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2017年9月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課
○日時
平成29年9月21日(木)14:00~16:30
○場所
中央合同庁舎5号館(厚生労働省)18階 専用第22会議室
○出席者
食品衛生分科会員(敬称略)
穐山 浩 | 安藤 言枝 | 五十君 靜信 | 井澤 照介 |
浦郷 由季 | 大前 和幸 | 苅田 香苗 | 川西 徹 |
倉根 一郎 | 栗山 真理子 | 財前 孝亮 | 中村 重信 |
西内 岳 | 二村 睦子 | 村田 勝敬 | 毛利 資郎 |
横田 明美 | 若林 敬二 |
事務局(9月21日時点)
宇都宮 啓 (生活衛生・食品安全審議官) | 吉永 和生 (大臣官房審議官) |
大西 友弘 (生活衛生・食品安全企画課長) | 関野 秀人 (食品基準審査課長) |
道野 英司 (食品監視安全課長) | 森田 剛史 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長) |
黒羽 真吾 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長) | 梅田 浩史 (食品監視安全課輸入食品安全対策室長) |
蟹江 誠 (食品監視安全課HACCP企画推進室長) | 一戸 和成 (生活衛生・食品安全企画課長補佐) |
○議題
(1)プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について
(2)食品衛生規制の見直しについて
○議事
○一戸生活衛生・食品安全企画課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を開催いたします。
最初に、分科会委員の異動について御報告いたします。 9 月 14 日付けで新たに東京都福祉保健局健康安全部食品監視課長の中村重信氏が本分科会委員に着任されております。
続きまして、分科会委員の出席状況を御報告いたします。本日は阿部委員、大澤委員、寺本委員、松本委員から御欠席との連絡をいただいております。現在の分科会委員総数 22 名のうち、現時点で 18 名の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。また、栗山委員におかれましては途中退席させていただきます。
次に、本年7月 11 日付けで事務局に異動がありましたので紹介させていただきます。生活衛生・食品安全審議官の宇都宮です。なお、審議官は 16 時に退席予定です。大臣官房審議官に吉永が着任しておりますが、本日は 15 時 30 分ごろに到着予定です。続きまして、生活衛生・食品安全企画課長の大西です。食品基準審査課長の関野です。開会に当たり、生活衛生・食品安全審議官より御挨拶申し上げます。
○宇都宮生活衛生・食品安全審議官 今、紹介がありましたように、7月 11 日付けで、生活衛生・食品安全審議官に着任しました宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。日ごろから、皆様方におかれましては食品衛生行政の推進に御協力をいただきまして、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。また、本日は大変御多忙のところ御参集いただき、重ねて御礼申し上げます。
さて、食品の安全対策につきましては、最近騒がれております食中毒事案の発生、あるいは健康意識の高まり、食品流通の国際化など、様々な要因を背景といたしまして国民の関心はますます高くなっているというところです。こうした中、前回、6月の分科会では食品衛生管理の国際標準化に関する検討会、あるいは食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会での取りまとめを踏まえ、 HACCP による衛生管理の制度化あるいは食品用器具及び容器包装におけるポジティブ・リスト制度の導入等について御議論いただいたところです。後ほど説明申し上げますが、今後食品衛生法改正懇談会で、その法改正の方向性というものについて御議論いただいておりますが、その検討状況につきましても報告をさせていただき、その上で御議論いただきたいと考えております。
また、本日はそのほかに、プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」の問題につきまして、新開発食品評価調査会で御議論いただきましたが、その結果についても御報告させていただくこととしております。
委員の皆様方におかれましては、我が国の食品安全行政の推進につきまして、一層のお力添えを賜るようお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○一戸生活衛生・食品安全企画課長補佐 本日の議題につきましては、お手元の議事次第にありますように「プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について」と「食品衛生規制の見直しについて」となっております。
資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、資料1は、委員名簿、資料2は、プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」の対応について、資料3は、プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」を取り扱う食品等事業者に対する地方自治体の調査結果、資料4は、プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」に対する対応等について、資料5は、食品衛生規制の見直しについて ( 案 ) 、資料6は、食品衛生法改正懇談会 開催要綱、資料7は、食品衛生法を取り巻く現状と課題についてです。また、資料7の一部に差替えがございまして、最後に1枚付けさせていただいております。そのほか、緑色のファイルがお手元にあるかと思います。これは食品衛生規制の見直しに関する参考資料です。これは何回も使うことになりますので、会議終了後はお席に置いておいていただきたいと思っております。以上、配布物等に不足がございましたらお申し付けください、よろしいでしょうか。
それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。以降のカメラ撮影は御遠慮願います。以後の進行は村田分科会長にお願いいたします。
○村田分科会長 村田です。昨今はO 157 により3歳児が死亡していたということも報道されましたし、また台風 18 号の日本縦断により各地に大雨をもたらし、その結果、雨で農薬が流されますと病害虫が新たに出てくるということで、また農薬を使うということで、食に関する話題は尽きないところでございます。
各委員におかれましては御多忙の中をお集まりくださり、どうもありがとうございます。早速ですが、本日の議題のプエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について事務局より説明をお願いいたします。
○森田新開発食品保健対策室長 それでは、プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について御説明いたします。資料2を御覧ください。まず枠で囲ってあるところですが、プエラリア・ミリフィカはタイの全土に広く分布するマメ科のクズ ( 葛 ) と同族の植物です。写真は提供いただいたものですけれども、このような形をしているものです。主に、根塊に植物性エストロゲン作用を持つ物質が含有されていることが知られております。その成分としては、ミロエストロール、イソフラボン類で、イソフラボン類の中には大豆イソフラボンと同じような成分が含まれているということです。タイでは、伝統的に利用されており、我が国でも健康食品などに使われているというものです。
プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」ですが、本年7月 13 日、国民生活センターが、この植物を原材料とした美容目的の健康食品について健康被害の相談が増加していることを踏まえ、注意喚起を実施しました。5年間で 209 件とありますけれども、もう少し中を詳しく見ますと、 2015 年度と 2016 年度は、年間 100 件近く被害情報が寄せられています。寄せられた方というのは、全員が女性、年齢別に見ると 20 歳代、 40 歳代、 30 歳代の順で多くなっているということです。情報の内容としては月経不順や不正出血等、女性特有の生理作用に影響を及ぼしていると考えられるような特徴的事例が多く見られたことを踏まえ、消費者に対する情報提供・注意喚起を行ったものです。
