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2018年11月15日 平成30年度第1回水質基準逐次改正検討会

○日時

平成30年11月15日(木) 10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省共用第8会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館20階)

○出席者

松井座長、浅見委員、泉山委員、亀屋委員、小林委員、広瀬委員

○議題

(1) 平成30年度 水質基準等の見直しについて
(2) 農薬類の分類の現状と課題について
(3) その他

○議事

 

○小林係長
それでは定刻となりましたので、ただいまより平成30年度第1回水質基準逐次改正検討会を開催いたします。委員の皆様方には、御多忙中にもかかわらずお集まりをいただきましてありがとうございます。本検討会の開催に当たりまして、事務局を代表しまして、厚生労働省医薬・生活衛生局水道課水道水質管理官の柳田より御挨拶を申し上げます。
 
○柳田水道水質管理官
おはようございます。本年7月23日付けで水道水質管理官を拝命いたしました柳田と申します。よろしくお願いいたします。委員の先生方におかれましては、日頃より水道行政の推進につきまして御協力いただきは誠にありがとうございます。また、本日はお忙しいところ、本検討会に御出席いただきありがとうございます。
水道の水質基準又は、それに準ずる水質管理目標設定項目等につきましては、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により見直しを行うこととしておりまして、本検討会において検討を行っているところです。本日は、水質基準等の見直しということで、大きなものといたしまして9月に出されました内閣府食品安全委員会の答申を踏まえた六価クロム化合物に関する見直しの方針について御議論いただきたく思います。また、このほかについても、基準の見直しについて御議論いただきたいと思います。
農薬類の分類見直しに関しましては、昨年度の検討会でも議題とさせていただいたところでございますが、検出状況のデータ整理を行うなど、現在の検討状況を御報告させていただきますので、これについても御議論いただきたいと思います。本日は忌憚のない御意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○小林係長
検討会の委員につきましては、参考資料1の名簿に記載しております。本日の出席状況ですが、全8名中、伊藤委員、西村委員から御欠席の連絡をいただいておりまして計6名に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
続いて配布資料の確認をいたします。議事次第の裏面に配付資料として一覧が載っております。資料1から参考資料5まで用意しております。資料1は、水質基準等の見直しについて(案)、資料1参考1として、内閣府食品安全委員会における評価の概要、資料1参考2として検討会の委員限りということで、農薬類の代謝物・異性体の評価方法と検査方法について、資料1参考3は、最近の水質基準項目等の検出状況、資料2は、農薬類の分類の見直しに関する検討状況について、資料2参考として、農薬類の水質検査データの整理結果です。そのほか参考資料として5種類用意しております。不足等ありましたら事務局までお申し付けください。
続きまして、以降の進行に先立ちまして座長の選出を行いたいと思います。参考資料2に、この検討会の運営要領を付けてあります。こちらの3.(2)において「座長は平成30年度第1回検討会において構成員中から選出する」ということにしております。事務局といたしましては、昨年度の座長、松井委員に引き続き座長をお願いしたいと考えておりますがよろしいでしょうか。ありがとうございます。
マスコミの方におかれましては、カメラ撮りは、会議の冒頭のみとさせていただいておりますので御協力をお願いいたします。
それでは、以降の議事進行につきまして松井座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○松井座長
松井でございます。座長を拝命しました。皆さんから闊達な御議論をいただき、まとめていきたいと思いますので、御協力のほどをよろしくお願いします。それでは、議題に入る前に本検討会の公開の取扱いにつきまして、事務局より御説明をお願いします。
 
○小林係長
同じく参考資料2の運営要領の4.その他におきまして、(3)「検討会の公開の取扱いについては、検討会において決定する」とあります。その取扱い案を参考資料3に示しております。この検討会は、水道課長の設置する検討会ですが、個人情報の保護等の特別な理由がない限り、基本的に公開とすることとしており、本検討会は原則公開です。開催予定、委員の御名前、御職業、会議資料、議事録についても併せて公開とさせていただいております。ただし、検討に必要なために、取りまとめ前の中間段階の調査結果あるいは、先生方からの未発表の研究成果を出していただく場合は、知的財産権の保護の観点から、非公開とさせていただきたいと思います。このため、本日の資料1参考2を委員限りとさせていただいております。よろしいでしょうか。
○松井座長
それでは、御意見もございませんので、取扱いにつきましてはこのようにしたいと思います。では議題に入りたいと思います。(1)平成30年度水質基準等の見直しについてです。まず、事務局のほうから御説明をお願いします。
 
