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2018年9月26日 第53回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成30年9月26日(水)15:00~17:00

 

○場所

一般財団法人日本航空協会 航空会館501+502会議室(5階)
(東京都港区新橋1-18-1)

○議題

(1)今後の造血幹細胞移植推進拠点病院のあり方について
(2)平成31年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要について
(3)その他
 

○議事

○瀬戸室長補佐 第53回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会を開催します。本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。まず事務局の異動がありましたので、御紹介します。本年7月31日付けで健康局長に着任した宇都宮です。ここで一言、御挨拶させていただきます。
○宇都宮局長 7月31日付けで健康局長に着任しました宇都宮と申します。よろしくお願いします。本日は大変御多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、平素より移植医療の推進に御協力いただいておりますことを、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 さて、本日の議題ですが、「今後の造血幹細胞移植推進拠点病院の在り方について」ということで御議論いただくとともに、来年度の概算要求について、御報告させていただくことになっています。特に前者の拠点病院については、前回の委員会において3点、事務局から説明したということです。1点目は、移植推進法が成立してから拠点病院事業を開始するまでの経緯及び事業の概要。2点目は、この拠点病院における人材育成事業、コーディネート支援事業、地域連携事業の成果と課題。3点目は、拠点病院事業開始後から現在に至るまでの、造血幹細胞移植医療における状況の変化ということです。これらを踏まえ、今後の方向性などについて、御議論いただいたということです。
 その御意見を踏まえて、具体的な取組及び進め方につきまして、事務局として案をまとめさせていただきましたので、是非忌憚のない御意見を頂ければと思っているところです。本日の御議論を通じまして、今後とも移植医療が推進されますよう、我々としても切に願っており、また、そのために努めてまいりたいと考えているところですので、今後とも是非よろしくお願いします。
○瀬戸室長補佐 局長はこの後、所用により退席させていただきます。本日の委員の皆様の出欠状況ですが、垣見委員、野村委員、山本委員から欠席の御連絡を頂いています。また、坂巻委員、平川委員から遅れて出席する旨の御連絡を頂いています。
 続いて資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第にあります配布資料一覧を御参照ください。まず資料1は、造血幹細胞移植推進拠点病院事業の在り方について。資料2は、平成31年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要。参考資料1として、造血幹細胞移植医療体制整備事業選定・評価会議設置要綱。以上3点となっておりますので、不足等がありましたら、事務局までお伝えください。
 これより議事進行を小澤委員長にお願いします。よろしくお願いします。
○小澤委員長 それでは、議事に入ります。今日の議事次第の2番に議事(1)(2)(3)とありますが、1番が「今後の造血幹細胞移植推進拠点病院の在り方について」、2番が「平成31年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要について」、3番は「その他」ということで、大きな議事が2つありますが、それぞれ事務局より説明していただきまして、議論に入りたいと考えています。
 それでは、まず1番の「今後の造血幹細胞移植推進拠点病院の在り方について」、事務局から説明をお願いします。
○井内移植医療対策推進室長 それでは、資料1を用いまして、「造血幹細胞移植推進拠点病院事業の在り方について」の説明をさせていただきます。1枚めくっていただきまして、これまでの経緯ということで、この辺りは前回の委員会でも説明させていただきましたとおりですが、造血幹細胞移植医療体制整備事業ということで、3ページ目ですが、現在このような形で事業を行っているというものです。
 事業の目的です。適切な時期に、適切な種類の移植を提供できる体制。どこの地域にいても、誰でも、より安全に受けることができる治療方法。長期生存が得られるようになった際に、移植後のより良い影響と、フォローアップ体制の構築というのが目的です。
 事業の内容としてはその下のポンチ絵です。地域の移植医療の中核組織としまして、造血幹細胞移植推進拠点病院が置かれまして、その中で左側、人材育成、特にHCTCというのが非常に有効ということで、この育成が始まったばかりでしたので、HCTCを中心に医療人材の育成。あと、コーディネート支援ということで、コーディネート期間の短縮というのは、委員の先生方も御存じのとおりですが、大変重要ということで、コーディネート期間の短縮を重視するための工夫をやっていただくということ。右側のほうで、地域連携事業ということで、地域の移植施設間で相談体制であったり、セカンドオピニオン、非専門医、開業医も含めた長期フォローの体制ということで、こういった体制の構築ということに努めていただいた。一番下の右下ですが、こういった拠点病院でそれぞれがやっている事業ということを持ち寄って、それぞれの人材育成、コーディネート支援、地域連携、それぞれの項目で、いろいろ各地域で工夫されていることをお話をしていただいて、より良い成果を出すようにという御努力をしていただきました。
 次のページです。4ページ目ですが、その拠点病院が全国8ブロック、9施設を認定ということで、現在このような形で進んでいるというものです。造血幹細胞移植医療体制全体の課題ということで、現在どうかということで、移植術・再手術を行う移植医、その他移植医療を支える職種を育成する体制は、学会の移植認定診療科の増加とともに、確保されつつあるということですが、人材育成がまだ不足している地域があるのかどうか。これについては地域間の差もあるということで、評価が必要ということ。さらに非血縁者間の骨髄移植のコーディネートの期間は、改善傾向にあるということですが、骨髄の早期採取への取組は更に短くできないか、継続して行う必要があると。その次ですが、地域連携が進んでいる地域と、まだ十分に進んでいない地域があるということで、引き続き地域連携の強化を進めていただく必要がある。「その他」ということで、長期生存者の増加に伴う適切なフォローアップ体制が必要。長期生存者の数がどんどん増えてきているということですので、こういったフォローアップ体制と、その中で社会復帰支援も含めた移植後患者の生活の質の向上のための取組というのも、重要になってくるのではないかということです。
