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2017年8月23日 第1回がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ(議事録)
健康局がん・疾病対策課
○日時
平成29年8月23日(水)15:00~17:00
○場所
厚生労働省 9階 省議室
○議題
(1)座長の選出について
(2)がんゲノム医療の提供体制について
(3)その他
○議事
○事務局(丸野) それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本サブワーキンググループの開会に当たり、厚生労働省大臣官房審議官(がん対策担当)の佐原より御挨拶申し上げます。
○大臣官房審議官(がん対策担当) 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。私は、担当の審議官をしております佐原でございます。
今日は第1回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するサブワーキンググループということで、開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。
初めに、構成員の皆様方には、お忙しいところこの委員をお引き受けいただきましてありがとうございます。また、本日は御出席をいただきまして、ありがとうございます。
御存じのとおり、政府では、がん対策基本法に基づき、がん対策推進基本計画を策定しまして、がん対策に取り組んでまいりました。この間、新しい技術や治療薬の開発が進みまして、一人一人の患者に適切な医療を提供する、いわゆるゲノム医療が脚光を浴びるようになってまいりました。皆様御存じのとおり、海外ではゲノム医療を実現するための国家プロジェクトも進んでいるところでございます。
このため、厚生労働省としては、本年3月から5月にかけまして、がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会を開催しまして、がんゲノム医療を今後どうしていったらいいのかということについて検討してまいりました。6月にまとめられました報告書では、がんゲノム医療提供体制の構築に当たりまして、その拠点となるがんゲノム医療中核拠点病院(仮称)をがん診療連携拠点病院等の仕組みに位置づけて整備すること、中核病院とそれ以外のゲノム医療を提供する医療機関との役割分担についても検討を行うこと等の取り組みが示されているところでございます。
がん診療連携拠点病院等の指定要件につきましては、本日、午前中に開催しました「がん連携診療拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」において検討いたしましたが、がんゲノム医療等を専門的に議論するため、このワーキンググループの下に本サブワーキンググループを設置しまして御議論をいただきまして、今後、この検討結果をワーキンググループに報告することとなりました。
構成員の皆様方には、がんゲノム医療中核拠点病院の指定要件でありますとか、あるいはがんゲノム医療の提供体制のあり方について積極的に御議論いただきまして、御意見をまとめていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○事務局(丸野) 初めに、構成員の御紹介をさせていただきます。
石川俊平構成員です。
○石川構成員 (一礼)
○事務局(丸野) 小杉眞司構成員です。
○小杉構成員 (一礼)
○事務局(丸野) 佐々木毅構成員です。
○佐々木構成員 よろしくお願いいたします。
○事務局(丸野) 土原一哉構成員です。
○土原構成員 (一礼)
○事務局(丸野) 中西洋一構成員です。
○中西構成員 よろしくお願いします。
○事務局(丸野) 西田俊朗構成員です。
○西田構成員 西田です。よろしくお願いいたします。
○事務局(丸野) 山口俊晴構成員です。
○山口構成員 よろしくお願いします。
○事務局(丸野) 続きまして、事務局を紹介させていただきます。
大臣官房審議官(がん対策担当)の佐原です。
○大臣官房審議官(がん対策担当) よろしくお願いいたします。
○事務局(丸野) 健康局がん・疾病対策課長の佐々木です。
○がん・疾病対策課長 佐々木です。よろしくお願いします。
○事務局(丸野) 同じく課長補佐の上野です。
○事務局(上野) 上野です。よろしくお願いいたします。
○事務局(丸野) そして、私、主査の丸野でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
次に、資料の確認をお願いいたします。
まず、座席表、議事次第、
資料1 がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ開催要綱
資料2 がんゲノム医療の提供体制について
資料3 「がんのゲノム医療提供体制構築のための基準策定に関する研究」班(中釜班)報告(土原構成員提出資料)
資料4 検体検査の立場から(佐々木構成員提出資料)
資料5 がんゲノム医療取り組みの現状~九州大学の現状と課題・提言~(中西構成員提出資料)
資料6 がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)における遺伝性腫瘍診療体制について(小杉構成員提出資料)
資料7 がんゲノム医療中核拠点病院(案)の指定要件の考え方
参考資料1 第3期がん対策推進基本計画案(案)
参考資料2 がん診療連携拠点病院等の整備について
参考資料3 ワーキンググループの議論の進め方(案)
また、構成員の皆様には、机上資料としまして、がんゲノム医療の実用化に向けた工程表をお配りしております。
資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。
以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局(丸野) それでは、議題(1)「座長の選出について」に移りたいと思います。本サブワーキンググループは、資料1の開催要綱にございますとおり、構成員の互選による座長を置くこととしております。御推薦がございましたら、構成員の皆様方よりお願い申し上げます。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 国立がん研究センターの西田構成員が適任と考えますが、いかがでしょうか。
○事務局(丸野) ほかにいかがでしょうか。
それでは、西田構成員にお願いすることでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○事務局(丸野) では、全会一致のようですので、西田構成員に本サブワーキンググループの座長をお願いします。
西田座長、座長席によろしくお願いいたします。
(西田構成員、座長席へ移動)
○事務局(丸野) それでは、西田座長より御挨拶をお願いします。
○西田座長 ありがとうございます。
国立がん研究センター中央病院の西田でございます。よろしくお願いします。
若輩者ですけれども、御指名をされ、チェアとして役割を果たしていきたいと思います。
このサブワーキングですけれども、先ほど佐原審議官に上手にまとめていただきましたが、午前中に佐々木課長が出席されているワーキングで、やはり専門的にディスカッションしていただかなければいけないということです。今日選ばれた先生方は、それぞれの領域内のトップのスペシャリストだと思います。その先生方の御意見を伺いながら、がんゲノム医療中核拠点病院の要件を決めてまいりたいと思います。
ただ、時間的なスケジュールは非常にタイトでございます。本日、外は暑いのですけれども、熱いディスカッションをしていただいて、うまくまとめてまいりたいと思いますので、これから約2時間になると思います。どうぞよろしくお願いします。
まず、審議に続けていきたいと思いますので、議題(2)「がんゲノム医療の提供体制について」に入っていきたいと思います。基本的には、ここに資料が7つついていますけれども、それぞれをずっと発表していただいて、発表の後には、それにスペシフィックなことだけ追加質問とかコメントを受け付け、最終的には総合ディスカッションで詳細を決めてまいりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いします。
最初の資料1の説明は事務局側からお願いできるのでしょうか。
○事務局(丸野) 資料2でよろしいですか。
○西田座長 2ですね。ごめんなさい。資料2でした。
○事務局(丸野) それでは、資料2について事務局より説明させていただきます。右下にスライド番号を記載しておりますので、そちらを参照しながらお聞きくださいますようお願いします。
スライド2につきましては、第3期がん対策推進基本計画案(案)の概要になります。この中の「2.がん医療の充実」において、がんゲノム医療は項目(1)として記載しております。
おめくりいただきまして、スライド3ですが、基本計画案(案)におけるがんゲノム関連の抜粋の事項になります。その中で、がんゲノム医療の提供体制に関しましては、がん診療連携拠点病院等を活用しながら、がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の議論も踏まえつつ体制を整備することとなっております。
スライド4以降につきましては、本年の3月より開催されておりましたコンソーシアム懇談会についてまとめております。
スライド5では、がんゲノム関連検査とその活用方策についてまとめられたものですが、今回に関連しますのは中段の黄色の部分でございまして、医学的に意義がある遺伝子のパネル検査を今後、保険診療で行うことができる医療機関として、今回、検討するがんゲノム医療中核拠点病院を想定しております。
スライド6に示しました、本年6月にまとめられましたコンソーシアム懇談会の報告書の概要におきましては、平成29年度中にがんゲノム医療中核拠点病院を厚生労働省が指定するとされております。
スライド7に関しましては、コンソーシアムの全体像を示しております。この中で、がんゲノム医療中核拠点病院はゲノム検査を行い、その結果の解釈、遺伝カウンセリングの提供、治験や臨床試験の実施、情報の収集や管理などの役割が求められておりまして、こちらに関しましてがん診療連携拠点病院等と連携しながら行うようになっております。
スライド8以降が、今回初めてお示しするスライドになりますので、ここからは少しゆっくりと説明させていただきます。ここでがんゲノム医療の提供体制の将来像のイメージについてお示しさせていただきたいと思います。ここに2つのモデルをお示しさせていただいておりますが、まずは左のほうから説明させていただきます。また、これ以降が今後の議論の対象となる部分ですので、この部分以降では、がんゲノム医療中核拠点病院を仮称ではなく案としてお示しさせていただきたいと思います。
まずは平成29年度中にがんゲノム医療中核拠点病院を指定すること。こちらは報告書にも記載されていたとおりでございますが、今後、パネル検査が保険適用となった場合、中核拠点という限られた病院だけでは、患者のアクセスという利便性のことを考えますと、幅広くがんゲノム医療を広げることが難しい。そのため、それらの中核拠点と連携して患者の診療を行うがんゲノム医療連携病院が必要ではないか。連携病院につきましては、中核拠点にある程度の裁量権を与え、中核拠点に選定を行っていただいて、申請を行っていただくことになることを想定しています。その連携のあり方に関しましても本サブワーキンググループでは御議論いただければと思います。
連携病院と中核拠点病院の違いとしましては、次のスライドでも述べておりますが、中核拠点病院においてはパネル検査の解釈が自施設で可能である施設という整理をしております。つまりは、高度に専門的なゲノム検査の解釈がゲノム中核拠点では求められ、それをもとにがんゲノム医療連携病院では実際の診療に当たっていただくというイメージをしております。また、研究開発などの機能に関しましても、がんゲノム医療中核拠点病院が担うというイメージで構想しております。
今後、パネル検査が保険収載されまして十分に全国に普及していく中では、右のモデルに移っていきまして、中段にございます自施設でも検査結果の解釈ができる病院として、がんゲノム医療拠点病院を整備して、各都道府県全国にゲノム医療提供体制を整備していくというモデルを将来像として提案したいと思います。中核拠点病院と拠点病院の違いに関しましては、研究開発ですとか人材育成機能など、そういった部分につきましては中核拠点病院が担うといったイメージを想定しています。
今回のサブワーキンググループに関しましては、左の部分、がんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院のあり方について御議論いただければと思っております。
おめくりいただきまして、スライド9にて先ほどのモデルについて詳細に示しております。がんゲノム医療提供体制においては、このように患者の検体準備からシークエンスを実施し、レポートを作成する。それを専門家会議で解釈する。解釈した内容を結果として患者に説明し治療に当たる。必要に応じて、治験や研究開発などへ繋いでいく。こういった一連の流れが考えられますが、中核拠点病院におきましては、この一連の流れを、一部は外注可としながらも、基本的には自施設で完結できるものと想定しております。
