ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ> 第1回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)(2017年8月23日)
2017年8月23日 第1回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)
健康局がん・疾病対策課
○日時
平成29年8月23日(水)10:00~12:00
○場所
全国都市会館 3階 第2会議室(東京都千代田区平河町2-4-2)
○議題
(1)座長の選出について
(2)がん診療連携拠点病院等の指定要件に関する主な論点と議論の進め方について
(3)その他
○議事
○事務局(鉾之原)それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第1回「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本ワーキンググループの開会に当たり、健康局がん・疾病対策課長の佐々木より御挨拶申し上げます。
○佐々木がん対策・疾病課長 おはようございます。
健康局がん・疾病対策課長の佐々木でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただき、また、このたびは大変重要な重い役目をお引き受けくださり、心からお礼を申し上げたいと思います。
お手元の資料1に本ワーキンググループの開催要綱がございます。こちらの「1. 趣旨」にございますように、我が国では、この十数年全国どこでも質の高い医療を受けられるよう、当時まだ人口に膾炙しなかった均てん化、恩恵が等しく全ての方にもたらされることを目指して進めてまいりました。おかげさまで、例えば今日御審議いただきますがん診療連携拠点病院等も、今年の4月1日現在で434にまで広げることができました。この均てん化という考え方は、昨今の厚生労働省全体の政策でもあります地域完結循環型医療ですとか、地域包括ケアシステムを通じた地域共生社会の実現は、まさに均てん化という考え方が広く厚生労働行政、また、政府全体の社会保障と税の一体改革の中にも広がった嚆矢になろうかと思います。
そうした中で、この10年余りの成果、また、医療、医学の進歩を踏まえますと、例えば2段落目にありますとおり、均てん化についての成果に対してさらにどう進めていくのか、また、がんのゲノム医療など一定の集約化をしたほうが均てん化のためにはまずぐっと引っ張っていって、それを全国に広めるほうが望ましい分野ということも出てきております。こうした中で、がん診療提供体制のあり方に関する検討会のもとにより専門的に御議論いただくために、このワーキンググループを設置したところでございます。
きょうは第1回でございますので、これまでの議論を踏まえ、また、先生方の御経験、御知見を踏まえて多くの御提言をいただいて、それを今後順次整理をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) それでは、初めに構成員の御紹介をさせていただきます。
安藤雄一構成員です。
○安藤構成員 安藤です。よろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 井本滋構成員です。
○井本構成員 杏林大学の井本と申します。よろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 梅内美保子構成員です。
○梅内構成員 日本看護協会の梅内です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 大西洋構成員です。
○大西構成員 山梨大学放射線科の大西です。よろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 木澤義之構成員です。
○木澤構成員 神戸大学の木澤と申します。よろしくお願いします。
○事務局(鉾之原) 佐々木毅構成員です。
○佐々木構成員 東京大学のゲノム病理標準化センター及び遠隔病理診断センターのセンター長をやっています佐々木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 西田俊朗構成員です。
○西田構成員 国立がん研究センター中央病院の西田です。よろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 早坂由美子構成員です。
○早坂構成員 北里大学病院の医療ソーシャルワーカーの早坂です。がんの相談支援センターの相談員もやっています。よろしくお願いします。
○事務局(鉾之原) 三好綾構成員です。
○三好構成員 NPO法人がんサポートかごしまの三好と申します。患者の立場で入らせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 若尾文彦構成員です。
○若尾構成員 国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(鉾之原) 続きまして、事務局を紹介させていただきます。
健康局がん疾病対策課長の佐々木でございます。
○佐々木がん疾病対策課長 佐々木です。よろしくお願いします。
○事務局(鉾之原) 同じく主査の丸野でございます。
○事務局(丸野) 丸野です。よろしくお願いします。
○事務局(鉾之原) 私、がん医療専門官の鉾之原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に資料の確認をお願いいたします。
まず、座席表、議事次第。
続きまして、資料になりますが、
資料1 がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ開催要綱
資料2 がん診療提供体制に関するこれまでの施策と主な議論
資料3 ワーキンググループの主な論点(案)
資料4 ワーキンググループの議論の進め方(案)
資料5 がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググ
ループ開催要綱(案)
参考資料1 第3期がん対策推進基本計画案(案)
参考資料2 がん診療提供体制のあり方に関する検討会における議論の整理
参考資料3 がん診療連携拠点病院等の整備について
資料に不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。大丈夫でしょうか。
以上をもちまして、撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願い申し上げます。
(カメラ退室)
○事務局(鉾之原) それでは、本日の議題(1)「座長の選任について」に移りたいと思います。
本ワーキンググループは、資料1の開催要綱3の(2)にございますとおり構成員の互選による座長を置くこととしております。
御推薦等がございましたらお願い申し上げます。
安藤構成員。
○安藤構成員 やはり、ここは国がんの西田院長にお願いしたいと思います。
○事務局(鉾之原) ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、西田構成員に座長をお願いするということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○事務局(鉾之原) ありがとうございます。
全員一致のようですので、西田構成員に本ワーキンググループの座長をお願いいたします。
それでは、西田座長、お願いいたします。座長席にどうぞ。
(西田構成員、座長席へ移動)
○事務局(鉾之原) それでは、西田座長、一言御挨拶をお願い申し上げます。
○西田座長 御指名でございますので、私が座長をさせていただきます。
先ほど、佐々木課長から非常にうまくまとめていただきましたけれども、この拠点病院制度は非常にうまくできてきたと思います。確かに均てん化も進んできました。しかし、ここ10年の医療の発展、特にゲノム関係の発展等で少し見直さなければいけないこと、決めなければいけないことが出てきておりますし、同時にまだまだ不十分な部分もございます。ぜひこのワーキンググループで、これから先10年に向けていい拠点病院制度をつくっていきたいと思いますので御協力のほどよろしくお願いいたします。
先ほどの議事に引き続いて、議題(2)「がん診療連携拠点病院等の指定要件の見直しに関する主な論点と議論の進め方について」は、まず我々で基盤的な情報は共有しておかなければいけないので、事務局のほうから資料を用意していただいています。事務局のほうで少しレビューをお願いできますでしょうか。
○事務局(鉾之原) 事務局の鉾之原でございます。
それでは資料2を用いまして、これまでの施策と主な議論について御説明をさせていただきます。
まず、「1.がん診療提供体制に関するこれまでの施策」について御説明をさせていただきます。
資料2の3ページに、これまでの「がん診療連携拠点病院等のあゆみ」について記載をさせていただいております。
まず、平成13年に地域がん診療拠点病院の整備に関する指針というものが設けられまして、平成14年から地域診療拠点病院の指定の開始が始まっているところでございます。
その後、平成18年にがん対策基本法が成立、平成19年に施行されまして、がん対策推進基本計画が閣議決定をされたところでございます。
それと前後しまして、「がん診療連携拠点病院」という名称に変更になりまして、「がん診療連携拠点病院の整備について」という局長通知で、がん診療連携拠点病院の整備を進めてきたところでございます。
