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2018年12月20日 第54回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成30年12月20日(木)15:00~17:00

 

○場所

一般財団法人日本航空協会 航空会館201会議室(2階)
(東京都港区新橋1-18-1)

○議題

(1)移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第98号)について
(2)移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案、及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて
(3)その他

○議事

○幕内室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第54回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会を開催いたします。本日は年末のお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
まず、委員会開催に当たり、健康局長宇都宮啓より挨拶させていただきます。
○宇都宮健康局長 皆様、本日は年末の大変お忙しいところ、駆け付けていただきまして、誠にありがとうございます。また日頃より、移植医療の推進に御尽力、御協力を頂いておりますことを、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
さて先生方、御存じかと思いますが、先の臨時国会で、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律が12月10日に全会一致で可決、成立しました。それを受けまして、今後、政省令を整えていくということです。
本日は、その改正法案についての御説明をさせていただき、合わせまして、それに伴う省令改正、またガイドラインの改正、この見直しについて御議論いただくということです。
御存じのように、もともと今回の改正のきっかけは、ある事件があり、そこで法の不備が発覚したということですので、今回の改正により、そういった不備が埋められるよう、二度とそういう事件が起きないような観点から、是非、忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。本日はよろしくお願いいたします。
○幕内室長補佐 局長はこの後、公務により退席させていただきます。次に、委員の交代がありましたので、御紹介します。平成21年度より委員として御参画いただいておりました東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター教授の武藤香織先生が、任期満了に伴い、本年4月10日をもって退任されました。後任として今回の委員会から佛教大学社会学部准教授の香西豊子先生に御参画いただいています。
本日の委員の皆様の出欠状況ですが、小澤委員長から急遽御欠席の御連絡を頂きました。そのため議事進行については、坂巻委員長代理にお願いすることとしています。また垣見委員、野村委員、山本委員から欠席の御連絡を頂いています。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第にあります、配布資料一覧を御参照ください。まず資料1-1「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の概要」、資料1-2「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の改正について」、資料1-3「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の要綱・条文・新旧対照表」、資料2-1「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案の概要」、資料2-2「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の改正案の概要」、資料3「今後のスケジュール(案)」、参考資料1「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則」、参考資料2「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令」、参考資料3「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)」、参考資料4「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案の概要に関する御意見の募集について」、参考資料5「造血幹細胞移植法上の造血幹細胞移植の解釈の明確化について」、以上11点となっておりますので、不足等がありましたら、事務局までお伝えください。
これより議事進行を、坂巻委員長代理にお願いいたします。