 次に6ページ目以降ですが、こういった状況を踏まえまして、前回の委員会で頂いた御意見を挙げさせていただいております。7ページ目ですが、「造血幹細胞移植医療体制の目指すべき方向性」という所では、ここに挙げさせていただいたような御意見を頂いております。上から順番にまいりますと、「今後も長期生存者は増え続けていく。各地域におけるフォローアップ体制を強化していく必要があるのではないか」ということ。「移植後患者には若い人も多いため、がん拠点病院における取組等を参考にして、就労支援も今後考えていくべきではないか」ということ。「就労支援や復職や復学だけでなく、これから就職先を探す世代の患者のことも考えるべきではないか」「社会復帰できる環境を整備することを明確にすることで、関係機関とより幅広い連携を図ることの重要性が高まるのではないか」という御意見。「社会復帰を考える上では、患者側だけではなく、患者を受け入れる側である企業等に、どのように情報発信していくかも重要ではないか」、このような御意見を頂きました。
 次のページは拠点病院の事業内容ということで、現在やっていただいている事業内容について、評価であったり、今後ということで御意見を頂いたものです。これも上から読み上げさせていただきますが、「出張形式の拠点病院セミナーでは、他県の医師以外の多職種の状況が分かり、情報の共有が図られたのではないか」ということ。「コーディネート期間の短縮は、この拠点病院事業の大きな成果と考えられるのではないか」という御意見。「利便性の低い地域においては、移植経験のある医師を遠方の病院に配置できるようになると、移植が必要な患者を早期に把握することができ、また、移植後の患者の通院も楽になる。そのため、さらに人材育成が必要ではないか」ということ。「地域の医療機関や産業医が、患者の治療経過などの医療情報を正確に把握して、適切な医療を提供できるよう、患者手帳を普及させていくというのはどうか」ということ。「地域連携において、患者手帳の配布や地域でのマニュアル作成、医師会や保健師会と連携したセミナーの開催など、より具体的な内容を盛り込むべきではないか」ということ。「拠点病院の役割は、移植医療を実施する中心となるということではなくて、移植医療を推進する上で拠点となる機関であるべきではないか」という御意見。さらに「拠点病院の独自の取組について、積極的に拠点病院同士で共有してはどうか」ということ。さらに「これまでの拠点病院事業においては、人材育成事業、コーディネート支援事業、地域連携事業という枠組みの中で、最初から具体的な目標がはっきりしていなかったため、今後は拠点病院はどこに力を入れていくべきか、各地域の実情に応じて、個別に具体的な計画を立てて行うべきではないか」という御意見。さらに「各ブロックごとに必要となる事業は異なっており、画一的に事業を行うことは難しいのではないか。拠点病院単独で、そのブロックの移植医療の責任を持って行うのは負担が大きすぎるため、拠点病院だけに任せるのではなく、連携協力病院などの、その地域内の他の病院も含めた協力体制を作り、そのブロックでどの事業をどのように行うかが重要である。拠点病院はそういった地域における取組の中で、コーディネーターの役割を担っていくべきではないか」という御意見を頂いています。
 さらに次のページですが、拠点病院の選定・評価方法ということで、「拠点病院の選定に当たっては、あらかじめ基準を一律に定めるよりも、各地域においてどのような活動をしていくのか、各拠点病院から提案を行わせるのがよいのではないか」「行政において、事業の内容を更に明確にさせ、それを基に各拠点病院において、具体的な計画書を提出してもらうのがよいのではないか」「応募の際には具体的に、この事業をこの地域でこのようにやりたいということを明確にしていただいた上で採択するほうが、事業の成果の評価もしやすくなるのでないか」「ブロックの設定については、ゼロベースで見直すよりは、原則、現状のブロックを参考に考えるべきではないか」「その上で地域の実情に応じて、柔軟に考えていくのがよいのではないか」「全地域をうまくカバーできているかについては、採択後に必要に応じて調整を掛けていくのがよいのではないか」「拠点病院事業の評価方法も、必要に応じて見直していくべきではないか」という御意見を頂いたところです。
 次のページからですが、今後の拠点病院事業ということで、どのように進めていくかということです。まず11ページ目、これは前回の委員会でも出させていただいた、大きな方向性ということで、これについては前回の委員会で合意していただいたという理解でおります。その中で1、2、3、4とありますが、1、2、3までは今までの所と同じ。4の所で、造血幹細胞移植を受けた患者が、地域で安心して暮らしを続けていくことができるよう、関係者と連携して、社会復帰できる環境整備を支援する体制。こういったことを加えて、こういった方向で進めていけばどうかということで、ここについては合意が得られたと、こういった方向で進めていくべきと考えています。
 次のページからは案です。現在の拠点病院事業を踏まえまして、前回の委員会で出た御意見を基に、このような形で作ればどうかということで、事務局のほうで案を作らせていただきました。まず12ページの下のポンチ絵を見ていただきますと、造血幹細胞移植推進拠点病院、真ん中にありますが、1つあるのが下の黄色の所です。今はこの推進拠点病院単体で事業を行っていただいておりますが、これに造血幹細胞移植推進協力病院ということで、拠点病院が指名した複数の協力病院と一緒に考えていくということ。
 さらに、人材育成、コーディネート支援事業、地域連携事業、こういった所は同じ中身かなと思っているのですが、そういった中で、いわゆる人材育成事業では、ブロック内での人材不足の状況を抽出していくということで、実際、エリアによっては人材育成というよりも、地域連携、コーディネート支援のほうに力を入れるべきという所も出てくるのではないかということで、まずはその地域、ブロック内でどういう状況かということを考えていただく、ということを入れています。コーディネート支援事業は、今まで以上に骨髄バンク等と連携を強化していくという中で進めていただく。
 地域連携事業のほうでは、ブロック内でのLong Term Follow-Up外来設置の増加・共有化、そういったことに取り組んでいただく。非専門医、診療所等も含めた、地域の医療機関との連携を強化していくということ。そういった中で、連携可能な医療機関の見える化等もして、地域で患者さんのほうから見ても、より分かりやすい医療体制にしていくと。一番最後の移植後患者の就労相談窓口の設置等、これについてもやっていただくということで、特にこの地域連携事業の所は、各ブロックともに力を入れてやっていただくということかなと考えています。
 その上の矢印になりますが、初年度ということで、まず、どういった応募の仕方をしていただくかということです。造血幹細胞移植推進拠点病院が協力病院を指名して、ここで協力をする中で、各ブロック内での人材育成や地域連携における課題などを評価し、解決に向けた事業計画書を協力病院と相談をして厚生労働省へ公募申請時に提出すると。その上で選定・評価委員会を、厚生労働省内に設置させていただきまして、ここで審議をいただくと。この際に原則、現在のブロックを前提としますが、計画書を基に拠点病院の配置数を決定ということで、結果的に我々としましては、オールジャパンを網羅する形ということになれば、ブロックについては現場で、こういった所でグループを組むのが一番効率的なのだという御意見を尊重させていただければいいのではないかということ。
 計画書を基に各拠点病院における予算の配分を決定すると。現在、予算のほうは各病院一律、同じということになっておりますので、この事業内容に応じた予算の配分ということも、決定していけばいいのではないかということです。こういったプロセスを経て、造血幹細胞移植委員会に報告をさせていただくというスキームではどうかということです。