連携病院につきましては、検査の実施とその解釈に関しましては中核拠点病院に依頼、また、専門家会議に関しましては中核拠点と連携してその会議に参加することを想定しておりまして、研究開発に関しましても、連携病院から中核拠点病院に依頼をしながら協力していく。こういったイメージを考えております。
スライド10番にまとめておりますが、今回のサブワーキングの方向性としましては、がん診療連携拠点病院等の中で、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する医療機関を「がんゲノム医療中核拠点病院(案)」として指定する。一方で、がんゲノム医療を必要とするがん患者が、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を段階的に構築する必要があると考えております。
そこで、論点としまして、がんゲノム中核拠点の要件ともに、がんゲノム中核拠点と連携してがんゲノム医療を提供する医療機関のあり方について、本サブワーキンググループでも御議論をいただければと思います。しかしながら、本日の第1回の会議におきましては、まず、がんゲノム中核拠点病院に関して焦点を当てて議論を行っていただければと思っております。また、がんゲノム中核拠点の指定要件に関しましては、がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書に示されております「がんゲノム医療の実施に必要な要件」の8項目について具体化していただければと思っております。
スライド11番に、先ほど申し上げましたがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書の抜粋としまして、がんゲノム医療の実施に必要な要件として8項目が挙がっております。1つずつ申し上げますと、1番はパネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)、2はパネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有している(一部の診療領域について他機関との連携により対応することを含む)、3は遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能である。4、パネル検査等の対象者について一定数以上の症例を有している。5、パネル検査結果や臨床情報等について、セキュリティーが担保された適切な方法で収集・管理することができ、必要な情報については「がんゲノム情報管理センター」に登録する。6、手術検体等生体試料を新鮮凍結保存可能な体制を有している。7、先進医療、医師主導治験、国際共同治験も含めた臨床試験・治験等の実施について適切な体制を備えており、一定の実績を有している。8、医療情報の利活用や治験情報の提供等について患者等にとってわかりやすくアクセスしやすい窓口を有している。
こちらの8項目、これらの要件を具体化する方向で、本日は御議論をいただければと思います。
以上になります。
○西田座長 事務局で、今回のサブワーキングの背景をまとめていただいて、本日は何をしなければいけないか、今後、あと2回ほど会議があると思うのですけれども、そこで何をどこまで決めなければいけないか。おおむねの概略は御説明いただいたと思います。
事務局からの説明に関して御意見、御質問がございましたら、何か構成員の方々、ありますでしょうか。よろしいですか。
石川先生、どうぞ。
○石川構成員 石川でございます。私自身もちょっと整理がついていないところがあるのですが、8ページの資料で御説明いただいた、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療連携病院です。今までにある体制の中でいうと、どういう枠組みから選ばれることを想定しているのでしょうか。
○西田座長 8ページの中核拠点と連携病院の選ばれるところですね。
佐々木課長。
○がん・疾病対策課長 まず、ブルーの下敷きの中から選ばれるイメージで、このブルーの下敷きとは何かというと、がん診療連携拠点病院等という整理をしております。
○西田座長 中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 以前に開催されたコンソーシアムの懇談会のメンバーをしておりました。そのときに通常のがん医療とこのゲノム医療を最終的に一体化して提供する必要があるだろうという話が出ていました。がん診療連携病院を念頭に置いての議論であったと思っております。
○石川構成員 私の理解で、がん診療連携拠点病院というのは、たしか成人のがんを対象にしたものだというのが私の認識なのですけれども、例えば小児がんとかこういうものについては小児がんの拠点病院とか、こういうものを含める必要があるのかなと思ったのですが、これについてはいかがですか。
○西田座長 石川構成員の御指摘は非常に重要なところでございまして、小児のほうは小児で少し組織がございます。ゲノムというのは少しそれとは違うかなと思うのですけれども、何か構成員の皆様方から御意見はございますでしょうか。
土原構成員、お願いします。
○土原構成員 土原でございます。成人のほうでは、特にゲノム医療の目的の大きなものに治療開発が含まれているかと思います。これは今、希少がんであるとか原発不明がんというところを特に重点的に議論が進んでいるのではないかと思います。
一方、小児に関しては、今までそうしたところが若干おくれぎみという現状がございます。ただし、今のお話のとおりで、小児の一つのがんゲノム拠点の中にも入ってくるというところで、いわゆる診断のみならず治療開発というところまで小児がんの分野が推進されるというのは、まさしく今回のがんゲノム医療提供というところの理念に非常に合致すると思いますので、ぜひ小児がこうした拠点の中に入ってくるというところを将来像の中に入れるべきではないかと思います。
○西田座長 今の御指摘は非常に重要だと思います。小児の疾患は結構ゲノム異常を伴うものがたくさんございますし、もう一つは先ほど御指摘がありましたように、小児がんは希少がんの一種なのです。ですから、ぜひこの中に取り込んでいただいて議論するほうがいいのではないかと考えます。そういう考え方でよろしいでしょうか。
佐々木課長、お願いします。
○がん・疾病対策課長 御指摘ありがとうございます。今の御議論を踏まえ、このブルーの下敷きのイメージは、がん診療連携拠点病院、例えば都道府県拠点もありますし地域拠点もありますけれども、これが今、434です。それに加え、小児がんの拠点病院が今、15。もちろん434と15で重複する病院もありますけれども、この両者をこの下敷きとして、その中から中核拠点病院やがんゲノム医療連携病院を選んでいただくという枠組みで整理したいと思います。御指摘ありがとうございます。
○西田座長 ありがとうございました。
多分、小児だけで開発するのは非常に難しゅうございますので、大人と一緒に開発していくのが一番現実的かなと私自身も思います。どうぞ御協力のほどよろしくお願いします。
そのほか、御質問、御意見はございますでしょうか。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の石川先生の御指摘は物すごく重要な点で、座長もおっしゃいましたけれども、実は、ゲノムに関しては小児専門病院のように、ただのがん連携病院よりもずっと進んだところもあるわけです。したがって、全体のこういう枠組みを小児のほうに押しつけないで、小児のそういう病院が落ちないような仕組みをぜひ考えていただきたいと思います。
○西田座長 確かに押しつけたらまずいですね。彼らがやりやすいような形でこの中で取り組むという方向で考えていきたいと思いますので、事務局もそれでよろしいですね。
○がん・疾病対策課長 そのように整理したいと思います。
○西田座長 そのほかに追加の御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、事務局からの御説明があったところで、既に資料が資料3以降で用意されていますけれども、それぞれの専門家に一つ一つ順番にお話をしていただこうと思います。
最初は土原構成員から、がんのゲノム医療体制構築のための基準策定に関する研究です。これは中釜班報告が主になるのでしょうか。ちょっとわかりやすくゆっくりと説明していただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
○土原構成員 座ったままで失礼いたします。国立がん研究センターの土原です。
今、座長から御紹介がありましたとおり、これは昨年度の厚生労働科学特別研究事業の一環として行われた研究班での報告を中心にお話をしたいと思います。
2番目のスライドにありますとおり、国立がん研究センターの中釜理事長を代表といたしまして、そこに書いてあるような格好で、がんのゲノム医療提供体制構築に関する研究を行ってまいりました。
スライドの3になりますけれども、この研究班の中で、がんゲノム医療提供体制を考えたときに、幾つかの論点を絞った形で議論を進めてまいりました。1番ですが、がんゲノム医療というものは、個別化治療、自分のがんを治療したいということ、いわゆる個別化予防、自分や家族のがんを予防したいということ。そのどちらも両方に係ってくるものであると考えております。
考え方の3番目のところで、個別化治療の論点と方針を抜粋してまいりました。これは個別化治療の対象患者の数が現在、圧倒的に多いというところから、まずはここを重点的に議論すべきであるという考えでございます。
マル1で、まず、既に遺伝子診断は現在のがん治療の中にも取り入れられておりますけれども、そこで用いられる遺伝子の情報は今後、さらに大きくなる、広くなるというところで、いわゆる次世代シークエンサーを使った診断の時代が到来するところであることを強調しております。
マル2におきまして、まずは本来の目的であります。どのような遺伝子を診断すべきかというところなのですが、これに関しては薬事的に既に有用性が確立している、いわゆるコンパニオン診断は現在の枠組みのとおり広く行われるべきである。ただし、それ以上のがんゲノム医療拠点において多遺伝子パネルあるいは将来的には全ゲノムシークエンスのような網羅的なゲノム検査というものを追加することによって、より深い診療ができるようになることを想定しています。
マル3におきまして、こうしたゲノム医療におきましては、単に検査ができるというところにとどまっていては診療が完結しないところでございまして、患者の治療、患者のベネフィットをもたらさなければならない。そう考えますと、どうしても薬事的にまだ有用性が確立していない、いわゆる未承認薬であるとか適応外使用といったものをどうしても念頭に置かざるを得ないということになります。ですので、がんゲノム医療拠点を考えるときには、単に検査ができるだけではなく、こうした治療のアクセス体制にも配慮すべきであるということを考えております。
マル4におきまして、この後に専門の先生からのお話もあるかと思いますが、いわゆる二次的所見というところで、遺伝カウンセリングの重要性も注意すべきであると考えております。それがマル5に当たります。
マル6におきまして、こうしたこれまでにない体制が必要になってまいりますので、それに合った人材育成が必要になるという点と、マル7におきまして、非常に深い情報ですので、ぜひこうした情報を集めて次の治療開発につなげていくという意味でのデータベースの構築を重視しております。
スライド4におきまして、実際にがんセンターで行われておりますがんゲノム医療の実際例というところで、まず、東病院で行いました院内のクリニカルシークエンスの際に、どのような手順で行われているのかということを書いてあります。実際にこれは研究として行ったものではありますが、患者に説明・同意の後、実際に検体を採取し検査を行う。その検査をもとにレポートを作成する。そのレポートに対してこの後も議論になるかと思いますが、説明・同意からレポート作成にまでかかわった専門の職種の人たち、さらに遺伝の専門家を入れまして、エキスパートパネルという多職種の専門家集団での検討を行っております。こうしたところで集めたデータをカルテに返却するとともに、データとしても集積をするということを行いました。
スライド5におきまして、実際、エキスパートパネルで議論された内容といたしましては、そこにあるとおりでございますけれども、遺伝子変異の内容といったゲノム生物学的なものから、そうした変異がいわゆる治療効果に与える影響という臨床腫瘍学的な側面、プラス遺伝カウンセリング等の必要性といったところを中心に考えております。こうした多種多様な専門家集団が合議を行うことが非常に大事であるところでございます。
続きまして、6番目のスライドは、これも同時期に国立がん研究センターの中央病院で行われましたTOP-GEARという院内のクリニカルシークエンスのプロジェクトです。当然、大腸がんや肺がんのような、いわゆる患者数の多いがんも対象になるわけでありますが、特にこうした中央病院の取り組みの中では、現在、標準的な治療が確立していない希少がんといったところに非常に需要が大きかった。そうした患者がたくさん入っているということを示すパイチャートであります。
スライドの7番ですが、このTOP-GEARのプロジェクトの中で、最初の207例の結果を見たものでございます。このときには、中央病院、国がんの研究所で開発いたしましたNCCオンコパネルという約100遺伝子規模のパネルを使って解析をしておりますけれども、その中で1つ以上の遺伝子の異常が検出された例は80%。その中で、さらに臨床的有用性があると考えられたものは約70%ございます。その中でも、さらに、今まで話してまいりましたとおり、治療選択、薬剤選択に有用なケースが既に60%含まれている。この結果からも、こうした出口としての治療選択の重要性が明らかになるかと思います。