これまで平成20年、また、平成26年にこちらの整備指針の改正が行われているところでございます。直近のものですと、平成26年1月に改正されました整備指針によりますと、まず拠点病院のない二次医療圏へのがん医療のさらなる均てん化のために、地域がん診療病院というものを新設いたしました。また、特定のがん種について、高度な診療機能を持つ医療機関を指定するということで、特定領域がん診療連携拠点病院を新設したところでございます。
4ページ目に現行の整備指針による拠点病院等の種類として、5種類挙げさせていただいているところでございます。
まず「地域がん診療連携拠点病院」「都道府県がん診療連携拠点病院」「地域がん診療病院」「特定領域がん診療連携拠点病院」、そして「国立がん研究センター」でございます。
まず「地域がん診療連携拠点病院」は、二次医療圏に1カ所の整備を目指して、質の高いがん医療を提供できる体制を整備しているところでございます。
「都道府県がん診療連携拠点病院」は、原則として都道府県に1カ所の整備をしております。都道府県内の地域がん診療連携拠点病院のまとめ役ですとか、さまざまな取りまとめの機能を有していただいているところでございます。
「地域がん診療病院」ですが、先ほども申し上げましたけれども、拠点病院がない二次医療圏に均てん化を進める目的で新設されたところでございます。隣接した二次医療圏の拠点病院とのグループ化を前提に指定をしているところでございます。
「特定領域がん診療連携拠点病院」も申し上げましたとおり、特定のがん種について、当該都道府県で最も多くの患者を診療する病院ということで指定をしております。
そして、5番目の「国立がん研究センター」につきましては、我が国全体のがん医療の向上、牽引という役目を担っていただいております。
5ページ目が、先ほどの5種類の拠点病院等の現在の箇所数を示したものでございます。がん診療連携拠点病院は、本年4月1日時点で400カ所、また、地域がん診療病院は34カ所指定をされているところでございます。そして、拠点病院等がない二次医療圏に関しましては69カ所になっているところでございます。
6ページ目、7ページ目は、お手元の参考資料3に拠点病院の整備指針というものを添付させていただいておりますが、そちらの中からエッセンスを抜粋した要件になります。
まず、6ページですが、<診療実績><医療施設>の要件、7ページ目が<診療従事者に関する指定要件>の概要でございます。
前後しますが、6ページにお戻りいただきまして、こちらが平成26年に出されたものでございますが、改正を重ねておりまして、前回平成26年の改正では、例えば<診療実績>はこのように「院内がん登録数」ですとか、手術件数等が具体的な数字として挙げられておりますが、このような形で具体的に診療実績を求めることになったという大きな変更点がございました。
7ページ目でございますが、<診療従事者に関する指定要件>についても、平成26年の段階で改正をされているところがございます。例えば一番上の「手術療法に携わる医師」というものを要件として新設をしたところです。
放射線治療に携わる医師、診断に携わる医師の専従・専任要件の引き上げをした。
また、放射線治療室の専任の看護師を必要とすることとした。
「病理」に関しまして、病理診断に携わる常勤の医師ということで常勤を求めることになった。
また、こちらには、詳しくは書いておりませんが、「緩和ケアチーム」の看護師に関しまして、要件でより詳細に規定をしたというところが大きな改正点でございます。
8ページ目がこれまでの拠点病院数と拠点病院のない二次医療圏、また、地域がん診療病院の数の推移でございます。グラフをごらんいただいておわかりのとおり、まず平成26年から地域がん診療病院の指定が始まりました。本年で34カ所指定されておりますが、それに伴いまして、拠点病院のない空白の二次医療圏と呼ばれるところが104カ所から69カ所まで減少してきているということがわかります。
「2.がん診療提供体制のあり方に関する検討会における主な議論」を説明させていただきます。
10ページ目は、平成24年12月に健康局長のもとに設置された検討会でございますが、「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」でございます。ご覧のような構成員の方にここで御議論いただいておりまして、こちらの検討会の検討事項としましては、「(1)地域におけるがん診療のあり方について」ですとか「(2)拠点病院等の指定要件の見直し」等の検討事項がございます。
11ページは先ほど申し上げました、がん診療提供体制のあり方に関する検討会における議論の整理の概要でございます。こちらはがん対策推進協議会に対して、第3期のがん対策推進基本計画を策定するに当たり、検討会の検討事項の中で議論の整理をし、がん対策推進協議会に報告をしたものでございます。
こちらに関しまして、まず5つの大きなトピックスがございました。「がん診療提供体制について」「がん医療に関する相談支援と情報提供」「がん診療連携拠点病院等における医療安全」「がんのゲノム医療」「がんの放射線治療」ということが現状の課題として挙げられておりまして、それぞれについて方向性を示しております。
まず「がん診療提供体制について」に関しましては、均てん化が必要な取り組みについては引き続き提供体制を維持する必要があるものの、今後は一定の集約化についても検討が必要であるということ。
「がん医療に関する相談支援と情報提供」ということに関しましては、個人情報に留意した希少がん等の情報提供のあり方を検討する。また、「がん診療連携拠点病院等における医療安全」に関しましては、拠点病院の現状を勘案しつつ、高いレベルの医療安全を求める必要があるということでございます。
「がんのゲノム医療」に関しましては、がんゲノム医療実現のための方策等の検討が必要であるということが記載されております。
「がんの放射線治療」に関しましては、粒子線治療等の集約化ですとか都道府県を超えた連携の必要性、また、RI内用療法等の核医学療法について検討が必要であるということが方向性として示されているところでございます。
12ページは、これらの検討会からの議論の整理を受けまして、がん対策推進協議会で第3期がん対策推進基本計画案(案)ということで、6月12日に一度取りまとめいただいて合意が得られているものでございます。
このように「第1 全体目標」としましては、「マル1科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実」「マル2患者本位のがん医療の実現」「マル3尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築」ということを3つの全体目標として掲げまして、それぞれの柱に対して「第2 分野別施策」、また、3つの柱を支える基盤として、ごらんのような形で章立てをして整理をしているところでございます。ごらんになっていただくとわかると思いますが、がん診療連携拠点病院というのは医療のみならず、非常に多くの役割を担っているところでございまして、こちらの基本計画案(案)の中でも、非常に多岐にわたって拠点病院に関与してくる部分があるところでございます。
最後の13ページは、6月21日に開催されました第9回がん診療提供体制のあり方に関する検討会における論点と主な御意見でございます。第9回の検討会におきましては、事務局から3点論点を挙げさせていただいておりました。
1つ目が、「第3期がん対策推進基本計画に基づき、がん診療連携拠点病院等の指定要件を見直すべきではないか」。
2番目ですが、「がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)の指定要件を策定してはどうか」。
3番目に「国立がん研究センターを希少がん中央機関(仮称)として位置づけ、希少がん医療を統括してはどうか」という論点でございます。
それぞれにつきまして、さまざまな御意見をいただいたところでございまして、下の概要でございます。
まず、1番目の論点に関しては、現行の拠点病院等の体制をベースに均てん化が必要な取り組みは維持する。また、集約が必要な分野に関して検討が必要であるということでございます。
2番目のがんゲノム医療に関しましては、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)を拠点病院の中から指定していくということがよいのではないか等の御意見がございました。
3番目は、国立がん研究センターに希少がん医療を統括していただいてはどうかということでございます。こちらも御合意をいただいたところでございまして、必要に応じて医療機関のコーディネートを行う等の、国立がん研究センターを中心とした協力体制というものを構成するイメージではないかという御意見をいただいたところでございます。
これらを踏まえまして、検討会のもとに本ワーキンググループを設置し、拠点病院の具体的な要件を検討することとされたところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○西田座長 ありがとうございました。
最初のほうでそもそもの歴史から始まって、後半は現時点で何が問題になっているかというのが非常にコンパクトにまとめていただいているかなと思います。先ほど示されましたように、今は拠点病院の整備によって空白は二次医療圏で69と非常に少なく、ただ、まだ残っていることが問題。
それから後半のところにありますように、3期のがん対策推進基本計画が出ましたので、その中で幾つか課題が挙げられています。それに対して、ちゃんと応えられるがん診療連携拠点病院制度をここで議論したいと思いますし、2番目にあります、最近非常に進んできましたゲノム利用をどうやって国民に届けるかということを考えていかなければいけないかなと思っています。