○坂巻委員長代理 それでは、議事に入ります。本日は議事が2つあります。どちらの議題も、先日、終了した臨時国会において12月10日に成立した、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の改正に関するものです。
議題1は、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第98号)について」、議題2は、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて」。
それぞれ事務局より、御説明いただいた後、議論していきたいと思います。それではまず、議題1の「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律について」、事務局から説明をお願いします。
○井内移植医療対策推進室長 それでは、今、御指示がありましたように、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律概要を説明をさせていただきます。資料については、資料1-1、1-2、1-3が関連資料となります。1-1が法律をこう変えたという概要です。分かりやすいかと思いますので資料1-2ポンチ絵の方で御説明をさせていただければと思います。
ここで、今回の臍帯血流出事案を契機とした造血幹細胞移植法上の課題ということで、こちらにおられる先生方は十分に御承知とは思いますが、一度、御説明をさせていただきます。2009年に経営破綻をした、この真ん中のプライベートバンクから臍帯血が流出をして販売業者、仲介業者を経てクリニックで使われたという事件がありました。これについては、再生医療法違反ということで、取り締まられたということなのですが、この際、この再生医療法では、アンチエイジングや再生医療の分野で再生医療法の枠組みに引っ掛かったのですが、造血幹細胞移植ということでやるという場合には、この再生医療法の適用にはなりません。例えば同じ臍帯血でも、これは造血幹細胞に使うのだということで、今回のように流出をした場合に取り締まる法律がないのが実態でした。こういった穴を塞がなければならないということで、前回の審議会で造血幹細胞移植の定義を明確化をして、造血幹細胞移植の範疇に入るものをしっかり定義するということを決めていただき、行政府としても一定の枠組みは、できたと思ってはおりますが、その上で今回、国会の御議論においても造血幹細胞移植目的のさい帯血の不適切な使用を阻止するような法律を作っていただき、抜本的な対策をとれるようになったというものです。
次のページを御覧ください。下半分の緑のほうを見ていただけると、先ほどの絵となっています。今回、黄色のバツの所が法改正をしていただいた所です。プライベートバンクから医療機関にさい帯血を供給し、再生医療法としてやる場合はきちんとした手続を踏まないといけない。ただ、造血幹細胞では特別な手続きが必要でなかったことから、今回、法律を変えていただいて、いわゆる造血幹細胞移植のきちんとした公的バンク等からではない臍帯血、そういったものが取引をされると、渡すほうも受け取るほうも造血幹細胞移植用として流通するということについて、全て駄目だということで、規制が掛けられたというものです。今回の事案では再生医療法違反だったのですが、今後、これに類似する事案で造血幹細胞移植だというものが出たとしても、不適切な使用に関してはきちっと歯止めを掛けることができるというものです。
今回の事案を法律を検証していく中でもう1つ出た課題は、ブルーの上の方に入っている真ん中に2つ保管業者、販売業者の所にバツが付いています。これはどういうことかと申しますと、もともとこの造血幹細胞移植法については、今ある臍帯血バンクをベースに考えられていたということがあります。臍帯血バンクは、採取、調製、凍結保存、引渡しを一貫して行うという前提で、全て考えられていました。この公的バンクは厚生労働大臣の許可が必要ということで、ここについては、しっかりとしたグリップができるということです。
もともとの前提が、こういったものしかないという前提で作られていた法律でありましたので、例えば採取はある会社がやる、調整をほかの会社がやる、3つ目の会社で凍結保存をやる、4つ目で引渡しをする。つまりこの業務をばらばらにしてしまった場合に、実は法律の解釈では、厚生労働大臣の許可を取らなくてもできるのではないかという疑義が出ました。法律の作り方として、やはり一体的に運用するという前提で作られていたということで、そういったことになったということです。
今回、こういった事案はないのですけれども、悪いことを考えている人たちが、例えば4つ会社を作って結託をして、それぞれのことしかやっていないということで仮に将来やられたとしたらということも想定をして、そういったことはできない、ばらばらでやるということができないというような法律の構成にするということです。こういうことで外堀、内堀、全てを埋めるということで、造血幹細胞移植、臍帯血で行われる場合はこの公的バンクから、しっかりと学会で認定を受けているような施設に流れる。そこでしか治療が受けられないというようなスキームが固まったというものです。
今回は、国会で議員立法ということですので、国会の中で審議をしていただきまして、こういった改正をしていただいたというものです。法律については、以上です。
