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2018年9月10日 第10回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会

雇用環境・均等局

○日時

平成30年9月10日(木) 16時00分~18時00分

 

○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省共用第8会議室

○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、中窪委員、松浦委員、守島委員、山田委員
 

【労働者代表委員】

梅田委員、大崎代理人(小原委員)、齋藤委員、松井委員、村上委員、吉清委員
 

【使用者代表委員】

秋田委員、及川委員、杉崎代理人(小林委員)、鈴木委員、田代委員、中野委員

○議題

・ 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律等の一部改正法の施行について
・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正法の施行について

○議事

 

○守島部会長 それではちょっと時間が定刻よりも早いのですけれども、ただいまから第10回労働政策審議会職業安定分科会雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会を開催いたしたいと思います。
 本日の出欠状況につきましては、公益代表の武田委員、労働者代表の小原委員、使用者代表の小林委員が御欠席でございます。なお、労働者代表の小原委員については、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会の中央執行委員労協・法規政策部長であります大崎様が代理出席されます。
○小原委員(大崎代理) 電機連合の大崎です。よろしくお願いします。
○守島部会長 使用者代表の小林委員については、日本商工会議所産業政策第二部副部長の杉崎様が代理出席されております。
○小林委員(杉崎代理) よろしくお願いいたします。
○守島部会長 それでは、事務局から定足数の御報告を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○松永有期・短時間労働課長 定足数について御報告をいたします。労働政策審議会令第9条で定める委員全体の3分の2以上の出席又は公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
○守島部会長 ありがとうございました。カメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。
 それでは議事に入りたいと思います。本日の議題は、前回からの引き続きの議題「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律等の一部改正法の施行について」と、今回はこれに加えて、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正法の施行について」を議論いたしたいと思います。
 まず、本日の流れを御説明いたします。前回、途中で終わってしまいました議題1、短時間・有期雇用労働法関係の参考資料1-2「待遇の相違の内容及び理由の説明について」、それから参考資料1-3「その他短時間・有期雇用労働法に関する改正事項について」について、議論をしたいと思います。それに続きまして、前回御議論いただいた参考資料1-1「同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期雇用労働者に関する部分)」については、後ほど事務局から御説明いただく資料2-1の「派遣労働者のガイドラインのたたき台」と併せて議論いただきたいと思います。最後に、資料2-2「労使協定について(賃金を除く)」について議論をいたしたいと思います。
 それでは、参考資料1-2及び参考資料1-3について議論したいと思います。この2つの資料については、前回御説明をしておりますので、資料の説明は省略させていただきたいと思います。では、どなたでも御質問、御意見等がありましたら、御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松井委員 前回は欠席いたしましたので、幾つか発言をさせていただきたいと思います。参考資料1-1のパート・有期にかかわる同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台について、いま質問して良いですか。
○守島部会長 本日は1-2と1-3をやろうということで。でも、前回お休みしていたので。
○松井委員 派遣にかかわる同一労働同一賃金ガイドラインのときに、この参考資料1-1も一緒にやるということですか。
○守島部会長 はい。
○松井委員 失礼しました。では後ほど質問します。
○守島部会長 分かりました。ほかにどなたか。よろしいですかね。
○小林委員(杉崎代理) すみません、本日は代理で出席させていただいております日商の杉崎でございます。待遇差に関する説明義務の周知関係で、発言させていただきたいと思います。今回の説明義務ですけれども、事業主は雇用する短時間・有期労働者から求めがあった場合には、正規雇用労働者の間との待遇差の内容、理由について説明するということが義務付けられますが、特に中小企業や小規模事業者においては、この比較対象となる正規雇用労働者が特定されるということが懸念されます。資料の中にも、個人情報保護の観点から、事業主は説明を受けた短時間・有期雇用労働者において、この比較対象となった正規雇用労働者が特定できることがならないように配慮する必要があるということになっているのですけれども、実際にどのように配慮すべきなのかの具体例について、この義務の周知とともに、是非例示をしていただきたいと思います。
 また、こういった労働者の待遇に関する情報についてなのですが、非常に機密性が高いものが含まれるということから、各企業で通常そういった取扱いに細心の注意を払っています。したがいまして、待遇差の説明を求められた短時間・有期雇用労働者の方に対して、就業規則等によって正規雇用労働者の待遇に係る情報は機密事項といたしまして、在職中及び退職後においても、他に漏らしてはならない旨を規定しうることを、待遇差に関する説明義務と併せて、是非周知していただきたいと考えています。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。よろしいですかね、ほかにどなたか。
○及川委員 参考資料1-2及び1-3で、5W1Hではないですが、いつ説明義務があるのかということは、両方を読むとよく分かるのですが、短時間・有期の労働者から求められたとき、あるいは雇い入れたときということですけれども、いつ説明をしっかりしなければいけないのかということが、最終的にとても分かりやすく伝わるように工夫をしていただきたいと思っています。特に参考資料1-2の5ページでして、この中で確認なのですけども、囲みの中で、「事業主は、待遇の相違の内容として、次の事項を説明するものとする」ということなので、次の事項は2つ・があると思いますけれども、この2つを説明をするということだと理解します。最初の1つ目の・の「有無」ということなので、相違がなくても次の・はしっかりと説明しなければいけないという理解でよろしいのか、確認のためにお教えいただければと思っています。
 事業主ということですが、対応するときに柔軟にきちんと説明をするということもありまして、例えば、説明窓口担当者からしっかり説明させますということも、この事業主の所にも入るのかどうかということも、少しお教えいただきたいと思っています。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。もし、よろしければ、幾つかまとめてお答えいただくことにしたいと思います。
○松永有期・短時間労働課長 今、杉崎委員と及川委員からの御指摘、なるべく分かりやすい周知をというようなことであろうかと思います。
 まず、杉崎委員から頂きました個人情報への配慮の関係であります。これもいろいろな配慮の仕方があろうかと思いますけれども、今回の比較対象労働者を選定するに当たって、ある種、標準的なモデルという形で示すというようなことも選択肢としてあり得るのではないかというようなことで、お示しをさせていただいております。そのような形で、個人が特定されないような比較対象の選び方というのもあり得るのではないかなと思っているところです。
いずれにしても、そういったところも分かりやすく周知できるようなことは考えていきたいと思っています。
 及川委員から頂きました御質問で、資料5ページにありました待遇の相違の内容の説明についてであります。ここでは2つの・で書いてあります。この事項を、それぞれ御説明いただくということでありまして、待遇の実施基準の相違の有無というものと、個別具体的な内容、あるいは実施基準というようなことですが、これは相違の有無として、違いがなかったとしても、違いがない中でそれぞれ比較対象の方がどういう待遇なのかということを、御説明していただくということを想定しているものです。事務局からは以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか。
○村上委員 先ほどの使側の委員からの御発言に関して、私の理解が誤っていたのかと思う部分がありました。具体的には、就業規則が機密事項であるというようなお話があったのですが、就業規則は事業所で働く労働者が守るべきルールであるとともに、使用者が守るべき労働条件を記載するものであり、使用者には周知義務も課せられています。みだりに会社の外に話をするということではないとは思いますが、基本的にはオープンにされるべきもの、事業所ではオープンにすべきものです。労働側としては、就業規則は閲覧だけではなく書面で交付すべきぐらいに思っているところですので、機密事項ということには必ずしも当たらないのではないかと思います。連合の労働相談でも、「会社の人が就業規則を見せてくれない」などの相談があるのですが、就業規則は職場で適用されるルールを定めたものなので、基本的には機密事項ではないということの理解は共有化していただきたいと思います。以上です。
○鈴木委員 ただいまの村上委員のご発言に関連して申し上げます。各社は、就業規則、労働協約を作られていると思いますが、ではあまねく社外にオープンにしているかというと、そうではありません。理由と様々あると思いますが、大変にセンシティブなデータということで、オープンにしていないという実態があります。
