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2017年7月27日 第5回社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」議事録

社会・援護局

○日時

平成29年7月27日(木)15:00~18:00


○場所

TKPガーデンシティ竹橋 10階会議室(ホール10A)


○出席者

宮本 (部会長) 駒村 (部会長代理)
朝比奈 (委員) 石橋 (委員)
浦野 (委員) 大野 (委員)
岡崎 (委員) 岡部 (委員)
奥田 (委員) 勝部 (委員)
菊池 (委員) 小杉 (委員)
生水 (委員) 新保 (委員)
竹田 (委員) 平川 (委員)
福田 (委員) 松本 (委員)
渡辺 (委員) 前河参考人 (松井委員代理)
藤田参考人 (上尾市健康福祉部生活支援課副主幹)

○議題

(1)都道府県、町村、社会福祉法人の役割等について
(2)生活保護制度に関する国と地方の実務者協議について
(3)医療扶助の適正化・生活保護受給者の健康管理について

○議事

○竹垣課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第5回「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、大西委員は御欠席でございます。

 石橋委員、菊地委員、平川委員は、おくれてお見えになる予定です。

 また、松井委員の代理として、大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課長の前河参考人にお越しいただいています。

 また、本日は、生活保護受給者の健康管理に関する議論の参考人として、上尾市健康福祉部生活支援課副主幹、藤田恭子様に後ほどお越しいただくことになっております。

 前河参考人、藤田参考人の御出席につきまして、部会の御承認をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○竹垣課長 どうもありがとうございました。

 なお、岡崎委員、駒村委員につきましては、早目に退席される御予定とお伺いしております。

 それでは、これ以降の進行を宮本部会長にお願いしたいと存じます。カメラの方は御退席ください。

報道関係者 退室)

○竹垣課長 宮本部会長、よろしくお願いいたします。

○宮本部会長 皆様、大変暑い中、またお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。第5回の生活困窮者自立支援及び生活保護部会を始めさせていただきます。

 事務局も、会場確保にいつも大変御苦労されているようでありまして、毎回会場が変わって、我々は会場難民のようにあちらこちらさまよっておりますが、皆様お探しになったのではないでしょうか。こんなにいろいろたくさん会場があるものだなということがよくわかって勉強にはなるのですが。

 それでは、始めていきたいと思います。

 今日は、困窮者自立支援制度、生活保護制度双方にかかわる論点について、なおかつ、都道府県、町村、社会福祉法人等、それぞれの相互の役割にかかわる論点について御議論いただきたいと思います。

 また、生活保護をめぐる今日的な論点、あるいは国と地方の生活保護をめぐる実務者協議にかかわる報告もいただきたいと思います。

 また、医療扶助や生活保護受給者の健康管理についての論点も今日、俎上に上るかと思います。

 それでは、まず議題1「都道府県、町村、社会福祉法人の役割等について」事務局から資料説明をお願いいたします。

○本後室長 それでは、資料1をごらんいただければと思います。「都道府県、町村、社会福祉法人の役割等について」ということでございます。

 最初が、都道府県の役割でございます。2ページ、現在の都道府県の位置づけを整理させていただいております。

 まず、生活保護法、生活困窮者自立支援法ともに、実施主体としての役割があるということが1つ。

 それから、生活保護ですと事務監査等、生活困窮者ですと認定就労訓練の事業の認定権限等、権限に関すること。

 それから、これが今日の主なテーマでありますが、市等に対する支援ということで、生活困窮者自立支援法のほうは責務規定がございまして、その解釈としてさまざまな内容をやっていただいていると。

 それから、生活保護法については責務規定はございませんが、こうした業務をやっていただいているというのが今の状況でございます。

 3ページ目は、今、都道府県でされる予定がある事業。

 4ページは、市等に対する支援機能の実態ということで、都道府県に実施してほしい時宜、それから、都道府県が実施した事業を並べているものでございます。真ん中から下のほう、相談支援員等の育成・スキルアップのための支援は、市等が都道府県に実施してほしい事業であるとともに、都道府県も実施しているという事業。

 その2つ下、社会資源の広域的な開拓・創出や、都道府県による支援事業の実施は、市等からすると都道府県に実施してほしい事業ですが、実施した、あるいは実施して主体ができていないという答えが少なくなっている。このあたりにはギャップがございます。

 5ページ、6ページは、都道府県がしている広域的な支援の事業の例示でございます。

 7ページは、支援者同士の連携を図るための取り組みということで、我々が把握しているだけでも各県こういった取り組みがございます。

 大きな2つ目のテーマ、町村部における支援のあり方についてでございます。9ページは、福祉事務所を設置していない町村での支援ということになります。自立相談支援機関が対応すべき相談について、町村役場が一次的な窓口として対応している割合が7割となってございます。それから、相談窓口の設置の必要性ということで見ますと、必要性を感じていない町村が5割強ということですが、必要性を感じている自治体さんも12.1%、1割強ございます。全体のアンケートの母数が445ですので、大体50以上の自治体さんが、そういうお答えをされているということでございます。

10ページは、町村部における支援状況ということで、都道府県の実施している事業の状況を見てございます。全国平均を超える都道府県というのは、少ないという状況でございます。

11ページは、福祉行政における町村の位置づけをイメージとして整理したものでございます。福祉行政の中では、市町村が実施主体である制度、これは介護保険、障害福祉等々、こちらが基本となっております。福祉事務所設置自治体ということですと、生活保護、母子の関係ということになります。今の生活困窮者自立支援法は、福祉事務所設置自治体が主体ということになっておりますけれども、ここをどう考えるのかというのが論点であろうと思います。

 3点目、社会福祉法人の役割についてでございます。13ページに、平成28年の改正社会福祉法における地域における広域的な取り組みの責務規定を御紹介しております。

 それを踏まえて14ページですけれども、社会福祉法人の取り組みということで、もちろん各事業の担い手という役割はございますとともに、相談・現物給付による支援あるいは住まいの確保のための支援、認定就労訓練事業の認定を受けるといった取り組みが見られているところでございます。

16ページが、特に御議論いただきたい論点ということでございます。

 最初の都道府県の役割につきましては、人材育成、スーパーバイザー、支援ネットワークづくりといったことについて、都道府県はどのような役割を果たすべきか。

 2番目、町村部における支援ということで、現行では福祉事務所未設置町村は、生活困窮者自立支援法の実施主体とならないが、実施主体となることについてどう考えるか。

 3番目として、社会福祉法人の役割として、どのようなことが必要か。こういった点について御議論いただければと思っております。

 説明は以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、今の事務局の説明も踏まえて、皆様から御意見・御質問等を承っていきたいと思いますが、いつもどおり赤札を立てる形でお願いいたしたいと思います。

 その前に、今日は川崎市の福田市長がお見えでございますので、まず最初に、福田委員から御発言をお願いできればと思いますが、よろしいでしょうか。

○福田委員 ありがとうございます。川崎市長の福田紀彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。5回目になりまして私自身初めての参加ということで、これまでの会議の案件は事務方からしっかりと勉強しておりますので、何とかついていきたいと思います。

 御案内のとおり、一般市に比べて政令指定都市は生活保護の保護率も非常に高いというところもありまして、今回は政令指定都市の市長会推薦という立場ですので、そういった立場から発言してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、赤札が立っております前河参考人から、まずお願いします。

○前河参考人 資料1の5ページに、大阪府における生活困窮者等広域就労支援事業について掲載いただいておりますが、これに加えて、机上配付資料の11ページに「大阪府における広域支援の取組みについて」として、取り組みの全体を記載した資料を用意しておりますので、ごらんください。

 真ん中から下の大阪府における広域支援メニューとして、一時生活支援事業、広域就労支援事業の広域実施に加え、市町村向けの連絡会議につきましては年5回程度開催し、国からの伝達事項を含む情報提供、先進事例の発表、補助金の活用方法等の説明、市町村の意見交換の場の設定等を行っております。

 さらに、従事者研修の実施や地区別研修の調整支援、認定就労訓練事業所と自立相談支援機関の連携会議等の開催、また、府内43全市町村への訪問におきましては、窓口の状況を実際に確認しますとともに、意見交換や必要な助言等も行っております。その他としまして、事業実施や研修希望等について、市町村の意向を反映するためにアンケート調査を実施し、細やかな支援を心がけています。こうした都道府県による広域支援につきましては、第2回の部会で申し上げましたとおり、広域支援の位置づけの明確化ですとか、何らかの誘導策が必要であると考えます。

 あと、町村部における支援のあり方についても、少し述べさせていただきたいと思います。町村部では、個々の住民の状況を細やかに把握されていることが多く、福祉事務所設置自治体ではなくても、自立相談支援機関設置に対し意欲がある場合に実施できるよう、いわゆる設置できる規定にしてはどうかと考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、岡崎委員、お願いいたします。

○岡崎委員 高知市長でございます。

 我々も高知県内では、先行的に行政と市社協とハローワークの協働で生活支援相談センターを立ち上げまして、ネットワークはできてきたのですけれども、例えば、この会に御出席の方々のような民間のNPO組織がまだ少なく、民間の担い手が大幅に不足しているということを強く感じます。

 センターができるまでは、これまでどちらかというと縦割りで、周りもよく知らなかったような、例えば、引きこもりを支援しているNPOや、行政もあまり知らなかったNPOとつながってはきたのですけれども、民間部門も担い手は圧倒的に不足していると思います。

 高知の場合は平成の大合併があまり進まなかったので、高知県の人口は73万人ぐらいなのですが、現在、34市町村あります。34市町村の中で市が11市なので、11市には福祉事務所が設置されていますので、連携しようと思ったら連携はとれます。町村のほうも、それぞれ対応に濃淡があると思いますが、必要性は感じていると思いますけれども、いわゆる任意ですので、必要性を感じながらも、まだまだ体制ができていないという状況になっているのではないかと感じます。

 これから高齢化がさらに進んでいきますので、高知県の場合は全国平均の高齢化人口の10年先を行っていますので、高齢化が非常に高い。我々のところは27%ぐらいなのですけれども、高知市以外に行きますと大体35%から、中山間部は40%いっています。そうしますと、高齢で病気になるとどうしても生活困窮に立ち入ってしまうので、町村部を支援する県の役割というのは、人的な支援を含めて非常に重要になると思います。

 町村が独立してやっていけるのか、例えば、県レベルで相当バックアップしてやっていくのか、いずれにしてもマンパワーが要りますので、人材不足に直面するときがもうすぐ来るだろうと感じておりますので、そういう意味で、県の役割は、この分野でも非常に重要になると考えます。

 あと、全体で考えますと、平成30年度に向けて厚生労働省の方々も社会保障の自然増の伸びが6,300億円ぐらいあるのですかね。そのうちの5,000億円しか財務省が認めてくれないという話がありますので、1,300億円の削減が大変なことになっていますけれども、消費税が8%から10%になったときにどうなるかは、ちょっとわかりませんが、おそらくしばらく続くだろうということがありますので、ここは一つのパーツの部分になっていますけれども、社会保障全体の財源がどうしても不足しています。その根幹のところを何とかしたいという思いが非常に強くあります。当面、来年度の予算に向けて1,300億円をどこで削るかというところで、ここは社会・援護局ですけれども、それぞれの局同士でいろいろな調整とせめぎ合いが始まると思いますが、それを何とかしないと、なかなか前へ進めないのではないかということを強く感じているところです。

 1回目ですから、以上にしておきます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、大野委員、お願いします。

○大野委員 私たち民生委員としましては、生活保護法におきましても、生活困窮者自立支援法においても、地域の身近な相談相手として、福祉事務所や何かと関連しながら今までやってきております。地域住民の生活実態を見守り、また訪問する活動の中より、生活実態を必要に応じて把握すること、これが一番大切なところだと思って関連機関に情報提供しているところでございます。また、たくさんではありませんけれども、要支援者の相談・助言等も時には行うことがございます。

 本日ちょうだいした資料の中にも、支援者同士の連携が広がっているということが書かれております。やはり支援者同士が連携して、必要に応じて情報提供を図っていくことが一番大切なことではないかと思います。また、その際に、地域住民の生活実態をよく把握している私たちが、これからも民生委員としてかかわっていければ、よいのではないかと感じます。

 また、このことは社会福祉法人が実施している地域の広域的な取り組みでも同じことが言えると思います。子ども食堂や買い物支援などを通じて、社会福祉法人が行っている公益事業に私たち民協としてかかわっているところも大分ふえてきております。また、地域のことを知っている私たちだからこそ、地域の中の社会福祉法人と積極的に連携して支援していきたいと考えております。

 また、民生委員制度創設100周年ということで、7月9日、10日と東京ビッグサイトで式典が行われました。そのときには大勢の皆様にお越しいただきまして、盛会に終わることができまして、ありがとうございます。当日、席上で民生委員の100周年に対する活動スローガンが新たに決まりました。「支えあう 住みよい社会 地域から」。私たち民生委員一同このことを頭に置き、これからも頑張っていくつもりでおりますので、どうぞよろしく御指導のほど、お願いしたいと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 では、岡部委員、お願いします。

○岡部委員 私は、5点発言したいと思います。

 1点目は、都道府県、市区町村全てに共通することかと思いますが、生活困窮者に対してどのような制度か、また私たちが住民としてその人たちを支えるあるいは支えられる関係にあるという福祉意識の醸成を図るためには、制度の周知や啓発をまず行わなければならない。これは自治体の役割として行うべきであると考えます。

 2点目は、計画策定に生活困窮者の記述が入っているかどうかです。基本構想、基本計画、実施計画等の行政計画に、生活困窮者支援等の文言が入っていることが非常に重要であると思います。そのことが盛り込まれていることは、これを具体的に実施されるかどうかを含めて共有化できることになります。計画策定、これは大きくは基本構想や基本計画で具体的なところでは地域福祉の計画に入れていただくということが必要です。これは行っている自治体はあると思いますが、中には記述がなく計画策定に関わったとき非常に苦労したことがあります。そのため、計画策定に入れていただきたい。

 3点目は、当然、公民協働して行うことですので、自治体はそこでの技術的支援が行えることが必要だと思います。個別的あるいは地域的支援についてです。また、財政的な支援も可能であればお願いしたい。

 4点目は、都道府県の役割での人材養成です。研修等の人材養成は活動のかなめです。人材養成は役割として行う必要があります。

 5点目は、経常的なことですけれども、事務監査等をきちんと行っていただき、運営実施を実のあるものにしていただくことが必要かと考えます。私個人としては、一方が一方で支えるという関係ではなくて、それぞれが支え合う、支えられる関係であることを認識することが重要で、市民としての権利を主張すると同時に義務も果たすことの意識づけ、広報・周知・啓発、計画づくり、内実的にきちんとそれを担えるような技術的・財政的支援、人材養成、事務監査が必要と考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今日の最初の論点は、都道府県、市町村の縦の関係と、行政、そして社会福祉法人を含めた民間という横の関係と、錯綜した非常に広がりのある論点ですけれども、今、中間まとめ的な御発言をいただいたかなとも思います。