厚生労働省におきましては、 13 日の当日、都道府県に通知を発出し、注意喚起いたしました。消費者に対し、安易な摂取を控え、体調に異常を感じた際には医療機関を受診するよう等の注意喚起を行うとともに、事業者に対して製造管理や健康被害の発生状況の調査を都道府県を通じてお願いいたしました。この調査結果を踏まえ、本年8月 24 日と9月4日に、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会の下にある新開発食品調査部会、更に新設された新開発食品評価調査会で、都道府県の調査結果等に基づき対応を議論いただいたものです。調査結果として非常に簡単に概要を書いております。
内容の詳細は資料3にありますので、資料3を御覧ください。先ほど申しましたように、これは7月 13 日の通知に基づき都道府県等において調査していただき、その報告をもとにまとめたものです。国民生活センターに寄せられた健康被害の相談事例は確かに月経不順や不正出血等症状がありますが、プエラリア・ミリフィカの摂取に関連する被害情報やその製品に関する詳細な情報が不足しているので、そういった情報を得ていく必要があるということで行ったものです。
この調査ですが、まず事業者等が分からないと調査が進められないわけですが、情報自体は国民生活センターの調査結果の中で示されている販売事業者、あるいは平成 28 年に調査事業 ( アンケート調査 ) をしたわけですけれども、その中で得られた製品の情報、これはタイで生産されるものですから輸入されてくるわけですが、過去5年間の届け出の情報の中で、プエラリア・ミリフィカを輸入する食品等の事業者の情報をもとに事業者のリストを作成し、それを都道府県の方に示して、調査をお願いしたものです。この調査の結果は、小売販売される製品ベースでまとめております。製造原料用製品等、途中段階で使われている原料みたいなものは扱っている人たちのベースではまとめてはおりません。
調査の結果ですが、製品数としては 68 製品ございました。これに関連する事業者としては 46 の販売者、 33 の製造者ということでした。ただ、調査はこれ以上行っているわけですが、販売終了や調査不能として報告された製品は、この中には含まれておりません。この 68 製品の中でどういった回答がされてきたかは、2番の表です。製品仕様書を誰が作成しているかですが、ここにありますように、製造者、販売者、それから製造者と販売者という形で行われているものが、それぞれ製品数で言えば 33 、 13 、 11 とあります。こういった形で製品仕様書が作成されているということです。3番は、製造原料に用いたプエラリア・ミリフィカの形態です。これは何を使っているかです。乾燥粉末が 53 、エキス ( エキス末も含みます ) が 11 、乾燥粉末とエキス ( エキス末を含む ) も使っているという形になっております。
次のページを御覧ください、製品の販売開始時期です。古いものとしては、 1997 年が一番最初で、そこから販売していますという所もあるのですが、多くは 2012 年以降にその数が増えており、 2012 年以降に販売されたものは 44 製品で、3分の2以上のものがそこから販売されているということでした。
5番目、プエラリア・ミリフィカの活性成分の性質です。女性ホルモン様作用を持つ性質に関する知識を持っていますかということです。「ある」が大多数でしたが、「ない」という使用者も一部いらっしゃいました。それから、6番の消費者に対する情報提供ですが、「実施している」が大半ですが、「実施していない」 ( 実施予定も含む ) も一部にあったということです。
3ページです。実施していると回答された 65 製品は、どのような情報を提供しているか。これは複数回答ありますけれども、このような形、例えば体質に合わない方は摂取を中止するといった旨を謳っている製品が 25 あります。
7番、1日当たりの摂取目安量中におけるプエラリア・ミリフィカの摂取量です。このグラフの 50 以下と書いてあるのは 50mg 以下の配合ということです。例えば乾燥粉末ですと、 50mg 以下、あるいは 50mg を超えて 100mg 以下というところが多くなっております。ただ、一方で 500mg を超えるような配合をしているものもあるということで、製品によって結構まちまちであるということです。一番多く配合しているというものは 1,200mg が一番多くなっておりました。
次のページ、8番、製品の製造に当たって適正製造規範 ( GMP ) を遵守して作られているかを聞いたところ、「遵守している」と答えてきた所が 45 製品、3分の2ぐらいです。
9番、原材料の安全性の確認です。1日当たりの摂取目安量中におけるプエラリア・ミリフィカの摂取量の設定根拠として、文献と回答したものが 23 製品で、食経験や他の製品を参考に設定をしていますということ、あるいは製造者・販売者に一任していますといった回答が、それに続く状況です。この設定根拠につきましては複数回答ですので合計は 68 にはなりません。
次に 10 番、活性成分の管理方法です。ミロエストロールが女性ホルモン様活性の高い成分だと言っておりますが、そういった活性成分の定量をしていますかと聞いたところ、「実施している」と回答した所が 18 でした。ほかの所は実施していない、あるいは回答不明となっております。ただ、実施していると回答した所のうち、どのような成分で定量しているのかと聞くと、プエラリンということです。このプエラリンというのは、イソフラボンの成分ですので、活性の強いものとはちょっと違うものになります。そのほかにプエラリン、ダイジン、ダイゼインで、大豆イソフラボン類のものですが、そうしたものを分析しているものが多く、結果的にはイソフラボンという形のものがメインで、強い活性を持つ成分を定量分析しているものはありませんでした。
定量以外の管理方法としては、どのようなものかと聞きますと、原料メーカーの仕様書、あるいは定性試験、その他となっている状況です。
11 番、事業者からの健康被害事例の申告 ( 過去5年間 ) ですが、「あり」と御回答いただいたのが 14 製品、他は「なし」という回答です。
最後のページです。「あり」と回答した所では、どのような事例を受けておりますかということですが、生理不順、アレルギー、不正出血といったものが多く報告されておりました。
最後のポツです。そういった健康被害事例の報告を受けているということですが、これに対して、例えばここに書かれている平成 17 年の通知の中には、製品に対する苦情を含めた必要な情報を収集して、製品の製造管理及び品質管理の改善に役立てることというようになっております。したがって、GMPに基づくと、製品の改善に反映させるということになっていくわけです。この 14 製品については、回答を見ますとGMPを実施しているかしていないかというと、全て実施しているという回答を受けております。ただ、そのような回答をしている中でこの問いに対しては、していると答えたものはなかったという結果でした。
戻っていただきまして、資料2ですが、そういった調査結果がありましたので、これに基づいて議論をしたということです。それの対応としては、2ページ以降となります。これにつきましては、実は資料4と合わせて見ていただいたほうが若干分かりやすいかと思います。説明はそのような形でさせていただきたいと思います。
「対応」として、食品等事業者に対する指導ということです。これは今、自治体及び関係団体宛通知を近日中に発出すべく作業を進めているところです。まず、 ( 1 ) 製品の製造管理の見直しです。これは資料4の4ページに当たります。課題として、先ほど言いました調査結果ですが、「適正製造規範 ( GMP ) 」を実施していると言いましても結果的には「原材料の安全性管理」が十分に実施されていない。あるいは、「人の健康を害するおそれがない」と判断できる合理的な理由が不明確で、活性成分の成分分析等による管理が必要である。そういった御意見を踏まえての課題というものです。ですので、製品の製造管理の見直しを全製造工程の品質確保を行うこと、あるいは原材料の文献検査による安全性・毒性情報等の収集を行う等の改善を指導してはどうかという点がございました。
( 2 ) 消費者に対する情報提供の充実強化です。資料4の8ページに該当いたします。ここは、調査会の中では安全性の観点から、事業者は消費者に対して摂取の注意事項を情報提供する必要がある。あるいは科学的根拠が不明な情報提供、これは若い方に対する女性ホルモン様作用というのはほとんど期待されないのではないかということですが、そのような根拠の不明なことは不適切だといった御意見もありました。そういったことを踏まえ、製品への表示やホームページに掲載する等の実効性のある手段により、見やすく、あるいは健康被害の発生が知られていることや、摂取上での注意事項等を提供することを求めるということです。
