業のところの負荷を下げていくという判断を順次していくのかなという感じがしています。

○川島班員 実際のレシピエントの発生頻度というのは読めないわけですよね。ただ、過去データから見ればものすごい繁忙期がどれくらいの人材と処理能力を求めるかというのは分かるわけですよね。今の3系列では持たない状況とか、あるいは2系列でないと対応できない、場合によっては機械的な処理しかコンピューター処理しか対応できないというようなことが、どれぐらいの頻度で起こって、そのときには2系列ではできないのか、2系列でやっぱりやるのか、そのときの限界との関係で、時間的な限界がどこかで定まりますよね。そういう意味でいうと、明日起こるかもしれないわけですよね。最もビジーな状態が。それに対しては、今の状態というのは耐えられるのですか。

○芦刈参考人 過去のデータを見ますと月平均で言いますと、10件ちょっと、123件ぐらいになるかと思います。一番月で多いときで20件ぐらいになるかと思いますが、20件に対して、この手作業を含めて、3系統のチェックということに、人を割かないといけないという状況ですので、それで単純計算をしますと半日作業を20回行うということになります。

○小尾班長 もう1つ確認させていただきたいのは、どれだけいわゆる同じ時間に移植しなければいけないという事例が発生するかということだと思うのです。月として20日というだけではなくて。

○芦刈参考人 そうですね。同一の日にリスト作成をするということは、最大で3から4ですね。過去のデータによりますと。

○佐藤班員 1月で。

○芦刈参考人 1日の中で34件あります。

○川島班員 今、ネットワークさんは複数系で処理はできるのですか。要するに134件、例えば4件が発生して、同時作業を要求されたときに人的、機械的に複数系列処理はできるのですか。

○芦刈参考人 そうですね。人的にExcelでのリスト作成そのものを独立してできるのは2名です。2名が時間をずらして、例えば34件重なったら時間をずらしてやるという方法しか取れないのと、旧システムの端末が実際2台、そしてExcelは、デスクトップのPCがあればできますので、制約はないという状況です。

○川島班員 ということは、半日の遅れは発生する恐れはもう今既に抱えているわけですね。Excel作業を2人がかりで、その2人のチームが1ユニットしかないとすれば、そこで半日かかってしまうということで系列処理はできないのですね。

○芦刈参考人 そうですね。

○川島班員 それは許されるのですか。

○芦刈参考人 現実問題としては、そこは時間調整をするしかないとは思いますけれど、やはり限られた時間の中ですので、それによって遅れが発生する可能性は含んでいます。

○川島班員 そういう事態をなくすために、JNOSなりE-VASがあるとすれば、そういう段階になって本当にシリアスな状況になった場合は、Excelすら待てないという状況判断はないのですか。それはない。今のオペレーションではないという理解はしているのですけれども。

○芦刈参考人 そうですね。今のオペレーションですと、もう選定のリストを作成するまで、その先は進めないということになっています。実際の患者さんへの連絡を開始することはできないという手順です。

○小尾班長 状況は大体ご理解いただいたかと思いますが、今、腎臓ルールの改定の検証作業については、このような形で現在進めているということですが、より何かこうしたほうがいいという御意見があれば伺います。この後、今後どうするかという話をJOT側からされると思いますので。

○佐藤班員 Excel処理するのはどのぐらい人手がいるのですか。Excelの処理では、すごく頑張ったとマクロを書くと、かなり入力すればリストと比べて自動で答えが出てくるということも、できなくはないと思うのですが、どのぐらい煩雑なのかというのを、理解する上で知っておきたいと思いますが。

○芦刈参考人 現在、実際に臓器提供の事例が発生しましたら、このリスト作成に関わる者として、1名ないし2名でやっています。本来であれば、並列でやればもう少し早いのかもしれませんが、実際にマンパワーとして割ける状況、先ほど申し上げましたように、対応できる人数から考えますと、1名ないし2名で3つの系統を縦でやっているという状況です。当然臓器提供の事例が発生しますと、提供病院の現場に行くコーディネーター、また移植施設に連絡するコーディネーターで、提供病院の現場に行くチームと、ネットワークの本部の中でほかの業務をするチームも人手が必要ですので、最小限の人数でやっているという状況です。

