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2024年3月7日 第130回先進医療会議

○日時

令和6年3月7日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 
佐藤構成員 滝田構成員 長瀬構成員 比企構成員 松山構成員 山本構成員
渡辺構成員 榎本技術専門委員 近藤(幸)技術専門委員


【事務局】

医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官 医療課長補佐 
研究開発政策課長補佐
 治験推進室長補佐 先進医療機器審査調整官 他
 

○議題

1 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-1)(別紙1) 
 
2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙2)(別紙3)

3 先進医療技術の施設基準の見直しについて(案) 
(先-3-1)
(先-3-2)

4 先進医療に係る運用等の見直しについて(案) 
(先-4)

5 先進医療技術の保険導入について
(先-5-1)(参考資料1)(参考資料2)
(先-5-2)

6 先進医療実施医療機関からの報告について
(先-6)(別紙4)(参考資料3)

7  その他
 


○議事

16:00開会

 
○新井座長
 それでは、ただいまより先進医療会議を開催したいと思います。
 まず初めに、構成員の先生方の出欠状況でございますけれども、手良向構成員以外、全員御出席でございます。欠席されます構成員の先生からは委任状の提出があり、議事決定につきましては座長一任となっております。
 また、先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等に係る審議のため、榎本技術専門委員に御出席をいただいており、さらに先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等に係る審議のため近藤幸尋技術専門委員にも御出席をいただいております。
 なお、榎本技術専門委員におかれましては、議題1「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」が終了した時点で、また、近藤幸尋技術専門委員におかれましては、議題2「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」のうち、整理番号172の技術の審議が終了した時点で御退席いただいても構いません。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」として(先-1)の資料がございます。こちらには(別紙1)がついてございます。
 続きまして、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」として(先-2)の資料がついてございます。こちらには(別紙2)(別紙3)がついております。
 続きまして、「先進技術の施設基準の見直しについて(案)」として(先-3-1)(先-3-2)の資料がございます。
 続きまして、「先進医療に係る運用等の見直しについて(案)」として(先-4)の資料がございます。
 続きまして、「先進医療技術の保険導入について」として(先-5-1)(参考資料1)(参考資料2)(先-5-2)の資料がございます。
 最後に、「先進医療実施医療機関からの報告について」として(先-6)(別紙4)(参考資料3)がございます。
 資料につきましては以上となります。
 なお、今回の先進医療会議におきましてはウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者の先生は、会議資料、公開資料のページまたはタブレット資料、非公開資料のページとあらかじめ御発言いただきますと議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございます。資料等についてはよろしいでしょうか。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 松山構成員及び比企構成員より、先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について、における整理番号353の技術について報告がございました。
 松山構成員におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 比企構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でございましたので、同規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そのほか出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございます。
 それでは、次に「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、松山構成員は当該技術に関する検討には加わらないこととなりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただくようよろしくお願いいたします。
(松山構成員 退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 今、御退席されました。
 それでは、先-1に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号353番、子宮腺筋症病巣除去術でございます。
 適応症につきましては、子宮温存を希望する、もしくは妊孕能温存を希望する子宮腺筋症患者となってございまして、かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 今回、東京大学医学部附属病院より申請がございました。
 こちらの事前評価につきましては、北脇構成員及び榎本技術専門委員にお願いしてございまして、北脇構成員より「適」、榎本技術専門委員より「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙1の4ページ目を御覧いただければと思います。こちらは当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。まず、実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科又は婦人科が必要、資格は産婦人科専門医が必要、当該診療科の経験年数は5年以上が必要、当該技術の経験年数は3年以上が必要、当該技術の経験症例数につきましては5例以上が必要。
 また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科又は婦人科であることが必要。実施診療科の医師数は2名以上が必要。そのほかの医療従事者の配置は、臨床工学技士が1名以上必要、病床数は1床以上が必要、看護配置は不要、当直体制は必要、緊急手術の実施体制は必要、院内検査は、24時間の実施体制は必要、ほかの医療機関との連携体制は不要、医療機器の保守管理体制は必要。倫理委員会による審査体制は必要で、自院に倫理委員会が設置されており、必要な場合に事前に開催すること。医療安全管理委員会の設置は必要、医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。