今までのところ、これまでの経緯をまとめていただきましたけれども、御質問や御意見はありますでしょうか。
若尾先生、どうぞ。
○若尾構成員 ありがとうございます。
確認なのですが、第3期のがん対策推進基本計画につきまして、現時点でまだパブコメも出ていない段階なのですが、今の6月2日の案をベースに検討を進めて最終的な(案)がとれたものが出たら、その時点で見直すという方向性でよろしいのでしょうか。
○西田座長 先ほどのこの件に関しましては、きのうも門田先生とお話ししましたけれども、(案)の段階ですが、これをベースに進めないと多分もう間に合わないと私は判断しますので、これをベースに進めるという形でよろしいでしょうか。
○若尾構成員 はい。
○西田座長 ありがとうございます。
ほかにございませんでしょうか。
○井本構成員 素朴な質問なのですけれども、日本は実数調査が5大がんにしてもないと思うのですが、現在の拠点病院でどのぐらいのカバー、5大がん、何でもいいのですけれども、推計値みたいなものを出されているのでしょうか。
○事務局(鉾之原) 事務局でございます。
今、御指摘いただいたところでございますが、拠点病院におきましては院内がん登録を行うことが指定要件の中で定められております。ですので、拠点病院に関しては院内がん登録を実施していただき、それを国立がんセンターに情報提供していただいて、それをもとにがん情報センターで解析をしていただいているところでございます。
○井本構成員 そうすると、それは結局本当の数はわからないわけですね。
○西田座長 若尾先生、どうぞ。
○若尾構成員 今、正確な数字は曖昧なところがあるのですが、拠点病院の院内がん登録は病院単位で出すものですので、複数の病院にかかっている患者さんの分もダブルカウントしているという前提となります。その前提で最近出しましたのが2015年の院内がん登録の集計を出して、重複を含めて大体8割をカバーしているということを予測しております。
○西田座長 この件に関しては、全国がん登録がもう始まっていますので、1~2年たてば十分どれぐらいカバーしているか、正確なデータが出るかなと思います。ほかはよろしいでしょうか。
皆様方に、現状までの歴史と現在我々が持っている問題点を理解していただいたということで、これからもう少し個々の課題について掘り下げていきたいと思います。資料3以後にこの議論のポイントがまとめられていると思いますので、事務局から少し御説明をお願いできますでしょうか。
○事務局(鉾之原) ありがとうございます。事務局の鉾之原でございます。
それでは、資料3、4、5につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
まず、お手元の資料3と資料4のポンチ絵の横長の紙でございますが、こちらを横に並べながら御準備いただいて、少し私から説明をさせていただきたいと思います。
資料3「ワーキンググループの主な論点(案)」でございます。
「1.がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)の指定要件について」ということでございます。四角の枠の中でございますが、がんゲノム医療を提供するために必要な機能や役割、具体的な計画を検討するために開催されておりました「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」におきまして、がんゲノム医療提供体制の構築に当たっては、通常のがん医療とがんゲノム医療を一体として提供するため、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)をがん診療連携拠点病院等の仕組みに位置づけ、段階的に全ての都道府県でがんゲノム医療の提供が可能となることを目指すこととされているところでございます。
そこで、「マル1 がんゲノム中核拠点の指定要件を専門的に議論するため、本ワーキンググループ(WG)の下に『がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ(SWG)』を設置してはどうか」というところでございます。
こちらでよりがんゲノム医療に関して、深く専門的な御議論をいただき、マル2でございますが、がんゲノム中核拠点病院(仮称)の指定要件に関する取りまとめを速やかにこちらのワーキンググループの親会である検討会に報告するために、資料4の「ワーキンググループの議論の進め方(案)」に示すようなスケジュールで議論してはどうかというところでございます。こちらはゲノムのサブワーキンググルーブで、がんゲノム中核拠点病院(仮称)の内容を専門的、集中的に議論した後にこちらのワーキンググループにも報告をいただきつつ、親会の検討会に上げていくというスケジュールを考えております。
「2.がん診療連携拠点病院等の指定要件について」でございます。こちらは先ほどの御説明でも申し上げましたとおり、現在まだ第3期基本計画案の案の状態ではございますが、「第3期がん対策推進基本計画を念頭に、拠点病院等の指定要件を検討すべきである」ということについて合意を得られたところでございます。
以下に5項目の論点を本日は挙げさせていただいておりますが、それらにつきまして、それぞれの拠点病院の類型、地域がん拠点ですとか都道府県がん診療連携拠点病院、また、地域がん診療病院それぞれにおいて、求められる要件を検討すべきではないかというところでございます。
マル1としまして、以下の事項を新たに整備指針に追加してはどうかということでございます。こちらは1つ目として「医療安全」「支持療法」「第三者による医療機関の評価や拠点病院間の定期的な実地調査など」質の格差の解消に向けた取り組みでございます。そして、「指定要件を満たしていない可能性のある拠点病院等に対する指導方針」。以上の内容を新たに追加してはどうかというところでございます。
マル2でございますが、現在指定要件では、「必須」「原則必須」「望ましい」の3種類の要件が設けられているところでございますが、それぞれについて求めている水準について整理をすべきではないかということでございます。
一つちょっと踏み込んで具体的に申し上げますと、真ん中にございます「原則必須」という要件は拠点病院等が申請を上げてくるときですとか、指定の際に非常にわかりにくいという声ですとか、判断が難しいという御意見等をいただいておりますので、そちらについて御検討をいただく必要があると考えております。
おめくりいただきまして、「マル3 手術療法、放射線治療、化学療法、緩和ケア、病理診断について」は、現在の整備指針にも定められているところでございますが、これらに関しまして、診療の体制、診療従事者の配置につきまして、現行の指針をもとに再検討をしてはどうかというところでございます。
緩和ケアに関しましては、「がん等における緩和ケアのさらなる推進に関する検討会」が設置されていますが、そちらでの議論の整理が昨年12月に取りまとめられているところでございます。こちらをもとに第3期の基本計画の議論の中でも緩和ケア部分に関しては反映されているところでございますが、そういう議論の整理がございますので、これらも踏まえて拠点病院の整備指針を検討してはどうかというところでございます。また、御意見としていただいております緩和ケアの実績などを要件とすることにつきましても検討をしてはどうかというところがございますので、御検討いただければと思います。
「マル4 診療実績について」でございます。こちらは下の四角の枠に掲載しておりますが、現行の指定要件における地域がん診療連携拠点病院、都道府県がん診療連携拠点病院の診療実績の要件でございます。こちらの診療実績の数値ですとかカウント方法について再検討してはどうかということと、また、「診療実績」のマル2でカバー率というものがございます。こちらは当該二次医療圏に居住するがん患者のうち2割程度について診療実績があることとして定めておりますが、マル2の実績要件のあり方について再検討してはどうかというところでございます。
「マル5 相談支援センターについて」、相談支援センターの業務内容、診療従事者の配置について、現行のものをもとに再検討してはどうかということでございます。また、相談支援センターの周知のための要件ですとか、相談支援センターの実績というものを要件とすることを検討してはどうかという御意見がございますので、こちらについても御検討いただければと思っております。
3番目は報告事項になります。6月21日のがん診療提供体制のあり方に関する検討会で合意が得られたところでございますが、国立がん研究センターを希少がん中央機関という形で位置づけ、希少がん医療を統括していただきたいというところでございます。
資料4「ワーキンググループの議論の進め方(案)」について、簡単に御説明を申し上げます。
先ほど少し触れさせていただきましたが、まずこちらのワーキンググループのもとにゲノム医療に関するサブワーキンググループを設置させていただきまして、そちらでがんゲノム医療の内容を集中的に御議論いただき、その検討内容を本ワーキンググループに確認いただき、親会議であります「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で御報告をさせていただくような段取りを考えております。その後に大体11月以降を考えておりますが、先ほど申し上げたような論点に関しまして、順次整理をさせていただいた後に本ワーキンググループで検討を進めていただきたいと考えております。
そして、資料5をごらんください。