○佐藤班員 Excelの手間のところなのですけど、パソコンの中の世界なので、現場に駆けつけるコーディネーターさんとかは、多分ちょっと抜きだと思うのですけれども。それも入っているのですね、そうするとExcelの中に。

○芦刈参考人 そうですね。人数で言いますと、1人でそれはずっと作業をしているという状況です。

○小尾班長 E-VASからデータを取るのですか。そのときに、データを1回全部はき出させて、それをExcelに読み込んで、順位を付けることをしているので、そこの手間がかかっているということですか。

○芦刈参考人 参考資料2のフローチャートがあるのですが、この1枚目が現状の選定作業のほうですね。これは腎臓を取り出していますけれど、ほかの臓器も基本的には同じことになりますが、例えば選定に必要な血液型、身長、体重ですとか、組織適合性などの情報が集まった時点で、このExcelのリスト作成と、E-VASJNOSのリスト作成をしていきます。Excel選定のリスト作成をするに当たって、E-VASにデータベースがありますので、そのデータベースをCSVとして抽出して、ExcelCSVを持って行くという形になります。その中から対象となる患者さんを抜き出すということ、例えば、転帰が希望になっているとか、ステータスが心臓の場合であればステータスが12が対象になって、3が対象外になりますので、そういったところを抜き出して、作業を行って対象者に対してExcelの並び替えで順位付けをしていくという形になります。

○佐藤班員 そこを見るのも人手でやって、その人がソートするような形なのですか。

○芦刈参考人 そうです。その中やっているので、関数による計算等は使っていますが、基本的に並べ替えはマクロとかではなくて、人でやっているということです。

○佐藤班員 多分何となくやっている私が状況が分かっていないのですが、JOTさんはそこのところは人手でやって、一個一個確認しながらやっていきたいんですよね。Excelである程度、ソートとか足し算とか引き算という計算を任せるにしても、一個一個確認をしながらやっていきたいとなるとExcelの所の作業というのは、これ以上高速化するのが多分難しくて、それをExcelの作業を、要するに一個一個確認する作業を入れたいのであれば、速度を上げるには、一回の処理の速度は上げられないので、先ほど言った多数来たときに複数人でやって、処理量を上げる以外に多分策はないのかなという気がしますね。

○芦刈参考人 出発点としまして、現行のE-VASのシステムの中の誤りがありましたので、Excel11つのステップを確認していくところから始めていますので、そういった手順になっています。

○徳武班員 ちょっと分からないのですが、もともとE-VASに問題があったので、こういうテストをして確認をしましたと。なおかつ、定常的にもExcelをやって、突き合わせをずっとやっていますという意味からいくと、先ほどの主か副かという議論になると思うのです。E-VASを主とするという意味でいうと、副であるExcelの作業は、どういう位置付けになるかという議論ではないかなと思っているのですけれども、これは今後の議論であればそれで結構ですけれども、いつまでもExcelでやっていくというのは、JOTさんもこれから移植の数も増やさなければいけないという状況にあるというように認識していますので、佐藤先生がおっしゃったような仕組みでずっといくわけにはいかないと思うのです。いかないので、E-VASを主とするという判断をどういうタイミングでして、副の位置付けはどうするのかということを今後整理して、より生産性が上がるような仕組みとして運用していくのだという議論をするべき状況ではないかと思うのですが。

○小尾班長 ちょっと議論を先に進めて、今後どういう形でこの腎臓の選定フローを動かしていきたいかということについて、御説明をしていただけますか。参考資料234についてお願いします。

○伊豆参考人 参考資料2で現行の説明がありましたが、それに対して小児ルールを追加する案というのを、大きく案1と案2で、案1の中はちょっとバリエーションを持たせた案1-1と案1-2ということで考えております。案1については、基本的にはE-VASの運用前ということを前提に、手作業での確認をもって、レシピエント選定基準の改正に対応しようということです。

 この案は、そもそもを言うと、E-VASのテストには時間がかかるということで、今年の9月とか10月という早い時期に、改定するとしたらこういう方法だということで出たものです。改定は昨年10月に決まって、もう1年たってしまうわけなので、余り待たせられないというので案1というのが出てきています。