ただし、こうした薬剤選択に有用だと考えられる変異が見つかった症例の中でも、実際に投与が可能だったかどうかというところになると、まだ若干の壁がございます。これは適応外の薬物にアクセスする方法が、現在は治験あるいは先進医療といった試験的治療に限られているところが一つの大きなポイントかと思います。
こうしたことからも、未承認薬もしくは適応拡大に関する企業治験、医師主導治験、先進医療Bなどへの登録をパネル検査陽性症例の出口として考える。未承認薬の濫用を防ぐ、あるいは患者の安全性を担保する。そうしたものを無駄にしないで承認に向けたデータを取得する。こうした一連の出口までを見据えたゲノム医療の体制が非常に重要であると考えております。
スライド8番におきましては、今、がんセンターの事例を紹介したわけではありますけれども、こうしたものが、がんセンターの2病院だけで行われるものでは不十分であると考えております。ゲノム医療を国内、多くの患者に提供するというところもございますし、多くの治療対象となる患者は遺伝子ごとに非常に細分化されておりますので、治療開発をするためには非常に多くの患者の参加が必要であるということも考えまして、中核的なところ、そこに連携する多くの病院のネットワークが非常に大事であるというところもこの絵で示しているものでございます。
時間の関係もございますが、スライド9番になりますけれども、こうしたこれまでの議論を踏まえまして、厚労特研中釜班の中で、まず、イメージとして我々がどのような体制が必要かを考えた表になります。これまでのお話の重複になりますけれども、薬事的に有用性が確立しているコンパニオン診断といったものに関しては、一般の拠点的ながん診療拠点も含めて全ての病院で適切に行われるべきであると考えております。
さらに、今回、議論になっておりますような多遺伝子パネルといった、いわゆる検査といったものは、できるだけ広く多くの病院でできるようにする。ただし、多遺伝子パネルを使うことによって当然多くの難しい問題が発生していきます。どのように治療を提供するのか、あるいは遺伝カウンセリングのような倫理的な問題をどのようにハンドルするのかというところがございますので、そうしたところは、中核的なあるいは拠点的なゲノム医療拠点で賄うべきである。まずはそうしたところで、赤線で囲ってありますような中核的な拠点をきちんと整備して、そこでいろいろな問題点を洗い出した上で、必要な人材等も確保してより広めていくというところが大事ではないか。そのような結論に達したわけでございます。
最後にスライド10枚目で、今までの議論の中で、きょうお示しをしなかった点も含めまして、論点という形で要約したものをつけさせていただいております。
以上です。
○西田座長 ありがとうございました。
この領域にしては非常にわかりやすくまとめていただいたかなと思います。既にCoDx等でもはっきりと治療が裏づけされているものに関しては多分、問題ない。ここで議論をしなければいけないのは、これからの新しいゲノム医療をつくっていくところである。したがって、研究的な医療がちゃんとできる病院を選んでいかなければいけないということと、同時に品質といいますか、質が非常に重要であるということを教えていただいたかなと思います。
土原構成員のプレゼンテーションに対して、コメント、質問、確認はございますでしょうか。後で総合討論をしますので、特段なければ次に行きたいと思いますので、よろしいでしょうか。
では、特段ないという形で、次に佐々木構成員から、検体検査の立場から、これは質の上で非常に重要でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○佐々木構成員 東京大学の佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
私は、検体検査の立場から報告をさせていただきたいと思います。
先ほど厚生労働省の丸野主査から御説明がありましたが、がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書の中に、1番から8番まで項目を挙げられたというお話がございました。この中で、恐らく検体検査に関係するものは、マル1のパネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)、マル4のパネル検査等の対象者について一定数以上の症例を有している、マル6の手術検体等生体試料を新鮮凍結保存可能な体制を有しているとか、このあたりが関係するのかなと思っております。
スライド3になります。がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会の報告書の中に、○として2つ書かせていただきましたが、既存治療薬の選択(コンパニオン診断)だけでなく、広く治療に係る医学的判断に資する「遺伝子パネル検査」についても、必要に応じて先進医療の実施を経て、新たな視点で科学的に評価することにより薬事承認し、その有効性や安全性を確保できる一定の要件を満たす医療機関において費用対効果を踏まえつつ保険診療として実施することと書かれております。
もう一点、全エクソーム解析や全ゲノム解析等の結果により、医学的意義が明らかとなった変異等を踏まえ、遺伝子パネル検査の充実を目指すことというようなものも書かれております。
これに関しましては、上記の「遺伝子パネル検査」はこれから、どんどん出てくるだろうという開発分野に当たるかと思います。現在、パネル検査に対する具体的な精度管理等の基準は、実際はないのではないかと思います。
検体検査に関しては、まずは現状把握。これが一つ重要なのかなと。その上で施設要件及び人的要件を考えていく必要があるのではないかと考えております。
スライド4番です。臨床検査における品質・精度の確保に関する研究という特別研究班が東京大学の臨床検査部の矢冨先生を班長として、特別研究班として厚生労働行政推進調査事業費補助金という補助金で現在、遂行されております。
5枚目のスライドになります。この中で話し合われていることを少し御紹介申し上げます。臨床検査における品質・精度の確保に関する研究の中間報告になります。実は、昨年度の時点で1回報告書を出させていただきましたが、この研究会は現在も継続しております。ですので、内容が若干、またこれに加わる可能性もございますが、四角の中を読み上げます。
遺伝子関連検査等を実施する場合に追加的に設定する基準としまして、この研究会の報告書の中で、*の1個目ですが、遺伝子関連検査等は、その検査結果が臨床診断において特に影響が重大であるため、内部精度管理の実施、外部精度管理調査への参加・受検を義務として求めるべきである。
2つ目、遺伝子関連検査等の品質・精度管理の保証の確保・継承のためには、適切な研修・教育・トレーニングなどのシステムを構築・継続維持することが重要である。
3つ目、検査施設の第三者認定については、遺伝子関連検査等の質の保持や、セキュリティー確保など、国際的基準のISO15189等に準じた高い施設基準や設置運営規則が必要ではないかということも提案させていただいております。
しかしながら、遺伝子関連検査には多種のものが存在し、おのおの精度評価が異なるため、検査の性質に即して必要性を吟味するために、施設で実施される遺伝子関連検査の内容によっては例外的な対応も考えなくてはいけないのではないかと報告書には書かせていただいております。
6枚目のスライドですが、実際にISOという言葉をよく聞きますが、このISOに係るデータを御紹介申し上げます。
まず「(1)我が国における検査部門の代表的な精度管理事業と参加施設数」ということで、検体検査の部門における精度管理の実際の実施数、施設数をそこに挙げさせていただきました。日本医師会の精度管理調査事業には、全国で3,199カ所の病院が参加している。さらに、日本臨床衛生検査技師会が行っている精度管理にも3,934が参加している。少し小さい文字になりますが、上記に加えまして、さらに、日本衛生検査所協会や全国労働衛生団体連合会、あるいは都道府県等、さらには検査機器や試薬メーカーによる外部精度管理調査であるサーベイなども実施されております。
精度管理に関しましては、検査データを正確に提供するということで、かなりの施設が積極的に参加しているという実態が、この数字からもおわかりいただけるかと思います。
それに対しまして、実は、ISO15189、検査部門のいわゆる精度管理に関する認定施設の数ですが、2017年3月現在で認定施設の総数は116。大学病院は48、大学病院以外の医療機関が33、衛生検査所が、結構数が多いのですが31、健診機関が3、臨床試験ラボが1というような数字になっておりまして、がん診療連携拠点病院の総数などと比較すると、まだまだこれからかなという感じがいたします。
下の四角に書きましたが、ただ、ISOに関しましては、現在、急速に認定施設の試験を受験すると、認定を受験するという施設がふえています。まず、平成25年7月、厚生労働省医薬食品局審査管理課の事務連絡の中に「治験における臨床検査等精度管理に関する基本的考え方」の中で、ISO15189が評価されました。これがISO15189の厚生労働省としての公式の評価の初めではないかと考えておりますが、この後、平成27年1月には、臨床研究中核病院の承認にかかわる検査室の要件にISO15189が採択されたということで、これは医療法の中でしっかりと書き込まれております。
さらに平成28年の診療報酬改定では、ISO15189認定取得医療機関では、国際標準検査管理加算として40点の算定が認められまして、このことからISO15189をとる施設が非常にふえてきているという実態がございます。
スライド7番になりますが、では、実際にどのような都道府県の分布でISO15189の取得医療機関があるのかをお示ししたのがそこの図になります。7ページの図は東日本をちょっと地図のように並べてみました。一番左側に都道府県名、ISO15189の病理検査、病理診断と臨床検査部門の検体検査部門の両方のISOを取得しているのが真ん中のカラムの数字。一番右側が臨床検体検査のみ、臨床検査のみの認定を取得している施設数になります。
例えば北海道であれば、病理と通常の臨床検査の両方のISO15189の認定を取得している医療機関はゼロです。検査のみであれば3施設あります。具体的に、そこに取得した施設名も全部書き加えておきました。下に四角が2つ、長方形が並んでいますが、病理検査部門のISOの取得医療機関は、北海道はゼロ。東北が1カ所。関東は14カ所で、関東に非常に多い。特にこの中で東京に11カ所ございます。それから、中部地方が4カ所。
検査部門のISOの取得医療機関数は、北海道は3カ所、東北が2カ所、関東地方が31カ所、中部が10カ所、合計46カ所になります。東日本の病理の合計は19カ所になります。
次の8枚目のスライドですが、これが西日本の同じような状況になります。上記と同じですけれども、下の長細い四角の中に書かせていただきましたが、病理部門のISOの取得医療機関は、近畿地方が13、中国四国地方が2、九州沖縄地方が3で、合計18カ所。検査部門のISOの取得医療機関は近畿地方が17、中国四国地方が8、九州沖縄が14で合計39で、大体東と西とは同じぐらいの数で、ISOを取得されているということになります。
最後のスライドになります。9枚目ですが、このようなことを考えまして、がんゲノム医療中核病院(案)の検体検査の施設要件としてどういうことが言えるかを考えてみました。まず、パネル検査の実施体制(外注連携可)ということですが、これが最低でもきっちりと整備されている。それには病理専門医や臨床検査技師の要件が必要なのではないかということで、人の要件にこういうものを加えることが必要になるのではないかと考えております。
この中で病理に関しては、特に体細胞遺伝子検査はかなり病理に提出されたがんの組織を扱うことが多くなると思います。その場合には、例えばですが、認定病理検査技師制度、*の1つ目ですが、現在、日本臨床検査技師会及び日本病理学会が共同で行っている認定技師制度で、現在のところ全国で約555名が認定されておりますが、記述試験及び種々の講習会。この講習会の中では「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」という規程を病理学会が、現在はAMEDから、もともとは文科省のリーディングプロジェクトで走ったものですが、実際に実証研究を通じてこのような規程をつくりましたけれども、この規程に基づくゲノム病理標準化センター講習会を東大が主催してやっております。これはAMEDの委託事業なのですが、現在までに600名を超える受講者がいらっしゃいますけれども、これへの定期的な参加を求めたものになります。
さらに、先ほど「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」と言いましたが、現在、実はゲノム診療用です。ここに冊子があるのですが「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」も病理学会のほうでつくりまして、8月末までにパブコメを求めております。パブコメによっては9月の刊行を目指して粛々と準備を進めている最中ということになります。
マル2、パネル検査に関しては、現状では外部制度管理体制がないことから、検査部門(病理検査部門を含む)がCAPやISO15189等の施設認定を取得して、これは非常にわかりやすいと思うのですが「国際標準検査管理加算」を算定しているがん診療連携拠点病院等であるということが望ましいのではないかということで、施設要件の提案までさせていただきました。