 先ほど議論のありました資料交付に関してですが、社員に分かりやすく理解してもらえるような説明というのは大変重要だと思っておりますが、他方で、各社の実態というのも様々と思っています。例えばですけれども、インターネット上に就業規則を掲載をしていて、それをパート・有期の方も御覧いただけるような企業もあります。そうした企業では、パソコンの画面を見ていただきながら口頭説明をして、分からない所があったら後で見てくださいというような、そういうことで対応を考えている企業もあります。分かりやすさとともに、説明のしやすさや、事業主の負担感も十分勘案していただきながら、それぞれの事業所に合った柔軟な形、やり方を御検討いただければと思っております。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。よろしいですか。
○岩村委員 今の点に関連してですけれども、まず第一には、説明義務を課しているということとの関係で、やはり、その説明の内容についての根拠というのが、きちっとしているというのが求められるだろうと思います。したがって、別に就業規則を必ず示せとまでは言えないでしょうけれども、しかし他方で、その説明がきちっとした社内の制度の根拠に基づいているものだということは、ちゃんと示しておかないと、恐らく説明として、後でそれは不十分だということで争いになった場合になるということは、十分考えておく必要があるだろうと思います。
 もう一点は、本日の直ちに議論ではないとは思いますが、皆さん、個々の労働者が説明を求める前提として議論しているようですが、労働組合が介在する可能性が当然あります。これは、いま議論している今回の法律で導入される説明義務の問題ではありませんけれども、労働組合が説明を求める団体交渉を求めてきますと、これはやはり労働条件、処遇に関する団体交渉ということになるので、したがって使用者の回答というのは、当然、団交義務との関係で誠実なものではなくてはいけないということになります。ですので、団体交渉における使用者の回答についての根拠等については、きちっと就業規則そのものではなくても、必ず客観的な理由なり、説得力のある資料なりを示さなければいけないということになるので、その点は踏まえておく必要があるかなと思います。その限りでは、やはり就業規則というのを、機密事項なのだからおよそ示せないという対応になると、団交だと場合によっては、不誠実な団交だということになってしまう可能性もあるので、その辺を留意しておく必要があるかなと思います。いずれにしろ、やはり説明と言っても、社内制度がこうなっているということについての何か根拠に基づいた説明がないと、不十分な説明だと後でされてしまうでしょう。そうすると、そもそも格差についての合理性というのが怪しいということになってしまうと、そういうことかなと思います。
○守島部会長 ありがとうございます。
○秋田委員 今のテーマなのですけれども、岩村委員がおっしゃったように説明義務とその根拠をきちんと示すというのが、その義務を果たすうえで必須だと思います。それと、先ほど使用者側から出た意見の関連で、就業規則は基本的には社外秘あるいは取扱注意という形で縛っている企業が多いと思いますので、本人が知るということと、それをみだりに外に出すということとの線引きをきちんと説明を受ける側にも理解をしてもらうということです。当然、就業規則は様々な形、様々な事項がありますので、その中には会社の情報を外に漏えいしないという条項も含まれている就業規則が数多いと思います。そういった常識的な線引きを、きちんと分かるように説明、周知のときにしていただければ、説明を受ける側も説明をする側もやりやすいと思います。以上です。○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか。よろしいですかね。
○村上委員 念のため確認です。秋田委員がおっしゃっている取扱いの問題についてです。当然のことながら、使用者から待遇説明を受けてどうしても納得できない労働者が、例えば、紛争調整委員会や均等調停会議などの行政の解決窓口、さらには労働審判や訴訟に解決を求めるときには、当然、就業規則や待遇情報は説明資料として出していくこととなります。秋田委員はそこをおっしゃっているわけではなくて、このような説明を受けたということをみだりにSNSで出していくべきではないといった趣旨のご意見ということで理解してよろしいでしょうか。
○秋田委員 例えて言えば、そういうことです。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかの話題も含めて、どなたかございますか。よろしいですかね。それでは、続いて本日の議題の2の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正法の施行について」の議論に移りたいと思います。
 では、まず事務局から資料の御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○吉村多様な働き方推進室長 それでは、事務局から資料1、資料2-1、資料2-1の別紙、資料2-2につきまして、通しで説明させていただきます。
 資料1です。不合理な待遇差を解消するための規定の整備(派遣労働者)と書いてある資料です。これは、今回の法改正の派遣に関する部分につきまして、概要として整理をしているものです。派遣の待遇決定につきましては、雇用関係と指揮命令関係が分かれている派遣の特性を踏まえ、2つの方式が不合理な待遇差を解消するための方式として用意されております。(1)派遣先労働者との均等・均衡方式です。この場合につきましては、派遣先から派遣元に対して待遇情報の提供が義務付けられておりまして、派遣元は、派遣先から提供された待遇情報を基にして、派遣労働者の待遇が派遣先と均等・均衡が取れた形で決定をするという方式です。(2)労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式です。これにつきましては、過半数の組合又は過半数の代表と一定の要件を満たす協定を締結していただき、その協定に基づいて待遇を決定する方式です。協定の要件としましては、点線で囲っている枠の部分ですが、例えば(イ)として、同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額と同等以上の賃金額となること、それから(ロ)として、派遣労働者の職務の内容、成果などの向上があった場合に賃金が改善されるもの、あるいは賃金以外の待遇で、派遣元の通常の労働者との間の不合理な相違がないことを要件として定めております。派遣につきましては、こういった2つの方式があることを再度御確認いただければと思います。
 資料1の2ページです。この資料につきましては、前回8月30日の部会でも示した資料です。まず上の部分です。パートタイム・有期雇用労働法関係と書いてありますが、これにつきましては、先日の部会、それから先ほど御議論いただいたところです。真ん中以降の労働者派遣法関係についてです。今後御検討いただく事項として5項目を提示しておりますけれども、本日御議論いただこうと思っておりますのは、派遣法関係の上の2つの部分です。具体的に言いますと、同一労働同一賃金ガイドライン(労働者派遣法関係部分)、2つ目は労使協定関係です。ただし、2つ目の労使協定関係の部分につきましては、本日は賃金部分は資料として提示しておりませんので、賃金を除く労使協定関係につきまして、本日御議論いただければと思っております。
 まず、派遣の関係のガイドラインについて説明します。資料2-1です。同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台対照表(派遣労働者に関する部分)という資料です。この資料につきましては、派遣に関するガイドラインを抜粋しているもので、最終的には先日提示しましたパート・有期に係る部分あるいは総論部分を合体して、1つのガイドラインとすることを想定しております。
 資料の作りとしては、8月30日の前回の部会で示しましたパート・有期に関する部分を右側に、今回提示している派遣労働者に関する部分を左側に記載しております。大きな考えとしては、派遣に関する部分の記載に当たり、考え方あるいは事例につきましては、パート・有期に係るものから基本的には変更しておりません。ただ、派遣に関しては、先ほども申し上げましたとおり、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式の2つがあるということで、それぞれの方式についてガイドラインのたたき台を示しているという形ですので、第5として派遣労働者、これは派遣先均等・均衡方式の場合の考え方です。
 それから、後ほど説明しますけれども、第6という形で、労使協定方式の場合の考え方というのを整理しています。これから、パート・有期も含めて御議論いただく形になるかと思いますが、前回の部会でもパート・有期に関するガイドラインについて様々な御意見を頂いております。本日示しております資料2-1の右側の欄につきましては、あくまでも前回提示したものをそのまま記載しています。
 それでは、第5の派遣労働者の派遣先均等・均衡方式の部分について簡単に説明します。第5は1~22ページまでありますけれども、1ページの冒頭で、派遣先均等・均衡方式につきましては、法律の規定に基づきまして派遣先と均衡が求められる場合、いわゆる均衡ですが、それから、1ページの下の「また」以降ですけれども、いわゆる均等が求められる場合について記載しております。
 2~8ページまでは基本給に関する記述です。この場合、派遣につきましては、派遣元と派遣先、2つの関係者が出てくるということで文言を補っておりますけれども、考え方や事例につきましては基本変えておりません。ただし、8、9ページの右側の欄では、「また」以下の所で下線を引いている部分が続いております。ここにつきましては、定年後再雇用の場合の記述をしておりましたが、派遣の部分では、こういった事例が考えにくいということで、記述からは削除しているものです。
 9~19ページは手当に関する記述です。9~11ページに掛けて賞与、11~13ページに掛けて役職手当、その後順次、特殊作業手当、特殊勤務手当、精皆勤手当、時間外手当、深夜・休日手当、通勤手当、出張旅費、食事手当、単身赴任手当、地域手当という形で19ページまで続いておりますが、考え方や事例につきましては、パート・有期のときと同じものです。
 また、19~21ページには福利厚生という形で、福利厚生施設、転勤者用社宅、慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給保障、病気休職、法定外休暇という形で続けて記載しておりますが、これにつきましても、パート・有期と同じ考え、事例をそのまま引っ張ってきております。
 21、22ページは、その他という形で、教育訓練と安全管理についても記載されております。これにつきましても、基本はパート・有期と考え方をそろえた形にしております。