 ポイントは、基本的には選定リスト作成はExcelで行って、E-VASとかJNOSのものは副ですと、改定前のリストです。先ほどサンプルで見ましたけれども、小児以外の所はちゃんとなっているという確認でしかないという感じです。基本はExcelを読み合わせてやりましょうということで、2名独立でやります。

 あとは、外部承認ということで、JOTで招集している移植施設委員会の下に腎移植部会を作り、そこの小児腎移植の専門家の確認及び承認で運用していこうという案です。

 案1-2というのはJNOSの代わりに、E-VASの検証系については先ほどの説明でテストは終わっていますので、そこで本番データを検証系に入れて、選定リストを出して、それと突合しようということです。だから、この時点ではJNOSの代わりにE-VAS検証系を使うという案です。あとの流れは一緒です。

 最後のページの案2というのが本来の形だと思うのですけれども、システムの改修が終わったものを、E-VASのほうを主として、Excelのほうを副とするという形です。このときのE-VASというのは、先ほど待機日数の計算の修正と、検証も終わっているものになりますので、実施時期は3月にずれ込みます。

 一応外部承認というのを入れています。ここは必要かという議論はあるのですけれども、こういった専門家も組織も作っていますので、しばらくの間は見てもらったらどうかという案です。

 それをスケジュールの表にしたのが参考資料4です。10月の本日が作業班の開始で、そこで案1とか案2をどうするかを決めてもらって、もし案1でやるとしたら、施行日を決定して、通達を出すという形になりますので、12月か1月ぐらいにスタートということになります。案2になると、真ん中辺りでE-VASの改修というのがあります。真ん中辺りに「E-VAS改修選定リスト並び順」と書いてありますが、これが待機日数の時間を使うか、日を使うかという改修です。これの検証は12月、1月でJOT側でやり、2月にここの作業班かどうかはありますが、本稼働判定をしていただき、3月稼働という案です。案としては以上です。

○小尾班長 時間がだんだん押してきてしまったのですが、できればこの場で案1の方針か、案2の方針かの方向性だけでも議論しておきたいと考えています。

○井内移植医療対策推進室長 補足させていただきます。臓器移植の数ですが、今おっしゃっていただいたように、これから増えていくと思っています。我々としては、最終形としてはE-VASのみで選定をする。当然我々は予算要求してシステムの改修をやっていますので、Excelを使わずにやっていくというのが、本当の最終形だと思っております。それをしようとして今回失敗したということで、あっせん誤りが出たので、今使えるものを使ってやっていただいています。

 先ほど徳武委員からもあったように、Excelは実際に選ぶというよりも、検証してどこが違うかというのを、全ての順位付け、絶対に選ばれないような人までやっていただいています。そういう検証をやって、今76例やっています。我々としては、今、伊豆CIOのほうから御説明があったように、E-VASのほうを順次改正をしていって、まず本体は12月からダブルチェック、Excelを主にして、E-VASを副にして、JNOSを外す。2月にはE-VASを主にして、Excelを副にするということを考えておられると。この辺りのプロセスとか、JOTの考え方をここでこう変えていくというのが、実際にこの76例の検証の中で、どういうことがあったかということについて、本日は詳しい資料が出ていないような気がします。そういうところを見ていただいて、こういうプロセスを踏むということが、我々からするとあっせんミスが一番恐ろしいので、そういうリスクはゼロにはならないのでしょうけれども、一定程度下げられている、適切なプロセスとして見られるのかどうかという御評価を頂きたいというのが1つです。

 もう一点は、腎臓のほうも、検証の受入れテストのことをこと細かくお示しいただきました。それについて、こういうやり方で、新たに導入していき、それでこのシステムの中に加えていくというプロセス自体が、こういう検証方法で正しいのか。あとはJOTの中でもし必要であればやっていたことがうまくできているのかどうかを御評価いただいた上で、伊豆先生から御説明があったような案1、案2という中で、どういうプロセスを踏むのが一番適切なのか。専門家の立場として、これは普通のやり方だよねというのか、まだちょっと足りないよねというのかというところを御評価いただいた上で、こういう対応をするようにということを伝えていきたいと考えております。そういう検証をしていただければ有り難いと思います。

