ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会造血幹細胞移植委員会)> 第55回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)(2019年1月31日)

 
 

2019年1月31日 第55回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成31年1月31日(木)14:00~16:00

 

○場所

一般財団法人日本航空協会 航空会館201会議室(2階)
(東京都港区新橋1-18-1)

○議題

(1)「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案」並びに「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)」及び「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)」の見直しについて
(2)平成31年度造血幹細胞移植対策関係予算(案)の概要について
(3)その他

○議事

○幕内室長補佐 では、定刻になりましたので、ただいまから第55回「厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会」を開催いたします。
本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日の委員の皆様の出欠状況ですが、垣見委員から欠席の御連絡をいただいております。
本日の委員会におきましては、厚生労働省として取り組んでおります審議会等のペーパーレス化の一環としてタブレットを使用し、議事を進行させていただきます。
まず、簡単に操作方法を御説明させていただきます。お手元に配付しております「ペーパーレス審議会等タブレット操作説明書」をごらんください。このカラー刷りのものになりますが、今回、使わせていただく器材はiPadでございますので、お使いになられている方であれば直感的に操作いただければと考えております。今回、この資料に沿って簡単に説明させていただきます。
「1.表示資料の操作」とあります。現在、皆様のお手元には「議事次第」を開いているかと存じます。別の資料等をごらんになりたい場合は、左上の「マイプライベートファイル」と書いたところを押していただければ、資料が並んでいるページに移ります。そこでごらんになりたい資料をあけていただければと思います。ちなみに、2つ以上のファイルを同時に展開することは、仕様上できなくなっておりますので、御了承いただければと存じます。
資料の「議事次第」をまた開いていただければと思います。(2)の表示を拡大/縮小するというのは、一般的なタブレットと同じでして、指でピンチアウト等をしてもらいましたら、拡大・縮小等ができます。
その次、「2.資料のページをめくる」というところでございます。資料のページのめくり方がいろいろ書いてありますが、特に差し支えない場合は指で動かしていただくのが一番わかりやすいのかなと考えてございます。資料が1枚のもの、例えば「議事次第」等は、当然ですが、次のページには移動しません。
このタブレットの説明書の「3.資料の内容を検索する」というところを御説明させていただきます。もし、資料に書いてある内容を検索されたい場合は、この下のところに水色のアイコンが幾つか並んでおりますが、左から3つ目、虫メガネのところを押さえていただければと思います。そうすると、下からキーボードの画面が出てきますので、アルファベットで入れていただければ検索候補等が出てきますので、そこで選んでいただいた用語を直感的に入れていただければ検索可能となってございます。この画面から戻る場合は、一番上のところに検索のワードが出てきますが、そこにある×印を押してもらった上でキャンセルを押していただけると、もとの画面に戻ります。
現時点におきまして、皆様のお手元のとおりタブレットを置かせてもらっておりますが、外したい方等は教えていただければと思います。また、縦横比も基本的に固定してありますが、お気になられた場合は、これも御相談いただければと思います。
ひとまず、簡単にですが、タブレットの操作は以上のように説明させていただきました。今回、我々の審議会で初めて使わせていただきますので、御不安な点等あるかと存じますので、何か御不明な点等ありましたら、係の者を呼んでいただければと思いますので、挙手いただければと存じます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。タブレットに保存されている「議事次第」を改めて御確認いただければと思います。
議題(1)では資料1-1から1-9、議題(2)では資料2を使用させていただきます。この中で、資料1-2及び1-7は、事前に配付させていただいたものから一部修正がありましたので、別刷りとしてお手元に用意させていただいておりますので、御参照いただければと存じます。タブレットの中のものは、バージョンが1つ古いものになっておりますので、御注意いただければと思います。
全ての資料はタブレットに保存されておりますが、万一、不足等がございましたら事務局まで御連絡ください。
これより議事進行を小澤委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○小澤委員長 それでは、議事に入ります。
本日は、議事が2つございます。議題(1)の「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案」並びに「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の適用に関する指針(ガイドライン)」及び「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて」、大変長い議題であります。それから議題(2)の「平成31年度造血幹細胞移植対策関係予算(案)の概要について」、それぞれを事務局より御説明いただきまして議論していきたいと考えております。
今回は、この2つ及び「その他」ということで、それほど議論が必要なことはないかなと思いますけれども、皆様がタブレットの使い方になれておりませんので、ゆっくりやっていただければと思います。
まず、議題(1)に関して、省令については前回の審議会後に実施したパブリックコメントの結果を踏まえた改正案、ガイドラインについては移植用臍帯血基準検討会での議論を踏まえた変更案について事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○幕内室長補佐 ありがとうございます。
では、議題(1)に関しまして御説明させていただきます。
まず、前回の審議会におきまして、平成30年12月に公布されました改正造血幹細胞移植法によって、公的臍帯血バンク以外の臍帯血の供給業務や、造血幹細胞移植用と称した臍帯血の引渡し等が原則禁止となったところでございます。同時に除外する項目も定められたところですが、その一つである「厚生労働省令で認める場合」に関し、当該省令の改正案を前回御審議いただいたところでございます。
前回御審議いただきました省令案の概要について、簡単に改めておさらいさせていただきますと、まず1つが、施行規則関係として、今回、移植に用いる臍帯血の適切な提供に支障がない場合として、厚生労働省令で規定する場合について、外国において臍帯血供給業務に相当するものを行う者が、外国の臍帯血バンクが品質を確保するために必要な措置を講じているものであった場合、引渡しについて問題ないと規定を定めていきたいと考えているところでございます。
