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2017年8月21日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

○日時

平成29年8月21日(月)14:00~


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

出席委員(14名)五十音順

大 前 和 幸、◎鈴 木    勉、 豊 島    聰、  長 尾 哲 二、
永 沼    章、  新 美 育 文、 西 村 哲 治、○能 美 健 彦、
菱 田 和 己、 平 塚    明、 平 林 容 子、  福 内 恵 子、
山 崎 初 美、 吉 田 喜久雄

欠席委員(3名)五十音順

板 倉 ゆか子、 川 本 俊 弘、  中 川 秀 己 
(注)◎部会長 ○部会長代理

行政機関出席者

山 本  史 (医薬品審査管理課長)
渕 岡  学 (化学物質安全対策室長)

○議事

○事務局 それでは時間がまいりましたので、ただ今から、「平成29年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会」を開催します。議事に先立ちまして、最初に夏季の軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでいるところです。これを踏まえまして、事務局は軽装にて対応しております。委員の方々におかれましても御理解、御協力を賜りますようお願いします。

 続きまして、本年1月に薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われ、この部会についても新しく委員の任命が行われたところです。お手元の化学物質安全対策部会委員名簿に従いまして委員の方々を御紹介申し上げます。

 まず、消費生活アナリストの板倉ゆか子委員は少し遅れているようです。慶應義塾大学名誉教授の大前和幸委員です。産業医科大学教授の川本俊弘委員は、本日御欠席の連絡をいただいています。星薬科大学特任教授の鈴木勉委員です。日本薬剤師研修センター理事長の豊島聰委員です。近畿大学教授の長尾哲二委員です。東京慈恵会医科大学教授の中川秀己委員は、本日御欠席の連絡をいただいています。東北大学名誉教授の永沼章委員です。明治大学法学部教授の新美育文委員です。帝京平成大学教授の西村哲治委員です。国立医薬品食品衛生研究所客員研究員の能美健彦委員です。国民生活センター商品テスト部課長の菱田和己委員です。東京薬科大学教授の平塚明委員です。国立医薬品食品衛生研究所毒性部部長の平林容子委員です。東京都江東区の健康部長兼保健所長の福内恵子委員です。主婦連合会環境部副部長の山崎初美委員です。産業技術総合研究所名誉リサーチャーの吉田喜久雄委員です。

 続きまして事務局の紹介です。医薬品審査管理課長の山本です。化学物質安全対策室長の渕岡です。なお、本日、審議事項に関しまして、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を厚生労働省と共に共管している経済産業省及び環境省の担当者にもオブザーバーとして出席していただいていることを申し添えます。

 この部会の部会長につきましては、薬事分科会長から、鈴木勉委員を御指名いただいておりますので御報告申し上げます。更に薬事食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされており、部会長代理については部会長から御指名いただくこととなっております。それでは鈴木部会長、御指名をお願いします。

○鈴木部会長 皆さんお忙しいところ、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。部会長代理につきましては、能美委員にお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。

                                     (了承)

○鈴木部会長 ありがとうございます。それでは能美委員、こちらにお願いします。

○事務局 ただ今、鈴木部会長から御指名ありましたので、部会長代理席に移動をお願いします。

 次に、化学物質安全対策部会の総委員数は17名であり、定足数が過半数の9名となっております。本日は川本委員、中川委員から御欠席の連絡いただいており、現在、板倉委員が遅れておりまして、14名の委員の方々に御出席いただいておりますので、この会議は定足数に達していることを御報告申し上げます。

 なお、本日の会議は「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」等、非公開とするべき場合には該当しないため公開で行われ、資料及び議事録も公開となっておりますので、御承知おきいただければと思います。それでは以降の進行につきましては鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは議事を進めたいと思います。まず、配布資料の確認をお願いします。

○事務局 お手元の資料です。まず、議事次第、座席表、委員名簿です。資料1としまして「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について」、資料2、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況について」、資料3、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律について」。

 さらに参考資料1、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について」、参考資料2、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律()」。その下に、諮問書の写しがありますが、資料番号付けるのを忘れておりまして申し訳ありません。右肩に参考資料3と記載してください。参考資料4は、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の概要、参考資料5、「新規POPsの追加フロー」、参考資料6、POPs条約第8回締約国会議において決定された事項、参考資料7、Risk profile on decabromodiphenyl etherというリスクプロファイルです。参考資料8、短鎖塩素化パラフィンのリスクプロファイルです。