○小尾班長 まず1つは、JNOSをどうするかというのがあって、JNOSによる検証はやめてしまっていいかどうかという判断があると思います。それを行った上で、腎臓の話は別として、ExcelE-VASという2つをそのまま維持して当面やっていくのかどうかという議論がまずある。ExcelE-VASという形でもし進めるとした際に、腎臓の選定をどのタイミングで入れていくべきかどうか。それが、12月のタイミングがいいのか、3月のタイミングのほうが適切なのかという話があると思います。まず、JNOSを維持すべきかどうかということに関してはいかがですか。

○徳武班員 JNOSに関しては、インプットデータとか、今持っているデータそのものが、E-VASと合致しているというのは確認が取れているし、余り存在意義がないと思っています。さっさとやめていいのではないかと思っています。三重チェックの意味がないぐらい他が安定してきていると思いますので、私はJNOSはやめてもいいのではないかと思います。

 データが違うものが入っていたり、ロジックが違うものが入っていたり、したがって3つの比較の意味の議論が成り立つのであれば意味がある可能性があります。データも同じ、ロジックも今後使わないロジックしかないということだと、存在する意味がないのではないかと思うのです。

○小尾班長 特に腎臓については、変えたときに、その変えてしまうことによってロジックが違うので、出てくるものが変わってしまう。変わってしまったものを、本当はこうだよねみたいな形で比較しなければいけなくなる。今度は、逆にそこで何か誤りが起こる可能性もあるということを考えると、JNOSはどこかのタイミングでやめてしまうという決断をしたほうがいいという印象があります。皆さん、その辺はどうですか。

○佐藤班員 先ほど、Excelのところはどのぐらい手間がかかっているかというときに、JNOSとの入力の話もありました。Excelを主にするのか、サブにするのかという議論はありますけれども、Excelの作業で、ある意味でボトルネックになっている状況で、更にJNOSへの入力というのがあったら、余計コストと手間がかかっていくだけです。むしろ作業の効率ということを考えると、JNOSはもうやめたほうがいいとしか多分言いようがないです。それでExcelを信頼されるのなら、Excelの検証に時間をかけたほうが信頼性も上がるかもしれない。

○川島班員 基本的にExcelよりもJNOSを信頼するという判断があるケースがないのであれば、基本的にExcelが主とおっしゃっているのですから、私はExcelでいいと思います。Excelで大丈夫だと。多分そんなに複雑なロジックは使っていなくて、適合性の判断と並び替えだけだとすると、何かトラブルが起こるとは思えないので、JNOS自体を使わなければいけないというケースがないのであれば、私は余り意味がないと思うのです。なぜJNOSをあえて入れているのかという論拠がよく分からないのです。JNOSのほうが、E-VASの検証をする意味で、Excelよりも良いというケースがあり得るのか。

○伊豆参考人 1月のあっせん誤りの直後を考えると、当然頼りになるのがJNOSしかなかったということです。

○小尾班長 十分並行稼働してきているということを踏まえて、Excelの信頼性も上がっていると判断できるとすれば、早期にJNOSによるリストの作成は停止してもいいのではないか。その方向でよろしいですか。

○川島班員 Excelによるロジック上の漏れはあり得ないという理解でよろしいですね。そこがちょっと心配だったのですが、大丈夫ですね。

○芦刈参考人 大丈夫です。

○小尾班長 それでは、JNOSについては廃止するということで、そのようにさせていただきます。次は腎臓の選定業務をどのタイミングで本運用というか、実際に運用開始とするかという時期の問題になります。これについては12月から、E-VASの改修もまだ十分検証がされていない状況なので、あくまでも本運用としてはExcelをベースにして行い、12月から開始しますというのが案1です。案23月から、E-VASの改修等も終わって、それをチェックした上で、E-VASによる腎臓のあっせんのリストの作成を開始する案になっています。これについての御意見をお願いします。

○佐藤班員 案1、案2のどちらでもいいのですけれども、我々が分からないのは、どのぐらい多様性があって、ある期間内に出てくる件数で、その多様性を網羅できるというところまで行けば、多分安心できます。でも、そこが分からないわけです。多様性が網羅できるまで、12月なり3月までに出るのかというところが見えていないと、時期はこの時期だったら大丈夫とは言えないというのが正直なところです。