以上になります。
○西田座長 ありがとうございます。
外部評価をきちんと受けたところで受けるべきだという御指摘と、もう一つは病理学会で「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」をつくっていただいているので、多分、将来的にはこれに準拠してちゃんとやらなければいけないのかなという話だと思います。
司会のほうでアドリブを入れて申しわけないのですが、ISOは大分御説明いただいたので皆さんよくおわかりになると思うのですけれども、あとはCAPとかCLIAとかいうものがあるので、先生、もし簡単で結構です、CAP、CLIAに関して少しだけコメントを追加で御説明いただけたらありがたいと思います。
○佐々木構成員 CAPやCLIAの認定も、実はISOと同じような国際認定規格として検査部門ではあります。ただ、CAPの場合には、実際にはアメリカ、カナダで行っているものですが、アメリカのほうで中心になって行っているものですけれども、実際にはまだ非常に少なくて、むしろ検査センターなどがCAPなどを積極的にとって、国際標準的な検査施設として認めてもらっているというところがあります
もう一つ、CLIAのほうは、これは非常にハードルが高いです。特にゲノム検査などに関しましては非常にハードルが高いので、日本ではほとんどとっている施設がないのかなとは考えておりますので、今回はどちらかというと、ISO15189が恐らくは施設認定の中心になっていくのかなとは考えております。
○西田座長 ありがとうございました。
CAPもCLIAもアメリカの基準ですので、アメリカの標準がなければいけないという、ちょっと日本の医療制度に合わない部分も微妙にありますので、なかなか難しいのかなと私自身も思っております。
構成員の皆様方から、今回のパソロジーの事に関して、特にコメント、御質問はありますでしょうか。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 最後のスライドのところを教えていただきたいのですけれども、この案に関して、先ほどの御説明では、要は、臨床検査の部門と病理の部門でそれぞれ認定等の取得状況が違うということでしたが、この案は両者をあわせ持つことを要件とするという考えなのか、あるいはいずれかでいいとするのか、そのあたりはどのような状況なのでしょうか。
○佐々木構成員 できれば両者と思っているのですが、先ほど実際の病院を占めさせていただいたときに、病理のISOがまだまだ数が少ないということもありまして、実際のゲノム医療中核拠点病院になるような要件をいろいろ決めたときに、その辺は病理を入れるのか、入れないのかは議論する必要があるのではないかと考えております。
できれば入れたいのですが、まだまだ施設が少なかったり、あとは臨床研究中核病院が今、11が指定されていますけれども、この中で病理部門のISOをとっていない病院が4つあるのです。ですので、その辺も含みおいて、ほかの条件との兼ね合いで病理をどうするかということは決めていただければと思っております。
○西田座長 御指摘は非常に重要なところだと思います。ただ、病理検体の品質は、その後のゲノム解析に非常に影響しますので、ここのところはしっかり押さえていかなければいけないかなと思います。
どうぞ。
○小杉構成員 ISO15189の審査体制です。実際には十分バックアップ体制ができているのかという点と、臨床検査全体ということよりも、むしろゲノム検査の部分での専門家の数が足りないのではないかというようなことも言われておりますので、コメントいただければと思います。
○佐々木構成員 審査に関しましては、中間審査と正式な審査とが定期的に行われていて、それなりにきっちりとした体制は整っているかなと思います。ただ、先生がおっしゃいますように、ゲノムの検査の専門家はまだまだ全然少ない。検査技師の中でも少ないですし、病理学会も、モレキュラーパソロジストという仮称でゲノム検査に通じた病理医の育成をほかの学会と連携してやっていくべきではないかというようなことも議論されている。まだ本当に初めのころになっていまして、先生が御指摘のように、確かに人的マンパワーはゲノムということに限定すると、現在は不足していると言わざるを得ないかなとは考えております。
○西田座長 ありがとうございます。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。これは大変おもしろいデータで、7枚目と8枚目を見て、こんなに病理のISOをとっているところが少ないのでびっくりしました。先日も病理の先生が煩雑でやめたいとか言っていました。しかし、これは精度管理のこともありますけれども、個人情報の守秘義務だとか、取り違えの問題など医療安全など重要な点が含まれています。そういうことに関して割と病理の先生は無神経で、マッペが山ほど積んであって地震が来たらどうなるのだとか、そういうことまで言われるので、おもしろくないようなのです。
でも、これは物すごく必要なことなので、病理医の先生の一層の自覚が必要ではないかと思いました。ありがとうございました。
○佐々木構成員 そのように周知したいと思います。ありがとうございます。
○西田座長 ぜひ受けていただくようにファシリテートしていただければいいかなと思います。先ほどありましたように、ゲノムスペシフィックなものはないけれども、せめてISOぐらいはとっておいてもらわないと、何が品質だというような意見かと思いました。
時間に限りもありますので、次に、中西構成員から実際の臨床の現場でのお話、がんゲノム医療取り組みの現状ということで、九州大学の現状をお話しいただいて、病院の現実を一回見てみたいと思います。
中西先生、よろしくお願いします。
○中西構成員 それでは、資料5をごらんください。きょうは1回目ということで、提言の部分は割愛いたしまして、実情を御紹介いたします。
スライドの2ページにございますけれども、九州大学は都道府県のがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院、がんセンターを有しておりまして、この5年間で新規のがん患者数が1万9,462人という現状でございます。
次のページに必要な要件が8件ありますが、これは先ほど御紹介があったとおりでございまして、それぞれにつきまして、当大学がどのような状況かを4ページ以降でお示ししたいと思います。
最初に「1.パネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)」でありますけれども、実績にございますように、造血器、消化器がん、肺がん等々については国内外のパネル検査実施機関との連携があり、そちらのほうにはサンプルを提供しているところであります。現時点においては、パネル検査はセンター的なところに出しておくことでいいのではないかという考えのもとで、自施設で実施する体制そのものはつくっておりません。ただ、NGSは十分な台数を保持しておりますし、今後、パネル検査を実施する必要があるということであれば、それに対する対応はできていると思います。
課題はあります。第1に全病院的実施体制及び情報の集約システムを構築する必要がある。今のところは診療科がそれぞれの目的あるいは使命に応じてやっております。パネル検査を自施設でやるとすれば、先ほど基準のこともございましたけれども、CLIA、ISO等々品質を保証することも問題になってくると思います。そういった品質保証下での実施体制を構築する必要があると思っております。
次はスライドの5ページ目ですけれども「2.パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有している」ということ。これにつきましては、実際、パネル検査は外注という形でやっておりますので、その解釈もいただいたものを受領しているのが現状であります。バイオインフォーマティシャンは学内に10名ほどおりますけれども、現在、こことの連携があるわけではございません。したがって、課題としては、現有のバイオインフォーマティシャンとの連携をしっかりやった上でのゲノム医療の推進体制をつくる必要があると思いますし、今後、こういったバイオインフォーマティシャンの育成も大学として考えねばならないと思っております。専門家チームにつきましては、現在構築中でありまして、現有のスタッフの中でどのような運営体制を構築するかを検討しております。
6ページ目が「3.遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能である」ということであります。臨床医遺伝医療部を2004年から稼働させております。その中で、学会認証を受けた専門医が常勤11名、指導医が2名でカウンセリングをやっておりますが、年間20件程度ということでさほど多い数字ではないです。ただ、がんを専門とする者は1名で、主として小児科領域、代謝性疾患等々が多いのが現状であります。
認定遺伝カウンセラーは、必要であると思いますが、現時点においては不在であります。人材不足が課題です。現在、九州には5人しかいないことを確認済みであります。
実際の相談件数につきまして改めて調査したところ、2015年で遺伝性疾患に関する相談が25件あって、このうちがんが好発するものが14件、2016年には遺伝性疾患が20件あって、そのうち8件ということでした。
課題としては、今後、こういうパネル検査等を含めて遺伝子診断が普及していきますと、当然、これに対する対応の強化が必要と思っておりますし、認定遺伝カウンセラーの獲得あるいはその育成が必要になるかと思っております。
次の7ページ目が「4.パネル検査等の対象者について一定数以上の症例を有している」、「5.パネル検査結果や臨床情報等について、セキュリティが担保された適切な方法で収集・管理することができ、必要な情報については「がんゲノム情報管理センター」に登録することができる」という状況であります。
実績としては、現在、検査対象者は4,000名の新患がおられる。中核的な病院ということで、他医療機関からも特に難治性あるいは希少がんについて御紹介いただける状況がありまして、パネル検査への検体提出の実績からすると条件は達成しているかと思っております。セキュリティー担保でありますけれども、こちらも今、院内の取り組みについて検討しておりますが、今後は医療情報部(MIC)のほうで完全に情報管理をして、電子カルテと連動する形をとっていくべきだろうということで、こちらは実施可能性が高いと思っております。
課題は、こういった検査結果や臨床情報を一元管理するということ。専任のゲノム医療情報管理者を配置する必要があるであろうということ。こういった情報は最終的にはがんゲノム情報管理センターというものが今後、構築が想定されていると思いますが、そこへの登録自動化の検討等も必要になるかと思っております。
8ページは「6.手術検体等を新鮮凍結保存な体制を有している」ということでありますけれども、ここに書いてございますように、例えば多くのがん種について、5,000例以上の試料を保管しているバンクもありますし、それ以外にもここに書かれたものが存在します。詳細は割愛いたしますが、こういった点については十分な体制がとれておりますけれども、問題は病院での一元管理体制を構築していること。その上で、国内の連携体制をしっかりつくること。これが課題かと思っております。
最後に9ページであります。「7.先進医療、国際共同治験も含めた医師主導治験等の実施について適切な体制を備えており、一定の実績を有している」「8.医療情報の利活用や治験情報の提供等について患者等にとって分かりやすくアクセスしやすい窓口を有している」ということでありますけれども、こちらにつきましては、現在、臨床研究中核病院として先進医療あるいは国際共同治験等々を推進しているところでございますし、外来には相談窓口を置いております。
今後、こういった相談窓口の中に、がんゲノム医療に関する相談窓口を設置することは可能でありますし、その中で課題としては、パネル検査結果に関する相談あるいは包括的な遺伝相談・治験相談など、こういった窓口を一本化することで実際に外部の医療機関あるいは患者さん・御家族から見える化、わかりやすい状況をつくっていくことが必要ではないかと思っております。これにつきましては、現在、患者申し出療養における院内体制が全病院的な体制として構築されております。こういったものを参考にしながら構築していく必要があるのではないかと思っています。
以上が私どもの大学の現状でございます。
○西田座長 中西構成員、ありがとうございました。
九州大学附属病院は臨床研究中核病院ですから、それなりにすごいというか、しっかりした病院だと思いますけれども、その中でも最初に土原構成員がおっしゃいましたエキスパートパネルを構成するには、がんの専門家が必ずしもいない、例えばバイオインフォマティシャンはいるけれどもがんに関してはそれほどスペシフィックではない。カウンセラーも現実は病院にいらっしゃらないということですね。臨床遺伝専門医はいらっしゃるけれども、多くはコンサルテーションを受ける病気が別の病気である状況ということでございます。これが多分、現状ではないかと思っております。
御質問、御意見はございますでしょうか。特段ないですか。
なければ、引き続き資料6に基づいて小杉構成員にがんゲノム中核拠点病院における遺伝性腫瘍診療体制を、これは結構重要なことだと思いますので、御説明いただきたいと思います。
○小杉構成員 京都大学の小杉と申します。よろしくお願いいたします。
