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2024年2月8日 第129回先進医療会議

○日時

令和6年2月8日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 
佐藤構成員 滝田構成員 手良向構成員 長瀬構成員 比企構成員 松山構成員
山本構成員 渡辺構成員 矢冨技術専門委員


【事務局】

医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官 医療課長補佐 
研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 先進医療機器審査調整官 他

 

○議題

1 新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-1)(別紙1)(別紙2)
 
2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙3)

3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-3)(別紙4)

4 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて 
(先-4)

5 その他
 


○議事

16:00開会

 

 ○新井座長
 それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催したく存じます。
 まず初めに、構成員の先生方の出欠状況ですけれども、全員御出席であります。
 また、先進医療Aに関わる新規技術の科学的評価等に係る審議のため、矢冨技術専門委員に御出席いただいております。なお、矢冨技術専門委員におかれましては、議題2「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」が終了した時点で御退出いただいて構いませんので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の確認を事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿に続きまして、「新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として、先-1の資料がございます。こちらには別紙1、別紙2がついてございます。
 続きまして、「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」として、先-2の資料がございます。こちらには別紙3がついてございます。
 続きまして、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」として、先-3の資料がございます。こちらには別紙4がついてございます。
 最後に、「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」として、先-4がございます。
 資料につきましては以上でございます。
 なお、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者の先生におかれましては、会議資料(公開資料)のページ又はタブレット資料(非公開資料)のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 資料等についてはよろしいでしょうか。
 はい。よろしいようですね。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 松山構成員及び比企構成員より、新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて、における受理番号164の技術について報告がございました。
 また、竹内構成員より、先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について、における整理番号352の技術について報告がございました。
 松山構成員及び竹内構成員におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 比企構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることができますが、議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、「新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されております。2件ございます。まず、1件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、松山構成員は当該技術に関する検討には加わらないことになりますので、大変申し訳ありませんが、御退席いただくようお願いいたします。
(松山構成員退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、資料について御説明させていただきます。今回先進医療の新規届出技術について振り分け審議をいただく技術が2件ございます。
 まず、1件目について、先-1の資料に基づき御説明させていただきます。1件目の技術は、受理番号164番、技術名は「子宮腺筋症病巣除去術」でございます。適応症につきましては、子宮温存を希望する、もしくは妊孕性温存を希望する子宮腺筋症患者でございます。今回東京大学医学部附属病院から申請がございました。係る費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。「別紙1-1」にお移りいただき、1ページ目を御覧いただければと思います。
 まず初めに、内容の「(概要)」の2段落目のところでございますけれども、子宮線筋症の治療選択肢には、薬物治療としては対症療法・ホルモン療法がある。手術療法としては、複雑に正常子宮筋層内に入り込んだ子宮腺筋症病変だけを取り除くことは困難であるとされ、根治療法としては子宮摘出術が選択肢となるが、妊孕性は廃絶してしまう。その一方で、晩婚化・晩産化などの女性のライフサイクルの変化により、子宮腺筋症の好発年齢層に当たる世代で挙児を希望する方が増えており、それに伴い妊孕性の温存を希望する子宮腺筋症患者への対応が問題となっている。子宮温存をしつつ子宮腺筋症の治療をすることができる子宮腺筋症治療は、その重要な選択肢の一つとなるとのことでございます。