こちらが、先ほど来申し上げております「『がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ』開催要綱(案)」でございます。こちらの趣旨は先ほど申し上げさせていただきましたので割愛させていただきますが、サブワーキンググループの検討事項としましては、「(1)がんゲノム医療中核拠点病院(案)の指定要件について」「(2)がんゲノム医療の提供体制について」「(3)その他必要な事項」ということで、御議論をいただきたいと考えております。
おめくりいただきまして、「別紙」のところをごらんいただきますと、サブワーキンググループの構成員の名簿の案という形で上げさせていただいているところでございます。実際にがんゲノム医療に携わられている先生方や研究者の先生方、また、がんゲノム医療を実施していくに当たってのさまざまなパートのエキスパートの先生方にお集まりいただき、内容について専門的に御議論いただきたいと考えております。
資料の説明は以上でございますが、本日のワーキンググループにおきましては、特に資料3「ワーキンググループの主な論点(案)」ということを整理させていただいておりますが、こちらについて皆様方から御意見、また、必要な点を積極的に御提案いただければ幸いでございます。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
大きくまとめていただいたかなと思います。一つはがんゲノム医療をどうするかという問題、もう一つは拠点病院制度の指定要件をどう考えるか、最後のところは報告事項になっていますのでここで議論する必要は余りないかなと思いますが、希少がん中央機関(仮称)に関してです。少し勇み足ぎみでタイトなスケジュールになっていますが、事務局から「1.がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)の指定要件について」ということに関して、サブワーキングを少しつくってはどうかとご提案がございます。これは私もがんゲノム医療コンソーシアム懇談会に出ておりましたけれども、非常に高度なレベルの専門的な話をしますので、ここのメンバーの方の中にはゲノム医療というのは、必ずしも専門的でない方も多くいらっしゃいます。ですから、専門的なところである程度要件を絞っていただいて、最終的にここで考えて議論していただくというのが一つの筋ではないかということで、多分事務局が御用意いただいたのかなと思います。
最初のところをまず決めておくほうがいいと思いますので、1番目のサブワーキングをつくるということに関して、あるいは資料5に開催要綱というのは既に用意していただいていますけれども、これに関して御異論あるいは御要望、その他はございますでしょうか。
どうぞ。
○三好構成員 ありがとうございます。
このゲノム医療についてなのですけれども、私たち患者にとっては大きな希望となり得る医療の一つだと思っています。今後この中核拠点がどういったことをしていっていただけるかによって、未来の子供たち、今の子供たちが大きくなったときにがんが治るかもしれないという大きな医療につながっていくと思うので、2つ意見があるのですけれども、まず1つ目は失敗したとかこれで終わりましたではとても困るものだと思いますので、安全性の確保というものを強くお願いしたいと思っています。既に臨床研究中核拠点病院で臨床研究の推進体制というものが整備されていると思いますので、そちらも含めてきちんとしていっていただきたいということが1点。
2つ目は、私たちがん患者やその遺伝子の変異陽性という未発症の方もたくさん今から出てくるのだと思うのですけれども、そういった方々が社会的不利益をこうむらないような指定要件にしていっていただきたいというのが2点目です。
質問がこれから3つありまして、1つ目はサブワーキングのほうには患者さんが入っていないように思うのですけれども、今後入れていく予定はあるのかということ。
2つ目は既に先行してゲノム医療に取り組んできた医療機関がたくさんあるかと思うのですが、そういったところの整理はこれからどうしていくのかということ。
3つ目にメディアの報道等で既に数が確定しているような報道を見聞きしたものですから、その辺は一体どうなっているのかなというのを教えていただければで結構ですのでお願いいたします。
○西田座長 佐々木課長、お願いいたします。
○佐々木がん・疾病対策課長 御指摘、御質問ありがとうございます。
まず、御指摘の部分につきましては、医療安全、そして今、社会全体が働き方を含めて病を抱えた方も仕事を続けていられる社会を目指しておりますので、心にとめて議論をいただくようにサブワーキンググループの先生方にもお伝えしたいと思います。
質問の1つ目がそれにかかわることですが、資料4にありますとおり、これはかなり集中的に医療の内容について詰めていただいて、その上で、9~10月の本ワーキンググループでサブワーキンググループでまとめられた報告をもとに御議論いただきますので、今の御指摘につきましては、このワーキンググループの中で患者さんの視点、また、広く医療の視点の中で御指摘いただくということで担保をさせていただきたいと思っております。
3つ目の数の話でございますけれども、これは確かに昨日の報道もありましたけれども、まずどのような要件を満たせば中核拠点病院になり得るのかということがあっての初めての数の話でございますので、数が先にありきというものではございません。
その上で、2つ目の御質問のお答えになろうかと思いますけれども、今、既に取り組まれていらっしゃる医療機関は、実は先ほどの3つ目の中核拠点の要件にもかかわりますけれども、資料5の開催要綱の中にもございますが、単にサブワーキンググループの中で2の(1)にあります指定要件だけではなくて、(2)の医療の提供体制という形で整理をしていく中で、既に取り組んでいらっしゃるところをどういう相対的な位置づけにしていくのか。このことをサブワーキンググループの中で御検討いただくとしております。
以上です。
○西田座長 ありがとうございました。
患者さんの希望は非常に多いところだと思います。大切なところだと思います。ただその中で、一番我々が気をつけなければいけないのはやはり医療安全かなと。安全かつ安心な医療を提供できる制度をつくることが一番大事ですし、その後にできるだけ皆さんがアプローチしやすい病院あるいは拠点を考えていかなければいけないかなと思いますので、最終決定はこのワーキンググループとなりますので、専門的な知識の細かいディスカッションはサブワーキンググループでしていただければよくて、患者会の意向はここで入れていただければいいのではないかなと思います。
安藤先生、どうぞ。
○安藤構成員 名古屋大学の安藤ですけれども、この枠の中に「段階的に」という言葉が下から2段目に書いてありますけれども、そもそも拠点病院の均てん化という考え方と、その中で少数の中核病院を選ぶという、言ってみればよりすぐりの病院を選ぶという考え方は一部相反する部分があると思っていました。そういった点で段階的に全ての拠点病院で可能になるというのは非常にいい考え方だと思うのですけれども、現段階でそういった将来のロードマップなどがあれば教えていただければと思います。
○西田座長 佐々木課長、お願いします。
○佐々木がん・疾病対策課長 まず、先ほどがんゲノム医療の懇談会について説明の中で言及させていただいたところでございます。その懇談会の中で、まず当面2年間の進め方についてのロードマップ的なものは既にございます。一方で本当に全ての都道府県または全ての患者さんに行き届くということになりますと、ペースメーカーになり得るのは技術がどうさらに進歩していくのか、例えば検査技術もあるでしょうし、情報分析、一言で言うとAIの進歩にも影響されるところもございますので、その律速段階に合わせて最終的な段階に「都道府県に」という文言のところに対応するロードマップはつくっていくことになろうかと思っております。
○西田座長 ありがとうございます。
ここには2つ問題があると思うのです。1つはこれから始まるようなゲノム医療に関しては、まだ未承認の医療が非常に多いであろうと予想されること、現実的に私どもがん研究センター中央病院で131人のパネル解析して、実際に治療に入ったのは10%ぐらいなのです。それもほとんどが治験であったり、先進医療であったりという、だからこういうものを医療制度の中にちゃんと入れて、まず研究的な治験あるいは先進医療ができるような体制でちゃんと認められれば段階的に広げられていけるのかなと思います。まだ最初のところですので、先ほど言いましたように安全が一番大切です。国民の信頼を裏切ることはできませんので、ぜひここのところはうまく運んでいっていただければありがたいなと思います。
そのほかに御議論はございませんでしょうか。
井本先生からお願いします。
○井本構成員 今、先生の御発言でもあったのですけれども、そうすると、そういう医療に対しまして保険ということはまだまだ先のお話ですか。
○佐々木がん・疾病対策課長 保険につきましては、我が国の制度上では中医協、また、先進医療の枠組みでの議論がございますので、まず安全な技術が行き渡るという要件とそれが行き渡った結果、保険診療の対象になるという2段階の話において、どのタイミングでどういう保険収載のされ方になるかというのは、最終的には中医協の御判断にはなりますけれども、今言った2つのプロセス、技術の確立、技術の普及がセットで保険診療の対象になるものというのが我が国の制度になっています。
○西田座長 大西構成員、どうぞ。
○大西構成員 私も保険のことを聞きたかったのですが、来年から遺伝子検査だけは保険適用になる可能性が高いというニュースのレベルですけれども、そういう形で一歩一歩まずは診断、それから次に治療という意味でもまだ見えない部分があると思いますが、今の質問とも似ているのですけれども、そういうロードマップ的な段階を踏んで最終的に保険化という想定をされていらっしゃるということですか。