 その他の要件でございますが、頻回の実績報告は不要となっております。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。この整理番号353技術については、事前評価を北脇構成員にお願いしておりますので、北脇構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○北脇構成員
 北脇でございます。
 それでは、別紙1の1ページ、2ページを御覧いただければと思いますが、まず、総評の2ページのほうから説明させていただきます。
 一応コメントとして書いておりますが、総合判定「適」でございます。
 子宮腺筋症は、子宮筋腫、子宮内膜症と並んで最も頻度の高い子宮の良性疾患であります。しかし、「子宮筋腫核出術(開腹及び腹腔鏡)」と「腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術」が保険収載されている中で、「子宮腺筋症病巣除去術」は以前より広く行われているにもかかわらず、保険収載されないまま今日に至っています。この理由の一つとして、臨床研究の困難さが挙げられます。子宮腺筋症は、子宮筋層内に発生しますが、病巣の大きさや発生部位の範囲は様々であり、子宮筋層との境界は不明瞭です。症状に応じて、生殖機能を保持しながら、かつ適切な範囲で切除することが求められます。したがって、多様な患者背景があり、多様な切除範囲が存在し、多様な術後評価項目が存在する条件下で、洗練された臨床研究を行うことは困難であり、エビデンスレベルの高い研究は国際的にもごく少数でしかございません。
 このように、臨床研究を行う上で制約が多い中で、「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」が先進医療Aとして2005年から実施されていました。2,000例以上が集積され、月経痛や月経量などの症状の改善に有効であるとの成績が得られていました。しかし、十分なエビデンスを示すまでには至らなかったことや、特殊な装置を必要とすることなどの理由により、2023年に先進医療は中止を余儀なくされました。
 この反省を踏まえて、今回、本研究では、月経困難症を来し、MRI診断の得られたものの中で内分泌療法が実施できないか、もしくは十分な改善が得られなかった症例に限定して研究対象としています。さらに、主要評価項目を月経困難症の改善として、副次評価項目として各種疼痛の改善、子宮体積量の変化及び手術成績を挙げています。本研究は日本産科婦人科学会の研究グループが立案企画したもので、申請機関を含めて6施設で実施することとしています。
 以上より、研究計画は妥当な内容であると判断いたします。研究グループ内での実施施設に限定していることから、研究計画を遵守したより信頼性の高い症例が計画期限内に予定数集積されるものと期待しております。
 1ページに戻っていただきまして、一応マルをつけておりますが、適応症に関しては、以上のことから、A.「妥当である」。有効性ですが、Aであるかもしれませんが、一応「従来の技術を用いるよりもやや有効」とさせていただきました。
 安全性に関してもほとんど問題ございません。もちろん、手術そのものの癒合不全とか、そういったものがあるかもしれませんが、合併症があるとしますと、妊娠した後に、分娩時に子宮破裂などが起こるかもしれないということがありますが、Aでもよろしいですが、Bとさせていただきました。
 技術的成熟度は、ほぼ普通の術者としてやればできますが、今回、施設基準として、術者としてこれ以上となっておりますので問題ないかと思います。また、倫理的問題は特にございません。
 現時点での普及性ですが、これも「ある程度普及している」とさせていただきました。
 効率性は、現在の保険導入されている医療技術というのがこれ自体にはございませんが、子宮筋腫などと合併している場合に子宮筋腫ということで算定していることもございました。「やや効率的」とさせていただきました。
 そして、もちろん、「将来的に保険収載を行うことが妥当」とさせていただきました。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○新井座長
 ありがとうございました。続きまして、榎本技術専門委員より評価結果について御説明をお願いいたします。
○榎本技術専門委員
 榎本でございます。
 私のほうは、北脇先生が大体説明していただきましたけれども、術式及び技術につきましてはそれほど問題ないので、一応全部Aという形にさせていただきましたけれども、子宮腺筋症という病気は、最近、若年者よりは当然年齢が上がってくるにつれて増えてきます。最近の問題としましては、結婚の年齢がかなり遅くなってきているので、妊娠したいときに、結局、腺筋症があって、それで、腺筋症に対する治療法としましては、ホルモン療法が非常に有効なのですけれども、ホルモン療法することによって排卵ができなくなる、したがって妊娠ができなくなるということで、非常に生理痛とかできつい方にとっては大変な病気、疾患でございますので、そういう方にとっては、やはり病巣を取ってあげるということが非常に大事となるのですけれども、現在、保険で認められているのは子宮全摘しかありませんので、実際には、だから、挙児希望する方にはそういった術式はできないということになります。
 それで、妊娠希望がなくても、痛みを取るということについても、こういった手術とかが非常に有効である可能性もあって、また、腺筋症があることによって、普通、ない方に比べてやはり妊娠しにくいということもあるのではないかということも言われております。そういった意味では、この病変を取るという手術は本来ならば非常に需要がある手術であるはずなのですけれども、北脇先生からも御説明ありましたように、先進医療で、2005年からされたにもかかわらず、特殊な機械、下平式の電気凝固器といったものを使うことによって、限られた、今でももちろんそれは非常にいい機械なのですけれども、実際には余り普及していないような機械になってきておりますので、保険診療に移すことが難しい状況になってきたということで、今回、東大からこの技術につきまして、そういった下平式という縛りがない形で出していただいていることは非常に大事なことだと思います。
 私がちょっと1つ、この計画書で疑問に思った点につきましては、もちろん、先ほども北脇先生からも御説明あったように、こういったものに対する有効性を検討するためにランダマイズスタディとか、そういったことの検討は難しいというのはよく分かるのですけれども、そのデザインが、手術した群と手術しなかった群、2群に分けて、その分けるのは患者さんの意思によって分けるということになりますと、当然ながら、手術を受ける人と受けない人でかなり病巣の大きさでありますとか、広がりとか、それから、これまでの治療法とか、それから症状につきましても違う人が入ってくることがありますので、それを手術施行群36症例、対照群18例という非常に少ない症例で比較することで有意な結果が出るかどうかということは疑問に感じたのですけれども、この点につきましては、東京大学のほうでも、統計の専門家の先生が入られて、こういったデータの症例でできるという結論は挙げられたということですので、そういうことであれば、これ以上、ランダマイズスタディは当然難しいわけですから、仕方がないなと考えております。