 次に、ページをおめくりいただきまして、2ページ目の「効果」の欄でございますが、本技術により、月経困難症・過多月経の症状改善に寄与することが報告されているほか、病変の範囲によっては流産率低下や妊娠高血圧腎症、子宮腺筋症による早産期前期破水の発生を低下させる可能性がある。また、本技術施行後妊娠では周産期リスクが懸念されるものの、周産期管理を高次周産期施設で行うことで術後妊娠の際のリスクを回避できる可能性があるとのことでございます。
 さらに下段の最後の段落のところでございますが、なお、本技術の先進医療としての登録に併せ、日本産科婦人科学会生殖内分泌小研究「子宮腺筋症病巣除去術の患者レジストリのプラットフォーム作成小委員会」により、子宮腺筋症病巣除去術症例の登録システムが立ち上げられ、妊娠時の子宮破裂等の合併症に関する情報を含む、長期的予後調査を行う方針としているとのことでございます。
 ページをおめくりいただきまして、3ページ目のところでございますが、本技術は未承認の医療機器等の使用を伴わない医療技術となってございます。
 先-1にお戻りいただきまして、本技術は、資料先-1下方の備考欄の1番「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く。)」に該当すると考えられましたため、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
 1件目の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に何か質問等ございますでしょうか。
 特にないようです。
 それでは、議事の取りまとめをしたいと思いますが、事務局からよろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 そうしましたら、先ほど御説明いたしましたとおり、比企構成員は当該技術に関する議事の取りまとめには加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席をよろしくお願いいたします。
(比企構成員退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 比企先生、退席されました。
○新井座長
 それでは、議事の取りまとめをしたく存じます。
 特に御意見もございませんので、受理番号164の技術については先進医療Aとして振り分けたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、松山構成員、比企構成員におかれましてはお戻りいただきたく存じますが、よろしいでしょうか。
(松山構成員、比企構成員着席)
○新井座長
 それでは、お二人が戻られましたので、2件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、2件目につきまして御説明させていただきます。先-1の資料にお戻りください。2件目の技術は、受理番号165番、技術名は「自己脂肪組織由来多系統前駆細胞を用いた歯周組織再生療法」でございます。適応症につきましては、既存の歯周組織再生療法の適応にならない重度歯周病でございます。今回大阪大学歯学部附属病院から申請がございました。係る費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙2-1にお移りいただき、1ページ目を御覧いただければと思います。まず初めに、「先進性」のところでございますが、本技術は、従来の歯周組織再生療法では十分な組織再生が見込めないと判断された患者を対象とする。すなわち、歯周病に対する原因除去療法を行った後に歯周外科治療が実施可能と判断された患者のなかから、日本歯周病学会発行の歯周治療のガイドラインに記された歯周組織再生療法の適応とならない歯周組織欠損を有する患者を対象とする。本技術は、これまで治療が困難であった重度歯周病に対する歯周組織再生療法としてunmet medical needsを満たす治療法となるとのことでございます。
 次に「概要」のところでございますが、大阪大学歯学部附属病院および東北大学病院にて、患者からの同意を取得した後、各種スクリーニング検査を実施し、適格基準を満たすことを確認し、登録する。腹部皮下脂肪組織を採取後、同組織をAdipo Medical Technology社に輸送し、脂肪組織由来多系統前駆細胞を単離、培養する。同社にて凍結保存されたADMPCを各病院に輸送し、歯科用骨補填材である炭酸アパタイト製剤と混和したうえで歯周外科手術時に歯槽骨の欠損部に自己移植する。その後、事前に定めたスケジュールに従い、移植36週後まで有効性および安全性に関する各種検査を実施するとのことでございます。
 ページをおめくりいただきまして、2ページ目のところでございますが、本技術は、再生医療等製品の使用を伴う医療技術となってございます。
 先-1にお戻りいただきまして、資料先-1の下方の備考欄の3番目「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術」に該当すると考えられましたため、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 2件目の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について何か質問ございますでしょうか。
 特にないようでございます。ありがとうございました。
 それでは、ただいまの受理番号165の技術については、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、次に「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、竹内構成員は当該技術に関する検討には加わらないことになりますので、大変申し訳ありませんが、御退席いただくようお願いいたします。