22ページです。ここから第6という形で、協定方式の場合のガイドラインの記載です。協定方式の場合の賃金につきましては、先ほど少し説明しましたけれども、同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額以上ということを法律で定めておりますので、その要件を満たした協定の内容とする必要がありますよということを記載しております。その上で、賃金以外の待遇につきましては23ページ以降、2の福利厚生以降に記載しております。23~25ページが2の福利厚生という形で、さらに25、26ページは、その他という形で教育訓練と安全管理につきまして記載しております。なお、23ページの給食施設、休憩室、更衣室といった福利厚生施設と、25ページの一部の教育訓練につきましては、派遣法第40条の規定に基づき、派遣先のほうで措置していただく義務が掛かっておりますので、そのことを踏まえたような記述にしております。
 最後に、26~28ページに、第7という形で短時間・有期雇用労働者である派遣労働者についての記述があります。これにつきましては、短時間・有期雇用労働者である派遣労働者については、パート・有期法と派遣法の両方の規定が適用されることから考え方を整理したものです。この部分につきましては、資料2-1の別紙という形で横書きの2枚の資料を付けているかと思いますので、こちらで説明したいと思います。
資料2-1の別紙の1枚目です。派遣法におきましては、先ほども申しましたとおり、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式の2つありますが、1ページは、派遣先均等・均衡方式の場合の規定を整理したものです。派遣法では、派遣先の通常の労働者と、パート・有期法では、派遣元の通常の労働者との、いわゆる均等・均衡の確保が必要になってまいります。ただし、職務に密接に関連する賃金やその他の待遇、例えば基本給あるいは現在の業務に関連する教育訓練につきましては、特段の事情がない限り、パート・有期法で、派遣元の通常の労働者との間の不合理かどうかということが問題にはならないだろうということで、赤い矢印は点線にしております。他方、②の職務に密接に関連しなく、むしろ雇用関係や人事管理に密接に関連するような賃金や待遇、例えば通勤手当や住宅手当、転勤者用社宅につきましては原則に立ち返るということで、特段の事情がない限りは派遣法、パート・有期法の両方で、いわゆる均等・均衡を確保する必要があるだろうと整理をしております。
 資料2-1の2ページ、労使協定方式の場合です。労使協定方式の場合の賃金につきましては、派遣先の通常の労働者ではなく、同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金以上であるということが求められておりますので、赤い矢印の比較対象は派遣先均等・均衡方式とは異なり、一般の労働者という形にしております。その上で、職務に密接に関連する賃金につきましては、特段の事情がない限り、パート・有期法での派遣元の通常の労働者との間の不合理か否かということが問題になることはなかろうということで、赤い矢印を点線にしております。さらに、賃金以外の待遇ですけれども、真ん中辺りから四角で囲っている記述があります。労働者派遣法、パート・有期法のいずれでも、派遣元の通常の労働者との比較が求められるということです。ただし、※という形で記載しておりますけれども、先ほども説明しましたが、第40条2項の教育訓練、あるいは第40条3項の福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)といったものは、法律上派遣先に義務が掛かっているということですので、これについては派遣先の通常の労働者との比較が求められるということになっております。
 資料2-1の27ページです。下のほうに2として留意すべき場合という記載があります。これにつきましては、派遣労働者の中にも無期フルタイムの派遣労働者と、有期又はパートである派遣労働者が混在している場合が想定され、そうした場合には両者の間の、いわゆる均等・均衡というものが問題になる可能性がありますので、そういった部分への配慮が必要になるだろうということを記載しております。以上が資料2-1の説明です。
続きまして、資料2-2、労使協定についてと書いてある資料です。資料2-2の1ページに、御議論いただきたい事項について見出しを付けております。先ほども説明しましたが、Ⅳの賃金につきましては、本日は議論せず、次回以降に御議論いただければと考えております。
 資料2-2の2、3ページ、労使協定の締結に関する手続です。3ページ、労使協定の締結につきましては、選出の適正性を確保するために労働基準法施行規則の規定にならい、省令で真ん中辺りの四角で囲んでいるようなことを定めてはどうかと考えております。例えば管理、監督者ではないこと、民主的な方法により選出されていること、正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにすること、事務を円滑に遂行できるように必要な配慮を行わなければならないことを定めてはどうかと考えております。また、労使協定につきましては、適切に保管されることが必要であるということから、3ページの一番下に四角枠で示しておりますけれども、有効期間終了後3年間は保存することにしてはどうかと考えております。
 4、5ページ、Ⅱの労使協定の対象とならない待遇です。これにつきましては、5ページに基本的な考え方という形で記載しております。派遣先均等・均衡方式によらなければ、実質的な意義を果たせないような待遇については、労使協定方式の対象とはしないことが適当であろうと考えておりますので、具体的には5ページの四角で囲っている部分ですけれども、第40条2項の教育訓練、第40条3項の福利厚生施設につきましては、省令で労使協定の対象とはしないことにしてはどうかと考えているものです。
 8、9ページ、労使協定の対象となる派遣労働者の範囲について記載している部分です。8ページの1つ目の○の所に記載しておりますけれども、派遣先均等・均衡方式ですと、派遣先が変わるたびに所得が変動するということで不安定になったり、派遣労働者の中長期的なキャリア形成支援が困難になるということも踏まえまして、労使協定方式が設けられているものと思っております。労使協定方式を取った場合につきましては、一律に全ての派遣労働者を協定の対象とするということではなく、協定によって対象の派遣労働者の範囲を定めるという形にしております。そのため、1つの派遣事業主の下に、協定方式の派遣労働者と派遣先均等・均衡の方式を取る派遣労働者の2つの類型の方が併存するという形になると想定しております。そうした場合、協定対象の範囲を定めるに当たりましては、例えば性別や国籍で範囲を定めるというようなやり方、あるいは賃金水準が高い派遣先に派遣する労働者につきましては協定の対象とすることは、労働契約が継続している期間中に協定から協定外に変更になるというような形であって、不適切な方式ではないかと考えられます。
 そこで、9ページ、四角で囲っている部分です。協定に定める事項として、次のようなことを省令で定めてはどうかというものです。1点目が、労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を限定する場合には、その理由。2点目が、特段の事情がない限り、一の労働契約の契約期間中に、派遣先の変更を理由として協定対象であるかどうかを変えようとしないこと。この2点につきまして協定に定める事項としてはどうかと考えております。
 10ページ、賃金部分です。この部分につきましては、先ほどもお話しましたとおり、次回以降議論と考えておりまして、本日は資料としては提示していないという形になっております。
 続きまして、Ⅴの賃金以外の待遇です。13ページに賃金以外の待遇に関する要件がありますが、これにつきましては法律の規定にのっとりまして、派遣元の事業主に雇用される通常の労働者との間で均衡が取れたものとすることが求められる、あるいは第30条の2の規定によりまして、段階的・体系的な教育訓練を実施すること、こういったことが原則として考えられると整理してはどうかと思っております。
 Ⅵの労使協定の有効期間に関する部分です。15ページを御覧ください。労使協定につきましては待遇の根拠となるものですので、有効期間を定めることが適当ではないかと思っております。そのため、労使協定が満たすべき要件の1つとして省令で、15ページの四角で囲っている部分ですけれども、有効期間を定めることとしてはどうかと考えております。なお、有効期間の長さにつきましては、賃金見直しの状況も踏まえまして、画一的な基準は設けずに2年以内とすることが望ましいという形で整理をしてはどうかと考えております。
 続きまして17ページ、労使協定の周知について考え方を整理しております。法第30条の4第2項の規定に基づき、労使協定につきましては、労働者に周知することが必要になっておりますが、周知方法につきましては、派遣労働者の方が様々な場所で就業することを考えますと、派遣元の事業主の事業所内における掲示・備付けなどでは十分とは言えないのではないかと考えております。そこで、派遣の労使協定ということを考慮しまして、17ページの四角で囲っているようなやり方を、省令で周知の方法として定めてはどうかと考えております。
 四角で囲っている3つのうちのいずれかの方法で周知をしなければならないということで、1つ目の方法が、書面の交付又は労働者が希望した場合のファックス・メールの送信などです。2点目の方法が、電子計算機に備えられたファイルなどに記録をし、かつ労働者が当該記録の内容を常時確認できるようにすること。イメージとしましては、労働者にIDやパスワードを付与しまして、それを活用すれば、いつでも労働者の方が協定を確認できるような方法を想定しています。3つ目の方法が、派遣元事業所で掲示するということ。それに加え、1の方法ということで、書面などにより労働者に対して概要を交付する、あるいは希望した場合のファックス・メール等の送信を行う、この組み合わせでやるという方法が3点目の方法です。17ページの3つの方法のいずれかで周知をすることにしてはどうかと考えております。