 そういったことで、それ以外の点は特に問題ございませんでしたので、適応症、有効性、安全性、技術的成熟度云々につきましても全て、私の評価としましてはA評価として、ぜひ先進医療としてやっていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○新井座長
 ただいまの御説明について、何か御質問等ございますでしょうか。
 渡辺構成員、よろしくお願いします。
○渡辺構成員
 すみません。渡辺でございます。
 先生方の御説明で十分理解しているつもりです。しかし、先進医療Aで、18年間で2,000例以上のデータが一応あることになります。事前の御質問の1番に、2,000例以上あるけれども、なぜ中断に至ったかの経緯があまり触れていません。先ほど御説明になられたとおり、手法を高周波切除術と限定したことなので保険収載ができない、これは、一応説得性がある回答だと思うのですけれども、その以前の、2,000例以上の症例数がある中で十分な成果が出なかったのに、今回は100例に満たない申請になるわけです。十分な量のエビデンスが2,000例もあったのにもかかわらず有効性が示されなかったことに対して、今回の100例未満の症例構成で、研究構成で、エビデンスが示されるかということに対して今回の再検討症例数はこれでよいのかという気がします。この2,000例のどういう点を問題として改善されて今回の項目の研究立てになったかという説明がちょっと十分ではないのではないかという気がするのですけれども、その点に関してはどのように考えたらよろしいのでしょうか。
○新井座長
 北脇先生、この点、何かございますでしょうか。
○北脇構成員
 先ほど少し御説明させていただきましたけれども、症例が、非常にヘテロといいますか、多様性に富んだ症例になっております。その中で、患者の背景因子をそろえて、しかもランダマイズするというようなことが本当は望ましいのですけれども、この疾患に関しては非常に困難であると。また、症状が本当に改善するのであれば、子宮全摘術というのが根治的なことなのですけれども、この一部を取るということは、将来そのまま妊娠できるような状態、妊孕性を残した状態で手術するということになりますので、不完全な手術ということもあり得るわけですね。その辺が非常にファジーな選択を迫られると、またホルモン療法、内分泌療法も並行して存在していると、このような状況でございます。
 その中で、当初の高周波の場合は、その背景因子をほとんど限定していないということで、どのように絞るかということ、また評価項目に関しても十分に限定し切れていなかったというのがあると、私はこれが中心になる前もいろいろ見ておりましたけれども、その辺でなかなか御承認いただけていなかったというお話を聞いておりました。もちろん、この特殊な装置も普及しなかったというのもございます。
 今回のものは、そういう意味で、症例を非常に限定したもので、特に月経痛がある人というものに単独でしておりますし、また評価項目も、その月経痛の改善ということに限定しているというところで、症例数が少なくてもかなり評価がしやすくなっている。その辺の工夫が見られているのではないかと判断いたしました。
 説明になっていますでしょうか。
○渡辺構成員
 ありがとうございます。
○新井座長
 榎本先生、この点、何かございますでしょうか。
○榎本技術専門委員
 今、手元のほうには2005年からの先進医療の研究についてのデータを持っていないのですけれども、以前拝見した記憶によれば、安全性といいますか、術後の出血量とか、それから手術時間、いろいろ出されておったと思うのですけれども、それは全く問題ない程度であったと。そういうこともあって、今回はこの試験をするときには臨床保険には入らないということで、その理由としましては、前回の2005年からの先進医療でも十分その安全性については担保できているという話だったと思います。
 それで、有効性については、先ほど北脇先生からの御評価、御説明ありましたように、やはり何をエンドポイントにするかということについてのデータが余りはっきりしていなかったのではないかと思います。もちろん、1つは下平式というので、今ほとんど使うことがないような機械を使っていたこともかなり大きい理由だと思うのですけれども、それで、今回の手術実施群36例、対照群18例について、僕も最初、少ないなあという印象は持ったのですけれども、これについては、東大の説明では、統計学的に、先ほど北脇先生もおっしゃったように、月経困難症のスコアということをある程度基準にして、対照の2つのA群、B群についてある程度そろえることによって有意差が出る可能性が高いという結論だということですので、専門家がそういうことであればいいのではないかと考えております。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。渡辺先生、よろしいでしょうか、今の答えで。
○渡辺構成員
 はい、結構です。実は、技術部会でも審議したので、ある程度は経緯は分かっているのですけれども、どの点をどう改善したかというところが明記されたほうが分かりやすいのではないかと思いましたので、質問させていただきました。ありがとうございます。
○新井座長
 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、評価結果を取りまとめたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 冒頭でも説明させていただきましたとおり、比企構成員は当該技術に関する議事の取りまとめには加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席のほどよろしくお願いいたします。
(比企構成員 退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 御退席、確認いたしました。
○新井座長
 今、渡辺先生から御質問ございましたけれども、一応それに対しての答えもある程度明確であったということでございますので、構成員の評価結果どおりの決定にしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、御参加いただきました榎本技術専門委員におかれましては、御退席いただいても差し支えございません。御協力、どうもありがとうございました。
 また、松山構成員及び比企構成員は座席にお戻りいただきたく存じます。
(榎本技術専門委員 退席)
(松山構成員、比企構成員 着席)
○新井座長
 それでは、次に事務局から、「先進Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されてございます。2件ありますので、まず1件目から御説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2に基づきまして御説明させていただきます。今回御審議いただきます技術でございますが、整理番号172番、マイクロ波凝固による経皮的前立腺がん病巣標的化焼灼術でございます。こちら、適応症が限局性前立腺がんとなってございます。
 申請医療機関につきましては京都府立医科大学附属病院で、費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、松山構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 この整理番号172の技術に関しましては、事前評価を松山構成員にお願いしてございます。松山構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○松山構成員
