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2017年10月11日 第50回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会(議事録)

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成29年10月11日(水)15:00~17:00


○場所

航空会館 201会議室(2階)
(東京都港区新橋1-18-1)


○議題

1 臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査とそれを踏まえた今後の対応について
2 骨髄バンクにおけるドナーコーディネート開始人数増加に係る今後の対応について
3 平成30年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要について
4 その他

○議事

○瀬戸室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第50回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会」を開催いたします。本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。本日の委員の皆様の出欠状況ですが、梅田委員、坂巻委員から欠席の御連絡、今村委員、山口委員から遅れて出席する旨の御連絡を頂いております。また、本日は参考人として、公益財団法人日本骨髄バンク移植調整部長小瀧美加様に御参加いただいております。

 続きまして資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第にあります配布資料一覧を御参照ください。資料1-1「臍帯血プライベートバンク実態調査を踏まえた今後の厚生労働省としての対応」、資料1-2「臍帯血プライベートバンク実態調査の概要と調査で明らかになった問題点」、資料1-3「臍帯血プライベートバンク実態調査を踏まえた今後の厚生労働省としての対応<概要>」、資料1-4「再生医療等評価部会・造血幹細胞移植委員会の合同開催について」、資料2-1「骨髄バンクにおけるドナーコーディネート開始人数増加に係る今後の対応について()」、資料2-2「コーディネート期間短縮に向けた骨髄バンクドナー開始人数増加トライアルについて」、資料3「平成30年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要」、参考資料1「臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査報告書」、参考資料2「臍帯血プライベートバンクの業務内容等に関する届出及び報告について(依頼)」、参考資料3「臍帯血採取時における適正な情報の提供について(協力依頼)」、参考資料4「臍帯血保管等契約に係る契約書に記載する事項について(依頼)」、以上、11点となっておりますので、不足等ございましたら事務局までお伝えください。

 これより、議事進行を小澤委員長にお願いいたします。報道のカメラは御退室をお願いいたします。

○小澤委員長 議事に入ります。まず、議事次第を御覧ください。2番の議事のところになります。本日は、厚生労働省が実施しました臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査と、それを踏まえた今後の対応について、2番目が、日本骨髄バンクにおいて実施した骨髄バンクドナーコーディネート開始人数増加の影響についてのトライアル事業について、3番目に、平成30年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要についての3点を事務局及び小瀧参考人より御報告いただき、議論していきます。それでは、最初に1番の議題、臍帯血プライベートバンクの業務実態に関する調査報告書と今後の対応について、事務局から説明をよろしくお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 事務局から議題1について、資料1-1から1-4までを使いまして御説明させていただきます。まず、資料11枚おめくりください。今回我々としまして、臍帯血プライベートバンクの実態調査については、プライベートバンクから流出をした臍帯血が無届けの再生医療に使われるという事案があったことを踏まえ調査をしました。その調査結果の御報告と、今後我々で行っていく対応として考えさせていただきましたものがありますので、それにつきましても御報告させていただきたいと思います。まず、前のページを御覧ください。プライベートバンクの説明からさせていただきますが、上のほうが公的バンク、この委員会の中でも常に議論いただいております臍帯血の供給事業についてです。緑が今回問題になったプライベートバンクの仕組みです。上のブルーは、先生方御存じのとおり、提供者が厚生労働大臣の許可を得た上でやっている臍帯血供給事業者に臍帯血を寄付するということで、臍帯血バンク、公的バンクで調製、冷凍保存をしてバンキングをしている、これが大体オールジャパンで11,000程度を目途に集めているものです。右側ですが、患者が白血病等で臍帯血治療が必要という場合に、第三者へ提供するという形です。これは提供者は臍帯血を公的バンクに渡す段階で完全に寄付ということで、困った患者のために臍帯血を寄付するという仕組みです。

 今回、問題となりましたプライベートバンクについては緑になります。依頼者がプライベートバンクに臍帯血を預けて保存するというところは同じですが、これは依頼者が将来、自分の子供のために使うという前提で預けるもので、所有権に関しては依頼者、契約者にあるということで、これは御自身のものを預かっていただく仕組みです。そのお子さんが将来、再生医療等が発達したときに、その臍帯血を活用するという場合に、そのプライベートバンクで預かってもらっている臍帯血を返してもらう形です。この下のほうの仕組みについては、契約者自身のためにやっている仕組みですので、基本的には特に何ら法的規制はなく、民間の契約の中で実施が行われているものです。

 次のページは「今回の臍帯血流出事案について」です。先ほどのプライベートバンクの依頼者が保管委託契約をプライベートバンクと結んで、臍帯血を預けており、将来、自分の子供、赤ちゃんが再生医療が必要になったときに返してもらうという前提で預けていたのですが、2009年にこのプライベートバンクが破綻をしまして、破綻した結果、ここで保管をしている臍帯血が右側の臍帯血販売業者、仲介業者のほうに流れたということです。これが契約者の意思の中でやられているのか、全く無許可でやられているのか、そこは全く分からない中で右側のほうに流れてしまったと。その流れた臍帯血が、右下に再生医療法違反と書いてありますが、再生医療に関しては届出が必要なのですが、その届出をせずにクリニックで使うというやり方で、再生医療法違反のクリニックで使われたというのが今回の一連の流れです。ここまでで御説明させていただきたかったのは、この委員会の中で常に取り上げられている公的バンクとは今回は全く関係のない、いわゆる白血病の患者のために預かっている、造血幹細胞移植法に基づいた仕組みの中ではなくて、臍帯血を預かるということは同じですが、御本人のために預かっていた、民々の契約でやられていたプライベートバンクから臍帯血が流出をしたということです。

 資料1-2です。こうした事態が発生したことで、厚生労働省ではプライベートバンクの実態については、ほぼ何も分からない状態で、民々での契約がやられていたという状況でしたので、そのプライベートバンクというのが、そもそも幾つあってということも分からなかったということで、今回調査をさせていただいたものです。上のほうに書いてあります「調査の概要」ということで、調査目的は、プライベートバンクの業務実態の把握。この調査については、日本産婦人科医会の御協力をいただきまして、全国の産科医療機関に臍帯血のプライベートバンク、知っている所を教えていただくような形で、まず情報を集めさせていただいた上で、その後、上がってきました業者等について、同業者なので知らないかということで、できる限り情報を集めたというものです。

 その結果、情報提供のあった業者(総数)10社です。10社のうち調査時点で活動が確認できたのが7社、3社は電話もつながらない状態で、もう実際に活動はされていないということと我々は認識いたしました。この7社のうち調査票を受けてもいいというのが6社で、6社から回答がありました。この6社のうち臍帯血を保管している業者は5社、臍帯血を保管しておらず、引渡しのみを行っているというのが1社あったというものです。

 これについて報告書をまとめさせていただいております。少し触りだけ御説明させていただきますと、参考資料15ページ、今回我々はプライベートバンクの実態を把握することを最優先させていただきましたので、基本的には会社名は伏せるということで調査をさせていただきました。ただ、自分の会社は名前を出していいということで、「A社」は株式会社アイル、「B社」は株式会社ステムセル、「C社」は株式会社ときわメディックスということで公表させていただいております。業務内容ですが、A社、B社、C社は調製、保存、引渡し、全てをやっておりますが、D社、E社、F社に関しては一部をやっていると。マル2の所の総保管契約件数として、B社のステムセルが現在41,720件を保管しているということです。その後、契約者への引渡し件数や第三者への提供、次のページの保管契約終了件数等々、費用等についてもまとめさせていただいたのがこの調査票です。