 続きまして、朝比奈委員、お願いします。

○朝比奈委員 まず、都道府県の役割についてですけれども、困窮者支援の分野では、とりわけ若い世代などは、身近な市町村という枠組みを超えてどんどん動いていくというお話は前回、この特別部会の前の検討会の中でも何人かの方から指摘をされていた点かと思います。

 加えて、現場で相談に携わっておりまして、どんどん新しい課題といいますか、なかなか参考例のないような困難な課題を抱えた方々に出会うことも非常に多くありまして、そういう意味では、常にそれぞれの現場がそれぞれのエリアを越えて、場合によっては横につながりながらブラッシュアップしていくようなネットワーク、広域的な役割というものが当然必要になるだろうと思います。

 その場合に、先ほど人的な支援というお話もありましたけれども、都道府県自身が直接相談自体にコミットするというようなことも含めて、都道府県と市町村が一緒になって、そうした困難な課題に取り組んでいくような、県の具体的な役割が考えられてよいと思っております。

 千葉県では、平成16年から中核地域生活支援センターという、自立相談支援事業に似たような、対象を特に限定しない相談事業に取り組んできておりますけれども、常に市町村の各関係機関と連携しながら、そうした個別事例にアプローチしていって、最終的には社会的孤立を解消するために身近な地域の社会資源につなげていくということも目指しておりますし、そういう意味では、そうした具体的な県の役割のあり方が検討されてしかるべきではないかと、1点申し上げます。

 もう一つ、町村部についてですけれども、千葉県では中核センターが県からの委託を受けまして、町村部の自立相談支援事業の運営もやっておりますけれども、仲間から話を聞くところによりますと、やはり地域づくりという点で町村の行政との連携は欠かせないのですが、ケース自体が町・村の方々がコミットする関係にないので、そこは非常に難しいということでした。

 先ほど申し上げましたとおり、最終的には身近な地域の中で孤立しないで暮らしていくというところがゴールになったときに、それがどのようにこのプロセスにかかわっていくかということは、もう一歩先を進めた取り組み、議論、仕組みが必要なのかなと思っております。

 資料1の11ページに「福祉行政における町村の位置づけ」ということで、市町村が実施主体である制度、それから、福祉事務所設置自治体ということで並べられておりますけれども、市町村が実施主体であるということで取り扱いの枠組みがもう少し大きくなるのではないかと思いますが、今議論が進んでおります包括的な相談支援体制整備、我が事・丸ごとの議論があって、その中に困難を抱えた人たち、町村に暮らす住民の方一人一人がしっかりと存在していなければならないだろうと。そのときに、その方に関する福祉的な情報などが違う枠組みに乗せられているというところで、そこで仕組み上排除が起きてしまうのではないかということを懸念しております。

 象徴的なのが、ここにはおそらく載っていないのですけれども、例えば、社会的養護の分野で児童相談所の措置等になった場合には、要保護児童対策地域協議会の少なくとも家庭児童相談室の取り扱いから外れていくということで、社会的養護を経験した子どもたち・若者たちのその後がより困難になるのは、もしかしたらこうした仕組みにも1つ原因があるのではないかと思っておりますので、町村が生活困窮者の人たちの一人一人の状態を承知しつつ、どこにどうやってそこにコミットしていくかという観点で、ぜひ役割を考えていただければと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 前段は、前河参考人に続いて都道府県の具体的な役割ということでした。後段は、町村の視点ということで、引き続いてすみません、札を立てていただいた順番は前後いたしますけれども、おそらく石橋委員のほうから、このタイミングで町村の視点を出していただけるとよいので、御発言いただきたいと思います。

○石橋委員 別の会議がございまして、遅れて参りまして申しわけございませんでした。

 町村の立場ということ、あるいは町村と県との関係ということで少し述べたいと思います。生活困窮者自立支援事業は、特に町村は住民に最も身近な存在でございますので、常に住民とも接しているということで、住民・利用者の生活実態の把握あるいは支援が行いやすいという立場です。こういったところから、福祉事務所がまだ設置されていない町村であっても、この事業を町村が行うことは意味があるものだろうと思うわけです。けれども、町村それぞれの実態があって、町村の過度な事務負担や財政負担を招かない配慮が必要であると思います。また、町村によって規模も異なり、現状では専門的な人材確保がなかなか難しい、あるいは人員配置も難しい、これが町村の実態であります。したがって、事業主体になることについて、全国一律に町村がやるべきだということではなく、それぞれの町村の事情に応じて町村が自発的にできるような、いわゆる任意、選択ができる仕組みが求められているのではないかと思うわけです。

 その上で、都道府県との関係ですけれども、福祉事務所の未設置町村の生活困窮者自立支援事業については、現状どおり都道府県にやってもらいたいという意見も町村の中では実はあるわけです。その場合、都道府県職員の派遣による窓口を町村でつくる、あるいは都道府県からの委託先を町村単位とするといったことをすれば、都道府県と町村との連携がより図られやすくなるのではないかと思っております。

 以上が、町村の立場としての意見です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、小杉委員、お願いいたします。

○小杉委員 私は、就労訓練あるいは就労準備の問題については、ぜひ都道府県に大きな役割を果たしていただきたいということを申し上げたいと思います。もともと労働というのは基礎自治体の範囲にとどまるものではなくて、私も埼玉県から東京都に通勤しておりますが、通勤圏というのはかなり広い部分があります。そういう意味で、大阪がやられているような広域連携というのは大変重要な役割を果たしていらっしゃるのだと思います。そこにおきましては特に、NPOを初めとした資源の開発、そして、実際のプログラムの共有化、さらに周知という話がございましたけれども、担当者と訓練事業を提供する側との関連を広域的に関連づけて、お互いに有効に活用できるような環境をつくる。その大きな役割になっていくのではないかと思います。

 また、都道府県では、ぜひ都道府県労働局との関連も強く持っていただきたいと思うところです。労働局の管轄では間違いなく職業訓練をやっております。雇用型訓練という事業所の中で事業主に雇われてからやる訓練プログラムの開発などもしております。生活困窮者の立場に立ってみれば、就労訓練の先の、より労働力として自立した形で働く訓練へとつなげていくというプロセスもあるわけで、あるいは雇用型訓練を提供している事業所の人材需要が非常に強かったりしますので、そういうところでは事業の切り出し方によっては対象者に合った訓練の切り出しの可能性もあるかもしれません。そういう意味では、その辺の情報を共有することによって、どちらにとってもプラスになるような面が生まれてくるかと思いますので、そのあたりは都道府県でなければできないと思いますので、就労に関しては都道府県に積極的に役割を果たしていただきたいと思うところです。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 生水委員、お願いします。

○生水委員 都道府県の役割について、少し違う視点から発言させていただきます。

 実は昨日、滋賀県の生活困窮者自立支援担当者に話を聞きました。一緒に考えてくれる、すごく頼りになる職員さんで、業務外の有志の勉強会にも喜んで来てくださる、めっちゃいい人なんです。彼が言うには、「自分は生活困窮者自立支援だけでなくて、地域福祉、県社協、定着支援センター、我が事・丸ごとなどほかの事業も1人で兼務しているため、人材育成研修や中間的就労等の働く場の受け皿づくりをしたくても、職員体制、予算がなくて積極的に地域に出向いて営業することができないので、非常に困っている」のだと。

 また、県内の市で実施している家計相談や就労準備支援事業について、「年間件数が少ないところがあると市が事業を継続する気持ちが離れてしまうのでこの事業は必要なのだと認識してもらうため一生懸命働きかけたいけれども、事業の必要性がなかなか伝わらない。例えば、家計相談でグリーンコープさんのような独自の貸付制度が進めば、ニーズが生まれるのではないか」とすごく悩まれていたんです。相談や行政職員の研修、事業支援、また、任意事業の広域的な推進や働く場づくり、市の予算のお手伝いなど、都道府県の役割は非常に重要です。県職員が市町を支援するのに困らないように、国はしっかりと都道府県を手助けする責任があると思います。

 もう一点、資料1の7ページにあります「支援者同士の連携等について」のしが生活支援者ネットについて、少し説明させてください。

 机上配付資料の7ページになります。しが生活支援者ネットについては、民間と行政の垣根を越えて、多様な分野の職種の人たちをつなげるネットワークを滋賀県につくっているものです。幅の広い厚みのある支援をすることを目指していまして、平成2212月に設立しました。私も事務局のメンバーです。このメンバーには、法律家や自治体職員、医療、教員、NPO、社協さんなど、現在225名がおります。緩やかなつながりですので、規約や会費もないです。活動内容は、連続講座とかシンポジウムの開催、メーリングリストの運営などを行っています。このネットワークについては、平成26年9月の滋賀県定例議会において、三日月知事がこうした公私協働の取り組みは、福祉・滋賀の伝統をさらに発展させるものであり、県としてもともに手を携えて取り組んでまいりたい、と力強く答弁いただいております。

 こうした地域での自発的な活動について、都道府県は積極的に後押しして、一緒に動いて応援をいただきたいと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 竹田委員、お願いします。

○竹田委員 私も、町役場で相談業務に当たる立場におりますので、先ほど来出ている町村部分に限って御発言させていただければと思います。

 今日の資料の9ページにもありますとおり、町役場が一次的な窓口として対応というのは、どこの市町村の役場であっても、住民の方は行政の窓口に相談に行きますので、対応せざるを得ないというのが正直なところではないかと思っております。その上の管轄する自立相談支援機関を案内するよりも、窓口として対応せざるを得ないというのが、今の実態ではないかと思っております。

 じゃあ、どこで対応するのかとなると、結果的に対応する部署がない中で、担当する職員がそれとなく対応せざるを得ないところがあって、結果的にきちんと解決まで至るかどうかというところに非常に問題が残る場合もあります。ですので、先ほど来いろいろ課題も挙がっておりますけれども、ソーシャルワーク実践を踏まえた環境整備ですとか、財政支援も含めて、きちんとした体制を構築していくということが必要ではないかと思っています。

 先ほど都道府県の役割の中で、朝比奈委員もおっしゃっておりましたが、県の立場で市町村の地域づくりがなかなか難しいというのもありましたけれども、逆の立場で言っても、県の担当者が来てやるとか、委託を受けてやるとかにしても、町村と直接委託契約にあるわけでもない中で、どう役割を果たしていくか。そのあたりも考えていかないと、11ページにあるような市町村が実施主体である制度と福祉事務所設置自治体の中で、この生活困窮自立支援制度をどう位置づけていくかによって、我が事・丸ごとの取り組みというのも、地域福祉計画が努力義務になる中で町村としてどう対応していくのか、この辺の整合性を図っていかないと、結果的に現場で対応する職員がまた困っていくということにもつながっていくのかなと思っております。実施主体になれるかどうかというのは、それぞれの町村のさまざまな環境によっても変わりますけれども、それも含めてどういう体制を構築していくのか、どういう役割を果たしていくのか。それが結果的に全国どこの自治体に住んでいても、安心して暮らしていける仕組みづくりにつながっていくのではないかと思っておりますので、是非、合わせてそういった体制をどう構築するか、そういうプロセスをどう考えていくかというあたりでご検討いただければと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続いて議論を進めていきますけれども、今日は3つ論点がございまして、それぞれの論点について全ての委員の皆さんに御発言いただくのは、なかなか難しいところもあろうかと思います。いつも極めて活発な議論の審議会の部会長のうれしい悲鳴でもあるのですけれども、もし、第2、第3の論点に親和性のある御発言であった場合、多少御調整もいただけると助かるなと思いますが、もう挙げている方はどんどん進めていきたいと思います。

 順番は間違えているかもしれませんが、浦野委員からお願いいたします。

○浦野委員 私は、社会福祉法人として何ができるか、また、やっていく上でどんな課題があるかといったことについて少し申し上げたいと思います。机上配付資料の2ページをごらんいただきたいと思います。これまでに社会福祉法人が、どんな取り組みをしているかを少し御紹介したいと思います。

 この会議の場でも、また一般にも、大阪府のしあわせネットワーク事業は大変有名でございますけれども、実は似たような形の取り組みが、今年の3月末時点での数字でございますけれども、既に全国で取り組み中が25都府県、準備中が22道県という形になっております。既に過半数で実践がなされているということで、中身としては、それぞれ都道府県によってバリエーションはいろいろあるわけですけれども、基本は緊急の総合的な相談をする、とにかく相談があったら何でも受けるということと、それから、今日明日の生活、食べるもの云々というようなところでは、緊急の経済的な支援をしていくという基本が、かなり共通して行われているところでございます。

 こういった取り組みのほか、例えば、これまでの会議の資料などにも紹介されておりますように、認定就労訓練事業実施事業者の55%が社会福祉法人で、まだまだ少ないとは思っておりますけれども、これもさらにふやしていくことができるだろうと考えております。社会福祉法人には、それだけの人、物等の資源がある。これを積極的に引き出していく必要があると考えております。

 また、このような都道府県単位だけではなくて、最近では一部には、市町村レベルで社会福祉法人が協働して取り組むという取り組みも広がっておりまして、例としてこの資料では、兵庫県の社会福祉協議会で市町村区域での連絡協議会を設置してやっている例なども掲載しておりますが、そういった市町村レベルでの取り組みも広がっております。

 こういう取り組みを広げていくに当たって、私たちのような事業主体の社会福祉法人だけでなくて、まさに社会福祉事業の連絡調整を主たる任務とする社会福祉協議会に、大きな役割を果たしていただくのは非常に重要なのだろうと思っております。音頭を取っていただくということもありますし、あるいは事務局を務めていただくということもあると思います。そういった形で、社会福祉協議会を軸にしながら地域の社会福祉法人が協力していくという形で、大きな力を発揮する潜在力があるのではないかと思っております。

 そうしたことを進めていく上で、では、社会福祉法人にとって障壁となるような阻害要因があるだろうかということを考えると、まだ十分に精査しておりませんけれども、人の使い方、お金の使い方というところで、まだまだ整理が必要なのだろうなと思っております。例えば、特別養護老人ホームの生活相談員が、特別養護老人ホームの利用者と直接はかかわりのない地域の人たちの相談に応じることについては、今、役所の通知でも全くだめだということではなくて、時間を示して一定程度できることになっているわけですけれども、実際にはこういった相談活動などを例にとりますと、時間を区切ってとか、勤務時間を案分してということは実態としては、なかなかできない話です。あるいはお金についても、法人本部の会計に一旦繰り入れて、そこから支出する分にはいいですよというような考え方もあるわけですけれども、実際に相談援助活動に要した人件費を、一々そのような案分操作をするということもあまり現実的ではないのだろうと思っております。