 次に左に大きい資料の山がありますが、参考資料9、優先評価化学物質のリスク評価(一次)、人健康影響に係る評価II1,3-ブタジエン、参考資料10、同じく1,2-エポキシプロパン、参考資料11、同じくアクリロニトリル、参考資料12、同じく1,2-ジクロロプロパン、参考資料13、同じくジクロロメタン。

 続いて当日配布資料1として、薬事分科会規程、当日配布資料2として薬事分科会における確認事項、最後に当日配布資料3として、薬事分科会規程に基づく委員等への対応について、以上です。

○鈴木部会長 それでは本日は審議事項1議題と、それから報告事項1議題となっております。順番が前後しますが、審議事項の前に薬事分科会の規程に関しまして事務局から御説明をお願いします。

○事務局 まず本日は、委員の改選や任命が行われて初めての部会ですので、薬事分科会の確認事項について、続いて薬事分科会における審議参加等の取扱いについて御説明いたします。

 まず、本部会への御参加にあたって、特に御留意いただきたい事項を3点ほど御説明いたします。第1に守秘義務の関係です。国家公務員法第100条におきまして、職員は職務上、知ることのできた秘密をもらしてはならない。その職を引いた後といえども同様とすると規定されております。委員、臨時委員、専門委員は非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので職務上知りえた秘密につきましてはもらすことのないようお願いいたします。

 第2に薬事に関する企業等との関係です。お手元の当日配布資料1、薬事分科会規程、それと当日配布資料2、薬事分科会における確認事項をお配りしております。当日配布資料1、薬事分科会規程の6ページを御覧ください。第11条におきまして、「委員、臨時委員及び専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。審議の中立性、公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また、任期中に該当することとなる場合には速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いします。

 第3に、薬事分科会の審議事項です。4ページ、第3条第16項で、「化学物質安全対策部会は、化学物質による環境汚染の防止、家庭用品の安全性の確保及びその他化学物質の安全性に関する事項を調査審議する」とされております。次に5ページの第7条、「部会の議決」です。第7条におきまして、「部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではない」と定めております。

 今、申し上げました比較的容易なものとして、分科会があらかじめ定める事項につきましては、当日配布資料2の薬事分科会における確認事項の4ページを御覧ください。その中に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律等に基づき審議会に諮問するものの取扱い」があります。2.として、「審議会に諮問を行ったものについての部会、分科会での審議又は報告の扱いは、原則として別添の表に示す例による。ただし、化学物質安全対策部会長が薬事分科会の審議を要すると判断したものについては、薬事分科会審議とする」とされております。別表につきましては、一番最後のページの14から16までが、当部会の所掌の表になります。表の右側、「部会」、「分科会」と書いてある欄に、区分ごとに印が付いております。○は審議、△は報告、×は審議・報告なしとなっております。基本的にはこれに基づき、部会、分科会において、御審議をお願いしております。なお、先ほど申し上げました但し書きにありますように、「部会において特に重要、特に慎重な審議を必要とする事項である」と決定された場合には、分科会において御審議をお願いすることになります。委員の皆様におかれましてはこのような規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。

 続きまして二つ目ですが、審議参加の取扱い等について、当日配布資料3、両面印刷になっておりますが、Press Releaseです。まず、1ページ、先ほど、注意事項としても御説明しましたが、薬事分科会の委員、臨時委員、専門委員につきましては薬事分科会規程第11条に基づき、「在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」とされております。今般、薬事分科会の部会に所属していた委員につきまして、医療機器製造販売業の許可を取得している企業の役員に就任していたことが判明したため、当該委員には辞任いただいた上で、6月29日に本事案を公表し、同日に開催した薬事分科会に報告させていただきました。

 続いて裏面の7月31日付けPress Releaseですがそれを御覧ください。ただ今、御説明した事案を踏まえ、薬事分科会の全ての委員を対象に改めて薬事分科会規程への適合状況を確認しました。その結果、新たに臨時委員2名が、薬事に関する企業から定期的に報酬を得る顧問に就任していたことが判明したため、当該委員2名には辞任いただいた上で7月31日に本事案を公表しました。なお、本部会、化学物質安全対策部会におきましては、この薬事分科会規程に抵触する委員はいらっしゃらなかったことを御報告申し上げます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、確認作業への御協力を頂き感謝申し上げます。