 これは、限局性前立腺がんに対しましてマイクロ波の凝固による焼灼術に関してです。試験デザインとしては単群試験でございます。ロードマップを見ますと、この先進医療の後に引き続き医師主導治験を行うというロードマップになっておりました。ですので、いわゆるフェーズ2のレベルと今回の申請は考えられます。その後、フェーズ3をやるということだと思われます。
 本件に関してですが、単群試験ですので、コントロールとしては自施設、これまでの経験例をヒストリカルコントロールとされて、有効性に関しては非劣性、安全性、QOLに関しては優越性を想定した単群試験です。
 症例数設計などデザイン的なところで大きな問題はないと判断いたしました。ただ、ヒストリカルコントロールですので、どういうものを想定しているかによって当然、非劣性マージンを含めて、結果の解釈が変わってくるところが気になりました。もう一つは、PSA50%減少をエンドポイントとしておりますが、長期的な予後については、検討は今後ということになろうかと思います。
 私としては「適」とさせていただきました。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、本日は、先進医療技術審査部会でも評価に加わっていただきました近藤幸尋技術専門委員にも御出席をいただいております。近藤先生、よろしく御説明をお願いいたします。
○近藤(幸)技術専門委員
 よろしくお願いいたします。近藤でございます。
 本件は前立腺がんを対象にしておりますけれども、前立腺がんは現在男性において日本で一番罹患率の多いがんになりまして、その年齢分布もいわゆる高齢にも広がっているということがあるので、より低侵襲な治療を求めるという背景があり、本件がスタートしているのではないかと予想されます。
 本件に関しては、マイクロ波を経皮的に会陰から挿入して、前立腺で、いわゆる温熱療法のような形で、マイクロウェーブで高熱にして治療するというものでございます。そうしますと、実はマイクロ波の端子というのは、泌尿器科では、以前腎臓や、肝臓領域でも腫瘍に対するいわゆる焼灼療法というような形で行われていた時代があったのですが、現状はラジオ波のほうが今は広く行われているという状況かと思います。
 何が一番問題になってくるかというと、前立腺から直腸粘膜というのは非常に近いものですから、そちらに熱傷を起こして、瘻孔を形成したり直腸外傷を起こすという問題が一番大きな問題になり得ると考えております。また、その前立腺の形状というのが、個々によって左右差もございますし、治療対象の前立腺がんはいわゆるローグレードのローリスクのがんを対象にするわけですけれども、そのがんの場所というのも一定のものではなくて、いろんなところに存在するということがあります。
 それに対して、事前に質問させていただいて回答を得たわけですけれども、一応直腸に非常に近い部位であるとか、より大きなものに関しては対象等を外すことで適応を絞るとの回答を申請者らから得ております。ですから、非常に適応が狭まっていく可能性はあるのですけれども、そういったものをきちっとクリアーするということであれば、本治験に関しては有効な結果が得られるのかと考えられます。
 あともう一点、マイクロ波というのは申請者らも気泡を見ながら超音波で確認していくと記しています。マイクロバブルの発生を見て、焼灼しているか、高温化しているかどうかを確認するのですが、時として、水分が多いところでは水蒸気爆発のような形で、そこが大きく破裂してしまうという事例が腎や肝臓ではあったようです。それに関しては、申請者らはマイクロバブルを見ながら注意して行うというコメントを頂きました。いろいろな質問の回答から適応が狭まる可能性があって、実は実施予定65症例というものを出しているのですけれども、1年間で、前立腺がんは65症例ぐらいは、ある程度の病院では済ますことができるのですが、適応が非常に狭まるのでちょっと期間的にどうなのかなという危惧はございます。内容に関しては、安全に行っていただくということであれば適応を絞っていただいて行えばいいのではないかと考えました。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。ただいまの御説明について何か御質問等はございますでしょうか。
 渡辺先生からお願いします。
○渡辺構成員
 渡辺です。
 近藤先生に教えいただきたいのですけれども、先ほど述べられたように、肝臓ではラジオ波主流になっているということなのですけれども、患者さんの説明文書の中1,166ページです。局所療法についてというところで、放射線療法、冷凍手術室、それからHIFUに関しては記述があるのですけれども、ラジオ波に関する記述が患者さんの説明文書にはないのは、やはりもともとそういう選択肢は考慮しないということでよろしいでしょうか。ラジオ波のことは書かなくてもいいというレベルなのか、それともあえて前立腺がんでは用いないということがもう前提なので、あえて患者さんには説明しておられないのかということをどのように解釈したらいいかと思ったのです。
○近藤(幸)技術専門委員
 いわゆるクライオ、凍結療法は今日本では余り行われていないのですけれども、海外ではHIFUもクライオも行われているのが現状だと思います。マイクロ波というのは肝臓で昔行われていたので、前立腺では世界でも行われているところはないのです。特にこのマイクロ波そのものの機械が、実は欧米では医療材料としてまだ認められていないような状況です。ラジオ波が、肝臓などで圧倒的なシェアというか、主体はラジオ波ということになると思います。ですから、日本においてもこのラジオ波が主体になる中で、マイクロ波は置き去りにされていた器具といいますか、そういう状況であるかと思います。
 以上です。
○新井座長
 渡辺先生、よろしいでしょうか。
○渡辺構成員
 局所療法について、そういうことをやはり患者さんに対しては触れたほうがいいかなと思ったのでお聞きしたのですけれども、そこまで書くようなレベルに日本ではまだなっていないと考えたらよろしいですか。
○近藤(幸)技術専門委員
 そうですね。前立腺がんの局所療法は、放射線療法または手術療法が中心です。その他のものはまだそんなに進んでいるものではありません。例えば患者さんに局所療法の説明するときには上記の2つの選択肢という形になると思います。
○渡辺構成員
 ありがとうございます。
○新井座長
 ほか、よろしいでしょうか。
 特にほかに御質問なければ、今の議論を踏まえて、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 特に異議なしということで、ではそのようにさせていただきます。
 近藤幸尋先生には御退席をいただいて構いません。どうもありがとうございました。
(近藤(幸)技術専門委員 退席)
○新井座長
 続いて、2件目の技術について説明をお願いします。事務局、よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2にお戻りください。2つ目に御審議いただきます技術でございますが、整理番号173番、自家骨髄単核球移植による血管再生治療でございます。こちら、適応症が閉塞性動脈硬化症に伴う包括的高度慢性下肢虚血となってございます。
 申請医療機関につきましては京都府立医科大学附属病院でございまして、費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては佐藤構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