 資料1-1に戻りまして、1枚目の裏側になります。今回の調査をした結果、業務の内容等々を聞き取っていったところで幾つか問題点があることが判明したというものです。1つ目左から、契約上、契約終了後・廃業時における臍帯血の所有権の取扱い、処分時期・方法等が不明確であった。これは契約の実態ということで、ここが不明確であったというのが我々が感じた問題点です。更に産科医療施設のほうで出ておりますが、公的バンクとプライベートバンクの違い、公的バンクによる臍帯血提供体制が整備されていることについて、依頼者への説明に改善の余地があるのではないかということです。この委員会でも取り上げていただいております公的臍帯血バンクにおいては、常時11,000の保管件数を持っておりますので、おおむね90%以上の患者には即座に臍帯血があるという現状が、どこまで説明をされていたのかが一部不明瞭であったというものです。更にプライベートバンクでの記録の保存・管理体制が不十分な業者があったということで、きちんとやっている所もあるのですが、できていない所もあったということです。契約終了後直ちに破棄処分せずに、引き続き臍帯血を保管しているケースがあったというものです。

 資料1-2に戻りまして、下の「調査結果と問題点」です。ここで幾つか先ほど実態を調べた結果、こうした改善点があるのではないかと御説明いたしましたが、そうした現状がありまして、まず1つ目ですが、契約終了後に廃棄処分されずに保管され続けている臍帯血が、5社合計で2,100件ありました。実際に廃棄をするというところが明確になっていない契約上の問題等がありまして、プライベートバンクの考えは、預かってほしかったのに廃棄されてしまったと言われないために、廃棄処分が延ばし延ばしになって保管され続けているものがあったということです。もう1つが、1社から第三者への提供があったということで、そもそもプライベートバンクの業務で考えますと、御本人とプライベートバンクの間での臍帯血のやり取りが原則である業務であるにもかかわらず、第三者への提供があったというものです。更に、廃棄時の所有権の扱いや処分方法が明確ではない。公的バンク、臍帯血プライベートバンクの説明が十分ではない。品質等の確認が十分でないようなところがあったということでまとめさせていただきました。調査のほうで見つけた課題は以上です。

 資料1-1の最後のページです。こうした状況を把握した上で、具体的措置として、我々のほうでこうした対応をどうしていくか、幾つか考えさせていただいたものです。1つ目に、プライベートバンクに対して業務内容等に関する届出を求め、ホームページ上で開示するというものです。これにつきましては参考資料2、各プライベートバンクに送り、報告をしていただくようにと。どこにどういう会社があって、契約数はいくつあるのかということで、今これを頂いているところで、集まりましたらホームページ上で開示をすることにしたいと思っております。我々は、今回この調査をするまでにプライベートバンクに関して一切の情報をほぼ持たない状況でしたので、今後はこうした情報を我々も集めるとともに、国民の方に、いつでも見ていただけるような環境を準備するという趣旨です。

2つ目です。通知により、望ましい契約書を提示する。先ほどの所有権の問題であったり、廃業時であったりというときに、どういう形にするのかが一部不明瞭だったことも含めまして、契約に関してのひな形として、望ましい契約書を示させていただいたものです。これが参考資料4です。参考資料4の中で、臍帯血プライベートバンクをやる場合に、御本人とどのような契約を結んでいただくか、先ほどの不明瞭なところが明瞭になるようにひな形を作らせていただいて、プライベートバンクに送付をし、これをベースに今、各プライベートバンクで考えていただいている状況です。

3つ目に、今回は無届けで行われたという問題があるのですけれども、プライベートバンクを経由して本人以外の臍帯血を用いた再生医療等の届出がなされた場合には、臍帯血の安全性・有効性及び入手元の確認というのがもともと審査をされるという現状ですので、そうしたことをしっかりと引き続きやっていく。今回のプライベートバンクからの届出内容、契約書につきましても活用していただくということで考えております。更に産科医療機関を通じて、契約者に対し、公的バンクによる臍帯血の提供体制について周知を行う。これについては参考資料3の、日本産婦人科医会長宛と日本医師会長宛に、適正な情報の提供を産科医療機関でも行っていただくということでお願いをしております。また、併せまして、プライベートバンクでも適切な情報提供を行うよう求めております。次のポツですが、再生医療等に関する情報の適切な提供方法。これは再生医療等評価部会で審議をして、公表の方法を決定するということで現在検討をしているというものです。

 一番最後に、再生医療・造血幹細胞移植合同委員会において、今回新たに設ける届出等の仕組みについて、その実効性が担保されているか、継続的に検証し、更なる対策を検討するということです。これにつきましては、資料1-4です。本日この委員会でお諮りをしたいという部分ですが、実際今回この届出制、契約書のひな形を示すということ等々やっておりますが、これは法律のバックボーンがあるものではなくて、いわゆる健康局長通知ということでお願いをしているということです。そうした体制の中でしっかりと、実際こういう事態が二度と起きないような体制が担保できているかどうかについて、この合同委員会を設置し、検討していただく、検証していただくことを考えております。

 資料1-4は、今御説明いたしました再生医療等評価部会・造血幹細胞移植委員会の合同開催ということです。検討内容ですが、今回のような臍帯血の流出事案、再生医療法違反になる、さらに、お母さん方の意向に反した形で臍帯血が流れる可能性があるというようなことを食い止めるということで、しっかりとした体制を整えるために今回の措置の実効性について、以下の観点から検証を行うということです。臍帯血の品質管理・安全性に関する情報を提供できるようにすることが確保されているか。民々の契約を前提としたプライベートバンクにおいても、契約者の意に沿わない臍帯血の提供が行われないような仕組みとなっているか。さらに、契約者であるお母さんなどへ正確で分かりやすい情報を提供できているか。こうしたことの検討の進め方として、再生医療等評価部会又は造血幹細胞移植委員会の委員で構成する検証・検討委員会を設置する。これは健康局長と医政局長の両方からの参集という形で設置をさせていただき、今のような観点で検討をしていただくということで進めていきたいと考えております。

 以上が、今回調査を行い、その課題が分かった中で、我々としてはこうした対策を取っていきたいということの御報告でございます。事務局からは以上です。

○小澤委員長 ありがとうございました。今の議事(1)に関して、一通り資料の御説明を頂いたわけですが、その内容、また、今後、再生医療等評価部会・造血幹細胞移植委員会の合同開催についても、最後にお話がありましたが、何か御質問、御意見等はありますか。こういった臍帯血のプライベートバンクについては、以前よりいろいろな問題点が指摘されていたわけですが、今回、再生医療法違反ということでマスコミ報道等もあったわけですが、そういうことからこの委員会でも何らかの対応をする必要があるということで、今日の委員会の開催に至ったわけですが、資料等、まず何か確認等、御意見、質問等。

○神田委員 実態調査の中でB社、ステムセル研究所から規定疾病の治療を目的とした移植が1件、再生医療等を目的とした移植が11件ということで、これの再生医療が全て適正な再生医療であったという認識でよろしいですね。