 そういうことを考えると、その辺は一々案分だとか経理を区分するということではなくて、特別養護老人ホームと一体的に行うというようなこともある程度認めていいのではないかと思っております。もちろん、それによって本来の特別養護老人ホームの仕事がおろそかになるのではないかという御心配をされる向きもあるかもしれません。ただ、これがある意味でお金になるような仕事であれば、本来の仕事を放置してお金になる仕事をするということもあり得るかもしれませんけれども、もともと無料または低額な費用で福祉サービスを提供するというのが社会福祉法第24条2項に書いてあるわけで、お金にならないことをやるわけですから、できないことまで無理してやろうということではなくて、できる余地のあるところだけやろうということですから、そういったことはある程度柔軟に認めていいのではないかと思っております。

 そのほかにも、いろいろ障壁があって、特別養護老人ホームのお風呂を地域の方に開放すると公衆浴場法の制約があるとか、他の法律にもいろいろあるわけですけれども、そういったところもできる限りハードルを下げていただくことによって、社会福祉法人がこういった活動により取り組みやすくするという環境整備もあわせて必要だろうと思っております。

 以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、おそらく社会福祉法人、社会福祉協議会の視点ということになろうかと思いますが、勝部委員、よろしくお願いいたします。

○勝部委員 人材養成の関係で都道府県の役割というお話ですけれども、現在、国研修でもかかわらせていただいているのですが、200人限定みたいな形で、そこに来られる方は何年申し込んでもなかなか来られないという人たちが各都道府県の中ではおられて、また、そこの研修と都道府県単位の伝達研修の中身というのが、かなりギャップがあるということも声としては聞くわけです。でき得れば、3年たってきているわけですから、それぞれの都道府県単位でしっかりと質の均一な研修ができることと、実際に相談の質というのは人材育成とイコールになって、相談力がこの事業のかなめになるわけですから、その方々のフォローアップをしっかりできる体制。これは研修という上からというものだけではなくて、先ほど生水委員がおっしゃったような、実際に横のネットワークのようなものでお互いに支え合っていく、これが前回からずっと申し上げていますようなバーンアウトを防いでいくところにも寄与できるのではないかと思います。

 もう一つが、職業のところは先ほど小杉委員もおっしゃっていたのですが、職業選択で言うと、我々豊中市などはサービス業が主になっていて、一次産業などはほとんど街の中で探し当てられない。逆に言うと、就労支援の中でもさまざまな職業選択をしようと思うときには、広域というのはとても重要な視点だと思いますので、ぜひとも、ここは都道府県の力をお借りしたいところです。

 それから、町村部につきましては、窓口は身近に、そして仕事は多様にということで考えていくと、先ほど対応していますよというところが7割あるということなのですが、窓口を一次的にというのは非常に難しい対応で、実際受けてはいるけれども、どこまでやるのというところが連携や連絡だけの話になるのか、大抵の方々が我々のところで支援している場合は、一度は市役所に相談に行ったことがある、役場に相談に行ったことがあるが、そのときの対応いかんで、その後ずっとつながらなくなっていくような人たちも多くおられますので、不明確な窓口という形での存在というのはどうなのかというのは、非常に思います。体制も含めて、我が事・丸ごとの多機関協働という視点で、そういう窓口設置につきましては、各町村の中にもしっかりと位置づけていただけるのがいいのではないかと思います。

 関連して、子ども家庭センターや発達相談などの対応が、町村では単独ではなかなか難しいということがあって、それが通えないとか、その後のフォローがなかなか難しいということで、何十年も引きこもっている状態の人たちが続いて声が上げられないということも、我々は過去にも実態として何度も相談を聞いていますので、この相談の入り口は、全ての自治体でしっかりと持っていただくということがいいのではないかと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、奥田委員、お願いします。

○奥田委員 私は、県での広域のネットワークづくり等々本当に大事だと思うのですけれども、そもそもネットワークをつくるには、プレーヤーがいないとネットワークはつくれないので、プレーヤー自体をどう増やすかということを一方で考えないと、ネットワーク、ネットワークと言っていてもなかなか難しいのではないか。

 かつて、例えば、絆基金とかNPO助成みたいな形があった時代もつい最近まであったのですが、すっかりなくなってしまいまして、例えば、県などのベースでNPOを育てるということを積極的にしないと、プレーヤー自体が枯渇するとネットワークも当然成り立たないということですね。ここでは全然ステージが違うかもしれませんが、例えば、ふるさと納税などをNPOに投入するようなことをみんなで推すとか、お肉とかお米もとってもいいことだと思います、地産地消のものをもらえるというのはすごくいいのですけれども、もう一歩公共的なものにつなげるような仕組みを少し推奨して、例えば、ふるさと納税などでNPO助成をするとか、そういうことができないか。

 同じような視点で、プレーヤーを増やすということで言うと、私は社会福祉法人さんの活躍というのはすごく大事だと思っているんです。ただ、私自身はNPOなので少し言わせていただくと、ここにも出てくる社会福祉法人のこういう独自の働きは当然あるし、これからも期待されていくことだろうと思うのですが、あまりざくっとそのとおりとは言えないかもしれませんけれども、やはり社会福祉法人は専門性がある程度高くて、制度をベースに活動してこられた。我々NPOというのは、どちらかというと割と制度ありきではなくて、何かやりたいことを勝手にやってきたみたいな、いい加減さもあるのですけれども、一方で自由な担保があった。今回の社会福祉法人の活用に関しては、社会福祉法人さんの中で完結していく議論をするのではなくて、社会福祉法人を基盤としながら、さっき、まさに社協さんがステージになるという話をされていましたけれども、私もそのとおりだと思います。協議会なのだから事業型だけではなくて、そこにプレーヤーとしてNPOなり大小さまざまあると思うのですが、例えば、社会福祉法人の中でまさにネットワークをつくっていただいて、ある程度ファンドをつくってNPOを活用していくとか、そういう二重三重の構造をつくらないと、単独の社会福祉法人の中でどんな議論ができるか、事業ができるかとやっていると、あまり自由度もないという中で難しい面が出てくるのではないか。そのあたりを社会福祉法人をベースとしたようなNPOとの連携みたいなプレーヤーのふやし方というのはできないものだろうか。また、社協さんがまさに協議会としての本領を発揮していただくというところは大いに期待するところです。

 それと、町村部なのですけれども居住などを考えると、例えば、県単位で居住支援協議会ができていますけれども、正直ちょっと遠い。県に1つの居住支援協議会というのは、ベースは全部県でしょうけれども、北九州の場合は市が持っているのですが、それにしても100万都市で1つの協議会というのは相当遠い。だから、居住のことを考えると、町村というのはいい単位なのではないかという気がいたします。

 最後に、再び県に戻りますけれども、ホームレスのことで言うと、さっき朝比奈委員がおっしゃったように、流動層の最たるものがホームレスで、そうなると、1つは広域実施でホームレスの対策を立てないと、単独の事業ではなかなか起こしにくい規模であると。そうなると、ホームレスの場合、出口が生活保護というケースが少なくないので、では実施はどこでするのかという整理をつけてあげないと、どこも手を挙げられないということになるので、県単位なりの広域実施でホームレス対策をすることは大賛成なのですけれども、一方で出口の議論をどうするか。ただ、そこで難しいのは、それぞれ居住を指定されるわけにはいかない。これは憲法上の権利の問題がありますから、そことのバランス関係も含めて、生活保護実施自治体をどう考えるかというのも、県として大きな整理が要るのではないかと思いました。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 最後に第1の議題に関しまして、本日、大西委員は御欠席なのですけれども、机上に配付資料が用意されておりますので、事務局から簡単に御説明をお願いいたします。

○本後室長 机上配付資料の3ページから大西委員の資料がございますので、御紹介させていただきます。

 1ページ、2ページは、法人としての取り組みを御紹介ということですので、御参照いただければと思います。

 3ページ以降に、社会福祉法人の広域的な取り組みを積極的に実施するための御意見という形でいただいています。

 1点目は、意見Aでございます。大阪府内で、各市町村に福祉施設連絡会等のネットワーク組織、関係機関による連携体制があると。それぞれの強みを生かした地域体制の構築が有効であると、先ほど来出ている御意見と同じような御意見をいただいてございます。

 2点目の意見B、措置費の弾力運用のためのさらなる規制の見直しをしてほしいということ。

 3点目の意見C、福祉施設の所在地の偏在により、地域のニーズに応え切れない場合があるということ。

 4点目の意見D、公益的な取り組みは重要であるが、本来公的制度で対応するべき対象者は公的制度で対応するべきであるといった御意見をいただいております。

 以上でございます。

○宮本部会長 では、もう時間を10分以上押していますので、よろしくお願いします。

○岡部委員 すみません、1点だけ。今、奥田委員がおっしゃった広域で対応することに賛同します。その上で自治体で一部事務組合の方式等を、ぜひ進めていただきたいことを発言致します。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、議題2となりますけれども「生活保護制度に関する国と地方の実務者協議の報告について」議論していきたいと思います。

 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○姫野推進官 それでは、資料2「生活保護制度に関する国と地方の実務者協議これまでの議論の整理」について、説明をさせていただきたいと思います。あわせて資料3、前回の宿題もございましたので、これも後ほど御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料2でございますが、今年2月から生活保護制度の見直しに向けまして、国と地方自治体の実務者協議を行ってまいりまして、7月10日まで合計6回の協議を行いまして、国と地方自治体の間で課題認識が一定程度収れんしてきましたので、議論の整理を行ったものでございます。本部会の議論にも関係するところが多々ありますので、今回、御報告させていただきたいと思います。

 中身でございますけれども、目次にありますように、就労支援など大きく8つに区分してまとめております。

 1ページでございますが、就労支援関係事業について2つ目の○にありますように、一定の成果を上げている一方で、事業の参加率が35.8%、就労・増収率が45.0%であり、自治体間の取組状況にばらつきがあるといった認識でございます。これを踏まえまして、まず、就労支援事業への参加率の向上ですとか、効果的な事業の実施方法を検討する必要があると。また、職場への定着が困難で転職を繰り返すといった方々に対する支援を一層強化していく必要があるといった認識でまとめております。次に、「具体的な議論」ということで詳細なところがございますけれども、ここは飛ばさせていただきたいと思います。

 4ページでございますが、就労支援の中で就労自立給付金につきまして、こちらは新たに設けられた制度でございますけれども、就労による保護廃止世帯のうち、就労自立給付金の支給を受けた世帯が占める割合は約4割前後ということになっております。一定の効果を評価する意見がある一方で、課題もあるということで、より効果的なインセンティブとなる仕組みなど、改善を検討する必要があるという中身になっております。

 5ページは、医療扶助の適正化・健康管理というテーマになっておりますが、次の議題でより詳細に御議論いただきますので、飛ばさせていただきます。

 8ページでございます。生活保護受給者の住まいや生活支援についての議論でございますが、無料低額宿泊所やその他の法的な位置づけのない施設につきまして、2つ目にありますように、いわゆる貧困ビジネスと言われるような悪質な事業者がある一方で、さまざまな生活支援に取り組んでいただいている事業者もあるということで、悪質な事業者を規制しつつ、生活支援を行う良質な事業者が活動しやすい環境づくりを進めていく必要があるという認識でございます。

10ページでございます。子どもの貧困対策についてですが、3つ目の○にありますように、貧困が世代を超えて連鎖しない環境を整備し、子どもの自立を助長していくことは重要な課題であるという共通認識でございます。必要な取組を進めていく必要があるということで、具体的な議論の中にありますように、大学等への進学支援などについての議論を行っております。

12ページでございますが、生活困窮者自立支援制度との連携についてということで、相互に対象者を紹介し合うような関係性が構築されてきているという評価でございますが、「具体的な議論」の一番下にありますように、さらなる効果的な連携の在り方について検討する必要があるとの意見もございました。

13ページでございますが、やや技術的な中身になりますが、事務負担の軽減についてということでございます。ケースワーカー1人当たりの世帯数は改善傾向となっておりますけれども、生活保護受給者に対する保護の適正な実施という観点からは、ケースワーク業務の在り方ですとか、事務負担の軽減について総合的に検討していく必要があるという認識になっております。

15ページでございますけれども、生活保護費の適正支給の確保策ということでございます。平成25年の保護法の改正において、さまざまな対策が講じられておりますけれども、さらなる対策ということで2つ目の○にありますように、過度に保護費をパチンコ等の娯楽に費消して、健康や自立した生活を損なうような事例に対するさらなる対策。それから、稼働能力の活用に係る指導・指示の徹底、扶養義務者の扶養調査等、適正受給に対する対策の必要性が指摘されたところでございます。

18ページの「その他」でございますけれども、都道府県等の役割についてということで、先ほどの議論とも少し関連するかもしれませんが、就労支援関係の業務ですとか医療扶助の適正化に関する業務については、広域にわたる人の動きがあったり、規模の経済性が見込まれるということで、都道府県による総合調整や情報提供・助言などが行うことができるようにすることを検討する必要があるといった内容になっております。

 資料2については、以上でございます。

 続きまして、資料3、前回の宿題をいただいた点でございますが、駒村部会長代理から前回、生活保護の高齢者の実態につきまして年齢区分をもう少し細分化できないかという宿題をいただいておりました。

 2ページでございますけれども、保護開始世帯と保護廃止世帯の年次推移でございますが、データの制約もありまして、6069歳の区分だけ5歳刻みに分けることができております。トレンドとしては大きく変わりはないかと思いますけれども、若干傾きなどが変わっているという状況でございます。

 3ページでございますが、被保護人員の年次推移、こちらは65歳以上ということでひとくくりにしておりましたけれども、65歳~80歳以上まで4つの区分に分けてグラフにしております。

 4ページは、男女で分けたグラフでございます。これもトレンドとしては大きく変わりはないかと思いますけれども、やや傾きなどの違いが見られるところです。

 5ページは、保護率の年次推移ですけれども、こちらも同じく65歳以上ということでひとくくりにしておりましたが、こちらも4区分に分けて整理しております。

 6ページは、男女で分けたグラフになっております。

 資料の説明は、以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 実は、本日の第2の論点から、生活困窮者自立支援制度そのものにかかわるというよりは、その視点を踏まえつつも、生活保護制度にかかわる議論に入ってまいります。このあたり、この部会としてどのように議論を進めていくのか、もちろん自立支援という視点から生活保護を論じることによって、その制度の趣旨がより多く生かされていくという点もございますし、この前も菊池委員から御発言があったように、最低生活保障という基準をより柔軟に、つまり、場合によっては自立の途上、その基準をかさ上げしていくというような柔軟な運用をしていくという点にも結びつくかとも思います。

 ただ、生活保護制度については、委員の皆様御承知のとおり、自立支援という視点だけからは論じ切れない、そこからだけ論じていると最低生活保障という原理原則を踏み外しかねない点も多々あろうかとも思います。そのあたりバランスを考えながら議論を進めていきたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。