 13ページですが、こういった形で初年度は進めさせていただいた上で、それ以降ということで、事業取組の報告評価ということで、このポンチ絵のほうですが、造血幹細胞移植推進拠点病院と協力施設のほうで、年度前に各事業の進捗状況を取りまとめると。これにつきましては、当初こういった計画で、人を育成するとか、地域連携を進めるという計画書に基づいて、どこまで進んでいるのか、計画通り進んでいるのかどうかということを、選定・評価会議のほうで議論をしていただいて、もう少し改善すべきところがあるのか、このまま進めていけばいいのかという評価をしていただく。その上で、その評価も併せまして、この委員会に提出をしていただき、報告をさせていただきまして、また、この委員会でも御忌憚のない御意見を頂いた上で、それを推進拠点病院のほうに返していくという形。こういった形で進めさせていただければどうかということです。
 次の14ページに、今の拠点病院事業と今後変わっていくところを端的にまとめさせていただいたものがこれです。まず人材育成、コーディネート支援事業、地域連携事業の3事業を引き続き行うと。ただ、各地域において必要な事業を優先的に行う。どの事業に注力するかについては、その事業について具体的に記載した計画書を公募の際に提出ということで、各ブロックでしっかりと考えていただくということ。
 2点目は、拠点病院を申請するための事業計画書を作成するに当たり、地域の情報を選定された場合は連携して事業を行う協力病院を候補病院が指名と。申請書には協力病院名のリストも提出していただくということ。拠点病院がカバーするブロックについては、原則、現在のブロック割りを前提としますが、候補病院が各自判断して申請をすると。ですので、今分かれているのが合併したり、分割されたりということで出していただくと。最終的には選定・評価会議で調整を行いまして、日本全国が網羅されているという形にする。拠点病院が選定された後の事業評価は、公募の際に提出した事業計画書の進捗状況を基に判断する。各拠点病院事業の予算については、申請時の計画書並びに事業評価を基に、選定・評価会議及び造血幹細胞移植委員会等での審議を基に決定する。地域連携、患者相談及び就労支援の強化を、事業としては行っていくということです。こういった形で進めさせていただければどうかというものです。
 15ページにつきましては、具体的な事業計画書内容のイメージということで、人材育成、コーディネート支援、地域連携につきまして、こういった項目で、いろいろ各ブロックで考えていただいて、事業計画を作っていただければいいのではないかというイメージです。
 さらに16ページも、これもまたイメージですが、今回、就労支援相談窓口ということで、まずは我々としましても、いきなり就労支援相談窓口を設置しても、機能するかどうかというのは正直あると思いますので、例えば1年目は実態調査とか、どういったところが問題なのかというようなところから、この事業のことについては進めなければいけないかもしれないと思っていますが、将来的には地域支援センターにあります就労相談窓口のほうが、患者、企業、専門職、関係団体、ハローワーク等とも連携をするという形で、患者さんに寄り添った形での就労支援というのができていくのが、最終的な目標ではないかと考えています。
 今後のスケジュール案ということですが、2018年8月、9月にこの委員会で議論をしていただきました。本日、今から議論を頂くということですが、ここでうまくまとまるということであれば、12月には応募要領、実施要綱を決定して、1月には公募を開始したいと思っています。今回のところは協力施設等もありますし、ブロック全体を見渡していただくということもありますので、学会との連携というのも非常に重要になってくると思っておりますので、そういったことにも御配慮いただけるよう、学会のほうにもお願いに行きたいと思っています。さらに6月、9月に選定会議で選定を行うということで、11月に拠点病院のほうを実際に決めて、本委員会にも御報告をさせていただいた上で、12月に交付要綱を決定し、スタートはその次の4月からということで、進めさせていただいてはどうかと考えています。2020年4月までは現在のスキームで、今の拠点病院に現状のスキームの中で、しっかりと頑張っていただくということで、お願いをしたいと考えています。このような案を作りましたので、本日の委員会で御議論いただければと思っています。よろしくお願いします。
○小澤委員長 ありがとうございました。今日はこの議題がメインテーマで、十分時間を取ってあります。場合によっては1時間程度議論することになると思いますが、内容は非常に多岐にわたりますので、全部いきなり議論してしまいますと混乱するかと思います。前回の委員会ではフリートーキング的に自由に皆さんの御意見を御発言いただきました。それがかなり要領よくコンパクトにまとまっているわけですが、今日のまとめの中で落ちている点とか、是非追加しておきたいとか、そういったことで何か御意見はありますか。前回のまとめはこれでよろしいかどうか、御意見はいかがでしょうか。こういった拠点病院の在り方について、反省点も含めて問題点を洗い出してもらった感じですが、御意見はいかがですか。
○梅田委員 全体でもよろしいですか。
○小澤委員長 前半のほうですね、御意見を頂ければお願いします。
○梅田委員 資料の内容の確認をと思いました。
○小澤委員長 よろしいですか、落ちている点とか、何かなければ、議論を進めていきたいと思います。2の前回の問題点としては、造血幹細胞移植医療体制の目指すべき方向性とか、現在の拠点病院の事業内容について、いろいろな意見を頂いたわけです。そのまとめ方、拠点病院の選定・評価方法、この辺も最初ですからいろいろ問題点もあったわけですが、今後、反省点を踏まえて進めていくことになります。特に御意見がないようでしたら、3番以降の今後の拠点病院事業についてということで、11ページでは、前回の委員会における合意事項として、その4点がまとめられております。そういったところを踏まえて今後の拠点病院事業の具体的な取組として事務局案が12ページでまとめられています。こういう方向性でいいのかどうか皆さんから御意見を頂きたいと思います。前回の反省を踏まえて、かなり柔軟な形で拠点病院をまた新たに設定していこうという感じですが、地域によって、ブロックによって事情が異なりますので、その辺も踏まえてそれぞれの拠点病院の候補を申請するというところで、いろいろその地域にふさわしい活動内容を考えて提案してもらう形になると思います。
 また、移植推進協力病院との共同の活動になると思います。最終的にこういう形になると非常に望ましいとは思いますが、この辺、最初どういうふうに適切な組合せを作るかということになると、具体論は結構難しいところがあるかと思います。御意見、何か少し分かりにくい点とか、この辺はどうかとか。学会と調整しながら、どういう所が申請して、どういう所の協力病院と組んでいくかとか、この辺の調整はかなり難しいような気もしますが、岡本委員、何か御意見いかがでしょうか。
○岡本委員 一番最初に今回の資料ですが、前回の非常に多岐にわたる様々な意見がとてもよくまとまっていると思います。ですから、これに基づいて今後の体制を築いていけばいいと思います。仮に移植推進拠点病院というものの申請をしようとする立場に立ったときに、私の場合には東京にいるので、東京にいて、いろいろ関東の地域の実情等々をどう把握していくかといった情報収集を踏まえて実際に提案をすることになるわけです。拠点病院を中心に置いた体制ができている所においては非常に進みがいいと思いますが、新たに連携病院を置く地域ではその先生方と今から結構しっかりディスカッションをしていかないと、なかなか良い案は出ないということを思ったところです。
