ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会> 第5回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(2017年10月4日)




2017年10月4日 第5回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

○日時

平成29年10月4日(水)


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○議事

○長房企画官 それでは、定刻より少し前ですが、全員そろいましたので、ただいまより第5回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、前回の検討会から日にちがあいておりますし、委員の交代、追加もございましたので、議事に入ります前に、私のほうから五十音順に本検討会の構成員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 まず、公益社団法人日本医師会常任理事の石川広巳構成員。
○石川構成員 よろしくお願いします。
○長房企画官 一般社団法人日本病院会副会長の大道道大構成員。
○大道構成員 よろしくお願いします。
○長房企画官 東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也先生。
○尾形構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○長房企画官 今回より新しく委員をお願いしておりますアンダーソン・毛利・友常法律事務所弁護士の木川和広構成員。
○木川構成員 よろしくお願いします。
○長房企画官 座長でございます東京大学名誉教授の桐野高明構成員。
○桐野座長 よろしくお願いします。
○長房企画官 小竹構成員より交替となりました、栃木県保健福祉部医療政策課長の國井隆弘構成員。
○國井構成員 國井でございます。よろしくお願いします。
○長房企画官 一般社団法人日本医療法人協会副会長の小森直之構成員。
○小森構成員 よろしくお願いします。
○長房企画官 健康保険組合連合会理事の本多伸行構成員。
○本多構成員 本多です。よろしくお願いいたします。
○長房企画官 唯根構成員より交替となりました、認定NPO法人適格消費者団体・特定適格消費者団体消費者機構日本常任理事の福長恵子構成員。
○福長構成員 福長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○長房企画官 フリーライター/医学ジャーナリスト協会幹事の三浦直美構成員。
○三浦構成員 よろしくお願いします。
○長房企画官 平川構成員、山口構成員からは御欠席の御連絡をいただいております。
 石川構成員、木川構成員は所用により途中で御退席をされると伺っております。
 オブザーバーといたしまして、第4回までに引き続きまして、通信関連の業界4団体で構成いたします違法情報等対応連絡会におきまして、情報の適正化に向けたガイドライン等を策定・公表しており、その取りまとめをされております違法情報等対応連絡会主査の桑子博行様にお越しいただいております。
○桑子オブザーバー 桑子です。よろしくお願いいたします。
○長房企画官 さらに、消費者庁より、消費者政策課政策企画専門官の添島様にお越しいただいております。
 改めて、公益社団法人日本歯科医師会常務理事の三井構成員。
○三井構成員 おはようございます。日本医師会の歯科医の三井と申します。よろしくお願いします。
○長房企画官 最後に、事務局に異動がございましたので紹介させていただきます。
 医政局長の武田でございます。
○武田医政局長 武田です。よろしくお願いいたします。
○長房企画官 医政局総務課長の榎本でございます。
○榎本総務課長 榎本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○長房企画官 歯科保健課長の田口でございます。
○田口歯科保健課長 田口でございます。どうぞよろしくお願いします。
○長房企画官 総務課保健医療技術調整官の木下でございます。
○木下調整官 よろしくお願いいたします。
○長房企画官 最後に私は、総務課医療政策企画官の長房でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表のほか、配布資料です。
 資料1として、医療法等の一部を改正する法律の概要。
 資料2として、改正医療法の施行に伴う省令・ガイドラインの策定について。
 参考資料1として、昨年の検討会のとりまとめ。
 参考資料2として、医療法一部改正の新旧対照条文。
 参考資料3として、医療機関ホームページガイドライン。
 参考資料4として、医療広告ガイドライン。
 参考資料5として、医療等に係るウェブサイトの監視体制強化事業の開始について。
 参考資料6、参考資料7として、本日御欠席の平川構成員、山口構成員のほうから意見書をいただいております。
 また、昨年の第4回までの検討資料も席上に置いてございますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料の欠落等ございましたら、事務局にお申しつけください。
 それでは、以降の進行を座長にお願いしたいと考えております。
 座長、よろしくお願いいたします。
○桐野座長 それでは、どうぞよろしくお願いします。
 議事1「医療に関する広告規制の見直しについて」の審議に入らせていただきます。
 資料1「医療法等の一部を改正する法律の概要(医療に関する広告規制の見直しについて)」を事務局から御報告をお願いいたします。
○長房企画官 それでは、医療法等の一部を改正する法律の概要について説明させていだきます。
 資料1の1ページ目をおめくりください。この6月に成立いたしました医療法等の一部を改正する法律の概要になります。赤で囲みを入れておりますが、3.におきまして医療広告に関する規制の見直しを行っております。
 その見直しの経緯を2ページ目に記載しております。美容医療に関するトラブルの相談が増加する中で、平成27年に消費者委員会から建議を受けまして、医療機関のホームページを規制の対象とし、虚偽・誇大等を規制すべきであるとされました。
 この建議を踏まえまして、この検討会で昨年4回御議論いただきまして、その結果が法改正につながっております。
 法改正の概要でございますが、3ページ目になります。現行法の扱いにつきましては、左側をごらんください。現行の折り込み広告、テレビCMなどにつきましては虚偽、誇大表示などを禁止され、報告徴収、罰則の対象になっているほか、一番下の段になりますが、ポジティブリストの形で広告可能事項も限定されております。
 他方で、点線の右になりますが、ウェブサイト等につきましては行政指導ベースの対応に留まっておりました。
 次に、見直し後の絵が右側になります。今後はウェブサイト等も含めまして規制対象になりますが、一番下の広告可能事項のところに「一部限定を解除」という点線の囲みを入れております。特にウェブサイトの強みであります情報提供機能を阻害しないために、どういった場合に限定を解除するのか。こういった点につきましても、本日御議論をいただきたいと考えております。
 以上が資料1の説明になります。
○桐野座長 どうもありがとうございました。
 続いて、資料2「改正医療法の施行に伴う省令・ガイドラインの策定について—ご議論いただきたい論点について—」に移りたいと思います。
 また事務局より説明をお願いいたします。
○長房企画官 引き続きまして資料2ということで「改正医療法の施行に伴う省令・ガイドラインの策定について—ご議論いただきたい論点について—」を説明させていただきます。1ページ目が広告規制見取り図になります。
 上のポンチ絵に「拡大」という矢印がございますように、今般の法改正を踏まえまして、規制対象が拡大しております。
 改正前にございました広告三要件のうち、一般人が認知し得る状態を求めた認知性の要件が外れることで、対象がウェブサイトや、申し込んで入手する詳しいパンフレット等に拡大しております。
 これらに対する規制の内容をその下に記載しております。広告禁止事項ということで、虚偽、比較・誇大表示等々が禁止されるほか、省令1で定める基準に抵触するものが禁止になります。
 また、その下のオレンジの四角になりますが、広告可能事項も限定されます。規制対象が今般の法改正で拡大する中で、どこに限定の網をかけないかを定めます省令2も、省令1に合わせまして議論の焦点になっていきます。
 最後に、一番下の四角になりますが、こういった法律、省令の具体的な運用や事例などにつきましては、ガイドラインで規定してきております。今般、医療機関のホームページが規制の対象となる中で、従来あった2つのガイドラインを統合し、一つのガイドラインにすることとしております。
 2ページ目に参考条文をおつけしております。先ほどの見取り図がほぼ条文の形で表現されておりまして、禁止事項を省令1、広告可能事項の限定解除を省令2で定めることに御留意をいただければと思います。
 続きまして、4ページ目をおめくりください。今後、個別の論点に入っていきます。
 1つ目の論点が、新たに規制対象となる広告となります。
 2段目の「論点」の1つ目の○をごらんください。今般の医療法改正によりまして、従来の広告三要件のうち、認知性が問われないことになったわけですが、平たく申し上げますと、勝手にみんなの目や耳に飛び込んでくる情報だけではなくて、特定の人が必要な情報を得るために自分から取りに行く情報が新たに規制の対象となります。
 具体的な対象といたしましては、医療機関のウェブサイトやメルマガに申し込んで入手する詳しいパンフレットなどが想定されますが、これらにつきまして、広告可能事項限定の縛りをかけるのかどうかも含めまして、実態を踏まえた対応が必要になってきます。
 5ページに「参考」として、医療広告ガイドラインの従来の広告三要件をお付けしております。こちらにございます、認知性が問われなくなったということをお示ししたものです。
 6ページ目をおめくりください。ここからウェブサイトに関する論点を3つ取り上げます。
 1点目に、ウェブサイトにつきましても従来のテレビCM、看板などと同様に広告可能事項を限定すべきかという論点でございます。