(竹内構成員退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、先-2に基づきまして御説明をさせていただきます。今回先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号352番、「Circulating tumor DNAを指標とした微小遺残腫瘍評価」でございます。適応症につきましては、切除可能な進行食道扁平上皮癌となってございまして、係る費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。今回慶應義塾大学病院より申請がございました。
 こちらの事前評価につきましては、比企構成員及び矢冨技術専門委員にお願いしてございまして、比企構成員より適、矢冨技術専門委員より適の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙3の3ページ目を御覧いただければと思います。こちらは当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件の案をお示ししてございます。
 まず、実施責任医師の要件でございますが、診療科は消化器外科が必要。資格は外科専門医が必要。当該診療科の経験年数は5年以上が必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数につきましては不要としております。
 また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は消化器外科であることが必要。実施診療科の医師数は2名以上が必要。そのほかの医療従事者の配置につきましては、がん遺伝子パネル検査に係る実務経験を2年以上有している医師が2名以上が必要。病床数は不要。看護配置は不要。当直体制は不要。緊急手術の実施体制は不要。院内検査(24時間実施体制)は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理委員会による審査体制は必要時に開催。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。その他として遺伝カウンセリングの実施体制が必要としております。
 その他の要件でございますが、頻回の実績報告は不要としております。
 事務局からの説明は以上となります。どうぞよろしくお願いします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 整理番号352の技術については、事前評価を比企構成員にお願いしてございます。比企構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○比企構成員
 ありがとうございます。
 食道がんの手術の周術期の化学療法というのは、エビデンスがまだ完全に出切っていないというか、特に術後補助化学療法に関してエビデンスが出切っていないのですけれども、オンゴーイングでかなりのスタディーが行われているということで、そのオンゴーイングのスタディーが行われている結果、それが標準治療となった場合に、食道がん術後の補助化学療法はかなり患者さんの負担というか、体力的にも負担が激しいですし、あとは金銭的にも経済的にも負担が大きいということで、それを全員にする必要があるのかということで、ある程度スクリーニングの参考にこの技術が用いられないかということが、今回これが先進医療に上がってきている理由でございます。
 この技術に関しては、取りあえずCirculating tumor DNAを指標として微小のがんが体の中にめぐっているかどうかというものを分析するということは、過去の基礎的研究からもある程度確立はされつつある話だと思うのです。あと、技術も採血だけといったらあれですけれども、患者さんの負担もそれほど大きくない技術ですので、特に適応症としては妥当で、有効性も従来の技術を用いるよりはやや有効。腫瘍マーカーみたいなものよりは有効になるのではないか。あと、安全性も問題ないですし、あとは当該分野の専門として経験を積んだ医師の指導下であればこれを行えますし、倫理上は問題ないと思っております。あと、罹患率、有病率から勘案して、普及は現在はしていないということです。効率性はやや効率的にいたしました。将来の保険収載の必要性は、将来保険収載を行うことは妥当になるのではないかと考えまして、適といたしました。非侵襲的な患者負担も大きくないです。食道がん転移のリスクを評価できる方法なので、将来的な転移の予後予測因子になり得る可能性のある研究ではないかと考えております。
 当該技術の医療機関の要件に関して、慶應義塾大学から出されている要件としましては、消化器外科である必要はあるけれども、資格に関しては不要で、経験年数も不要ということだったのですが、普通のただの採血だったらそれでもいいと思うのですけれども、遺伝子パネル検査という非常に重要なものを扱っているのだという理解がないとなかなか。この技術を理解の上でやっていただかないと、無責任なことが起きてしまうとよくないと考えまして、資格に関しては、外科専門医ぐらいは持っていてほしいということで、外科専門医要。そして、当該診療科の経験年数に関しましても、レジデントが終わった頃で、がんに対する知識とか食道がんに対する知識がある程度ついているであろうと考えられる5年目以上、この辺りを経験年数として我々は提案いたしました。あとはほとんど同じになっています。
 以上でございます。ありがとうございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、矢冨技術専門委員より評価結果について御説明をお願いいたします。
○矢冨技術専門委員
 ただいま比企先生から御説明がありましたけれども、私もほぼ同感であります。非常に有用な検査と考えております。