京都大学では、がんのパネル検査を日本の中では最初、2015年からオンコプライムというものを導入することで始めております。それにおきまして、がんセンターのチームと我々遺伝医療のチームでいろいろ経験をしたこと、討議をしたことがありまして、それをもとに、今年度はAMEDのゲノム創薬の研究事業で、医療現場でのゲノム情報の適切な開示のための体制整備に関する研究班を引き受けておりまして、そこで既にある程度がんパネルの場合にどういう対応をしていくべきか議論を進めておりますので、それについてお話ししていきたいと思います。
遺伝子パネル検査の実施に伴いまして、対応法(治療法・予防法)が存在する生殖細胞系列の遺伝子変異、いわゆる二次的所見ですけれども、これが我々の経験でも数%の患者に同定されます。これはパーセントの多少の変化はありますけれども、諸外国でも大体同じぐらいの程度であります。
この対応法が存在する二次的所見の原因遺伝子は、遺伝子検査パネルで行う場合は、もともと腫瘍関連の遺伝子ですので、そのほとんどがいわゆる遺伝性腫瘍の原因遺伝子であります。そういうものに対して、対応法が存在する二次的所見が見出された場合に、開示を原則とするということがアメリカの臨床遺伝学会であるACMGの指針で2013年に打ち出されておりまして、この方針について、我が国の遺伝医療専門家を対象とする調査を2014年に行いましたけれども、90%が賛成しているということで、我々のAMED班でも同様の方針を打ち出すということを考えております。
したがいまして、がんの遺伝子パネル検査の実施に伴って、遺伝性腫瘍を中心とする二次的所見に適切に対応する体制が必要であると考えます。
遺伝子パネル検査での二次的所見は、本人のみならず遺伝情報を共有する血縁者の健康管理に大きな医学的及び心理社会的な影響を与えますので、専門的な遺伝カウンセリング体制のもとで開示及びフォローアップができる体制が必要であると考えます。
次のスライドに参りまして、遺伝子パネル検査での二次的所見を見出された患者やその血縁者への対応は、パネル検査ができてきて突然発生したというものではなくて、以前から遺伝性腫瘍とその血縁者を対象にしていた遺伝カウンセリングの診療と基本的に同じであります。そういう意味で、その領域の経験が深く、継続的に遺伝性腫瘍を取り扱う臨床遺伝専門医及び認定遺伝カウンセラーで対応できることが望ましいのではないかと考えています。
見出される二次的所見は広い分野の遺伝性腫瘍にわたるので、特定のがんの領域だけではなくて分野横断的で、かつ、複数の診療科との連携体制が確立している遺伝子医療部門を中心にして対応する。それをハブとして対応する必要があると思います。
今も出てまいりましたけれども、二次的所見を確認すること、実際にそれを開示するに当たっては、患者とか家族の状況を討議することが必要ですので、遺伝子の専門家がこのエキスパートパネルへ参加することが重要だと考えます。
生殖細胞系列の確認検査を行う必要がある場合とか、あるいはさらに血縁者が同じ変異を持っている可能性がありますので、血縁者で検査を行うという必要が出てくるわけですけれども、これらの検査の大半が保険収載をされていないので、これを実医療として行うためには、少なくとも自施設で検査ができるか、あるいは外注検査ができる体制が必要になってまいります。
次に、このパネル検査を行うに当たって、二次的所見に関連してどのような事前説明と同意をとっていく必要があるのかということをお話ししたいと思います。まず、数%の確率で二次的所見(生殖細胞系列に対処法のある病的遺伝子変異)が見出される可能性があること、それが本人のみならず血縁者にも影響を与え得ることを説明するということ。
しかしながら、これはあくまでも二次的所見でありまして、がんの患者が遺伝子検査を受けるのは、あくまでも自分の治療の方法を選択する。そのために受けるわけでありますので、二次的所見のところだけが非常に大きく強調されて説明されるということは、かえって問題があるということで、本来の検査の目的の説明とバランスを配慮して行う必要があるであろうと。事前説明に関しては、やはり薬物治療を目的とするわけなので、がん薬物療法を専門家が中心となって実施して、それにプラス補足的・付加的な説明をするスタッフがいるとよりよいであろうと。その際に、家族への影響について非常に不安が強い患者がいらっしゃるような場合は、遺伝医療の専門家がバックアップできるような体制があればよりよいだろうと考えます。
5ページ目に参りまして、二次的所見を開示する者全員に対して遺伝医療の専門家が対応する必要はないと考えています。すなわち九十数%は二次的所見が得られない、出てこないわけでありまして、それがなかったということについて、わざわざ遺伝医療専門家が出てくる必要はない。これはそのように実際にされている施設があって、そこでネガティブな結果を聞くだけのために遺伝医の専門家のところを訪れないといけないというような体制でやられているところがあったのですけれども、やはりそこではかなり大きな問題があったとお伺いしているところでございます。
検査前には、二次的所見について開示の希望を確認する必要がもちろんあるだろうと。ただ、現実問題として、経験的に血縁者の情報伝達が進みにくいことも多いわけで、すなわち自分の治療がもちろん第一の目的ですので、その結果が来たときに、家族にも伝えてください、お話をしてくださいというように言っても、なかなか実際にはそれが行われないということもあったりとか、さらには、結果が出たときには既に御本人が亡くなっていて、結果を御家族に伝える人がいないという状況がありますので、これはあくまでも望ましいという観点なのですけれども、家族等の同伴者に検査前説明を一緒に聞いてもらうことが重要なのではないかと思います。望ましいというのは、必ずとすると、家族がそろわないといけないタイミングとかがありますので、がんの治療という時間的に極めて制約が多い段階では、これをマストにするのは望ましくないだろうと思われています。
二次的検査所見が家族の健康管理に役立つような可能性がある場合に、あらかじめ事前の同意をとるときに連絡をとってほしい家族を同意書に記載してもらうのはどうかと考えておりまして、京大病院でもことしからはそのような体制で臨んでおります。
実際に二次的所見が出てきたときに、開示に関する課題ですけれども、患者自身の健康管理に必ずしも役立つとは言えない場合がございます。進行がんの患者にとっては、ある遺伝性腫瘍ですということが言われて、そのほかの臓器にも新たにがんができるかもしれませんという情報は役に立たないことも多いわけで、そういう意味ではサーベイランスの意味がないこともあります。
がんの治療の情報である一次的所見を開示する際に、時間的な流れが全然違いますので、二次的所見に関する情報を開示するのに、同時に必ずしも開示しなくてもいいだろうと。まずは一次的に治療の情報を開示して、落ちついて患者の話を聞ける状態になったときに二次的所見を開示するということでいいだろうということで、その下もそうですけれども、適切な患者及び家族へ適切な時期に開示することが必要で、実際に同意書に記載された家族のみに開示するとか、ケースごとに患者の状況、家族の状況も含めて違うので、これは判断が必要だろうと考えています。
最後は7ページ目のフローについての考えですけれども、検査前の説明は、できれば家族を同伴で行い、二次的所見があり得ることを説明内容にして含め、同意書に結果開示の家族の名前も記載してもらう。実際のパネル検査を実施して、それの結果に関してはエキスパートパネルで行いますし、それはもちろんプライマリーに結果の解釈と治療法の決定ということがありますが、これがアクショナブル、治療法・予防法のある遺伝子、ACMG59と言っていますけれども、それに病的生殖細胞系列の遺伝子変異の疑いがある場合は、生殖細胞系列の検査を実施する。
最近のものでは、ジャームラインと同時に検査をしている場合もありますので、その場合これは省略できるわけですけれども、それで確認できると遺伝医療の専門チームによって遺伝カウンセリングの場で二次的所見の開示を実施し、さらには、家族の遺伝学的検査を実施する。そのような流れになるのではないかと考えています。
以上です。
○西田座長 パネル検査に伴って1桁ではあるけれども確実に出てくるセカンダリー・ファインディングスに対する対処はこうしたほうがいいのではないかという御説明がございました。特段コメントはないですか。よろしいですね。
これらの議論を踏まえて、事務局のほうで一つ、たたき台となる案をつくっていただいているとお聞きしています。それの説明を資料7、がんゲノム医療中核拠点病院(案)の指定要件の考え方という形で、事務局から御説明をお願いできますでしょうか。
○事務局(丸野) 事務局の丸野でございます。
それでは、資料7「がんゲノム医療中核拠点病院(案)の指定要件の考え方」をお示ししたいと思います。
スライド2には、先ほどからお示ししております、がんゲノム医療の実施に必要な要件として8項目を挙げさせていただいております。今回、この8項目につきまして、先ほど先生方からいただきました資料をもとに意見を取りまとめまして、考え方ということで提案させていただきたいと思います。
おめくりいただきまして、スライドの3番に関しましては、先ほどからあります遺伝子パネルの検査の流れに沿いまして、それぞれ8項目、どのような要件がどこの部分に位置しているのかをお示ししております。
スライドの4番からが、今回、お示しします指定要件の考え方として提案させていただくものになります。この後、こちらにつきまして必要に応じてさらに追加が必要ではないか、あるいはこの要件についてもっと掘り下げるべきではないかなどの御議論をいただければと思っております。
それでは、1つずつお示ししたいと思います。「1.パネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)」につきましては、佐々木構成員にもお示しいただきましたが、遺伝子パネル検査のための検体の準備につきましては、外部認定を受けた病理検査室が必要ではないか。また、検体の保存や選択、手順についても何か明示することが必要なのではないか。それらを実施するために以下の職種の配置としまして、病理診断に携わる専門的な医師あるいは臨床検査技師の配置が必要なのではないか。
遺伝子検査に関しましては、シークエンスの実施としまして、施設内で実施する場合は外部認定を受けた遺伝子関連検査室が必要ではないか。また、施設外の検査機関や医療機関へ外注する場合に関しましても、その外部機関に関しては外部認定を受けたものが必要ではないか。外注する場合に関しましては、適正な契約のもと遺伝子パネル検査を依頼できる環境を整備する必要があるのではないかと挙げております。
「2.パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有している(一部の診療領域について他機関との連携により対応することを含む)」に関しましては、遺伝子パネル検査の結果を医学的に解釈するための多職種検討会、以後、エキスパートパネルと称させていただきますが、こちらを定期的に開催する必要があるのではないか。当該施設が担当した遺伝子パネルの検査の結果につきましては、このエキスパートパネルで検討していくことが必要ではないか。エキスパートパネルに関しましては、どのような職種で構成されるべきかということに関しましては、1つは薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医師が複数名必要ではないか。それぞれ領域が異なる医師が必要ではないかと提案させていただきます。遺伝医学に関する専門的な知識を有する医師が必要ではないか。遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者が必要ではないか。病理診断に携わる医師が必要ではないか。分子遺伝学やがんゲノム医療に関する十分な知識を有する研究者が必要ではないか。バイオインフォマティクスに関する十分な知識を有する研究者が必要ではないか。こういった専門的な集団によってエキスパートパネルを開催する必要があるのではないかと考えております。
「3.遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能」に移ります。先ほど小杉構成員にご発表をしていただきました内容に関係する部分ですけれども、こちらに関しましては、複数診療科と連携可能とするため、遺伝カウンセリング等を行う部門の設置が必要ではないか。遺伝医学に関する専門的な知識を有する医師と遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者の配置が必要ではないか。遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングについて一定の実績が必要ではないか。遺伝性腫瘍に関する遺伝学的検査について一定の実績が必要ではないか。遺伝子パネル検査の二次的所見として対応方法が存在する生殖細胞系列変異が同定された場合の対応方針について、自施設内において明文化された対応方針を制定する必要があるのではないかということを提案させていただきます。
「4.パネル検査等の対象者について一定数以上の症例を有している」に関しましては、今回、がん診療連携拠点病院等という枠組みの中で中核拠点病院を考えた際に、がん診療連携拠点病院であれば、対象者としては一定の症例数を有していると判断できるのではないかと考えております。御参考としまして、がん診療連携拠点病院の指定要件における診療実績として、院内がん登録や手術件数、化学療法の件数、放射線の患者数などを挙げさせていただいておりますが、こういったがん診療連携拠点病院であれば、がん患者の診療に関してはある一定の実績を有しているものとして、要件として考えるべきではないかと提案させていただきます。