 渡辺委員、お願いいたします。

○渡辺委員 私のほうから、子どもの貧困対策についてお話をさせていただきたいと思います。

 こちらで上がっておりますところで、生活保護世帯の子どもの大学進学に関してというのが出ておりますけれども、これは前回もお話にあったとおり、現状ですと非常に行きづらいということで、私どもが今見ているお子さんでも、生活保護世帯で非常に成績は優秀なのですけれども、現実に今、高校3年生で迷っていらっしゃると。1点だけで、要は自分が大学に行くことで家族の扶助費が減ってしまうというところで、家族に迷惑をかけたくないと。自分は、本当は行きたいのだけれども就職をするしかないのかなというところで、学校の先生とも随分話をしていて、学校の先生も大学進学を勧めてくれているのだけれども、そこが乗り越えられないと。毎年こういうお子さんは私たちが見ているだけでもいらっしゃる中で、生活保護世帯のお子さんたちが世帯分離という中で大学進学をするということで本当に行きやすいのかと。本来であったら33.1%というのはもっともっと上がる数字なのに、その制度で上がっていないのではないかということは非常に感じるところなので、そこはぜひ御検討いただきたいと思っております。

 あわせてもう一点、この話題が出てきた中で、逆に厚労部会から扶養義務の調査みたいなものが入るという話も出てきて、何かというと、生活保護世帯の家庭で扶養できる人がいる場合は扶養したほうがいいのではないかと。例えば、生活保護を出て、高校を出て働いたお子さんがいらっしゃれば、もし、そのお子さんが扶養する気持ちがあるのだったら、そのお子さんが家族を見れば生保から抜けるのだから、そうしたほうがいいのではないかという調査をもうちょっとしっかりやったほうがいいのではないかということです。本来的に調査をしたからといって、やらなければいけないわけではないのですけれども、そういうことがあるということになると、これから未来を考える子どもたちや家庭にとっては非常に厳しいものであり、それがこういうタイミングで出てくるということも、生活保護世帯の家庭のお子さんたちへのペナルティーというかプレッシャーになるのかなと思います。これから非常な少子化の中で、一人一人のお子さんたちがしっかりと貧困の連鎖から抜け出て、嫌な話かもしれないですけれども、非常に生産効率の高いというか、経済的にもしっかりと稼いでくれるようなお子さんたちになっていただくことを考えたときに、生活保護の家庭のお子さんたちをどうしていくのかということは、もうちょっと真剣に考えたほうがいいなと思っております。

 あわせて、前の話に戻りますけれども、事業分担の中で私たちがやっている中では高校生の学習支援といいますか、生活困窮している高校生や高校中退の方たちをどこが見るのかというのが非常に問題になります。基本的には今、市区町村とやっているので、中学生ぐらいまでは何の問題もなくやるのですけれども、高校生の支援はやはり必要ですよねといったときに、それはすごく感じるのだけれども、県立高校、都立高校だし、あそこは都がやってくれないとという話になりがちです。実際に、都が何かを具体的にやるかというとそこも非常に難しい中で、そこの年代をどうするのか、実施主体を市区町村がやるのか、都道府県がするのかという、高校生、高校中退のところは、その後ちゃんと自立していけるか、そうではないかという非常に重要な境目になると思うので、そこはぜひ制度の中でしっかりと決めていただけると、自治体の中でも動きやすいのかなと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今日初めて御発言の方に優先的にお話しいただきたいと思いますので、新保委員、お願いします。

○新保委員 国と地方の協議では、今般課題になっていることが丁寧に検討されていて、大変参考になりました。

 その中でケースワークのあり方が取り上げられていますけれども、今後、生活保護における相談援助や自立支援をよりよく実施するためには、指針となる手引き書等の整備が必要ではないかと思っております。これまで厚生労働省の保護課では、『生活保護担当職員の資質向上に関する提言』ですとか、「自立支援の手引き」、「相談対応の手引き」、「自立支援に関する研修の手引き」というような手引きを作成されていますが、時を経まして、その存在を知らない都道府県や福祉事務所関係者も少なくないと思っております。

 今、『生活保護手帳』というものを持ってきておりまして、これはケースワーカーさんが必ずいつも近くに持っているものだと思いますけれども、このような形で常に担当職員がそばに置いて、倫理や基本姿勢や相談援助、自立支援の基本事項が確認できるような手引き書、ないしは手帳の見直しみたいなものが求められていると思いますし、それは担当職員だけではなくて、関係機関や利用者の方にも中身を知っていただくことが望ましいと思っております。

 担当職員研修は、各都道府県、政令指定都市が実施していますけれども、国が研修の内容について一定の指針を示して、生活保護の運用実施だけではなくて相談支援の知識や技術を習得できるようにすることも求められていると思います。その際、生活保護制度が対象としているのは被保護者だけではなくて要保護者であって、生活困窮者自立支援制度が対象とするのは生活困窮者なのですけれども、双方の対象は重なっています。自立の考え方とか就労支援の考え方、概念というものも両制度は同じものですので、基本事項を学ぶ研修を両制度の担当課が協力して積極的に行うことも検討されていいのかなと思います。

 そのようなことを進めていくことを考えますと、前の議論ですけれども、都道府県の役割は極めて重要だと思っております。都道府県の生活保護と生活困窮者自立支援制度の主管課も、非常に限られた人数で多くの業務を担っていますが、先ほど来お話が出ていますけれども、保護も困窮も支援にかかわる人材こそ命だと思っておりますので、ぜひ都道府県が人材育成に積極的に取り組めるように、国に指針を示していただくことをお願いしたいと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、初めてということで駒村委員、お願いします。

○駒村部会長代理 4時半に別の審議会がありまして、そちらに出なければいけませんので、途中退室しますので一言。

 質問になるのですけれども、事務局にそういうデータがあるかどうか教えてもらいたいのですが、年齢別の推移を細かく見ていただきまして、ありがとうございます。70歳以上のところは率も受給者もふえていくということで、今後さらに高齢の生活保護受給者がふえていくのだろうなと思うのですけれども、前回も成年後見の利用者の話が出て、あれは生活困窮の方の0.8%だったと、主に障害の方だったということでしたけれども、ひとり身の高齢の方がふえていくときには、日常生活自立支援で対応できる部分と、それでは対応できなくて成年後見の利用もせざるを得ない。最近は、首長の成年後見の申請もふえているとお聞きしていますけれども、生活保護受給者の成年後見の利用というのはどんな実態になっているのか。あるいは生活保護受給者あるいは生活困窮のほうではあまり成年後見の需要は現場ではないのでしょうか。この辺は、もし議論があれば教えてもらいたいなと思います。まず、生活保護の受給者の成年後見の利用とその費用の支弁について、今日でなくてもいいのですけれども教えてもらえればと思います。高齢の身寄りのない困窮者がふえているということが関連する制度に負荷をかけていると。成年後見は法律制度改定で普及を進めているとは伺っていますけれども、先進国で成年後見、同様の制度を使っているのは大体人口の1%と言われているので、おそらく日本だと130万人ぐらいいてもいいはずなのが、その数分の1しかないということは、どういうことがブレーキにかかっているのか。特に、低所得者の場合は財産もないから使わなくてよろしいのか、それとも成年後見はそういう部分だけではないので、使う部分があるのだけれども、うまくそこが使いこなされていないのか、そういうところも気になったので、後日の資料でいいですので、御準備いただければと思います。

 以上です。

○宮本部会長 いかがいたしましょうか。今お答えいただける範囲でお答えいただいて、後で資料が整った段階で改めてということにしたいと思いますが、事務局よろしくお願いします。

○鈴木課長 生活保護受給者については、成年後見制度の利用者数は把握しておりません。

○宮本部会長 それは次回にということではなくて、そもそもデータがないということですか。

○鈴木課長 はい。

○宮本部会長 わかりました。よろしいですか。

○駒村分科会長代理 費用の支弁は、自治体ごとの補助制度みたいなものがあるところもあれば、ないところもあるので、生活保護本体からは鑑定の費用とかあるいは代理人の費用を月幾らと、これも社協のほうでやっている場合もあるかもしれませんけれども、費用も伴うのではないかと思いますが、いずれにしても生活保護から出していない可能性があるので、把握されていないのか。

○鈴木課長 費用のほうも生活保護制度では出しておりません。

○宮本部会長 続きまして、平川委員、お願いします。

○平川委員 おくれてきて申しわけありません。実務者協議の議論の整理のところですけれども、何点か意見を言わせていただきたいと思います。

 最初に、就労支援関連事業ですけれども、1年間という限定の事業という形になりますが、引きこもりの方やニートの方、長期間就労していないという方が大変多い中で、1年間限定というのはある意味、効率性やコストの観点から必要だということもあるのかもしれませんが、実績というか就労に結びつけていくところでは1年間ではなかなか難しいという声も多く聞こえております。全て延ばすということにはなかなかならないと思いますけれども、状況に応じて特例的に1年間の期間の延長を認めるということについても、少し検討してもいいのではないかと考えているところです。

 それから、子どもの貧困については前回も発言させていただきましたし、ここに書いてある議論の内容も、まさにこのとおりだなと考えているところです。

 それから、6番の事務負担の軽減ですけれども、最近、年金の受給資格期間が10年に短縮されるという状況の中で、今は事務負担が大変多くなっている状況があります。そんな中、会計検査院の指摘によって、保護廃止ケースの債権管理が大変な作業になっているということも聞いております。死亡ケースの場合ですけれども、例えば、おいっ子やめいっ子まで督促しなければいけないという状況で、扶養義務者と20年以上の交流がない場合でも、扶養調査の場合はしなくてもいいとなっているのですが、債権については督促をしなければならないとなっていまして、これはトラブルのもとになるということですので、何らかの対応策が必要ではないかというお話も聞いております。

 そのほか議論の整理の中ではさまざまな議論をされておりますけれども、おおむねこういう方向で議論し、よりよい制度改革に向けて議論を進めていければいいのかなと考えているところです。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、岡部委員、生水委員の順番でいきます。まだ御発言されていない方もおられますけれども、2度目の発言になる方からは申しわけございませんが、3分間ルールを厳格に適応させていただきます。今、スマホのタイマーを出しましたので、よろしくお願いいたしたいと思います。

○岡部委員 私は5~7ページに書いてあります医療扶助の適正化についてです。この記述内容についてはおおむね了解します。しかし1点だけ、どうしても納得ができませんので、発言をさせていただきます。

 医療扶助の適正化において、6ページの頻回受診等の対策で窓口負担を導入するとしています。これは自己負担を導入するという議論です。生活保護制度で、一部負担を導入することは、考え方としてなじまない、反対であるというのが私の意見です。

 医療扶助の給付方法は、現物給付を原則としております。これは、戦前から一貫して現物給付で行っています。医療も商品として考え、市場で売買される考え方で行っていますが、医療は公共的性格を持ちますので、医療の場である機関、医療従事者の資格、診療報酬、費用に規制をかけています。医療の費用は、ファンド形式として保険方式で行っています。しかしながら、経済的困窮状態にある人、障害のある人、伝染性疾患のある人、被爆者など、経済困窮、福祉的支援、社会防衛、戦争犠牲者等については税方式で行っています。そのため生活保護において、医療は税方式で行っています。それを一部自己負担にしようという意見が出されています。社会保険の方式で一部自己負担を導入するのは一定の所得を前提にする考え方に立ちますので、生活保護においてはなじまない。そのため、この意見には反対です。

 それともう一つ、他の扶助と違って、最低という医療はない。最適な医療を提供する。生活保護を受けている、受けていないにかかわらず、最適な医療を提供することが医療の性格です。そう考えたときに、これを自己負担で行うことは考え方もなじみませんし、もう一つは、最適な医療を医療扶助で提供ししなければなりません。過剰診療であるとか、不要な医療については、きちんと適正化をやらなければなりませんが、自己負担ということは最低生活費の見合いで一部自己負担は導入していますが、これを窓口で導入することは、考え方からしても、制度的な仕組みからしてもあり得ない話です。払った後に還付することを、償還払いという言い方をしますが、これは一定の所得が、資産のある人が後で償還するする方式である。それを実施機関側が御本人に払っていただくということは、医療の費用は診療報酬、点数単価方式で行っていますので、定額制で行っているということならば、ある程度金額が見込めますが、これもあり得ない。これは一般的な議論としては必要かと思いますけれども、生活保護の中でこの議論はしてほしくない。これは、私としては強く反対を訴えたいと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今の問題については、第3の論点でも資料の中に出てくるかなと思いますが、確かにそのような、医療扶助の窓口負担の可能性について、それを求める議論があるということが1つの議論として紹介されているわけですけれども、そこを出発点にしていいのかというのは私としても少し気になったところですので、後でまた議論になるかと思います。ありがとうございました。

 続きまして、生水委員、お願いします。

○生水委員 資料2の13ページにあります、ケースワーカーの事務負担の軽減について意見を述べます。

 例えば、野洲では生活保護受給者だから全てケースワーカーが抱え込むというのではなくて、高齢者であれば地域包括支援センター、母子家庭であれば子育て家庭支援課、障害があれば障害担当部署、また、借金や消費生活などの契約問題については市民生活相談課といったように、課題にかかわりのある部署が役割分担し、協力し合って対応しています。しかし、生活困窮者自立支援制度との連携においては、対象者で区別されているために、このような役割分担ができないです。例えば、多重債務で家計相談を行っていても、生活保護になれば継続して家計相談を行うことはできないため、債務整理に必要な家計簿の作成のお手伝いをすることはできないなどの支障があります。ケースワーカーは業務量が非常に多くて、家計相談を行う余裕はないです。

 また、生活保護は給付事務が一緒であるため、指導の要素が強くて、ましてや第63条、第78条返還金徴収があれば、受給者と対立構造となるリスクがあります。特に資料の14ページにある第63条返還金の議論において、生活保護受給者でない人でも自己破産すれば税金でさえ執行停止や不納欠損処理を検討するのに、第78条と比べて悪質ではなく、また資産もない人に対して自己破産しても確実な回収を検討しているというのは、受給者の生活を壊しかねず、ケースワーカーの事務負担がさらに増えるばかりではないかと思います。

 そこでケースワーカーの事務負担軽減については、支援という観点からも、前回奥田委員が御指摘されていましたように、生活保護については法定受託事務である給付事務と自治事務であるケースワークを分離した仕組みを検討すべきではないかと思います。

 ただ一方で、生活保護ケースワーカーは自治体にとっては重要な職務です。社会保障制度が措置から契約に変わったことで、高齢者福祉は介護保険法により、相談はケアマネジャーへ、障害者福祉は障害者総合支援法により相談は相談支援事業所となりました。市町村は事業者やサービスに国の基準を当てはめて基準に合致しているかをチェックして、合致していれば支払う、合致していなければ指導するなど、制度の運用と審査、支給、指導が役割となっています。これによって市町村は、とにかく膨大な事務作業が中心となりまして、生活保護以外については、いわゆるケースワーカーがいなくなりました。なのに、虐待事案や超困難なケースは市町村の対応であるため、経験値が積まれない中で現場において職員は困惑しています。生活困窮者の生の声を聞いてケースワークすることによって、相談者が何に困っていて、何が必要なのかを職員は肌で知って理解することができます。この肌感覚がとても大切なんです。