○井内移植医療対策推進室長 はい、個別にどういった研究かは、相手もあるということで教えていただけなかったのですが、これは基本的に全て臨床研究の枠組みに沿って行われていると聞いております。

○神田委員 個別の内容までは分からないと。

○井内移植医療対策推進室長 はい。

○神田委員 41,000件の保存件数から考えて、11件該当するというのは、一般のそういった特定の疾病の頻度を考えると、少し多いとかとも思ったのですが。

○井内移植医療対策推進室長 疾病は、かなりいろいろな種類の自己臍帯血を用いた臨床研究のことで使われていると聞いています。1つの疾病ではなくて、幾つかの疾病に対しての研究の一環でやられていると聞いています。

○神田委員 詳細は不明ということですね。

○井内移植医療対策推進室長 はい。

○神田委員 ありがとうございます。

○小澤委員長 今の話は、再生医療等を目的としたものが11件で、一般的にこの医療としてまだ確立されていないところを、臨床研究として行ったということなのですね。その上に「1件」と書いてありますが、これが白血病等に対する通常の公的な臍帯血バンクと同様な意味合いの移植を行ったということなのですね。ですから、4万件くらいの契約があった中で、実際、そういう白血病に対する移植は1件行っただけということで、非常に少ないといいましょうか、これは場合によってはゼロだったかもしれないくらいの頻度ですが。何か御質問、確認。

○鎌田委員 プライベートバンクに関しては、大分昔から問題とされていたと思いますが、実態の把握すらもできていなかったというのは、ずっと問題だと思っていたので、今回、このように実態調査がされて、その課題も整理されて、対策とかも挙げられたというのは、とても良かったと思いますし、合同委員会も立ち上げられるということで、それは良かったと思います。幾つか質問があるのですが、まず、白血病に使われたことはあるということですね。

○小澤委員長 説明していただけますか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、1件あると聞いております。

○鎌田委員 実際、1件あるということだったわけですが、実際にプライベートバンクに預けられている方で白血病になられた方がその方だけだったかもしれませんが、一般的に、先生方にもお伺いしたいのですが、臍帯血バンクから見つけるのと、自分のものが保管してあるのだったら、やはり自分のものを使ったほうがいいのかとか、そういうのはどうなのでしょうか。

 という質問が1つと、あともう1つは、公的なバンクとの干渉をし合わないのか、プライベートバンクと取合いになったりとか、実際、今後も含めてそういう懸念はないのか、その辺も教えていただきたいのですが。その上で、今後の課題として挙げられていましたが、実際に提供されるお母さん方への周知が、情報提供がとても大事になると思うのですが、その手段はどのように確保されるのかと。プライベートバンクに協力をお願いするとしても、そちらとしては自分の所に入れてもらいたいでしょうから、正確な情報を提供してくださいということは言えるかもしれませんが、より確実に、積極的にお母さん方に理解してもらうために、具体的にはどういう手段をとる必要があるのかということです。例えば、プライベートバンクにおける質の確保、保管の仕方とか、情報管理とかも含めた仕組みとか、あと、実際、病気になったとき、本当にここに預けていたお陰で助かるのか、あるいはそうする必要性が僅かながらも本当にあるのか、その必要性とか有用性とか、そういったこと。預けておくことで何ができるのか、逆に預けておかないとできないことがどれぐらいあるのかをきちんと整理した上で、その情報が正確に提供されて、お母さん方が判断できるようにという手段をきちんと確保する必要があるのではないかと思いました。

○小澤委員長 最初の話の1件というのは、本人ではなくて兄弟のほうですか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、兄弟です。

○小澤委員長 なかなか難しい問題をいろいろ質問されましたが、岡本先生、コンパクトに回答していただけますか。こういうプライベートバンクからの移植と普通の公的バンクからの移植で、プライベートの意味合いが何かあるのかどうか。

○岡本委員 基本的に移植を自分の造血幹細胞使って行うとなると、遺伝性疾患ではなくて、希少性疾患になるわけですね。昔から骨髄バンクの領域の中で大きなディベートがあり、試算した数があるのです。小児で寛解に入って移植を必要となる確率は、極めて、極めて、低いということです。私たちは最初、造血幹細胞を補助的に使って治っていると思っておりましたが、移植に伴う免疫反応による効果も重要であることがわかりました。つまり、自分のものを使う確率はとても低いわけです。実際に成績で見ますと、小児に多い急性リンパ性白血病の自家移植の成績は極めて悪いです。

○小澤委員長 今回のケースのように兄弟に使う場合は。

○岡本委員 兄弟に使う場合は、それは1つの方法だと思いますが、そういうシチュエーションは極めて少ないのではないかと思うのです。たまたまできたのではないかと思うのです。これだけ集めて1例ですから、恐らくそのために集めるのにこれだけの労力を費やすというのは、多分ナンセンスかと。それであれば、公的バンクをしっかり使うべきであると、私たち領域では多分考えると思います。自家移植は全く効果を示しませんし、自家移植で治ったと言っているのは、多分、化学療法で治っている人たちですので、それは余り有効なものではないと思います。

 少し長くなりましたが、それが将来使われる確率はとても低いということと、使ったときの効果も高くはないということ、実際にそれであればタイムリーに今ある公的バンクを使うことが極めて有効であると、この3点から、最初の御質問に対するお答えは、取っておいて何かいいことがあるという可能性は極めて少ないと思います。ただ、将来的に医療の進歩の中で何か出てくるかもしれませんが、現時点においてはそれはないと考えていいと思います。

○小澤委員長 ありがとうございました。プライベートバンクの業者がそういった説明をきちんとしているかが問題で、これから品質検査とか、今のようなちゃんとした説明をするようにというのが、今回の対策として取り上げられているかと思いますが。

○井内移植医療対策推進室長 後段の御質問に対するお答えですが、公的バンクと干渉するかどうかは、今の岡本先生のお答えで、公的バンクは公的バンクで、プライベートバンクは、あくまで、将来、再生医療が発達したときのシーズになるという自分のためのものということで、基本的には違うのかということで、プライベートバンクがあるから公的バンクが要らないというものではないというふうには思っておりますし、全然違うものだと思って、余り干渉はし合わないのかと。

○鎌田委員 質問の仕方が悪くてすみません。そういう意味での干渉というより、実際にプライベートバンクのほうが役に立つのではないかとお母さんが考えて、そちらに提供してしまうというということで、公的バンクに提供しようというお母さんが少なくなってしまうのではないかと、そういう意味での干渉がないかを伺いたいのです。

○井内移植医療対策推進室長 実際、岡本先生からもありましたように、白血病に関しては公的バンクでほぼカバーできているということで、こちらがあれば、実際、白血病のために自身で保存しておく必要は、ほぼない。ということについて、公的バンクの仕組みがあることをしっかりと説明しなければいけない。そういったことでプライベートバンクにもするようにというのは言いますし、産婦人科医会にも医師会にもお願いをして、そういうお母さん方から質問が来たときには、きちんと答えていただけるように、先ほど参考資料3にパンフレットとかも付けましたので、お話をしていただくと。

 自治体にも働き掛けをして、そういった話が来たときは、そちらからもきちんと御説明をしていただけるような体制をつくっていくと。我々としても、ホームページでしっかりと情報を開示していくことが重要だと思っており、先ほどの48,000件ほど保存されていて、使われたのが1112という数自体も、実際、契約されるお母さん方も我々も今回調査するまで知らなかったことですので、その率が高いと見るのか低いと見るかは人によると思いますが、そういった事実関係についても国民がしっかりと判断できるものをきちんと提示していくことで、我々は届出をさせていただきたいと思っております。