( 3 ) 健康被害情報の収集と報告です。資料4の6ページになります。ここは食品等事業者の課題となるのですが、必要な情報の不足とか記録の欠如が認められたこととか、健康被害情報を踏まえた安全性の見直し等を行っているかどうかが不明だといったことを踏まえ、資料2の ( 3 ) 食品等事業者の消費者からの体調不良に関する相談について、受付、行政への報告、製品の改善を行うための処理体制を構築すること。国としては、消費者からの体調不良に関する聴き取りの項目を明示し、それに基づいて事業者に聴き取ってもらう。こういった形で食品等事業者に対する指導を行うということです。
次に、「行政の情報提供」です。これは資料4のほうでは9ページに当たります。消費者に対し、「健康食品」の過剰摂取や誤った使用方法等による健康被害のおそれがあることについて、情報提供と普及啓発に努めるということです。これまでも厚生労働省はホームページやQ&Aの作成、あるいはパンフレット等を作成しておりますし、食品安全委員会におきましては健康食品に関する 19 のメッセージを取りまとめております。そういった情報をもとに情報提供と普及啓発に努めていきたいということです。こういった形でプエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」への対応として、調査会でいただいた御意見をもとに、厚生労働省で今、対応を行っているところです。説明は以上です。
○村田分科会長 ただいま、プエラリア・ミーフィカについて説明いただいたのですが、何か御意見ございますか。
○栗山委員 少し教えていただきたいのですが、業者からの情報提供と行政からの情報提供と書いてあります。この場合、業者からの情報提供というのは、宣伝も、私たちから見ると宣伝と製品の安全性、使う上での注意点というのは、ウエイトが全く違うので、ここにある情報提供は、同じ1つのことと考えて使っていらっしゃるのでしょうかという確認です。
○森田新開発食品保健対策室長 この情報提供ですが、少なくとも製品を販売するときに、その製品が持っている特徴みたいなもの以外にも、ここに書いてあるような製品を摂取する上での注意事項は本来示されるべきであり、実際示されていると思います。
ただ、示され方として特徴のほうが前に立って、健康被害が見えないということがあり得ますので、調査の中でもあったのですが、それを理解して販売して消費者が理解して買うということが重要ですので、情報提供としては良いことだけではなくて悪いことも言って売ってくださいということになります。
○村田分科会長 栗山先生、いかがでしょうか。
○栗山委員 何とも言いようがないのですが、良いことはすごく、私みたいな人がテレビを見て健康食品というときに言われることで、悪いことは多分、書いてあるとは思うのですけれども耳や目に入るような大きさではない。もちろん、それが経済活動なのかもしれないのですが、こういう問題は、多分、この製品だけに限らないと思うので、義務としての情報提供と、売るための宣伝を分けて求めることはできないのかと思いました。ごめんなさい、思いましたというので、そうなってくれるとこういう被害は減るのかと思いますし、でも、もっと基本的には、資料4に見直しの案とか、すごく良いことが書いてあるので、そういうことが実行されていけばいいと思います。
今のままでは、きっとすごくたくさんいろいろな製品について問題が出てくるし、これについては、本当に情報提供しなさいということだけでは済まないだろうなと思いました。ごめんなさい、意見みたいなものです。
○村田分科会長 そのほかに何かございますか。
○大前委員 健康被害の事例の数は書いてあるのですが、これは、発生率は計算できているのですか。
○森田新開発食品保健対策室長 母数になるものが不明ですので、そこの率は把握できません。
○大前委員 健康食品は、これ以外にたくさんあると思うのですが、この事例は、ほかの健康食品による健康被害の事例と比べて多い件数なのですか、あるいは、まあまあの件数なのですか。
○関野食品基準審査課長 多いか少ないかに関して、これはあくまでも自治体を経由して事業者から得た情報の数が、資料3の6ページにまとめた個々の症状の内容に示してある 223 事例ということになります。あくまで、事業者が把握している範囲での情報ということになります。したがって、多い少ないに関しても、どの程度使われた中での件数か、あるいは、どの程度ほかの健康食品と比べてみてという比較までには至っておりません。
○倉根分科会長代理 資料3の6ページですが、健康被害として報告されたものについての重篤度は報告されてきているものなのですか。つまり、入院に至った、クリニックに行った、こういう症状が出たということで企業に報告があった等で、重篤度の目安となるものはありますか。
○森田新開発食品保健対策室長 この 224 の中での重篤度の情報について、特に非常に重いというものは聞いておりません。そこの情報が不確かな部分がありますので、明確なことは申し上げられないと思います。
○穐山委員 通常、健康食品の健康危害というのは、因果関係が難しいことからリスク管理が難しいものです。今回の調査で、ほぼプエラリア・ミリフィカの成分が、この症状を起こしているということで、因果関係が強く疑われる事象だと思います。このような場合、厚労省から食品安全委員会にリスク評価依頼をすることはないのでしょうか。
○関野食品基準審査課長 その点に関しては、実際、今日報告した調査会の議論の中でも御意見としてありました。まず、我々としては、現在、資料2で申し上げると、2ページに書いてあるような対応として、まず、 ( 1 ) ~ ( 3 ) までを求めようということです。その背景にあるのは、これらの製造管理や情報提供にしても、いずれも、従来、通知に基づく行政指導として行っているものです。本来、そういう通知に基づく行政指導が徹底されていれば、今回の資料3で説明したような形で遵守されていないということがなかったと思っております。
その通知に対する徹底の具合もまだ十分ではないということが分かりましたので、まず、現在できることは、差し当たって常に通知が出ている内容の再徹底をしようというところで、今日、説明した資料2の2ページにあるような内容のものを通知として指示しようということです。今、御指摘の点については、今後どのようにするのかということは、また考えていきたいと思いますが、現時点で取り得る内容としては、今、対応案として説明したとおりです。
先ほどの重篤度という話に関しても、今度、発出する通知の中で、できるだけ事業者が被害情報を寄せてきた使用者から聞き取れるような形で、例えば、医療機関を受診したかどうかも含めて、そういうやり取りが可能になるようなフォーマットのようなものも、この通知の中に入れようと思っております。そういうところで、被害情報にどのぐらい重篤度があるかどうか、医学的な判断も含めて、より良い情報が集められればいいと思っている次第です。
○村田分科会長 そのほかに何かございますか。
○二村委員 質問です。今回、国民生活センターで注意喚起をされたということなのですが、国民生活センターに入った相談や事例などが事前に厚生労働省等に通知されるような仕組みがあるのか、この連携がどのようになっているのかということを確認させてください。
○森田新開発食品保健対策室長 国民生活センターに寄せられた情報の中で、重篤な事例に関しては、定期的に、定期的とは言っても月単位ぐらいにはなりますが、情報として消費者庁から厚生労働省に来るということはあります。ただ、それに当たらないような比較的軽微なものについては、その都度、確認をしに行かないと得られません。
○二村委員 こういう薬でないような形で食べられたものだと消費者も、保健所というよりは、消費者被害のような形で国民生活センター等に情報が集まって来るのかと思いますので、より合理的な形で情報のやり取りができるように御検討いただければと思います。
○栗山委員 消費者センターやいろいろな相談窓口、まして、製造元への相談やクレームという行動を起こすというのは、やはり消費者としては、すごく一部になるのだという認識を是非持っていただいて、この相談の裏には、相談しないけれど、かなり重篤なことになっている、あるいは、健康食品という、自分的には健康に寄与しているものでこうなるということは想像もしていない人たちの存在を、多分、調査をするばそういう、何人の声の裏には何人の声なき声があるという、いろいろな研究結果もあると思います。そういうことも是非数の中にお考えいただいて、被害というもの、それを賦活するためのきちんとしたものが消費者に届くための方法を考えていただければと思います。
○村田分科会長 ほかに何かございますか。