 最後は20ページ、労使協定の行政への報告です。労使協定の状況を行政が把握できるようにするということにつきましては、労政審の建議のほうでも記述しておりますので、具体的な方法を、どういった形で定めていくかということの議論が必要であると思っております。事務局としては、派遣元事業者は、毎年度事業報告を行政に対して行っておりますので、20ページの四角で囲っている部分ですが、事業報告の際に労使協定を添付することにしてはどうか。さらに、事業報告の際に労使協定では取れない部分につきまして、具体的に言いますと、労使協定方式の対象となる派遣労働者の職種ごとの人数、職種ごとの賃金額の平均額、この2つを事業報告に記載して報告していただくことを、ルールとして定めてはどうかと考えております。事務局からの資料の説明は、以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。それでは、資料2-1、同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台対照表(派遣労働者に関する部分)と、前回議論した参考資料1-1、同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期雇用労働者に関する部分)について、併せて議論したいと思います。御意見のある方はおっしゃっていただければと思います。
○松井委員 参考資料1-1のパート・有期にかかわるガイドライン案について、意見を述べてもよろしいでしょうか。一昨年12月にガイドライン案が公表されて以降、私にも職場からいろいろな意見が寄せられていますので、少し意見をしたいと思います。
 まず、16ページですが、「役職手当」の「問題にならない例」のロという記載があります。まず、1点目は、「役職の内容(責任の程度)」ということで、ガイドライン案の「役職の内容、責任の範囲・程度」から表記が変わっていて、分かりづらくなっているかと思います。この点についてどういう意図があるのかということを御質問したいと思います。また、このロについては、急に所定労働時間に比例した役職手当を払えば問題にならないという例が示されています。しかし、現場ではいわゆる短時間正社員の方もいる中で、役職手当を「責任の程度に応じて支給する場合」と言っているのに、所定労働時間分だけ払えば差があっていいということを「問題にならない例」として挙げることは、不適切な場合もあるのではないかということす。
 続いて、23ページの「慶弔休暇」についてです。「慶弔休暇」については「同一の付与をしなければならない」となっておりますが、「同一」という意味について、職場では付与日数以外にも、有給・無給の別や、取得できる親族の範囲等の違いが問題になっております。そういったことも含めて「同一」でいいのかを確認させていただきたいと思います。
 次に、24ページの「病気休職」についてです。労働契約の期間が1年であれば、病気休職の期間は労働契約の期間満了まででよいということが「問題にならない例」として記載されていますが、3か月契約等を更新している有期契約労働者の方がいる場合、いわゆる雇止めの問題、期待権が生じているかどうかということで争いになっている事案もあります。その中で、一律に病気休職の期間は労働契約の期間の終了する日までで差し支えないということを、「問題にならない例」として挙げることが適切なのか。少なくとも、何らかの注意書きが必要なのではないか、と思います。
 それから、25ページのいわゆる「リフレッシュ休暇」についてです。これも「問題とならない例」として、「リフレッシュ休暇」を時間比例で日数付与すれば「問題にならない」としていますが、いわゆる「年次有給休暇」は、30時間未満は所定労働日数比例で付与、30時間以上の人は通常の労働者と同じ日数を付与することになっています。「年次有給休暇」は出勤日数で比例付与をするという考え方を取っている中、「リフレッシュ休暇」だけ所定労働時間比例で付与すればよいとして「問題とならない例」に挙げるのが適切なのか疑問です。以上、少し細かい点でしたが、意見と質問とさせていただきます。
○守島部会長 ありがとうございます。どうされますか。分かりました。お答えください。
○松永有期・短時間労働課長 今、松井委員から何点か御指摘いただいたところで、中身の善し悪しについてはまた御議論いただければと思うのですが、我々たたき台を作ったときの意図で、16ページの役職手当の部分につきまして、役職の内容(責任の程度)ということにした意図というか、そこだと思うのですが、ここはガイドライン案のほうが役職の内容、責任の範囲・程度に対しという書き方になっておりまして、それを法令上の用語でどう置き換えていこうかとなりましたときに、この役職の内容、いわゆるパート法でいうところの職務の内容かと思いますが、この役職手当の性格付けを考えていくときに、責任の程度というのに応じて支払っている部分があるのかなと思いまして、このガイドラインを置き換えていくときの表記の仕方として、役職の内容(責任の程度)という形にさせていただいたところです。ただき台を作った意図としてはそういう考え方であるということで、見ていただき御意見等を賜ればと思っております。
 その他頂いた意見の中で、パートの方に対して所定労働時間に応じて支払うということについての御意見を頂き、そこは誤解がないようにということでの御意見が幾つかあろうかと思います。そこの善し悪しみたいなところも御意見を頂ければと思いますけれども、私どもとしては、今回の改正が職務の内容、職務内配置の変更範囲、その他の事情に照らして不合理でないものにしなければならないことの中で、典型的な例として、このような例示をさせていただいているところでして、その中の所定労働時間に比例して払うというのが、1つの考え方にもなり得るのではないかということで、このような事例を掲げさせていただいているところであります。ただ、当然これはあくまで原則となる考え方ということで、この事例全てがそういう形でお示しさせていただいておりますので、当然別の事情があって問題となる例になったりということも、個別の事情によってそういう判断をされることはあり得ると思っております。ただ、ここは典型的な例ということで、お示ししている前提で見ていただければと考えているところです。以上です。
○守島部会長 ほかにどなたかいらっしゃいますか。
○齋藤委員 同じく参考資料1-1についてなのですが、5ページ目の第3の定義について意見を申し上げたいと思います。こちらにつきましては、短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者という形で、それぞれの法律の条文を引用しながら定義が記載されています。その一方で、(5)の通常の労働者につきましては、法律の条文とは別に定義が記載されています。この内容ですと、法律にない定義を、通常の労働者のみ新たに指針に別に定義していくということになりますので、通常の労働者の定義については削除すべきであると思います。更に言えば、短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者につきましても、法律と全く同じ定義であれば改めて記載する必要はないと思いますので、第3の定義自体を削除すべきであると思います。以上となります。
○守島部会長 ありがとうございます。幾つかまとめてお答えになりますか、どちらでも。
○松永有期・短時間労働課長 今、定義の部分についての御指摘を頂きました。事務局としてたたき台を作ったときに、なるべく分かりやすくということで定義の規定を一応置いてみたのですが、今の御指摘は指針レベルではなくて、通達のレベルでいいのではないかという御趣旨かと思いますけれども、そこは御議論いただきまして、またその御意見を踏まえながら、検討させていただければと考えております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかにどなたか。
○村上委員 前回、参考資料1-1の定年後再雇用の注書きの記述について、検討して次回意見を申し上げたいと述べていたところでしたので、改めて意見を申し上げたいと思います。注書きの部分は、長澤運輸事件の最高裁判決を受けて記載されたことは承知はしているのですが、思い返すと、部会で定年後再雇用者の議論になったとき、確か秋田委員から、定年後再雇用者は今回の法律の適用を除外するべきではないかという御意見があって、それは最高裁の判決も見て検討する必要があるのではないかといったようなやり取りがあって、今日に至っていると理解しております。そうした経緯がある中で、注書きで長澤運輸事件の判決を長文で書いていくことは、かえって分かりにくくなるのではないか思います。また、長澤運輸事件の最高裁判決も6月1日に出されたばかりで、解釈、評釈も様々あります。その中で、ここまで注書きで長く記載することは適当なのかというと、労使にとってそれほどプラスではないのではないかと考えます。
 以上のことからすると、定年後再雇用者については、8条9条の適用があるという事実だけを簡潔に記載することが適当であると思います。最高裁判決については、これから様々な研究者の方や実務家の先生方が評釈もされるでしょうし、判決を踏まえて職場労使はどうしていっていいのかということを考えると思います。そうした中で、様々事例が積み重ねられていって、判例として固まっていくものもあると思います。
 現時点で1つ判決が出たから指針に全部書くということは、必ずしも適当ではないのではないかと思っております。結論になりますが、指針には、定年後再雇用者もパート・有期法が適用されるという事実だけ書けばよいのではないかと考えております。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○鈴木委員 ただいまの村上委員の御発言に関してですけれども、最高裁の判決文のなかでも、後の裁判を拘束するような一般論の部分と、個別の事例に応じ判断が分かれる個別の判示部分は明確に分けていかないといけないと思っております。前回も少し私見を申し上げましたが、真ん中下辺りの「その他の事情として考慮される事情に当たりうる」という部分は、正に一般論の部分でありますので、「適用がある」という記載だけでは、この定年後再雇用者に対する、司法の不合理性判断が明確にならないと思っております。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか。
○松井委員 先ほどの齋藤委員の発言に関連してのお答えで、定義については指針から削除して通達レベルで示すという御回答があったのですが、通常の労働者の定義の内容についても問題があると思っています。通常の労働者の定義は「正規労働者その他の無期雇用フルタイム労働者」として、具体的には、「1週間の所定労働時間が最も長い無期雇用労働者」を通常の労働者とするとされています。しかし、現在職場の状況ですと、例えば今、有期雇用労働者のほうが、いわゆる正社員より長い労働時間で働いている方も大勢いて、その方が無期転換したときには、そちらの方が通常の労働者になってしまう。これでは実態と合わないと思いますので、指針から定義規定を削除するとともに、通常の労働者の定義の内容についても御検討いただければと思っています。
○守島部会長 ありがとうございます。