○佐々木がん・疾病対策課長 先ほど申し上げました、6月にまとめられた懇談会の報告書のロードマップ工程表の中にも示しておるのですけれども、当然ながら先ほどはプロセスの話を申し上げましたが、よりそれを早く保険収載の形なり、そして、医療の現場で患者さんに届けられるということ、より早くというのを目指しているのは一方で事実でございます。
○大西構成員 ありがとうございます。
○西田座長 ありがとうございます。
ちょっと時期に関しては中医協のお話なので、ここで議論することではないかなと思います。
ほかにございますでしょうか。
一応、先ほど事務局より提案がありましたように、ゲノム医療に関してはサブワーキングをつくって、サブワーキングで私も一応候補に挙がっているみたいですけれども、そこで議論して、そこで決まったことをここに上げていただいて、最終はここで決定し、上に上げるという形で進めたいと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○西田座長 1番目のところは、そういうことで御了解いただいたと。
2番目のここが、このワーキングで大切なことだと思うのですけれども、拠点病院等の指定要件について幾つか重要なポイントを既に挙げていただいております。例えば医療安全をどうするか、支持療法をどうするか、相互監査をするのかということを挙げていただいていますけれども、これに関して御意見、抜けとかその辺がないかをいただけますでしょうか。
若尾先生、どうぞ。
○若尾構成員 まず、どのテーマというわけではないのですが、先ほど御紹介いただいた資料2の5枚目のスライドのところの国立がん研究センターの役割の中に「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の開催」というのを挙げていただいておりますが、7月下旬に全国49の都道府県がん診療連携拠点病院の担当の方に集まっていただいて、今の3期計画案及び診療提供体制のあり方の検討会での議論についての情報を共有しまして、それを各都道府県に持ち帰っていただいて、全部で434の拠点病院からの意見を集約しているところです。できましたら実際の拠点病院の要件を決めるところなのですが、現場の意見として、都道府県拠点病院で取りまとめた意見を報告する場をこの場につくっていただければと考えております。
○西田座長 現場の意見は非常に重要だと思いますので、うまくまとめた報告を出していただければありがたいかなと思います。
そのほかにございませんでしょうか。ここは結構大事なところですので少し時間を割いてもいいかなと。私どもが実際にここで議論し、要件を決めなければいけないことですので、抜けがあるとまずいかなと思います。
若尾先生、どうぞ。
○若尾構成員 私ばかりで申しわけないのですが、こちらで指定要件についてということで、特に「マル3 手術療法、放射線治療、化学療法、緩和ケア、病理診断について」は、既存の整備指針をベースに検討するということが書いてございますが、現状の平成26年1月に策定された整備指針指定要件では、このほかに病診、病病連携とか研修あるいは情報収集・提供、臨床研究及び調査研究などの項目が挙げられているのですけれども、こちらに挙げられていない、今お話ししたような項目についても見直しを検討するということでよろしいでしょうか。
○西田座長 必要であれば見直せばいいと思います。多分ここに挙げていただいたのは、特にぜひ考えていただきたいというのを事務局が挙げていただいたという理解かなと思います。
木澤構成員、特に緩和ケアのところにがん等における緩和ケアのさらなる推進に関する検討会の議論の整理に基づいてはどうかという意見がございますけれども、追加で意見はございますでしょうか。
○木澤構成員 一つだけ意見を申し上げたいと思うのですが、全体的にはこの方針でよいと思うのですが、一番難しいのは支持療法の指定要件をつくるのは結構大変だなと思っていまして、支持療法と緩和ケアの間というのは非常に曖昧模糊としていまして、どこまでをどうするのかということを話し合うのは結構難渋して、世界的にも議論の整理ができていないところなので、どこで落とすかが非常に悩ましいと思います。これは意見です。
○西田座長 ありがとうございます。
確かにまだ支持療法は少しずつエビデンスで始めているのですけれども、緩和ケアはまだまだ弱いところがあるので、どこまで入れてしまうかというのは確かに非常に重要なところかなと思います。
ほかにございますか。
どうぞ。
○安藤構成員 今の件に関係して、私も木澤構成員と同じ考えで、サポーティブケアとパリアティブケアというのは海外では一緒に扱うことも多いものですから、むしろ緩和ケアのところの要件に支持療法を追加する形のほうがより現実的でやりやすいかなと思います。
○木澤構成員 私もそう思います。
○西田座長 どうぞ、鉾之原さん。
○事務局(鉾之原) 事務局でございます。鉾之原です。
今、木澤先生、安藤先生からも御意見をいただいたところでございますが、支持療法についてどこで記載していくかというのが非常に難しいところかと思います。先ほど説明させていただいた第3期のがん対策推進基本計画案(案)におきましても、非常に大事なトピックスであるということで章立てはしているところでございますが、内容をご覧いただければわかるかと思うのですけれども、確かに緩和ケアの部分と非常に密接に重なってくるところもございます。この拠点病院の整備指針の中においてはどのような形で記載していくのかということで、皆様方に御議論を今後いただければと考えております。
○西田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○三好構成員 ありがとうございます。4点ございます。
まず、今お話が出ていましたマル3の緩和ケアの話なのですけれども、改正基本法の中にも今回「緩和ケア」という言葉が明確に入ってきたこともありますので、ぜひ診療実績については指定要件の中に入れていただきたいと強く望みます。現在時点でも、半年間で緩和ケアチームの介入数がゼロという報告もあったりしますので、そこはきちんとお願いします。本検討会でも、ACPの方向性も入れたらどうかという御意見も入っていましたので、詳しいことは今後もまれていくのだと思いますが、そちらも含めてお願いをしたいと思います。
2点目です。マル4の1つ目の丸ですが、診療実績のカウント数なのですけれども、こちらはぜひ再検討していただきたいのですけれども、患者側の意見としては、ぜひ公表する方向で全てお願いをしたいと思います。
「マル5 相談支援センターについて」のところですけれども、こちらも全て指定要件をもう一度見直していただきたい方向でお願いをしたいと思います。例えば鹿児島でいえば、相談支援センターにお電話をしても代表電話に出て、相当待たされたりとか患者さんが途中で電話を切ってしまうような実績もありますので、従事者数がとても少ないのではないかなという予想なのですけれども、人が足りていないのではないかということもありますので、その辺の要件の改めもお願いをしたいと思っております。
そして、4つ目なのですが、この項目に挙がっていない項目についてもぜひ検討していただきたいというものが幾つかありまして、まず1つ目が情報提供という点で、このお話というのが相談支援センターの情報提供という話ではよく出てくるのですけれども、医療機関自体、拠点病院自体の情報提供というものについても、ぜひ御検討いただきたいと思っています。実際に拠点病院の要件を満たしているかという検討会の中で、拠点病院の中で根拠のない医療をしていることが問題になったということも聞いておりますので、そういったところをきちんと医療機関としての情報提供も指定要件に入れてほしいと思います。
2つ目は、患者団体との連携ということで積極的に取り組むこととは書いてありますが、各都道府県でお話を聞くと、なかなか進んでいないところもあると思いますので、ぜひこちらも御検討いただければと思います。
以上です。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
人的なところに関しては、人の育成が伴いますので余り育っていない領域で厳しくしてしまいますと、多分また要件を満たさない施設がたくさん出てくるので、その辺は上手に人の育成とともにやっていかなければいけないかなと思います。
若尾先生、どうぞ。
○若尾構成員 今ので関連して、根拠のない医療を提供していることについて、今回の3期の計画であったり、あるいは先ほどの参考資料2ですか、診療提供体制のあり方に関する検討会でも取り上げておりますが、実はことしの1月に行われました拠点病院指定の検討会の際に新たに県から推薦された医療機関で、科学的根拠のない免疫療法を自費診療で提供しているような病院が拠点として推薦されてまいりました。そのときに座長の山口先生の整理で、今までの平成26年の整備指針には科学的根拠が明らかでない免疫療法の実施の有無については触れられていないのですが、今後新しい整備指針でその辺の要件に入れることを検討するようにということで、事務局にお願いがされているところですので、ぜひこの検討会で、そのような科学的根拠のない医療を拠点病院でやることの是非についてディスカッションすることが望ましいと考えております。
○西田座長 ここは重要なところだと思いますよ。
どうぞ、安藤先生。
○安藤構成員 名古屋大学の安藤ですけれども、私も基本的には、科学的に根拠のない医療には反対なのですが、未承認の薬であるとか治療に関しては、院内のしかるべき倫理委員会等の手続を踏んで、手順さえしっかりしていれば問題ないと思うのです。だから医療安全にもかかわるのですけれども、そういう臨床研究とか審査の体制を求める形がよろしいかなと思います。