また、基準省令関係としまして、臍帯血供給事業者、臍帯血バンクの委託により行うことができる業務というものを、採取、検査、搬送にするという規定を考えております。
また、臍帯血供給事業者が移植に用いる臍帯血を、造血幹細胞移植を行う医療機関に引き渡す場合には、当該医療機関が品質を確保するために必要な要件に適合していることを確認しなければならないとする規定を考えてございます。
これらを踏まえまして、先月よりパブリックコメントを実施させていただきました。
その結果につきまして、資料1-1に記載してございます。資料1-1をごらんください。パブリックコメントで寄せられた御意見、それに対する回答(案)について記載させていただいております。今回のパブリックコメントでは、今回の改正と直接関係のない御意見1件と、関係のある御意見1件をいただき、後者の概要は、こちらに記載してあるとおりでございます。
臍帯血が不適切な医療機関に流出しないよう、他の事業者に臍帯血の搬送を委託した際の責任の所在や留意すべき事項等を、具体的かつ明確に記載いただきたいという御意見をいただき、これを踏まえまして、省令、またそれに関連するガイドラインのほうの記載に反映させていただいてございます。
次に、それについて説明させていただきます。差しかえさせていただきましたので、お手元の資料1-2をごらんください。省令の改正案でございます。
施行規則ですが、1ページめくっていただきまして「移植に用いる臍帯血の適切な提供に支障がない場合」に線が引いてあるページをあけていただければと思います。11条の2として、法第30条第2項4号に規定する厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとさせていただいております。
第1項-1号、外国において臍帯血供給業務に相当するものを行う者であって、法の規定により臍帯血供給事業者が移植に用いる臍帯血の品質の確保のために講ずることとされる措置に相当する措置を講じているものが移植に用いる臍帯血を引き渡す場合であって、厚生労働大臣がその引渡しについて適当と認める場合、と考えております。
また、2号、外国臍帯血供給事業者が引渡しをした移植に用いる臍帯血について行う場合についても同様と考えてございます。
また、第2項として、法第30条第3項3号に規定する厚生労働省令で定める場合は、外国臍帯血供給事業者が移植に用いる臍帯血を引き渡す場合であって、厚生労働大臣がその引渡しについて適当と認める場合とすると考えてございます。
その次、12条になりますけれども、個人情報の観点から考えまして、今まで臍帯血を採取した年月日を造血幹細胞提供支援機関に情報提供するものとしていたものを、「年月日」のところを「年月」までにさせていただいております。
これらの省令の改正に関しまして、ガイドラインのほうで具体的な規定をさせていただいております。その条文等も含めまして、資料1-7を御確認いただければと存じます。こちらもタブレットの中のものは少しバージョンが古くなっておりますので、お手元の資料1-7を御確認いただければと存じます。
3ページ目でございます。外国臍帯血供給事業者から臍帯血の提供を受ける場合の取扱いについて(案)という、スキームが書いてあるスライドを見ていただければと存じます。先ほどの省令の改正案を受けまして、法ガイドラインの改正案を考えております。そこに記載されます、外国臍帯血供給事業者から臍帯血の提供を受ける際のスキームを具体的にわかりやすく書かせてもらったものが、こちらの資料になっております。
まず、外国臍帯血バンクから臍帯血を引き受けて、移植に用いるにあたっては、この移植実施施設は造血細胞移植学会が認める基準が参考になりますが、後で御説明させていただきます基準省令を満たしているところとさせていただきたいと考えてございます。
また、この移植実施施設は、移植を受けようとする者の血縁であったり、非血縁であったり、いわゆる国内で得ることができる造血幹細胞を用いた移植が医学的な妥当性を欠くために実施できない場合に限って、外国臍帯血バンクから移植に用いる臍帯血の提供を受けることができるものとしていきたいと考えております。それが、こちらの絵の真ん中の緑色の部分の一番上のところになります。
これらの移植実施施設は、臍帯血の提供を受けるに際してまず、日本骨髄バンクのほうに依頼をかけていただきたいと考えております。これが2でございます。
日本骨髄バンクは、依頼に基づきまして、外国の臍帯血供給事業者が保管する臍帯血を検索していただきたいと考えております。このとき、3に記載します所定の基準、いわゆる外国において臍帯血の品質が担保されているということが周知の事実である基準、世界骨髄バンク機構、AABB、FACTの基準のどれかからaccrediteを受けている臍帯血であることを確認していただき、また主治医のオーダーに即した形で、WMDAのレジストリーから臍帯血を検索していただきたいと考えております。また、同時に、このような依頼があったことを当室までご一報頂きたく存じます。
それを踏まえまして、4になりますが、移植実施施設は厚生労働省に、当該臍帯血バンクから臍帯血の提供を受けることについて申請を出していただきたいと考えております。
申請に係るフォーマット等につきましては、こちらのガイドラインの別添資料、資料1-5のほうに記載させていただいておりますが、また御確認いただければと存じます。
厚生労働省は、これらの申請を受けましたら、移植用臍帯血基準検討会という有識者会議におきまして、それらの外国臍帯血供給事業者が品質確保の点から見て適切なところかどうかというところを御審議いただきたいと考えております。
また、当該移植実施施設や行おうとしている移植が法や省令に準じているかどうかということについて確認いただきたいと考えております。
それらの審議を経まして、7になりますが、適当という通知を受けた場合、移植実施施設のほうでは、外国臍帯血供給事業者と調整いただき、実際に臍帯血や、それに付随する書類・保存検体の提供を受ける準備を進めていただきたいと考えております。日本骨髄バンクさんにおかれましては、これらについても必要に応じた協力をしていただければと考えているところでございます。
その上で、外国臍帯血供給事業者から臍帯血を得て移植が終了しましたところで、日本造血細胞移植学会の確認を受けて、結果を厚生労働省に報告いただきたいと考えております。これは、今回の外国臍帯血バンクから臍帯血を引き受けて行った移植が、医学的に見て妥当であったかどうか等について評価いただきたいと考えている所存でございます。
以上がガイドラインのほうにも追記した、外国臍帯血事業者から臍帯血の提供を受ける場合の取扱いについてでございます。
先ほど御説明させていただきました中で、実際に申請していただく書類について御確認いただければと思っております。画面に戻っていただきまして、タブレットで資料1-5別添というところをあけていただければと思います。指でスクロールしていただきまして、最後の2ページ、赤字になっている部分が今回新しく考えている申請のフォーマットでございます。申請してくる医療機関につきましては、みずからの医療機関の名称等を記載いただきまして、また外国臍帯血供給事業者から臍帯血の提供を希望する医学的な理由であったり、外国臍帯血供給事業者の名称等、受けている認証等について記載してもらいたいと考えております。
また、添付書類としまして、その当該外国臍帯血供給事業者が準じている基準を明示した書類であったり、患者さんから取得した同意書であったり、日本骨髄バンクに提出した実際の書類の写しであったり、品質の確保のための基準に関する省令の要件に適合していることを示した書類、例えば学会の認定証等を添付した上で厚生労働省に申請いただきたいと考えているところでございます。