○伊豆参考人 多様性というのは実例ですね。

○佐藤班員 実例です。

○伊豆参考人 我々の考えは実例を使うのではなくて、テストデータで、仮のドナーでやるということで網羅性を上げれば十分だと判断しています。実例を待っていると、何年たってもしようがないと。

○佐藤班員 了解です。

○伊豆参考人 もう1つはソースの修正部位も全部チェックし、先ほどのフローチャートで書いた赤色のところだけなのです。そのソース上でも問題ないということと、このテストで制度変更に伴うバグが出る可能性は非常に少ないと思っています。今、仮運用で先ほどの小児以外の76症例が正しければ、プラスの要素については問題ないと思っています。

○小尾班長 他に御意見はありますか。

○徳武班員 ちょっと乱暴な言い方をすると、今後E-VASというのは、腎臓のこの件だけでなくて、他の件でも当然選定基準を変更するときにはE-VASのシステム変更が入っていくわけですよね。そうなると、今後のシステム変更が生じたときにどういうことをすべきかという議論はセットで考えておくべきかと思っています。

 そういう意味では、参考資料4の案2につながるようなE-VASの機能検証を十分にやって、本稼働に入ってもいいという検証の確認をした上で本稼働に入っていくというのが本来あるべき形かと思います。

 もう1つ、先ほど主か副かと申し上げて、ちょっと思い付きで申し訳ないのですけれども、主がE-VASということは、ものすごく忙しいときには、E-VASのアウトプットをまず有効にして動き出します。あっせんされる方の時間的な余裕があったら、副としてのExcelについては全部追っかけでフォローしてみて、問題がなかったということを確認する。万が一そちらで問題が見付かった場合には停止をかけるのかどうか分かりませんけれども、フォローしていくというような意味での主と副という位置付けにすれば、ここでいう案2という形を本来の趣旨として動かしていくべきかなと。

Excelが副という意味であれば、ずっとやっていくのは負荷的にも大きいですし、今後は移植が増えてくるのを前提とすると、例えば制度変更があって、本稼働した後何例か、あるいは何箇月か分かりませんけれども、そこだけ副としてきちんと確認を取る。その後は副としての薄さをどんどん薄めていくというような運用でやっていくのかなというイメージがあります。そうだとすると、参考資料4だと案2でいくのがいいのではないか。逆に言うと、そこで完全に確認ができますというやり方を今回検証していただければいいかという感じがします。

○小尾班長 他にはいかがですか。

○川島班員 今の議論の繁忙期に主だけで、副のExcelを使わなくても、レシピエントを決めるという判断に移るという判断は誰がするのですか。

○徳武班員 すみません、そこはちょっと乱暴な言い方をしましたので、極論するとそんなことをイメージした上で、副としてのExcelを動かしていくのだろうと。ですから、そこの判断はこの場になるのか、どなたになるのか分かりません。新聞記事によると、膨大な数の移植を前提にするとなると、Excelをその都度やるというのは厳しいかなと。

○川島班員 要するにドナーがいながら、ドナーの貴重な臓器がいかされないケースを生んではいけないので、そのためのトリアージが必要です。そのトリアージ判断は誰かがしなければいけないというルールを作らないといけないですよね。

○井内移植医療対策推進室長 今のところは、またそのときに我々のほうで判断させていただきます。今、我々のほうで考えているのは、将来的には数が増えるので、Excelの副というよりも、普通のシステムを変更するとき、例えば銀行のシステムを変えるときに、心配だからと、横でExcelは動かさないと思います。だから、システムがきちんと変更されるということが確認できるのであれば、実際にExcelは将来的には使わないで、あくまで今回あっせんミスが起きたところの検証ということでやっていただいているというイメージなのです。将来的に、ここ5年、10年で増えると考えているのですけれども、増えたときにはE-VAS一本と。そこに耐え得る仕組み、基本の設計を我々としては今の時点でやっておかないと、現時点ではかなり臓器移植ネットワークとしては苦しいかもしれませんが、何とか耐えていただけるかと思っています。今の時点で、しっかりと将来的にE-VASからどうなるか分かりませんけれども、システムを変えるときにもスムーズに行くような格好になるような、臓器移植ネットワークの体制であり、こういうシステムの検証でありという手法を確立していただけると非常に有り難いと思います。その辺りの御提言を頂けると有り難いと思っております。