それと、基本的な考え方にもなるのですが、例えば医療安全のこととか支持療法が出てきますけれども、どんどん指定要件が積み上がっています。私たちは現場で毎年報告書をまとめている立場からすると、このことだけで物すごく忙殺されてしまうのです。したがって今後は、これはもう当然だろうと、これがあればこれは要らないだろうというものを専門家ならではの目で、引き算の考え方で、シンプルにしていく考え方も大事だなと思っています。
○西田座長 後半の御指摘は非常に重要です。別にこの会だけではなくて、ほかのところでも書類がたくさんふえていますのでぜひ、ポイントは患者さんにちゃんとした医療が提供できるということがポイントでございますので、書類は山ほどつくってもそれは改善しませんので、そこのところは押さえていきたいなと思います。
それ以外で、佐々木先生、私は病理が非常に重要ではないかなと実は思っているのです。病理診断を間違えるとスタートが間違ってきてしまうので、ですから、今回拠点は必ず病理が要るということになっているのです。ところが、病理医の先生というのは今非常に数が少のうございます。ですから、その辺のところもちょっと鑑みながら病理から御意見をいただければありがたいのです。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
東大の佐々木ですが、確かに病理医は非常に少なくて、前回のがん診療連携拠点病院の指定要件のときに、専従かつ常勤で必ず病理医が勤務しているという要件を入れていただいて、その後、どうかと様子を見てみると、今のところ地域がん診療連携拠点病院には、必ず病理医が勤務できるという体制は確保できていると思います。ただ、やはりキャンサーボードへの参加というものががん診療にとって、非常に病理医の意見というのも一つ重要なのかなと思っていまして、その辺も前回の拠点病院の指針の中に入れていただきまして、病理医が参加するようになったということで、今後も病理医の人の要件に関しては、このままの専従でなおかつ専任の病理医が必ずいるということを条件にしていただければということで、今のところ決してそれに対応できないようなニーズではないですので、そのような要件はそのまま引き続けていただければと思います。
もう一つありまして、病理をサポートする臨床検査技師に関する要件というのが実は指定要件の中にほとんど入っていないということで、こちらの人ですけれども、臨床検査技師についての要件というのも、今回は皆さんで御検討願えればと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
○西田座長 これを取り上げる方向で、少し考えましょうか。
あと、私がもう一つ思っているのは、いつもこういったがん医療をやるときに医者だけでやるわけではないのです。多職種でやるのです。チーム医療だと思うのですけれども、その中で患者さんの一番そばにいるのは看護師さんなのです。看護協会を代表して出ていただいている看護師さんとして、これは是非入れていただいたらいいなという御意見がございましたら、どうぞ遠慮なく。
○梅内構成員 日本看護協会の梅内です。
○西田座長 もしあれだったら、今でなくて次回で結構です。
○梅内構成員 よく考えて、また意見を出させていただきたいと思います。
○西田座長 どうぞ。
○若尾構成員 看護師さんの話題が出たので、一点コメントさせていただきます。
昨年の診療提供体制のあり方の検討会で、隣の三好構成員が発言されたことなのですが、今がん診療自体がどんどん外来にシフトしてきております。重要な告知であるがんの診断の告知、あるいは再発の告知などが外来で行われることが多くなっているのですが、もう外来に看護師さんがいない状況となっています。今、看護基準が10対1を採用する病院がふえて、全部看護師さんが病棟に引き上げられてしまって、外来に看護師さんがいないところでそういう告知がされるということで、患者さんに十分なフォローができない状況になっていますので、非常に人をふやすということは厳しい状況であるのですが、やはりがん拠点病院においては、外来でしっかりと看護師さんのサポートができるような外来体制をつくることが必要ではないかと考えます。
○西田座長 重要な御指摘ありがとうございます。
欧米の状況を見ていますと、診療のシフトは外来向きに進んでいます。近い将来、内科系の治療はほとんどそうなると思うのです。ですから、そこのところは今後前向きに考えておかなければいけないかなと考えます。それを要件にするかどうかというのはまた別途に考えまして、外来移行になるであろうということは少し考えておかなければいけないなと思います。
もう一つは、相談支援センターのことでして、先ほど患者会から御指摘が幾つかありましたが、中央病院でも時々いろいろな苦情と申しますか、いろいろなものを受けるのですけれども、一つやっていて私が気になっているのは、がん拠点病院の相談支援センターは必ずしも患者さんや、あるいは就労支援などで見ていますと会社側に認知されていないという部分も少しあるかなと思っているのです。これに対して、早坂構成員、こういうものを入れておくと皆さんがわかっていただけるのではないかなというのがあったら、きょうでなくても結構ですので、ぜひ御意見いただければありがたいです。
○早坂構成員 ありがとうございます。
実際に相談支援センターという窓口があっても、なかなかこちらからアプローチができていないというところで、もう少しこちらからアプローチをするということの手段を各相談支援センターで考えていかなければいけないなという点が一つ。
そして、若尾先生がおっしゃったように、本当に外来の業務がすごくふえていて、告知もそうですし、状態が悪くなるのも外来通院のときなので、実績要件の中に入院と外来を別に出して、実際がんを持ちながら生活している方の相談支援にどのぐらい対応できているかということの指標として出せるような形があるといいかなというのが一つです。
あと、診療従事者の中に医療ソーシャルワーカーを必ず含めていただきたいというのがあります。それはがんの治療をしている方は長い治療期間になって、今申し上げたように生活の一部になる。就労もそうですけれども、介護とかさまざまなものの中の一部になるので、先生がおっしゃったようにそことどうつながって、病気を持ちながら社会生活を送るかというところが実際に患者さんのニーズとしては一番高いところかと思います。そういうところに確実にサポートできる、高齢者の方の場合は地域包括ケアシステムの中に帰していく、そのつなぎのところの役割としての医療ソーシャルワーカーをぜひ診療従事者の配置の中に入れていただけたらと思います。
○西田座長 ありがとうございました。
外来はそれを数値要件に入れるときに慎重に考えたいなと。実はそれぞれ病院は機能を持っていると思うのです。だから余り数値要件で数を幾つ以上と入れてしまうと、そこにみんな集まってくるようなことになると、余計混乱になるので、少しそれも慎重に考えていきたいなと思います。
患者会からお願いします。
○三好構成員 少し話を戻してしまいますけれども、相談支援センターの認知度というところなのですけれども、今相談支援センターの努力義務みたいなところに載っているのですが、なかなか地元の患者さんであったり、県民だったりにも届いていないという現状がありますので、ぜひ病院を挙げての広報、周知というのをお願いしたいなと思います。がんになる前の人が知っておくというのもとても大事だと思いますので、地元の方々に届けていただくというのをお願いしたいと思います。
○西田座長 安藤構成員、どうぞ。
○安藤構成員 相談支援センターの重要性は理解しているのですけれども、あえて御批判を覚悟してお話ししますと、必要な人には、病院として十分告知はしていて、例えば病院ではなくて、役所とか新聞、ショッピングセンターとかで宣伝すべきだと思うのです。そこを人員とか件数の要件として縛るというのは、むしろ病院の負担を増すだけかなというふうにも思いますので、要件でどうこうと縛るのはどうかなと思っています。
それと、佐々木先生が先ほどおっしゃられた病理についても、病理医を雇わないから病理医がいないというよりも、私は病理医が少ないからいないと、特に地方は少ないと思うのです。だから病理医がいるかいないかということも大事かもしれませんが、それよりもどこかと連携して適切な病理診断が迅速に行われているということのほうが重要であって、余りそこで病理医を確実にとるとなると、また取り合いになったりとか、いろいろなひずみも出てくる可能性もあると思いますので、そういった現実的なところでうまく要件を対応するのも必要かなとは思います。
○西田座長 若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 ありがとうございます。
相談支援センターの広報、周知の話なのですが、きょうの参考資料3の12ページにございますように、相談支援センターの広報・周知活動が相談支援センターの業務となっているのです。これは三好構成員が御指摘したとおりで、相談支援センター広報・周知するのではなくて、まず病院としての取り組みが必要であり、さらに今おっしゃったように行政とも連携して、しっかりと一般住民に対するアプローチも必要ということでそこまでは書けないのですが、少なくとも今の指針だと病院として取り組むということが余り書かれていなくて、結構縦割りというか、部署単位での役割として書かれているので、それをしっかりと病院として周知に取り組むことが必要。
また、前回指針に入れていただいたことで、相談支援センターの機能を主治医等から患者さんにしっかりと周知する体制を整備するとあるのですけれども、これは実際にやっているところ、やっていないところで非常に格差が出てきているので、特に告知のときなどにしっかりと主治医から、あるいはそこに立ち会うナースの方から相談支援センターの存在を周知することをしっかりと実現できる要件としてつくっていくことが大事だと思います。