「5.パネル検査結果や臨床情報等について、セキュリティーが担保された適切な方法で収集・管理することができ、必要な情報については「がんゲノム情報管理センター(仮称)」に登録する」です。がんゲノム情報管理センターにつきましては今後整備予定とされておりますが、こちらに臨床情報やゲノム情報等の必要な情報を中核拠点病院からは登録する必要があるのではないか。また、がんゲノム医療にかかわるデータ管理を行う部門を中核拠点病院には設置する必要があるのではないか。同部門には責任者を配置し、がんゲノム医療を受ける患者の臨床情報及びゲノム情報の収集・管理を担当する実務者を配置する必要があるのではないか。臨床情報等について、セキュリティーが担保された適切な方法で収集・管理することができる体制を整備する必要があるのではないか。こちらを提案させていただきます。
スライド6に移りまして「6.手術検体等生体試料を新鮮凍結保存可能な体制を有している」に関しましては、がん組織及び非がん組織等のペアの凍結保存を含む臓器横断的なバイオバンク体制を有する必要があるのではないか。組織検体につきましては、日本病理学会の「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」、先ほど診療用がそろそろ出るというようなことも伺いましたが、こういったものに従って取り扱う必要があるのではないか。
「7.先進医療、医師主導治験、国際共同治験も含めた臨床試験・治験等の実施について適切な体制を備えており、一定の実績を有している」に関しましては、未承認薬または適応拡大に関するがん薬物療法に関する企業治験、医師主導治験、先進医療Bについて一定の実績を複数年にわたり有している必要があるのではないか。また、これらに関しては、主導的にその病院で実施した経験があるということが必要ではないか。これらの臨床試験を適切に実施できる体制といいますのは、安全性が先ほど午前中のワーキングでも出ましたけれども、臨床研究中核病院などの水準の体制が必要なのではないか。
「8.医療情報の利活用や治験情報の提供等について患者等にとって分かりやすくアクセスしやすい窓口を有している」に関しましては、臨床研究中核病院水準の患者・研究対象者等相談窓口の常設並びに患者及び研究対象者等からの苦情、相談に応じられる体制を有している必要があるのではないかということで提案させていただきます。
また、8項目には載っておりませんけれども、その他の事項として事務局から提案させていただきますのが、遺伝子パネルの検査を実施した実績が必要ではないかということと、がんゲノム医療に関して統括する部門が必要なのではないかと提案させていただきます。
これまで御議論をいろいろと提示させていただきましたが、これまでは仮称とさせていただきましたけれども、今後は呼称について「がんゲノム医療中核拠点病院」として、略称を「がんゲノム中核拠点」として議論してはどうかということで、事務局から提案させていただきます。
事務局からは、以上です。
○西田座長 比較的コンパクトにまとめていただいたかなと思います。まとめにありますスライド4から後の1から8、プラスその他を入れますと9になりますけれども、一緒にやってしまうと混乱すると思いますので、順番に1番のパネル検査を実施する体制があるかどうかという項目から、今から40分ぐらいでディスカッションしていきたいと思います。
最初のところですが非常に重要でございます。佐々木先生あるいは土原先生から御指摘がありましたところですけれども、パネル検査を実施できる体制は、事務局案として幾つか御提案がありましたが、これに対して御意見は、構成員の先生方、ありますでしょうか。
土原構成員、どうぞ。
○土原構成員 特に1番では、外部認定が非常に大きなキーワードになっていると思います。この検査をもとに、出口として治療まで結びつけていくということを考えますと、特にここで取り違えが起こると患者の安全性に非常に大きな問題が発生しますので、ここはぜひ強調すべきところではないかと思います。
一方で、先ほど佐々木先生の御発表にもあったとおり、まず、シークエンスそのものに対する外部認定が、これから整備される段階であるということですので、そうなってくると、ある程度検査室あるいは病理検査室の外部認定の基準をきちんととっていくのが非常に大事であるということと、それもまだ普及していない中においては、一方で外部の機関を十分に活用するというところも重要なポイントではないかと考えております。
今、国立がん研究センターにおける実例を少し御紹介いたしたいと思うのですけれども、先ほど佐々木先生の資料にもありましたとおりで、2つあります中央病院、東病院の両病院とも、病理、検査両方のISOの認定はとっております。一方で、シークエンスの実績になりますと、それでは不十分ということがありまして、民間の検査機関のほうではCLIAやCAPを既にとっているところが幾つか出てきております。
我々としても、そうしたノウハウを我々の施設の中でも取り入れたいと考えまして、そうした既にCLIAやCAP認定をとっている検査機関と共同研究、共同開発という形で、同じような手順で院内のシークエンス体制の構築を行っているところがあります。これは今、既に中央病院では確立しておりますし、現在、東病院の中でも検査科の検査室の中に次世代シークエンサーを設置して、その中でそのようなノウハウを取り入れて、標準作業手順書を整備しているという現状でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
少し補足しますと、中央病院はCLIAまではとっておりません。CLIAとほぼ同等な質を保証できるレベルです。人的なものがございますので、人的なものは補充できていない。アメリカの資格とかをとっておかないとだめというものがありまして、それがとれていないのですけれども、ほかの品質保証に関しては同等レベルのものをやっているのが現状でございます。
○土原構成員 失礼しました。CLIAもCAPもそうであって、私がお話をしようと思ったのは、既にそれを持っている検査機関と連携して、それのノウハウに従って、それに準じたものを院内で整備するというところですので、先ほど西田先生の御紹介にもありましたとおり、もともとアメリカの基準でつくられているものを我が国で100%そろえるのは、必要ではないということも考えてはおります。
○西田座長 いずれにしても、土原構成員の指摘は非常に重要で、品質保証をするためには外部認証がぜひ必要ではないかという意見だと思います。このあたりに関しては、特に御異存はないかと思うのですけれども、よろしいですね。
佐々木先生、何かコメントはございますでしょうか。
○佐々木構成員 特にないのですが、外部機関への委託を含むと書いているこの外部機関が、今、御指摘があったように、例えばCAP、CLIAをとっていることとか、そういう条件をつけるのかどうか。その辺は少し議論していただいたほうがいいのかなと思います。
○西田座長 大事なところだと思います。日本での外部機関の中には、CAP、CLIAをとっているところがございますので、このあたりに関して御意見はございますか。
中西構成員、何か意見はございますか。
○中西構成員 これは必ずしも日本の基準とフィットしたものではないと思いますので、要件を明確にするのがどの段階かを考える必要があると思うのです。先ほど佐々木構成員もおっしゃったように、実は、病理に関しても、必ずしもISOの基準をとっていないところもあるということで、最終的にこのプロジェクトが動いていくためには、一極集中では難しい部分もあると思いますし、最初からタイトな基準としてしまうと、かえってプロジェクトが動きにくくなることが懸念されます。
そういう意味で、指定要件のあり方といいますか、どの時点でどこまで持っていくかという要求水準を最初のスタートラインに全て持っていくのは難しいのではないかと思います。CLIAにしてもCAPにしてもISOにしても、段階的に要求水準を持っていく、その段階でこの基準をというような、そういう基準の取り方をしていただければ、より円滑にこのプロジェクトが進むような気はしております。
○西田座長 御意見ありがとうございます。
ただ、先ほど佐々木構成員から御紹介がありましたように、ISO15189に関しては、割に多くの病院が既にとっているということですので、ある程度この辺をとっていただくぐらいの勢いが、少なくとも中核にはあってもいいのかなという気持ちもしなくてもないのです。強制はできないかもわかりませんけれどもね。
ほかに構成員の皆さん方から、御意見はございますか。
どうぞ。
○石川構成員 土原先生のお話にもありましたように、CLIAやCAPみたいなものを日本国内で完全に準拠させることはかなり難しいというお話でしたので、佐々木先生のお話にありましたように、ISOというものをベースに現実的な、日本で対応可能なように考えていくというのは非常に大事なことかなと思います。
ただ、全ての施設を最初からそろえることは難しいという事情は非常に理解できますので、ある程度指針を示して、この時期までにはこれぐらいを達成させることを要件とするというのも、一つ十分リーズナブルな考え方かなと思います。
○西田座長 最初、スタートからは難しいという意見が結構多いですけれども、佐々木構成員、どうでしょうか。
○佐々木構成員 東大の佐々木ですが、そうは言われていても、プレスリリースされた、がん医療中核拠点病院の数が7から10カ所というお話もあるので、その辺の厳しい要件は少し課してもいいのかもしれないとは思っております。先ほど紹介しましたように、臨床研究中核病院であっても病理部門のISOをとっていないものが4つの大学であるということも現実ではありますので、その辺は石川構成員が発言したように、少し目標を持って、とっていることが望ましいとか、そういう文言で対応することが、病院によっては必要になってくるかなとは思っております。
○西田座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 スタートの時点では、なかなか現実的には難しい面があるかもしれませんけれども、ここのところをいいかげんにするとだめになってしまうと思います。せめて座長がおっしゃったようにISOぐらいはとっているということを強く望むか、あるいは一定期間を置いて必ずいつまでにやるということは求めてもいいのではないでしょうか。
○西田座長 非常にいい御指摘かなと思います。
中西構成員。
○中西構成員 おっしゃるとおりで、一定期間までに必ずやっておかないと看板は外しますといったような対応が現実的ではないでしょうか。ただ、将来的には必ず必要だと思っています。そこが現実的な対応ではないかという気がいたします。
○西田座長 ということは、1項目だけ外れているのであれば一定期間内に満たせばオーケーだと。要件が2つも3つも外れていると、きっとだめだということでしょうね。先ほどのものをまとめますと、大体ISOぐらいの基準はとっておくことが非常に望ましい。非常にということをつけていただきたいと思います。
とっていないところに関しては、これだけだめなのであれば、ここだけであれば例外的に1年以内とか、そんなことでちょっと考えてもいいかもわからないぐらいかなというニュアンスを受け取りました。
外部認証に関しては、ぜひ品質保証としてほしいと思うのです。そこは問題ないですね。検査センターの品質保証が非常に曖昧であるというのは、非常に問題があるかと思うので、よろしいでしょうか。
それ以外に関して、病理診断にかかわる医師あるいは臨床検査技師に対しても、佐々木先生から、ある程度きっちりした人であるべきだという意見がございましたので、こういうものを少し含めていただければありがたいと思います。当然、この中には6番目にありましたけれども「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」がきちんとオープンになりましたら、これが認められたら、これに基づいて処理できる施設でなければいけないという要件は必要なのかなと思いますが、よろしいでしょうか。
1番目はおおむねコンセンサスを得たかなと思います。
その次のパネル検査の結果、要するに、エキスパートパネルです。この要件に関して、先生方の御意見をいただけたらありがたいのです。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 エキスパートパネルが結構難しいところだと思うのですけれども、一番経験があるのは国立がんセンター東病院だと思うのです。この要件を見ると、薬物療法だとかいろいろ書いてありますけれども、担当医もこの中には含まれるのでしょうか。それが一つ。
それから、取りまとめは誰がやっているのでしょうか。先生のスライドでは、背景にあるのはレポートだと思うのですけれども、このレポートは具体的にサンプルとしていろいろなほかの施設にわかるように公開してもらうと非常にやりやすいのではないかと思います。
○西田座長 今、やられている現状の御説明をお願いできますか。
○土原構成員 了解いたしました。
まず、私の資料でも御紹介した格好にはなるのですけれども、担当医です。これはボードのメンバーではなくても必ずパネルには参加しないと、そこは全く伝達ができなくなりますので、必ず担当医はそこに参加するというのが、これは今、東病院、中央病院両方のエキスパートパネルで実施しているところでございます。