○佐藤班員 それに関して言うと、基本的にE-VASを主にして、Excelというのはある検証をするためのシステムだと。サブというよりは、検証するためのシステムだと割り切ってしまえば、先ほどあった制度変更があったときだけ、ある期間だけ動かすということ。

 もう1つは、サンプリングをする。Excelで全件で調べるのではなくて、サンプリングをするという割切りをすれば、仮に非常に集中したときでも対応することができると思いますので、それで判断するしかないのだと思います。

○徳武班員 E-VASの確認中に、Excelで両方やっているようなことをやれるのですよね。テストデータかもしれませんけれども。私は、本番に入ってから副としてのExcelと申し上げたのですけれども、本番に入る前に、当然副としてのExcelを十分やっておけば、結果的には同じことになると思うのです。それはテストとしての期間ですから、負荷としてもそれなりに配置ができると思います。むしろ早くそっちをやってしまうということで、本番はE-VASメインでいくという形が望ましいかと思います。

○小尾班長 そう思います。通常運用については、できる限りE-VAS一本でやっていって、検証等を行う際に、Excelと改修されたE-VASとの間の比較を十分テスト期間中に行う。本日の話ではないのかもしれませんが、今後改修が行われる際にテストについてのJOT側の考え方をどこかで出していただいて、それでいいかどうかという判断をさせていただくのがいいのかと思います。

○川島班員 本日はそのテストパターンの妥当性の議論はしなくてよろしいのですね。この7ブロック4パターンというのはよろしいのですね。これは、あくまでも暫定的にこういうことをやったということですね。

○井内移植医療対策推進室長 それも今後導入していくので、JOTが今こういうことをやりましたということがこれで妥当なのかどうか。あとは、その作業が実際にどのようにされたかということも含めてまた検証していただければということでお願いをできたら有り難いと思います。

○徳武班員 資料22ページの3)は、動的な確認テストという意味で、静的なものから動的な確認をしましたというのは分かりました。12のパターンが、ある種典型的な起こり得る変更で選ばれたのか、それとも物によっては何か違うパターンも今後考えていかなければいけないのか、その辺はいかがですか。

○伊豆参考人 例えば血液型が変わるということはないので、ここの選定基準にあるもので変わり得るものを選びました。そういう意味では搬送時間のブロック、それから年齢があるといったところです。

○川島班員 分かりました。希望者側の登録情報について、変わる可能性のある変数は全てやったと。動的テストの中には変わる可能性のある変数は全て盛り込んでいるということですか。移植しつつ転帰でカバーしていると。

○伊豆参考人 基本的にはそう考えています。例えば親族というのはやっていないので、私はこの辺は追加したほうがいいかとは思っています。9月は一旦これでやって、気付きがありましたら言っていただければ、この後も追加テストをして1月までやる予定ですので、追加用の試験項目は入れたいと思います。

○川島班員 変数リストを全部見ているわけではないので、変数の網羅性が分からないのです。

○伊豆参考人 観点として変わり得る変数もちゃんとチェックしたほうがいいと。

○川島班員 それは網羅的にカバーをしていると言い切れて、なおかつその発生頻度というものが十分に信頼できるということを検証できているという、それだけの度数を持って、しっかりと検証したのかということについての妥当性の証明、論証が要るのではないですか。

○伊豆参考人 はい。

○小尾班長 そういう意味で、今後はテストをどのように行うかということについては、再度何か資料を出してもらうということでしょうか。そこはどうしますか。

○井内移植医療対策推進室長 班長に進行はお任せいたします。例えば本日やったところで、我々事務局としてお願いしたいのは、E-VASJNOSを除いて、Excelと二本立てになってやっていく。76例やったときの差が、JOTとしてはこういう所に気が付いたので、こういう改修をやっていると。その気が付いたことが、それで網羅されているのか、その改修がきちんとされているのか、もう一点が先ほどの腎臓のルールの変更ですけれども、こういう受入れテストをやっていますということが、そのやり方が正しいのかどうか。