ここまでが施行規則及びそれに関連する法ガイドラインの改正案の御説明となります。
引き続きまして、基準省令のほうの説明をさせていただければと考えております。お手元資料1-2を改めて確認いただければと思います。最後の項になります。
まず、13条の2というところで、臍帯血供給事業者は、移植に用いる臍帯血の採取、検査又は搬送以外の業務を他人に委託してはならないと記載させていただいております。
また、13条の3におきまして、臍帯血供給事業者は、移植に用いる臍帯血を医療機関に引き渡す場合には、当該医療機関が、1から4号に掲げる要件に適合していることを確認しなければならないとしております。
これらの内容について具体的に記載させていただいておりますものが、資料1-8と1-9のガイドラインでございます。わかりやすさのために、資料1-9の新旧対照表をごらんください。
1ページ目の下段、一番下のところから始まりますが、臍帯血供給業務の委託について、また移植に用いる臍帯血の引渡しに当たって医療機関に行う確認に関する事項について記載させていただいております。
まず、前者ですが、臍帯血供給業務の委託につきましては、省令どおりでございますが、臍帯血供給事業者においては、採取、検査、搬送において委託することができると書かせていただいております。省令もそうですが、コアな事業、調製や保存というのは委託できないと規定させていただいております。
また、先ほどパブリックコメントでもありましたけれども、臍帯血供給事業者は、採取から引渡しまで、いずれの工程においても責任があるものとし、その責任に基づきまして、例えば委託した場合であっても、委託先がいわゆる第三者への再委託が行われないように、しっかり管理監督するようにという明記をさせていただいております。
また、後者ですが、臍帯血供給事業者は、移植に用いる臍帯血を、造血幹細胞移植を行う医療機関に引き渡す場合に確認する医療機関の要件についてですが、内容につきましては割愛いたしますが、日本造血細胞移植学会が認定する「非血縁者間の移植に用いる移植を行う診療科の認定基準」に準じるようなものとさせていただいております。臍帯血供給事業者におきましては、現在運用で行っていただいているように学会の認定基準等を満たしているということも参考にしながら、こちらのガイドラインに書かせていただいております基準を満たしていることを確認した上で、臍帯血の引渡しを行っていただきたいと考えているところでございます。
また、ガイドラインにつきまして、省令とはまた別になりますけれども、現状の運用に即しまして修正点を1つ考えております。それが6ページになります。移植に用いる臍帯血の引渡しに当たって添付する情報に関しての記載でございます。現在、臍帯血を引き渡す場合、その臍帯血の使用期限日時、採取日、調製日時というものを記載してもらっておりますけれども、これらは個人情報保護の観点を鑑みまして、例えば採取から使用期限まで10年と定めておりますので、そう考えると、現状では逆算すると大体の出生日がわかってしまうという問題等があるという指摘がありました。また、現場での運用に特に大きな支障がないということから、これら使用期限、採取日につきましては、それぞれ月までの記載にさせてもらうことを考えてございます。
基準省令のガイドラインにつきまして、我々が考えております改正案については以上でございます。
以上、御審議いただければと存じます。よろしくお願いします。
○小澤委員長 それでは、事務局から今、説明がありました内容について何か御意見、御質問はありますでしょうか。どうぞ。
○梅田委員 資料1-7の3ページ目に図が出てきていると思いますけれども、移植実施施設の緑の枠の一番下の(移植終了後)のところに学会に「報告」ではなくて「確認」を受けると書いてあります。この「確認」について先ほどの説明では学会の評価を受けるということでしたが、評価ということだと、その結果はどこかに示されるのでしょうか。
○幕内室長補佐 ありがとうございます。
それらの評価につきましては、具体的に造血細胞移植学会で確認を受けていただきたいような事項としては、感染症や何か予期せぬ合併症が起きていないかどうかということや、造血幹細胞移植が適切に行われたか、ということなど、一般的なものの確認を含めまして評価していただきたいと考えております。現在国内の臍帯血バンクでも行われているような、移植を実施したということの確認の目的もあります。
ただ、我々はどうしても行政機関というのもありますので、造血細胞移植学会に協力いただきまして、まず確認を受けてもらった上で我々に報告を上げていただきたいと考えているところでございます。
○梅田委員 ということは、確認結果は、この医療機関が学会から答えをいただいて、それを厚生労働省に報告するときにコメントを入れるという認識でよろしいのですか。
○幕内室長補佐 必要に応じてコメントをいただければと思っております。ひとまず我々としましては、今回、移植施設からダイレクトに結果をもらうだけでありましたら、医学的に見て、その妥当性を評価するのに不十分な報告になっているかもしれず、客観的な目を入れた上で評価いただきたいという意見がありましたので、御協力を得たいと考えているところでございます。
○梅田委員 わかりました。学会がどう絡むのかというところを確認したかったので、ありがとうございました。
○小澤委員長 これは、岡本委員からは何かコメントありますか。
○岡本委員 いえ、特にありません。今の御説明でよろしいと思います。結果を受けて確認するという時期的な問題について、また御相談したいと思います。
○小澤委員長 そのほか何か御意見等、確認。どうぞ。
○山口委員 外国から供給してもらうというか、提供してもらうケースに質問なのですけれども、恐らくそういうケースは、日本にドナーがいないから、アンメットニーズになるところが大きいかと思うので、外国の場合に、例えばFDAだと、レギュレーションとして造血幹細胞移植でも薬事承認をとっているようなケースがあって、これは多分医薬品として扱われていると思います。そうすると、アンメットニーズのときに薬監証明などで時間がかかってしまうのは余り望ましくないなと思っていまして、その辺のところをどう整理していただけているかというのをちょっと教えていただきたいのと。
それから、1-6の2ページ目で、先ほどもお話ありましたけれども、1-7の絵のところの世界骨髄バンク機構とか、そういうところの基準に適合しているかというチェックを入れることになっているのですけれども、例えばFDAだとBLA(バイオロジック・ライセンス・アプリケーション)をとっているというところでも代替できるのかどうか、その辺をわかる範囲でちょっと教えていただければ。
○幕内室長補佐 御質問ありがとうございます。
まず、前半のほうですけれども、薬監証明等につきましては、我々のほうでも医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課とも相談しましたが、ケースの個別性というものを勘案しまして、今の段階で一律でこうという基準を定めてしまうのは、逆によくないのではないかと考えているところでもございます。ですので、当該製剤につきましては、その時々におきまして医療機関のほうから厚生局に確認いただきまして、そこでの個別の判断にさせていただくのが運用としては一番妥当と考えているところでございます。
後半のほうでございます。外国臍帯血供給事業者の受けている認証につきまして、我々、現時点においてニーズというものを確認した上で、こちらの3つの基準というものを考えさせてもらっているところでございます。御指摘のとおりの基準というのがあることは、もちろん我々は承知しておりますが、まずはこの3つの基準のどれかを満たしていることを確認いただきたいと考えております。