○小澤委員長 1月から公募開始で、その後もかなり時間に余裕はあるようですので、時間的には何とかなるかと思いますが、いきなり公募を開始して、皆さん応募してくださいとやっても、混乱は必至だと思うのです。ですから日本的に言うと根回しとか何とかということになってしまうかもしれませんが、先ほども学会と連携しながらというようなお話でもありましたし、学会としては全国を見渡しながら、どういう形で、どういう所に申請をお願いしていくかとか、何か調整を図らないと収拾が付かなくなるような気もしますが、その辺は。
○岡本委員 学会としても移植推進拠点病院事業に関しては全面的に協力するということで、ディスカッションしながら進めていきたいと考えております。具体的にどのようなディスカッションをしていくかについては、今後検討したいと思います。
○山口委員 2点ほど質問させてもらいたいのですが、1つは14ページで、今、岡本先生が意見を述べられたような所にも関連するのですが、公募の際というか、要するに計画書を提出する際には、今回、協力病院を申請の時点で指名する形になっているのですが、その中身を十分に検討するとする必要性があることと、逆に言うと本当は計画の段階からやったほうがいいような気もしたのです。その後でもちろん調整はあるような気はするのですが、相当時間を持って話をしないと、なかなか難しいのではないかという気がします。申請時点というのは、要するに公募して、計画書を認められて、それから申請する時点になりますよね。申請というのはそういう意味ですよね。
○井内移植医療対策推進室長 いや、申請というのは応募するときなので、先生の言っているイメージのとおりです。計画書を出す前の段階で協力病院は指定していただきます。
○山口委員 分かりました。だから、申請というのは、要するに計画書が通って、普通、研究などの場合、それから申請しますよね。その申請だと思ったので、そうではないということ。
○瀬戸補佐 公募です。
○山口委員 公募への応募ですね。
○井内移植医療対策推進室長 はい。
○山口委員 分かりました。では、それはそれで結構だとは思います。あと、進捗状況を選定・評価会議で管理するというか、これがPOみたいな形かと一瞬思ったのです。そのPOの働きは非常に重要な気がするのですが、こういう会議でやるのか、それとも何らか厚労省の人が行くのか、誰か行くのか、学会がやるのか、どういうふうに進捗状況の管理をやられるのか、その辺が一番大事な気がするのですが。
○井内移植医療対策推進室長 現在のイメージでは、この選定会議で議論をしていただくと。そのために各拠点病院から計画書などを1年ごとに、ここまで進みました、これができました、できませんでしたというのを上げていただいた上で、それを選定委員会で評価すると。その評価も含めた上でこの委員会に報告をさせていただいて、更にそこでまた御意見を頂ければ、それを含めて拠点病院に御意見をお返しすることができるかと思っています。
○小澤委員長 最初の協力病院ですが、これは最初の申請の段階では、拠点病院として申請する病院は、一方的にここと、ここと、ここを協力病院として指名して申請しますという形にするのか、協力病院とある程度打合せをして申請するのか。一方的に指名して、てんでんばらばらに申請が出てくると、依頼された協力病院は、あちこちから頼まれて混乱するような気もしますし、そこはどういう形になっているのですかね。
○井内移植医療対策推進室長 これは協力病院の了解を取っていただいた上で、計画書を策定するに当たって、今回の案でいきますと、推進拠点病院1つで、そのブロックの全体の実情を把握して計画書を作ることは不可能だと思いますので、当然、協力病院とも連携していただいた上で計画書を作っていただくと。
 これも本日決まれば、私から学会にお願いに行くことになると思うのですが、実際、今までの推進拠点病院は、拠点病院だけの判断で応募する、申請することができたと思いますが、今回のこのイメージでいくと、いくら1病院で頑張ろうと思っても、協力病院の同意とか、協力病院とどう役割分担していくのかというのがなければ、なかなか難しいと思いますので、この事業をきっかけに、学会の中でも各ブロックでどういった体制を築いていくのかという議論をしていただいた上で、ここの病院が中心になってこういうやり方がいいのではないかということで出していただけるのが、一番理想かというイメージを持っております。
○小澤委員長 そうすると、最終的に応募する前に学会が相当調整をしないと難しいですね。
○岡本委員 学会が調整する必要はあると思うのですが、地域である程度詰めていかないと。学会は必ずしも情報をすべて持っていないと思うので。1つ質問ですが、ブロックという考え方で集まって、このブロックでやっていこうということが出てきたときに、カバーできたブロック以外に、抜けている所、オーバーラップする所が出てくると思うのです。そういったものの交通整理をどの段階でしていくかというところの事前の意見の合意を得ていく必要があると思うのですが。
○井内移植医療対策推進室長 一番理想なのは、各地域で申請をするときにうまくできていればいいかと思うのですが、ただ先生がおっしゃったように、細かいところでオーバーラップをしたり、抜けていたりということがあるということも想定できますので、この最後のスケジュール案で、選定会議を6月と9月ということで2回作らせていただいております。必要に応じて、これは期間も長めに取っておりますので、複数回やることになるかと思います。そういう問題があったときには、この期間に選定会議の御意見を踏まえ、申請してきた病院に微調整が可能かどうかも含めて調整ができるかと思っておりますので、最終的な調整はこの期間にやるというイメージでおります。
○岡本委員 そうすると、現時点ではどのくらいの拠点病院なのか、どのくらいの協力病院になるかということについて、まず数は規定していないということですか。
○井内移植医療対策推進室長 イメージとしては現在のブロック別ということですので、現在のイメージですが、例えばブロックがくっ付いたり、ブロックの中で分かれたりということは、地域でお話合いをしていただいた上で、ここでこういう分かれ方をしないと余り機能しないよねということであれば、当然その考えのほうが尊重されるのかというのがあります。これは桁が変わるとかということまでは考えていないので、100になるとか200になるとかは考えていないのですが、おおむねこれくらいの数があろうとは思っていますが、前回の委員会の御意見も踏まえ、特に今回、事前に何病院とか、このブロックで厳格に分けることはしないということでさせていただければと思っております。
○岡本委員 地域によって特質はかなり違うと思うのですが、全くインディペンデントに1つの拠点病院があって連携施設を付ける所と、全く関係がないわけではないけれども、ある程度オーバーラップする所があって、でも1つに統合することは少し難しいとなったときに、その調整を選定会議の中で行っていくという理解でいいですか。
○井内移植医療対策推進室長 はい、そういった微調整を、今度は選定会議の意見として、申請してきた推進拠点病院の候補にこういう変更ができないかというお願いをして、調整を掛けていくのかと思っております。
○小澤委員長 いかがですか。実際にやるときには、この辺が難しいのではないかとか、何か御意見がありましたら、御指摘いただければと思います。
○鎌田委員 質問ですが、ブロック割りは現在のブロック割りを前提ということですが、そうすると募集を掛ける段階でも一応このブロックということで掲示することになるのですか。