○坂巻委員長代理 事務局から説明があった内容について、何か御質問はございますか。
○梅田委員 (資料1-2の)2枚目の図の左下の所で、血縁者間の提供の場合にプライベートバンクから、本人又はその親族に返還という矢印があります。これは血縁者間の場合で、本人や親族の誰かが病気の場合に戻るということなのですけれども、万が一その親族の方が不幸になられることが、返還の後に起こった場合には、移植が当然できなくなるわけです。この場合戻った臍帯血は、どういう扱いになるのですか。
○井内移植医療対策推進室長 臍帯血を単体で戻すということは、余り考えづらいとは思いますが、基本的にはこのプライベートバンクの中で契約者の方との話合いの中で、破棄をするか又はきちんとした手続を踏んだ研究の利用ということになるのかと思います。実際にそういったケース、例えばプライベートバンクで保管されていたものが、出るといった場合なのですが、当然、御本人に戻るところまでは特に問題はないのですが、御本人のの所からまた新たに造血幹細胞移植用ということで、販売をされるというようなことであれば、今回の法律でしっかりグリップをすることができると。
○館村係員 個別でも共犯になります。1回限りだと造血幹細胞移植法に基づく共犯、複数回やった場合は処分ということになります。
○梅田委員 分かりました。では、こちらのほうも歯止めが掛かるということで、よろしいですね。
○井内移植医療対策推進室長 そうですね。御本人に戻るところまでは、大丈夫なのですが、そこからの先にはいかない。
○梅田委員 先にはいかないですね。分かりました。
○坂巻委員長代理 ほかにございますか。よろしいですか。
○鎌田委員 今回の問題と直接の問題ではないかもしれないのですけれども、このプライベートバンクの本人又はその親族の、親族とはどの範囲が許されているのでしょうか。
○井内移植医療対策推進室長 これは基本的には、その契約内容によるものです。プライベートバンクと本人の方で契約をされている場合にということになります。特に決まってはないのですけれども、ただ、HLAが型が合う人との前提からいくと親族というのは余り考えにくくて、基本的には御本人ということだと理解をしています。
○鎌田委員 これを抜け道にしてしまうということは、余り考えられないということですか。
○井内移植医療対策推進室長 親族だということで、それをもらうと。恐らく使われる場合に、造血幹細胞移植としてそういった用いられ方をするということは、考えにくいと思っています。使われるとしても再生医療。そういった場合は、再生医療法上で、届出をする際にきちんとした審査等があります。そういったところで、悪質なものは排除されるという理解でいます。
○鎌田委員 ありがとうございます。
○坂巻委員長代理 ほかにございませんでしょうか。この臍帯血の不正利用に関しての問題点について、法律上のピットフォールを埋めるための法律の改正が行われたということです。
それでは続きまして、議題2「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針の見直しについて」。事務局から説明をお願いします。
○幕内室長補佐 資料2-1、2-2について御説明します。
まず改正の趣旨ですが、先ほどもお話がありましたが、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律、以下「法」と言いますが、これにおきましては、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供を推進し、非血縁者間の造血幹細胞移植を円滑かつ適正に実施するために、厚生労働大臣の許可を得た臍帯血供給事業者のみが、非血縁者間の造血幹細移植に用いる臍帯血を提供できることとしております。
造血幹細胞移植の定義については、参考資料5にもありますが、前々回、52回の造血幹細胞移植委員会で御審議いただいた、定義の明確化を用いてしっかりグリップしているところです。平成29年に経営破綻したプライベートバンクから流出した臍帯血が販売された事案について、同様の事態の発生を防ぐために、今回、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律、法律の改正がなされまして、所要の措置が講じられるようになりました。今回、こちらの法律に関連している施行規則及び基準省令、2つの省令がありますが、それらについても同様の改正を行うものと考えております。
施行規則及び基準省令については、それぞれ参考資料1、参考資料2に現在用いているものを載せてあります。
次に、改正の具体的な内容について御説明します。資料2-1です。(1)施行規則関係の改正案としては、法第30条第2項第4号及び同条第3項第3号の「移植に用いる臍帯血の適切な提供に支障がない場合として規定する厚生労働省令で定める場合」について、特に外国において臍帯血供給事業に相当するものを行う者であって、移植に用いる臍帯血の品質を確保するために必要な措置を講じているものが引渡しをした移植に用いる臍帯血について行う場合、とする規定を新設しようと検討しております。具体的には、外国の臍帯血供給事業者に相当する者が、ガイドラインで定める臍帯血の品質の基準を満たす限りであれば、国内において、引渡等をしてもよいとしたいと考えております。先ほど資料1-2にもありましたが、採取、調製、保存、引渡し等を別々にする業者を今回の法律では規制してまいりますので、そう考えますと、外国の臍帯血供給事業者が国内で臍帯血の引渡しを行う場合は、引渡のみなど、これらの業務を一部のみ行う業者に相当しますので、法だけであれば規制の対象内となってしまいます。実際、外国の臍帯血供給事業者から臍帯血を輸入してきて国内で移植をするケースは非常に少ないものであると現時点では考えておりますが、今後生じうる可能性があることを鑑みた上で、このような規定を新設していきたいと考えております。