 これにつきまして、真ん中に「考え方」をお示ししております。ウェブサイトにつきましては、患者等が自ら求めて入手する情報であるほか、2が重要になってきますが、医療の選択の参考とするため、必要な情報を得るためのツールになっておりまして、円滑な情報提供を妨げないことに留意する必要がございます。
 下に参考といたしまして、昨年の検討会の取りまとめを抜粋しております。広告可能事項が限定される場合、患者が知りたい情報と考えられる詳細な診療内容等の情報が得られなくなると、医療情報の提供促進に支障が生じることへの懸念が示されているとされています。
 以上を踏まえた対応方針案でございますが、検討会での御指摘も踏まえまして、医療機関のウェブサイトにつきましては広告可能事項を限定しないこととしてはどうかと考えます。
 なお、具体的にどういった場合に限定を解除するかということにつきして、後ほど御説明させていただきます。
 7ページ目をおめくりください。先ほどは、医療機関本体のウェブサイトでございましたが、それ以外のサイトをどうするのかという論点になります。
 「考え方」のところに具体例をお示ししております。医療機関のランキングサイト、口コミサイト、医療に関する情報提供を行うサイトなども患者等が受診を検討する上で重要なツールとなっております。
 とはいえ、どのタイプのサイトがいいとか悪いとか、決して予め決められるものではないため、実際に誘引の意図があるかどうかは個々のサイトによって異なってきます。
 以上を踏まえた対応方針案でございますが、医療機関が開設するウェブサイト以外のサイトにつきましても、誘引の意図が認められるものについては規制の対象にしてはどうかと考えます。
 その後に例をつけておりますが、例えば、ランキングの体裁をとりつつも、特定の医療機関への誘引の意図が認められるアフィリエイトサイトなどにつきましては、規制の対象になり得ると考えられますが、規制対象の具体的な考え方につきましては、今後ガイドラインに明示していくこととしております。
 ただし、こういった医療機関が開設するサイト以外につきましても、円滑な情報提供を妨げないという観点から、広告可能事項を限定しない扱いにしたいと考えております。
 8ページ目が3つ目の論点になりますバナー広告等の関係になります。ちょうど一番上のところにバナー広告、リスティング広告とございますが、リスティング広告と申しますのは、検索結果の上や横にまとめて表示されるURLのリストになります。
 今後の具体的なイメージなのですが、下のポンチ絵がわかりやすいので、下のポンチ絵の左側をまずごらんください。
 バナー広告等が一旦広告三要件に該当しますと、リンク先のウェブサイトも含めて広告規制の対象になり、かつ、広告可能事項の限定がかかっておりました。その一方で、リンクのない通常のウェブサイトにつきましては規制の対象外となっておりました。
 我々が考えている改正後の絵が右側になります。
 今後、ウェブサイトが規制の対象になることを踏まえまして、バナー広告等のリンクの有無を問わず、ウェブサイトにつきましては広告可能事項の限定を解除することにしたいと考えております。端的に申し上げますと、赤い囲みの範囲が狭くなるイメージになります。
 9ページ目に参考といたしまして、医療広告ガイドラインのバナー広告の関連の事項をお付けしております。バナー広告等が一旦広告三要件に該当しますと、リンク先のウェブサイトも広告と見なされるということをお示ししたものです。
 新たな規制対象に関する論点は以上になります。
 11ページ目をおめくりください。ここから、広告禁止事項について扱っていきます。
 まず、基本的な考え方でございます。ガイドラインに規定されている禁止事項につきましては、規制の実効性を確保する観点からは、法令上の裏付けがあることが望ましいと考えております。したがいまして、省令の検討に当たりましては、現行のガイドラインの規定事項を網羅的にカバーすることを念頭に置きつつも、実務や実態にそぐわない規定については必要な見直しを行うこととしていきたいと考えております。
 また、今般の法改正の経緯といたしまして、美容医療をめぐるトラブルの増加があったことを踏まえた規制のあり方についてもあわせて検討をしていきます。
 12ページ目をおめくりください。こちらが広告禁止事項の見取り図になります。
 ポイントは大きく3つございます。1点目に、真ん中あたりに「今後の取り扱いをどうするか」とございますが、その付近にある大きな矢印にお示ししたように、多くの禁止事項が今般の改正で省令事項から法令事項になっておりますが、こうした中で、客観的事実が証明できない事項の扱いをどうしていくのか。
 また、少し下になりますが、他法令違反につきましては、従来からガイドラインのみで書いてきましたが、これを省令において規定する。
 続きまして、2点目の論点といたしまして、下に「新たに規制すべき事項はないか」とございますが、美容医療のトラブルを踏まえて、新たに省令で禁止すべき事項はないか。
 3点目に、右側になりますが、法律や省令で禁止される事項で、ガイドライン上で運用のあり方を明確にすべきものはないか。これらについて検討をしていきます。
 13ページ目をごらんください。こちらに「論点」と「考え方」を記載させていただいておりますが、先ほど11ページ目と12ページ目でお話しした内容を要約した内容になります。「対応方針案」にございます4つの矢じりに具体的な論点をお示ししております。
 客観的事実が証明できない事項や、他法令違反事項を省令で規定すべきか否か。
 比較優良広告の運用をどうしていくのか。
 これは美容医療の関係になりますが、体験談、ビフォーアフターを省令上の禁止事項とするのか。これらが論点になっていきます。
 14ページ目をおめくりいただきまして、ここから各論のほうに入っていきます。
 まず、客観的事実が証明できない事項の扱いでございます。
 1.に現行のガイドラインの規定ぶりを並べておりますが、書きぶりは異なっております。広告ガイドラインにおきましては、具体例を挙げて禁止されている一方で、ホームページガイドラインにおきましては、虚偽とワンセットで禁止事項とされておりますが、具体例が示されておりません。
 次に客観的事実の証明が焦点になる治療効果の扱いにつきまして、実態を含めて2.にまとめております。まず、治療効果につきましては、現行医療法の広告規制上、広告可能事項とされておりません。したがいまして、そもそも広告することはできません。
 他方、医療機関のウェブサイトにつきましては、現在規制の対象外であるわけですが、客観的事実が証明できない事項に該当し得る、国内未承認薬の効果などの情報が実態として掲載されております。
 現状を踏まえまして、今後どうしていくのかという考え方を、次の15ページ目に記載しております。医療機関のウェブサイトにつきまして、仮に広告可能事項を限定しないこととした場合、治療効果を表示することは可能になります。仮に、広告ガイドラインに合わて客観的事実が証明できない事項の広告を一律禁止にいたしますと、治療効果のうち、先ほど申し上げました未承認薬の効果といった、患者にとって重要な情報が広告できなくなるおそれがございます。
 それでは、問題のある広告を見過ごしていいのかと申しますと、そうではございません。患者の受診を不当にあおる治療効果の広告につきましては、通常は虚偽・誇大表示のところで拾えるものと考えております。
 以上を踏まえた「対応方針案」になりますが、客観的事実が証明できない事項につきましては、省令上の禁止事項とはしない一方、客観的事実が証明できず、患者の受診を不当にあおるものにつきましては、虚偽・誇大表示に該当する旨をガイドラインに示すこととしたいと考えております。
 16ページ目と17ページ目は客観的事実が証明できない事項について、ガイドラインでどう規定しているかの抜粋になります。
 18ページ目をおめくりください。こちらが他法令違反の事項になります。今までガイドラインのみで書いてきたものを省令化すべきかが論点になります。
 「考え方」の1つ目の○に省令化のメリットを記載しております。省令に位置づけて、医療法違反に当たるものとすることで、違法な広告を一元的・横断的に監督することができます。
 他方で、下の3つの○がデメリットになります。
 まず、医療法と他法令で二重罰になるおそれがございます。
 次に、他法令違反の判断につきましては、一時的に所管行政庁の判断になり、厳密には司法判断を待つ必要がございまして、実質的な規制が困難です。
 また、実務上、例えばネットパトロール等々で他法令を横目で見ながら幅広く監視することは困難であること。こういったデメリットもございます。
 以上を踏まえまして「対応方針案」でございますが、他法令の禁止広告につきましては、省令には規定しないで、引き続きガイドラインで規定することとしてはどうかと考えております。
 19ページ目が比較優良広告の扱いになりますが、ガイドラインの根拠規定をまずごらんいただきたいので、20ページ目を先にごらんください。
 ちょうど下線を引いた部分の周辺になりますが、事実であったとしても優秀性について著しく誤認を与えるおそれがあるために禁止されるものであり、例えば「日本一」「NO.1」「最高」等の表現は、客観的事実であったとしても禁止される表現に該当するとされておりまして、1番が禁止いうことは明らかなのですが、それ以外の扱いが不明確であったことから、これを明確化しようということが趣旨になります。
 19ページ目にお戻りください。考え方につきましては、最上級に関する表現と、最上級以外の表現を分けて考えております。
 最上級につきましては、これを認めますと、あたかも治療技術までもが最上級であるかのような誤認を与える可能性があるということから、これまで広告ガイドラインで禁止してきましたし、同じ考えを踏襲して引き続き禁止にしたいと考えております。
 他方で、最上級以外の表現をあまねく禁止いたしますと、例として書かせていただいておりますが、自院の治療成績と全国平均を併記した情報といった、患者による医療機関の適切な選択に資する情報の提供を阻害されるおそれがございます。したがいまして、最上級以外につきましては、裏付けになる根拠を提示することを条件に容認したいと考えております。