○小林係長
それでは資料1 水質基準等の見直しについて(案)の御説明をいたします。まず、1ページ目に趣旨が書かれております。水質基準については、平成15年の厚生科学審議会の答申において、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により見直しを行うこととされており、厚生労働省では水質基準逐次改正検討会を設置し所要の検討を進めております。
そちらの基本的な考え方を四角の枠内に書いています。その下に水質基準、水質管理目標設定項目、要検討項目の体系図をお示ししております。今年度予定している見直しにつきましては2ページ目以降に記載しております。
2ページ目の2.科学的知見等に基づく見直しです。その中で食品健康影響評価の結果を踏まえた見直しについて説明します。水質基準項目に関し、内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果が示され、これまで厚生科学審議会の水道部会で未検討のものは六価クロム化合物です。こちらにつきましては、平成30年9月18日の内閣府食品安全委員会の答申により、新しいTDIとして1.1μg/kg体重/日が示されました。現行評価値の設定根拠及び今回の食品健康影響評価の結果並びに対応方針(案)は以下の表に掲げるとおりです。
なお、この食品安全委員会評価書ですが、この中では食品中のクロムは三価の状態で存在すると考えられており、食事中からの六価クロムの摂取量については推計対象外となっております。こちらの評価書は参考資料4としてお配りしております。一方、水道水中では残留塩素の影響で水中のクロムはほぼ六価クロムとなるとしております。なお、食品安全評価書には水道水における総クロム中の六価クロムの存在割合が約7割との報告もありますが、測定数が限られており、安全側の観点からほぼ六価として扱うことが適当と考えられます。
3ページ目です。水質基準値を算出するに当たり重要なデータとなる割当率ですが、飲料水以外からの摂取量がない確かなデータがある場合、WHOやUSEPAで示されている上限の80%となります。ただ、食品安全委員会評価書では、食品中のクロムは三価で存在するとされておりますが、飲料水以外からの六価クロムの摂取経路が確かにないということまでは言えないため、割当率は60%とするのが適当ではないかと考えられます。
この点につきましては本日御欠席の西村委員から、割当率の60%の根拠がどうなっているのかというコメントがございました。こちらの考え方は先ほど申し上げたとおりでして、重ねての説明になってしまいますが、飲料水以外からの摂取がないというところで、確かなデータがある場合は80%となりますが、今回、この六価クロムにつきましては、飲料水以外からの摂取がないということが確かには言えないため、もう少し低い値になるのではないかと考えられました。割当率の最大は80%で、100%から20%下がることから、80%から同様に20%減らし60%としたというところです。
この場合、1日2L摂取、体重50㎏、寄与率を60%として算出される新評価値は0.02㎎/Lとなり、現評価値0.05㎎/Lと異なりますので、見直しが必要な項目と考えられます。
新しい評価値にした場合、検出状況はどうなのかを表1にまとめてございます。こちらは平成28年度水道統計六価クロムの化合物のデータを確認いたしました。全6,329地点におきまして新評価値の50%値、0.01㎎/Lを超えるようなところはなく、新評価値が0.02mg/Lとなった場合でも十分遵守可能であると考えられます。
引続き(2)農薬類についてです。こちらも水道部会において未検討のものを表2に示しております。表2において網掛けの部分は現行評価値と異なる評価値が得られました。ゆえに、見直しを実施すべき項目となります。こちらの網掛けですがカルバリル、クロベナゾール、メタラキシルが対象農薬リスト、その他農薬としてMCPB、シペルメトリンが評価値の見直しの検討対象でございます。
説明が遅くなりましたが、食品安全委員会の評価の概要につきましては資料1参考1に六価クロム化合物も含めまとめておりますのでご覧ください。
引続き2-2の「代謝物、分解性、検出状況に関する知見を踏まえた見直し」についてです。(1)代謝物、分解性に関する知見を踏まえた見直しを御説明いたします。まず1つ目がアミトラズです。対象農薬リスト掲載農薬類のアミトラズにつきまして、分解物であるN-2,4-ジメチルフェニル-N’-メチルホルムアミジン(DMPFと略)を測定し、代謝物の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出することといたします。
同じく、オリサストロビンにつきましても、代謝物も測定いたしまして、原体の濃度と代謝物の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出することといたします。
除外農薬ですが、イプロジオンにつきましても、代謝物を測定し、原体換算した濃度を合計して算出することといたします。また、分解物を含めた検出状況を把握するため、除外農薬から「要検討農薬」に移行したいと考えます。目標値につきましては、平成15年の答申において設定されている0.3㎎/Lとします。こちらにつきましては資料1参考2で小林委員に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○小林委員
国立衛研の小林と申します。資料1参考2委員限りの資料になりますが、こちらについて説明させて頂きます。
農薬類の代謝物・異性体の評価方法と検査方法につきまして国立衛研で検討した結果を説明したいと思います。まず背景ですが、農薬は環境中あるいは植物体内で分解物・代謝物に変化するものが多く存在します。分解物にも毒性がある場合には、原体のみの管理を行っても健康リスクを過少評価する可能性があるため、分解物も含めた管理体制を構築する必要があると考えております。
水道水質検査の対象農薬につきましては、現在はその一部が分解物・代謝物、代謝物の中には塩素処理により生成するオキソン体も含まれております。こういったものが検査対象になっておりますが、包括的に分解物の評価が行われていない状況であります。特に、平成25年の分類見直しの時に対象農薬リストに追加された33農薬は、分解物の評価が行われておらず、原体のみが測定対象となっております。これらの農薬の中には、目標値の算出の基となっているADIが分解物との合算値として設定されているものもありますので、こういった農薬については、分解物と併せた評価が必要であると考えております。
資料の表1には、平成25年に対象農薬リストに加えられた農薬を中心に原体と分解物の両方がADIの設定の対象となっており、なおかつ食品の分野では合算で評価されている農薬の一覧を示しております。こういった農薬については、水道水中の分解物の検査方法を速やかに検討して、分解物の検査対象にすべきと考えております。今回、表1に示した農薬の中で、先ほど厚生労働省からも御説明がありましたアミトラズ、オリサストロビン及びイプロジオンについて分解物の検査方法と、分解物の水中での安定性についても検討し、良好な結果が得られましたので報告したいと思います。
まず、アミトラズにつきましては、現在、標準検査法は液体クロマトグラフ-質量分析法による一斉分析法で、別添方法20の2が設定されておりますが、アミトラズは水道水中での加水分解性が高く、報告されている半減期は、22時間と短いために非常に分析は困難になっております。一方、農産物中のアミトラズの試験方法では、アミトラズとその分解物であるN-2,4-ジメチルフェニル-N’-メチルホルムアミジン(以下DMPFと略)を測定し、DMPFをアミトラズに換算した合算値として評価しております。
今回、水道水中におけるアミトラズの分解につきましてDMPFと、アミトラズは他にも分解物が知られておりますので、そのうちN-2,4-ジメチルフェニルホルムアミド(以下DMFと略)を含めた検討を行いました。
今回の検討はアミトラズ、DMPF及びDMFに次亜塩素酸ナトリウムを添加して塩素処理を行い、その安定性について調べましたが、アミトラズは半減期が5時間程度という結果でした。食品で検査対象となっているDMPFにつきましても、急速に濃度が減少するという結果でした。一方、DMFにつきましては、濃度が徐々に減少してきますが、今回検討した3つの成分の中では最も分解速度が遅いという結果でした。こちらをまとめているのが図1になります。なお、東京都健康安全研究センターの木下らは、水道水の中でのDMFの濃度変化はほとんど認められないことを報告しております。
したがいまして、水道水中のアミトラズの分析としては、農産物中のアミトラズの試験方法で対象としているDMPFよりもむしろDMFを測定する必要があると考えております。

続きましてオリサストロビンですが、こちらも平成25年に対象農薬に追加されております。食品分野では平成18年に代謝物である(5Z)-オリサストロビン、こちらは「EZE異性体」とも呼ばれておりますが、こちらも合わせて評価することが通知されております。食品安全委員会では、ばく露評価の対象物質を「オリサストロビン及びそのEZE異性体」と定めており、両者の合算値に対してADIが設定されているということがその根拠となっております。
しかし、水道ではオリサストロビンが対象農薬に設定された際、この異性体に関して検討はされておらず、現在は原体のみが検査対象となっております。こちらの標準検査法としては固相抽出-GC/MS法(別添方法5の2)と今年4月に新たにLC/MS/MS法(別添方法20の2)が適用されております。
この2つの検査方法を用いて、オリサストロビンと(5Z)-オリサストロビンの両方を同時に測定できるかどうかを検討しました。その結果、まず別添方法20の2のLC/MS/MS法におきましては図2にクロマトグラムを示しておりますが、(5Z)-オリサストロビンはオリサストロビンと同時に検査できるということ、それから表2に示しておりますように水道水の添加回収試験の結果、妥当性が確保できることの検証をしております。また、複数機関によるバリデーション試験でも妥当性が確保できていることから、オリサストロビンについは(5Z)-オリサストロビンも検査対象とすべきと考えております。
また、別添方法5の2のGC/MS法につきましては現在検証中でありまして、こちらの方法でも(5Z)-オリソストロビンが測定可能かどうか、検討を行っているところです。
最後にイプロジオンです。イプロジオンは平成25年から除外農薬に指定されております。図3にイプロジオンの構造式を示していますが、イソプロピル基とジクロロフェニール基が入れ替わった代謝産物が生成することが知られています。食品分野ではHPLC法が通知されており、イプロジオン原体とこちらの代謝産物の両方を測定し、合算で評価を行っています。水道水質検査ではGC/MS法(別添方法5)と固相抽出-LC/MS法(別添方法18)が通知されておりますが、こちらでは代謝産物は検査対象となっていません。
そこで、まず水中においても、イプロジオンの代謝産物が生成するかどうかの検討を行いました。精製水にイプロジオンを目標値の0.3㎎/Lとなるように添加し、最終的に15日までの経時的な変化を計測しました。その結果、図4に示しましたように、イプロジオン原体の経時的な分解と代謝産物の経時的な生成が確認されました。一方、代謝産物は添加した原体に換算してほぼ100%の回収率が得られているということから、水中においてはほぼ全量が代謝産物に変換されることが分かりました。
そこで、原体と代謝産物を同時に分析するための分析法について検討を行いました。その方法を図5に示していますが、現在の別添方法18では固相抽出後、精製水で定容することになっていますので、この方法で検討した場合に前処理が終わった試験溶液が徐々に分解していくという結果でした。そこで、図5に示しています改良法として、最終的にアセトニトリルで定容して、こちらをLC/MSで分析するという方法に改良したところ、表3に示しますように水道水の添加回収試験においてイプロジオンの原体と代謝産物の両方を良好な精度で検査できることが分かりました。
以上の検討結果から、イプロジオンについは水中でも植物体内で生成する代謝産物と同じ化合物に変換されるということ、食品分野では原体と合算で評価されているということ、水中でも安定的に存在するといったことから、この代謝産物を水道水でも測定が必要というように考えております。
また、検査法につきましては、現在のLC/MSによる標準検査法では抽出後に精製水で定容する操作になっていますので経時的に分解していきますが、定容する溶媒をアセトニトリルに変更することで精度良く分析できることが分かりました。現在はGC/MS法(別添方法5)でイプロジオンと代謝産物が同時に検査できるかどうかを検討するための妥当性評価の試験を行っております。
以上についてまとめたものが表4になります。対象農薬のアミトラズにつきましては代謝物のDMFを測定し、原体と合算で評価する方法を提案いたします。その際、適用できる検査方法としては別添方法の20の2があると考えています。
対象農薬のオリサストロビンにつきましては(5Z)‐オリサストロビンも測定し、原体と合算で評価する方法を提案いたします。検査方法としては別添方法20の2が適用できることを確認しておりますが、別添方法5の2については今後検討を行っていく予定です。
最後に、除外農薬のイプロジオンにつきましてはイプロジオンの代謝産物を測定し、原体と合算で評価する方法を提案いたします。検査方法としては別添方法18を一部改良した方法が適用できることを確認しております。また、別添方法5で代謝産物も測定できるかどうかについては今後検証を行う予定です。以上になります。
 