もう一点、先ほどお話にあったソーシャルワーカーさんを相談支援センターに置くということは大事だと思います。現行ではソーシャルワーカーさんだけの相談支援センターあるいはナースだけの相談支援センター、さらには両者が混成部隊となっている相談支援センターと幾つかパターンがあるのですが、やはりソーシャルワーカーさんがいるだけではなくてナースも必要と考えます。だから必ずソーシャルワーカーさんとナースがいるようなことを、これも病院の要件を上げることになってしまうのですが、非常に相談内容が多様化している中で、それらの相談に着実に、確実に対応するためには多職種の連携が必要となってくると思いますので、その辺の職種のことも少し考える必要があると思います。
○西田座長 御意見、ありがとうございます。
ほかにございませんですか。
佐々木構成員、どうぞ。
○佐々木構成員 安藤構成員からの指摘がございましたが、やはりがん診療連携拠点病院には病理医は常勤を求めるべきかなと。私も遠隔病理診断センターを立ち上げて、今病理医が不在の5カ所の病院の支援を遠隔で行っているのですが、必ずしも必要なときにリアルタイムに気軽に相談していただけるという体制の構築はまだできていないと。拠点病院の場合には、がんを専門に日本の都道府県なりの中心になってやっていく、地域を引っ張っていくということであれば、やはりリアルタイムで十分に臨床の先生と病理医がディスカッションをして、患者さんに治療を提供するという体制が必要だと思いますので、常勤というのは病理医の取り合いになることは確かにあるかもしれないのですが、やはり項目要件としては必須なのかなとは思っております。よろしくお願いいたします。
○西田座長 ほかに御意見ございますか。
大西構成員、どうぞ。
○大西構成員 放射線治療の各論的な話なのですけれども、御存じかもしれまぜんが、今すごく効果的な照射法に強度変調放射線治療、いわゆるIMRTという技術があるのですが、これはかなり普及している技術ではあるにもかかわらず、約400のがん診療連携拠点病院の中で実施できているのは4割5分ぐらいしかなくて、その一番の理由は、保険診療上常勤の放射治療医が2人以上必要でないと、という保険診療上の施設基準が必要だというのがあるので、そこを何とか若干変えなければということで、これは医療技術評価提案という形で診療報酬改定でも提案しているのですが、我々の放射線腫瘍学会としては、強度変調放射線治療を提供できるというのを一つのがん拠点病院のあり方の中にいれるべきではないかと考えております。今の書きぶりでは連携して役割分担をすると書いてあるのですが、役割分担するほうの拠点病院がやっていないので分担もできていないというわけなのです。
その辺を検討するときに一つの必要な条件が医学物理士について書いていただいているのですが、実は医師の若干の部分を医学物理士が肩がわりできる部分がありますので、施設基準の中で今のところは「望ましい」という書きぶりなのですが、ここは「原則必須」という少し条件アップをする中で対応を検討していただければというのが一つございます。
あともう一点、実はキャンサーボードを常設するというのが条件になっていると思いますが、県ごとの放射線治療の実施状況ががんの登録された患者さんの中で、放射線治療をやられている割合が全国平均で30%なのですけれども、一番高いのが沖縄の42%で、一番低いのが三重県の16%とかなり差がありまして、標準的な治療がされていないと解釈される。なので、これは放射線治療の視点なのですが、キャンサーボードのあり方を検討し直す必要があるかなと感じております。よろしくお願いいたします。
○西田座長 ありがとうございます。
キャンサーボードは、確かにそれぞれ質が違うというのは事実だと思います。
そのほかにございますでしょうか。
多分、2回目のときはゲノムの話がサブワーキングから上がってきますのでその話をすることになると思うのですけれども、それ以後、細かいところを詰めていかなければいけない。
若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 最後にもう少し大きな枠組みについてコメントさせていただきたいのですけれども、昨年夏のがん診療提供体制のあり方に関する検討会で示された今後の検討のやり方として、小児がん診療の提供体制の検討会を開いて、その下に小児がんの検討のワーキンググループをつくるというのが示されていました。そうすると、大人のがんと小児がんが今は全く別のラインで検討されて、どうしても連携の部分が弱くなってしまうのです。大人のがんの提供と小児がんの提供、AYA世代とか、その辺も含めて、そこをうまくつなげるような検討をする場が必要だと思いますが、今の検討の体制だとそこが抜けてしまっているのではないかと思いますので、そこをうまく工夫していただくことが必要ではないかと思います。
○西田座長 御指摘はごもっともで、AYAだけではなくて、キャリーオーバーの患者さんもいらっしゃるので、そこは佐々木課長、一緒に考えていきましょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 どこの段階でどういう橋渡しというか、つなぎ方をするかというのはよく考えたいと思います。確かに今御指摘の点はキャリーオーバーも含めて我が国が直面しているテーマですので、今、西田座長御提案の方向で考えたいと思います。
○西田座長 ほかに追加で、こういうことを入れておきたいなというのは、安藤先生、どうぞ。
○安藤構成員 私も大きな視点で発言しますけれども、一つ一つの要件を積み上げることももちろん大事かもしれませんが、例えば検査関係だったらISOの認証をとっているとか、医療安全だったら医療機能評価をとっているといったもので代用できる指定要件があれば、そういったものを積極的に取り入れることによって、現場の負担とか事務的な負担はかなり軽減されると思いますし、客観的にもわかりやすい指定要件になるかなと思います。
○西田座長 これは重要な御指摘だと思います。
二重に三重にというのは、確かに現場の労務をふやすと思いますので、ここをとっていればここはオーケーだというのは考えていかなければいけないかなと思います。特に医療安全などはそうかもわかりませんね。あるいは検査科の質は大事だと思います。多分放射線治療も同じような部分があるかなと思うのです。
ほかによろしいですか。追加で特にございませんでしょうか。
今、いろいろな御意見を伺いました。今日はどちらかというと、フリーディスカッションのような形でポイントを絞っていません。資料4のフローチャートを見ていただきますと、最初に認めていただいたようにゲノムに関してサブワーキンググループができます。こちらは非常に急いでおりますので9月末ぐらいまでには要件を整えて、ここでもう一回議論していただいて、あるいはサブワーキンググループと一緒に議論するか、その辺は考え方次第だと思うのですけれども、ゲノムの医療をどうするか、ゲノム医療中核拠点病院をどう要件にしたためていくかというのをここでまず議論したいと思います。
1番目の課題を解決した後、3回目以降にきょうここで少しフリートークのような形で議論した内容、要するに、拠点病院の要件を余り厳しくし過ぎてもだめですけれども質を上げる。安心で安全な医療を届けられるような要件にしなければいけないなと思っています。そういう進め方でやっていきたいと思いますけれどもよろしいですね。
(「はい」と声あり)
○西田座長 皆さん御了解いただいたということで、今日はなかなかこういう意見を出せなかった構成員の方もいらっしゃると思いますので、今日事務局から今回の目的、どういうところがポイントになっているかという御説明がありましたので、次回までにもう一回見直していただいて、ぜひ患者さんにいい医療を届けるために御協力いただければありがたいなと思います。
大体、おおむねの議論は出尽くしたかなと思っています。そういうことであれば、本日の会議はどちらかというとフリーディスカッション的なことで終わりましたけれども、大事な意見をいただいたかと思います。
事務局から追加等がありましたら、どうぞ。
○安藤構成員 [A1] 最後に申しわけないのですけれども、紙の上で見るのはわかるのですが、実数、実態的なもの、背景をちょっと見ないと施設によってかなり差があるのかとか、フリーディスカッションということですから、今の要件はこのままで質を上げていくのか、逆にもうちょっと厳しく拠点を絞っていくのか、そういう方向性というのはあるのでしょうか。それとも、それはもうこのワーキンググループの中でだんだん決めていくことなのでしょうか。
○西田座長 佐々木課長、これは大きな問題が2つありますね。空白のところがあるという問題と同じ二次医療圏の中に2つも3つもあるという両方があると思うので、一概に一言で言うのは難しいかと思いますけれども、国としてどう考えているかというのをお願いします。
○佐々木がん・疾病対策課長 2つのことを申し上げたいと思います。
かなり西田座長におっしゃっていただいたことと重なるのですけれども、基本に立ち返りますと均てん化、どうすれば全ての国民の方にがんに関する医療全体を受けてのがん領域の医学医療、また、看護領域の進歩ということを、その恵みを等しくもたらすことができるのか。その視点に立ったときに我が国では二次医療圏という単位がありますので、空白二次医療圏を解消しつつ、その二次医療圏の中でも集約できるものは集約したほうがよいです。
また、今もう一つ考えなければならないのは、冒頭でも申し上げましたけれども、がん診療連携拠点病院に加え、地域の中での医療機関、また、この場合は関連する診療所、病院だけではなく、今の時代は教育も就労も介護もあります。そういったことを見渡したときにどういう位置づけががん診療連携拠点病院の質の担保として必要なのか。その意味では、スコープを広く見ながらのがん診療連携拠点病院のあり方ということも関係します。