 生活困窮者自立支援制度については、市において必須事業と任意事業をどのような体制で行うのかを考えて、予算の確保をするのは自治体の職員です。職員が制度を理解して、市役所は地域の特性に合う相談支援の体制を考えて事業計画を立てることが求められているのですが、職員の経験値が高くなければ、この事業計画を考えることが難しいのが実情です。

 以上のことからも、事務負担の軽減を考えるに当たっては、職員の経験値を高め、肌感覚を養える仕組みを自治体の中にしっかり担保すること。生活保護受給者や生活困窮者が相互に制度を活用できるようにすること。そして、膨大な事務作業をシンプルにすることという観点も必要ではないかと考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、奥田委員、お願いいたします。

○奥田委員 私は、まず9ページの「生活保護受給者の住まいや生活支援について」で提案されている、生活支援サービスの提供に係るコストに対応した支出の仕組みを検討する必要があるということで、私はこれは、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。

 ただ、そこにおいて、これは無低が議論のベースになっているのですが、果たして無料低額宿泊施設等という枠でこのままずっと議論していくのが本当にいいのか、現在の社会に必要な受け皿というか、必要な仕組みは何なのかをまず議論した上でやるのか。これは順番の問題で言うと、最初から無低で絞ってしまって議論するのが本当にいいのか。

 私は、以前から勝手なことばかり言っていまして、1種と2種の間の1.5種をつくってくれみたいな話を言っているのですけれども、私は無低に限ってやることで非常に足かせになっているような気がするので、無低は無低、今必要なものは何かという議論が必要だと思います。

 その次に、では、生活支援が必要な人は1.5種であろうが無低であろうが、そういうところに入っている人だけかというと違うと思うんです。居住支援全般に議論が今広がってきている中で、生活保護世帯で緩やかでも、もしくは具体的にでも地域個住の中で生活支援が必要な人が広がってきているので、これが他制度を使えればいいのだけれども、他制度を使えないところでどうするかということになると、無低における生活支援費の議論は実は地域の個住においても発展する可能性はあるのではないか。だから、そこで生活支援が必要だというのだったら、そこまで広げる必要がある。

 もう一つですが、住宅の問題等は民間市場でベースをやってきたので、やはり民民の中でできる限りのことをやりたいと自分自身では思っているんです。常に国からお金をもらわないとやれないという制度ではなくて、民間の資力なり能力をどう使うかというのが大事だと。その中で1つ思うのは、生活支援なり大家さんの安心ということでいうと保障制度なり、そういう民民の契約をやっていく中で、大家さんが安心して貸してくれるようにするには、代理納付制度の拡充というか適用をもうちょっと行政としてふやしていく。例えば、家賃だけの代理納付ではなくて共益費、これも既に一部実施されていますが、あと債務保証の料金、あるいは今回議論されている生活支援費、こういうものが代理納付として直接サービス提供者に入るということをしないと、なかなか大家さんは安心できないのではないかと思います。

 最後に、ざくっと見ていて生活保護の議論の中にあまり社会的な孤立という観点がないなと。やはり給付中心で、社会的孤立の観点があまりない。そうなると、先ほど生水委員がおっしゃったように、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度というのは一部併用しながら、強みをお互いに出していくということをやらないと、もったいないのではないかと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、勝部委員、お願いします。

○勝部委員 今、言おうと思っていたのは社会的孤立という観点が、生活困窮者のところではこの間ずっと議論してきていますので、就労だけがゴールではないと、社会的な役割であるとか、一人一人の尊厳というところで対応していこうということで、多様な働き方や、その人の多様な社会的存在をちゃんと認めていけるような支援をしようということで進めているのですが、その結果、生活保護を一旦受給ということになると、就労不可となった場合に、就労不可から後はほとんど家の中から出ることがなく、余計に体がどんどん悪くなっていくと。65歳に達して、それまでアルミ缶を集めたり、地域の中で、それも生活保護を受けないで頑張ってきていて、それでも生活の安定も含めて支援に結びついたとたんに、体調がどんどん悪くなっていくという事例も残念ながらあることを考えますと、ここの連携・連絡、継続性のところでもう少し一緒に動けると、その人のもう一歩先まで応援できるのではないかと強く思います。

 加えまして、家計のところも生活保護の中で、日常生活自立支援事業で判断能力が乏しい人たちの応援というのは、かなりのパーセントであるのですが、家計ができない人たちの中に、先ほどのギャンブル依存であるとか、アルコール依存であるとか、依存の人たちの問題も非常にあって、この人たちが必ずしも知的障害や認知症、精神障害ということではない場合もあり、この方々の生活というのがうまく回せていないという問題もあるので、この辺は支援でいうと、生活困窮のほうではかなり丁寧にやってきた実績もあるので、これが生活保護のケースワークの中で生かしていけないのかなというのは強く思います。生活困窮と生活保護の支援のベクトルの連続性が課題です。

 3点目が、今ケースワーカーが非常にたくさんの業務を担っているということなのですが、結局、人数がどんどんふえていっているということで、非正規の職員さんがふえ続けています。極端にいうと、4月、5月に人事異動があって、初めましてということで訪問して、それから2回目、3回目の訪問もないままに、また新たな人が行くと。こういう状況では、信頼関係や踏み込んだ形での支援になかなか結びつかないという、現場では本当に厳しいお話があります。その人たちを自立させていくとか、その人の就労まで結びつけていこうと思えば、相当力量と経験値が必要になるということを考えますと、非正規の形でいくのか、ケースワークということについては、ソーシャルワーカーという専門職的な配置で正規職員の配置も強化していかないと被保護者との信頼関係も結べない。例えば、ケースワーカー何人に1人はきっちり正規の社会福祉士を置くとか、そういうことで一定の配置が決まっていかないと大変厳しいのではないかと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 第2の論点は、あと岡崎委員ということでよろしいでしょうか。御協力いただいたおかげで、何とかその後休憩がとれそうです。今日は休憩なしかなという雲行きでしたけれども、岡崎委員の発言の長さにもよりますけれども、よろしくお願いいたします。

○岡崎委員 随分昔にケースワーカーをやっていましたので、私どもがケースワーカーをやっていた時代と、今のケースワーカーとは圧倒的に事務量が違うと思います。骨子でもケースワーカーが本来のケースワークの時間がとれないという実態もあって、この中にも出てきますけれども、事務の軽減という形で、先ほど少し話が出ました非常勤特別職をいろいろ入れています。できるだけ周りの事務的なものを非常勤特別職がとって、ケースワーカーに本来のケースワークをしていただきたいという趣旨です。例えば、就労支援につきましても、ケースワーカーが就労支援にずっとついていくと、ほかのケースを回られなくなりますので、就労支援員とか、子どもを貧困から防ぐという意味で就学支援、今、生活保護を受けている中学生が生活保護世帯のうち約400人いますので、本当は400人全員引っ張り出したいのですけれども、そのうち3分の1が本市のチャレンジ塾へ来ています。生保の子どもだけ集めると特定されますので、生保と準困と一般家庭。大体来ている子どもは400人いますが、生保の子どもは約3分の1しか来ていませんので、残り3分の2を引っ張り出すめたに、就学支援員を非常勤特別職で入れたりしています。

 今うちも生活保護率は高いですので、正規のケースワーカーが多分120名を超えていると思います。持ちケースも国基準では1人80ケースが標準になっていますけれども、うちは多分8090の間でいっていると思います。非常勤特別職は多分、今40名近くになっていると思います。それぞれ名称は違いますが。前も1回申し上げましたが、非常勤特別職に対します財源の手当というのが各種確認はできていませんけれども、見ていただいていない部分というのは当然あると思いますので、ケースワーカー本来のケースワークに入ってもらうためには、非常勤特別職が業務としてもふえていくと思うので、財源の問題があると思います。

 何とか生活保護にならないように回避してもらうという支援の中で、例えば、社協・民協が持っている緊急生活資金で貸し付けて、しのいでもらうというのがありますけれども、徴収率・回収率の問題があって、今、市社協のほうでも多分回収率を気にして、間に民生委員さんが入っていると思いますが、十分貸せていないという実態があると思います。グリーンコープさんなどは回収率が100%に近いと聞いていますけれども、多分、伴奏型・寄り添い型でずっと支援しているのでフォローができているのではないかと思いますが、緊急生活資金のようなものは民生委員さんが間に入っていますけれども、民生委員さん自体が寄り添い型ではないので回収できない部分があるので、貸せないという話もあって、つなぎができないので、最終的に生保へ来ているというケースもあると思うので、このあたりは1つの課題だと思います。

 生活支援のいい部分と、生活保護との部分がうまくミックスできないかという議論があるので、もう少し研究しながら、例えば、社会的な孤立も含めて生保でうまくいっていない部分をどこかでカバーできる仕組みができたほうがいいと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、今から5分、大変短くて恐縮ですけれども、ほとんどお手洗いの休憩ということになるかと思いますが、50分に再開させていただきたいと思いますので、50分までに席にお戻りください。よろしくお願いします。

 

(休  憩)

 

○宮本部会長 よろしいでしょうか。せわしない休憩ではございますが、始めていきたいと思います。

 続きまして、議題3となりますが「医療扶助の適正化・健康管理について」に入りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○鈴木課長 お手元の資料4「医療扶助の適正化・生活保護受給者の健康管理について」でございます。

 まず、大きな動向を御説明します。1ページでございます。医療扶助費の動向でございますが、ごらんのように高齢者の増加に伴いまして、医療扶助全体として増加傾向にございます。

 2ページでございますが、医療扶助の特性を並べてみました。まず対象者が、高齢者が多い。そして、左側の図で、入院の割合が一般よりも多いとなっております。また、右側の図で、入院は精神・行動の障害の割合が高い。また、入院外は医療保険とほぼ同様となっております。注意していただきたいのは、注にございますけれども、入院外の場合は障害者福祉の自立支援医療である精神通院医療あるいは更生医療といった他制度が使われる場合がございますので、その場合は10割が他の制度の負担になります。このため、医療扶助のレセプトとしては福祉事務所に請求されないということがございますので、医療保険と同じような割合になっているということでございます。

 3ページでございますが、医療扶助費の伸びの要因分解をしてみました。先ほどざっくり申し上げましたけれども、医療扶助の伸び率を分解していきますと、例えば、丸2の世界金融危機後は被保護者の数の増加による影響が大きい。また、近年は丸3高齢化(年齢構成の変化)による増加の影響が大きいとなっております。

 「その他」の部分は、丸2と丸3の残差ということでございますので、どれかということは特定できませんが、ごらんのようになっております。また、直近の平成27年度は1.9と若干伸びておりますが、参考に4ページが国民医療費、すなわち医療全体の伸びになっておりますけれども、「その他」残差の部分は2.7%、これは調剤部分が特に薬剤費の影響が大きいということでございまして、医療扶助についても調剤が大きいということはデータで言えますが、おそらく薬剤費の伸びということではないかと考えております。

 5ページ以降で、医療扶助の要因分解をしております。これは、被保護者一人当たりの医療扶助費を三要素、すなわち、受診率、1件当たり日数、1日当たりの医療(扶助)費(単価)の3つに分けて分解したものでございます。

 5ページは入院に関してですけれども、入院につきましては、ごらんのとおり受診率が一般の医療保険よりも高くなっております。これは、精神・行動の障害、精神科の入院部分が寄与しているということでございます。

 6ページでございますけれども、同じように入院外について三要素に分けたものでございます。おおむね医療扶助のほうが高い状況でございますが、受診率で高齢者70歳以上の部分、そして、子どもの部分については、医療扶助のほうがむしろ受診率が低くなっているということでございます。

 7ページですけれども、歯科について同じように分析したものですが、こちらも先ほど外来と同じように受診率については、高齢者と子どもについて一般の方よりも受診率が低く、差が生じているという状況でございます。

 8ページは、医療扶助の受診日数の分布状況について、何日使っているか、患者割合、1人当たり受診日数を、平成24年度からの年次推移として記載しています。患者割合や受診日数を見ていただきますと、患者割合は増加しておりますけれども、1人当たりの受診日数は減少しており、また、受診日数が長くなっている者の割合のところを見ていただきますと、これも減少している傾向にございます。

 また、9ページは、今申し上げたものを医療保険制度の被保険者と比べたものでございます。医療扶助については受診日数ごとの患者割合、患者1人当たりの受診日数のどちらを見ていただいても、国民健康保険と後期高齢者医療の中間ぐらいになっております。いわゆる頻回受診と言われるような層の方の割合についても、同じように国保と後期高齢者医療の中間くらいとなっているところでございます。

10ページは、入院外について受診した医療機関の数、1か月間に何か所受診したかということでございます。括弧の中で見ていただきますと、全体の中から受診しなかった人を除き、受診した人を100とした割合で、1か所受診した人、2か所受診した人というふうに見ますと、医療扶助は1か所受診した人が74.4%ということで、医療保険制度と比べましても大変高くなっておりまして、2か所、3か所受診した人の割合はいずれも医療保険制度に比べると低くなっているという状況でございます。

11ページは、1人当たりの医療費を地域保険である市町村国保、後期高齢者医療を足したものと年齢調整した上で、それぞれの1人当たり単価を縦軸・横軸の中にプロットいたしまして、相関係数を見たものでございます。ごらんのとおり0.71ということで、医療扶助の費用と地域保険の費用は、強い相関関係にあると見てとれるかと思います。

 同じように12ページは、後発医薬品の使用割合です。縦軸と横軸が先ほどと反対で、縦軸に医療扶助、横軸に医療全体の使用割合としてプロットしたものですが、これも同じように相関関係が見られるところでございます。マクロのデータについては以上のような感じです。

13 ページでは、医療扶助制度固有の取組について見れば、医療扶助患者に直接にコミットメントできるという特性がございますので、そういったことも踏まえて、改革工程表として取り組むべき事項等を定めたものでございます。医療の関係の柱が3つ立っておりまして、矢印の帯がございますが、後発医薬品の使用割合、頻回受診などの適正受診、健康管理支援のあり方を検討といったことが改革工程表の中に記載されております。

 これを踏まえまして、現在の取組が14ページでございます。まず、後発医薬品の使用促進でございますけれども、前回の法律改正で第34条3項にありますけれども、医師または歯科医師が医学的知見に基づき、後発医薬品を使用することができると認めたものについては、可能な限り後発医薬品の使用を促すということを法律に書きまして、先発を希望する方は福祉事務所の指導の対象としております。この取組の結果、直近平成28年6月のレセプトで見ますと後発医薬品の使用割合が69.3%ということで、かなり上昇してきております。目標としては、今年半ばで75%、来年以降で80%を目標に定めているところでございます。真ん中の「取組の課題」でございますが、医師が一般名で処方したにもかかわらず後発医薬品が調剤されなかった場合については、その理由をレセプトに書くことになっておりますけれども、その中で、「患者の意向」というのが多くなっているということが課題かと考えておりまして、追加的な対策を考えなければいけないと思っているところでございます。