○小澤委員長 ありがとうございました。今のお話の繰り返しになりますが、井内室長が言われたのは、プライベートバンクが公的バンクと違う意味があるとすれば、ひょっとしたら白血病の治療ではなくて再生医療で役に立つかもしれないということです。ただ、まだそういうデータは出ていませんので、正に研究段階というところです。ですから、そういうのをビジネスでやっていいのかという話もありますが。

○岡本委員 実際そのとおりで、日本はまだ非常にそこまでいっていなかったのです。海外ではプライベートバンクは、特にアメリカには非常に多くあり、彼らは、最初はそれを移植という、悪性疾患になったときに助かりますといううたい文句で保存をすすめていたわけですが、それがだんだん下火になってきて、再生医療が非常に脚光を浴びるようになると、それに対して、将来非常に有効となる可能性がありますと宣伝する様になったわけです。可能性ですから、それが今全くエビデンスもない、医学として確立しているものでもないものについての投資という形でアナウンスされるのです。ただ、アナウンスのされ方が、非常にバイアスがかかっているものがあって、多くの方たちがそちらに投資をしていくことによって、その割合がかなりシフトしていく。それから、そういうところがなかったとしても、こういった臍帯血がこういう形で使われるのではないかといった、一般の方たちの臍帯血に感じるイメージは極めて悪くなる。

 それによって、公的臍帯血バンクに入ってくる臍帯血は数も減ってくることが懸念されます。大切なのは、そういった情報が両サイドからしっかり提供されているかどうかということです。いろいろなツールを使ってパブリックに今の現状を分かりやすく伝えるものがないと、彼らは商売ですので、どうしても自分たちに有利な方向に患者さん市民が誘導されてしまうことはおこります。しっかりとした情報提供をするシステムをつくっていくことが大切だと思います。

○野村委員 今のことは全くおっしゃるとおりなのです。要は、私たちは、自分が産んだときのことを考えると、産科に行ったら、そういうふうに、今日は産科の先生がいらっしゃらないので、聞きたかったのですが、産むときに業者から頼まれたのか、産科・婦人科の方たちが自主的にかは分からないけれども、お母さん、このようなものがありますがいかがですかみたいなセールスが来てみたいな、それでお母さんは選んでみたいなことが、日本でこのように4万何千件もやっているのかということは驚きです。それは、将来もしかしたら役に立つかもしれませんと言われて取っておいて、何かのときに、先生、私、持っているのですが、これを使ってもらえませんかと、病気にかかったときに、先生が、はあ、それはいいものがありましたねと言って、本当に使うものかどうかとか、そういうことも一般的な素人からいくと全く想像もできないことなのです。

 一般的な方にとっては、臓器移植と同じように考えられると、自分のものを取っておけばいいのかと思ったりとか、ということの違いも知らないこともあり、それは本当に分からないことばかりで驚きだったのです。情報提供の大切さは岡本先生がおっしゃったとおりなのですが、是非ともお願いしたいのは、ネットにもいっぱい、それで、お母さんたちは大体分からないというのは、多分ググるのですね。グーグルを引いて調べる。そうすると、すごくいっぱいいろいろなことが出てきて、いろいろな治療成績が出てきてというときに、やはりパニックになってしまうのですよね。情報はいっぱいあるのだけれども、何をどう信じていいか分からない。それで、チャンスでもあると思うのです。

 要は、そういうときにきちっとした、産婦人科医師に周知徹底する、情報提供する、ホームページにすると、挙げるのは、それを個々にどれだけ追求していっても、お母さんたちは、では一般の人が一人で個々の情報でこのことで産婦人科のことについては分かりました、厚労省の取組については分かりました、いろいろなことについて分かりました。でも、それがどう自分の裁定と今回の商売のことに関わっているかとか、プライベートな契約になってくると、もちろん消費者保護法とか、そういうのもあると思うのですが、そういうのは全然分からない、そのつながりとか。というときに、公的バンクの大事さもあるので、最終的にそこと、全部引っくるめた情報提供や相談先があれば、最終的に公的バンクへの理解とか協力につながる可能性が出てくることもあるので、そこは分担、どれだけ詳しく、分かりやすく伝えればいいというのではなくて、トータルに最終的ないい形に、そちらにもつなげていくことができれば、情報提供としても、なるべく落ちがない情報提供にできるのかと思っているので、知りたい人が最終的に公的バンクも含めたいろいろな情報を得た上で、でも私は契約するという方に関しては、どうぞと。4万何千件の方が本当に自己決定かどうかのための情報提供には、そういったところもお考えになっていただけたら有り難いと思います。

○山口委員 1点だけ確認させてください。先ほどB社の話で11件臨床研究としてやられているという説明でしたよね。そうすると、確認したかったのは、ヒト幹の臨床研究審査のときに、四国の大学で臍帯血を用いて、お子さんが脳梗塞になったときの治療という申請が来て、我々は非常に問題にしたのですが、結局、そのときにもともと集めていること自体が、有償で集めていて、臨床研究では無償でやらないといけないのに、有償になってしまうので、それはすごく議論になったのです。そのときの最終的な落ちとしては、一旦集めたお金を返しますと、要するに無償に戻してしまったわけです。今回のケースもそういうことはどうなっているのか。まだ答えは分かっていないと思うのですが、多分、これが議論になっているように、再生医療で使うケースが非常に多くなってくる気がしてはいるのです。そのときに、先ほど言ったそういう再生医療の進歩の中で評価すべきところというか、そういう枠組みの中でちゃんとやらないといけないところ、先ほど自己決定でやられる場合もあるだろうけれども、法律の中できちっと決められているところとか、そういうのは守っていただかないといけないことになるかと。

○森光研究開発振興課長 研究開発振興課です。再生医療を担当しておりますが、先生がおっしゃいました件について、これは確かにこの会社のものを使った申請とある。今、これは他家ではなくて自家なので、御本人のものを御本人に使うという形で、ただ一時的に保管するという意味で上がってきています。ただ、これも臨床研究で、正にエビデンスはこれから作る。効くかどうかについては、確認をするという研究で上がってきており、先生がおっしゃる件については、再生医療の新法のほうで確認すべきは確認すると。また、今回、プライベートバンクの届出があるということですので、その届出内容に関しても、研究が上がってくれば、もちろん、その情報を活用した形でそれぞれの審査をすることを考えております。

○張替委員 これは、今、プライベートバンクと契約している産科医院は、何施設ぐらいあるのでしょうか。公的バンクは極めて限られた施設としか契約できていなくて、そこでしか取れないはずなのですが、こういうプライベートな所は結構たくさん契約しているのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、公的なほうは、今、御指摘がありましたように大体90弱がオールジャパンの契約している産科機関です。ただ、これは寄付を頂くという格好なのです。先ほどの報告書の参考資料16ページにありますが、契約採取医療施設数ということで、契約している採取医療機関数、契約していない施設を含め採取実績のある医療施設数ということで、一応これぐらいの数が挙がっているものです。