○小林係長
ありがとうございました。
続きまして4ページ目、最後の段落の(2)検出状況に関する知見を踏まえた見直しから御説明いたします。対象農薬リスト掲載の農薬類であるエディフェンホス、エトリジアゾール、カルプロパミド、メチルダイムロンにつきましては登録が既に失効した農薬です。また、平成28年度までに原水中での検出実態がないというところから、こちらにつきまして「除外農薬」に移行するというように考えております。原水中での検出実態につきましては水道統計のデータから見直しております。
5ページ目に移ります。厚生労働科学研究の成果より、近年原水においてイプフェンカルバゾン検出傾向が増加しているというデータがございます。こちらにつきまして、「要検討農薬」へ追加し、継続して検出状況の知見を収集することとしたいと考えております。また、食品安全委員会により平成24年10月29日付けでADIを0.00099㎎/㎏体重/日が設定されており、こちらから1日2L摂取、体重50㎏、寄与率10%として算出される評価値0.002㎎/Lを目標値として設定したいと考えております。
以上、見直し方針(案)をまとめますと以下のとおりになります。まず水質基準項目ですが、六価クロム化合物の新評価値(案)の設定につきましては、年度内に開催予定の厚生科学審議会生活環境水道部会で方針を決定した後、食品安全基本法の規定に基づき、内閣府食品安全委員会の意見を聴取することといたします。その後、パブリックコメント手続き等を経まして新基準値を設定、2020年(平成32年)4月1日から適用することを予定しております。
(2)農薬類です。対象農薬リスト掲載の農薬類につきまして、パブリックコメント手続き、厚生科学審議会生活環境水道部会を経まして下記の見直しを行い、平成31年4月1日から適用したいと考えております。
一点目はカルバリル、プロベナゾール及びメタラキシルに係る新評価値の設定。二点目はアミトラズ、オリサストロビンに代謝物の測定及び原体への合算の追加。三点目はエディフェンホス、エトリジアゾール、カルプロパミド及びメチルダイムロンの除外農薬への移行です。
要検討農薬、その他農薬及び除外農薬につきましては、水道部会における審議をもって下記の見直しを行い、平成31年4月1日から同様に適用したいと考えております。まず、一点目がイプフェンカルバゾンの要検討農薬への追加及び目標値の設定。二点目がその他農薬類としてMCPB、シペルメトリンに係る新評価値の設定。三点目が除外農薬はイプロジオンの分解物の測定及び原体への合算の追加並びに「要検討農薬」への移行、以上を見直し方針案とさせて頂きたいと考えております。
続きまして6ページ、3.の水質検査結果に基づく水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類見直しです。まず、(1)分類の見直しの検討方法についてごく簡単に御説明させて頂きます。表3に分類要件を示しておりますが、平成22年、第8回の厚生科学審議会生活環境水道部会で了承された考え方に従って、これらの項目間での分類変更について検討したものです。
今回、検討を行った個々の検出の状況につきましては資料1参考3の8ページ以降にお示ししております。まず、8ページから11ページまでが水質基準項目の整理結果、12ページから13ページまでが水質管理目標設定項目の整理結果、14ページ目以降が対象農薬リスト掲載の農薬類の整理結果となっております。こちらも水道統計を基に集計しており、一部当課で水道事業者にヒアリングをして修正を行っているものです。
続きまして(2)の集計及び検討結果です。これらの集計を行った結果、水質基準項目である「陰イオン界面活性剤」と水質管理目標設定項目の「ニッケル及びその化合物」の2つが分類変更を検討すべき項目に該当いたしました。その結果につきましては、資料1の8ページ目、表4に載っております。青枠と赤枠で囲っている部分があり、青枠の「分類要件1NO」に該当する陰イオン界面活性剤、赤枠で囲っているニッケル及びその化合物が対象というようになっております。
6ページ目に戻りまして、まず水質基準項目である陰イオン界面活性剤について御説明いたします。こちらにつきましては「分類要件1(最近3か年継続で評価値の10%超過地点が1地点以上存在)NO」に該当しております。陰イオン界面活性剤の検出状況につきましては、先ほどの資料1参考3のところでお示しした10ページの水質基準項目41番目のところです。平成24年度に50%超過地点が1か所あります。それ以降は検出されていない状況です。こちらにつきまして、昨年度は平成27年度にも50%超過地点が1地点あったと前回の検討会で御説明いたしました。
また、平成28年度も同様に水道統計上では50%超過地点が1地点ありましたが、それらがいずれも同じ地点というところで、当該水道事業者にヒアリングをしたところ誤報告で、正しくは不検出であることを確認いたしました。平成25年度以降、検出地点がないということになりますが、平成24年度までは確かに50%値超過地点が存在していたこと、また、平成28年度も10%値検出地点が存在していたということ、陰イオン界面活性剤の販売量がまだ一定量あるということも考慮いたしまして、今後も検出実態の把握に努め、引続き水質基準に据え置いて管理していくことが望ましいと考えております。
7ページに移りまして、水質管理目標設定項目の「ニッケル及びその化合物」についての御説明となります。ニッケルについては毎年、検討対象となっておりますが、昨年度の検討会におきまして平成24年度から平成27年度の給水栓水における検出状況を精査したところ、四角の枠に囲みました➀から➂のとおり、この検出データについては水質基準に分類するかどうかの判断をする根拠としては適当でないと考えられ、引続き水質管理目標設定項目とし、給水栓水での検出状況等を注視していくことが適当としたところです。
以上の経緯に加え、平成28年度におきましては評価値の50%値超過地点がなかったというところで、「ニッケル及びその化合物」につきましては引続き水質管理目標設定項目とし、給水栓水での検出状況等を注視していくことが適当であると考えております。今回の分類見直し方針(案)といたしましては、水道水中の検出状況による水質基準及び水質管理目標設定項目間での分類変更は行わない方針を考えております。
資料1の説明は以上です。
 