 順番に行きますと、適応症に関しては妥当だと思います。有効性に関しましては、私自身は同様の検査技術というのはこれまでないという判断から、大幅に有効とさせていただきました。安全性は、先ほども御説明いただきましたように、採血だけですので全く問題ありません。技術的成熟度に関しては、当該分野を専門とし数多く経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば行えると考えます。倫理的問題等はありません。現時点での普及性に関してですが、これは現時点での普及ということであれば、Cの普及していないということになろうかと思いますが、もしこの検査が動き出せば、食道がんの罹患率を考えて、かなり普及すると考えられます。要するに、普及性ということでAにいたしましたけれども、意図していることは比企委員と全く同じと考えておりますので、私の理解不足がありましたら御容赦いただければと思います。効率性に関しましては、同等な検査が今ないということで、大幅に効率的とさせていただきました。将来の保険収載の必要性に関してはA、保険収載を行うことが妥当とさせていただきました。総合判定としては適で、コメントとしましては「ctDNA検査の精度管理に関して要確認」と書かせていただきました。これはNGSを使った非常に高度な遺伝子関連検査であり、しかも医療機関内で行うということでありましたので、精度管理に関わる記述が必要だと考えましたが、当初の研究実施計画書には記載がなかったので、このことを指摘させていただきました。
 具体的には、遺伝子関連検査を含む検体検査の精度に関わる改正医療法が平成29年6月に公布されて、翌年12月に施行細則を含めて施行となっておりますが、これに関する記述を入れていただきたいと考えておりましたら、そのとおりに研究実施計画書を修正していただけましたので、私としてはこの点もクリアされて問題ないと考えております。
 あと一つ、細かいことですけれども、当該技術の医療機関の要件のところで、その他医療従事者の配置のところは要で、「臨床工学技士」となっていますが、これは恐らく「臨床検査技師」ではないかと思いますので、その点だけ指摘させていただきます。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今、矢冨先生から御指摘がありましたその他の医療従事者の配置について、事務局、よろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 矢冨先生、貴重な御指摘ありがとうございます。その臨床工学技士の記載につきましては、会議後、早急に医療機関には確認させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○新井座長
 分かりました。これは場合によっては「臨床検査技師」に変更ということがあり得るということで、御承知おきいただきたいと思います。
 ほかに何か御意見ございますでしょうか。
 渡辺先生、よろしくお願いします。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺です。
 医学的な見解からの比企先生のお話とかこの文章というのは非常に納得いくもので、検査の有用性というのも研究の有用性もよく理解できるのですが、患者さんの感情的な考え方という視点から2つ教えていただきたい点がございます。
 1つは、参考資料の471ページ~472ページにこの検査の背景が記載されている。非常に詳細に書いてあるのですけれども、先ほど比企先生もちょっとおっしゃられたように、欧米の標準治療というのは術後の化学療法、放射線療法が組み合わさって、そちらが標準になっていると。472ページには日本の結果と長期成績が大きく異なるという表現がございます。そのためだと思うのですけれども、本邦では、2022年のガイドラインではエビデンスのDという形になっているのですが、今回はランダマイズドテストが進んでいる段階だと。
 どちらかというと日本はちょっと引いているけれども、欧米では術後療法を行っているという現状の中で、例えば今回の患者さんの説明文書の中にそのような記載は一切なくてよいのかという議論がちょっとありました。分かりやすく言いますと、僕は小児科なので、未熟児網膜症のときに、一部の外国のほうで酸素療法が非常に有用だという論文が出た段階で、日本で導入していなかったときに、裁判ではその後負けていったという経験があるもので、全然レベルが違うのですけれども、欧米では有用だということになっているけれども、日本では今のところそのエビデンスがない。人種の問題か、いろんなファクターがあるのだとは思うのですが、その場合に患者さんにその情報を伝えなくていいのかどうかという疑問が1点ございます。
 もう一点は、511ページに患者さんの説明文書がありますけれども、例えばこの研究でこの検査が陽性だった場合に、それでも標準治療なのだから治療しないのだということが書いてあるのです。これは比企先生が先ほど御説明されたように、QOLのことを考えたら、化学療法というのは一概によくないのだということもちゃんと記載はあるのですが、患者側の視点からすると、陽性になるということはリスクが高いと考えたときに、それでも。経過観察というのは、医者側はそういう見方をするのですけれども、患者側からすると、放置されているような印象をどうしても受けるので、そのときの説明文書としては、511ページの文書では患者さんの不安感が取れないのではないかという2点がありまして、これは医学的な質問ではなくて、ちょっと感情的な質問として、ぜひ御専門の先生の御意見を伺いたいと思いました。比企先生、お答えいただけるならぜひ教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○比企構成員
 ありがとうございます。
 渡辺先生、非常に重要な御指摘だと考えております。1点目については、欧米の食道がんと日本の食道がんは、細胞型というか、組織型が全然違うのです。欧米は腺がんというものが多くて、日本の食道がんに関しては扁平上皮がんというものが多くて、そういった意味では、欧米では腺がんにおいてはかなりいいエビデンスが出ているけれども、扁平上皮がんに関しては、エビデンスの中の非常にマイノリティーというか、あまり多くないデータであるということで、その辺りが日本との違いなのですけれども、そこまで患者さんに示したほうがいいということであれば、ある程度その辺りを勘案して説明文書なりプロトコルなりを少し変更してもらう必要があるのかもしれません。先生のおっしゃるとおり。
 扁平上皮がん中心の食道がんに対するエビデンスを今、出している最中といったところが。本当はそのエビデンスが完全に出てからこの検査の保険を取りに行くべきだということもあるのでしょうけれども、その辺りは先生方の御判断もちょっといただきたいなといったところでございます。
 あと、非侵襲的なものであって、さらに非常に参考になるようなデータになるであろうということであれば、これで完全に決定をするデータになるかどうかというのはともかくとして、科学的には非常に興味があるということはあります。