○張替委員 そうすると、提供実態は、圧倒的にプライベートバンクのほうがお母さんにとっては多いことになるのですか。

○井内移植医療対策推進室長 それをどう考えるかですが、例えば、公的バンクであれば、産科医療機関、契約しているところであれば、そこから、こういうことをやっていると。もちろん拒否する権利は当然あるのですが、そういった御説明の上で聞いているのです。今、我々がプライベートバンクから聞いている実態は、産科医療機関でお母さん方に、こういうプライベートバンクがあるという説明をしてはいない、してもらってはいないと。これは産婦人科医会でも大体そのような認識です。個別に1つ、2つがどうかは分かりませんが、おおむねの共通認識として、産婦人科医会も、特にお勧めはしていないと。特にお母さん方がこういったプライベートバンクに自分の臍帯血を預けたい、若しくはこういうのを聞いたのだが、どうだろうかと、そういう問い掛けがあったときに対応しているものなので、ここのB社にありますように、1,000件を超える産科機関が、すべからく自分の所で出産をされるお母さんに聞いているわけではないというふうには認識をしています。

○張替委員 ただ、全国の産科医療機関は2,491になっていますが、そうすると、この契約施設はほぼイコールになってくるので、この会社はほぼ全国的には全てそういうビラ提供というか、そういうことをしていることになるわけですね。

○井内移植医療対策推進室長 実際、我々は産科医療機関2,491に送っていますし、ここでの調査結果では1,872です。この数字自体はプライベートバンクから言ってきた実績です。例えば、医療機関でこの10年間に1件だけかもしれませんが、それでも1施設として挙げておりますので、そういった計算にはなります。具体的に産科医療機関がどこまでどうアプローチしているかは分かりませんが、この数字が報告されたのは事実です。

○小澤委員長 そのほか何かいかがですか。これまではいろいろ問題点が指摘されながら、法的なものがなくて、取り締まるすべがなかったわけですね。今回、たまたま再生医療新法でも違反ということで、こういうふうに発覚したといいましょうか、問題になったわけです。ちなみに、ここには「一時停止命令を実施」と書いてありますが、処分はこれ以上何かあるのですか。

○森光研究開発振興課長 一時停止命令という形になっておりますが、基本的にはその後何か届出をちゃんと出すとすれば、それは解除ということになりますが、今、基本的にはこういう状態ではこれが解除されることはないと。あと、一時停止命令を掛けたものの中から、私ども厚生労働省としては、特に悪質な医療というか、その状況の医療機関に関しては、警察に対して告発をさせていただいて、それを受けて逮捕と。それから、送検等の処置がされていることになります。

○小澤委員長 ほかに、何か確認しておきたいことはよろしいですか。それで、今回のこういう問題に対して、先ほど御説明いただいた対応を厚労省として考えているということですが、この項については何か御意見はありますか。資料1-4の方向で今後対策を考えていくということですが、2つの委員会、再生医療等評価部会と造血幹細胞移植委員会の合同で検証・検討委員会(仮称)としてありますが、そういったものを設置して検討していくということで、何か御意見はありますか。よろしいですか。そうしますと、時間にもなりましたので、事務局としては、この資料1-4にありますような検討の進め方で今後の対応をよろしくお願いします。

 よろしければ、次の議題(2)に入ります。「骨髄バンクにおけるドナーコーディネート開始人数増加に係る今後の対応について」です。事務局から、資料2-1の説明をお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 資料2-1に従って、骨髄バンクにおけるドナーコーディネート開始人数増加に係る今後の対応ということで御説明させていただきます。まず経緯ですが、これは5月の造血幹細胞移植委員会でも、こういうことをさせていただきますということで御報告をさせていただいておりましたが、骨髄バンクにおいて、ドナーコーディネートの期間の短縮を目指し、いわゆる開始人数5人から10人にするということで、トライアル事業を、研究班と骨髄バンクでしていただいているものです。

 この結果ということで2です。930日時点の集計ということで、まだ移植に至らない患者さんもおられるので全件ではありませんが、かい摘んで申しますと、移植まで至った症例、その中で10例確認をできました。コーディネート期間ということで、患者登録からドナー選定までの日数ということで、トライアルの場合は39日、通常の場合は50日ということで、おおむね予想はされておりましたが、コーディネート期間の短縮効果というのは見られました。我々として心配しておりました骨髄バンク、移植医療機関において、運用上何か問題は起きないかということでしたが、これも特に指摘はされなかったということです。

 詳しい内容、実施報告のほうは、この後に骨髄バンクのほうにしていただきます。それを聞いていただきました上でということですが、今後の対応ということで、いわゆる残りの案件についても検証を行って、同様の結果ということであれば、特に運用上の問題もない、コーディネート期間の短縮効果も見られるということであれば、来年度を目途にこれを全国展開するということで、全ての患者さんに適用するということを開始してはどうかと考えているものです。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○小澤委員長 引き続き小瀧参考人から、資料2-2の説明をお願いいたします。

○小瀧参考人 日本骨髄バンク移植調整部の小瀧です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。資料2-2に沿って御説明させていただきます。「コーディネート期間短縮に向けた骨髄バンク開始ドナー参加トライアルについて」ということです。今回の経緯なのですが、まず患者さんが日本骨髄バンクに登録してから、1人のドナーさんを選んで移植を行うまでに、約11人のコーディネートを行うという実情があります。これは、過去10年間のデータを見ると、移植に辿り着くまでに11人のドナーさんのコーディネートをしないと移植ができないという背景があります。

2点目は、患者登録から移植までの中央値が144日、これは2016年実績なのですが、この日にちはここのところ変わっていないということで、大体145日で推移している状況です。これらのコーディネート期間短縮化の取組の一環として、ここをどうにか短くしなくてはならないということです。その取組の一環として、開始ドナー人数は現在最大5名なのですが、これを10人に増やした場合の、コーディネート行程における影響や、期間短縮の可否を検証するために、厚生労働省、造血幹細胞移植の拠点病院、それからコーディネート期間短縮の取組を研究されている福田班と連携をし、トライアル事業を開始いたしました。

 期間と対象です。本年41日から630日までに、当事業を実施する施設から患者登録があったものということで、※2を見ると、下にある拠点病院9施設と、期間短縮の研究を行っている国立がん研究センター中央病院の1施設を含め、全10施設で実施いたしました。

 戻って、対象はアリルフルマッチ、これはHLA型が全てマッチするドナーさんが45名以上存在する患者さんということで、他の患者さんに影響がないようにということで、計算上こういった数字を用いて、この条件に合った患者さんを対象としたという背景です。

 検証項目は2点あります。コーディネート期間短縮の可否。人数が少ないので傾向しか見られないかもということなのですが、そういう可否。2点目は、コーディネート行程への影響ということで、特に運用上の課題や考慮する点などを見ていくことになりました。

 次のページで実績です。この期間に患者登録数があったものが18件ありました。930日現在までに移植に至った症例が10件ありました。その下に表がありますけれども、1例目から10例目まで、真ん中にあるのが患者登録日から移植日までが、こういう日にちになっておりました。一番短い日にちが1例目76日でした。

 採取方法として、PBとあるのが末梢血幹細胞移植、BMと書いてあるのが骨髄移植の区別です。そしてドナー地区と書いてあるのが、ドナーさんが在住しているエリアということで表記してあります。この中から、残念ながら病状悪化で登録から75日目に取り消した事例が1例ありましたが、保留・停止に関してはありませんでした。