○松井座長
ありがとうございました。それでは、御意見、御質問あればお願いしたいと思います。できれば、前半部の六価クロムまでで、まず御意見、御質問を審議したいと思います。よろしくお願いします。
 
○浅見委員
資料の御紹介、ありがとうございました。最初の六価クロムについてなのですけれども、この六価クロムの食品安全委員会の審議にも参加させていただいておりまして、やはり、水道水中の塩素濃度により全部に近い状態、最大74%ぐらいが六価クロムに変換されてしまうということもあり、六価クロムとしての基準値を見直すというところは致し方ないのかなと思っています。
先ほど、割当率を60%とするのが適当かどうかという議論のところで、ほかの分野からの摂取量がどうかという御紹介があったところですが、原本を拝見しますと食品安全委員会の評価書が、多分16ページの間違いではないかと思いますが。16ページに、1日摂取量の推定があります。皆さんのお手元にあれば、そこを見ていただきたいと思います。「以下の理由から」六価クロムの状態で存在していると考えられるという所の、理由の1つが食品の六価クロムを検出されているものがあるが、間接的な検出方法で信頼性が低いのでということで、まずバツにしています。2番目では、分別定量を用いて計測したが、検出されなかったのでバツ。3番目では、植物性食品では恐らく還元されるだろうということでバツということで、本当に検出されないのかどうかが、非常に微量なところで食品中のものは検出するというのが、結構難しいのもあり、若干、不安があるところもあります。全くゼロと断言できるかどうかというのが、ちょっと心配なので、水は80%ではなく安全を見て60%というぐらいのところで、落とし所というのは致し方ないのかなと思います。これの完全な根拠があるということよりは、若干、安全側を見てというのが正直なところかなと思っています。以上です。
 
○松井座長
ありがとうございます。今、浅見委員から水道水中では最大7割まで変換されていると、御発言がありましたけれども、最大ではないですよね。
 
○浅見委員
今まで、はっきりとしたデータの中では、ちょっとあり得ないぐらい高い塩素濃度でやったものでは、もうちょっと高いものがあるかもしれませんけれども、全体としては、最終的に、もし、酸化剤が過剰に残っている状態では六価クロムまでいってしまうという誤発は、あり得るかなと思います。
 
○松井座長
ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
 
○広瀬委員
私も、その水道中の存在量の割合を根拠にするというのは、なかなか変動する要因も高いので、全部なったとしてやるという方向では同意していいと思います。
あと60%については、なかなか嫌ですから、結局80%からというところです。問題は、食品がどのくらいあるかということの引き算を考えればいいと思います。例えば、食品の場合は三価も含むので、総クロムというものを摂取量で食品から下限線でやったときに、大体1日50μg、三価ですけれども。それが例え六価だとしても、その分で引いていくと同じような、それを六価とみなして割当率を計算すると、60ぐらいになっています。何となく偶然ですけど、するので。最終的には難しいですけれども、そこは妥当な判断ではないかと思います。
 
○松井座長
ほかにございませんでしょうか。
 
○亀屋委員
ちょっと確認だけなのですけれども、資料1の3ページに表1がありまして、28年度のケース状況のデータが載っていますが、食品安全委員会の報告書の42ページには、1年前の平成27年のデータが載っていて、ちょっと違ったデータが出てきているのです。ここ数年、近年見ても、新評価値の50%超地点は1個もなかったということで、よろしかったでしょうか。
 
○小林係長
それにつきまして、平成28年度から24年度までの過去5年間において、六価クロムが0.01mg/Lを超える地点は、水道統計上、確認はされませんでした。ちょうど0.01mg/L検出された地点が、平成25年度に1か所ありました。
 
○浅見委員
今のところで平成28年度水道統計は、実際に登録された原表でもっと細かく見れたので、それの値をこのような表記してくださっていて、多分0.005という定量下限値を記載されているところが多いので、数が多くなっているという理解でよろしいでしょうか。あと多数とあるところは、これは可能であれば数字を入れていただけたらと思います。
 
○小林係長
このnd、定量下限値以下というところで、恐らく全6,329地点から検出されている地点数を差し引いた地点数がカウントされるものと思われます。資料の表記方法としては適当ではなかったかもしれません。
 
○松井座長
そうですね、そこは数字を後で修正しておいていただければと思います。
 
○浅見委員
多分ですが、この0.005とあるところには、不等号の記載を忘れた事業体さんの数が入ってるのではないかと思いました。これは水道統計の集計方法の課題として、いつもちょっと非常に問題で困るなと、是非、改善していただきたいのですけれども、不等号があるかないかで、ここなのか、それとももっと下の値なのかというところが、変わってしまうのですが、ちょっと、そのぐらいの誤差は含まれた数字ということで、御了解いただきたいと思います。
 
○松井座長
私もそのことを今、聞こうと思っていたのですが、そうですよね。ほかにございますか。
細かいことですけれども、資料2の表の中の左側の現行の所の最大許容濃度のMaximumのXが抜けていますので、誤字修正をお願いします。
 
○小林係長
誤字修正させていただきます。
 
○松井座長
続きまして、よろしければ農薬のほうにいきたいと思います。農薬のほうについて、何か御質問あればお願いします。
 
○浅見委員
小林先生、御紹介をありがとうございました。農薬類の代謝物・異性体について、食品の評価で入っているものを両方とも、できれば評価していくというところは、確かに重要かなと思いますので、測定法の検討をお願いできると有り難いなと思います。ちょっと確認です。1つ目は、アミトラズに関しまして、アミトラズとDMPFとDMFの挙動を示したグラフがあるのですけれども、これはそれぞれを次亜塩素酸ナトリウムの溶液に入れて、変化を見られたものでしょうか。それとも、全部混ぜてから、アミトラズが環境中や塩素処理が行われたときに、DMPFやDMFに変換していく割合などが分かっているのかどうかというところを、教えていただければと思いました。
 
○小林委員
先ほどお示した結果はそれぞれを別々に添加して分解速度を調べたものになります。変換率についてですが、今回は省略をさせていただいたのですが、アミトラズ原体を添加した場合にDMPFとDMFの両方に変換されるという結果と、もう1つは、生成したDMPFが水中でさらにDMFに変換されるという結果の両方の結果が得られています。まとめると、水中では最終的にDMFに変換されるという結果になります。
 
○浅見委員
すみません、普通の水でもなるのですか。
 
○小林委員
今、お話ししたのは、普通の水、pHを7に調整した水になります。
 
○浅見委員
塩素がなくても、環境中でもDMFになっている可能性があり、かつ塩素処理を行った後では、更にDMFになりやすいということでよろしいですか。
 
○小林委員
まとめるとそういう結果になります。
 
○浅見委員
ありがとうございます。もう1点、オリサストロビンに関してなのですけれども、これは前に光学異性体があるということで、何かの議論になったことがあったような、ちょっとうろ覚えなのですが、どちらかが活性があり、どちらかがないけれども、生産上、両方一緒にできてしまうという理解でよろしかったでしょうか。環境中には、両方ある。
 
○小林委員
環境中での調査というのは、まだ限定的ですが、異性体も検出されているという結果を持っています。どちらかのみに活性があるかどうかは、よく分からないです、すみません。
 
○浅見委員
でも、両方、評価の対象になっているということであれば、合算してこちらの方でも評価するというのは、妥当なところかなと思います。ありがとうございます。
 
○松井座長
はい、イプロジオンに関しては、食品安全委員会では両方、合算するということなので、すみません、オリサストロビンです。両方、合算するということなので、それでいいと思います。アミトラズのDMFについては、これは食安委では合算になっているのですか、ここで明確に書かれていなかったので。
 