 整理番号173の技術につきましては、事前評価を佐藤構成員にお願いしておりますので、佐藤構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○佐藤構成員
 佐藤です。よろしくお願いいたします。
 それでは、別紙3、まず、私の評価につきましては最後にということで、まず、技術の概要について簡単に御説明させていただきます。4ページにいっていただいてよろしいですか。
 4ページの技術部会の報告の中が見やすいと思います。ここで結構です。(概要・先進性)のところでございます。
 適応症が閉塞性動脈硬化症に伴う包括的高度慢性下肢虚血ということで、包括的高度慢性下肢虚血、CLTIと呼ぶようでございますけれども、そこにありますとおり、下肢の虚血、組織欠損、神経障害、感染症等の肢切断リスクを持って、治療介入が必要という創傷でございます。
 動脈硬化や血管の炎症が原因だということで、末梢動脈の血流が著明に低下ということで、疼痛、壊疽・潰瘍ということですね。そういった治療につきましては、次の段落にありますとおり、創傷に関しては創傷処置でありますし、虚血の解除のためには血行再建術がございまして、この中身には経皮的血管形成術やバイパス術があるということです。それから、感染等の場合は抗菌薬投与やデブリードマン、それから、リスクあるものについてはそれぞれのコントロールということでございますけれども、最終的にコントロールできない場合は切断という大変つらい選択をしなくてはならないと、まずそういった病気でございます。
 今回申請あった研究は血管再生治療ということになりまして、自己の骨髄液を取りまして、そこから血管内皮に分化し得る未熟な細胞(血管内皮前駆細胞)を含んだ単核球成分を取り出しまして、虚血症状のある下肢のほうに移植を行って、毛細血管をつくり出す治療ということです。この後、もう少し詳しく説明しますけれども、多施設共同のランダム化介入試験ということでございます。
 それで、もう少し下で、概念として、20ページへ進んでいただけますか。
 これが全体のイメージになりますけれども、まず、対応症となった患者さんの腸骨から骨髄液を取ります。これは手術室で、骨髄移植等で行っている方法に準じてという形になります。得られた骨髄液、600CCとかその前後ぐらいになるのですけれども、2番目の写真にありますような血球分離装置、濃縮装置、これは保険の適用通っているものでございますけれども、そこで分離・濃縮して注射器のほうに移し取るような形になりまして、3番目のところですね。オペ室で患者さんの患肢のところに、かなり細かく分けてになりますけれども、そこに黒ポチが幾つか絵として書いてあると思いますけれども、そこに注射して移植すると、そういった治療になります。
 次のページへいってください。ロードマップでございますけれども、この自家骨髄単核球を使う血管再生でございますが、もうちょっと下まで映りますかね。
 先行研究といたしましては、左側の青いところにありますけれども、多施設で単群ではございますけれども、前向き試験というのを行っておりまして、その結果として、ASO、閉塞性動脈硬化症でございますけれども、そこに関しましては、全生存率及び下肢切断回避率ということで、80%、60%ということで、単群ということでございますけれども、それなりの良好な成績が得られているといった先行研究がございます。
 これに基づきまして、今回、先進医療として申請が来ているということでございます。単群でそれなりの症例数でそれなりの成果が得られたというものがございますので、今回も先進医療をもって保険収載を目指すということになっておりまして、デザインとしては、先ほど申しましたとおり、多施設共同のランダム化比較試験ということになります。
 この場合のランダム化でございますけれども、ランダム化に至るまではこの後少し説明のものがありますけれども、標準治療を行う群と、それから、標準治療プラス、自家骨髄細胞を使った血管再生療法をアドオンすると、それの2群ランダム化比較試験ということで、主要評価項目は、そこに書いてありますとおり、患足、悪いほうの足の切断、大切断又は小切断、ないしはEVTというのは経皮的血管形成術のことでございますけれども、このどちらか、発生した日までの期間ということで、要は、かなりハードなエンドポイントを設定しておりまして、ランダム割り付けでハードのエンドポイントで、片群33例、66例で、この結果をもって保険収載を目指したいと、そういった申請になるということでございます。
 もう少し下へいっていただけますか。
 23ページ辺りですかね。ここでいいですかね。もうちょっと大きくしてもらっていいですか。
 繰り返しになりますけれども、適応症は閉塞性動脈硬化症を伴う包括的高度慢性下肢虚血ということで、そこの改善をということでございます。
 下へいってください。この仕組みでございますけれども、まず仮登録という形で、そこに書いてあるような基準ですね。閉塞性動脈硬化症で一定以上の重症度がある患者さんでということが前提になりますけれども、その患者さんを仮に登録するということです。その下には仮登録時の除外基準もございまして、安全性には十分配慮した上で仮登録をしてもらうということになります。
 それから下へいってください。この仮登録した患者さんに対して、EVT戦略と書いてありますけれども、一定重症な方ですから、仮登録からの期間で、血管内治療ですとか、ごく小さい切断術ですとか、そういった治療をして様子を見て、4週以降12週までと書いていますけれども、そういった処置をしたにもかかわらず、なかなか改善が見られずにさらに治療が必要という方を本登録として入ってもらうということになります。それが本登録の基準の1)になるということです。
 そのほかにも重症度等の基準があり、安全性の基準がありということで、仮登録の上、一定の治療をして、それでもきかない方を本登録として、先ほど申しましたとおり、ランダムに割り付けて、標準治療群と、それから標準治療+この血管再生療法をアドオンする、その2つで比較するということでございます。
 下へいってください。繰り返しになりますけれども、主要評価項目は切断ないしは再度のEVTを行うというエンドポイントを設定して、そこの発生までの期間ということにしております。
 それで、2段落目ですね。ただ、こういったハードのエンドポイントでございますけれども、切断するとか血管内治療をするということになりますと、どうしても外圧が入ってしまうおそれがあるということで、ここのところ、きちんとしたイベントが正しいかどうかというのを、事後的ではございますけれども、治療追加評価委員と書いてありますが、外部委員によって適切にその辺りを評価して、イベントの適正性を担保する、そういった方法をとるということでございます。
 副次につきましても様々な項目を設定しております。安全性の項目も様々設定しているということでございます。
 以上が概要になりまして、最初に戻っていただけますでしょうか。
 私の評価でございますけれども、社会的妥当性については、倫理的には大きな問題はなかろうということです。それから、現在の普及ですけれども、先行する臨床試験がありましたので、若干つかんでいる部分もありますけれども、まずは普及していないと考えられると思います。
 先行研究では、有効性、ある程度出ていますけれども、あくまで単群試験でございますので、ランダム試験でどうなるかは分からないですけれども、一定の効果は、ある程度の効果は期待されるのではないかということで、Bにさせていただきました。