 次のページです。これらを見ていくと、2番で初回確定ドナーが移植(内定日含む)に至る割合と書いてありますが、患者登録をして、一番最初に行う検索で確定した、決めたドナーさんから移植に至った割合がどれだけあったかというものです。これは同一期間、201741日から930日の期間におけるトライアルと、それ以外の通常のケースを比較したものです。患者登録後一番最初の検索ドナーから1人を選んで、移植日が決まった患者割合ということで示しております。

 まずトライアルのほうです。これらの条件で移植に至った患者さんの割合が、全体の80%でした。合計人数を見ると、トライアルが全体で20人、通常のドナーさんが689人ということで、人数の差はかなりあるのですが、パーセンテージで見ると、トライアルのほうでは一番最初に検索に上がったドナーさんから移植に至っている方々が8割方を占めていることが分かりました。

 次のページで、コーディネート期間を見てみました。同じような期間である41日から9月末までにおける、患者登録から1人のドナーさんを選ぶまでの日数の中央値の比較ということです。まず、トライアルと通常に分け、横軸が行程です。患者登録からドナーさんを10人に決めるまでの日数が、トライアルの場合は2日、通常の場合、今は最大5名なのですが10日。次の箱で、ドナーさんを決めてから、開始シートというのは、ドナーさんにアンケートを送付します。アンケートを送付して、ドナーさんからお返しいただく日数のことなのですが、これはどちらとも変わらず8日でした。ドナーさんからアンケートを頂いてから、確認検査を行うのですが、ドナーさんの健康上の確認などを行うまでの日にちが、それぞれ23日と25日ということで、ここも余り変わっておりません。

 そのドナーさんの健康確認を行った後、選定というのは、ドナーさんをその中から1人に選ぶという行程、これは主治医側の行程になるのですが、その日数のことです。ここも余り変わっておりませんが、全行程の計を出すと、トライアルは39日、通常の場合は50日ということで、ここで11日間の差を見たということで、トライアルが非常に早かったことが分かりました。その下は、その数字を棒グラフ化したものですので御参照いただければと思います。

 次のページの4で運用上の問題点を確認いたしました。トライアル参加施設のほうにアンケートを実施いたしました。その結果、運用上の問題点についての指摘は特にありませんでした。バンク側の運用上の課題ですけれども、こちらについても運用面での大きな問題点はなかったとまとめております。

 次のページで最終的なまとめです。まず、期間短縮について2点あります。初回確定ドナーの選定割合が増加したことから、通常の5名から10名に増やしておりましたので、増加したことからドナー検索開始から、ドナーさんを1人に選ぶまでの間のタイムラグが少なくなり、期間全体の短縮効果があると考えました。今までは5人でしたので、何回も終わる度に再検索をかける作業が発生していたのですけれども、今回は最初から10名を進めることで、そこのタイムラグが非常に圧縮された結果になっております。

2点目は、患者登録からドナー選定までの期間は、トライアルケースが39日のところ、通常コーディネートでは50日ですので、11日短かったということです。ただし、開始ドナー人数の増加に加えて、HLAがフルマッチであったということが1つの条件にありましたので、比較する時間が短かったという要件もあるとは思うのですが、でも、この11日の期間短縮というのは大きいと考えています。

 次は、コーディネート行程への影響についてです。どの行程においても、現在のところ問題はないと判断しておりますけれども、一時的に10名に増やしますので、全体総数としては、コーディネート件数が増える可能性が考えられます。その点については、必要に応じて必要な部署に人員体制を取るなどの対応を検討していきたいと考えております。

 最後に、移植施設への影響についてです。運用面については大きな影響はないと考えております。拠点病院、それから福田班、国立がん研究センターのほうからも問題点の指摘はなかったということで御報告申し上げます。以上です。

○小澤委員長 ありがとうございました。井内室長並びに小瀧参考人から説明のありました内容について御質問等がありましたらお願いいたします。神田委員どうぞ。

○神田委員 データについて2点教えてください。2番の初回確定ドナーが移植に至る割合で、トライアル80%、通常57%が初回確定ドナーから選定ということですけれども、通常の群はアリルフルマッチではないコーディネートも入っているのですよね。ですから、これは同じ条件で比較しないと、トライアルのほうが高くなるのは当然の結果なので、10人に増やした効果とはちょっと言い難いかと思います。

○小瀧参考人 その点は御指摘のとおりと私どもも認識しております。今回はあるデータから比較ということで、そこは御指摘のとおりなのですけれども、一応示させていただいたものです。

○神田委員 つまり、この通常のデータから、同じ条件の患者さんだけを抜き出してきて比較すると、もうちょっと分かりやすいかと思うのです。

○小瀧参考人 はい、ありがとうございます。

○神田委員 もう一点は、3番のコーディネート期間のほうで、トータル11日の差ですけれども、そのほとんどは患者登録から確定までのところで8日ついているわけですよね。

○小瀧参考人 はい。

○神田委員 残りの差は3日だけです。そうすると、この8日の差というのは、最初の10名に増やしたこととは関係がないと。

○小瀧参考人 そうですね、ちょっとここは評価が難しいのかとは思ったのですけれども、一応これは全部の中央値の行程の計ですので、このこと自体参考値というふうにさせていただいております。

○神田委員 ちょっと気になったのは、登録から確定がすごく短いというのは、このトライアルが9件の移植拠点施設と国立がんセンターという、非常に優れた移植医と、HCTCがいる施設なので、ここがすごく早かったのかということで、これが本当に10名に増やしたことの効果を現しているのかというと、ちょっと疑問を感じてしまうのです。

○小瀧参考人 その御指摘の点はあるかと思います。全体的に広げたときに施設の条件が、それぞれおっしゃってくださったように、HCTCがいない所もありますし、ドナー確定にもうちょっと時間がかかる所はやはり出てくるかと思いますので、御指摘のとおりかとは思っています。今回は、事例がまだ途中ですので、最終的に全症例が終えたところで、先ほど御指摘を頂いた点も含めて検証のし直しをして、効果がどうであったかをもう一回見る予定です。

○神田委員 ありがとうございました。

○小澤委員長 今の3番のコーディネート期間の所ですけれども、神田先生のお話では、ドナー候補を10名にすることによって、この患者登録から確定までの期間がグッと短縮するのは考えにくいようなお話でした。そうすると先生のお考えでは、どういったところが短縮する可能性があるとお考えですか。

○神田委員 むしろ判定とか選定の辺りが短くなるのなら分かるような気がするのです。登録から確定というのは、結局候補が施設に送られてきて、移植施設が、この患者さんを進めてくださいと選んで出すところまでですよね。

○小瀧参考人 そうです。

○神田委員 ですから、そこは別に5名でも10名でも、10名になったから短くなるステップではないはずです。

○小瀧参考人 ただ、ここは通常のほうは5名になっていますので、そこで繰り返し繰り返し5名以下になったら再検索を含む、そういう日にちが含まれていますので、どうしても伸びてくるということです。