○小林委員
今回、水中で一番残留性が高いという結果が得られたDMFは、食品分野では対象になっていないものになります。
 
○松井座長
そうしますと、前回も議論したのですけれども、食品の方で合算になっているものは、整合性の観点もあり、水道でも合算にしましょうということがあったと思います。もう1つ、以前にテフリルトリオンの際に、分解物としてCMTBFについては、水道水中で主な分解物になることは判明したのですけれども、毒性が定かではないが、毒性は恐らく低いだろうということで、それについては合算の対象にしないということがありました。その意味でDMFが食安委で毒性について、どのような状況になっているかについて、調べていただいて、もし食安委でも食品中には主な残留物ではないけれども、毒性は原体と同様として扱ったほうがいいというような記載がありましたら、それについては一緒に合算したほうがいいのではないかと思いますので、そこをもう少し、小林先生のほうで御検討いただければ有り難いなと思いました。
 
○小林委員
分かりました。検討したいと思います。
 
○松井座長
ほかにございますか。
 
○広瀬委員
今のアミトラズの件については、松井先生の意見でいいと思います。ちょっとDMFについては、どう扱うかはちょっと検討して毒性について見た方がいいと思います。
 
○松井座長
ほかにございませんか。事務局からは何かありますか。
 
○小林係長
確認なのですが、アミトラズ代謝物は、DMFの毒性が確認できれば、原体との合算で評価を行うべきとの考えでよいでしょうか。
 
○松井座長
そうですね、合算すべしというような妥当性があれば、合算した方がいいのではないかということと思います。ほかの農薬については、食安委でも合算して評価しているということがあれば、これは恐らく原体と同じような毒性の可能性が高いという考え方に基づいていると思います。このような場合は水道の方も、合算するということでよろしいかと思います。ほかにございますか。それでは、農薬、それから後ろの方の全体を通じまして、何かございますか。
 
○柳田水道水質管理官
6ページの分類見直しも。
 
○松井座長
はい、それについても。
 
○浅見委員
分類見直しの陰イオン界面活性剤について、先ほど御紹介をいただいたのですけれども、最近の生産量、出荷量を拝見したところ、一時期ちょっと下がったのですが、また最近、少し増えているような傾向があるようで、もう少し基準に据え置いて管理していくことが望ましいのではないかと思っています。中身が分からないところもあり、陰イオン界面活性剤と一口に言いましても、いろいろあるということで、もう少し精査が必要かもしれないのですが、引き続き分析方法等も含めて検討していったほうがいいかもしれないなと思っています。
今の方法で、今、対象となっているLASに関しては、今の分析方法で余り障害があるという感じではないですけれども、LC/MS法など、ほかにも方法を提案されている方もいらっしゃるようです。それも含めてと思うのですが、ほかの陰イオン界面活性剤でも、もし増えているもの等があれば、それについても注視をしていってほうがいいかと思っています。
もう一点、ニッケルは昨年度調査を、こちらでもさせていただきました。給水栓の約2割で、最初の初流水が高いという傾向があります。その後は何ともないのですけれども、やはり本当に蛇口を数時間、置いたままでちょっと開けると最初のファーストフラッシュだけは、ちょっと高いものが入ることがあります。蛇口をどのように管理していくのかというところも含めて、また議論させていただければと思います。
 
○松井座長
ありがとうございます。それについては、浅見先生のほうで引き続き検討されているのですよね。
 
○浅見委員
はい、そうですね、まとめていかなければと。
 
○松井座長
科研のほうで、また報告が出ると思いますので。
 
○浅見委員
ちょっと海外等の動向を、今後も注視していく必要があると思います。製品管理とかが、日本でももう少しできるのではないかという御指摘もあります。もし、できるのであれば、下げていくほうが望ましいのかなという部分もあり、基準だけではなく給水装置の管理としても管理できる部分があるかもしれないので、もう少し議論できればなと思っています。
 
 
○松井座長
ありがとうございます。ほかにございますか。よろしいですか。それでは議題1については、終了させていただきたいと思います。
続きまして、議題2の農薬類の分類見直しについてです。まず、御説明をお願いします。
 
○柳田水道水質管理官
議題2に入る前に、もう一度、若干繰り返しになりますけれども、ただいまの御議論を踏まえて、資料1に関しての今後の予定を御説明させていただければと思います。
資料1の5ページを御覧ください。先ほど、小林からも説明させていただきましたけれども、六価クロム化合物については方針としては、おおむね了解が頂けたものと考えています。今後、厚生科学審議会生活環境水道部会で方針について、御議論いただきたいと考えているところです。その後、御了解が得られましたら、内閣食品安全委員会の意見を聞いたり、また来年度の検討会でもう一度、出た結果等について報告、そしてまた御議論いただきたいと考えているところです。
対象農薬リスト掲載農薬類については、パプリックコメントをこの後行いたいと考えています。このアミトラズの部分について、方針が確定次第させていただきたいと考えています。そして、パプリックコメントを行った際には、結果が出てきますので、その対応方針については、一旦、事務局で案を作成し、検討会の委員の先生方にも御確認いただきたいと考えていますので、御検討をよろしくお願いいたします。その前のアミトラズの方針についても、小林先生からの報告を頂いた後に、また委員の皆様方にも御紹介させていただきたいと思いますので、まず、そちらの方をよろしくお願いいたします。以上です。
 