 あとはこの導入するときに、一緒にガチャンとやって導入する、そこが妥当かどうか。例えば分かるような資料が、この場は国の作業班ですのでオープンになりますので、個別のデータであれば出せないのもある。そういうのも含めて、委員の先生方にJOTのほうからあっせん誤りのときの検証をやっていただいたときのような感じになるかと思うのです。例えば班長経由で見ていただいて、それで考え方をまとめていただくということで、我々としてはそうしていただくと有り難いと思います。我々の希望だけ言うとそういうことになります。

○徳武班員 そういう意味では、腎臓のルール改定に伴うリスト作成については、もう少し確認作業をしたほうがいいという趣旨でしょうか。もしそうであれば、いわゆる新ルール適用を3月にするか、12月にするかというところの判断に関わってくると思うのです。先ほどから言っているJOTの運用を考えると、12月からは正直難しい部分があるのかという認識はあります。もしこれを12月に開始するとなると、Excelの本運用と言っているのは、いわゆる腎臓の新ルール適用について、正しいと思われるのはExcelしかない。E-VASについては、まだ開発中のE-VASとの比較をするという状況になってしまいます。上にダブルチェック、ExcelE-VASと書いてあるのは、改正前のExcelでありE-VASという形になってしまうので、ある意味四重のようなチェックをかけていかなければならないように見えて、現実的にJOTの中は回らないのではないかという懸念があるのですが、その辺はいかがですか。

○伊豆参考人 回すというか、回すことによるリスクがいろいろあります。E-VAS自体の並び順が、改定前の並び順に本番のがなっています。仮に選定をExcelでやっても、現場の人は違う並び順のリストを見ながら作業をしなくてはならない。運用でかなり徹底していかないと、別のミスを誘発する可能性があると思います。この案というのは、早くするにはこれしかないというようなことで出た案であって、システムの責任者としては、リスクを抱えているというのは認識にはあります。運用上はどうですか。

○芦刈参考人 運用上で言うと、これはかなりExcelを作成するところの負荷は大きいです。2名が独立して行うことを考えておりますので、小児事例の頻度はそれほど高くないにしても、その事例が発生したときに、現実的に独立してできる2人は必ずいないといけない状況の中で行う必要があります。

○小尾班長 そういうことを踏まえると、現実的にはこの案2を想定した上で、2月から3月までの間にどのようにして、いわゆるE-VAS腎臓の選定ルールが正しく動いているかをチェックする期間に当てるほうが適切ではないかと感じますが、皆さんはいかがですか。

○佐藤班員 それは私もOKです。正しく動いているというところが、このルール改定前のほうで見ていくのか、後で見ていくのかというところが若干不安です。先ほどは、ルールを改定してもさほど変更がないというお話がありました。それであれば、改定前を見るというやり方もあると思うのですけれども、中の処理はすごく大変になると思います。中の処理はかえって大変になりませんか。

○伊豆参考人 改定後で検証することは、要するに改定後のものが動くわけですから改定後でいく。改定の内容は先ほど言ったとおりかなり分かっていますから、そこはそこでちゃんと見る。今、76症例が本番で動いていますけれども、それはたまたま動いているだけかもしれませんので、そちらのほうが気になっています。それは改定後でやっても構わない話だと思います。

○小尾班長 そういう意味では、ここで言っているE-VASの模擬症例のテストと、Excelの本運用と書いてあるところについては、新しいルールを適用したExcelということだと思います。この2つの比較、これは別にドナーが出てきたときにやらなければいけない話ではなくて、計画的に比較をやって進めていくことはできるはずです。何らかのテストデータとか、実データを一部使ったテストケースを想定した形で12月、1月、2月辺りにテストで比較を進めていただくというのが一番現実的なのかと感じています。いかがですか、そんな形で進めていただいて。

○佐藤班員 そうですね。

○川島班員 実際の新ルールの改修がE-VAS上終わるのは12月ではないように先ほどお伺いしたのですけれども、ずれるということですね。

○伊豆参考人 新ルールの改修は既に終わっております。今やっているのは、待機日数の修正をやっております。それの開発としては11月末までで、その後は先ほどの112パターンとか、そういう再テストを12月、1月と行うというように考えています。先ほど資料2で報告したテストでは、待機日数の差異が出てしまっているので、ここの121月は同じデータを使ってテストをして、その差異がないことを確認していくというような流れです。