○井内移植医療対策推進室長 募集の仕方としては、原則、現在のブロックでという言い方で募集をするということになると思います。
○鎌田委員 最初に9病院そろうまでの選定の段階において、ブロック割りにいろいろな問題があったりしたのは、その後の事業の運営とか、それを反映させている案を出してきていただいて、良い方向に向かっていくのだろうと思います。以前の選考過程で印象的だったのが、例えば四国では、私たちが地図で見ると、四国で1ブロックというのは合理的に思えますが、実際には先生とか人の南北の行き来というのは、暮らしの中でも余りない。必要なときは本州へ出て行ってしまうということもおっしゃっていたりしていたのがすごく印象に残っていたのですが、そうした実際のそれぞれの地域の事情が、そこにいらっしゃる方々でないと分からない部分もたくさんあると思うので、それがどう反映されていくのかと。反映しきれるのか。例えば、こちら側の地域のことは手を挙げてくれる病院があって分かるけれども、では残ってしまった所はどうなるのかということも、どう反映していくのかが難しいかとは思いますが、そういう問題が出てくるのかと思います。
○井内移植医療対策推進室長 これも先ほどの選定会議での最終調整になるかと思うのですが、我々といたしましては、ブロックがぼこっと抜けているというのは、この事業の趣旨に合わないと思います。逆にオーバーラップなどであれば、もしかしたらその地域の特性などで右と左に、西に行く、東に行く人、分かれているという実情はあるかもしれないので、そういった場合、オーバーラップはあるかと思うのですが、抜けている場合は近隣の所、どこかがカバーできる形ということでやっていただければ有り難いと思っております。
○小澤委員長 何か御意見はいかがですか。ブロックによってほかに考えられない、ここだろうと思われる所もあれば、たくさんの移植医療病院があって、調整は結構難航しそうだとか、いろいろ難しい面もありそうな気もしますが、何か御意見はいかがですか。できるだけうまく現状よりはより良い形の拠点病院の選定作業が進められることを期待したいのですが、どういったことを考慮しておくのがよろしいか、御意見は何か。
○岡本委員 このブロックは、後で微調整をするとしても、すごく重要かと思うのです。例えば、関東甲信越で取ったときに、拠点病院にプロポーズさせるといったときに、1拠点病院でここの広い領域をプロポーズできるというのは、なかなか難しいかと思うのです。そういう場合に、2つ置いた案を考えるとか、そういったこともバリエーションとしてあったほうがいいのではないかと思います。というのは、前回やって、余りにもブロックがちがちの所でやっていくと、必ずしもうまく成功しない、物事がスムーズに動かないことが分かったので、そういったフレキシビリティーをある程度分かるようにしてやっていくといいのではないかと思ったのですが、その辺はどうですか。
○井内移植医療対策推進室長 正にそのとおりだと思っており、多分、関東が一番難しい所かと思っているのですが、これは今日決まれば、私からも学会のほうにお願いに行かないといけないと思っています。拠点病院が単独で私がやるという申請の仕方はルール上はできるのですが、そうではなくて、関係する皆様方の施設の方々で相談をして、ここが中心になって、このブロックをカバーしたほうがいいのではないかと。そうなると、こちらが空くから、こちらにはこちらが中心になってやったほうがいいのではないか、そういった大局的な議論を少し皆さんでやっていただいた上で、代表の所が出していただくことが有り難いのかと。我々としてのイメージは、極端なことを言いますと、例えば今、関東は2つですが、これが5つ、6つに分かれてグループ化して出てくることも、そういった方法もあるのかとは思っております。
○小澤委員長 いかがですか。先ほど岡本委員から幾つかの考え方、複数の考え方で出してもいいのかというお話がありましたが、それはそれで大変な作業になる気もしますし、ある程度この委員会で方向性を少し出してみてもいい感じはします。北陸地方にも1つ置くかどうかとか、毎回問題になっている四国をどうするかということで、四国と中国を一括するかとか、そういったところで、北海道とか、東北とか、その辺は地域的にもばしっと決まっているような所をまた幾つにも分けるのは考えにくいわけです。九州を幾つにも分けるのも難しいでしょうし、ある程度少し方向性を議論しておいた上で調整作業に入ってもらったほうがいいのかという感じもしますが、皆様いかがですか。
○張替委員 ブロックでうまくいくかどうかは、例えばみんな学会の支部単位で活動しているので、それが1つの目安だと思うのです。東北支部、北海道支部、中四国は一緒にやっているので、そこはある程度日頃から一緒にやっているので、そこは1つ。しかし近畿とか東京は多分、学会支部といってもすごく大きいので、そこは事前に何らかの研究会なのか何なのかである程度取りまとめをして、そこが出して、そこに所属している病院はそこの協力病院に入るような。ある程度日頃一緒にやっている学会支部なり研究会で1つになって、要するにその中で話を出すというのが、多分話はしやすいと思うのです。結局、推進病院があって、協力病院があって、その後枝分かれしてというのが穴が空かない仕組みなので、そうすると、日頃から一緒にやっている所で出していくのが。例えば、先生たちは、東北とか北海道は、多分支部単位、研究会もそれぞれやっているので、それは話はまとまりやすいし、多分、九州は九州、中四国、その辺の活動単位で出してもらうのが一番いいのではないかと思うのです。先生、そうすると、北陸はどうするかですよね。
○小澤委員長 そうすると、例えば今ある関東甲信越ブロックは、どういう形になりそうなのですか。
○岡本委員 先生御指摘の北海道、東北、九州、中国、四国、これは割とまとまっているので、今でも学術的な面での交流がありますね。関東甲信越はそれほどない。
○張替委員 血液学会の支部というよりも移植病院での何らかのネットワークがあれば、そこで相談をして代表を出すとか、2つ出すとか。
○岡本委員 それがいいように思います。
○張替委員 はい。そのときに、そこの所は必ずしも関東甲信越をイコールでバランスしているわけではないので、そういったところをどう補填していくかというところで、それ以外のグループにはどういうものがあって、どう連携ができるかと、そういう議論。そうなってくると、このブロックの中でも、少しバリエーションというか広がる、狭まる、こちらがこちらへ入るといった、そういったバリエーションが出てきて、最終的に落ち着くという方向ではないかと思います。
○小澤委員長 何か難しいところですね。何か御意見。
○坂巻委員 このブロックの考えの中で、関東甲信越ブロックが一番大変だという気がします。広いし、数も多いし、地域性も実は関東甲信越と言いながら大分違いますので、これを関東甲信越ブロックのままでそれぞれで考えてくださいと出しても、これは逆に言うと誰も手を挙げなくなってしまう危険があるので、ある程度少しブロックを分けて提案するしかないのかという気はするのです。ともかく関東甲信越は、これ1つでのブロックというのはあり得ないという気がします。
○小澤委員長 現状でも2つ拠点病院があるわけですけれども、それにしても病院の数からいっても、あるいは移植実数からいっても相当大きな地域になりますので、神田委員、何か御意見はどうですか。
○神田委員 この地図を見ながら、どうにもうまくいかないなと頭を悩ませていたのですけれども、実際に患者さんの動きを考えると、新幹線とか交通の網に沿って分割していくのがいいのか。ただ実際の、関東も幾つか移植の組織はありますけれども、関東甲信越全部を網羅しているわけではありませんので、一堂に会して話し合うという場面も少なくともこれまではなかったのではないかと思います。