○松井座長
今後の見直しの方針について御説明いただきました。続いて、議題2「農薬類の分類見直しについて」に入ります。まず御説明をお願いします。
 
○柳田水道水質管理官
資料2に基づいて、農薬類の分類見直しに関する検討状況について御説明いたします。農薬類の分類の考え方については、昨年度の検討会において議題として御議論いただきました。それで現状と課題を整理したところで、ここに書かれている方向性で検討を進めていこうということになったと理解しています。
まず(1)各農薬についての定期的な分類見直し。追加に関しては、厚生労働省の水質関連調査や厚生労働科学研究等におけるデータ収集に努め、今後も継続的に分類の見直しと追加を実施していくこと。(2)分解物・代謝物・異性体の考え方の整理については、農薬類についての原水、浄水の実態調査に努めて、分解物等に原体と同様の毒性が推定され、水道水中で安定的に存在するものについては、分解物等も含めて測定する方向で整理。(3)現在の分類区分の考え方の見直しに関しては、原水、浄水の実態調査やデータ収集に努め、現行の考え方を見直す必要があるかどうか、継続的に検討するということになっています。
そのため、今回、(3)の検討の材料として、農薬の検出状況に関するデータ整理を行ったところです。そのデータ整理の結果を1.にまとめています。最近2年間の水道統計のデータを用いて、農薬の検出状況について資料1のほうでは、対目標値超、50%値超、10%、1%という評価を行っていたところですが、さらに区分を細かくして、対2%値超、対5%値超を追加しまして、事業体ごとの検出状況について整理を行いました。
まず、個々の農薬で見た場合に、農薬類が目標値などを超過しているかどうかを調べたのが1)です。具体的には、対象農薬リスト掲載農薬類の各項目について、全国の測定点の年間の最高値が目標値の何パーセント値超かに該当するかということを取りまとめ、結果は表のとおりです。
これを見ますと、いずれの農薬についても目標値や50%値超といったものはありませんで、最高でも対10%値超ということで、その中の半分以上が、対2%値超及び1%値超でした。また、対1%値超という検出が見られたのは、対象農薬リスト118種類のうち10から30種類で、平成28年度は11種類、平成27年度は33種類でした。
次に行ったのが、同時に検出された可能性のある農薬の種類数は、総和方式を取っているので、一遍に幾つ検出されるのかというのをまとめてみました。給水栓水において、対象農薬リスト掲載農薬類の各項目のいずれかの農薬が1%超検出された事業体を抽出し、その事業体においてそのほかの農薬の検出状況を抽出し、同時に検出された可能性がある農薬の種類数について整理を行って検出農薬については評価値の1%以上というものを対象としました。
水道統計上、各事業体の年間の最高値、測定した結果一番高い値が記載されているということですので、その表に記載の農薬類、複数回測定していた場合には、必ずしもそれが同時に検出されたとは限らないということに注意する必要があるということです。
結果については、この表に示すとおりです。平成28年度については12事業体の16系統で検出されておりまして、同時に検出されたのが最大で4種類だったということです。次のページが平成27年度で、28事業体の56系統で検出されて最大が8種ということで、このほか7種、6種といった所も見受けられました。ただ、水道統計上、一部の事業体においては、データ上、測定した100種以上の全ての農薬が1%以上検出されているという結果になりまして、先ほど浅見先生もおっしゃっていたように、不等号の付け忘れという可能性もあるということで、誤入力の可能性もあると考えられましたので、ここについては検討の考察から外したところです。
4ページ目の上の所が、結果を整理したものです。最大8種類が、同時に検出された可能性のある農薬の種類数ということになりました。この場合、表にあったA系統、B系統というのがありまして、ここのΣ値を計算すると、いずれも0.44という結果でした。検出された事業体数で見ますと、最高値が2%値以上の事業体というのが、平成28年度が10事業体14系統、平成27年度は18事業体32系統、最高値5%以上が検出されたということになると、平成28年度は6事業体6系統、平成27年度は8事業体18系統です。
あと、検出農薬種類数は2%値以上が検出されたというのが、最大では8種検出されているのですが、2%値ということになると3種類とか2種類、さらに5%値ということになると、いずれも2種類ということになっています。
そのデータ整理を踏まえた検討ということで、事務局の方向性の案を示しております。まず、総農薬方式について、現行の考え方については、厚生科学審議会の平成15年答申において、➀水質基準への分類要件に適合する農薬については、個別に水質基準を設定する。➁分類要件に適合しない農薬については、下記の式で与えられる検出指標値が1を超えないこととする総農薬方式によって、水質管理目標設定項目に位置付けることになっています。
下の今後の方向性(案)を御覧ください。農薬については、総農薬方式を採用しているが、毎年、多くの種類の農薬が出荷されており、また、種類によっては似たような毒性を持つということも考えられる。このため、個々の農薬が目標値を超過しているかどうかで判断したり、単純に検出された値を足し合わせて評価するというよりは、現在行っている総農薬方式により、毒性の程度も勘案した重み付けを行った上で、農薬全体として評価することが望ましいと考えております。このデータからも、給水栓水中に複数の農薬が検出されていると考えられるケースもあり、これらを総農薬方式で評価するということが利用者の安心の確保に役立っているだろうと考えられ、引き続き総農薬方式を維持してはどうかと考えているところです。
もちろん総農薬方式については、農薬の作用機構やまたエンドポイントが違うといったものを単純に合算しているということになっていますが、データ整理の結果からすると、総和値でも最大が0.44ということで、1に近くなるようなケースというのがほとんど見受けられないと考えられるので、そのような状況であれば、次年度以降の検出状況にもよるが、現時点においてはあえて評価方法の変更を行わなくてもいいのではないと考えているところです。
あと、総農薬の評価では、現行も100を超える農薬を測定していますが、測定方法に関しては一斉分析法で、多くの農薬も測定するということも可能ですので、例えば100種類ということで非常に多いからといって、必ずしも、それに比例して作業量が増えるわけではなく、総農薬で測定するという方法を維持していくための理由としての1つになると考えているところです。
もう1つ考えましたのは定量下限です。現在、農薬類に関する検査方法で定量下限については、原則として目標値の100分の1とされております。農薬以外が、原則として目標値の10分の1とされていることからすると、非常に低いところまで定量下限を求めています。これに関して事務局の案ですが、仮に各農薬の検出が目標値の100分の1だったとしても総農薬、100種類以上を測定するということになっており、100種類の農薬が検出されれば総和値が1ということになり、定量下限値として目標値の100分の1を維持していく必要がある。実際の検出状況のデータからは、同時に検出された可能性のある農薬は最大でも8種類でした。これも次年度以降の検出状況にもよりますが、必ずしも100分の1の定量下限が必要ではないと考えているところです。原則100分の1というところは維持しつつも、例えばどうしても本来は測定したほうがいいが、なかなか技術的に達成が困難だというようなものについては、個別に定量下限を設定することも考えられるのではないか。そのレベルについてはもう少し検討が必要だろうと考えているところです。
そのほか、3番目のその他検討事項です。昨年度の検討会において、これ以外にも検討事項として記載されているのは以下のとおりです。参考資料5に昨年度の検討資料を付けていますので、そちらも御参照ください。➀➁➂で、分類区分の在り方とか、「除外農薬」の「その他農薬類」の統一とか、あとは対象農薬リスト掲載農薬類の全てを一律に扱うかどうかが、検討事項とされたところです。
これらに関して、これも現時点での事務局としての案ですが、分類区分については引き続き検討していく必要があり、今回「除外農薬」としていたイプロジオンについて「要検討農薬」への移行も視野に入れており、この「除外農薬類」の位置付けは考えていく必要がある。また、対象農薬リスト掲載農薬類の扱いについては、これは通知において、「測定を行う農薬は、対象農薬リストを参考としつつ、水道水源流域で使用されている農薬の種類や散布時期等の把握に努め、その結果に基づいて取捨選択して選定するものとし、比較的高濃度で検出されおそれがある地点および時期に測定するよう留意されたい」とされているところです。考え方としては一律ではなくて、ある程度取捨選択してやっていこうということは打ち出しているところではありますが、ただ実際には一斉分析などもあったりして、全てやっているという所がかなりあるのかなとは思っています。
ただ、一斉分析ができないということになると、全然やっていないという所もあろうかと思いますので、そういった場合に水道事業者が優先して測定を行うべき農薬といったものを選定する必要があります。その参考とするため、例えば出荷量が多い農薬、検出状況等の公表資料をもとに、ある地域において測定することが望ましい農薬を明示して、何らかの形で水道事業者が見やすい所に出しておくということが方法としてあると考えているところです。
さらに、そういった固相抽出-GC-MS法、LC-MS法など、こういった一斉分析法は検査に労力がかかるということもありますので、現在、厚労科研で検討中ではありますが、例えばスクリーニング検査法による簡易な測定によってそういった農薬の検出状況の傾向を把握した水質管理に役立てることも考えられるのではないかと考えています。資料2の説明については以上です。
 
○松井座長
それでは、御質問、御意見があればお願いします。
 
○亀屋委員
私が誤解しているといけないので確認させていただきたいのですが、この資料に載っている事業体は118物質を全て分析して、その結果が載っていると理解してよろしいですか。
 
○小林係長
118種の全てを測定している事業体は少なく、事業体において測定する対象の農薬を選別しており、118種全てを測定しているわけではありません。一斉分析で行われているような農薬について測定を行っている事業体もあれば、ぽつぽつと農薬類の検査結果があるというような所もありまして、一様に、これぐらいやっているというところのデータはつかめなかったのですが、少なくとも118種全てやっている所は特に少なかったです。検出されていないのが、例えば8種というのが118のうちの8なのか、8のうちの8なのかというところが御懸念の点だと思いますが。
 