○小尾班長 3月以降本番稼働で動かすであろうE-VASについては、11月末に完成するということですね。

○川島班員 そうすると12月、1月、2月の間に、実際に発生する実事例に対しては、今の改修後のE-VASはあくまでテスト検証として行っていて、実際の判断は何で行うのでしたか。それも、この改修後のE-VASで行うのですか。

○伊豆参考人 制度が改定されるのが案2の場合は一緒なので、それまでの間本番運用については今までどおりJNOSをどうするかというのがあります。あくまでもそれと並行して、制度改定のE-VASをテストして、3月で切り換える。

○川島班員 それは、リアルテストのほうはリアルデータではなくて仮想データでやると。

○伊豆参考人 はい。希望者はリアルデータなのですけれども、ドナーは仮想でやります。

○川島班員 そこに人的負荷がその2系列で走っていることによって、どなたかに集中することはないですね。

○伊豆参考人 ないです。テストもちょっと余裕を持ってやりますので、あっせんがあったらその時間はテストを止めます。

○川島班員 なるほど。

○小尾班長 いかがですか。この作業班の結論としては案2を切り換え時期とするのがよいだろうという結論と思いますが、それでよろしいですか。

○伊豆参考人 はい。

○小尾班長 ありがとうございます。

○徳武班員 結論とは関係ないのですけれども、参考資料2の一番最後のページの、今の正に案2のフローの説明の中で、先ほど意味がどうあるか分からないとおっしゃったのですけれども、赤字の外部承認のところです。これはリストを示して、何らかの確認を頂くということなのかと思って見ていたのですけれども、この外部承認というのは何をされるのですか。

○芦刈参考人 小児の選択基準を決定する過程の腎の作業班の議論に加わっている先生が、この移植施設委員会の腎移植部会に入っておりますので、実際にその選択基準どおりにリストが並んでいるかどうかを確認してもらうという作業を想定しております。

○徳武班員 ここで新たな観点が入ってくるのであれば、それはE-VASの機能というか、チェックの中に盛り込むべき内容なのではないかと思っています。あくまで正しく動いていたということをある種追いかけて、正しいねということを確認されるという意味でよろしいですか。

○芦刈参考人 はい。

○川島班員 中身のロジックについては、外部監査的なチェックなのだということですか。

○芦刈参考人 そうです。新しい観点はあり得ないから。

○小尾班長 そうですね。ありがとうございました。時間が相当オーバーしてすみませんでした。今回の作業班の1つ目の結論としては、JNOSについては廃止ということで、今後はExcelE-VASの比較によってあっせん順位を決めていく形に移行する。もう1つ腎臓ルールの適用については、3月をE-VASの本運用を予定しているわけですが、そのタイミングで腎臓ルールの新しいルールに対して適用を行う。それまでの間は、E-VASは改修が終わった後、12月、1月、2月について、新しいルールと、Excelで出したリストを比較して、間違いがないかをテストしていくという形で進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。他に何か御意見はありますか。

○井内移植医療対策推進室長 JNOSの廃止というのは、早急にというイメージでいいのでしょうか。何かの変更とタイミングをあわせた方が良いでしょうか。

○徳武班員 私の認識では今すぐやめても問題ないと思います。

○小尾班長 そうかなと思いますので、負荷ということを考えると、現段階で。

○徳武班員 それよりは、本来の確認のほうに目を向けていただいたほうがいいのではないかという気がします。

○小尾班長 そうですね、テスト等も含めて慎重にやっていただいたほうがいいかもしれません。JNOSについてはできるだけ早急に、いつというのはタイミングがあると思いますが、できるだけ早期に廃止するという形で進めていただければと思います。今後どのような形で検証を進めていくかについては、また別途御報告を頂く機会を設けたほうがいいかもしれませんので、この辺は事務局にお任せします。以上で、第1回臓器移植に係る情報システム作業班を終了いたします。ありがとうございました。


(了)
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