○若林委員 今、話題になっている化合物のミロエストロールは、以前、大豆のイソフラボンで問題になったゲニステインやダイゼインに比べて、女性ホルモン活性はどのくらい高い活性であるのかということが大きな問題になるのだと思います。大豆イソフラボンについては、食品安全委員会で小児や妊産婦に関して、余り多量のものを摂取すると問題があるということでいろいろ議論があったかと思います。
問題になっているミロエストロールが、大豆イソフラボンに比べて、どのくらい活性度が強いのかということが、かなり大きなポイントになると思いますし、今、事務局から説明がありましたように、当面の対応策としてはこれでいいと思うのですが、活性が強いということで、かなり注意してフォローアップしないと、また新たな副作用の報告が出てくるのではないかということが懸念されます。その点については、どのように考えていらっしゃいますか。
○森田新開発食品保健対策室長 これは国民生活センターの調査結果の中でも、若干、触れられており、ミロエストロール、デオキシミロエストロールがありますが、それは、大豆イソフラボンに比べて 1,000 ~1万倍ぐらいの活性の強さがあるという記載があります。ただ、含有量の話からいくと、大豆イソフラボン類、特に錠剤、カプセルで言われているのは、私たちとしては 30mg を超えないようにという通知を出しております。こういう mg 単位ではなくてμ g の単位で含有されているという情報があり、国民生活センターの製品の分析の結果だと、 10 数μ g ぐらいの含有量のものや 20 μ g ぐらいの含有量ですので、単位としては、差はありますが活性としては強いというものかと思っております。以上です。
○村田分科会長 よろしいですか。ほかに何かございますか。
○浦郷委員 今回のこのプエラリア・ミリフィカは、タイで伝統的に利用されているということで、そちらのほうでは長い間の食経験があると思いますので、摂取量もタイの方たちは分かっていてそういうものを取り入れていると思います。それを若返りに効くらしいということで日本に持って来て、メーカーの売り方としては女性のバストアップやスタイルアップ等、そういうことで売っています。
摂取目安量が製品によって随分ばらつきがあるということ、摂取量の設定も文献で調べているものもありますが、これも根拠がまちまちで、いわゆる、健康食品というものはこういう形で作られているのかと感じます。でも、一般の消費者から見れば、そうやって自分が気になることに対してうたい文句があったりすると、やはりサプリメントの形で簡単に摂れるので少し飲んでみようかと思ったり、含有量等たくさん書いてあると思うのですが、この mg 数だと、それはどうなのだろうというのは普通の消費者は分からないと思います。
今回、こうやって健康被害が出たということで注意喚起はされていますが、注意喚起もどのぐらいの方たちに伝わっているのか、注意喚起が出ていますが同じように、まだこの製品がたくさん売られているというところで、それほど重篤な被害は出ていないようなのですが、多くの方に健康被害や体調不良が出ているようなので、私は健康食品全体というかサプリメント状のものに関しては、やはり何らかの規制があったほうがいいのではないかと、この健康食品のことをお聞きしてそう思いました。意見でお願いいたします。
○村田分科会長 この後の、食品衛生規制の見直しという中で、是非、また御意見を頂ければと思います。ほかに何かございますか。
○川西委員 資料4の健康食品に関する今後の論点についてという中の1番目、「健康食品の適正な製造管理の在り方はガイドラインが通知に示されているが」という所です。これは、健康食品の製造管理の在り方ということで、しばしば引用されていると思います。今回のプエラリア・ミリフィカを含む健康食品の対象となったものは、このガイドラインの適用対象である、「錠剤、カプセル状等の成分が濃縮された形状の食品」の範疇に入っているといえるのでしょうか。
○森田新開発食品保健対策室長 エキスを使っているものもありますが、錠剤、カプセル形状等で売られているものということですので、範疇のものかと考えております。
○川西委員 そうすると、形状としては薬と見てもいいような形状のものと考えていいわけですね。錠剤なり、液剤なり、普通に考えて、これの範疇だと考えられる中で、今回、恐らく製造管理というところできちんとやっていると書かれているもの、 68 製品のうち 45 製品が遵守しているという数字が出ているということは、それ以外のものについて、これが自主ガイドラインであるから、ガイドラインに則った製造管理が行われていなかったということが実態としてあったということなのでしょうか。その辺りの解釈の違いで適用外の製品があるということではなくて、自主基準だから徹底されていなかったということなのでしょうか。
○関野食品基準審査課長 調査会での御議論も含めて申し上げます。今、先生が言われた後者であって、この通知には該当するという中で、やはり徹底が十分ではなかったので、この通知類で行ってきた内容についての再徹底が必要だという御議論がされておりますので、そういう理解をしております。
○川西委員 その上で、「実効性のある仕組みを構築する必要があるのではないか」ということですが、今のところは、当該ガイドラインは業界の自主的なガイドラインという位置付けだと思います。この部分の意味は、実効性のある仕組みについて具体的にアイディアがあるのでしょうか。あるいはこれから考えようというところなのでしょうか。
○関野食品基準審査課長 資料2の2ページです。繰り返しになりますが、今後、近日中に発出予定の通知の中で具体的に示したいと思っておりますが、今回の調査結果からも分かったことは、製造管理という場合に、実際どこまでのものを求めるのかという点に関して、製造工程の衛生的な面も含めた管理のみならず、いわゆる、GMPのソフトの部分で申し上げると、個々の製品の品質という意味での成分・含量に関する分析も含めて行わなければならないと思います。
ただ、今回、資料3でお示ししたような調査結果に基づくと、やはり、活性成分と言われるものの定量をしているしていないということで、していないケースが結構ありましたので、その辺りも含めた製造管理の徹底が、今回、通知で求められる内容の1つになってくると思います。
○川西委員 今回の本質的な問題であるかどうかというのは、これが全てというわけではないと思いますが、やはり、私自身は有効成分と言ったら間違いなのですが、成分を濃縮したような、その作用を期待するような製品に関しては、もう少しきちんとした形の製造管理なりを要件としていいのではないかという気はします。それは、私の個人的な意見です。
○村田分科会長 ほかに何かございますか。
○横田委員 今、形状の話が出たのですが、私が見聞している限りでは、最近の新製品では必ずしもカプセル状ではないもの、通常の野菜ジュースに混ぜたようなものであるとかが出始めていますので、一度、流行るとそのような関連商品が次々と出る分野、特に女性向けの美容商品はそのような性質がありますので、形状だけにこだわってしまうと危険なのではないかと思います。差し当たり、以上です。
○村田分科会長 これらを参考にして、もう一度、どういう形で発出するのかについて、また省内できちんと議論していただければと思います。時間も押してきましたので、ここで一旦、この話については打ち切らせていただきます。
続いて、食品衛生規制の見直しについて御議論を頂きます。まず、事務局から説明をお願いします。
○大西生活衛生・食品安全企画課長 お手元の資料5、資料6、資料7を御説明します。資料5は前回の6月 26 日の当分科会で御議論いただいた「食品衛生規制の見直しについて」という資料を再度提出しているものですが、前回の会議でも、引き続きその他の論点も含めて御議論いただくこととされていました。
資料6を御覧ください。9月 14 日に、生活衛生・食品安全審議官が参集するという形で、第1回食品衛生法改正懇談会を開催させていただきました。この懇談会においては、幅広い視点から中長期的に取り組むべき事項を含めて、食品衛生法全般にわたる議論をいただいているという状況です。資料の2枚目に懇談会名簿がありますが、当分科会の委員の方々にも一部重複して出席いただいています。
資料7ですが、この懇談会はこれまで9月 14 日と 20 日に開催されており、その際に事務局から提出した資料です。食品衛生制度全般にわたって、懇談会で議論をしていただいています。資料7の目次にあるとおり、「食に対する国民のニーズの多様化・高度化」から始まり、制度全般の論点について御議論いただき、その中で、 HACCP 、営業許可の見直し、器具・容器包装、食品リコールといった、当分科会で前回御議論いただいた項目も含めて御議論いただいています。分科会の先生方には御承知の部分も多いと思いますので、本日は資料7のうち、それぞれの課題として掲げている事項を中心に御説明していきたいと思います。