○小澤委員長 よろしいですか。
岡本委員にちょっと確認したいのですけれども、外国の臍帯血供給事業者から臍帯血の提供を受けた実績は、これまでどのくらいあるのでしょうか。
○岡本委員 正確には覚えておりません。恐らく1例だけだったと思います。
○小澤委員長 全体で、ですね。何か実施に当たって困ったような問題点はなかったと。
○岡本委員 問題になるようなことはなかったと理解しています。
○小澤委員長 今後の見通しはどうでしょうか。ハプロ移植などが広まってきていて、外国から受けてでも臍帯血移植をやろうというケースはどのぐらい発生するか。
○岡本委員 わかりません。でも、日本の中もピュア日本人だけではない状況になってきている中で、そういったニーズは確実にふえるわけではないと思いますが、道を閉ざすべきものではなく、準備しておく必要があると思います。現実的にはかなりまれなものではないかと思いました。
○小澤委員長 どうぞ。
○野村委員 前回、いなかったので。
法改正からガイドラインで、今回で一通りいろいろ細かく決められるということで、素人の私からの確認をさせていただきたいのですけれども、こういった形で、今回、よからぬ業者がいたということで、この法改正になって、業としてヒトの臍帯血を造血幹細胞移植に用いることができるものとして引渡してはならないとなって、細かく決めていらっしゃいますね。
それで、造血幹細胞移植に対する形のことで決めていらっしゃいますけれども、私たち受ける側からすると、この一通りの細かいものが決まったことによって、基本的にはよからぬ用途に国内で血縁以外の臍帯血を、いい治療がありますという形で提示されて判断を迫られる危険、リスクが限りなくゼロに近づいたという理解でいいのか、白血病とか造血幹細胞移植以外の治療に関しては、完全に自己責任でどうぞみたいになってくる危険がまだ漂っているのか。済みません、その辺の形の理解を整理しておきたいなと思います。
○小澤委員長 では、また事務局から。
○井内移植医療対策推進室長 造血幹細胞移植は、今、御指摘のとおり、今回、造血幹細胞移植推進法の範疇となりました。
あと、アンチエイジング等の再生医療については、再生医療法のほうで、もともと医療を実施する際にきちんとした審査を経なければいけないことになっていますので、今回はこれが無届だったということです。再生医療法を遵守するためには届出のため手続を踏む必要があり、不要なものは排除されるということになると思いますので、トータルでリスクとしてはかなり減っていると考えています。
○野村委員 そうじゃないものが来た場合に、怪しいと思うべきだということをよりわかりやすく広報していくということを、またお願いできればと思っています。
○井内移植医療対策推進室長 今回の造血幹細胞移植に関しては、我々としてお母さん方に一番誤解されたくないのは、公的バンクに預けるのもまずいのではないかということが一番影響が大きいかと思っているので、その辺の誤解が出ないように、お母さん方に向けた普及啓発というのもしっかりやっていきたいと思っておりますし、再生医療法は再生医療法で、医療現場に法令遵守の手続きの周知をやっておりますので、お母さん方に簡単に不要な誘いが行かないようになる仕組みを考えていると認識しています。
○小澤委員長 どうぞ。
○山口委員 事務局の説明で、そのとおりだと思います。ただ再生医療等部会にいる人間として、ちょっと補足させていただきます。ここの造血幹細胞移植のほうでその適用範囲を決めていただければ、それ以外のものを申請せずに使用すると再生医療法違反になりますという。特に他人からの同種細胞加工物は、第1種認定再生医療委員会での意見を聞く必要があり、さらに国の部会のおいて最終的な審査をするところがあります。そこを絶対通らないと使用できません。自己の場合、クリニックでやっていたりするケースもあるのですけれども、同種になった場合は第1種細胞加工物として国で審査を受けますので、そこで審査を受けるものでないと、医療であっても研究であってもいけないと思っていただければと思います。
○小澤委員長 ありがとうございました。
何かほかに確認すべき事項等、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
資料がたくさんあって、隅から隅まで確認というわけにはいかないかなと思いますけれども、特に御質問がないようでしたら、本日示された1番として、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案」、資料1-2。
それから、2番目として「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の適用に関する指針(ガイドライン)の改正案」、資料1-3、1-5。
それから、3番目として「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の改正案」、資料1-8になりますけれども、以上のものについて本委員会として了承することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○小澤委員長 特にないようでしたら、事務局におかれましては、それぞれの改正に向けて必要な準備を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、議題(2)になりますけれども、「平成31年度造血幹細胞移植対策関係予算(案)の概要について」、事務局から説明をお願いいたします。
○兵頭室長補佐 それでは、事務局のほうから関係予算について説明させていただきます。資料2をお開きください。
まず、1枚目「平成31年度造血幹細胞移植対策関係予算(案)の概要」ということで示させていただいております。平成30年度予算額23億円のところ、今回、対前年度比115.7%、平成31年度予算(案)として26.6億円と、約3.6億円増の計上とさせていただいております。
それから、主な事項について説明させていただきます。
1つ目のマル増になっています骨髄移植対策事業費(骨髄バンク運営費)でございますが、こちらは4億6200万円と、対前年度比100万円増となっておりますが、これは後で御説明します一元化経費の関係で、数字が組み替えみたいな形になっているのですが、新規の事項で2つ認められました。
骨髄バンクの安定的な運営を引き続き支援するとともに、下のほうに行っていただきまして、パワーポイントでドナー環境整備というものがございます。いわゆるドナー休暇の関係でございます。コーディネート期間短縮化の課題の一つとしまして、働きながらドナーになる方にとっては、休暇がとれない、会社の理解がないといった仕事の都合を理由にコーディネートが終了となる割合が3割ほど存在しているといった状況を踏まえまして、働きながらドナーとなる方の環境整備を行い、骨髄等移植におけるコーディネート期間短縮につなげようといったことでございます。
内容といたしましては、日本骨髄バンクにドナー休暇制度導入に係る専門職員を配置し、企業に対する実態調査、導入支援マニュアルを作成し、さらには企業向け説明会を開催し、必要に応じて効率的に企業を訪問し、ドナー休暇制度導入の支援を行うという事業でございます。
続いて、もう一つ下へ行っていただきまして、若年層ドナー登録者確保対策でございますが、下の棒グラフのほうを見ていただきたいのですが、左側のほう、平成19年12月末では、最も多い年齢層は35歳でございましたが、10年経過した右のほう、29年12月末を見ますと、最も多い年齢層は44歳ということで、高齢化が顕著になっているという状況がございます。骨髄等の提供ができる年齢は54歳以下となっているため、今後、ドナー数の減少が危惧され、コーディネートへの影響が懸念されているところでございます。これを踏まえまして、骨髄等移植における安定したドナー確保の観点から、若年層ドナーの確保に努めるという事業でございます。