○小澤委員長 どのように分割していくのがいいのかという観点からはどうですか。何グループかに分けるとか。
○神田委員 関東甲信越を更にですか。そうですね、例えば上越・東北新幹線沿線とか、そのように分けるのか、中央本線とか、長野でも松本と長野で交通の流れが全然違って、患者さんの流れも大分違いますので。かといって長野県の中は、信州大学という関連で言うと長野と松本は連携がありますから、それを交通網で2つに単純に割っても組織としてはうまくいかないかなとも思いながら、非常に難しいなと今思っていました。
○井内移植医療対策推進室長 今回、事務局案で、特にブロックの所については余り明確にしなかった理由ですけれども、神田委員からも今ありましたように、やはりいろいろな御意見があって、今ここでスパッと分けると逆に実態に合わない。現場でこのほうがいいのになという考えになったときに、それに合わなくなってしまうルールになるリスクがあるのではないかということで、ブロックについては現行を触るのではなく、実際の現場の先生方は、こういう話がここでされていることを恐らく御存じない中で、どういったルールで決めていくのかというところについても、現場の先生方でいろいろな御意見を出していただいた上で決めていただいたほうがいいと考えたからです。
 逆に初めから決めて、いわゆる前回のブロック分けのように画一的になってしまって、その後現場で何か良い意見が出たときに、余計にそれが反映できなくなるのではないかという危惧をいたしましたので、今回ブロックの所はかなりいい加減なのですけれども、原則今のままです。ただ新しい、いわゆるどういう形にするかということは柔軟に対応するということで、決まっているようないないような感じの形で御提案をさせていただいているというところです。
○小澤委員長 方向性だけは、そのようにフレキシブルに考えればいいとか、そういうことは一応確認はしておかないと現場の調整も大変な形になってしまうかと思いますけれども、関東甲信越はいかに大変かというのは今2、3人の委員の先生方の御意見でよく分かりました。あと、北陸のほうも東海北陸ブロックを2つ作るのもありかなとか、その辺については何か御意見はありますか。
○岡本委員 難しいとは言っても、逆にポジティブに考えてどこまで連携ができるのかという、そこで、ここはやはり難しいと言ったらそれはどこに吸収したほうがいいのかとか、その議論すらまだないわけなので、そういったところから話を進めていって、大変ですねで行ってしまうと結局このブロックを克服することができないので、難しい地域は当然残ってしまいます。やはり少し発想を変えて、まずディスカッションをしてというところではないかと思います。それから、今の現状でどのような割り振りか、大きく線を引く中に小さい幾つかのサテライトを置くような形でくっ付けていけば、ベストではないにしても全ての施設にアクセスなり、いろいろな所で人の流れも考えて、特に地域連携という中で均等に皆が移植するわけではないので、移植が終わった後戻ってきてとか、その中で地域のどういうバック体制があってそこにすぐ戻れるとか、そういった視点から考えていってどこに落ち着くかという議論をまず始めるというところで、その原案としてというか、非常に粗い案として今これが出てきているという理解で考えていかないと、いつまでたっても切りがない議論になるのではないかと思います。
○小澤委員長 要するに、とにかくこのブロックに縛られることなく、今度の新しい拠点病院を考えようという方向性は、今のいろいろな意見で大分共有されてきたと思いましたけれども、そのほかにもこういう難しい所があるとか、何か御意見はありますか。
○山口委員 今の先生のおっしゃることにはとても同意したいと思うのですが、厚労省の意見は多分、拠点病院をまず選定という形になっているのだけれども、むしろ例えば、北陸3県が話し合ってそこから拠点病院を選んでいくという、そういうルートもありだろうと思うので、やはりその辺の議論を先にしてもらって、そこから誰か代表に立ってくれという方向性が応募される先生方にきちんと分かるように情報を出すということが重要なのではないかという気がいたします。
○小澤委員長 今回の公募の情報が、本当に限られた移植医の皆さんにだけ伝わるのではなくて、やはり広く伝わらないとまた不平不満も出てきて不公正だとか、そのような話にもなってしまいますから、その辺をしっかりやらないといけないと思うのですが、この調整をいろいろ事務局で全部調整するのも大変でしょうし、やはり事務局からお願いと言われていますので、学会でいろいろ意見交換をして調整していただく必要があるかと思います。
○岡本委員 公募要領が出る前に学会がこういった情報、今度の移植推進拠点病院の事業のコンセプトが以前と変わったというところをしっかり皆に認識をしてもらうための情報発信をして、それに基づいて議論ができるような素地を作るということに最初に取り組むべきと思います。
○小澤委員長 ほかに何かありますか。
○鎌田委員 地域連携といったときに、病院同士の連携というのもあると思うのですけれども、実際に暮らしの中で患者さんがどう動くかというところで考えていくことも必要ではないかと思っています。もちろん既にお考えになっていらっしゃると思うのですが、難しいかと思いますけれども、そこも見ていただきたいというのが1つです。
 あとは、これからを考えるに当たって、実際に拠点病院として担ってきてくださった病院からのお話を伺いながら、前回は東北とか東京の状況とかを伺えたのがすごく参考になりました。次の選定とかをしていくときにも、数字に表れる結果みたいなのは前回資料でも頂きましたが、より深い実情等というのを知る機会が、厚生労働省では把握していらっしゃるのだとは思うのですけれども、実際に選定していったりとか、これからどういった形にしていくかというのを考えるときにも、そういった実際にやってみた意見というか経験とかというのを知る機会があるといいなと思いました。
○小澤委員長 そのほか御意見はいかがでしょうか。この拠点病院連絡会議についても、より活性化していく必要があるかと思いますが、この辺の活動内容については、事務局で何かお考えはありますか。
○井内移植医療対策推進室長 現在の案の中では、連携病院と拠点病院の連携会議のほうが、まだ明確な案としては書けていません。これについては、実際に選ばれた病院がどういう形になってくるかというのも関連してくるのかというのがありますので、そこのところはいずれにしても会議の形は取らせていただいて、全国レベルで情報が集約できる形は作ってまいりたいと思います。
○小澤委員長 そのほか、活動内容についてもいかがでしょうか。何か御意見がありましたらお願いいたします。
○山口委員 活動内容としてちょっと気になるのが、移植後患者の就労相談窓口の設置ということ、これが設置をするようにということになるかと思います。前回のときもちょっと意見を述べさせていただいたのですけれども、患者さんを社会に送り出すと言ったら語弊があるかな、送り出す側としてのいろいろな対策はもちろんあるだろうと思うのですが、逆に言うと、患者を受ける企業とかそういう所への対応というか、その辺は拠点病院でそこまでできるわけではないと思うのです。恐らく厚労省としてどういうことを患者に対してやっていくかと、そういう二輪の歯車になるのではないかという気がいたします。その辺は、設置してもらうのと厚労省がどういう対応を取っていくのかというのを、やはりうまく合わせていく必要があるのかという気がいたします。