 21ページ目をおめくりください。こちらが、体験談、ビフォーアフターの扱いになります。現状の取り扱いを整理してお示ししております。広告ガイドラインにおきましては、体験談もビフォーアフターも広告できないことになっている一方、ホームページガイドラインにおきましては条件つきで容認されておりまして、2つのガイドラインに温度差がございます。
 こうした中で、今後どうしていくかをお示ししたものが、次の22ページ目になります。
 「考え方」といたしまして、こういった情報は、治療効果に関するものでして、患者の選択に特に大きな影響を与えるものと考えられます。しかしながら、体験談につきましてはあくまで個人の主観でございますし、ビフォーアフターも結果に個人差がございます。有用性が限定的ですし、患者に大きな誤認を与え、適切な選択を阻害するおそれがございます。
 以上を踏まえた対応方針案になりますが、体験談、ビフォーアフターにつきましては誘引性のあるものにつきましては原則省令上の禁止事項にしたいと考えております。
 以上が禁止事項になります。
 23ページ目が改正後の見取り図になります。先ほどの繰り返しになりますが、客観的技術が証明できない事項に関しましては、虚偽・誇大に該当するものとしてガイドラインにお示しし、体験談、ビフォーアフターにきましては省令での規定とし、また、比較優良の広告につきましては、先ほど申し上げました論点につきまして、ガイドラインに考え方を明確化することにしたいと考えております。以上が禁止事項になります。
 最後に25ページ目をおめくりください。こちらが新たな規制対象につきまして、広告可能事項の限定を解除するための考え方になります。
 「医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合」として、解除のための条件を具体的に省令で書く必要がございます。
 これにつきましては、考え方に記載をしておりますが、適切な情報提供が円滑に行われるべきであるという考え方のもと、対応方針にその条件を3つお示ししております。
 1点目に、ウェブサイトのように患者等が自ら求めて入手する情報であり、医療機関や医師等が自らの医療機関について、医療に関する適切な選択に資する情報を提供しようとするものである場合。
 2点目に、情報の非対象性を軽減するために、問い合わせ先が掲載されているなど、内容について照会ができる状況になっている場合。
 3点目に、相対的にリスクの高い自由診療につきましては、現行のホームページガイドラインで求めておりますが、治療内容や費用、リスク、副作用などについて記載がある場合とさせていただいております。
 最後のページで、ホームページガイドラインにおける自由診療の説明に関する事項を引用しております。
 私からの説明は以上になります。
○桐野座長 どうもありがとうございました。
 今、事務局より御説明いただいた資料2「改正医療法の施行に伴う省令・ガイドラインの策定について」の議論を残りの時間を使ってお願いしたいのですが、議論を2つに区切ってお願いをしたいと思います。
 まず、この資料は1、2、3と区切ってあったと思いますが、1が今度の規制対象となる入れ物というか、広告の媒体というか、そういうものに関するいろいろな規制についての範囲でありまして、3番はそれを限定解除する件についてです。似ていますので、1と3をあわせて御議論をいただきたいと思います。どういう対象について、規制の対象に含めるかという議論でございます。
 どなたからでも結構ですので、お願いします。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員 その前に確認をしたいのです。
 これは前から議論をずっとやっているわけですけれども、前にも言いました。例えば、健康食品だとかそういったものもいろいろと誇大広告だとか、そういったものが目につくわけですけれども、基本的には今回は医療機関ということで、薬局は入っていないのです。薬の部分は入っていないというたてつけになっているわけですけれども、それが医療法の中で規定されているからどうなのかということと、実際そのことについて見解をお聞きしたいということです。
 それから、前回までウェブサイトの監視ということでやられて、始まってから1カ月ぐらい経っているのですけれども、実際にどのぐらいやってみてあったのかということを、もし今、御報告できないのであれば、いつそういう取りまとめをするのかということを教えていただきたいと考えております。
 それから、事前に私どもはこの内容について、日本医師会の役員会だとかそういったことで、皆さんの意見をいろいろと拝聴したのですけれども、基本的には非常に重大で判断の難しい問題が入っておりますので、これは結構きちんと議論していただかないといけないのではないかということと、中に例示が幾つかあるのですけれども、例示を挙げていただくと本当によくわかるので、例えば、そのウェブサイトの監視の中で出てきたもので、個人情報を抜いたもので、そういうことについてどう判断するのかという演習みたいなものも、会議の中でちょっと入れていただくと議論はしやすいのではないかということを提案したいと思います。
 御質問と提案が混じっていますけれども、よろしくお願いします。
○桐野座長 これは事務局から回答をお願いできますか。
 まず、薬局の問題と、どれぐらいウェブサイトにかかるかということについて、お願いします。
○長房企画官 1点目の論点は、医療機関が健康食品を販売するようなケースとかそういったものですか。
○石川構成員 それもあります。
○長房企画官 例えば、医療機関のウェブサイトにおきまして、院長ブログ等々で健康食品、特定保健食品で疾患が治るといった、薬事の効能に該当するような記載をして販売をするような場合は薬機法違反になりえますし、医行為の一環として医療機関が広告した場合、医療法の広告規制違反になりえます。
 しかし、こういった医療機関による他法令にまたがる違反広告につきましては、関係部局や関係省庁と密に連携して対応していきたいと考えております。
 そういった意味で、他法令禁止事項についてはガイドライン上禁止事項とし、先生がおっしゃったように具体例も明示して書ければいきたいと考えております。
 2点目のネットパトロールの件なのですが、今年の8月24日に開始しております。9月末までの実績としまして、合計で279のサイトを審査しております。今後、ガイドライン抵触の疑いのある事案について通知を行う予定でございます。
 また、先生がおっしゃいましたのは、具体的な事例につきましては、今年度末までの事業になっておりますが、事業が終わった段階で事例集をまとめて、何らかの形で公表をしたいと考えております。
 私からは以上になります。
○桐野座長 よろしゅうございますか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員 そうしますと、薬機法があるから、例えば薬局だとかそういったところの広告だとか、そういったものはここでは議論にしないという確認でよろしいですか。
○鈴木主査 御指摘のとおり、医業に関する広告規制が医療法で定められておりますので、今回は医療機関が中心になった検討をいただきたいと考えております。
○石川構成員 基本的には薬機法のほうで、同じようなことについても議論されるということを厚労省のほうで考えているということでよろしいですか。余りにも実際上、これは最初のところが、消費者委員会のほうから来た建議がもとになっていると思うのですけれども、実際には消費者委員会のほうで、薬に関してそういうことがあると思うのです。それがまた別個計画されているのかどうかということと、このウェブサイトの監視というのは「医業等に係る」と書いてあるので、医業というのはどういう解釈ですか。
 薬局だとかそういったところの広告にも、監視しているという確認でよろしいでしょうか。
○桐野座長 事務局、お願いします。
○鈴木主査 健康食品の広告規制について、今後検討するべきだということについては、担当課にきちんと伝えた上で回答させていただきたいと思っております。
○石川構成員 私が健康食品と言ってしまったからあれなのかもしれないですけれども、薬全般についてはどうかということも質問の中に入っていたのです。それについてはどうでしょうか。
○鈴木主査 薬全般の広告の見直しは先日されているものと認識しておりますけれども、担当部局が異なりますので、そちらについては担当部局にしっかりと伝え、回答を確認させた上で、改めて石川先生のほうに御回答させていただきたいと考えております。
○石川構成員 よろしいですか。
 消費者庁の方がいらっしゃるから、このことについてどうですか。
○消費者庁消費者政策課政策企画専門官 薬ということではないのですけれども、消費者庁は所管の健康食品等につきまして、インターネットにおける同じようなネットパトロール事業を実施しておりまして、厚労省から健康増進法が移管されて以降、ずっと継続的に行っているところです。
 改善すべき事業者ですとか商品が見つかった場合には、改善要請を行っているというところでございます。
○石川構成員 どうもありがとうございます。
 基本的には国民の健康を守るということで全て動いていると思うので、できればそういうことも、薬のほうでも誇大広告だとかそういったものは目につきますので、そこら辺でもきちんと検討していただきたいということが1つありますので、よろしくお願いしたいと思います。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。
 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 済みません。歯科医師会です。
 座長から限定解除の部分も含めてということなので、例えば限定解除するなら、1項目ずつするというような限定解除の方向で考えられるのか。それとも、大まかな限定解除をして、その他の部分はガイドラインでくくっていくという考え方を示されているのか。その辺のところをお教え願いたいのです。
○桐野座長 事務局より、回答をお願いできますか。
○長房企画官 御質問の件で、25ページ目に限定解除の3つの要件をお示ししておりますが、この3つの要件を守っていただく限り、全て限定は解除されます。他方で、禁止事項は法令上定められておりますので、そちらを遵守していただくことが前提になります。
○桐野座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 次の議論になってくると思うのですけれども、禁止事項のところのビフォーアフターの部分が、限定解除によって解除されるのかどうかというところなのです。