(2)基準省令関係です。こちらは臍帯血供給事業者の委託により行うことができる業務を規定しておりまして、採取、検査又は搬送に限るという規定を新設していきたいと考えております。もう1つ、臍帯血供給事業者が、移植に用いる臍帯血を造血幹細胞移植を行う医療機関に引き渡す場合には、当該医療機関が臍帯血の品質を確保するために必要な条件に適合していることを確認しなければならないとするという規定も新設していきたいと考えております。具体的には、臍帯血の引渡しに当たって移植医療機関が適切に移植をしているちゃんとした病院であることを確認しなければならないという規定です。
資料2-2、こちらは移植に用いる品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の改正案の概要についての資料です。すなわち、先ほどの(2)基準省令についてのガイドラインの改正案になります。改正の趣旨等は先ほどと同様のものです。改正の内容としては、臍帯血供給業務の委託について、臍帯血供給事業者が留意すべき事項について追記していきたいと考えております。また、移植に用いる臍帯血の引渡しに当たって、臍帯血供給事業者が医療機関に対し確認すべき事項について要件を追記していきたいと考えております。また、その他所要の改正を行うべきものがあれば、それらについて追記を検討してまいります。
資料3は今後のスケジュール(案)です。本日12月20日、第54回の造血幹細胞移植委員会におきまして、資料2-1、2-2にある、省令の改正案とガイドラインの改正案について、概要をそれぞれ御議論いただければと思います。今後のスケジュールの予定としては、本日の御議論の結果を踏まえて、12月21日より改正省令案に係るパブリックコメントを開始していきたいと考えております。フォーマットについては、参考資料4を御参照いただければと思います。これを基に意見の募集期間を平成31年1月20日までを目途として、パブリックコメントを募りたいと思います。頂いた御意見等、平成31年1月31日に予定している第55回造血幹細胞移植委員会で結果を踏まえた上での省令の改正案を御提示できればと考えております。また、本日御議論いただく資料2-2、ガイドラインの改正案については、この審議会の後、移植用臍帯血基準検討会を開かせていただきまして、そちらのほうで議論いただくと考えております。その後、同様に1月31日の第55回の委員会において、改正したガイドライン案を提示できればと考えております。そこでの御議論を踏まえて、2月中旬に改正省令及び改正ガイドラインを公布し、3月14日に改正法、改正省令、改正ガイドラインの施行にもっていければと我々は検討しております。資料の説明については以上です。
○坂巻委員長代理 ただいま事務局から説明がありました省令の改正と、今後のスケジュールについて何か御意見、御質問はありますか。
○山口委員 海外からというのは、アンメットニーズで希少な血液型とか、そういうことで入れる場合があるということで多分やられているかなと思っております。同等な評価ということで、結構、韓国などではプライベートバンクみたいなものがありますので、その辺の対策はちゃんと取っていけるようにしていただきたいという一方で、FDAは医薬品としてアプルーブされておりますので、逆に言えば、その基準がきちんと日本国内のものと合っていれば、そこからアンメットニーズになってくる場合は許可できるような形にするという理解でよろしいのですか。
○幕内室長補佐 ありがとうございます。御指摘いただいた点は我々もごもっともと考えております。個別の例えばFDAの基準等については、現時点では具体的なものを確認できているわけではありませんが、そういったものを確認した上で適切な臍帯血供給事業者に相当するものを選びまして、ちゃんと品質が確保できた所から臍帯血を輸入するような形に整えていきたいと考えております。
○坂巻委員長代理 他にありますか。私からですが、この臍帯血の不正使用に関する事件のときに、美容だったりがん医療だったりとか、様々な目的で行われたのですが、それを不正使用した人たちは、この法律の抜け穴を全部理解してやったのですか。それともそうではなくて、とにかく不正に使ったらたまたま引っ掛かる所と、抜け穴等があったのか、現状はどちらでしたか。
○井内移植医療対策推進室長 正確には分からないのですが、感覚的にはそこまでしっかりと分かってはいなかったのではないかと。実際、再生医療法でしっかり再生医療法違反となっているので、どちらかというと、そもそも再生医療法も造血幹細胞移植法もまだまだ新しい法律ですので、理解が現場で十分ではなかったのかなと考えています。
○坂巻委員長代理 その件を踏まえて、この法律の抜け穴を今回ほぼ完全に閉じたということでよろしいですか。
○井内移植医療対策推進室長 はい。
○坂巻委員長代理 他に御意見、御質問はありますか。