○井内移植医療対策推進室長 まず、就労窓口の設置というのは将来的にやっていただきたいということで考えておりますが、恐らく今いきなり言われて初年度から設置しても窓口ができるだけで実効上機能しないと思いますので、実際にどういう患者さんのニーズがあるのかとか、どれぐらいの数の方が困っているのかとかということを集めて、それに対してどういう窓口を作っていくのが、地域によっても変わるかもしれませんので、そういったことを検討していただくのがスタートかと思っております。ただ、最終的にはやはりこの窓口で患者家族の相談を受けるだけでなくて、ハローワークであったりとか企業業医との連携であったりとか、そういったことも含めてできると。患者個別の対応になると思いますので、そういったこともできるようになるのが一番の理想かなと思っております。
○坂巻委員 この就労支援というのは、確かに重要な課題ですが、推進拠点病院に丸投げすることでは当然ないと思うので、やはりこれは国としての方針であり、厚労省、国としてもこれは積極的に推進していくというニュアンスを、応募のなかにも書いておかれるとよいと思います。
○井内移植医療対策推進室長 これは国の補助事業としてやっておりますので、当然こうあるべきだし、こうしてほしいという我々の考えもありますので、当然その中で進めていただくということは本日の御指摘を踏まえて現場に伝わるようにしたいと思います。
○小澤委員長 何とかいい仕組みを厚労省でお考えいただいて、そこに拠点病院も協力していくみたいな感じになるといいですね。
○井内移植医療対策推進室長 造血幹細胞移植では、国の仕組み自体が拠点病院の窓口ということになるという位置付けで、いわゆる造血幹細胞移植を所管している国の事業としての拠点病院事業なので、やはりここが中心になってやっていただくというイメージでおります。当然そこで何か足らないこととか、何かしなければいけないことがあれば、例えば研究費であったりいろいろなもので我々のほうはサポートをするというのは当然思ってはいますが、これ自体が国の事業です。
○小澤委員長 ただ、ここまでのものをこの委員会1つでカバーできるかというと、非常に難しいですね。社会構造に関わるような問題ですから、こういうことは本当はどこか議論できるいい場所が別に、前も話題に出たがん患者の場合もそうですけれども、もっと広く議論できる場がどこかにあるといいのですがね。
○井内移植医療対策推進室長 働き方改革の中で、全体の方向性というのはもう病気であっても働ける、当然そういった方向性を出す中でやっております。労働サイドのほうは労働サイドで当然、企業側にそういった環境づくりというのはいろいろな形で働きかけていると思いますし、今言っていただいたようにがんのほうも進んでいますので、そういったところでがんのほうとも連携が将来できるとかということであれば、こちらのほうも、必ずしも独立でやらないといけないというものではないので、将来発展していった先にいろいろな形というのは考えられるのかと思っております。また、労働側のほうのアクセスが問題になるということであれば、当然我々のほうからそういったところの問題を解決できないかということは、厚生労働省の中で議論ということもしていきたいと思っています。
○小澤委員長 何かありますか。こういう窓口があること自体が就労に関するいろいろな問題をピックアップできる窓口になるので、私はとても重要なことだと思います。ただ、やはり拠点病院だけで解決できない問題が社会システムの問題としてもあると、そういうものは拠点病院でできないところもあるので、それはやはり国として大きな方向性として、国の方針としてやるのだというニュアンスをきちんと出してもらえればいいのかと思います。
○井内移植医療対策推進室長 おっしゃるとおりです。我々としてはこの窓口で、今、委員がいってくださったように、どういったことが問題になってどこがボトルネックになるのかというのをより具体的に全国の拠点病院のほうで教えていただけると、我々としても全体としてどのような対策を打つのかということを、例えばがんのほうとも連携してとかということもできていくと思います。実際、我々としては国の補助事業で進めていますので、これは大事だというのはこの委員会でも前回お話していただいたとおり、そのとおりだと思っておりますので、逆にどこがうまくいけばもっとスムーズになるのかというのを、我々に教えていただければと思っております。
○梅田委員 一点確認ですが、就労の相談窓口で周知と書いてあるわけですが、患者さんがいかにそういう窓口があることを知るかが一番重要だと思います。患者さんがいろいろな情報を集めるところがポイントで、多くの情報に当たっても相談窓口にたどり着けなければせっかくいいものを作っても意味がありません。どこからその情報が得られるのかというところが非常に重要です。拠点病院が情報入手策を作ると思うのですが、それをどううまく周知するのかを御指導いただきたいと思います。
 同じことに関して、見える化ということが12ページの赤い枠の所の真ん中辺に、「連携可能な医療機関を見える化し」とあります。これも全く同じことですが、見える化をしてもその情報を誰が見れるのかなということです。同じような視点で重要かと思いました。いかに皆に知らせられるかというところに力を入れていただきたいと思います。
○小澤委員長 何かほかに御意見はありますか。医師会のほうから何か御意見はありますか。
○平川委員 私は議論を伺っていまして、質問が1つあります。冒頭の事務局からの説明であったかもと思いますけれども、遅参いたしましたので聞き落としたかもしれません。現在8ブロック9施設で拠点病院が選定されていますけれども、この拠点病院のうちで次期の新しい申請に、既にもう申請しないと表明している病院はあるのでしょうか。逆に、ここには載っていないけれども申請を予定しているという所はあるのか教えてください。
○井内移植医療対策推進室長 今のは、今議論いただいている新しい仕組みになった後ということでしょうか。
○平川委員 後というか、その申請の際に、既に次期は申請しないと。
○井内移植医療対策推進室長 恐らくどういう形になるかというのが本日の委員会等で決められた後に皆様方に周知ということになります。次にどのような形になるかを見た上で皆さんがもう一度出されるのか、そうしないのかというのを考えられると思いますので、現時点では全ての病院のスタンスはまだニュートラルだと思っております。
○平川委員 ありがとうございます。
○小澤委員長 そのほかはいかがでしょうか。手続面も含めて、何か御意見がありましたらお願いいたします。
○平川委員 そういうことであれば、私は是非各ブロックの拠点病院の先生方が、そのブロックの中でどのような移植医療をするのかを責任を持って、まずは声掛けをしていただいて、その中で血液の専門学会の方々の支部等がそれをバックアップして、議論をまず整理していただきたいと思います。地域によっては、上越新幹線ですか、そういった線路に沿って協力病院を作っていくのがよいのか、それとも大学単位での協力病院がよいのか、地域の特性がいろいろありましょうから、それはそのブロックの中で議論していただくとして、まずこの拠点病院、決まっている所が声掛けをして、複数の所は拠点病院同士での話合いをしていただいて、またブロックの中で学会等のサポートの下に全体として皆さんブロックの中の医療に責任を持つという点では共通して固い意識をお持ちだと思いますので、そのようにお話を進めていただければと思います。
○小澤委員長 そのほかには、よろしいでしょうか。活動内容とか、基本的には従来の活動は継続しながら新しいものを加えていくということになるかと思いますけれども、方向性、それから最後の所の今後のスケジュール案も大体このような形でよろしいでしょうか。