15ページは、後発医薬品の使用状況の地域差ということでございます。

16ページは、重複調剤などの対策ですけれども「趣旨」のところの○の1つ目にございますが、処方せんを持参していただく薬局をできる限り1か所にすることで、そこで重複調剤あるいは併用禁忌薬を発見していただいて、その情報を医師に提供していただくということによって、重複調剤対策ができないかということでございます。これに関しては、右の枠にございますように、財務省の予算執行調査でも、東大阪市の先行事例を検証しておりまして、この評価では一定の効果があったとされているところでございます。これにつきまして、私どものほうでも今年度モデル事業を実施しているところでございまして、その効果を見ながら来年度以降の対策を検討したいと考えております。

17ページが頻回受診対策でございますが、最初の枠にございますように、1か月間に15日以上受診することが3か月以上続いている方であって、主治医・嘱託医がこれは頻回ではないかと認めた方について、指導を行ってきておりますが、下の枠内にございますけれども、これから受診対象の範囲を順次拡大していく中で取組を進めたいと考えております。

18ページからが健康管理の関係でございます。生活保護受給者は、健康状態が一般の方に比べてかなり悪いということが言えるかと思います。このページは内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームでございますけれども、医療保険加入者の方に比べて、男性・女性とも該当者あるいは予備軍、リスクを抱える方の割合が大変高くなっております。

19ページで、主たる生活習慣病を3つ挙げさせていただいておりますが、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、いずれにつきましてもそれぞれHbA1Cなどの値でございますが、グラフの黒いほうが医療機関への受診勧奨を必要とするような値の方で、点々のほうが少し保健指導を要するような方なのですけれども、どれを見ましても、生活保護の方のほうが健康状態は悪いということが言えるかと思います。

 次の20ページでございますが、これは医療扶助のレセプトからレセプトの病名と医薬品を突き合わせまして、受給者の中でどれくらいの方が治療をされているかということでございますけれども、高血圧症、糖尿病、脂質異常症それぞれ円グラフにあるようにございまして、3疾患いずれかで24%ということで、お子さんも含めた200万人の中の50万人以上が、この生活習慣病3つにかかっているという状況でございます。

 こういった状況を踏まえまして、21ページでございますけれども、さきに検討会を開催したところですけれども、医療保険分野では、データに基づいてこうした生活習慣病の予防に取り組むデータヘルスが進められているところでございますが、生活保護受給者は被用者保険に入っている方はいらっしゃいますけれども、医療保険に入っていない方は福祉事務所が生活習慣の予防を進めるしかございませんので、そういった意味で、図の中に記載しておりますが、福祉事務所において、受給者のレセプト、健診・検査データを集めたデータベースをつくりまして、データに基づいて対象者の方に対して健康管理の支援・指導などを行うと。また、そういうデータは国において集めさせていただいて、その分析をしていくというデータヘルスの取組を行うことが必要ではないかという議論を検討会において行っています。

 また、上の枠内の3つ目の○にございますけれども、生活保護世帯のお子さんについては、生活習慣が確立していない、例えば歯磨きの習慣、あるいは朝食を食べるか、お菓子を決まった時間に食べるかといったことに関して、自治体の調査ではなかなか生保の方はできていないということもございまして、そういった子どもの生活習慣確立に取り組む必要があると。これはいろいろな知見がございませんので、モデル的な実施から始めてはどうかという検討会のまとめでございます。

22ページは、検討会の概要でございます。

23ページからが、国と地方の実務者協議の医療扶助の関連の部分でございます。まず、医療扶助の適正化については、今申し上げたような点がそれぞれ「具体的な議論」に記載されています。すみません。「取組」と記載しておりますが「議論」の間違いです。まず、後発医薬品の使用促進については、使用割合の伸びがそろそろ鈍化してきているということで、さらなる取組が必要ではないか。そして、医師・歯科医師が使用することができるとしている場合には、原則として使用することとするなど、対策の強化について検討する必要があるという議論です。

 また、重複調剤などについては、薬局を1か所に集約することが効率的との意見がある一方で、薬局が遠方にあったり、在庫がなかったり、営業時間外だったりといったいろいろな課題があるので、地域の実情に応じて考える必要があるという感じでございました。

24ページでございます。頻回受診対策については、対象者によっては効果が一時的で、元に戻ってしまうという御指摘がございました。そして、先ほど御意見がございましたけれども、さらなる対策として、医療機関で窓口負担を支払っていただくことで改善の効果が期待されるのではないかという意見がございました。

 これに対しましては、最低限度の生活を下回ることがないようにする必要、それから、必要な医療まで控えてしまうのではないかということ、そして、福祉事務所の事務処理負担といった課題があるので、さらなる検討が必要ということで、この実務者協議の中では整理させていただいております。

 また、「その他」ですけれども、医療関係団体を含めていろいろな協議、情報の共有が必要、それから、マイナンバーインフラを活用した番号制度が医療全体で導入されようとしていますので、生活保護制度においてもこういうものの活用が必要ということ。25ページですけれども、健康管理につきましては、必要な人員の確保や業務の外部委託など、円滑な施行に向けてさらに検討する必要がある。そして、子どもの健康については、学校との効果的な連携のあり方について検討が必要という意見でございました。

 これを踏まえまして、本日御議論いただきたい点としては、これまでの取組をどう評価し、また、今後どう取り組むべきかといったことについて、御議論いただければと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 いろいろ御議論があるところだと思っていますけれども、ここで引き続いてこの論点にかかわって、今日は上尾市から先ほど御紹介があった藤田参考人においでいただいております。お忙しい中どうもありがとうございました。まず、藤田参考人からお話を賜りたいと思います。

○藤田参考人 よろしくお願いいたします。上尾市役所の保健師の藤田です。私は平成27年に生活支援課に異動してまいりまして、今年で3年目です。健康管理支援以外にも中国残留邦人の支援ですとか、介護扶助の介護保険などの仕事もしながら、私と非常勤の看護師と2人で健康管理支援を進めているという状況になっております。

 簡単に、上尾市の状況についてお話しさせていただきますと、人口は約22万人の都市で、都心まで1時間弱で通勤できますので、学生さんやサラリーマンの方がたくさん住んでいる市になっています。大きな団地が4つありまして、急速な高齢化が進んでいまして、介護も早急に取り組まなければいけない課題かなと感じているところです。

 1ページをごらんいただきますと、被保護世帯と被保護人員の推移について載せてありますが、現在平成28年が最新のデータになっていまして、世帯数としては1,603世帯、被保護人員としては2,129人で、平成2728年はちょっと伸びが大きかった年になっています。

 この理由についてですけれども、上尾市は生活保護の課の中にくらしサポート相談窓口、生活困窮者の支援を基幹型でやっておりまして、スムーズに保護につなげられたことですとか、あと、高齢化が非常に進んでおりますので、無年金の高齢者、年金の金額が足らなくて生活保護を受けざるを得ない方が多いことが原因ではないかと話しております。

 2ページをごらんいただきまして、医療扶助費の生活保護費の推移ですが、横ばいだったのですが、入院がすごく多くなる年になると医療扶助がふえて、入院がそうでもなかった年はまた戻るというようなことを、ここ数年繰り返しているのかなと見ております。最新の平成28年ですと、医療扶助費は14億円になっております。全体からすると42%ですので、かなりの比重を占めている状況です。

 具体的に保健師がかかわっている自立支援プログラムについてお話ししていきたいのですが、3ページの5つについて細かく説明していきたいと思います。

 4ページですが、まず健康増進プログラムは、生活保護の方は保険がありませんので、国保の方のように特定健診がありませんので、一般健康診査を保険センター、ヘルスの部門でやっております。そこの健康増進課と協働しながらデータを私がスムーズに入手できるような仕組みをつくりまして、その方たちで保健指導が必要な方たちに速やかに保健指導を受けていただけるような流れをつくっているのが、この健康増進プログラムになっております。

40歳以上の方で、75歳以上の方も受けられるよという形にさせてもらっているのですけれども、特に受けていただきたいなと思っている方が医療未受診の方、あとは疾病があるのですけれども勝手に医療中断をしている方。あと、後で御説明しますけれども、ケースワーカーには若いワーカーもおります。そもそも保健師が何をする人かというのがわかっていないワーカーもおりますので、4月に新しい人員がそろったときに、保健師にこういう人を紹介してねという形で使っているのが、5ページのチェックリストになります。健康増進プログラムと、この後に説明します健康管理支援プログラム、まず、こういう人たちがいたら保健師に相談してくださいというものを活用しております。

 プログラムの流れのほうに戻りますけれども、まず、40歳以上の方で通院していない、中断をしている、チェックリストにありますように、生活が乱れているとか太っているけれども全然運動していない、外に出ていない。あとは採血の機会がない方、精神疾患の方ですと長期通院をしているのですけれども、採血をしないで数年たっているという方もちらほら聞きますので、そういう方がいたら健診の勧めをしてほしいということで、対象者の抽出をケースワーカーに依頼しております。そのリストが上がりましたら、私のほうで健診を受けましょうというお手紙を出して、申し込みを受けているという状況です。

 実際に健診を受けていただいて、保健指導が必要だとなった方には、保健センターから結果のお手紙を出すときに、保健センターでやっている一般市民向けの健康応援相談という保健指導の御案内も同封しております。まず、そちらを御利用いただいて、継続の支援が必要な方については保健センターから連絡をいただいて、また私のほうでお誘いをして、健康管理支援プログラムに載せかえてフォローアップしていくという流れになっております。

 6ページをごらんいただきまして、一般健康診査と国保の特定健診の受診状況の比較になっております。上尾は埼玉の中でも4番目か5番目くらいに受診率が高い市でして、最新ですと平成28年で特定健診は42.3%の方が受診されています。それに引きかえまして生保の一般健診については、やっと今年10.4%。スタートしたのが平成22年からなのですけれども、このときから比べると地道な努力が実を結んでというか、少しずつ受診率は向上しているという状況です。

 7ページをごらんいただきますと、実際に健診を受けていただいた方の結果の比較ですけれども、特定健診の方は要指導になった方、生活習慣を見直す必要があるという方は9.8%になのに対しまして、一般健診の方が47.7%、非常に高いデータとなっております。

 8ページですが、私が異動してきてから、その前の年のデータを比較して2年間健診を受けていただいた人で、その間に平成26年度に保健指導を受けた方が9名いらっしゃいましたので、その方のデータを比較いたしました。そうしますと、糖尿病の値であるHbA1Cと脂質異常が改善したということで、何らか意識が高い方が保健指導を受けて生活を見直されているのかなというのもありますが、データ改善が見られました。

 9ページに移りまして、やりながらの課題と対策ですけれども、そもそも受給をされている方ですが、健康に関しての知識が少なかったり、健康への優先度が非常に低いなと感じます。少しでも健康に関心を持っていただいて、御自身の健康状態を確認するために定期健診ですとか、定期通院につなげることが大事なのかなと思っております。

 健診受診の必要性が高いケースについては、申込書を送っても申し込みしない人がおりますので、担当のケースワーカーと相談しまして、受診券を直接送付してしまいます。ただ、いきなり来ると「何だ、これ」となってしまいますので、ケースワーカーから受診券を送ったから行ってくださいねと一言電話をかけていただいたりしております。

 さらに、その人たちが受けました、結果が届いて要指導になったのに、保健指導に申し込みをしない人については、今度は私と保健師で、相談に行ってくださいということでしつこく電話をかけております。ちょっとヤバイなと思っているときで保健指導を勧めると、行きやすかったりしますので、約1カ月以内に電話をするようにしております。

10ページですけれども、一般健康診査以外、がん検診といったこともなかなか受診してくださっていませんので、そういうことの知識の普及啓発も大事だなと思っていまして、「すこやか通信」というものを定期的に発行して、受給者の皆さんに送っています。ちょうど冬季加算ですとか、金額が変わるタイミングに合わせて健康についてのお便りを同封しています。例えば、冬ですと感染症予防のインフルエンザに気をつけましょうとか、あと8月に送るのですけれども、健診の上尾市の場合の受け方についてやっております。

11ページの健康管理支援プログラムですが、こちらは健診とはまたちょっと違って、ケースワーカーからこの人心配なんだけどとか、私たちがデータを見て、この人にちょっと声をかけてみようということでその方に御連絡をして、月に一度、特定保健指導のイメージでフォローアップしているものです。目標を設定しまして、それについて1カ月間やってみて、また翌月どうだったかを確認させていただいております。

12ページは実績になります。今は2人でやっておりますので、昨年度は46人の対象者に対して指導回数は207回となっております。

 あと、内訳についてはこのようになっていまして、まず、生活習慣病の重症化予防ということで、そちらをメーンに対象者をピックアップしているのですけれども、全体的に言えることは精神疾患を持っている方が非常に多くて、やる気があっても病状のためにできなかったということもあるのが、本人も辛いし、私たちも残念なところなのですけれども、精神疾患を持っている方が非常に多いなと感じております。

14ページの評価についてですけれども、金額や人数で保護が廃止になったところの評価は非常に難しいなと感じています。御本人が持っている力を少しでも後押しできて、できなかったことができる、知らなかったことがわかることが大事なのかなと感じております。

15ページですが、なかなか知識も少なかったり、行動変容が難しい方ですので、寄り添い型支援ということで日々困っていること、生活全般、家庭訪問もしますので、ここの台所はこんなものがあったらもっといいよねとか、具体的な助言をさせていただいています。

16ページですが、健康管理支援をやっていて思うのは、非常に食生活と密接な関係がありますので、栄養士との連携が非常に重要だと思っています。保健センターの栄養士や市内の特別養護老人ホームの栄養士も協力してくれていますので、この後のプログラムでも協力してもらっております。

17ページの後発医薬品使用促進プログラム、ジェネリックの使用については先ほどお話がありましたように、電子レセプトのほうで患者の意向でジェネリックに変えていない方、あとは上尾市独自で4月か5月くらい、今年は4月にできたのですけれども、強化月間を定めまして、そこで集中的に電話かけをしております。その方たちにジェネリックに変更するようにお願いするのですが、高齢者が非常に多いですので、薬の名前を電話で言っても忘れてしまうので、この薬をこういう薬に変えてくださいとお話をした内容をお手紙でその後出して、次の受診のときに先生と薬局さんに見せてくださいというような取り組みをしております。