62 枚目、食中毒対策に関する課題についてです。規格基準や衛生規範等の設定等によって様々な対策を講じてきましたが、依然としてノロウイルス等の食中毒が発生している中で、消費者、事業者への適切な注意喚起や監視指導等を行っていくことや、フードチェーン全体を通じた衛生管理の向上を図っていくことを課題として掲げています。懇談会の中では、これに対し、例えば食中毒では、統計に出てこない部分が実際に数多くあるということも踏まえ、注意喚起をどうやっていくかということが課題ではないか。あるいは生産段階とその後の段階の連携を強化することが、食中毒対策として有効ではないかなどの議論がありました。
次に、農薬についてですが、 78 枚目に「農薬等の残留基準に関する課題について」としています。暫定基準の本基準への移行促進ということで、ポジティブリスト制度導入時に設定した農薬等の暫定基準について本基準への移行を促進すること、あるいはARfDを考慮した残留基準を設定すること、更に国際整合を推進していくということを課題として掲げています。懇談会の中でも、残留農薬については一律の基準が適用されているものがありますが、いつまで現状のような形が続いていくのかということについて御議論がありました。
次に、添加物についてですが、 93 枚目に「添加物に関する課題」としています。添加物の指定及び使用基準改正の要請への対応ということで、指定等に関する体制を強化して迅速化を図っていくこと、1日摂取量調査について引き続き着実に実施していくこと、食品添加物公定書については第9版の改定を進めるとともに、第 10 版の作成に向けての体制強化が課題であること、またポストハーベスト農薬について指定手続の迅速化等が必要であることなどを課題として掲げています。懇談会の中では、指定添加物についての迅速な審査も必要なのではないか、あるいは既存添加物についても、いつまでその位置付けでいいのかというような議論がありました。
次に、遺伝子組換え食品についてですが、 105 枚目に課題として、これまで審査されていない遺伝子組換え食品、サケ等、が開発、商品化されてきているということで、これらについての安全性審査をやっていく必要があるということ、あるいはゲノム編集技術等の新しい育種技術への対応が必要ではないかということを課題として掲げています。遺伝子組換えについてはリスクコミュニケーションが重要なので、きちんとやっていくべきではないかというような議論がありました。
次に、健康食品についてですが、 116 枚目に課題を掲げておりますが、先ほど紹介したところと重複しておりますので説明は省略いたしますが、懇談会でも健康食品については議論が多くありました。規制の強化に当たって、どのような問題がどのように生じたのかということについて、比例原則、目的と効果の適切なバランスを考えた規制をすべきではないか。あるいは食品衛生法第7条の販売禁止規定があるのですが、その運用がどうなっているか。ホルモン活性が高いものの取扱いをどうするのか、危害事例の情報収集体制を充実すべきではないか、サプリメントに関する情報発信を充実強化するべきではないか、また健康食品を扱っている事業者の把握をどうやっていくかも課題ではないかなどの御指摘をいただきました。
次に、食品中の汚染物質等についてですが、 129 枚目になります。これについては、重金属等の継続的な実施をしていくとともに、放射性物質に関しては風評被害の払拭に向けた取組、あるいは放射性物質の検査の効率化といったことも課題となっています。この資料の中で、ヒ素の問題について取り上げられていなかったので、懇談会ではヒ素についても検討すべきとの御指摘をいただいています。
次に、BSEについてです。BSEにつきましては、最新の科学的知見に基づく対策の見直しということで、国内外のBSEリスクが低下していることを踏まえて、現在のリスク状況に応じた管理措置に見直す必要があるのではないかということを課題として掲げています。
次に、リスクコミュニケーションについてです。これについては 147 枚目にありますが、情報発信していることが知られていないとか、内容が分かりにくいという御指摘をいただいているので、更なる工夫をしていくべきということを課題として掲げています。懇談会の中では、食中毒の問題とも関連していますが、飲食店で肉の生食のリスクをいまだに理解していないようなケースも多いので、注意喚起を一層充実すべきではないかという御指摘をいただきました。
次に、監視指導についてです。これについては課題を整理したページはありませんが、懇談会の中では、最近のO 157 事件も広域的なので、都道府県間の横のつながりをどうしていくのか、監視指導は非常に重要だが自治体の中で人員の確保に苦労しているので、地域によって格差が生じないような、国からの支援を考えるべきではないか、手数料収入との関連で財政的支援も必要ではないかといった議論や、地方衛生研究所の体制についても議論がありました。
次に、登録検査機関についてです。これについては 164 枚目に課題として、業務管理要領の改正に関して、GLPについては最終改正から 10 年が経過しているので、国際整合化の見直しが必要ではないかということです。 164 枚目の中ほどに「なお、登録検査機関同様GLPの対象となっている地方衛研究所では、改正GLPの実施が困難ではないか」とありますが、懇談会では、この点については全ての地方衛研が困難とは言えないのではないかという御指摘がありました。また、検査員の要件の適正化についても、登録検査機関における検査員の要件について明確化等を図っていくことを課題として掲げています。
次に、輸入についてです。 178 枚目に、輸出国対策の強化として、 HACCP による衛生管理を国内で制度化した際には、輸入食品についても規制の同等性を確保すること、輸出国政府発行の証明書を求めていくこと、輸入時の検査体制については強化を図っていくことを課題として掲げています。懇談会の中では、輸入食品については衛生証明書の発行について強化を図っていくべきとの御指摘をいただいています。
次に、輸出についてです。 184 枚目に、食品の輸出については、輸入食品の場合とは逆に、我が国のほうで衛生証明書の発行が必要になってきますが、その事務に関して食品衛生法上で具体的な規定がないことが問題になっているという課題を掲げています。また輸出手続の迅速化等についても課題として掲げています。輸出に関しては、懇談会の中では、食品衛生法上の目的規定との関連について検討すべきという御指摘がありました。
次に、 HACCP についてです。 199 枚目に課題を掲げています。これについては、既に前回の当分科会でも御審議をいただいたところですが、懇談会の中では、現場での理解促進と認識の共有の問題、あるいは基準A・Bというものがありますが、どういった業種を対象にどういった形で基準Bを適用していくかという問題、あるいは国、地方自治体の役割、 HACCP に関わる人材育成等を課題として掲げています。懇談会の中では、事業者団体との連携を図っていくことが重要ではないか、あるいは営業許可業種の見直しの話と HACCP の制度化の議論はリンクさせて考えていったほうが良いのではないか等の御議論がありました。
次に、営業届出の創設及び許可制度の見直しについてです。これも前回の当分科会で説明していますが、この資料では 218 枚目に課題を掲げています。業種ごとのリスクに応じた制度を構築するということで、食中毒のリスクが高いとか、規格基準が定められているとか、過去の食品事故の事例等を踏まえた衛生上の配慮が特に必要なものなどを基準にして、対象事業者の見直しを行い、届出制・許可制の整理をしていく必要があるのではないかということを課題として掲げています。また、現行の 34 業種については、現状に応じた分かりやすい仕組みにしていくことを課題として掲げています。
次に、器具・容器包装については、 239 枚目に課題を掲げています。ポジティブリスト制度を目指すこととしていますが、その材質の範囲、リスク管理方法、原材料に関する事業者間の情報提供、情報伝達、製造管理の制度化、製造事業者の届出等の製造事業者を把握する仕組みを課題として掲げています。
最後に、食品リコールについては、 245 枚目に課題を掲げています。食品衛生法においては、事業者に自主回収の報告を義務付ける規定等、自主回収に関する規定がないことから、法的位置付けの付与等について検討する必要があるのではないかということを課題として掲げています。懇談会の中では、リコールについては、大企業の情報であればテレビや新聞などで見ることもできるけれども、そうではない中小企業の場合は、なかなか国民に伝わらないので、国のほうで一元的に閲覧できるような仕組みをしていくことが良いのではないかという御議論等がありました。