 今後の対応としては、同様の事案の再発を防止するため、薬事分科会の委員等の就任時及び会議開催時に、薬事分科会規程や薬事分科会審議参加規程の適合状況を書面により、御署名いただく形で申告いただく方向で検討いたします。具体的な方法等につきましては事務局にて検討の上、改めて御連絡しますので御協力をお願いします。また、例えば、薬事に関する企業とはどのような企業が該当するのか、寄付金、契約金等の申告に関する詳細なルールなど、規程が分かりにくい点もあるかと思われますので、そういった点も含めまして重要事項につきましては事務局から改めて分かりやすく御説明、注意喚起を行いまして、薬事分科会の適切な運営に引き続き努めてまいります。委員の皆様には御負担をおかけすることになりますが、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、規程の遵守に御協力いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。事務局からの説明は以上です。

○鈴木部会長 ただ今の事務局からの説明に対し、御質問等はありますか。

 それでは審議事項に進みます。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 審議事項、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について、事務局より説明します。参考資料1にこの審議の背景である化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の概要や、POPs条約の概要について簡潔にまとめておりますので、参考資料1を御覧ください。

 1ページの上段のスライドです。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、以後、化審法と略称しますが、その体系をお示ししております。左下ですが、新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、製造又は輸入に先立ち当該物質に関する分解性、蓄積性及び毒性に関するデータを届出いただき、その内容については、本部会の下に置かれている化学物質調査会において審査の上、届出をした者にその判定結果を通知しているところです。

 右上です。難分解性、高蓄積性及び長期毒性の全てを有するとされたものについては、第一種特定化学物質に該当し、これらについては制令で化学物質を指定して、製造輸入の許可制ということで事実上禁止となり、制令で指定した製品の輸入が禁止され、制令で代替が困難な用途を指定し、当該用途以外は使用禁止等の対応が取られます。本日は、この第一種特定化学物質の指定の可否について御審議いただくものです。

なお、右下は本日の審議とは直接関係ありませんが、審査において第一種特定化学物質に該当しないと判定された化学物質については、まず、一般化学物質に該当するということになります。その後、環境中への暴露量に基づきスクリーニング評価を実施し、人の健康に係る被害又は生活環境、動植物の生息、若しくは生育に係る被害を生じるおそれがないと認められない物質について、優先評価化学物質に指定します。優先評価化学物質については、更に詳細なリスク評価を経た後、長期毒性を有するもので、相当広範な地域の環境において、相当程度、環境中に残留している又はその見込みがあるとされたものについては、第二種特定化学物質に指定されることとなります。

 下段のスライドです。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、以後、POPs条約と略称しますが、その概要をお示ししております。POPsとは、Persistent Organic Pollutantsの頭文字を取ったもので、残留性有機汚染物質と訳しております。この条約では、一つ目として人又は生態に対する長期毒性、二つ目として難分解性、三つ目として高蓄積性、四つ目として長距離移動性の全てを有するものをPOPsとして、このような物質については、1か国に止まらない国際的な環境汚染防止の取組が必要との観点から、製造・使用等の原則禁止等の措置を講じることにより、国際的に協調してPOPsの廃絶、削減等を行うというものです。

 この条約は2001年5月に採択され、我が国は2002年8月に締結し2004年5月に発行しています。2017年4月現在、181か国が締結しているものです。この条約の締約国会議のCOPは2年に1回開催され、これまで8回開催されております。また、専門・技術的事項は、COPの下での残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)で審議されております。

 日本等、条約を締結している加盟国は対象となっている物質について、各国がそれぞれ条約を担保できるように国内の諸法令で規制することになっています。POPs条約上、製造、使用等の原則禁止とされている物質は長期毒性、難分解性、高蓄積性の全てを有する物質であることから、国内担保措置として全て化審法に規定する第一種特定化学物質に指定されているところです。

 2ページの上段のスライドです。2017年4月にスイスのジュネーブで開催された第8回締約国会議 (COP8)において、デカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンについてPOPRCの勧告を踏まえ、製造・使用等を原則禁止とすることが決定されました。なお、枠内に記載のあるとおり、それぞれ製造・使用等の禁止の例外措置も併せて決められております。

 なお、1点、資料の修正があります。表の物質名の欄に短鎖塩素化パラフィンについて、「塩素化率48重量%以上」とありますが、正しくは、「塩素化率48重量%を超えるもの」です。お詫びして訂正いたします。