内容といたしましては、実際に若年層が多く集まる献血ルームに、献血に関する知識及び骨髄移植に関する知識を習熟した骨髄バンクの登録説明員等を、骨髄バンクが指定する日時・場所に派遣し、若年層ドナーの確保を図ろうという事業でございます。
この2つの事業が今回、新規事業として認めていただいたところでございます。
一番最初のページに戻っていただきまして、2つ目のマル増となっているところでございますが、造血幹細胞移植患者・ドナー情報登録支援事業は、対前年度比1100万円増の7600万円を計上しております。患者の治療内容、ドナーの健康情報を収集・分析し、プライバシーに十分配慮した上で、医療機関・研究者に提供することで、治療成績、安全性の向上につなげていくためのデータ処理・解析体制の充実を図ろうという事業でございます。
3つ目のマル増でございますが、造血幹細胞移植関連情報システム一元化経費でございます。こちらは、対前年度比約3.7億円増の6億5200万円を計上しております。骨髄・末梢血幹細胞移植、臍帯血移植ごとに管理されている造血幹細胞移植関連情報を一元的に管理するシステムを構築することで、業務の効率化を図り、移植医療サービスの向上を目指そうという事業でございます。
以下、さい帯血移植対策事業費から下につきましては、時間の関係もございますので、説明のほうは割愛させていただきます。
以上、駆け足で恐縮でございましたが、平成31年度造血幹細胞移植対策関係予算(案)の概要について御説明させていただきました。
○小澤委員長 ありがとうございました。
それでは、事務局から説明のありました内容について御意見、御質問等、いかがでしょうか。どうぞ。
○梅田委員 今、資料2のバンク関係の安定的な運営を支援するということで、図のほうも含めて御説明いただきました。単純に金額だけを見ると、前年に比べて骨髄バンクの運営費がちょっとしか増えていないように見えますけれども、ここのところをもうちょっと御説明いただけますか。強化していますよというところを。
○兵頭室長補佐 3つ目のシステム一元化経費は結構増額になっておりまして、この関係で1番目のところが少し減った。組み替えという言い方はあれですけれども、ここが減った分、バンク運営費のほうが余り変わっていない。先ほどパワーポイントで御説明させていただいたところは、新規で予算化されておる事業でございますので、実質を見れば増額されているという状況です。
○梅田委員 わかりました。実質上、強化されているということですね。
それで、先ほどの図のほうですけれども、3ページ目のドナー環境の整備ということで、ドナー休暇がとれないところを強化しましょうとあります。ここについては、各自治体で助成制度の導入ということで、いろいろと取り組んでいただいているところですが、これと両輪の非常に大きな対策と認識しております。休暇が取れない、会社の理解がないなど、仕事の都合等を理由にコーディネートが終了してしまう割合が3割超えというところをぜひとも解決する意味で、力を入れていただきたいと思います。
それから、その後に出てくる若年層のドナー登録確保についても、今、ドナー定年ということで、毎年2万人のドナーの方が減っています。そこのところを、さらに若い方で補うということでは非常に重要な施策だと認識しております。是非とも、こちらのほうも力を入れていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○小澤委員長 梅田委員にお聞きしたいのですけれども、最後の若年層ドナー登録者確保対策のところ、余り具体的なことを書くのは難しいかなと思いますけれども、この辺、具体的な見通しとしてはどうでしょうか。
○梅田委員 今のところ、各県の取組としては、ここで挙げていただいている献血ルームの強化ということですけれども、このほかにも各大学でのドナー登録会が今、非常に増えてきています。私は、千葉でボランティアをやっていますが、千葉でも各大学でドナー登録会をやっていて、若い方はかなり増えています。さらに、献血ルームその他会場での増ということもありますので、こちらもかなり期待できると見ております。
○小澤委員長 ありがとうございました。
それで、最初のほうの御質問の、システム一元化経費でどんと膨らんでいるという御説明ですが、もう少し具体的にどういうところにこの予算をつけたのかということは御説明いただけますか。
○兵頭室長補佐 最終年度ということで、完成版。最後の締めの段階というか、具体的なと言われると。
○幕内室長補佐 説明させていただきます。
システム一元化については、現在、骨髄、臍帯血、それぞれ独立して検索システムがあるというのは、医療従事者の先生方は御存じかと思いますけれども、それらを一元化しまして、より医者にとってユーザビリティが高いようなシステムをつくっていく。情報を一元化することよって、それらを業務の点で見ても効率化が図れますし、サービスという観点でも、主治医が造血幹細胞の状況を一元化に把握できるようにすることでより使い易いシステムにしていきたいと考えているところでございます。
今まで、骨髄バンクにも少し予算を入れていましたが、今年度は、一元化経費という形で支援機関である日赤への予算としてまとめさせてもらったという形でございます。先ほど兵頭のほうから説明ありましたとおり、現在、システム開発5カ年計画の最終年度というのが来年度に当たりますので、各システムの統合等も含めまして、予算をとめさせていただいたという御理解で問題ないかと考えております。
○小澤委員長 サーバーとか、何かそういうものに具体的に予算がついているというよりは、いろいろなものをここに入れ込んでいるという感じですね。わかりました。
そのほか何か確認。どうぞ。
○坂巻委員長代理 ドナーの休暇制度というのは、まだ必ずしもあまねく広まっていないと思うのですけれども、このドナー休暇体制導入の支援を行うということは、具体的にはどの程度のことを考えているのでしょうか。
○幕内室長補佐 ドナー休暇制度の支援という観点では、こちらにもSTEP1、STEP2という形で書かせていただいておりますけれども、骨髄バンクさんのほうで専門職員を配置して、具体的にサポートいただけるような、要するに社会貢献度が高いような企業等を重点的に当たっていただきまして、ドナー休暇制度の導入に御理解いただくような説明であったり、実態調査をした上で御説明用のマニュアルを作成する等、またSTEP2にありますような説明会を開く等で、具体的に導入をお願いしていきたいと考えているところでございます。
○坂巻委員長代理 インセンティブというところまでは行っていないわけですね。
○井内移植医療対策推進室長 インセンティブというよりも、国家公務員、地方公務員は、ほぼ全員、ドナー休暇がある。それに比べて一般企業は、まだ数%しか導入されていない。経団連や日商の事務局ともお話しさせていただいたのですが、そんなに抵抗感のある話ではない。しかしながら余り知られていないのではないかということが大きいのではないかという印象と聞いてきております。
そういったことを踏まえて、我々としては、まずいろいろな企業にドナー休暇を導入していただくのと、あわせて、ドナー休暇の制度だけ導入しても、職場で理解が余りされていないと、制度だけあっても仕事が理由でということになるというアンケート結果もありましたので、各企業での骨髄移植に関しての理解を深めていただく、なおかつドナー休暇を導入していただくといったことをまずお願いしていきたい。その中で、例えば導入が難しいというケースも出てくると思いますが、そういったケースをしっかり拾い上げて、どういったことをしていけば、逆に入れてもらえるのかという分析が必要だろうと思っています。