○神田委員 最初のときだけではなくて、再検索の部分も入っているのですか。

○小瀧参考人 はい。

○神田委員 それでしたら意味がある可能性はあると思います。

○小瀧参考人 はい。

○小澤委員長 よろしいでしょうか。野村委員どうぞ。

○野村委員 ものすごい不勉強で素人の質問で大変恐縮です。良いことであれば進めていけばいいと思います。これだけ他の運用上の影響がどこもなかったという御説明がありました。それでは、もともと影響がないものであれば、なぜ今まで10人で最初からやってこられなかったのかということ。もしそこに理由があるのならば、10人で始めた以降はその理由がまた問題になることはないのかを教えてください。

○小瀧参考人 実は、この人数を増やすという検討は、過去に骨髄バンクでも行っていました。もう少しこの確認検査件数が膨大に増えるのではないかということで、そこへの予算化が非常に難しい側面がありました。当時は、そこがなかなか解決できなくて、取り組むことができなかった背景があります。今回はいろいろな条件を絞ってトライアルをしたところ、確認検査の件数が増えるわけではないということと、運用上は大きな問題がないということが分かってきました。厚生労働省のほうからも、最初のコーディネート人数が5人から10人へ増える分にかかる費用の予算化に向けて御検討いただけるということもありましたので、実現に向けてトライアルを行ったということです。

○小澤委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 2点ほど教えてください。まだこれからデータが出てくるのでしょうけれども、今の時点ではなかなか判断は難しいのでしょう。末梢血とbone marrowで、見た目では末梢血のほうが早いような気がしているのですけれども、それが本当に今後増えていったときにこうなるかどうかという、その辺の解析はされるのか。してほしいということで聞いています。それから、最初の登録を5人でスタートする今までのものと、今回10人にしたというものですが、海外ではどのような登録体制を取られているのかを教えてください。

○小瀧参考人 1点目ですが、末梢血幹細胞の場合は、自己血採血がない分(2週間)早くなるというところがあります。これが増えたときに、採取病院側で対応可能かというところは、現状以上に御協力を頂きたいということを、情報発信するしかないかと思っております。

2点目の国際に関してなのですけれども、海外はドナー開始人数に制限のない所がほとんどです。中国では一時的に人数制限を設けていたかと思うのですが、現在は人数制限があるのは恐らく日本だけだと認識しております。

○小澤委員長 その他に御意見はいかがでしょうか。何か確認したいところはありませんか。岡本委員どうぞ。

○岡本委員 ちょっと気になるのは、最初に神田先生が御指摘されたように、アリルフルマッチが45人以上というその選定です。それが実際の患者さんで、そういう患者さんはどれぐらいの割合になるのですか。確かにHLAが合うことは合いますけれども、それがマジョリティだったらそれは構わないのだけれども、これをバッと広げたときに、アンアリルミスマッチでという話になってくると、結構そこで選定が難しくなってきて、このように話が動かなくなるのではないか。この2日で終わるかどうかというところが気にはなるのですけれども。

○小瀧参考人 選択の幅が広がるということ、アリルミスマッチが入ってくるとということですか。

○岡本委員 アリルマッチの人がいっぱいいればいいのですけれども、実際に調べてみるとなかなかない人も多いので、そうするとアリルミスマッチに入っていって、どんどん選んでいくわけですよね。それが、どれぐらいの割合を占めるかということによって、このシナリオは随分変わってくるはずなのです。ですから、このトライアルだけで、すごく早くなるぞと言うのは慎重でなければいけないと思います。

○小瀧参考人 その点は今後詳しい解析も残っておりますので、そちらで見ていきたいと思います。

○井内移植医療対策推進室長 我々の認識として、これを45人以上にしたのは、実際これは一部の方にしかしないので、やはり不公平になると。例えば、拠点病院プラスの病院10施設でしかこれをしないと。他の病院では5人しか選べない中で、一部の患者さんだけが10人を選べるといったときに、その患者さんが出たときに、そのHLAのタイプが独占されてしまうというのが、トライアルをやるという時点ではやはり不公平になるということで、実際にこれは45というのをバンクでは決められたという認識があります。ただ、45以上というところで、実際に本日のお話では、45のところ以上、つまり通常でもそのような方と比較するべきだという御意見なのでしょうか。

○岡本委員 そのトライアルはよく分かります。不公平にならないように占めることはいいのですけれども、実臨床として、フルマッチがこれだけいる方はそんなに多くはないと思うのです。そうなってくると、実際にいろいろなファクターが入ってきて、その選定で10人やったとしても、まず最初の段階でどれをどう選んでいくかということに、このシナリオとは違う時間がかかる可能性があるということを私は気にしているのです。

 例えば海外のバンクでは、そういうときにいろいろなアリルミスマッチがあったときに、アドバイスを付けて、この人はこうではないですかとか、そのサービスをすると確かにコーディネート期間は短くなりましたというデータも出ているので、やはり現場は悩むはずなのです。そこのところが、本当のトライアルとしてやったときに、反映できているのだったらそれで構わないのですけれども、そういう理解でいいのですか。現実とちょっと違う特定のドナーのポピュレーションが選ばれているので、そこがちょっと気になっているのです。

○小瀧参考人 本日の本編資料の4ページの、先生の御指摘のところは、コーディネート期間の通常の患者登録から確定までの10日間かかっているところが、他についてもかかってくるのではないかと認識いたしました。そこについてはおっしゃるように、この中からどのようなドナーさんを選ぼうかと先生が迷われた場合に、治療方針、ドナーさんの選択基準がしっかり決まっている所は、通常のコーディネートでも早いと認識しています。でも、そこでどのドナーさんを選ぼうかと迷われるケースについては、現在骨髄バンクでは、主治医相談窓口を設けていて、どういうドナーさんを選んだらいいかということの相談を受け付ける機能がありますので、そういう所に御相談いただいて、早く決めていただくという取組を続けるということかと思っています。いかにここの10日というところを短くしていただくか、早く決めていただくかということかと思っています。

○小澤委員長 その他はいかがですか。単純に考えると、その開始のときのドナー人数は多いほうがスムーズにできるような気もするのですけれども、現実にはいろいろと難しいファクターも入ってくるというお話です。先ほど、海外では上限はないというお話でしたけれども、海外は大体どのぐらいなのですか。

○小瀧参考人 私たちが把握しているところでは、10人、20人というのを聞いたことはありますが、実際正確な数字は持っておりません。

○岡本委員 それは、全部ドナーが選べるのです。全部データが見られて、好きなものを幾らでも選べるのです。他のドナーに付いていなければ。

○小澤委員長 データは出しようがないのですね。

○岡本委員 はい、そうです。

○小澤委員長 他に御質問はないですか。神田委員どうぞ。

○神田委員 これは、10人を選んで一斉に確認検査へ行ってしまうと、患者さんの費用負担は高くなるのですよね。

○小瀧参考人 はい、あくまでも何人のドナーさんの検査を進めるかは主治医の先生、患者さん側に委ねられているので、10人進んだからといって、10人検査をするわけではなく、そのうちから何人というのは。

○神田委員 そこで選べるのですか。

○小瀧参考人 はい、そうです。本日はデータを示していないのですが、トライアルのケースで10人進めて、実際に確認検査に進んだ数は3人を切っていました。その数字というのは、余り現状と変わっていないと認識しています。

○小澤委員長 その他にはいかがですか、野村委員どうぞ。

○野村委員 たくさんの方が検査をするときには、その病院の方は一応確保みたいになるわけではないですか。それで、同時進行が全国でどう起こっているのかちょっと分からないのですけれども、取り合いみたいな形で進まなくなってしまうというような、そのケースでは早く進むけれども、その10人確保のために他が遅れるというような検証はされていくのでしょうか。