○松永有期・短時間労働課長 定義の書き方についての御指摘だと思いますが、そこは少し精査させていただきますけれども、私どもの今回の改正で考えているところの、これは働き方改革実行計画でもそうですが、比較対象となる正規雇用労働者という書き方をしていたのですが、それについては、正規型の労働者を含む無期雇用フルタイム労働者とするという考え方が示されておりまして、その考え方を基にして今回の改正をしてきたということでして、そういった考え方の中で今回の改正をしていることは、一応申し上げさせていただきたいと思います。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか。
○小林委員(杉崎代理) 参考資料1-1について、前回も確かお話が出たと思うのですが、このたたき台は法令用語や専門用語が非常に多く記載されておりますので、これとは別途の形で、ガイドラインの内容を紹介する分かりやすいパンフレットを作っていただいて、周知をしていただければと思います。
 あと、中小企業を含めて同一労働同一賃金に各社が対応するために、具体的な求められる対応や、準備すべき内容をまとめた手順書を、このガイドラインのパンフレットのほかに是非作っていただきたいと思います。例の業種別の手順書のほかに、業種横断的なものを是非両方お作りいただければと思っております。あと、こういった手順書に最高裁以外のいろいろな高裁レベルの判例や、各社の行政ADRのいろいろな事例があるかと思います。こういった事例をふんだんに盛込んでいただくと、より同一労働同一賃金に対する理解が深まるかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。以上です。
○守島部会長 ありがとうございました、ほかにいかがでしょうか。
○中窪委員 派遣に入る前に参考資料1-1が議論されているようですので、私は前回失礼したものですから、この機会に1つだけ指摘させていただきたいと思います。
 参考資料1-1の2ページ目の最初、指針の目的として「同一労働同一賃金の実現に向けて定めるものである」という形で、同一労働同一賃金という概念がここに来ているのですが、法律の中ではそういう言葉は使われておりません。俗にそういう呼び名で政策が進められてきたのは確かなのですが、こういう公的な、法律に基づいた指針のときに、このような中間概念を使うのは不必要であるし、むしろ望ましくないのではないかと考えております。
 今日配られました参考資料2の、前回出た御意見を見ますと、第1の目的についての4つ目の○に、同様の趣旨の御意見があったようです。そこに、こういう文章にしたほうがいいのではないかと書かれており、私もこのほうが望ましいのではないかと思いますので、ちょっと意見として申し上げさせていただきます。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか御意見はございますか。
○秋田委員 2-1の別紙、図解をしていただいてありがとうございました。文章で読むとさっぱり分からなくて、図解のほうが多少分かるのですが。
 事務局に御質問です。例えば、情報端末への入力で派遣されてる場合、そういう派遣労働者がいるときに、当然ながら派遣元会社にも直接雇用の有期雇用者で情報入力をする、いわば同種の有期雇用労働者がいると思います。その直接雇用の方と派遣労働者の同種の方は、この法律としてはらち外なのでしょうか。当然、派遣元会社の有期雇用の方が、派遣元の正規雇用と均衡・均等が保たれているかというのがこの法律の範疇ですけれども、同じ会社に雇われている派遣と派遣ではない人が同種であっても、この法律からはそこに何らかの均衡・均等が求められるのか否か、教えてください。
○松永有期・短時間労働課長 別紙2-1の考え方だと思います。基本的に同じ情報端末への入力業務といっても、派遣先で行われているものと派遣元で行われているものというところで、基本的に職務の内容が異なるというか、もともと性質が異なるものがないかというような考え方の基で、そういった部分においては、職務に密接に関連する部分については、基本的には先を見ていれば先のほうとの均衡を見ていただくということが基本になるのではないかということで申し上げたわけです。
 ただ、これはあくまでも原則的な考え方でありますので、個々に見ていったときに、全く同じようなことをしているのに元との関係を比較しなくていいのかという、比較しなければいけないような特段の事情があるケースも全くないとは言えませんけれども、先で行う職務と元で行っているものというところは、基本的には違っている部分もあるのではないかということで、この表記をさせていただいているということです。
○岩村委員 よろしいですか。多分、今、秋田委員が質問されたのは、派遣労働者で派遣先Aで働いていて情報入力をやっている人と、派遣元Bで有期で同じ情報入力をされている人との間で処遇の格差があるとき、この格差は、この法律の射程に入るのか入らないのかということでした。
○松永有期・短時間労働課長 今回で言うところの保護対象になるもの同士ということですので、今回そこの比較は見ないということが基本かと思います。すみません、失礼しました。
○守島部会長 ありがとうございました。
○吉清委員 今、秋田委員から資料2-1と2-2に関連するご質問がありましたが、個別具体的な議論に入る前に、議論の進め方について意見を述べさせていただきたいと思います。
 というのは、今回の部会では、ガイドラインと労使協定について議論を行うとされています。ただ、議論の順番で言えば、法の中身や法の趣旨からすると、まず待遇方式の周知や、説明義務の内容や方法といった、派遣先均等・均衡か労使協定方式にかかわらず、均等・均衡を図る上での基礎的要件、あるいはその前提となる共通となる事柄、こうしたことから議論を深めていくほうが、より全体感を見失わずに議論ができたのではないかと思っております。
 その上で、今回はガイドラインの個別の解釈の話とか、あるいはその方式についても、原則の派遣先均等・均衡方式でなく、例外である労使協定方式から議論を始めようというのは何か違和感を覚えるところです。もし議論の進め方について、事務局として意図やお考えとかありましたらお聞かせいただければと思っております。以上です。
○松永有期・短時間労働課長 議論の進め方について、いろいろ御指摘を頂いたところです。先ほども、議論していただく項目を資料のほうでお示しさせていただきました。派遣の関係は幾つか多岐にわたっておりますので、今、吉清委員がおっしゃった待遇情報の提供だったり説明義務というところもあるわけです。
 今回、労使協定から先にやらせていただいたのは、待遇情報の提供にせよ説明義務にせよ、先に均衡方式でやる場合の扱いと協定方式でやる場合の扱いとで、若干説明していただく内容が変わってくるという部分もあると思われるものですから、事務局の思いとしては、まず協定方式の場合の取扱いがどうなるかというのを、議論していただいた上で、両方にまたがってくる説明義務や情報提供の部分の取扱いについて議論していただくほうがいいのかなと思ったので、このような順序で提案をさせていただいたということで御理解を頂ければと思います。
○守島部会長 ほかにいかがでしょうか。
○秋田委員 確認ですが、労使協定方式ではなく、派先方式が原則というような言われ方もたびたび出るのですが、労使協定を労働協約と見れば最優先で適用されるわけですから、原則とかイレギュラーとかいう話ではなくて、労使協定がある場合とない場合、こういう択一的な話というような表記を心掛けていただきたいと思います。
○守島部会長 ほかにいかがでしょうか。
○中野委員 派遣で働く方の中には、自らの意思で派遣という働き方を選択している方も今ではいるという認識が必要だと思います。そして、その点は考慮すべきだと思っています。いろいろなケースがあるため、どこを基準にこの法律を作っていくのか、ルールを作っていくのかに関わる部分だと思うのですが、働く対象など、選択肢を狭めてしまうような結果にならないことが、働く方にとってはいいという考え方も1つ念頭に入れるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○守島部会長 どなたか御発言はありますか。
○松井委員 指針の個別のことで意見をよろしいですか。
先ほどの説明の中で、指針案ですと19ページにある3の福利厚生の部分について、給食施設や休憩室、更衣室は、派遣法第40条の3項において派遣先が利用の機会を与えなければならないと定められているので、それを配慮した書きぶりとしているという御説明がありました。しかし、現在の文章表現だと、派遣先が利用を認めなければいけないと言っているのか、派遣元が派遣先に対して利用を認めるよう求めなければいけないのかが分かりません。
 同じことが21ページの4の(1)の教育訓練についても言えます。派遣法第40条の2項で派遣先の義務として業務に必要な教育訓練を講じなければならないと定められたわけですが、こちらも指針案の文言だけを読むと、派遣元がやるということのように読めます。現在の指針案の記述では、30条の3や4の規定に基づく均等・均衡待遇の内容と、40条で定められている派遣先の義務の部分が分かりづらいと思います。是非、主語の整理をお願いしたいと思います。
○守島部会長 幾つかまとめてお答えいただけますか。
○松永有期・短時間労働課長 今の御指摘、中野委員からも御指摘いただきましたが、派遣労働者の場合、様々な働き方というのがあろうかと思います。そういったことも前提に置いた上で、どういうような対応を確保していくかということが非常に重要かと思っておりますので、そこはまた御議論いただければと思います。
 それから、松井委員からの御指摘、基本的には待遇確保の主体というのは派遣元事業主でありますが、今御指摘いただいたように、一部派遣先が取り組まなければいけない部分もあるのは事実です。今の委員の御指摘の点、特に両方関わってくる部分などを中心として、主語が明確でないのではないかというような御指摘かと思います。その御指摘を受け止めて検討させていただきたいと思います。
○守島部会長 ほかに御発言はありますか。
○田代委員 資料2-2、労使協定の周知という所があります。派遣契約の実務を考えますと、派遣先の事業主といたしましては、この労使協定の内容と有効期間について、派遣を受け入れる労働者にどのように適用されているのかということを、あらかじめ知っておく必要があるかと思います。章立てとして周知の所というよりも、もしかしたら派遣契約の締結というような章立ての所になるのかもしれませんが、派遣先の事業主に対して、派遣を受け入れる労働者の労使協定の内容と、その有効期間がいつまでなのかに関して、何らかの通知を派遣元が派遣先にするという情報を、どこかに盛り込んでいただければ幸いです。以上です。
○守島部会長 ほかにはいかがですか。
○梅田委員 附帯決議について質問させていただければと思っています。派遣労働者の待遇決定は、建議でも条文でも、派遣先均等・均衡が原則、労使協定方式は例外と整理され、参議院の附帯決議は、この原則と例外の関係を丁寧に周知・説明すべきだという内容になっています。現在、第5の前文では第30条の3の条文の説明だけがされていますが、附帯決議を踏まえ、派遣先均等・均衡が原則、労使協定方式は例外という考えを明記すべきだと思います。