 ですから、歯科の場合などは、いわゆる審美の回復というよりも機能回復、例えばインプラントであるとか、金属床義歯であるとか、いわゆる可撤性義歯であるとか、そういうものは審美的なものよりも機能的な回復を持っている。そういうものが具体的にどうかということは、患者さんのほうが得たい情報であると考えられるのです。ということは、術前、術中、術後の写真があって、どのように機能回復されたかということが必要になってくると想定されます。
 例えば、どれがこういうふうに限定解除になるかということを1項目ずつ記載していきますととんでもない量になるのと、漏れがあってはいけない。ですから、歯科としましては、限定解除をするならばそういう機能回復等を主とする場合には、こういう部分に関して限定解除するという項目を入れていただければありがたいかなということで御質問させていただいています。
○桐野座長 事務局、どうぞ。
○長房企画官 まず、ビフォーアフターにつきましては、たてつけとしまして広告可能事項の限定を解除することによって表示は可能になるわけなのですが、広告禁止事項のところで禁止される可能性がございます。
 これにつきまして、次の論点で御議論をいただくことになろうかと思います。
○三井構成員 1、3ということで御質問させていただいたのですけれども、これは1、3というより1、2、3全てが絡みますので、後でと言っていますと次から次へと空回りするのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○桐野座長 もちろん、総合的な議論はお願いいたしますので、当面1、3でお願いしたいのですが、3の限定解除の考え方は、これは解除する、これは解除するというふうにリストにするのか、それとも、全体の中から、これはだめ、これはだめとネガティブリストを挙げていって、そうでないものは限定解除の対象になるのかというのが問題になるのだろうと思うのです。それはいかがですか。
 つまり、限定解除についてもリストをつくるべきだというお考えなのでしょうか。
 総務課長、どうぞ。
○榎本総務課長 総務課長です。
 考え方でございますけれども、今、三井先生の御指摘があったような、また、今の座長の整理にありますように、整理の考え方としては、包括的に整理をする考え方と個別列挙して整理する考え方と、恐らく二通りあるということが今この議論の場に上がっているのではないかと思います。
 基本的に今回の省令のたてつけといたしましては、一定のものはそもそも患者さんの医療に関する適切な選択を阻害するおそれが少ない場合という形で、私どもの原案としては、これを包括的にある程度整理をした上で、あとは個別に規制をするときに、規制の禁止事項の中で対象となるもの、対象とならないものを明確に整理するようにしていったらどうだろうか。基本的なところは省令なり法律なりで整理されておりますけれども、あとはガイドラインなどで考え方を整理していくという考え方で整理したらどうだろうかと提案しているものでございます。
○桐野座長 よろしゅうございますか。
○三井構成員 はい。大丈夫です。
○桐野座長 ほかにございますか。
 1、3に関することならば論点を移していただいても結構です。
 ここでウェブサイトという名称が使ってあって、大体普通は、こういう場合はウェブサイト等とすることが多いのですが、ウェブサイトと言った場合に、ここにランキングサイトとか、口コミサイトとか、バナー広告とか、リスティング広告とかいろいろな名称が出てきますね。恐らく、それを上手に表現することを考えておかないと、将来新工夫が出てくる可能性もあるので、何かそこは考えないといけないのかと思いました。
 これは感想でございます。
 そのほか。
 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 済みません。1のところの、新たな規制対象となる広告についてということでよろしいのですね。1と3というのはそういうことですね。
○桐野座長 はい、そうです。
○石川構成員 そうすると、1のところで、これはすごく議論になったのですけれども、例えばランキングサイトというのが比較になるわけですね。1番から10番まで書いてあって、誰が見ても、これは何のことはない比較ですね。第一と言っていなくても、一番上にあれば第一となるし、日本の中でのランキングサイトといえば、日本で一番という表現になるわけですね。
 それでランキングサイトは一部で許されたり、いいと言われたりとかいうこともありますね。読んでいくとそういうことも許可されたりしていますね。ですから、個別で何か制限していくのかどうかわからないのですけれども、そういうこともあります。
 つまり、何か矛盾があるような内容がところどころに入っているところがありまして、多分に判断しにくい。例えば、最初の広告の三原則みたいなのがあって、誘引性、特定性、認知性。認知性はいいけれども、それは名称を特定してはいけない、みたいなことは、それは本当に、認知性は表現したけれども、名前は特定可能にしないということがどういうことなのかよくわからないとか、いろいろな意見が出てくるのです。
 ですから、私はきちんとしたデフォルトみたいなものを表現できないのであれば演習みたいなもので、これは大丈夫ということを挙げていって議論しないと、なかなかまとまった意見の交換にはならないのではないかということを、先ほど表現した次第です。
○桐野座長 今の御意見に関して、何かございますか。
○長房企画官 先生、具体例をお示ししてということですか。
○石川構成員 そうです。
○長房企画官 その点につきまして、ガイドラインにおきましてなるべく例を盛り込んで、ガイドラインを読まれる医療機関の判断に役立てるようにしていきます。
○石川構成員 違います。
○桐野座長 総務課長、お願いいたします。
○榎本総務課長 今、石川先生のおっしゃった話は、この議論を行うに当たってある程度具体的なものをお示ししながら議論を進めたほうがよりわかりやすいのではないかという御趣旨で理解すればよろしいでしょうか。
○石川構成員 はい。
○榎本総務課長 そういう御趣旨であれば、そういったことも含めて、またそこは今回、この場でもいろいろと先生方の御意見を頂戴したいと思いますが、そういったものもあわせて、また次回にお示しできるように整理してまいりたいと思います。
○大道構成員 ちょっと趣旨が違うかもわかりませんが、我々臨床の現場では、患者さんに強く影響を与えるものはテレビと雑誌なのです。インターネットに強く影響を受けて来られる方ももちろんおられますが、その方は熱心にインターネットを検索して、いろいろ自分で努力して、こうなのだろうと。それは間違っていることもあるのですけれども、それよりスイッチをつけるとテレビからぱっと入ってくる、いわゆる情報番組の中ですね。これが健康にいいのだとか、見ていて思わず笑ってしまうようなことですけれども、それを頭の中に90%持ってこられる患者さんが多い。
 あとは雑誌とか週刊誌にランキングが載っています。例えば全国心臓外科のいい病院一覧とか出ていますけれども、これはどう見てもおかしいものが多いのです。おおむねは当たっているのですけれども、よくよく聞いてみると、そこの雑誌社なりが出したアンケートに答えた病院だけが載っているランキングだったり、あるいは、もちろんアンケートに答えるときには常に広告を出しませんかということとセットになっていますから、広告を出すと同時にアンケートを答えると、当然アンケートもそこそこに載って、広告も横に打たれる。
 これに関する議論というのは、今回は範囲外ということでよろしいのでしょうか。
○桐野座長 どなたかレスポンスをお願いします。
 鈴木主査、どうぞ。
○鈴木主査 大道先生が御指摘の点については、テレビ、雑誌等の現行の広告規制の範囲についてランキング本などを規制しないのかという御趣旨かと認識しております。
 現行、一般的な記事であるランキングについては報道であって、誘引性のないものだという整理に原則はなっているのですけれども、現行の広告ガイドラインにおいても、医療機関に誘引するような、何らか金銭が発生したり、そういった意図がありましたら誘引性があると判断されております。なので、一般の記事は誘引性がなくて、ただし、何らか医療機関が誘引を目的としていれば誘引性があって、規制の対象になる。ものによって異なる取り扱いにはなっているものの、まさに医療機関に誘引するような広告の趣旨が大きいものについては、既に規制の対象になっているという現状でございます。
 以上です。
○桐野座長 大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 もちろん、誘引性があるかないかは、医療機関がお金を出しているかというのも大きなポイントだと思うのですが、実際の影響力としては、例えば前に私どもの病院でもあったのですが、取材に応じてうちの療法士が出たら、神の手とか何か出たわけです。それが新聞の番宣にも出て、テレビの中でも何回何回も言われて、我々が自分で神の手などと言っているわけではないのですけれども、あたかも彼にかかれば全ての麻痺が即座に治るみたいな構成をされまして、我々の意図とは非常に違って、後で大いにクレームは出したのですけれども、それもオンエアされてしまうと後の祭りですね。
 そこからの1カ月間は電話を増設したのですけれども、もうひっきりなしです。大変な影響でした。それを断るのに大変な労力がかかったのです。例えば今、病院に向かっています、入院させてくれますか、今はどこですか、新潟県です、大阪はどこなのでしょうみたいな電話があったり、とんでもないのですけれども、こういうことはどこで誰が規制していただけるのかというのを常に考えていまして、もっと影響が高いのは情報番組ですね。ですから、あたかも既存の治療がだめで、新しいこの治療がすごくいいのだと。そこに出てくるコメンテーターも、医師がコメンテーターで出てきて、何とかクリニックの先生とか、何とか病院の先生とかいうのが、頑としてそれがいいのだと言われるものだから首をかしげてしまうのですけれども、従来の医療を、先生、これをやめてあちらにしたいのだけれどもというのは、大いに実害のあるケースかとも思うわけです。しかし、それはなかなか規制が難しいのかもわかりませんが、確かに美容外科も大いに問題ですし、免疫療法も大いに問題です。問題のところはいっぱいありますけれども、その他、我々が情報を正しく発信させているのかというところも観点としてはあるのではないかと思います。