ただ、今の話をし出すと非常にフォーカスが広くなり出しますので、検討会という場での議論にそのところは委ねているところですが、井本先生の今の直接の御指摘について申し上げますと、まず基本はがん診療連携拠点病院が地域の中で質を担保するのに必要な要件ということを御議論いただくことになりますので、一義的にはどう今の時代に合った質を求めるべきか。その結果として、数が減る形になってしまうのかということがその適用を今度はこのワーキングの中での議論で詰めていく中で、これはさすがにきつ過ぎるから質の高いものの均てん化を目指した結果、均てん化が図れなくなったとなると、これはまた本末転倒でございますので、そこのバランスは本ワーキンググループの最終盤での議論の程度の中で詰めていただきたいと思っております。
2つ目と申し上げましたのが、もう一つ非常に重要なのは医療安全との兼ね合いということになろうかと思います。本日御指摘の中でも、標準化されている医療なのか、一方で拠点病院は地域の中での先を行く部分もありますので、そういう医療安全との見合いということを今まで以上にがん診療連携拠点病院のいろいろな要件の議論の中でしていく中で、本来結果的に数が医療安全によって下がること、医療安全で最後にひっかかっているということはあってはならないことですので、医療安全という視点の中で、その体制の要件は安藤構成員が先ほどおっしゃっていただいたことにつながるのですが、最終的には、例えば医療安全で申し上げますと、これは特定機能病院だけの話でございますけれども、先の通常国会で法律が変わったり、昨年の段階で省令が変わったりといった、ほかの要件で担保できるということを見合わせていったときに、がん診療連携拠点病院としてのクオリティー担保の結果の数がどうかということも同様に見ていく中で、数は最終盤で調整していくべきものと思っています。一義的には今の時代に合った質の担保ということで御議論いただきたいと思います。
○西田座長 どうぞ。
○井本構成員 均てん化と高度医療となかなか相入れない部分はあると思うのですけれども、例えば拠点病院同士で連携して、得手不得手の部分はどこでもあると思いましたので、補うという考えでもいいのかなと思いましたので意見を言いました。
○西田座長 大西構成員、どうぞ。
○大西構成員 今の高度なもので連携するときに病理もそうなのですけれども、例えば放射線もいわゆる遠隔医療をうまく活用することで画像の配信とか、放射線治療といえば遠隔治療計画という部分もできたりするので、そういう部分もぜひそういう形で連携をしていきたいのですが、そこにはやはりコストといいますか、かなりお金がかかるので、そういう財政支援的なものと今回のあり方がどこかでつながる部分が将来的にあるような形で、若干の期待をしながらこういう話をしていっていいのかというのをお聞きしたいと思います。
あとは国の医療として、カルテ情報の共有とかさまざまそういう形の今後の計画も出されていると思いますので、そういう中で、情報共有とか連携のあり方の中に遠隔医療をどう組み込むかということを、今後の考えとしてどうあるかを聞かせていただければと思います。
○佐々木がん・疾病対策課長 遠隔診療につきましては、ことしの6月ですか、政府全体の方針を決めていく中も、進めるということが既に決まっておりますし、その関係で、中医協もそれをベースに議論されているものと承知しています。
もともとの話の中で、財政支援をどこまで期待してよいのかということを例えばで申し上げますと、井本先生の最後の質問のところにもつながるのですけれども、例えば今の拠点病院の例の中でも、広島市のあたりの二次医療圏のところで4病院が連携して放射線についてという前例があり、それに対して、広島県が当時でいう地域医療再生基金の財政支援をしたという形で、公的な資金サポートが必ずしも国の財源でなくても、その地域において必要であればということがありますので、これは財源との見合いの中でそれがどこの公的機関なり、また、民間のお金が入るような仕組みをつくっていくかということがそれぞれのケースによっても異なりますので、今の御質問の直接の趣旨であるここの検討の場でそれをベースにした議論をしたほうがよいのかという意味では、地域によって異なってしまうので、なじまないと思います。
○佐々木構成員 診療報酬に関してなのですけれども、例えばことしの未来投資会議で
塩崎厚生労働大臣が4月14日付の会議のときに、平成30年の診療報酬改定で遠隔医療に関して、診療報酬上の何らかの措置をするというスライドを出されて、その中には放射線と病理も入っていました。例えばこのワーキングと保険局との連携というのはあり得るのかどうかをお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 ワーキングと申しますか、少なくとも我々は厚生労働省内では保険局と連携をしているところでございますし、一方で保険局が確かに事務局で提案をしますけれども、最終的には診療報酬を決める中医協での議論ですので、最終的な意思決定ではそこで御議論いただくものの、保険局とのやりとりというのは常にしているというのが一点。
もう一つ、今医療現場からの提案という形で内保連からの提案という形でも、その意味では複数の診療報酬の場への意見の出し方というのがありますので、そういう組み合わせをしたいと考えております。○佐々木構成員 ありがとうございます。もうちょっとだけいいですか。
例えば、内保連、外保連から通じるいわゆる学会提案に関しましては、恐らくは診療報酬の第2章の特掲診療料が重いのであって、基本診療料の部分というのは余り提案がないと思うのです。その部分というのが実はがん診療連携拠点病院の施設要件、指定要件と密接に絡んでくるところかなと思いますので、ぜひ省内でそういう連携をとっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○西田座長 省内の連携は、比較的うまくいっているかなと私自身は思っています。ただ、それが認めていないものをここで要件に入れてしまうと非常に問題があります。保険承認は後で出てきますので、大事なところですけれども、実情のコメントなど入れながら見直さなければいけないかなと思います。
ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
おおむねの議論は出たかと思います。事務局から追加でお知らせ、その他ございますでしょうか。
○事務局(鉾之原) 事務局でございます。
本日、特に資料3の論点の部分に関しまして、非常に多くの御意見、御指摘、御提案をいただきまして、まことにありがとうございました。本日いただきました御意見等に関しまして、事務局で整理をさせていただきました後に次回以降のワーキングで整理をした形として提案をさせていただきたいと思います。
そして、およそ2週間程度をめどにお考えいただきたいのですが、本日の会議の場でも御意見をいただけなかった内容、または追加の内容がございましたら、事務局に追加意見としていただければ、次回以降の資料に反映できる部分は反映させていただきたいと考えております。
○西田座長 今の御指摘は非常に重要で、持ち帰っていただいて、2週間程度でこれをちょっと取り上げてほしいなというのはぜひメールをしていただくのが一番確実かなと思います。
安藤先生、どうぞ。
○安藤構成員 一つ一つの細かい要件についての意見もですか。
○事務局(鉾之原) ありがとうございます。
細かい内容でも結構ですので、とにかく幅広にいただければと思います。今後段階的に資料を出していくに当たり、大枠の話から始まると思うのですが、だんだん内容を詰めていきますと細かい内容に入っていきますので、そのときに活用させていただきたいと思いますので、ぜひ幅広にお願いいたします。
○西田座長 どうぞ。
○安藤構成員 若尾構成員から冒頭にあった現場の意見と共有できるといいかと思うのです。
○西田座長 若尾先生、その資料はいつごろになりますか。
○若尾構成員 当初は、ワーキンググループの1回目、2回目はゲノム中核という話で10月ぐらいをターゲットにまとめ、9月末に取りまとめをしているところですので、10月の頭ぐらいには提出できる予定となっています。
○西田座長 それは、ここの構成員全員でシェアしたいと思いますのでよろしくお願いします。
ほかによろしいでしょうか。
事務局。
○事務局(鉾之原) 先ほど、若尾先生からいただきました都道府県拠点病院の連絡協議会の内容なのですが、前回平成26年の整備指針の見直しの議論の際にも、そちらの協議会からの提案というものをいただきまして、非常に現場の御意見としてまとめていただいたところでございますので、今回のワーキングに関しましても共有の機会を持たせていただきたいと考えております。
○西田座長 ありがとうございました。
大体以上で本日は終わりたいと思います。
次回は、主にはゲノムのディスカッション、多分サブワーキンググループで要件を絞り込んでくれるものと思いますので、この場で最終を決めて、10月以後には今日フリートークしたところをもう少し詳細に決めていきたいと思います。後ろが非常にタイトでございます。先生方に御迷惑をかけますけれども、どうぞ御協力のほどよろしくお願いします。
東京は、特に今日から非常に暑くなっていますので大変だったと思いますけれども、本日は暑い中、皆様方にお集まりいただき、御協力いただきましてスムーズに会が終わったことをお礼申し上げます。ありがとうございました。
○佐々木がん・疾病対策課長 どうもありがとうございました。
健康局がん・疾病対策課
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