 保険収載でございますけれども、将来的には保険収載にいっていただきたいとは思いますけれども、そのために申請者もランダム化比較試験ということで、ハードエンドポイントを設定していますが、あくまでもオープンで、ブラインドではございませんので、第三者評価の体制はつくっておりますけれども、そこのところ、イベント発生の妥当性というのを総合的に保険収載のときには見ている必要があろうかなということでそこにコメントを書かせていただきました。
 総合判定は「適」でございます。
 1つコメントは、同意の取り方ですけれども、申請者のほうからも1:1で割り付けで、標準治療に当たった患者さんは当然この治療を受けられないわけですから、十分説明してということで、同意説明文書にも書かれておりますけれども、先行研究で一定の成果が期待できるものになっておりますので、患者さんとしては、できるものなら治療を受けたいと思ってこの研究に参加されると思いますので、その辺のところ、十分に事前に説明していただくことが大事ではないかということをつけ加えて書かせていただきました。けれども、総合的には「適」と判定させていただきました。
 私からの説明は以上になります。
○新井座長
 ありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問等ございますでしょうか。
 渡辺構成員、よろしくお願いします。
○渡辺構成員
 渡辺でございます。
 今の佐藤先生の御説明では、無作為に分けていくわけですね。目標は、研究対象が33例で、コントロールが33例。だけど、佐藤先生がおっしゃられたとおりで、例えば、治療群に入らなかった場合にはドロップアウトする可能性は十分あるのではないかと思うのです。その際に、33、33と分けていくときに、ドロップアウト例がコントロール群では出る可能性があるので、コントロールの33例をそろえようとしたら、最後は無作為でなくなるのではないかという気がするのが1点です。
 もう一点は、これは質問ではなくて、お願いです。同意書の文章では、新たな治療法を開発する際に用いられる必要な手順であることを受け止めてくださいという文章だけなのですけれども、説明が十分であるということも必要だと思うのですが、オープンなランダマイズド比較試験、これは今の日本の制度では致し方がないというのは研究者の立場でよく分かるのですけれども、逆に患者側の立場で考えると、コントロールに入った群に対しては、その病院で標準治療される可能性があるので、フォローアップはできるかもしれません。しかし、ドロップアウトした例、つまり、研究には入らないですよと言われた方に対してもやはり精神的なフォローということを、医療機関は考えていただきたいという希望があります。
 バージャー病なんか非常に予後が悪いというか、日頃非常に苦労されている患者さんに、先行研究で僅かながらも有効性があるぞと言ったら、ワラにもすがりたいという人は多いと思うのです。その中で、くじ引きで、あなたは治療群とは違いますよと言われた患者さん側に寄り添うような対応、つまり、あなた、外れたから標準治療ですよと言うだけでなくて、日頃の標準治療とかその後のフォローアップに関しても十分配慮していただくようなことを、佐藤先生にお願いすることでないことはよく分かるのですけれども、研究者の方はと御配慮いただきたいという希望があって発言させていただきました。
 以上です。
○佐藤構成員
 渡辺先生、ありがとうございます。すみません。勝手に答えて。
○新井座長
 お願いします。
○佐藤構成員
 渡辺先生おっしゃるとおりで、私も、この研究は、先行研究でそれなりの結果が出ているからこそ、非常に実施上は難しい試験だなと思っております。ただ、実際、このぐらいのハードなエンドポイントで割り付けを持っていかないと、恐らく保険収載というところは届かないだろうと思って、研究者側もかなり頑張ってプランを立てたのだろうと思います。
 それから、最初のほうの御質問で、要するにドロップアウトの件でございますけれども、このプライマリーエンドポイントは、イベントの発生の段階になりますので、そこまでは割り付けられた時点で、私はもう嫌だと言われたら、それはそれで、そこでドロップアウト、そこは評価のほうの数字には入れ込んでこないという形になろうと思いますので、そこはよろしいのではないかと思いますけれども、イベント発生ポイントになりますので、その時点で、副次的項目含めてフォローアップデータも取ろうとしています。生存率も含めてですね。そこはかなり厳しいものになってくるおそれはあると思います。何とかしてくださいという話。
 この手のものは、結局、レスキューを入れておいて、例えばイベントが発生したら細胞治療をその時点で受けられます。ただ、切断してしまってということになるとなかなかつらい選択になるかもしれませんけれども、内視鏡的な治療でお知りになって、プライマリーとしてはそこで評価になって、その先、何とかレスキューでこの治療を入れてあげるというのは、様々な難しい臨床試験では入ってきています。その辺も実は京都府立医大の倫理委員会でも議論として出てきているようでございまして、やはり研究者側としては最終的な長期のフォローまで見たいので、何とか患者さんには協力していただきたいということで、レスキューは入れないということでございます。
 私としたら、レスキュー入れたほうが患者さんの登録が入るのではないかという気もしないでもないのですけれども、そこは議論された上でそういう結論が出されたということで、私としては納得といいますか、そういった形で患者さんのほうにしっかり説明して、先生方頑張ってくださいということで「適」とさせていただきました。
 渡辺先生が後半でおっしゃられたことはまさにそのとおりで、私も総評のところのコメントで書かせていただいたのはまさにその思いで、患者さんはぜひ受けたいと思って、参加したいということで意思表示されると思いますので、その点しっかり事前に説明するのと、その後のメンタルなケアも含めてというところまでは私は思いつきませんでしたけれども、可能ならそういったところも研究者にお伝えして、これが保険治療として採用されるための先進医療だということで、患者さんに本当に感謝の気持ちで臨床試験に当たってもらいたいということでやっていただくといいのではないかなと私も感じています。渡辺先生のおっしゃるとおりで、ありがとうございます。
 以上です。すみません。余り答えになっていないかもしれませんけれども。
○渡辺構成員
 いいえ、よく分かります、先生。ありがとうございます。
○新井座長
 渡辺先生、よろしいでしょうか。
○渡辺構成員
 結構です。ありがとうございます。
○新井座長
 今、渡辺先生、そして佐藤先生からもお答えがございましたが、その点を十分にこの実施者、申請者に伝えた上で、今の評価結果どおり、この先進医療会議としては決定したいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございます。ではそのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、「先進医療技術の施設基準の見直しについて」の資料が提出されております。まずは、先-3-1の資料について、事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料、先-3-1を御覧ください。こちらの資料は令和6年度診療報酬改定に向けて実施しました施設基準の見直しについての資料でございます。この施設基準の見直しにつきましては、先進医療Aのうち、引き続き先進医療を継続することが妥当とされた技術が対象となっております。見直しに当たりましては、先進医療の治験が蓄積されていると考えられている先進医療会議に新規技術を申請しまして、「適」と通知された保険医療機関から、エビデンスに基づいた提案書というものを事務局がいただいておりまして、それらを参考にしながら、先生方から、施設基準の見直しに関する御意見をいただいたものでございます。