現在のところ、導入していない理由というのが、わからないところがありますので、まずはそういったこと。広く知らしめるということで、説明会等々、いろいろなところでさせていただいて、それだけで導入していただけるところは当然導入していただきたいと思いますし、この活動の中で何か障壁があるということであれば、どういった障壁を取り除いていけばいいのかという次のステップに進めるかなということを考えておりまして、今の時点で導入した企業に何らかのインセンティブというよりも、まずはきちんと正確に知っていただいて、導入に向けて取り組んでいただくというファーストステップだと理解しております。
○小澤委員長 よろしいですか。
どうぞ。
○梅田委員 今のドナー休暇についてですけれども、千葉では、薬務課と連絡を取り合いながら、各企業さんが会員になっている経済団体にドナー休暇導入依頼の連絡を出していただいています。中央だけじゃなくて、各自治体、特に県から各企業さんへのアピールをぜひとも広げていただきたいと思います。ということで、先ほどの説明会も、経団連とか大きなところだけじゃなくて、県を通じての県レベルの小さい経済団体への説明会にもアプローチいただけると助かります。
○井内移植医療対策推進室長 現時点で、これはまさにドナー環境整備の取りかかりの事業だと思っていて、これだけで全てが完結するということではないと思っております。今のところ想定しておりますのがブロック別で、ドナー休暇の説明会だけだと、企業さんとかも多分来ないだろうと思いますので、何らかの企業の集まりがあるときに入れていただいて御説明などをさせていただくというのが、今のところは効率的かと思っております。
今のところは、骨髄バンクのほうに専門職員を置いて、その人が専門で動くということを想定していますので、そういった中でもっときめ細かな対応が必要ということがわかってくれば、その次の事業にもつなげていけるかなと思っております。
○小澤委員長 どうぞ。
○野村委員 第一歩ということなのですが、書いてあるのは大企業で、多分大企業のほうが入れやすくて、かつ人数の母体が多いという確率の関係でやっていらっしゃって、中小企業さんの経営者を攻めていけば経営者というのもあるのですが、基本的にはそっちのほうは考えずというか。とりにくい人たちはそっちのほうの人たちで、そういうところは中小の経営者がうんと言わなければ制度が入っていかないところだと思いますが、そこは取り捨てて、大企業のほうが人数が多いので、これでいくという理解がステップとして今後という。
○井内移植医療対策推進室長 まさにそのとおりで、実際、専門職員は数名程度のことを考えていますので、大企業だけでも1万超えますので、当たりやすいところからまず当たる。今のところ、なぜ導入されていないのかというのが我々としても明確に把握できていないというのがありますので、こういった活動の中でいろいろな取っかかりが見えてくるのかな。そういった中で、大企業、次、中小企業というステップ・バイ・ステップでやっていくという理解でおります。
○小澤委員長 どうぞ。
○梅田委員 資料2の若年層のドナー登録者確保の資料ですが、各献血ルームに献血に関する知識及び骨髄移植に関する知識に習熟した骨髄バンクの登録説明員等を派遣して、献血ルームに来る若い人にドナー登録の説明をしてドナーを増やそうということですけれども、各県にこの説明員の資格を持った、いろいろな知識を持ったボランティアさんがいますので、そういう説明員を大いに活用いただければと思います。
○小澤委員長 どうでしょうか。岡本委員。
○岡本委員 1番のところですけれども、確かに大企業から始めるというのは、将来的な目標を見据えた、非常にリーズナブルなステップだと思います。そのときに、STEP2のところに「導入にあたってのプロセスやメリット等を説明いただくことにより」とありますけれども、そのメリットというのがよくわかりません。
ドナー休暇を導入する大企業でだんだんと出てくることのメリットですが、アメリカでは、ドナー休暇を認めているカンパニーのイメージアップにつながるということもあるので、そういったところからもぜひアピールしていって、それから中小企業に移っていくというのが、多分、進むべき道かなと思います。
次に、若年者ドナーの献血ルームですけれども、献血ルームは確かに人が集まりやすいのですけれども、どちらかというと高齢者が多いのではないでしょうか。若年者が集まるのは少ないと思うので、そこにずっと頼っている若年者ドナーの登録というのは、余り将来性がないと思います。例えばどこか大学に献血に行くとか、大学のサークルと連携するのもそうですけれども、若者が集まるところにアプローチしていくことにフォーカスを置くべきと思います。30ルーム程度という想定ですけれども、ここはもうちょっと広く視野を広げていただいて、ターゲットを絞っていったほうが、多分お金も生きると思いますし、重要ではないかなと思います。
○井内移植医療対策推進室長 まず、ドナー休暇のほうは、まさに御指摘いただいたとおりで、実際、今、導入している企業なども、いわゆる福利厚生や社会貢献といったところをPRするのとセットで、ドナー休暇制度というものを導入していただいているケースが多いと聞いておりますので、そういったことも踏まえて、社員を集めるときに有利になるということが、我々、今、認識しているメリットかと思っておりますので、そういったことを説明しつつ、なぜできないのかというのを聞いていきたいと思っております。
あと、若年層ドナーですけれども、今、各地の献血ルームでやっていただいているのですが、献血ルームによってかなり特徴がある。つまり、どんな年齢層が来るかというのが、献血ルームごとにかなり違うということがわかっている。その中で、今回、特に若年層ドナーのところは、若年層が多い献血ルームをピックアップして、そこに戦力を集中的に投下するというイメージです。なので、今まで全国でやっているのに加えて、フォーカスを当てて集中的にやっていく。まず、これから取り組みたいということではありますが、今、先生から御指摘ありましたように、例えば学校等との連携というのも、また今後とも考えてまいりたいと思っております。
○小澤委員長 どうぞ。
○岡本委員 あと、具体的に現在、ドナー休暇を導入しているカンパニーというのは、どこかにリストアップされているのですか。
○井内移植医療対策推進室長 現在、骨髄バンクのほうに、企業のほうから、教えていただいたところのリストはございます。
○岡本委員 ぜひ大々的に格好よくアピールして下さい。いいことをやっているので、そういったことに出てくることに価値を感じることは少なくないと思うので。
○小澤委員長 そういうものが一般の人の目につくところに出るといいですね。
はい。
○野村委員 自明過ぎると思って言わなかったのですけれども、ちょっと前にファミリーフレンドリーとか女性活躍、男女共同という形で、国というよりは県レベルとか自治体レベルでフレンドリーな企業を認定して、例えば入札の際のポイントに上乗せされるとか、何か公共事業をやるときにメリットがあるということを各自治体が多分やっていると思います。母体は少ないと思いますけれども、そういうことは厚労省さんがよく御存じだと思うので言わなかったのですけれども、そういう形があって、それをホームページにアップしたり、ツイッターでどんどん流していくなりすればというのはありますね。
若者のほうもそうですね。本当にできるなら、ちょっとした有名人に私も登録したとハッシュタグをつけてもらって、ばっと流していけば、それに若者たちが賛同して、私も登録したというのがムーブメントにつながっていくとか、そういう形でやったり。極端ですけれども、ハロウィーンの渋谷にPRに行くとか、受け付けに行くぐらいのほうが。