○岡本委員 ちょっと戻るのですけれども、就労支援の所です。本体の所の12ページの地域連携という赤枠で書いてある、前方連携と後方連携、ここが一番重要になってくるであろうということだと思います。就労ということに関しては、まず後方支援、いわゆるLong Term Follow-Upといったところと並行していって、そこと全くインディペンデントとなるものではなくて、そこから情報を収集していくものだと思います。これが同列になってくると計画を提示するところでも就労のところも書かなければいけないということで、こちらの思惑と違う方向になってしまうことがあり得るのではないかと思います。
 室長がおっしゃったように、最初は情報収集ということで、情報収集も窓口で集めるということよりLong Term Follow-Upの中で仕事の問題もクローズアップされてくるでしょうし、いろいろな方向から情報収集をしていかないといけないと思うのです。地域の都合も違うと思うので、そういったものが初めてある程度机に乗った段階で、どのように就労支援をすればいいかという今までのノウハウとどう結び付けていくかという議論になっていくと思います。計画の中でもこういう形でこれをやっていくのだということが見えるような応募をしてくださいというようにしていただいたほうがいいのではないかと思います。
○小澤委員長 何かありますか。よろしいですか。いずれにせよ、いきなり頭から就労支援の相談窓口ができるわけはないでしょうから、今言われたように情報収集から始まって、最初は議論を始めるぐらいのところからだと思います。何か御意見は、よろしいですか。
○梅田委員 先ほどのことと絡むのですけれども、16ページの窓口の枠の所の相談内容を見ると、かなり多岐にわたっています。例えば拠点病院のある方がこの相談窓口の担当に任命しますと言われたときに、いきなりこれだけのことに対応ができるとはなかなか思えないのです。ということは、やはり支援、又は資格基準のようなフォローの体制が非常に重要だと思います。その辺のバックアップをよろしくお願いしたいと思います。
○小澤委員長 本格的にこの活動をするとなると、やはり大変なことですよね。
○梅田委員 結構大変だと思います。
○小澤委員長 十分慎重に準備を進めていく必要があるかと思います。そのほか、活動内容等でよろしいでしょうか。スケジュール案もほぼこのような感じでよろしいのかどうか、あるいは選定評価会議も在り方をまた少しよく考えて、見直していくということにはなっていくわけですね。この辺も並行して議論が進んでいくかなと思いますが、よろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、本日示された今後の造血幹細胞移植推進拠点病院事業の新しい取組内容及び進め方の案については、大筋この委員会で了承いただいたということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、事務局で本日の案のスケジュールどおりに拠点病院の新規公募が取り行われるように、必要な準備を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 次は、議題2の平成31年度造血幹細胞移植対策関係の概算要求の概要についてということですが、説明をよろしくお願いいたします。
○兵頭室長補佐 それでは、事務局から説明させていただきます。お手元の資料2を御覧ください。平成31年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要ということで示させていただいております。平成30年度予算が23億円のところ、今回の平成31年度概算要求額は24.5億円と、約1.5億円の増、対前年度比106.3%という形で整理させていただいています。
 中身について、ちょっとお話させていただきます。骨髄移植対策事業費ですが、こちらは前年が4億6,100万のところ、今回は900万増の4億7,000万という形で要求をさせていただいています。これは、骨髄バンクの安定的な運営を引き続き支援するとともに、ドナーの勤務先である企業等に対してドナー休暇制度の導入を推進、支援することで、働きながらドナーになりやすい環境を整備し、骨髄等移植におけるコーディネート期間の短縮を図る取組を実施するということです。また、バンクドナーの高齢化が進んでいることから、比較的ドナー登録期間が長く、実際にドナーになり得る可能性が高い若年層をターゲットとしたドナー確保対策を実施するための事業費です。
 2つ目の事項ですが、造血幹細胞移植患者、ドナー情報登録支援事業です。こちらは前年が6,500万のところ、1,100万増の7,600万という形で要求をしております。患者の治療内容、ドナーの健康情報等を収集・分析し、プライバシーに十分配慮した上で医療機関・研究者等に提供することで治療実績、治療成績、安全性の向上につなげていくためのデータの処理・解析体制の充実を図るといったところです。
 3つ目の事項ですが、造血幹細胞移植関連情報システム一元化経費です。こちらは5億300万で要求させていただいています。これは一応、今年が最終年度という形で整理をしているところです。骨髄・末梢血管細胞移植、さい帯血移植ごとに管理されている造血幹細胞移植関連情報を一元的に管理するシステムの構築で、移植医療のサービスの向上を目指すものです。
 4つ目ですが、さい帯血バンクの運営費です。こちらは、さい帯血バンクの安定的な運営を引き続き支援ということで、5億1,200万の要求としております。下から2つ目ですが、骨髄データバンク登録費です。ここは前年から1億ほど減になっていますが、一元化経費と少し振り替えているところです。一番下の事項ですが、造血幹移植医療体制整備事業ですけれども、来年も要求していこうと思っているところです。造血幹細胞提供支援機関業務経費ですが、ここは支援機関である日本赤十字社の安定的な運営を引き続き支援ということで、前年と同額の2,800万の要求ということです。そのほか、末梢血管細胞採取体制の整備、一番下の注書きになりますが、移植医療研究の推進のための経費として1.4億円の計上といったような内容です。以上、説明を終わらせていただきます。
○小澤委員長 この1枚目の一番下の、正にこの拠点病院の関係の整備事業が余りアップになっていませんけれども、拠点病院が少し増えた場合にどう対応できるのでしょうか。
○兵頭室長補佐 それは当然ながら、必要なものについては予算措置に努めていきたいと思っているところです。
○井内移植医療対策推進室長 今回報告させていただいているのは、来年度の予算です。本日、議論いただいた新しい拠点病院が動くのは再来年です。
○兵頭室長補佐 失礼いたしました。
○小澤委員長 それにしてもあれですね、その次の年度からですね、失礼いたしました。更に平成32年度で大いに頑張っていただくことにして、そのほか何か御意見はよろしいでしょうか。特にないようでしたら1番、2番は以上ということで、3番のその他ということですけれども、何か御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議題は以上ですが、その他事務局から何かありますか。
○瀬戸室長補佐 本日は、活発な御議論を頂き、ありがとうございました。次回以降の開催については、また別途調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長 それでは、本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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