 もっと卑近な例を言いますと、我々が、私は余りジェネリックが好きではないのです。どうして嫌いかというと、お薬の原産国が書いていないのです。食品は非常に細かく、どこの国の小麦だとかいう表記があるのですけれども、お薬に関してはそれがないので、前から不思議だと思っているのですが、今の議論とは直接関係ないのですけれども、医療情報としては、患者さんには広く明示すべきことかと思いまして、ついでに言わせていただきました。
 以上です。
○桐野座長 そのほか、ございますでしょうか。
 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 少しお教え願いたいのです。
 今はテレビとかそういう広告でしたけれども、今、歯科のほうでは、いわゆるウェブサイトでの予約サイトが全国的に蔓延しているのですけれども、その中で予約というものを、会員登録されているところの医院に対して予約をとっていくというサイトなのですけれども、一応は成功報酬という形でやりますと、医療法にもひっかかってくる。誘引性も出るということで、いわゆるホームページの広告料という形で費用を徴収して、予約サイトをしているという会社が全国的に数社ある。これは今回のウェブサイトの広告の規制の対象にはかかってくるのでしょうか。
○桐野座長 これは事務局ですね。
 鈴木主査、お願いします。
○鈴木主査 具体のサイトを拝見してみないと、明確にはなかなか回答が難しいのですけれども、いずれにしても医療機関への誘引性と特定性があるかどうかというものを見てからの判断になろうかと思います。
○桐野座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 具体的には過去におきましては、紹介1人につき3,000円とか、いわゆるそういう個別の斡旋料がついていた。そういうもので医療法の規制にもひっかかるというところで、それまでならばそこの会員になるには月々5,000円の費用が必要だったけれども、それを1万5,000円にアップしたことによって、成功報酬の3,000円はなくした。これで誘引性は確保できたという形になっているところと、そこは一応歯科医院の紹介のホームページという形で出ています。ですから、会員ではないところも出ているのですが、かなりでたらめな情報が出ています。
 例えて言うならば、うちの医院などは駅から徒歩10分かかるのに、徒歩1分ですとかいう間違った情報が適当な形で記載されている。会員以外のところの予約を希望されると、そこは今、予約することはできませんということで、会員さんのところへ誘導されるシステムになっているようだということですので、また厚労のほうでもその辺を調べていただきまして、どういう状況かというのがわかりましたらお教え願いたいと思います。
○桐野座長 その件はよろしくお願いします。
 それでは、そのほか。
 小森構成員、どうぞ。お願いします。
○小森構成員 前にも話しましたけれども、乳房再建術がいろいろ問題になっていると思うのですけれども、このビフォーアフターということが全面的に禁止されてしまうと、例えば自分の乳房を再建したらどういうふうにきれいになるのだろうと思った人が、どこでも調べられないとなってくると、例えば美容形成はだめかもしれないけれども、大学病院では形成外科というのが存在して、やはりそういう人たちをきれいに治そうという努力をしている科があるわけです。
 そういう科にすれば、どこかまとまったところで、乳房再建術というのはこういう形でなるのだという事例があって、そこの下にいろいろな許可された病院名がずっと並んでいて、そこにはビフォーアフターがあって、こういうふうにきれいに再建される可能性が高いというものが例示されていないと、どこでどのような形で乳房再建がされるのかというのは、その病院に行ってドクターとじかに話をして、そこで絵でも書いてもらうか、そこで写真を見せてもらうまで、得る知識がなくなってしまうというおそれもあるかと思うのです。
 例えば今のような、極端にもとの本当の乳房ができるみたいな写真が並んでいるのはいかがなものかと思いますけれども、普通の人は想像ができないのではないかと私は思うのです。専門の先生などに聞いても、本当にそれを全部なくしたら、どこで乳房再建というものの理解をして訪ねてくるのだという疑問もありますねということで、私たちは専門なので、ある程度そういうことをじかに目にしているし、写真も見ているし、そういう手術をしたことがあればわかるけれども、そうではない人たちにとっては非常に難しいのではないのかという話もありました。
 ですから、極端な美容形成の、本当にもとの形に戻るみたいなのは正しくないけれども、そうではない、きちんとした形の事例がきちんと並んでいるようなウェブサイトというか、それはどこがつくるかわかりませんけれども、そういうものは逆にきちんとつくったほうがいいのかもしれないかと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
 全部禁止というと、本当に何もかもなくなってしまうので。
○桐野座長 長房企画官、どうぞ。
○長房企画官 確かに先生のおっしゃるとおり、患者の誤認防止という観点を追求しますと、こういったビフォーアフター等は全く出せないことになりますし、一方で患者に対する情報提供を推進するという観点からは、こういったものを容認してもいいのではないかという考え方もあり得ます。
 実はこういった中で、「こうあるべきだ」と提示するのは困難なところもございます。したがいまして、今回の場で構成員の皆様の御意見をいただきたいと考えております。
○桐野座長 今の話は、正当な医療情報の提供と違反広告との範囲が非常に難しい例ですね。今の件、あるいはほかのことで結構です。
 木川委員、どうぞ。
○木川構成員 先ほどの大道先生からの御指摘というのは、要するに、素人が医療情報を提供することによって、間違った情報が世の中に氾濫して、患者さんがいろいろな誤解をするということだと思うのです。
 それは逆に言うと、先ほど小森先生がおっしゃったように、医療機関が必要な情報をきちんと提供していないというところにも原因があると思っていて、そういう観点からしますと、ある程度患者さんの理解に資するような情報、特に今、問題になっているビフォーアフターなどは必要な範囲で出せるようにしたほうがいいのではないかと思っております。
○桐野座長 ビフォーアフターというのは、治療成績の開示というのとある意味では似ています。ビフォーアフターと言った場合は、選ばれたベストな症例を並べて見せるという傾向があるので、一般的な成績がわからないという側面があると思います。
 例えば、ある専門の方が、科学論文をきちんとした症例をもとに発表して、その結果を提示するということまで含められるのかどうかは難しい問題かと思います。
 本多構成員、その次に三井構成員、どうぞ。
○本多構成員 今のビフォーアフターの件ですが、インターネット等に掲載されている写真については、近年撮影技術が向上しており、撮影の段階である程度修正、加工ができるものもあるようです。そういった意味で誇大広告になりかねませんので、ビフォーアフターを認めるのはいかがかと思います。
 今、話に出ていた審美や形成については、学会等できちんとした例をつくっていただいて、施術前、施術後の情報を提供する等客観的に評価が与えられているものについては掲載を認めるといった方途はあると思いますので、ビフォーアフターについては、原則禁止したほうが良いと思います。
○桐野座長 成績表示については今、おっしゃったことかと私も感じたのです。
 例えば、学会の席において、ある治療法のビフォーアフターを提示するようなものはどうなのでしょうか。
○本多構成員 厚労省等で確認していただいた上で、提示を認める等の方途はあるのではないかと思います。
○桐野座長 そのほか、ございますでしょうか。
 失礼しました。三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 歯科のほうなのですけれども、歯科の場合は非常に混乱しますのは、一つの修復の仕方でも、保険診療と保険外診療が重複したという、例えば最初に、前歯が虫歯になりました、欠けました、それではどうしましょう、詰めましょうという、この詰めた症例はどういう症例で、こういうふうに回復しますという、逆に詰めるよりも、もっときれいにしたいということで保険の被せを入れました。それでは、保険の被せはどうであるか。
 それから、保険外のそういうメタルボンド冠であるとかジルコニア冠という区別があって、またそれぞれのビフォーアフターがあるというところがありまして、学会で全部提示していただくのもいいことかもしれませんが、なかなかそこは難しい部分があるかと。
 先ほど歯科のほうで、やはり機能的な回復をメーンにする場合には、そういうのを限定解除していただきたいと言いましたのは、かなりいろいろな細かいケースが想定されまして、それを考えていると、絶対漏れも出てきます。ですから、大きなくくりでくくっていただいて、ある程度、何でもかんでもウェブでオーケーしてしまいますと、先ほど木川先生が言われたように、医療者側がちゃんとした資料を提供しないからというのもあるのですけれども、医療者側がとんでもない資料を提供しているから混乱している部分もありますので、確かに規制は必要なのですが、そういう部分で節度のある規制という形でお考えいただきたいと思います。
○桐野座長 そのほか、何か御意見はございますでしょうか。
○木川構成員 先ほど本多先生がおっしゃった加工の点については、従来の医療機関ホームページガイドラインで、ビフォーアフターを掲載してもいいけれども、加工してはだめみたいなことが書いてあったのだと思うのです。
 ですから、ビフォーアフターは許容した上で、そういう加工したりすることによって誇大広告になったり、あるいは虚偽広告になったりすることはだめだということを明確化していくということでも、対応が可能なのではないかと思います。
○桐野座長 本多委員、どうぞ。
○本多構成員 写真については、例えばライトアップ等の撮影条件で変わってくると思います。単純に加工禁止とするだけでは、例えば規制のときに、本当にそれが元と同じものなのかどうかを立証するのが難しいのではないかと思います。