 告示番号9番と10番につきましては、お示ししました資料のように、施設基準の見直し(案)をいただいております。こちらの2技術は両者とも平成26年1月1日に告示適用となっており、同じ施設基準が設定されておりました。
 今回、具体的な見直し(案)につきましては、主として実施する医師に係る基準としては、眼科専門医又は感染症専門医であることについては、眼科専門医であることといった内容ですとか、保険医療機関に係る基準については、内科及び眼科を標榜していることといった内容が、眼科を標榜していることに見直してはどうか。あとは、ほかの診療科の医師数につきましては、内科において常勤の医師が配置されていることという要件については不要としてはどうかという御提案をいただいております。
 あと、机上配布の資料といたしまして、タブレット資料でございますが、御紹介した保険医療機関からの提案書等について、このたび会議に提出させていただいております。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。今、御説明がございましたけれども、審議に入りたいと思います。何か御意見ございますでしょうか。
 竹内先生、よろしくお願いします。
○竹内構成員
 ありがとうございます。
 ただいまの申請につきましては、平成26年からこれが認められていた背景の中で、エビデンスを重ねていって、内科専門医にお声かけする機会がほとんどなかったということです。PCR検査につきましては、新型コロナ感染症等を踏まえて、PCR技術を用いた検査というのが理解深まったというような背景の中で、この本施設の変更の届出が出たと理解しております。眼科の専門医であれば、眼房内の穿刺技術を中心とした本検査が安全に実施できるのではないか、さらには、経験症例数は、PCR検査という特殊性に鑑みて、当初は20例と設定されていましたが、現状ではその理解が深まったために経験症例数を半分に減らしてもいいのではないかと、そのような報告だと理解いたしました。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。今、竹内先生から御意見もいただきましたが、ほか、何かございますでしょうか。
 それでは、今の議論を踏まえて、先進医療の施設基準見直しをしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 特に異議はないということにさせていただきます。
 それでは、続きまして先-3-2の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3-2の資料に基づきまして説明させていただきたいと思います。
 まず、「経緯の概要」のところでございますが、先進医療Aの施設基準につきましては、一技術ごとに先進医療会議において施設基準が定められ、先進医療告示として発出されております。
 そして、当該告示におきましては、技術によって専門医に関する要件が定められておりまして、厚生労働大臣に届け出た団体が行う医療従事者の専門性に関する認定、学会が実施する専門医認定を言いますが、について定めているところでございます。
 次に、2.の「専門医の認定について」でございますが、一般社団法人日本専門医機構が専門医の認定や養成プログラムの評価・認定を統一的に行う新専門医制度が開始され、平成30年度より基本19領域における専門研修が開始となっております。令和3年には、上記専門医研修を修了し、新専門医制度の認定試験を合格した日本専門医機構認定専門医が誕生いたしました。
 なお、学会が認定する基本領域の専門医から日本専門医機構認定の専門医への切替えにつきましては、専門医の更新に際して行われておりまして、一定程度の期間を要する見込みとなっております。
 3.の「今後の対応について」でございますが、新専門医制度が開始され、基本領域について、日本専門医機構認定の専門医が誕生している状況を踏まえまして、先進医療告示における専門医に係る記載について、一般社団法人日本専門医機構認定専門医も加えることとしてはどうかと提案させていただくものでございます。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。それでは、審議に入りますが、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですかね。
 では、今の議論を踏まえてそのような形にさせていただきたいと、先進医療の施設基準の見直しをしたいと存じます。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、次に「先進医療に係る運用等の見直しについて」でございます。この案が資料として提出されております。事務局から御説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、資料について事務局から説明させていただきます。
 1.の「背景」のところでございますが、1マル目、先進医療Aの既評価技術に係る手続につきましては、課長通知において定められておりまして、届出事項、これには実施体制、使用する医薬品、医療機器又は再生医療等製品、先進医療に係る費用、共同実施の内容・方法又は実施体制が含まれますが、これらに変更が生じた場合には、同通知が定める書類を地方厚生局に提出することとなっております。
 2マル目、先進医療Aの既評価技術には、未承認等の医療機器及び体外診断用医薬品(以下、医療機器等という。)の使用又は医療機器等の適応外の使用を伴う医療技術が含まれておりまして、そのような技術におけるロードマップの変更を伴う医療機器等の変更につきましても、同様の対応となっております。
 そこで、2.の「対応(案)」でございますが、先進医療Aの既評価技術に係る届出事項の変更のうちロードマップの変更を伴う場合につきましては、以下のとおり手続を見直すこととしてはどうかと提案させていただくものでございます。
 その下にポツがございまして、以下の書類を保険局医療課に提出することとし、変更の適否につきましては、先進医療会議において審議の上判断する。マル1、別紙1の様式、あとは、マル2、ロードマップというものでございます。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ただいまの御説明について何か質問等ございますでしょうか。
 特にないですね。それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思いますが、今の事務局の提案どおりの決定にしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、先進医療技術の保険導入についての資料が事務局から提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 まず、先-5-1に基づきまして御説明させていただきます。こちらの資料の趣旨になりますが、令和5年12月に開催されました第127回先進医療会議、あと、令和6年1月に開催されました第128回先進医療会議におきまして、令和6年度診療報酬改定に向けた先進医療技術の御評価をいただきました。先進医療会議において御評価いただいた結果を踏まえまして、中医協で議論が行われ、最終的に診療報酬改定として対応すべき技術が決定してございますので、こちらについて御報告を申し上げます。