18ページ、今の実績ですが、平成28年度が74.9%となっておりまして、0.1%足らなかったのですけれども、現在は平均しますと80%前後で推移しております。

19ページが、先ほど申し上げた強化月間の取り組みですので、後でごらんいただければと思います。

20ページ、受給者の方に対してジェネリックとはというあたりをお願いするときなのですけれども、リーフレットとカードを作成しておりまして、生活保護受給者の方は原則ジェネリックを使用していただくものですというお知らせのチラシを渡して、ケースワーカーが生活保護制度の説明をするときに渡していただいています。

 あと、機会があれば薬局さんや医療機関にも声かけ、お願いに上がらせていただいております。

21ページの食育支援プログラムですが、子どもたちに対しての食生活改善、きっかけづくりのプログラムになっておりまして、生活保護受給世帯、生活困窮世帯も対象にしておりまして、子どもたちが調理する楽しさを知るきっかけづくりということで、冬休みと夏休みに実施しております。

 こちらですが、一番最初に私がどういう子どもたちが来てくれるのかというのがわからなかったので、学習支援事業、生保の無料の塾に来ている子どもたちの教室に出向かせていただいて様子を見せてもらって、こういうことをやりたいと思っているんだという説明に上がりました。そのときに、アンケートをとっていまして、おうちにどんな調理器具があるのかとか、冷蔵庫にどんなものがいつも入っているのか、乾物といったものを全部聞き取りして、そこをもとに栄養士に献立をつくってもらっています。

 再現性というところにこだわっていますので、つくって楽しかっただけだとお楽しみで終わってしまうので、おうちでつくって家族が喜んでくれるという経験をしていただけるように気をつけてつくりました。

24ページは、栄養士が中高生が抱えている課題としまして、男子は部活をやめるとジュースを飲み過ぎてちょっと太ってしまったり、女子は逆にモデル体型にあこがれて痩せになってしまいますので、その辺を踏まえた講義を保健師のほうで実施しております。

25ページはボランティアの活用ですが、生活保護受給者で調理師免許を持っている方がいまして、私の健康管理支援のお客さんなのですけれども、ちょっと鬱だったのですが、後押しをすれば自立できるなと思っていましたので、ここの調理の手伝いに来てもらっています。そこで子どもたちに包丁で野菜を切るなどのデモンストレーションでやってもらうのですけれども、子どもたちが「おーっ」とか言うと、彼もすごくその気になりまして、今は就労しております。アルバイトなので時間を見て手伝いに来てもらって、いい関係で今も継続させてもらっています。

26ページが食生活改善プログラムということで、これは大人版の調理実習、あと健康教育のプログラムになっています。特に男性の受給者が調理技術がないですので、包丁ない、まな板ない、冷蔵庫ないという人もたくさんおりますので、まず生活支援から入って、調理器具がそろえられるようなところも支援しつつ、調理をする楽しみ、あと、おいしい、安いというところを経験していただいています。

 こちらは市内の特別養護老人ホームのパストーン職員さん、栄養士さんに協力いただきまして、会場は保健センターの調理室を使って、年3回実施しております。ここでも調理師の彼に手伝いに来てもらって、一緒に食べて一緒に帰るということも、とてもいい経験になっているのかなと思っております。

 最後の28ページですけれども、保健師として今仕事をしながら思うことですが、一般的な市民に対しての保健指導のやり方では全然通用しませんので、本当にその人が困っていることが何か、あと生活の中に家庭訪問等で見せていただきながら、本当にちょっとスモールステップで高過ぎない目標設定をするというのが、成功する秘訣なのかなと思っています。

 あと、精神疾患を持っている方が非常に多いですので、本人はやりたくてもやれなかった、そこは絶対に責めないで、次があるよということで上手に一緒につき合っていくということをしております。

 あとは医療中断しないということも、これから重症化を防ぐことが非常に大事なので、細く長くでもいいから通院を促しているということ。

 あとは、健康に関して無関心な人が多いですので、機会があるごとにちょっと血圧をはかってあげるだけでも意識が変わりますので、そんな取り組みをさせていただいております。

 以上です。

○宮本部会長 大変前向きな御活動の御報告ありがとうございました。大変具体的なイメージが湧きました。

 議論に入っていきたいと思いますが、5時30分に福田委員が御退室の予定でございますので、まず、ここで御発言をいただけますでしょうか。

○福田委員 御配慮いただきまして、ありがとうございます。

 まず、今日議論する点ということで、医療扶助適正化の取り組み全体としてどう評価するかということでございますけれども、川崎市としては後発医薬品の使用促進でありますとか、頻回受診対策、健康管理支援、医療機関への個別指導と非常勤職員によるレセプトの点検、嘱託医による適正受診指導等に取り組んでおりまして、それぞれについて一定の成果が出ておりますので、評価しております。

 次に、それぞれのことについて川崎市としてどう取り組んでいるかという具体的な取り組みと課題について短くそれぞれ申し上げたいと思います。

 まず、後発医薬品の使用促進についてでございますけれども、先ほど上尾市さんの取り組みもありましたけれども、私ども今年5月、診査分については77.8%ということでございまして、補助率が4分の3から8分の7となりました。昨年、指定調査薬局にアンケートを行いまして、患者の意向で先発薬を使用している事例がまだ一定割合認められたために、今年度は患者の意向にて6カ月連続で先発医薬品を調剤されている受給者に対しまして、福祉事務所、ケースワーカーが重点的に指導を行う取り組みをしております。

 それから、重複調剤についてですけれども、本市では向精神薬の重複調剤について、同一期のレセプトデータから重複調剤である対象者を抽出いたしまして、重複が確認された場合には医療機関に調整を依頼するとともに、受給者に対して調剤薬局を1つにする等の指導を行っております。

 また、第1種向精神薬を処方されている受給者の中で、自立医療支援対象者については年1回レセプトを抽出いたしまして、担当部局に対して照会を行って、不適切な処方があったことが確認された場合には、同様に指導を行っております。

 次に、頻回受診についてですけれども、全国的には平成27年度改善割合が45.2%ですが、本市では、平成27年度改善割合は76.4%となっております。これは各福祉事務所に査察指導の役割を担う医療扶助担当職員が対象者の把握及び管理を行っておりまして、福祉事務所のケースワーカーに適時指導を行っております。

 そして平成29年、今年度ですけれども、指導対象者の速やかな把握のためにレセプトにて一月で15日以上の受給者がいた場合、医療扶助担当職員からケースワーカー対象者のレセプトを手渡しして状況を確認した上で、必要があればケースワーカーが生活保護受給者に対して指導を行っております。

 今後についての要望ですけれども、先ほどもお話がありましたが、一部負担金の問題ですが、政令指定市長会として5月に一部負担金の導入を提言させていただいております。これは頻回受診ばかりではなくて、重複受診への対策あるいは後発医薬品の使用率の向上にも効果が期待できるものと考えております。しかしながら、先ほどの資料にも記述されていたように、最低生活保障と医療費適正化の双方の観点から丁寧な議論が必要だとも認識しておりますので、医療機関や自治体でこういった詳細な協議が必要だと私どもは考えております。

 最後に、健康管理についてですけれども、平成28年度から福祉事務所と地域包括ケア部門が連携して健康管理を行っておりますが、医療従事者ではないケースワーカーが生活習慣病予備軍の健康管理支援が必要な対象者を選定するということが非常に困難であるという現状にあります。そのため、今年からはレセプトと健康診査結果のデータ分析を民間に委託いたしまして、生活習慣病予備軍のほか重複調剤者、頻回受診者等の対象のリストを作成いたしまして、医療費適正化に向けたケースワーカーの指導に役立てる予定でございます。

 今後に向けた要望を1つ申し上げたいと思いますけれども、生活保護受給者の疾病予防については、健康診査の義務化の検討が必要だと思っております。

 それから、データ分析事業による健康管理支援においては、専任の健康管理支援員を福祉事務所に配置することや、事業の外部委託化の検討が必要であると思っております。

 私からは以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、松本委員、よろしくお願いいたします。

○松本委員 まず最初に、国と地方の協議の中で窓口負担について触れられておりますけれども、先ほど岡部委員がおっしゃられましたけれども、日本医師会としても窓口負担に対しましては明確に反対いたします。一番の理由は、必要な医療を受けられない方が多くなるということでございます。現状でも、子どもの医療機関の受診率が低いことはデータにありますし、実感としても重篤になってから受診させる保護者が多いとの感想を持っておりまして、その中で患者の受診を勧奨する必要がある状況ですので、子どもの受診を控えさせるような方向にならないように、慎重さが必要であると思います。

 それから、全体的な提示されたデータから見ましても、生活保護受給者が一般の人より過剰に医療を受けているという印象はないと思います。特に、子どもの入院外、歯科の受診率を見ますと、一般よりも相当低くなっており、保護者が子どもを適切に受診させていないことが見受けられます。これは非常に大きな問題で、適切な受診につながるサポートが必要ではないかと思いますし、10ページにもありますように、むしろ受診する医療機関の数は他の保険の加入者と比べると少ない傾向にもございます。

1415ページにあります後発医薬品の使用促進ですけれども、使用促進が必要であることは確かで、日本医師会としても協力しておりますが、医師の医学的判断が前提にあることを踏まえた対応をぜひお願いしたいと思います。

16ページにあります薬局を1カ所にするモデル事業を行っているとのことでございますけれども、生活保護受給者は自動車を保有せず移動手段が限られておりますので、1カ所にすることで必要以上の負担を強いる場合もあり得ます。そういった方の場合まで1カ所化を強いるべきではないと思います。

 また、17ページの頻回受診の適正化でございますけれども、データから見ますと16日以上の方は1%ということで年々減ってきておりますし、また、初診時の方やあるいは急性期にある方など、連続した通院が必要な方にまで指導対象にならないように、きちんと運用基準を決めていただきたいと思います。

 それから、健康管理に取り組むことは非常に重要でございます。生活保護受給者の方が基礎疾患を抱えることが非常に多いことから、福祉事務所が重症化予防に取り組む際にはかかりつけ医と十分に連携をとっていただいて、治療方針とそごのないよう支援を行う必要があります。今後、福祉事務所が行う健康管理事業の手順・内容の標準化を行うに当たっては、かかりつけ医との連携も含めて現場の関係者が協力して取り組まれますよう、また、患者の治療が効果的に進むように現場の実情のわかる実務者の意見をよく聞いていただいて、マニュアルを作成していただきたいと思います。

 また、今回、健康管理につきましては、さまざまなデータを出してもらっていますけれども、患者の病態像の全体が示されているとは思えません。不十分であるようにも思いますし、事例をいろいろ示されておりましたけれども、事例の積み重ねだけで全体像が見えるわけではありませんので、医療全体のことがよくわかるように、データに基づいた議論ができるよう検討会の報告でも指摘されているように、国において十分にデータの収集・分析に取り組んでいかれたいと思います。

 生活保護の家庭の子どもの健康を守るために、保護者へのかかわりも含めて今後取り組むべきであると思います。

 以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 今の松本委員からのお話、1つだけ専門的な観点から解説いただくと、後発医薬品の使用については医師の判断を得るべきだというお話ですが、ということは、先行医薬品と後発医薬品というのは完全に同一であるとは断言できないという理解でよろしいでしょうか。

○松本委員 後発品をつくっている製薬会社は三十数社もあって、小規模なところもあることから、全体的な集約化が必要ではないかと思いますし、副作用の情報提供も含めて、なかなかなされていないような部分もありますので、そういった面からも医師の意見を尊重していただいて検討していただきたいと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 おそらくこの問題は、自立支援の観点から医療扶助の問題を論じる場合、ともかく健康になってもらう、元気になってもらうことが自立支援の観点から大前提になろうかと思います。その点では、特にお子さんの受診が一般に比べて低いというのは、むしろ気になる点でございまして、そのあたりの御指摘をどうもありがとうございました。

 頻回受診に関しても、事務局側でデータをお持ちであったら教えていただきたいのですけれども、頻回受診の背景として具体的な理由を示すエビデンスというのは何かございますか。

○鈴木課長 自治体が頻回受診指導の対象とした方々の情報をいただいておりまして、それを見ますと、精神疾患をバックグラウンドに持つ方が多く、なおかつ、通院の疾患の種類としては筋骨格系の診療科に受診される場合が相対的には多いということがわかってきております。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 やはりそれなりの理由がおありということなのではないかと思います。その点では、松本委員には失礼ですけれども、おそらくお医者さんというのは行って楽しいところではないわけでありまして、そこに行くというのはそれなりの理由があるのだろうとも思いますし、万一、比較的元気な方がつながりを求めてお医者さんに行っているとすれば、これは自立支援のチャンスであって、つながりの場をそこでつくり上げていくことこそ必要になるのかなと思います。

 議論を続けてまいりたいと思います。それでは、平川委員、お願いします。

○平川委員 最初に、後発医薬品の関係は中医協の場ではないのですけれども、中医協でいろいろ議論がありまして、後発医薬品の品質の問題もいろいろ議論されていますが、基本的には品質については、かなり均一化されているという話もあるかと思いますので、できればそういった意味でも医師の皆さん、医師会の皆さんの理解の促進が極めて重要なのかなと思っています。

 頻回受診対策ということで言いますと、ケースワーカーが特に疑問を持ったとしても、さっきの健康の問題もそうですが、貧困の問題では専門性がないということからも、いろいろな福祉職種との連携、保健師との連携も重要ですし、地域の医師会との連携も御協力をお願いしたいと考えているところです。

 そういった中で1つ質問がありまして、重複調剤の使用について薬局を1カ所に集約して対応していくということでありまして、これは考え方としては1つあるのですけれども、院外処方であればいいのですが、院内処方の場合はどういう形で対応されているのかがわからなかったので、お聞きしたいと思います。

 それから、医療扶助のうち精神の入院の方が多いということで、これは長年の大きな課題かと思います。

 一方で、あまり書いていないのですけれども、入院していても地域で暮らしていける方もかなり多いという人もいるかと思います。病院としても退院させたいのですけれども、地域での受け皿がないという課題も一方でありますので、障害福祉の分野であるとか、診療報酬の検討の場もありますので、整合性を持った形で課題として認識していく必要があるのではないかと考えているところです。

 それから、先ほど言った健康管理の関係です。ケースワーカーが健康管理に対する専門性がない状況もありますので、保健師の配置が重要かと思っていますが、今の福祉事務所の配置については、基本的には交付税措置がされているのかなと思っています。多分、今の交付税算定においては保健師の配置については交付税措置がされていないのが実態かなと思っています。多分、上尾市さんは独自に市で努力して配置されているのかと思っておりますので、ある意味努力されているところについては評価していくということも含め、交付税措置について総務省などとしっかりと話し合いをしていただければと思っているところです。

 それと、先ほど言った医療費窓口負担の関係は、私は岡部委員と松本委員と全く同意見ですので、窓口負担については生活保護制度の性格を大きく変えるものだと思っていますので、私もこれは反対を表明させていただきます。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、前河参考人、お願いいたします。