 2番目の御意見に関してでございますが、これも非常に重要なことで、コロレクタル、特に大腸、直腸の領域でございますけれども、この領域にはWatch and Wait、完全に何もせずに見るというような概念がある程度欧米で盛んに行われていまして、あるクライテリアの患者さんにおいてはそういったことをしたり、あとは年齢です。高齢者が増えていますので、高齢者がんに関してはそういったWatch and Waitというのもあるというぐらいなので、その辺りの年齢とかを加味して、再発の可能性も少ないし、将来的に術後補助化学療法をやめておきましょうという話になるのではないかと思うので、本当は標準治療だけれども、併存症などのリスクとか、高齢化によるリスクとか、そういったものを勘案して併せて判断することがあります、標準治療をやらないことがありますということを説明文にしっかり書く必要は、先生がおっしゃるようにあると思っております。
 以上、稚拙でございますが、御説明としてよろしいでしょうか。
○渡辺構成員
 ありがとうございました。よく分かりました。
○新井座長
 渡辺先生、よろしいでしょうか。
 はい。
 ほかに何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、特に御意見がないようですので、事前評価どおりの結果をもって決定といたしたいと思います。ありがとうございました。よろしいでしょうか。特に御異議ないようです。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、御参加いただきました矢冨技術専門委員におかれましては、御退席いただいても差し支えございませんので、よろしくお願いいたします。御協力に心より御礼申し上げます。
○矢冨技術専門委員
 了解しました。
(矢冨技術専門委員退席)
○新井座長
 ありがとうございました。
 また、竹内構成員におかれましては、お戻りいただいてもよろしいでしょうか。
(竹内構成員着席)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、次に、事務局から「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、御説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3に基づきまして御説明させていただきます。今回御審議いただきます技術でございますが、整理番号171番、「タミバロテン内服投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法」でございます。適応症が二次治療抵抗性又は不耐の治癒切除不能膵臓がんとなってございます。申請医療機関につきましては名古屋大学医学部附属病院でございまして、費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、山本構成員に御担当いただいておりまして、事前評価の総評としましては条件付き適と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上となります。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
 今、御説明のあった整理番号171の技術につきましては、事前評価を山本構成員にお願いしてございますので、山本構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をよろしくお願いします。
○山本構成員
 山本です。
 今、御紹介のあった先進医療の名称、タミバロテンの内服とペムブロリズマブを膵臓がんに対して同時投与を行って有効性を調べるというものでございます。まず、先進技術としての適格性、いきなり結果が出ていますが、これについて記載した部分について御報告申し上げます。
 社会的妥当性につきましては、説明同意文書などにこの治療法で得られる効果、副作用、そのリスクも含めて適切に記載されておりましたので、倫理的問題はないと判断いたしました。現時点での普及性につきましては、タミバロテンは、もともと造血器悪性腫瘍に使われているお薬でありますし、ペムブロリズマブは広く使われている免疫チェックポイント阻害剤ではありますが、膵臓がんには適応がないので、これはどう考えても普及しているとは考えられませんので、Cとさせていただきました。
 効率性につきましては、この試験は今回両薬剤の併用を二次治療抵抗性の膵臓がんに初めて行うという有効性探索試験というふうに理解されますので、効率性のA、B、Cのどれかを選択するとなると、どう考えてもAとBを選択するわけにはいかないというところもありますので、探索性の位置づけから考えますと、Cとさせていただきました。
 その次の将来の保険収載の必要性につきましては、現時点では探索的研究の域を出ませんので、将来的に保険収載に向かえるかどうかは、この結果だけでは判断が難しいと思いました。実際問題、保険収載に向かうには適応追加を行わなければならないわけですが、それを研究者側で実際できるわけではないので、まず結果が出てから、その後の検証的試験などについては企業側との相談も必要になると考えましたので、将来的な保険収載に向かえるかどうかは、この試験だけでは難しいと思いました。ただ、研究者の目指す良好な結果は、後にも書いてありますが、期待奏効割合30%と設定されていますので、目指す良好な結果が得られた場合には次につながる可能性が残されると考えますが、この試験規模、すなわち、12例の結果で保険収載を検討するのはさすがにちょっと早いだろうと思いましたので、このように書かせていただきました。ただ、先ほど申し上げたとおり、良好な結果が得られれば、お薬を開発・販売している企業側との交渉の余地は十分残されると考えます。
 総評につきましては、条件付き適とさせていただきましたが、これは最初に頂いた資料を拝見したときに、ロードマップを拝見しますと、薬事承認申請が最終的なゴールとして設定されているわけですが、正直申し上げると、その道のりは非常に長いものだと思います。しかも、三次化学療法の対象の膵臓がんに期待奏効割合30%というのは、本当にこれを期待しているのかと。もちろん、30%出ればすごいことなのですけれども、現在の膵臓がんの治療成績から考えますと、三次治療で30%の期待奏効割合というのは、かなり期待し過ぎているのではないかなという印象もありました。