大変恐縮ですが、本日の資料の 116 枚目については差し換えがあり、別紙でお配りさせていただいております。修正点は2つ目の●の中の記述について「自治体や医療機関との情報共有、関係当局・関係団体との必要な連携を行い」として、「関係団体」を明記させていただきました。
私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 食品衛生法の中で課題となる事項について、力点を置いて説明を頂きました。まずはこれから少しずつ分けて議論をしたいと思うのですが、その前に座長でありました川西委員のほうから座談会の様子について、お話を頂けませんでしょうか。
○川西委員 この座談会は昨日が2回目でしたが、今のところ、この資料を基に各先生方から、この資料に書いてある内容への質問を中心に行っているところです。これからの課題に対して、では厚労省はどのようなスタンスなのだということについて、明確な答えが返ってきていない点もあります。 2 回目までで一応資料に基づき食品安全行政に対する問題意識といいますか、問題点というものをとにかく言っていただいて、それを一通り行ったというところであります。
ですから、まだ方向性というものは懇談会にはみえていません。ですので、先ほど大西課長のほうから、懇談会での主な意見については御説明いただきましたけれども、分科会の先生方からもプラスアルファとしてご意見をおっしゃっていただいて、次回以降懇談会として取りまとめていき、それから何を食品衛生法の今回の改正に関連させていって盛り込んでいただくかということの整理に追加させていただければと思います。
よろしくお願いします。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは数多くの分野がありますので、先ほども言いましたが議論が拡散しないように、区切って議論をしようかと思います。
まず資料7の目次にあります「食に対する国民のニーズの多様化・高度化」から「遺伝子組換え食品について」まで、ちょうど健康食品については、次のところでお聞きするということで、「遺伝子組換え食品について」までのところで、御意見、御質問をお願いいたします。
○倉根分科会長代理 食中毒のところで、 56 から見ていきますと、非常に対策の効果が上がっているもの ( 例えばサルモネラや腸炎ビブリオなど ) と、効果が上がっていないと言うとあれですけれども、余り変化が見られないものがあります。それがいわゆる病原体の特色によるのか、あるいは対策の適否といいますか、減っているものに対する対策は非常に良かったのだけれども、やはり減っていないものに対しては対策が十分でないというのか、対策そのものが適切ではなかったということもあるでしょうし、その辺の検証が必要なのかと思いました。
それからもう1つは、これはもちろん減っていないように見えても、対策を取ったから減っていないように見えているのであって、取らなかったらもっと増えているという可能性もあるのかもしれません。その辺の効果が上がっているものと、上がっていないものとで、なぜそういう差があるのかということを、もう一度比較しつつ見ていくことが大事なのかなと思いました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。
○穐山委員 今の倉根先生のご意見と被るのですが、食中毒のところで、確か前々回の昨年の食品衛生事故の御報告したときに、死亡例で、自然毒の食中毒がかなりあったと思うのです。その辺の対策について、ちょっと課題が書いていないように思います。最近、家庭菜園が増えており、そのため植物毒でお亡くなりになっている方がおられますので、その辺の情報提供の課題を食中毒のところに入れるのか、よく分かりませんが、その辺は入れておいたほうがよろしいのではないかと思います。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それは事務方のほうもよろしいですか。
○道野食品監視安全課長 まず、倉根先生からのそれぞれの対策の検証ということですけれども、例えば 56 番目の資料にありますサルモネラの食中毒につきましては、これは原因が割とはっきりしています。原因と食品の組合せが極めて明確ということです。
食品の流通なり加工段階での対策もあったわけですが、それと同時に、ワクチネーションも含めて、生産段階の対策がうまくかみ合ったということがあるのだと思います。実際に殻付き卵での汚染実態も減っているということです。そういった意味で、明確に効果が確認できるのだと思います。
腸炎ビブリオにつきましては、その食品の規格もあるわけですが、例えば、その産地の市場等での海水の使用を殺菌海水に変えるなどのインフラの問題、更にインフラの問題でいえば、日本の場合、そういうコールドチェーンが、特に流通に関しては、ここ 10 年ぐらい随分と良くなってきたということなどもトータルであるのではないかと。もちろん腸炎ビブリオについては、病原体と食品の組合せも、かなりはっきりしていることもあります。
一方で、やはりノロウイルスに関しては、実際のところ8割方が、ここにありますように調理従事者ということもあって、感染症的な広がりもある。それから感染発症のウイルス量は少ないということもあって、なかなかその対策が発生の減少につながっていないということなのです。
同じような例で言うと、腸管出血性大腸菌につきましても、もちろんその分布の多くはウシの腸管内と言われてはいるものの、やはりこれも原因食品に関して申しますと、牛肉等だけではなくて野菜など様々な食品が原因になっています。それはもちろん、その一次汚染、二次汚染の防止という観点もあるわけですが、かなり幅広いということもあって、更にはノロウイルスと似ていますが、感染発症菌量が少ないということが、かなり影響しているのではないかと思います。
カンピロバクターについては、実はこれは汚染されている食品と病原菌の組合せというのは、割とはっきりしているのですけれども、やはり発症菌量は少ない関係もあってか、二次汚染と、それからやはり、もう1つは生食がなかなか減らない部分が、進んでいない部分ではないかと考えます。もちろん、それぞれの詳細については別の機会に御説明ができるかと思いますが、現状はそういった状況です。
それから、穐山先生からの御指摘でありますが、昨年、今年、特に連休前後にかけて、厚生労働省のほうでも植物自然毒についての広報等もやっております。これについては引き続きやっていきたいと思いますし、課題としても、高齢の患者が去年は多かったということもありますので、そういったことも含めて、予防対策としての広報の重要性ということについて整理させていただきたいと思います。
○五十君委員 食中毒部会の御質問が出ましたので、少し今の御発言に追加させていただきたいと思います。食品衛生法上の食品のコントロールだけで、ある程度制御可能な範囲の食中毒は、ほぼ十分に対応されてきているという議論があります。
むしろ残っているのは、先ほどのノロウイルスとか腸管出血性大腸菌、あるいは低い菌数で発症するカンピロバクターを原因とするものです。これらは低菌数で発症しますので、ものを介してあるいはヒト - ヒト感染もありますから、食品以外のルートからの議論も加えていかなくてはいけない状況であるということです。
食中毒部会としては、感染症法などとの連携をどのように今後、考えていくべきかという議論をしていかなくてはいけないのではないかという考え方も出始めている状況だと思います。追加させていただきました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。そのほか御意見ありますでしょうか。これまでのところ、食中毒についてだけなのですが、ほかの項目の農薬とか添加物とかついての御意見はありませんでしょうか。先ほどの「食に対する国民のニーズ」から、「遺伝子組換え食品」についての範囲での御議論は出尽くしたということに致します。
続きまして、目次の「健康食品」についてから、「リスクコミュニケーション」までについて、御意見、御質問を頂ければと思います。
○苅田委員 先ほどの資料の差し換えにあった 116 の今後の課題についてのところで、プエラリアのお話とも関連するのですけれども、今、被害情報のフォーマットを御考案中だということなのですが、サプリなどの健康食品を摂る若い女性などは特に、大量にいろいろなものを摂っている人が多いという例があります。個々で、何か情報をというときに、ほかに一緒にどういうものを摂っているのかということ。
あとは、今後の知識の普及のところと関連するのですが、結構ネットでの過大な情報のほかに誤った情報として、副作用をもっと緩和するには、これも一緒に摂ったほうがいいみたいな、そういう同じ会社の製品 ( 自社製品 ) の売り込みだと思うのですけれども、そのような根拠の余りないような情報が結構氾濫していますので、そういったところにも監視や取締りがうまくいくようにお願いしたいということです。