 また、附帯決議の関係で言えば、「労使協定の賃金の定めは対象労働者に適用する就業規則等に明記すべきである旨を周知をすること」ということも決議されているので、この点も指針に明記していただきたいと思います。以上です。
○守島部会長 鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 秋田委員の発言にも少し関わるところですが、ただいまの原則と例外の関係について一言、発言させていただきます。これまでの事務局からの説明において、協定方式が法律にのっとった形で運用されず、違法な状態であれば派遣先均等・均衡方式に戻るということが、法律に規定され、法律上の構成として原則と例外の関係があるという整理があり、他方で、実際にどちらの方式を選ぶかということについては、派遣元の労使で決めていただくという整理が共有化されてきたと思います。そういった整理が適切と考えます。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
○及川委員 本日の資料1、(1)の均等・均衡方式の所の2つ目の○、「派遣先になろうとする者に対し、派遣先労働者の待遇に関する情報提供義務を課す」ということで、パート・有期と同じように、派遣労働者についても情報提供義務が定められたということだと思います。先ほど岩村先生から御指摘がありましたが、個別だけではなくて、団体や集団、要するに労働組合に対してということも当然のことながら、派遣についても同じように考えられると思いますが、そのように理解をしてよろしいでしょうかという確認です。要は、派遣先に、情報提供に関連して団体交渉を求める可能性が、当然ここに出てくるということでよろしいかという確認です。
○守島部会長 ありがとうございます。お願いします。
○岩村委員 それはすごく難しい問題だと思いますので、事務局におかれても、少し派遣法の関係規定等も含めて検討されてからのほうがいいかなという気がいたします。
○及川委員 中小企業の実態についても大変大きな影響がありますので、是非お教えください。
○守島部会長 ほかにいかがですか。
○吉清委員 指針案のたたき台の手当の読み方について、確認させていただきたいと思います。資料2-1の9ページ下から、「賞与」を含む「手当」の項目が始まっています。「賞与」を「手当」として扱うかどうかという点は、前回部会でも議論になりましたので、「賞与」を省きますと、11ページからいわゆる狭義の「手当」についての考え方が縷々記載されています。
 例えば、「(3)業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当」という項目が13ページにあります。この部分を見ると、「派遣先に雇用される通常の労働者と同一の危険度又は作業環境に従事する派遣労働者には、同一の支給をしなければならない」とされています。この読み方は、派遣元には例えば「危険手当」などの社内制度がない場合でも、派遣先の通常の労働者と同一の危険度の仕事に従事する派遣労働者がいる場合は、派遣元でも「危険手当」を制度化して支払わなければならないという読み方でいいのかを確認したいと思います。そうすると、「特殊作業手当」以外の手当につきましても、同様の読み方にしていいのかどうかという点についてもお聞かせいただければと思います。
○松永有期・短時間労働課長 今の吉清委員からの御指摘ですが、ここの件は、基本的に派遣先の通常の労働者との均等・均衡を図るというところでの取扱いになりますので、派遣先のほうでこのような、例えば御指摘のあった業務の危険度や作業環境に応じて支給される特殊作業手当というものを支給しているということであれば、実際に派遣労働者の方が取り組まれる職務内容等々を踏まえ、それと不合理でない形の待遇を求めるということの中での記述ですので、派遣先労働者のほうでそのような取扱いをしていただいているということであれば、基本的には同じ職務をしている派遣労働者の方にも、同じような形のものを派遣会社として支給してくださいということをお願いしている趣旨でございます。
○守島部会長 よろしいですか。
○梅田委員 細かい点ですが、いくつか事務局に確認させていただければと思っております。具体的には、資料2-1の第5の「2手当」などに関して、幾つかまとめて確認させていただければと思います。
 まず1点目は、4~6ページにある、派遣先均等・均衡方式の対象となる派遣労働者の基本給という部分です。「(2)基本給について、労働者の業績又は成果に応じて支給する場合」の中で、「労働者の業績又は成果に応じて支払う場合・・・派遣先に雇用される通常の労働者と同一の業績又は成果を有する派遣労働者には・・・同一の支給をしなければならない」とされています。この場合、派遣元は派遣先から、派遣先の業績又は成果の評価基準や評価方法などの詳細な情報を提供してもらう必要があります。派遣先から派遣元への待遇情報の提供の提供義務は、次回以降の部会で議論されると承知していますが、指針案の記述は、こうした評価制度も含めた待遇情報の提供が前提ということなのかということを確認させていただきたいと思います。
 2点目は、基本給や賞与を派遣先の業績又は成果によって支払うとしている場合、派遣先の業績を基本給や賞与に反映するために、期中で随時派遣先から派遣元に情報提供してもらうことが必要です。この期中での随時提供という点も、派遣先の情報提供の義務に含まれるということなのか確認したいと思います。
 続きまして3点目は、16ページの第5の「2手当」の「(7)深夜労働又は休日労働に対して支給される手当」における「問題となる例」についてです。指針案の16ページには、「問題となる例」の中で「深夜労働又は休日労働に対する手当の単価」と記載されていますが、この手当とはどういう意味なのか。これは、派遣先が法定以上の深夜・休日割増率を派遣先の通常の労働者に支払っている場合、派遣元も派遣労働者に対して法定以上の割増率を支払うということなのか、確認したいと思います。
 4点目は、19ページの「3福利厚生」の「(2)転勤者用社宅」についてです。この点は、23ページの第6の労使協定方式の部分の「2福利厚生」の「(2)転勤者用社宅」を含めて確認させていただければと思います。指針案では、「同一の転勤者用社宅の利用を認めなければならない」とされていますが、この部分は、派遣先の通常の労働者と同一の支給要件を満たす派遣労働者には、派遣元が転勤者用社宅を用意することなのでしょうか。それとも派遣元が派遣先に対して、派遣先が保有している転勤者用社宅の利用を求めるということなのでしょうか。
 最後に20、21ページです。第5の「3福利厚生」の 「(5)法定外の有給休暇その他の法定外の休暇について、勤続時間(派遣労働者就業期間)に応じて認める場合」についてです。24ページの労使協定方式の「3福利厚生」の(5)と含めて確認させていただければと思います。このいわゆるリフレッシュ休暇や永年勤続休暇部分について、6行目から「なお、当該派遣先において派遣就業を反復継続している場合には、当初の派遣就業の開始時から通算した期間を就業期間として算定する」とありますが、いわゆるクーリング期間があった場合、就業期間の通算の考え方はどうなるのでしょうか。労働契約の期間通算の基準の考え方は、労働契約法第18条の2項の無期転換ルールの通算基準と同じなのか確認したいと思います。
 以上、事務局に確認させていただければと思います。
○守島部会長 ありがとうございました。お願いします。
○松永有期・短時間労働課長 今、梅田委員から頂いた御質問、御確認のところですが、まず、4、5ページの所でありました業務成果の取扱いです。派遣先から派遣契約の計画に当たって、もらう情報提供の内容につきましては、また次回か次回以降になるかもしれませんけれども、そのときに御議論いただきたいと思っております。そのときに詳細な御議論を頂ければと思っています。
 基本的には、ここでの記述というのは、派遣先の通常の労働者も派遣元の派遣労働者も、同じ業績成果に応じて基本給を支給する場合の取扱いということで書いているものです。いずれにしても、派遣労働者の待遇を決めるための情報としてもらう必要がありますので、どういう基準で基本給などを決めているかというような情報については、待遇として提供すべき情報に入ってくるのだろうという考えを持っております。いずれにしても、詳しいことは、また今後の部会の中で御議論いただければと考えております。
 16ページで頂いておりました深夜や休日労働の所、16ページの問題となる例という所ですけれども、ここで申し上げておりますのは、派遣労働者についても派遣先に雇用される通常の労働者のいずれにおいても、深夜労働や休日労働については、全く同じ時間、同じ職業内容で取り組んでいるにもかかわらず、Yが派遣労働者であるということで、深夜労働又は休日労働に関する手当の部分に、派遣先の通常の労働者より低くなっているという扱いがある。当然、ここで言っている手当と言った場合は、深夜割増とかいったものはクリアしているのが前提ですけれども、同じ職務内容や同じ時間で深夜労働をやっているのであれば同じ手当を払うというのが、ここで書いている派遣先の通常の労働者のほうが高くなっている、あるいは派遣労働者のほうが低くなっているということが問題となる例と書かせていただいているということで、この事例を御理解いただければと思います。
 あと、19ページで頂いておりました転勤者用社宅の取扱いです。ここは今、御指摘いただいたように、派遣先の通常労働者と均衡を図るということでして、派遣先においてそういった転勤者用社宅というものが整備されているのであれば、それと同じようなものを派遣労働者に対しても提供することが、派遣元として求められるということです。その場合の確保の仕方として、一義的には派遣元が義務を負う部分ですので、派遣元のほうでそういった社宅を提供するという形にするのが1つのやり方でもあろうかと思います。今、御指摘のあったように、派遣先のほうでそういったことが可能であれば、派遣先における社宅の利用を認めてもらうという交渉をするというのは、選択肢としてはないわけではないと思います。いずれにしても、派遣元のほうでそういった転勤者用の社宅、同一の支給要件を満たす派遣労働者については、そういったものを確保していただくということが、事例として書いてあるということで御理解いただければと思います。
 24ページで頂いておりました法定外休暇の場合の扱い、御質問の趣旨がしっかり理解できているかどうかあれなのですが、基本的に契約法に定められているようなルールに、今回手を付けることは考えておりません。勤続期間など、そういうものに応じて付与しているものについては、派遣労働者についても同じようなものをということで考えているものでございます。ちょっと、御趣旨に答えられているかわかりませんが、基本的にはそこは勤続期間に応じて、同一の付与をということを求めているということでございます。