 先ほどから申し上げておりますが、試験の位置づけとして探索的な研究の域を出ない状況だと思いましたので、ヒトに初めてこの併用療法を行うのであれば、主要評価項目、これは有効性と銘打ってありますが、初めて使うのであれば安全性評価ではないかという印象もありましたので、このような条件付き適とさせていただきました。先進技術としての適格性に関してはこのように結論づけさせていただきました。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について何か御質問等ございますでしょうか。
 特にないようでしょうか。
 山本先生、座長からお尋ねしますけれども、一応条件付き適として、先進医療として行って、先生の御指摘の安全性評価を主眼に置いてこの12症例の結果を十分に吟味した上で次のステップをどうするかということを検討する、そういった形での先進医療ということでよろしいでしょうか。
○山本構成員
 研究計画書も拝見しましたら、安全性評価をしないとは書いてありません。安全性評価も十分行うということが記載してありますので、そこは全く懸念点はないと思いますが、抗悪性腫瘍薬をヒトに使うときに初めての併用試験を行うのであれば、やはり安全性評価というのは非常に重要になると思いますので、その位置づけをしっかり持ってほしいと思いまして、こういうコメントとさせていただきましたが、両方しっかり評価されるということが記載してありますので、ここに関しては実施に関して異存があるわけではないのですが、注意喚起的なコメントとして捉えていただければと思いました。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か御意見はございますでしょうか。竹内先生、よろしくお願いします。
○竹内構成員
 先進医療技術審査部会での審査も安全性についてかなり慎重な御意見をたくさんいただきました。これは0例特例になっていまして、1例1例安全性をチェックし、1例目が安全性評価を終えた後に2例目投与を開始する。そして3例目までの安全性評価をもって、これを報告していただいて、安全性が確認された上で、4例目以降を行うという形になっております。安全性については、今、山本先生からお話しいただいたとおり、かなり技術審査部会と申請医療機関とのやり取り、照会事項も含めて綿密に申請医療機関のほうで修正をいただいたという経緯がございます。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますでしょうか。
 今の竹内先生からの御説明、山本先生、このような形でよろしいでしょうか。
○山本構成員
 はい。異存ありません。1例1例見ていただくというのは非常に時間がかかって大変なことだと思うのですが、そのスタンスには全く異存はありません。
 以上です。
○新井座長
 ほかに何か御意見はございますでしょうか。
 今、山本先生、竹内先生との質疑応答を踏まえまして、事前評価、条件付き適としていただきましたけれども、条件付き適の意味合いは今のような内容であることを申請者に十分伝えた上で、評価結果をまとめてもよろしいですか、事務局。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 仮にでございますけれども、もし追加で修正等を医療機関に求める場合には条件付き適という考え方かと思っております。そのような場合がなく、現時点の修正案をもって会議としてお認めいただく場合には、適という御評価をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 よろしいでしょうか。
 山本先生、それでよろしいでしょうか。
○山本構成員
 はい。異存ありません。
○新井座長
 ですから、今日のこの会議での議論を十分に申請者に伝えた上で、適という判断でお認めいただくと。こういう結論にしたく存じます。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、事務局から「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 現在申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が1件ございましたので、資料先-4に基づきまして御説明いたします。こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。告示番号17番、治療抵抗性の子宮頸がんに対するシスプラチンによる閉鎖循環下骨盤内非均衡灌流療法という技術名でございます。取下げ理由のところでございますが、研究資金の調達ができず、研究の継続が不可能となったため、予定症例数に未達で終了いたしました。なお、総括報告書を追って提出いたします。また、登録症例数7例の長期予後については観察研究を行い、その結果を先進医療技術審査部会に報告いたしますとのことでございます。
 説明は以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について何か質問等ございますでしょうか。
 特にないようでございます。
 どうもありがとうございました。
 さて、本日の議題は、残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 特にございません。
○新井座長
 構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 特にないようですね。
 それでは、本日の議論は以上としたいと存じます。
 次回の開催について事務局から御説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和6年3月7日16時からを予定しております。場所につきましては別途御連絡させていただきます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第129回「先進医療会議」はこれをもって終了といたします。御協力に御礼申し上げます。ありがとうございました。
 

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