 
○松井座長
厚労科研のほうで、どのぐらいの事業体が農薬を測定していて、その項目がどのぐらいの割合になっているかということは調査を一度しまして、それについては浅見委員から、確か半分以上の事業体がほぼ118種類を一括で測定しているという結果だったと思っております。
 
○亀屋委員
それが、1ページの表にまとめたと理解してよろしいのですか。それとも、その厚労科研のデータとここのデータは別のものなのですか。
 
○松井座長
多分、この事業体のうちのAからLの全てが、118を測定しているかは定かではありませんが、農薬を測定している事業体のうちのほとんどが、半分ぐらいかな、半分ぐらいは118種類を測定していると。逆に言うと、10とか10以下しか測定していないという事業体はほとんどなかったと思います。浅見委員から補足をお願いいたします。
 
○浅見委員
科学院のほうで小坂さんが前に水道統計のデータから、何種類ぐらい測っている所が何割あってという調査をしていたのですが、その中では半分ぐらいの事業体は、委託で「全部の農薬を測ってください」という形で出している所があって、むしろ選択している所は根拠をもって選択しているので、出る蓋然性の高い農薬を30種とか40種とか選んで測っている所が多いという印象です。よく出る所は、むしろちゃんと選択をして測っているので、そこのリスト以外のものが出る蓋然性は余りないという知見の下でされている所が多いと思います。
ただ、「全部出た」となっている所は誤記入している所が結構ある可能性がありますので、そこはちょっと注意しなければいけないのですが、今回は外していただいたということなので大丈夫かなと思います。
 
○柳田水道水質管理官
ありがとうございます。統計上、検出下限というのがあれば、そこは一斉分析したけれども出なかったということが分かりますので、そこは再度統計に立ち返った上で確認はしたいと思います。
 
 
○亀屋委員
今、浅見先生から御説明いただいたところで、1ページ目の表がそんなに大きく変わることはないと理解をしましたので、少しは安心いたしました。
もう1つです。細かいのですが、2ページ目の一番上にある「半数以上が2%超及び1%超だった」という表現がありますが、誤解してしまうので、「検出されたもののうち半分以上が1%超で5%以下だった」という意味だろうと理解しましたので、外に出る資料であれば誤解のないように表現をお願いいたします。
 
○柳田水道水質管理官
ホームページで公表する際には修正させていただきます。
 
 
○松井座長
ほかにございませんでしょうか。私からも、3ページの表とか2ページの表は、給水栓の栓水のデータであって、原水ではもっと多種類のものが測定されていて、それについて活性炭等で処理をした結果として、このような8種類などに下がっているということなので、そういう意味では総農薬方式があることによって数が減っているのだということも、そのように総農薬方式が効果を奏しているということを考えれば、今回もこの方式を継続すべきではないかと思います。
あと私からですが、技術的に100分の1の達成が難しいものについては、測定するということのほうが重要かなと思いますので、そこはもし、100分の1が技術的に達成されなくても、実質的に達成可能なレベルで定量下限値と検査方法を設定していただければと思っていますので、お願いしたいと思います。
 
○小林委員
検査方法の観点から申し上げます。目標値の100分の1まで測れない農薬については「参考」という名称が付けられていますが、「参考」の意味が非常に分かりにくいと思います。原則的に目標値の100分の1まで測ることになっているけれども、実際には技術的に困難な農薬があって、それらに一律「参考」という注意が付けられている状態です。この資料にあるように、実際に達成できる定量下限を検査方法の中に明記したほうが、運用上望ましいのではないかと思っていますし、定量下限を提示することはできますので、そういう方向に変えていったほうがよいと思います。
 
○亀屋委員
今の座長と小林先生の関連ですが、技術的にそれだと思うのですが、仮にその10分の1まで測ると決めた事業体があったときに、それをどのようにして報告して、報告されたデータをどのようにして取り扱うかというのも、ガイドのようなものがあったほうがいいと思います。通常よくやられるのは定量下限値以下だった場合に、その半分の値で報告してくるような所がありますが、そうすると0.1の半分ですからその半分と。そういった物質が幾つか重なると先ほどのΣを取ったときに変な値がまた出てきますので、その辺の取扱いとか、あるいは注書きを付けるのかとか、そういったところも整理しておいたほうがいいのではないかと思います。
 
○松井座長
水道は恐らく定量下限値以下の場合は使わないという扱いになっていると思いますので。
 
○亀屋委員
元からそうなっているのであれば、すみません、存じ上げませんで失礼しました。
 
○小林委員
今の亀屋先生の御指摘に関してですが、基本的には目標値の100分の1まで定量下限が達成できる農薬が大部分ですが、一部の農薬については定量下限が100分の1ではなくて、50分の1だったり20分の1だったりします。そのような農薬について、仮に50分の1までしか測定できなかったとしてもΣ値として1を超えるような結果にはならないと思いますので、特に全体に問題は起こらないのではないかと思います。
 
○松井座長
ほとんどの農薬については、検査報告時で100分の1の定量下限値ということでお願いしたいということですよね。
 
○小林委員
「その他検討事項」の所で、資料では除外農薬に分類されたものに関して、「その他農薬に統一することが望ましい」と書かれていますが、先ほどの御説明ではそういうトーンではなかったかと思います。資料1の5ページの所で、エディフェンホス、エトリジアゾール、カルプロパミド、メチルダイムロンは除外農薬へ移行するという案が示されているのですが、そことの整合性はどのようになっているのでしょうか。一旦除外農薬にして、後日またその他農薬に移行することも検討されているということでしょうか。
 
○柳田水道水質管理官
そうですね。資料2は案の段階ですので、一旦現行の区分としての整理としては、資料1の除外農薬ということとして考えていますので、今、小林先生がおっしゃったように資料2の農薬の見直し方針が固まり次第、そこは改めて考えていくということです。
 
○松井座長
これについては5ページの➁の所の文章の上に、「再度検出される可能性が否定できないことから、「除外農薬数」は「その他農薬類」に統一すべき」ということですが、失効しているそれ以外の農薬については、再度検出される可能性の程度は大きく異なるのではないかとも考えられますので、失効している農薬とそれ以外の農薬を「その他農薬類」としてしまうのかについては、これからまたいろいろと検討が必要かなと考えています。ほかによろしいでしょうか。それでは、事務局のほうで引き続き検討していただくこととしまして、分類の見直しの方向性については取りまとめていただければと思います。よろしくお願いします。
続きまして、議題3「その他」です。広瀬委員より、「WHOにおける最近の検出検討状況」について御報告いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
 
○広瀬委員
7月にシンガポールでWHOのケミカルの専門家を中心とした専門家会議がありまして、それは第4版の第2追補に向けたドキュメントなどの状況についての会議でした。そこでは、ニッケルとかPFOS系のものについて、少し議論がありまして、ニッケルの場合はドキュメントはパブコメをする前の段階のほぼ最終段階にいったというところで、現在のニッケルは70μg/Lで、それよりも少しは低くなると。大昔は20μg/Lだったのですが、70μg/Lに何年か前に変わったのですが、またEFSAの評価があったのを受けて、少し70μg/Lより低くなる方向でやっているという感じになっています。そろそろ最初の案が出るのかなという状況だと思います。
PFOSについてもずっと検討してきたのですが、これも今ヨーロッパのほうで専門家のレベルで協議して、疫学のデータなどを取っているとかなりきつい値にEFSAは評価して、オピニオンで評価しそうなのですが、それを取っていくとかなり実態の状況に近いところになってしまうというのもあって、まだEFSAも固まっていないので、それを見てからまた引き続き検討しようといった状況になっています。私の関連しているところではそのぐらいです。
あと、マイクロプラスチックに関しての会議が、ケミカルの前日に行われました。私はそれにスケジュールの都合で参加できなかったのですが、WHOもマイクロプラスチックが飲料水に入って来る懸念についての調査をWHOがすると、多分公式な見解を受けて、今、環境中の発生状況とか、あるいは飲料水中に入る可能性といった諸々の今後の研究の方針といったことについてのドキュメントを作成中です。そのドキュメントの目標は、大体来年の初め、3月ぐらいになっているのですが、それはそのとおりいくかどうかはは分かりませんが、そういったものをWHOが準備しているといった状況になっています。以上です。
 