せっかくスキルのある専門員さんが、若者が来るのをルームで待っているだけになるのが一番もったいないような気がしていて、すごく配置しました。でも、思ったより来なかった。きょうは5人だったねとか、PRできる人がいなくなるぐらいだったら出かけていったほうがいいかなと思っています。
○小澤委員長 どうぞ。
○井内移植医療対策推進室長 まず、ドナー環境整備のほうは、具体的なインセンティブとか罰則といったものが必要かどうかということすらわからない。つまり、なぜ導入していないところが導入しないのかという原因がわからないので、そこの調査が一番重要だろうと考えています。ドナーの有給休暇の制度だけを入れるというのも、アンケート結果では、ドナー休暇があろうがなかろうが、職場の理解というのが非常に大きい。仕事を休んで来ないということですので、職場での理解を促進させるということが実行上、必要だろうと思っております。
ですので、今回は、そういったところも含めて、まずは実態把握と理解を普及させたい。ドナーの有給休暇の数をふやすというだけではなく、実効性のある形にしたいというのが1つ。
あと、若年層ドナーのところでは、ドナー登録をしていただいたときに、ムーブメントが起こって、たくさんの方が入っていただけるというのはありがたいことではあるのですが、一方で言われているのが、一時の感覚でドナー登録してしまった人が、自分がドナーに選ばれたときに本当に最後までドナーとしてやってくれるのかという問題も、骨髄バンク等の関係者からは言われていますので、しっかりと理解していただいた上で入っていただくというのが重要だと思っています。
この献血ルームは、パイロットで1つやりましたけれども、実際に成果は出ています。1カ月で170人ほど入ってきて、通常4割程度の若年層ですが、献血ルームを狙ってやると7割程度まで上がっているというのもありますので、そういった成果を踏まえて、今回予算化する。この献血ルームにたくさん人が来たときに、ここにいる登録説明員の方、ボランティアの方が多いのですが、しっかりと説明しますので、相応の時間がかかり、時間をもてあますことはないと聞いています。
そうであれば、資源を有効に使うという意味であれば、例えば時間帯とか曜日もきちんとフォーカスを絞った上で活動するということで、我々のほうでは、今のところは一人一人に説明して、きちんと御理解いただいた上で、ドナーになるということがどういうことなのか。登録するだけではなくて、ドナーになっていただかないと困りますので、そういったことを説明した上で登録していただける人をどんどんふやしていきたい、若年層に傾斜をかけていきたいという趣旨でございます。
○野村委員 わかりました。おっしゃるとおりだと思います。献血に来られる方は意識が高いので、実際なっていただきやすいということはもっともなのですけれども、それとは別に、最初登録したけれども、次の段階できっちり話を聞く。一方で、気軽に登録することで、無関心な人たちが多少なりとも関心を持って、社会全体に理解が広まるということの一つにもなるかなと思っているので、その数も大事かなと思っています。
○井内移植医療対策推進室長 普及啓発はまさに必要で、どのような方法でやっていくかというのはあります。ただ、ドナー登録するとなると、採血して、いわゆるHLAの型をとって調べて、それを登録してデータ管理していく。当然、それは国民の税金、国費でやっている事業ですので、登録という手段自体が普及啓発と直接リンクするのかというと、これはまた1つ議論があると思います。ただ、普及啓発を若い人にしっかりやっていかないといけないというのはそのとおりだと思いますので、また我々も本日の御意見を踏まえまして、何か具体的にいい方法がないか考えていきたいと思います。
○小澤委員長 どうぞ。
○岡本委員 確かにおっしゃるように、献血ルームに行くということはある程度モチベートされた方が行くので、そこからリテンションの率は高いと思います。数が少なかったとしても、それは一つのターゲットだと思います。
一方で、実際に現場に行ったときに、そこで登録するか、あるいはワンステップ置くかという事は検討の余地があると思います。アメリカのバンクでは、そこで登録しておいても、実際声をかけたときに30%は全くレスポンスがない。要するに、その中には、彼女が行くから一緒に行くとか、いろいろなモチベーションで来る人がいるという事です。将来的にはそこで説明をし、それから興味がある方はバンクに1回連絡していただいて、そこからHLA検査キット(スワブキット)を送る事も検討して下さい。バジェットも限られているので、それをいかに若者のリクルートメントに役立てるかを考える必要があります。
アメリカは結構それが成功しているようで、実際に現場に行って採血、スワブすることはやめたそうです。ウェブを使って、セキュリティを確保してもう一回登録の情報を流して、メールを送って、スワブを送って登録してらう。リテンションレートは7割近く行くというので、そういう方向にかじを切りかえたというのが最近の現状でした。ですから、日本もそういう情報を踏まえて、実際の現場でのトライブを考えられたほうがいいかなと思います。結構有効な方法だと僕は思いますので、検討されたらいかがかと思います。
○小澤委員長 ありがとうございました。
何かほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
それでは、議事の(2)は終わりにしまして、最後の議題(3)「その他」になります。きょうの(1)、(2)と関係なく、今後、この審議会でどういったことを議論すべきかということも含めて、何か御発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。今後、議論すべきテーマ、何か御意見がありましたら。きょうはたっぷり時間がありますので、日ごろ、まだ取り上げていないようなことについても、こんな問題があるということを御意見いただければと思いますが。きょう、まだ御発言がない先生方、いかがでしょうか。
神田先生、何かありますか。
○神田委員 今は。
○小澤委員長 はい。
○岡本委員 情報提供です。今、非血縁者間造血幹細胞移植は、いろいろな意味で、その質の担保が出来るようになってきました。一方で、血縁のドナーを使ったハプロ移植等、自家移植、(自家移植は、将来的に細胞治療ともつながっていくと思いますけれども)ではどういうことが起こっているか、特に安全性については、学会においても全部を把握することがなかなか難しい状況です。移植の成績についても、本当に血縁者だけ、自家移植だけしかやっていない施設ではどういうことが起こっているかということを、アカデミアとしては把握すべきかなと思っているのですが。
どうしていいかという答えがあるわけではないのですけれども、将来的にはこの方向にも軸足を向けていくことができればいいのかなと考えております。
○小澤委員長 自家移植などは、多発性骨髄腫などが多いかなと思いますけれども、それ以外はどんなものが。
○岡本委員 リンパ腫です。移植のことよりも、患者さんがドナーになるわけなので、そのときの採取の安全性といったことについての検討ということもすごく重要かなと思っています。ハプロの移植になってくると、高齢者からの採取ということになってきます。その安全性をどう担保するかということのガイドラインが必要です。また、採取に関しては、血縁も非血縁もなく、共通のガイドラインを推奨するような体制を整えていくことが必要と考えて、今、議論を進めているところです。
○小澤委員長 ありがとうございました。
何かほかに今後議論したほうがいいようなことはありますでしょうか。鎌田委員、何かありますか。
○鎌田委員 今日のテーマとは直接は関係ないことでもよろしいですか?