 下段のスライドです。今般、デカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンについて、POPRCの評価を受けたCOP8の結果を踏まえ、難分解性、高蓄積性、長期毒性及び長距離移動性が認められるとされたことから、第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかということが本日の審議事項です。

 今後の予定です。マル1については、今、申し上げた本日の審議事項です。マル2、化審法第24条第1項に基づき、海外における使用事情等を考慮して輸入を禁止する製品を政令で指定することとなっております。マル3、化審法第25条に基づき代替困難な用途がある場合においては、当該用途を政令で指定し、それ以外の用途への使用を制限することができるようになっております。マル2とマル3については、本年秋頃に改めて当部会を開催の上、御審議いただきたいと考えております。その後、TBT通報、パブリックコメント等、所要の手続を経て、来年、政令を公布・施行したいと考えております。

 以上を踏まえて、資料1を御覧ください。「1.背景について」は、今、申し上げた背景が記載されております。続いて、次のページの「2.化審法による対応()」を御覧ください。()は本日の審議事項であるデカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンについて、化審法の第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかというものです。()は本年秋頃に御審議いただく予定としている輸入を禁止する製品の指定、代替困難な用途の指定に関する内容です。

 次のページです。今般、第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかという化学物質の構造式やCAS番号の例等をお示ししております。次のページ以降は、デカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンの分解性、蓄積性、人健康影響関連、動植物への影響関連をそれぞれ一覧表にまとめたものです。こちらは参考資料7、8として本日配布しており、POPRCで取りまとめられたリスクプロファイルの内容を中心に概要として取りまとめております。

 ご説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 まず、化学物質調査会の座長である能美委員より、コメント等をお願いいたします。

○能美部会長代理 先月の化学物質調査会において本件について議論いたしました。人健康影響については特に大きな議論がなかったこともあり、調査会としては、この二つの物質群を第一種特定化学物質に指定することは妥当と判断したところです。以上です。

○鈴木部会長 コメントありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明内容について、御意見等をお願いいたします。

○豊島委員 この物質を指定することには全く異論ありません。ただ、一つだけ教えていただきたいのは、こういうものが指定されると、それまでに存在するものに対して、どのように扱っていくのか教えていただけたらと思います。

○鈴木部会長 事務局からお願いします。

○事務局 現在、世の中に出回っているものについては、それぞれについて、それらからの暴露の影響について検討して、もし影響があるということであれば回収等の措置について検討するということになります。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。

○大前委員 資料1の別添1の2ページに遺伝毒性のことが書いてあります。この遺伝毒性の文章を読むと、BDE-209、その他のばく露で遺伝子突然変異は起こらないと考えられるが、近年、酸化ストレスを誘導することによりDNA損傷が生じるかもしれないとの報告がなされているというのは、酸化ストレスによってDNA損傷が生じたと読めばいいのですか、あるいは、生じるかもしれないという単なる推測というか、証拠はないのだけれど、そうかもしれないと言っているだけということですか。

○鈴木部会長 これも事務局からお願いします。

○事務局 申し訳ありません。きちんと確認して、後ほど回答させていただくことでもよろしいでしょうか。

○大前委員 はい。

○鈴木部会長 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。それでは、議論が尽きてまいりましたので、委員の皆様にお諮りしたいと思います。本日、審議いただいたデカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンについて、第一種特定化学物質に指定することが適当であると、部会として了承してよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御了承いただいたものといたします。また、本件の薬事分科会での取扱いについては、最初に事務局から説明のとおり、確認事項に基づき薬事分科会報告とさせていただきたいと思います。

 では、事務局から今後の手続についてご説明をお願いしたします。

○事務局 本日、御審議、御了承いただいた内容については、次回の薬事・食品衛生審議会薬事分科会に報告させていただきます。また、今回、第一種特定化学物質に指定することが適当とされた物質については、今後、輸入禁止製品の指定、適用除外等の検討を行うこととしております。事務局において検討の上、改めて本部会において御審議いただく予定としておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○鈴木部会長 それでは、次に進みます。報告事項について事務局より説明をお願いします。

○事務局 資料2、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況について、御説明させていただきます。

 平成27年7月、第4回の会議以降の薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会における化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づき行われた新規化学物質、一般化学物質及び優先評価化学物質の審査状況については、下段の表にあるとおりです。なお、平成27年6月、第3回の会議までの審査状況については、平成27年7月に開催された化学物質安全対策部会で報告済みです。