○桐野座長 小森構成員、どうぞ。
○小森構成員 消費者庁のほうにいろいろな文句が、当然クレームが入って今回の件が少しずつ出てきたのだと思うのですけれども、要は大変不幸な例はあると思うのです。私たち外科でも必ずしも100%成功させようと思ってやっても、1,000人のうち1人の方が亡くなったりということと一緒で、例えば乳房再建をきれいにしようとしても、そこに瘢痕化が残って、要は形がきれいにつくれず、自分が思っていた、見た写真とは全く異なる形になってしまったことによってのクレームは起こると思うのです。
 ですから、先ほどから言っているように例示開示をするのであれば、そういう症例が1,000のうち1とか2とか、こういうことが起こり得るということも一緒に明示すれば、今までのようなことはなくなっていくのかと思います。ですから、必ずしも成功するのではないと、こういう不幸な結果になってしまうこともあるということまで出すのか出さないのか。そこも含めて今回やるのであれば、もしそういうビフォーアフターを出すのであれば、不幸な例も一緒に掲載しなければならない。一緒に掲載してあれば、そういうクレームも若干減るのではないか。それは選択肢の中の一つにあるわけだから、今で行くと、ほぼ全員がこういうふうになると当然誰でも思うわけなので、そこまで考えるのかというのことも一つあるかと思います。
 本当に不幸な例ですが、全員がそのようにきれいになるわけではないですし、うまくいくわけではないということを言わなければならないのか。そういう時代なのかもしれません。
 私の意見です。
○桐野座長 なるほど。そのほか、いかがですか。
○木川構成員 今、小森先生がおっしゃったのはインフォームドコンセントの問題にも通じる話だとは思うのですけれども、それをあえて広告にネガティブな結果が出た事例を絵として載せるのが、果たして適切かという問題もありますし、あとはビフォーアフターの件で言えば、要は免疫療法とか、失敗したらまさに命にかかわるような問題に関するビフォーアフターと、別に美容とか審美とか、失敗したとしても命にかかわらないし、状況が悪くなるわけではない。糸を入れるとか、それによって神経障害が生じるとか、そういった問題は別だと思います。ただ、ホワイトニングがどうとか、セラミックを被せるのがどうとか、それがそんなにうまくいった事例を載せることによって、何か患者さんが不当に誘引されるということはないのではないかと思いまして、対象となる医療行為がどういう性質のものであるかということによっても、ビフォーアフターをどれだけ載せるかとか、ネガティブな結果をどれだけきちんと説明しなければいけないかということは変わってくるのではないかと思うのです。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。
 今、規制の対象となる広告を載せるものについて、どの範囲を規制の対象とするかという議論なのですが、平川委員から意見書が出ていまして、そこに動画サイトやSNSを規制の対象にかけるべきかということが書かれているのですが、参考資料6です。
 この範囲をどう決めるかというのはとても難しいと思うのは、動画サイトが対象になったら、今度はテレビの番組などはどうなるのかということが、どんどん範囲が不明確になってしまう。それから、SNSになると非常にパーソナルな面が多いので、しかし、これはパーソナルだけれども、かなりパブリックに利用もできてしまうという不思議なものなので、これがどういう感じなのかというのが難しいと感じたのです。
 何か御意見がございましたら。
 事務局から何かございますか。
○長房企画官 動画、SNSのサイトの扱いについてなのですが、法改正を踏まえまして誘引の意図があるものにつきましては、規制の対象としていきたいと考えております。
 ただ、SNSにつきましては、先ほど座長がおっしゃいましたようにクローズドな性質がございますので、実際にどう監視していくかについては考えていく必要があるかと思います。
○桐野座長 大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 クローズドのSNSであればいいのですけれども、いわゆるブログの類いですね。これは例えば私どもの病院で、もし一度検索していただいたら、そこに単語を幾つか入れていただくと、個人のブログがだっと出てきますけれども、大概が患者さんですね。その中では患者さんの会をつくったりとか、同窓会とかそのようなものもあるのですけれども、中には、いや、森之宮病院はこういうところが悪い、このようなひどい病院だみたいな書き込みもあれば、あるいは、やはり森之宮病院は最高だねとか、日本一の病院だとかいう書き込みもあります。ですから、それを規制というのは、個人の口にふたをすることはできませんから、それはもう全部、一覧として検索するとぽんと出てしまうのが、今のインターネットというのはそういうものですから、そのあたりの規制はかなり厳しいのではないかと思います。
 ただ、それを意図して、病院側が運営しているのか、個人が運営しているのかというところなのですけれども、これはなかなかグレーなところもあるみたいですね。しかし、それは最終的には性善説か性悪説みたいなところで落ち着くような気もしないでもないのですけれども、難しいかもしれませんね。
○長房企画官 今、先生がおっしゃったことにつきましては、現行の広告規制を対象としまして、医療法第六条の五におきまして「何人も」という主語が書かれておりまして、医療機関も医療機関でない者も規制の対象にはなり得ます。
 先生がおっしゃいましたブログとかの口コミサイトにつきましては、資料2の7ページ目でお示ししましたように、医療機関本体以外のウェブサイトということで監視を行っていきたいと考えております。
 こういったサイトを監視する中で、例えば先ほど先生がおっしゃったように、特段の根拠もなく○○病院の治療は最高等と語るなど、そういった誘引の意図が明確な表示をしっかり見てく必要があると考えております。
○桐野座長 鈴木主査、どうぞお願いします。
○鈴木主査 今の点に1点補足させていただきますと、単純に個人の御意見として感想をブログに書かれている分には、もちろん規制の対象にはならず、誘引性がないものになりますので、企画官からの説明の補足とさせていただきます。
○桐野座長 ランキングサイトについてはいろいろ御意見があったのですが、口コミサイトについての御意見は余りないのですが、何か。
 これは非常にいろいろな範囲の問題があるので、アトランダムに出していただいて、たくさんの論点をとにかく出していただくことが必要と思います。
 三浦構成員、どうぞ。
○三浦構成員 今の御指摘の口コミサイトについてなのですが、患者の立場としては、かなり口コミというのは有効な情報源になっていますので、口コミ自体の規制を厳しくするということはしないほうがいいような気がするのです。
 ただ、その中にも誘引性を持ったもの、例えば、こっそりとお金で雇って、いい口コミばかり投稿してもらうとか、そういった意図が入ると問題だと思うのですが、その辺の口コミサイトの中立性をどう担保できるかというところは問題だと思うのです。
○桐野座長 口コミサイトは医療と関係なく、一般の商品の口コミサイトには、口コミを投稿するプロがいて、ある商品がとてもよかったと書くようなことがあって、もちろん、体験はするのかもしれませんけれども、とてもよかったということを書かれて、報酬を得ることもあると聞いていますので、口コミもなかなか単純ではないなという感じがしますが、いかがですか。
 木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 それは医療広告に限らず、広告全般の問題で、食べログの口コミの問題があって、ステルスマーケティングという、ステマと言われているものですけれども、結局誘引性というか、広告主がお金を出していることが、外からは見えないような仕組みで広告が行われがちであるということの問題で、なかなかそこの問題をここで解決するのは、そもそも論としてちょっと難しいのではないかという気はします。
○桐野座長 國井構成員、どうぞ。
○國井構成員 都道府県の執行体制については、昨年度も議論いただいていたと思うのですけれども、ただいまのSNS等の監視とか、そういったところまで我々が責任を負うというのはなかなか難しいのではないかという気がしますので、一言申し上げさせていただきます。
○桐野座長 確かに、この件については、どんどん広げて膨大になるという可能性もあるのかと思いますが、何か御意見はございますか。
 SNSとかいろいろな、もっと非常に広い、今後もっとこれが拡大する可能性だって否定はできないわけです。
 木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 解決案というか、広告主がお金を出しているかどうかというのは、結局誘引性があるかどうかなのです。ですから、結局誘引性があるものは広告ですというふうに法律あるいは省令ガイドラインでは定義をしておいて、あとはそこにお金が発生しているのかどうかというのは、ある意味執行の問題というか、それでは、どれをどうやって確認しましょうかという、その次の問題かという気がいたします。
○桐野座長 桑子オブザーバー、どうぞ。
○桑子オブザーバー オブザーバーとして出席させていただいております桑子です。
 通信業界の立場でこの検討会に参加させていただいておりますけれども、御指摘にあるとおり、確かに動画サイト、SNSというものも結構いろいろな状況があって、今、座長がおっしゃったような、裏で云々という話もあると承知しております。
 いずれにしろ、そこまで含めるととんでもない話になるかと思っておりますが、今、御指摘のあったとおり、誘引性があるかどうかということで考えるしかないだろうと、私自身も思っております。
 とりあえず、そこはそのような状況かと思います。
○桐野座長 ほかにいかがでしょうか。
 よろしければ、結局この対象とする範囲についてはさまざまな御意見がございましたけれども、やはり広告というものの誘引性、特定性を中心に考えて、明らかにそれに抵触するようなものに対しては対象になるのかと思いますけれども、恐らく非常に、ウェブの場合はトリッキーというか、表には見えないけれども、非常に効果の高い広告と見なすしかないようなものもございますので、その辺のところの事例をある程度挙げて、また議論を深めざるを得ないのかと感じました。