○張替委員 運用に関する指針(ガイドライン)というのは、これに違反すると罰則が掛かるのですか。
○館村係員 ガイドライン自体は、ガイドラインに書いてあることを違反したからといって、直接罰則が掛かるものではありません。省令に関しては法律に基づいて省令が定められている命令等に該当するものになってしまいますが、省令に関しては法律の罰則規定が掛かる規定を具体化したものになりますが、ガイドラインはどちらかと言いますと、具体的な運用に関して記載しておりますので、ガイドラインに書いてあることに違反したからといって直接罰則の規定が掛かるというものではないと認識しております。
○坂巻委員長代理 法律のことに関して何かほかに御意見、御質問はありませんか。
○神田委員 外国の所でもう一点確認させていただきたいのですが、例えば、業者が途上国とかでしっかりとした品質で安価に臍帯血を供給できるものを作って、それを日本に流して高く売るということは、品質が保たれていればできてしまうのですか。
○井内移植医療対策推進室長 恐らく、その臍帯血を使うかどうかということは医療機関の判断が一番になると思います。基本的には、この形であれば海外から入ってくることは大丈夫になるので、できることになります。
○神田委員 できてしまうわけですね。
○井内移植医療対策推進室長 はい。
○神田委員 その適切な機関かどうかというのは、その都度指定するのですか。
○井内移植医療対策推進室長 国のほうで見るというよりも、一義的にはまず患者さんを見ている医療機関のほうで御判断して、その患者さんに使えるかどうかということが一番かと思います。実際、造血幹細胞移植に使うという観点からいきますと、前回、造血幹細胞移植の定義をしっかり学会も含めてやっていただいたので、その範疇の中でしっかりやるということであれば、日本もクリニック等でやるというイメージではなくて、きちんとした認定施設でやる場合ということが想定されるので、まず医療機関できちんとしているのだということがある程度分かった上で使われるということです。そういった場合には、逆に利用が阻害されないようにする必要があると考えています。
○神田委員 造血幹細胞移植だけですね。再生医療は認めていないということですね。
○井内移植医療対策推進室長 はい。
○神田委員 分かりました。
○山口委員 法律のことに関して、1つは先ほど韓国のプライベートバンクの話をしたのですが、それが有償での採取をしていると伺っております。有償の場合には、再生医療法だと有償での採取は禁止されているので罰則に掛かるのですが、臍帯血、要するに造血幹細胞移植の場合にも有償での採取というのは許可されることになる。それはそれとは別なのですか。
○井内移植医療対策推進室長 特に有償だから駄目だということにはしていません。そこが問題であるということであれば、何らかの手を考えなければいけないと思っております。
○山口委員 あと、もともとプライベートバンクというのは、例えば脳梗塞の治療とか、そういうことにも使おうと。割と再生医療的な目的で採取されたと思いますが、今回どちらかに落ちて、造血幹細胞でもどちらでも法の適用の中に入るということで、そうすると、両方のどちらに掛かっても同じような罰則規定になっているのか。要するに罰の重さとかそういう意味ですが、それはバランスが取れているのか、それともそれぞれ別個に考えておられるのか、その辺の法の立て付けみたいなところが分かったら教えてください。
○井内移植医療対策推進室長 おおむね並んでいます。
○坂巻委員長代理 ほかにありますか。よろしいですか。それでは、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則及び移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の一部を改正する省令案の概要、移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針の改正案の概要及び今後のスケジュール(案)、この3つの議題について本委員会として了承することとしたいと思いますが、よろしいですか。
(了承)
○坂巻委員長代理 ありがとうございます。それでは、事務局におかれては改正省令案に係るパブリックコメントの手続を開始するとともに、それぞれの改正に向けて必要な準備を進めてください。それでは、最後に議題3、その他となりますが、委員の先生のほうから何か御発言はありますか。よろしいですか。それでは、本日の議題は以上となります。その他、事務局から何かありますか。
○幕内室長補佐 本日は活発な御議論を頂きありがとうございました。次回の委員会については、先日御連絡を申し上げたとおり、資料3にもありますが、1月31日(木)14時から16時に開催する予定です。お忙しいところ申し訳ありませんが、御出席いただきますよう何卒よろしくお願いします。また、現在、厚生労働省全体の取組として、会議のペーパーレス化を推進しているところです。当委員会についても、次回以降はタブレット端末を使用することを検討しておりますので、御承知おきいただければと思います。
○坂巻委員長代理 それでは本日の会議を終了します。ありがとうございました。

 

 

(了)

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