○前河参考人 大阪府は、生活保護受給者の増加、高齢化に伴う医療扶助費の増大に対しまして、国への要望ですとか、「第5回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に対する特別部会」の中で、被保護者が医療の適正な受診意識と健康管理への意欲を高められるよう、医療費通知制度の制度化、償還払いによる一部窓口負担の導入、かかりつけ医の活用等の検討について要望してきております。

 こうした取り組みにつきましては、いろいろな御意見がございますが、生活保護受給者の負担や実施機関等の事務負担に十分配慮した上での検討や試行が必要であると考えております。

 こういった医療扶助の適正化におきましては、限りある社会保障財源の中で生活保護制度を持続可能な制度としていくためにも、後発医薬品の義務化ですとか、健康管理や健康増進といった意識が乏しい生活保護受給者への丁寧な健康管理支援が必要であると考えます。そして、その際の実施機関の体制整備も考慮すべきであると考えます。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 竹田委員、お願いします。

○竹田委員 健康管理に関して、先ほど松本委員から出ておりましたけれども、やはり日々関わっている中で、なかなか病院につながらない方がたくさんいらっしゃって、今日の資料においても高齢者は増えているけれども、高齢者の受診率自体は一般の医療保険に比べても低いという数字も出ていて、そういう中でさらに窓口負担ということになっていくと、さらになかなかつながっていかないのではないかという危機感も持っております。

 また、後発医薬品も含めて変えることによって、また形状が変わったり、それまで合っていたものがまた体調を悪くしたりということもありますので、そういったところもしっかりととらえていかないと、単に減らすことが結果的に重症化になっていく。今日出ている話も、線で切るのではなくてある程度スパンで見ないと、結果的には医療費がふえていく、医療扶助がふえていくということになるのかなとも思っていますので、もう少し長いスパンでとらえていく必要があるのではないかと。別に好きこのんで病院に行くわけではありませんので、その辺をきちんと捉えていかないと、結果的には受診しづらい制度になってしまうのではないかというのがあります。

 あと、もう一つは、入院に占める医療扶助の割合、精神行動障害ということがありますが、入院せざるを得ない社会的な要因も絡んでいるのだろうと思いますので、これは単に生活保護だけの制度ではなくて、他の障害の施策含めて全体的にとらえていかないと、生活保護だけで何とかしようとしても、なかなか難しいのではないかと思っておりますので、こういった点もあわせて議論していく必要があるのではないかと思っています。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続きまして、勝部委員、お願いします。

○勝部委員 情報提供といいますか私たちのかかわりの中でも、ネグレクト状態にあるおうちの中では子どもたちの歯科診療ができていないというのが、かなりあります。学校の保健の先生が歯科治療を促しても全然受診が進まないという方々に対して、社会福祉協議会のほうに相談がありまして、お母さんがなかなか受診させないというところもあるので、そこをボランティアで応援したり、障害者の方で歯科治療を近くの病院でなかなか受けられないという場合などは、歯科医師会と連携させていただいて応援していくということも始めています。

 もう一つが、先ほどの医療受診というのが、私は病院がロビー化しているということは思わないのですけれども、ただ、私たちのところで最近、健康ステップアップ倶楽部という名前で、社会的に居場所がないという人たちを対象に、居場所として食事づくりであったり、手づくりのいろいろな社会参加、仲間づくりをしていけるような場をつくったり、そこで血圧や体重をはかったり、健康に対するいろいろなお話をしたりという場面をつくらせていただいて、そこにかなりの人数が来ています。この実践の元になったのも、生活困窮のところで若者や引きこもりの支援を、そういう居場所をつくって応援していくことでかなり成果があることがわかったことから、生活保護の担当のところと連携してピックアップしていただきながら、いろいろな方々の応援をするということも始めていますので、ぜひ、ここも社会的孤立の別メニューも考えていくということもあわせてやっていくことが大事ではないかと思います。

○宮本部会長 菊池委員、お願いします。

○菊池委員 3点述べさせていただきます。

 1つ目は、後発医薬品の使用促進に関してですけれども、一般的には医療費抑制の観点から必要な施策であるということは十分理解しております。ただ、医師の判断が前提にはなってますが、本人の意思との関係でこの使用促進をどこまで推進するかというのはやや慎重である必要もあると思っていまして、生活保護法第34条3項というのはギリギリの規定ぶりだなと。ここを超えるとどうかなという思いがあります。

 なぜかというと、1つは、医療の世界では、医師の医学的判断を差しおいて行政が主体的に判断していくのは難しい部分がどうしてもあります。

 もう一つは、患者側からみた医療へのアクセスの平等、医療というのは人の生命・健康にかかわる非常に高い価値に密接に関わります。医療アクセスの平等というのは非常に重要な価値規範です。今現在も、保険外併用療養費の部分を除けば、保護受給者とその他社会保険加入者は基本的には同様の医療へのアクセスを認めているはずですので、その平等を踏み越えるような運用というのは慎重にしたほうがいいというのが私の考えです。

 2つ目は、事務局にお聞きしたい部分でもあるのですけれども、いわゆるレセプト審査、一般の保険者ですと審査支払機関の審査について再審査等請求ができますけれども、自治体もできるという理解でいいのか。再審査の道筋はあり得ないのかというのが1つで、できるとすれば、チェックするにもコストがかかるので、コストベネフィット的にはあまり意味がないのかというあたりをお聞きしたいです。というのも、さきほどの話に戻りますけれども、どこまでが行政の指導というか、判断でできるのかということと、治療や診療の中身にかかわることというのは、区別して考えられるように思えて、本来診療の内容にかかわるものであれば、レセプトのチェックという専門家によるピアレビューで判断されるのが筋道とも言えるので、そのあたり確認したいというのが2つ目です。

 それから、最後に、今日は期末試験の試験監督で遅れれてきたので最初の項目について1つお許しいただきたいのですが、前も発言させていただきましたけれども、福祉事務所の未設置町村での支援ということで、本日の資料で、1割強でしたけれども相談窓口の設置の必要性を感じている町村があるということには注目したいと思います。生活困窮者支援のスキームを生活保護のそれに準じさせているということについては、見直す必要があるのではないかと。本日の資料でも、現在、福祉事務所設置自治体が実施主体である制度の多くは、手当の支給を除くと措置や生活保護など、権力的な行政作用の要素が含まれている事務が中心です。これに対して、生活困窮者自立支援に地域共生社会を推進するための推進力としての期待があるのであれば、福祉事務所未設置の町村においても、任意でいいと思いますので、意欲のある市町村による実施を認めてほしいと思います。ただ、認めるだけではなくて、できれば積極的な町村をモデル事業でも何でも、積極的に国として後押ししてあげると。人がいない中であえてやろうという町村を応援するような仕組みも、あわせてお考えいただきたいと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 それでは、2番目のレセプト再審査の可能性についてよろしくお願いします。

○鈴木課長 お答えします。レセプトの審査につきましては、生活保護の場合は社会保険診療報酬支払基金にその意見を聞くこととなっておりまして、実際やっていただいております。そして、支払基金ではできない資格点検などの部分は、福祉事務所がレセプト点検業者に大部分を委託する形で行っております。再審査というのは内容点検のほうだと思いますので、これは支払基金において実質的には行っていただいている状況でございます。返戻などです。

 それから、平川委員の御質問で、薬局の一元化の件で院内処方の場合はどうするのかという御質問がございましたけれども、その場合は処方せんが出ませんので、一般の医療保険の方と同様に、お薬手帳などで確認させていただくということになりますので、院内処方は院内処方として当該医療機関から処方がなされることになります。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 残り5分でございまして、大変申しわけございません、5分ほど延長させていただくとして、今札が4方上がっております。そこで、また例のごとくうまく分配していただくということで、お一人様3分程度の発言でよろしくお願いいたします。

 渡辺委員、お願いします。

○渡辺委員 勝部委員とほとんど同じなのですけれども、子どもに関しては本当に受診を控えているというよりは、親が受診をさせないというのが実態だと思います。私たちのところにも本当に病院に行ったことがないようなお子さんがいて、居場所のほうで薬を買って置いて、それを飲ませるということもあります。

 学校の保健の先生と連携されているというのは、すばらしいなと思ったのですけれども、学校ではある程度情報を持っているのだけれども、なかなかそれが外に出てこないので、支援につなげるのがすごく難しいというのが、ほかの実態だと思います。例えば、眼鏡などに関しても、視力が下がれば眼鏡の補助をするような自治体はたくさんあるのですけれども、子どもはそれを知らないので、視力が悪くても眼鏡は買えないから、視力の紙を親に出さないでくしゃっと丸めて捨てるとか、そういう意味では親御さんが子どもの健康管理をしっかりできないような状況にある中で、学校が持っている情報をどうつなげていくかというのはすごく重要だと思いますので、まず生活保護受給者のお宅からでもケースワーカーさんと共有して、子どもの健康をちゃんと担保していくような形になると非常によいのかなというのは思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 続けて、朝比奈委員、お願いします。

○朝比奈委員 先ほど、平川委員からも御発言があったのですが、医療扶助の適正化という文脈で議論するのが適当かどうかわからないのですが、精神科の長期入院の方々の自立支援の問題を生活保護行政としてどうするのかということについては、この数字を見てもおそらく何も触れないということではないのではないかと思っております。

 地元の地域移行等の会議などで話していても、長期入院の方々が必ずしも手帳を持っているとは限りませんし、入院だと自立支援医療が対象外になりますので、障害福祉の行政サイドとしても把握のしようがないといったようなことがあります。そういう意味では、生活保護のケースワーカーさんがどれくらいできるかというお話がありますけれども、何かきっかけをつくらない限り、この方々の自立支援については手つかずで、そのままいってしまうという危惧を持っておりますので、ぜひ、その点についても視野に入れていただければと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 岡部委員、お願いします。

○岡部委員 4点です。はじめに藤田参考人、大野委員の御発言は非常に力強く受け取りました。また、医療扶助の窓口負担については反対ということを再度お伝えしたいと思います。

 1点目については、医療扶助は、最低医療ではなくて最適な医療を提供するというのは医療の基本的な考え方ですので、ジェネリックの関係についても先発医療についても、医師等の判断を最優先すべきであると考えます。

 2点目については、藤田参考人のお話は非常に目からうろこでした。自立支援のプログラムが健康管理あるいは医療について取り組まれることは、非常にすばらしいことだと考えます。これを組織的、継続的、計画的に全国的に進めていくべきではないかと思います。

 それに当たり、人的な配置をお願いしたい。保健医療というのは健康予防と治療に当たりますので、その人材の配置は嘱託医の一般医と精神嘱託医が現在配置されていますが、それ以外に今、藤田参考人が行っている、保健師、看護師以外に精神保健福祉士、栄養士等の配置を可能であればお願いできないかと考えます。就労支援員等は相当配置されていますが、これらの人たちも配置したらと考えます。

 3点目については、ネットワークと居場所づくりです。保健・医療・福祉の連携、これは、福祉事務所内で嘱託医、保健師、看護師と福祉事務所ワーカーがどのように連携をとっているか。また、市外の地域に出たときは、どういう連携をとったらよいかネットワーク化が必要です。心の病のある人や生活習慣病の人が多いこともあり、食生活、日常生活、生活の心構え、例えば運動等も含めてどうか。就労・社会参加については当然必要ですけれども、そういうことも考えることが必要です。利用者が病院と福祉事務所のワーカーとの往復という形だけではなく、もっと広がりのある場をつくっていくことを考えなければなりません。そう考えたときに、ネットワーク化と社会的居場所という社会資源の配置を考えなければ、なかなか医療費の圧縮や、本日出された福祉事務所と医療機関の関係の中で議論が集中していますので、今後を考えるならば、他の施策との関係あるいは生活保護や生活困窮者の中で何ができるかを展望していくことがよいのではないかと考えます。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 最後になりますが、奥田委員、お願いします。

○奥田委員 私も、一応意見表明として、窓口負担の問題ですけれども、イメージとしてははっきり言うと医療費抑制をどうするかという圧力が強過ぎて、議論がそもそもかみあわないと。何が目的なのかという話が少し気になります。ホームレスの支援の経験からいくと、かかわらないということをやってしまうと、後々つけが全部回って、結果高いというのが常です。先ほど、藤田参考人がおっしゃった医療中断とか未治療者を減らすことこそが医療費抑制につながると、私はこれが答えだと思います。ですから、ホームレス対処も見ない振りをしていると、結局最後に全部が回ってくる。風邪薬で終わるところを見逃して、ICUに入ってから全部面倒を見るという、これは本人にとっても全く不幸だし、医療費にとってもだめだと。やはり私は手前で抑制するのではなくて、先ほど竹田委員がおっしゃったとおりで、線で見るとなると社会的コストは時間軸が必要だと。だから、結果どうなるかというのは、本当に入り口でふたをしたときに安くなるのかというのは、もうちょっと検証したほうがいいのではないかと思います。

 それと、もう一つ長期入院等のことですが、これもホームレス支援の実績で言うと、北九州の自立支援センターの場合、知的障害あるいは精神障害を含めると約48%の人が障害を持っていました。しかし、病院が受け皿になりませんでした。地域で十分していけるという体制をとりました。そうなると、先ほどの議論の中で、社会的参加の広場みたいなものも必要なのだけれども、生活支援つきの居住というのが非常に有効で、高度な専門施設もしくは病院だけを受け皿に考えないで、少し見守りとか生活支援がついている新たな第三局をつくるというのは、この観点からしても非常に有効なのではないかと。そういう意味では、生活支援つき地域居住というのは、もう一歩進めるべきだと思いました。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 最後の医療扶助の問題については難しい議論ですけれども、最終的には自立支援部会ならではのお考えが強く打ち出されたのではないかと思います。つまり、受診が膨らんでいるから負担で減らそうということではなくて、受給者に元気になってもらう、その手段を尽くしていくと。結果的に抑制されていくという道筋がはっきり示されたのかなとも思います。

 いつも不手際なのですけれども、私の不手際で5分ほど超過してしまいましたが、これでひとまず本日の予定された議題をめぐる議論を終わりたいと思います。

 特に藤田参考人におかれましては、お忙しい中お出でいただき、しかも大変お待たせしたにもかかわらず大変触発的なお話をいただき、どうもありがとうございました。(拍手)

 事務局から次回の日程について、御説明をお願いします。

○竹垣課長 かねてより御連絡をとらせていただいておりますとおり、8月1日と8月3日につきましては現地視察となっておりますので、よろしくお願いいたします。

 その後、次回は8月30日の水曜日、14時からを予定しております。場所は、追ってお知らせいたします。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○宮本部会長 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)


<委員名の漢字表記について>
岡崎委員の「おかざき」の「さき」のつくりの上部は、一部ブラウザ上で正しく表示されないために、便宜上「崎」の字で表示しています。正しくは「大」ではなく「立」ですので、あしからずご了承ください。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(生活困窮者自立支援及び生活保護部会)> 第5回社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」議事録(2017年7月27日)

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