 1番と3番について、何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、今度は禁止事項。何を広告禁止事項にするか。これも相当いろいろな議論をしていただかないといけないのかと思いますが、2番の広告禁止事項について御議論をいただきます。いかがでしょうか。
 福長構成員、どうぞ。
○福長構成員 福長でございます。
 広告禁止事項について、私からは1つ質問と、1つ意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 もう既にこの検討会ではいろいろ議論があったのかと思いますが、初めて出席というところで、もう議論が済んでいるところをお聞きするようなことになるかと思いますが、教えていただければと思います。
 この対応方針案につきましては、私はおおむね妥当だと思っております。
 質問なのですが、資料2の15ページです。ここの対応方針案のところで、客観的事実が証明できない事項は広告禁止事項とはしないという、上の○のところがそうなっておりまして、下のところは、客観的事実が証明できず、患者の受診を不当にあおるものとなっているのですけれども、この上の○と下の○では客観的事実が証明できないという言葉は同じなのですが、例を挙げていただいたところだと明らかに違うように感じるのですけれども、そこのところが違うのかというところと、それから、患者の受診を不当にあおるというところを教えていただきたいと思います。
 これは新ガイドラインで措置をすると書かれておりますけれども、やはりわかりやすいような事例をいただいてお示ししていだけると理解しやすいのかというところが質問です。
 もう一つは意見なのですが、22ページの広告禁止事項、ビフォーアフターの話です。
 私は消費生活センターの相談員をしておりまして、いろいろ消費者の方の苦情を受けるのですが、どうしても美容医療の御相談が多くて、そのイメージで捉えてしまっているところはあるのですけれども、やはり体験談とかビフォーアフターの写真というのは、個人の主観とか状態ということではあってもすごくインパクトが強くて、消費者の方はやはり自分の期待するものを、自分もそうなるのだ、同じ感覚が持てるのだというところで、すごく思い込む。いい情報ほど頭に残るというのがあるのだと思います。
 ですから、このビフォーアフターというのは、私は省令として、広告禁止事項として入れていただきたいと思っております。
 以上、質問と意見ということでお話しさせていただきました。
○桐野座長 まず、客観的事実であることを、この問題を先にお願いしたいと思います。
 これについてはいかがでしょうか。
 鈴木主査、どうぞ。
○鈴木主査 御質問の御趣旨を正確に把握できているかわからないのですけれども、客観的事実が証明できない事項を省令で規定しないと書いている一方で、不当にあおるような客観的事実が証明できないものは禁止するという差異についてということでしょうか。
○福長構成員 それもそうなのですけれども、上の○と下の○は患者の受診を不当にあおるものという判断、この差が、上と下で違うというところの判断が患者の受診を不当にあおるものということになるのかと思うのですけれども、ここら辺のところがどういうことなのか教えていただければと思います。
○鈴木主査 ありがとうございます。
 15ページの「考え方」の3.にあるような、患者の受診を不当にあおる治療効果の広告の、例えばで記載されていただいておりますが、科学的根拠が乏しい治療方法について、効果を強調するものにいては、虚偽や誇大に該当するために禁止したいと、こちらとしては考えております。
 一方で、客観的事実が証明できないものは多々あると思いますので、虚偽や誇大に該当しないような、例えば食事がおいしいとか、そういったものについては禁止する必要がないのではないかと考えているのですけれども、いかがでしょうか。
○桐野座長 いかがですか。
 これは何かウェブ上に記載した場合に、それが何かの根拠がある、客観的事実という、とにかく根拠を持って言っているのだということの立証責任は、恐らく書いたことがあると思うのですが、規制をするほうが、それは客観的事実としてはないと言うのはとても難しい。ですから、ここはどういう根拠に基づいていますかということは聞けると思います。
 ここに書いてあることは、根拠がちゃんと言えなくて、かつ不当にあおり、虚偽・誇大に該当するという条件が必要になるということと理解すればよろしいのですね。
 客観的事実が証明できないというのは、立証するのは厚生労働省ではないですね。それは客観的事実ではないということは。
○鈴木主査 御指摘のとおり、広告する者が証明する必要があります。
 医療法六条の八の中でも、自治体に報告徴収権限がございますので、自治体が広告をする者に対して必要な情報を求めることができる規定になっております。
○桐野座長 座長がいろいろ言って済みません。
 不当にあおり、虚偽・誇大だという広告を見つけたとしますけれども、それは虚偽・誇大であおっているのではないかと言われたときに、いや、これは客観的事実に基づいていますと相手側が言って、その証拠を示せば、それは対象にならないということにもなるわけですね。
○木川構成員 客観的事実だと証明できれば、多分それは虚偽でも誇大でもないのだと思います。
 景表法は優良誤認表示というのがありまして、役所のほうが優良誤認表示に当たるかどうかを判断するために、表示の裏づけとなる合理的な根拠を提出しなさいということを要求できます。
 15日以内に提出しないと優良誤認表示と見なすということが法律に書かれていて、ほかにもこうした不実証広告規制は、特商法とかにもあるのですけれども、先ほど先生がおっしゃったような立証責任を転換するというのは、本来的には法律に書いていないとできないことだから、省令に客観的事実が証明できないときはだめですということを書くのが、果たして法律の委任の範囲を超えていないのかどうかという問題もあって、そうすると、結局のところ、虚偽か誇大かということに収れんされるのではないかというのが私の理解です。
○桐野座長 なるほど。
 そのほか、この広告禁止事項全般で、どの事項でも結構です。
 尾形先生、どうぞ。
○尾形構成員 19ページの比較優良の考え方の明確化についてというところなのですが、その前に12ページで整理していただいている広告禁止事項見取り図というのを見ると、比較優良というのは虚偽・誇大、あるいは今の客観的事実が証明できないという項目と、医療法上は確かに並んで載っています。確かに法律上はそういう扱いだと思いますけれども、これは少し性格が違うのではないかという気がいたします。
 一方で、医療の受け手はやはり医療機関の選択に当たって、一定の比較情報を求めているということも事実だと思います。
 先ほど大道構成員が御指摘になったように、病院ランキング本のようなものがはやっているというのは、私は必ずしも適切であるとは思いませんけれども、これは逆に言うと、適切な比較情報が提供されていないということが背景にあるように思います。例えば都道府県で医療機関の情報開示は随分進んできていますけれども、やはり比較情報の提供という観点からは、例えばアメリカのホスピタルコンペアとかナーシングホームコンペアなどと比べると、まだまだ工夫の余地があると思っています。
 そういったことを前提としてこの問題を考えると、医療法がうたっているように、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害しないということが大前提だろうと思います。19ページの対応方針の中で、新ガイドラインで規定していくということで、それはそれでいいと思うのですけれども、特に比較情報について余り過剰な規制にならないように、その辺は十分配慮をいただきたいと思います。
 これは意見です。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。
 広告禁止事項の項目で挙げられているのは、客観的事実が証明できない事項ですね。それから、他法令違反の事項についてということ。比較優良の考え方。6番で体験談、ビフォーアフター。これが一応項目として挙がっていることです。
 どうも失礼しました。三浦構成員、どうぞ。
○三浦構成員 済みません。先ほどから問題になっているビフォーアフターについてなのですが、これは医療広告ガイドラインではどちらもだめで、バツです。21ページの表です。どちらもできないということになっています。
 22ページの対応方針案としては、誘引性があるものは原則として広告禁止事項としてだめだということで、これは一律にだめというわけではないという解釈でよろしいですか。というのは、問題になっている美容外科のようなケースについては、確かに明らかにアフターの写真を期待して来るわけで、誘引性があってかなり問題になっていると思うのですが、先ほど出ていた乳房再建術の結果どうなるという客観的な事実を伝えるものですとか、あとは体験談についても、例えば温かい対応を売りにしている病院などで、お礼の手紙の写真が載っていたりしますね。ドクターへのお礼ですとか、そういったものまでだめということになると、それは情報提供の妨げになるのではないかと思いますので、これは一律にだめというわけではないのですね。そのあたりは。
○長房企画官 先生がおっしゃいましたように、22ページ目にございます。誘引性があるものについては原則として、広告禁止事項として省令に規定してはどうかという、誘引性があるものをどう解釈するかによって範囲が変わってきます。厳しく見ればだめということになりますし、厳しくしないということであれば、例えばホームページガイドラインのような解釈もあり得るかと思います。
○桐野座長 22ページの対応方針に書いてある、ビフォーアフターについては全部が全部だめとはここで言っていなくて、誘引性があるものは原則としてだめだと。誘引性があるものはだめということであれば、誘引性とは何ですかと聞かれたときに、誘引性とはこういうことですと言えなければいけないですね。
 ビフォーアフターの写真の誘引性というのは何ですか。
 何か委員の先生方から。
 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 歯科医の立場から言わせていただきますと、ビフォーアフターの誘引性があるのですかというと、医療としてはあると思います。ああ、これだけなるのだ、だから行きましょう。これは絶対誘引性です。