レポートのひな形はもちろんいつでも出せるような形で準備したいと思いますけれども、最後に誰が責任者になるのかというところは確かに大変重要な課題かと思います。特に東病院で行っていた際には臨床研究という形をとっておりましたので、研究代表者が必ずその最後には参与するということをしておりました。実際には、我々の病理部門の責任者であった落合先生が代表で、その後に研究代表として基礎側で私、臨床側の消化器の吉野先生ですが、必ず全てのレポートを確認するという体制をとっております。これは中央病院でもほぼ同じような体制になっているかと思います。
そうしたエキスパートパネル、担当医はそういう形で必ず参加するのですが、そこに挙げたようなスタッフがそろっている必要がある。この人たちが一体どういう人である必要があるのかを客観的に示すということは、確かに大変難しいというのは我々も思います。実際には経験数を恐らくしっかりと明示できれば一番簡単なのですが、現在、日本ではまだまだこの領域の経験が浅いということもありまして、実績数ではなかなか難しいということになると、例えば各学会の専門医であるとか、そういったところできちんと資格を取って実際に診療に当たっている人たちを有効に活用するというのが一つのアイデアではないかと思います。
○西田座長 ほかにございませんでしょうか。
先ほど土原構成員がおっしゃいましたように、がんの薬物療法の専門医は結構ふえてきたと思うのに、インフォマティシャンとか遺伝カウンセリングとかは、そう人材がいない領域だと思うのですけれども、その辺に関して何かコメントはございますでしょうか。
一応、ここに今、事務局案で出されているような構成メンバーをそろえられることが、エキスパートパネルには必要だと御理解いただいた、皆さん方が考えていらっしゃるという形でよろしいでしょうか。
御異存がないようなので、ここもコンセンサスを得られたという形で次に進みたいと思います。
次はマル3で、ページをめくっていただいて、遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的なカウンセリングができる。これが一つ人材で問題になるかと思うのですけれども、小杉先生、コメントが追加でありましたら何か、どうぞ。
○小杉構成員 ここに記載されているもので、これにさらに追加ということはないのですけれども、一番下のほうの対応方針に関しては、先ほども説明しましたAMEDの私の研究班でガイドラインを準備中でありまして、それの原案がそろそろ出てくるような時期になっているので、そういうものを参考にしていきながら、その施設に合った対応ということでいいのかなと思っているところです。
○西田座長 わかりました。ガイドラインが出ると、非常に各施設つくりやすいと思いますので、ぜひそれを参照していただくのがいいかなと思います。
ほかは特に御異存がないか。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 確認なのですけれども、例えば遺伝カウンセリングをするエキスパートはそうそういない。特に腫瘍性疾患はいないと思っております。
先ほど当院の現状からも申し上げましたように、実は、認定の遺伝の専門医はそこそこの数がいますが、遺伝性腫瘍となりますとそう多くはない現実があります。それとはまた別に、いわゆる認定のカウンセラーも、将来的には必ずそういったカウンセラーの第三者的な立場のカウンセリングが必要だと思いますが、これは先ほどおっしゃったように200名弱しか我が国はおりません。ただ、私自身は指定要件については、段階的にだんだんとブラッシュアップしていく必要があるかと思っておりますし、現時点においてはこの記載でも問題ないと思うのですが、一定の時期に達すると認定のカウンセラーを置くとか、一定の要件を満たしたいわゆる認定指導医を置くとかいうようなものに段階的にブラッシュアップしていく必要があるのではないかと思っております。
○西田座長 非常に大切な御指摘だと思います。中核病院の中には、人を育成していくというのは多分、入れ込まないといけないと思うのです。ぜひそういう形で入れ込んでいきたいと思います。よろしいでしょうか。
どうぞ。
○佐々木構成員 今、西田先生が御指摘のように、最初に資料2で厚生労働省から説明していただいたときに、人材育成が実はがんゲノム医療中核拠点病院の役割の一つとして挙げられていますが、その文言が出ていないと思って全体を眺めていたところがあるので、ぜひ人材育成もいろいろなところに盛り込んでいく必要があるのかなとは考えました。
○西田座長 最後のその他のところで、どこかに入れていただくようにしましょう。
どうぞ。
○小杉構成員 遺伝医療の専門家及び遺伝カウンセリングの専門家に関してなのですけれども、私も中西先生がおっしゃったことに全く賛成で、段階的にやっていく必要がある。最初から非常に完璧なものは現実的に無理ですし、かといってそれを全部最初から諦めてしまうのもおかしいと思うのです。
日本医学会の2011年につくられました遺伝学的検査に関するガイドラインでは、遺伝カウンセリングを専門的に行う者として認定している資格に臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーがあって、それは平成9年から平成15年の厚労班の班研究で遺伝医療の人材を育成するという、それの制度設計のもとにそれらの資格がつくられているわけなのです。ゲノム医療推進協議会とか実現推進タスクフォース等でも、その辺のゲノム医療全体としての充実も非常に重要ですので、目標として段階的に臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーを設置していくところに各施設が行けるような、そういう方針にしていただければと思います。
○西田座長 段階的配置は非常に重要なところなので、ぜひ入れたいと思いますが。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 ありがとうございます。臨床遺伝カウンセラーと臨床専門医ですけれども、例えばがんのパネルでこういうことをやり出すと、特に乳がんとか大腸がんのようながん種では、こういうセカンダリー・ファインディングスが飛躍的に数が伸びる可能性があって、現状の数では追いつかないということがございます。もちろん段階的にふやすということは当然あっていいのですけれども、現場で今、働いている担当の看護師とか医師が比較的リーズナブルなエフォートでこういう資格を取れるような、そこの枠を少し拡大するということもかなり大事なことかなと思って、コメントさせていただきました。ぜひそういうところも考えていただければと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 その件については、たしか厚労省から臨床腫瘍学会のほうに依頼をいただいて研修を企画していますが、既に受講者が殺到して、募集人員に対して応募がすごく多い状況になってしまっております。非常に関心が強いものと思っておりますし、ぜひそれについてある種のサーティフィケイトを持つ人を医師並びにメディカルスタッフのほうにつくっていきたいと思っておりますし、ぜひその分の関心、要望が多いということを厚労省でも御認識いただいて、もっと拡大していってもいいのではないかと思っております。よろしくお願いしたいと思っています。
○西田座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 それに関連して、こういう人たちをふやさなければだめだと思うのです。
がん研でも3人ぐらいいますけれども、実際には、今、やっている仕事の幅は物すごく狭いのが実情です。今度は遺伝子パネル検査が始まったときに、直ちに本当にエキスパートとしてやれるかというのは難しいと思います。そこで、先ほどのエキスパートパネルに参加して、そのメンバーとして、これから育成されていくと思うのです。
一つのバリアは、診療報酬上の評価がないので、どの病院も非常に厳しい状況で、必要なことはわかっているけれどもそういうところまで手が回らないということもあります。そういう配慮をしていただければ、少しは助けになるのではないかと思うので、ぜひよろしくお願いします。
○西田座長 診療費の加算に関しては、ここでディスカッションしてもなかなか難しいと思いますので、中医協のほうでぜひ追って議論いただいたらいいかなと思います。
○山口構成員 ここでそういうことを言っていただかないと進まないと思うので、ぜひ私もここでは言っておきたいと思います、よろしくお願いします。
○西田座長 ありがとうございます。
健康局のほうでもぜひ考えていただきたいと思います。おおむね先生方の御意見をいただくと、最初からフルセットで用意するのは難しい。ただ、学会等々と協働しながら教育システムをつくっていって、人をつくっていくのが望ましいのではないか。教育をする実地現場が中核病院であるという位置づけになるかなと思います。そういう形で進めていきたいと思います。
事務局、そういう話でよろしいでしょうか。
次は4番目です。対象者に関しましてはここに書いてあります「がん診療連携拠点病院」であれば大きな問題はないと思いますので、ここに関してはそんなにディスカッションをする必要はないかなと思いますけれども、よろしいですね。
問題はその次でございます。これは非常に重要だと私自身は思っています。がんゲノム情報管理センター、要するに、非常に機微な情報でございますし、同時に貴重な情報でもございます。これをうまく活用していかないと将来の医療はつくっていけないと思っていますので、先生方からぜひ御意見を伺いたいと思います。
石川構成員、お願いします。
○石川構成員 非常にコンセプトは理解できますし、かなり重要なことではないかと思いますけれども、がんゲノム情報管理センターと呼ばれるものは、具体的にどういうところに設置するとかいう話は、今まで出たのでしょうか。かなりのハイボリュームデータを扱うことになりますので、恐らくかなりのスキルと経験を持った組織でないとできないのかなという印象を持っています。
○西田座長 中西構成員。
○中西構成員 懇談会のほうでの議論の流れもありまして、そこでも、もしつくるとすれば、永続的に、しかも非常に公正にやっていくべきだろうし、それに関連した実績も必要だろうということで、国立がん研究センターが適正ではないかという話でございました。
実際にがん登録とか個人情報の取り扱い等についても非常にきちんとした実績で、いわゆるヘッドクオーター的な立場で主導しておられるということもあります。むしろそのあたりは、西田先生のほうがかかわられていると思うのですが。
○西田座長 自分のことを褒めるのはなかなか照れくさいので言いにくいのですけれども、実を申しますと、こういうことを想定して、私どもも東病院、中央病院、研究所を挙げてずっと準備してきましたので、十分対応できる状況にあるのではないかと自負しております。こんなことをこんな場で言って済みません。お許しください。
ほかにございませんでしょうか。
どうぞ、山口構成員。
○山口構成員 現実の問題として、ほかのところでやることはできないと思うのです。人も必要ですしお金も必要ですし、実績はちょっと遠慮されましたけれども十分あると思うので、国立がん研究センターが担当されるのが一番いいと思います。
ただ、ちょっと問題なのが、こういうデータの集中管理はいい側面と、知財の問題とかいろいろなことでネガティブな面もあるので、どういう範囲で集めるのか、使い方をどうするのかということについて、きっちりと明文化して管理していただきたいと思います。
○西田座長 特に最後の御指摘は非常に重要です。どの範囲でどう使うかは、機微情報を扱いますので、これはぜひ考えていきたいと思います。実際に東のほうではSCRUMの情報を集めてやっておりますので、その辺の経験もございますので、それを生かしながらやっていきたいと思います。よろしいでしょうか。
おおむねここに関しては皆さんの御理解をいただいたかなということで、6番目に移っていきたいと思います。先ほど話がありましたけれども、病理標本の扱いに関しましては、病理学会から「ゲノムの診療用病理組織検体取扱い規程」が出るということですので、これが確立しましたら、基本的にはこれを手順に入れていただくという形で、ここに関してはよろしいですね。
これは異存がないと思いますけれども、どうぞ。
○佐々木構成員 つけ足してもよろしいですか。「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」に関しましては、実は、こういう冊子を1万部刷って各医療機関に無料配布しているのですが、恐らくボリュームがすごくあるのです。中を見て、本当にこれに即してやれるかというと、恐らく説明とかが必要であろうと。
実際には、1番のところで言い忘れたのですけれども、認定病理検査技師という話を私の発表の中でさせていただきましたが、その方たちはこの講習を受けるように勧めていて、実際に講習も受けている。認定病理検査技師という言葉がもし可能であれば、1番の人的要件のところに加えていただければ、こういう人たちがこの要件に従って、恐らく検体のハンドリングについては精通した人になるのではないかと思っておりますので、6番と関連して1番にそういうことが可能なのかどうかを御検討いただければと思います。
○西田座長 具体的な問題ですが、そういった講習会をきちんと受けて理解している人という理解でよろしいですか。認定技師という形になるか、それとも、そういった講習をちゃんと受けているというか、そのあたりは基本的にいいですね。何か御意見はございますか。
事務局、何かコメントはありますか。
○がん・疾病対策課長 今の御指摘で思いますのが、例えば6を担保するためには1だとか、そういう項目間を超えてどういう要件の書き方をするのかということを、今の御指摘もありましたので、合わせわざの形も含めて検討したいと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