 また、第127回先進医療会議と第128回先進医療会議において御議論いただきました資料については、それぞれ参考資料1、参考資料2とつけさせていただいてございますので、こちらは適宜御参照いただけますと幸いでございます。
 資料に基づきまして御報告に移りたいと思います。
 まず、先-5-1の資料につきましては、令和6年2月14日に開催された中医協におきまして、令和6年度診療報酬改定に係る答申が行われたものでございます。そちらの資料から、関係部のみ抜粋させていただきました。
 こちらの2ページ目の上方にございます、「診療報酬改定において対応する優先度が高い技術のうち、先進医療として実施されているもの」のところを御覧いただければと存じます。こちらに掲載されている技術は最終的に保険適用とすることが決定された先進医療に係る技術でございます。
 具体的な技術名でございます。まず、陽子線治療及び重粒子線治療の一部の適応症、そして腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術、腹腔鏡下スリーブ状胃切除及び十二指腸空腸バイパス術、そして遺伝子パネル検査による遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子診断の遺伝カウンセリングの部分に係るものが対象となってございます。
 下の※印には、陽子線治療と重粒子線治療において拡大される適応症が記載されてございまして、いずれも、第128回先進医療会議において十分な科学的根拠があるものと御評価いただいたものでございます。
 診療報酬改定に係る御報告は以上となってございます。
 次に、先-5-2にお移りいただけますでしょうか。こちらは中医協に御報告させていただきました資料でございます。先ほど、先-5-1で御報告させていただきました保険適用となる先進医療技術と先-5-2に記載しております削除となるもの以外の先進医療技術につきましては、引き続き先進医療として継続するという形となってございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○新井座長
 ただいまの御説明について何か御質問等ございますでしょうか。
 特にないようですね。
 ありがとうございました。
 それでは次に、先進医療実施医療機関からの報告についての資料が提出されてございますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料、先-6に基づきまして御説明させていただきます。
 まず、「経緯の概要」でございます。平成20年の先進医療告示第2項各号に掲げられた先進医療のうち、平成24年11月30日に先進医療会議において先進医療Bへ振り分けることとされた技術については、暫定的に先進医療A、以下「暫定A」と申し上げますが、として実施しているところでございます。
 暫定Aの取扱いについては、平成29年1月12日に開催した本会議において審議いただき、以下の点線囲みのように決定しております。
 続いて3つ目の中ポツでございますが、先進医療A告示番号7番「末梢血単核球移植による血管再生治療」につきましては、暫定Aの技術でございまして、現在は三重大学医学部附属病院(以下、同病院という。)において、1名の患者が組み入れられております。
 令和5年12月7日の第127回先進医療会議におきまして、事務局より暫定A技術の組入れ患者数を会議に御報告させていただいたところ、当該1名の患者の治療状況について、同病院に照会するよう御指摘いただきました。
 このたび、同病院より、先進医療会議からの御指摘を踏まえ、当該1名の治療状況についての報告がございました。
 その報告内容が別紙4となっておりますので、別紙4を御覧ください。
 まず、1つ目の照会事項として、「当該技術を実施している1症例の治療経過について」を御紹介しておりまして、具体的な治療経過について回答いただいております。
 続いてページをおめくりいただきまして2ページ目でございますが、今後、当該先進医療を実施する可能性についても御紹介させていただいております。
 なお、参考資料3の資料につきましては、令和5年12月の第127回先進医療会議の資料を添付しております。
 先-6にお戻りいただいてもよろしいでしょうか。
 下方の3でございますが、これらを御確認いただきました上で、今後の対応について御審議いただきたいと考えております。
 事務局からの説明は以上となります。
○新井座長
 ただいまの御説明について何か質問等ございますでしょうか。
 竹内先生、何か御意見ございますでしょうか。
○竹内構成員
 これは先ほど御承認いただいた案件と似た技術でございまして、2017年以降行われていないということです。先ほど審議いただいた案件でも、治療を受けるチャンスがあるとは思われました。
○新井座長
 ありがとうございます。もう一方、佐藤先生、何か御意見ございますでしょうか。
○佐藤構成員
 私、手挙げてなかったです。コメントですか。
○新井座長
 はい。コメントを。
○佐藤構成員
 分かりました。竹内先生、今の患者さんを、先ほどの私が担当したところに組入れ可能か、多分、今の患者さん、バージャーで、先ほどはASOなので、入れないのではないかなとは思いますけれども。
○竹内構成員
 すみません。バージャーも認めていただいてなかったでしょうか。
○佐藤構成員
 バージャーはたしか一旦終了になっていたかと。
○新井座長
 お聞きしたかったことは、今御説明のあった先-6の技術について、一応もうこれで取消しをすることの妥当性を御意見いただきたかったのですけれども、その辺は、佐藤先生、いかがお考えかと。
○佐藤構成員
 これはもう2017年からこの治療をやっておりませんので、本当に効いているかどうかも置いておいたとしても、何らかの期待感があったら丸々6年も7年もやってないということはないと思いますので、実際もうこれはやらないということだと思いますし、評価不能だと思いますから、取下げていただくということが妥当だと思います。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。ほか、何か御意見はございますでしょうか。
 ほかに特に御意見がないようでしたら、ただいまの議論を踏まえまして、本技術につきましては先進医療を取り消すということで決定させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 どうもありがとうございました。ほかに御意見なく、異議なしということにさせていただきます。
 本日の議題は、残り「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。特段ございません。
○新井座長
 構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
 次回の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和6年4月10日(水)13時から予定しています。いつもと曜日と開催時間が異なるので、御注意ください。場所については別途御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第130回「先進医療会議」はこれをもって終了といたします。皆様の御協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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