 資料をめくっていただくと横長の表があります。別添1は平成27年度に優先評価化学物質に指定された物質の一覧、次のページですが、別添2は平成28年度に優先評価化学物質に指定された物質の一覧です。ページをめくっていただき、優先評価化学物質と指定されたもののうち優先的に評価が必要とされた5物質について、この2年の間に詳細なリスク評価を行っており、そちらの概要が別紙3~7です。詳細な評価書については、先生方のお手元にある参考資料9~13までが該当するものです。以上でございます。

○鈴木部会長 ただいまの内容について、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただいたものといたします。ほかに事務局から何かありますか。

○事務局 それでは、資料3を御覧ください。今般、先の通常国会において化審法が改正されたので、その内容について報告いたします。今回の法改正ですが、まず、趣旨として、近年、我が国の化学産業が少量多品種の機能性化学物質の生産に移行していること及び毒性が強い化学物質が出現していることを踏まえ、化学物質による環境汚染をより適切に防止するため、新規化学物質の審査特例制度における国内の総量規制について、製造及び輸入に係る総量による規制から環境に対する影響を勘案して算出する総量による規制に改めるということと、一般化学物質のうち毒性が強い化学物質に係る管理の強化を図るということの2点の改正をいたしました。

 2.の法律改正の概要です。1点目は、審査特例制度における全国数量上限の見直しです。この辺りの話は参考資料1の上段の図を御覧いただければと思います。新規化学物質、届出されて事前審査とありますが、その下に特例制度とあります。その特例制度の中に、今回は年間10トン以下と年間1トンという、この辺りのところを法改正の対象にしております。

 現在、化審法では新たな化学物質の製造・輸入に当たって原則として事前審査が必要ですが、審査特例制度で全国の製造・輸入数量が一定の数量以下、低生産量として10トン、少量新規として1トンの場合には、特例的に国の事前審査の全部又は一部を免除され、数量の確認のみで製造・輸入を認めております。この審査特例制度において全国での製造・輸入数量の合計が低生産では10トン、少量新規では1トンという上限がありますが、これらを製造・輸入数量から環境への排出量に改めるということです。具体的には、化学物質の用途によって異なる排出係数、環境への排出係数を用いて環境への排出量を算出することで、環境への排出が少ない用途に用いられる化学物質の数量上限を、事実上増加させるというものです。

 2点目は、毒性が強い新規化学物質の管理の見直しです。近年、新たな化学物質の中には毒性が強いために、環境中に排出される場合にはリスクが顕在化する可能性があるものの、環境への排出量が非常に小さい化学物質が散見されております。このような化学物質は、一般化学物質としての製造・輸入数量の届出義務しか課されておらず、急激な製造・輸入数量の変動による環境汚染に十分対応できているとは言い難い現状があります。このような化学物質に対応するため、特定一般化学物質、特定新規化学物質という区分を新設し、当該区分に該当する化学物質について措置を講ずるということです。

 2ページです。具体的には、特定一般化学物質、特定新規化学物質に該当することを通知及び公示により周知するとともに、行政による取扱事業者への指導や助言の実施、川上の事業者による川下の事業者への情報提供を努力義務化することを通じて、毒性が強いと考えられる化学物質の適切な管理を行うというものです。本改正の施行は、平成29年6月7日に公布されておりますが、審査特例制度における全国数量上限の見直しについては、公布日から起算して3年を超えない範囲内、毒性が強い新規化学物質の管理の見直しについては1年を超えない範囲内です。

 その次のページに参考資料として、今回の改正点を分かりやすくフローにしたものを付けております。例えば、審査特例制度については、フロー図の中ほどにある二重の四角で囲った部分が新たに製造・輸入数量から環境排出量になるということです。毒性が強い化学物質の管理の見直しについては、一番下にある第一種特定化学物質、優先評価化学物質、その隣に特定一般化学物質、あるいは公示前は特定新規化学物質というカテゴリを新たに設けることになり、先ほど申し上げたこれらの措置が加わるということです。簡単ですが、説明は以上です。

○鈴木部会長 ただいまの内容について、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、ほかに事務局から何かありますか。

○事務局 特段、ございませんが、板倉委員が遅れるという話をしておりましたが、欠席という御連絡を頂きましたので改めて報告申し上げます。以上です。

○鈴木部会長 それでは、以上で、平成29年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会を終了いたします。委員の先生方、御協力ありがとうございました。

 


(了)

備  考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 化学物質安全対策室 補佐 小池(内線2910)

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