あとは、国民生活センターまでには上げないけれども、口こみサイトなどでは「この商品は悪かった」というのがかなり出ているのです。若い女性に人気のサイトなどももう少し監視して、誤った知識が普及しているような危ない状況を幅広く把握できるようなシステムというか、そういうフォーマットができるといいと思っています。意見です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。
○穐山委員 健康食品のスライド 116 で差し換えの部分ですけれども、この真ん中の「健康食品」に関連した危害事例の情報収集・処理体制の充実強化のところで、信頼できる情報というのは、なかなか入手できないのだと思います。おそらく消費者からの情報とか医療機関からの情報が主だと思うのですけれども、健康食品と医薬品との相互作用による健康危害というのも結構あります。
そうすると、やはり薬局ですよね。おそらく健康食品に対応した薬局も結構ありますので、そういった薬局からの情報、この辺を充実する必要があるのではないかと思います。それは私の意見なのですけれども、そういう所からのほうが「健康食品」と医薬品との相互作用についての、信頼できる情報は入手できるのではないかと思います。
あとは、スライド 147 番のリスクコミュニケーションですけれども、我々もそうなのですが、やはりリスクコミュニケーションの仕方というか、リスクコミュニケーターのあり方というのは、我々も結構、試行錯誤しているところなのですが、こういったリスクコミュニケーターの人材育成を課題に入れていただければと思っております。
○栗山委員 先ほどから申し上げていることの繰り返しで申し訳ないのですが、一般消費者が売るほうからの情報提供というか宣伝活動に、どう反応して、どういう購入行動に移っているかという観点も含めて、今行われていることが適正ではないと思うので、そこら辺の見直しをできる部分があったら、是非お願いしたいということを言いたい。
今、穐山委員からおっしゃった薬局での情報提供はすごく大切なことだと思うし、幾つかの医療機関にかかっていても薬局を1つにしているのは、目安の部分を確認してもらうところがあると思います。ただ、その行っている薬局で健康食品を売っているのです。薬局とは違う所、入口が違うというか、中に入って分かれるみたいな感じで、調剤薬局と健康食品を売っている薬局とが、1軒の中で2つに分かれている造りになっていて、なかなか実効性のある情報収集というか、情報提供がどのようにされるのかという不安もありますので、そこら辺を分けて、あるいは一緒に考えていただけたらと思います。
○倉根分科会長代理 意見といいますか、疑問と言ったほうが正しいのだと思うのですが。製剤であれば、その製剤が含んでいる何が効果があるものであり、その物質がどの程度体に入れば副作用が出てくるというのは、科学的に大体分かっていると思うのですが、健康食品の場合に、たとえGMP規範をきちんと設定してやったとしても、製造におけるもともとの原材料とか製剤は、原材料の品質とか安定性等は非常に均等したとしても、効果を示しているものの、物質が恐らく1種類ではない可能性もあるし複数入っているものもあるでしょうと。
そうすると、一方で、その安全性というか、効果もそうですが、安全・効力というのは安全性だけれども、そういうのをどうやって担保すればいいのだろうと、これは疑問と言ったほうが正しいと思うのですが、非常に難しいのではないかと思うのです。ビタミンやミネラルであれば物質がはっきりしていますから、これぐらいの量を摂ってくださいと。これ以上摂ったら駄目ですというのは分かるけれども、多くの健康食品であると、そこの検証が非常に難しいのではないかと思いました。これは、意見よりも疑問を持っているということです。
○栗山委員 今のような御質問は、私も本当に深刻にそう思います。ただ、トクホの委員をしていた経験もありますが、そこら辺を今の厚生労働省に届け出た健康食品とか、そういうのではなくて、内閣府が何でしたか、いろいろトクホなどというものでも、効果とか、どれぐらいの量がどうこうというのは、すごく曖昧というか、Nの数が本当に十幾つとか、そういうので認可されているので、厚生労働省に届け出ている健康食品が、情報提供というか宣伝に使えて、このまま使われて、このまま進んでいって大丈夫かという疑問を同時に感じております。
○安藤委員 食品中の汚染物質に関する課題で、牛肉の放射能の全頭検査を挙げていただいているのですが、これはすごく現場サイドとして有り難く思っております。今、放射能の検査は、牛肉以外はみんなサンプリング検査でモニタリングをして安全性を確保できているところで、牛肉だけが全国で全頭検査がまだ続いてしまっている。現場サイドからやめたほうがいいのではないかという声が出ても、ほかがやっているからとか、お客さんが求めているからということで、自分たちでやめることがなかなかできない状況になっていますので、モニタリング検査できっちり安全性が確保できるということを示していただければ、今、屠畜場は放射能の検査というよりは、 HACCP とかO 157 の対策とか、もっとお金と人をつぎ込むべきところがあると思いますので、是非、何かこのような形で出していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 事務局で今の御意見に対して何かありませんか。
○関野食品基準審査課長 今現在、一応そういったものはモニタリングで、ひと通り確認をして、不安を取り除くと言ったら変ですが、大丈夫であることを示していると思いますので、そういったことを続けながら、適宜、時期に応じて必要性については考えていく問題だと思っており、御意見として承りたいと思います。
○道野食品監視安全課長 牛肉の検査は、政府としてはそもそも基本的に必要ないという分野になってきているわけです。だから、安藤委員のおっしゃっているのは、取引の力関係で、結局、出荷サイドとしてはやらざるを得ないと。それから、まだ政府の原子力災害対策本部から指示で、全頭検査を一部やらなければいけない自治体はあることは事実ですし、1頭一頭それを分けるのが大変なので、みんなやってしまいましょうというのは、あることはあるのです。そこをコアにして、それ以外の自治体、産地でも、これは自治体が直でやっている場合と、業界が流通先のオーダー ( 要求 ) があるものですから、やらざるを得ない、やめられない。だから、厚生労働省で公表している数字よりも、はるかに多くの牛肉が放射能検査を出荷前にやっている。例えば、西の全然関係ない所も含めて、そういうことを実施しているという実態があって、去年、業界サイドも一斉にやめようとしたのですが、うまくいかなくて、継続せざるを得ない。これは本当にリスコミュニケーションの問題というわけです。そういった事情もありますので、我々としても、栽培とか、飼養管理が可能なものについては、基本的にこういった問題については、心配がないことをきちっと情報発信していく必要があると、そういうことだと思います。
○二村委員 制度的にどうするかは私もよく分からないのですが、リスコミニュニケーションの項目を拝見しますと、どうしても発信をするところが多くなっています。確かに正しい情報を伝えるのは必要なことですが、先ほどの健康食品のことでもありましたし、その他、例えばハチミツを乳児が食べて食中毒という事例もありました。インターネット上には食に関するいろいろな情報が語られています。そういうものを、受信していくこともとても大事だと思います。ハチミツの件などで言えば、皆さんが本当によく普通に利用するサイトに、普通の情報として離乳食としてハチミツを使うという情報が相当程度載っていたということを、事故が起きてから非常に大きく取り上げられましたが、私としては、事前にそういう点に注意がいかなかったことは非常に残念なことだと思っています。あらかじめ、こういう情報が出回っているということが受信できていれば、何らかの形でもう少し注意喚起ができてたのではないか。そういった事例がほかにもあるのではないかと思います。
先ほどの健康食品なども、今、検索をしてみると、「こんなにいいよ」という口コミサイトみたいなものが、サイトの検索の上位のほうに来ていたりします。普通の人はそういう検索結果を見て購入されるのだと思います。情報発信することもとても大切ですが、どういう情報が世の中にどういう形で出回っているのかについての受信を強める、それに応じて対応を考えていくところも、施策としては必要ではないかと思いました。多分、今でも情報収集ということである程度されているのだと思いますが、特に、今、インターネットの中で誰でも情報発信ができる時代になっているので、すごくいろいろな情報が増殖をしている、その状態に対して対応していくことは非常に求められるのではないかと思いました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。大体、出尽くしたのでしょうか?