そういう方向で少し検討していただきます。もう一つはバイオバンクの話です。中西構成員が御指摘をされました病院全体を挙げてのバイオバンクは、九州大学といえどもこれからつくらなければいけない。多分、今は講座ごとのバイオバンクになっているのではないか。病院によってそのシステムが大分違うので、バイオバンクが臓器ごとに、複数の臓器がちゃんとあるということは非常に重要だと思うのですけれども、それ以外に何かコメントはございますでしょうか。
○佐々木構成員 実は、先ほど東大でやっているゲノム病理標準化センター講習会という講習会がなぜ始まったかというと、実際にバンキングしている施設の生の検体、凍結検体を使ってゲノムの研究者がきちんと使えるような試料として保存されているかということを実際にやってみたら、ほとんどDNA、RNAはとれないという実態が浮き彫りになったということで、急遽声がかかって始まったという経緯がございます。
この中で、要するに、試料を新鮮凍結保存可能な体制だけでいいのか。実際にそれをただ単に保存していればよしとするのか、それとも、例えば定期的に検体を抽出して、ちゃんと保存できているかを調べるのか、もしくは先ほど言ったような講習会を受講していることを条件とするのか、何らかの確認のものがもしかしたら必要なのかなと思ったので、その辺をお考えいただければと思います。
○西田座長 御意見はございますでしょうか。
これは結構重要なところで、実は、私も十数年前に阪大でこれをやってみて、実際に凍結標本をとって時間ごとにずっと行くと、結構デグラデーションが起こってきているのです。ですから、SOPはきちんとつくってもらわなければいけない。基本はSOPという問題だと私は理解しているのですけれども、それでよろしいでしょうか。ちゃんとSOPをつくっていただいて、SOPの手順に従って、バイオバンクの検体を保存していただくような施設でなければいけないという理解でいいかなと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
6番は一部まだちょっと残っていますけれども、おおむね御理解いただいたということで、多分、ここが一番問題になるのです。未承認薬あるいは適応拡大に関する薬物療法がどうしても絡んできます。ここに関して御意見はございますでしょうか。つまり、中核になるにはそれなりの臨床試験なり治験ができる施設でなければいけない、あるいはそれを指導できる施設でなければいけないというニュアンスでここは入っているのですけれども、土原構成員、どうぞ。
○土原構成員 これの考え方として、私が個人的に7番目を考えたときに、恐らく2つの側面があると思いました。1つは今までもずっとお話が出ていますとおり、出口として治療を考えれば、現実の日本ではこうした未承認薬適応拡大をしようと思えば、いわゆる臨床研究、治験に入らなければならない。それの精度保証されたものを行うとすれば、ここに書かれているようなものを経験しなければならないということが1点です。
もう一つ、これは医療安全のことともかかわってくるのではないかと思います。というのは、こうした研究開発的な治療を行っているときには、まれな有害事象、副作用に遭遇することがございます。1~2%ぐらいの頻度で起こってくるものです。こうしたものは、今回のゲノムベースの新しい治療を行っていくときには、遭遇する可能性が高いのではないかと考えます。そうしますと、これまで既に試験治療をたくさん経験している施設であれば、特に臨床研究中核病院のようなところ、あるいは特定機能病院であれば、それに対する医療安全の体制は既に確立していると想像ができますので、そうした安全性がしっかり担保している施設であれば、ゲノム医療に関しても責任を持って行えるだろうという考え方を今は持っております。
そうした場合に、実際に日本の中核的な施設でどれぐらいの試験が行われているのか。先ほど九州大学の実例は中西構成員のほうから御紹介があったと思いますので、東病院の今の実績を御紹介いたしますと、毎年、医師主導治験、企業治験を合わせた格好で、東病院のほうでは年間200件以上、登録症例数でいきますと500症例ぐらいの登録がございます。件数に対して症例数が少ないのは、いわゆる第1相、第2相という比較的早期の開発が多いからでもあるのですが、こうしたところはまさしく多臓器にわたって臨床試験が行われている、第1相試験のオールカマーの試験が多いことも反映されています。
ただ、東病院に関して言えば、国内でも実績数がとりわけ多いと考えますので、これだけの数が本当に必要なのかというところは、もう一度要件を考えるときには考慮するべきだと思います。その際、恐らく基準になるのは、例えばまれな有害事象をきちんと経験できているだけのそうした研究的な治療を行っているかという点であるとか、あるいはもちろんある程度患者に治療が行えるという実績というところで、年間どれだけ、あるいは複数年にわたってこの程度の症例数が必要になるだろうという議論が今後は必要になるのではないかと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
2つ重要な指摘があったと思います。1つは、これから、新しい医療をつくらなければいけないので医師主導治験のようなきちんとした臨床研究ができるという体制を持っている、あるいはそれを指導できる体制があるということ。もう一つは、それなりのこれまでにそういった未承認薬の経験があるということ。この2つの御指摘だったと思うのですけれども、この辺に関して、そのほかに御意見はございますでしょうか。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 私も土原構成員の意見に賛成です。臨床試験、治験となりますと、対象はがんですので、かなり副作用等々で懸念される。そういった患者さんが対象になると思います。そんな中で、いわゆる臨床研究中核病院は、リスクに対する対応、データ信頼性に対する対応、特にプロトコルづくりを含めたARO機能。こういうところはかなり厳しく指導いただきながら体制をつくっているところで、これを新たにつくるというのは、そう簡単ではないと思っています。そういった意味では、臨床研究中核病院に指定されたところであれば、ある程度の信頼性を持ってこれが受けられるのではないかと思っております。
○西田座長 そのほかに御意見はありますでしょうか。臨床研究中核病院はそういう目的でつくられたものですので、それに準じたものあるいはそれにマッチするものでなければいけないという中西構成員の御意見でございます。よろしいでしょうか。
山口構成員、よろしいでしょうか。
そういうことで、ここではやはりこういった研究的な治療に関しては、臨床中核病院の条件を満たすものという理解で進めていきたいと思います。ありがとうございました。
8番目になります。これは先ほど中西構成員から少し上手にまとめていただきましたけれども、患者の窓口は非常に重要になります。しかも複数あると非常に患者にとって不便で、どこに行けばいいかわからない。ワンストップで解決するような窓口でなければいけないと思いますけれども、これに関して追加でコメント等はございますでしょうか。よろしいですか。
この辺は中西先生が先ほど言われたような条件でよろしいですね。臨床研究中核病院の中にあるような相談支援センター。ワンストップで物を解決していただくという要件でよろしいですね。8番に関しましても、御意見は一応これで御了解をいただいた。
その他のところで、先ほど人材育成機能が必要ではないかということがありましたので、ぜひこれは入れていただいて、これ以外のところで何か盛り込まなければいけない要件はございますでしょうか。
○中西構成員 患者のリクルートにしても、最終的にこれを現実の、いわゆる実診療の中に広げていくということもありますので、私は地域性を考慮していただければありがたいと思っております。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
みんな東京ばかりになったら困りますね。ある程度は地域性、もちろん一番大事なのは質だと思うのです。ただ、その中でも地域は考えていかないと、患者さんのアクセスが非常に悪くなると思いますので、ぜひ地域性を少し頭の隅に置いていただきたい。プライマリーではないけれども、セカンダリーにはぜひ入れていただきたいと思います。
それ以外にはございませんでしょうか。先ほどありました研究のところで、研究的な医療になりやすいということなので、中核はその下についてきます連携病院をちゃんと指導できる、支援できる体制がぜひ必要ではないかと私自身は思っているのです。なぜならば、中核とほかはどこが違うかといったら、やはりそこではないかというので、診療支援であったり研究支援がちゃんとできる病院であるということをどこかで入れていただけると、私自身は非常にうれしいと思っているのですけれども、よろしいでしょうか。座長が余りごちゃごちゃ言ってはいけないのかもわかりませんが、この辺は御異存がございませんね。
中西先生、これでよろしいですね。
それ以外で、その他のところで何か追加はございますでしょうか。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の話から外れてもとに戻るのですけれども、資料2の8枚目のスライドを見たときに、将来像として中核拠点、拠点、連携と書いてあるのですが、きょうは中核拠点を決めたわけですね。その中で、この図から見ると将来像の中核拠点と拠点の差は、人材育成とかそういうところで差別されていると思うのですけれども、今の中核拠点病院だけでは人材の育成は到底無理だと思うのです。
だから、もし将来にこの3つに分けるのであれば、ぜひ早々にこういう拠点病院になり得るところを指導して人材育成に協力させるというか、こういうところはむしろ広げる役割を持つという形にしてもらったほうがいいかと思うのです。
○西田座長 佐々木課長、一言。
○がん・疾病対策課長 御指摘ありがとうございます。その意味でも、まず、左側にあります中核拠点病院が連携病院と組んでいく中で、そこで連携病院から拠点病院の役割を担える右側の図の真ん中のようになっていただけるところを育てていくし、サポートしていくということは、何らかの形で明文化をしていきたいと思います。
○西田座長 ありがとうございました。
大体以上で議論は出尽くしたかなと思います。きょうはいろいろな御意見を伺いました。事務局のほうで少しまとめていただいて、次回、最終的にまとめ上げてまいりたいと思います。
小児のところなども入れながら、ぜひいいものをつくっていきたいと思います。最終的には患者がメリットを受けるようなシステムをつくっていきたいと思うので、ぜひ御協力をいただきたいと思います。
事務局から、今後の予定を含めてお願いします。
○事務局(丸野) 先ほど西田座長からも御発言いただきましたけれども、本日のサブワーキングで議論された内容について簡単に整理させていただいた後に、今後の予定について申し上げたいと思います。
まずは今回、がんゲノム医療中核拠点病院については、がん診療連携拠点病院等に小児がん拠点病院を加えた中から選定していってはどうかということで御議論をいただきました。
がんゲノム医療中核拠点病院に関しましては、これらのがん拠点病院等や小児がん拠点病院の中から、がんゲノム医療連携病院を申請すること。
将来像としては、がんゲノム医療中核拠点とは別に拠点病院を自施設でがんゲノム医療が完結できるような病院として選定し、全国でがんゲノム医療を等しく受けることができるような体制を整備することとして整理したいと思います。
中核拠点病院の役割としましては、人材育成とか診療支援などを検討させていただきたいと思います。整備指針の中には、そういった段階的な整備として外部認定とか遺伝カウンセラーのこと、こちらに関しましても次回までにまとめさせていただきたいと思っております。
研究や医療安全の質の担保といった形で臨床研究中核に準じた、あるいはそれにマッチするような体制を求められるということについても、こちらに関しましては、午前中のワーキンググループでも発言がございましたが、そのように整理させていただきたいと思います。
地域性についても、プライマリーではありませんが、セカンダリーとしてまとめさせていただきたいと思います。
ゲノム中核拠点とはちょっと外れますけれども、がんゲノム情報管理センターに関しましては、国立がん研究センターに整備することが妥当ではないかということで御意見をいただいたと理解しております。
こういったことに関しまして、次回以降にまた御議論いただければと思っております。
次回のサブワーキンググループでは、より具体的に要件としての形と連携体制についても御議論いただければと存じております。
次回のサブワーキンググループの開催に関しましては、事務局より追って御連絡いたします。本日はお忙しい中、皆さん、御参加ありがとうございました。今後の日程についても御調整をよろしくお願いいたします。
○西田座長 きょうは本当に暑い中皆さんに集まっていただいて、非常にいいディスカッションができたかなと思います。皆さんに資料を用意していただき、事務局のほうも立派な案をつくっていただいて、座長は余り役に立たないのですけれども比較的スムーズに終われたと思ってほっとしています。
今後も、あと2回ぐらいあります。ぜひ御協力を頂いて、何回も繰り返しますけれども、要するに、患者さんにいい医療を届けるのが我々の役割です。ぜひそこを目的に御協力いただければありがたいと思います。
本日は、本当にありがとうございました。
以上で終わります。
健康局がん・疾病対策課
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