○守島部会長 よろしいですか。
○秋田委員 今の関連です。業績の数字というのは、企業にとって正に機微な、センシティブな情報ですので、特に上場企業からすれば、外部に公表していない段階で業績の数字を他の会社に通知をするというのはおよそ考えにくいと思います。そういった面も、先ほど出た別の点も含めて、様々な方面から検討されて次回お示しいただくというのであれば、通知義務の内容を考慮していただきたいと思います。以上です。
○守島部会長 ほかにどなたか、吉清委員お願いします。
○吉清委員 資料2-2で意見を申し上げてよいでしょうか。
 4、5ページに「労使協定の対象とならない待遇」について記載があり、5ページに基本的な考え方が示されています。事務局案では、「派遣先の労働者との均等・均衡方式によらなければ、実質的な意義を果たせない待遇については、労使協定をしないことが適当である」とした上で、下に福利厚生施設の3つと、教育訓練が記載されています。
 この点、安全管理についても同様、派遣先でしか実質的な意義を果たせない待遇ではないかと考えている次第です。例えば、派遣先が製造している物とかサービスの品質や安全を確保する上で、特定の規格に基づく防塵マスクを着用した上での作業を規定化している場合、派遣元の規定の有無や内容にかかわらず、派遣先の規定を満たす形で安全管理が施されなければ、実質的な意義を果たせないと思います。また、派遣先均等・均衡でなければ職場実態とも乖離が生じると思います。
 派遣法の立て付けとしては、労使協定方式を採用した場合は、教育訓練や福利厚生の一部を除いては、比較対象は「一般の労働者」や「派遣元の通常の労働者」であるとされていることは承知の上ですけれども、安全管理については、現場の実態からして、そもそも労使協定方式の中で論じることが馴染まないと考えております。ついては、指針などで、安全管理は派遣先との均等・均衡が求められる旨を明示することや、あるいは派遣先の通常の労働者との均等・均衡方式でなければ実質的な意義を果たさない待遇の例示に安全管理も加えるなども検討いただきたいと思います。
○守島部会長 齋藤委員、お願いいたします。
○齋藤委員 5ページの「福利厚生施設」について、現状では給食施設、休憩室、更衣室の3つが記載されています。この点は、建議の段階ではあくまで例示として示されていただけなのではないかと認識しています。改めて考えてみますと、この3施設以外につきましても、例えば事業所内保育施設の利用なども、派遣先の労働者との均等・均衡によらなければ、実質的に意義を果たせないような待遇だと思っております。省令におきましては、保育施設の利用につきましても、「派遣先の労働者との均等・均衡方式によらなければ、実質的な意義を果たせない待遇」として明記していただければと思っております。
○守島部会長 ほかに、では大崎代理人。
○小原委員(大崎代理) 資料2-2の6ページ以降の「Ⅲ労使協定の対象となる派遣労働者の範囲」について、8ページに基本的な考え方が示されています。労使協定の対象となる派遣労働者の範囲については、賃金水準が高い企業に派遣する場合は労使協定方式で、低い企業に派遣する場合は派遣先均等・均衡でなどという脱法的な運用は避けるべきです。事務局案にあるとおり、省令で「一の労働契約の契約期間中に、派遣先の変更を理由として、協定対象労働者であるか否かを変えようとしないこと」を定めることは非常に重要であると考えております。
 この点で、「特段の事情がない限り」という前提が置かれていますけれども、この特段の事情が何かを確認させていただきたいと思います。例えば、派遣元が派遣先から労使協定方式を採用していないと契約しないということを言われたことにより、派遣先均等・均衡から労使協定方式に変更するなどの場合は認めるべきではありません。このようなケースは、派遣労働者のキャリア形成に配慮した管理を行うという労使協定方式の趣旨からは逸脱するものです。派遣先都合による変更は、「特段の事情」に当たらないということを省令に規定すべきです。
○守島部会長 及川委員どうぞ。
○及川委員 同じ8ページで、ここで基本的な考え方が書かれていますけれども、上から4つ目の○、協定対象の範囲を定めるに当たっては、職種や労働契約期間などといった客観的な基準によらなければ認められないとあります。分かりやすいガイドラインあるいは中小企業の事業の見直しに資するということになると、いろいろな意味でこうした客観的な基準を明らかにしていただくことが、大変分かりやすく使いやすいものになっていくのではないかと考えております。また別のパンフレット等でこういった客観的基準、どんな方法でも結構ですけれども、もう少し明らかにしていただけるものなのかどうか、お教えいただければと思います。
○守島部会長 村上委員お願いします。
○村上委員 参考資料1-1で、先ほど中窪委員が指摘され、前回部会でも秋田委員がおっしゃっていましたけれども、法律にはない「同一労働同一賃金」という文言を指針で記載しなくても良いのではないかという点は、同様の意見を持っております。
 その上で今意見を申し上げたいのは、資料2-1や2-1の別紙についてです。使用者側委員の皆様は、この資料2-1の指針案を見て、内容をすぐにお分かりになったのか大変疑問があります。私は理解ができませんでした。パート・有期については、一昨年の12月にガイドライン案が公表され、その中身について私どもも資料として使ってきましたし、説明などもしてきて、いろいろな疑問点も出されてはきましたけれども、ある程度世の中に出てきたものであろうと考えております。しかし、派遣については何も議論がなかった中で、たたき台が示されている状況であると思います。たたき台を作成するに当たって、事務局からはパート・有期の所を派遣に置き換えたらこのようになるとの視点で作成されたということですが、大変分かりづらい、読み解けないというのが第一の感想です。そういうことを考えていくと、この指針は何のためにあるのかを、改めて考えておく必要があるのではないかと思います。
 今回の法改正は、パートや有期で働く方や派遣で働く人たちの、職場改善をどうやって進めていくのかにあると思っておりまして、賃金などの労働条件は基本的には労使で決めていくべきではあるけれども、残念ながら格差がある状況にあります。そうした中で、今回の改正は、労働組合があるなしにかかわらず、職場の労使がしっかり話し合えということを改めて求めているのではないかと思っております。そのときには、非正期雇用で働く人たちの声もきちんと聞いた上で、労使で話し合って処遇改善を進めてほしいというメッセージなのではないかと思っており、そういう法改正であると個人的には理解しているのです。そういうときに出す指針というのは、労働者にも使用者にも分からないといけないと思っており、どうやって話し合っていけばいいのかとか、何が合理的になるのかならないのかということのヒントを提示するものではないかと思っております。そうした視点で言うと、派遣の部分のたたき台は大変難解であり、また、例えば先ほど梅田委員から「基本給」の部分で指摘がありましたが、「賞与」の部分でも「派遣先の業績に応じて支払う場合」とありますが、本当に派遣先の業績に応じて「賞与」を支払っている派遣会社が現実にあるのかと言えば、それはなかなか考えづらいのではないかと思います。先ほどどれだけ情報提供していただけるのかということも議論になりましたけれども、現実的なのかということを考えるべきであると思います。
 そういうことからすると、指針案における派遣労働者の記載は再検討いただきたいと思っておりますし、せめて主語は明確にすべきであると思います。派遣労働に関しては、登場人物がパート・有期の指針に比べて多く、派遣労働者、派遣元、派遣先、派遣元の通常の労働者、派遣先の通常の労働者という、5者が存在し、誰がどこに当たるのかも大変難解です。そういうことからすると、パート・有期にならうという前提であれば、読み替えるぐらいでよいのではないかと思います。読み替えではなく、ここまで詳細に書き下していくことが現実的なのかを考える必要があるのではないかと思います。
 また、資料2-1の第7や別紙では、短時間・有期である派遣労働者について、派遣法とパート・有期法の両方が適用されるとする一方、職務の内容に密接に関連する待遇と関連しない場合に分けて適用関係を記述しているのですが、本当にそれが適切なのか。派遣でも様々なケースがあり、ここまで場合分けして適用関係を書き分けることは適当ではないのではないかと思います。両方適用されることさえ明らかになっていれば誤解はないでしょうし、後は現場の運用に任せることでよいのではないかと思っています。資料2-1の別紙のように場合分けすることには疑問があり、再考いただきたいと思います。
○守島部会長 どなたか、大崎代理人お願いします。
○小原委員(大崎代理) 資料2-2の労使協定の有効期間についてです。14、15ページに記載してあるように、有効期間を労使協定の記載事項にすることは非常に望ましいと思っています。
 ただし、基本的な考え方の15ページの一番最後に、「画一的な基準を設けず、2年以内とすることが望ましい」とある点については、年数は1年以内、この「望ましい」というのではなく、「1年以内」とすべきと考えております。建議の段階の議事録も読ませていただきましたが、使用者側の委員から、派遣の契約期間は1か月以下が40%、3か月以下が87%という発言がありました。また、労使協定の中身は、本当に派遣労働者の保護に資するものになっているかを随時点検していく必要があると考えております。加えて、先ほど20ページの所の説明で、労使協定は毎年度の事業報告に添付して行政に提出するという説明がありました。さらに、次回以降議論することになる一般の労働者の賃金水準は、賃金構造基本統計調査などをベースに検討するという国会答弁もありましたが、この統計調査は1年に1回、1年ごとに公表されることになっていますので、一般の労働者の賃金水準についても1年ごとに更新することが自然であると考えております。
 これらを考えると、有効期間は、「2年以内とすることが望ましい」とすることは適当ではなくて、「有効期間は1年以内」とすべきと考えております。
○守島部会長 ほかに、鈴木委員お願いします。
○鈴木委員 先ほどの村上委員から御指摘のありました派遣の資料2-1の別紙ですが、御指摘のように端的に密接に関連するかどうかは、一刀両断に判断するのは難しいのではないかと思っております。資料2-1の26ページ以下、いろいろと書いてある所ですが、それぞれについて、例えば通勤手当であっても、第4の2(8)及び何々の通勤手当とあるように、同じ通勤手当であっても趣旨目的が違う場合がありうるという点は、パンフレットで周知する際には強調していただきたいと思っているのが1点です。