○川西委員 健康食品の製造管理の関係のことを、先ほど前の話題のときに発言させていただいたのですが、製造管理で安全性を担保することは重要なことだと私は思っています。その際、効果をうたうこと、強くうたうもの、それで私は、錠剤とか、カプセルとか、そういう類のものは効果があるとされる成分を濃縮して製造する製品と思います。確かに正論から言うと、横田委員が正におっしゃったように、区別するというのはおかしいというのはあるのですが、結局、こういうものを規制に乗せていくときに、製造管理の理屈が立てやすいもの、そこから導入していくことで、既にガイドラインも出ていて、そういうものをもう少し、この言葉で言う実効性がある形を今ひとつ被せていく。私は横田委員がおっしゃったことは正論だとは思うけれども、それをいきなりハードルとすると、少し現実的ではなくなってくるかと思った次第です。
○横田委員 私は懇談会の席で申し上げたことをもう一度繰り返します。比例原則うんぬんの話の補足ですが、既に御指摘があったとおり、錠剤等の形状のものについては、ガイドラインが出ていて注意喚起が今までされてきたと。いきなり全てに関して規制を掛けるのは、それはそれで比例原則としてどうなのだろうかと。予告的なことも含めてそうですね。ただ、今回のプエラリア・ミリフィカのように現実に危害が少し見えてきているものに関して、錠剤のものが悪いのだというメッセージにならないようにすると。ですので、規律としてどこまで踏み込むかという観点のときに、何に着目をして、濃縮のほうが危険性が高い、あるいは製造工程が見にくいということで、危険性が高いということであれば、まず、それに対応した規律をすると。
それとは別に、メッセージとして、別に錠剤になっているから危ないだけではなくて、ドリンクになっているものとかも含めた情報発信をある程度しないと、今回の件については危ないのではないかと。私自身は、ある程度切り分けて考えています。そうしておかないと、割と脱法的なとか脱ガイドライン的な商品がどんどん出てくるのではないかという懸念もあり、まずは消費者に、製造工程自体がまだ確立されていないのだというメッセージを与えるべきではないかと思います。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。まだまだあるかもしれませんが、もう1つ残っておりますので、今度はそちらのテーマに移らせていただきます。最後、「管理・指導について」から「食品リコールについて」までですが、御意見、御質問を頂ければと思います。
○穐山委員 これは厚生労働省ではないかもしれないのですが、最後の 245 ページの食品リコールの課題ですが、これは基本的に食品衛生法における自主回収の法的位置付けを持ってくることだと思うのですが、多分、リコールで一番多いのは、表示の問題が結構多いと思うのです。これは規制が食品表示法になってしまうのです。この管轄は消費者庁になってしまうのですが、この辺も何か連携して表示の食品リコールを持ってこれないかとは思っております。恐らく、こういった食品リコールの食品衛生法における回収は、余りそう多くないのではないかと思います。
○道野食品監視安全課長 前回の資料の中でも御紹介しているのですが、一部の自治体でこういった報告の仕組みを条例等で作っているということで、実際に食品衛生法関係での自主回収が実績としては 418 件、食品表示法に関しては 549 件という資料を出させていただいており、消費者庁とも調整して進めようということで相談をしているところです。
○五十君委員 資料5の食品衛生規制の見直しについて ( 案 ) の第1の趣旨を見ますと、出てくる内容としては、食品流通の多様化や国際化等を踏まえということで、国際整合性を重要視し、どう見直していくかという趣旨で検討をされているように見えます。それに一番関わりそうなのが資料7のスライド 204 から後に示されているように、許可業種とか、日本の制度として食品衛生上のいろいろな制度があって、 204 、 205 と見ていきますと、国内の業種によってはこういった手厚いいろいろな規定があります。一方、国際的なスタンダードである codex と比較して見ますと、スライド 206 から後に codex との比較表が出てきます。どうやら根本的な考え方は、恐らく日本は非常に手厚い部分がある一方、逆に国際的な場合は大規模な施設に非常にうるさいという言い方をしてはいけないのかもしれないのですが、規範が示されています。食品種によりその対応の重い、軽いがあり、その対象が codex と国内で異なっているように思います。この辺の方向性について、どういった議論がされていくのでしょうか。 213 以降のスライドにある程度示されていますが、今まで検討された中で、そういった国際整合性と国内の特殊事情という言い方をしていいのかよく分からないのですが、国際整合性とのすり合わせについてお聞かせ願えますか。食品衛生法を作られたのがかなり古く、いろいろな考え方があったかと思うのですが、許可の重複などを含め、今後どれぐらい整理が行われていくのかというところをお聞かせ願えると嬉しいのですが。
○道野食品監視安全課長 確かに資料5でみますと、食品流通の多様化と国際化ということで、主に国際化ということで言うと、 HACCP 、器具・容器包装の材質のポジティブリスト化の件、食品リコールなども先進国では既に相当部分実施されているところがあります。そういう要素はあります。
ただ、これらについても、例えば HACCP に関しては、そういう資料7の前半にあるような食の外部化とか、加工食品、調理済み食品の消費の拡大とか、そういったものの安全確保ということで、国内的にはもちろんニーズも当然にしてあるわけです。
あと、今、御指摘のあった営業許可とか、届出に関しては、資料 218 にもありますように、国内的な事情がかなり大きいわけです。特に、今の許可制度については、昭和 40 年代に最後の見直しがされたということで、現状の食品産業の現場と少し乖離してきている部分もある。リスクに応じた制度になっているのかどうか。それから、既に基準が定められ、いろいろな衛生対策が必要だとされている食品等について、きちんと対応した制度になっているのか、そういった観点で許可対象業種とか。区分とかいうことについては、見直しと同時に食品の製造・加工業の多様化があって、今の制度だと幾つも許可を取らないと営業ができないという形態が増えてきている。そういったことも勘案しながら、課題を整理して制度の見直しをやっていこうと、そういうことを事務局から御説明をし、御意見を頂いていると、そういう状況です。
○五十君委員 国際整合性をもった HACCP 、工程管理が制度化されると、自主管理の尊重、推進を図っていくということになります。資料5の基本的な考え方の中にも、第2の主な検討内容の最初の○の最後に「自主管理の推進を図る」ということが明言されていますので、現在、重複して許可を取らなくてはいけないという状況を大幅に簡素化し、自主管理にどのように移行していくかという検討を是非していただければと思いますので、よろしくお願いします。
○中村委員 懇談会にも出席をさせていただいているので、資料5と資料7の違いについて質問させていただきますが、資料5の2ページの営業届出の創設及び許可制度の見直しの検討内容の2番目の○で「省令で基準を示すことを検討」という部分で、この部分については、資料7には特に書かれていないということと、次の○の「電子申請・届出の共通基盤システムの整備」については、懇談会ではなくて分科会で検討されるということでよろしいのでしょうか。
○道野食品監視安全課長 資料作りの問題です。資料5については、見直しの内容そのものの検討内容ということで整理させていただいているので、実際に何をやるかをかなり書いているわけです、一方で、資料7については、そういったことも含めて現在の食品衛生法でのいろいろな施策全般について、要は制度改正の必要がないのかどうかについて、棚卸しといいますか、そういう観点で見ていますので、課題を中心に書かせていただいていると、そういう資料だというふうに御理解いただければと思います。
○中村委員 追加で、この場でお話をさせていただきますが、省令で基準を定めることについて、調理というカテゴリーでくくってはどうかというお話も出ています。御存じのとおり調理については様々な形態がありますので、全国共通でいける施設基準とローカル色豊かな調理業もありますので、その辺の切り分けをどうするかも、是非、御検討いただきたいと思います。
電子申請の共通基盤システムを作られるということですが、既に自治体では営業許可について、既にシステムを持っている所が多くありますので、もし国で共通基盤を作られるのであれば、相互にデータのやり取りができるシステムの構築を是非とも御検討いただきたいと思います。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。今の中村委員の御意見も、しっかりと参考にしていただければと思います。そのほか、いかがでしょうか。
課題としては、資料7に書いてある内容にこの場で出た課題を更に付け加えて頂くとします。ただ、今課題ばかり出しても法律改正には直接結び付きませんが、書き加えることによって国民の食品衛生が良くなりそうな課題は何かということを文書化していくという格好になろうかと思います。これらを参考にしていただくことで、今日のところは新たな議論も出てまいりませんので、ここまでとさせていただこうと思います。御意見、いろいろありがとうございました。それでは、次の日程などについて、事務局からお願いします。
○一戸生活衛生・食品安全企画課長補佐 次回の分科会については、 10 月 27 日を予定しております。場所などの詳細については、追って御連絡いたします。最初にも申し上げましたが、緑のファイルは机上に置いたままでお帰りいただきたいと思います。以上です。
○村田分科会長 予定よりは 30 分ぐらい早くなってしまいましたが、これをもちまして閉会とさせていただきます。本日は、長い時間誠にどうもありがとうございました。
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