 乳房の再建でもそうだと思います。見て、ああ、ここまで行けるのだ、それでは行きましょう。ですから、この誘引性のあるものはという部分の文章が怖いのと、厚労とかで我々が一番恐れる言葉は、原則という言葉なのです。原則が書かれていると1年、2年先には全てだめになってしまうというところがあるので、省令2できちんと定めていただいて、ガイドラインでその運用をきちんとはかっていただく必要があるのではないかと思っています。
 以上です。
○桐野座長 先ほど小森先生が、誘引性があるけれども、反誘引性のあるケースについても掲載すればバランスがとれていいのではないかという御意見もあったのです。
 ただ、実際はビフォーアフターでうまくいかなかった例を出すというのは、いろいろな訴訟の問題なども関連するし、なかなか難しいのではないかと思うのです。
○三井構成員 反誘引性の部分の、いわゆる全てにおいて、医療は何を書かなければいけないか。事故調とかもありますけれども、極端な例を言いますと、逆にやることによって死亡する可能性はありますということまで書かなければならないということになってしまいかねない。
 ですから、そこの部分はちょっと、反誘引性の部分を書けばいいというので、誘引性があってもオーケーされるという考え方は排除していただきたい。どちらかというと、やはり今の混乱したホームページ、ウェブはきちんと整理が必要ですけれども、患者様のための有益性というものがいかに担保されるかという部分であるかと考えます。
○桐野座長 小森先生、どうぞ。
○小森構成員 今回問題になっているようなことを起こさないようにしようと思ったら、やはり学術的なところできちんとした形のものが提示されているところをつくってあげて、そこを見せてあげる。国民みんなが見て理解できるようなところがあるほうがいいのかもしれないです。
 全部だめにしてしまうとか、誘引性のあるなしでやってしまうと、ほとんど誘引性があるになって否定されてしまうと、見るところがなくなってしまって、本当に情報提供をしてもらおうと思ったら、特別な許可を得たものとか、また違うものが出てくるのかもしれませんけれども、そうなるとまた厄介なので、法的に誘引性がと言われるとどこまで厳しくなるのかわかりません。
 ただ、今、大きな問題になっているのは、多分自分が思っていたものと同じようにならなかったから、これはいけないのだと言われてこのような会が始まっているのだと思うので、やはりそこにはマイナスの部分もきちんと、少しは出さないと、みんなうまくいくと思えば当然納得いかないですね。その辺を少し考えていただいたほうがいいのかもしれないですね。
○桐野座長 今のビフォーアフターの問題は、象徴的に今、ここで議論している、こういう会が必要になった根本の理由の一つですので、かなり重要だと思います。
 これをどういうふうに言うかというのは、結構難しいですね。全部押しなべて誘引性があると断定して、だめと言ってしまうのがいいかどうかという議論もちゃんとしておかないといけない。
 時間もだんだん少なくなってきましたので、ほかの問題でも結構です。御自由に御発言をいただきたいと思うのです。
 國井構成員、どうぞ。
○國井構成員 都道府県の立場として1つだけ確認をしたいのですが、今回の策定についてということで、どのようなスケジュール感を持ってお仕事を進めていくのでしょうということを、わかる範囲で結構なのですがお教えいただければありがたいと思います。
○桐野座長 いかがでしょうか。
 鈴木主査、どうぞ。
○鈴木主査 医療法成立から1年以内に省令を策定する必要がございますので、遅くとも次の6月14日までには省令を策定する必要があると認識しております。
 また、省令作成に当たっては十分な周知期間を持つ必要がございますし、また、パブリックコメントも1カ月間行う必要がございますので、こちらの検討会の議論次第というところもございますので明確に回答できないですけれども、なるべく早目に策定した上で、事務局としては十分な周知期間をとりたいと考えているところです。
○國井構成員 ありがとうございます。
○桐野座長 よろしいですか。
○榎本総務課長 あと1点、ちょっと補足させていただきます。
○桐野座長 榎本総務課長、どうぞ。
○榎本総務課長 今、申し上げましたように、省令のほうで基本的な原則を整理するということになってくるかと思いますが、先ほど三井先生のお話もございましたけれども、ガイドラインなどで考え方を具体的にあわせてお示しするということも必要だと考えておりますので、本日はまだキックオフの会議でございますので、論点資料という形でお示ししておりますけれども、ガイドラインの案というものも今後また私どものほうで作成して、御議論いただいた上で、これも省令とあわせてお示しできるようにしていきたいと思っているところでございます。
○桐野座長 そのほか、いかがでございますか。
 大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 もう一度再確認しておきたいのですけれども、病院のホームページというのは3つの構成から成っております。
 一つは当然患者さんへの御案内、情報提供という意味です。
 もう一つが、医療機関同士の、我々はこのような医療を提供できますという、医療機能の御案内です。
 3つ目はリクルートです。リクルートは看護師だけではなくて、昨今では専攻医の募集というのもありますので、当然この地域における、この自院の症例数の有意差というのも、やはりそこでは展開していかないと専攻医はわからないわけです。
 自分が選考したい科目の症例数の少ない病院に配置されるのは嫌ですから、その病院が自分の行ける範囲のエリアの中で、どれぐらいのポジションにいるのかというのは非常に大事なデータです。
 しかし、これは比較広告だとか何とか言い出すとまたややこしいので、そこは分けて考える。分けて考えるためには、例えばホームページの先頭部分で、医療関係者へとか、リクルートの人へとか、専攻医の方へというボタンをつくって飛べば、それはもう一般の患者さんとは分けられたという形になるのかどうかというのも、初めに決めておいたほうがいいのではないかと思って意見いたしました。
 以上です。
○桐野座長 なるほど。
 確かにある診療科のホームページ、例えば病院のホームページに行って、病院から整形外科なら整形外科、内科なら内科のページに行ったら、内科はその病院ではやっている内容に従って情報を開示します。例えば、その内科の先生がとても臨床研究を非常に熱心にやっておられて、こういう非常にメジャーな学会誌に発表している。その中でこういう治療をしたらこうなったというのを、言ってみればビフォーアフターの写真は出ないかもしれない。そういうものがホームページの中にリンクされている可能性は十分あって、これは医療側からは当然という面もあります。そういうこともある。
 ですから、ホームページというのは病院としては機能の豊富なもので、対象もいろいろあるということも念頭に置かなければいけない。今、そういうことをおっしゃったのだと思います。
 そのほかにございますか。ございましたら何でも結構です。
 あと、この資料2に関して全般的に、もう1、2、3の区別なしで、言い忘れたとか、これはぜひ指摘しておきたいということがありましたら、どうぞお願いします。
 よろしいでしょうか。
 あと、きょう欠席のお二方から意見書が出されていすが、これはせっかく書かれているので、事務局からごく簡単に、こういう意見を出されたということだけ。ポイントだけで結構ですが、できますか。
 鈴木主査、お願いします。
○鈴木主査 それでは、本日御欠席されております平川委員からの意見書を御説明させていただきます。参考資料6をごらんください。
 御意見として3点いただいているのですけれども、1点目に規制の範囲について、動画サイトやSNSを活用した表示についても禁止するべきだという御意見をいただいております。こちらについては先ほど御議論をいただいたところです。
 2点目の広告禁止事項なのですけれども、こちらは客観的事実が証明できない事実については、現行より後退しないようにしっかりと省令に位置づけるべきという御意見でございます。
 3点目の広告可能事項の限定解除の範囲なのですけれども、現行の事務局案では、自由診療に限って治療のリスク、副作用等に関する事項を記載するべきだという事務局案を提示させていただいておりますけれども、自由診療だけではなく保険診療についても、このような情報提供を求めるべきではないか。
 以上3点をいただいております。
 続きまして、参考資料7の山口構成員からの意見書について御説明させていただきます。
 1点目の広告禁止事項についてなのですけれども、客観的事実が証明できない事項について、省令に規定しないことについて賛成ということを御記載いただいております。
 2点目の比較広告についても賛成という御意見をいただいております。
 3点目の体験談についても、禁止することに賛成いただいております。
 4点目のビフォーアフターについても、禁止することに賛成いただいております。
 次のページです。広告可能事項の限定解除の範囲についてですけれども、自由診療について、通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項を記載するべきという事務局案に対して、こちらに追加して、トラブルになりがちである治療本体に付随して勧められ、派生する追加費用についても記載させるべきではないかという御意見をいただいております。
 以上です。
○桐野座長 ありがとうございました。
 それでは、きょうの議論はほぼいろいろな意見を出していただいたということで、もし何か、やはり言っておこうということがあれば。
 よろしいでしょうか。
 よろしければ、事務局からございましたらお願いいたします。
○長房企画官 次回の日程でございますが、10月25日の水曜日、午前10時から12時に開催する予定です。
 場所等につきましては改めて御連絡をさせていただきます。
 私からは以上です。
○桐野座長 きょうはいろいろと御意見をいただきまして、ありがとうございました。これにて閉会いたします。
 どうもありがとうございました。


(了)

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