○小瀧参考人 現時点までを見ると、一斉に検査に進んでいる方のほうが多いように感じています。そこで何か遅れが出てくるということは、現時点では余り発生していなかったです。スタート時点が同じになりますので、大体検査も同じように進んでいくと今のところ見ています。

○小澤委員長 その他にはいかがでしょうか。もう少し解析を加えていく必要があるという御指摘が幾つか出されました。資料2-1の今後の対応の所に書かれておりますけれども、来年度からのこの方法の全国的な運用の導入について、このまま進めていってもよろしいかどうか御意見を伺いたいのです。データは、もう少しきちんとされるということではありますが、いかがでしょうか。もうちょっと待てという御意見はありますか。

○岡本委員 データの解釈は余りサイエンティフィックではないけれども、でも短くなったことは事実なので、いろいろなことを勘案しても、やることについては問題ないと思うのです。ただ、その辺のところをバンクとしてもしっかりデータとして持っていただいたほうがいいかなというのは事実だと思います。また、それによってあのような調整をされて、問題点に対して更にこういう改善をしていって、この10人に増やしたことのメリットをうまく生かしていくという、そういうスタンスを持っていただければいいと思います。

○小澤委員長 そういう方向でよろしいでしょうか。それでは、この方向で進めていくということで、よろしくお願いいたします。全国への導入ということです。次は、議題(3)「平成30年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要について」ということです。事務局から報告をお願します。

○林室長補佐 資料3を御覧ください。平成30年度造血幹細胞移植対策関係概算要求の概要について御説明いたします。上の所の数字ですけれども、平成29年度予算は22.7億円。平成30年度概算要求額は23億円ということで、3,000万円のプラスになっており、対前年度比では101.4%となります。こちらは概算要求の額になりますので、財務省に予算要求しているものですから、今後予算折衝を行って、年末に予算案として、公表させていただければと考えております。

 具体的な中身ですけれども、一番上のマル増の骨髄移植対策事業費は骨髄バンクの運営費です。この数字の所の見方ですけれども、括弧の中が平成29年度の予算で、なまの数字の所が平成30年度の概算要求金額になっております。昨年度は45,600万円、今年度の概算要求が46,100万円と600万円増になっております。増になっている主な理由は、ドナーの勤務先や、ドナー家族の方が骨髄移植に対する理解を深めていただいて、仕事の関係で都合が付かないといった理由でコーディネートを終了するという人の割合を下げる取組について予算要求したことです。あとは、骨髄バンクのドナーの高齢化が非常に進んでおりますので、それに対する対策として、若年層をターゲットとしたドナー確保の取組を充実するというものです。

2つ目のマル増の造血幹細胞移植医療体制整備事業は、拠点病院の関係の予算です。こちらの予算については、各地域の診療所をはじめとした医療機関との連携の強化を今回は図っていて、そのための予算を増要求しています。昨年度は24,200万円、今年度で25,500万円と、1,300万円増とさせていただいております。

 次はマル増の、臍帯血移植対策事業費です。こちらは括弧の中にあるとおり臍帯血バンクの運営費です。昨年度の予算が58,200万円、今年度が58,500万円ということで、300万円増の要望をさせていただいています。こちらの増の主な理由は、採取時における技術を向上させるための研修体制の強化を図っているもので、300万円増となっております。

 この次の造血幹細胞移植関連情報システム一元化については、今年度は28,600万円、昨年度は29,300万円と、700万円の減になっております。平成26年度は補正予算から平成31年度まで計画的に予算を組んでおり、来年度の執行計画分を概算要求させていただいているところです。

 時間の関係もありますので、その他については御覧いただければと思います。簡単ですが、以上で予算の説明については終わらせていただきます。

○小澤委員長 何か御質問や確認しておきたいところはありますか。バンク移植などが最近は頭打ちと言いましょうか、若干減りぎみとか、そういうことで財政面がかなり苦しいということから、何とかこういう国からの事業費を増やしてほしいという要求は度々聞いているところです。小瀧参考人は、齋藤先生からメッセージか何かありますか。

○小瀧参考人 今回、ドナーさんへの1番の骨髄バンク運営費の所で、ドナーリテンションと言いますか、期間短縮の観点、それからドナーに向けた予算化の所を付けていただけたということで、大変皆で喜んでいるところです。

○小澤委員長 確認したい点などはいかがでしょうか。予算と言われても、なかなかこの解釈は難しいのですけれども、よろしいですか。

○山口委員 裏のほうに、移植医療研究の推進のための経費で1.5億円を計上されているのですけれども、これはAMEDに行くものと、それから厚生労働省の直轄の予算と両方合わせてこのぐらいの額ということでしょうか。

○林室長補佐 AMEDの分も入っています。

○小澤委員長 このメニュー予算というのはどういう意味なのですか。

○林室長補佐 メニュー予算というのは、この場合で言うと保健衛生施設等設備整備費のメニューになります。このメニュー以外にも、感染症指定医療機関などの設備などいろいろなものがあります。保健衛生施設等設備整備費という大きな予算の枠というバケツにメニューがあれば、要求していただいて、その予算の枠というバケツの中の水が使えるというものです。

○小澤委員長 他にはよろしいですか。ありがとうございました。最後のほうは順調に進んできて、4番の「その他」になります。委員の先生方から何か御発言等はありますか。何でも結構です。本日は1番の議題が一番難しいテーマで、今後どのように。

○井内移植医療対策推進室長 1点だけ御報告させていただきます。先週、診療報酬等を決める中医協という会があって、その中で造血幹細胞移植に関しても取り上げられました。その際には、本日議題で出させていただきました骨髄バンクにおけるドナーの最初の開始人数の増加に関してと、HCTC、この委員会の中でも取り上げていただいております。HCTCについて議論の俎上に載ったということです。全体のパイの話があったりとか、まだまだ決まるまでは紆余曲折はあるのですが、一応そういった診療報酬の場でも検討はなされるようになったということを一言だけ御報告させていただきます。

○小澤委員長 この移植の拠点病院の数をどういう方向に持っていくとか、その辺の議論はどんな感じで進んでいくのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 それは正にこの委員会の中でと思っております。平成30年末で、スタートする病院が結構バラバラだったので、一応一度全体が終わるというか、平成30年末を目途にして、今、拠点病院の先生方にも、それぞれ地域で特性がある形でやっていただいていますので、今後どういうことを進めていくべきなのかとか、どういうことが難しいのか、そういうことをお聞きしながら、そもそも拠点病院の数が今のままでいいのか。同じ拠点病院といっても、多分エリアによって、関東エリアと四国エリアでは大分違いますので、そういう状況なども含めて、どういう在り方にするべきかということは、またこの委員会の中で検討させていただきたいと思っております。

○小澤委員長 その他にはよろしいでしょうか。いつもは時間が足りなくなるのですが、本日は珍しく時間が余っていますので、何かついでに聞いておきたいということはないでしょうか。特にないようでしたら、本日の議題は以上となります。事務局から何かありますか。

○瀬戸室長補佐 本日は活発な御議論を頂きましてありがとうございました。次回以降の開催については別途調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○小澤委員長 それでは、本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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