○松井座長
ありがとうございます。ただいまの御説明に何か御質問はございますか。
 
○柳田水道水質管理官
ニッケルが最終報告が出そうだということなのですが、それは大体いつぐらいかというのはまだ分かりませんか。
 
○広瀬委員
私はドキュメントのほうを準備しているのですが、少し修正しないといけないので、それが終わってからですから。多分、WHOはマイクロプラスチックのほうに取り掛かっているかもしれないので、そんな早急ではないということだけは分かりますが。
 
○松井座長
ありがとうございます。ほかにございますか。
 
○広瀬委員
最終ではなくて、パブコメの前です。まず、最初のドラフトができてからパブコメが回りますので、それでパブコメをもらってからもう一回WHOの専門家に戻して、最終に向かっていくので、そういう意味ではまだ先になります。
 
○松井座長
「その他」という議題で、何かほかにございますでしょうか。
 
○浅見委員
最近、何件か事業体さんとお話する機会がありました。東日本大震災から、7年たったということで、当時、放射性物質の汚染があった所とか、なかった所といろいろとあるのですが、ほとんどなかった所でも、まだ頻度を高く測っているような所もありまして、外注で測っているのでなかなか費用が掛かるというような御指摘もあります。今後どのように測定を考えていけばいいかというお話と思います。1年後の中間取りまとめ以降、そんなに扱いが変わっているという感じではないのですが、その辺についてちょっと御紹介いただけますでしょうか。
 
○柳田水道水質管理官
今、御指摘がありました放射性物質のモニタリングに関しては、平成24年に通達を出しているところで、モニタリングの頻度については最初は1か月に1回以上ということで、「3か月連続して水道水や水道原水から放射性セシウムが検出されなかった場合は、3か月に1回に減ずることができる」とされております。さらに、その後に「検査頻度や検査地点を減ずることができる場合」として、「水道原水の濁度が高い時期の水道原水及び浄水の水質検査結果が、管理目標値(10Bq/kg)を十分に下回っていること」や「浄水、発生度中の放射性セシウム濃度から推計される水道原水中の放射性セシウムの放射能濃度のオーダーが、管理目標値に比べて十分に低いこと等が確認された水道事業者にあっては、当該水源への放射性セシウムの混入レベルが十分に低いものとして、検査頻度及び検査地点を更に減ずることができる」とされていたり、あとは流域単位で、「代表性のある箇所でのモニタリング体制が整っている場合、その場合に代表性のある所におけるセシウム濃度レベルが十分に低い場合には、その水源を利用する水道事業者等が実施した水質検査結果を他の水道事業者が活用することにより、検査頻度や検査地点を減ずることができる」といったことにはなっておりますので、それに従って、ここは最終的には各水道事業者の御判断にはなるのですが、今やっている以上に頻度にもよりますが、減らしていくということは可能であるとは考えているところです。
 
○浅見委員
しかも、それは対象10県ですよね。
 
○柳田水道水質管理官
モニタリングをやっているのは、この通知が出る時点では福島県及びその近隣の10都県となっています。
 
○浅見委員
そこに関しては、そうやって計測したものに基づいて減らしてくださいということだったと思いますし、そうではない所はもともとかなり低かったので、3か月に1回文科省が測っている所もあるのですが、それを参考にしていただければ、十分に管理できているという感じもします。もしまた事故があれば別ですが、今の時点ではそのように頻度を高く測っていただくことは、取りあえずはないのかなと思っております。そういう検討会などをやる機会は、しばらくはないのかなと思いまして。
 
○柳田水道水質管理官
この目標値とか頻度を決めたのはまた別の検討会で議論されて、浅見先生もその検討会には参画されていましたけれども、もう一度それをやるという状況ではないのかなと考えていますので、浅見先生も本日この検討会で述べられたのだろうとは思うのですが、少なくとも現時点においては新たに検討会で検討するところではないと思いますし、この通知でもモニタリングの状況については記載されておりますので、それに従って測定を行っていただくということかと考えております。
 
○松井座長
よろしいですか。それでは議題3を終わりまして、全体を通じて何かございますか。
 
○浅見委員
全体を通じてというか別件なのですが、今年の夏は非常に暑くて、結構消毒副生成物の濃度が上がったという事業体とか、災害と重なってしまって消毒副生成物の濃度がなかなか下がらないので、摂取制限を伴う給水継続にされた所ですとか、かなり夏が厳しい状況だったと思います。普通に給水を続けていた所でも活性炭を注入したり、非常に対応が大変だったという状況がありましたので、引き続きフォローをお願いしたいと思います。
 
○柳田水道水質管理官
そういったことで、水道事業者からも「どうしましょうか」というような相談も受けておりますので、そういったことに関しては適切に対処していきたいと考えております。
 
○松井座長
摂取制限をされた事業体があったと聞きましたが。
 
○浅見委員
摂取制限というよりも、浄水場が駄目になってしまって、応急的な仮設で給水をされた所で、しばらく飲用の基準はなかなかクリアできないのだけれども、とにかく水が必要なのでということで給水を再開された所がありますし、ほかの所でも今までも災害でそのような適用をされた所はあります。そのように活用というか、災害時なので本当に水が必要で、衛生状態も確保するのが非常に大変だということがありました。今年の災害と猛暑の影響で特にそういうケースが幾つかあったと思っております。
 
○柳田水道水質管理官
当方が把握していますのが、愛媛県の南予水道企業団と受水団体の宇和島市なのですが、先ほど浅見先生がおっしゃったように、災害でも浄水場自体が全部土砂で埋まってしまいまして、仮設で浄水施設を整備したのですが、通水して水質試験を行ったら気温が高かったということもありまして、消毒副生成物が水質基準をわずかに上回ってしまったということです。そういったこともありまして、飲用はできないのですが、生活用水としては使用できるということを市民に呼び掛けたり、それだけではなくて、併せて水質改善のために活性炭を入れるとか、そういった対策を行って、何とか消毒副生成物に関する水質基準をクリアして、飲用可になったということで、供給できたといったような状況でした。
 
○松井座長
ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。事務局からはほかにございますか。
 
○柳田水道水質管理官
議題としては特にございませんので、事務的なことの説明をさせていただきます。
 
○小林係長
本日はお忙しい中、活発な御議論をいただきましてありがとうございました。本日の議事録については事務局で案を作成いたします。その後、皆様に御確認後、ホームページで公表させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○柳田水道水質管理官
あと繰り返しになって恐縮ですが、資料1のアミトラズの所については、小林先生とも相談しながら作業しまして、また委員の先生方にも御確認いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○松井座長
ありがとうございました。それでは以上で本日の会議を終了したいと思います。改めまして、ありがとうございました。

(了)

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