 それから別紙の1は、分かりやすくするよう、工夫をしていただいたことで感謝をしているのですが、先ほど松永課長からも御指摘がありましたけれども、この※2の、特段の事情がない限り不合理か否かが問題となるという所が、一般の方はちょっと分かりにくいのではないと思います。まずは、派遣先、派遣元の両方で均等・均衡規定が適用になるという意味で、いわば入口のことを言っていて、その後は正に個々の待遇の趣旨目的に照らして、合理的か否かが判断されるという二段構えになっているという点が、明確に分かるよう工夫をしていただければと思います。
○秋田委員 協定の有効期間の所ですけれども、ここのたたき台にあるように、1年で見直しが行われる所が多いけれども、必ずしもそうではないというのが実態です。これは労使協定方式ですから、労使の賃金交渉によって決めるというスタイルが多くなると思います。そうすると、それによって2年間決めるというのは、別にそれは労使で決めればいい話で、そこを必ず1年で区切る必要はないと思います。
○守島部会長 ほかにどなたか、松永課長お願いします。
○松永有期・短時間労働課長 何点か御指摘いただいていますので、たたき台の作り方というところでの話をさせていただければと思います。まず、派遣の部分の書き方について、村上委員から幾つか御指摘を頂いていますけれども、私どもがたたき台を作るときに考えた、特に先均衡の場合については、基本的にこれはパート・有期のものと同じ扱いになる、比較する相手は派遣先の通常の労働者ではありますけれども、基本的に、考え方はパート・有期と同じですというメッセージを出そうと思って、確かに実務的にあるのかどうかというようなところ御指摘あるかもしれませんけれども、そこは同じ取扱いになるのだということを一応述べたいと思いまして、特に事例についてはパート・有期のものを置き換えたということです。ただ、そこがいろいろな御指摘の中で、どこまでそこを同じような形で表記するのかについては、また御議論いただければと思います。
 その他幾つか有効期間の扱いについては、今いろいろ御意見がありましたので、また御議論いただければと思います。
 除くべき待遇についても、また御議論を頂ければと思います。基本的に今、除くべき待遇の所で挙げていますのは、派遣先でないと取り組めないものというようなことで列挙させていただいたところです。そういう観点からいくと、例えば先ほど保育施設みたいな御指摘がありましたけれども、それは元でもしっかりとした取組は取めるのではないかというような所もあろうかと思います。またここは御議論を頂ければと思います。
○守島部会長 岩村委員お願いします。
○岩村委員 先ほどの村上委員、鈴木委員の話の関係ですが、確かにこの派遣の場合は非常に分かりにくくなってしまう。これは御指摘のとおり、当事者が非常に多く出てくるので、どうしてもこれは複雑になると思います。ただ、このガイドラインそのものが、法律に根拠を置いてその委任に基づいて定めるというところから、どうしても、いわゆる法律文書にしなければいけないという、やはり制約がどうしてもあるものと私は理解しています。そのため、分かりやすさと言ってもちょっと限界があるかなと思います。
 とりわけ派遣について言えば、多分これは図を使ってやったほうがすごく分かりやすいと思うのですが、法律文書の場合、どうしてもそれはできないということなので、こうなってしまうのかなと思っています。そうなると、やはり先ほどの何人かの方からも御指摘がありましたように、今後厚労省におかれては、図を使ったりとか何とかして、なるべく分かりやすい形での説明あるいは情報の提供といったことをしていただくということをお願いするということかと思っています。
 それから、確かにこの資料2-1の別紙は割り切りの問題になっているのですが、もちろんこのガイドラインもそうですけれども、実態はいろいろ様々であるという中で、ある程度パターン化したものを例として取り上げて示して、こういう解決になるのではないかということを明らかにしているのかなと理解しています。ガイドラインなり資料2-1の別紙で、全てがこれで解決できるというものではないだろうと思っていますので、基本的な発想なり考え方を示しているので、あとはケースバイケースでそれぞれ当事者の中で話し合って考えていくというものかなと、そういうものかなと理解しています。いずれにしても、派遣については分かりにくいことはおっしゃるとおりなので、あと事務局で図を使うとか、そうした形でもって、なるべく分かりやすい説明と情報の提供をしていただきたいと思っております。
○守島部会長 ほかにどなたか、松井委員お願いします。
○松井委員 労使協定の周知の方法について意見を申し上げたいと思います。資料2-2の17ページで御説明を頂きましたが、今回の労使協定は、派遣労働者の賃金に関わる重要な内容を含むものですので、基本的には、労働条件明示と同じように、文書交付を原則にすべきであると思います。17ページに1、2、3と方法が示されていますが、2の方法については、前回のパート・有期で議論した労働条件明示の部分では印刷できるようにという注意書きがあったかと思います。労使協定の周知についても、印刷できる書面での周知が適切だと思います。また、3については、「1の方法により併せて周知する」ということであれば、そもそも協定の概要のみということは適切ではないと思います。
 ですので、労使協定の周知は、基本的に1と2の方式で協定の現物をきちんと労働者が確認でき、印刷できるようにすべきであると思います。よろしくお願いしたいと思います。
○守島部会長 ほかにどなたか、松浦委員お願いします。
○松浦委員 先ほども御議論がありましたが、村上委員がおっしゃった何のためのガイドライン案なのかは、私も全く同感で、最終的に派遣労働者の待遇改善にどうやってつなげていくかという観点がより重要かと思います。今示していただいているガイドライン案と、あわせて分かりやすいように別紙も作っていただいていますが、これらを基に実際にどういう事務フローで均等・均衡が図られていくのか、事務フローが私にはイメージできないです。少なくとも事務フローがイメージできないままだと、規制の狙いや意図が伝わらず、待遇改善につながらないというか、むしろ混沌としてしまうのではないかという危惧があります。事務フローがイメージできるようにしていくために、今後どのように議論していけばいいのかと、皆様のご議論を聞きながら考えていました。
 やはり岩村委員がおっしゃったように法律論として書き込むべきところは書き込み、その上で、派遣元が規制を守るためにどういう情報を派遣先から開示してもらう必要があるかを、フルパッケージで洗い出していただいて、それが実際どこまでできるのかを改めて議論する必要があるのではないでしょうか。先ほど個別の議論の中では、例えば業績が確定する前にほかの会社に出すのは非常に難しいという御指摘が出てきたと思うのですけれども、改めて全体としてどういう情報提供が必要で、それが実際には、例えば1万人の派遣労働者を派遣しているようなケースでも実際できるのかを議論していくという、2段階のステップが必要な気がいたします。つまり、フルパッケージで必要な情報の全体像を示して頂いた上で、それがどの程度までできるのかを個別に見ていかないと、なかなか事務フローが見えてこないのではないかという印象を持ちました。
○守島部会長 村上委員どうぞ。
○村上委員 岩村委員から、今回の指針は法律文書なのである程度書かなくてはというお話がありましたけれども、そのこと自体は理解した上で、ただ、派遣労働者についての記述を全部が全部パート・有期の事例を置き換えて記載することが適切なのかは、今の松浦委員の御指摘もありましたけれども、考えていくべきではないかと思います。労使協定方式が多くなるのではないかとも言われていますが、派遣先均等・均衡もあり得るわけで、そのときに現場できちんと運用できるのかという視点はやはり欠かせないと思っておりまして、そうした視点での検討をお願いしたいと思います。
○守島部会長 山田委員お願いします。
○山田委員 先ほど来の議論を見ていても、派遣の所は非常に複雑で、どう運用していくのかはなかなかイメージができない。実際、派遣先均衡にしろ労使協定にしろ、選んだ後がどうなるかという話もあるのですが、労使協定方式というのも恐らく一定程度は出てくるといったときに、やはり1つ問題になってくるのは、3ページの本来これは労使協定ということになりますと、労使でしっかりした労使が対等な形で協定が結ばれることが前提になってくるわけです。ここが揺らいでしまうとおかしいということですが、これは派遣労働者の人たちの意見も踏まえながら過半数代表を決めるということで、従来必ずしもそこが仕組みとして整っているわけではないので、そこのやり方をどのようにしていくのか、具体的なフローとして事務局で考えていっていただくことがやはり重要なのではないかと。場合によっては、労働組合のほうのサポートも必要なのではないかと思うのですけれども、その辺りも検討をお願いしたいと思います。
○守島部会長 梅田委員お願いします。
○梅田委員 全体を通じて意見を述べさせていただければと思います。指針に基づく派遣制度の運用は、派遣元、派遣先へのコストアップの要因につながると思います。こうした点に対し、派遣先の配慮義務などをしっかり運用していただきたいと思います。加えて、コストアップを回避するために、派遣元が派遣労働者を社会保険に入れない等の脱法行為が懸念されるということもあろうかと思います。今回の同一労働同一賃金の法整備と併せて、社会保険についての取扱いを今以上に厳格に取り締まっていただければと思います。
○守島部会長 松井委員お願いします。
○松井委員 労使協定の締結手続で、過半数代表者の選出手続きについて規定をすることは重要ですが、省令には、手続違反があった場合、要するに民主的手続を経ずに選出された過半数代表者との協定は違反無効であって、その場合は原則の派遣先均等・均衡に戻るという旨も併せて定めるべきであると思います。
○守島部会長 ほかにどなたか。事務局から今の一連の議論に対して何かありますか。
○松永有期・短時間労働課長 いろいろ御指摘いただきまして、いろいろ検討すべきことも頂きましたところです。御指摘を踏まえ、どのような修正なり、今後対応できるのかを検討させていただきたいと思います。
○守島部会長 よろしいですか。今日のところは、一応これで議論を終わらせていただければと思います。最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○松永有期・短時間労働課長 次回の同一労働同一賃金部会は、10月2日10時から12時の予定です。場所は追って御連絡いたします。
○守島部会長 これをもちまして、第10回同一労働同一賃金部会を終了いたします。なお、議事録の署名委員につきましては、労働者代表の松井委員、使用者代表の及川委員にお願いしたいと思います。本日は、皆様お忙しい中ありがとうございました。
 

 

(了)

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