○小澤委員長 どうぞ。
○鎌田委員 日ごろ、ちょっと気になっていたことなのですが。骨髄バンクのコーディネーターさん、学会で認定されているのとは別にあると思うのですけれども、以前、たまたま病院にいたときに、骨髄バンクのコーディネーターの方がドナーさんに付き添ってお話しをされているのを、近くにいて話が聞こえてきたのですけれども、すごく不正確なことをずっとおっしゃっていた。しかも、先生がこう言っても、これはこうだからと言って、先生がおっしゃったことも否定するようなことを言っているのを、たまたま耳にしてしまったことがあったので。
コーディネーターの質の確保といいますか、そういうものが大事だし、問題があるのではないかというのを実際に耳にしたこともあったので、どこでどう管理して、どうしていくべきかというのを一度は検討してもらう必要があるのではないかと思っていたのです。
○小澤委員長 どうぞ。
○井内移植医療対策推進室長 私も事実関係がちょっとわからないので、本日の委員会の中でそういう御意見が出たということを骨髄バンクのほうに伝えておきます。
○鎌田委員 病院のコーディネーターさんのほうでも、そういうことがあるというのを把握していらして、すごく懸念されていたりしているので、その辺はきちんとしていただく必要があるのではないかなと思いました。
○小澤委員長 ありがとうございました。
張替委員、何かありますか。
○張替委員 梅田委員はよく知っていらっしゃると思いますが、ドナー登録説明員というのは各県ごとにばらばらのボランティア組織ですね。
○梅田委員 ばらばらの組織というか、説明員自体は日本骨髄バンクの資格を取った人がたまたま集まってボランティアをやっているという認識になります。
○張替委員 推進協議会がありますね。
○梅田委員 県が組織している協議会です。
○張替委員 ただ、行政がかなりコミットしているところと、完全にフリーと言っては何ですけれども、県によっては任意団体みたいなものがやっているところがあって、スタートのところの組織が非常にフリー、県によってばらばらなので、そこはもう少しきっちり、厚労省がコミットできるかどうかわかりませんけれども、少なくとも県とコミットして指導できるような組織にそろえていかないと、ボランティアなのでなかなか難しいのですけれども、そこは大事かなと思っています。
○梅田委員 県の協議会の委員も私、兼ねています。これはたまたまボランティア団体の代表が1つ入るという組織に、千葉の場合はなっていて、それに入ってます。だから、県のほうがボランティア団体に対して何か指導してやるという立場ではなくて、その中の委員の一つとして入っているような形なのです。ただ、協議会自体もある県とない県がございまして、もともとあったのだけれども、今はなくなっている県も結構あります。ということで、各県ばらばらではあるなという認識は、私も持っております。
○張替委員 多分千葉とかは、その辺はきっちり連携がとれていると思いますけれども、全くばらばらで全然連携がとれていないところもあるし、アクティビティーも全然違ったりして、コーディネーターの質とは、またちょっとずれますけれども、そこももう少しきっちり標準化していかなければいけないのかなと思います。
○小澤委員長 どうぞ。
○井内移植医療対策推進室長 今、各県で、まさに県によって異なるのですが、いわゆるいろいろな立場の方が入った協議会をつくってドナー登録を推進していただいているところ、協議会がないところがございます。我々としても、全ての県できっちりやっていただきたいという思いは先生方と同じですので、今、骨髄バンクのほうで各都道府県の担当者を呼んで、実際やっている県、どういうことをやるのかという説明会はやっておりまして、各県でできる限り取り組んでいただきたいというお願いは現在でもしているところです。今後、どれだけやってくれるのかということを見ながら、我々のほうからも県への働きかけ方を考えていきたいと思います。
○小澤委員長 よろしいでしょうか。
はい。
○岡本委員 献血のときに若い方とコミュニケーションをとるには若い方が必要で、窓口で説明される方が年寄りと言ったら悪いけれども、上から目線で説明する事もあると思います。その年齢に合った世代の人を配置するということも必要かと思うのです。その辺のところも考えていかなければいけない。せっかく来る人たちのモチベーションを下げるような人がそこに立っていてはいけないので、その辺も検討が必要と思います。
○小澤委員長 これからの拠点病院の活動の中にも、そのようなことも含めていただければと思います。
ほかに何か。よろしいでしょうか。全員御発言いただいているわけではありませんけれども、どうぞ。
○香西委員 先ほどの予算のところで、これは報告事項だったのでコメントしなかったのですけれども、資料2の一番下のグラフを見ると10年間で比較できるようになっているのですが、そのピークが10年たつとそのままスライドするように動いている。これは、社会学的に見ると、ここがちょうど第2次ベビーブームなのです。それがそのまま動いてしまって、若い人たちは入ってこないということになっています。
ですので、今後の対策としては、献血ルームでリクルートするというお話があったのですが、これを見たらわかるように、絶対的に若い人たちの人口が減ってきますので、若い人全体をターゲットにするというよりも、このグラフの見方を変えますと、確かにピークは10年たつとそのままスライドしていますけれども、男女比で見ると、どちらのグラフも10年前であっても、今であっても、40前後までは女性が多いのです。なので、若い人全体をターゲットというより、もう少し視点を変える。
だから、献血ルームで若い人をということだけではなくて、今後の話ですけれども、40前の女性に届くようなメッセージを発すると、40前だと反応してくれやすいのではないかというのが、このグラフから言えるのではないかと思いまして、今後ですけれどもね。
○小澤委員長 ありがとうございました。データの読み方もなかなか難しいところがあるようです。
そのほか、御意見、よろしいでしょうか。
それでは、きょうは「その他」で活発な御意見をありがとうございました。
本日の議題は以上となりますが、その他、事務局からございますでしょうか。
○幕内室長補佐 本日は活発な御議論いただき、ありがとうございました。
最後に、大臣官房審議官 吉永和生より御挨拶させていただきます。
○吉永大臣官房審議官 審議官の吉永でございます。
本日は、改正造血幹細胞移植法の施行に向けまして、関係省令の改正案あるいはガイドラインの改正案につきまして御審議いただきまして、ありがとうございました。前回と今回、2回にわたりまして活発な御意見を賜り、また本日、御了承いただきまして、心より感謝申し上げます。
今回の改正法案は、御案内のように、公布の日から3カ月を経過した日に施行ということで、3月14日から施行されることになってございます。本日、御議論いただきました省令(案)、またガイドライン(案)につきましては、早急に公布の手続あるいは発出の手続を進めさせていただきまして、円滑な施行に努めさせていただきたいと考えてございます。
厚生労働省といたしましては、今回の法改正の内容あるいは本日いただきました多岐にわたる御意見などを踏まえまして、引き続き患者の症状や状況に応じまして、適切な時期に適切な移植術を選択できる体制の整備でございますとか、移植後の患者の長期的なフォローアップ体制の充実に向けた施策を推進してまいりたいと考えてございます。それに当たりまして、引き続き活発な御議論をいただきながら御指導、御鞭撻賜れればと考えております。
本日はどうもありがとうございました。
○幕内室長補佐 次回以降の開催予定につきましては、別途調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
タブレット及びタッチペンにつきましては、そのまま机の上に置いていただければと存じます。
○小澤委員長 それでは、本日の会議を終了いたします。
どうもありがとうございました。

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会造血幹細胞移植委員会)> 第55回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)(2019年1月31日)

ページの先頭へ戻る